Orthodontic bracket support tool

申请号 JP2000514576 申请日 1998-09-02 公开(公告)号 JP4105383B2 公开(公告)日 2008-06-25
申请人 スリーエム カンパニー; 发明人 ランドール イー. アダム; エス. ケリー,ジョン; エー. ジョーダン,ラッセル;
摘要
权利要求
  • 歯科矯正ブラケット(22−22h)を備える組立体(20−20h)であって、前記歯科矯正ブラケット(22−22h)が:
    基部(26)と、前記基部(26)から延びる本体(28)と、前記本体(28)から遠ざかるように延びる少なくとも二つの対向する結合ウィング(30,32)と、を有しており、前記基部(26)と少なくとも1つの前記結合ウィング(30)とが本体(28)を越えて歯肉方向に延びて歯肉側凹部(38)を形成し、前記基部(26)と少なくとも他の1つの前記結合ウィング(32)とが本体(28)を越えて咬合方向に延びて咬合側凹部(40)を形成するようになっている歯科矯正ブラケット(22−22h)において;
    前記組立体(20−20h)が、相手方に向かって延びる一対のアーム(42−42h,44−44h)を備えた 長形の筒状部材を有する支持具(24,24h)を含んでいて、前記アーム(42−42h,44−44h)の各々は外端部分(46)を有し、それら外端部分は互いに離間配置されてその間にチャネル(46,46c,46d)を形成し、前記ブラケット(22−22h)が、前記チャネル(46,46c,46d)内に配置されて、一方の前記外端部分が前記咬合側凹部(40)内に延びるとともに他方の前記外端部分が前記歯肉側凹部(38)内に延びるようにして前記アーム(42−42h,44−44h)に支持されることを特徴とする、
    組立体。
  • 歯科矯正ブラケット(22−22h)の支持方法において:
    相手方に向かって延びる一対のアーム(42−42h,44−44h)を備えた 長形の筒状部材を有する支持具(24−24h)であって、各アーム(42−42h,44−44h)は外端部分を有し、それら外端部分が互いに離間配置されてその間にチャネル(46,46c,46d)を形成するようになっている支持具(24−24h)を用意するステップと、
    一方の前記外端部分がブラケットの咬合側凹部(40)に受容され、他方の前記外端部分が該ブラケットの歯肉側凹部(38)に受容される状態で、該ブラケット(22−22h)がそれら外端部分の間に位置するまで、前記チャネル(46,46c,46d)に沿って該ブラケット(22−22h)を移動させるステップと、
    を具備する方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    産業上の利用分野本発明は、歯科矯正治療用のブラケットを支持するための支持具に関する。 この支持具は、ブラケットの製造中において、あるいは最終使用者への発送のためにブラケットを容器に収容する際に、そしてまた歯科治療室において患者の歯の表面への装着準備のためにブラケットが準備トレー内に配置される際に、かかるブラケットを支持するのに特に有用である。
    【0002】
    従来の技術歯科矯正治療は、歯並びの悪い歯を正しい位置に移動することに関わる治療である。 ブラケットとして知られる小さな歯科矯正器具が患者の歯の表面に装着され、アーチワイヤが各ブラケット上のスロットに通される。 アーチワイヤは望ましいかみ合わせ位置へ歯の移動を案内する軌道を形成する。
    【0003】
    従来、歯科矯正ブラケットは、各ブラケットをバンドに溶着または蝋付けし、同バンドが矯正する歯のまわりを包むように取付けられることにより、歯に装着された。 しかしながら、最近では、歯科矯正ブラケットを歯の表面に直接接着することが一般的になっている。 歯の表面に直接接着されるブラケットはバンドに溶着されるブラケットよりも見栄えが良く、歯科矯正治療につきものの「ピカピカ光る歯」あるいは「金属様の口元」の外見を和らげるのを助ける。
    【0004】
    長年にわたり、ブラケットを歯に取付ける直前に歯科矯正用接着剤を直接接着されるブラケットの基部に塗布するのが一般的な方法であった。 ある場合には、適量の接着剤がミキシングパッドあるいは調剤皿の上に小出しにされ、小型のヘラあるいは他の器具を使用して、少量の接着剤が各ブラケットに塗布された。 他の場合においては、適量の接着剤が、注射器から直接ブラケットの基部に供給された。
    【0005】
    また、接着剤で下塗りされたブラケットが現在利用可能であり、矯正歯科医のために大きな利点を供している。 接着剤で下塗りされるブラケットは接着用基部を有し、その上に製造業者は適量の光硬化性接着剤等の接着剤を塗布してきた。 ブラケットを歯に装着する際には、ブラケットはただパッケージから外され、歯の表面に直接取付けられる。
    【0006】
    接着剤で下塗りされたブラケットの例は米国特許4,978,007号、5,015,180号および5,328,363号に記載されており、それらすべては本発明の譲受け人に譲渡されている。 それらの特許に開示された発明のある実施例においては、ブラケットと接着剤が容器内にパッケージされており、同容器は、接着剤を光、蒸発作用、酸化、汚れ、汚染、湿気、および昇華から保護する。 これらの実施例の幾つかにおいては、パッケージされたブラケット上の接着剤の被膜は、剥離ライナーまたは使用のためにブラケットがパッケージから持ち上げられる際に接着剤の機能が妨げられるのを防ぐ被膜と接触している。
    【0007】
    その利点が理解できるように、接着剤で下塗りされたブラケットは、矯正歯科医の時間を大幅に節約する。 なぜならば、ブラケットを患者の歯に取付ける前に、接着剤を各ブラケットの基部に注意深く塗布する必要がないからである。 加えて、ブラケット装着時に、実質的にブラケット基部と歯との間を埋めるための十分な接着剤を確保し、かつブラケット基部の周りの余分な掃除を必要とするであろう過剰量の接着剤がないように、製造業者は、ブラケットにつける接着剤の量を調整することができる。 任意に、硬化ランプを稼動し、接着剤を硬化してブラケットをしっかりと定位置に固定する前に、ブラケットが念入りに歯の表面上の適正な向きに装着できるように、接着剤は光硬化性接着剤である。
    【0008】
    発明が解決しようとする課題概して、剥離ライナーまたは被膜を有するパッケージに収容される接着剤下塗り型ブラケットのための接着剤は、一つには接着剤がその形を保持し、使用のためにブラケットがパッケージから外される際に分離あるいは変形しないことを確実にするために、他の入手可能なブラケット接合用接着剤よりも粘度が高い(すなわち流動性の度合いが低い)。 しかしながら、矯正歯科医の中には、接着剤の硬化前のブラケットの取扱いを容易にするために、粘度の低い(すなわち、より流動性に富む)接着剤を好む者もいる。 例えば、低粘度の接着剤を用いるブラケットは、接着剤の硬化前にブラケットを歯の上の適切で正確な向きに整列させようとするとき、歯の表面に沿って比較的容易に摺動する。
    【0009】
    診療医の中には、光硬化性接着剤よりも(3M Unitek Corporationの販売するUnite商標の接着剤などの)二成分化学硬化性接着剤を好む者もいる。 従来、化学硬化性接着剤の一成分を各ブラケットの基部に塗布して歯科矯正ブラケットをパッケージし、次に、ひとたびブラケットをパッケージから外したときに、第二の成分を各ブラケットの基部および/または患者の歯に塗布する方法が提案されてきた。 現在、当業界においては、化学硬化性接着剤と光硬化性接着剤の両方に適するように改良されたパッケージに対する需要がある。
    【0010】
    さらに、歯科矯正ブラケットの製造を最適化することに対する関心が高まっている。 例えば、製造最適化には、製造作業からパッケージ作業へ移る際のブラケットの取扱い工程の自動化およびブラケットが接着剤被膜とともに販売される場合の接着剤のブラケット基部への塗布作業効率改善を含んでもよい。 製造工程におけるかかる改善は、費用と処理時間を低減可能であるのみならず、人的過失に伴う問題を減少させるであろう。
    【0011】
    課題を解決するための手段本発明は、製造時およびブラケットを発送用容器に収容する際や歯科治療室において準備トレー内に配置する際の歯科矯正ブラケットの支持のための方法と装置に向けられている。 本発明においては、相手方に向かって延び、ブラケットの結合ウィングとブラケット基部との間に位置するそれぞれの凹部においてブラケットと係合するアームを備えた筒状部材を有する支持具が用いられる。
    【0012】
    より詳しくは、一面において、本発明は歯科矯正ブラケットと支持具を含む組立体に関するものである。 この歯科矯正ブラケットは、基部と、基部から延びる本体と、本体から離れるように延びる、少なくとも二つの対向する結合ウィングとを有する。 基部と少なくとも一つの結合ウィングとが本体を越えて歯肉方向に延びて歯肉側凹部を形成する。 基部と少なくとも他の一つの結合ウィングとが本体を越えて咬合方向に延びて咬合側凹部を形成する。 支持具は、相手方に向かって延びる一対のアームを備えた筒状部材を有している。 各アームは外端部分を有し、それらの外端部分は互いに離間配置されてその間にチャネルを形成する。 ブラケットはチャネル内に位置し、外端部分の一つを咬合側凹部内に延ばし、外端部のもう一方を歯肉側凹部内に延ばすアームによって支持される。
    【0013】
    もう一つの側面において、本発明は歯科矯正ブラケットを支持する方法に関し、相手方に向かって延びる一対のアームを備えた筒状部材を有する支持具を供するステップを含む。 この方法において、各アームは外端部分を備え、同外端部分は互いに離間配置されてその間にチャネルを形成する。 同方法は、また、ブラケットを、それが外端部分の間に位置し、外端部分の一方がブラケットの咬合側凹部に受容され、他方の外端部分がブラケットの歯肉側凹部に受容されるように、チャネルに沿って移動させるステップを含む。 本発明の更なる詳細は、請求項において定義されている。
    【0014】
    実施例本発明の一実施例による歯科矯正組立体が図1および2に表されており、参照番号20により全般にわたり示されている。 同組立体20は、歯科矯正ブラケット22と、同ブラケット22を取外し可能に支持するための支持具24とを含んでいる。
    【0015】
    ブラケット22は、対象となる歯の凸状輪郭に合うように調整された合成陥凹外形を有する歯に面する基部26を備える。 本体28は基部26から外に延び、また少なくとも二つの結合ウィングが本体28から遠ざかるように延びる。 具体例として図1および2に示されるブラケット22は、本体28の一方の側に接続された、離間配置される一対の歯肉側結合ウィング30を有する「双子型結合ウィング」ブラケットと、本体28の反対側に接続された、離間配置される一対の咬合側結合ウィング32である。 しかしながら、この点に関し、単型歯肉側結合ウィングと単型咬合側結合ウィングを有する「単型結合ウィング」ブラケットを、図示のブラケット22に代わるものとして組立体20とともに用いてもよいと了解されるべきである。
    【0016】
    さらに、ブラケット22は図示されたもの以外の形状でもよい。 例えば、ブラケット22は屈曲させたもの及び/又は選択された治療技術にしたがい、ねじりのを加えて製造したものでもよい。 また、ブラケット22の製造には、(ステンレス鋼等の)金属、(ポリカーボネートなどの)プラスチックあるいは(単結晶または多結晶アルミナなどの)セラミックを含む、様々な材料のいずれを用いてもよい。 もしプラスチックかセラミック製であれば、ブラケット22は、患者の歯の色が同ブラケットを通して見えるように半透明であることが好ましい。
    【0017】
    アーチワイヤ用スロット34は、一対の歯肉側結合ウィング30と一対の咬合側結合ウィング32との間に位置しており、その舌側において本体28の唇側面により画成される。 必ずしも必要ではないが、好ましくは、ブラケット22を患者の歯の外面に固定するために、一定量の歯科矯正用接着剤36がブラケット22の基部26に沿って広がる。 好ましい接着剤36には光硬化性接着剤が含まれる。 なぜならば、かかる接着剤は、都合のよいときに矯正歯科医がブラケットを正確に歯の上に装着し、その後、接着剤を硬化してブラケット22を適切な位置にしっかりと固定する際に光源を作動させることを容易ならしめるからである。
    【0018】
    適当な光硬化性ブラケット用接着剤は、例えば、米国特許第5,575,645号に記されている。 特に好ましい接着剤は、ともに3M Unitek Corporationより販売されている、Transbond XT商標の接着剤あるいはTransbond LR商標の接着剤である。
    【0019】
    組立体10は、あるいは、3M Unitek Corporationの販売するUnite商標の接着剤などの化学硬化性接着剤を含んでもよい。 この代替物においては、接着剤の一成分が製造業者により基部26に下塗りされ、ひとたびブラケット22が支持具24から外されれば、第二の成分が診療医により塗布される。 例えば、基部26が一定量の第二の成分を含むスポンジに対して押つけられるか、または第二の成分が患者の歯にブラシで塗られてもよい。
    【0020】
    図1および2の参照により分かるように、ブラケット22の基部26は、本体28を越えて咬合および歯肉の方向へと延びる。 歯肉側凹部38は、本体28を越えて歯肉方向へ延びる歯肉側結合ウィング30の部分と基部26との間に位置し、咬合側凹部40は本体28を越えて咬合方向に延びる咬合側結合ウィング32の部分と基部26との間に位置する。 凹部38、40は、しばしば従来の歯科矯正ブラケットにおいて、治療時にアーチワイヤ用スロット内にアーチワイヤを固定するのに用いられるエラストマー製Oリングや結束用針金などの結紮糸を収容するために設けられる。
    【0021】
    図1および2に示される実施例の支持具24は相手方に向かって延びる一対のアーム42、44を備えた中空円筒状の部材を含む。 各アーム42、44は外端部分を有し、アーム42の外端部分はアーム44の外端部分と間隔をおいて設けられ、アーム42、44の間にはチャネル46(図2)が形成される。
    【0022】
    ブラケット22はチャネル46内に位置し、アーム42、42により支持される。 図に示されるように、アーム42の端部は歯肉側凹部38内へ延び、アーム44の端部は咬合側凹部40内へ延びる。 好ましくは、ブラケット22は、基部26とその上に塗布された(接着剤36などの)何らかの接着剤が、支持具24の対向部(すなわち、図1における底部)から間隔をおいて設けられるようにアーム42、44により支持される。 アーム42、44の端部は、図1および2のごとく、結合ウィング30、32と基部26のほぼ中間の位置で本体28の一部に接することにより、ブラケット22を支持してもよく、あるいは、チャネル46の幅が本体28の幅よりも広い場合かブラケット22が図1および2で見て下方に圧迫されるときに起こり得るように、結合ウィング30、32の下面に接することにより(そして任意に、本体28の隣接部に接することにより)ブラケット22を支えてもよい。
    【0023】
    任意に、支持具24は長形の中心軸線を有し、その結果、ブラケット22などの幾つかのブラケットを支持するのに用いられてもよい。 追加のブラケット22の例は図2に示されている。 ブラケット22の検査、ブラケット22へのインク式整列マーキングの実施、あるいは製造工程間やパッケージ工程におけるブラケットの取扱の際に必要とされるように、長形の支持具24は、製造工程においてブラケット22を整列させた状態で支持するのに有用である。 製造あるいはパッケージ工程において支持具24を用いる場合、支持具24は、摩耗や疲労に十分耐えながら何度も再利用可能なアルミニウムやステンレス鋼などの耐食性硬質材料で作られることが好ましい。
    【0024】
    図3は、本発明の他の側面を例示し、上記のブラケット22が図1および2に示される向きと反対の向きで第二の支持具24aのチャネル内に収容されている。 図3において、ブラケット22の結合ウィング30、32は支持具24aの内部に面し、一方で基部26は支持具24aから遠ざかる方向に面している。 任意に、代案として他の形状を有するか、または自動処理装置への接続のための継ぎ手を備えていてもよいが、支持具24aは支持具24と同一である。 好ましくは、支持具24aは長形で同時に数個のブラケット22を支持するために十分な長さを有する。
    【0025】
    図3の向きにて示される支持具24aの使用は、メッシュ材料の基部26への蝋付けや接着剤36の基部26への塗布などの一定の製造工程のための位置においてブラケットを支持するのに有益である。 支持具24aの一使用法において、いくつかのブラケット22は最初から支持具24aによって支持されており、一方、支持具22と支持具24aは、図3の仮想線により示されるように、支持具24のチャネル46の長さに沿って同時に動かされる。 (あるいは、ブラケット22と支持具24aを固定した状態で支持具24を動かしてもよい。)その後、支持具24aは、支持具24がブラケット22から離脱するまで凹部38、40に沿ってブラケット22の近心・遠心軸と平行方向に支持具24aを摺動させることにより、ブラケット22から外される。 このようにして、ブラケット22は、互いの向きを失わず、個々のブラケット22を別々に取り扱う必要なく、支持具24aから支持具24へと移動される。
    【0026】
    図4は、容器48と任意選択のホルダー50とともに図1および2に示されるブラケット22と支持具24の組立体の説明図である。 任意に、支持具24は、一個のブラケット22の近心・遠心幅よりもわずかに長い、その中心軸線(すなわち図4に見られる方向と平行な方向)に沿った長さを有し、容器48は、一個のブラケット22のみに使用される。 しかしながら、別法として、支持具24は幾分長く、いくつかのブラケット22を支持し、容器48は、支持具24と支持されるブラケット22のすべてを覆うように対応して長さが延ばされる。
    【0027】
    容器48は基体52と基体52に取外し自在に接続されるカバー54とを含む。 基体52およびカバー54に適した材料ならびにカバー54を取外し自在に基体に固定するのに適した接着剤と他の手段は米国特許第4,978,007号に記載されている。
    【0028】
    基体52は、部分円筒状の中央空腔58を有するくぼみ56を有する。 空腔58は支持具24の外面の一部に合う形状を有し、好ましくは、スナップ嵌合式に支持具24を収容するために、その周縁が半円筒よりも幾分大きい。 任意に、支持具24は接着剤および超音波溶接等の他の手段により空腔58に固定されてもよい。
    【0029】
    好ましくは、基体52は、くぼみ56を囲むフランジの上面がブラケットの唇側面と接する基準面と同位置か少し低いような形状を有する。 結果として、カバー54が閉じられた時に、同カバー54はブラケット22にしっくりと係合する。 容器48内でのブラケット22の自由な動きはカバー54が開かれるときまで実質的に妨げられる。 より好ましくは、カバー54が閉じられるとき、支持具24はカバー54と空腔58との間で圧縮される。 支持具24、カバー54および空腔58はこれにより発送時や取扱い時に緩衝器として機能する。
    【0030】
    ホルダー50は、診療椅子脇のトレー内、棚、あるいは歯科診療室内の患者の近傍に存在する容器48を支持するのに便利な構造を供する。 好ましくは、ホルダー50は、一人の患者用に矯正歯科医が選ぶブラケットのすべてが一個のホルダー50によって都合よく担持されるように、容器48などのいくつかの容器を支持するのに十分な大きさである。 例えば、ホルダー50は、標準的歯科矯正治療にしたがい十分な数のブラケットがそれらを必要とするすべての歯に供されるように、容器48と同一で、二列に並び、各列に10個のブラケットを有する容器を支持する構造を含んでもよい。
    【0031】
    図4に示されるように、ホルダー50は容器48を受入れ支持する溝60を有する。 任意に、ホルダー50に容器48を取外し自在に固定するために基体52は、溝60のアンダカットした隅にスナップ嵌合式に収容される、可撓性の外方に延びる脚部62を有する。 しかしながら、別法として、容器48は剥離可能接着剤や両面接着テープによるか、あるいは面ファスナのような他の構造により、ホルダー50に接続されてもよい。
    【0032】
    ブラケット22を容器48から外すには、くぼみ56を露出させるためにカバー54が基体52から持ち上げられる。 次に、矯正歯科医は、例えばピンセットや他の適当な器具を用いてブラケット22の近心・遠心面を把持し、ブラケット22を容器48の底から(図4で見て)上方に動かせる。 ブラケット22が持ち上げられると、支持具アーム42、44の外端部分がブラケット基部26の唇側面に係合し、更なる上方への動きがアーム42、44をお互いから離れる方向に外方へ逸らせる。 ブラケット22の上方への更なる動きは、アーム42、44を開離させ、チャネル46をブラケット基部26の咬合・歯肉幅と同じ寸法にまで広げるので、ブラケット22は支持具24から完全に解放されて引き抜かれ、係合が解かれる。
    【0033】
    図4に示される実施例において、支持具24は、好ましくは、容易に変形してアーム42、44の開離を可能ならしめ、かつ、カバー54が閉じられるときにはカバー54の裏面にしっかりとブラケット22を押さえ付けるのに十分な弾性と剛性を有する可撓性材料から作られる。 支持具24の材料として好ましいものには、例えば、ポリエチレンとポリプロピレンが含まれる。 任意に、支持具24のアーム42、44には溝、小穴、スリット、開口あるいは凹部などの一連の弱化部64がアームの内面あるいは外面の一方か両方に設けられており、ブラケット22が容器48から外される際にアーム42、44が広がったり、折れ返るのを容易にする。 一連の弱化部64は材料が折れるように仕向けたり、あるいはアーム42、44が開離するにしたがい降伏点を超える材料の歪みを容易ならしめる場合もある。 一連の弱化部64は、アーム42、44が図4に示されるそれらの向きに戻る動きを妨げ、好ましくは、それらのすべての復帰運動を実質的に阻止する。 しかしながら、もう一つの選択案として、支持具24はアルミニウム等の極軟材料より作られてもよい。 一連の弱化部64あるいは極軟材料は、アーム42、44が係合せず、ブラケット22が容器48から外されるときに接着剤36の作用を妨げないことを確実にするのに有効である。
    【0034】
    図5および6は、アセンブリ20bが歯科矯正ブラケット22bと支持具24bとを含む、本発明の別の実施例を示す。 ブラケット22bは、上記のブラケット22と同一である。 支持具24bは、(図5および6に見られる)同支持具24bの底部が任意に断面円形である開口を含むことを除き、支持具24と同一である。
    【0035】
    組立体20bは、また、基部53bと、同基部53bに接続された隔壁55bとを有する容器48bを含む。 基部53bは好ましくは比較的硬質で、支持具24b底面の開口を貫通して延びる直立した目釘57bを含む。 目釘57bの上端は、支持具24bをしっかりと基部53bに結合するために開口よりも大きく広げられた頂部を含む。 目釘57bの頂部は、例えば、超音波溶接または加熱した圧盤により形成されてもよい。
    【0036】
    好ましくは、隔壁55bはブラケット22bと支持具24bおよび基部53b上に真空成形あるいは溶封され、支持具24bに対する相対的なブラケット22bの動きを妨げる。 隔壁55bは、ブラケット22bを取り外す際に容易にカットしたり破ることのできる、ポリエステルフィルムのような薄いプラスチックシート材料で作られてもよい。 任意に、隔壁55bは米国特許第4,978,007号に記載のごとく可視域において光を透過させるが、実質的に化学線に対して不透明色である材料で作られてもよい。 かくて、ブラケット22bは、組立体20bの中身を点検するために隔壁55bを通して見ることができ、かつ、ブラケット22b上の光硬化性接着剤は容器48bが開かれるときまで必要以上に硬化しない。
    【0037】
    支持具24bの開口は製造時において利点を供する。 かかる開口が支持具24bの長さに沿って一定間隔で配置されるとき、それらの開口はブラケット22bを一つの加工位置から他の加工位置へ、あるいは加工位置からパッケージ工程の位置へ、移動させる際に利用されるであろうスプロケット式トラクタ供給システムのための好都合な一連の穴を供する。 さらに、対応するブラケット22bに一個以上の開口が設けられてもよく、それらの開口は、工場内の搬送装置、あるいは容器48bの基部53bへの支持具24bの固定を容易にするために、円形以外の形状であってもよい。 要すれば、開口は、製造ラインに沿った各ブラケット22bの位置について、コンピュータまたは制御装置に自動的にフィードバックを行なうことができ、また製造ラインの任意の位置を通過したブラケットの数を数えるのに役立つ。
    【0038】
    図7は、本発明の別の実施例による歯科矯正組立体20cを示している。 組立体20cは実質的にブラケット22と同一の一個以上のブラケット(図7には三個のブラケット22cが示される)を含む。 支持具24cは、下記の例を除いて、支持具24bと同一である。
    【0039】
    図7に示されるように、支持具24cは、任意に各開口49cに対向して位置する一連の矩形の切込み47cを備えたチャネル46cを有する。 各切込み47cは、ブラケット本体の外周形状に対応した形を有し、各ブラケット22cを受容し、支持する役目を果たす。 切込み47cは相補的にブラケット本体と係合し、チャネル46cに沿ったブラケット22cの偶発的な摺動を阻止する。
    【0040】
    本発明の別の実施例が図8に示されており、そこにおいては、歯科矯正組立体20dは一連の歯科矯正ブラケット22dを含み、それぞれは本質的に上述のブラケット22と同一である。 組立体20dは、また、下記の点を除き、支持具24、24bおよび24cと同様の支持具24dを含む。
    【0041】
    より詳しくは、支持具24dは、チャネル46dの各側に沿って位置する一連のスリット、すなわち、緩衝域51dを含む。 それゆえ、支持具24dのアーム42d、44dは、偏向し、隣接する腕状部43dから幾分独立して動く腕状部43dに分離される。 緩衝域51dは、チャネル46dに沿って配置された隣接するブラケット22dが定位置から動かないよう、不必要にアーム42d、44dを広げることなくブラケット22dのうちの選ばれた一つを取出すのを容易にする。
    【0042】
    図9および10は本発明のさらに別の実施例による組立体20eを例示している。 組立体20eは、受け具24eに収容される一連の歯科矯正ブラケット22eを含む。 組立体20eは、また、診療用椅子脇の準備トレー、あるいは細長く、平行で、並列状態にある二列の溝を有するホルダー50eを含む。
    【0043】
    ブラケット22eは上述のブラケット22と類似している。 支持具24eは、図10から分かるとおり、支持具24eがその縦軸線と直交する方向に矩形であることを除いて、図8に示される支持具24dとほぼ同様である。 ホルダー50eの二列の溝は嵌まり合うことにより支持具24eを受容し、後者をしっかりと定位置に固定する。 支持具24eは、剥離可能な接着剤を用いた両面接着テープによるか、スナップ嵌合式のしっかりとした結合を供する支持具24eの鳩尾形状と溝50eの嵌め合いにより、ホルダ50e内に固定されてもよい。
    【0044】
    ブラケット22eは、ブラケット22eの近心および遠心側を用具で把持し、ホルダー50eから離れる方向にブラケット22eを持ち上げることにより支持具24eから外される。 あるいは、ブラケット22eは、各ブラケット22eをチャネルの長さに沿って支持具24eの開放端の方に摺動させることにより支持具24eから順次取外されてもよい。
    【0045】
    図9および10の組立体20eは、一人の患者に有用であろう一揃えまたは一ケース分のブラケットを示している。 好ましくは、選択されたブラケット22eを備えた支持具24eが矯正歯科医のもとへ送られ、矯正歯科医は支持具24eをホルダー50eの然るべき溝に収める。 別法として、支持具24eは製造業者によりホルダー50eに収められ、同ホルダーとともに診療医のもとに発送されてもよい。 いずれの例においても、支持具24eは好ましくは密封封止された容器に収められる。 その場合、光硬化性接着剤の貯蔵寿命を延ばし、ブラケット22eをほこりや他の汚染物から保護するために、同容器は診療医への発送前は化学線に対して不透明である。 任意に、低接着性接着テープの一切片などの止め部材が各支持具24cのチャネルの各端部にまたがって配され、ブラケット22eがチャネルに沿って摺動し偶発的に支持具24eから外れることの防止に役立つ。
    【0046】
    図11に部分的に示される歯科矯正組立体20fは、支持具24fが同支持具24fの中心軸線と平行で(ブラケット22と同一の)ブラケット22fの近心・遠心軸に向かう方向に延びるキー59fを有することを除き、支持具24とほぼ同様の支持具24fを含む。 キー59fは支持具24fの底部に位置し、アーム42f、44fの端部から離れている。
    【0047】
    支持具24fを収容する容器48fはキー溝61fを有するくぼみ56fを含む。 キー59fはキー溝61fにスナップ嵌合で収まり、平面図(図示せず)における細長で矩形の形状であるためにキー溝61fに対して相対的に回転することを阻止される。 容器48fの残る構成要素について、かかる構成要素は、上記実施例で詳述された対応する構成要素と同様か同一であってもよいと了解されるべきである。
    【0048】
    図12に示される歯科矯正組立体20gは、歯科矯正ブラケット22gと支持具24gとを含む。 下記に記載の事項を除き、ブラケット22gと支持具24gとは本質的に上述のブラケットおよび支持具と同一である。
    【0049】
    支持具24gは、略「8の字」形状を有し、同支持具24gの対向端は25gの位置で示されるように互いに接触している。 診療医が支持具24gの凸面の球状側の参照符号27gにより示される位置を強く握ると、支持具24gの対向側が係合点25gのまわりを枢動し、支持具24gからブラケット22gが離れるのを容易にするためにアーム42g、44gを開こうとする。
    【0050】
    図13に示される歯科矯正組立体20hは、参照符号29hで表されるように支持具24hの下部が二つの分岐部分を有することを除き、ほぼ歯科矯正組立体20gと同様である。 部分29hが診療医の指で一緒に強く握られるとき、支持具24hのアーム42h、44hは開離しやすく、支持具24hからのブラケット22hの解放および取外しを容易にする。
    【0051】
    図14および15は上述の歯科矯正組立体とともに使用するのに特に有用である台座70を示している。 台座70は垂直方向に平行に延びる幾つかのチャネル72(図14参照)を含み、各チャネルは数個のブラケットを支持する支持具を取外し可能に受容するように構成されている(図15のみに図示)。 台座70は、何個のブラケットが手元にあるのかを使用者が確認するために好都合な在庫供給システムを供する。 任意に、個別のトレー準備のために、隣接するブラケット間で支持具をカットするためのカッター(図示せず)が台座70に接続される。 ブラケットと支持具のカット部分は次に下方のトラフ74に落とされる。 もう一つの選択肢として、ブラケットが各支持具の最下端から取外されるにしたがい、次の隣接するブラケットが最下端に達するまで支持具内の残りのブラケットが下方に摺動するように、ブラケットは、支持具のチャネルに沿って自由に移動する。
    【0052】
    任意に、近接センサのような機構が各チャネル72と関連づけられ、各支持具に残るブラケットの数を確認するためにコンピュータに接続される。 更に、支持具は、診療医が在庫ブラケットの量と内容の両方を容易に確認できるように、コンピュータに情報を提供するために読み取り可能なバーコードを含んでもよい。 かかる機構は、使用傾向の確定に用いることができ、必要時のブラケットの再発注を容易にする。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 本発明の一実施例による歯科矯正ブラケットと同ブラケット用支持具を含む組立体の側断面図である。
    【図2】 図1に示された組立体の斜視図であり、仮想線により支持具で支持される追加量のブラケットを示している。
    【図3】 幾分図1に似た側断面図であるが、本発明の別の実施例によるものであり、ある製造工程においては望ましいように、図2に示される支持具からブラケットを移動し、図1および2に示されるものと幾分異なる方法でブラケットを支持するための別の支持具が設けられている。
    【図4】 図1および2に示された一個のブラケットと支持具の側断面図であり、支持具が容器内に装着され、同容器は、歯科治療室における使用のために診療椅子脇のホルダー内に収容されている。
    【図5】 本発明の別の実施例による歯科矯正ブラケットと支持具の組立体を示し、同支持具は、少なくとも一つの開口と支持具を覆う容器を含み、ブラケットは開口に収まる目釘を含んでいる。
    【図6】 図5に示されたブラケット、支持具および容器組立体の端部断面図である。
    【図7】 本発明の別の実施例による支持具の欠切平面図である。
    【図8】 本発明の更に別の実施例による支持具の平面図である。
    【図9】 本発明の更なる実施例による一対の支持具と同支持具に収容される数個のブラケットの平面図であり、それらの支持具は診療用椅子の脇のトレーに収容される。
    【図10】 図9に示される支持具、ブラケットおよびトレーの側断面図である。
    【図11】 本発明の追加の実施例による支持具と容器の斜視断面図である。
    【図12】 本発明の別の実施例によるブラケットと支持具を含む組立体の側断面図である。
    【図13】 本発明の更に別の実施例によることを除き、図12と幾分類似した図である。
    【図14】 上述の支持具のある種のものと共に用いるのに特に適した台座の正面図である。
    【図15】 図14に示された台座の側面図である。

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