Medical devices

申请号 JP11994294 申请日 1994-06-01 公开(公告)号 JP2543328B2 公开(公告)日 1996-10-16
申请人 レイケム・ベンチャーズ・インコーポレイテッド; 发明人 JEEMUZU JAABISU;
摘要 Medical devices which are currently proposed to use elements made from shape memory alloys may be improved by the use of stress-induced martensite alloy elements instead. The use of stress-induced martensite decreases the temperature sensitivity of the devices, thereby making them easier to install and/or remove.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 哺乳類生体の処置に適した医用器具であって、 医用器具は、要素および形状拘束手段を有してなり、 (1)該要素の少なくとも一部分は擬弾性形状記憶合金からから形成されており、該合金は、ほぼ生体温度(3
    5〜40℃)において、合金のA sよりも高く合金のM s
    よりも高くM dよりも低いことにより、可逆的な応力誘導マルテンサイトを示し、従って、合金は応力誘導マルテンサイト状態およびオーステナイト状態を採り、要素は、(i)合金がその応力誘導マルテンサイト状態にある場合に、変形後の形状、および(ii)応力のかからない場合に変形後の形状と異なった形状を採り得、ならびに (2)該形状拘束手段は、該生体に接近してまたは該生体内に配置することを可能にするように、その変形後の形状に要素を保持でき、機械的に着脱自在であり、 医用器具は、 (a)医用器具が該生体温度において該生体に接近してまたは該生体内において使用される間に、形状拘束手段が要素から着脱自在に除去でき、従って、要素が前記のように可逆的な応力誘導マルテンサイトを示し、ならびに (b)形状拘束手段のそのような除去によって、生体に接近したまたは生体内にある要素が、該生体温度からの温度変化を必要とせずに、変形後の形状から、実質的に応力がかかっていない形状に自発的に復元できるようになっている医用器具[但し、A sは、形状記憶合金がマルテンサイト状態からオ−ステナイト状態に転移し始める温度、 M sは、形状記憶合金がオ−ステナイト状態からマルテンサイト状態へ転移し始める温度、 M dは、応力下でさえマルテンサイト形成が生じる最高温度である。 ]。
  • 【請求項2】 拘束手段が中空状のものであり、形状記憶合金要素が、横断方向に圧縮されるように変形されており、拘束手段中に存在し、拘束手段が形状記憶合金要素の横断方向膨張を防止する請求項1記載の医用器具。
  • 【請求項3】 拘束手段がカテーテルである請求項2記載の医用器具。
  • 【請求項4】 形状記憶合金要素が子宮内避妊器具である請求項2記載の医用器具。
  • 【請求項5】 形状記憶合金要素が血管用のフィルターである請求項3記載の医用器具。
  • 【請求項6】 形状記憶合金要素がチューブ状であり、
    拘束手段が形状記憶合金要素を変形するように形状記憶合金要素内に配置されている請求項1記載の医用器具。
  • 【請求項7】 形状記憶合金要素がカテーテルである請求項6記載の医用器具。
  • 【請求項8】 形状記憶合金要素が骨板である請求項1
    記載の医用器具。
  • 【請求項9】 形状記憶合金要素が骨髄釘である請求項1記載の医用器具。
  • 【請求項10】 形状記憶合金要素が骨ステープルである請求項1記載の医用器具。
  • 【請求項11】 形状記憶合金要素がクリップである請求項1記載の医用器具。
  • 【請求項12】 合金が、15℃までで生体温度よりも低くなった冷却生体温度においても、そのA sを越えてかつM sを越えている請求項1〜11のいずれかに記載の医用器具。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、形状記憶合金要素および拘束手段を有して成る医用器具に関する。

    【0002】

    【従来技術および発明が解決しようとする課題】形状記憶加工可能な有機および金属材料はよく知られている。
    そのような材料からできている物品は初めの熱安定形状から第2熱不安定形状へ変形し得る。 物品は、熱のみを適用した時に、熱不安定な形状から初めの熱安定な形状へ戻るまたは戻ろうとする(即ち、初めの形状を「記憶している」)ので、形状記憶を有すると言われている。 金属合金において、形状記憶を有する能は、合金が温度変化によってオ−ステナイト状態からマルテンサイト状態への可逆的に転移することの結果である。 この転移は、
    熱弾性マルテンサイト転移と呼ばれることがある。 そのような合金からできている物品(例えば、中空スリ−ブ)
    は、合金がオ−ステナイト状態からマルテンサイト状態へ転移する温度以下に冷却された場合、初めの形状から新しい形状へ容易に変形できる。 通常、この転移が始まる温度はMsと呼ばれ、終わる温度はMfと呼ばれる。 このように変形された物品が、As(Afは戻るのが完了する温度である。)と呼ばれる、合金がオ−ステナイトに戻り始める温度に加温される場合、変形された物品はその初めの形状に戻り始める。

    【0003】多くの形状記憶合金(SMA)は、応力誘導マルテンサイト(SIM)を示すことが知られている。 応力誘導マルテンサイトを示すSMA物品は、(オ−ステナイト状態は初めに安定であるように)Msより高くMd
    (応力下でさえマルテンサイト形成が生じる最高温度)より低い温度で応力をかけられた場合、初めに弾性的に変形し、次いで臨界応力で応力誘導マルテンサイトの形成によって転移し始める。 温度がAsより高いか低いかによって、変形応力が解放される挙動は異なる。 温度がA
    sより低い場合、応力誘導マルテンサイトは安定である。 しかし、温度がAsより高い場合、マルテンサイトは不安定であり、オ−ステナイトに転移し、物品はその初めの形状に戻る(または戻ろうとする。)。 この効果は、形状記憶効果とともに、熱弾性マルテンサイト転移を示すほとんど全ての合金にみられる。 しかし、SIM
    がみられる温度範囲の広さならびにこの効果の応力および歪み範囲は、合金によって大きく異なっている。 米国特許出願第541844号には、広い温度範囲においてSIMを有するニッケル/チタニウム/バナジウム合金が記載されている。

    【0004】近年、形状記憶合金には、例えば、(米国特許第4,035,007および4,198,081号に記載されているような)パイプカップリング、(米国特許第3,740,839号に記載されているような)電気コネクタ、(米国特許第4,205,293号に記載されているような)スイッチ、作動器などに用途が見い出されている。 医用分野において形状記憶合金を用いる種々の提案がなされている。 例えば、米国特許第3,620,21
    2号においてSMA子宮内避妊器具の使用、米国特許第3,786,806号においてSMA骨板の使用、米国特許第3,890,977号においてカテ−テルまたはカニュ−レを屈曲するSMA要素の使用などが提案されている。 これら医用SMA器具は、その所望効果を達成するため形状記憶性質に依存する。 即ち、SMA要素はマルテンサイト状態に冷却され、次いで変形された場合に新しい形状を保持するが、オ−ステナイト状態に加温された場合に初めの形状に回復するということに依存する。

    【0005】しかし、医学的用途における形状記憶効果の使用には、2つの主な欠点が伴う。 第1に、種々の技術(転移温度の異なる即製合金を粉末冶金によって混合することを包含する:米国特許第4,310,354号参照。)が提案されているが、形状記憶合金の転移温度は、通常極度に組成に感応するので正確に制御することが困難である。 第2に、多くの形状記憶合金において、
    合金がオ−ステナイトとマルテンサイトの間を転移する時に大きなヒステリシスがあり、SMA要素のその状態へ戻るのに数十℃の温度変化を要する。 これら要因と、
    (a)あらゆる温度操作において用いるべきことは不都合であり、(b)ヒトの組織は一時的または永久的損傷を被ることなくかなり狭い限界(短時間において約0〜60
    ℃)を越えて加温または冷却されてはならないという限定との組み合わせによって、SMA医用器具の用途は限定されている。 従って、形状記憶合金の有益な性質(即ち、かなりの実質的な変形の後に初めの形状へ戻る能力)が、現在の形状記憶合金器具において必要とされる配置または除去の温度制御または合金制御の微妙さを要することなく、医用器具において利用される方法を開発することが望まれている。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは、形状記憶合金の形状記憶性質を利用する形状記憶合金要素を有する医用器具アッセンブリにおいて、応力誘導マルテンサイト性質を示す要素を代わりに用いた場合、改良された医用器具アッセンブリが得られることを見い出した。 本発明は、哺乳類生体の処置に適した医用器具であって、
    医用器具は、要素および形状拘束手段を有してなり、 (1)該要素の少なくとも一部分は擬弾性形状記憶合金からから形成されており、該合金は、ほぼ生体温度(3
    5〜40℃)において、合金のA sよりも高く合金のM s
    よりも高くM dよりも低いことにより、可逆的な応力誘導マルテンサイトを示し、従って、合金は応力誘導マルテンサイト状態およびオーステナイト状態を採り、要素は、(i)合金がその応力誘導マルテンサイト状態にある場合に、変形後の形状、および(ii)応力のかからない場合に変形後の形状と異なった形状を採り得、ならびに (2)該形状拘束手段は、該生体に接近してまたは該生体内に配置することを可能にするように、その変形後の形状に要素を保持でき、機械的に着脱自在であり、医用器具は、 (a)医用器具が該生体温度において該生体に接近してまたは該生体内において使用される間に、形状拘束手段が要素から着脱自在に除去でき、従って、要素が前記のように可逆的な応力誘導マルテンサイトを示し、ならびに (b)形状拘束手段のそのような除去によって、生体に接近したまたは生体内にある要素が、該生体温度からの温度変化を必要とせずに、変形後の形状から、実質的に応力がかかっていない形状に自発的に復元できるようになっている医用器具[但し、A sは、形状記憶合金がマルテンサイト状態からオ−ステナイト状態に転移し始める温度、M sは、形状記憶合金がオ−ステナイト状態からマルテンサイト状態へ転移し始める温度、M dは、応力下でさえマルテンサイト形成が生じる最高温度である。 ]を提供する。 本発明の医用器具アッセンブリは、
    例えば、心臓弁、カテ−テル(例えば、気管カテ−テル)、子宮内避妊器具、骨板、骨髄釘、歯ア−チワイヤ、骨ステ−プルまたはクリップとして用いてよい。

    【0007】以下に、添付図面を参照して本発明を更に詳しく説明する。 図1および図2は、応力誘導マルテンサイトのため定応力/歪み挙動を示す合金の応力‐歪み曲線である。 まず初めに、応力誘導マルテンサイトの概念およびその使用によって得られる効果を述べ、次いで本発明の有益な効果を達成するため医用器具において従来のSMA要素からSIM合金要素へどのように代えるかという実例を示し、本発明を説明する。 図1および図2は、応力‐歪み曲線によって応力誘導マルテンサイト現象を示す。 図1および図2の両方において、合金は初めにオ−ステナイトであるように、MsとMdとの間の温度にある。 説明のため、MsはMfに、AsはAfに等しいものとする。 図1は、適用された応力によって形成されたマルテンサイトが安定であるように温度がAsより低い場合を示す。 一方、図2は、オ−ステナイトが応力零で唯一の安定な状態であるように温度がAsより高い場合を示す。

    【0008】図1において、応力が合金に適用された場合、合金はOA線に沿って弾性変形する。 臨界的に適用された応力σ Mにおいて、オ−ステナイト合金は(ストレス誘導)マルテンサイトへ転移し始める。 この転移は、
    合金が点Bにおいて十分にマルテンサイトになるまで本質的に一定応力で行われる。 この点から、応力が更に適用されると、マルテンサイトは初めは弾性的に、次いで塑性的に生じる(弾性変形のみが点Cにおいて示されている。)。 応力が解放された場合、マルテンサイトは、残留応力が零であり残留歪みが零でない点Dへ弾性的に回復する。 合金はAs以下なので、Asより高い温度に加熱されてオ−ステナイトへ戻るまで、変形は回復されない。 この点において、物品が拘束されていない場合、初めの形状は本質的に回復される。 拘束されている場合、
    拘束物が許容する程度に回復される。 しかし、材料が、
    変形された初めの温度(またはこの種のSIM挙動が見られる温度)へ再び冷却される場合、歪みが応力‐歪み曲線の「台地」領域にあるならば歪みに関係なく物品における応力は一定である。 即ち、ε Bとε Aの間の歪みにおいて応力はσ Mである。 このことは、既知の一定な(σ M
    から計算された)力が広い範囲(あるNi/Ti合金において5%までまたはそれ以上)の歪みに適用できることを意味する。 従って、これは従来の形状記憶効果に類似するが、合金はSIMを示し、Asより低いので、一定の力が得られる。

    【0009】図2において、応力が合金へ適用された場合、合金は、図1のようにOA線に沿って弾性的に変形し、次いでAB線に沿ってSIMによって変形し、点C
    へのマルテンサイトの変形によって変形する。 しかし、
    合金はAsより高温であり、安定な状態はオ−ステナイトであるので、無負荷での応力‐歪み挙動は全く異なっている。 応力が除去されると、合金はCからDへ弾性的に回復する。 次いで、臨界応力σ Aにおいて、合金は温度変化の必要なくオ−ステナイトへ戻る。 よって、本質的な一定応力下で戻る。 最終的に、応力が回復したオ−
    ステナイトから除去されている場合、合金はEO線に沿って弾性的に回復する。 応力誘導マルテンサイトの形成および戻りと組みあわされた回復性変形は擬弾性と呼ばれる。 σ Mがかなり高くてよく(例えば、345MPa(5
    0ksi))、σ Aは通常実質的に低く(例えば、69MPa(10
    ksi)より低く)、これにより効果的作動範囲約5%(ε B
    ε A )の一定力バネが形成する。 従って、SMAで得られる形状変化は、熱的にというより機械的に作用かつ制御され、それを有して成る器具へ大きな制御が可能になる。 本発明において適した合金(即ち、哺乳類体温(35
    〜40℃)付近の温度で応力誘導マルテンサイトを示す合金)は、本明細書の記載に従って所望温度でSIM効果が存在するかを試験することにより当業者によって既知のSMAから選択される。 特に好ましい合金は、前記米国特許出願第541844号のニッケル/チタニウム/バナジウム合金である。

    【0010】

    【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明する。 実施例1 心臓弁 米国特許第4,233,690号には、人工心臓弁の本体に縫製カフを保持する形状記憶合金リングの使用が記載されている。 リングは、オ−ステナイト状態で作られ、
    マルテンサイト状態へ冷却され、変形され、弁本体のまわりに設置され、加熱または加温され、オ−ステナイト状態に戻り、弁本体と係合するように回復する。 しかし、この技術は実用的なものとして認容されていない。
    現在の医療技術には、弁本体がカフに対して回転できることが必要であり、これにより外科医はそれを所定位置に縫った後、弁の回転方向を定めることが可能になる。
    用いられる技術は、初めの設置時に最適方向を決めるまたは目で視ることを困難にするので、このことは望ましい。 望ましい回転を許容するように望ましいトルク制御を行うためおよび弁本体にカフをしっかりと保持することを確実に行うため、弁本体へリングによってかかる圧力を正確に制御することが必要である。 これは、(例えば、熱分解グラファイトまたはセラミックなどから)製造できる弁本体に実質的な製造許容差があるので、困難である。 オ−ステナイト応力‐歪み曲線は極端に急勾配なので、該特許が提案する形状記憶技術を用いることは実用的でない。 実際、該特許には弁本体に対してのカフの回転の問題さえも説明されていない。 しかし、従来の形状記憶合金の代わりに本発明のSIM合金を用いた場合、この方法はかなり簡単になる。 第1に、合金が図1
    のような応力‐歪み曲線を有する場合、合金リングは該特許のように製造できる。 リングはSIM形成によって初めのオ−ステナイト状態から拡張される。 リングは弁本体のまわりへ設置する場合、弁本体が特定寸法からずれている時でさえ、リングは、一定力によって弁本体と係合するように、Afを越えて加熱し、初めの温度に冷却することだけを必要とする。 製造許容差にもかかわらず、トルクはこのように所望程度に制御できる。 第2
    に、合金が図2のような応力‐歪み曲線を有する場合、
    リングは拡張され、弁本体のまわりに設置され、応力は同温度で全て解放される。 オ−ステナイト状態は安定なので、リングが弁本体と係合することによって回復が拘束されるまで、応力誘導マルテンサイトは自発的にオ−
    ステナイトへ戻る。 一定応力下でオ−ステナイトへ戻るので、一定力(よって一定トルク)が製造許容差にかかわらず得られる。 精密な温度制御も必要でない。 心臓弁交換手術患者が15℃程度でまたは通常の体温より低い温度に冷やされることが都合よいということは、リングの作動に悪影響を与えない。 十分に低い程度にトルクを制御するため、合金リングは通常のリング以外のもの、例えば連続螺旋状バネ、平坦なジグザグバネなどであることが好ましい。 リングが伸張状態でよりも屈曲状態で回復するので、そのような変更によって一定力での大きな範囲の動きおよびリングにより弁本体へかかる力の減少が可能になる。

    【0011】実施例2 カテ−テルおよびカヌ−レ 米国特許第3,890,977号には、生体へ挿入された有用な形状でカテ−テルまたはカヌ−レの全部または一部分を展開させるSMA要素から作られている(または、SMA要素を有する)カテ−テルまたはカヌ−レ(以下、この両方は「カテ−テル」という用語で表示する。)が開示されている。 しかし、この器具は実用化されていない。 実用化を妨げる器具の生じ得る欠点には、以下のものが挙げられる。 (i)合金の転移温度が体温より低い場合、所望位置にカテ−テルをゆっくりと設置できないこと(SMA要素は体温になると、初めの形状へ戻ろうとするからである。)。 従って、医者が器具を注意深くかつ正確に配置する可能性は限定されている。 あるいは、合金の転移温度が上記体温より高い場合、回復させるため上記体温以上の温度に器具を加熱することが必要であること、および再び冷却する時に再び形状が変化しないように器具を配置することが必要であること(体温は転移温度より低いからである。)。 (ii)器具を容易に除去できないこと。 (iii)SMAのオ−ステナイトへの時期尚早な転移および結果としての形状変化を防止するため制御された温度で貯蔵することが必要であること。 カテ−テルの除去の問題は特に重要であるが、該特許には記載されていない。 例えば、気管穿刺カテ−テルを考えていただきたい。 これは、首の前方の穴から気管へ容易に挿入できるように真直でなければならない。 しかし、挿入後、カテ−テルを通る空気の流れが気管表面に突きあたり気管に損傷を与えないように気管の軸方向へ流れるように、湾曲しなければならない。 該特許で企図するように形状記憶カテ−テルを用いる場合、形状記憶カテ−テルは挿入後にオ−ステナイトになり、湾曲する(該特許の第1a図および第1b図、ならびに明細書参照。)。 しかし、除去には、転移温度より低い温度に冷却すること
    (これは気管組織が損傷を受ける程度に低い温度に冷却することを単に意味する。)、湾曲形状を取り去ること
    (これは組織へ損傷を与えると考えられる。)、または直接に除去できるようにオ−ステナイトSMAを真直にすること(これは、(例えばNi/Tiの)オ−ステナイト合金が690MPa(100ksi)またはそれ以上の降伏強度を有し、塑性変形させるに十分な力が必要となるので、
    満足できるものであると考えられない。 )が必要である。 しかし、代わりにSIM要素を使用する場合、除去は挿入と同様に容易に行われる。 カテ−テルは、(該特許のように)湾曲形状に製造されている場合、カテ−テル軸へ真直なピンを挿入することによって真直にでき、
    応力誘導マルテンサイトの形成によって変形する。 カテ−テルの気管への挿入は、カテ−テルが真直な時に、
    (容易かつ正確に配置できる)あらゆる望ましい速度で行うことができる。 マルテンサイトがオ−ステナイトへ戻るとともに、カテ−テルが所望形状をとるようにピンは徐々に引出される。 使用温度での合金の応力‐歪み曲線は図2の形であるので、ピンによる応力の除去によって自発的な戻りが生じる。 除去を望む場合、ピンを徐々に挿入することによって除去でき、カテ−テルを真直にし、容易に引き出すことができる。 生体へのカテ−テルの挿入およびピン除去は、ピンの挿入および生体からのカテ−テルの除去と同様に、所望ならば同時に行ってよいことは当然である。

    【0012】実施例3 IUD(子宮内避妊器具) 米国特許第3,620,212号には、形状記憶合金から形成された子宮内避妊器具(IUD)が開示されている。
    この器具は、マルテンサイト状態で変形するようになっており(転移温度は、子宮温度より低い。)、変形した器具は例えばワックスで被覆され、挿入される。 除去は、
    異なる2つのSMA要素を用いるだけで行える。 高温S
    MA要素は、体温でマルテンサイトであるが、加熱時に低温要素に勝り、IUDを除去可能な形状へ戻すように、十分な強度を有する。 加熱は電気的に行ってよい。
    実施例2で述べた貯蔵問題はここでもあり、器具は転移温度より低い温度で貯蔵しなければならない。 しかし、
    SIM要素を使用することによって、この欠点は解消する。 合金はSIM擬弾性である(即ち、図2の応力‐歪み曲線を有する)と考えられる。 次いで、IUDはオ−
    ステナイト状態で所望形状に形成され、チュ−ブ状装着器具へ加圧することによって変形される(歪み程度が応力‐歪み曲線の台地内にあるように変形されている)。
    装着器具が子宮内へ挿入された場合、IUDは装着器具からのIUDの押出によって展開される。 医者が装着に満足できるように、展開は制御されるが即時である。 除去は装着の逆である。 装着器具を子宮内へ挿入し、装着器具内へ引張ってIUDを変形し、装着器具を引出す。
    温度調節は不要である。

    【0013】実施例4 骨板 米国特許第3,786,806号には、骨折固定におけるNi/Ti SMA骨板の使用が提案されている。 骨板はマルテンサイト状態で変形され、一体に圧搾するため、
    骨の2つの末端へねじ込まれ、オ−ステナイト状態へ加温される。 骨板が収縮した場合、骨の末端を一体に圧搾する。 オ−ステナイト形状記憶合金の高弾性率のため、
    該特許で提案された種類の骨板によって適用される力の量を制御することは難しく、骨の末端の精密な配置および骨板の伸びが必要である。 しかし、SIM擬弾性骨板を用いる場合、骨板伸ばすことおよび高度な精密さを要さずに骨末端へ骨板を締め付けることは容易である。 本質的に一定の応力における歪み範囲がかなり大きい(例えば、5%)ので、圧搾するため骨末端へかけられる力は、(例えば、骨板寸法によって)容易に制御可能であり、骨末端の精密な配置および/または骨板の伸びに依存しない。 骨板の回復は、機械的拘束によって制御されるので、望ましい程度に徐々である。 優れた力および時間制御を行うことができ、医者は望ましいように調節できる。

    【0014】実施例5 骨髄釘 米国特許第4,170,990号には、就中、骨髄釘における2方向形状記憶効果(SMA要素がオ−ステナイト状態で第1形状およびマルテンサイト状態で第2形状を示す場合における温度変化に伴う2形状間の自発的変化)の使用が開示されている(該特許の第1a〜第1e図および明細書参照。)。 しかし、この方法には、2方向形状記憶効果の源となる状態変化を生じさせるため、広い温度範囲(釘を冷却または加熱するため用いるにおいて5〜60℃)を用いる必要がある。 加えて、従来の形状記憶要素より一般に複雑である2方向形状記憶効果要素を製造する必要がある。 更に、転移温度を正確に制御する必要がある。 しかし、SIM擬弾性合金要素を用いる場合、これら欠点は解消する。 挿された道具によって把持される内部中子が、該特許の第1a図に示す種類の骨髄釘に供給される場合、釘は道具による応力の適用によって半径方向に圧搾される。 釘は道具によって解放される場合、(該特許では容易には得られない)一定力で骨チャンネルを充填するため拡張する。 釘は、逆の方法によって引き抜かれる。

    【0015】実施例6 歯ア−チワイヤ 米国特許第4,037,324号には、従来の18‐8ステンレス鋼ワイヤに代えてNi/Ti合金からできた歯ア−
    チワイヤの使用を提案している。 このワイヤはステンレス鋼より低い弾性率および高い弾性限界を有し、このことは有益であると記載されている。 SMAの熱回復は、
    歯列矯正用の技術としても教示されている。 従来の形状記憶効果を用いる技術は、時期尚早の回復を回避するためマルテンサイト状態でワイヤを素早く装着することを必要とし、患者へ傷害を与える極度に強い力を伴う急速な回復を生じさせる可能性があるので、歯科的用途があるとは考えられない。 しかし、ステンレス鋼より高い弾性限界および低い弾性率を示すワイヤの使用には、ある用途が見い出されている。 OtsukaらによるMetals Fo
    rum,第4巻,142〜52頁(1952)には、この挙動は、体温より低い転移温度を有する合金におけるマルテンサイトからマルテンサイトへの擬弾性および冷作動によって増強された弾性の結果であると教示されている。
    よって、合金は未変形状態においてオ−ステナイトであるよりマルテンサイトである。 弾性が増強されたワイヤの使用には、通常のステンレス鋼ワイヤより多くの利点があるが、更に調節することなく、ア−チワイヤによって生じる歯における動きの量は患者の痛みに対する許容限度によって極度に限定されているという状況がある
    (ア−チワイヤによって適用され、患者の痛みに対する許容限度によって極度に限定される力はワイヤの変形に比例しているからである。)。 しかし、SIM擬弾性ワイヤを用いた場合、SIM擬弾性ワイヤは(歯の動きを生じさせるのに十分であるように歯医者によって選択され、痛みのない)比較的一定の力を5%までの歪み範囲において及ぼす。 負荷は機械的に適用され、よって容易に確定し、形状記憶効果において必要な合金の精密な温度制御は全く必要でない。

    【0016】実施例7 コイル状ステントおよびフィルタ− チュ−ブ状コイル状ワイヤステント継ぎは1969年から医学文献に記載されている。 コイルは配置されている管の開放を保持するが、管腔を明らかに狭くするように十分に細くないならば、挿入が困難である。 最近、これらチュ−ブ状コイルを形成するSMAワイヤの使用が提案されている(Radiology, 147 ,259〜60および261〜3(1983)参照。)。 体温より低い転移温度のワイヤは、マルテンサイト状態において真直にされた後、カテ−テルを通して挿入される。 ワイヤが加熱された場合、コイルが再形成する。 転移温度を正確に制御することは困難なので、挿入時に真直なワイヤを冷却し、
    および/または挿入後にコイルを形成するためワイヤを加熱することが必要であるとわかっている。 更にこの方法は、操作が複雑である。 コイルを形成するためSIM
    擬弾性ワイヤを用いると、ワイヤはカテ−テル内において負荷によって等温的に変形し、温度制御の必要はない。 ワイヤはカテ−テル内にある場合、真直であるが、
    カテ−テルから押出された場合に自発的にコイルを再形成する。 よって、正確な配置が容易に得られる。 従来の形状記憶効果要素において必要な緊急さは全く必要でないからである。 血栓を捕捉するため、静脈腔においてカテ−テルによって配置するフィルタ−を形成するのにS
    MAワイヤを使用することが同様に提案されている。 上記コイル状ステントと同様に、SIM擬弾性ワイヤの使用はそのような静脈腔フィルタ−の製造および使用を非常に容易にし、緊急さまたは温度制御の必要なく正確に配置することが可能になる。

    【0017】実施例8 骨ステ−プルおよびクリップなど 骨折を固定する場合、骨ステ−プルは骨折部分を保持するため用いられ、ある場合、骨板の代替として用いられる。 ある時はステ−プルはドリルであけた穴へ挿入され、ある時は骨へ直接に打ち込まれる。 骨ステ−プルは、所定位置にステ−プルを保持する歯の間に制御された力を与えることは望ましい。 この用途のため形状記憶合金が提案されている。 しかし、マルテンサイトからオ−ステナイトへの転移に伴う形状変化を十分に防止するため素早く操作しながら正確に設置する問題および/または温度制御の必要は、その使用を複雑にする。 SIM合金を用いる場合、これら欠点は容易に解消する。 合金は、Asより低い温度である場合、マルテンサイト状態において配置されてよい。 合金をオ−ステナイトにするため短時間の加熱が必要であるが、体温への再冷却時に一定力が達成される。 合金がAsより高い温度である場合、ステ−プルは適度な力によって変形されて保持され、挿入後に解放され、正確に知られた力を与える。 すべての場合、除去は、例えば実施例2および5で説明したように、合金が純粋にオ−ステナイトにある時より容易である。 同様に、SIM合金(特に、その使用温度においてAsより高温であり、擬弾性である合金)は導管クリップなどを製造するため用いてよい。 合金要素は、(従来の弾性金属より大きな)広い歪み範囲において、一定力バネとして働き、よってその使用は容易である。 前記のことより、(医学的用途において頻繁にみられるように)狭い温度差が得られるまたは好ましい場合に、機械的に拘束された形状変化は熱活性化形状変化に比べてずっと有用な解答であることは明白である。 加熱、冷却または断熱の煩雑さなく、熱作動しない制御、
    容易な合金組成制御、部分許容限界要求に合致することの容易さ、および最小応力レベルにおける単純な機械的可逆性が可能になる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 応力誘導マルテンサイトのため定応力/歪み挙動を示す合金の応力‐歪み曲線である。

    【図2】 応力誘導マルテンサイトのため定応力/歪み挙動を示す合金の応力‐歪み曲線である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 2/28 A61F 2/28 6/14 A61L 17/00 A61L 17/00 29/00 Z 29/00 31/00 Z 31/00 A61F 5/47

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