Orthodontic bracket that includes a slot width reduction mechanism for rapid torque adjustment

申请号 JP2010534382 申请日 2008-10-21 公开(公告)号 JP2011504759A 公开(公告)日 2011-02-17
申请人 ノルベルト アベルズ; クラウス バックス; 发明人 ノルベルト アベルズ; クラウス ハー. バックス;
摘要 歯列矯正ブラケットが、ブラケット基部と、当該基部内に形成されてアーチワイヤを受ける少なくとも1つのアーチワイヤスロットと、スロットの幅よりも狭い幅を有する小型のアーチワイヤの係合を許容するために、アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段と、を含む。 アーチワイヤスロットの幅を選択的に狭める手段は、アーチワイヤスロットを画定する少なくとも1つの側壁部に配された相隔たる1または複数の切り込みを含み、当該相隔たる切り込みの間の側壁の可折部を画定する。
权利要求
  • 歯列矯正ブラケットであって、
    ブラケット基部と、
    前記ブラケット基部内に形成されてアーチワイヤを受ける少なくとも1つのアーチワイヤスロットであって、前記アーチワイヤスロットが前記スロットの両側部に設けられた側壁部によって画定されており、側壁部の各々が近心第1端部及び遠位第2端部を有し、前記スロットが前記近心第1端部と前記遠位第2端部との間の長さに沿って前記側壁部の間に画定される実質的に一定な幅を有するアーチワイヤスロットと、
    前記近心第1端部と前記遠位第2端部との間の前記側壁部の少なくとも1つに設けられて前記側壁部の可折部を画定する1または複数の切れ込みと、を含み、
    前記可折部が、前記スロットの幅の少なくとも一部を有効に狭めるように選択的に内方に折り曲げ可能であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項1に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記可折部が、前記アーチワイヤスロットの長さ全体の約75%以下の長さを有していることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項1に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記可折部が、前記アーチワイヤスロットの長さ全体の約50%以下の長さを有していることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項1に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記可折部が、前記アーチワイヤスロットの長さ全体の約30%以下の長さを有していることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項1に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケット基部が、前記ブラケット基部から外方に伸長する複数の結合ウィングをさらに含んでいることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項5に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットが二組の結合ウィングを含むツインブラケットであることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項5に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケット基部に設けられかつ前記アーチワイヤスロットの長手軸に平行な方向に外方に伸長している複数の端部ウィング拡張部をさらに含み、前記端部ウィング拡張部が、前記アーチワイヤスロット内での前記アーチワイヤのアクティブ結紮またはパッシブ結紮を選択的に提供可能な結紮糸の配置を選択的に許容することを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項7に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の頂部口唇側表面が、前記端部ウィング拡張部の前記近心端部及び遠位端部に向かって上向きに傾いており、パッシブ結紮の使用中において、結紮糸が前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面に接触しかつ前記ブラケットの中央に向かって案内される故に、前記拡張部の前記近心端部及び遠位端部から結紮糸が偶発的にスライドして外れる可能性が最小化されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項8に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面と前記ブラケット本体の頂部口唇側表面との傾斜角が、約5度から約30度であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項8に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面と前記ブラケット本体の頂部口唇側表面との傾斜角が、約8度から約25度であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項8に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面と前記ブラケット本体の頂部口唇側表面との傾斜角が、約10度から約20度であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 歯列矯正ブラケットであって、
    ブラケット基部と、
    前記ブラケット基部内に形成されてアーチワイヤを受ける少なくとも1つのアーチワイヤスロットであって、前記スロットの両側に設けられた側壁によって画定されているアーチワイヤスロットと、
    前記側壁部の一方のみに設けられて前記側壁の可折部を画定する1または複数の切り込みと、を含み、
    前記可折部が、前記スロットの幅の少なくとも一部を有効に狭めるように選択的に内方に折り曲げ可能であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項12に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケット基部が、前記ブラケット基部から外方に伸長している複数の結合ウィングを含んでいることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項13に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケットが、二組の結合ウィングを含むツインブラケットであることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項13に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記ブラケット基部に設けられかつ前記アーチワイヤスロットの長手軸に平行な方向に外方に伸長している複数の端部ウィング拡張部をさらに含み、前記端部ウィング拡張部が、前記アーチワイヤスロット内での前記アーチワイヤのアクティブ結紮またはパッシブ結紮を選択的に提供可能な結紮糸の配置を選択的に許容することを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項15に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の頂部口唇側表面が、前記端部ウィング拡張部の前記近心端部及び遠位端部に向かって上向きに傾いており、パッシブ結紮の使用中において、結紮糸が前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面に接触しかつ前記ブラケットの中央に向かって案内される故に、前記拡張部の前記近心端部及び遠位端部から結紮糸が偶発的にスライドして外れる可能性が最小化されることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項16に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面と前記ブラケット本体の頂部口唇側表面との傾斜角が、約5度から約30度であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項16に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面と前記ブラケット本体の頂部口唇側表面との傾斜角が、約8度から約25度であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項16に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記端部ウィング拡張部の各々の前記頂部口唇側表面と前記ブラケット本体の頂部口唇側表面との傾斜角が、約10度から約20度であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 歯列矯正ブラケットであって、
    ブラケット基部と、
    前記ブラケット基部内に形成されてアーチワイヤを受ける少なくとも1つのアーチワイヤスロットであって、前記スロットの両側に設けられた側壁によって画定されているアーチワイヤスロットと、
    前記アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段と、
    を含むことを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項20に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記アーチワイヤスロットが、前記近心第1端部と前記遠位第2端部との間の長さに沿って前記側壁部の間に画定される実質的に一定な幅を有し、前記アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段が、前記近心第1端部と前記遠位第2端部との間の前記側壁部の少なくとも1つに設けられて前記側壁部の可折部を画定する1または複数の切れ込みを含み、前記可折部が、前記スロットの幅の少なくとも一部を有効に狭めるように選択的に内方に折り曲げ可能であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 請求項20に記載の歯列矯正ブラケットであって、前記アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段が、前記側壁部の一方のみに設けられて前記側壁部の可折部を画定する1または複数の切れ込みを含み、前記可折部が、前記スロットの幅の少なくとも一部を有効に狭めるように選択的に内方に折り曲げ可能であることを特徴とする歯列矯正ブラケット。
  • 说明书全文

    本発明は、ブラケット基部と、アーチワイヤを受ける少なくとも1つのスロットと、迅速なトルク(ねじり)調整のための機構と、を含む歯列矯正ブラケットに関する。

    歯列矯正は、歯科の専門分野であり、機械的な力を加えて、悪い配置の、すなわち歪んで配されている歯を正しい配列及び方向にすることに関する。 歯列矯正治療は、歯の美容増進に使用され得、かつオーバージェットまたはオーバーバイトを矯正する医療的に必要な歯の移動に使用され得る。 例えば、歯列矯正治療は、患者の噛み合わせを改善可能であり、換言すれば対応する歯の空間的整合度を向上させることが可能である。

    歯列矯正治療の最も一般的な形態は、歯列矯正ブラケット及びワイヤの使用を含み、これらは共に「ブレース(brace)」と称される。 歯科矯正ブラケット、特に歯列矯正基部は、患者の歯へ直接装着するように構成されるか、または代替的に、歯の周りにセメント固定されるか他の方法で固定されるバンドに装着するように構成され、小さなスロットを有する基部である。 接着剤またはセメント等によって、ブラケットが患者の歯に固定されると、湾曲したアーチワイヤが各々のブラケットのスロット内に挿入される。 アーチワイヤは、テンプレートまたはトラックとして作用し、歯が適切な配列へ移動するように案内する。

    歯列矯正ブラケットには、明確に異なる2つのクラスがある。 それは、ブラケットにアーチワイヤを固定するために結紮糸を使用する必要があるものと、自己結紮するものである。 第1のクラスのブラケットにおいては、通常、小さい結紮ワイヤまたは弾性体が、ブラケットにおける固定配置位置内にアーチワイヤを保持するため使用される。 結紮糸またはいくつかの他の態様の固定手段は、引張りを受けているアーチワイヤが歯列弓の周囲に適切に配置されることを保証しなければならず、かつ食べ物の咀嚼中、歯磨き中または他の力がかかった際に、ワイヤがブラケットから外れることを防止しなければならない。 市場入手可能な結紮糸の一種は、小さい弾性体のOリングであり、当該Oリングは、ブラケット本体に接続されている「結合ウィング」として知られている小さなウィングの周囲にOリングを伸ばして広げることによって取り付けられる。 金属結紮糸もブラケットスロット内でアーチワイヤを保持するために使用される。

    ブレース取付けの処理を単純にする取り組みにおいて、様々な自己結紮ブラケットが開発されてきた。 用語「自己結紮ブラケット」は、歯列矯正ブラケットのクラスをいい、当該クラスの歯列矯正ブラケットは、基部と分離しているか、基部とヒンジ付けされているかまたは他の方法で基部と取付けされているある種のカバーを含んでおり、当該カバーは、基部のスロット内のアーチワイヤを包囲しているかまたは保持している。

    どちらの場合においても、処置中において歯に様々な矯正力を与える必要がある。 通常は、異なった断面形状を有するアーチワイヤが、なされるべき矯正移動に基づいた異なった力を与えるために使用される。 アーチワイヤは、正方形、矩形または円形の断面を通常有する。 正方形及び矩形の断面は、アーチワイヤが、歯列矯正ブラケットのアーチワイヤスロット内に係合させられている際に、トルクを与えるべく使用されることを可能とする。 トルクは、口唇方向及び/または舌方向の歯の移動をもたらす。 円形断面を有するワイヤは、アーチワイヤスロット内に係合されている際にトルクを与えることはできないが、非常に大きな柔軟性をもたらし、全体として移動をもたらすために必要な力を小さくする。 このことは、患者をさらに快適にする。 このように、円形ワイヤは、歯が最も悪い配列である場合の歯列矯正治療の最初の段階において、しばしば有用である。 このような円形アーチワイヤの使用は、歯の移動に関して、比較的弱い(及びさらに快適な)力で間隔の修正及び配列の問題を矯正することを可能とする。 これらの矯正が達成されると、通常は正方形または矩形ワイヤが円形アーチワイヤと交換され、治療を完了させるべく、選択された歯へトルクをかけることが可能となる。

    このように、治療は、間隔及び配列の問題が最初に処置され、その後に口唇方向及び/または舌方向における歯の移動が処置されるという一連の態様でしばしば進行する。 このような治療工程でも、当該治療の完了には数ヶ月かかり得る。 このように、容易に製造され得、比較的弱い力(すなわち、円形アーチワイヤによってかけられるのと同様の力)をかけることを許容する機構を含み、当該力が矯正トルクをかけることが可能であるという歯列矯正ブラケットを提供することは、本分野における改善をもたらすのである。 このようなブラケットは、弱い力で歯の移動を行って間隔及び配列を矯正し、同時にトルク(ねじり)移動をもたらすことを期待されており、このことは、トルク矯正中の患者の快適性を向上させつつ全体の治療期間を短縮する。

    本発明は、ブラケット基部と、当該基部内に形成されてアーチワイヤを受ける少なくとも1つのアーチワイヤスロットと、を含む歯列矯正ブラケットに関する。 アーチワイヤスロットは、スロットの咬合側及び歯肉側に配されている側部及び底部表面によって画定され、当該スロットは口唇側に対して開口している。 ブラケットは、スロットの幅よりも狭い幅を有する小型のアーチワイヤの係合を許容するために、アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段をさらに含む。

    1つの実施例において、アーチワイヤスロットの幅を選択的に狭める手段は、アーチワイヤスロットの1つの側部に沿って当該1つの側部内に配された相隔たる1または複数の切り込みを含み、当該相隔たる切り込みの間の側壁の可折部を画定する。 可折部は、スロット幅の少なくとも一部の咬合−歯肉幅を狭めるために選択的に内方に曲げることが可能である。 このような構成は、小型の弱い力のワイヤ(換言すれば、アーチワイヤスロットの咬合−歯肉幅取りも小さい幅を有するワイヤ)を挿入して、ブラケットの可折部を曲げて、一方の側部にある可折部、アーチワイヤスロットの底部表面、及びアーチワイヤスロットの対向する側壁に対してアーチワイヤを係合させることを施術者に可能とさせる。 代替実施例において、アーチワイヤスロットの幅を選択的に狭める手段は、アーチワイヤスロットを画定する少なくとも1つの側壁の可動部分を含み得、当該可動部分は、スロットの少なくとも一部を狭めるために、施術者によって選択的に移動されられ得る(例えば、内方へスライドさせられ得る)。

    他の実施例において、ブラケットは、アーチワイヤスロットの両側にある対向して配された側壁によって画定されるアーチワイヤスロットを有し、当該側壁は実質的に連続しており、スロット幅は近心−遠位長さ全体に沿って実質的に一定である。 このような実施例において、当該側壁は、当該側壁の少なくとも1つの可折部(例えば、2つの相隔たる切り込みの間)を画定するために一方または両方の側壁に設けられた1または複数の相隔たる切り込みを含む少なくとも1つの側壁を除いて実質的に連続している。 このような実施例において、可折部(1または複数)は、選択的に内方へ曲げることが可能なので、アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を狭めることができる。 換言すれば、このような実施例は、咬合側壁部内及び歯肉側壁部内の両方に形成されている可折部を含み得、どちらか(または両方)の可折部の曲げを可能とするようにさらなる柔軟性を施術者に提供する。

    上述の実施例の各々において、ブラケットは、小型のアーチワイヤを係合させるためにアーチワイヤスロットの幅を選択的に狭める手段を含む。 このような実施例は、従来使用されているもの(例えば、0.018または0.022インチ)よりも狭い幅を有する矩形アーチワイヤの使用を有利に許容し、当該狭い幅を有する矩形アーチワイヤは、アーチワイヤスロットと十分に係合して、トルク矯正移動を含む歯の矯正移動をもたらす。 このような、小さなワイヤの使用は、さらに少ない力及び患者に対する良好な快適性をもたらしつつ、大きなワイヤと同一の矯正移動を可能とする。

    例えば、小さな幅の弱い力のワイヤを使用した後に、側壁(1または複数)の可折部(1または複数)を元の状態に単純に再配置して大きなアーチワイヤを挿入することで、大きな従来幅のワイヤが同一のブラケットに使用されることも有利である。 アーチワイヤスロットが従来の0.018または0.022インチの幅よりも小さい幅を有する特注のブラケットの場合は、このようにはいかない。 さらに、側壁の可折部とアーチワイヤとの係合は、通常はアーチワイヤスロットの近心−遠位長さ全体のごく一部であるので、アーチワイヤスロットの長さ全体が単に従来の0.018または0.022インチ幅よりも小さい幅を有するようになされた場合よりも、摩擦力がさらに小さくなる。 好ましくは、1または複数の可折部は、咬合側及び/または歯肉側壁部の中央に設けられるかまたはその近傍に設けられる。

    さらに、ブラケットは、変更可能なアクティブ−パッシブ結紮を提供するようになされ得るので、施術者は、ブラケットに係合する結紮糸とアーチワイヤスロット内に係合するアーチワイヤとの間にアクティブ結紮またはパッシブ結紮を適用する選択が可能である。 アクティブ結紮は、結紮糸がアーチワイヤに係合してブラケットの舌側底部表面に向けて下方に押圧する態様として定義される。 パッシブ結紮は、結紮糸がアーチワイヤから離間する様に保持されて、アーチワイヤがスロット内でさらに自由にスライドし得る態様として定義される(すなわち、スライド摩擦が減じられる)。 ブラケットは、施術者がアクティブ結紮からパッシブ結紮へ及びその逆へ容易に変更可能なように構成される。

    このような機能を提供するために、1つの実施例に従って、本発明による非自己結紮ブラケットは、ブラケット基部に配された複数の端部ウィング拡張部を含み得、当該端部ウィング拡張部は、アーチワイヤスロットに実質的に平行な近心−遠位方向にブラケット基部から外方に伸長する。 当該端部ウィング拡張部は、歯肉−咬合方向に実質的に伸長する対応する結合ウィングに対して実質的に垂直に伸長し得る。 パッシブ結紮を行うために、結紮糸は、端部ウィング拡張部の口唇頂部面に支持されるように施術者によって配され、端部ウィング拡張部は、結紮糸をアーチワイヤスロット内に係合させられたアーチワイヤから離間するように保持する。 アクティブ結紮のために、結紮糸は、もはや端部ウィング拡張部に支持されないように端部ウィング拡張部の近心端部及び遠位端部から押し外され、この場合、結紮糸はアーチワイヤと係合し、アーチワイヤをアーチワイヤスロット内へ(すなわち舌側に)押しつける。

    本発明のこれら及び他の利点及び特徴は、以下の発明を実施するための形態及び添付の特許請求の範囲からさらに完全に明らかにされるか、本明細書で後述される本発明の実施例によって理解されるであろう。

    本発明の上述並びに他の利点及び特徴をさらに明らかにするために、本発明のさらに具体的な説明が、添付の図面内に示される特定の実施例を参照することによって提供される。 これらの図面が本発明の通常の実施例を示し、本発明の範囲を限定するとみなされないと理解される。 本発明は、添付の図面を使用してさらに具体的かつ詳細に記載されかつ説明される。

    選択的に減少するアーチワイヤスロット幅を減少させる機構を含む本発明に従った例示のブラケットの等図である。

    図1のブラケットの斜視図である。

    図1のブラケットの口唇側上面図である。

    図2Bと類似した上面図であるが、小型矩形アーチワイヤがブラケットのスロット内に取り付けられている状態の図である。

    図3Aのブラケット及びアーチワイヤの上面図であって、一方の側壁内の可折部が小型矩形アーチワイヤの一部に係合するように内方に折曲させられている図である。

    図3Bのブラケット及びアーチワイヤの側面図である。

    図1のブラケットの等角図であって、アーチワイヤがブラケットのアーチワイヤスロット内にアクティブ結紮されている図である。

    図4Aのブラケットアーチワイヤ及び結紮糸の側面図である。

    図1のブラケットの等角図であって、アーチワイヤがブラケットのアーチワイヤスロット内にパッシブ結紮されている図である。

    図5Aのブラケット、アーチワイヤ及び結紮糸の側面図である。

    調整機能を向上させるために両側壁部に側部切れ込みを含む例示のブラケットの等角図である。

    スロット内のアーチワイヤを有する図6Aのブラケットの側面図である。

    アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段を含む他の例示のブラケットの等角図である。

    図7Aのブラケットの口唇側上面図であって、一方の側壁内の一部が内方に移動させられている図である。

    図7A及び図7Bのブラケットの可動部分の斜視図である。

    図7A及び図7Bのブラケットの正面図であって、図7Cの可動部分がブラケットによってどのようにスライド可能に保持され得るかを示した図である。

    スロット内にアーチワイヤを有する図7A−図7Bのブラケットの側面図である。

    I.序論 本発明は、ブラケット基部と、当該基部内に形成されアーチワイヤを受ける少なくとも1つのアーチワイヤスロットと、当該スロット幅よりも狭い幅を有する小型アーチワイヤとの係合を可能とするために当該アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段と、を含む歯列矯正ブラケットに関する。 当該アーチワイヤスロットは、当該スロットの両側に配されている側壁部によって画定されている。
    II.例示の歯列矯正ブラケット 図1−図2Bは、ブラケット基部102を含む例示の歯列矯正ブラケット100を示している。 ブラケット基部102の舌側結合部104は、患者の歯と結合するためにまたは他の方法で患者の歯と取り付けられるように構成されている。 ブラケット基部102は、その中に配されているアーチワイヤスロット106を含む。 図示された例において、スロット106は、ブラケット基部102内で近心−遠位方向に伸長するように配向されており、舌側底部面108、第1の側壁部110及び対向して配されている第2の側壁部112によって画定されている。 ブラケット100は、非自己結紮ブラケットとして示され、4つの結合ウィング118を含む。 一組の結合ウィング118は、ブラケット基部102の一方の側部及び側壁部110から歯肉方向に伸長し、それと反対側に配された一組の結合ウィング118は、ブラケット基部102の反対側の側部及び側壁部112から咬合側に伸長している。

    図示されている実施例において、アーチワイヤスロット106は、最初にはスロット106の近心−遠心長さ全体に亘って実質的に一定である幅W(図2B)を有する。 第1の側壁部110は、側壁部110の口唇側頂面から舌側底面108に至る2つの(3つ以上でもよい)切れ込み114を含み、スロット106に沿って切れ込み114の間にある壁部110の中央部分に配されているかまたは当該部分の近傍に配されている可折部116が画定されている。 図示された実施例において、切り込み114は、実質的に互いに平行にかつスロット106と垂直に示されている(すなわち、切り込み114は、ブラケットが歯に配されている場合の口唇−舌方向に伸長している)。 切り込みを歯肉側壁部110内に含むように示されているが、切り込みすなわち不連続部114は、対向する側壁部112内に代替的に設けられてもよい。

    可折部116を折り曲げ可能にするために、好ましくは、ブラケット100(または少なくとも可折部116)は、金属または他の折り曲げ可能な材で形成される。 適切な金属材の例は、限定するものではないが、ステンレス鋼、ステンレス鋼合金、チタン及びニッケル−チタン合金を含む。 さらに、当該金属材は、使用中に銀イオンを有利に放出するように銀を含んでもよく、当該イオンは抗菌作用を呈することが知られている。 当該金属材は、実質的にニッケルを含まないか、または、ニッケル(いくらかの患者はニッケルにアレルギーを引き起こす)の浸出を防止するようにかつ他の有利な特性を提供するように、ジパラキシレンコーティング(パリレン)等で覆われていてもよい。 例えば、このようなコーティングは、口腔内の異種金属によって引き起こされ得るガルバニック作用/腐食の問題も最小化または防止し得る。 パリレンコーティングは、非常に低い摩擦係数(例えば、約0.25)呈し、アーチワイヤとブラケットスロット106との間のスライド摩擦を減じる。 このようなコーティングは、カルシウムまたは他のミネラルが、コーティングされたブラケットに容易に付着及び堆積しない故に、石灰化の問題も最小化または防止し得る。 パリレンは、良好な光学的性質も呈するので、コーティングされたブラケットは、コーティングされていないブラケットよりは汚れて見えないだろう。 高分子樹脂、ガラス及び/またはセラミック材で形成される代替構成は、図7A−図7Eとともに以下で示される。 当然ながら、図7A−図7Eの実施例も、金属で形成され得る。 例示のセラミック材には、限定するわけではないが、酸化アルミニウム、ジルコニア及び陶材が含まれる。 例示の高分子樹脂材には、ポリアミド(結晶質または非晶質)、アセタールポリマ、ポリエーテルイミド、ポリカーボネイト、ポリアリルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、及びこれらの組み合わせが含まれる。

    1つの実施例において、側壁部内に単一の不連続部(すなわち切れ込み)を配して当該側壁部の近心または遠位端部と隣り合う可折部を画定することも可能であるが、2つまたは3つ以上の切れ込みを使用してアーチワイヤスロットの長さに関して対称な可折部を配するのが好ましい(例えば、中央もしくは中央近傍に配するか、または近心側及び遠位側の両方に2つの可折部を配する)。

    図示された実施例において、可折部116は、スロット106の長さに沿って中央に設けられているかまたは中央近傍に設けられており、可折部116は、アーチワイヤスロット106の長さ全体の相対的に僅かな部分のみである。 例えば、可折部116は、アーチワイヤスロット106の長さ全体の約75パーセント以下の長さを有するのが好ましく、アーチワイヤスロット106の長さ全体の約50パーセント以下の長さを有するのがさらに好ましく、アーチワイヤスロット106の長さ全体の約30パーセント以下の長さを有するのが最も好ましい。 例えば、図示された実施例においては、可折部116の長さは、スロット106の長さの約30%である。 このような構成は、スロット106内のアーチワイヤが可折部116と係合される長さ範囲を提供するが、このような構成は、接触長さを減少させて、歯を移動させるのに十分なトルクを伝達するような接触部を提供する必要性をバランスし、それと同時に不要な接触を最小化して、アーチワイヤとブラケット100のアーチワイヤスロット106との間のスライド摩擦を減じて快適性を向上させる。

    図示されたブラケット100は、複数の結合ウィング(例えば4つ)をさらに含み、一組の結合ウィング118は、ブラケット基部102から歯肉側に伸長しており、それと反対側に配された一組の結合ウィング118は、ブラケット基部102から咬合側に伸長している。 図示された実施例において、結合ウィング118は、側壁部110及び112から各々伸長している。 結合ウィング118に加えて、ブラケット100は、アーチワイヤスロット106の近心端部及び遠位端部の近傍に設けられた複数(例えば4つ)の端部ウィング拡張部120をさらに含む。 一方の一組の拡張部120は、ブラケット100の近心側表面及び頂部口唇側表面から近心方向に伸長し、他方の一組の拡張部は、ブラケット100の反対側に設けられて、ブラケット100の遠位側表面及び頂部口唇側表面から遠位方向に伸長している。

    おそらく図2Aで最も良くわかるように、拡張部120の各々の頂部口唇側表面122は、ブラケット基部102の頂部口唇側表面124及び側壁部110、122から外方に伸長して、拡張部120の最近心側部及び最遠位側部も向かって口唇方向に傾斜しているのが好ましい。 1つの実施例において、頂部口唇側表面122とブラケット本体の頂部口唇側表面124との傾斜角は、約5度から30度の間であり、約8度から約25度であるのがさらに好ましく、約10度から約20度であるのが最も好ましい。 このような傾斜は、拡張部120の頂部口唇側表面において結紮糸を保持して、結紮糸が表面122から偶発的に押し外されて、治療方式がパッシブ結紮からアクティブ結紮に変更されるのを防止することに効果を有する。 拡張部120の使用のさらなる詳細は、図4A−図5Bとともに以下にさらに詳細に説明される。

    図3A−図3Cは、小型アーチワイヤ126を用いたブラケット100の使用を示している。 例えば、好ましい実施例において、アーチワイヤスロット106の長さ全体に亘る最初の幅W(図2B)は、通常は0.018または0.022インチであり得る。 W未満の幅のアーチワイヤ126は、図3Aに示されているように、スロット106内に挿入される。 例えば、1つの実施例において、アーチワイヤ126は、スロット106の幅Wよりも、約3パーセントから約50パーセント小さい幅を有し得、スロット106の幅Wよりも、約5パーセントから約30パーセント小さい幅を有するのがさらに好ましく、スロット106の幅Wよりも、約10パーセントから約25パーセント小さい幅を有するのが最も好ましい。 例えば、スロット106が最初に約0.018インチの一様な幅を有している場合に、発明者達は、約0.016インチまたは約0.014インチの幅をもつアーチワイヤ126を使用するのが特に好ましいことを見出した。 施術者は、約0.012インチまたはそれ未満の幅を有するアーチワイヤ126も選択し得る。 他の例において、スロット106が最初に約0.022インチの一様な幅を有している場合に、発明者達は、約0.018インチまたは約0.016インチの幅をもつアーチワイヤ126を使用するのが特に好ましいことを見出した。 施術者は、約0.014インチまたはそれ未満の幅を有するアーチワイヤ126も選択し得る。

    可折部116は、図3B−図3Cに示されている様に内方に選択的に折り曲げられ得、可折部116の長さに沿ってアーチワイヤスロット126のスロット幅が減少させられて、アーチワイヤ126と可折部116とが係合させられ得る。 施術者がアーチワイヤ126の挿入後に部分116を内方に折り曲げることが好ましいが、折り曲げは、代替的に挿入に先立って、またはブラケットの製造中になされてもよい。 この構成において、側壁部110とアーチワイヤ126とは、可折部116に沿った部分を除いては、僅かに係合しているかまたは非係合であり、図示された実施例において、可折部116は、側壁部110の長さ全体のほんの一部(例えば、約30%)であることに留意する。 可折部116は、部分116を形成している材(例えば、金属)の強度によって折り曲げ形態を維持するので、アーチワイヤにから加わった力によって部分116が最初の折り曲げられていない形態に戻る傾向が最小化される。

    比較的小さいアーチワイヤ及びアーチワイヤ126と第1の側壁部110との限定された係合(すなわち、接触が可折部116に限定されている)の組み合わせは、スライド摩擦、及び移動をなすためにアーチワイヤによってブラケット100及びその下にある歯に伝達される力のレベルを実質的に減少させる。 この結果、さらに快適な治療が、幅の大きいアーチワイヤが使用された場合とほぼ同じ期間で完了する。 小型アーチワイヤ126の使用に先立ってまたは使用後にさらに大きな力が必要である場合に、ブラケットがアーチワイヤを通常の幅のアーチワイヤ(例えば、0.018インチまたは0.022インチ、すなわちスロット106の幅Wと同一の幅を有するアーチワイヤ)と交換可能であることをさらに許容することが有利である。 アーチワイヤスロット106の幅が小型のワイヤ及び従来サイズのワイヤの両方に適応されて係合するように調整可能であるので、ブラケットと他のブラケットとの交換は必要無い。 このような機能は、小さくされているが調整不能な幅を有するアーチワイヤスロット(例えば、0.014インチの幅を有するスロット)を単に含むブラケットでは不可能である。 なぜならば、このようなブラケットは、通常の幅のアーチワイヤに適応することができないからである。

    図4A−5Bは、アーチワイヤ126をスロット106内に保持するために配置される結紮糸130を用いたブラケット100の使用を示している。 弾性的なOリング結紮糸130が示されているが、他のタイプの結紮糸も代替的に使用され得る(例えば、ワイヤの結紮糸)。 図4A及び図4Bは、アクティブ結紮の構成を示しており、アーチワイヤ126が、ブラケット100の近心端部及び遠位端部の近傍で結紮糸130に接触しているので、アーチワイヤ126は、アーチワイヤスロット106の中で、舌側底部面108に向かって下方(すなわち舌の方へ)に堅固に押圧される。 結紮糸130は、結合ウィング118の下及びアーチワイヤ126の近心部分及び遠位部分上に巻き付けられるので、結紮糸130は、アーチワイヤ126の頂部口唇側表面に接触し、アーチワイヤ126をスロット106内へスロット106の底部舌側表面108に対して下方に堅固に押圧する。 このような構成において、スライド摩擦は、結紮糸130とアーチワイヤ126との接触の結果、スロット106の表面(すなわち、表面108、側壁部112、及び側壁部110の可折部116)とアーチワイヤ126との間で増加する。 さらに、結紮糸130とアーチワイヤ126との実際の接触の結果として追加のスライド摩擦も存在する。

    図5A−図5Bは、同一のブラケット100及び結紮糸130を用いて実現され得る代替のパッシブ結紮構成を示している。 図4A−図4Bの構成に関連して、ブラケット100の近心端部及び遠位端部の近傍に配置されている結紮糸130の一部は、アーチワイヤ126から離され、かつ端部ウィング拡張部120の口唇側表面122上に載せられる。 おそらく図5B最も良く理解されるが、このような構成は、アーチワイヤ126と結紮糸130との間に空間132を形成する。 換言すれば、特に、ブラケット100の近心端部及び遠位端部において、アーチワイヤ126と結紮糸130とは実質的に接触していない。 結紮糸130とアーチワイヤ126との間の接触の欠如は、アーチワイヤ126がスロット106内に捕捉されつつも、ブラケット100のスロット106(例えば、側壁部110の可折部116、側壁部112、及び底部表面108)とアーチワイヤ126との間の摩擦が著しく減少する構成を提供する。 このような構成は、アーチワイヤ126がスロット106の内部で、特にアーチワイヤ126の長手軸によって画定される近心−遠位方向において、さらに自由にスライドすることを許容する。 必要な矯正力は、ブラケット100を介してアーチワイヤ126によって伝達され続けている(例えば、アーチワイヤ126と表面108、112、側壁部110の可折部116によって)。 このようなパッシブ結紮構成によって、患者の快適性が向上する。 ブラケット100は、必要に応じて、アクティブ結紮とパッシブ結紮との変更を有利に許容する。

    図2A、図4A及び図5Aに示されているように、ウィング拡張部120の頂部口唇側表面122が有利に角度付けされているので、頂部口唇側表面122とブラケット本体の頂部口唇側表面124との間の傾斜角は、約5度から約30度、さらに好ましくは約8度から約25度、最も好ましくは約10度から約20度の間である。 例えば、図示されているブラケットは、約15度の傾斜角を有している。 このような傾斜は、拡張部120の頂部口唇側表面122上の結紮糸130の保持に効果を有し、結紮糸130が表面122から偶発的に押し外されて、治療方式がパッシブ結紮(図5A−図5B)からアクティブ結紮(図4A−図4B)に変更されることを防止する。 アクティブからパッシブまたはその逆への結紮方式の変更のためには、施術者の積極的(であるが単純で短時間)な措置が必要であるので、一方の結紮方式から他方の結紮方式への偶発的な変更が防止される。

    図6A−図6Bには、本発明によるブラケット200の代替実施例が示されており、ブラケット200は、ブラケット基部202と、舌側結合部204と、舌側底部表面208、第1の側壁部210及びこれに対向して配されている第2の側壁部212によって画定されるアーチワイヤスロット206と、を含んでいる。 ブラケット200は4つの結合ウィングも含み、一組の結合ウィング218がブラケット基部202の一方の側部及び側壁部210から歯肉側に伸長し、これらの反対側に配されている一組の結合ウィング218がブラケット基部202の反対側の側部及び側壁部212から咬合側に伸長している。

    図示されている実施例において、アーチワイヤスロット206は、最初に、スロット206の近心−遠位長さ全体に亘って実質的に一定な幅W(図6B)を有する。 図1の実施例と図6A−6Bの実施例との間の1つの主要な相違は、側壁部210及び212の各々が側壁部の口唇頂部表面から舌側底部表面208まで伸長する2つの切り込み214を含み、2つの可折部216を画定することである。 壁部210及び212内の可折部216の各々は、切り込み214の間でスロット206に沿って壁部210または壁部212の各々の中央部またはその近傍に設けられている。 図示されている実施例において、切り込み214は、実質的に互いに平行でありかつスロット206に垂直(すなわち、ブラケット200が歯に設けられている場合に、切り込み214は、舌−口唇方向に伸長している)に示されているが、切り込みまたは他の態様の不連続部214は、切り込み(1または複数)または不連続部が少なくとも1つの側壁部内において可折部を提供する限り、本発明のブラケットの範囲内で異なった態様で構成され得る(例えば、実質的に垂直とならないように角度を付けられる)。

    図示されている実施例において、可折部216の各々は、スロット206の長さに沿った中央部またはその近傍に配されている。 中央部またはその近傍への可折部216の配置は、アーチワイヤ126の調整の改善を提供する(可折部が近心方向または遠位方向に移動させられている場合に比べて)。 当然ながら、アーチワイヤスロットの長さに沿った任意の場所に1又は複数の可折部を設けることも本発明の範囲に含まれる。 図6A−図6Bに示されている実施例は、施術者にさらに良好な柔軟性を提供する。 なぜならば、可折部216のどちらかが内方に折り曲げられ、アーチワイヤ126が対向する側壁部に押し付けられるからである(この場合、対向する可折部216は、内方に折り曲げられないのが好ましい)。 このような実施例においては、部分216の1つのみを折り曲げて、アーチワイヤ126が対向する側壁部及び底部表面208と完全に係合することが可能であるようにするのが好ましい。

    ブラケット200が、端部ウィング拡張部なしで示されているが、当該構造がブラケット内に含めて、同一のブラケットを使用したアクティブ結紮からパッシブ結紮への変更を許容するようにしても良い。

    図1−図6Bはブラケットの実施例を示しており、当該ブラケットにおいて、アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める手段は、側壁部の少なくとも1つに配される1または複数の切り込みを含み、当該1または複数の切れ込みが側壁部の可折部を画定する。 図7A−図7Eは、アーチワイヤスロットの少なくとも一部の幅を選択的に狭める代替手段を示している。 ブラケット300は、ブラケット基部302と、舌側結合部304と、舌側底部表面308、第1の側壁部310及びこれと対向して配されている第2の側壁部312によって画定されるアーチワイヤスロット306と、を含んでいる。 ブラケット300は、4つの結合ウィング318も含み、一組のウィング318がブラケット基部302の一方の側面及び側壁部310から歯肉側へ伸長し、これらと反対側に配されている一組の結合ウィングがブラケット基部の反対側の側面及び側壁部312から咬合側に伸長している。 ブラケット300は、端部ウィング拡張部320含むようにも示されている。

    図示されているように、アーチワイヤスロット306は、最初に、スロット306の近心−遠位長さ全体に亘って実質的に一定である幅W(図7B)を有し、横方向に移動可能な可動部分316によって狭められ得る。 図示されている実施例において、可動部分316は、スロットの長さに沿って、側壁部310の中央またはその近傍に配されている。 中央部またはその近傍への可動部分316の配置は、アーチワイヤ126の調整の改善を提供する(当該可動部分が近心方向または遠位方向に移動させられた場合に比べて)。 当然ながら、アーチワイヤスロットの長さに沿った任意の場所に1または複数の可動部分を設けることは本発明の範囲に含まれる。

    図示されている実施例において、可動部分316は、ブラケット基部302にスライド可能に組み合わされている。 例えば、図示されている実施例はスライド係合機構を含み、当該機構は、可動部分が側壁310の他の部分に対して内方にスライドして可動部分に隣接するスロット306の幅を狭めることを可能とする。 図示されている可動部分316は、一組の横方向に伸長しているスライドレール334を含む。 レール334は、互いに平行に配向されかつ配列されて、基部302内に形成された対応する構造(例えば、溝336)とスライド可能に係合するように構成されている。 可動部分316は、部分316の近心側部及び遠位側部に形成されて、側壁部310に形成されたウェル340または他の凹部にロック係合する一組のデタント(緩衝材)(detente)338または他の突起部をさらに含む。 当然ながら、この構成は逆転していてもよい(デタントが側壁部310内に形成され、凹部が可動部分316に形成されていてもよい)。

    凹部340は、スロット306が狭められていない最初の位置に可動部分316がある場合に突起部338があるべき位置、及び部分316が内方にスライドさせられてスロット306が狭められる第2の位置に対応した場所に形成される。 凹部340及び突起部338は、必要とされる状態に可動部分316を保持する(すなわち、治療期間において部分316の不必要なスライドを防止する)ロック機構の一例である。 スライド可能部分316は、上述の可折部に加えて、アーチワイヤスロットを選択的に狭める手段の例である。 凹部340及び突起部338に代わる他のロック機構、及びアーチワイヤスロットの幅を選択的に狭める代替手段は、当業者には明らかであろう。

    本発明は、本発明の趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形式で実施され得る。 上述の実施例は、全くをもって単なる例示であって限定的ではないとみなされるべきである。 従って、本発明の範囲は、上述の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。 当該特許請求の範囲の均等な意味及び範囲内にある全ての変形例は、当該特許請求の範囲内に包含される。

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