System and method for custom orthodontic appliance

申请号 JP2009145868 申请日 2009-06-18 公开(公告)号 JP2009202031A 公开(公告)日 2009-09-10
申请人 Ormco Corp; オルムコ コーポレイション; 发明人 ANDREIKO CRAIG A;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a custom orthodontic appliance which is improved for practical and economical purposes. SOLUTION: Various features are provided for a system for producing or designing a custom orthodontic appliance. These include features for inputting the data of the anatomical structure of a patient and practitioner decision, for manipulating data interactively or automatically to arrive at appliance characteristics, and for affecting the design or production of the appliance. COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • 歯のデジタル画像を形成する方法であって、
    前記歯又はそのモデルをスキャンすることによって、前記歯の歯冠の三次元歯オブジェクトを形成するステップと、
    1つ若しくは複数の歯根の三次元データを含む別個のファイル又はオブジェクトから前記歯オブジェクトに対して歯根データを付加するステップと、
    前記歯冠のスキャンに由来する情報から前記歯根データを改変するステップと、
    を含んでなることを特徴とする方法。
  • 前記歯根データが、患者の個々の解剖学的構造のスキャンによって生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記歯根データが、解剖学的に代表的な歯根の三次元形状データを含むライブラリーファイル又は記録から検索されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記それぞれのデータから、歯冠長軸と歯根長軸とを整列させることによって、前記歯冠データと歯根データとを結合させて、完全な歯オブジェクトを形成するステップをさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  • 選択又は計算された相対的トルク角度に、前記整列を設定するステップをさらに含んでなることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  • 前記歯冠の原寸大と比較して、原寸大未満で前記歯根を提示する歯根画像データを使用するステップ、
    前記歯根の任意の部分が前記歯冠中の対応する点に達するまで、前記歯根データのサイズを漸進的に増大させるステップ、
    この接触が生じる場合に、前記接触点で前記歯根の拡大を固定して、前記歯根が拡大されて前記歯冠及び前記歯根の縁が完全に一致するまで、前記接触点からの拡大率を比例して縮小させるステップをさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  • 個々の歯の回転を計算して咬合を生成するステップをさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 反対側の歯の画像と重ね合わせ、前記歯の所定の咬合角度が平均値になるまで前記歯の画像を回転させることによって、対称的な弓を計算するステップをさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 抜歯のために歯を選択するためのインターフェースを操作者に提供するステップと、
    抜歯のために前記インターフェース上で前記操作者によって選択された歯をそこから排除するセットアップを計算するステップと、
    をさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 说明书全文

    本願は、本明細書中で明示的に参考として援用される、米国仮特許出願第60/413712号(2002年9月26日出願)に対する優先権を主張する。

    本発明は、患者の歯をまっすぐにするための歯科矯正装置に関し、より具体的には、患者の歯の理想的な歯科矯正処置を決定して、このような処置に最適な歯科矯正装置を提供するための、コンピュータ化システムの使用に関する。

    カスタム歯科矯正装置を提供するためのシステム及び方法は、例えば、米国特許第5431562号(特許文献1)及び国際特許出願第PCT/US00/35558号(特許文献2)に記載されている。 このようなシステム及び方法の実際の実施は、ソフトウェア及びコンピュータインターフェースにおける改善から、歯科矯正実施者の優先事項及び好みの適応から、そして患者の解剖学構造(個々の解剖学及び一般的な解剖学的特徴の両方)に対する拡張された適応から利益を得る。

    米国特許第5431562号明細書

    国際特許出願第PCT/US00/35558号明細書

    カスタム歯科矯正装置の提供において、実際的かつ経済的な改善の必要性がある。

    歯科矯正装置を提供するための多数の特徴は、上記及び他の箇所に示された問題点を解決するために本明細書中に示される。 本発明の原理によれば、カスタム歯科矯正装置の方法及びシステムは、本願及び継続出願又は分割出願について提示される。 これらの特徴は、本明細書の要旨中に示され、また、詳細な説明及び図面において以下に示される。

    本発明は、歯の歯科矯正セットアップの決定において使用するための三次元歯オブジェクトを提示する方法を包含する。 本方法は、これらの歯を配向させるための線分を規定するために、下顎大臼歯の溝及び咬頭点を考慮し、ストラー線(stolar line)を使用して配列を計算するステップを含む。

    歯のデジタル画像を形成する方法は、歯又は歯のモデルをスキャンして、1つ又は複数の個々の歯根の歯オブジェクト三次元データに対して歯根データを付加するステップによって提供される。 このようなデータは、個々の患者の歯根形状のデータ又はライブラリーファイル由来のデータであり得る。 この情報は、歯冠スキャンデータと結合され、この歯冠スキャンデータは、歯根データとは別個に収集され得る。 歯冠にフィットさせて、歯根を有する単一の三次元歯オブジェクトを形成するために、歯の縮小画像が拡大及び改変され得る。

    歯の理想的な回転は、個々の患者について計算される。

    コンピュータを用いて、操作者が患者の歯のセットアップをインタラクティブに決定するのを補助するために、ベジエ曲線(Bezier curves)が、弓形状の歯配列を操作者が操作するのを可能にするためのハンドルと共に提供される。

    抜歯が選択され得、この抜歯された歯が除去されたセットアップを計算するためにソフトウェアが使用される。

    コンピュータによってアクセス可能であり、かつ複数の歯科矯正実施者の各々に関するデータを含み、処方又は指示において実施者によって具体的に改変されない限り適用される、異なる実施者からのデフォルト指示を含むデータベースが維持される。

    スキャンされた形状のデータファイルは、処理を最適化するためにプルーニング(枝刈り)してもよく、立体の印象及びモデルは、データ入を最適化するために、整形(manicured)及びトリミングしてもよい。

    点は、咬合平面(occlusal plane)を規定し、かつ中央発育葉平面(mid-developmental lobe plane)を含む個々の歯の提示を生成するために、操作者によってインタラクティブに選択され得る。

    コンピュータにより決定されたセットアップに対する改変は、操作者によってなされ得る。 この操作者は、歯の下顎葉平面において小さい平行移動改変を行い、かつ歯の長軸の周りでの回転改変を行う能力を有する。 各々及びすべての個々の改変後、咬合のためにレイアウトされたルールに従うように、弓セットアップが再計算される。

    アーチワイヤは、ワイヤの対称性、アーチワイヤ平面におけるワイヤの存在、各歯の中央発育葉平面(MDL.Pl)に対して垂直なワイヤ、各ブラケットの本体を通過するワイヤ、先端でないブラケット中の位置、審美的ワイヤ矯正、ワイヤにおける最小の数及び強度の内曲(inflection)、又はわずかな屈曲(好ましくは、アーチワイヤ平面に制限された屈曲が許容され、より高次の屈曲が許容されない)を含む、種々の状態を満足させるように設計され得る。

    装置設計に対する改変が、操作者によってなされ得る。 この操作者は、コンピュータにより計算された装置の位置及び構成をオーバーライドして調整し得る。 操作者は、代表的には装置製造設備における当業者であるが、処置に当たる歯科矯正実施者でもあり得る。 各々及びすべての調整の後、装置セットアップは、各特定の変化を適応させるために再計算され、従って、各変化の直接の結果は、使用者又は実施者に対して直ぐに明らかである。

    ブラケットが製作される場合のスロット切削パラメータは、コンピュータにおけるルーチンによって特定のルールに従うようにされ得る。 スロット深さの最小及び最大は、突出を回避し、かつブラケット強度を維持するべきである。

    頬面管(buccal tube)は、ブラケットの半加工の材料からその構成要素を切削することによって形成され得る。 例えば、「蓋」が、囲い込まれた管を形成するためにスロット上に固定され得る。

    本発明のこれら及び他の特徴、目的及び利点は、以下の詳細な説明と図面とにおいて示される。

    患者の下顎弓のスキャンした三次元画像から、咬合図で下顎コンピュータモデルを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    咬合平面の決定のための点の選択を表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    下顎谷曲線を決定する際のステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    下顎谷曲線を決定する際のステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    下顎谷曲線を決定する際のステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    下顎谷曲線を決定する際のステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の目印の選択におけるステップを表示する、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の提示への歯根データの付加におけるステップを例示する図の例示である。

    歯の提示への歯根データの付加におけるステップを例示する図の例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    歯の幾何学的パラメータを示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    咬合平面に対する歯の配列を示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    咬合平面に対する歯の配列を示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    咬合平面に対する歯の配列を示す、コンピュータスクリーンの例示である。

    セットアップ計算における個々の歯の整列を例示する図である。

    セットアップ計算における個々の歯の整列を例示する図である。

    セットアップ計算における個々の歯の整列を例示する図である。

    セットアップ計算における個々の歯の整列を例示する図である。

    セットアップ計算における個々の歯の整列を例示する図である。

    セットアップ計算における個々の歯の整列を例示する図である。

    セットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    セットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    セットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    セットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    セットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    セットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    抜歯が考慮されるセットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    抜歯が考慮されるセットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    抜歯が考慮されるセットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    抜歯が考慮されるセットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    抜歯が考慮されるセットアップ決定における歯の相対的な位置付け及び配向を例示する図である。

    代替的な歯認識スキームを例示する図である。

    アーチワイヤを構成するための1つの受容可能な基準を例示する図である。

    ワイヤ設計インターフェースのコンピュータスクリーンの例示である。

    異なる利用可能な図の選択を示すスクリーンの一部を示す図である。

    アーチワイヤの位置に対する歯の断面を例示する、注釈付のスクリーン写真を示す図である。

    ブラケットの位置付けの1つの受容可能な様式を例示する図である。

    操作者に提供され得るブラケットの自由を示す図である。

    操作者に提供され得るブラケットの自由を示す図である。

    装置設計のインタラクティブな改変を例示する図である。

    装置設計のインタラクティブな改変を例示する図である。

    ブラケットにおけるスロット切削を例示する図である。

    ブラケットにおけるスロット切削を例示する図である。

    ブラケットにおけるスロット切削を例示する図である。

    頬面管におけるスロットの形成を例示する図である。

    頬面管におけるスロットの形成を例示する図である。

    頬面管におけるスロットの形成を例示する図である。

    頬面管におけるスロットの形成を例示する図である。

    頬面管におけるスロットの形成を例示する図である。

    頬面管におけるスロットの形成を例示する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    イン/アウト寸法及びトルクについての特定の受容可能な値を記載する図である。

    本発明は、例えば、上記特許文献1(米国特許第5431562号)及び特許文献2(国際特許出願第PCT/US00/35558号)(これらは両方とも、本明細書中で明示的に参考として援用される)において言及される型の歯科矯正システムに関する、その好ましい実施形態で記載される。 本発明は、患者の歯のデジタルモデルを生成するため、歯科関係の解剖学及び処置計画を決定するため、処置計画によって達成するべき患者の歯のセットアップを生成するため、並びに、処置計画を実施するために歯科矯正装置を設計、選択及び/又は製造するために使用可能な、このようなシステムの構成要素を含む。

    本明細書は、12の節(section)に分割され、これら各々の節は、本明細書中で示される発明の対象に関する。 これらの節は、これらの節が関連するシステム及び方法のそれぞれの部分に対応して、3つの章(three parts)に分類される。 本明細書中に示される本発明の概念において、本明細書中で特許請求されない範囲は、継続出願又は分割出願において特許請求され得る。

    本明細書の第1章は、コンピュータにより補助されたシステムによる使用のための患者の歯科関連の解剖学的構造のデジタル情報の生成を扱い、このコンピュータにより補助されたシステムは、処置の間に達成されるべき歯のセットアップに到達するため、及び処置を達成するために使用される歯科矯正装置の設計の決定のために使用される。 この第1章は、引き続く処理のために患者の三次元データを使用者が向上又は単純化させる、インタラクティブシステムの形態である。 このインタラクティブシステムにより、使用者の技術が、データを調製する際にコンピュータの能率を補うことが可能である。 このような使用者は処置に当たる歯科矯正実施者であり得るが、装置提供設備又はデータ処理設備での熟練した操作者が、システムのこの部分を操作するためにはより適切である可能性がより高い。

    本明細書の第2章は、所望の処置目的のデジタルモデルを生成するため及び所望の処置目的を表示するための、インタラクティブなコンピュータサブシステムに関する。 特に、患者の歯の最終的な配列が計算されて表示される。 システムのこの部分は、所望の処置結果を達成するための選択及び改変を行う、歯科矯正技術を有する使用者とインタラクティブに作動する。 第1の例において、この使用者は、装置提供設備又はデータ処理設備における熟練した操作者である。 あるいは、第1の例において、歯セットアップの計算は、完全に自動であり得る。 最初のセットアップが患者の歯について計算された後、歯科矯正実施者又は処置に当たる専門家は、入力又は検討をさらに提供し得、かつセットアップ又は処置計画に対して改変を行い得る。

    本明細書の第3章は、処置計画を実施するため又は計算されたセットアップを達成するための装置の設計に関する。 この章はまた、装置提供設備もしくはデータ処理設備における操作者であるか、又は歯科矯正実施者もしくは処置に当たる専門家、あるいはこれら2つの組合せである使用者と、インタラクティブであり得る。

    このシステムの構成要素のインタラクティブな使用は、使用者の位置に位置するコンピュータ及びこのシステムを具体化する実行ソフトウェアで実施され得るか、又はサーバーで遠隔から実施され得る。 一実施形態において、このソフトウェアは、装置提供設備又はデータ処理設備のサーバーで実施され、その部分は、処置に当たる専門家又は歯科矯正実施者又は遠隔からアクセスされる他の人物によって、好ましくはインターネットを介して、プラグインが補充されていてもいなくてもよい標準的なブラウザを使用して、又は他のローカルソフトウェアルーチンを使用して、インタラクティブに使用される。

    <<第1章:歯列弓の形状の決定及び三次元歯オブジェクトの生成>>
    歯科矯正処置に、個々の患者に適切な装置を提供することは、患者の解剖学的情報及び他の個人情報の収集、処置計画及び処置計画を実施するための装置の特性を決定するために有用に処理され得る形態での情報の調製、その情報の処理、並びに装置の製作におけるこの情報の使用を含む。 このシステムによって得られた情報の品質は、以下のステップのすべての品質に影響を与える。

    <I.患者の入力>
    デジタルファイル又はフォルダ又は他の複数のファイルは、1つ又は複数のコンピュータ、好ましくは歯科矯正装置カスタム設計決定設備に位置するサーバー上で維持される。 このファイルは、個々の患者に関する情報、彼らの処置に当たる実施者に関する情報及び彼らの処置計画に関する情報を含む。 この情報は、例えば、関連するデータベースファイル中に維持され得る。 この設備の顧客である医師の記録のファイルは、名前及び医師が顧客となる場合に生成される割当てられた顧客番号によって医師を認識する情報を含み得る。 このようなファイルは、処方及び装置ハードウェアに関して医師のデフォルトの好みに関する情報にリンクされ得るか、又はこの情報を含み得る。 医師の患者の記録のファイルは、患者及び患者の事例がこの設備を用いて医師によって開けられる場合に生成される割当てられた患者番号を認識する医師の記録にリンクした情報を含み得る。 このようなファイルは、患者、患者の解剖学的構造、患者の医療歴、処置計画及び最終的には処置目的、並びにその設備で実施される他の作業の結果である、処置のために提唱された装置に関連したデータに関する、他の情報の種々のファイルにリンクされ得る。

    患者情報は、処方情報、患者の歯又は骨格の解剖学的構造の任意の側方セファログラム(cephalogram)、追跡図又はX線、患者の軟組織の任意の写真又は他の画像と共に、この設備へと医師によって連絡され得る。 すべてのこのような情報は、好ましくは、患者のファイル中のそれぞれの患者記録にリンクしたデジタルファイル中の設備で維持される。 患者の歯のデジタルスキャンデータが医師又は患者によって得られた場合、そのスキャンデータは、デジタル形式で送信されて、患者の他のデジタル情報と共にその設備で維持され得る。 以下に記載されるシステムにおいて、患者の歯の印象又は印象から作成された鋳型が、医師によって、この設備へ提供される。 これらの印象には、その不正咬合状態又は処置前状態における患者の歯の上顎弓及び下顎弓の印象が含まれる。 このような事例情報がこの設備によって受信されると、作業順序番号が割当てられる。

    <II.スキャン>
    スキャンは、患者の解剖学的構造のデジタルデータの生成を記載するために本明細書中で使用される一般的な用語であり、患者の歯の形状のデータを代表的に含む。 好ましくは、このスキャンは、弓の各々についてポイントクラウド(点群)形式のファイルを生じる。 このデータは、患者の口から直接的に生成され得るか、又は患者の口のモデルもしくは印象から生成され得る。 このシステムの操作における引き続く段階にわたり、データがこの装置によって理解され得る形式であるか又はこの装置によって使用され得る形式に変換され得る限り、このデータが如何に生成されるかについては問題ではない。 受容可能ないくつかのスキャン方法は、上記特許文献1及び特許文献2(これらは両方とも、本明細書中で明示的に参考として援用される)に記載される方法である。 当該分野で既に公知であるか今後開発される他の方法もまた、受容可能であり得る。

    医師から歯の印象を受信する設備において患者の歯をスキャンする1つの方法は、上顎及び下顎の印象の各々について、ストーンモデル(stone model)又は鋳型用石膏(plaster cast)を注ぎ込むことで開始し得る。 特に破壊的スキャン(destructive scanning)方法が使用される場合に、各々の2つのモデルが好ましくは作成される。 これらのモデルは、この事例の作業順序番号で標識され、認識される。

    次いで、このモデルの1つのセットが、これらのモデルがスキャンされる場合にアーチファクトデータ(data artifacts)を生じ得るモデルの表面上の特徴を除去又は平滑化するために整形される。 これらのモデルは、スキャン時間及び処理時間を最小に維持するために、スキャンによって生成される不要なデータの量を最小化するためにトリミングされる。

    代表的には白色であるこのモデルの石膏へのコントラストブリード(滲み)を最小化するために、このモデルの整形されたセットが被覆される、破壊的スキャンプロセスが使用され得る。 例えば、404エポキシ塗料が混合された塗料で、このモデルは被覆される。 被覆されたモデルは、トレイ上に配列され、ウレタンが混合されてこのモデル上に注がれ、減圧が適用され、このウレタンが硬化され、該ウレタンによりこのモデルが包まれる。

    包まれたモデルの破壊的スキャンは、上記被覆が最初に露出するまで、0.00xインチの層の塊(mass)を切削又は剃ることにより、実施される。 この塊の連続的な切削により、境界が漸進的に露出され、このモデルの表面及びアンダーカットにおける内曲は、スキャンによって明らかにされる境界によって完全に捕捉され、この場合、xは数千インチとして本明細書中に示される、所望の解像度を示す。 この切削の各過程において、所望されると考えられる解像度の範囲で、境界上の点の座標をデジタル化する光学的装置が使用される。 信頼できる装置配置治具の製作については、例えば、実際に所望され得る高い解像度が所望されるので、最小解像度は、1インチ(約2.5cm)当たり100〜150ポイントの範囲内である。 各弓を規定する点はポイントクラウドファイルとして保存され、該ファイルはこの事例の作業順序番号で認識される。

    <III.データの妥当性検証、歯の個性化及び目印の決定>
    ポイントクラウドデータが導出されるが、このポイントクラウドデータは、ポリゴンメッシュオブジェクトを含むSTLフォーマットのファイルへと変換される。 このデータが有意義であることを確認するためにこのデータは妥当性検証され、このファイルは、過剰な情報又は不要な情報を除去するためにプルーニング(枝刈り)される。 各歯は、別個の歯オブジェクトとして単離される。 各個々の歯を規定するデータの1つのコピーは、隣接する歯の一部と共に保存され、これは、特定の目的(例えば、その最初の不正咬合状態にある場合に、その歯に装置を位置付けること)のために有用である。 データの別の作業セットは、各々の歯を隙のない塊として単離し、過剰な歯肉がトリミングされ、隣接する歯は歯肉から分離される。 これは、自動的に、モニタ上で作業を指示する操作者によって、又は操作者とソフトウェアの作用との組合せによって、インタラクティブに達成され得る。 歯オブジェクトを単離するために特徴認識ソフトウェアを使用してデータを自動的に処理し、次いで自動的に生成された結果を操作者に表示して多義性又は誤差を解析して、結果を確認することは、速度と正確性との最適な組合せを提供する。

    微細なオブジェクト修復が、アーチファクトを除去するために同様になされ得、これは、治具フィット妨害を排除するために、このデータ中の歯冠形状を改変するステップを含み得る。 これは現在、ソフトウェアツールの補助により、コンピュータスクリーン上で操作者によって最も有効に達成される。 このプロセスは、選択するステップ、次いで、例えば、乏しい治具適応を引き起こし得る領域を上昇させるステップ、低下させるステップ及び平滑化するステップを含み得る。 このことは、カスタム歯科矯正装置でカスタムメイドされたブラケット位置付け治具が、患者の歯に装置を正確に位置付けることを保証する。

    次いで、各々の歯を提示するオブジェクトのデータは、情報処理機能により大量に抹消され得、不要な解像度のデータは、作業をより有効にするために減じられる。 しかし、治具によって接触されるべき領域は、他の領域よりも重要であり、従って、これらの領域は、歯冠の他の部分よりも高い解像度で維持される。 各々の歯オブジェクトは、FDI命名法及び作業順序番号(例えば、作業順序番号RAW42)によって保存される。

    一旦個々の歯オブジェクトが三次元処理可能なデータで生成されると、患者の歯の解剖学的構造の選択されたパラメータ又は特性は、この歯の仮想的セットアップ又は所望の最終位置を決定する際に使用するために、認識又は計算される。 これらのパラメータ及び特性は、計算のためにデータを単純化し、そしてセットアップ又は咬合を展開するためにソフトウェアアルゴリズムによって使用され得る幾何学的参照を含む。

    <IV.下顎谷を規定する>
    下顎の歯の歯根を含む硬い下顎内の谷の形状は、この歯の位置付けに対する充分な拘束を構成するアーチフォームを規定する。 この谷の規定は、患者の下顎歯列弓のスキャンしたデータ又は写真データ又は他のデータから、数学的に達成され得る。 これは、患者の下顎弓のスキャンした三次元画像から、咬合図で下顎コンピュータモデルをスクリーンにもたらす操作者によって、インタラクティブに達成され得る(図1参照)。 この咬合平面は、第一下顎大臼歯の近心頬側咬頭及び下顎中切歯のうち1つの切歯先端を含む3つの点を認識することによって導出される(図2参照)。 これら3つの点は、コンピュータスクリーン上の咬合図上で操作者によって迅速かつ正確に選択され得るが、パターン認識ソフトウェアが使用され得る。

    そのように規定された咬合平面(O.pl)がスクリーンに対して平行に設定され、かつこの弓が垂直中心線に関して対称的であり、前方の歯がスクリーンの下部にあるように、この画像が回転される。 断面が、歯の下に、データによって作成される。 対称的なグリッドがこの断面の上に被せられ、グリッドとデータとの交点が選択される(図4参照)。 この選択は、自動的に、又はスクリーン上で操作者によって、行われ得る。 これらの点は、下顎谷の顔面側境界及び舌側境界を規定する(図5参照)。

    この谷と交差するグリッド線の中点を通る、滑らかな対称的ベジエ曲線が計算される(図6参照)。 中心線のハンドル及び曲線の遠位端のハンドルにより、操作者がベジエ曲線の形状を制御することが可能であり、従って、この曲線は、中点間の谷の中心線に概ね従う。 下顎谷曲線(MT.cv)及び咬合平面の配向は、咬合のセットアップにおける個々の歯オブジェクトの配向についての参照を提供する。

    <V.目印の認識>
    下顎の切歯及び第一小臼歯について、中央発育葉平面及び歯冠長軸が規定される。 これは、計算を行うためのソフトウェアツールを使用して、三次元オブジェクトとしてスクリーン上に各歯オブジェクトを個々にもたらし、特定の点を選択する操作者によって、実施され得る。 パターン認識ソフトウェアが、この目的のためにか、又は操作者の仕事を単純化するためにか、選択において操作者を補助するためにか、若しくは操作者の選択の正確性を改善するために、使用され得る。

    各歯オブジェクトは、スクリーン上にもたらされて、切歯側から表示され得る(図7参照)。 参照のために、顔面側が下に面し、顔面側-切歯切端は、スクリーン上に平に、又はX軸に対して平行に配向される。 次いで、この歯は90度上方に回転され、顔面側表面の正面図を示す。 歯の顔面側表面が操作者に提示されると、中央発育葉軸(MDL.Ax)は、その切歯側の範囲(IMDL.Pt)及び歯肉側の範囲(GMDL.Pt)の選択によって認識される(図8参照)。 次いで、このオブジェクトは、切歯側図を提示し、MDL.AxをXY平面に対して垂直にするために、スクリーン上で回転され、そしてMDL.Axを通りかつX軸に対して垂直な、垂直な中央発育葉平面(MDL.Pl)が規定され、これは、歯を提示するために使用され得る(図9参照)。 これらのステップは、操作者によって実施され得るが、これらのステップのスクリーン表示なしに、バックグラウンドにおいて実行され得る。

    MDL.Plによって提示される各歯の断面図において、舌側-エナメル質-歯肉境点(LEGJ.Pt)を規定する舌側-エナメル質-歯肉境が認識される(図10参照)。 また、この平面において、顔面側-エナメル質-歯肉境点(FEGJ.Pt)を規定する顔面側-エナメル質-歯肉境が認識される。 点LEGJ.Pt及び点FEGJ.Ptは、歯冠-歯肉線分(CG.Li)を規定し、その中点は、歯の歯頚-中心-点(CC.Pt)として計算され得る。 この中央発育葉平面は、少なくとも最初に、歯上のブラケットの近心-遠心位置付けを規定するために使用され得る。

    中央発育葉平面(MDL.Pl)において、歯の上に切歯側に伸びる、歯頚-中心-点(CC.Pt)を通る線分が計算され得、これは、歯の切歯切端の本体の中心まで、線の拘束されない末端を仮想的に移動させる操作者によって、最も容易に達成される。 この線は、歯の歯冠長軸(CL.Ax)を規定する。 また、顔面側切歯切端点(FIE.Pt)は、操作者によって選択され得る。 下顎前方の歯について、点FIE.Ptは、代表的にはCL.Axの前方にあり、この歯が上顎弓の歯と接触する位置を示す。

    下顎第二小臼歯について、各歯が、回転可能でパン(スクリーン上での移動)可能かつズーム可能な三次元オブジェクトとして、個々にスクリーンにもたらされる。 歯の中央発育葉及び歯冠長軸は、顔面側を下にし、かつ切歯切端を水平線又はX軸に対して平行にして、スクリーン上に歯の切歯側から表示し(図11参照)、次いで、90度上方に回転させて歯の顔面側表面の正面図を示すことによって(図12参照)、規定される。 歯の顔面側表面を操作者に提示して、この中央発育葉軸(MDL.Ax)は、切歯側の範囲(IMDL.Pt)及び歯肉側(GMDL.Pt)の範囲の選択によって認識され得る。 次いで、MDL.AxをXY平面に対して垂直にし、かつ切歯切端をX軸に対して平行になるように、切歯側又は咬合側から表示されるように歯を再び回転させ、この中央発育葉平面(MDL.Pl)として規定される、MDL.Axを通る垂直平面が位置付けられる(図12参照)。 この平面は、装置の最初の近心-遠心位置付けを規定し得る。

    MDL.AxをXY平面に対してなお垂直にし、切歯切端をX軸に対して平行にすると、近心及び遠心の辺縁隆線は、それぞれ、点MMR.Pt及び点DMR.Ptを選択することによって認識される(図13参照)。 点MMR.Pt及び点DMR.Ptを通る辺縁隆線線分(MR.Li)が規定される(図14参照)。

    平面MDL.Plに沿ってスクリーン上に生成された歯の断面図において、舌側-エナメル質-歯肉境点(LEGJ.Pt)を規定する舌側-エナメル質-歯肉境が認識され、かつ顔面側-エナメル質-歯肉境点(FEGJ.Pt)を規定する顔面側-エナメル質-歯肉境が認識される(図15参照)。 点LEGJ.Pt及び点FEGJ.Ptは、歯冠-歯肉線分(CG.Li)を規定する。 線分CG.Liの中点は、歯頚-中心-点(CC.Pt)として計算される。 舌側咬頭点(LC.Pt)及び顔面側咬頭点(FC.Pt)が選択される。 点LC.Pt及び点FC.Ptは、咬合咬頭線分(OC.Li)を規定する。 OC.Liの中点は、咬合-咬頭-中心-点(OCC.Pt)として計算される。 CC.Pt及びOCC.Ptを通る線分は、これらの小臼歯の歯冠長軸(CL.Ax)を規定する(図15参照)。

    下顎大臼歯について、各歯がまた、回転可能でパン可能かつズーム可能な三次元オブジェクトとして、個々にスクリーンにもたらされ得る。 中央発育葉平面及び歯冠長軸が、これらの大臼歯について規定される。 歯オブジェクトは、その近心-顔面側咬頭と遠心-顔面側咬頭との間の弦を水平なX軸に対して平行にし、その顔面側をスクリーンの下部に向けて、切歯側から表示される(図16参照)。 操作者(又はプログラム)は、遠心-舌側溝点(DLG.Pt)、遠心-舌側咬頭点(DLC.Pt)、近心-舌側咬頭点(MLC.Pt)、顔面側咬頭点(FC.Pt)及び近心-顔面側咬頭点(MFC.Pt)を選択し得る。 点DLC.Pt及び点MLC.Ptは、唇側咬頭線分(LC.Li)を規定する。 点FC.Pt及び点MFC.Ptは、顔面側咬頭線分(FC.Li)を規定する。 点DLG.Pt及び点MFC.Ptは、上顎大臼歯を咬合するために使用されるストラー線(Stolar.Li)を規定する。

    この歯は、FC.LiをX軸に対して平行にして、顔面側表面の正面図を示すように、上方に回転される(図17参照)。 この画像は、切歯側表面を再度表示するように、90度下方に回転される(図18参照)。 咬合板線分(OT.Li)は、LC.Liに対して垂直であり、頬側溝と一致し、FC.LiをLC.Liに接続するように、規定される。 この図において、線OT.Liは、歯への装置の最初の近心-遠心位置付けを規定するために使用される、中央発育葉平面(MDL.Pl)を規定する。

    平面MDL.Plに沿った歯の断面において、舌側-エナメル質-歯肉境点(LEGJ.Pt)を規定する舌側-エナメル質-歯肉境が選択され、顔面側-エナメル質-歯肉境点(FEGJ.Pt)を規定する顔面側-エナメル質-歯肉境が選択される(図19参照)。 点LEGJ.Pt及び点FEGJ.Ptは、歯冠-歯肉線分(CG.Li)を規定する。 線分CG.Liの中点である歯頚-中心-点(CC.Pt)が計算される。 OT.Liの中点もまた、咬合板線中心-点(OTLC.Pt)として計算される。 CC.Pt及びOTLC.Ptを通る線は、歯の歯冠長軸(CL.Ax)を規定する。

    上顎切歯について、歯の三次元オブジェクトは、フルスクリーンの回転可能でパン可能かつズーム可能な画像に、個々にもたらされる。 中央発育葉平面及び歯冠長軸が規定される。 その切歯側から歯を表示し、その切歯切端をX軸に平行にし、その舌側表面をスクリーンの下部に向けると(図20参照)、この歯は90度下方に回転されて、歯の顔面側表面の正面図を示す。 歯の顔面側表面を提示すると、操作者は、その切歯側の範囲(IMDL.Pt)及び歯肉側の範囲(GMDL.Pt)を選択することによって、中央発育葉軸(MDL.Ax)を認識する(図21参照)。

    XY平面に対して垂直にMDL.Axを回転させ、かつ歯の切歯切端をX軸に対して水平又は平行にして、MDL.Axを通る垂直平面が位置付けられる(図22参照)。 これは、この歯についての中央発育葉平面(MDL.Pl)である。 MDL.Plによって生成された歯の断面において、舌側-エナメル質-歯肉境点(LEGJ.Pt)を規定する舌側-エナメル質-歯肉境が選択され、顔面側-エナメル質-歯肉境点(FEGJ.Pt)を規定する顔面側-エナメル質-歯肉境が選択される(図23参照)。 点LEGJ.Pt及び点FEGJ.Ptは、歯冠-歯肉線分(CG.Li)を規定する。 線分CG.Liの中点は、歯頚-中心-点(CC.Pt)として計算及び規定される。 臨床的歯冠高さ(CC.Ht)は、FEGJ.Ptから、この図における歯の最も切歯側の点までの垂直距離として計算される。 顔面側軸点(FA.Pt)は、この図における歯の最も切歯側の点から測定した、CC.Htの半分として計算される。

    この中央発育葉平面は、装置の最初の近心-遠心位置付けを規定し得る。 この中央発育様平面(MDL.Pl)において、歯頚-中心-点(CC.Pt)を通って歯の下に切歯側に伸びる線分が規定される。 操作者は、この線の拘束されない末端を歯の切歯切端の本体の中心まで移動させ得る。 この線は、歯冠長(CL.Ax)を規定する。

    上顎小臼歯について、各三次元オブジェクトが、回転可能でパン可能かつズーム可能なオブジェクトとして、個々にフルスクリーンにもたらされ、中央発育様平面及び歯冠長軸が規定される。 歯は、その切歯切端をX軸に平行にし、かつその舌側表面をスクリーンの下部に向けて、その切歯側から表示される(図24参照)。 歯を90度下方に回転させて、歯の顔面側表面の正面図を示す。 歯の顔面側表面を提示すると、操作者は、切歯側の範囲(IMDL.Pt)及び歯肉側の範囲(GMDL.Pt)で、中央発育葉軸(MDL.Ax)を認識する(図25参照)。

    MDL.AxがXY平面に対して垂直であり、かつ切歯切端がX軸に対して平行になるように、この画像を再度回転させると、この歯についての中央発育葉平面(MDL.Pl)を規定する、MDL.Axを通る垂直平面が位置付けられる(図26参照)。 この平面は、この歯への装置の最初の近心-遠心位置付けを規定する。 MDL.AxをXY平面に対して垂直にし、かつ歯の切歯切端をX軸に対して平行にすると、操作者は、近心辺縁隆線及び遠心辺縁隆線を、それぞれ、点MMR.Pt及び点DMR.Ptとして選択し得、頬側咬頭点(BC.Pt)を選択し得る。 点MMR.Pt及び点DMR.Ptを通る辺縁隆線線分(MR.Li)が規定される(図27参照)。

    MDL.Plによって生成された歯の断面図(図28参照)において、舌側-エナメル質-歯肉境点(LEGJ.Pt)を規定する舌側-エナメル質-歯肉境が選択され、顔面側-エナメル質-歯肉境点(FEGJ.Pt)を規定する顔面側-エナメル質-歯肉境が選択される。 点LEGJ.Pt及び点FEGJ.Ptは、歯冠-歯肉線分(CG.Li)を規定し、その中点は、歯頚-中心-点(CC.Pt)として計算される。 舌側咬頭点(LC.Pt)及び顔面側咬頭点(FC.Pt)が選択される。 点LC.Pt及び点FC.Ptは、咬合側咬頭線分(OC.Li)を規定し、その中点は、咬合側-咬頭-中心-点(OCC.Pt)として計算される。 CC.Pt及びOCC.Ptを通る線分は、この歯の歯冠長軸(CL.Ax)を規定する。

    上顎大臼歯について、これらの歯は、回転可能でパン可能かつズーム可能な三次元オブジェクトとして個々に、フルスクリーンにもたらされる。 各々の中央発育葉平面及び歯冠長軸が規定される。 この歯は、その近心顔面側咬頭と遠心顔面側咬頭との間の弦として規定される切歯切端をXY平面に対して平行にし、かつ舌側表面をスクリーンの下部に向けて、切歯側から表示される(図29参照)。 近心-舌側咬頭点(MLC.Pt)、遠心-舌側咬頭点(DLC.Pt)、近心顔面側咬頭点(MFC.Pt)及び遠心-顔面側咬頭点(DFC.Pt)が、各々選択される。 点MLC.Pt及び点DLC.Ptは、唇側咬頭線分(LC.Li)を規定する。 点MFC.Pt及び点DFC.Ptは、顔面側咬頭線分(FC.Li)を規定する。 近心辺縁隆線及び遠心辺縁隆線は、それぞれ、点MMR.Pt及び点DMR.Ptとして選択される。 点MMR.Pt及び点DMR.Ptを通るように、辺縁隆線線分(MR.Li)が規定される。 点MMR.Pt及び点DLC.Ptは、下顎大臼歯と咬合するために使用されるストラー線(Stolar.Li)を規定する。

    歯オブジェクトは、下方に回転されて、FC.LiをXY平面に対して平行にした、顔面側表面の正面図を示し(図30参照)、次いで、90度上方に回転されて、切歯側表面を再度表示する(図31参照)。 点MFC.Pt及び点MLC.Ptが、近心咬頭線分(MC.Li)を規定するために選択され、咬合板線分(OT.Li)は、線MC.Liに対して平行であり、頬側溝と一致し、かつFC.LiをLC.Liに接続するように規定される。 この図において、線OT.Liは、中央発育葉平面(MDL.Pl)を規定する。 この平面は、この歯への装置の最初の近心-遠心位置付けを規定する。

    MDL.Plによって生成された歯の断面において、舌側-エナメル質-歯肉境点(LEGJ.Pt)を規定する舌側-エナメル質-歯肉境が選択され、かつ顔面側-エナメル質-歯肉境点(FEGJ.Pt)を規定する顔面側-エナメル質-歯肉境が選択される(図32参照)。 点LEGJ.Pt及び点FEGJ.Ptは、線分歯冠-歯肉線(CG.Li)を規定する。 線分CG.Liの中点は、歯頚-中心-点(CC.Pt)として計算される。 OT.Liの中点は、咬合板線中心-点(OTLC.Pt)として計算される。 CC.Pt及びOTLC.Ptを通る線分は、この歯の歯冠長軸(CL.Ax)を規定する。

    <VI.歯根の付加>
    歯根データが、個々の歯根の各々の三次元データを含む別個のファイルから、歯オブジェクトの各々に対して付加され得る。 これらの別個のファイルは、種々の型のX線又は他の装置によって生成され得るような、患者の骨格解剖学的構造のカスタムスキャンの結果であり得る。 あるいは、歯根は、解剖学的に平均的な歯根もしくは代表的歯根の、又は少なくとも、ある患者群内の解剖学的に平均的な歯根もしくは代表的な歯根の、三次元形状データを含むライブラリーファイルから付加され得る。 ライブラリーファイルは、患者から患者への歯根解剖学的構造の類似性に起因して使用され得る。 このようなファイルは、患者の歯冠のカスタムスキャン由来のデータでのこれらのライブラリーファイルの改変について、なおより有用であり、個々の患者の歯根を綿密に近似する歯根データの生成を生じ得る。

    患者の骨格データを用いてさえ、高度に正確な歯冠スキャンを使用した患者の特定の歯根データの改変は、得られたデジタルモデル中の歯根の正確性を増大させ得る。 さらに、歯の解剖学的構造の全体的情報と合わせたか、又は単独とみなされる、X線データのような患者の特定のデータの使用は、異なるスキャン技術によって取られた歯冠データを用いて歯根を直接的に修正するための綿密なスキームの使用なしに、情報処理によって歯冠スキャンデータと合わされ得る。

    歯冠データと歯根データとを結合させて、完全な歯オブジェクトを形成する1つの方法は、スキャンによって生成された歯冠形状データを検索し、そして例えば、歯根ファイルのライブラリーから歯根形状データを検索することである。 各歯根画像は、例えば、図33に例示されるように、その歯根長軸(RLA)に沿って検索され得る。 この歯根データが患者の実際の歯根のスキャンに由来する場合、歯根上でRLAを決定してRLAを置くために分析がなされ得る。 次いで、歯冠のCLA及び歯根のRLAが整列されて、2つの歯の部分を一緒に連結する。 この整列は、歯セットアップを決定する過程において保持又は改変され得る、特定の相対的トルク度に設定され、その表は、図34に例示される。

    歯根データをカスタマイズする1つの方法は、歯根画像ファイルで開始し、この歯根画像ファイルを用いて、歯冠に対して原寸大未満で歯根を提示することである。 歯冠の原寸大の約4分の3で歯根を提示することが通常行われる。 一旦歯冠及び歯根の画像が整列されると、次いで、歯根画像は、歯根のいずれかの部分が歯冠における対応する点に達するまで、サイズが漸進的に増大され得る。 この接触が、代表的には歯冠-歯肉線で生じると、歯根の拡大は接触点で固定され、かつ拡大率は、接触点の近傍で比例して縮小される。 拡大する歯根画像と歯冠画像との間の他の点が接触するようになるにつれ、類似の拘束が課され、歯根の形状は、歯の歯冠の形状に接近する方法で歯根が拡大するにつれて、変形する。 歯根が拡大され、かつ歯冠及び歯根の縁が完全に一致すると、2つのファイルが結合されて、歯冠及び歯根を有する、完全で隙がなく、かつ完全に密封された三次元歯オブジェクトが生成される。

    <<第2章:患者の歯のセットアップの計算>>
    患者の歯の標的配置の規定に達することは、コンピュータの補助によって実施される歯科矯正処置の最初の目的である。 これに関して、コンピュータは、歯の配列及び装置の設計に対して精密さを課し、反復手順を自動化し、そして矯正歯科医又は他の意思決定者との相互作用のためのインターフェースを提供し得る。

    <VII.歯の配向>
    カスタムセットアップの歯の最終位置の計算は、互いに対する位置における、個々の三次元歯オブジェクトのアセンブルで開始する。 三次元歯オブジェクトの各々が、XY咬合平面に対して配向される。 下顎の歯及び上顎切歯について、図35Aに示されるように、これらの歯オブジェクトは、その中央発育葉平面(MDL.Pl)がこのXY平面に対して垂直であり、原点を通り、かつY軸及びZ軸に対して平行であるように配向される。 各歯について、Y軸は、手順のこの時点で、各それぞれの歯について別個であり、舌側方向を指して取られる。 各歯についてのZ軸は同じであり、咬合方向を指して取られる。 歯冠長軸(CL.Ax)は、図35Bにおいて例示されるように、所定のトルク角度値のルックアップテーブル(表A)から、YZ平面又はMDL.Plにおける歯冠長軸傾斜角度(CLAI.An)に最初に設定される。

    次いで、三次元歯オブジェクトの各々は、その中央発育葉平面(MDL.Pl)が、ルックアップテーブル(表B)から、XY平面に対して所定の中央発育葉平面の傾斜角度又は先端角度(MDLI.An)にあるように、XY咬合平面に対して配向される。 この角度は、図35CにおいてXY平面中に示される。 各歯について、各歯についてのX軸は、手順におけるこの時点で別個であり、かつ遠心方向を指して取られ、各歯についてのZ軸は同じであり、かつ咬合方向を指して取られる。

    負のZ方向でXY平面に対して垂直に、歯をこの配置配向(PO)にし、歯を歯肉側から表示すると、図35Dに例示されるように、頬側咬頭点(BC.Pt)が認識される。 この点(BC.Pt)は、ベスト-フィット-頬側-咬頭-方程式(BFBCE)に歯をフィットさせるか、又は歯をこのベスト-フィット-頬側-咬頭-方程式(BFBCE)上に整列させるために使用される。 次いで、歯がこの配置配向(PO)になおある、歯の正面図において、歯の最大の幅は、その切歯切端の近傍で、かつXY平面に対して平行に選択された、歯の断面で決定される(図35E)。 この幅は、歯の近心-遠心幅(MDW)として規定される。

    上顎小臼歯及び大臼歯の各々について、大臼歯についての近心咬頭を使用して、歯オブジェクトは、ルックアップテーブルから、そのCL.AxをXY平面に対して歯冠長軸傾斜角度(CLAI.An)にして、配向される(図35F参照)。 顔面側図において、歯オブジェクトは、図35Gに示されるように、MR.LiがX軸に対して平行(XY平面及びXZ平面の両方に対して平行)になるまで、回転される。 MR.LiとBC.Ptとの間の垂直(Z)距離は、図35Hに例示されるように、頬側咬頭高さ(BC.Ht)として、計算及び記録される。

    <VIII.下顎歯の配置>
    下顎歯についての理想的な位置は、下顎アーチフォーム方程式(例えば、ManTrough(MT)と称される下顎谷方程式)で、最初に歯を配置するために計算される。 単一の咬頭歯(44、43、42、41、31、32、33、34)について、中心線から開始して、各歯は、そのそれぞれの配置配向(PO)で、その近心-遠心幅(MDW)に従って配置され、その結果、その歯冠長軸(CL.Ax)はManTrough(MT)と交差し、かつその歯頚中心-点(CC.Pt)はManTroughと一致する。 この歯の平面、中央発育葉平面(MDL.Pl)は、ManTroughを含む平面とMDLとの交差によって形成された線が、ManTroughの湾曲に対して垂直であるように、配置される。 最後に、歯のMDWに関して対称的であるように、弓が作成される。

    第二小臼歯及び大臼歯(47、46、45、35、36、37)について、各歯は、その配置配向(PO)で、その近心-遠心幅(MDW)に従って配置され、その結果、その歯冠長軸(CL.Ax)はManTroughと交差し、かつその歯頚中心-点(CC.Pt)はManTroughと一致する。 この歯のMDL.Plは、ManTroughを含む平面とMDL.Plとの交差によって形成される線が、ManTroughの湾曲に対して垂直であるように、配置される。 この歯についての線OT.Liは、MDL.Pl内に含まれ、かつManTroughを含む平面に対して咬合板角度(OT.An)であるように設定される。 以下の表Cを参照のこと。 最後に、MDWに関して対称的であるように、弓が作成される。

    両方の下顎第一大臼歯の近心-顔面側咬頭点(MFC.Pt)及び下顎右側中切歯として取られた下顎中心の頬側咬頭点(BC.Pt)が、例えば、咬合平面(O.Pl)を規定するために選択される。 次いで、ManTroughと一致してCC.Ptを維持する拘束が解放され、他の歯が、それらのBC.Ptがこの平面と一致するまで、そのそれぞれのCL.Axに沿って押し出しされるか又は押し込まれる(図35J参照)。

    以下の方程式は、犬歯の上昇、すなわち、犬歯咬頭先端が咬合平面の上に突出する距離を決定するために使用される。 第一に、犬歯咬頭先端を他の歯の頬側咬頭を含む咬合平面と一致して維持する拘束が解放される。 最大値(ミリメートル単位)は、以下に示される4つの犬歯上昇因子(CRF)等式の最大値であることが見出される。 これらの等式において、左及び右の両方の歯の、大きい方の値のBC.Htが使用される。
    CRF=(1.67×第二大臼歯のBC.Ht)+0.5
    CRF=(1.50×第一大臼歯のBC.Ht)+0.5
    CRF=(1.36×第二小臼歯のBC.Ht)+0.5
    CRF=(1.20×第一小臼歯のBC.Ht)+0.5T

    次いで、犬歯上昇は、以下から計算される:
    下顎犬歯上昇=犬歯上昇因子の34%
    上顎犬歯上昇=犬歯上昇因子の66%

    上顎犬歯上昇値は、上顎歯配置セットアップにおいて使用するために保存される。 図35Kに例示されるように、下顎犬歯上昇は、ManTroughの平面(又は咬合平面もしくはXY平面)に対して垂直な方向で、犬歯を押し出すことによって適用され、その値は、犬歯上昇方程式によって決定される。

    一次アーチワイヤ平面(PAW.Pl)が、2つの下顎第一大臼歯及び1つの下顎切歯から取られた3つの点によって決定される。 平面MDL.Plにおいて、両方の下顎第一大臼歯について、BC.PtからFEGJ.Ptまでの、咬合平面に対して垂直な距離が計算され、次いで平均されて2等分される。 この距離は、後方一次アーチワイヤ高さとなる。 MDL.Plにおいて、咬合平面に対して垂直な、BC.Ptからのこの後方一次アーチワイヤ高さは歯肉側より測定され、これらの交差はその高さで歯の顔面側表面で見出される。 これらの交点は、右及び左の後方一次アーチワイヤ点(RPPAW.Pt、LPPAW.Pt)となる。

    下顎右中切歯(41)についての平面MDL.Plにおいて、BC.PtからFEGJ.Ptまでの、咬合平面に対して垂直な距離が決定される。 この距離は、前方一次アーチワイヤ高さとなる。 このMDL.Plにおいて、BC.Ptからの咬合平面に対して垂直なこの前方一次アーチワイヤ高さは歯肉側より測定され、この交差はその高さで歯の顔面側表面で見出される。 この交差点は、前方一次アーチワイヤ点(APAW.Pt)となる。

    点RPPAW.Pt、点LPPAW.Pt及び点APAW.Pを通る一次アーチワイヤ平面(PAW.Pl)が規定される。 各歯について、PAW.PlとMDL.Pl中の歯の顔面側表面との交差は、一次アーチワイヤ点(PAW.Pt)として規定される。 この平面は、最終アーチワイヤ平面の位置を近似し、かつ解剖学的変動をフィルタにかけて、対称性を促進するために使用され得る。 図35Lを参照のこと。

    次いで、対称的な弓が生成される。 各歯について、CL.AxをManTroughと一致させて維持する拘束が解放される。 歯の各対41、31及び42、32について、それらのMDL.Pl断面図が重ね合わされ、そのそれぞれの顔面側切歯切端点(FIE.Pt)が一致させられる。 PAW.Plに対する両方の顔面側軸角度(FA.An)の値が試験され、これらの歯は、その顔面側角度が平均値になるまで、FIE.Ptに関して回転させられる。 これは、図35M及び図35Nにおいて見られるように、イン-アウトの対称性における微小な変動という犠牲を払って行われる。

    歯の各対43、33及び44、34について、それらのMDL.Pl断面図が重ね合わされ、両方のPAW.Ptが一致させられる。 PAW.Plに対する両方の顔面側軸角度(FA.An)の値が試験され、これらの歯は、図35Oにおいて見られるように、その顔面側角度が平均値になるまで、PAW.Ptに関して回転させられる。

    次いで、これらの歯の各々が、BC.Ptが再度咬合平面と一致するまで、咬合平面(O.Pl)に対して垂直な方向で、押し出されるか又は押し込まれる。 頬側咬頭点(BC.Pt)からPAW.Ptまでの水平距離は、突出線(PR.Li)として規定され、これは、歯のBC.Ptを調整することによって、平均値へと再確定される(図35P参照)。

    歯の各対47、37、46、36及び45、35について、それらのMDL.Pl断面図が重ねあわされ、両方のPAW.Ptが一致させられる。 PAW.Plに対する両方の咬合板角度(OT.An)の値が試験され、これらの歯は、その咬合板角度が平均値になるまで、PAW.Ptの周りを回転させられる(図35Q及び図35R参照)。

    これらの歯は、BC.Ptが再度咬合平面と一致するまで、咬合平面(O.Pl)に対して垂直な方向で、押し出されるか又は押し込まれる。 頬側咬頭点(BC.Pt)からPAW.Ptまでの水平距離は、突出線(PR.Li)として規定され、これは、BC.Ptを調整することによって、平均値へと再確定される(図35P参照)。

    歯42、41、31、32のFIE.Ptは、上顎切歯の配置を可能にするために、BFBCEに対して下顎切歯切端を配列させるために固定される。 歯42、41、31、32のBC.Ptは、MDL.Plに沿ってFIE.Ptから平均値にリセットされる。 41、31についてのMDL.Plとマントラフグリッドからの中心線との交点が見出され、両方の歯について、MDL.Plに沿ってBC.Ptから交点までの線分距離が計算される。 これらの交点から、線分と等しいそれぞれの距離が、顔面側で中心線に沿って測定される。 中心線上の測定された距離で点が生成され、平均される。 この平均された点は前方ベジエハンドルの起点となり、47、37の近心顔面側咬頭が後方ベジエハンドルとなる。 操作者は、デフォルトベストフィット頬側咬頭方程式(BFBCE)となる曲線を調整するために、これらのハンドルを移動させ得る(図35S参照)。

    各歯について、42、41、31、32以外は、頬側咬頭方程式に対して垂直に、顔面側又は舌側のいずれかで移動され、その結果、個々の咬頭先端(BC.Pt)は、その曲線上に入る(図35T参照)。

    次いで、コンピュータセットアップに対して、操作者によって改変がなされる。 この操作者は、各歯について、顔面側(XZ平面において)で表示した場合、MDL.Plにおける小さい平行移動改変、CL.Axに関する回転改変、及びPAW.Ptに関する回転改変を行う能力を有する。 各々かつすべての個々の改変の後、下顎弓セットアップは、各特定の変化を達成しつつ、上記のルールに従うように再計算される。

    さらなる改変には、BFBCE調整が含まれる。 この操作者は、ベジエハンドルを引いて、以下の2つの異なる結果のうち1つを動的にもたらす能力を有する:(1)各歯のデフォルト平行移動が、そのそれぞれのMDL.Plにおいて行われ得、そのBC.PtはBFBCEと一致している、及び(2)そのBC.PtがBFBCEと一致し、かつ各歯がそのそれぞれのMDL.Plにおいてそのそれぞれの歯頚中心点(CC.Pt)の周りを回転させられるので、トルク(又は顔面側軸角度)調整がなされ得る。

    <IX.上顎歯の配置>
    第一に、小臼歯(15、14、24、25)が配置される。 それらの配置配向(PO)で、これらの小臼歯は、ルックアップテーブルにおいて見出されるように、そのそれぞれの近心辺縁隆線点(MMR.Pt)が角度MDLI.AnでBFBCEと一致するように配置される。 MDL.PlとBFBCEの平面との交線は、BFBCEに対して垂直である。 MDL.PlとBFBCEとの交点からの垂線は、下顎第二小臼歯/第一大臼歯挟間(上顎第二小臼歯について)又は下顎第一小臼歯/第二小臼歯挟間(上顎第一小臼歯について)と一致する。 図35Uを参照のこと。

    大臼歯(17、16、26、27)が、そのそれぞれのMMR.PtがBFBCEと一致し、第一大臼歯について上顎第二小臼歯と、又は第二大臼歯について上顎第一大臼歯と接触し、そのそれぞれのMDLI.Anがルックアップテーブル中に見出される通りであり、かつそれらの咬合対のストラー線(Stolar.Li)が、XY平面に対して垂直に表示した場合に平行であるように、その配置配向(PO)で配置される。

    切歯(12、11、21、22)、上顎犬歯上昇、犬歯MDLI.An及び犬歯MDWの以前に保存された値が、上顎犬歯配置をシミュレートするために使用される(図35V参照)。 この図において、上顎及び下顎の歯は、明確にするために別々であり、咬合平面は2回示されている。 犬歯のFA.Ptを通りかつ咬合平面(O.Pl)に対して平行な切歯整列平面(IA.Pl)が生成される。

    それらの配置配向(PO)で、中切歯及び側切歯は、それらのFA.PtがIA.Plと一致し、それらの近心先端が中切歯については中心線、又は側切歯については中切歯と一致し、かつこれらの歯が下顎切歯と接触するように、配置される(図35W参照)。 この図においても、上顎及び下顎の歯は、明確にするために別々である。

    犬歯(13、23)は、それらの配置配向(PO)で、それらのFA.PtがIA.Plと一致し、これらの歯が上顎側切歯と第一小臼歯との間で近心-遠心でフィットし、かつ下顎犬歯及び第一小臼歯と接触するように、配置される。 この配置は、一般的に、隣接する歯への妨害を生じる。 この妨害は、セットアップにおいて許容され、かつちょうどよいときに生理学的に解決される(図35X参照)。

    次いで、コンピュータセットアップへの微小な改変が、操作者によってなされる。 この操作者は、上顎弓における各歯について、顔面側(XZ平面)から表示した場合、その歯に依存して、MDL.Plにおける小さい平行移動改変、CL.Axに関する回転改変、及びFA.Pt又はPAW.Ptに関しての回転改変を行う能力を有する。 各々かつすべての個々の改変の後、下顎弓セットアップは、各特定の変化を達成しつつ、上記のルールに従うように再計算される。

    <X.抜歯事例>
    種々の選択肢について、抜歯を含む事例についてのセットアップがまた、以下のように計算される:

    [下顎抜歯のみ]
    一般に、下顎抜歯事例は、歯34、35、44又は45を含む。 異なる抜歯シナリオは、以下の通りである:2つの対側性の歯が抜歯され得るか、歯34及び45が抜歯され得るか、又は歯35及び44が抜歯され得る。 残りの下顎歯は、上記のように、セットアップにおいて適切に配置される。 抜歯された歯は、上記<VIII.下顎歯の配置>の節に記載される非抜歯事例についての配置プロトコルから削除されているに過ぎない。 残りの歯は、これもまたその段階において記載されるように、それらのMDW、CL.Ax、CC.Pt及びMDL.Plに従って配置される。 図35Yを参照のこと。 対称的な弓を生成するステップ又は平均するステップのような引き続くステップについて、再度、これらの歯は指示セットから単に削除され、次いでセットアップ計算が継続される。

    [上顎抜歯のみ]
    2つの小臼歯(上顎弓の各側から1つずつ)抜歯を含む上顎抜歯について、下顎の歯は、上記<VIII.下顎歯の配置>の節に記載されるように配列される。 上顎上で、残りの小臼歯は、最初に配置されるべきものである。 この歯は、上記<IX.上顎歯の配置>の節に記載されたのと同じ様式で配置されるが、これがフィットする下顎歯の挟間は、除去された歯に基づいてシフトされる。 図35Zは、この型の抜歯事例が考慮される場合に、如何に歯が一緒にフィットするかを示す。 大臼歯は、図35AA中のルールに従って配置される。 次いで、切歯及び犬歯は、まさに上記<IX.上顎歯の配置>の節の通りである。

    4つの小臼歯抜歯(上顎2つ及び下顎2つ)を含む下顎及び上顎の抜歯について、下顎歯は、上記[下顎抜歯のみ]に記載されたように配列される。 上顎上で、残りの小臼歯は、最初に配置されるべきものである。 この歯は、上記<IX.上顎歯の配置>の節に記載されたのと同じ様式で配置されるが、これがフィットする下顎歯の挟間は、除去された歯に基づいてシフトされる。 次いで、大臼歯、切歯及び犬歯は、まさに上記<IX.上顎歯の配置>の節の通りである。 図35BBは、上顎及び下顎の小臼歯抜歯事例が考慮される場合に、如何に歯が一緒にフィットするかを示す。

    [一般的な例外-非対称]
    抜歯された歯の数が口中に非対称を引き起こす場合がある。 これが起きると、口の半分が各々独立して処置され、そのそれぞれの抜歯シナリオに従ってセットアップされる。 図35CCを参照のこと。

    代替的な歯認識スキームが、図35DD中に例示される。

    <<第3章:歯科矯正装置の設計の決定>>
    決定された処置計画を実行するために歯科矯正装置を提供することは、歯に正確にフィットして、それらの標的位置に歯を正確に移動させるように機能する装置の幾何学を規定するために、それらの標的位置における歯の三次元モデルを使用することを含む。 このようなプロセスは、機械語及び歯科矯正装置の正確な製造を容易にする他の指示を提供する。

    <X.装置設計>
    歯を良好な咬合へとセットアップした後、装置は、このセットアップにおける規定された標的位置に歯を位置付けるように設計される。 歯の三次元表面は、歯と接触する装置の対応する表面(例えば、ブラケットの基部、配置治具の見当表面など)を規定し得る。 種々の歯のこれらの表面は、この装置によって接続され、この装置は、例示された例においては、ブラケット及びアーチワイヤブレースである。 これらのブラケット及びワイヤ、又は他の装置もしくは装置構成要素は、歯への配置のために設計される。

    アーチワイヤは、以下の条件を満たすように設計される:1)このワイヤは、中心線に対して対称である。 2)このワイヤは、最初に、アーチワイヤ平面(PAW.Pl)に存在する。 3)このワイヤは、各歯の中央発育葉平面(MDL.Pl)に対して垂直である。 4)このワイヤは、各ブラケットの本体を通過する。 ブラケットの本体におけるその正確な位置は、以下のブラケットスロット切削の節において、より詳細に記載される。 ブラケットにおけるその位置は、チャートの末端のいずれにもないようにあるべきである。 5)このワイヤの曲線は、審美的であるべきであり、これは、一般にU字型の形状を意味する。 6)このワイヤは、装置の最後方を約2mm超えて伸び、この装置は代表的に、大臼歯上の頬面管である。 7)このワイヤは、最小数及び最小強度の内曲又はわずかな屈曲を有し、この屈曲は、PAW.Plに制限され、かつPAW.Pl中に留まるべきである(本明細書中で、1次の屈曲と称する、2次又は3次の屈曲として以下に規定される屈曲は、回避されるか又は禁じられるべきである、図36を参照のこと)。

    図37Aは、ワイヤ設計インターフェースの注釈付のスクリーン写真を示す。 異なる図の相関関係は、図37Bに例示されるようなラジオボタンを介して、ほとんどの適用のために利用可能な型の一般的なディスプレイダイアログボックスを介して、利用可能となる。 図37Cに例示されるように、アーチワイヤの位置を例示する歯の断面もまた提供される。

    図38に例示されるように、中央発育葉平面(MDL.Pl)は、この装置の最初の近心-遠心位置付けを規定し、一次アーチワイヤ平面(PAW.Pl)は、垂直位置を規定する。

    <XI.改変>
    操作者は、装置のコンピュータ位置をオーバーライドして調整することができる。 この操作者は代表的に、装置製造設備における当業者であるが、処置に当たる歯科矯正実施者でもあり得る。 各々及びすべての調整の後、装置セットアップが各特定の変化を適応させるために再計算され、その結果、各変化の直接の結果は、使用者又は実施者に対して直ぐに明らかである。 図38Aは、操作者が操作者に提供したブラケットの自由を示す。

    アーチワイヤについて、上記<VIII.下顎歯の配置>の節から、平面PAW.Plは、左側、右側及び前方の一次アーチワイヤ点(LPPAW.Pt、RPPAW.Pt、APAW.Pt)によって記載される。 1つ又は複数のこれらの拘束が解放され得、このアーチワイヤに、図39に記載されるような自由を与える。 また、この図に示されるように配向されるべきアーチワイヤについて、新たなアーチワイヤ位置を適応させるために、ブラケットがそのそれぞれのMDL.Plに沿って移動される。 図40に例示されるようなアーチワイヤ平面の端から端までの傾きは、好ましくは許容されない。

    <XII.ブラケットスロット切削>
    ブラケット製造は、ブラケットへとアーチワイヤスロットを切削又は他の方法により形成するステップを含む。 各ブラケットは独自のスロットを有し、このスロットの幾何学は、装置セットアップにおけるアーチワイヤの位置によって決定される。 アーチセットアップにルールが存在するように、ブラケットスロットを設計するためのルールが存在する。 このスロットは、ブラケットからアーチワイヤが突出するほど浅くあるべきでも、歯を妨害するほど深くあるべきでもない。 さらに、スロットが切削される角度は、タイウィングを切り離したり弱くしたりしないように制限されるべきである。 最後に、「スロットボックス」は、ブラケットの本体の中心にあるべきである(図41参照)。 好ましい最大及び最小のスロット深さ並びにトルクは、図42及び図43に例示される。

    図43において、スロット深さの変化及びトルクは一定のままであり、ブラケットパッド上のイン/アウト寸法の位置もまた変化する(Δ)。 弱い又は脆弱なブラケットを回避するために、スロット深さと角度(トルク)との組合せが、制限内に維持される。 図47〜図55に示されるチャートは、トルクと対照した場合のイン/アウト寸法についての受容可能な値を記載する。 示された2つの曲線の間に入るこのチャート上の任意の値は、受容可能な値である。

    図44〜46に例示されるように、ブラケットスロットについて記載されたプロセスの改変を使用して、大臼歯についての頬面管が生成される。 タイウィングは、ブラケットカード(又はメッシュパネル)上の、大臼歯位置におけるブラケットの最初の切り離しである。 この管は、代表的には、ブラケットについてのスロット切削及びタイウィングの除去の両方のために使用されるのと同じ鋸を用いてこの管に対して切削された角度を有する。 この角度は複合角度であり得、このスロットはこの角度に対して平行である。 同じ論理が、以前に言及したブラケットについても適用される。 このスロットは、パッドに食い込むほど深くあるべきでも、「外側角度」を超えて突出するほど浅くあるべきでもない。 「蓋」が、頬面管を完成させるための製造プロセスの最後に、この対象物へと蝋付けされる。 スロット深さとトルクとの受容可能な組合せは、上顎第一小臼歯についてと同じである(図50参照)。

    当業者は、上記の本発明が例示であり、その態様は変化され得、本発明の原理から逸脱することなしに付加及び改変がなされ得ることを、理解する。 さらに、より適切に特許請求され得、かつ/又は出願人が分割出願、継続出願もしくは他の別個の出願において特許請求する権利を保留する、上記開示中に示される本発明の概念が存在する。

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