3-d calculation of occlusion in a virtual orthodontic system

申请号 JP2007543091 申请日 2005-10-31 公开(公告)号 JP2008520350A 公开(公告)日 2008-06-19
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 エー. スターク,ニコラス; イー. ラビー,リチャード;
摘要 歯列弓について予測される最終咬合を算定するときに、歯科矯正アーチワイヤ装具システム内のトルク損失の影響をモデル化する、歯科矯正治療計画システムについて記載する。 治療計画システムは、アーチワイヤの長さに沿った各装具 位置 での、アーチワイヤと複数の歯科矯正装具との係合をモデル化する。 治療計画システムは、アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ 角 度が規定の許容度内のゼロになるまで、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を反復して決定し、決定されたねじれ角度に基づいて各歯の姿勢及び位置を漸増式に調整する。 アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度が規定の許容度内のゼロであるときには、アーチワイヤが弛緩しており、歯列弓の算定された最終咬合の3D描示を表示することができる。
权利要求
  • 歯列弓の複数の歯の異なる1つずつにそれぞれが関連付けられる複数の歯科矯正装具とそれら歯科矯正装具の各々の溝に受容されるアーチワイヤとを含む、提案された歯科矯正処方を、デジタル方式で描示することと、
    前記アーチワイヤ及び前記複数の歯科矯正装具のデジタル方式の描示によって体験的に知られたトルク損失に基づき、3次元(3D)モデリング環境の中で、前記歯列弓についての予測される最終咬合を算定することと、
    を含む方法。
  • 前記トルク損失が、不完全なアーチワイヤ圧出と、前記複数の歯科矯正装具の各々の前記溝に対する前記アーチワイヤの完全でない係合との、少なくとも一方を含む、請求項1に記載の方法。
  • 予測される最終咬合を算定することは、前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記アーチワイヤのねじれ角度を決定することは、前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を反復して決定することを含む、請求項3に記載の方法。
  • 最終咬合を算定することは、前記アーチワイヤに沿った任意の長手方向位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を決定することを含む、請求項3に記載の方法。
  • 前記アーチワイヤに沿った任意の長手方向位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を決定することは、複数の装具位置の間での前記アーチワイヤの複数のねじれ角度の間を線形補間することを含む、請求項5に記載の方法。
  • ねじれ角度を決定することは、
    各歯科矯正装具についてのトルク角度を決定することと、
    各歯科矯正装具についての前記アーチワイヤの正及び負のトルク限界を決定することと、
    を含む、請求項3に記載の方法。
  • 各歯科矯正装具についての前記トルク角度は、基準咬合平面に対して決定される、請求項5に記載の方法。
  • ねじれ角度を決定することは、
    複数の装具位置の中から前記アーチワイヤに沿った複数のアンカーポイントを同定することと、
    複数のアンカーポイントの間の複数の線分を生成することと、
    各装具位置に関連付けられた前記線分に基づき、前記アーチワイヤの前記ねじれ角度を決定することと、
    を含む、請求項3に記載の方法。
  • 生成された前記複数の線分が、前記アーチワイヤの前記ねじれ角度を表す、請求項9に記載の方法。
  • 複数のアンカーポイントを同定することは、
    基準に対して前記複数の装具位置の中から最大偏差成分を同定することと、
    アンカーポイントを前記最大偏差成分に関連付けることと、
    前記最大偏差成分が前記基準の上方にあるときに、アンカーポイントを負のトルク限界に設定することと、
    前記最大偏差成分が前記基準の下方にあるときに、アンカーポイントを正のトルク限界に設定することと、
    を含む、請求項9に記載の方法。
  • 予測される最終咬合を算定することは、前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯科矯正装具を調整することを含む、請求項3に記載の方法。
  • 各歯科矯正装具を調整することは、各装具位置における前記アーチワイヤの前記ねじれ角度が規定のゼロ許容度内になるまで、前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯科矯正装具を漸増式に調整することを含む、請求項12に記載の方法。
  • 各歯科矯正装具を調整することは、前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯科矯正装具に対する印加トルクを計算することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  • 各歯科矯正装具を調整することは、関連する歯の相対的動作抵抗に基づいて各歯科矯正装具に抵抗重みを付加することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  • 前記歯科矯正装具の各々に付加される前記抵抗重みは、前記関連する歯の総歯根表面積、前記関連する歯の歯根断面積、前記関連する歯の歯根長、及び前記関連する歯の歯根数に基づくものである、請求項15に記載の方法。
  • 前記歯科矯正装具の各々に付加される前記抵抗重みは、スカラー値とベクトル値とのいずれか一方である、請求項15に記載の方法。
  • 各歯科矯正装具を調整することは、
    前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度と、関連する歯の相対的動作抵抗に対応する抵抗重みとに基づいて、各歯科矯正装具についての合成トルク値を計算することと、
    前記計算された合成トルク値に基づいて各歯科矯正装具を漸増式に調整することと、
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  • 予測される最終咬合を算定することは、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を反復して決定することと、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記ねじれ角度がほぼゼロに等しくなるまで、前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯を漸増式に調整することと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記算定された最終咬合の3D描示を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記提案された歯科矯正処方を特定するデータを施術者及びデータベースのいずれか一方から受け取ることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 初期不正咬合から前記予測される最終咬合までの前記歯列弓の動画式3D描示を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 所期の最終咬合から前記予測される最終咬合までの前記歯列弓の動画式3D描示を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、アーチワイヤに結合される歯科矯正装具を含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、ブラケット、バッカルチューブ及びシースの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
  • コンピューティングデバイスと、
    前記コンピューティングデバイスで実行されるモデリングソフトウェアであって、歯列弓の複数の歯の異なる1つずつにそれぞれが関連付けられる複数の歯科矯正装具とそれら歯科矯正装具の各々の溝に受容されるアーチワイヤとを含む、提案された歯科矯正処方の、デジタル描示を提供するモデリングソフトウェアと、
    前記提案された歯科矯正処方についての前記複数の装具へのアーチワイヤ係合を、3次元(3D)モデリング環境の中でモデル化するトルク調整モジュールと、
    を具備するシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記モデル化されたアーチワイヤ係合に基づく前記提案された歯科矯正処方による治療の結果として生じる、前記歯列弓についての予測される最終咬合を算定する、請求項26に記載のシステム。
  • 前記予測される最終咬合を前記3D環境の中で表示するためのユーザーインターフェースをさらに具備する、請求項27に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記モデル化されたアーチワイヤ係合に基づく前記提案された歯科矯正処方による治療の全体にわたる複数の不連続時点での、前記歯列弓についての咬合を算定する、請求項26に記載のシステム。
  • 前記提案された歯科矯正処方による治療の全体にわたる複数の不連続時点での前記算定された咬合を、前記3D環境の中で表示するためのユーザーインターフェースをさらに具備する、請求項29に記載のシステム。
  • 複数の不連続時点での前記算定された咬合の3D描示が、少なくとも1つの装具と、ねじられた幾何学的形状を呈している前記アーチワイヤとを含む、請求項30に記載のシステム。
  • 複数の不連続時点での前記算定された咬合の3D描示が、各アーチワイヤセグメントにおけるねじり応力に対応して長さ方向へ多様な色でレンダリングされたアーチワイヤを含む、請求項30に記載のシステム。
  • 色は、色相、飽和度、白色度、彩度、明度及び陰影の少なくとも1つを変更することにより変化する、請求項32に記載のシステム。
  • 前記アーチワイヤに係合する装具が前記アーチワイヤに係合しない装具から外観の違いによって区別される、請求項30に記載のシステム。
  • 外観の違いは、色相、飽和度、白色度、彩度、明度、陰影、不透明度、透明度及び濁度の少なくとも1つにおける相違を含む、請求項34に記載のシステム。
  • 前記複数の装具への前記モデル化されたアーチワイヤ係合を前記3D環境の中で表示するためのユーザーインターフェースをさらに具備する、請求項26に記載のシステム。
  • トルク損失が、不完全なアーチワイヤ圧出と、前記複数の歯科矯正装具の各々の前記溝に対する前記アーチワイヤの完全でない係合との、少なくとも一方を含む、請求項26に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を決定して、前記複数の装具への前記アーチワイヤ係合をモデル化する、請求項26に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記ねじれ角度を反復して決定する、請求項38に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、各歯科矯正装具についてのトルク角度を決定するとともに、各歯科矯正装具についての前記アーチワイヤの正及び負のトルク限界を決定する、請求項38に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、各歯科矯正装具についての前記トルク角度を基準咬合平面に対して決定する、請求項40に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、
    複数の装具位置の中から前記アーチワイヤについての複数のアンカーポイントを同定し、
    複数のアンカーポイントの間の複数の線分を生成し、
    各装具位置に関連付けられた前記線分に基づき前記ねじれ角度を決定する、
    請求項38に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、
    基準線を規定し、
    前記基準線に対して前記複数の装具位置の中から最大偏差成分を同定し、
    前記最大偏差成分が現在の前記基準線の上方にあるときに、前記アンカーポイントを負のトルク限界に設定し、
    前記最大偏差成分が現在の前記基準線の下方にあるときに、前記アンカーポイントを正のトルク限界に設定する、
    請求項42に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯科矯正装具を調整する、請求項38に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記ねじれ角度が規定のゼロ許容度内になるまで、前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯科矯正装具を漸増式に調整する、請求項38に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯科矯正装具に対する印加トルクを計算する、請求項38に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、関連する歯の相対的動作抵抗に基づいて各歯科矯正装具に抵抗重みを付加する、請求項38に記載のシステム。
  • 前記歯科矯正装具の各々に付加される前記抵抗値は、前記関連する歯の歯根断面積及び前記関連する歯の歯根数の、少なくとも一方に基づくものである、請求項47に記載のシステム。
  • 前記歯科矯正装具の各々に付加される前記抵抗値は、スカラー値とベクトル値とのいずれか一方である、請求項47に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、
    前記決定されたねじれ角度と、関連する歯の相対的動作抵抗に対応する抵抗重みとに基づいて、各歯科矯正装具についての合成トルク値を計算し、
    前記合成トルク値に基づいて各歯科矯正装具を漸増式に調整する、
    請求項48に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を反復して決定し、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記ねじれ角度がほぼゼロに等しくなるまで、前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯を漸増式に調整する、
    請求項26に記載のシステム。
  • 前記トルク調整モジュールは、前記提案された歯科矯正処方を特定するデータを施術者及びデータベースのいずれか一方から受け取る、請求項26に記載のシステム。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、アーチワイヤに結合される歯科矯正装具を含む、請求項26に記載のシステム。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、ブラケット、バッカルチューブ及びシースの少なくともいずれかを含む、請求項26に記載のシステム。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、結合ウイング付きブラケット及び自己結紮型ブラケットの少なくともいずれかを含む、請求項26に記載のシステム。
  • プログラマブルプロセッサに、
    歯列弓の複数の歯の異なる1つずつにそれぞれが関連付けられる複数の歯科矯正装具とそれら歯科矯正装具の各々の溝に受容されるアーチワイヤとを含む提案された歯科矯正処方による治療の結果として生じる、前記アーチワイヤ及び前記複数の歯科矯正装具によって体験的に知られたトルク損失に基づき算定される前記歯列弓についての予測される最終咬合を、算定させるとともに、
    前記予測される最終咬合のデジタル描示を、表示させるための、
    指示を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、アーチワイヤに結合される歯科矯正装具を含む、請求項56に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記複数の歯科矯正装具が、ブラケット、バッカルチューブ及びシースの少なくともいずれかを含む、請求項56に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記指示は、前記プロセッサに、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を反復して決定させ、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記ねじれ角度がほぼゼロに等しくなるまで、前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯を漸増式に調整させる、
    請求項56に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記指示は、前記プロセッサに、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を決定させ、
    前記決定されたねじれ角度と、関連する歯の相対的動作抵抗に対応する抵抗重みとに基づいて、各歯科矯正装具についての合成トルク値を計算させ、
    前記合成トルク値に基づいて各歯科矯正装具を漸増式に調整させる、
    請求項56に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記指示は、前記プロセッサに、初期不正咬合から前記修正される最終咬合までの前記歯列弓の動画式3D描示を表示させる、請求項56に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記指示は、前記プロセッサに、所期の最終咬合から予測される最終咬合までの、前記アーチワイヤ、装具、歯及び歯肉の少なくともいずれかの動画式3D描示を表示させる、請求項56に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 歯列弓の複数の歯の異なる1つずつにそれぞれが関連付けられる複数の歯科矯正装具とそれら歯科矯正装具の各々の溝に受容されるアーチワイヤとを含む、提案された歯科矯正処方を、デジタル方式で描示することと、
    前記複数の歯科矯正装具の前記溝の中での前記アーチワイヤのねじれに基づき、3次元(3D)環境の中で、前記複数の歯科矯正装具に対する前記アーチワイヤの係合をモデル化することと、
    を含む方法。
  • 前記複数の歯科矯正装具の各々に対する前記アーチワイヤの係合が、前記提案された歯科矯正処方による治療の全過程を通してモデル化される、請求項63に記載の方法。
  • 前記提案された歯科矯正処方による治療の全過程を通して、前記複数の歯科矯正装具の各々に対する前記アーチワイヤの前記モデル化された係合に基づき、前記歯列弓についての予測される最終咬合を算定することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  • 前記アーチワイヤが、各歯科矯正装具に関連付けられたスロップゾーンの中でねじれることができる、請求項63に記載の方法。
  • 各歯科矯正装具についての複数の前記スロップゾーンが、互いに独立している、請求項66に記載の方法。
  • 前記スロップゾーンが、前記基準咬合平面に対する前記装具の溝のトルク角度と前記アーチワイヤの寸法とによって決まる、請求項66に記載の方法。
  • 前記アーチワイヤの前記モデル化された係合に基づき、各歯科矯正装具及びそれに関連する歯を調整することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
  • 歯列弓の複数の歯の異なる1つずつにそれぞれが関連付けられる複数の歯科矯正装具とそれら歯科矯正装具の各々の溝に受容されるアーチワイヤとを含む、提案された歯科矯正処方を、デジタル方式で描示することと、
    前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を決定することと、
    前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度に基づいて各装具を漸増式に調整することと、
    を含む方法。
  • 前記装具、前記アーチワイヤ及び前記歯の少なくともいずれかのデジタル描示を表示することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
  • 前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度に基づいて各歯を漸増式に調整することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
  • 前記漸増式に調整された装具、前記アーチワイヤ及び前記漸増式に調整された歯の、少なくともいずれかのデジタル描示を表示することをさらに含む、請求項72に記載の方法。
  • 前記アーチワイヤに沿った各装具位置における前記アーチワイヤのねじれ角度を反復して決定させることと、
    各装具における合成トルクがトルク閾値に減少するまで、前記アーチワイヤの前記決定されたねじれ角度に基づいて各装具を漸増式に調整することと、
    をさらに含む、請求項70に記載の方法。
  • 各装具の前記トルク閾値が、各装具に関連する前記歯の動作抵抗に応じて規定される、請求項74に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、電子的歯科矯正に関し、より詳細には、歯科矯正診断及び治療を支援するコンピュータベースの技法に関する。

    歯科矯正の分野は、咬合及び審美的外観の改善のために患者の歯群を再配置(repositioning)及び整列(aligning)させることに関する。 例えば、歯科矯正治療は、しばしば、患者の前歯、犬歯及び小臼歯に固定されるブラケットとして知られる複数のごく小さな溝付き装具の使用を伴う。 各ブラケットの溝に受容されるアーチワイヤが、所望の姿勢へと歯群の動きを案内するための軌道の役割を果たす。 アーチワイヤの末端部は、通常、患者の大臼歯に固定されるバッカルチューブとして知られる専用装具に支持される。

    今日の多くの商用歯科矯正装具は、ローレンス・F・アンドリューズ博士(Dr. Lawrence F. Andrews)、D. D. S. によって開発された「ストレートワイヤ概念(straight wire concept)」の原理に基づいて構築される。 この概念によれば、複数の装具の溝の向きを含む装具形状は、それら溝が治療の最後に基準平面内で整列するように選択される。 さらに、通常時に基準平面内にある全体的に湾曲した形状の弾的アーチワイヤが選択される。

    歯科矯正治療の初めにアーチワイヤがストレートワイヤ装具システムの複数のブラケットの溝の中に設置されるときには、該アーチワイヤは、患者の不正咬合に応じて装具間で上向き又は下向きに撓み、正又は負の向きにねじれることが多い。 しかし、アーチワイヤの弾力性が、アーチワイヤを、基準平面内の通常時の湾曲形状へと戻す傾向にある。 アーチワイヤが基準平面に向かって移動するにつれて、取り付けられた歯群は、それに対応する形で、整列した審美的に美しい配列に向かって動かされる。

    理解できるように、ストレートワイヤ装具を使用する施術者(practitioner)が、各ブラケットを対応の歯の上に正確且つ適切な位置で固定することが重要である。 例えば、ブラケットが歯の表面上に咬合方向に深すぎる位置で設置される場合、アーチワイヤは、治療の最後に歯の歯冠を歯肉(歯茎)に近すぎる位置に位置決めする傾向にある。 他の例として、ブラケットが近位又は遠位方向に歯の中心から一方の側に設置される場合、結果として得られる歯の姿勢は、その長軸の周りで過度に回転した姿勢になる可能性が高い。

    患者の歯にブラケットを位置決めして固着するプロセスは、相当な注意を必要とし、施術者が個々の歯の上でのブラケットの適切な場所を視覚的に決定する必要がある。 インダイレクトボンディングとして知られる技法では、しばしば、施術者は、定規、分度器及び鉛筆を用いて、患者の歯群の印象から作製された石膏模型上で特徴を測定して印を付けることによって、ブラケット位置を決定する。 このプロセスは、精密に実施するのが困難なことが多く、主観的な性質のものとなることがある。 したがって、施術者にとって、複数のブラケットが歯群の適正な場所に精密に位置決めされることを保証するのは、しばしば困難である。

    広くは、本発明は、歯科矯正アーチワイヤ装具システムにおけるトルク損失の影響を考慮した、提案された処方(proposed prescription)に基づく最終咬合を算定する歯科矯正治療計画システムを対象とする。 本明細書で使用する用語「トルク損失」は、アーチワイヤの圧出(expression)が不完全であること(すなわち、アーチワイヤの弛緩(relaxation)が完全ではないこと)、又はアーチワイヤが複数の装具の溝の中に完全には係合していないことを指す。 アーチワイヤ装具システムにおけるトルク損失は、所期の最終咬合(intended final occlusion)と、提案された処方の結果得られる実際の最終咬合との不一致をまねく虞がある。 最終咬合を算定するときには、歯科矯正治療計画システムは、アーチワイヤに沿った各装具位置でのトルク損失を考慮する。 したがって、本システムは、提案された処方を用いた歯科矯正治療の全過程の結果もたらされる実際の最終咬合を、より精確に予測することができる。

    治療計画システムは、例えば、歯科矯正アーチワイヤ装具システムにおける複数の装具の溝の中へのアーチワイヤの係合をモデル化することができる。 システムは、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ度を決定することができる。 治療計画システムは、また、アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度がほぼゼロに等しくなるまで、繰り返しの度に決定されたねじれ角度に基づいて各歯の位置及び姿勢を漸増式に調整することができる。 アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度がほぼゼロに等しいときには、アーチワイヤが弛緩しており、トルク損失の影響について調整された歯列弓の算定された最終咬合の3D描示を表示することができる。

    本発明は、1つ以上の利点を提供することができる。 例えば、最終咬合を算定する前に、トルク損失を考慮し、且つ各歯の姿勢を調整することによって、本技法は、特定の歯科矯正治療によって達成される最終咬合のより精確な予測を提供することができる。 このように、本技法によれば、歯科矯正施術者が、治療によって達成される最終咬合についてより大きな確信をもって、歯科矯正治療を選択且つ確定できるようになる。

    本発明による1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面及び以下の説明に示す。 本発明の他の特徴、目的及び利点は、説明、図面及び特許請求の範囲から明らかとなろう。

    図1は、典型的なコンピュータ環境2を示すブロック図であり、ここではクライアントコンピューティングデバイス4が、歯科矯正アーチワイヤ装具システムにおけるトルク損失の影響を考慮した、提案された処方に基づく最終咬合を算定する歯科矯正治療計画システムのための環境を提供している。 本明細書で使用する用語「トルク損失」は、アーチワイヤの圧出が不完全であること(すなわち、アーチワイヤの弛緩が完全ではないこと)、又はアーチワイヤが複数の装具の溝の中に完全には係合していないことを指すことがある。 アーチワイヤ装具システムにおけるトルク損失は、所期の最終咬合と、提案された処方の結果得られる実際の最終咬合との不一致をまねく虞がある。 クライアントコンピューティングデバイス4で実行されるモデリングソフトウェアは、最終咬合を算定するときに、アーチワイヤに沿った各装具位置でのアーチワイヤの係合をモデル化する。 したがって、本システムは、提案された処方を用いた歯科矯正治療の全過程の結果もたらされる実際の最終咬合を、より精確に予測することができる。

    最終咬合を算定するときに、モデリングソフトウェアは、例えば、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定することができる。 治療計画システムは、また、アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度がほぼゼロに等しくなるまで、決定されたねじれ角度に基づいて各歯の位置及び姿勢を漸増式に調整することができる。 アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度がほぼゼロに等しいときには、アーチワイヤが弛緩しており、トルク損失の影響について調整された歯列弓の算定された最終咬合の3D描示を表示することができる。 また、アーチワイヤを、アーチワイヤに存在するねじれと共に、全プロセスを通じて任意の時点で表示することができる。 モデリングソフトウェアは、施術者が結果を視覚化できるように、歯科矯正オブジェクトの3D描示を表示する。

    本明細書の主旨に沿って、用語「装具」は、ブラケット、バッカルチューブ、シース、又はアーチワイヤに結合できるタイプの他の種類の装具などの、歯科矯正装具を広く意味するものと理解すべきである。 また、時には本文及び図面がブラケットに言及することもあるが、これらの言及が、アーチワイヤに結合できる他の種類の装具も包含することを理解すべきである。

    治療前の歯列弓の3D描示は、初めに、患者6の歯の物理的歯科印象をデジタルスキャンすることによって、又は印象から作製される模型をスキャンすることによって作成することができる。 或いは、施術者8は、口腔内スキャナーを使用して、患者6の歯から直接に3Dデジタル描示を作り出すこともできる。 また、他のスキャン方法も可能である。

    施術者8は、クライアントコンピューティングデバイス4と対話することにより、歯の3Dデジタル描示を検分するとともに、特定の幾何学的属性を具現化する「仮想」ブラケットを選択してそれらブラケットをモデル化された歯列弓内の個々の歯の上に精密に位置決めすることで、提案される歯科矯正処方を確定する。 このプロセスの間、モデリングソフトウェアは、各ブラケット及び各歯を3D環境内で別個のオブジェクトとして操作し、3D空間内で各ブラケットの位置をブラケット対応の歯に関連した座標系に対して固定する。 その結果、施術者8は、3D環境内で各ブラケットを独立に検分してそれぞれの歯に対し精密に配置することができる。

    最終咬合を算定する前に、トルク損失を考慮し、且つ各歯の姿勢を調整することによって、本技法は、特定の歯科矯正治療によって達成される最終咬合をより精確に予測できる。 このように、本技法によれば、歯科矯正施術者が、本来ならば治療によって達成される最終咬合について、より大きな確信をもって歯科矯正治療を選択且つ確定できる(例えば、ブラケットを選択して各歯の表面上に位置決めできる)ようになる。

    提案される歯科矯正処方が決定され、歯群が定置されて表示され、施術者が自己の承認を指示した段階で、クライアントコンピューティングデバイス4は、ネットワーク14を介してブラケット設置位置を製造設備12へ伝える。 それに応答して、製造設備は、ブラケットを患者6の歯の上に物理的に設置する際に使用するインダイレクトボンディングトレー16を構築する。 換言すれば、製造設備12は、クライアントコンピューティングデバイス4によって提示された3D環境内で施術者8が選択したブラケット設置位置に基づいて、インダイレクトボンディングトレー16を製作する。 製造設備12は、例えば、施術者8が選択した従来型の市販のブラケットを使用して、インダイレクトボンディングトレー16を形成することができる。 製造設備12は、患者6の歯の上にブラケットを設置するための従来のインダイレクトボンディング法で使用するために、インダイレクトボンディングトレー16を施術者8に送る。

    或いは、クライアントコンピューティングデバイス4は、ブラケット設置位置を製造設備12に送らなくてもよい。 その代わりに、クライアントコンピューティングデバイス4は、施術者8が複数のブラケットを患者6の歯群の上に手作業で位置決めする際の支援として、各ブラケットに関連する距離及び角度を、例えば表示又は印刷により、出力することができる。

    図2は、クライアントコンピューティングデバイス4の例示的実施形態をさらに詳細に示すブロック図である。 図示実施形態では、クライアントコンピューティングデバイス4は、モデリングソフトウェア20のための動作環境を提供する。 前述のように、モデリングソフトウェア20は、患者6の歯群の3D描示をモデル化して描くためのモデリング環境を提供する(図1)。 図示実施形態では、モデリングソフトウェア20は、ユーザーインターフェース22と、トルク調整モジュール24と、レンダリングエンジン26と、治療計画制御モジュール28とを含む。

    ユーザーインターフェース22は、患者の歯群の3D描示及び複数のブラケットの3D描示を視覚的に表示するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する。 さらに、ユーザーインターフェース22は、モデル化された歯列弓内で歯科矯正オブジェクトを操作してそれぞれの歯の上でブラケットを設置又は移動するための、例えばキーボード及びポインティングデバイスを介した施術者8からの入力を受け取るインターフェースを提供する。 ユーザーインターフェース22は、患者の歯列弓の3D描示及び/又は患者の歯列弓の指定部分の3D描示を、視覚的に表示することもできる。

    治療計画制御モジュール28は、処方とも呼ばれる歯科矯正治療計画の開発のための対話型モジュールと見なすことができる。 ブラケットや歯などの各歯科矯正オブジェクトは、別個の独立した仮想オブジェクトであるので、3D仮想環境内で他のオブジェクトに対して自由に動かすことができる。 その結果、施術者8は、各仮想ブラケットをその対応の仮想歯の上に選択的に位置決めすることができる。 治療計画制御モジュール28は、施術者8が、歯科矯正オブジェクトのいずれかをX、Y及びZ方向の任意の組み合わせに沿って対話式に位置決めすること、並びに各歯科矯正オブジェクトをX、Y及びZ軸線の周りで対話式に回転させることを、可能にする。

    施術者8は、例えば、特定のブラケット、歯又は他の歯科矯正オブジェクトをクリックするか、ドロップダウンや他のメニューからブラケット番号又は歯番号を選択するか、或いはオブジェクトを選択する他の好適な種々の手段によって、個々の歯科矯正オブジェクトを移動のために選択することができる。 ユーザーインターフェース22には、歯科矯正オブジェクトを位置決めするためのナビゲーションコントロールが含まれる。

    モデリングソフトウェア20は、データベース30と対話して、装具データ32、3Dデータ34、患者データ36及び設置規則38などの、様々なデータにアクセスする。 データベース30は、データストレージファイルや、ルックアップテーブルや、1つ以上のデータベースサーバで実行されるデータベース管理システム(DBMS)を含む、様々な形態で表すことができる。 データベース管理システムは、リレーショナル型(RDBMS)、階層型(HDBMS)、多次元型(MDBMS)、オブジェクト指向型(ODBMS若しくはOODBMS)、オブジェクトリレーショナル型(ORDBMS)、又は他のタイプのデータベース管理システムであってよい。 データは、例えば、オラクル・コーポレーション(Oracle Corporation)のオラクル・データベース10g(Oracle Database 10g)などの、単一のリレーショナルデータベース内に保存することができる。 データベース30は、クライアントコンピューティングデバイス4に対してローカルなものとして図示されているが、クライアントコンピューティングデバイス4からリモートに配置し、パブリック又はプライベートネットワーク、例えばネットワーク14を介して、クライアントコンピューティングデバイス4に結合されてもよい。

    装具データ32は、施術者8が選択でき且つ3Dモデリング環境内で利用可能な、市販のブラケット、アーチワイヤ又は他の歯科矯正装具のセットを記述する。 例えば、装具データ32は、寸法、溝の場所及び特徴、トルク角度、アンギュレーション並びに他の属性などの、市販のブラケットについての様々な属性を格納することができる。 装具データ32は、市販のアーチワイヤについての寸法及び材料特性も格納することができる。 ユーザーインターフェース22は、施術者8が患者6についての歯科矯正処方を確定する際に使用するブラケット及びアーチワイヤの種類を選択するための、メニュー式インターフェースを提供する。

    患者データ36は、患者6などの、1人以上の患者のセットを記述する。 例えば、患者データ36は、患者ごとに、名前、生年月日及び歯科既往歴などの一般情報を明示する。 さらに、患者データ36は、各患者に使用するために施術者8が選択した複数のブラケットの種類、並びに患者6の歯群の上でのそれらブラケットの関連した位置及び姿勢を含む、患者ごとに指定された現行の処方を明示する。

    歯科矯正業界は、多くの市販の歯科矯正装具について標準処方を開発してきた。 これら標準化された処方は、一般に、ほとんどの患者の機能的及び審美的要件を満たす傾向にある。 標準化された処方は、患者間の画一性を達成するために、又は患者一人一人に特注の測定基準(a custom set of metrics)を考案する時間のかかるプロセスを回避するために、使用することができる。

    患者によっては、歯列内の歯についての標準化された測定基準が満足のいくものである場合もある。 また、患者によっては、より審美的に満足できる結果を達成するために、又はその患者の不正咬合をより適切に考慮するために、カスタマイズされた処方を作り出すことを施術者8が望む場合もある。 他の例として、歯列内の異なる歯に対して、標準化された処方とカスタマイズされた処方との組み合わせを使用してもよい。 施術者8は、ユーザーインターフェース22を介して所望の処方を入力し、次いでそれが患者データ36としてデータベース30に保存される。

    設置規則38は、市販装具についての業界定義設置規則を指定することができる。 さらに、設置規則38は、施術者8によって指定されたユーザー定義規則、又は装具設置を規制する他の規則を含むことができる。 例えば、特定の市販ブラケットについての1つの規則は、ブラケットの中央線又は長手軸線と、歯の臨床歯冠の顔面軸線(FACC:Facial Axis of the Clinical Crown)とを整列させることである。 FACCは、正中矢状面と歯の顔面側表面との交点によって形成される曲線として定義される。 別の典型的な業界定義設置規則は、ブラケットの底面の中心を、歯のFACC上に、FACC上の咬合縁又は最咬合点(occlusal‐most point)と歯冠の歯肉縁とから等距離に設置することである。 この位置は、顔面軸点(FA点:Facial Axis Point)としても知られている。

    他の例として、施術者8が、FA点とは異なる位置にブラケットを設置することを望む場合がある。 したがって、施術者8は、歯列内の異なるタイプの歯に対して、又は異なる種類のブラケットに対して、或いはその両方に対して、異なる処方を指定することができる。 任意に、処方は、施術者8によって選択される装具の特定の種類に関連した既知の規則のすべて又は一部に基づいたものであってもよい。

    レンダリングエンジン26は、3Dデータ34にアクセスしてそれをレンダリングすることにより、ユーザーインターフェース22によって施術者8に提示される3Dビューを作成する。 より具体的には、3Dデータ34は、3D環境内で各歯及び装具を表す3Dオブジェクトを定義する情報を含む。 レンダリングエンジン26は、各オブジェクトを処理して、3D環境内での施術者8の視点に基づいて3D三角メッシュをレンダリングする。 ユーザーインターフェース22は、レンダリングされた3D三角メッシュを施術者8に対して表示することで、施術者が3D環境内で視点を変更でき且つオブジェクトを操作できるようにする。

    ブラケット、バッカルチューブ、シースなどの歯科矯正装具を、初めに、いくつかの異なる方法のいずれかを使用して3D環境内に設置することができる。 例えば、本発明の譲受人に共に譲渡された同時係属中の米国特許出願公開第05−0130095−A1号、名称「3D仮想世界で歯科矯正ブラケットを歯の上に設置する方法(Method of Placing Orthodontic Brackets on Teeth in a 3D Virtual World)」(ラビー(Raby)ら、2005年6月16日)に記載の方法を使用して、複数のブラケットを初めに3D環境内に設置することができる。 歯科矯正ブラケットの手作業による調整は、本発明の譲受人に共に譲渡された同時係属中の米国特許出願公開第05−0170309−A1号、名称「3次元(3D)環境内の歯科矯正装具の設置を視覚的に支援するための平面ガイド(Planar Guides to Visually Aid Orthodontic Appliance Placement within a Three-Dimensional (3D) Environment)」(ラビー(Raby)ら、2005年8月4日)に記載のような視覚的平面ガイドの使用により支援されることができる。 その用途では、システムは、ユーザーが手作業によりブラケットの位置及び姿勢を調整して複数のブラケットを手作業で設置することを、視覚的に支援する。 また、歯の上のブラケットの位置を定めたり調整したりする他の方法も使用することができる。 例えば、歯科矯正装具を所望の咬合高さに自動調整するためのシステムが、本発明の譲受人に共に譲渡された同時係属中の米国特許出願第10/903,686号、名称「3次元(3D)環境内での歯科矯正ブラケットの所望の咬合高さへの自動調整(Automatic Adjustment of an Orthodontic Bracket to a Desired Occlusal Height Within a Three-Dimensional (3D) Environment)」(ラビー(Raby)ら、2004年7月20日出願)に記載されている。 これら及び/又は他の種々の技法を使用して、初めに3D環境内で歯科矯正装具を歯の上に設置し、それによって患者の処方を決定することができること、また本発明がこの点に関して制限されないことを、理解すべきである。 さらに、例示のためにクライアントコンピューティングデバイス4で実行されるモデリングソフトウェア20に関して記載したが、施術者8から遠隔したサーバを含むあらゆるコンピューティングデバイスが、上記技法を適用できる。

    提案される歯科矯正処方を施術者8が開発した段階で、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤ装具システムで起こり得るあらゆるトルク損失の影響を考慮した、提案される歯科矯正処方のための最終咬合を算定する。 例えばアーチワイヤの不完全圧出(すなわち完全ではない弛緩)や装具の溝へのアーチワイヤの完全ではない係合といったトルク損失は、所期の最終咬合と、提案された処方の結果得られる実際の最終咬合との不一致をまねく虞がある。

    アーチワイヤの圧出が不完全であると、歯群が、患者に対して開発された歯科矯正処方によって意図されるようには全く移動しない場合がある。 アーチワイヤは治療の持続期間にわたって位置エネルギーを運動エネルギーに変換する(すなわち弛緩する)ことにより歯群を動かすので、歯群が動きを止めたときにアーチワイヤに位置エネルギーが残っていると、アーチワイヤの圧出が不完全であると見なされる。 そのような位置エネルギーは、アーチワイヤに複数の屈曲及びねじれの形態で蓄積されることがある。 複数の屈曲は、複数のブラケットのアーチワイヤ上での静止位置からの変位と、それらブラケットのアーチワイヤ上での静止姿勢からの1次及び2次回転との両方に起因する。 複数のねじれは、複数のブラケットのアーチワイヤ上での静止姿勢からの3次回転に起因する。 複数のブラケット及び歯群の3次回転は、一般にトルクとして知られており、咬合平面に対する歯群の傾斜角度を変化させることによって歯群を動かす。

    アーチワイヤが複数の装具の溝に完全には係合していないときも、歯群が、患者に対して開発された歯科矯正処方によって意図されるようには全く移動しない場合がある。 例えば、矩形断面のアーチワイヤが、矩形アーチワイヤ溝を有する複数のブラケットとともに使用される場合、このような圧出の損失は、結紮線がアーチワイヤを各溝の底部に保持できないこと(唇−舌方向の変位又は1次回転を生じる)や、アーチワイヤと溝との間の許容誤差(唇−舌方向及び咬合面−歯肉方向の変位、並びに2次及び3次回転を生じる)に、起因する場合がある。

    図3A〜図3Dは、複数の歯科矯正ブラケット及びそれらブラケットの溝の中のアーチワイヤの断面側面図を提示する概略図である。 トルク損失を考慮した最終咬合を算定するときには、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤ装具システムにおける装具の溝へのアーチワイヤの係合をモデル化する。 このとき、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤの長さに沿ったブラケット位置ごとのアーチワイヤの「ねじれ角度」を決定する。

    図3A〜図3Dは、ブラケットのトルク角度及びアーチワイヤのねじれ角度を、本明細書においてどのように画定できるかを示している。 一実施形態では、各ブラケットのトルク角度及び各点におけるアーチワイヤのねじれ角度は、歯列弓の咬合平面を基準とする。 例えば、各ブラケットのトルク角度は、ブラケット溝の唇−舌方向ベクトル(図3A〜図3Dの例では、アーチワイヤ溝52の咬合面側の壁と歯肉側の壁との中間をそれら壁に平行に延びる)と、基準となる咬合平面上への唇−舌方向ベクトルの垂直射影との間の角度として定義できる。 同様に、アーチワイヤの「ねじれ角度」は、アーチワイヤの唇−舌方向ベクトル(図3A〜図3Dの例では、アーチワイヤ54の咬合面側の側面と歯肉側の側面との中間をそれら側面に平行に延びる)と、基準となる咬合平面上への唇−舌方向ベクトルの垂直射影との間の角度として定義できる。

    図3Aは、アーチワイヤ54がブラケット溝52の中にある歯科矯正ブラケット50の断面図を示す。 図3Aでは、ブラケット溝52の唇−舌方向軸線62は、基準咬合平面60に平行である。 したがって、図示の咬合平面60に対して測定したときのこの例でのブラケット50のトルク角度は、ゼロに等しい。 さらに、アーチワイヤ54の唇−舌方向軸線64も、基準咬合平面60に平行であり、したがって、ブラケット溝52の唇−舌方向軸線62にも平行である。 換言すれば、この例では、アーチワイヤ54はブラケット溝52に対してねじれておらず、アーチワイヤ54はブラケット溝52の中に完全に係合していると言える。 したがって、アーチワイヤのねじれ角度は、この例ではゼロ度である。

    図3B及び図3Cは、ブラケット溝52内でねじれているアーチワイヤ54の2つの例を示す。 図示のように、アーチワイヤ54は、アーチワイヤ54の正のトルク限界66と負のトルク限界68との間で正又は負のいずれかの方向にねじれることができる。 これら正及び負のトルク限界66及び68は、アーチワイヤが初めにブラケット溝に係合するときの各ブラケット溝内のねじれ角度として定義される。 正及び負のトルク限界66及び68は、アーチワイヤの唇−舌方向軸線がブラケット溝の唇−舌方向軸線に対して形成できる最大ねじれ角度を表す。 アーチワイヤは、正及び負のトルク限界66及び68によって画定される範囲内であらゆるねじれ角度をもつことができる。 図3Bでは、アーチワイヤ54の唇−舌方向軸線64は、正のトルク限界66のところに示されている。 同様に、図3Cでは、アーチワイヤ54の唇−舌方向軸線64は、負のトルク限界68のところに示されている。 図3B及び図3Cの両方で、アーチワイヤ54の断面の重心から同一半径だけずれた2点で互いに等しい反対の力が生じるので、アーチワイヤ54は、ブラケット溝52とともに偶力を形成するとも言える。

    図3B及び図3Cに示した例では、正及び負のトルク限界66及び68は、実質的に同一の大きさを有する。 ただし、正及び負のトルク限界66及び68が必ずしも同一の大きさを有さなくてもよい。 例えば、中立点は、ブラケット溝52の形状及びアーチワイヤ54の形状に応じて、正又は負のトルク限界66又は68のいずれかに向かって偏倚していてもよい。 また、正及び負のトルク限界66及び68の大きさは、ブラケット50のトルク角度、ブラケット溝52の寸法及び形状、並びにアーチワイヤ54の寸法及び形状に応じて変更できる。 例えば、ブラケット溝52の上面と底面とが平行である必要はない。 同様に、アーチワイヤ54は、正方形、長方形、台形、平行四辺形、卵形、楕円形、又は他の事実上あらゆる形状を含む、種々の形状を有することができる。 さらに、正及び負のトルク限界66及び68は、歯列弓内の歯ごとに異なっていてもよい。 歯科矯正処方が歯列内の歯ごとに異なるトルク角度を有する異なるブラケットを指定できるので、歯ごとのトルク限界68及び69も、歯列全体にわたって異なっていてもよい。

    付け加えれば、用語「溝」は、バッカルチューブ及びシースで見られるような4つの壁をもつ通路、結合ウイング付きの従来のブラケットで見られるような1つの側部に沿って開口した3つの壁を備える通路、並びに自己結紮型ブラケットで見られるような3つの固定壁と開放可能な第4の完全又は部分壁とを備えた通路であり得ることを、理解すべきである。

    各ブラケット溝内のアーチワイヤの正及び負のトルク限界の間の領域を、本明細書では「スロップ限界(slop limits)」又は「スロップゾーン(slop zone)」と称することがある。 本質的に、スロップゾーンは、アーチワイヤの係合が始まるまでに(すなわち偶力が形成されるまでに)アーチワイヤがブラケット溝内でねじれを生じ得る量を規定する。 換言すれば、アーチワイヤは、必ずしもブラケットに係合しなくとも、ブラケット溝52の中でスロップゾーン内でのねじれを生じることがある。 図3B及び図3Cの例では、アーチワイヤ54の正及び負のトルク限界は、それぞれ、約+9.6度及び−9.6度である。 この例では正のトルク限界と負のトルク限界とが同一の大きさを有するが、他の実施形態では、正のトルク限界と負のトルク限界とが異なる大きさを有してもよい。

    図3Dは、ブラケット溝72とアーチワイヤ74とを有する他の例によるブラケット70を示す。 例示のブラケット70は、ブラケット溝72の唇−舌方向軸線84が基準咬合平面80に対して形成する角度によって定義されるトルク角度88を有する。 この例では、ブラケット70のトルク角度88は、−24.2度である。 また、アーチワイヤ74はブラケット溝72内でねじれることもある。 角度90は、アーチワイヤ74の唇−舌方向軸線86が基準咬合平面82に対して形成する角度である。 図3Dに示される例では、角度90は、−14.6度である。 この例における負のトルク限界92、すなわちアーチワイヤ74がブラケット70との係合前に負の方向にねじれることのできる最大量は、約−9.6度である(−24.2−(−14.6)=−9.6)。 正のトルク限界が負のトルク限界92と大きさが等しいとすれば、スロップゾーン全体の大きさは、約19.2度になる(+9.6−(−9.6)=19.2)。 この特定の例では、アーチワイヤ74はブラケット溝72のトルク限界までねじれており、したがってアーチワイヤ74がブラケット70に係合して偶力を形成している。

    図4は、トルク調整モジュール24の全作業の一例を示す、より詳細なフローチャートである。 より具体的には、図4のフローチャートは、アーチワイヤ装具システムにおけるトルク損失を考慮した最終咬合を算定し、算定された最終咬合の3D描示を3D環境内でレンダリングする、トルク調整モジュール24の作業を示す。

    初めに、トルク調整モジュール24は、不正咬合の歯列弓について提案される歯科矯正処方を受け取る(100)。 歯科矯正処方は、装具データ32及び患者データ36の一部としてデータベース30に格納することができる。 処方は、一連のトルク角度、施術者8が選択する患者6に使用するためのブラケットの種類、並びに患者6の歯群の上でのそれらブラケットの関連する一連の位置及び姿勢を含むことができる。 トルク調整モジュール24は、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定する(102)。 アーチワイヤに沿った各ブラケット位置でのねじれ角度を決定するためにトルク調整モジュール24が使用するアルゴリズムについては、本明細書で図6A〜図6H及び図7A〜図7Bに関連してさらに詳細に説明する。

    決定したねじれ角度に基づいて、トルク調整モジュール24は、各歯の姿勢及び位置を漸増式に調整して、短時間にわたって各歯/装具に作用する計算されたトルクをシミュレートする(104)。 歯列弓内の各歯の姿勢及び位置を漸増式に調整した後、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤのねじれ角度がアーチワイヤに沿った各装具位置でほぼゼロに等しいか否かを確認する(106)。 アーチワイヤのねじれ角度がアーチワイヤの長さに沿った各位置でほぼゼロに等しくない場合、トルク調整モジュール24は、次の反復の準備をし、アーチワイヤに沿った調整済の各ブラケット位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定する(102)。 アーチワイヤのねじれ角度を反復して決定するとともに装具の姿勢及び位置を漸増式に調整するこのプロセスは、アーチワイヤのねじれ角度がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でほぼゼロに等しくなるまで継続される。 各ブラケットでのアーチワイヤのねじれ角度のすべてがほぼゼロに等しくなった段階で、アーチワイヤは「弛緩」する。 この時点で、トルク調整モジュール24は、歯のそれ以上の動きが生じないものと想定する。 トルク調整モジュール24は、次いで、3D環境内での歯列弓についての算定した最終咬合の3D描示を表示することができる(108)。 或いは、各ブラケットの合成トルク角度を、表で表示したり、他のあらゆる適当な手法で記憶又は提示したりすることもできる。

    こうして、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度がほぼゼロに等しくなるまで、アーチワイヤの長さに沿った各ブラケット位置でのアーチワイヤのねじれ角度を反復して決定するとともに、決定したねじれ角度に基づいて各歯の姿勢及び位置を漸増式に調整する。 このように、トルク調整モジュール24は、モデル化した歯科矯正治療において存在するトルク損失をモデル化する手法で歯列弓についての最終咬合を反復して算定するものであると見なすことができる。 アーチワイヤに沿った各位置でのねじれ角度がほぼゼロに等しいときには、アーチワイヤは完全に弛緩しており、レンダリングエンジン26が、施術者8に対する視覚支援として、トルク損失について調整された最終咬合の3D描示を作成する。 さらに、トルク調整モジュール24は、施術者8をさらに支援するために、初期の不正咬合から3D環境内での算定された最終咬合までの患者6の歯列弓の調整を、動画にすることもできる。

    具体的には、トルク調整モジュール24は、初期の不正咬合又は任意の中間時点の不正咬合における3D仮想アーチワイヤをレンダリングして、アーチワイヤの長さに沿った点ごとにアーチワイヤのねじれ角度を幾何学的に図示するようにすることもできる(すなわち単に類似トルク角度で複数のブラケットをレンダリングするだけではない)。 さらに、トルク調整モジュール24は、3Dデータ34に色情報を割り当てて、初期の不正咬合又は任意の中間時点の不正咬合におけるアーチワイヤが、その長さに沿って、長さ方向の各点でのねじり応力に応じた多様な色(又はグレースケールやモノクロームカラーの多様な強度)でレンダリングされるようにすることができる。 同様に、トルク調整モジュールは、アーチワイヤに係合する(すなわちアーチワイヤとともに偶力を形成する)3D仮想ブラケットを、アーチワイヤに係合しないブラケットとは異なる色(又はグレースケールやモノクロームカラーの異なる強度)でレンダリングすることができる。 これらの方法では、施術者8は、アーチワイヤが弛緩し且つその結果として装具が動く期間の全体を通して、どのようにアーチワイヤがその長さに沿ってねじれるか、各アーチワイヤセグメントにおけるねじり応力の大きさはどの程度か、及びどのブラケットがアーチワイヤに係合するか(また係合しないか)を、明確に視覚化することができる。

    歯列弓についての最終咬合を視覚化することで、施術者8は、提案された処方の算定された最終咬合と、トルク損失の影響を考慮に入れた調整済みの最終咬合とを比較できるようになる。 このことにより、施術者8はさらに、提案された歯科矯正処方にトルク損失の影響があるものとしたときに、受け取った提案処方が許容可能な機能的及び/又は審美的結果を達成するか否かを判定できるようになる。 施術者8は、表示された調整済みの最終咬合に基づいて、機能的又は審美的結果の改善を達成するための、特定のブラケット又はすべてのブラケットについての提案された歯科矯正処方の変更又は修正を、より精確に決定することができる。 施術者8は、許容可能な結果が達成されるまで、提案された処方を修正し、シミュレートされた最終咬合を検分することができる。 提案された処方についての最終咬合を施術者8が視覚化できるようにすること、及び/又は許容可能な機能的及び審美的結果が達成されるまで施術者8が提案された処方を修正できるようにすることによって、不精確なブラケット設置が原因のブラケット再固着を低減することができ、治療時間を最小限に抑えることができる。

    図5は、トルク調整モジュール24の典型的な作業を示す、より詳細なフローチャートである。 トルク調整モジュール24は、各ブラケットの位置及びそれらの特徴的な測定基準を含むとともに、各ブラケットについての予め定めたトルク角度を含む、選択された処方を定義するデータを受け取る(120)。 トルク調整モジュール24は、また、基準咬合平面に対する各ブラケットについての初期トルク角度を決定する(122)。 このとき、トルク調整モジュール24は、各ブラケットのトルク角度及びアーチワイヤの長さに沿った点ごとのアーチワイヤのねじれ角度を定義するために使用される基準咬合平面を規定する。 ブラケット溝を原点とした各ブラケットの3次元(x、y、z)位置は、治療当初のアーチ(不正咬合のアーチ)における他のすべてのブラケットの位置に対するものと見なされる。 これらの位置はほぼ平面に近似できるので、最小2乗データフィッティング法を使用して、一連の3次元の点群に平面を適合させることができる。 これにより、各ブラケットのトルク角度は、ブラケット溝の唇−舌方向ベクトルと、基準咬合平面上への唇−舌方向ベクトルの垂直射影との間の角度として定義される。 この実施形態では、用語「トルク角度」は、溝座標系とベース座標系との間の相対角度などの、ブラケットの設計において固有でありうるいかなる幾何学も含まない。 この用語はすなわち、ブラケット溝と基準咬合平面との間の角度である。 別の実施形態では、ブラケット溝ベクトルの平均を求めるとともに、各ブラケットのトルク角度を各ブラケット溝ベクトルと平均ベクトルとの間の角度として定義することによって、トルク角度を定義することができる。 また、トルク角度を決定する他の方法も使用することができる。

    トルク調整モジュール24は、ブラケットの関連歯の動きに対する相対的抵抗を反映するスカラー加重を、各ブラケットに適用する(124)。 一実施形態では、例えば、トルク調整モジュール24は、歯の総歯根表面積、関連する歯の歯根断面積(root profile area)、関連する歯の歯根長、又は関連する歯の歯根数に基づいて、歯の動作抵抗(resistance to movement)を推定することができる。 ヒューリスティック法を使用して、これらの因子の1つ以上に基づき、例えば切歯及び犬歯には1、小臼歯には2、大臼歯には3などの、歯の動作抵抗を粗近似する整数の加重を割り当てることができる。 歯の歯根面積又は動作抵抗についてさらに多くのデータが利用可能なときには、分数や他の重み付け方法を含む他の重み付けスキームを使用することができる。 また、動作抵抗が力の方向によって異なる場合、ベクトル加重も使用することができる。 したがって、各ブラケットに重み付けするための手段がいくつか存在し、本発明がこの点に関して制限されないことを理解すべきである。

    トルク調整モジュール24は、次に、アーチワイヤの長さに沿った各ブラケット位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定する(126)。 一実施形態では、ねじれ角度は、後に図6A〜図6H及び図7A〜図7Bに関連して詳述する反復プロセスを使用して決定される。 ねじれ角度の決定は、アーチワイヤに沿った各ブラケット間の相対距離、基準咬合平面に対する各ブラケットのトルク角度、並びに係合が始まる各ブラケット溝内のアーチワイヤの正及び負のトルク限界(「スロップ限界」又は「スロップゾーン」とも称される。図3A〜図3D及びそれに付随する説明を参照のこと。)に基づいて為される。 これらのトルク限界は、アーチワイヤの公称断面幅及び公称断面高さ、断面の角部に適用され得る面取りの半径、並びに各ブラケットのアーチワイヤ溝の公称高さに基づくこともある。 さらに、トルク限界をより精確に画定するために、患者のアーチの形態に適合するアーチワイヤの曲率半径を考慮してもよい。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各ブラケットでのねじれ角度を決定するためのアルゴリズムは、機械学の特定の基本原理に基づくものである。 そのような原理の1つは、ねじれを被る一様な断面の棒(すなわちシャフト)が、2箇所の偶力の間で、それら2箇所の偶力間のねじれの角度に比例し且つそれら偶力間の距離に反比例する印加トルクを受ける、ということである。 別の原理は、シャフトのねじれエネルギーが、ゼロから最終ねじれ角度までのねじれ角度の増分ごとのシャフトの微分エネルギーの合計である、ということである。 別の原理は、シャフトの総ねじれエネルギーが、複数の偶力の間のシャフトセグメントにおけるねじれエネルギーの合計である、ということである。 さらに別の原理は、偶力間の距離が一定の状態を維持する場合には、総ねじれエネルギーがゼロに近づくにつれて(すなわちシャフトがねじれに関し弛緩するにつれて)、すべてのシャフトセグメントにおけるねじれ角度の変化がゼロに近づく、ということである。

    トルク調整モジュール24は、各ブラケットに対する印加トルクを決定する(128)。 印加トルクは、アーチワイヤの寸法及び材料特性に加えて、アーチワイヤの長さに沿った点ごとのアーチワイヤのねじれ角度に基づくものである。 各ブラケットでの印加トルク、及び各ブラケットに関連する歯の動作抵抗(抵抗重み)(すなわち反作用トルク)は、符号付きのトルク値として扱われる。 次いで、トルク調整モジュール24は、合成トルク値(resultant torque value)を、対応する印加トルク及び抵抗重みに基づいて各ブラケットに割り当てる(130)。 そのようなトルク値は、歯根にかかる力に変換され、最終的には歯の動きをもたらす。 以下の段落で使用する用語「偶力」は、アーチワイヤ断面の重心から同一半径だけずれた2つの接触点に生じる互いに等しく且つ反対の力を意味する。 一対の偶力は、アーチワイヤに沿った隣接する装具位置に存在することもあるし、或いはそれら一対の偶力の間に装具が介在することもある。

    合成トルク値を各ブラケットに割り当てるために、トルク調整モジュールは、以下のパラメータを使用する。
    φ:総ねじれ角度 T:印加トルク G:剪断弾性係数 I p :極慣性モーメント、及び L:偶力間のアーチワイヤセグメントの長さ

    印加トルクは、次式で定められる。

    アーチワイヤの断面に垂直な軸線(すなわちアーチワイヤに正接する軸線)Oに対する極慣性モーメントは、次式で定められる。

    式中、Aは、アーチワイヤの断面積であり、ρは、点Oから面積微分要素dAまでの距離である。 極慣性モーメントについての平行軸定理によれば、
    p =I x +I y
    である。 矩形断面のアーチワイヤの場合、

    である。 したがって、


    である。

    アーチワイヤセグメントのねじれエネルギーは、次式で定められる。

    これは、ねじれ角度φの区間にわたって増分dφでねじられたアーチワイヤの長さLによって定められる、微分エネルギーTdφの合計である。 具体的には、


    である。 したがって、


    である。 n+1個の偶力によってn個のセグメントに分割されたアーチワイヤの総ねじれエネルギーは、


    である。

    アーチワイヤが一端又は両端の偶力を超えて延びる場合には、それぞれn+1個又はn+2個のセグメントが存在し得る。 そのような場合、ワイヤセグメントをねじるには2個の偶力が必要であるので、これらのアーチワイヤセグメントはねじれていない。 したがって、これらのセグメントは、ねじれエネルギーを提供せず、合計には含まれない。

    この等式でのφの使用は、前述の一般形での使用とはわずかに異なる。 一般形では、φはそれ自体で、アーチワイヤセグメントの両端2箇所の偶力の間の総ねじれ角度を示すために使用される。 ここでは、φ i及びφ i+1は、各偶力におけるアーチワイヤのねじれ角度を、基準咬合平面などの所与の座標系に関して示すために使用される。 したがって、各セグメントiにおける総ねじれ角度は、ねじれ角度φ iとφ i+1との差である。

    また、偶力間の距離が一定を維持する場合には、総ねじれエネルギーがゼロに近づくにつれて、すべてのセグメントのねじれ角度の変化がゼロに近づくことに留意されたい。

    のとき、


    これは、アーチワイヤの弛緩の特質である。
    例えば、ステンレス鋼アーチワイヤが、剪断弾性係数 G=75GPa=75×10 9 Pa
    と、一様な矩形断面0.018in. ×0.022in. とを有すると仮定する。 高さh及び幅bをインチからメートルに変換すると、次のようになる。
    h=0.018in. =0.4572×10 -3 m、及び b=0.022in. =0.5588×10 -3 m。

    これによって、ねじれの軸線がアーチワイヤに沿っているときの断面の重心周りに、極慣性モーメント

    が得られる。

    総ねじれ角度が φ=20°=0.349rad
    であり、偶力間のセグメント長がL=10mm=10×10 -3
    であるとすると、セグメントのねじれエネルギーは、

    と算定することができ、その結果、


    T =5.1mJ


    が得られる。

    各歯の動きの方向及び大きさが、短い時間間隔にわたって、合成トルク値の大きさに比例すると想定すれば、すべてのブラケットの以後のトルク角度をただ1回の反復(短い時間間隔に相当する)で算定することができる。 個々のブラケット及び歯の位置及び姿勢は、合成トルクが短い規定の増分時間にわたってブラケット/歯に及ぼす作用をシミュレートするように、漸増式に調整される(132)。 新たな位置におけるブラケット/歯についての基準咬合平面に対する新たなブラケットトルク角度は、それぞれの動きの程度に応じて再定義することができる(134)。 多数の反復の期間にわたって、アーチワイヤは、最終的に弛緩して、すべてのセグメントのねじれ角度をゼロに低減する。 一実施形態では、新たなトルク角度を計算する各反復期間の後に、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤに沿った各ブラケットにおける最小及び最大トルク角度を求める。 これら2つの角度の差が、スロップゾーンの大きさに規定の許容量(例えば、0.001度又は他の規定の許容量)を加えた値以下である場合(136)には、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤがもはやブラケットを動かすように作用しないものと判定する(138)(すなわちアーチワイヤが弛緩している)。 別の実施形態では、トルク調整モジュール24は、当該ブラケットへの合成トルクがトルク閾値まで低下したときに、1つ以上のブラケットの動きを停止することができる。 ブラケットのトルク閾値は、当該ブラケットに関連した歯の動きに対する抵抗に応じて規定することができる。 このことは、歯が動き始める前にアーチワイヤ装具システムが一般に初期ねじり応力に打ち勝たなければならないという考えを表す。 ゆえに、治療の最後に、アーチワイヤに残留ねじり応力(ねじれ角度)が存在し得る。

    アーチワイヤがそのトルク限界でブラケットに係合するとき、又はアーチワイヤのねじれ角度が変化するときに、各ブラケットのトルク角度が変化するので、アーチワイヤがその長さ全体に沿ってねじれ角度ゼロで静止するときには、ブラケットは、ゼロから外れた様々なトルク角度で静止することになる。 これら多様なトルク角度は、アーチワイヤがすべてのブラケットの溝に完全に係合すると仮定することで予測されるよりも、より精確な最終咬合を規定する。

    別の実施形態では、それを超えると歯の動きが停止する複数の最小トルク閾値がわかっている場合、これら閾値でブラケットの動きを終了させるとともにそれらトルク値を記録することによって、最終咬合を算定することができる。 また、すべてのブラケットのトルク値を、治療期間中のいつでも記録することができ、最終咬合を算定するために使用することができる。

    図6A〜図6Hは、トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するための一方法を示す図である。 図6Aは、不正咬合の歯列弓のための一例としてのアーチワイヤ装具システム200の描示を概略で示す。 図6Aに例示されるアーチワイヤ装具システム200は、歯科矯正治療過程のある特定の時点での患者の歯列弓に対応する。 垂直軸204は、歯列弓の中央線を表す。 平軸202は、歯列弓の平均咬合平面を表す。 本願における図面及び対応する本文中の「右」及び「左」についての言及は、歯科技術における一般的用法での患者の右及び左に関するものである。 アーチワイヤ装具システム200は、歯列弓全体についてのアーチワイヤ装具システムを包含するので、「ルート(root)」装具システムと称することもできる。

    基準咬合平面に対する各ブラケットのトルク角度が、参照番号210〜219によって示されている。 各ブラケットのトルク角度の数値は、全体として参照番号208で示すように、図の下から2番目の列に示されている。 例えば、参照番号214及び215は、右及び左最前部の歯に対応するブラケットのトルク角度を表し、それぞれ対応する数値16.6度及び19.7度を有する。 同様に、参照番号210及び219は、右及び左最後部の歯に対応するブラケットのトルク角度を表し、この例ではそれぞれ対応する数値−13.7度及び−12.7度を有する。

    水平軸202によって、各ブラケットの座標系の原点と歯列弓の正中線204との間の相対距離を示すことができる。 図6A〜図6Hに示す例では、説明を簡単にするために、歯列弓全体にわたってすべての隣接ブラケットが同一の距離だけ離れているものとしている。 ただし、これらの距離が歯列弓にわたって異なることもあり、本発明がこの点に関して制限されないことを理解すべきである。

    各位置での所定トルク角度を通って延びる垂直線は、各ブラケットのスロップゾーンを表す。 例えば、参照番号205は、装具位置219のブラケットについてのスロップゾーンを表す。 前述のように、スロップゾーンは、特定のアーチワイヤとブラケットとの組み合わせの各々について正及び負のトルク限界によって境界を定められた、アーチワイヤがブラケット溝の中でねじれることのできる程度を表す(図3A〜図3D参照)。 歯列弓全体のスロップゾーン203は、図6Aに、歯列弓を通して隣接ブラケットの正のトルク限界をつなぐ一連の線と、歯列弓を通して隣接ブラケットの負のトルク限界をつなぐ一連の線とによって、境界を定められたものとして示されている。

    この例では、説明を簡単にするために、スロップゾーンの大きさは、歯列弓内の各装具位置で同一である。 ただし、スロップゾーンの大きさが歯列弓を通して異なることもあり、本発明がこの点に関して制限されないことを理解すべきである。 また、正のトルク限界と負のトルク限界とは、歯列弓内の各装具位置で同一である。 やはり、いずれか特定のブラケット上で正のトルク限界と負のトルク限界とが同一の大きさをもつ必要はなく、また、正のトルク限界と負のトルク限界とがアーチワイヤ装具システム内のすべての装具(すなわちブラケット)において同一の大きさをもつ必要もないことを理解すべきである。

    アーチワイヤに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するために、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤが実際にブラケットに係合する各位置を決定する。 これらの位置の各々が「アンカーポイント」に指定される。 アーチワイヤの不完全圧出や装具の完全ではない係合などのトルク損失がアーチワイヤ装具システムに及ぼす影響により、アーチワイヤは、歯科矯正治療過程の間、常にアーチワイヤ装具システムの各装具に実際に完全に係合するわけではない。 したがって、アーチワイヤに沿ったすべての装具位置が必ずしもアンカーポイントになるとは限らない。 アーチワイヤ装具システムにおけるトルク損失の影響をモデル化するために、トルク調整モジュール24は、治療全体を通じた各時点で実際の係合位置(すなわち「アンカーポイント」)を算定する。 特定の時点についてアンカーポイントが決定された段階で、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤに沿った各位置でアーチワイヤねじれ角度を算定する。 次いで、トルク調整モジュール24は、各ブラケット/歯への合成トルクを決定する。 トルク調整モジュール24は、ブラケット及び/又は関連の歯を漸増式に調整して、合成印加トルクが短い規定の増分時間にわたって各ブラケット/歯に作用する様子をシミュレートする。 次いで、新たな印加トルクに基づいて、トルク調整モジュール24は、現在のアーチワイヤ装具システムに対する新たなアンカーポイントを再計算する。 この反復調整プロセスが続くに従い、アーチワイヤのねじれ角度がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でゼロに近づくので、モデル化されたアーチワイヤは、最終的に平坦になり、すなわち弛緩する。

    以下の段落では、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定するためにトルク調整モジュール24によって実施されるプロセスについて説明する。 反復調整プロセスの間、以下のプロセスを何百回又は何千回も実施できることを理解すべきである。 反復回数は、トルク損失の影響を考慮した最終咬合の算定において所望の確度レベルを達成するように変更することができる。

    図6Bは、トルク調整モジュール24が典型的なアーチワイヤ装具システム200において第1の「アンカーポイント」をどのように同定できるかについての一実施形態を示す図である。 トルク調整モジュール24は、初めに、初期基準線からの最大偏差(「最大偏差成分(maximum deviator)」)を有するトルク角度をもつ装具位置を同定することができる。 一実施形態では、初期基準線は、平均咬合平面を表す水平線202である。 この例では、初期基準線202からの最大偏差を有するトルク角度をもつ装具位置は、装具位置218である。 図6Cでは、装具位置218は、関連のアンカーポイントを有することを示すために、丸で囲まれている。

    トルク調整モジュール24は、次に、同定された装具位置について「アンカーポイント」を決定する。 具体的には、トルク調整モジュールは、アーチワイヤが対応のスロップゾーンの正又は負のトルク限界で位置218に係合するか否かを判定する。 トルク調整モジュール24は、アンカーポイントが現在の基準線よりも下方にある場合には、スロップゾーンの正のトルク限界にアンカーポイントを選定し、アンカーポイントが現在の基準線よりも上方にある場合には、スロップゾーンの負のトルク限界にアンカーポイントを選定する。 この例では、トルク調整モジュール24は、位置318が現在の基準線202よりも下方にあるので、対応するスロップゾーンの正のトルク限界230にアンカーポイントを選定する。

    新たなアンカーポイントが同定された段階で、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤ装具システム250を、別個の2つの装具システム、すなわち右装具システム252と左装具システム254とに分割する。 右及び左装具システムは、図6Cに示されている。 したがって、この例では、装具システム250は、右装具システム252及び左装具システム254のそれぞれについての「親」装具システムと称することができる。

    トルク調整モジュール24は、アンカーポイント230がルート装具システムの最も右側の装具位置であるか否かを判定する。 アンカーポイント230に基づいて、新たな水平基準線279が生成される。 そこで、この例では、トルク調整モジュール24は、基準線279が右装具システム252のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例ではそうではないので、右装具システム252は、残りのアンカーポイントを見つけるためのさらなる分析を必要とする。 トルク調整モジュール24は、基準線279が左装具システム254のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例では、基準線279は、スロップゾーン228内に完全に置かれている。

    トルク調整モジュール24の動作を別様に表現すれば、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤねじれ角度の仮想描示(図6Cの線279)が、分析中の装具システムにおける各装具位置でのスロップゾーン内に置かれるか否かを判定する。 そうである場合、トルク調整モジュールは、その装具システムの分析を完了していることになる。 そうでない場合、装具システムは、さらなるアンカーポイントについてさらに分析される。

    トルク調整モジュールは、次に、さらなるアンカーポイントについて右装具システム252を分析する。 現在の基準線279が右装具システム252のすべてのスロップゾーン内に完全に置かれる場合には、トルク調整モジュールは、右装具システム252内に他のアンカーポイントが存在しないと判定することができる。 しかし、この例では、現在の基準線279は、右装具システム252のすべてのスロップゾーン内に完全には置かれていない。 したがって、トルク調整モジュールは、次に、さらなるアンカーポイントを同定するために右装具システム252を分析する。

    右装具システム252内の別のアンカーポイントを同定するために、トルク調整モジュールは、現在の基準線からの最大偏差を有するトルク角度を見つける。 この例では、トルク調整モジュールは、基準線279からの最大偏差を有する位置として装具位置215を同定する。

    図6Dは、第2のアンカーポイントとして装具位置215を同定することを示す図である。 位置215は、それがアンカーポイントであることを示すために、図6D及び後のすべての図において丸で囲まれている。 第1のアンカーポイント230に関して前述したように、トルク調整モジュール24は、次に、アーチワイヤがスロップゾーン84の正又は負のトルク限界で装具位置215に係合するか否かを判定する。 トルク調整モジュール24は、第2のアンカーポイント232が基準線279よりも上方にあるので、対応するスロップゾーンの負のトルク限界に第2のアンカーポイント232を同定する。

    このようにして新たなアンカーポイント232が同定されると、トルク調整モジュール24は、装具システム252を右装具システム262と左装具システム260とに再分割する。 この場合もやはり、トルク調整モジュールは、初めに右装具システム262を分析することができる。 トルク調整モジュール24は、次いで、第2のアンカーポイント232に基づいて新たな水平基準線281を規定する。 トルク調整モジュール24は、第2のアンカーポイント232から引かれた水平基準線281が、現在の装具システム262のすべてのスロップゾーン(すなわちスロップゾーン210〜215)内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例では、現在の基準線281は、スロップゾーン210〜215内に完全には置かれていない。 トルク調整モジュール24は、第2のアンカーポイント232がルート装具システム250(図6B)の最も左側の装具位置であるか否かを判定することもできる。

    図6Dはさらに、現在の装具システム262内で別のアンカーポイントを選定することを示す。 この場合もやはり、トルク調整モジュール24は、現在の基準線からの最大偏差をもつトルク角度を有する装具位置を選択する。 この例では、現在の基準線は基準線281であり、絶対最大距離をもつ装具位置は、装具位置211である。

    図6Eでは、装具位置211は、それが関連のアンカーポイントを有することを示すために、丸で囲まれている。 トルク調整モジュール24は、次に、アーチワイヤが対応のスロップゾーンの正又は負のトルク限界で装具位置211に係合するか否かを判定する。 この例では、トルク調整モジュール24は、第3のアンカーポイント234が基準線281よりも下方にあるので、スロップの正のトルク限界に第3のアンカーポイント234を同定する。

    新たなアンカーポイントが同定されたので、トルク調整モジュールは、装具システム262(図6E参照)を右装具システム264と左装具システム266とにさらに再分割する。 トルク調整モジュール24は、次いで、第3のアンカーポイント234に基づいて新たな水平基準線282を規定することによって、右装具システム264を分析する。 トルク調整モジュール24は、第3のアンカーポイント234に基づく基準線282が装具システム264のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例では、現在の基準線282は、現在の装具システム264のスロップゾーン内に完全に置かれている。

    トルク調整制御モジュールは、アンカーポイント234の左装具システム266を分析する。 装具システム266は、2つのアンカーポイント234及び232によって画定されている。 2つのアンカーポイントによって画定された装具システム内のアンカーポイントの場所を特定するために、トルク調整モジュール24は、2つのアンカーポイントに基づいて新たな基準線を規定することができる。 ゆえに、図6Eに示した例では、トルク調整モジュール24は、アンカーポイント234とアンカーポイント232とをつなぐ線として基準線283を規定する。 この基準線283が装具システム266のスロップゾーン内に完全に置かれる場合には、トルク調整モジュール24は、装具システム266内にさらなるアンカーポイントが存在しないと判定することができる。 したがって、装具システム266に関するトルク調整モジュール24の分析は、終了されることになる。

    しかし、この例では、基準線283は、装具システム266のスロップゾーン内に完全には置かれていない。 したがって、トルク調整モジュール24は、現在の基準線がスロップゾーンを通らない場所に、現在の装具システムにおけるサブセットの装具位置を特定する。 この例では、装具位置213及び214が、サブセットの装具位置としてのこの定義を満たす。 一実施形態では、トルク調整モジュール24は、このサブセットの装具位置の中から、適切な基準線からの最大偏差を有する装具位置を同定することができる。 図6Eに示される例では、装具位置214が、基準線283からの最大偏差を有する。 したがって、トルク調整モジュール24は、装具位置214を、関連アンカーポイントを有するものとして同定する。

    図6Fは、関連アンカーポイント236を有するものとして指定された装具位置214を示す。 前述のように、アンカーポイント236が現在の基準線283(図6E)よりも上方にあるので、トルク調整モジュール24は、対応するスロップゾーンの負のトルク限界にアンカーポイント236を設定する。

    アンカーポイント236が同定された段階で、トルク調整モジュール24は、装具システム266を右装具システム270と左装具システム272とにさらに再分割する。 この場合もやはり、トルク調整モジュール24は、初めに右装具システム270を分析し、アンカーポイント234、236の間に基準線284を引き、基準線284がアンカーポイント234、236の間のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定することができる。 この例では、基準線284は、スロップゾーン221、222及び223内に完全に置かれている。 したがって、トルク調整モジュール24は、装具システム270内にそれ以上のアンカーポイントが存在しないと判定する。 したがって、装具システム270に関するトルク調整モジュール24の分析は、終了される。

    次に、トルク調整モジュール24は、アンカーポイント236についての左装具システム272に目を向ける。 この例では、隣接した装具位置215もアンカーポイント232を有するものとして同定されているので、トルク調整モジュールは、装具システム272内にそれ以上のアンカーポイントが存在しないと判定する。 したがって、装具システム272に関するトルク調整モジュール24の分析は、終了される。

    ここで、トルク調整モジュール24は、アンカーポイント232に関連した左装具システム260を調べる。 図6Fは、プロセスのこの部分を示す。 この場合もやはり、トルク調整モジュール24は、現在の装具システム260を画定するアンカーポイント(換言すれば偶力)230、232の間に新たな基準線286を生成し、現在の基準線286が現在の装具システム260のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例では、現在の基準線286は、スロップゾーン225、226及び227内に完全には置かれていない。

    装具システム260内の別のアンカーポイントの位置を同定するために、トルク調整モジュール24は、対応する基準線がスロップゾーンを通らない場所に、現在の装具システムにおけるサブセットの装具位置を特定する。 この例では、装具位置216だけがこの定義を満たす。 したがって、装具位置216(図6G)が、関連アンカーポイントを有するものとして同定される。 ただし、サブセットの装具位置が1つを超える装具位置を含んでいた場合には、トルク調整モジュール24は、このサブセットの装具位置の中から、現在の基準線からの最大偏差をもつ装具位置を同定することができる。 そこで、トルク調整モジュール24は、その装具位置を、関連アンカーポイントを有するものとして同定する。

    図6Gは、アンカーポイントとして指定された装具位置216を示す。 図6Gでは、装具位置216は、それが関連アンカーポイント238を有することを示すために、丸で囲まれている。 アンカーポイント238が基準線286(図6F)よりも上方にあるので、トルク調整モジュール24は、装具位置216に関連した負のトルク限界をアンカーポイント238として設定する。

    このようにして新たなアンカーポイント238が同定されると、トルク調整モジュール24は、装具システム260を右装具システム274と左装具システム276とにさらに再分割する。 この場合もやはり、トルク調整モジュール24は、初めに右装具システム274に目を向け、アンカーポイント232、238の間に基準線287を引き、基準線287がアンカーポイント232、238の間のスロップゾーン内に完全に置かれるか否か、すなわち装具システム274のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例では、アンカーポイント232とアンカーポイント238とは隣接している。 したがって、トルク調整モジュール24は、装具システム274内にそれ以上のアンカーポイントが存在しないと判定する。 したがって、装具システム274に関するトルク調整モジュール24の分析は、終了される。

    次に、トルク調整モジュールは、左装具システム276に目を向け、アンカーポイント238、230の間に基準線288を引き、基準線288が装具システム276のスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する。 この例では、基準線288は、スロップゾーン226及び227内に完全に置かれている。 したがって、トルク調整モジュール24は、装具システム276内にそれ以上のアンカーポイントが存在しないと判定する。 したがって、トルク調整モジュールによる装具システム276の分析は、終了される。

    図6Hは、前述したプロセスの1回の反復を完了した後のアーチワイヤ装具システム200を示す。 図6Hは、アンカーポイント230、232、234、236及び238、並びに対応する基準線282、283、285、287、288及び279を示す。 これらの基準線は、歯科矯正治療過程のある特定の時点での、アーチワイヤの長さに沿ったすべての点でのアーチワイヤねじれ角度を表す。 前述のアルゴリズムの過程でアンカーポイントが決定されるので、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤねじれ角度(その数値は図6Hの最下列に全体として参照番号209で示される)も決定される。 次いで、トルク調整モジュール24は、これらのアーチワイヤねじれ角度を使用して、図5に関して上述した反復調整プロセスにおいてトルク損失の影響に対して調整された最終咬合を算定する。

    図6Hから、各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定することに加えて、アーチワイヤの長さに沿った任意の長さ方向位置でのアーチワイヤのねじれ角度も決定できることがわかる。 装具位置間のアーチワイヤのねじれ角度は、アーチワイヤ装具システム全体の長さにわたってアーチワイヤのねじれ角度を表す線282、283、285、287、288及び279を生成するために使用された装具位置間の、アーチワイヤのねじれ角度の間を線形補間することによって決定することができる。 このように、トルク調整モジュール24は、所望の長さ方向位置での線形補間を参照することによって、アーチワイヤに沿った任意の長さ方向位置でのねじれ角度を求めることができる。

    図6Iは、図6A〜図6Hに関して上述した例に関し、トルク調整モジュール24がアンカーポイントでの合成トルクをどのように算定するかを示す。 図6Iは、アンカーポイント234、236、232、238及び230にそれぞれ対応する線形トルクベクトル290、291、292、293及び294を示す。 図6Iは、また、対応する回転トルクベクトル295、296、297、298及び299を、ブラケット断面グラフ207に示す。 説明の目的で、線形トルクベクトル290、291、292、293及び294並びに対応する回転トルクベクトル295、296、297、298及び299の長さは、それぞれのベクトルの大きさに対応したある程度一定の縮尺で示されており、それらの方向は、それぞれの符号と一致するように描かれている。

    図6Jは、図6Iに示したアーチワイヤ装具システムのアンカーポイント234、236及び232に基づいた抽出図である。 ただし、この抽出図が単に説明を目的としたものにすぎず、記載される原理がアンカーポイントのすべてのグループに当てはまることを理解すべきである。 前述のように、トルク調整モジュール24は、以下のパラメータを使用する。
    φ n :アンカーポイントnにおける総ねじれ角度 T n :アンカーポイントnにおける合成トルク G:剪断弾性係数 I p :極慣性モーメント d n :アンカーポイントnの正中線からの距離

    nは、アーチワイヤセグメントを表す各線分の傾きを示すために使用される。 φの差分は、「Δφ」又は「アーチワイヤねじれ角度の変化量」と称することができ、dの差分は、「L」又は「アーチワイヤセグメントの長さ」と称することができる。 「T」は、同様に、アーチワイヤセグメントに隣接したアンカーポイントでの印加トルクに依存する、所与のアンカーポイントにおける「合成トルク」を表すために使用される。 「T」は、アーチワイヤ材料の弾性係数「G」及びアーチワイヤ断面の極慣性モーメント「I p 」にも依存する。 また、この計算から得られるTの符号(+又は−)がトルクの時計方向又は反時計方向を決定することに留意することも有用である。 この場合も同様に、前述したように、各アーチワイヤセグメントのトルクは、アーチワイヤ材料の弾性係数、アーチワイヤ断面の極慣性モーメント、及びアーチワイヤねじれ角度の変化量に正比例し、アーチワイヤセグメントの長さに反比例する。

    図6Jに示される例では、アンカーポイント236における合成トルクを求めるために、アンカーポイント236を座標(d n ,φ n )で記述することができる。 それにより、アンカーポイント234を座標(d n-1 ,φ n-1 )で記述することができ、アンカーポイント232を座標(d n+1 ,φ n+1 )で記述することができる。 線235の長さは(d n −d n-1 )によって与えられ、線233の長さは(d n+1 −d n )によって与えられ、線237の長さは(φ n −φ n-1 )によって与えられ、線231の長さは(φ n+1 −φ n )によって与えられる。

    線283の傾きは、次式によって得ることができる。
    n-1,n =(φ n −φ n-1 )/(d n −d n-1
    同様に、線285の傾きは、次式によって得ることができる。
    n,n+1 =(φ n+1 −φ n )/(d n+1 −d n
    そこで、アンカーポイント236における合成トルクが、次式によって与えられる。
    n =GI p (m n,n+1 −m n-1,n

    図7A〜図7Dは、アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定するためにクライアントコンピューティングデバイスで実行されるトルク調整モジュール24の典型的な作業を示すフローチャートである。 具体的には、図7A〜図7Dに示されるプロセス300は、図6A〜図6Hに関して上述したよう、複数のアンカーポイントを見つけるために使用される。

    図7A〜図7Dは、歯列弓の仮想描示をセットアップするとともに、アンカーポイントを見つけるための分析プロセスを初めに呼び出すプロセスを示す(300)。 初めに、「ルート」装具システムを、歯列弓全体のためのアーチワイヤ装具システムとして規定することができる(例えば図6Bのアーチワイヤ装具システム250参照)。 初めにルート装具システムを規定するために、トルク調整モジュール24は、歯列弓内の各装具位置に「ブラケットノード」を規定する(302)。 前述のように、本明細書で使用する用語「右」及び「左」は、患者の視点からのもの、すなわち歯科技術における一般的用法での患者の右及び左である。 アーチワイヤ装具システムは、リンクリスト、2重リンクリスト、スタック、キュー、ヒープ、ディクショナリ、ツリー、又は他のあらゆる好適な形式のデータ構造として、表すことができる。

    各ブラケットノードの規定は、以下のリストに示すものなどの、いくつかの変数を含むことができる。
    final int POSITIVE ANCHORAGE=+1(ファイナル int 正固定=+1);
    final int NO ANCHORAGE=0(ファイナル int 無固定=0);
    final int NEGATIVE ANCHORAGE=-1(ファイナル int 負固定=−1);
    final double pmDeltaPhi(ファイナル ダブル pmΔφ);
    double d(ダブル d);
    double slotPhi(ダブル スロットφ);
    double archwirePhi(ダブル アーチワイヤφ);
    int anchorage(int 固定);
    BracketNode rightNeighbor(ブラケットノード右隣);
    BracketNode leftNeighbor(ブラケットノード左隣);

    ここで、「final int」データ型式は、整数定数であり、「final double」データ型式は、倍精度の浮動小数点定数であり、「int」データ型式は、整数変数であり、「double」データ型式は、倍精度の浮動小数点変数であり、BracketNodeデータ型式は、別のそのようなBracketNodeに対するポインタ又は類似参照である。 また、他のデータ型式も、これらの値をホールドするのに適している場合があることを理解すべきである。 例えば、データ構造として線形配列を使用するときには、右隣及び左隣がデータ構造の構成内に潜在するので、変数が不要な場合がある。

    変数「pmDeltaPhi」は、BracketNodeについての正又は負(すなわちプラス又はマイナス)のトルク限界(全スロップゾーンの1/2)を表す。 所望により、pmDeltaPhi変数によって、各BracketNodeについて異なるスロップゾーンを画定できるようになる。 変数「d」は、歯列弓の正中線からBracketNodeまでの距離を表しており、正の値は、正中線から左側の距離を表すために使用され、負の値は、正中線から右側の距離を表すために使用される。 変数「slotPhi」は、基準面に対するブラケット溝の角度を表す。 変数「archwirePhi」は、基準面に対するアーチワイヤのねじれ角度を表す。 変数「anchorage」は、アンカーポイントに正のスロップ限界を使用するときには値「POSITIVE ANCHORAGE」を得ることができ、BracketNodeがアンカーポイントではないときには値「NO ANCHORAGE」を得ることができ、又はアンカーポイントに負のスロップ限界を使用するときには値「NEGATIVE ANCHORAGE」を得ることができる。

    各BracketNodeは、隣接の右隣に対するポインタや、隣接の左隣に対するポインタなどの、インデックスを含むこともできる。

    ルート装具システムをさらに規定するために、トルク調整モジュール24は、ルート装具システムの最も右側のブラケットノードとして変数「最右端BN」を規定し、ルート装具システムの最も左側のブラケットノードとして別の変数「最左端BN」を規定する(304)。

    トルク調整モジュール24は、分析されるべき初期装具システムをルート装具システムとして規定する(306)。 ルート装具システムに関する規定情報、すなわちその親装具システム(この場合、ルート装具システムが親をもたないのでこの変数は無である)、並びに最右端BN及び最左端BNは、パラメータとして分析モジュールにわたされる(308)。 トルク調整モジュール24は、ルート装具システム内のすべてのアンカーポイントを見つけるために、分析ソフトウェアモジュールを呼び出す(308)。

    図7Bは、分析モジュールの第1の部分を示す(312)。 本明細書に図示且つ記載する実施形態では、アーチワイヤ装具システムの分析中に生じ得る異なる4つのタイプの装具システムが存在する。 第1のタイプの装具システムは、最左端のブラケットノードも最右端のブラケットノードもアンカーではないシステムである(314)。 第2のタイプの装具システムは、最右端BNはアンカーであるが最左端BNはアンカーではないシステムである(324)。 第3のタイプの装具システムは、最左端BNはアンカーであるが最右端BNはアンカーではないシステムである(334)。 第4のタイプの装具システムは、最右端BN及び最左端BNの両方がアンカーであるシステムである(344)。

    これらの状況(314、324、334及び344)のそれぞれに関し、トルク損失制御モジュール24は、関連するブラケットノード間の最大偏差成分を同定する(316、326、336及び346)。 例えば、最左端BNも最右端BNもアンカーではない第1の状況(314)では、トルク調整モジュール24は、最右端BNと最左端BNとの間(最右端BNと最左端BNとを含む)の最大偏差成分を同定する(316)。 これは、例えば、アンカーポイントがまだ同定されていない図6Bに示される状況に相当する。

    最右端BNがアンカーであるが最左端BNがアンカーではない第2の状況(324)では、トルク調整モジュール24は、最右端BNの左隣と最左端BNとの間(最右端BNの左隣と最左端BNとを含む)の最大偏差成分を同定する(326)。 これは、例えば、図6Cに示す状況すなわち装具システム254に相当し、ここではアンカーポイント218が最右端BNであり、ブラケットノード219が最左端BNである(ただし、図6Cの例では、装具システム254には最大偏差成分は存在しない)。

    最左端BNがアンカーであるが最右端BNがアンカーではない第3の状況(334)では、トルク調整モジュール24は、最右端BNと最左端BNの右隣との間(最右端BNと最左端BNの右隣とを含む)の最大偏差成分を同定する(336)。 これは、例えば、図6Cに示す状況すなわち装具システム252に相当し、ここではアンカーポイント218が最左端BNであり、ブラケットノード210が最右端BNである。

    最右端BN及び最左端BNの両方がアンカーである第4の状況(344)では、トルク調整モジュール24は、最右端BNの左隣と最左端BNの右隣との間(最右端BNの左隣と最左端BNの右隣とを含む)の最大偏差成分を同定する(346)。 これは、例えば、図6Fに示す状況すなわち装具システム260に相当し、ここではアンカーポイント218が最左端BNであり、アンカーポイント215が最右端BNである。

    最大偏差成分が同定された段階で(316、326、336、346)、図7Cに示されるように、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤねじれ角度の仮想描示が最右端BNと最左端BNとの間のすべてのスロップゾーン内に完全に置かれるか否かを判定する(318、328、338及び348)。 例えば、最右端BNも最左端BNもアンカーではない第1の状況では、トルク調整モジュール24は、基準線が現在の装具システムのすべてのスロップゾーン内に完全に置かれるか否か(すなわち当該装具システム内のすべてのブラケットノードにおいて最大偏差成分がそのブラケットのスロップゾーン内に置かれるか否か)を判定する。 これは、例えば、図6B及び線202に相当し、その場合、基準線は、すべてのスロップゾーン内に完全には置かれていない。

    最右端BN又は最左端BNの一方だけがアンカーである第2又は第3の状況では、トルク調整モジュール24は、基準線がすべてのスロップゾーン内に完全に置かれるか否か(すなわち最大偏差成分が当該装具システムにおいて各ブラケットのスロップゾーン内に置かれるか否か)を判定する。 この状況は、例えば、最左端BN215だけがアンカーポイントである図6D及び線281に相当し、その場合、基準線は、すべてのスロップゾーン内に完全には置かれていない。

    最右端BN及び最左端BNの両方がアンカーである第4の状況では、トルク調整モジュール24は、基準線(すなわちアーチワイヤねじれ角度の仮想描示)が当該装具システム内のすべてのブラケットノードにおいてスロップゾーン内に置かれるか否かを判定する。 この状況は、例えば、最右端BN216及び最左端BN218の両方がアンカーポイントである図6G及び線288に相当し、その場合、基準線は、当該装具システムのすべてのスロップゾーン内に完全に置かれている。

    アーチワイヤねじれ角度の仮想描示(すなわち基準線)が装具システム内のどのブラケットノードにおいてもすべてのスロップゾーン内に完全に置かれる場合(318、328、338、348)には、トルク調整モジュール24は、アーチワイヤねじれ角度(前述したarchwirePhi)を適切な値に設定する(320、330、340)。 例えば、最左端BNも最右端BNもアンカーポイントではなく、アーチワイヤがスロップゾーン内に完全に置かれる第1の状況では、トルク調整モジュール24は、最左端BNのアーチワイヤねじれ角度をゼロに設定し、また最右端BNのアーチワイヤねじれ角度もゼロに設定する。

    最右端BNがアンカーポイントであるが最左端BNがアンカーポイントではなく、アーチワイヤねじれ角度がスロップゾーン内に完全に置かれる第2の状況では、トルク調整モジュール24は、最左端BNのアーチワイヤねじれ角度を最右端BNのアーチワイヤねじれ角度に等しくなるように設定する(330)。 同様に、最左端BNがアンカーポイントであるが最右端BNがアンカーポイントではなく、アーチワイヤねじれ角度がスロップゾーン内に完全に置かれる第3の状況では、トルク調整モジュール24は、最右端BNのアーチワイヤねじれ角度を最左端BNのアーチワイヤねじれ角度に等しくなるように設定する(330)。

    最右端BN及び最左端BNの両方がアンカーポイントである第4の状況では、アーチワイヤねじれ角度は調整されない。

    最右端BN及び最左端BNのアーチワイヤねじれ角度が設定され(320、330、340)た後に、トルク調整モジュール24は、アルゴリズムにおける、分析プロセスを呼び出した時点に戻る(322、332、342、352)。 例えば、現在のレベルが図7A(308)から呼び出された場合には、プロセスはその時点に戻ることになる。 同様に、現在のレベルが図7D(380、386)から呼び出された場合には、トルク調整モジュールは、当該装具システムの分析が完了した時点に戻ることになる。 これら後者の2つの呼び出しポイントは、図7A〜図7Dに示した実施形態の再帰的性質を例示している。

    一方、アーチワイヤねじれ角度の仮想描示がすべての関連スロップゾーン内に完全には置かれない場合(318、328、338、348)には、分析プロセスは、図7Dに示すようにして継続する。 トルク制御モジュール24は、最大偏差成分がアーチワイヤのねじれ角度よりも大きいか否かを判定する(370)。 そうである場合、トルク調整モジュール24は、当該ブラケットノードについての負のスロップ限界にアンカーポイントを設定する(372)。 これは、例えば、アンカーポイント232がブラケットノード215についての負のトルク限界に設定される図6Dに相当する。 最大偏差成分がアーチワイヤのねじれ角度よりも小さい場合(370)には、トルク調整モジュール24は、当該ブラケットノードについての正のスロップ限界にアンカーポイントを設定する(374)。 これは、例えば、アンカーポイント230がブラケットノード218についての正のスロップ限界に設定される図6Cに相当する。

    トルク調整モジュール24は、最大偏差成分がルート装具システムの最右端のブラケットノードであるか否かを判定する(376)。 そうである場合、プロセスは、歯列弓をその遠位最右端の点まで分析していることになる。 この一例が、図6Eに装具システム264によって示されている。 最大偏差成分がルート装具システムにおける最右端のブラケットノードではない場合(376)には、トルク調整モジュール24は、新たな装具システムを、親装具システム、最右端BN、及び最左端BNとしての最大偏差成分のパラメータにより、右装具システムとして規定する(378)。 次いで、トルク調整モジュール24は、右装具システムで動作するために分析モジュールを再帰的に呼び出す(380)。

    右装具システムの分析が完了した段階で、又は最大偏差成分がルート装具システムにおける最右端のブラケットノードではなかった場合(376)に、トルク調整モジュール24は、最大偏差成分がルート装具システムにおける最左端のブラケットノードであるか否かを判定する(382)。 そうである場合、プロセスは、歯列弓をその遠位最左端の点まで分析していることになる。 最大偏差成分がルート装具システムにおける最左端のブラケットノードではない場合には、トルク調整モジュール24は、新たな装具システムを、親装具システム、最右端BNとしての最大偏差成分、及び最左端BNのパラメータにより、左装具システムとして規定する(384)。 次いで、トルク調整モジュール24は、左装具システムで動作するために分析モジュールを再帰的に呼び出す(386)。

    トルク調整モジュール24が左装具システムの分析を完了したとき、又は最大偏差成分がルート装具システムにおける最左端のブラケットノードであった場合(382)に、トルク調整モジュール24は、分析プロセスの呼び出された時点(それぞれ388又は390)に戻る(それぞれ388又は390)。 トルク調整モジュール24は、歯列弓全体にわたるすべてのアンカーポイントが同定されるまで、この方式で歯列弓を再帰的に分析し続ける。

    図7Dに示すプロセス(376、378、380、382、384、386)は、親装具システムを右及び左装具システムに分割し、次いで右及び左装具システムを分析する工程に相当する。 この一例を、装具システム266(すなわちこの場合「親」装具システム)が右装具システム270と左装具システム272とに分割される図6E及び図6Fに見ることができる。 右装具システム270についての分析プロセスを呼び出すときにわたされるパラメータは、親装具システム(装具システム266)に対するインデックス又はポインタと、最右端BN(この場合ブラケットノード211)と、最左端BN(この場合ブラケットノード214)としてわたされることになる最大偏差成分とを含む。 同様に、左装具システム272についての分析プロセスを呼び出すときにわたされるパラメータは、親装具システム(この場合装具システム266)に対するインデックス又はポインタと、最右端BN(この場合ブラケットノード214)としての最大偏差成分と、最左端BN(この場合ブラケットノード215)とを含む。

    図7Dに示される分析プロセスでは、装具システムは、アーチワイヤねじれ角度が各装具システム内のすべてのブラケットノードのスロップゾーン内に完全に置かれることがわかるまで調査される。 その時点で、トルク調整モジュール24は、歯列弓内のすべてのアンカーポイントを見つけている。 プロセスはそこで、最高レベルの再帰的アルゴリズム、すなわちルート装具システムに戻り(図7Aの308)、プロセスが終了される(310)。

    反復調整プロセスを諸イベントの具体的シーケンスに関して説明したが、本発明が、反復調整プロセスにおいてあらゆる特定の順番で同定された、アンカーポイント、ターミナルポイント、装具システム、基準線、又は他のあらゆる変数の決定にも限定されないことを理解すべきである。 図6A〜図6H及び図7A〜図7Dに関して上述した実施形態は、アーチワイヤ装具システムのアンカーポイントをそれによって決定できる多くの変形形態の一例にすぎない。 例えば、前述のプロセスは右装具システムを分析した後に左装具システムを分析する工程に言及したが、他の実施形態では、左装具システムを分析した後に右を分析することができる。 他の例として、前述のプロセスは再帰的プロセスであるが、他の実施形態では、再帰を使用する必要はなく、アンカーポイントを見つける他の方法を代わりに使用できる。 例えば、再帰を使用しない詳細な手順的方法を使用して、アーチワイヤ装具システムを分析することができる。 同様に、再帰的プロセスは、再帰的プログラミング言語を使用して実施されてもよく、又は分析されるべき新たな装具システムが同定されるたびに状態を保存するべくスタックを使用して実施されてもよい。 さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、他の因子を反復調整プロセス内で変更することもできる。 したがって、本明細書に記載の反復調整プロセスを変更することができ、本発明がこの点に関して制限されないことを理解すべきである。

    本明細書に記載する技法の1つ以上を、部分的に又は完全にソフトウェアで実行することができる。 例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、すなわち前述した技法の1つ以上を実施するためにプロセッサが実行できるプログラムコードを、格納するか、或いは構成することができる。 例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的消去書き込み可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気又は光媒体などから構成できる。 命令及び媒体は、必ずしも特定のコンピュータや他の装置に関連付けられるものではなく、様々な汎用又は専用機によって実施できる。 命令は、2つ以上の媒体に分配でき、また2つ以上の機械によって実行できる。 機械は、互いに直接つながれてもよいし、ローカルアクセスネットワーク(LAN)やインターネットのようなグローバルネットワークなどのネットワークを通じてつながれてもよい。

    また、図6A〜図6H及び図7A〜Dに示した反復調整プロセスの他の変形形態も可能である。 例えば、本明細書に記載のプロセスは、最大偏差成分に基づいて、装具システムを左装具システムと右装具システムとに分ける。 しかし、他の実施形態では、最大偏差成分及び最小偏差成分に基づいて、装具システムを左、中央及び右の装具システムに分割することができる。 本発明の範囲から逸脱することなくアーチワイヤ装具システムを分析するための多くの方法が存在することが、当業者には容易にわかるであろう。

    図8A〜図8Dは、モデリングソフトウェア20によって提供される典型的なユーザーインターフェース400のディスプレイの図である。 図示実施形態では、ユーザーインターフェース400は、ユーザー、例えば施術者8が、患者6の電子処方にアクセスするための、メニュー入力エリア406を含む。 ユーザーインターフェース400は、患者6の歯群の3Dレンダリング描示を提供するディスプレイエリア408を含む。 ユーザーインターフェース400は、施術者8がディスプレイエリア408内の患者の歯列弓のいくつかの異なるビューのいずれかのレンダリング及び表示を選択的に有効/無効にすることを可能にするための、選択機構412を提供する。

    前述の反復調整プロセスを使用して、初期不正咬合から、トルク損失について調整した算定された最終咬合までの、歯群の3次回転を、3D仮想世界で動画にすることができる。 この例では、ディスプレイエリア408は、不正咬合からトルク損失の影響について調整した最終咬合までの反復調整プロセスを示す動画を提供する。 図8A〜図8Dは、反復調整プロセスの間の選択された時間枠を、初期不正咬合(図8A)から、反復調整プロセスの間に得られる2つの時間枠(図8B及び8C)、及びトルク損失の影響について調整した最終咬合の描示(図8D)で示す。

    図8Aから始めると、図8Aの一連のブラケットの描示は、不正咬合の歯列弓のための一例としてのアーチワイヤ装具システム402の描示を概略で示すものである。 図8Aに例示されるアーチワイヤ装具システム402は、歯科矯正治療過程の始期における患者の歯列弓に対応する。 アーチワイヤ404は、アンカーポイント410、412、414、416、418、420及び422でブラケットに係合した状態で示されている。

    反復調整プロセスを何回か反復した後に、例示のアーチワイヤ装具システム402は、図8Bに示すように見えることがある。 ここでは、アーチワイヤ404は、アンカーポイント426、428、432、434及び436でブラケットに係合した状態で示されている。 反復調整プロセスをさらに何回か反復した後に、例示のアーチワイヤ装具システム402は、図8Cに示すように見えることがある。 ここでは、アーチワイヤ404は、アンカーポイント450、452、454、456及び458でブラケットに係合した状態で示されている。

    最後に、図8Dは、トルク損失の影響を考慮した最終咬合におけるアーチワイヤ装具システム402の描示を示す。

    図8A〜図8Dは、歯科矯正治療過程を通してのアーチワイヤ404の弛緩をシミュレートする。 アーチワイヤ404のねじれ角度は、反復調整プロセスの過程でゼロに近づく。 この結果、図8A〜図8Dに示されるアーチワイヤ404の描示は、時間とともに「平坦化され」すなわち水平になる。 最終咬合は、アーチワイヤ404のねじれ角度がほぼゼロに等しくなるとき、すなわちアーチワイヤ404を表す複数の線分の傾きがほぼゼロになるときに達成される。

    図9A〜図9Bは、モデリングソフトウェア20によって提供される典型的なユーザーインターフェース400のディスプレイの図である。 図9A及び図9Bは、モデリングソフトウェア20がディスプレイエリア408をトルク損失ビューモードにしている典型的実施形態を示す。 図9Aに例示するディスプレイエリア408は、歯科矯正治療過程の間にアーチワイヤ470がすべての歯科矯正装具に完全係合すると仮定したときの、所期の最終咬合480を示す。 トルク損失ビューモードにあるときには、ユーザーインターフェース400によって、施術者は、図9Aに示すような、アーチワイヤ、ブラケット、歯及び/又は歯肉を含み得る所期の最終咬合480のモデルと、図9Bに示すような、提案された処方による歯科矯正治療の全過程を通したアーチワイヤと歯科矯正装具の溝との係合をモデル化することによって得られる算定された最終咬合490のモデルとを、検分できるようになる。 施術者はそこで、モデル化された所期の最終咬合480及び算定された最終咬合490を検分して、アーチワイヤ装具システムに対するトルク損失の影響を考慮したうえで、提案される歯科矯正処方が所望の結果を生み出すか否かを決定することができる。

    図9Aと図9Bとを比較すると、例えば、算定された最終咬合490(図9B)における上顎右中切歯472が、アーチワイヤ装具システムに対するトルク損失の影響を考慮していない所期の最終咬合480(図9A)における同一の上顎右中切歯472よりも、垂直軸に対してより大きな傾斜角を有することが明らかになる。 そこで、これらのビューを評価している施術者は、アーチワイヤ装具システム上のトルク損失が最終結果に及ぼす影響を視覚化できた後に、提案される歯科矯正処方が許容可能な最終咬合をもたらすか否かを判断することができる。 さらに、施術者はその結果、幾何学的に様々な固有のトルク角度を具現化するブラケットを選択したり、或いはブラケットを様々な位置や姿勢で歯の上に設置したりすることで、予測されるトルク損失の影響を補償することができる。

    初期不正咬合、所期の最終咬合、及び/又は算定された最終咬合の表示に加えて、システムは、提案された処方による治療の全過程を通した複数の不連続時点における算定された咬合も表示することができる。 これらは、図8A〜図8Dに示されるように、これらの不連続時点におけるアーチワイヤのねじれ角度並びに対応する装具及び歯の位置に基づいて、生成することができる。 不連続時点における算定された咬合の3D描示は、各アーチワイヤセグメント内のねじり応力に対応する多様な色でレンダリングされたアーチワイヤを含むことができる。 様々なレベルのねじり応力に対応するように、様々な色を割り当てることができる。 これによって、施術者は、歯、装具及びアーチワイヤの位置をどの時点でも見ることができるだけでなく、アーチワイヤの画像描示だけを検分することでは実際には見ることのできないアーチワイヤ内のねじり応力も検分できるようになる。

    さらに、不連続時点における算定された咬合の3D描示は、各装具への合成トルクに対応する多様な色でレンダリングされた装具を含むことができる。 同様に、アーチワイヤに係合することによって関連するアンカーポイントを有する装具は、アーチワイヤに係合しない装具とは外観の違いによって区別することができる。

    アーチワイヤセグメント及び/又は装具の色分けによって、施術者は、不連続時点での歯、アーチワイヤ、装具、アーチワイヤへのねじり応力、及び各装具への合成トルクを、単一の3D描示上で見られるものとして検分できるようになる。

    アーチワイヤがその長さに沿って一様な断面を有すると推定される場合、偶力間の各アーチワイヤセグメント内のねじり応力は、一定である。 このことは、各図に、アンカーポイント間の傾きが一定の線分として表されている。 ゆえに、一実施形態では、アンカーポイント間の各アーチワイヤセグメントを、単一の色で表示することができる。 提案された処方による治療の全過程を通した初期咬合から最終咬合までの3D動画を表示するときには、各アーチワイヤセグメントが色をもつことができ、また各装具が色をもつことができ、それらの色は、動画の進行につれて時間とともに変化することになる。 したがって、ユーザーは、どのアーチワイヤセグメント及び/又は装具が高い応力下にあるか、どれが低い応力下にあるかなどを、視覚化することができる。 動画が終了したとき、又は予測される最終咬合が算定されたときに、アーチワイヤ及び/又は装具に残っている色は、歯の動きをもたらすには不十分な、アーチワイヤ−装具システムにおける残留応力を示す。

    色は、あらゆる様々な方法で指示することができる。 例えば、アーチワイヤ内の異なるレベルのねじり応力、及び/又は装具に印加される異なるレベルの合成トルクに、異なる色を割り当てることができる。 割り当てを指示するキーを、ユーザーに対して表示することができる。 色は、色相、飽和度、白色度、彩度、明度、陰影、グレースケール、不透明度、透明度、濁度、又は相違を示す他のあらゆる適切な手段によって、多様なものにすることができる。

    本発明の様々な実施形態説明したが、本発明から逸脱することなく、様々な修正を実施できることは理解されよう。 上記及び他の実施形態は、特許請求の範囲の開示内にある。

    クライアントコンピューティングデバイスがトルク損失を考慮して歯列弓についての最終咬合を算定する、典型的なコンピュータ環境を示すブロック図である。

    図1のクライアントコンピューティングデバイスの例示的な実施形態をさらに詳細に示すブロック図である。

    個々のブラケットの「スロップゾーン」を決定する、基準咬合平面に対するアーチワイヤねじれ角度、基準咬合平面に対するブラケットトルク角度、及びアーチワイヤねじれ角度とブラケットトルク角度との間の相対差を示す図である。

    個々のブラケットの「スロップゾーン」を決定する、基準咬合平面に対するアーチワイヤねじれ角度、基準咬合平面に対するブラケットトルク角度、及びアーチワイヤねじれ角度とブラケットトルク角度との間の相対差を示す図である。

    個々のブラケットの「スロップゾーン」を決定する、基準咬合平面に対するアーチワイヤねじれ角度、基準咬合平面に対するブラケットトルク角度、及びアーチワイヤねじれ角度とブラケットトルク角度との間の相対差を示す図である。

    個々のブラケットの「スロップゾーン」を決定する、基準咬合平面に対するアーチワイヤねじれ角度、基準咬合平面に対するブラケットトルク角度、及びアーチワイヤねじれ角度とブラケットトルク角度との間の相対差を示す図である。

    歯科矯正装具システムにおけるトルク損失の影響について調整された最終咬合を算定するための、クライアントコンピューティングデバイスで実行されるモデリングソフトウェアの典型的な作業を示すフローチャートである。

    提案される歯科矯正処方についての最終咬合を算定する際にトルク損失を考慮する、クライアントコンピューティングデバイスで実行されるモデリングソフトウェアの典型的な作業を示す、より詳細なフローチャートである。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    トルク調整モジュール24がアーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのねじれ角度を決定するとともに各アンカーポイントでの印加トルクを決定するための方法を示す図である。

    アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定するための、クライアントコンピューティングデバイスで実行されるトルク調整モジュールの典型的な作業を示すフローチャートである。

    アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定するための、クライアントコンピューティングデバイスで実行されるトルク調整モジュールの典型的な作業を示すフローチャートである。

    アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定するための、クライアントコンピューティングデバイスで実行されるトルク調整モジュールの典型的な作業を示すフローチャートである。

    アーチワイヤの長さに沿った各装具位置でのアーチワイヤのねじれ角度を決定するための、クライアントコンピューティングデバイスで実行されるトルク調整モジュールの典型的な作業を示すフローチャートである。

    モデリングソフトウェアによって提供される典型的なユーザーインターフェースのディスプレイの図である。

    モデリングソフトウェアによって提供される典型的なユーザーインターフェースのディスプレイの図である。

    モデリングソフトウェアによって提供される典型的なユーザーインターフェースのディスプレイの図である。

    モデリングソフトウェアによって提供される典型的なユーザーインターフェースのディスプレイの図である。

    モデリングソフトウェアによって提供される典型的なユーザーインターフェースのディスプレイの図である。

    モデリングソフトウェアによって提供される典型的なユーザーインターフェースのディスプレイの図である。

    QQ群二维码
    意见反馈