Dental braces, and a coating method

申请号 JP2004541834 申请日 2003-09-29 公开(公告)号 JP2006501031A 公开(公告)日 2006-01-12
申请人 モレキュラー メタラージィ、インコーポレイテッド; 发明人 メッケル、ネイサン、ケイ.;
摘要 アーチ・ワイヤ及びブラケットを含む歯列矯正具の構成部材を、低摩擦係数を有する硬質耐摩耗性材料で被覆する。 見た目に好ましい被覆で構成部材の基体材料を被覆することにより、被覆なしでは摩耗、擦疵または腐食により発生する虞のある基体材料からの毒素の遊離を防止する。 被覆は、好ましくはチタン、ジルコニウム又はハフニウムの金属の第1層と、第1層に使用された金属の窒化物であるのが好ましい第2層と、第1層で使用された金属の窒化物で、各窒素 原子 当たりほぼ2個の金属原子を有しているのが好ましい第3層とを含んでいる。 被覆は、またカソード・アーク源等の物理的気相成長源を使用し、制御された気体雰囲気で被着されるのが好ましい。
权利要求
  • 歯列矯正具用の被覆された構成部材において、被膜された該構成部材が、
    構成部材基体と、
    前記構成部材基体の少なくとも一部を覆う被覆とを含み、該被覆が、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから成る金属群から選択された金属の窒化物を含む、被覆された構成部材。
  • 前記構成部材基体がブラケットである請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 前記構成部材基体がアーチ・ワイヤである請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 前記窒化物が窒化二チタン(Ti N)である請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 前記窒化物が窒化二ジルコニウム(Zr N)である請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 前記窒化物が窒化二ハフニウム(Hf N)である請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 前記被覆が、前記構成部材基体の前記一部に接触し覆う金属層を含み、前記金属が、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから成る金属群から選択される請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 前記被覆が、前記構成部材基体に接触し覆うチタンの第1層と、該第1層に接触し覆う窒化チタンの第2層と、該第2層に接触し覆う窒化二チタンの第3層とを含む請求項1に記載された被覆された構成部材。
  • 歯列矯正具用の被覆された構成部材を製造する方法において、該方法が、
    構成部材基体を準備する段階と、
    前記構成部材基体の少なくとも一部を、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから成る金属群のうちから選択された金属の窒化物で被覆する段階とを含む、被覆された構成部材を製造する方法。
  • 前記被覆する段階が、
    各被着源が軸線に平行して位置しかつ前記金属の材料源である、少なくとも2つの線形被着源を有する被着装置、窒素源、および取付具を準備する段階と、
    前記構成部材を前記取付具に取り付ける段階と、
    前記取付具を、前記軸線を中心として遊星運動により回転させる段階と、
    前記構成部材に前記窒化物を被着させるために前記被着源を作動させる段階とを含み、前記回転させる段階と前記作動させる段階とを同時に行なう請求項9に記載された被覆された構成部材を製造する方法。
  • 各線形被着源がカソード・アーク源である請求項10に記載された被覆された構成部材を製造する方法。
  • 前記構成部材がブラケットであり、前記取付具が、前記回転させる段階および前記作動させる段階中に前記ブラケットを保持するための少なくとも1つの溝を有するように形成されたプレートを含む請求項10に記載された被覆された構成部材を製造する方法。
  • プレートを複数の溝を有するように形成し、該溝をそれぞれ閉ループとして形成することにより、前記回転させる段階および前記作動させる段階中に複数のブラケットを保持する請求項10に記載された被覆された構成部材を製造する方法。
  • 前記構成部材がアーチ・ワイヤであり、前記取付具が、前記回転させる段階および前記作動させる段階中に、前記アーチ・ワイヤを保持するための、間隔をおいて配置された1対のスクリーンを含む請求項10に記載された被覆された構成部材を製造する方法。
  • 各ブラケットの少なくとも一部分が、チタン、ジルコニウム及びハフニウムから成る金属群から選択された金属の窒化物を含む被覆材料により被覆された複数のブラケットと、
    アーチ・ワイヤの少なくとも一部分が前記被覆材料で被覆されたアーチ・ワイヤとを含む歯列矯正具。
  • 前記窒化物が窒化二チタン(Ti N)である請求項15に記載された歯列矯正具。
  • 前記窒化物が窒化二ジルコニウム(Zr N)である請求項15に記載された歯列矯正具。
  • 前記窒化物が窒化二ハフニウム(Hf N)である請求項15に記載された歯列矯正具。
  • 前記被覆材料が金属層を含む請求項15に記載された歯列矯正具。
  • 前記被覆が、チタン層と、窒化チタン層と、窒化二チタン層とを含む請求項15に記載された歯列矯正具。
  • 说明书全文

    本発明は、広い概念で言えば、被覆された歯列矯正具、および歯列矯正具を被覆する方法に関するものである。 より詳しく言えば、本発明は、硬質耐磨耗性被覆で被覆された歯列矯正具に関するものである。 本発明は、とりわけ、金属窒化物被覆を有する歯列矯正具用のブラケット及びアーチ・ワイヤに使用できるが、それのみに限定されるものではない。

    不揃いの歯の位置を矯正するために歯列矯正具の使用が必要になることがしばしばある。 歯列矯正具の構成部材には、通常、複数のブラケットと1個のアーチ・ワイヤとが含まれる。 使用時には、ブラケットが、患者の片顎または両顎の各歯に接着される。 次に、アーチ・ワイヤが、ブラケットの溝部に配置され、患者の歯を矯正位置へ選択的に移動させるように引き締められる。 アーチ・ワイヤとブラケットとの相互作用は、時には「滑り機構(スライディング・メカニクス)」と呼ばれる。 通常、アーチ・ワイヤは周期的に(例えば3週間から4週間毎に)引き締められ、ゆっくりと歯を正しい位置へ移動させる。

    アーチ・ワイヤの引き締めによって、アーチ・ワイヤは各ブラケットに対して移動させられる。 アーチ・ワイヤとブラケットとの滑り接触は、アーチ・ワイヤ及びブラケット双方の接触面に、摩耗および擦傷を生じさせる。 この摩耗および擦傷の影響により、滑動時に抵抗が生じることがあり、この抵抗によって引き締め工程が妨げられ、アーチ・ワイヤ内の応分布が不均一になり、矯正処置に悪影響が生じることがある。 これまで、ブラケットは、概してステンレス鋼製であったが、最近では、ステンレス鋼中のニッケル及びクロムを避けて、チタン合金で作られている。 しかし、この合金は、比較的軟質であり、接触面に摩耗および擦傷が生じやすい。 したがって、矯正処置の間は、ブラケットとアーチ・ワイヤとの接触面の摩擦係数を、小さく保つことが望ましい。

    ブラケットとアーチ・ワイヤとの滑り接触による問題に加えて、摩耗および擦傷の結果、アーチ・ワイヤ又はブラケットから材料が除去され、その結果、患者が不必要に有害物質に曝らされることがある。 例えば、アーチ・ワイヤは、通常、クロム及びニッケルを含有するステンレス鋼合金、またはチタン−ニッケル合金により作られる。 これらの物質、とりわけクロム及びニッケルは、一般に毒素と見なされており、発がん性があるかも知れず、患者に曝すことは避けるべきである。 同様に、歯列矯正具およびアーチ・ワイヤを提供するために使用される材料に耐食性のない場合、腐食によって毒性物質が遊離されることがある。 腐食は、また歯列矯正具の設計の重要要素である美的外観に悪影響を与えることがある。

    前記の観点から、本発明の目的は、硬質であり、耐摩耗性および耐腐食性を有し、摩擦係数の小さい材料で被覆された歯列矯正具用構成部材を提供することである。 本発明の別の目的は、耐摩耗性を有し、摩擦係数の小さい硬質被覆により歯列矯正具構成部材を被覆する方法を提供することである。 本発明の更に別の目的は、美的満足が得られ、かつ、患者が基体材料の毒素およびアレルギー誘発物質に曝露されることを防止するために構成部材の基体材料を包封する、歯列矯正具の構成部材用の被覆を得ることである。

    本発明は、被覆された歯列矯正具および歯列矯正具を被覆する方法に関するものである。 アーチ・ワイヤ及びブラケットを含む歯列矯正具の構成部材は、低摩擦係数を有する耐摩耗性硬質被覆材料により被覆される。 被覆が基体物質(すなわち未被覆のアーチ・ワイヤ及びブラケットを構成する下地材料)を包封することにより、患者の口腔内への基体物質の遊離が防止される。 基体物質の遊離は、被覆がなければ、摩耗、擦傷、または腐食により発生するだろう。

    本発明では、被覆は、好ましくはチタン、ジルコニウム又はハフニウムである金属の第1層を含んでいる。 この第1層が歯列矯正具の構成部材の一部または全部に接触し、かつ覆っており、好ましくは、歯列矯正具が摩耗した場合に目に見えることになる構成部材部分を覆っている。 重要なことは、各構成部材が他の構成部材に接触かつ相互作用する部分(すなわち摩耗面)を、この第1層が覆うことである。 本発明の一具体例によれば、アーチ・ワイヤは全体が被覆され、各ブラケットは、歯に接着されるブラケット表面(以下では接着面と呼ぶ)を除いた全ての部分が被覆される。

    この被覆は、更に第2層を含み、第2層が第1層に接触し、かつ第1層を覆っている。 この第2層は、第1層に使用された金属の窒化物であることが好ましい。 例えば第1層がチタンの被覆であれば、第2層は窒化チタン(TiN)であることが好ましい。 同じように、第1層がジルコニウム被覆の場合は、第2層は窒化ジルコニウム(ZrN)が好ましく、第1層がハフニウム被覆の場合は、第2層は窒化ハフニウム(HfN)が好ましい。 これらの略号(例えばTiN、ZrN、およびHfN)は、正確な化学的表示というよりは、簡略な表示手段として使用されており、これらの略号により示された化合物の正確な化学量論比が表示されることを示唆するものではない。

    更に、この被覆は、第2層に接触し覆っている第3層を含んでいる。 本発明の場合、この第3層は、歯列矯正具が摩耗した場合に、露出し、目に見える材料を構成する表層である。 第3層は、好ましくは第1層に使用された金属の窒化物であり、各窒素原子当たりほぼ2個の金属原子を有している。 例えば、第1層がチタンで、第2層が窒化チタン(TiN)被覆の場合には、第3層は、好ましくはいわゆる窒化二チタン(Ti N)であり、その窒素レベルは、光沢のある銀色の外観を得るために低くされる。 同じように、第1層がジルコニウムで、第2層が窒化ジルコニウム(ZrN)の被覆の場合、第3層は、いわゆる窒化二ジルコニウム(Zr N)であることが好ましい。 同じように、第1層がハフニウムで、第2層が窒化ハフニウム(HfN)の被覆の場合には、第3層は、いわゆる窒化二ハフニウム(Hf N)であることが好ましい。

    本発明では、被覆は、好ましくは、制御されたガス雰囲気でのカソード・アーク源等の物理的気相成長源を使用して被着される。 他の実施可能な技術、例えばマグネトロン・スパッタリング等を使用してもよい。 被覆を被着している間、ブラケット及びアーチ・ワイヤは取付具に保持され、取付具は中心軸線を中心に遊星運動式に回転する。 より詳しく言えば、ブラケットは比較的浅い複数の溝を有するように形成されたプレート(板)を含む取付具に保持される。 各溝は、プレート周方向に閉ループ状に延びている。 複数のブラケットは、各溝に幾分ゆるやかに、かつ、各ブラケットの接着面を溝の下面に向けて配置される。 ブラケットの残部は、溝から突出するので、接着面以外のブラケット面はチャンバ内の蒸気に曝露される。 したがって、これらの曝露面は被覆されるが、接着面は被覆されずに残る。 各溝は、閉ループ状に形成されているので、ブラケットは、回転運動および小さな振動を受けるにもかかわらず、プレートから「歩み出る」ことが防止される。 溝を有するプレートは、各ブラケットを隔離し、被覆作業中にブラケットが運動(すなわち傾斜)して、望ましくない方向を向くことを防止する。

    アーチ・ワイヤは、1対のワイヤ・スクリーンを含む取付具に保持され、各スクリーンには複数の開口が形成されている。 スクリーンは、互いに平行に整列され、スクリーンからスクリーンへアーチ・ワイヤが懸架されるように間隔をおいて配置される。 より詳しく言えば、各アーチ・ワイヤの第1端部は第1スクリーンの各開口に挿入され、第2端部は第2スクリーンの各開口に挿入される。 このような協働的な構成により、被着用チャンバ内で複数のアーチ・ワイヤを互いに均一な間隔をおいて配置することができる。 更に、スクリーンは、アーチ・ワイヤが被覆されている間、イオン化拡散器として機能する。
    添付図面を参照した以下の説明により、本発明の新規な特徴及び本発明自体が、その構成および操作に関して最もよく理解されよう。 図面において、類似部材には類似の符号が付されている。

    図1には、患者の上顎の歯に取り付けられた歯列矯正具が示され、全体が符号10で示されている。 図1に示すように、歯列矯正具10は、複数のブラケット12及びアーチ・ワイヤ14を含んでいる。 ブラケット12は、患者の上顎の各歯16に接着され、各ブラケット12へのアーチ・ワイヤ14の取り付けには、連結モジュール(例えばゴムバンド)が使用される。 アーチ・ワイヤ14の両端は、患者の臼歯に組み付けられるバッカル(頬)管に取り付け可能である。 矯正歯科医は、このバッカル管によりアーチ・ワイヤ14を緊締して、患者の歯を正しい位置へ選択的に移動させることができる。

    図2を参照することにより、ブラケット12が更によく理解される。 図示のとおり、ブラケット12は、歯16に接着される接着面20を有する底板18を含んでいる。 網部材(図示せず)を歯16と接着面20との間に間挿して、矯正処置の完了後にブラケット12を容易に除去できるようにする場合がある。 更に図2に見られるように、ブラケット12は、使用中(図1参照)にアーチ・ワイヤ14と滑り接触する接触面22を含んでいる。 また図示のとおり、底板18からは4つの突出部24a〜24dが延び、連結モジュールが突出部24a〜24dの周囲に巻き付けられることにより、アーチ・ワイヤ14をブラケット12に固定できる。

    次に、図3を参照すると、基体27に被着された被覆26が示されている。 この基体は、ブラケット12又はアーチ・ワイヤ14とすることができる。 ブラケット12の場合、基体27は、通常、チタン合金またはステンレス鋼等の耐食性材料で作られる。 アーチ・ワイヤ14の場合、基体は、通常、ステンレス鋼または形状記憶合金、例えばニッケル−チタン合金で作られる。 いずれの場合も、図3に示すとおり、被覆26は、好ましくはチタン、ジルコニウム又はハフニウムである金属の第1層28を含んでいる。 第1層に金属を使用することにより、被覆26は、基体27に確実に強力に付着される。 被覆26は、ブラケット12の、アーチ・ワイヤ14と滑り接触する部分(すなわち図2の接触面)、および歯列矯正具10が摩耗した場合に目に見える他のすべての部分に接触し覆うことが好ましい。 したがって、被覆6は、全アーチ・ワイヤ14に接触し、かつ全アーチ・ワイヤを覆うことが好ましい。

    図3について説明を続けると、被覆26が、更に第1層を覆いかつそれに接触している第2層30を含むことが分かる。 第2層30は、各窒素原子当たり約1個の金属原子を有する、第1層28に使用された金属の窒化物(すなわち一金属窒化物)であることが好ましい。 例えば、第1層28がチタンの被覆26の場合、第2層30は、窒化チタン(TiN)であることが好ましい。 同様に、第1層28がジルコニウムの被覆の場合、第2層は好ましくは窒化ジルコニウム(ZrN)であり、第1層28がハフニウムの被覆の場合、第2層30は好ましくは窒化ハフニウム(HfN)である。 注意すべき点は、前記のように、略号(例えばTiN,ZrN,HfN)は、ここでは正確な化学的呼称というより、むしろ簡略な表示手段として使用されており、指示された化合物の化学量論比が正確に略号で表されていることを示唆するものではない。

    引き続き図3についてみると、被覆26が更に第3層を含み、第3層が第2層30に接触し、かつそれを覆っていることが分かる。 図示のとおり、第3層32は表層であり、歯列矯正具10が摩耗した場合に、露出し目に見える材料から成っている。 第3層32は、好ましくは、第1層28に使用された金属の窒化物であり、各窒素原子当たり約2個の金属原子を有している(すなわち二金属窒化物)。 例えば、第1層28がチタンで、第2層30が窒化チタン(TiN)の被覆26の場合、第3層32は、好ましくは窒化二チタン(Ti N)である。 同様に、第1層28がジルコニウムで、第2層30が窒化ジルコニウム(ZrN)の被覆の場合、第3層32は窒化二ジルコニウム(Zr N)であることが好ましい。 同様に、第1層28がハフニウムで、第2層30が窒化ハフニウム(HfN)の場合、第3層32は窒化二ハフニウム(Hf N)が好ましい。

    次に図4を見ると、被覆中にブラケット12を保持する取付具34が示されている。 図示のとおり、取付具34は、円形のプレートとして構成され、該プレートが比較的浅い複数の溝36a〜36cを有するように構成され、各溝36a〜36cがプレート上で閉ループをなして延びている。 図5から最もよく分かるように、ブラケット12は、各溝36内に幾分ゆるやかに配置され、各ブラケット12の接着面20が溝36内で面を下に向けて配置される。 図示のとおり、(底板18の接着面20および縁部38を除く)ブラケット12の部分が、溝36から突出して、被覆26が被着されるように露出している。 閉ループとして構成された溝36により、ブラケット12は、被覆中に回転運動(以下の記載参照)および小振動を受けるにもかかわらず、プレートから「歩み出る」ことはない。 また、溝36は、ブラケット12を隔離し、被覆中にブラケット12が運動(すなわち傾斜)して望ましくない配向になることを防止する。

    次に図6を見ると、被覆中に複数のアーチ・ワイヤを保持する取付具40が示されている。 簡明にするために、アーチ・ワイヤの例として2個のアーチ・ワイヤ14a,14bを示している。 図示のとおり、取付具40は、底板46に装架された1対のワイヤ・スクリーン42,44を含んでいる。 ワイヤ・スクリーン42は、複数の開口を有するように構成され、その例として符号48a,48bが付されている。 同様に、ワイヤ・スクリーン44も、複数の開口を有するように形成され、その例として符号49a,49bが付されている。

    更に、図示されているように、スクリーン42,44は、底板46から延び、互いに実質的に平行に整列されている。 スクリーン42,44は、間隔をおいて配置され、アーチ・ワイヤ14a,14bをスクリーン42からスクリーン44へ掛け渡しできるようになっている。 一例として、図示のように、アーチ・ワイヤ14aの一端がスクリーン42の開口48aに挿入され、他端がスクリーン44の開口49aに挿入される。 同様に、アーチ・ワイヤ14bの一端は開口48bに、他端は開口49bにそれぞれ挿入される。 このような協働的な構成により、被覆中、複数のアーチ・ワイヤ14が互いに均一な間隔をおいて位置することができる。 図に例示したスクリーン42,44の例では、約16個のアーチ・ワイヤ14を保持するように寸法付けされているが、被覆中にアーチ・ワイヤ14を保持するために、より多くの開口を有する、より大型のスクリーンも使用可能なことが理解されよう。

    図7および図8には、ブラケット12及びアーチ・ワイヤ14(図示せず)を被覆する好適な被着装置50が示されているが、別の効果的な被着装置を使用してもよい。 被着装置50は、本体54およびドア56を有するチャンバ52を含み、該ドアは、チャンバ52内部への接近時には開かれ、チャンバ52の作動時には、本体54に密封される。 チャンバ52の内部は、真空ポンプ58により仕切弁60を介して制御可能に真空に排気される。 真空ポンプ58は、通常の形式で共に作動する機械ポンプおよび拡散ポンプを含んでいる。 チャンバ52の内部は、充填弁64を介して、ガス源62から選択されたガスをその分圧まで制御可能に充填できる。 ガス源62は、通常、別個の操作可能な数個のガス源を含んでいる。 ガス源62は、通常、アルゴン等の不活性ガス源62aおよび窒素ガス源62bを含み、各ガス源が、各切換弁65aまたは65bを介して別個に選択され、ガスを供給する。 所望とあれば、他の種類のガスも供給できる。

    チャンバ52内の圧力は真空計66によって監視され、真空計の出力信号は、圧力制御装置68へ送られる。 圧力制御装置68は、仕切弁60および充填弁64(および、任意に切換弁65)の設定を制御し、ポンプ作用と充填ガス流との平衡を達成し、それによって、チャンバ52内に目標圧力を発生させ、圧力が真空計66から読み出される。 したがって、チャンバ52内の気相充填雰囲気は、流動状または動的な雰囲気であることが好ましい。
    図示のとおり、少なくとも2つの、好ましくは4つの線形被着源70が、周方向に間隔をおいてチャンバ52内に配置されている。 図7では、4つの被着源が、異なる被着源70a,70b,70c,70dとされ、これらが、以下で個別に説明される。 4つの被着源70は、被着源の軸線72に平行に延びる最大直線寸法を有する概ね長方形体である。 この種の被着源は、定置点源または被着処理中に基体27の長さに沿って移動する点源とは異なる。

    チャンバ52内には、基体支持体74が配置されている。 基体支持体74は、その上に配置された取付具34(アーチ・ワイヤ14が被覆される場合は、取付具40)の複合回転運動を生じさせる。 この好ましい基体支持体74は回転台車76を含み、該回転台車は、軸線78を中心として回転し、回転台車76の下の回転駆動モータ80によって駆動される。 回転台車76上には、少なくとも1つの、好ましくは図示のように6つの遊星台車82が装架されている。 遊星台車82は、遊星台車82の下の遊星駆動モータ86により回転軸線84を中心として回転駆動させられる。 回転駆動モータ80および遊星駆動モータ82の速度は、回転制御装置88によって制御される。 回転制御装置88は、好ましくは毎分約1回転(rpm)の速度で回転台車76を回転させる。

    図7および図8について説明を続けると、ブラケット12の被着処理の場合、前記の複数の取付具34を、図示のように遊星台車82上に積層して装架することができる。 商業的操業の場合、取付具34毎に約200個〜500個のブラケット12を取り付けた6個〜10個の取付具34が、前記の形式で通常、各遊星台車82上に装架される。 あるいはまた、アーチ・ワイヤ14(図示せず)の被着処理の場合、前記のような1個以上の取付具40を、遊星台車82上に装架できる。 商業操業の場合、約100個〜350個のアーチ・ワイヤ14を取り付けた取付具40が、通常、各遊星台車82上に装架される。

    被着中のチャンバ52内の温度は、被着源70に平行にチャンバ52内の一方の側に延在する加熱器92によって制御される。 加熱器92は、好ましくは、電気抵抗部材により作動する放射加熱器である。 加熱装置(heating array)の温度は、チャンバ52内を検出する赤外線センサ等の温度センサ94によって監視される。 温度センサ94によって検出された温度は、加熱器92への電力出力を決定する温度制御装置96へ送られる。 このようにフィードバック形式で動作することにより、温度制御装置96は加熱装置の温度を設定できる。 好適な工程では、加熱装置は、約538℃(1000°F)〜約927℃(1700°F)の温度に加熱される。

    図9は、被着源70の好適形式に使用されるカソード・アーク源100を示している。 カソード・アーク源100は、溝形状の本体102と被着用ターゲット104とを含んでいる。 被着用ターゲット104は板形状を有し、該板が、オー・リング106を使用して本体102に対し密封され、液密かつ気密の中空内室108が形成されている。 内室108は、の出入口112,110を介して流出入する冷却水によって冷却される。 2個の螺旋形(図9には螺旋形の断面のみが示されている)永久磁石114が、被着源軸線72に平行に延びている。 本体102の外部には、被着用ターゲット104の上方にストライカ電極118が配置されている。 ストライカ電極118と被着用ターゲット104との間には、アーク源給電源120から電圧V ARCが印加される。 電圧V ARCは、約10〜約50ボルトが好ましい。

    被着用ターゲット104を当初形成する金属材料が、基体上に、この場合はアーチ・ワイヤ14上に、所望とあれば、チャンバ52の雰囲気から気体化学種を生成する気体原子と共に被着される。 好適実施例では、被着用ターゲット104は、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)又はハフニウム(Hf)でできている。
    被着の実施のために、アークがストライカ電極118と被着用ターゲット104との間に発生させられ、局所的に被着用ターゲット104を加熱し、ジルコニウム、ハフニウム又はチタン原子および/またはイオンを被着用ターゲット104から放出させる。 (したがって、被着用ターゲット104は、被着の進行につれ徐々に薄くなる)。 被着用ターゲット104へのアークの打撃点は、被着用ターゲット104の長さに沿って長円形(レーストラック)内を移動する。 負バイアス電圧V BIASが、バイアス電源122から被着用ターゲット104と基体27(すなわちブラケット12又はアーチ・ワイヤ14)との間に印加され、その結果、陽電荷イオンが基体72に向かって加速される。

    バイアス電圧V BIASは、好ましくは約−30〜約−600ボルトである。 バイアス電圧V BIASのために選択された電圧は、イオン・ピーニングと呼ばれる現象である基体表面に対するイオン衝撃エネルギーを決定する。 通常の場合、バイアス電圧V BIASには、はじめにブラケット12又はアーチ・ワイヤ14に金属第1層28(図3参照)が良好に密着するように、比較的大きい負電圧が選択される。 次に、上を覆う複数の硬質層が被着されると、バイアス電圧V BIASは低減され(正に向かう)、層内に均一な微細ミクロ組織が得られる。 バイアス電圧V BIASの値は、密着性の被覆6を得るように、できるだけ低い値に維持することが望ましい。 バイアス電圧V BIASは、−600ボルトより正であり、最も好ましくは−400ボルトより正である。 バイアス電圧V BIASが負であり過ぎると、コロナ効果およびバック・スパッタリングがブラケット12又はアーチ・ワイヤ14のいくつかの領域で発生する。 このため、幾つかの例では比較的高いバイアス電圧V BIASを使用してよいが、概ね好ましいのは、−600ボルトより正の電圧である。 カソード・アーク源100が好ましいが、他の種類の被着源、例えばスパッタリング源を使用してもよい。

    被着用ターゲット104の材料と、ガス源62から被着用チャンバ52内へ導入されるガスとが協働するように選択することにより、前記の制限内で、ブラケット12及びアーチ・ワイヤ14に様々な被覆を被着できる。 ブラケット12の場合、被覆26の厚さは、好ましくは約1〜約10マイクロメートルである。 他方、アーチ・ワイヤ14の場合は、被覆26の厚さは、好ましくは約0.25〜5マイクロメートルである。 被覆厚さが約1マイクロメートル未満の場合、被覆26の物理特性は所望の結果を得るには不十分である。 被覆厚が約10マイクロメートルを超えると、被覆26は、高い内部応力を有するため、亀裂を生じやすくなり、被着中または使用中に、ブラケット12又はアーチ・ワイヤ14から剥落しやすくなる。

    これらの一般原則は、図3に関連して既に説明したように、当該の被覆26の製造に適用される。 図3の被覆26は、金属の第1層、例えば金属のジルコニウム、ハフニウム又はチタンを有しており、この第1層が、ブラケット12又はアーチ・ワイヤ14の表面に接触し被覆する。 金属の第1層28は、基体表面に上層を密着させるために役立つ。 金属の第1層28は、好ましくは極薄で、約100〜約1000オングストローム程度である。 金属の第1層28は、約5ミクロンの低分圧の不活性ガス、例えば (本発明人により使用された装置では、毎分約200〜450標準立方センチ(sccm)の速度で流れる)流動アルゴン等を被着用チャンバ52に充填し、次に、約−400ボルトのバイアス電圧V BIASで被着用ターゲット104から金属、例えばジルコニウム、ハフニウム又はチタンを被着することにより得られる。 アルゴンは金属と化学反応しないので、金属の第1層28が被着される。

    図3に示すように、金属の第1層28上には、窒素原子当たりほぼ1個の金属原子を有する金属窒化物である第2層30が被覆される。 第2層30は、被着用チャンバ52に約5ミクロンの低分圧の流動窒素(本発明人の装置で約150〜500seenの速度で流動する)を充填し、被着用ターゲット104からジルコニウム、ハフニウム又はチタンのような金属を約−50ボルトのバイアス電圧V BIASで被着することによって得られる。 該金属は窒素と結合することにより第2層30の金属窒化物を生成する。 第2層は、ほぼ0.25〜5マイクロメートルの厚さであることが好ましい。

    同じく図3に示されているように、第3層32は、窒素原子当たりほぼ2個の金属原子を有し、第2層を被覆している。 第3層32は、被着用チャンバ52に約5ミクロンの低分圧の流動窒素(本発明人の装置で約150〜500seenの速度で流動する)を充填し、ジルコニウム、ハフニウム又はチタンのような金属を被着用ターゲット104から約−50ボルトのバイアス電圧V BIASで被着することによって得られる。 該金属は窒素と結合することにより第3層32の金属窒化物を生成する。 第3層は、好ましくは、ほぼ0.25〜5マイクロメートルの厚さであり、被覆26の全厚は約1〜約10マイクロメートルである。

    本明細書に示し詳細に開示したアーチ・ワイヤおよび被覆方法は、課題を解決しかつ前記の利点を有しているが、それらは、本発明の現時点で好適な実施例を説明するものに過ぎず、特許請求の範囲に記載されたもの以外の、ここに示された構成または設計の細部は、制限を意図するものではない。

    歯列矯正具を装着した患者の口の斜視図。

    歯列矯正具用の被覆されたブラケットの拡大斜視図。

    ブラケットの一部を図2の3−3線に沿って切断した拡大断面図であって、複数被覆層を示す図。

    被覆工程中にブラケットを支持する取付具の斜視図。

    図4の5−5線に沿って切断した断面図であって、取付具の溝に配置されたブラケットを示す図。

    被覆工程中にアーチ・ワイヤを支持する取付具の斜視図。

    本発明に使用する被着装置の略示平面図および制御回路図。

    図7の被着装置の一部の略示斜視図。

    図8の9−9線に沿って切断した一好適カソード・アーク源の略示断面図。

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