Orthodontic apparatus

申请号 JP1981999 申请日 1999-01-28 公开(公告)号 JP2000217841A 公开(公告)日 2000-08-08
申请人 Hitoshi Shinokura; 均 篠倉; 发明人 SHINOKURA HITOSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To design an orthodontic apparatus to alleviate physical burden on a patient during operations by simplifying the operation of attaching orthodontic arched wires. SOLUTION: This apparatus comprises a wire member and a fixed member 2 and the wire member comprises locking parts 1b secured in positions corresponding to the parts of arched wires 1a securely connected to teeth. The fixed member 2 to be fixed to teeth is provided with attaching means (attaching grooves 22) for the locking parts.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 ワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着したワイヤ部材と、歯に固定されると共に前記係止部の装着手段を設けた固定部材とで構成したことを特徴とする歯科矯正装置。
  • 【請求項2】 ワイヤ部材の係止部を、アーチワイヤに脚状に突設すると共に、両脚に閉脚操作に対しての弾性を付与し、脚端部分に外方側へ突出せしめた係止突部を設けたものとし、固定部材に、前記係止突部の差し入れ可能の幅から係止突部の根元幅までの傾斜側面を有する装着溝と、前記脚を装着溝に圧入して係止突部が溝端に係止された際に、ワイヤが嵌合するワイヤ溝を設けてなる請求項1記載の歯科矯正装置。
  • 【請求項3】 固定部材に形成した傾斜側面の途中に、
    係止突部の仮止め凹部を設け、部材の適宜位置に結紮用突部を設けた請求項2記載の歯科矯正装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、不正咬合の治療に使用される矯正装置に関するものである。

    【0002】

    【従来技術】歯科の矯正手段としては、従来より矯正対象の歯に対して矯正方向にが作用するように隣接歯間をワイヤー等で連結しているもので、具体的な装置としては、アーチ状のワイヤと、歯に固定する固定部材とからなり、固定部材にワイヤー装着溝が形成されており、
    ワイヤの所定位置を前記装着溝に固定することで、矯正歯に対する矯正力を作用させている。

    【0003】前記のワイヤーの装着溝に対する固定手段は、ロックピンを使用したり(特公昭5−48814
    号)、挿通溝としたり(特公昭61−47097号)、
    結紮線を採用したりしている(特公平2−53053
    号、同3−71896号)。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】前記の従来の装着構造は、全て歯への固定部材に直接ワイヤを装着固定するものであり、固定作業中は当然患者が口を明けた状態で行われる。 しかも前記ワイヤ装着は、ワイヤが相応の矯正力を有するよう取り付けるので、歯科医師自体にも相当な煩雑な作業となり、患者も相応の苦痛が伴う装着作業となる。 而も前記従来手段においては、ワイヤ装着溝へのワイヤ着脱方向が、歯に対して平方向や根本から歯先への方向が開示されているが、特に歯裏面に矯正装置を施す場合には、狭い口腔内でワイヤ着脱操作が煩雑である。

    【0005】また従前のワイヤによる歯科矯正では、歯に加わる矯正力方向の調整に、ワイヤの折曲や捻りを採用しているが、必ずしも微妙な調整ができているものではない。

    【0006】そこで本発明は、患者への装着作業を容易にし、且つ微妙な矯正力調整を可能とした新規な矯正装置を提案したものである。

    【0007】

    【課題を解決する手段】本発明に係る歯科矯正装置は、
    ワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着したワイヤ部材と、歯に固定されると共に前記係止部の装着手段を設けた固定部材とで構成したことを特徴とするものである。

    【0008】従って患者の歯の所定位置に固定部材を接着剤等で固定装着しておき、アーチワイヤには、予め矯正力の作用を考慮して、位置や矯正方向を考慮した係止部を設け、前記係止部を固定部材に順次装着することで、アーチワイヤを患者の歯に連結固定できる。

    【0009】また本発明に係る矯正装置は、特に前記装置において、ワイヤ部材の係止部を、アーチワイヤに脚状に突設すると共に、両脚に閉脚操作に対しての弾性を付与し、脚端部分に外方側へ突出せしめた係止突部を設けたものとし、固定部材には、前記係止突部の差し入れ可能の幅から係止突部の根元幅までの傾斜内側面を有する装着溝と、前記脚を装着溝に圧入して係止突部が溝端に係止された際に、ワイヤが嵌合するワイヤ溝を設けたものである。

    【0010】従って脚状係止部を装着溝に圧入すると、
    脚部分は傾斜側面によって徐々に幅方向に圧せられ、係止突部が装着溝を脱すると、脚部分が自己の弾性力で開脚して係止突部が溝端で係止されて抜け止め状態となり、同時にワイヤーが嵌合溝に嵌合して、アーチワイヤが患者の歯に連結固定される。

    【0011】

    【発明の実施形態】次に本発明の実施形態について説明する。 実施形態に示した歯科矯正装置は、ワイヤ部材1
    と、歯に固定される固定部材2とで構成されるもので、
    上下の歯に対して各部材は、上下対称となるが、実施形態の説明としては下方歯の例について説明する。 勿論下記の各部材の説明について、上方を下方に、また下方を上方に言い換えると、上方歯に装着する矯正装置となるものである。

    【0012】ワイヤ部材1は、アーチワイヤ1aと係止部1bからなり、アーチワイヤ1aは、従前の矯正装置に使用されているアーチワイヤと同様であるが、係止部1bの固定手段(左右の移動を阻止する)を備えてなる。 例えば本実施形態では、側面に縦凹凸条部11を形成してなる。

    【0013】係止部1bは、薄板形状でアーチワイヤ1
    aにおける歯(下方歯)Aと連結固定する箇所に対応する位置に垂設してなるもので、上部に取付部12、下方に脚部13を有する。 取付部12は、ワイヤー1aを抱持するクリップ形状で、縦凹凸条部11と対応する凹凸条部を形成してなり、ワイヤ1aの所定位置に係止部1
    bを固定するものである。 尚係止部1bのワイヤ1aへの取付位置や度が定まった際には、蝋付け等で両者を固定する。

    【0014】脚部13は、左右に各脚が下方を張り出す形状にして、左右両脚を閉脚側に圧すると、充分な反発力を有するように弾性力を備えてなり、脚下端には、左右両外方へ突出せしめた係止突部14を設けてなり、更に係止突部14に操作孔15を形成してなる。 尚係止突部14は、後述する装着溝への差し入れ操作に困難が無いようにその突出程度を充分考慮する。

    【0015】固定部材2は、精密鋳物や樹脂材でブロック状に一体に形成したもので、その全体は、前歯用や臼歯用や犬歯用のいくつかの種類に形成したもので、一面(前後面)が歯Aに対面貼着する取付面21とし、取付面21の反対側に上下貫通する装着溝22を設けたものである。 装着溝22は、両内側面23が係止突部14の差し入れ可能の幅から係止突部14の根元幅(両脚部1
    3の外側縁間の幅)までの傾斜面としたもので、前後外方に脚部13が抜けでないように、且つ装着溝22内で脚部が前後方向にガタつかないように、阻止部24を装着溝22の両側内面23の外側箇所から中央へ向かって庇状に形成してなる。 また前記傾斜内側面23途中にクリック程度に係止突部14が引っかかる凹部25を設けておく。

    【0016】更に固定部材2の上面には、前記装着溝2
    2に脚部13を差し込み、係止突部14が装着溝22の両側下端面(係止受部26)側に突出した状態において、ワイヤ1aが嵌合するワイヤ溝27を設け、また下方適宜位置に、結紮用突部28を設けたものである。

    【0017】而して固定部材2は、患者の各歯Aの所定位置に接着剤等で固定し、ワイヤ部材1の係止部1bの脚部13を装着溝22に差し込むと、脚部13は、係止突部14が傾斜内側面23に添って下降することで、その脚部13間が幅狭になり、係止突部14が装着溝22
    を突き抜けると、幅狭圧力が開放され、脚部13の弾性力で両側方に開脚し、係止突部14が係止受部26に係止して、ワイヤ部材1が固定部材2に装着されることになる。 同時にワイヤ1aはワイヤ溝27に嵌合するので、ワイヤ部材1と固定部材2とはより以上に一体化する。

    【0018】従って予め固定部材2を患者の歯に接着しておき、矯正方向を考慮してアーチワイヤ1aに係止部1bを所定位置で、且つ必要に応じて微妙な係止部1b
    の脚部13の曲げ(前後左右)並びに捻りを加えて固着しておくと、アーチワイヤ1aの口腔内装着は、単に係止部1bを装着溝22に圧入するのみで良く、而もソリ装着方向が全て歯先からの上下方向となるので、装着作業が非常に容易になり同時に、矯正治療時の患者の負担も減少する。

    【0019】而もワイヤ1aの矯正力が作用する箇所は、アーチワイヤ1aとワイヤ溝27の箇所ばかりではなく、脚部13と装着溝22との間でも作用し、固定部材2全体にワイヤ1aによる矯正力が作用し、矯正を効率的且つ正確に行うことができる。

    【0020】更に矯正治療過程において、ワイヤ部材1
    におけるワイヤ1aへの係止部1bの取付箇所やアーチワイヤ1aの形状形成で、固定部材をそのままにして、
    ワイヤ部材1の変更で徐々に矯正することもでき、而も装着後の取り外し作業も、操作用孔部15にピンセット状の工具の先端を差し込み、脚部13を挟圧して上方に引き抜くだけでよく、容易に実施することができる。 更に傾斜内側面23の凹部25に係止突部14を位置させることで、仮止め状態とすることができ、結紮突部28
    を利用してワイヤ部材1を、固定部材2に結紮線Bで結紮固定すると、強い矯正力を与える装着前に、その馴れとして仮装着することもできる。

    【0021】また本発明は、ワイヤ部材と固定部材とは、ワイヤが歯の表面(唇面)でも裏面(舌面)でも適用されるもので、ワイヤ部材並びに固定部材は、その装着面に対応して形成すれば良いものであり、また係止部及び装着溝は、各1個の歯に対して単一でなく、奥歯(臼歯)の様な幅広の歯には2個の並列した係止部と装着機構の組み合わせを採用しても良い。

    【0022】更に各部の具体的構造も前記実施形態に限定されるものではなく、例えばワイヤ部材の係止部の固定手段は、ワイヤの所定位置に透孔を穿設してピン固着でも、蝋着でも良いし、固定部材はブロック体とせずに組み合わせ構造でも良い。 また装着溝に庇状の阻止部を設けずに、装着溝自体を縦貫通の筒形状としても良い。

    【0023】

    【発明の効果】以上のように本発明は、ワイヤ部材と固定部材からなり、ワイヤ部材がワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着してなり、
    歯に固定される固定部材に係止部の装着手段を設けたもので、ワイヤの装着作業を容易にすることで、作業時間の短縮を図り、患者の装着作業時の肉体的負担を軽減させ、また係止部の微妙な形状調整で、矯正量の作用方向を微妙に調整でき、正確な歯の移動も実現する者である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施形態の各部材の分解斜視図。

    【図2】同装着前の状態の正面図。

    【図3】同装着時の状態を示し、(イ)は正面図、
    (ロ)は側面図。

    【図4】同仮止め装着時の状態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は側面図。

    【図5】同別例の正面図。

    【符号の説明】

    1 ワイヤ部材 1a アーチワイヤ 1b 係止部 11 縦凹凸条部 12 取付部 13 脚部 14 係止突部 15 操作用透孔 2 固定部材 21 取付面 22 装着溝 23 傾斜内側面 24 阻止部 25 凹部 26 係止受部 27 ワイヤ溝 28 結紮用突部

    【手続補正書】

    【提出日】平成11年11月12日(1999.11.
    12)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 歯科矯正装置

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、不正咬合の治療に使用される矯正装置に関するものである。

    【0002】

    【従来技術】歯科の矯正手段としては、従来より矯正対象の歯に対して矯正方向に力が作用するように隣接歯間をワイヤ等で連結しているもので、具体的な装置としては、アーチ状のワイヤと、歯に固定する固定部材とからなり、固定部材にワイヤ装着溝が形成されており、ワイヤの所定位置を前記装着溝に固定することで、矯正歯に対する矯正力を作用させている。

    【0003】前記のワイヤの装着溝に対する固定手段は、ロックピンを使用したり(特公昭55−48814
    号)、挿通溝としたり(特公昭61−47097号)、
    結紮線を採用したりしている(同3−71896号)。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】前記の従来の装着構造は、全て歯への固定部材に直接ワイヤを装着固定するものであり、固定作業中は当然患者が口を開けた状態で行われる。 しかも前記ワイヤ装着は、ワイヤが相応の矯正力を有するよう取り付けるので、歯科医師自体にも相当な煩雑な作業となり、患者も相応の苦痛が伴う装着作業となる。 而も前記従来手段においては、ワイヤ装着溝へのワイヤ着脱方向が、歯に対して水平方向や根本から歯先への方向が開示されているが、特に歯裏面に矯正装置を施す場合には、狭い口腔内でワイヤ着脱操作が煩雑である。

    【0005】また従前のワイヤによる歯科矯正では、歯に加わる矯正力方向の調整に、ワイヤの折曲や捻りを採用しているが、必ずしも微妙な調整ができているものではない。

    【0006】そこで本発明は、患者への装着作業を容易にし、且つ微妙な矯正力調整を可能とした新規な矯正装置を提案したものである。

    【0007】

    【課題を解決する手段】本発明に係る歯科矯正装置は、
    ワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着したワイヤ部材と、歯に固定されると共に前記係止部の装着手段を設けた固定部材とで構成され、
    ワイヤ部材の係止部を、アーチワイヤに脚状に突設すると共に、両脚に閉脚操作に対しての弾性を付与し、脚端部分に外方側へ突出せしめた係止突部を設けたものとし、固定部材には、前記係止突部の差し入れ可能の幅から係止突部の根元幅までの傾斜内側面を有する装着溝と、前記脚を装着溝に圧入して係止突部が溝端に係止された際に、ワイヤが嵌合するワイヤ溝を設けたことを特徴とするものである。

    【0008】従って患者の歯の所定位置に固定部材を接着剤等で固定装着しておき、アーチワイヤには、予め矯正力の作用を考慮して、位置や矯正方向を考慮した係止部を設け、前記係止部を固定部材に順次装着することで、アーチワイヤを患者の歯に連結固定できる。

    【0009】また脚状係止部を装着溝に圧入すると、脚部分は傾斜側面によって徐々に幅方向に圧せられ、係止突部が装着溝を脱すると、脚部分が自己の弾性力で開脚して係止突部が溝端で係止されて抜け止め状態となり、
    同時にワイヤが嵌合溝に嵌合して、アーチワイヤが患者の歯に連結固定される。

    【0010】

    【発明の実施形態】次に本発明の実施形態について説明する。 実施形態に示した歯科矯正装置は、ワイヤ部材1
    と、歯に固定される固定部材2とで構成されるもので、
    上下の歯に対して各部材は、上下対称となるが、実施形態の説明としては下方歯の例について説明する。 勿論下記の各部材の説明について、上方を下方に、また下方を上方に言い換えると、上方歯に装着する矯正装置となるものである。

    【0011】ワイヤ部材1は、アーチワイヤ1aと係止部1bからなり、アーチワイヤ1aは、従前の矯正装置に使用されているアーチワイヤと同様であるが、係止部1bの固定手段(左右の移動を阻止する)を備えてなる。 例えば本実施形態では、側面に縦凹凸条部11を形成してなる。

    【0012】係止部1bは、薄板形状でアーチワイヤ1
    aにおける歯(下方歯)Aと連結固定する箇所に対応する位置に垂設してなるもので、上部に取付部12、下方に脚部13を有する。 取付部12は、ワイヤ1aを抱持するクリップ形状で、縦凹凸条部11と対応する凹凸条部を形成してなり、ワイヤ1aの所定位置に係止部1b
    を固定するものである。 尚係止部1bのワイヤ1aへの取付位置や角度が定まった際には、蝋付け等で両者を固定する。

    【0013】脚部13は、左右に各脚が下方を張り出す形状にして、左右両脚を閉脚側に圧すると、充分な反発力を有するように弾性力を備えてなり、脚下端には、左右両外方へ突出せしめた係止突部14を設けてなり、更に係止突部14に操作孔15を形成してなる。 尚係止突部14は、後述する装着溝への差し入れ操作に困難が無いようにその突出程度を充分考慮する。

    【0014】固定部材2は、精密鋳物や樹脂材でブロック状に一体に形成したもので、その全体は、前歯用や臼歯用や犬歯用のいくつかの種類に形成したもので、一面(前後面)が歯Aに対面貼着する取付面21とし、取付面21の反対側に上下貫通する装着溝22を設けたものである。 装着溝22は、両内側面23が係止突部14の差し入れ可能の幅から係止突部14の根元幅(両脚部1
    3の外側縁間の幅)までの傾斜面としたもので、前後外方に脚部13が抜けでないように、且つ装着溝22内で脚部が前後方向にガタつかないように、阻止部24を装着溝22の両内側面23の外側箇所から中央へ向かって庇状に形成してなる。 また前記傾斜内側面23途中にクリック程度に係止突部14が引っかかる凹部25を設けておく。

    【0015】更に固定部材2の上面には、前記装着溝2
    2に脚部13を差し込み、係止突部14が装着溝22の両側下端面(係止受部26)側に突出した状態において、ワイヤ1aが嵌合するワイヤ溝27を設け、また下方適宜位置に、結紮用突部28を設けたものである。

    【0016】而して固定部材2は、患者の各歯Aの所定位置に接着剤等で固定し、ワイヤ部材1の係止部1bの脚部13を装着溝22に差し込むと、脚部13は、係止突部14が傾斜内側面23に添って下降することで、その脚部13間が幅狭になり、係止突部14が装着溝22
    を突き抜けると、幅狭圧力が開放され、脚部13の弾性力で両側方に開脚し、係止突部14が係止受部26に係止して、ワイヤ部材1が固定部材2に装着されることになる。 同時にワイヤ1aはワイヤ溝27に嵌合するので、ワイヤ部材1と固定部材2とはより以上に一体化する。

    【0017】従って予め固定部材2を患者の歯に接着しておき、矯正方向を考慮してアーチワイヤ1aに係止部1bを所定位置で、且つ必要に応じて微妙な係止部1b
    の脚部13の曲げ(前後左右)並びに捻りを加えて固着しておくと、アーチワイヤ1aの口腔内装着は、単に係止部1bを装着溝22に圧入するのみで良く、而もソリ装着方向が全て歯先からの上下方向となるので、装着作業が非常に容易になり同時に、矯正治療時の患者の負担も減少する。

    【0018】而もワイヤ1aの矯正力が作用する箇所は、アーチワイヤ1aとワイヤ溝27の箇所ばかりではなく、脚部13と装着溝22との間でも作用し、固定部材2全体にワイヤ1aによる矯正力が作用し、矯正を効率的且つ正確に行うことができる。

    【0019】更に矯正治療過程において、ワイヤ部材1
    におけるワイヤ1aへの係止部1bの取付箇所やアーチワイヤ1aの形状形成で、固定部材をそのままにして、
    ワイヤ部材1の変更で徐々に矯正することもでき、而も装着後の取り外し作業も、操作用孔部15にピンセット状の工具の先端を差し込み、脚部13を挟圧して上方に引き抜くだけでよく、容易に実施することができる。 更に傾斜内側面23の凹部25に係止突部14を位置させることで、仮止め状態とすることができ、結紮突部28
    を利用してワイヤ部材1を、固定部材2に結紮線Bで結紮固定すると、強い矯正力を与える装着前に、その馴れとして仮装着することもできる。

    【0020】また本発明は、ワイヤ部材と固定部材とは、ワイヤが歯の表面(唇面)でも裏面(舌面)でも適用されるもので、ワイヤ部材並びに固定部材は、その装着面に対応して形成すれば良いものであり、また係止部及び装着溝は、各1個の歯に対して単一でなく、奥歯(臼歯)の様な幅広の歯には2個の並列した係止部と装着機構の組み合わせを採用しても良い。

    【0021】更に各部の具体的構造も前記実施形態に限定されるものではなく、例えば固定部材はブロック体とせずに組み合わせ構造でも良い。 また装着溝に庇状の阻止部を設けずに、装着溝自体を縦貫通の筒形状としても良い。

    【0022】

    【発明の効果】以上のように本発明は、ワイヤ部材と固定部材からなり、ワイヤ部材がワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着してなり、
    歯に固定される固定部材に係止部の装着手段を設けたもので、ワイヤの装着作業を容易にすることで、作業時間の短縮を図り、患者の装着作業時の肉体的負担を軽減させ、また係止部の微妙な形状調整で、矯正量の作用方向を微妙に調整でき、正確な歯の移動も実現するものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施形態の各部材の分解斜視図。

    【図2】同装着前の状態の正面図。

    【図3】同装着時の状態を示し、(イ)は正面図、
    (ロ)は側面図。

    【図4】同仮止め装着時の状態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は側面図。

    【図5】同別例の正面図。

    【符号の説明】 1 ワイヤ部材 1a アーチワイヤ 1b 係止部 11 縦凹凸条部 12 取付部 13 脚部 14 係止突部 15 操作用透孔 2 固定部材 21 取付面 22 装着溝 23 傾斜内側面 24 阻止部 25 凹部 26 係止受部 27 ワイヤ溝 28 結紮用突部 ─────────────────────────────────────────────────────

    【手続補正書】

    【提出日】平成12年2月29日(2000.2.2
    9)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 歯科矯正装置

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、不正咬合の治療に使用される矯正装置に関するものである。

    【0002】

    【従来技術】歯科の矯正手段としては、従来より矯正対象の歯に対して矯正方向に力が作用するように隣接歯間をワイヤ等で連結しているもので、具体的な装置としては、アーチ状のワイヤと、歯に固定する固定部材とからなり、固定部材にワイヤ装着溝が形成されており、ワイヤの所定位置を前記装着溝に固定することで、矯正歯に対する矯正力を作用させている。

    【0003】前記のワイヤの装着溝に対する固定手段は、ロックピンを使用したり(特公昭55−48814
    号)、挿通溝としたり(特公昭61−47097号)、
    結紮線を採用したりしている(特公平3−71896
    号)。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】前記の従来の装着構造は、全て歯への固定部材に直接ワイヤを装着固定するものであり、固定作業中は当然患者が口を開けた状態で行われる。 しかも前記ワイヤ装着は、ワイヤが相応の矯正力を有するよう取り付けるので、歯科医師自体にも相当な煩雑な作業となり、患者も相応の苦痛が伴う装着作業となる。 而も前記従来手段においては、ワイヤ装着溝へのワイヤ着脱方向が、歯に対して水平方向や根本から歯先への方向が開示されているが、特に歯裏面に矯正装置を施す場合には、狭い口腔内でワイヤ着脱操作が煩雑である。

    【0005】また従前のワイヤによる歯科矯正では、歯に加わる矯正力方向の調整に、ワイヤの折曲や捻りを採用しているが、必ずしも微妙な調整ができているものではない。

    【0006】そこで本発明は、患者への装着作業を容易にし、且つ微妙な矯正力調整を可能とした新規な矯正装置を提案したものである。

    【0007】

    【課題を解決する手段】本発明に係る歯科矯正装置は、
    アーチワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着したワイヤ部材と、歯に固定されると共に前記係止部の装着手段を設けた固定部材とで構成され、ワイヤ部材の係止部を、アーチワイヤに脚状に突設すると共に、両脚に閉脚操作に対しての弾性を付与し、脚端部分に外方側へ突出せしめた係止突部を設けたものとし、固定部材には、前記係止突部の差し入れ可能の幅から係止突部の根元幅までの傾斜内側面を有する装着溝と、前記脚を装着溝に圧入して係止突部が溝端に係止された際に、アーチワイヤが嵌合するワイヤ溝を設けたことを特徴とするものである。

    【0008】従って患者の歯の所定位置に固定部材を接着剤等で固定装着しておき、アーチワイヤには、予め矯正力の作用を考慮して、位置や矯正方向を考慮した係止部を設け、前記係止部を固定部材に順次装着することで、アーチワイヤを患者の歯に連結固定できる。

    【0009】また脚状係止部を装着溝に圧入すると、脚部分は傾斜側面によって徐々に幅方向に圧せられ、係止突部が装着溝を脱すると、脚部分が自己の弾性力で開脚して係止突部が溝端で係止されて抜け止め状態となり、
    同時にアーチワイヤが嵌合溝に嵌合して、アーチワイヤが患者の歯に連結固定される。

    【0010】

    【発明の実施形態】次に本発明の実施形態について説明する。 実施形態に示した歯科矯正装置は、ワイヤ部材1
    と、歯に固定される固定部材2とで構成されるもので、
    上下の歯に対して各部材は、上下対称となるが、実施形態の説明としては下方歯の例について説明する。 勿論下記の各部材の説明について、上方を下方に、また下方を上方に言い換えると、上方歯に装着する矯正装置となるものである。

    【0011】ワイヤ部材1は、アーチワイヤ1aと係止部1bからなり、アーチワイヤ1aは、従前の矯正装置に使用されているアーチワイヤと同様であるが、係止部1bの固定手段(左右の移動を阻止する)を備えてなる。 例えば本実施形態では、側面に縦凹凸条部11を形成してなる。

    【0012】係止部1bは、薄板形状でアーチワイヤ1
    aにおける歯(下方歯)Aと連結固定する箇所に対応する位置に垂設してなるもので、上部に取付部12、下方に脚部13を有する。 取付部12は、アーチワイヤ1a
    を抱持するクリップ形状で、縦凹凸条部11と対応する凹凸条部を形成してなり、アーチワイヤ1aの所定位置に係止部1bを固定するものである。 尚係止部1bのアーチワイヤ1aへの取付位置や角度が定まった際には、
    蝋付け等で両者を固定する。

    【0013】脚部13は、左右に各脚が下方を張り出す形状にして、左右両脚を閉脚側に圧すると、充分な反発力を有するように弾性力を備えてなり、脚下端には、左右両外方へ突出せしめた係止突部14を設けてなり、更に係止突部14に操作用透孔15を形成してなる。 尚係止突部14は、後述する装着溝への差し入れ操作に困難が無いようにその突出程度を充分考慮する。

    【0014】固定部材2は、精密鋳物や樹脂材でブロック状に一体に形成したもので、その全体は、前歯用や臼歯用や犬歯用のいくつかの種類に形成したもので、一面(前後面)が歯Aに対面貼着する取付面21とし、取付面21の反対側に上下貫通する装着溝22を設けたものである。 装着溝22は、両内側面23が係止突部14の差し入れ可能の幅から係止突部14の根元幅(両脚部1
    3の外側縁間の幅)までの傾斜面としたもので、前後外方に脚部13が抜けでないように、且つ装着溝22内で脚部が前後方向にガタつかないように、阻止部24を装着溝22の両内側面23の外側箇所から中央へ向かって庇状に形成してなる。 また前記傾斜内側面23途中にクリック程度に係止突部14が引っかかる凹部25を設けておく。

    【0015】更に固定部材2の上面には、前記装着溝2
    2に脚部13を差し込み、係止突部14が装着溝22の両側下端面(係止受部26)側に突出した状態において、アーチワイヤ1aが嵌合するワイヤ溝27を設け、
    また下方適宜位置に、結紮用突部28を設けたものである。

    【0016】而して固定部材2は、患者の各歯Aの所定位置に接着剤等で固定し、ワイヤ部材1の係止部1bの脚部13を装着溝22に差し込むと、脚部13は、係止突部14が傾斜内側面23に添って下降することで、その脚部13間が幅狭になり、係止突部14が装着溝22
    を突き抜けると、幅狭圧力が開放され、脚部13の弾性力で両側方に開脚し、係止突部14が係止受部26に係止して、ワイヤ部材1が固定部材2に装着されることになる。 同時にアーチワイヤ1aはワイヤ溝27に嵌合するので、ワイヤ部材1と固定部材2とはより以上に一体化する。

    【0017】従って予め固定部材2を患者の歯に接着しておき、矯正方向を考慮してアーチワイヤ1aに係止部1bを所定位置で、且つ必要に応じて微妙な係止部1b
    の脚部13の曲げ(前後左右)並びに捻りを加えて固着しておくと、アーチワイヤ1aの口腔内装着は、単に係止部1bを装着溝22に圧入するのみで良く、而もソリ装着方向が全て歯先からの上下方向となるので、装着作業が非常に容易になり同時に、矯正治療時の患者の負担も減少する。

    【0018】而もアーチワイヤ1aの矯正力が作用する箇所は、アーチワイヤ1aとワイヤ溝27の箇所ばかりではなく、脚部13と装着溝22との間でも作用し、固定部材2全体にアーチワイヤ1aによる矯正力が作用し、矯正を効率的且つ正確に行うことができる。

    【0019】更に矯正治療過程において、ワイヤ部材1
    におけるアーチワイヤ1aへの係止部1bの取付箇所やアーチワイヤ1aの形状形成で、固定部材をそのままにして、ワイヤ部材1の変更で徐々に矯正することもでき、而も装着後の取り外し作業も、操作用透孔15にピンセット状の工具の先端を差し込み、脚部13を挟圧して上方に引き抜くだけでよく、容易に実施することができる。 更に傾斜内側面23の凹部25に係止突部14を位置させることで、仮止め状態とすることができ、結紮突部28を利用してワイヤ部材1を、固定部材2に結紮線Bで結紮固定すると、強い矯正力を与える装着前に、
    その馴れとして仮装着することもできる。

    【0020】また本発明は、ワイヤ部材と固定部材とは、ワイヤが歯の表面(唇面)でも裏面(舌面)でも適用されるもので、ワイヤ部材並びに固定部材は、その装着面に対応して形成すれば良いものであり、また係止部及び装着溝は、各1個の歯に対して単一でなく、奥歯(臼歯)の様な幅広の歯には2個の並列した係止部と装着機構の組み合わせを採用しても良い。

    【0021】更に各部の具体的構造も前記実施形態に限定されるものではなく、例えば固定部材はブロック体とせずに組み合わせ構造でも良い。 また装着溝に庇状の阻止部を設けずに、装着溝自体を縦貫通の筒形状としても良い。

    【0022】

    【発明の効果】以上のように本発明は、ワイヤ部材と固定部材からなり、ワイヤ部材がアーチワイヤにおける歯との連結固定箇所と対応する各位置に係止部を固着してなり、歯に固定される固定部材に係止部の装着手段を設けたもので、アーチワイヤの装着作業を容易にすることで、作業時間の短縮を図り、患者の装着作業時の肉体的負担を軽減させ、また係止部の微妙な形状調整で、矯正量の作用方向を微妙に調整でき、正確な歯の移動も実現するものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施形態の各部材の分解斜視図。

    【図2】同装着前の状態の正面図。

    【図3】同装着時の状態を示し、(イ)は正面図、
    (ロ)は側面図。

    【図4】同仮止め装着時の状態を示し、(イ)は正面図、(ロ)は側面図。

    【図5】同別例の正面図。

    【符号の説明】 1 ワイヤ部材 1a アーチワイヤ 1b 係止部 11 縦凹凸条部 12 取付部 13 脚部 14 係止突部 15 操作用透孔 2 固定部材 21 取付面 22 装着溝 23 傾斜内側面 24 阻止部 25 凹部 26 係止受部 27 ワイヤ溝 28 結紮用突部

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