Methods and systems for repositioning and substance delivery simultaneous tooth

申请号 JP2002528140 申请日 2001-09-19 公开(公告)号 JP4460826B2 公开(公告)日 2010-05-12
申请人 アライン テクノロジー, インコーポレイテッド; 发明人 エリック クオ,; ロック エックス. ファン,;
摘要
权利要求
  • 歯を位置変えしかつ口腔環境に試薬を放出するシステムであって、該システムは、以下:
    少なくとも3個の歯位置決め器具であって、ここで、該器具は、空洞を有する高分子シェルを含み、該シェルは、歯に取り外し可能に設置可能であり、ここで、連続シェルの該空洞は、1配列から次の配列まで歯を位置変えする形状にされている、高分子シェル;および 該器具を歯で所定位置にしたときに該口腔環境に該試薬を放出する手段であって、該器具の少なくとも一部に連結される、手段、
    を備え
    該放出手段が、歯を収容する該空洞に加えて、該シェルに形成されたレザバを含み、そして
    該レザバ上に配置された速度制御膜をさらに含み、ここで、該速度制御膜が、該試薬が該レザバから放出される速度を制御する、システム。
  • 前記レザバが、放出される前記試薬を予め充填されている、請求項 に記載のシステム。
  • 前記レザバが、放出される前記試薬を補充され得る、請求項 に記載のシステム。
  • 前記試薬が、フッ化物、抗生物質、漂白物質、矯味矯臭剤および香料からなる群から選択される物質を含有する、請求項1に記載のシステム。
  • 前記試薬が、前記群から選択される少なくとも2種の物質を含有する、請求項 に記載のシステム。
  • 前記物質が、酸性にしたリン酸フッ化物ゲル、中性フッ化ナトリウム、フッ化水素およびフッ化スズからなる群から選択されるフッ化物である、請求項 に記載のシステム。
  • 前記物質が、テトラサイクリンおよびクロルヘキシジンからなる群から選択される抗生物質である、請求項 に記載のシステム。
  • 前記物質が、過酸化カルバミドである、請求項 に記載のシステム。
  • 前記物質が、精油、天然矯味矯臭剤および人工矯味矯臭剤からなる群から選択される矯味矯臭剤または香料である、請求項 に記載のシステム。
  • 口腔器具であって、以下:
    高分子シェルであって、該高分子シェルは、空洞を有し、該高分子シェルは、指状に配列された歯の鋳型に嵌る形状にされている、高分子シェル;および 該器具を歯で所定位置にしたときに該口腔環境 に試薬を放出する手段であって、該器 具に連結される、手段、
    を備え
    該放出手段が、歯を収容する該空洞に加えて、該シェルに形成されたレザバを含み、そして
    該レザバ上に配置された速度制御膜をさらに含み、ここで、該速度制御膜が、該試薬が該レザバから放出される速度を制御する、口腔器具。
  • 前記試薬が、フッ化物、抗生物質、漂白物質、矯味矯臭剤および香料からなる群から選択される物質を含有する、請求項 10に記載の 口腔器具。
  • 前記試薬が、前記群から選択される少なくとも2種の物質を含有する、請求項 11に記載の 口腔器具。
  • 歯を位置変えすると同時に患者の口腔環境に試薬を送達するシステムであって、該システムは、以下:
    患者の歯に設置されるように構成された第一歯位置調節器具であって、ここで、該歯は、第一歯配列に移動する、第一歯位置調節器具;および 該歯を該第一歯配列に移動した後、患者の歯に設置されるように構成された第二歯位置調節器具であって、ここで、該歯は、第二歯配列に移動する、第二歯位置調節器具;
    を備え、ここで、該試薬は、該器具が歯で所定位置にある間、該第一および第二歯位置調節器具の少なくとも1個 の放出手段から口腔環境へと放出され
    該第一歯位置調節器具および第二歯位置調節器具が、空洞を有する高分子シェルを含み、
    該放出手段が、歯を収容する該空洞に加えて、該シェルに形成されたレザバを含み、そして
    該レザバ上に配置された速度制御膜をさらに含み、ここで、該速度制御膜が、該試薬が該レザバから放出される速度を制御する、システム。
  • 前記器具を前記歯に設置する前に、前記試薬が前記第一または第二歯位置決め器具に装填される、請求項 13に記載のシステム。
  • 前記器具を前記歯に設置する直前に、該器具にあ るレザバに前記試薬が入れられる、請求項 13に記載のシステム。
  • 前記第一または第二歯位置調節器具が、前記歯が前記第一または第二歯配列の少なくとも近くに移動するまで、定期的に設置され除去されるように構成されており、該器具を該歯から除去している間であって該器具を該歯に戻す前、該試薬が補充されるために適している、請求項 13に記載のシステム。
  • 前記器具が、前記器具を前記歯に戻すたびに、その直前に、前記試薬を補充される、請求項 16に記載のシステム。
  • 前記第一および第二器具の各々が、前記歯に設置する前に、前記試薬を予め装填されている、請求項 13に記載のシステム。
  • 歯を位置変えするための処方された治療計画に試薬送達を導入するシステムであって、該システムは、以下:
    少なくとも3個の歯位置決め器具であって、ここで、該器具は、空洞を有する高分子シェルを含み、該器具は、歯に取り外し可能に設置可能であるように構成されており、ここで、連続シェルの該空洞は、該治療計画に従って、1配列から次の配列まで歯を位置変えする形状にされており、
    少なくとも1個の器具が 放出手段によって試薬に連結されるように構成されており、該試薬は、該器具を歯で所定位置にしたときに口腔環境に放出される、歯位置決め器具、
    を備え
    該放出手段が、歯を収容する該空洞に加えて、該シェルに形成されたレザバを含み、そして
    該レザバ上に配置された速度制御膜をさらに含み、ここで、該速度制御膜が、該試薬が該レザバから放出される速度を制御する、システム。
  • 说明书全文

    【0001】
    (発明の背景)
    本発明は、一般に、医療方法および医療用具の分野に関する。 さらに特定すると、本発明は、歯の再調整と同時に物質を経口送達することに関する。
    【0002】
    歯列矯正には、整形および歯の機能を向上させるために、間違った歯列の歯を位置変えし噛み合い配列を向上させることが関与している。 歯を位置変えすることは、長期間にわたって歯に穏やかな制御したを加えることにより、達成される。 口腔の空間が制限されているために、また、一部の歯が広範囲に渡る運動に耐えなければならないので、歯は、しばしば、正しく配列するのに、一連の中間パターンを進む。 例えば、臼歯は、切歯の運動に対して十分な空間を作り出すために、一時的に後方に(遠位に)移動し得る。 それゆえ、1人の患者は、最終的に望ましい配列に達する前に、平均25〜30の段階または整合パターンに遭遇し得る。
    【0003】
    最近、このような再ポジショニングは、一連の取り外し可能な弾性ポジショニング器具を使用して達成され得ることが見出された。 このような器具は、弾性材料の薄いシェルを含み、これは、一般に、患者の歯に一致しているが、初期または直前の歯の配列とは僅かに整合していない。 この弾性ポジショナーを歯に設置すると、特定位置で制御された力が加わり、歯を正しい配列に徐々に移動させる。 新しい配列を含む連続器具を使って、この過程を繰り返すと、最終的に、歯は、一連の中間配列または整合パターンを進んで、最終所望配列になる。 代表的な弾性高分子ポジショニング器具の詳細な説明は、米国特許第5,975,893号および公開されたPCT出願WO98/58596(これは、米国を指定しており、本願の譲受人に譲渡された)で記述されている。 これらの文献の両方の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
    【0004】
    高分子ポジショニング器具は、使用し易いことに加えて、一般に、透明であり、また、その器具が剛性であるために、歯に相当な力を与える。 弾性ポジショニング器具が剛性なのは、それを製造する熱成形性高分子材料の弾性率の結果による。 これらの材料の弾性率が高くなる程、その器具の剛性は大きくなる。 患者がこのような器具を所定群の歯に置いたとき、それらの歯の1本またはそれ以上は、このポジショニング器具を所定位置で保持するための基礎またはアンカー領域となるのに対して、その高分子材料の剛性により、残りの歯の一部には、弾力性再ポジショニング力が生じる。 この器具が歯を覆うように設計することにより、伝統的なバネ保持具およびワイヤベースの器具と比較して、ずっと大きい接触表面積が得られる。
    【0005】
    上記のように、これらの器具は、患者の歯に設置したときに、歯を位置変えするのに有効であるにすぎない。 何らかの理由でこの装置を取り外すと、治療計画が中断され、全体的な治療時間が長くなる。 従って、この装置の取り外しは、有効で時宜を得た治療を行うために、できるだけ少なくするべきである。 しかしながら、患者が望むか要求する多くの歯科治療および歯周治療は、この器具を所定位置にしたままでは、効果的には利用し得ない。 このような治療は、口腔の衛生状態を改善するために歯科医が処置し得、または整形的な目的で患者が依頼し得る。
    【0006】
    口腔衛生の問題には、しばしば、齲歯、歯肉炎および歯周炎などが挙げられる。 齲歯は、フッ化物処置で、大きく防止または阻止され得る。 処置には、歯磨き粉、ゲル、すすぎおよびバーニッシュが挙げられる。 歯肉病(例えば、歯肉炎または歯周炎)は、歯垢および歯石に付随した細菌が成長することにより、引き起こされる。 このような細菌の成長を防止するために最も一般的に推奨されていることは、歯の表面から歯垢を機械的に取り除くことである。 しかしながら、実際には、十分な口腔衛生法および歯垢除去を行っている人にも、慢性的な歯肉炎および齲歯に悩んでいる人は多い。 この原因には、多くの要因があると思われ、これには、遺伝子的疾病素質、疾病、口呼吸および医療処置のプログラムが挙げられる。
    【0007】
    このような場合、細菌の抑制は、抗菌剤を使用して達成され得る。 多くの経口フローラに共通の株の活性を減らす際に有効でことが示された一般的な抗菌剤には、クロルヘキシジンがある。 クロルヘキシジンは、カチオン性ビグアニド殺菌剤であり、多くの形態の細菌および真菌に対して広範な活性スペクトルがある。 従って、それは、歯肉炎反転の多くの研究において、広く普及している試薬となっている。 クロルヘキシジンは、伝統的に、リンス液(例えば、Peridex(登録商標)(Proctor and Gamble))を使用することによって、口腔環境に送達されている。 クロルヘキシジンを含浸したデンタルフロスおよび歯科器具(例えば、トレイまたはマウスガード)を使用して、歯肉への持続送達もまた、試みられている。
    【0008】
    別の頻繁に処方される抗菌剤には、テトラサイクリンがある。 テトラサイクリンは、広範なスペクトルの抗生物質であり、これは、事実上、全ての一般的な群の病原菌(グラム陽性およびグラム陰性の両方)に対して有効である。 テトラサイクリンは、真菌に対する活性を与えるために、抗真菌剤(例えば、アンホテリシン)と組み合わせられ得る。 テトラサイクリンは、伝統的に、全身投与によって口腔環境に送達されてきたものの、テトラサイクリンを満たした中空繊維装置を歯周ポケットに挿入したりテトラサイクリンを積み込んだ歯科器具(例えば、トレイおよびマウスガード)を使用したりして、局所送達が試みられている。 それに加えて、歯科治療および歯周治療には、多数の他の抗菌剤が利用できる。
    【0009】
    整形治療には、しばしば、歯の漂白またはホワイトニングおよび呼気清涼(breath freshening)製品が挙げられる。 エナメル質および象牙質の変色は、加齢、染色性物質(コーヒー、茶、コーラ、タバコ)の消費、外傷、全身的テトラサイクリン(抗生物質)療法による染色、過剰なフッ化物、神経変性および昔の歯科修復術のために起こり得る。 漂白は、これらの変色の色を薄くし、より白いまたは明るい外観となる。 典型的には、漂白ゲルは、歯に嵌る薄い特注トレイに入れられる。 このトレイは、夜間、通常、10〜14日間にわたって、付着され、6ヶ月ごとに、約1晩または2晩にわたって、定期的な再漂白処置が必要であり得る。 呼気清涼製品は、しばしば、口臭を治療するために、または味覚を楽しむために、患者に使用されている。 これらには、種々のスプレー、リンス、ミント、ガムまたはキャンディーなどが挙げられる。
    【0010】
    これらの療法の多くは、歯および歯肉縁にアクセスする必要があるが、これらは、典型的には、使用中に、弾性の再ポジショニング器具で覆われている。 それに加えて、これらの治療の一部は、再ポジショニング器具での治療計画を相当に中断しかねない長時間にわたって、局所送達により最もよく施され得る。 例えば、徐放法による抗生物質の低レベル送達は、しばしば、歯周病を治療するのに望ましい。 同様に、漂白やホワイトニングのような治療は、上記治療計画を2週間まで中断することを必要とし得る。 これらの期間の間に、その器具を取り外すと、その全体的な治療期間が長くなる。 それに加えて、これらの療法の多くには、特定の装置、ゲル、リンス液、塗布具および指示(各療法の管理のために)の使用が必要である。 これらの付属品は、高価であり、嵩張り、または使用が困難であり得る。
    【0011】
    この器具の取り外しは、できるだけ少なくするべきであるものの、その器具は、毎日行う口腔衛生作業(例えば、歯磨きおよびデンタルフロスでの歯間磨き)中には、取り外す必要がある。 同様に、この器具は、運動を行うとき、または楽にするため(例えば、食事中)、時々、取り外され得る。 これらの器具が一時的に取り外しできることで、患者は、通常の口腔衛生作業を続行できるが、歯は、長時間にわたって、これらの器具で覆われているため、依然として、歯周病および歯の病気に罹る危険が高くなり得る。
    【0012】
    歯科療法および歯周療法を同時に行うことができおよび/またはそれを向上させる弾性再ポジショニング器具を利用する改良装置、システムおよび方法を提供することが望まれている。 同様に、このような療法を適用するための追加付属品および/またはプロトコルの必要性を少なくするかなくすような装置、システムおよび方法を提供することが望まれている。 さらに、これらの装置、システムおよび方法は、経済的で取り扱い易くするべきである。 これらの目的の少なくとも一部は、以下で記述する本発明の設計および方法により、満たされる。
    【0013】
    (発明の要旨)
    本発明は、例えば、歯科治療および歯周治療および/または整形治療を提供するために、再ポジショニング器具(代表的に、弾性高分子シェル)を使用しつつ、同時に、歯または歯肉に物質を送達する、歯列矯正用の装置、システムおよび方法を提供する。 このような療法は、伝統的には、種々の付属品および装置の使用を伴い、これらは、別々の器具、材料などを使用して、適用される。 本発明は、これらの療法を再ポジショニング器具に組み込むことにより、このような追加装置の必要がなくなる。 さらに、治療剤および他の試薬を送達する性能は、再ポジショニング処置の過程と同時である。
    【0014】
    「同時」または「同時に」とは、歯への物質または試薬の送達が、歯を位置変えする持続時間の少なくとも一部で起こることを意味する。 それゆえ、この物質は、この再ポジショニング過程の全持続時間中に継続して送達され得、すなわち、この物質は、この器具が歯に設置されているときは常に口腔環境に放出されることを保証する十分な量で、各再ポジショニング器具内またはその上に存在し得る。 あるいは、この物質は、この再ポジショニング時間内の間隔を空けた時間で送達されるように、選択した時点でだけ、または選択した時間間隔にわたって、この再ポジショニング器具内またはその上に存在し得る。 例えば、各連続再ポジショニング器具には、この物質のボーラスが各新しい器具の使用の最初に患者に送達されるように、このボーラスが予め装填され得る。 その初期ボーラスを使い尽くした後、この物質は、次の連続器具が使用されるまで、再び送達されることはない。 代替例としては、患者は、毎日、一度に、一定量の物質を適用でき、この場合、この物質は、比較的短い時間間隔にわたって放出され、翌日まで、それ以上の物質は送達されない。 多数の他の特定パターンもまた、可能である。
    【0015】
    これらの器具は、特に、歯を位置変えする目的であるのに対して、大ていの場合、複数アライナのシステムで使用するとき、ある場合には、歯を同時に位置変えすることなく、薬剤または物質送達装置として有用であり得る。 特に、下記の特定の装置構成の多くは、それ自体、新規であり、そして物質送達に有用であり、本発明は、このような装置を包含する。
    【0016】
    本発明の第一局面では、経口送達器具は、弾性再ポジショニング器具を含み、これは、経口送達用の1種またはそれ以上の物質または試薬を供給する。 先に記述したように、弾性再ポジショニング器具は、弾性高分子材料の薄いシェルを含み、これは、歯を受容し1配列から次の配列へと弾力的に位置変えする形状にした空洞を有する。 これは、この空洞が、連続的な配列で指状に配列された歯の鋳型に嵌る形状にされるので、可能である。 このように成形された代表的な弾性再ポジショニング器具の詳細な説明は、米国特許第5,975,893号および公開PCT出願WO98/58596号で記述されている。 この弾性ポジショナーを歯に配置すると、制御された力が特定位置で加わり、歯を新しい形状へと徐々に移動する。 十分な力を加えるために、この器具は、一般に、歯表面および歯肉縁の一部を覆う。 それゆえ、このような弾性再ポジショニング装置の個々の再ポジショニング器具およびシステムの両方は、その下にある歯表面および歯肉(これは、歯を位置変えしている間の口腔環境を構成する)に試薬を送達するのに使用され得る。
    【0017】
    第一実施形態では、この経口送達器具は、齲歯を予防または治療するために、口腔環境にフッ化物を送達する。 伝統的には、フッ化物は、歯磨き、ゲル、すすぎおよびバーニッシュを使用することにより、口腔環境に送達されている。 本発明は、伝統的な用途と併用し得るか特定用途と取り替え得るフッ化物送達を提供する。 このようなフッ化物は、多数の様式(例えば、中性フッ化ナトリウム、フッ化スズ、フッ化素、または酸性にしたリン酸フッ化物(APF)ゲル)で提供され得る。 フッ化物は、後の節でさらに詳細に記述するように、多数の形態で、この弾性再ポジショニング器具に放出可能に付着されて、口腔環境への送達を生じ得る。
    【0018】
    第二実施形態では、この経口送達器具は、口腔環境に抗生物質または薬剤を送達する。 抗生物質の場合、このような試薬の送達は、種々の微生物を抑制するか殺し得る。 歯肉炎および歯周炎を治療するのにしばしば使用される抗生物質には、クロルヘキシジンおよびテトラサイクリンが挙げられる。 このような抗生物質は、後の節でさらに詳細に記述するように、多数の形態で、この弾性再ポジショニング器具に放出可能に付着されて、口腔環境への送達を生じ得る。
    【0019】
    第三実施形態では、この経口送達器具は、口腔環境に漂白物質を送達する。 歯の漂白は、患者が歯科医に要請する一般的な整形処置である。 ホワイトニング剤を含有する漂白処方または市販の歯のホワイトニング剤(例えば、Nite White Excel,OpalescenceまたはNu−Pro Gold)は、後の節でさらに詳細に記述するように、多数の形態で、この弾性再ポジショニング器具に放出可能に付着されて、口腔環境への送達を生じ得る。 ホワイトニングに適切な活性物質は、過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸およびそれらの組合せからなる群から選択される。 適切な過酸化物化合物には、過酸化水素、過酸化カルシウム、過酸化カルバミドおよびそれらの混合物が挙げられる。 過酸化カルバミドは、最も好ましい。 適切な金属亜塩素酸塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウムおよび亜塩素酸カリウムが挙げられる。 さらなるホワイトニング活性剤は、次亜塩素酸塩および二酸化塩素であり得る。 好ましい亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウムである。 この歯のホワイトニング活性物質は、物質の約0.01重量%〜約40重量%の量で、存在している。 もし、この活性物質として過酸化物化合物が選択されるなら、この過酸化物化合物は、この物質の約0.5重量%〜約10重量%、最も好ましくは、約1重量%〜約10重量%の量の過酸化水素当量を供給すべきである。 この量の過酸化水素当量を送達するためには、この過酸化物化合物(例えば、過酸化カルバミド)は、一般に、この物質の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは、約3重量%〜約25重量%の量で、存在している。 典型的には、これらの活性物質は、本発明で有用なゲル化剤(これには、カルボキシメチルセルロース、カルボキシポリメチレン、カルボキシプロピルセルロース、ポロキサマー、カラゲナン、シリカおよび天然ゴム(例えば、カラヤゴム、キサンタンガム、グアーガム、アラビアゴムおよびそれらの混合物))から配合された高粘度の水性または非水性のゲル中で処方される。 このゲル組成物を形成するゲル化剤のレベルは、この物質の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは、約1重量%〜約10重量%である。 本発明で適切な湿潤剤には、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよび他の食品等級多価アルコールが挙げられる。 典型的には、湿潤剤は、この物質の約10重量%〜約95重量%、好ましくは、約20重量%〜約80重量%の量で、存在している。 このゲルの安定性を最適にし、そしてそれを口腔内の硬組織および軟組織に対して安全にするために、pH調節剤が添加され得る。 適切なpH調節剤には、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩酸、リン酸、クエン酸およびそれらの組合せが挙げられる。
    【0020】
    第四実施形態では、経口送達器具は、口腔環境に呼気清涼剤(breath freshener)を送達する。 呼気清涼剤は、多数の矯味矯臭剤および香料として市販されており、これには、ハッカおよび果物矯味矯臭剤が挙げられ、これらは、精油および/または天然もしくは合成の香味料から誘導される。 このような呼気清涼剤は、後の節でさらに詳細に記述するように、多数の形態で、この弾性再ポジショニング器具に放出可能に付着されて、口腔環境への送達を生じ得る。
    【0021】
    本発明の第二局面では、歯を位置変えするシステムにある弾性再ポジショニング器具の少なくとも一部は、その器具を歯に設置したとき、試薬を口腔環境に放出する手段と連結されている。 このような手段は、この試薬を含有する層を含み得る。 この層は、この再ポジショニング器具の表面の少なくとも一部で形成され得る。 これらの表面としては、空洞面、その空洞内で所定位置にある場合に歯と接触する表面、および外面、その器具のうち所定位置にある場合に頬および唇と接触する表面が挙げられる。 この層は、種々の物質から構成され得、種々の形態をとり得る。 例えば、この層は、本質的に、この試薬からなり得る。 言い換えれば、この試薬は、弾性再ポジショニング器具の高分子シェルの表面に直接付着され得る。 これは、多数の方法(例えば、噴霧、塗装および/または浸漬)を使用して、この試薬(これは、必要に応じて、不活性キャリアまたは希釈剤中にある)それ自体を、この表面に塗布することにより、達成され得る。 この再ポジショニング器具を患者に歯に設置するとき、この試薬は、口腔環境に放出され得る。
    【0022】
    あるいは、この層は、キャリアまたは結合剤内またはその上に存在している試薬を含有し得、このキャリアまたは結合剤は、この器具への接着または付着を促進するか、および/またはそこから試薬が拡散または溶解により放出できるマトリックスを作る。 1実施形態では、この試薬は、このキャリアまたは結合剤に溶解される。 この場合、この試薬は、粉末または類似の形態で提供され、そして液体溶媒に溶解され得る。 その結果、溶液となり得、これは、典型的には、噴霧、塗装および/または浸漬により、このシェルの表面に塗布されて、被覆または塗膜を形成し得る。 この再ポジショニング器具を患者の歯に設置したとき、この試薬は、この被覆から口腔環境へと放出され得る。 放出は、このキャリアの活性化または非活性化によるか、または他の放出機構(例えば、唾液中の酵素またはタンパク質)により得る。 また、放出は、例えば、唾液と接触することによるキャリアの分解により得る。 ある場合には、この結合剤またはキャリアは、この層に塗布すると蒸発して、その表面には、この試薬が残り得る。 これらの場合、この試薬は、上記のように表面に直接付着させたときと類似の様式で、放出され得る。 任意の試薬(特に、フッ化物物質、抗生物質、漂白物質および呼気清涼剤)は、このようにして、口腔環境に送達され得ることが理解され得る。
    【0023】
    別の実施形態では、この試薬は、この層にカプセル化または懸濁される。 試薬の懸濁液に一般的な物質には、半固体物質(例えば、ゲル、ゼリーまたはパテ)がある。 このような物質は、噴霧、塗装および/または浸漬により、このシェルの表面に塗布されて、被覆または塗膜が形成され得る。 ここで、全ての場合においてそうであるように、懸濁液は、科学的な定義には限定されず、キャリアが試薬を保持、含有、支持または含んでいる任意の状況を意味し得る。 その代わりに、またはそれに加えて、この半固体物質は、歯を受容する形状にした高分子シェルの空洞に堆積され得る。 これらの空洞は、任意の所望レベルまで満たされ得る。 この再ポジショニング器具を歯に位置付けたとき、歯は、空洞内の半固体物質と直接接触し、歯を空洞に挿入するにつれて、任意の余分な物質を移動させる。 従って、これらの空洞を、この器具からの物質の過剰な流出を避けるレベルまで満たすのが望ましい。 半固体懸濁物質を使用することによる試薬の送達は、例えば、漂白処理およびフッ化物処理で一般的である。 しかしながら、このような処理は、歯に再ポジショニング力を加えないトレイまたは一般器具を使用して、この物質を適用する。 上記のようにして、再ポジショニング器具を改良することにより、このような試薬の送達の初めから終わりまで、歯列矯正治療を継続し得る。 このようにして、任意の試薬、特に、フッ化物物質、抗生物質、漂白物質および呼気清涼剤が、口腔環境に送達され得ることが理解され得る。
    【0024】
    試薬のカプセル化または懸濁に一般的な他の物質には、制御放出物質がある。 それゆえ、この層は、速度制御物質から構成され得、ここで、この速度制御物質は、この試薬が層から放出される速度を制御する。 制御放出物質または速度制御物質は、所定速度で、所定量の試薬を送達する。 しばしば、このような送達は、長時間にわたって、所望の治療範囲内で、環境内の試薬の定常濃度を維持する。 それゆえ、所定投薬量が送達され得る。 それに加えて、送達を持続する性能により、口腔環境に用量送達するために、この試薬を繰り返し適用する必要がなくなる。
    【0025】
    このような制御放出物質は、上記のように、半固体物質(例えば、ゲル、ゼリーまたはパテ)として供給され得るものの、これらの物質はまた、この再ポジショニング器具の高分子シェルに付着された固体物質として、供給され得る。 1種の制御放出物質は、高分子マトリックス膜を含み、その中には、試薬の細かく分散した粒子が懸濁されている。 この試薬は、濃度勾配に従って、このマトリックス膜を通って拡散し得る。 その代わりに、またはそれに加えて、この試薬は、この高分子マトリックス膜材料の分解により、放出され得る。 どちらの場合でも、この制御放出物質は、このシェルの表面に積層され得るシートとして、供給され得る。 この制御放出シートは、エラストマー重合体と層状にされ、そして鋳型で真空成形されて、この再ポジショニング器具を形成し得る。 この制御放出物質は、その物質および所望の用途に依存して、この器具の内面または外面に存在しているように、配列され得る。 または、この制御放出シートは、形成後、この高分子シェルの表面に積層または結合されて、所望領域で試薬送達を供給し得る。 あるいは、この制御放出物質は、錠剤または類似の塊として供給され得、これは、この再ポジショニング器具の高分子シェルに挿入され得る。 この試薬は、次いで、長時間にわたって、この錠剤から口腔環境へと溶出し得る。
    【0026】
    別の実施形態では、この試薬は、ある物質の細孔内で保持され得、そして細孔から制御速度で溶出し得る。 この試薬は、それ自体、この物質の細孔に吸収され得るか、またはこの試薬は、この物質の細孔内に吸収されたキャリアに懸濁され得る。 後者の場合、この試薬は、拡散により、および/またはこのキャリア物質の制御分解により、このキャリアから放出され得る。 これは、これらの細孔からの試薬の制御放出に加えて、速度制御機構を組み込み得る。 上述のように、ある場合には、患者の唾液内の酵素は、この放出を活発にするか、またはキャリア物質を分解して、この試薬を放出する。 この試薬は、これらの放出方法のいずれかを組み合わせることにより、放出され得ることが理解される。
    【0027】
    さらに他の実施形態では、この再ポジショニング器具の高分子シェルそれ自体は、この試薬を含有する制御放出物質を含む。 この場合、歯を位置変えするシステムにある高分子シェルの少なくともいくらかの少なくとも一部は、制御放出物質から形成され、ここで、この制御放出物質は、この試薬がシェルから放出される速度を制御する。 先に記述したように、この制御放出物質は、シートの形態で提供され得る。 それゆえ、制御放出物質のシートは、患者の歯の鋳型で真空成形されて、再ポジショニング器具それ自体を形成し得る。 このようにして、この器具を形成するのに、さらなるエラストマー材料を必要とし得ない。 この制御放出物質は、高分子マトリックス膜、任意の適切な材料の多孔質材料であり得る。 制御放出は、この試薬の溶出速度が歯の位置変え速度に対応しているように、設計され得る。 この試薬は、この再ポジショニングプロセスの初めから終わりまで溶出し、歯は、この器具が規定した所望配列に達していると結論付けられる。
    【0028】
    さらに他の実施形態では、この再ポジショニング器具の少なくとも一部に連結された放出手段は、歯を受容する空洞に加えて、その器具のシェルに形成されたレザバを含む。 典型的には、このレザバには、速度放出膜が配置され、ここで、この速度放出膜は、この物質がレザバから放出される速度を制御する。 このレザバは、送達する試薬または物質で予め充填または装填され得る。 この場合、この器具は、この器具に送達試薬を装填する必要なしに、任意の包装からの取り出しの際に、挿入または使用する準備が完了し得る。 もし、この放出手段が1回の送達期間のために設計されるなら、この器具は、所定再ポジショニング期間の間に摩耗して、次いで、廃棄され得る。 もし、この放出手段が、複数回の送達期間のために設計されているなら、このレザバは、所定再ポジショニング期間にわたって、任意の回数で、放出する試薬を補給され得る。 このようにして、口腔環境には、任意の試薬(特に、フッ化物物質、抗生物質、漂白物質および呼気清涼剤)が送達され得ることが理解され得る。
    【0029】
    ある場合には、口腔器具の高分子シェルの視覚的な特徴を変えることが望まれ得る。 このような器具は、高分子シェルを含み、これは、歯に取り外し可能に設置可能な形状の空洞を有し、そしてこのシェル上またはその中に、そのシェルの視覚的な特徴を変える物質を有する。 このような変化は、典型的には、この環境の変化に応答性である。 ある場合には、この視覚的な特徴は、色(例えば、緑、赤または青)である。 それゆえ、この器具は、着色して見えるか、またはある環境条件(口腔環境または取り外し時のいずれか)下にて特定の色に見え得る。 記述した物質は、温度変化に応答して色が変わる染料であり得る。 例えば、この染料は、この器具を口から取り外し、そして体温(37℃)から室温(25℃)まで温度が変わったとき、色が変わり得る。 同様に、この染料は、この器具を冷水でリンスしたとき、色が変わり得る。
    【0030】
    本発明の第四局面では、歯を位置変えしつつ同時に試薬を患者の口腔環境に送達する方法が提供されている。 例えば、1方法は、第一歯位置調節器具を患者の歯に設置する工程を包含し、ここで、歯は、第一歯配列に移動する。 第一器具を除去した後、患者の歯には、第二歯位置調節器具が設置され、ここで、歯は、第二歯配列に移動する。 歯を位置変えしつつ同時に、この器具が患者の歯の所定位置にある間、第一および第二歯位置調節器具の少なくとも一方から口腔環境へと、試薬または物質が放出される。
    【0031】
    この器具は、この試薬が予め装填され得、任意の包装から取り出すと使用準備が完了し得るものの、予め充填または装填していない器具は、その器具を歯に設置する前または直前に、装填する必要があり得る。 装填は、この試薬を歯受容空洞に設置する工程を包含し得る。 先に記述したように、これらの空洞は、任意の所望レベルまで充填され得る。 この器具を歯に位置付けたとき、歯は、これらの空洞に挿入されるにつれて、空洞内の試薬と直接接触する。 あるいは、装填は、この器具を歯に設置する直前に、この試薬を、その器具にある試薬放出レザバに設置する工程を包含し得る。 この試薬は、次いで、この器具を歯の所定位置にしたとき、このレザバから口腔環境へと溶出する。 その溶出速度は、制御放出膜(これは、このレザバを周囲環境から分離する)により、制御され得る。 装填はまた、この器具を歯に設置する前に、この試薬を含有する速度制御物質をその器具の表面に付着させる工程を包含し得る。 このような物質は、重合体マトリックス膜を含有し得、これは、この試薬の送達のために所望される領域で、この器具の高分子シェルに取り外し可能または永久的に付着され得る。 そして最終的に、装填は、この器具を歯に設置する直前に、その器具上またはその中にある多孔質物質に試薬を吸収させる工程を包含し得る。
    【0032】
    位置調節器具を使用した歯の再ポジショニングには、この器具を歯に設置することが関与している。 しかしながら、この器具は、歯が少なくとも所望歯配列近くに移動するまで、その再ポジショニングプロトコルの初めから終わりまで、毎日の歯の衛生動作および他の作業を行うために、定期的に取り外される。 この器具は、歯から取り外されている間、送達する試薬または物質がこの器具に補給され得る。 補給は、この器具を歯において交換するたびに、その直前に実行され得るか、または任意の所定のプロトコルに従って、実行され得る。
    【0033】
    本発明の第五実施形態では、所定の歯の再ポジショニング治療がなされるまで試薬送達を導入する方法が提供される。 治療計画は、歯列矯正治療の開始時点で、歯科矯正医または医師により、決定される。 この計画は、歯ポジショニング器具のシステムを使用して、一連の中間配置または配列を経て最終所望配列まで歯を移動させる工程を含む。 各器具は、空洞を有する高分子シェルを含み、このシェルは、歯に取り外し可能に設置可能であり、ここで、連続シェルの空洞は、この治療計画に従って、1配列から次の配列まで歯を位置変えする形状にされている。 治療の開始時点で全シリーズの器具が提供され得るか、またはサブセットの器具が提供され得る。 いずれにせよ、試薬を口腔環境に送達する必要性または要求は、治療中の任意の時点で、起こり得る。 このような場合、試薬および/または試薬を口腔環境に放出する手段は、治療中のいつの時点でも、器具に連結され得る。
    【0034】
    この試薬を放出する手段は、多数の実施形態を包含し得、これには、先に記述したような任意の手段が挙げられる。 典型的には、この試薬を放出する手段は、先に記述したように、その試薬を含む層を含み、連結は、この層を、この器具の表面の少なくとも一部に付着させる工程を包含する。 この層が、この試薬から本質的になる場合、付着は、その試薬を器具の表面に塗装、噴霧、浸漬または単に塗布することを伴い得る。 それゆえ、前形成した器具は、患者の口に挿入する前に、この試薬で塗装され得る。 この層が、キャリアまたは結合剤中またはその上に存在している試薬を含有する場合、付着は、この器具の表面にキャリアまたは結合剤を貼り付けることを伴い得る。 同様に、この試薬が層にカプセル化される場合、この層は、この器具の表面に貼り付けられ得る。 この層は、速度制御物質のシートを含み得、ここで、速度制御物質は、この試薬が層から放出される速度を制御する。 この場合、このシートは、接着剤を使って、この器具の表面に結合され得る。 あるいは、このシートは、プレスばめにより、この表面に貼り付けられ得る。 このシートおよび表面は、それぞれ、共に押し付けることにより、共にスナップで留まるか嵌るような形状であり得る。 例えば、このシートは、成形突出部を有し得、また、この表面は、成形挿入物を有し得、ここで、この突出部は、その挿入物上に押し付けられると挿入物に嵌り、シートを所定位置で保持する。 多くの場合、この器具は、多孔質であり得るか、またはレザバを有し得、このレザバには、治療する医師および/または患者が適切であると決定したいずれの時点でも、所望の試薬が装填できる。 例えば、器具は、この試薬の溶液に浸漬でき、その器具は、特定の時点で試薬を吸収または吸着できるようになる。
    【0035】
    それに加えて、このシートは、この器具の表面または歯もしくは歯肉の表面に取り付けるように適合された形状に前成形され得る。 例えば、このシートは、特に、歯肉縁に沿って、1本またはそれ以上の歯または歯肉の表面の形状を反映するように、前成形され得る。 前成形したシートは、次いで、シートが器具に連結されて器具が歯に設置されるとき、その表面に接して保持され得る。 連結には、このシートを器具に付着する任意の手段が関与し得る。 特に、この前成形シートは、さらに、接着剤層を含み得、これにより、そのシートは、この器具の表面と結合され得る。
    【0036】
    本発明の他の課題および利点は、添付の図面と共に、次の詳細な説明から明らかとなる。
    【0037】
    (特定の実施形態の説明)
    本発明の経口送達器具は、弾性再ポジショニング器具を含み、これは、歯列矯正再ポジショニング力および歯科療法を同時に提供する。 図1は、歯列矯正治療に使用する代表的な弾性再ポジショニング器具10を描写している。 器具10は、空洞14を有する高分子シェル12を含み、この空洞は、歯を収容して1歯配列から次の歯配列へと弾力的に位置変えする形状にされている。 器具10は、好ましくは、適切なエラストマー重合体(例えば、Tru−Tain 0.03インチ熱形成歯科材料(Tru−Tain Plastics,Rochester,MN)またはEssix A−TypeもしくはEssix B−Type熱形成材料(Raintree−Essix,New Orleans,LA))の薄いシートから形成されている。 漸進的な位置調整を行う全体的な方法は、米国特許第5,975,893号で提供されており、その内容は、以前に本明細書中で参考として援用されている。 しかし、一般に、シェル10は、典型的には、熱成形可能高分子シートを加熱することにより、そしてこのシートを鋳型の歯メンバーの上で真空成形または加圧成形することにより、製造される。 それゆえ、シェル12は、この鋳型の特徴を直接的に表している。 もし、この器具10が、歯列矯正再ポジショニングの1段階として、患者により装着されるなら、シェル12は、好ましくは(必須ではないが)、患者の全ての歯または歯列弓で支持される歯の特徴に合う。 再ポジショニングする歯は、所望位置に力を加えて移動できるように、この器具により、僅かにずらされている。
    【0038】
    歯科療法および歯周療法は、他の病気を治療しつつ、歯列矯正治療を妨害しないように、このような弾性再ポジショニング器具により、同時に遂行される。 このような療法には、齲歯を治療または予防するためのフッ化物治療、歯肉炎および歯周炎を治療するための抗生物質または薬剤療法、歯の整形的な外観を改善する漂白および/または口臭を治療するための呼気清涼化が挙げられる。 それに加えて、このような弾性再ポジショニング器具はまた、先に述べたように、環境の変化に応答してシェルの視覚的な特徴を変える物質を含み得る。
    【0039】
    上で確認した療法の各々には、口腔環境に送達される1種またはそれ以上の治療剤が関与している。 本発明は、1種またはそれ以上のこれらの治療剤を口腔環境に放出する手段に連結した歯位置決め器具を提供する。 上で確認した療法用の試薬には、種々の形態のフッ化物(例えば、中性のフッ化ナトリウムおよびフッ化スズ)、種々の抗生物質(例えば、クロルヘキシジンおよびテトラサイクリン)、漂白成分(例えば、過酸化カルバミド)および呼気清涼剤または矯味矯臭剤が挙げられるが、これらに限定されない。 この試薬を放出する手段には、多数の実施形態が挙げられ得る。
    【0040】
    1実施形態では、この試薬を口腔環境に放出する手段は、この高分子シェルの表面の少なくとも一部で形成された試薬を含有する層を含む。 このような層は、試薬15それ自体を含み得る。 これは、図2で図示されており、この図は、空洞14(これは、歯を収容して弾力的に位置変えする成形にされている)およびその表面に付着された試薬15を有する高分子シェル12の断面図(図1の2−2に沿った)を描写している。 この試薬の描写は、例示の目的のためであり、必ずしも、その試薬粒子の実際の形状、サイズ関係または分布を反映していないことが理解され得る。 これは、以下の試薬の全ての描写に当てはまる。 この層のこのような付着または形成は、多数の方法(噴霧、塗装および/または浸漬を含めて)により、シェル12の表面に試薬15を塗布することにより、達成され得る。 それゆえ、経口送達器具20を患者の歯に設置したとき、この試薬は、次いで、口腔環境に放出され得る。 図2に示すように、試薬15が、器具20の内面に付着したとき、歯および/または歯肉に直接接触し得る。 このことは、歯および/または歯肉と直接接触することで役立つ治療(例えば、フッ化物療法または抗生物質療法)に最もよく適し得る。 しかしながら、他の治療(例えば、呼気清涼化)は、器具20の外面に付着させることから、最も有益となり得る。 従って、試薬15は、器具20のいずれかの表面または全ての表面に付着され得る。
    【0041】
    別の実施形態では、この層は、キャリアまたは結合剤中に存在している試薬15を含有する。 試薬の懸濁液用の通常のキャリアは、半固体物物質(例えば、ゲル、ゼリーまたはパテ)である。 図3で描写するように、このような半固体物質22は、噴霧、塗装および/または浸漬により、シェル12の表面に塗布されて、被覆または塗膜を形成し得る。 あるいは、図4で描写するように、半固体物質22は、歯を収容する形状にした高分子シェル12の空洞14に堆積され得る。 空洞14は、器具20を歯に位置付けたとき、歯が物質22に直接接触して任意の余分な物質22を押しのけるように、任意のレベルで充填される。 このような物質22を使用することによる試薬15の送達は、漂白治療およびフッ化物治療で最も一般的であるが、任意の種類の試薬15が使用され得る。
    【0042】
    他の種類の層は、この試薬で含浸された制御放出材料であり、ここで、この速度制御物質は、試薬が層から放出される速度を制御する。 制御放出物質、すなわち、速度制御物質は、試薬を所定速度で送達する。 先に記述したように、このような送達は、多数の方法により、達成され得る。 第一に、この試薬は、この制御放出物質を通る拡散により、放出され得る。 この場合、この試薬は、典型的には、高分子マトリックス膜中に細かく分散した粒子として、存在している。 これは、しばしば、モノリシック分散型システム、モノリシック装置またはマトリックス拡散システムと称される。 口腔環境への拡散送達が原因で、このマトリックス中での試薬の濃度が低下するにつれて、その薬剤拡散曲線の傾斜もまた、低下する。 その試薬送達速度は、この物質が枯渇するにつれて、長時間にわたって、減少する。 それゆえ、モノリシックシステムの特徴的な放出プロフィールは、漸近的曲線に従う;急速な放出の初期バースト後、その溶出は、一定速度に近づく。 第二に、この試薬は、制御放出物質の分解により、放出され得る。 分解は、多数の機構(唾液中の酵素による酵素分解を含めて)により、達成され得る。 この試薬は、生体分解性物質(例えば、高分子マトリックス)中にカプセル化または含有され得る。 このマトリックス中のモノマーのモル比を操作することにより、任意数の分解速度が達成され得る。 さらに、この試薬は、放出層の拡散と分解との組合せにより、放出される。 あるいは、またはそれに加えて、この試薬は、放出層内の細孔から溶出することにより、放出され得る。 この層の構造に依存して、これらの細孔からの溶出は、多数の方法により、達成され得る。 この試薬は、もし、これらの細孔を満たす制御放出物質に含有されるなら、拡散および/または分解により、この制御放出物質から放出され、次いで、これらの細孔それ自体から溶出され得る。
    【0043】
    制御放出物質の1属性には、固体形態(例えば、薄膜またはシート)で設けられ得、これは、弾性再ポジショニング器具の高分子シェルに付着され得ることがある。 図5を参照すると、試薬15を含有する制御放出物質24は、シート25として設けられ、本発明の器具の形成で使用され得る。 ここで、シート25は、患者の生歯の鋳型30上で、エラストマー重合体シート28と層状にされ得る。 シート25、28は、一緒に、鋳型30上で真空成形されて、この再ポジショニング器具が形成され得る。 図示しているように、鋳型30と高分子シート28との間に制御放出物質シート25を設置することにより、制御放出物質24は、この器具の内面を覆い、その器具を所定位置にしたとき、患者の歯および/または歯肉に接して位置付けられる。 これは、試薬15(例えば、フッ化物、抗生物質または漂白物質)の溶出に最も有益であり得る。
    【0044】
    あるいは、制御放出物質24は、経口送達器具20を形成した後、この器具の高分子シェル12に付着され得る。 図6で示すように、試薬15を含有する制御放出物質24は、所望領域で、高分子シェル12の表面に積層、結合または付着され得る。 このような付着は、除去可能であり得、その結果、物質24は、試薬15を実質的に溶出したとき、またはその治療を中断したとき、除去され得るか、または、それは、除去不可能であり得、その結果、物質24は、この器具の寿命の初めから終わりまで、存在している。 また、図6では、制御放出錠剤34を使用することが示されており、これは、器具20の高分子シェル12のポケット36または一部に挿入され得る。 このポケットの一部は、この試薬を送達し易くするために、穿孔または網状にされ得る。 この試薬は、次いで、長時間にわたって、錠剤34から口腔環境へと溶出し得る。 この設計は、錠剤34の分解による溶出に最もよく適用され得、ここで、錠剤34は、新たな送達のために、定期的に交換され得る。
    【0045】
    さらに他の実施形態では、この放出手段は、歯を受容する空洞に加えて、この高分子シェルに形成されたレザバを含む。 レザバ装置または膜拡散システムは、シンク状態にて、一定速度で、試薬または物質を供給できる。 これらのシステムは、以下の3個の要素からなる:この試薬を含有するレザバ、低濃度シンク(例えば、口腔環境)および速度制御膜(これは、このシンクからレザバを分離する)。 このシステムは、この膜を横切る質量フラックスについて、フィックの拡散法則に従う。 それゆえ、このシステムは、この膜を通る拡散係数に基づいて、一定送達速度で保持される。
    【0046】
    図7を参照すると、この放出手段は、歯を収容する空洞14に加えて、高分子シェル12に形成されたレザバ60を含むように示されている。 このレザバは、試薬15を保持し、速度制御膜62(これは、試薬15がレザバ60から放出される速度を制御する)で覆われている。 レザバ60は、空洞14へと溶出するために、高分子シェル12の壁内に実質的に位置しているように、描写されている。 しかしながら、レザバ60がシェル12のいずれかに位置し得、シェル12の壁の外側にあり得、そして任意の方向で溶出し得ることが理解され得る。 レザバ60は、放出する試薬15で予め満たされ得る。 すなわち、器具20は、試薬15で満たしたレザバ60を備え付けている。 この場合、レザバ60は、図7で描写したように、膜62で密封され得る。 しかしながら、レザバ60はまた、要望どおり、試薬15で補給され得るように、ユーザーが利用し易くされ得る。 この場合、レザバ60は、図8で描写したように、膜62で密封され得ない。
    【0047】
    他の実施形態では、試薬15は、キャリアで支持されている。 図9で描写するように、このキャリアは、結合材料40を含有し、これは、試薬15を高分子シェル12の表面に放出可能に結合する。 結合材料40は、多数の機構(結合材料40の溶解、結合材料40の活性化あるいは不活性化または任意の他の放出機構を含めて)により、試薬15を放出し得る。
    【0048】
    さらに他の実施形態では、図10で描写しているように、経口送達器具20の高分子シェル12は、試薬15を含有する制御放出物質42から構成される。 この場合、制御放出物質42それ自体は、再ポジショニング器具として機能するように形成される。 これは、患者の歯の鋳型上に制御放出物質のシートを真空成形することにより、達成され得る。 試薬15は、次いで、拡散放出機構または他の放出機構により、器具20から溶出され得る。
    【0049】
    この試薬を口腔環境に放出する手段は、その試薬それ自体に関して、上記の多数の実施形態で記述されている。 しかしながら、各実施形態では、この試薬は、第一に、物質(典型的には、重合体)にカプセル化またはマイクロカプセル化され得る。 このようなカプセル化は、この試薬を加工の影響から保護するのに望ましいか必要であり得る。 例えば、ある種の試薬は、この器具の製造に関与し得る押出または熱成形のような過程により、加水分解または変性され得る。 カプセル化はまた、この器具の貯蔵寿命の初めから終わりまで、この試薬を環境因子から保護し得る。 従って、上記記述および本明細書の全体を通じて、「試薬」とは、その試薬それ自体またはカプセル化した試薬に一致し得る。
    【0050】
    試薬は、多数の物質にカプセル化または取り込まれ得る。 このような物質には、ポリ乳酸、ポリカプリックラクトン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリ乳酸グリコール生体分解性重合体カプセルおよび側鎖結晶性重合体が挙げられ得る。 カプセル化は、種々の過程により、達成され得る。 特に、この試薬は、噴霧乾燥により、カプセル化され得る。 例えば、この試薬は、溶媒(例えば、ポリビニルアルコール)と混合または配合され得、次いで、高分子樹脂と配合され得る。 この溶媒が蒸発した後、高分子マイクロカプセル(各々は、そのマトリックス全体にわたって分散された試薬を含有する)が保持されている。
    【0051】
    カプセル化されるか取り込まれる物質は、その微小球体からの試薬の制御放出を生じ得るか、または生じ得ない。 もし、カプセル化される物質が、制御放出性能を生じるなら、このような層は、先に記述した試薬の任意の制御放出手段の追加となる。 例えば、カプセル化された試薬は、制御放出物質のシート(これは、後に、弾性再ポジショニング器具の高分子シェルに付着される)全体にわたって分散され得る。 この器具が患者の口に位置しているとき、この試薬は、それをカプセル化する物質および制御放出物質のシートからの試薬の放出に基づいて、制御した速度で、溶出し得る。
    【0052】
    同様に、カプセル化する物質は、イオン交換樹脂であり得る。 このような樹脂は、非常に大きい表面積を有し、大量の制御送達用試薬を吸収できる。 代表的な樹脂は、MICROSPONGE(Advanced Polymer Systems)の商標で販売されており、例えば、米国特許第5,145,675号(その完全な開示内容は、本明細書中で参考として援用されている)で記述されている。 イオン交換樹脂は、カプセル化する物質として役立つことに加えて、上記実施形態のいずれかにおいて、制御送達物質として使用され得る。
    【0053】
    ある場合には、口腔器具の高分子シェルの視覚的な特徴を変えることが望まれ得る。 このような器具は、高分子シェル12を含み、このシェルは、歯に取り外し可能に設置できるように成形した空洞14を有し、また、シェル内またはシェル上に、このシェルの視覚的特徴を変える物質を有する。 このような変化は、典型的には、環境の変化に応答性である。 例えば、この物質は、この器具を患者の口から取り外したときに色が変わる染料であり得、これは、環境の変化によって、温度が変わる。 この漸進的な色の変化は、図11で図示されている。 例えば、図示しているように、透明な経口送達器具40は、口の中にあって体温で維持されているとき、透明なままである。 口から取り外すと、この器具は、室温まで冷える。 この器具が冷え始めると、薄く陰影を付けた経口送達器具42で図示されているように、その着色剤が徐々に現れる。 この器具が室温まで平衡化するにつれて、この着色剤は、着色経口送達器具44で図示されているように、さらに明らかとなる。
    【0054】
    この色は、図11のように、この器具全体にわたって分散され得るか、その器具の内部または表面の特定領域で局在化され得る。 図12で示すように、器具20は、例えば、特定位置で、着色剤または染料の縞46を含み得る。 このような縞46は、いつでも目に見え得るか、口腔環境から取り出したときだけ、現れ得る。 いずれの場合でも、縞46は、視野から隠れるように、すなわち、舌表面に沿って、または臼歯に沿って位置し得るか、この器具20に沿った任意の場所で設置され得る。 同様に、視覚的な特徴を変える物質48の一部は、取り外し可能であるか永久的であるか、いずれかで、高分子シェル12の表面に付着、結合または積層され得る。
    【0055】
    患者の口腔環境に試薬を送達すると同時に歯を位置変えする方法には、上記試薬を放出する手段を有する少なくとも1個の歯位置調整器具の利用が関与している。 典型的には、歯の再ポジショニングには、患者の歯に第一再ポジショニング器具を設置することが関与しており、ここで、歯は、第一歯配列に移る。 歯がこの配列に移動された後、この器具は、第二再ポジショニング器具で置き換えられ、これは、歯を第二歯配列に移るように、患者の歯に設置される。 これは、歯が所望配列に移るまで、一連の器具を使って継続される。 試薬を同時に送達することは、この再ポジショニング器具を患者の歯の所定位置にしつつ、その器具の少なくとも1個から試薬を放出することにより、達成される。 この試薬を放出する手段は、先に記述した手段のいずれかを含み得る。
    【0056】
    図13を参照すると、器具20を患者の歯50に単に位置付けると、試薬15は、口腔環境に送達され得る。 試薬15は、器具20内に試薬15が存在していることを図示するために、図13では、拡大されていることが理解され得る。 多くの場合、分散した試薬15は、非常に細かいので、器具20は、透明に見える。 他の場合では、試薬15は、目に見える程に十分高密度で存在し得る。 器具20に試薬15を予め装填または充填したとき、器具20は、図13で示すように、その包装から取り除かれて、直ちに、患者の口に挿入され得る。 しかしながら、予め充填されていない器具は、歯に配置する前に装填する必要があり得る。 装填は、図4で先に示したように、歯収容空洞14に試薬15を設置する工程を包含し得る。 あるいは、装填は、図8で示すように、試薬放出レザバ60内に試薬15を設置する工程を包含する。 装填はまた、図6で示すように、試薬15を含有する速度制御物質または制御放出物質24を器具20の表面に接着する工程を包含する。
    【0057】
    これらの装填方法の一部は、特別に設計した器具を要し得るものの、これらの方法の多くは、いずれの位置調整器具にも適用され得る。 例えば、一連の再ポジショニング器具は、治療計画に従って作製され得、患者に提供され得る。 この治療計画の任意の時点において、口腔環境への試薬の送達は、望ましいか必要であり得る。 医師または患者は、次いで、この試薬または試薬送達手段を、この器具に装填して、この治療計画を継続し得る。 これは、この試薬を含有する放出制御物質のストリップを使用して、簡単に達成され得る。 この縞は、接着剤または任意の適切な付着手段を用いて、この器具の任意の表面に接着され得る。 同様に、この器具には、この目的のために、任意の種類の試薬送達層が付着され得る。 例えば、この試薬をカプセル化する物質の前成形シートが使用され得、ここで、その型は、1形状を含み、ここで、この形状の少なくとも一部は、器具の表面あるいは歯または歯肉の表面に接して嵌るような輪郭にされている。 図14で示すように、試薬15を含有する材料の前成形シート60は、器具10の外面に接して嵌るような輪郭の形状を有し得る。 図15で示すように、物質60は、この表面に接着剤で接着され得るかプレスばめされ得、従って、圧縮力または摩擦により、所定位置で保持され得る。 同様に、この物質の前成形シートは、歯または歯肉の表面に接して嵌るような輪郭の形状を有し得る。 図16で示すように、試薬15を含有する前成形シート62は、歯肉縁に接して嵌る形状にされ得、それゆえ、歯肉ラインを反映した輪郭を有する。 シート62は、次いで、図16の接合矢印で図示されているように、器具10と接合され得る。 図17を参照すると、シート62および器具10は、接着剤層64で共に結合されて、試薬送達を生じる器具を形成し得る。 シート62は、器具10へとシート62の簡単な付着ならびに患者の歯における器具の位置決めおよび取り外しに適合するように、可撓性であり得る。
    【0058】
    これらの再ポジショニング器具は、歯が少なくとも所望歯配列近くに移動するまで、その再ポジショニングプロトコルまたは治療計画の初めから終わりまで、毎日の歯の衛生動作および他の作業を行うために、定期的に取り外され得る。 この器具は、歯から取り外されている間、送達する試薬または物質が補給され得る。 補給は、この器具を歯において交換するたびに、その直前に実行され得るか、または任意の所定のプロトコルに従って、実行され得る。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 図1は、代表的な弾性再ポジショニング器具の概略図である。
    【図2】 図2は、図1の再ポジショニング器具の線2−2に沿った断面図であり、これは、その表面に試薬を含有する層を備えている。
    【図3】 図3は、その表面に塗布した試薬を含有する半固体物質を有する器具の断面図である。
    【図4】 図4は、試薬を含有する半固体物質を充填した空洞を有する器具の断面図である。
    【図5】 図5は、経口送達器具の形成に使用するために、試薬を含有する制御放出物質のシートを高分子シートと層状にすることを図示している。
    【図6】 図6は、器具の高分子シェルへの制御放出物質の付着および高分子シェルの一部への制御放出錠剤の挿入を図示している。
    【図7】 図7は、密封末端を有するレザバ型放出手段を図示している。
    【図8】 図8は、そのレザバが試薬で補給され得るように、ユーザーが利用し易くしたレザバ型放出手段を図示している。
    【図9】 図9は、結合材料およびその表面に塗布した放出可能に結合した試薬を有する器具の断面図である。
    【図10】 図10は、試薬を含有する制御放出物質から構成された器具の断面図である。
    【図11】 図11は、器具が温度変化するにつれて透明から着色する漸進的な色変化を図示している。
    【図12】 図12は、特定領域に局在化した着色剤または染料の使用を描写している;この器具で形成された縞および表面に貼付された着色材料の一部の例が示されている。
    【図13】 図13は、患者の歯に本発明の器具を位置付けることを図示している。
    【図14】 図14は、試薬を含有する物質の前成形シート60の斜視図であり、これは、器具の表面に接して嵌るような輪郭にした形状を有し得る。
    【図15】 図15は、器具の外面に嵌めた図14の前成形シートの斜視図である。
    【図16】 図16は、接合し得る器具の側面図と共に、試薬を含有する前成形シートの側面図であり、このシートは、歯および歯肉の表面に接して嵌るような輪郭にされている。
    【図17】 図17は、接着剤層で接合した図16の前成形シートおよび器具の側面図である。

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