牽引器、及び、上顎牽引装置

申请号 JP2013548694 申请日 2012-12-17 公开(公告)号 JPWO2014097374A1 公开(公告)日 2017-01-12
申请人 株式会社 RAMPA master product; 株式会社 RAMPA master product; 发明人 寧 三谷; 寧 三谷;
摘要 牽引器(20)は、人間の口内にて上顎に装着される口内装着器(10)と係合する係合部(22,23A,23B,24A,24B)と、上記人間の顔面と当接することにより、上記係合部を支持する支持部(21,25,26A,26B)と、を備え、上記係合部が上記口内装着器を上記人間の前方へ牽引する。更に、上記支持部は、上記顔面のうちの額と当接する上部当接体(25)と、上記顔面のうちの、上記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体(26A,26B)と、を備える。
权利要求

人間の口内にて上顎に装着される口内装着器と係合する係合部と、 前記人間の顔面と当接することにより、前記係合部を支持する支持部と、 を備え、 前記係合部が前記口内装着器を前記人間の前方へ牽引する牽引器であって、 前記支持部は、 前記顔面のうちの額と当接する上部当接体と、 前記顔面のうちの、前記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体と、 を備える牽引器。請求項1に記載の牽引器であって、 前記下部当接体は、前記顔面のうちの上顎又は頬の少なくとも一部を含む部分と当接するように構成された牽引器。請求項2に記載の牽引器であって、 前記下部当接体は、前記人間の左右方向における中心にて当該左右方向に直交する平面である左右分割面よりも右側にて前記顔面と当接する右側下部当接体と、当該左右分割面よりも左側にて当該顔面と当接する左側下部当接体と、を備える牽引器。請求項3に記載の牽引器であって、 前記右側下部当接体、及び、前記左側下部当接体は、前記左右分割面に対して略面対称となるように形成された牽引器。請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の牽引器であって、 前記係合部は、 前記口内装着器を前記人間の前方へ牽引する前方用係合部と、 前記口内装着器のうちの前記口内における前記人間の後方側の端部を当該人間の上方へ押し上げ且つ当該口内装着器のうちの当該口内における当該人間の前方側の端部を当該人間の下方へ押し下げる回転方向へ、当該口内装着器を回転させる回転モーメントを当該口内装着器に加える回転用係合部と、 を備える牽引器。請求項5に記載の牽引器であって、 前記前方用係合部は、 前記口内装着器のうちの、前記人間の口外まで当該人間の前方へ延びる前延部を、弾性によって当該人間の前方へ牽引する前方用弾性体を備え、 前記回転用係合部は、 前記口内装着器のうちの、前記前延部の前記人間の口外の部分から、当該口外にて当該人間の後方へ湾曲するように延びる湾曲部における当該人間の後方側の端部を、弾性力によって当該人間の上方へ牽引する回転用弾性体を備える牽引器。請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の牽引器であって、 前記上部当接体は、前記人間の左右方向を回転の中心軸として回動可能に構成された牽引器。請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の牽引器であって、 前記上部当接体と前記下部当接体との間の距離を調整可能に構成された牽引器。人間の口内にて上顎に装着される口内装着器と、 前記口内装着器と係合する係合部と、前記人間の顔面と当接することにより、前記係合部を支持する支持部と、を備えるとともに、前記係合部が前記口内装着器を前記人間の前方へ牽引する牽引器と、 を備える上顎牽引装置であって、 前記支持部は、 前記顔面のうちの額と当接する上部当接体と、 前記顔面のうちの、前記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体と、 を備える上顎牽引装置。請求項9に記載の上顎牽引装置であって、 前記口内装着器は、 前記人間の口外まで、当該人間の前方へ延びる前延部と、 前記前延部のうちの前記人間の口外の部分から、当該口外にて当該人間の後方へ湾曲するように延びる湾曲部と、 を備え、 前記牽引器は、 弾性力によって、前記前延部を前記人間の前方へ牽引する前方用弾性体と、 弾性力によって、前記湾曲部のうちの前記人間の後方側の端部を当該人間の上方へ牽引する回転用弾性体と、 を備える上顎牽引装置。

人間の口内にて上顎に装着される口内装着器と係合する係合部と、 前記人間の顔面と当接することにより、前記係合部を支持する支持部と、 を備え、 前記係合部が前記口内装着器を前記人間の前方へ牽引する牽引器であって、 前記支持部は、 前記顔面のうちの額と当接する上部当接体と、 前記顔面のうちの、前記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体と、 を備え、 前記係合部は、 前記口内装着器を前記人間の前方へ牽引する前方用係合部と、 前記口内装着器のうちの前記口内における前記人間の後方側の端部を当該人間の上方へ押し上げ且つ当該口内装着器のうちの当該口内における当該人間の前方側の端部を当該人間の下方へ押し下げる回転方向へ、当該口内装着器を回転させる回転モーメントを当該口内装着器に加える回転用係合部と、 を備える牽引器。請求項1に記載の牽引器であって、 前記下部当接体は、前記顔面のうちの上顎又は頬の少なくとも一部を含む部分と当接するように構成された牽引器。請求項2に記載の牽引器であって、 前記下部当接体は、前記人間の左右方向における中心にて当該左右方向に直交する平面である左右分割面よりも右側にて前記顔面と当接する右側下部当接体と、当該左右分割面よりも左側にて当該顔面と当接する左側下部当接体と、を備える牽引器。請求項3に記載の牽引器であって、 前記右側下部当接体、及び、前記左側下部当接体は、前記左右分割面に対して略面対称となるように形成された牽引器。(削除)請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の牽引器であって、 前記前方用係合部は、 前記口内装着器のうちの、前記人間の口外まで当該人間の前方へ延びる前延部を、弾性力によって当該人間の前方へ牽引する前方用弾性体を備え、 前記回転用係合部は、 前記口内装着器のうちの、前記前延部の前記人間の口外の部分から、当該口外にて当該人間の後方へ湾曲するように延びる湾曲部における当該人間の後方側の端部を、弾性力によって当該人間の上方へ牽引する回転用弾性体を備える牽引器。請求項1乃至請求項4、及び、請求項6のいずれか一項に記載の牽引器であって、 前記上部当接体は、前記人間の左右方向を回転の中心軸として回動可能に構成された牽引器。請求項1乃至請求項4、請求項6、及び、請求項7のいずれか一項に記載の牽引器であって、 前記上部当接体と前記下部当接体との間の距離を調整可能に構成された牽引器。人間の口内にて上顎に装着される口内装着器と、 前記口内装着器と係合する係合部と、前記人間の顔面と当接することにより、前記係合部を支持する支持部と、を備えるとともに、前記係合部が前記口内装着器を前記人間の前方へ牽引する牽引器と、 を備える上顎牽引装置であって、 前記支持部は、 前記顔面のうちの額と当接する上部当接体と、 前記顔面のうちの、前記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体と、 を備え、 前記口内装着器は、 前記人間の口外まで、当該人間の前方へ延びる前延部と、 前記前延部のうちの前記人間の口外の部分から、当該口外にて当該人間の後方へ湾曲するように延びる湾曲部と、 を備え、 前記牽引器は、 弾性力によって、前記前延部を前記人間の前方へ牽引する前方用弾性体と、 弾性力によって、前記湾曲部のうちの前記人間の後方側の端部を当該人間の上方へ牽引する回転用弾性体と、 を備える上顎牽引装置。

说明书全文

本発明は、牽引器、及び、上顎牽引装置に関する。

人間の口内にて上顎に装着される口内装着器を牽引する牽引器が知られている。図1に示したように、この種の牽引器の一つとして、特許文献1に記載の牽引器900は、口内装着器901と係合する係合部902と、人間の顔面と当接することにより、係合部902を支持する支持部903と、を備える。係合部902は、口内装着器901を人間の前方へ牽引する。

支持部903は、顔面のうちの額と当接する上部当接体904と、顔面のうちの下顎の下端部と当接する下部当接体905と、を備える。上部当接体904、及び、下部当接体905は、係合部902が口内装着器901を牽引するF1に対する反力F2を、顔面に伝達することにより受け止める。

特開2009−89928号公報

ところで、上述した牽引器900において、下部当接体905は、上記反力F2によって、下顎の下端部を人間の後方へ押圧する。これにより、下顎の前方への成長又は移動が阻害される場合があった。

また、下顎の下端部と額との間の距離、及び、下顎の下端部と額とがなす、顔面に対する度は、口内装着器901の牽引に伴って、比較的大きく変化する。従って、上述した牽引器900においては、比較的短い期間内に、上部当接体904及び下部当接体905の少なくとも一方が、適切な位置にて顔面に当接しなくなる場合がある。この場合、上顎を適切な方向へ牽引するための調整が煩雑となる虞があった。

このように、上述した牽引器900においては、顎の成長又は移動を適切に促すための手間が煩雑となる場合があった。

そこで、本発明の目的の一つは、顎の成長又は移動を適切に促すための手間が煩雑となる場合が生じること、を解決することが可能な牽引器を提供することにある。

なお、上記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の1つとして位置付けることができる。

かかる目的を達成するため牽引器は、人間の口内にて上顎に装着される口内装着器と係合する係合部と、上記人間の顔面と当接することにより、上記係合部を支持する支持部と、を備え、上記係合部が上記口内装着器を上記人間の前方へ牽引する牽引器である。更に、上記支持部は、上記顔面のうちの額と当接する上部当接体と、上記顔面のうちの、上記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体と、を備える。

また、上顎牽引装置は、人間の口内にて上顎に装着される口内装着器と、上記口内装着器と係合する係合部と、上記人間の顔面と当接することにより、上記係合部を支持する支持部と、を備えるとともに、上記係合部が上記口内装着器を上記人間の前方へ牽引する牽引器と、を備える。更に、上記支持部は、上記顔面のうちの額と当接する上部当接体と、上記顔面のうちの、上記額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体と、を備える。

開示の牽引器によれば、顎の成長又は移動を適切に促すための手間を軽減することができる。

背景技術に係る上顎牽引装置の右側面図である。

第1実施形態の一例としての上顎牽引装置の前方斜視図である。

第1実施形態の一例としての上顎牽引装置のうちの、図2の一点鎖線により囲まれた部分の拡大斜視図である。

第1実施形態の一例としての上顎牽引装置の正面図である。

第1実施形態の一例としての上顎牽引装置の右側面図である。

第1実施形態の一例としての上顎牽引装置のうちの、図5の一点鎖線により囲まれた部分の拡大側面図である。

第1実施形態の一例としての口内装着器の前方斜視図である。

第1実施形態の一例としての口内装着器の正面図である。

第1実施形態の一例としての口内装着器の底面図である。

第1実施形態の一例としての牽引器の前方斜視図である。

第1実施形態の一例としての牽引器の正面図である。

第1実施形態の一例としての牽引器の右側面図である。

第2実施形態の一例としての上顎牽引装置の前方斜視図である。

第2実施形態の一例としての上顎牽引装置の正面図である。

第2実施形態の一例としての上顎牽引装置の右側面図である。

第2実施形態の一例としての口内装着器の前方斜視図である。

第2実施形態の一例としての口内装着器の正面図である。

第2実施形態の一例としての口内装着器の底面図である。

第2実施形態の一例としての牽引器の前方斜視図である。

第2実施形態の一例としての牽引器の正面図である。

第2実施形態の一例としての牽引器の右側面図である。

以下、本発明に係る、牽引器、上顎牽引装置、及び、口内装着器、の各実施形態について図2〜図21を参照しながら説明する。

<第1実施形態> (構成) 図2乃至図6に示したように、第1実施形態に係る上顎牽引装置1は、口内装着器10と、牽引器20と、を備える。 図2は、上顎牽引装置1の前方斜視図である。図3は、上顎牽引装置1のうちの、図2の一点鎖線により囲まれた部分の拡大斜視図である。図4は、上顎牽引装置1の正面図である。図5は、上顎牽引装置1の右側面図である。図6は、上顎牽引装置1のうちの、図5の一点鎖線により囲まれた部分の拡大側面図である。

口内装着器10は、人間の口内にて上顎に装着される。本例では、口内の上顎は、硬口蓋、軟口蓋、及び、歯を含む。牽引器20は、人間の頭部に装着される。牽引器20は、人間の顔面FCの一部と当接することにより、顔面FCの前方にて顔面FCと離間した位置から口内装着器10を人間の前方へ牽引するように構成される。

口内装着器10は、図7乃至図10に示したように、上顎当接部11と、調節機構12と、一対の前延部13A,13Bと、一対の湾曲部14A,14Bと、一対の上延部15A,15Bと、を備える。図7は、口内装着器10の前方斜視図である。図8は、口内装着器10の正面図である。図9は、口内装着器10の底面図である。

本例では、前延部13A,13B、湾曲部14A,14B、及び、上延部15A,15Bのそれぞれ(各部材)は、細線状の部材である。例えば、各部材は、円柱状、又は、円筒状の部材を変形させることにより形成される。なお、各部材は、金型を用いることにより成型されてもよい。

上顎当接部11は、樹脂からなる。上顎当接部11は、人間の口(口腔)内にて上顎の下面に当接する。更に、本例では、上顎当接部11は、上顎の歯列に内側(人間の後方側)から当接する。

本例では、調節機構12は、上顎の歯列における歯牙間の距離を拡大するように、又は、上顎の歯列を人間の左右方向に拡大するように、上顎当接部11の外縁の形状を変形可能に構成される。例えば、調節機構12は、特開2009−89928号公報に記載された機構を有する。なお、調節機構12は、他の機構を有していてもよい。また、口内装着器10は、調節機構12を備えていなくてもよい。

一対の前延部13A,13Bは、左右対称に形成されている。本明細書において、左右対称であることは、人間の左右方向における中心にて当該左右方向に直交する平面である左右分割面に対して面対称であることに対応している。従って、一対の前延部13A,13Bの一方である前延部13Aに着目して説明する。

本例では、前延部13Aの一端は、調節機構12に固定されている。なお、前延部13Aは、上顎当接部11に固定されていてもよい。前延部13Aは、口内装着器10が人間の口内にて上顎に装着された状態(口内装着器装着状態)において、当該人間の口外まで、当該人間の前方へ延在するように形成されている。前延部13Aの他端(前延部13Aのうちの、調節機構12に固定されている端と反対側の端、又は、前延部13Aのうちの人間の前方側の端)には、フック13A1が形成されている。

一対の湾曲部14A,14Bは、左右対称に形成されている。従って、一対の湾曲部14A,14Bの一方である湾曲部14Aに着目して説明する。

湾曲部14Aの一端は、口内装着器装着状態において、前延部13Aのうちの人間の口外の部分に固定されている。湾曲部14Aは、口内装着器装着状態において、人間の口外にて当該人間の後方へ湾曲するように延在するように形成されている。湾曲部14Aの他端(湾曲部14Aのうちの、前延部13Aに固定された端と反対側の端、又は、湾曲部14Aのうちの人間の後方側の端)には、フック14A1が形成されている。

一対の上延部15A,15Bは、左右対称に形成されている。従って、一対の上延部15A,15Bの一方である上延部15Aに着目して説明する。

上延部15Aの一端は、口内装着器装着状態において、前延部13Aのうちの人間の口外の部分に固定されている。本例では、上延部15Aの一端は、湾曲部14Aが固定されている位置よりも人間の前方側の位置にて固定されている。

上延部15Aは、口内装着器装着状態において、人間の口外にて当該人間の上方へ延在するように形成されている。上延部15Aの他端(上延部15Aのうちの、前延部13Aに固定された端と反対側の端、又は、上延部15Aのうちの人間の上方側の端)部には、フック15A1が形成されている。

牽引器20は、図10乃至図12に示したように、基部21と、前方用係合部22と、一対の上方用係合部23A,23Bと、一対の回転用係合部24A,24Bと、上部当接体25と、右側下部当接体26Aと、左側下部当接体26Bと、を備える。

本例では、右側下部当接体26A及び左側下部当接体26Bは、下部当接体を構成している。更に、基部21、上部当接体25及び下部当接体は、支持部を構成している。また、前方用係合部22、上方用係合部23A,23B、及び、回転用係合部24A,24Bは、係合部を構成している。

図10は、牽引器20の前方斜視図である。図11は、牽引器20の正面図である。図12は、牽引器20の右側面図である。

本例では、基部21、前方用係合部22、上方用係合部23A,23B、及び、回転用係合部24A,24Bのそれぞれ(各部材)は、細線状の部材である。例えば、各部材は、円柱状、又は、円筒状の部材を変形させることにより形成される。なお、各部材は、金型を用いることにより成型されてもよい。

基部21は、牽引器20が人間の頭部に装着された状態(牽引器装着状態)において、人間の顔面FCの前方にて顔面FCと離間した位置に配置される部分と、人間の頭部の側方にて頭部と離間した位置に配置される部分と、を有するように形成されている。本例では、牽引器20は、基部21に巻回された固定具FBにより人間の頭部に装着される。なお、固定具FBは、基部21に固定されていてもよい。例えば、固定具FBは、バンド、帯、又は、ベルト等である。

前方用係合部22は、牽引器装着状態における、基部21のうちの鼻及び口の近傍の部分(即ち、顔面FCの前方にて顔面FCと離間した位置に配置される部分の一部)にて基部21から人間の前方へ延在している。

前方用係合部22は、基端部22Aと先端部22Bと前方用弾性体22Cとを備える。なお、各図において、前方用弾性体22Cは、他の部材と区別しやすくするために、破線により図示されている。

基端部22Aは、前方用係合部22のうちの基部21(基端)側の部分を構成する。先端部22Bは、前方用係合部22のうちの基部21と反対(先端)側の部分を構成する。基端部22Aは、牽引器装着状態において、人間の前後方向に沿った方向に延在するように形成されている。先端部22Bは、牽引器装着状態において、人間の下方へ傾斜するように形成されている。

先端部22Bには、複数(本例では、3)対のフック22B1,22B2が形成されている。各対のフック22B1,22B2は、左右対称に形成されている。3対のフック22B1,22B2は、先端部22Bに沿った方向にて略等しい間隔にて配置されている。ここでは、3対のフック22B1,22B2のうちの中央に配置された1対のフック22B1,22B2の一方であるフック22B1に着目して説明する。

フック22B1は、牽引器20が人間の頭部に装着され且つ口内装着器10が人間の口内にて上顎に装着された状態(上顎牽引装置装着状態)において、フック15A1よりも人間の前方に配置される。

本例では、前方用弾性体22Cは、輪状に形成されたゴムである。なお、前方用弾性体22Cは、バネ、又は、トーションバー等の他の弾性体であってもよい。前方用弾性体22Cは、上顎牽引装置装着状態において、フック22B1とフック15A1との間に張架される。これにより、前方用弾性体22Cは、上顎牽引装置装着状態において、上延部15Aを介して前延部13Aを、弾性力によって人間の前方へ牽引する。 このようにして、前方用係合部22は、口内装着器10を人間の前方へ牽引する、と言うことができる。

更に、複数対のフック22B1,22B2が異なる位置に形成されているので、人間の頭部及び顔面の形状及び大きさに応じて、前方用弾性体22Cが張架されるフック22B1,22B2を変更することにより、適切な方向へ口内装着器10を牽引することができる。

一対の上方用係合部23A,23Bは、左右対称に形成されている。従って、一対の上方用係合部23A,23Bの一方である上方用係合部23Aに着目して説明する。 上方用係合部23Aは、牽引器装着状態における、基部21のうちの鼻及び口の近傍の部分(即ち、顔面FCの前方にて顔面FCと離間した位置に配置される部分の一部)にて基部21から人間の前方へ延在している。

上方用係合部23Aの先端(上方用係合部23Aのうちの基部21と反対側の端)には、フック23A1が形成されている。フック23A1は、上顎牽引装置装着状態において、フック13A1よりも人間の上方に配置される。

上方用係合部23Aは、上方用弾性体23Cを備える。なお、各図において、上方用弾性体23Cは、他の部材と区別しやすくするために、破線により図示されている。本例では、上方用弾性体23Cは、輪状に形成されたゴムである。なお、上方用弾性体23Cは、バネ、又は、トーションバー等の他の弾性体であってもよい。

上方用弾性体23Cは、上顎牽引装置装着状態において、フック23A1とフック13A1との間に張架される。これにより、上方用弾性体23Cは、上顎牽引装置装着状態において、前延部13Aを、弾性力によって人間の上方へ牽引する。 このようにして、上方用係合部23Aは、口内装着器10を人間の上方へ牽引する、と言うことができる。

一対の回転用係合部24A,24Bは、左右対称に形成されている。従って、一対の回転用係合部24A,24Bの一方である回転用係合部24Aに着目して説明する。 回転用係合部24Aは、牽引器装着状態における、基部21のうちの、人間の頭部の側面視にてと鼻との間の部分(即ち、人間の頭部の側方にて頭部と離間した位置に配置される部分の一部)にて基部21から人間の上方へ延在している。

回転用係合部24Aの先端(回転用係合部24Aのうちの基部21と反対側の端)には、フック24A1が形成されている。フック24A1は、上顎牽引装置装着状態において、フック14A1よりも人間の上方に配置される。

回転用係合部24Aは、回転用弾性体24Cを備える。なお、各図において、回転用弾性体24Cは、他の部材と区別しやすくするために、破線により図示されている。本例では、回転用弾性体24Cは、輪状に形成されたゴムである。なお、回転用弾性体24Cは、他の弾性体であってもよい。

回転用弾性体24Cは、上顎牽引装置装着状態において、フック24A1とフック14A1との間に張架される。これにより、回転用弾性体24Cは、上顎牽引装置装着状態において、湾曲部14Aにおける人間の後方側の端部を、弾性力によって人間の上方へ牽引する。

このようにして、回転用係合部24Aは、所定の回転方向へ口内装着器10を回転させる回転モーメントを口内装着器10に加える、と言うことができる。ここで、回転方向は、口内装着器10のうちの口内における人間の後方側の端部を当該人間の上方へ押し上げ、且つ、口内装着器10のうちの当該口内における当該人間の前方側の端部を当該人間の下方へ押し下げる方向である。即ち、図6に示したように、回転方向RDは、回転の中心軸が人間の左右方向に沿うとともに、人間の頭部の右側面視における反時計方向である。

これによれば、上顎に対して、回転モーメントを加えることができる。この結果、上顎の奥部(後方側の部分)が比較的下方に位置している(例えば、上顎の下面が、後方へ向かうにつれて、より下方側に位置している)人間(ユーザ)に対しても、上顎を適切な方向へ成長させることができる。

このように、上顎牽引装置1によれば、弾性体が、前方用係合部22と、上方用係合部23A,23Bと、回転用係合部24A,24Bと、のそれぞれに対して、互いに独立に設けられているので、口内装着器10を、前方へ牽引する力と、上方へ牽引する力と、回転モーメントの大きさと、をそれぞれ容易に調整することができる。

また、このようにして、前方用係合部22、上方用係合部23A,23B、及び、回転用係合部24A,24Bにより構成される係合部は、口内装着器10と係合している、と言うことができる。

上部当接体25は、牽引器装着状態における、基部21のうちの額の近傍の部分(即ち、顔面FCの前方にて顔面FCと離間した位置に配置される部分の一部)にて基部21に固定されている。上部当接体25は、牽引器装着状態において、顔面FCのうちの額と当接するように形成されている。本例では、上部当接体25は、平板状に形成されている。なお、上部当接体25は、額に当接する面積を大きくするように湾曲していてもよい。

更に、上部当接体25は、人間の左右方向を回転の中心軸として、回動可能に基部21に固定されている。これによれば、顔面FCのうちの下部当接体が当接する部分と額とがなす、顔面FCに対する角度が変化した場合であっても、上部当接体25を額に確実に当接させることができる。これにより、上顎を適切な方向へ容易に牽引することができる。なお、上部当接体25は、回動不能に固定されていてもよい。

右側下部当接体26A及び左側下部当接体26Bは、左右対称に形成されている。従って、右側下部当接体26A及び左側下部当接体26Bの一方である右側下部当接体26Aに着目して説明する。

右側下部当接体26Aは、牽引器装着状態における、基部21のうちの頬の下方の部分(即ち、顔面FCの前方にて顔面FCと離間した位置に配置される部分の一部)にて基部21に固定されている。なお、右側下部当接体26Aは、基部21のうちの他の部分に固定されていてもよい。

右側下部当接体26Aは、牽引器装着状態において、左右分割面よりも右側にて顔面FCと当接するように形成されている。更に、右側下部当接体26Aは、牽引器装着状態において、顔面FCのうちの上顎又は頬の少なくとも一部を含む部分(本例では、上顎と頬との境界の部分)のみと当接するように形成されている。

これによれば、目、鼻、及び/又は、口等の機能が比較的大きく阻害されることを回避しながら、係合部を安定した状態にて支持することができる。 なお、右側下部当接体26Aは、牽引器20が人間の頭部に装着された状態において、上顎又は頬のいずれか一方のみと当接するように形成されていてもよい。

このように、右側下部当接体26A、及び、左側下部当接体26Bは、顔面FCのうちの、額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体を構成している、と言うことができる。 また、このようにして、上部当接体25及び下部当接体により構成される支持部は、人間の顔面FCと当接することにより、係合部を支持する、と言うことができる。

(作動) 次に、上述した上顎牽引装置1の作動について図2乃至図6を参照しながら説明する。 先ず、ユーザとしての人間は、口内装着器10を、口内にて上顎に装着する。更に、ユーザは、固定具FBを基部21に巻回することにより、牽引器20を頭部に装着する。

これにより、上部当接体25は、顔面FCのうちの額と当接する。更に、右側下部当接体26Aは、顔面FCのうちの、上顎と、ユーザの正面視(ユーザを正面から見た場合)における右側の頬と、の境界の部分と当接する。加えて、左側下部当接体26Bは、顔面FCのうちの、上顎と、ユーザの正面視における左側の頬と、の境界の部分と当接する。

そして、ユーザは、第1の前方用弾性体22Cを、フック22B1とフック15A1とに張架するとともに、第2の前方用弾性体22Cを、フック22B2とフック15B1とに張架する。

更に、ユーザは、第1の上方用弾性体23Cを、フック23A1とフック13A1とに張架するとともに、第2の上方用弾性体23Cを、フック23A1とフック13A1とに張架する。加えて、ユーザは、第1の回転用弾性体24Cを、フック24A1とフック14A1とに張架するとともに、第2の回転用弾性体24Cを、フック24B1とフック14B1とに張架する。

なお、口内装着器10及び牽引器20を装着する順序、及び、弾性体を張架する順序は、上述した例と異なる順序であってもよい。また、口内装着器10及び牽引器20の装着、及び/又は、弾性体の張架は、ユーザ以外の人間(補助者等)により行われてもよい。

このようにして、上顎牽引装置1がユーザに装着されると、前方用弾性体22Cは、上延部15A,15Bを介して前延部13A,13Bを、弾性力によってユーザの前方へ牽引する。即ち、牽引器20は、口内装着器10をユーザの前方へ牽引する。

更に、上方用弾性体23Cは、前延部13A,13Bを、弾性力によってユーザの上方へ牽引する。即ち、牽引器20は、口内装着器10をユーザの上方へ牽引する。 加えて、回転用弾性体24Cは、湾曲部14A,14Bにおけるユーザの後方側の端部を、弾性力によってユーザの上方へ牽引する。即ち、牽引器20は、回転方向RDへ口内装着器10を回転させる回転モーメントを口内装着器10に加える。

このとき、牽引器20のうちの、上部当接体25、右側下部当接体26A、及び、左側下部当接体26Bは、牽引器20が口内装着器10を牽引する力に対する反力(反作用によって生じる力)を、ユーザの顔面FCに伝達することにより受け止める。即ち、上部当接体25が、顔面FCのうちの額を押圧するとともに、右側下部当接体26A及び左側下部当接体26Bが、顔面FCのうちの上顎と頬との境界の部分を押圧する。従って、顔面FCのうちの下顎の下端部は、人間の後方へ押圧されない。

以上、説明したように、第1実施形態に係る牽引器20の支持部は、顔面FCのうちの額と当接する上部当接体25と、顔面FCのうちの、額よりも下方側であり且つ下顎よりも上方側である部分と当接する下部当接体(右側下部当接体26A及び左側下部当接体26B)と、を備える。

これによれば、下顎の下端部に、人間の後方へ押圧する力が加わることを回避することができる。この結果、下顎の前方への成長又は移動を適切に促すことができる。 ところで、口内装着器10の牽引に伴う、下顎よりも上方側の部分と額との間の距離の変化は、下顎の下端部と額との間の距離の変化に比べて小さい。また、口内装着器10の牽引に伴う、下顎よりも上方側の部分と額とがなす、顔面FCに対する角度の変化は、下顎の下端部と額とがなす、顔面FCに対する角度の変化に比べて小さい。

従って、上記構成によれば、上部当接体25及び下部当接体26A,26Bの両方が、適切な位置にて顔面FCに当接する期間を長くすることができる。即ち、上顎を適切な方向へ牽引することができる期間を長くすることができる。 このように、上記構成によれば、顎の成長又は移動を適切に促すための手間を軽減することができる。

更に、第1実施形態に係る牽引器20の下部当接体26A,26Bは、顔面FCのうちの上顎又は頬の少なくとも一部を含む部分と当接するように構成される。

これによれば、目、鼻、及び/又は、口等の機能が比較的大きく阻害されることを回避しながら、係合部を安定した状態にて支持することができる。

加えて、第1実施形態に係る牽引器20の下部当接体26A,26Bは、左右分割面よりも右側にて顔面FCと当接する右側下部当接体26Aと、左右分割面よりも左側にて顔面FCと当接する左側下部当接体26Bと、を備える。

これによれば、目、鼻、及び/又は、口等の機能が比較的大きく阻害されることを回避しながら、係合部をより一層安定した状態にて支持することができる。

更に、第1実施形態に係る牽引器20の係合部は、口内装着器10のうちの口内における人間の後方側の端部を当該人間の上方へ押し上げ且つ口内装着器10のうちの当該口内における当該人間の前方側の端部を当該人間の下方へ押し下げる回転方向RDへ、口内装着器10を回転させる回転モーメントを口内装着器10に加える回転用係合部を備える。

これによれば、上顎に対して、上記回転モーメントを加えることができる。この結果、上顎の奥部(後方側の部分)が比較的下方に位置している(例えば、上顎の下面が、後方へ向かうにつれて、より下方側に位置している)ユーザに対しても、上顎を適切な方向へ成長させることができる。

加えて、第1実施形態に係る牽引器20の前方用係合部22は、口内装着器10のうちの前延部13A,13Bを、弾性力によって人間の前方へ牽引する前方用弾性体22Cを備え、回転用係合部24A,24Bは、口内装着器10のうちの湾曲部14A,14Bにおける当該人間の後方側の端部を、弾性力によって当該人間の上方へ牽引する回転用弾性体24Cを備える。

これによれば、弾性体22C,24Cが、前方用係合部22と回転用係合部24A,24Bとに互いに独立に設けられているので、前方へ牽引する力と、回転モーメントの大きさと、をそれぞれ容易に調整することができる。

更に、第1実施形態に係る牽引器20の上部当接体25は、人間の左右方向を回転の中心軸として回動可能に構成される。

これによれば、顔面FCのうちの下部当接体26A,26Bが当接する部分と額とがなす、顔面FCに対する角度が変化した場合であっても、上部当接体25を額に確実に当接させることができる。これにより、上顎を適切な方向へ容易に牽引することができる。

なお、第1実施形態に係る牽引器20は、上部当接体25と下部当接体26A,26Bとの間の距離が調整可能に構成されていてもよい。例えば、牽引器20は、基部21の一部を構成する部材が置換可能に構成されることにより、その部材を長さが異なる他の部材に置換することにより、上記距離が調整可能に構成されていてもよい。

これによれば、顔面FCのうちの上部当接体25が当接する部分と、顔面FCのうちの下部当接体26A,26Bが当接する部分と、の間の距離が変化した場合であっても、上部当接体25及び下部当接体26A,26Bを顔面FCに確実に当接させることができる。これにより、上顎を適切な方向へ容易に牽引することができる。

また、第1実施形態に係る牽引器20は、弾性体22C,23C,24Cの一部又はすべてが牽引器20に固定されていてもよい。 また、第1実施形態に係る牽引器20の下部当接体は、2つの部材(右側下部当接体26A及び左側下部当接体26B)を備えていたが、1つの部材のみを備えていてもよい。

また、第1実施形態に係る牽引器20の下部当接体は、3つ以上の部材を備えていてもよい。この場合、第1実施形態に係る牽引器20の下部当接体は、右側下部当接体26A及び左側下部当接体26Bに加えて、下顎と当接する下顎当接体を備えていてもよい。この場合であっても、右側下部当接体26A及び左側下部当接体26Bを備えない場合と比較して、下顎当接体が顔面FCを押圧する力を低減することができるので、下顎の前方への成長又は移動を適切に促すことができる。

なお、第1実施形態においては、下記の口内装着器が開示されていると言うことができる。 人間の口内にて上顎に装着される口内装着器であって、 前記人間の口外まで、当該人間の前方へ延びる前延部と、 前記前延部のうちの前記人間の口外の部分から、当該口外にて当該人間の後方へ湾曲するように延びる湾曲部と、 を備える口内装着器。

<第2実施形態> 次に、本発明の第2実施形態に係る上顎牽引装置について説明する。第2実施形態に係る上顎牽引装置は、上記第1実施形態に係る上顎牽引装置に対して、上顎に対して回転モーメントを加える機能を有しない点において相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、上記第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。

図13乃至図15に示したように、第2実施形態に係る上顎牽引装置1Aは、口内装着器10Aと、牽引器20Aと、を備える。図13は、上顎牽引装置1Aの前方斜視図である。図14は、上顎牽引装置1の正面図である。図15は、上顎牽引装置1の右側面図である。

口内装着器10Aは、図16乃至図18に示したように、第1実施形態に係る口内装着器10から、湾曲部14A,14Bを除去した構成を有する。図16は、口内装着器10Aの前方斜視図である。図17は、口内装着器10Aの正面図である。図18は、口内装着器10Aの底面図である。

牽引器20Aは、図19乃至図21に示したように、第1実施形態に係る牽引器20から、回転用係合部24A,24B及び回転用弾性体24Cを除去した構成を有する。図19は、牽引器20Aの前方斜視図である。図20は、牽引器20Aの正面図である。図21は、牽引器20Aの右側面図である。

以上、説明したように、第2実施形態に係る牽引器20Aによれば、上顎に対して、回転モーメントを加えることができるという効果を有しないが、その他の第1実施形態に係る牽引器20が奏する効果と同様の効果を奏することができる。

以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

例えば、上記実施形態において、上顎牽引装置を構成する部材の材料が例示されているが、例示された材料以外の材料により上顎牽引装置が構成されていてもよい。

また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。

1,1A 上顎牽引装置 10,10A 口内装着器 11 上顎当接部 12 調節機構 13A,13B 前延部 13A1,13B1 フック 14A,14B 湾曲部 14A1,14B1 フック 15A,15B 上延部 15A1,15B1 フック 20,20A 牽引器 21 基部 22 前方用係合部 22A 基端部 22B 先端部 22B1,22B2 フック 22C 前方用弾性体 23A,23B 上方用係合部 23A1,23B1 フック 23C 上方用弾性体 24A,24B 回転用係合部 24A1,24B1 フック 24C 回転用弾性体 25 上部当接体 26A 右側下部当接体 26B 左側下部当接体 FB 固定具

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