说明书全文 |
【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は感温調整装置を備えた医科/歯科装置に関し、特に患者の身体の諸部位に接続可能な装置に関する。 発明の背景 医科/歯科分野においては、相互に対して空間的に調整可能な多数の要素を有する各種の装置が用いられている。 これらの調整を行うために多数の技術や機構が使用されてきた。 例として、歯科矯正用ヘッドギヤ、すなわち顔弓は患者の歯に矯正力を付与するためにそのような力を用いている。 典型的には、顔弓は内側弓に固定された外側弓を含む。 外側弓は二端部を有し、弾性要素が患者の首の背後の周りをループ状とされ、内側弓を介して患者の特定の歯に抑制力を供給するために外側弓の端部に掛止される。 内側弓は典型的には管状の端部を有し、 その各々はワイヤを固定されて顔弓ワイヤを伸縮自在に受け取る。 内側弓は通常、概ね犬歯のレベルで患者の口に位置される。 各顔弓の突出端部は、口の後部において、バンドにより臼歯に取り付けられた小口腔中へワイヤを挿入することにより動かすべきいずれかの臼歯に取り付けられる。 このように、ワイヤは各ワイヤと内側顔弓との間の相対運動を制限することにより臼歯に後方向の矯正力を付与することができる。 ワイヤの端部は腔内で軸線方向に摺動自在である。 従って、この相対運動の制限は、各口腔を通して滑ることができない各顔弓ワイヤにループを作ることにより達成される。 このように各ループは矯正力を付与できるようにする停止部材として作用する。 このワイヤはまた、臼歯に矯正力が付与される態様を変えるため(すなわち、歯の希望する動きを達成するため)にワイヤの固定端に対して所望の角度でループの自由端を位置させるべく曲げることができる。 中間の診察において、以前では、付与されつつある力を修正するために歯科矯正医は規則的にループを曲げる必要があった。 特に、弓の長さはループを多少曲げることにより増減することができる。 多くの場合、そのような曲げ過程の多くはワイヤ材の疲労させループの近傍でワイヤを破損させる。 そのような不具合により付加的に作業や費用をもたらすが、一方それは患者の健康に対して危険で、かつ潜在的に有害であり、例えばワイヤの一片が破損して患者の喉に残ったままとなりうる。 患者の口の内側にループが介在することも、ある患者に対しては不快であることも判明している。 このように、内側顔弓に対して各顔弓ワイヤを調整し、ワイヤを繰り返して曲げる必要性を排除し、ループの必要性を排除する種種の技術あるいはメカニズムに対する要求がある。 これらの装置の多くでは、第1と第2の要素は相互に伸縮自在に係合する。 そのような一装置、すなわちヘルブスト(Herbst)による装置では、一方の要素はピンを、他方の要素はチューブを含む。 ピンの一端はチューブの一端によって摺動可能に受け入れられている。 2個のピン/チューブの組合わせが用いられ、患者の口の各側に1個づつ用いられ、患者の上あごおよび下あごの相対位置を修正する。 患者の口の各側において、ピンの他端は下あごにおいて患者の口に取り付けられ、チューブの他端は上あごにおいて歯に取り付けられる。 各ピンとチューブとの間の相対的な伸縮運動は、例えばより小さい直径のチューブの短い長さだけ停止部材をチューブ状要素に挿入することにより制限される。 また、ピンの一方あるいは他方が各チューブ中へ摺動する深さを調整することが望ましいことがよくある。 この調整を達成するために、変更をいうる前に患者の口からヘルブストの要素の一方あるいは双方を除去する必要のあることが多い。 患者の口からヘルブストの要素の一方あるいは双方を取り外す必要があることは処置期間を長びかせる傾向がある。 さらに、従来のヘルブスト要素はたとえ一旦取り外されたとしても調整が容易でない。 医科/歯科分野におけるその他の調整可能な伸縮自在の装置は同じような問題を抱えている。 従って、これらの問題を排除しうる装置あるいはシステムが必要とされている。 そのような装置の別の例は患者の脊椎を安定させる側弯矯正システムを含む。 そのようなシステムは患者の椎骨に取り付けるための複式脊椎フックのセットを含むことが多い。 フックの各セットは患者の脊椎に沿って位置した安定バー、すなわち矯正バーに取り付けられている。 各セットにおいてフックを相互に対して調整するためにねじ付きのボルトあるいはねじが用いられてきた。 さらに、各セットのフックの安定バーに沿った位置を固定するために止めねじが用いられてきた。 しかしながら、これらのボルトやねじは剥離あるいはすりむける傾向があり、これらのねじやボルトを調整するに必要な工具を用いる余地が余りないためそれらの設置は厄介である。 さらに、ねじは生体内では脱落する傾向のあることが知られている。 このために当該装置を緩るめ、追加の手術を要する原因を作りうる。 多数の医科/歯科装置が患者の骨構造に直接固定される。 例えば、伸延骨形成装置は典型的には、患者の骨に掛止されるねじのような固定具を受け入れるために1個以上の孔が貫通形成されている少なくとも1個の取付け板を含む。 時間の経過と共に、ねじは該取付け板の孔から脱落する傾向のあることが判明している。 従って、ねじが一旦患者の骨に挿入されると取付け板に対するねじの運動を制限する必要がある。 発明の要約 本発明の目的は、身体の少なくとも2つの部位の間の空間関係を容易に調整するための医科/歯科装置を提供することである。 前記の目的に関する別の目的は身体の部位の間の空間関係をさらに安定して保つことのできる医科/歯科装置を提供することである。 別の関連の目的は身体の部位の間の空間関係を当該装置に不具合にするのを少なくして繰返し変更しうる医科/歯科装置を提供することである。 本発明の別の目的は身体の少なくとも二部位の間で広い範囲で、かつ広く異なる力を伝達する医科/歯科装置を提供することである。 前記の目的に直接関連したさらに別の目的は付与された力をさらに安定して保つことのできる医科/歯科装置を提供することである。 別の関連の目的は、当該装置を不具合にするのを少なくして付与された力を繰り返して変更しうる医科/歯科装置を提供することである。 別の関連の目的は身体の部位の間で付与されつつある力をさらに容易に変更しうる医科/歯科装置を提供することである。 本発明のさらに別の目的は患者の身体の少なくとも二部位、特に同じ骨あるいは異なる骨の二部位にさらに安定して固定しうる医科/歯科装置を提供することである。 本発明の前述の目的は、各々患者の身体の部位に接続可能な部分を有する第1の要素と第2の要素とを含む医科/歯科装置を提供することにより達成される。 これらの要素の他の部分は近接配置され、可変の空間関係において相互に対して重なりうる。 形質転換温度範囲を有する形状記憶材料から作られた第3の要素、すなわち形状記憶要素が第1と第2の要素の間の空間関係の調整を可能とするか、あるいは制限するために使用される。 形状記憶要素は、形状記憶材料の温度が作用温度、すなわち周囲温度にあると空間関係の調整を制限する。 形状記憶要素は、作用温度に対する形状記憶材料の温度を増減することにより調整できるようにする。 形状記憶材料は一般的に、少なくとも該材料が形質転換温度範囲以下の場合比較的弱く柔軟であり、少なくとも該材料が形質転換温度以上の温度である場合、超弾性で比較的強力である。 所定の形状記憶材料の特性は典型的には形質転換温度範囲内で変動する。 一般的には、強度および超弾性は形質転換温度範囲の高温端に向かって増大し、低温端に向かって低減する傾向がある。 そのような形状記憶材料の特性は文献に十分記述されている。 例えば、以下の刊行され、各々参考のため本明細書に含まれている文献を参照されたい。 CMWaymanおよびTW Duerigによる「マルテンサイトおよび形状記憶の紹介」 (“An Introduction to Martensite and Shape Memor y")、3〜20頁およびJLProft and TWDuerigによる「抑制回復の機械的局面」(“The Mechanical Aspects of Constrained Recovery")、115〜129頁という表題の論文を含む、ButterworthおよびHeinemannにより出版され、TWDuerig,KNMelton,D.StockelおよびCMWay manによって編集された形状記憶合金のエンジニアリング局面(Engineering Aspects of Shape Memory Alloy s),1990という名称の本である。 要約すれば、本発明の原理による装置の作用温度すなわち周囲温度(例えば正常な体温)は使用されつつある形状記憶材料の形質転換温度(TTR)より以下、その範囲内、あるいはそれ以上でありうる。 多くの形状記憶材料、特に形状記憶合金に対するTTRは特定の周囲温度を補正するために調整しうることがよくある。 殆んどの形状記憶金属について、基本的な結晶構造、 すなわちTTR以下のマルテンサイトと、TTR以上のオーステナイトとが存在している。 種々の程度の双方の構造の組合わせが形質転換温度範囲内に存在している。 一般的に、マルテンサイトは比較的弱くかつ柔軟性があり、オーステナイトは比較的強力で超柔軟性を備えている。 形状記憶金属がマルテンサイト段階にある場合、オーステナイトに転換するために加熱する必要がある。 形状記憶金属がオーステナイト段階にある場合、マルテンサイトに転換するためには冷却する必要がある。 周囲温度がTT R以内である場合、形状記憶金属の実際の構造はその温度履歴によって左右される。 形状記憶金属の構造が殆んどオーステナイトである場合も依然として超弾性を示す可能性がある。 形状記憶金属の構造が全て、あるいは殆んどマルテンサイトである場合オーステナイト構造よりも比較的より弱く、かつより柔軟性があるものの依然として若干の弾性(すなわち抑制されて付与力を発生させる)を示すことがありうる。 通常ワイドヒステリシス合金(例えば、チタニウム/ニッケル/ニオビウム)として知られるある形状記憶合金は広いTTRを有しうる。 これらの材料により、周囲温度での挿入の間マルテンサイト構造を用いることにより冷却することなく調整を可能とすることができる。 一旦調整が完了すると、記憶材料は(典型的にはTTR以上で加熱することにより)温度サイクルされオーステナイトからマルテンサイトへの形質転換を周囲温度より十分低い温度まで低下させる。 従ってある範囲の周囲温度においてもロック効果は安定する。 この種の形状記憶材料は、その環境が患者の身体内である(例えば、側弯矯正システムのように)繰返して調整することは必要でなくあるいは望ましくない安定性が必要な場合特に有用である。 本発明の原理によれば、第1と第2の要素は種々の構造としうる。 一方の要素の近位部分はヘルブストの装置のように他方の要素の近位部分の内側に伸縮自在に配置することができる。 さらに、第1と第2の要素の近位部分は、例えば顔弓ヘッドギヤの内側弓および外側弓のように、相互に対して側方に配置することができる。 形状記憶要素の構造は少なくとも部分的には、第1と第2の要素の近位配置部分の構造によって決まる。 本発明の広義の一実施例においては、形状記憶要素は第1と第2の要素の双方の近位配置部分の周りに配置される。 本発明の別の広義の実施例においては、形状記憶要素は他方の要素の一方のみの一部の周りに配置される。 さらに別の実施例においては、形状記憶要素は第1と第2の要素の間に配置される。 さらに、形状記憶要素は第1と第2の要素の一方あるいは双方の近位部分の一部あるいは全てとしてもよい。 形状記憶要素の形状は、形質転換温度範囲以下から以上まで加熱されると予めプログラム化した形状に強制的に戻るように予めプログラム化すなわち記憶させることができる。 全てでないとしても多くの形状記憶材料はまた、形質転換温度範囲以上から以下まで冷却されると形状記憶要素の形状が予めプログラム化した形状に戻るように記憶させることも可能である。 形状記憶材料はそれらの形質転換温度範囲以下の温度では相対的により変形が可能なので、後者の形状記憶要素は前者の形状記憶要素に近い強制力で予めプログラム化した形状まで戻りにくい。 本発明の原理を組み入れた多くの装置の実施例に対して、形状記憶材料の感温特性を用いて、第1と第2 の要素の近位配置部分との間の空間関係を保ち、しかもこれらの要素の間の空間関係を繰返し調整できるようにする。 用途によって、形状記憶要素が周囲温度で超弾性を有するように加熱されると形状記憶要素が空間関係を調整できるように記憶させることが好ましい。 しかしながら、周囲温度以下の調整可能性が望ましく、超柔軟性が必要とされないような用途もありうる。 本発明の一特徴は形状記憶要素と、当該装置の実施例によって、第1と第2の要素の近位配置部分の一方あるいは双方との間で弾圧スリーブを位置させることである。 この中間スリーブは、少なくとも形状記憶材料がそのTTR以下に冷却されると、近位要素部分の空間関係が容易に調整可能となるよう保証しやすくする。 スリーブは、形状記憶材料がその柔軟状態にあるとき形状記憶要素を延伸することにより上記の保証を達成する。 前記の特徴に関連した特徴は、当該装置の実施例に応じて、形状記憶要素を第1と第2の要素の近位配置部分の一方あるいは双方の周りに配置させて、形状記憶要素の外側の周りに弾圧スリーブを位置させることである。 この外側弾性スリーブは、形状記憶材料が少なくともそのTTR以下に冷却されたとき近位要素部分の空間関係の調整を制限する形状を記憶するようにする場合に用いられる。 外側スリーブは、形状記憶材料がその柔軟状態にあるとき形状記憶要素を圧縮することにより前記のことを達成する。 本発明の別の特徴は形状記憶要素の温度が形質転換温度範囲以下に少なくとも低下すると、第1と第2の要素を相互に対して運動させるために弾圧ばねを用いることである。 ある装置の実施例に対しては、材料の超柔軟性あるいは形状記憶性のいずれか、あるいは双方を利用するために弾性ばねを形状記憶材料から作ることが望ましい。 本発明の別の特徴は共通の軸心の周りでの第1と第2 の要素の近位配置部分の相互に対する回転を制限するために形状記憶要素に対して機械的手段を用いることである。 本発明の別の特徴は、例えば開口あるいはスロットを備えたような第1と第2の要素の近位配置部分の一方あるいは他方を構造的に脆弱にさせることである。 このことは、形状記憶要素がその形質転換温度以上に少なくともあるとき第1と第2の要素部分の調整を阻止するか、 少なくとも制限しやすくするために実施される。 本発明の前記およびその他の局面は添付図面と関連した以下の説明を検討すれば明らかとなる。 図面の簡単な説明 第1図は患者の口で上臼歯に取り付ける歯科矯正用顔弓の平面図、 第2図は、ワイヤの長さを調整する従来技術を示す、 内側弓と顔弓のワイヤの側面図、 第3図はワイヤの長さを調整するための本発明による形状記憶要素を示す、内側弓と顔弓との側面図、 第4図は弾性スリーブを含む、第3図に示す形状記憶要素の斜視図、 第4A図は第4図に示すものと類似の弾性スリーブの代替使用例の斜視図、 第5a図、第5b図および第5c図は、内側弓に対して顔弓ワイヤの長さを調整するための本発明による別の形状記憶要素を示す内側弓と顔弓ワイヤの側面図、 第6図は本発明による顔弓の一実施例の平面図、 第6A図は第6図に示す顔弓実施例の内側弓と予備負荷の顔弓ワイヤの部分的に断面の側面図、 第6B図は第6図に示す顔弓実施例の外側弓と予備負荷の首ストラップとの部分的に断面の側面図、 第7図は顔弓ワイヤを挿入しようとしている、第6図に示す内側弓の一端の部分的に断面の側面図、 第7A図は第6図に示す内側弓の一端の代替実施例の部分的に断面の側面図、 第8図は顔弓ワイヤを内側弓に挿入しようとしている、第7図と類似の図、 第9図は本発明による回転制限手段の一実施例を示す、第8図の線9−9に沿って視た断面図、 第9A図は本発明による回転制限手段の別の実施例を示す、第9図と類似の図、 第10図は第6図の内側弓と外側弓とを接続する形状記憶要素の部分的に断面の斜視図、 第11図は本発明による、2個の要素を可変ロックする代替実施例の部分的に断面の側面図、 第12図は本発明による側彎矯正システムの斜視図、 第12A図は第12図に示すシステムの脊椎フックの一方を取り付けるための、本発明の一実施例の拡大図、 第12B図は本発明による、脊椎修正のためのコトレ− デュボセおよびイソーラシステム(Cotrel−Dubousset and Isola System)の後面図、 第12C図は本発明によるハリントンロッド(Harringto n rod)および層状フックの部分的に断面の側面図、 第12D図は本発明の代替実施例によるハリントンロッドと椎骨ねじとの部分的に断面の側面図、 第13図は本発明によるクランプシステムの側面図、 第13A図は一方のフックが他方のフックに対して枢動する、第13図に示すクランプシステムの代替実施例の部分的に断面の側面図、 第13B図は弾圧ばねを含む、第13図に示すクランプシステムの代替実施例の部分的に断面の側面図、 第14図は本発明による伸延骨形成装置の斜視図、 第15図は弾圧ばねを含む、第14図に示す装置の代替実施例の部分的に断面の側面図、 第15A図は形状記憶材料製の2個の把持突起を備えた本発明による伸縮装置の部分側面図、 第16図はラチェットシステムを組み入れた本発明による代替伸延骨形成装置の部分的に断面の側面図、 第17図は本発明による注射器と皮下注射針との側面図、 第17A図は本発明による針コネクタを示す、第17図の丸で囲んだ部分の図、 第18A図および第18B図は、それぞれ開放状態とロック状態とにおける、本発明による接続装置の側面図、 第18C図は、球形頭のねじ装嵌した、第18A図および第 18B図とに示す接続システムの代替実施例の部分的に断面の側面図、 第19図は本発明による代替的な接続システムの斜視図、 第19A図は第19図に示す接続システムの一実施例の部分的に断面の側面図、 第19B図は第19図に示す接続システムの代替実施例の断側面図、 第20図は本発明によるロック可能ジョイントの概略射視図、 第21図は本発明によるロック可能球継手の部分的に断面の側面図、 第22図は本発明による調整可能でロック可能な関節部材の概略斜視図、 第23図は本発明の原理を組み込んだ接続システムの部分的に断面の正面図、 第24図は第23図の線24−24に沿って視た部分的に断面の側面図、 第25図は第23図の接続システムの特定適用例の部分的に断面の側面図、 第26図は第23図の接続システムを修正した斜視図である。 発明の詳細な説明 以下は本発明の原理を組み入れた各種の医科/歯科装置の詳細説明である。 第1図を参照すれば、例えば溶接あるいははんだ接続部12によって外側弓11が内側弓13に接続されている顔弓ヘッドギヤ10が示されている。 内側弓13は一端13aに軸線方向の孔を備えた中実のもの、あるいは全長にわたりチューブ状としうる。 顔弓ワイヤ17 が内側弓13の各端に装入され、動かないよう接続されている。 各顔弓ワイヤ17は矯正力を伝達するために臼歯14 に接続されている。 各臼歯14の周りにバンド15が取り付けられ、各ワイヤ17はバンド15に取り付けられた頬チューブ16を介して各臼歯14に接続されている。 外側弓11の端部22は、患者の首の後側の周りを延びる弾性バンド(図示せず)を受け入れるようにフック状とされている。 弾性バンドは、顔弓ワイヤ17を介して臼歯14に矯正力を伝達するために、矢印24で示す方向に力を付与する。 第2図を参照すれば、顔弓ワイヤ17は該ワイヤ17の曲形部26によってチューブ16に対して軸線方向に支持されている。 曲形部26はワイヤ17がチューブ16を完全に貫通しないようにする停止手段として作用する。 ワイヤ17の曲形部26の形状を変えることにより、ワイヤ17の有効長さを長さX分調整することができる。 繰返し曲げられると、ワイヤ17の破断に連がる前述の疲労問題をもたらす。 例えば、一方のワイヤ17の有効長さを他方のワイヤの有効長さと違えることにより各臼歯14に付与される矯正力を変えることが望ましいことがよくある。 このことは各曲形部26の形を変えることにより達成しうるが、依然として潜在的な疲労の問題は残る。 第3図を参照すれば、本発明の原理により、曲形部26 を形質転換温度範囲を有する形状記憶材料製のクランプリングすなわちスリーブ18に代えることができる。 そのような形状記憶材料で作ることにより、クランプスリーブ18はワイヤ17に沿って、先の例のようにワイヤ17を変形させることなく所望する矯正長さXだけ軸線方向に動かすことができる。 当該技術分野で周知であり、従って、ここでは詳述しないが、そのような形状記憶材料製の製品は柔軟性があり、典型的には形質転換温度範囲以下の温度では直ちに形状を変えることができる。 また、 そのような製品は少なくともその材料が形質転換温度範囲以上の温度に達するとその形に変化する予めプログラム化した形状をとるように記憶させることができる。 このように、形状の変った後、その形質転換温度範囲以上に加熱されると予めプログラム化された形状に強制的に戻るように製品を作ることができる。 周知のように、形状記憶材料の温度をその形質転換温度範囲内に持ってくることにより、達成温度に応じて諸々の程度の前述の柔軟性や予めプログラム化した形状を得ることができる。 従って、ワイヤ17の外径より小さい内径を有するスリーブ18を予めプログラム化することにより、スリーブ18 をその形状記憶材料が直ちに柔軟となり、スリーブ18の軸線方向位置が容易に調整されるようになるまで冷却することができる。 一旦所望の軸線方向位置に来ると、次に、その予めプログラム化した形状と超弾性が少なくともスリーブ18がワイヤ17を満足のいく停止手段として作用するに十分な力で把持するに十分な程度に達成されるまでスリーブ18を加熱すればよい。 形状記憶材料の超弾性によって著しい回復張力を、従って把持力をスリーブ 18が発生できるようにする。 スリーブ18の軸線方向位置はスリーブ18を適当な温度まで単純に冷却し、次で加熱することにより繰返し調整できる。 (例えばチタンベースの合金や鉄ベースの合金のような)形状記憶合金や、 広範囲の形質転換温度範囲の可能性を有する形状記憶ポリマを含む種々の形状記憶材料がある。 適当な形状記憶材料の選択は、当該装置の特定の用途や作用環境によって大きく左右される。 第4図を参照すれば、希望に応じて記憶リング18を、 ワイヤ17とばね19との間に位置した中間ばね、あるいは弾圧スリーブ19と一体としうる。 弾圧スリーブ19は長手方向のスロット20を含み付加的なばね特性を提供することが好ましく、標準的なばね材料、あるいは超弾性を示す成形記憶材料から作ることができる。 超弾性を有するばねは極めて平坦な機械的特性を示す。 記憶リング18の内側に弾圧スリーブ19を設けることにより、形状記憶材料が冷却されると、記憶リング18はばね19によって延伸され、記憶リング18をワイヤ17に沿ってより容易に軸線方向運動させる。 第4A図を参照すれば、記憶リング18はワイヤ17上に直接取り付け、弾圧スリーブ19をリング18の外側に配置させることができる。 この構造により、形状記憶リング18 は、それぞれTTR以下あるいは以上の温度まで少なくとも冷却するワイヤ17の直径より小さい内径を、加熱されるとワイヤ17の直径より大きい内径を有するように記憶するようにされる。 このように、リング18が冷却されるとワイヤ17を把持する。 全てでないとしても殆んどの形状記憶材料はTTR以下の温度ではより弱くかつ柔軟であるので、リング18の把持強度は特定の用途に対しては十分でないことがありうる。 そのため弾圧スリーブ19が、 リング18が適当な停止手段として機能するに必要な付加的な締め力を提供するために用いられる。 リング18はその位置を調整するために、弾圧スリーブ19を十分上廻わるだけ変形し、ワイヤ17に沿って摺動可能な点に拡張するまで加熱される。 このように、調整を行うために周囲温度以下にリング18を冷却することが望ましい場合は第4図の実施例を用い、調整を行うために周囲温度以上にリング18を加熱することが望ましい場合は第4A図に示す実施例を用いることができる。 第5a図、第5b図および第5c図を参照すれば、顔弓10は内側弓13の各端13aの内側でワイヤ17の深さを変えることにより各ワイヤ17の長さを調整しうるように修正することができる。 このように、内側弓13のチューブ状の各端部分13aはワイヤ17を挿入して各チューブ状端13aの外側の周りで別の形状記憶クランプリングあるいはスリーブ28を位置させることにより弾圧スリーブ状スリーブ19 として作用しうる。 壁31がより弾性となり、ばねスリーブ19の如く挙動するように各チューブ状端部13aの壁31 を通して少なくとも1個、好ましくは2個の長手方向スロットあるいは開口30を形成することが望ましい。 スリーブ18と同様、スリーブ28はワイヤ17がある軸線方向距離Xだけ運動しうるように十分な量冷却することができる。 スリーブ28を適当な温度に加熱することによっても同様に該スリーブを収納させ内側弓13のばね性端部13aをワイヤ17上に緊密に押出し内側弓13に対するワイヤ17の軸線方向位置を固定する。 このように、ワイヤ 17にはそれを曲げ直すことなく適当な曲形部26と長さとを与えることができる。 患者に対して若干の不快感を与える可能性はあるが、曲形部26を用いることによりワイヤ17がある程度の軸線方向の弾性を保つことができるようにする。 曲形部26を排除し、例えば小さいはんだ付けしたリング(図示せず)のようなより永久的な停止手段を用いてもよい。 内側弓13のチューブ状端部13a内でのワイヤ17の軸線方向の運動自在性はまた、別の利点を有している。 標準的な顔弓ワイヤ17は典型的にはステンレス鋼製である。 ワイヤ17を内側弓13に永久的に固定させると、ワイヤ17 の材質を変える場合顔弓ヘッドギヤ10全体を交換する必要がある。 ここではワイヤ17は簡単に交換でき、内側および外側弓13、11はリサイクルが可能である。 前述のように、臼歯14の各々に異なった力を付与することが望ましいことがありうる。 同じワイヤ構造に対して、使用ワイヤの材質を変えることにより該ワイヤ17に対して広範囲の機械特性を得ることができる。 異なる矯正力を得るために各ワイヤ17の長さや形状を変えるよりもむしろ異なるワイヤ材を用いればよい。 第6図から第10図までを参照すれば、本発明の原理を組み入れた別の顔弓ヘッドギヤ40が示されている。 顔弓 40は外側弓41と内側弓43とを含む。 外側弓41の各端は従来の首ストラップ(図示せず)と接続するためにフック状とされている。 内側弓43はその端部にチューブ状部分 45を有している。 これらのチューブ状部分45は、前述の顔弓10と同様、内側弓43の実際の端部とするか(第7A図も参照のこと)、あるいは第7図および第8図に示すように内側弓43の端部に一体的に接続された個別の部材としてもよい。 個別の部材の場合、各チューブ状部分45は超弾性を示す形状記憶材料を含むいずれかの許容しうるばね材から作ることができる。 そのような個別のチューブ状部分45を用いることにより内側弓43の残りは一般的なものとできコストを低下できる。 各チューブ状部分45 は顔弓ワイヤ47の一端を伸縮自在に受け入れるようにつくられている。 各ワイヤ47の他端は頬チューブ46に挿入され、前述したのと同様、該チューブ内を摺動自在である。 チューブ46は臼歯50の周りに取り付けられたバンド 48に固定されている。 各ワイヤ47はチューブ46を通しての軸線方向の摺動を制限するために、例えばワイヤ47における曲形部あるいは形状記憶リングのような、ある形態の停止手段51を含む。 第5a図、第5b図、および第5c図に示す本発明の実施例と同様、内側弓43のチューブ状部分45の内側でのワイヤ47の深さを変えることによりワイヤ47の長さを軸線方向に調整しうるよう形状記憶リングあるいはスリーブ52が用いられる。 第6A図を参照すれば、停止手段51と頬チューブ46との間でワイヤ47の周りに圧縮コイルばね53を位置させることによりワイヤ47の一方あるいは双方を予備負荷することができる。 停止手段51は停止手段18と同様形状記憶材料で作られている(第3図参照のこと)。 ワイヤ47が頬チューブ46から押し出されないようにするために、各ワイヤ47の他端はチューブ46から延在し、別の停止手段55 を取り付けている。 前記停止手段55は形状記憶性であっても、なくてもよい。 このように、ヘッドギヤ40を患者の口に位置させ、患者の首の周りで固定することにより、各ばね53は臼歯50の1個に矯正力を付与することができる。 希望に応じてばね53は超弾性材料あるいは標準的なばね材料から作ることができる。 さらに、内側弓43 が非対称の矯正力を付与することが望ましい場合、強度の異なるばね53を用いるか、あるいは1本のみのワイヤ 47をばね53に装嵌させることができる。 形状記憶停止手段51を用いることにより、ばね53によって加えられる力をワイヤ47に沿った停止手段51の位置を変えることにより調整することができる。 第1図から第5図までに示す前述の顔弓ヘッドギヤの実施例と異なり、第7図から第9図までに示す実施例における各ワイヤ47は、チューブ状部分45と該部分45の内側に伸縮自在に配置されたワイヤ47の一端との双方に対して共通の軸線54の周りで、各チューブ状部分45内で回転することはできない。 この回転の制限は各ワイヤ47の一端の少なくとも一部あるいはある長さ56の断面を非円形とすることにより達成される。 さらに、内側弓43のチューブ状部分45の少なくとも一部58も同様に、共通の軸線54に対して垂直に非円形である開口を有している。 前記部分58はチューブ状部分45に取り付けられた個別の部材あるいはチューブ状部分45の実際部分あるいは全てとしうる。 ワイヤの長さ部分56とチューブ状部分48とは同じ形状、例えば楕円形(第9図に示す)あるいは長方形(第9A図に示す)である。 それらの断面形状が非円形なので、ワイヤの長さ部分56はチューブ状部分58内では回転できない。 このようにワイヤ47と弓43との相対回転がリング52の温度とは無関係に阻止されるか、あるいは少なくとも制限される。 各頬チューブ46および各顔弓ワイヤ47の他端もそのような非円形断面を有する部分58および少なくとも一部あるいはある長さ部分56を有することが好ましい。 各チューブ状部分45と頬チューブ46内での各ワイヤの回転を制限することにより、トルクを含む極めて多種の矯正力を一方あるいは双方の臼歯50に付与することができる。 前述の実施例と同様、内側弓43の端部のチューブ状部分45 の壁は少なくとも1個あるいは好ましくは2個の長手方向のスロットあるいは開口60を貫通形成することができる。 またチューブ部分58を通してスロット60が形成される。 代替実施例(第7A図を参照)において、チューブ状部分58と類似の独自のチューブ状部分64を有する別の形状記憶リングすなわちスリーブ62を用いることができる。 顔弓ヘッドギヤを詳しく説明してきたが、内側弓13に関する前述の開示は、構造が酷似のリップバンパ(図示せず)に対しても適用可能である。 第6B図を参照すれば、ヘッドギヤ40の外側弓41の端部に首ストラップ65の端部を接続するために従来の方法を用いるのでなく、本発明の原理を適用することができる。 まず、フック状でなく真直の端部を備えた外側弓41 が用いられる。 顔弓41の真直の各端はチューブ66の一端の内部に伸縮自在に配置され、形状記憶リング67に調整可能に固定されており、希望に応じて前述のように長手方向スロット69を備えている。 チューブ66の他端は貫通形成された同心状孔72を除いては閉鎖されている。 ピン 74がストラップ65の各端に固定され、孔72を通してチューブ66の内側に配置されている。 各ピン74の自由端は停止手段75を取り付けている。 圧縮コイルばね76がチューブ66の内側で、停止手段75とチューブ66の他端との間のピン74の部分の周りに配置されている。 所望の機械特性に応じて、ばね76は前述した別のばねと同様に超弾性形状記憶材料を含むいずれかの適当なばね材から作ることができる。 このように、各ばね76は各臼歯50に矯正力を付与するために予備負荷できる。 同様に、前述の非対称の矯正力を臼歯50にも付与することができる。 ヘッドギヤ40を着装している人に対して傷害あるいは不快感を与えないようにするために、患者に対する傷害を排除するべく(例えばストラップ65を背後から引張るような)過負荷状態の間各チューブ66を外側弓41から引張り外しうるように最小の締め力を付与するように構成することができる。 このことが行われると、ばね76が加える力は必ずしも、リング67によって加えられる締め力以下である必要はない。 第10図を参照すれば、内側弓43および外側弓41を(第1図の接続部12と同様に)溶接あるいははんだ付け接続部に接続するのでなく、むしろ外側弓41と内側弓43の中間部分が相互に対して近接配置され、本発明の原理による形状記憶材料製のバンドあるいはリング68で囲んでいる。 バンド58は組立てしやすくするために線70に沿って長手方向に分割されている。 前述の形状記憶スリーブと同様、バンド68は、形状記憶材料が適当な温度まで加熱されると、弓41および43の中間部分が近接配置関係でバンド68によって緊密に把持されるように予めプログラム化した形状を有することが好ましい。 このように、それぞれの中心軸71、73に沿った弓41、43の軸線方向の相対運動が調整のために許容されるが、使用に際しては阻止されるか、あるいは少なくとも制限される。 さらに、軸心71、73の周りの各弓41、43の回転も許容されたり、あるいはバンド68により阻止されるか、あるいは少なくとも部分的に制限される。 バンド68を用いると、各弓41、 43を相互に独立して交換でき、それらの空間関係を容易に調整できるようにしてヘッドギヤ40の融通性を向上させる。 さらに、この融通性によって2個の装置を1個に組み込みうるようにする。 すなわち、ヘッドギヤ40は完全な顔弓ヘッドギヤとして使用できるか、あるいは内側弓43を外しリップバンパ(図示せず)として使用することができる。 標準的な弓41、43は典型的には各ステンレス鋼で作られている。 ある患者はステンレス鋼材から滲出するニッケルに対して敏感なため若干の不快感をおぼえることが知られている。 さらに、ステンレス鋼は患者の臼歯50に適当な矯正力を付与するに必要な機械特性を有していない。 このため、バンド68を使用することにより種々の材料で弓41、43を作り種々の空間関係に方向づけて融通性を高める複合ヘッドギヤ40を容易に構成できるようにする。 バンド68のような形状記憶バンドは締結ワイヤ(すなわち端部が相互に緊結されたワイヤのループ)を形成するためのクランプを含み、多数のその他の用途を有しうる。 第11図を参照すれば、前述の実施例のように、当該装置の2個の伸縮要素をロックするために形状記憶リングすなわちスリーブを用いるのでなく、第2の要素77のチューブ状部分77aあるいは第1の要素80の伸縮自在に受け入れられる部分78を、前記部分77a、78の一方あるいは他方、あるいは双方を形状記憶材料から作ることにより可変ロックすることができる。 チューブ状部分77a が、周囲温度まで加熱されると収縮する形状記憶材料から作られている場合、前記部分78は中実にすることが好ましい。 前記部分78が形状記憶材料で作られ、公差が緊密に保たれている場合も前記部分78を中実とすることも好ましい。 しかしながら前記部分77aと78との間の公差が緊密に制御されていない場合周囲温度まで加熱されるとスロット82の幅が広がるように形状記憶部分78に長手方向のスロットすなわち開口82を形成し、前記部分78を予めプログラム化することが好ましい。 双方の部分77a および78を形状記憶材料から作ることによりさらに大きいロック力を達成することができる。 このように、軸心 84に沿った軸線方向の相対運動あるいは軸心84の周りの相対回転運動が許容されたり、あるいは制限できる。 このように接続部内での回転を制御するために、この要素の基本的組合わせを用いることができる。 第12図および第13図を参照すれば、本発明の前述した原理を多数組み入れた側弯矯正装置は複数のクランプ91 により患者の脊椎(図示せず)に沿って固定される安定ロッドすなわち矯正ロッド92を含む。 各クランプは複式脊椎フック93、94、すなわち所謂層間あるいは柄フックを有している。 典型的には、各セットのフック93、94は1本の椎骨の種々の部分と係合する。 各クランプ91のフック93、94はピン95に沿って離隔されて取り付けられている。 各ピン95は矯正ロッド92の周りに配置されたチューブ状部分96に固定されている。 本発明による前述のスリーブと同様、形状記憶リング、すなわちスリーブ97も同様にチューブ状部分96の外側の周りに配置されている。 前述の実施例のように、チューブ状部分96は前述と同じ理由で1個、好ましくは2個の壁を貫通して形成した長手方向スロットすなわち開口98を含む。 共通の軸心 99の周りでのチューブ状部分96とロッド92との間の相対回転を制御しやすくするために、第9図および第9A図に示すものと類似の構造を使用しうる。 代替的に、ロッド 92は四角あるいはその他の非円形断面とすることができ、同様の非円形の受入れ孔を有する個別のチューブ状スリーブ100の内側に配置しうる。 スリーブ100はチューブ状部分96の内側に同心状に配置されている。 記憶リング97は、TTR以下の温度ではスリーブ100が軸心99の周りでチューブ状部分96の内側で回転自在であるように記憶するようにしうる。 このようにスリーブ100が回転自在であり、クランプ91が患者の脊椎に接続された状態で、 例えばレンチを用いてロッド92に、従って患者の脊椎にトルクを付与することができる。 次に、TTR以上にリング97を加熱するとロッド92、スリーブ100およびチューブ状部分96を適所にロックし、患者の脊椎にトルクを付与した状態を保つ。 リング97の温度がTTR以下であると、スリーブ100およびチューブ状部分96もロッド92の長さにわたって運動可能である。 同様に、スリーブ100 と前記部分96とはリング97をTTR以上に加熱することによりロッド92に沿った所定の点において固定することができる。 このように、各クランプ91は繰返し調整でき、 かつロッド92の長さにわたっていずれかの点に安定して固定することができる。 第12B図を参照すれば、側弯矯正のためのコトレ・デュボセおよびイソーラシステムにおいては、2個のロッド92は本発明の原理により患者の脊椎の各側に取り付けられる。 各ロッド92の間の距離は第2の要素102内に伸縮自在に配置された第1の要素101を用いて調整可能としうる。 要素101が要素102の内側に配置される深さ、従ってロッド92間の距離は本発明の原理により調整することができる。 例えば、形状記憶リング103と要素102に形成された長手方向のスロット104とは前述したのと同様に用いることができる(例えば、第5C図を参照のこと)。 それぞれのロッド92上の各要素101と102の位置を調整するために、各要素101、102は前述のようにチューブ状部分96と形状記憶リング97と同様の構造を含みうる。 また、チューブ状部分96の壁には1個以上のスロット98を形成することが望ましい。 第12C図および第12D図を参照すれば、複数のフック10 5あるいはねじ109、または双方の組合わせにより各ロッド92を患者の脊椎に沿って固定することができる。 フック105またはねじ109の各々は本発明の原理を用いてロッド92に調整可能に固定しうる。 例えば、フック105またはねじ109はロッド92を囲む寸法とされている割りリング111に取り付けることができる。 割りリング111はその間でスロット117を形成する2個の対向したクランプフランジ113を有している。 形状記憶リング119はクランプフランジ113の周りに配置されている。 前記リング119はスロット111を狭くし、割りリング111がロッド92の周りで緊締するように強制するようTTR以上に加熱されると収縮するように記憶することができる。 代替的にフック 105あるいはねじ109の各々は形状記憶割りリング121に取り付けることができる。 リング121は、TTR以上の温度ではロッド192を把持するように囲み、TTR以下の温度においては(第12D図において鎖線で示すように)開放してU字形となりロッド92を易く割りリング121から外しうるように記憶させることができる。 このように、フック105は患者脊椎に対して位置するか、ねじ109を患者の脊椎にねじ込み、次に形状記憶要素の温度をTTR以上に上げることによりロッド92に固定することができる。 フック93と94とは、それぞれ1個のフックを取り付けピン95の周りに同心状に配置されて同様のチューブ状部分106と、スリーブ106の周りに同心状に配置された形状記憶リングすなわちスリーブ107とを用いて同様に調整可能で、かつピン95に沿った点に安定して固定しうる。 前述の実施例におけるように、各チューブ状部分106の壁を通して1個以上の長手方向のスロット108を形成することが好ましい。 各チューブ状部分106と形状記憶リング107とは各フック93,94の中間で、横方向に取り付けることができる。 空間を減少させるために、第12A図に示すように各フック93,94の中間でピン95に沿って各チューブ状部分106とリング107とを位置させることが望ましい。 患者の脊椎の椎骨に矯正装置90を締め付ける間に前述した本発明の原理を組み入れた同じ技術を用いてフック93,94間の距離を調整することができる。 第13図、第13A図および第13B図とを参照すれば、一方のフック110をピン95に永久固定し、別のフック112を異なる要領で相対距離を調整することにより矯正装置90のクランプ91を修正することが望ましい。 これらの図に示す実施例においては、フック112はピン95に沿って摺動自在のチューブ状部分114に同様に取り付けられている。 しかしながら、前述の実施例と異なり、形状記憶リング107がピン95の周りにのみ装嵌するように構成されている。 リング107はチューブ状部分114とピン95の自由端116との間に位置している。 リング107をピン95に対して緊密に固定させ、フック112はフック110とリング107 との間で運動自在である。 本発明の原理によれば、前述のように、フック110と112との間の相対距離はリング10 7を冷却して、該リング107をピン95に沿った新しい位置まで動かせ、次いでリング107を周囲温度か、あるいはT TR以上の、いずれか適当な温度まで加熱して戻すことにより調整することができる。 チューブ状部分114を形状記憶材料から作り、リング1 07全体を排除することが望ましい。 このためクランプ91 をよりコンパクトにすることができる。 また、例えば枢動ピン118(第13A図を参照)によりフック110をピン95 に枢着することが望ましい。 第13図に示すクランプ構造はまた、例えば縫合開放のような別の用途においても使用できる。 例えば、第13B図を参照すれば、ピン95の周りで同心状に、かつフック112,110との間で圧縮ばね120 を配置することができる。 このように、ばね120は、リング107が冷却されると(例えば矢印122で示すように) フック110,112を離す力を提供することができ、かつピン95の端部116に向かって運動可能である。 ここでもばね120は用途の応じて形状記憶材料で作ることが望ましい。 第13図と第13A図とに示すクランプ構造は層間クランプとしても使用しうる。 この用途において、ピン95は患者の脊椎に沿った方向とされ、ハリントンロッドとして機能する。 このように、クランプ110,112は患者の脊椎を安定させるため、2枚以上の層を相互に固定するために使用される。 第14図と第15図とを参照すれば、本発明の原理はまた伸延骨形成装置130のような装置に対しても適用可能であって、該装置130は例えば同じ骨の2部位あるいは(例えば顔面骨のような)2本の異なる骨のような、患者の身体の異なるそれぞれの部位140,142に接続するための取付け板のような第1の部分136,138を各々が有している第1の要素132と第2の要素134を有している。 取付け板136,138は例えばピン、ボルトあるいはねじのようないずれかの適当な固定具144を用いてそれぞれの骨の部位140,142に取り付けることができる。 第1の要素1 32は、可変の所望深さまで第2の要素134の第2の部分すなわちチューブ状部分148によって伸縮自在に受け入れられる第2の部分すなわちピン146を有している。 前述の形状記憶スリーブに類似の形状記憶リングすなわちスリーブ150が重なり領域部分146,148の内部でチューブ状部分148の外側の周りで同心状に位置している。 前述の実施例と同様、チューブ状部分148の壁を通して少なくとも1個、好ましくは2個の長手方向のスロットすなわち開口152を形成することが望ましい。 スリーブ150はチューブ状部分148においてピン146の深さを繰返し調整することによって身体の部位140と142との間の分離を調整するように前述の形状記憶スリーブと同様に扱えばよい。 ある用途においては、少なくとも形状記憶リング150 の温度がその形質転換温度以下に低下すると要素132,13 4を相互に対して運動させる力を付与するために、例えばコイルばねのようなばね154を本装置130に設けることが望ましい。 第15図に示す装置130に対しては、コイルばね154はピン146の先導端とチューブ状部分148の底部との間でチューブ状部分148の内部に位置している。 ばね154は圧縮ばね、あるいは引張りばねでよい。 前者の場合、要素132と134とは強制的に離される。 後者の場合、ばね154の各端はピン146がチューブ状部分148中へ深く引き込まれるように各要素132,134に取り付ける必要がある。 第14図および第15図に示す装置130は伸縮自在の要素を有するその他の形式の装置において用いるように容易に修正しうる。 例として、第14図あるいは第15図のいずれかに示す装置がヘルブスト装置において特に有用となりうるには、スリーブ150を(第3図のスリーブ18のように)停止手段として構成し直し、ピン146に沿った所望の位置に位置づけし直せばよい。 ばね154はいずれかの適当なばね材から作ればよい。 用途に応じて、ばね15 4がその長さにわたり一定の力を付与する(すなわち極めて平坦な機械特性)のを保証するためにばね154を例えば形状記憶材料のような超弾性材料から作ることが望ましい。 ばね154が一定の力を付与するのであれば、要素140,142の間の間隙を増分調整することができる。 第15A図を参照すれば、例えば本装置130の第1の部分 136は形状記憶材料で作ればよく、周囲温度において把持形態となるように予めプログラム化された2個の把持突起156を有している。 第16図を参照すれば、装置130のそれと類似の用途で使用するラチェット装置160は、それぞれ身体の部位に接続可能の第1と第2の部分166,168をそれぞれ有する第1の要素162と第2の要素164とを含む。 第1の要素16 2は可変の所望深さまで第2の要素164の第2の部分172 の内側で伸縮自在に配置された第2の部分170を有する。 前記要素162の第2の部分170の先導端は第1の爪17 4を取り付けている。 要素164の第2の部分172はある長さがあり、その長さにわたり複数のラチェット歯178を形成している内面176を有している。 形状記憶材料から作られ、ある長さがあり、両端を有する第3の要素180 が要素162の第2の部分170の先導端に一端で固定されている。 形状記憶要素180の他端は第2の爪182を取り付けている。 例えばコイルばねのようなばね184が内面176の内側で、かつ爪174と182との間で形状記憶要素180の周りに配置されている。 爪174,182の双方は第2の部分172 の内面176に沿って長さ方向に一方向に運動可能で、反対方向においてラチェット歯178の中の少なくとも1個に対してロック可能である。 前記爪の一方、あるいは他方、または双方は、一方向のみにおいて第1と第2の要素162,164の相互に対するラチェット噛合い運動があるように各要素に枢着する必要がある。 部分170が部分172 からラチェット運動するようにさせるには、ばね184は圧縮ばねでよく、第3の部分180は、TTR以上に加熱されると長さが収縮してばね184を圧縮し、TTR以下に冷却されるとばね180によって延伸される形状記憶ワイヤでよい。 従って、要素162の部分170を要素164の部分172から外すには、ワイヤ180はその長さが収縮し、第2の爪182を第1の爪174に向かってより近く引張るようになるまで加熱される。 形状記憶要素180を選択的に加熱する一方法はワイヤ180を通して線I−Iによって指示すように電流を通すことである。 次いでワイヤ180は冷却され、 ばね184によって加えられる力により伸びるようになる。 爪182は、該爪182が前記部分172から運動できるようにするが、ばね184がワイヤ180を延伸させ始めると爪 182が少なくとも1個のラチェット歯178と係合し、ロックするようにする要領でワイヤ180の端部に枢着されている。 第1の爪174はまた、要素164の部分172から自由に運動するが、該部分172中へ深くは運動しないように構成されている。 このように、形状記憶材料が、ばね18 4がワイヤ180を延伸させることができる点まで冷却されると、要素162の部分170を要素164の部分172から押し出すに確実な力が加えられる。 修正した装置130のばね154 と同様(第15図参照)、ばね184はいずれかの適当なばね材料から作りうるが、ある用途に対しては超弾性材料が好ましい。 第17図と第17A図とを参照すれば、皮下注射針185が本発明の原理を用いて注射器186に接続可能である。 注射器186は針185の後端を伸縮自在に受け入れるチューブ状部分187を含む。 形状記憶リング188が、前述の実施例のようにチューブ状部分187の外側の周りで同心状に位置している。 前述のように、リング188の形状記憶性と超弾性とは針185の有効長さを可変調整できるようにするために使用できる。 ここでも、チューブ状部分187を通して1個以上の長手方向スロット189を形成することが望ましい。 また、第11図に示す構造について説明した本発明の原理を用いて、チューブ状部分187あるいは針185 の一方あるいは双方を形状記憶材料で作り、リング188 を排除することも望ましい。 このため、種々の長さの針 185を在庫する必要なくして、特定の医療要求に対応するために針185の長さを容易に調整しうる。 第18A図、第18B図および第18C図を参照すれば、本発明の原理を組み入れた接続システム190は、例えばねじのような固定具196の一部を受け入れるために孔194を貫通形成した取付けブラケットすなわち取付け板192を含む。 固定具と、少なくとも取付け板192の孔194を形成した部分(第18A図に鎖線で概略図示)の一方あるいは他方、または双方は本発明の原理により形状記憶材料で作られている。 取付け板192全体を形状記憶材料で作ることは望ましくない。 その場合、198の部分は例えば溶接のような何らかの適当な方法により取付け板192の残りの部分に固定された個別のインサートでよい。 孔194にはその周囲で少なくとも1個、好ましくは2個以上の貫通ノッチを形成することが望ましい。 第18A図および第1 8B図で示すように、ノッチ200は少なくとも取付け板192 の部分198が適当な温度に加熱されると狭くなり、少なくとも閉じようとし、適当な温度まで冷却されると開放するようにしたものである。 このように、固定具196は孔194に捕捉されるか、あるいはその中で運動自在とされうる。 また、固定具196を適所に永久的にロックすることも望ましい。 その場合、TTRが広い形状記憶材料が適当である。 形状記憶材料の形状記憶性はノッチ200を熱で開閉するために使用できるが、各ノッチ200中へ挿入されるスペーサのような機械的手段も、固定具196が孔194内の許容位置に来るまでノッチを開け続けるために使用でき、スペーサが外され、ノッチ200が閉じるようにされ、孔194は固定具196を把持する。 第18C図を参照すれば、球状の頭部を有する固定具196 と、球状の頭202を受け入れるような周囲を有する孔194 とを用いることにより、球状頭部を有する固定具196は取付け板192に対する複数の進入角で方向づけることができる。 第11図に示すスロット82に対して前述したのと同じ理由でスロット204を頭部202に形成することができる。 第19図と第19A図とを参照すれば、代替接続システム2 10は孔214を貫通形成し、面216を有するブラケットすなわちプレート212を含む。 形状記憶スリーブすなわちリング218が孔214と同心状にプレート212の面216に取り付けられている。 リング218の内径は、本発明の原理により、形状記憶材料の温度が上昇するにつれて小さくなる。 このように、固定具222の一部220が孔214に挿入されると、リング218は孔214を通る固定具222の運動を繰返し制限したり、許容したりしうる。 本システム210の代替実施例においては、長手方向のスロット226を備えたり、あるいは備えていないチューブ部分224が孔214と同心状にプレート212の面216に固定され、リング218は本発明が教示するように(第19B図参照)チューブ状部分224の周りに配置される。 第20図を参照すれば、本発明の原理はまた、本発明の原理を組み入れた接続部232において接続された第1と第2の要素228,230との間の角度運動を制御するために適用しうる。 接続部232は、前述の実施例がそれぞれ教示するように、例えばピンやチューブ状部分のような第2の要素230の部分236によって伸縮自在に受け入れられる第一の要素228の部分234を含む。 形状記憶リングすなわちスリーブ238が、長手方向のスロット240を含みうるチューブ状部分236の外側の周りに配置されている。 スリーブ238は、共通の軸心242の周りでの要素238と230の相対回転(αの角度で示す)を含み、前述の場合と同様に要素228および230との間の空間関係を制限したり、あるいは変更できるようにするために使用できる。 このように、本発明の原理は、接続部によって接続された角度関係を制御することにも同等に適用可能である。 第21図を参照すれば、本発明の原理は本発明によりロック可能な球形継手245に接続された第1の要素243および第2の要素244の間の空間関係の制御に適用可能である。 継手245は要素243に固定された球形部分246を含む。 球246は要素244に固定された球形スリーブ247内に配置され、かつ保持されている。 スロット248はスリーブ247を通して形成でき、スリーブ247を2個の対向部分に分離することが好ましい。 球246はスリーブ247に圧入されている。 形状記憶リング249がスリーブ247の外側の周りに配置されている。 リング249はスリーブ247の対向部分を球246に対して把持するように相互に押圧することにより要素243,244の間の空間関係を固定する位置にある。 スロット248はスリーブ247に対して付加的な弾性を提供し、球246をリング249によってスリーブ247内に容易にロックできるようにする。 第22図を参照すれば、本発明の原理は例えば部材250 および252のような2個以上の関節接続部材の間の空間関係を制御するために同等に適用しうる。 部材250は第2の要素256のチューブ状端部255の内側に伸縮自在に配置された第1の要素254を有する。 要素256における要素 254の深さの調整は、例えばチューブ状端部255の周りに配置された形状記憶リング257およびチューブ状端部255 に形成された長手方向スロット258により、本発明の原理により可能とされたり、あるいは制限される。 第2の部材252も同様に第1の要素260が第2の要素264のチューブ状端部262の内側に伸縮自在に配置されている。 要素260と264との間の相対運動は形状記憶リング266および長手方向スロット268とによって同様に制御できる。 球状頭を備えたスタッド270の胴は部材250の第1の要素 254に固定されている。 スタッド270の球状頭部271は、 第18C図に示すように、プレート192に形成された孔194 内のねじ196の頭202と同様に、部材252の第2の要素264 に形成された受入れ空洞272に配置される。 同様に、スタッド270の頭271はまた頭202のスロット204のようなスロットすなわち開口(図示せず)を含む。 同様に、スタッド270とスタッド270の頭271の受入れ孔272を形成している部材252の第2の要素264の少なくとも一部の一方、 他方あるいは双方は本発明の原理により形状記憶材料で作ることができる。 そのような部材は所定の用途に対して何個でも組み合わせることができる。 例えば、本システムに付加的な融通性を提供する、第12図に示す矯正ロッド92のようなハリントンロッドを形成するに十分な数の部材を組み合わせることができる。 本発明の全体原理は種々の変更や修正が可能である。 例えば第23図から第25図を参照すれば、第19図、第19A 図および第19B図に示す接続システム210のそれと同様の用途並びにその他の用途において使用しうる修正された接続システム280が示されている。 本システム280は、第1の要素282を受け入れるようにつくられ、例えば取付けブラケットあるいは取付け板のような第2の要素288 を貫通して形成された孔286の内側に配置された部分284 を有するワイヤ、ピン、帯片あるいはねじのような第1 の要素282を含む。 第2の要素288の一方の面293にくぼみ領域すなわちノッチ290が形成され、孔286と交錯し、 第1の要素282は前記くぼみ領域290を通る。 ノッチ290 は第1の端部291と第2の端部292を有している。 第1の要素282は端部291,292の中間でノッチ290を通る。 本発明の原理による形状記憶材料の、例えば帯片のような第3の要素294がノッチ290内に配置するようにつくられている。 形状記憶要素294の一端295は、例えば第3の要素 294の第1の端部295の近傍のノッチ290の縁部に沿った第2の要素288の突起部分296のようないずれかの機械的手段によってノッチ290内の適所に固定されている。 形状記憶要素294はその固定端295から遠位に自由端297を有している。 形状記憶要素294は、周囲温度すなわち作用温度において、第1の要素282を孔286から取り外した状態で、ノッチ290へ入るにつれてその遠位端297が孔286によって形成された開口の少なくとも一部と重なるように本発明の原理により構成され、かつ記憶するようにしうる。 このように、前記要素294の形状記憶材料のTTR以下の温度において少なくとも、第1の要素282は矢印302によって指示する方向において所望の量だけ孔286およびノッチ2 90を通して挿入することができる。 形状記憶要素294はこの低温においてはより柔軟な状態にあるので302の方向に要素288を通して第1の要素282を通すと遠位端297 で撓みうる。 第1の要素282は形状記憶要素294をその予めプログラム化した、すなわち記憶させた形状に付勢する温度により第2の要素288内で適所にロックできる。 形状記憶要素294は、少なくともその温度がTTR以上(第25図参照) である場合、予めプログラム化した形状に強制的に戻るか、あるいは少なくとも強制的に戻ろうとする。 形状記憶要素294は第1の要素282の部分304を第1の要素282とノッチ290の端部291との間に位置したノッチ290の部分3 06中へ変形させるに十分な力で復帰する。 第1の要素28 2の部分304は十分変形され、予めプログラム化した形状に復帰しようとする形状記憶要素294によって適所にロックされ、そのため矢印308の方向の第1の要素282の運動は阻止されるか、少なくとも特定の用途に対して十分な程度に制限される。 第1の要素282は、各々が要素294 の遠位端297を受け入れるようにされ、その長さにわたって隔置された一連の開口(図示せず)を含むようにも構成しうる。 このように、要素282を適所にロックするために第1の要素282の部分304を変形させる代りに、形状記憶要素294の遠位端297を、該要素294が柔軟な状態にある間に第1の要素282に沿ったいずれかの所望の開口に挿入すればよい。 形状記憶要素294は温度の作用により記憶された形状に戻り、強度を対応して増すことにより形状記憶要素294は選定された開口と第1の要素282 との間にロックされることにより適所にロックされる。 第1の要素282は、形状記憶要素294の遠位端297がノッチ290から引き出しうるに十分な前記要素294の温度を下降することにより第2の要素288から解放し、その相対位置を調整することができる。 ノッチ290に隣接して第2の要素288に溝309を形成することができる。 溝309 はフックあるいはその他の引出し具(図示せず)を溝の中へ、かつ形状記憶要素294の遠位端297の背後で端部29 7をノッチ290から引き出しうるに十分な量だけ挿入し、 第1の要素282を308の方向に第2の要素288から通しやすくするような寸法とすべきである。 第25図を参照すれば、接続システム280は、脊椎の側弯矯正のためのラグ(Lugue)システム310の一部としての用途を含む各種の用途において有用である。 ラグシステム310においては、第1の要素282は一端が、ブラケットである第2の要素288に固定されているワイヤである。 ワイヤ282の固定端312は、ワイヤ282が孔286を通して挿入されると空間314の周りでループを形成するよう孔286から離隔した点においてブラケット288に取り付けられている。 このように、ブラケット288は、ワイヤ282 を薄膜(ラミナ)を通して、かつその周りで囲み、かつワイヤ282を孔286を通して挿入することにより患者の椎骨に取り付けることができる。 空間314を囲むワイヤ282 の部分を少なくとも形状記憶材料で作ることが望ましく、形状記憶材料は空間314に位置した薄膜の周りで湾曲し、囲むように予めプログラム化される。 そのような予めプログラム化したワイヤ282は薄膜への取付けを容易にする。 ワイヤ282は空間314に位置した薄膜(図示せず)について前述したように孔286内にロックされる。 ブラケット288は図示していない手段により、他の薄膜に取り付けられた他の接続システム280に相互接続しうる。 前述のラグシステム(図示せず)は2個の隔置した孔を貫通形成したブラケットを利用している。 ある長さのワイヤの各端を孔の中の1個を通して挿入しブラケットの一方の側でループを形成した。 ブラケットの他方の側におけるワイヤの二端を相互に捩り、余分のワイヤは切断した。 この前述のシステムのワイヤの捩った端部は捩れがほぐれるか、さもなければ不具合となることが知られており、また捩れたワイヤの端部は周りの組織を刺激する。 接続システム280のその他の用途としては、身体の一部(例えば骨の一部)に取り付けるためその周りでループ状とされた結紮ワイヤや締結ワイヤをロックすることを含む。 接続システム280はまた歯科矯正用ブラケットにおいて歯科用ワイヤをロックするためにも使用しうる。 さらに、接続システム280は骨用ねじ、掛止ピン、 骨用ピン等を適当な取付けブラケットあるいは取付け板にロックするための第18A図から第18C図、第19図、第19 A図および第19B図に示す接続システムの代替として使用しうる。 そのような用途においては、第1の要素282が長円孔286の長さに沿ったいずれかの点において適所に固定しうるように孔286を長円形(第26図参照)とすることが望ましい。 ある用途に対して、特に患者の身体の内部にあると、要素294は前述のように、広ヒステリシスの形状記憶材料で作ることが望ましい。 さらに、第1 と第2の要素282,288の一方または他方あるいは双方を形状記憶材料で作ることも望ましい。 第26図を参照すれば、矢印308で示す方向のワイヤ282 の運動はノッチ290と要素294とを排除し、代りにロッククリップ320を用いることにより阻止したり、少なくとも制限することができる。 ロッククリップ320は全体的にU字形で、2個の脚322,324が離隔され、その間でスロット326を形成しており、かつ前面321と後面323とを有している。 帯片のような形状記憶要素328の一方の長手方向縁部330は脚322に沿っていずれか満足のいく手段によって固定され、長手方向の自由縁332は縁部330から離れている。 要素328を脚322の前面に形成されたノッチ 334中に埋め込むことが好ましい。 形状記憶要素328は、 縁部332が周囲温度すなわち作用温度において脚322を越えてスロット326中へ延在するように形状記憶要素294と同様に記憶させられる。 このように、ノッチ290と要素2 94とを除去し、孔286を第2の要素288を完全貫通して形成することにより、要素282と288とは、第1の要素が第2の要素面293を越えて延在するまで第1の要素282を孔 286に挿入することにより相互に接続しうる。 次いで、 クリップ320を要素288から延在している要素282の部分の周りに位置される。 すなわち、形状記憶要素328を作用温度以下に冷却して十分柔軟性とし、第1の要素282 をスロット326内に配置させ、クリップ320の後面320が第2の要素288の面293と接触させる。 スロット326は長円形であるので、例えばワイヤのような第1の要素282 はスロット326の長さに沿ったいずれかの点で適所にロックできる。 また、スロット326の長円形によりクリップ320を、(例えば平坦な帯片のように)厚さより幅の方が広い第1の要素282と共に使用できるようにする。 次いで形状記憶要素328は温度で付勢され、その予めプログラム化した形状に強制的に戻り、そのため第1の要素を曲げるか、あるいは切断することにより変形し、30 8の方向の第1の要素282の運動は阻止されるか、少なくとも制限される。 本発明の原理を組み入れた実施例の全体的な原理と詳細な説明との前述の開示から、当該技術分野の専門家は本発明が可能な種々の変更や修正を直ちに認識する。 従って、本発明の範囲は以下の請求の範囲とその均等物とのみによって限定されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−100956(JP,A) 特開 平4−244149(JP,A) 特開 平4−231951(JP,A) オランダ特許出願公開9200427(NL, A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) A61C 7/00 A61B 17/60 |