歯科用アライナーの幾何学形状を最適化するための方法およびシステム

申请号 JP2013203907 申请日 2013-09-30 公开(公告)号 JP5984308B2 公开(公告)日 2016-09-06
申请人 アライン テクノロジー, インコーポレイテッド; 发明人 バディム マトブ; ジョン ワイ. モートン; エリック クオ; ヘン カオ;
摘要
权利要求

特定の窩洞形状を有する歯科用装置と共に歯を移動させるコンピュータに実装された方法であって、前記コンピュータは、プロセッサユニットと入手段とを含み、 前記方法は、 前記入力手段が、前記歯の最初の位置を受信することと、 前記プロセッサユニットが、治療計画における前記歯の目標位置を決定することと、 前記プロセッサユニットが、前記最初の位置から前記目標位置への前記歯の移動に関連付けられた第一の移動ベクトルを計算することと、 前記プロセッサユニットが、前記第一の移動ベクトルにおける前記歯を変位させるための複数の力成分を決定することと、 前記プロセッサユニットが、前記歯の平面に対する一つ以上のアタッチメント装置の対応する位置を決定することであって、その結果、前記一つ以上のアタッチメント装置は複数の接点で前記歯科用装置と噛み合うことにより、前記第一の移動ベクトルにおける前記歯を変位させるための複数の力成分を生成するように構成されており、前記複数の力成分が、少なくとも前記歯の回転変位または前記歯の変位を提供するように構成されている、ことと を含む、コンピュータに実装された方法。前記プロセッサユニットが、前記歯を徐々に再配置するように選択された幾何学形状を有する複数の歯科用装置のモデルを生成することをさらに含み、前記歯科用装置が窩洞を有する重合体シェルを備え、後続のシェルの窩洞が、歯を受容して、一つの配列から次の配列に弾力的に再配置するように形成された異なる幾何学形状を有する、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。前記複数の力成分が力の大きさおよび力の方向のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。前記アタッチメント装置が、実質的に前記歯の平面で前記歯科用装置に所定の力をかけるように構成されている、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。前記一つ以上のアタッチメント装置は、互いに対して当接する位置にある前記歯に提供された複数の歯科用アタッチメント装置を含む、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。前記歯科用装置が、ある期間の間、複数の当接する歯科用アタッチメント装置のそれぞれと順次かつ別個に物理的に接触するように構成されている、請求項5に記載のコンピュータに実装された方法。前記一つ以上のアタッチメント装置の対応する位置を決定した後に、前記プロセッサユニットが、次の目標位置への前記歯の移動に関連付けられた第二の移動ベクトルを決定することをさらに含む、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。前記プロセッサユニットが、前記歯科用装置が、前記第二の移動ベクトルに対応する一つ以上の力成分を生成するように構成されるように、前記歯科用装置の形状のモデルを修正することをさらに含む、請求項7に記載のコンピュータに実装された方法。前記歯科用装置が重合体シェルを備える、請求項1に記載のコンピュータに実装された方法。

说明书全文

(優先権) 本出願は、米国特許出願番号第12/346,735号(2008年12月30日出願)、米国特許仮出願番号第61/024,526号(2008年1月29日出願)、および米国特許仮出願番号第61/024,534号(2008年1月29日出願)の利益を主張し、あらゆる目的についてその開示内容全体を本明細書に組み込む。 (発明の分野) 本発明は、計算的な歯列矯正および歯科に関連する。

(背景) 歯列矯正治療では、さまざまな装置を使用して、患者の歯が最初の位置から最終位置に移動される。歯に対してを発揮し、それによって、それらの歯うち一つ以上の歯が治療のその段階に応じて適切に移動する、または定位置に固定される。

歯の位置と装置の生成との間の一対一の関係の結果として起こる歯列矯正における移動のメカニズムでは、歯を新しい配置・構成に「強制的に移動」して、所定位置に固定することで、治療計画の各種の治療段階に沿って歯が徐々に移動するに伴いプロセスを再び繰り返す前に、歯が新しい位置に適応するのに十分な時間が与えられる。

現在の治療状態とその後の目標またはn+1の治療段階との間の一対一の関係において、歯科用装置の適応には、プラスチックと歯の幾何学形状(ジオメトリ)との間の相互作用が含まれうるが、これはn+1の歯の位置の達成にとっては最適とはいえず、一般に相関の要因とは見なされない。このケースには特に、歯の移動距離が比較的大きな場合が考えられ、この場合、装置のゆがみの量が、装置内の伸張および応力につながり、それによって、重要な領域および/または希望の領域においてアライナーの一部領域が歯と密着しなくなりうる。その結果、歯を望ましい目標位置に移動させることができない可能性がある。その上、歯が望ましい位置または目標位置への達成にとって逆効果を招く領域に接触しうるといった逆の効果も存在しうる。

さらに、歯科用アタッチメントは、アライナーなどの歯科用装置が主として望ましい移動方向により適切に嵌るように、歯冠の形状を変化させるために使用されるものである。一般に、アタッチメントは、別の方法では歯科用装置が嵌りにくい歯の垂直面上に「隆起」または「アンダーカット」を提供する働きをする。

歯の望ましい移動を達成するための既存のアプローチには、計画した次の位置またはn+1の位置をもとに歯科用装置を製造し、治療段階の現在の位置またはn位置にある間に歯にかぶせることが含まれる。一般に、歯科用装置またはその部分の変形(歯科用装置の製造に使用される歯の位置と、その上にかぶせて配置された歯の位置との差異から結果的に生じたもの)により生成された力およびトルクによって、治療段階で計画した次の位置に歯を移動させる原因となることが想定されている。

ところが実際には、生成された力およびトルクの方向は、歯科用アタッチメントが治療に使用されているかどうかに関わらず、意図された歯の移動方向を向いていないことが考えられる。さらに、現在の歯の移動は、歯冠についてのみプログラムまたは設定ができ、よって歯根またはその他の解剖学的構造は考慮対象とはなっていない。歯根またはその他の解剖学的構造は、歯冠の移動を妨げ、また歯骨ソケット内で抵抗の中心を下げる可能性がある。一般に、歯冠に対する力の結果としての抵抗の中心に対する望ましくないトルクは、簡単には釣り合わせることができない。その上、治療の過程で歯が移動するにつれて、歯科用装置の変形が減少し、かけられた力も同様に減少することになる。

(発明の要約) 一つの実施態様において、歯の最初の位置の確定、治療計画における歯の目標位置の決定、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した移動ベクトルの計算、移動ベクトルに対応する多数の成分の決定、および一つ以上のアタッチメント装置が歯科用装置と噛み合うように歯の平面に対してそれぞれの一つ以上のアタッチメント装置の対応する一つ以上の位置の決定を行うための方法および装置を提供する。

本書で使用するとき、アタッチメントは、歯に付着しうる任意の形態の材料とすることができ、予め成形されたもの、テンプレートを用いて成形されたもの、または歯の表面に付着する非晶質の形態であるかを問わない。これは、粘着性物質を使用して歯の表面に配置することができるか、または粘着性物質自体をアタッチメントとして歯の表面に配置させることもできる。

本発明のこれらの特徴および利点、ならびにその他の特徴および利点は、以下の発明の詳細な説明および添付図面を検討することにより理解される。 例えば、本発明は以下の項目を提供する。 (項目1) 歯を最初の位置から目標位置に移動する方法で、その方法は以下を含む: 歯の最初の位置の確定、 治療計画における歯の目標位置の決定、 最初の位置と目標位置との間の掃引形状経路、および歯を最初の位置から目標位置に移動するための関連する移動ベクトルの決定、および 決定した掃引形状経路に基づく歯のための歯科用装置の窩洞の修正。 (項目2) 上記窩洞の修正に、予め定めた対応する歯の一つ以上の表面と接触するための上記歯科用装置の内部表面上の一つ以上の接点の定義が含まれる、項目1の方法。 (項目3) 上記窩洞の修正に上記歯科用装置の内部表面上での一つ以上の特徴の定義が含まれ、この一つ以上の特徴が移動ベクトルと関連したものである、項目1の方法。 (項目4) 一つ以上の特徴にへこみが含まれる、項目1の方法。 (項目5) 上記歯科用装置の内部表面と歯との間の摩擦を最小化するために上記窩洞が修正される、項目1の方法。 (項目6) 上記掃引形状経路が、最初の位置と目標位置との間の和集合形状であり、その和集合形状が治療計画におけるある位置から次の位置までの多数の増分を含む、項目1の方法。 (項目7) 上記掃引形状経路の決定が最初の位置と目標位置との間の干渉を除去する経路の決定を含む、項目1の方法。 (項目8) 上記移動ベクトルが、歯を最初の位置から目標位置に移動するために上記歯科用装置によって歯にかけられる力のシステムを確立するように構成されている、項目1の方法。 (項目9) その力のシステムが力、力のモーメント、および偶力モーメントのうち少なくとも一つを含む、項目8の方法。 (項目10) 上記移動ベクトルに対応する多数の成分の決定がさらに含まれる、項目1の方法。 (項目11) 多数の成分のそれぞれの一つに対応する、それぞれの一つ以上の力がかかるように、上記歯科用装置の内部表面が構成されている、項目10の方法。 (項目12) その多数の成分により、歯の回転変位、歯の変位、歯の線形変位、またはその一つ以上の組み合わせのうち一つ以上が提供されうる、項目10の装置。 (項目13) さらに、歯の平面に対する一つ以上のアタッチメント装置の対応位置の決定を含み、その一つ以上のアタッチメント装置は接点で上記歯科用装置と噛み合い、上記移動ベクトルに対応する成分(構成要素)のうち少なくとも一つを生成するよう構成されている、項目1の方法。 (項目14) さらに、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した上記移動ベクトルの方向に実質的に直交する表面積の決定を含む、項目1の方法。 (項目15) さらに、高速プロトタイピングを使用した上記歯科用装置の作成を含む、項目1の方法。 (項目16) 上記歯科用装置が重合体シェルを具備する、項目1の方法。 (項目17) 特定の窩洞を持つ歯科用装置と共に歯を移動させる方法で、その方法は以下を含む: 歯の最初の位置の確定、 治療計画における歯の目標位置の決定、 最初の位置から目標位置への歯の移動に関連する最初の移動ベクトルの計算、 最初の移動ベクトルに対応した構成要素の決定、および 歯の平面に対する一つ以上のアタッチメント装置の対応位置の決定で、その一つ以上のアタッチメント装置は接点で上記歯科用装置と噛み合い、最初の移動ベクトルと対応する構成要素を生成するよう構成されている。 (項目18) さらに、歯を徐々に再配置するよう選択された幾何学形状を持つ多数の歯科用装置の生成を含み、その歯科用装置が窩洞を持つ重合体シェルを備え、また次のシェルの窩洞が、歯を受けて一つの配列から次の配列に弾力的に再配置する形状である異なる幾何学形状を持つ、項目17の方法。 (項目19) その多数の成分が力の大きさおよび力の方向のうち、少なくとも一つを含む、項目17の方法。 (項目20) 上記アタッチメント装置が、実質的に歯の平面で上記歯科用装置に予め定めた力をかけるように構成されている、項目17の方法。 (項目21) その多数の成分が、歯の回転変位、歯の角変位、歯の線形変位、またはその一つ以上の組み合わせのうち一つ以上を提供するよう構成されている、項目17の方法。 (項目22) その一つ以上のアタッチメント装置に、互いに対して隣接する位置にある歯に提供された多数の歯科用アタッチメント装置が含まれる、項目17の方法。 (項目23) 上記歯科用装置が、ある期間において、多数の隣接する歯科用アタッチメント装置のそれぞれと順次かつ別個に物理的に接触するように構成された、項目22の方法。 (項目24) さらに、一つ以上のアタッチメント装置の歯の平面への取り付けを含む、項目17の方法。 (項目25) 項目17の方法で、その方法はさらに以下を含む: 一つ以上のアタッチメント装置の対応位置を決定した後の、次の目標位置への歯の移動に関連する第二の移動ベクトルの決定。 (項目26) さらに、上記歯科用装置が第二の移動ベクトルに対応する一つ以上の成分を生成するように構成されるような上記歯科用装置の形状の修正を含む、項目25の方法。 (項目27) 上記歯科用装置が重合体シェルを具備する、項目17の方法。 (項目28) さらに、高速プロトタイピングを使用した上記歯科用装置の作成を含む項目17の方法。 (項目29) 歯科用装置のモデリングおよび歯の移動用のアタッチメント装置の再配置をするための装置で、その装置は以下を含む: データストレージユニット、 上記データストレージユニットに接続された治療装置で、その治療装置が歯の最初の位置の決定、治療計画における歯の第二の位置の決定、歯を最初の位置から第二の位置へと移動させる掃引形状経路に関連した移動ベクトルの計算をするように構成されているもの。 (項目30) 上記データストレージユニットが、少なくとも一つの患者治療歴、歯列矯正治療、歯列矯正情報、および診断から構成されるデータベースを含む、項目29の装置。 (項目31) 項目29の装置で、その装置はさらに以下を含む: 上記移動ベクトルに対応する構成要素の決定、および 一つ以上のアタッチメント装置が接点で上記歯科用装置と噛み合い、上記移動ベクトルに対応する構成要素を生成するような、歯の平面に対する一つ以上のアタッチメント装置の位置の決定。 (項目32) その一つ以上のアタッチメント装置が、実質的に歯の平面で上記歯科用装置に予め定めた力をかけるように構成された、項目31の装置。 (項目33) その一つ以上のアタッチメント装置に、それぞれに対して隣接した位置にある歯に提供された多数の歯科用アタッチメント装置を含めることができ、また上記歯科用装置は、予め定めた期間において、多数の隣接する歯科用アタッチメント装置のそれぞれに順次にかつ個別に物理的に接触するように構成されうる、項目31の装置。 (項目34) ここでその多数の成分が、歯の回転変位、歯の角変位、歯の線形変位、またはその一つ以上の組み合わせのうち一つ以上を提供しうる、項目31の装置。 (項目35) 上記治療装置がさらに、最初の位置と第二の位置との間の掃引形状経路に基づき上記歯科用装置の窩洞を修正するように構成される、項目29の装置。 (項目36) 上記治療装置がさらに、歯の対応する予め定めた表面と接触する歯科用装置の内部表面の接点を定義するよう構成される、項目29の装置。 (項目37) 上記治療装置がさらに、上記歯科用装置の内部表面の特徴を定義するように構成され、またその特徴が上記移動ベクトルに関連したものである、項目29の装置。 (項目38) 上記掃引形状経路が、最初の位置と第二の位置との間の和集合形状であり、またその和集合形状が、上記治療計画におけるある位置から次の位置への多数の増分を含む、項目29の装置。 (項目39) 上記移動ベクトルが、上記歯科用装置によって歯を最初の位置から第二の位置へと移動させるために歯にかかる力のシステムを確立するよう構成されている、項目29の装置。 (項目40) その力のシステムが、力、力のモーメント、および偶力モーメントのうち少なくとも一つを含む、項目39の装置。

図1Aは、模範的な一つの歯科用データマイニングシステムを示し、

図1Bは、一つ以上の歯科用装置の性能の分析を示し、

図1Cは、データマイニングシステムの一つの実施態様において使用される各種の移動タイプのデータを示し、

図1Dは、一つ以上の歯科用装置の性能の分析を示し、

図1E〜1Fは、治療計画を生成するためのクラスタライザーの各種の実施態様を示し、

図1E〜1Fは、治療計画を生成するためのクラスタライザーの各種の実施態様を示し、

図2Aは、本発明に従いアライナー形状を計算するためのサブプロセスを含めた治療の過程を示すプロセスのフローチャートであり、

図2Bは、アライナー形状を計算するためのプロセスのフローチャートであり、

図3は、有限要素モデルを作成するためのサブプロセスのフローチャートであり、

図4は、アライナーの変化を計算するためのサブプロセスのフローチャートであり、

図5Aは、アライナー形状の変化を計算するためのサブプロセスのフローチャートであり、

図5Bは、アライナー形状の変化を計算するためのサブプロセスのフローチャートであり、

図5Cは、アライナー形状の変化を計算するためのサブプロセスのフローチャートであり、

図5Dは、図5Bのサブプロセスの動作を示す概略図であり、

図6は、何組かのアライナー形状を計算するためのプロセスのフローチャートであり、

図7は、統計的歯根モデルの模範的な図式であり、

図8は、歯根モデリングの模範的な図式であり、

図9は、歯のCTスキャンの模範的な図式であり、

図10は、歯を表示する模範的なユーザーインタフェースであり、

図11A〜11Bは、歯科用装置を配置した状態での歯の最初の位置、および結果的に生じる望ましくない力のベクトルをそれぞれ図示したものであり、

図11A〜11Bは、歯科用装置を配置した状態での歯の最初の位置、および結果的に生じる望ましくない力のベクトルをそれぞれ図示したものであり、

図11C〜11Dは、歯の周囲の望ましくない力のベクトルを相殺するための歯科用装置への逃げの追加、および結果的に生じる歯科用装置による所定の望ましい力の歯への適用をそれぞれ図示したものであり、

図11C〜11Dは、歯の周囲の望ましくない力のベクトルを相殺するための歯科用装置への逃げの追加、および結果的に生じる歯科用装置による所定の望ましい力の歯への適用をそれぞれ図示したものであり、

図12は、歯科用装置と歯の間のギャップを除去するための追加的な形状の変更を含めた、修正した歯科用装置の幾何学形状を図示したものであり、

図13は、歯の治療計画の掃引形状に基づく歯科用装置の形状の幾何学構成を図示したものであり、

図14A〜14Bは、歯の回転用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図14A〜14Bは、歯の回転用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図15は、歯の傾斜用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図16は、歯のアンギュレーション用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図17A〜17Bは、それぞれ頬側並進移動および舌側並進移動用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図17A〜17Bは、それぞれ頬側並進移動および舌側並進移動用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図18A〜18Bは、それぞれ近心および遠位の並進移動用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図18A〜18Bは、それぞれ近心および遠位の並進移動用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図19A〜19Bは、それぞれエクストルージョン(挺出)および圧下のために配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図19A〜19Bは、それぞれエクストルージョン(挺出)および圧下のために配置した歯科用アタッチメントを図示したものであり、

図20は、歯科用装置およびアタッチメントの補完的な噛み合いを図示したものであり、

図21は、歯科用装置の最適化された形状幾何学を図示したフローチャートであり、

図22は、歯科用アタッチメントの配置を図示したフローチャートであり、

図23は、有効な歯表面の計算に基づき、歯を予め定めた距離および方向に移動させる方法を図示したフローチャートであり、

図24は、歯の十分な有効表面積を得るためにアタッチメントが必要かどうかを判断する方法を図示したフローチャートであり、

図25は、歯科用装置の形状を計算するためのプロセスのフローチャートであり、

図26は、第一の段階から第二の段階への歯冠の点の軌道を示し、

図27は、歯の有効表面および抵抗表面を示し、

図28は、アタッチメントの追加による有効な歯表面の増加を例証したものであり、

図29は、アタッチメントおよび隆線をアタッチメントに一致させたアライナーを付けた歯の断面を示す。

(発明の詳細な説明) 現在では、数ある中でもAlign Technology, Inc.製のソフトウェアなどの三次元歯列矯正治療計画ツールまたはeModelsおよびOrthoCADなどの他の市販のソフトウェアにより、デジタル治療計画が可能となった。これらの技術により、臨床医は、治療計画をカスタマイズするための出発点として患者の実際の生歯を使用することができる。Align Technology, Inc.のソフトウェア技術では、米国特許出願番号第10/640,439号(2003年8月21日出願)、および米国特許出願番号第10/225,889号(2002年8月22日出願)で考察されているとおり、患者固有のデジタルモデルを使用して、治療計画がプロットされてから、達成後または実際の治療成績のスキャンを使用して、本来のデジタル治療計画と比較した転帰(アウトカム)の達成度が評価される。デジタル治療計画および転帰の評価での問題点は、データ量が多いことと、それによって個別の患者レベルで「治療の成功」を評価する標準および効率的な方法論が欠如していることである。情報を分析するために、歯科用データマイニングシステムが使用される。

図1Aは、模範的な一つの歯科用データマイニングシステムを示す。このシステムにおいて、歯科治療および転帰のデータセット1は、データベースまたは情報ウェアハウス2に格納される。データは、結果4を生成するデータマイニングソフトウェア3により抽出される。データマイニングソフトウェアは、データベース2内への取り込みおよび/またはそこでの更新が行われる情報を(直接)取り出すことができ、また患者の歯の問題に関連する出力データストリームを歯科用装置の解決策と共に生成することができる。データマイニングソフトウェアの出力は、最も有利にかつ自己反射的には、少なくともデータベースおよびデータマイニング相関アルゴリズムへのその後の入力として供給されうることに留意されたい。

図1Aのデータマイニングシステムの結果は、装置の構成を定義するため、または歯を漸次的に移動するための装置の構成の変更に使用される。歯の移動は、通常は歯列矯正治療に関連したものであり、これには三つの直交する方向すべての並進、縦の中心線に対して直角の回転軸を持つ二つの直交方向への歯の中心線の回転(「歯根のアンギュレーション」および「トルク」)、ならびに縦の中心線と平行な軸を持つ歯列矯正の方向への歯の中心線の回転(「純回転」)が含まれる。

一つの実施態様において、データマイニングシステムは、3Dでの治療計画における移動、開始位置および最終的に達成される歯の位置を取り込む。システムは、計画に対して転帰を比較し、また転帰は、歯列矯正用ブラケットおよびワイヤーなど、着脱可能な装置や固定装置を含めた任意の治療方法、さらには数ある中でも、顎矯正手術、歯周療法、および修復の計画に対する達成の比較などその他の歯科治療などを使用して達成できる。

一つの実施態様において、それぞれのアーチスキャンの治療ファイルを一致させるために、歯の重ね合わせツールが使用される。詳細化(その後の進展)スキャンを初期のスキャンと重ね合わせて、歯の生体構造および歯の座標系に基づき一致させる。二つのアーチ(歯列弓)が一致した後、重ね合わせツールは、上側アーチを下側アーチに関連付けるための基準を要求する。オプション「統計的フィルタリング」を選択すると、重ね合わせツールはそれぞれの歯について移動量を測定するが、これはまず、基準として、すべての歯の移動の平均よりも上または下のいずれかに、1標準偏差を超えて動いた歯を除去して(現段階と前段階の間の位置の違いにより決定)実施される。次に、それぞれの歯の移動を測定するために、残りの歯が基準として選択される。

図1Bは、一つ以上の歯科用装置の性能の分析を示す。散布図に「達成済み」の移動が「目標」の移動に対してプロットされ、また傾向線が生成される。散布図は、「散在した」すべてのデータ点がどこにあるかを示すために表示され、また傾向線は歯科用装置の性能を示すために生成される。一つの実施態様において、傾向線には直線(曲線でもよい)が選択され、よって傾向線は「散在した」すべてのデータについて「最も適合した」直線として提示される。アライナーの性能は、傾向線の勾配として表現される。Y軸切片は、アライナーの装着中に発生する偶発的な移動をモデル化する。予測可能性は、「達成済み」および「目標」のデータの回帰計算から得られたR2により測定される。 [0056] 図1Cは、データマイニングシステムの一つの実施態様において使用される各種の移動タイプのデータを示す。模範的なデータセットでは、拡大/収縮(+/−X並進)、近心化/遠位化(+/−Y並進)、圧下(−Z並進)、挺出(+Z並進)、ティッピング/アンギュレーション(X回転)、トルク/傾斜(Y回転)、および純回転(Z回転)が網羅される。

図1Dは、一つ以上の歯科用装置の性能の分析を示す。図1Dに示した動作のタイプについて、達成済みの動作はその特定のデータセットについて目標動作の約85%である。

図1Dに顕著に図示したとおり、実際の歯の移動は、一般に数多くの段階で目標の歯の移動より遅れる。一連の重合体装置による治療の場合には、こうした遅れは、歯の移動および患者の不快感といった否定的な転帰が不一致の程度に応じて確実に変化するため、治療の設計において重要な役割を果たす。

一つの実施態様において、170(図2A)および232(図2B)などの手順にある臨床的なパラメータは、実際の歯の位置をもとにした目標の統計的偏差を許容することにより、さらに正確なものとなる。例えば、現時点で目標の歯の移動が適切に達成されていない計算上の確率が大きいことによって、その後の移動目標は低減される可能性があるが、その結果として、その後の移動段階では、それより前の段階について意図された作業の完了を必要とする確率は高くなる。同様に、目標の移動は、期待される実際の移動がより適切に管理されるように、特に早期段階で望ましい位置を越えることもある。この実施態様では、繰り返し時間を最小化するという目標は犠牲にして、目標とする最終段階での転帰がより高い確率で達成できるような方法を優先させている。この方法は、類似した患者症例のクラスターに特定的な治療計画内で実現される。

表1は、一つの実施態様における歯の群を示す。歯の移動の符号規則は、表2に示すとおりである。選択した60のアーチの異なる歯の移動は、表3に降順で並べ替えて性能を例証した。装置の性能は、次の四つの別々の群に分けることができる:高(79〜85%)、平均(60〜68%)、平均未満(52〜55%)、および不適切(24〜47%)。表4は移動の予測可能性のランク付けを示す。予測可能性は、次の三つの群に分類される:非常に予測可能(0.76〜0.82)、予測可能(0.43〜0.63)および予測不可能(0.10〜0.30)。特定のデータセットについて、例えば、所見は次のとおりである。

門歯圧下および前歯圧下の性能は高い。範囲は門歯圧下について約1.7mm、および前歯圧下について約1.7mmである。これらの移動は非常に予測可能である。

犬歯圧下、門歯トルク、門歯回転および前歯トルクの性能は平均的である。範囲は犬歯圧下について約1.3mm、門歯トルクについて約34度、門歯回転について約69度、および前歯トルクについて約34度である。これらの移動は、予測可能または非常に予測可能のいずれかである。

小臼歯傾斜移動、小臼歯近心移動、臼歯回転、および側方拡大の性能は、平均未満である。範囲は小臼歯近心移動について約1ミリメートル、小臼歯傾斜移動について約19度、臼歯回転について約27度および側方拡大について約2.8ミリメートルである。小臼歯傾斜移動および近心化は予測不可能であり、残りは予測可能な移動である。

前歯および門歯挺出、丸歯および小臼歯回転、犬歯傾斜移動、臼歯遠位化、および後部トルク性能は不適切である。範囲は、前歯挺出について約1.7ミリメートル、門歯挺出について約1.5mm、丸歯回転について約67度、小臼歯回転について約63度、犬歯傾斜移動について約26度、臼歯遠位化について約2 ミリメートル、および後部トルクについて約43度である。予測可能(ただし、性能の面での収量は低い)である小臼歯回転を除き、すべてが予測不可能な移動である。

一つの実施態様において、データ駆動アナライザーを適用しうる。これらのデータ駆動アナライザーには、パラメトリック統計モデル、ノンパラメトリック統計モデル、クラスター形成モデル、最近隣モデル、回帰法、および工学的(人工的)ニューラルネットワークなど、多数のモデルを組み込みうる。作業の前に、一回以上の訓練セッションを使用してデータ駆動アナライザーまたはモデルを作成する。これらのセッションでのアナライザーまたはモデルの作成に使用するデータは、一般に訓練データと呼ばれる。データ駆動アナライザーは、訓練用の例のみを吟味することで作成されるため、訓練データの選択は、データ駆動アナライザーの精度および学習速度に著しく影響しうる。これまでに使用した一つのアプローチでは、訓練目的のための試験セットと呼ばれる別個のデータセットが生成された。試験セットは、モデルまたはアナライザーの訓練データに対する過度の適合を避けるために使用される。過度の適合とは、アナライザーが訓練データをあまりによく記憶しているため、想定していないデータを適合または分類できない状況を意味する。一般に、アナライザーまたはモデルの作成中に、アナライザーの性能が試験セットに対して試験される。アナライザーまたはモデルのパラメータの選択は、試験セットの分類におけるアナライザーの性能が最適な点に到達するまで反復的に実施される。この時点で、訓練プロセスが完了する。独立した訓練および試験セットの使用に対する代替策は、相互検証と呼ばれる方法の使用である。相互検証は、パラメトリックアナライザー用のパラメータ値またはノンパラメトリックアナライザー用のモデルを決定するために使用できる。相互検証では、単一の訓練データセットが選択される。次に、反復プロセスで、訓練データの異なる部分を試験セットとしてアナライザーに提示することにより、多数の異なるアナライザーまたはモデルが作成される。次に、すべてのモデルまたはアナライザーの性能が総合的に評価され、この総合的な性能に基づきパラメータまたはモデルの構造が決定される。相互検証アプローチでは、アナライザーまたはモデルは、一般に決定された最適なモデル構造を使用したデータにより再訓練される。

一つの実施態様において、データマイニングソフトウェア3(図1A)は、索引用にデータベース2(図1A)上のデータを取り込む「スパイダー」または「クローラー」としうる。一つの実施態様において、データ内のパターンを検出するためにクラスタリング演算が実施される。別の実施態様において、ニューラルネットワークは歯科治療パターンの認識においてかなり確実であるため、それぞれのパターンを認識するためにニューラルネットワークが使用される。治療の特徴がいったん特性付けされると、ニューラルネットワークは次に入力された歯科情報を、とりわけニューラルネットワークの認識装置によって既知の格納された治療語彙のテンプレートと比較する。認識モデルには、とりわけ、隠れマルコフモデル(HMM)、ダイナミックプログラミングモデル、ニューラルネットワーク、ファジー論理、またはテンプレート照合器などが含まれる。これらのモデルは単独でまたは組み合わせで使用しうる。

ダイナミックプログラミングでは、N点を通ったM「フレーム」の考えられるすべての経路が考慮されるが、任意の所定のフレームkに対する任意の点iからその次のフレームk+1の任意の点jまでに遷移するための指定コストを条件とする。現在の点から次の点までの最適な経路は、その点を越えて発生する事柄とは独立しているため、i(k)までのj(k+l)で終わる経路の最小合計コスト[i(k),j(k+l)]は、その遷移自体のコストに、i(k)までの最小経路のコストを加えたものである。考えられる直前のコラムおよび現在のコラムの累積コストが含まれるように、先行する経路の値は、MxNアレイ内に格納できること、および累積されたコストは2xNアレイに格納できることが望ましい。ただし、この方法では、かなりの計算用のリソースを必要とする。

ダイナミックプログラミングでは、途方もなく膨大な量の計算を必要とする。認識装置が一連のフレームと一連のノードモデルとの間の最適な時間的整合を見つけるためには、ほとんどのフレームを多数のノードモデルに対して比較する必要がある。ダイナミックプログラミングに必要な計算量を減少する一つの方法は、プルーニングの使用である。プルーニングによって、部分的な確率スコアがその比較が所定の閾値を下回った場合に、所定の治療モデルに対して歯科治療の情報の所定部分のダイナミックプログラミングは打ち切られる。これにより計算が大いに減少する。

ダイナミックプログラミングを一般化したものと考えられる隠れマルコフモデルは、望ましい実施態様において、O(1)、O(2)、…O(t)、…、O(T)の発生率を評価するために使用されるが、ここで、それぞれの観察O(t)は、VQアプローチのもとでの離散的な記号または連続的なベクトルのいずれかである。一連の観察は、直接は観察できない状態遷移を持つ元になるマルコフ連鎖の確率的関数としてモデル化されうる。

好ましい実施態様において、マルコフモデルは、一連の治療観察の確率をモデル化するために使用される。状態間の遷移は、遷移行列A=[a(i,j)]で表現される。遷移行列のそれぞれのa(i,j)条件は、モデルが状態iにあるとして、遷移を状態jにする確率である。モデルの出力シンボルの確率は、一組の関数B=[b(j)]により表現されるが、ここで出力シンボル行列のb(j)条件は、モデルの状態がjである場合に特定の値O(t)について評価したときに観察O(t)を出力する確率を返す関数である。最初の状態は、マルコフ連鎖の初回のフレームについて、初期的な状態であるという制約が常にあり、定められた組の左から右への状態遷移のみが可能である。予め定めた最終状態が定義され、そこからは他の状態への遷移は発生しえない。

一つの実施態様において、遷移は、再びある状態になる、またはその次の二つの状態のうちどちらかになるものに制限される。こうした遷移は、モデル内で遷移確率として定義される。例えば、現時点で状態2に特徴信号のフレームを持つ治療パターンは、再び状態2になる確率a(2,2)、状態3になる確率a(2,3)および状態4になる確率a(2,4)=l − a(2,2) − a(2,3)を持つ。状態1になる確率a(2,1)または状態5になる確率a(2,5)はゼロで、また確率a(2,l)からa(2,5)までの合計は1である。望ましい実施態様は、現在の状態へまたはその次の二つの状態へのフローグラフに制限されるが、当業者であれば、より柔軟性の高い遷移の制限を持つHMMモデルを作成しうる。ただし、それでも任意の状態からの遷移のすべての確率の合計は1となる必要がある。

モデルのそれぞれの状態jにおいて、現在の特徴フレームは、予め定義された一組の出力シンボルのいずれかにより識別されるか、または確率的にラベル付けされる。この場合、出力シンボルの確率b(j) (O(t))は、特徴フレームのシンボルがO(t)であるモデルにより割り当てられた確率に対応する。モデルの配列は、遷移確率の行列A=[a(i,j)]であり、B=[b(j) (O(t))]を計算する技法である。

一つの実施態様において、マルコフモデルは、多数の一連の訓練パターンから基準パターン用に形成され、出力シンボルの確率は多変量のガウス関数確率密度である。歯科治療の情報は、特徴抽出器内を通過する。学習中、結果的に生じる特徴ベクトル系列が、パラメータ推定器により処理され、その出力が隠れマルコフモデルに供給される。隠れマルコフモデルは、一組の基準パターンテンプレートを導き出すために使用されるが、それぞれのテンプレートは、基準の治療パターンの語彙セット内で識別されるパターンを表すものである。マルコフモデルの基準テンプレートは次に、それぞれのマルコフモデルの基準パターンテンプレートから観察が生成される確率を基に、一連の観察を基準パターンの一つに分類するために利用される。認識中に、未知のパターンを尤度計算機内で最も高い確率を持つ基準パターンとして識別できる。

HMMテンプレートは多数の状態を持つが、それぞれが離散的な値を持つ。ところが、治療パターンの特徴は単一の値ではなく動的パターンを持つことがあるため、一つの実施態様においてHMMの前端にニューラルネットワークを付加することで、動的な値を持つ状態を表す能力が付与される。ニューラルネットワークの入力層は、入力ニューロンを含む。入力層の出力は、中間層にあるすべてのニューロンに配布される。同様に、中間層の出力は、すべての出力ニューロンに配布されるが、この出力ニューロンは、HMMの内部状態と一対一の対応をする。ところが、それぞれの出力は、それ自体に、または他の出力に対する遷移確率を持ち、こうして修正されたHMMが形成される。こうして形成されたHMMのそれぞれの状態は、特定の動的信号に応答する能力があり、結果的にさらに確実なHMMとなる。別の方法として、ニューラルネットワークはHMMアーキテクチャーの遷移確率に頼ることなく単独で使用できる。

図1Aの出力ストリームまたは結果4は、医師による歯科用装置の設計および/または用途の改善のためのフィードバックとして使用される。例えば、データマイニングの結果を利用して、段階的なアプローチに基づく性能の評価、治療アプローチに基づく装置性能インデックスの比較、および歯上での異なるアタッチメント形状および位置を比較した性能の評価を行うことができる。

大規模なクラスターの治療転帰についての歯固有の効果および製品性能を研究する能力により、二つ以上のケース母集団間の統計的に有意な比較ができるようになる。研究した二つのクラスターに治療アプローチ、装置設計、または製造手順の差異が含まれている場合には、データ出力によって示された製品の性能において見られる差異は、そのアプローチ、設計、または製造手順によるものである可能性がある。最終結果は、著しく大きな標本サイズからの客観的な計測可能データを用いた性能データに基づき、臨床医または製造者のいずれかが、製品の設計および用途を最適化する能力を得ることのできるフィードバック機構である。

歯列矯正治療の理論は、広く一般には認められておらず、また実際の治療および転帰は、患者変数の測定、未測定の患者変数との関係、および変動する患者の遵守などについての追加的な不確実さに左右される。その結果、一人の患者に対して、別の臨床医が別の治療計画を優先することもある。このように、普遍的に受け入れられる「正しい」治療計画はないため、単一の治療計画がどの臨床医にも受け入れられるとは限らない。

次のいくつかの実施態様では、治療パラメータを臨床医の意向に応じて調整することにより、より多くの臨床医からの満足、そしてより多くの患者からの満足を得ることができる。システムでは、臨床医の治療歴を統計的に観察することにより治療優先度の差異が検出される。例えば、同程度の叢生の場合に、臨床医が小臼歯の抜去をどの程度の確率で実施するかはさまざまに異なる。所定の臨床医について十分な過去の治療記録が存在しない場合でも、地理的な位置、訓練に関連する変数、または実務の規模や性質など、その他の予測変数についてクラスター化を実施して、治療パラメータにおける統計的に有意な差異を観察することもできる。

データマイニングにより、同程度の患者において異なる臨床医が達成した異なる治療転帰について、統計的に有意なパターンを発見することができる。例えば、クラスター化された患者の症例は、ある臨床医では他の臨床医と比較して、体系的に合併症が少ない可能性がある。データマイニングツールにより検出されたこうした差異は、比較的実績の低い臨床医へのフィードバックのためのフラグとして、また比較的実績の高い臨床医によって使用される治療差異の依頼のためのフラグとして使用することができる。

一つの実施態様において、それまでに完了した症例についてクラスタリング技法が使用され、治療の合併症および転帰が分類される。次に、それぞれのクラスター内でリスクについての確率モデルが構築される。次に新しい症例が、治療前の変数の類似性に基づき、同じクラスターに配分される。次に、治療の転帰および合併症のリスクを予測するために、治療を完了したそれぞれの患者クラスター内でのリスクが新しい症例で使用される。次に、高リスクの患者には、おそらく治療計画または追加的臨床処置における追加的な手順など、特別な注意を促すためのフラグが立てられる。

別の実施態様において、医師は観察された臨床医の治療優先度により群にクラスター化され、治療パラメータは、観察された治療優先度とより近く一致するようにそれぞれの群内で調節される。次に、観察された履歴を持たない医師は、既知の治療歴のあるクラスター内の医師の既知の変数との類似性に基づき、群に割り当てられる。

図1Eは、クラスター化の方法についての模範的なプロセスを示す。プロセスではまず、治療優先度、転帰、および人口統計や実務の変数などの臨床医の治療歴に基づき、治療方法がクラスター化される(20)。次にシステムにより、それぞれのクラスター内で好ましい臨床上の制約がモデル化される(22)。次に、人口統計および実務の変数に基づき、システムにより、20のクラスターに治療歴のない臨床医が割り当てられる(24)。一つの実施態様において、システムは、それぞれのクラスター内でプロセス100(図2Aを参照)をクラスター固有の臨床上の制約を使用して別個に実行する(26)。さらに、システムは、新規の治療および転帰データが到着したときに、クラスターおよびクラスター割当を更新する(28)。

図1Fは、治療案を生成するためのデータマイニングシステムの別の実施態様を示す。まず、システムは、詳細な追跡検査データ(複数の高解像度スキャンなど)、診断、治療パラメータおよび転帰、および人口統計変数に基づき、詳細な追跡検査のある患者病歴を識別/クラスター化する(40)。それぞれのクラスター内で、システムは意図した位置と追跡検査データから得られた実際の位置との間の差異をモデル化する(42)。さらに、それぞれのクラスター内で、システムは特別な望ましくない転帰についてリスクをモデル化する(44)。第2階層のクラスタリングで、詳細な追跡検査データの少ない患者病歴が、使用可能な変数に基づきクラスター化される。第2階層のクラスター化は、第2階層のクラスターのうち数の多い方が、それぞれ40で計算されたクラスターに割り当てられるか、またはそうでなければ新規クラスターと見なされうる程度に十分部分的である(46)。システムは、手順46のクラスターからの追加記録によって手順42のモデルを改良する(48)。また、手順48のクラスターからの追加記録によって手順44のモデルを改良できる(50)。第3階層のクラスター化では、システムは次に、診断、人口統計、および初期健康診断に基づき、新規患者を手順46のクラスターに割り当てる(52)。それぞれの手順52のクラスター内で、システムは意図した位置と実際の位置との間の期待される差異をモデル化する(54)。手順54から、システムは関連する場合(232および250など、図2B)には更新された期待される位置の情報を使用する(67)。さらに、それぞれの手順52のクラスター内で、システムは望ましくない転帰のリスクをモデル化する(56)。手順56から、システムはまた、特別な注意および臨床上の制約(204および160など、図2Bおよび2A)を必要とするケースにフラグを立てる(69)。次にプロセスは、それぞれの手順52のクラスターについて治療計画をカスタマイズする(58)。次に、システムはデータを反復的に収集し(61)、患者病歴の識別/クラスター化に一巡して戻る(40)。さらに、クラスターは更新および再割当をすることができる(63)。また、システムは、追加的な追跡検査分析について良好な表示のないクラスターの連続的な識別も行う(65)。

臨床治療の場面において、歯の移動の各段階で考えられる全面的に高解像度のデータを入手または処理することは費用効果の良い方法ではない。例えば: ・患者は、臨床医を訪れるたびに、異なる複数の装置を使用することになりうる。 ・ある患者は、一組の歯の印象のみを提出することになりうる。 ・放射線への懸念から、使用するCTまたはX線スキャンの回数が制限されることもありうる。 ・一般に臨床医は、毎回の訪問時にそれぞれの歯についての詳細な空間情報を報告する時間がない。

これらおよびその他の制限事項により、部分的な情報に基づき治療計画を行う必要がある。

一つの実施態様において、不足した情報は患者間の予測的な特性と、詳細な追跡検査の情報が収集される代表的な標本を一致させることで実質的に概算することができる。この場合には、予想度の低い治療転帰に基づき患者にフラグが立てられ、追加的な組の歯の印象の収集および分析など、追跡検査の情報が要請される。次に、その結果得られる情報が、患者のクラスターおよび後からそのクラスターに割り当てられた患者の治療を調整するために使用される。

一般に、患者データがスキャンされ、上述のデータマイニングシステムを使用してデータが分析される。治療計画がシステムによって提案され、歯科医師による承認が求められる。歯科医師は、その治療計画の承認または修正の要請を行うことができる。治療計画が承認されると、装置の製造を開始できる。

図2Aは、患者の歯列矯正治療のための装置の再配置の定義および生成のための模範的なプロセス100の一般的な流れを図示したものである。説明するとおり、プロセス100には本発明の方法が含まれ、またこれは本発明の装置にとって適切である。本プロセスの計算的な手順は、一つ以上の従来のデジタルコンピュータ上で実行するためのコンピュータプログラムモジュールとして、有利に実装される。

初期的な一つの手順として、患者の歯または口の組織のモールドまたはスキャンを行う(110)。この手順には一般に、患者の歯および歯茎の成型が関与し、それに加えてまたは代替的にワックスバイト、直接接触スキャニング、X線撮像、断層撮像、超音波撮像、および歯、顎、歯茎およびその他の歯科矯正学的に関連性のある組織の位置および構造に関する情報を入手するためのその他の技術が関与することもある。そのようにして入手されたデータから、初期的な(つまり治療前の)患者の歯およびその他の組織の配列を表すデジタルデータセットが導き出される。

初期的なデジタルデータセットには、スキャン作業からの生データと、生データから導き出された表面モデルを表すデータの両方が含まれうるが、これが互いに組織の構成要素を細分化するために処理される(手順120)。特に、この手順において、個別の歯冠をデジタル表現したデータ構造が生成される。有利なことに、測定または推定された隠れた表面および歯根構造、ならびに周囲の骨および軟組織を含めた、歯全体のデジタルモデルを生成できる。

望ましい歯の最終位置(つまり、望ましいおよび意図する歯列矯正治療の最終結果)は、臨床医から処方の形式で受け取ったり、基本的な歯列矯正の原理から計算したり、または臨床の処方を基に外挿入により計算することもできる(手順130)。望ましい歯の最終位置についての明細および歯自体のデジタル表現により、それぞれの歯についての最終位置および表面の幾何学形状を指定して(手順140)、望ましい治療の終了時での歯の完全なモデルを形成することができる。一般に、この手順において、それぞれの歯の位置が指定される。この手順の結果は、推定的に安定した組織に対するモデル化した歯の歯科矯正学的に正しい再配置を表す一組のデジタルデータ構造である。歯および組織はどちらもデジタルデータとして表現される。

それぞれの歯について開始位置および最終位置の両方が揃うと、プロセスでは次に、それぞれの歯の移動についての歯の経路を定義する。一つの実施態様において、歯の経路は、歯がその最初の位置からその望ましい最終位置へと最も早い方法で移動し、歯を移動させる往復の量が最も小さくなるように、全体として最適化される。(往復とは、望ましい最終位置への直接方向以外の任意の方向への歯の任意の移動である。往復は、歯が互いを通過して移動できるように時として必要である。)歯の経路が細分化される。セグメントは、セグメント内でのそれぞれの歯の移動が、直線および回転並進の閾値の限界内にとどまるように計算される。このようにすることで、それぞれの経路セグメントの最終点は、臨床的に実行可能な再配置を構成することができ、またセグメントの最終点全体は、臨床的に実行可能な一連の歯の位置を構成することができ、順序の上での一つの点から次の点への移動による歯の衝突が起こらない。

直線および回転並進の閾値の限界は、一つの実施例において、使用する装置の性質に基づき、デフォルト値で初期化される。より独立的に調節された限界値は、患者固有のデータを使用して計算できる。限界値は、装置計算(手順170、後述)の結果に基づき更新することもでき、これによって、一つ以上の歯の経路に沿った一つ以上の点で、その装置によって、その時点で存在する歯および組織の構成に対して生成されうる力が、一つ以上の歯の経路セグメントにより表現される再配置を達成できないことを判断することができる。この情報を用いて、細分化された経路を定義するサブプロセス(手順150)により、経路または影響のあるサブ経路の計算ができる。

プロセスのさまざまな段階で、また特に細分化された経路が定義された後、プロセスでは、患者の治療に責任を持つ臨床医との対話ができ、一般にはそのような対話を行う(手順160)。臨床医との対話は、歯の位置およびモデル、ならびにサーバーコンピュータまたはプロセスからの経路情報を受信するようにプログラムされたクライアントプロセスを使用して実行でき、そこでプロセス100の他の手順が実行される。クライアントプロセスは、臨床医が位置および経路のアニメーションを表示できるよう、また臨床医が一つ以上の歯の最終位置をリセットでき、また細分化された経路に適用される制約を指定できるように有利にプログラムされる。臨床医がこうした何らかの変更をした場合には、細分化された経路を定義するサブプロセス(手順150)が再び実行される。

細分化した歯の経路および関連する歯の位置データが、経路セグメントにより指定された手順で定義した治療経路上で歯を移動させることになる、臨床的に許容できる装置の配置(または装置の配置内の連続的な変化)を計算するために使用される(手順170)。それぞれの装置の配置は、その患者に対する治療経路に沿った手順を表す。それぞれの離散した位置に、その前の別個の手順によって達成済みの歯の位置からの直線の歯の移動または単純な回転が続きうるように、また患者の生歯への歯科矯正学的に最適な力量がそれぞれの手順で必要な再配置の量に関与するように、手順が定義され計算される。経路の定義手順と同様に、この装置の計算手順には、臨床医との対話、さらには反復的な対話が含まれる(手順160)。この手順を実装するプロセス手順200の演算については、以下にさらに詳しく説明する。

装置の定義が計算されると、プロセス100は、製造手順(手順180)に進むことができ、そこでプロセスにより定義された装置が製造されるか、装置の配置または装置の配置への変更を定義するための手動または自動のプロセスにより使用できる、電子的または紙媒体での情報が作成される。

図2Bは、上記に言及した米国特許番号第5,975,893号で説明した種類の重合体シェルアライナー用の装置演算手順(図2A、手順170)を実装するプロセス200を図示したものである。プロセスへの入力には、初期アライナー形状202、各種のコントロールパラメータ204、および現在の治療経路セグメント206の終了時での望ましい歯の最終配置が含まれる。その他の入力には、顎の中に配置された歯のデジタルモデル、顎組織のモデル、および初期アライナー形状の明細およびアライナー材料の明細が含まれる。この入力データを使用して、プロセスは、アライナーを歯の上に配置した状態のアライナー、歯および組織の有限要素モデルを作成する(手順210)。次に、プロセスは有限要素分析をアライナー、歯および組織の複合有限要素モデルに適用する(手順220)。この分析は、終了条件に到達するまで実行されるが、この時点で、プロセスは現在の経路セグメントについて歯が望ましい最終位置に到達したかどうか、または、望ましい最終位置に十分近い位置かどうかを評価する(手順230)。歯が許容できる最終位置に到達していない場合には、プロセスは新しい候補のアライナー形状を計算する(手順240)。許容できる最終位置に到達した場合には、有限要素分析により計算された歯の動きが評価され、歯列矯正で許容できるかどうかが判断される(手順232)。許容できない場合には、プロセスは再び新しい候補アライナー形状の計算を続行する(手順240)。動きが歯列矯正で許容可能であり、かつ歯が許容できる位置に到達した場合には、現在のアライナー形状が前に計算されたアライナー形状と比較される。現在の形状がこれまでで最も適切な解決策である場合(決定手順250)は、その形状がこれまでで最も適切な候補として保存される(手順260)。そうでない場合は、考えられる中間結果としてのオプションの手順に保存される(手順252)。現在のアライナー形状がこれまでで最も適切な候補である場合、プロセスはその形状が許容されるのに十分に適切かどうかを判断する(決定手順270)。そうである場合、プロセスは終了する。そうでなければプロセスは継続し、別の候補形状を計算し(手順240)、分析を行う。

有限要素モデルは、さまざまなベンダー製のコンピュータプログラムアプリケーションソフトウェアを使用して作成できる。立体幾何学モデルの作成には、Autodesk, Inc.(カリフォルニア州サンラファエル)製のAutoCAD(R)ソフトウェア製 品など、コンピュータ支援エンジニアリング(CAE)またはコンピュータ支援設計(CAD)プログラムを使用できる。有限要素モデルの作成およびその分析には、CADSI(アイオワ州コーラルビル)製のPolyFEM製品、Parametric Technology Corporation(マサチューセッツ州ウォルサム)製のPro/Mechanicaシミュレーションソフトウェア、Structural Dynamics Research Corporation(SDRC)(オハイオ州シンシナティ)製のI−DEAS設計ソフトウェア製品、およびMacNeal−Schwendler Corporation(カリフォルニア州ロサンゼルス)製のMSC/NASTRAN製品を含めた、多数のベンダーからのプログラム製品を使用できる。

図3は、プロセス200の手順210(図2 [sic])を実行するために使用できる有限要素モデルを作成するプロセス300を示す。モデル作成プロセス300への入力には、歯および組織を描写する入力データ302およびアライナーを描写する入力データ304が含まれる。歯を描写する入力データ302には、歯のデジタルモデル、剛体組織構造のデジタルモデル(入手できる場合)、基質組織(そこに歯が埋め込まれ、またそれらの組織の特定のモデルがない時にはそこに歯が結合される)をモデル化する粘性の高い流体についての形状および粘性の明細、およびモデル要素の移動できない境界を指定した境界条件が含まれる。一つの実施例において、モデル要素には、歯のモデル、粘性の高い埋め込み用基質流体のモデル、および事実上、モデル化した流体を保持する剛体容器を定義する境界条件のみが含まれる。流体の特性は、例えば年齢の関数としてなど患者クラスターごとにさまざまに異なることに留意されたい。

歯および組織の初期的な配置の有限要素モデルが作成され(手順310)、後でのプロセスの反復での再使用のために任意にキャッシュされる(手順320)。歯および組織に行われるのと同様に、重合体シェルアライナーについて有限要素モデルが作成される(手順330)。このモデルの入力データには、アライナーが作成される材質を指定するデータ、およびアライナーの形状(データ入力304)が含まれる。

次に、モデルアライナーが計算的に操作され、モデル顎にモデル化された歯に装着され、定位置アライナーの複合モデルが作成される(手順340)。オプションとして、歯に取り付ける任意の金具を含めて歯の上に嵌るようにアライナーを変形させるために必要な力が計算され、特定のアライナー配置の許容性を測定する際の性能指数として使用される。オプションとして、使用される歯の位置は、以前の治療手順およびその他の患者情報に基づく確率モデルから推測したものである。ただし、より単純な代替方法では、アライナーの変形は、歯の上から嵌めるために十分大きくするために十分な力をその内側にかけることによりモデル化し、モデルアライナーを複合モデル内のモデル歯に装着し、無限に剛体とするモデル歯および組織の条件を設定し、およびモデルアライナーが固定歯の上の位置に装着されるようにモデル化される。アライナーおよび歯の表面は、この段階で摩擦なしに相互作用するようにモデル化され、有限要素分析によって複合モデルについての解決策の探索、また歪んだアライナーの影響下での歯の移動の計算が始める前に、アライナーモデルがモデル歯の上から正しい初期的な配置を達成するようになる。

図4は、アライナー計算(プロセス200の手順240、図2B)で使用できる、次のアライナーの形状を計算するためのプロセス400を示す。次の候補アライナー形状を計算するために、さまざまな入力が使用される。これらには、複合モデルの有限要素分析の解決により生成されたデータの入力402および現在の歯の経路で定義されたデータ404が含まれる。有限要素分析から導き出されるデータ402には、シミュレートした歯の再配置が起こる実際の経過時間、分析により計算される実際の歯の最終位置、それぞれの歯にかかる最大の直線力およびねじり力、それぞれの歯の最大の線速度および角速度が含まれる。入力経路情報から、入力データ404には、現在の経路セグメントについての歯の初期的な位置、現在の経路セグメントの終了時での望ましい歯の位置、それぞれの歯についての最大許容変位速度、およびそれぞれの歯についてそれぞれの種類の最大許容力が含まれる。

それ以前に評価したアライナーが、一つ以上の制約に違反していることが判明した場合は、追加的入力データ406をプロセス400によって任意に使用することができる。このデータ406には、以前に評価されたアライナーが違反している制約、およびその何らかの最適に及ばない性能を識別する情報が含まれる。さらに、それ以前の歯科装置が違反している制約、およびその最適に及ばない性能に関連する入力データ408をプロセス400によって使用することができる。

初期的な入力データを受け取ると(手順420)、プロセスはモデル内の移動可能な歯について反復する。(一部の歯は、不動として識別され、不動として制約されうる。)それ以前に選択されたアライナーによる現在選択されている歯の移動の最終位置およびダイナミクスが許容できるものである場合(決定手順440の「yes」分岐)、プロセスは、すべての歯が考慮されるまで(手順430から手順470への「終了」分岐)、考慮するために次の歯を選択することで続行する(手順430)。そうでない場合(手順440の「no」分岐)、現在選択されている歯の領域内でのアライナーの変化が計算される(手順450)。次にプロセスは、説明したとおり、次の現在の歯の選択(手順430)に戻る。

すべての歯が考慮されると、アライナーに対して行われた総合的な変更が、それ以前に定義された制約に対して評価される(手順470)が、その例についてはすでに言及した。制約は、製造可能性などの、さまざまなさらなる考慮事項に関して定義することができる。例えば、制約は、アライナー材料の最大または最小の厚みを設定するために、あるいは歯冠をアライナーがカバーする最大または最小の範囲を設定するために定義できる。アライナーの制約が満たされた場合、変更が適用され、新しいアライナー形状が定義される(手順490)。そうでない場合、アライナーに対する変更は、制約を満たすように更新され(手順480)、更新された変更が新しいアライナー形状を定義するために更新される(手順490)。

図5Aは、現在の歯の領域内でのアライナーの変更を計算する手順(手順450)の実施を図示したものである。この実施例において、前に説明した入力データ(入力454)および規則452の規則ベースにある一組の規則452a〜452nを処理するために、ルールベースの推論エンジン456が使用される。推論エンジン456および規則452により、実際の入力データに適用されたときに、現在の歯の領域内でアライナーに対して加える変更を指定する一組の出力結果を生成する製造システムが定義される(出力458)。

規則452a…452nは、条件を定義する「if」部分と、条件が満たされた場合にアサートする結果または行動を定義する「then」部分の、従来的な二つの部分から成る形式を持つ。条件は単純なものでもよく、または複数のアサーションの複雑な論理積または論理和でもよい。アライナーに対して加える変更を定義した模範的な一組の規則には、歯の移動が早すぎる場合にアライナーの望ましい動作の方向の反対側に推進材料を加える、歯の移動が遅すぎる場合に歯の位置を過剰修正するために推進材料を加える、歯が望ましい最終位置に極端に満たない場合に過剰修正するために材料を加える、望ましい最終位置を極端に通り過ぎている場合にアライナーを硬くする材料を加えて歯を移動させてそれに合うようにする、最大量の推進材料を加えた場合に歯の再配置を過剰修正する材料を加えて推進材料は加えない、歯の移動が望ましい方向以外の方向である場合に歯の方向が変わるように材料の除去および追加をする、といったものが含まれる。

図5Bおよび5Cに図示した代替的な実施態様において、漸進的な差異ではなく、アライナーの絶対配置が計算される。図5Bに示すとおり、プロセス460は現在の歯の領域内のアライナーの絶対配置を計算する。すでに説明した入力データを使用して、プロセスは現在の歯についての望ましい最終位置と達成済みの最終位置との間の差異を計算する(462)。歯の中心線と歯茎組織のレベルとの交差点を基準点として使用して、プロセスは動作の6自由度すべて、すなわち、3度の並進および3度の回転の差異の補体を計算する(手順464)。次に、図5Bに示すとおり、モデル歯をその望ましい最終位置から補体の差異の量だけ移動させる(手順466)。

図5Dは、実例のモデルアライナー60を実例のモデル歯62にかぶせたものの平面図を示す。歯はその望ましい最終位置内にあり、またアライナー形状はその最終位置にある歯により定義される。有限要素分析により計算された実際の歯の移動は、歯を望ましい位置62ではなく位置64に配置したものとして図示されている。計算した最終位置の補体は、位置66として図示している。プロセス460の次の手順(図5B)では、前の手順(466)で計算された移動したモデル歯の位置(手順468)により、このプロセスの反復で現在の歯の領域内にアライナーが定義される。現在の歯の領域内のこの計算したアライナーの配置は、位置66にあるモデル歯の再配置により定義される形状68として図5Dに示されている。

規則452として実装することもできる(図5A)、プロセス460における更なる手順を図5Cに示す。現在の歯をその中心軸の方向に移動させるために、プロセスにより歯を移動させることを決定した(手順465)場所から離れた領域では、アライナーのその領域を定義するモデル歯のサイズ、またはその歯についてアライナー内に許容される空間の量が小さくなる。

図6に示すとおり、治療経路の手順についてアライナーの形状を計算するプロセス200(図2B)は、一連のアライナーの形状を計算するプロセス600の一つの手順である。このプロセス600は初期化手順602で始まり、ここで、初期データ、コントロールおよび制約の値が入手される。

アライナーの配置が治療経路のそれぞれの手順またはセグメントについて見つかると(手順604)、プロセス600はすべてのアライナーが許容可能であるかどうかを判断する(手順606)。許容可能な場合、プロセスは完了する。そうでない場合は、一組の許容可能なアライナーを計算する試みにおいて、プロセスは一組の手順610を任意に開始する。まず、アライナーに対する一つ以上の制約が緩和される(手順612)。次に、許容できないアライナーを持つそれぞれの経路セグメントについて、新しい制約を用いてアライナー成型のプロセス200(図2B)を実施する(手順614)。これによってすべてのアライナーが許容できるものになれば、プロセス600が終了する(手順616)。

アライナーは、さまざまな理由で許容できないこともあるが、そのいくつかはプロセスにより処理される。例えば、不可能な何らかの移動が必要な場合(決定手順620)、つまり、形状の計算プロセス200(図2B)で、そのための規則または調節が利用できない演算を実施する必要がある場合、プロセス600はハードウェアアタッチメントの配置を計算するモジュールの実行を対象の歯に対して続行し、それに対して力を適用し、必要な動きを達成することができる(手順640)。ハードウェアの追加は、局部的以上の効果を持ちうるため、ハードウェアをモデルに追加する際には、プロセス600の外側ループを再び実行する(手順642)。

不可能な移動が必要でない場合(手順620の「no」分岐)、プロセスはコントロールを経路定義プロセス(手順150、図2Aなど)に転送し、許容できないアライナーを持つ治療経路のその部分の再定義をする(手順630)。この手順には、歯の動きの増分の変更、つまり治療経路上での細分化の変更、治療経路内の一つ以上の歯で従う経路の変更、またはその両方が含まれうる。治療経路が再定義された後、プロセスの外側ループが再び実行される(手順632)。再計算は、有利なことに治療経路の再定義された部分にあるアライナーのみの再計算に限定される。すべてのアライナーがこれで許容可能となれば、プロセスが終了する(手順634)。許容できないアライナーがまだ残っている場合、プロセスは許容可能な組のアライナーが見つかるまで、または反復の限度に到達するまで繰り返すことができる(手順650)。この時点で、また同様に追加的ハードウェアの計算(手順640)など本明細書に記載したプロセス内の他の時点で、プロセスは、支援を要請するために臨床医または技術者など人間のオペレーターとの対話ができる(手順652)。オペレーターが提供する支援には、歯または骨に取り付ける適切なアタッチメントの定義または選択、追加する弾性要素の定義、治療経路の一つ以上のセグメントのために必要な力の提供、代替的な治療経路の提案(歯の動作経路において、または治療経路の細分化のどちらかにおいて)、ならびに有効な制約からの逸脱またはその緩和の承認などが含まれうる。

上述したとおり、プロセス600は、さまざまな項目の入力データにより定義およびパラメータ化できる(手順602)。一つの実施例において、このデータの初期化および定義には、全体的プロセスの外側ループについての反復の限度、アライナーが十分に適切かどうかを判断するために計算される性能指数の明細(図2B、手順270を参照)、アライナー材料の明細、アライナーの形状または配置が許容されるために満たす必要のある制約の明細、歯列矯正で許容可能な力および位置決めの動作および速度の明細、初期治療経路(これには、それぞれの歯についての動作経路および治療経路のセグメントへの細分化が含まれ、それぞれのセグメントは一つのアライナーにより達成される)、歯またはそれ以外に取り付けられた任意のアンカーの形状および位置の明細、およびその内部またはその上に歯が位置する顎の骨およびその他の組織についてのモデルの明細(説明中の実施例において、このモデルは、その内部に歯が埋め込まれ、また流体のための容器を実質的に定義する境界条件を持つ粘性の基質流体のモデルから成る)といった項目が含まれる。

図7は、統計的歯根モデルの模範的な図式である。この図に示すとおり、前述のスキャンプロセスを使用して、スキャンされた歯の上部分701が識別される。次に歯冠を含め、スキャンされた上部分にモデル化された3D歯根が追加される。歯根の3Dモデルは、統計的にモデル化することができる。歯根702の3Dモデルおよび上部分700の3Dモデルが一つになり、完全な歯の3Dモデルを形成する。

図8は、追加的な歯科情報を使用して改良した、歯根モデリングの模範的な図式を示す。図8において、追加的な歯科情報はX線情報である。歯のX線画像710がスキャンされ、完全な歯の形状の2Dビューが提供される。目標の歯の輪郭が、X線画像内で識別される。図7で作成したモデル712が、追加情報に従って修正される。一つの実施態様において、図7の歯のモデルが変形し、X線データに一致した新しいモデル714が形成される。

図9は、歯のCTスキャンの模範的な図式を示す。この実施態様において、歯根は患者の高解像度のCBCTスキャンから直接得られる。次に、スキャンされた歯根は、印象から得られた歯冠に適用するか、またはコーンビーム断層撮影法(CBCT)データから抽出した既存の歯冠と共に使用することができる。CBCTの一回のスキャンにより、3Dデータおよび複数形式のX線様のデータが得られる。PVS印象が回避される。

一つの実施態様において、コーンビームX線源および2D領域検出器により、患者の歯の生体構造がスキャンされるが、360度の角度範囲およびその全長に沿って、各種方法のうち任意の一つにより行うことが望ましく、ここで領域検出器の位置は線源に対して固定され、線源と物体との間の相対的な回転移動および並進移動によりスキャン(放射エネルギーによる物体の照射)が提供される。コーンビーム源のスキャン経路に沿った多数の線源位置(つまり、「ビュー」)への相対的な移動の結果、検出器により、対応する多数の連続した組のコーンビーム投影データ(本書では、コーンビームデータまたは投影データとも言う)が得られ、それぞれの組のコーンビームデータは、線源位置のそれぞれにある物体に起因するX線減衰を表す。

図10は、歯茎を切って出てきた歯を表示した模範的なユーザーインタフェースを示すが、これは別の実施態様における歯根情報と共に表示することもできる。それぞれの歯は、適切なハンドルを用いて個別に調節可能である。図10の実施態様において、ハンドルにより、オペレーターは歯を6自由度のある三次元で移動させることができる。

歯の移動は、ルートベースのシーケンシングシステム(root−based sequencing system)を用いて部分的にガイドされる。一つの実施態様において、移動は表面積の制約により制約され、一方で別の実施態様において、移動は体積の制約により制約される。

一つの実施態様において、システムはそれぞれの歯のモデルについて表面積を決定する。次に、システムは移動するすべての歯のモデルについてすべての表面積を合計する。次に、システムはアーチ上のすべての歯のモデルのすべての表面積を合計する。歯の移動のそれぞれの段階について、システムは歯のモデルの移動時に予め定めた面積比率または制約を満たしていることを確認する。一つの実施例において、制約は、移動する歯の表面積が移動する歯を保定するアーチ上の歯の合計表面積よりも少ない面積であることを確保することでもよい。比率が50%など特定の数よりも大きい場合、システムはオペレーターに対してエラー信号を示し、歯の移動速度をより遅くすべきであることを示す。

別の実施態様において、システムはそれぞれの歯のモデルについて体積を決定する。次に、システムは移動するすべての歯のモデルについて体積を合計する。次に、システムはアーチ上のすべての歯のモデルの合計体積を決定する。歯の移動のそれぞれの段階について、システムは歯のモデルの移動時に予め定めた体積比率または制約を満たしていることを確認する。一つの実施例において、制約は、移動する歯の体積が移動する歯を保定するアーチ上の歯の体積よりも少ない体積であることを確保することでもよい。比率が50%など特定の数よりも大きい場合、システムはオペレーターに対してエラー信号を示し、歯の移動速度をより遅くすべきであることを示す。

オプションとして、その他の特徴を歯モデルのデータセットに追加して、アライナー内に望ましい特徴が生成される。例えば、デジタルワックスパッチを追加して、窩洞または陥凹を定義して、アライナーと歯または顎の特定の領域との間の空間を維持することが望ましい場合もある。また、デジタルワックスパッチを追加して、波型またはその他の構造形態を定義して、特定の硬直またはその他の構造的性質を持つ領域を作成することが望ましいこともある。再配置装置を製造するためのポジティブモデルの生成に依存する製造プロセスにおいて、ワックスパッチをデジタルモデルに追加することにより、同様に追加されたワックスパッチの幾何学形状を持つポジティブモールドが生成される。これは、アライナーのベース形状の定義、または特定のアライナー形状の計算においてグローバルに実施することができる。追加可能な一つの特徴は歯肉線の周囲のリムで、そこからアライナーが製造されるデジタルモデル歯の歯肉線にデジタルモデルワイヤーを追加することによってこのリムを作成できる。アライナーがデジタル歯のポジティブ物理モデル上で圧力定着重合体物質により製造される時、歯肉線に沿ったワイヤーによってアライナーがその周囲にリムを持つことになり、歯肉線に沿って追加的な強度が提供される。

別のオプションの製造技術において、2枚以上の材料シートがポジティブ歯モデル上に圧力定着され、ここで、そのシートの一方はアライナーの尖端弓部(apex arch)に沿って切断され、他方は上部にかぶさる。これにより、歯の縦壁に沿って少なくとも2倍の厚みを持つアライナー材料が提供される。

アライナーの設計に対して加えることのできる変更は、それを製造するために使用される製造技術によって制約される。例えば、重合体シートをポジティブモデル上に圧力定着することでアライナーを作成する場合、アライナーの厚みはシートの厚みにより決定される。結果として、システムは一般に、モデル歯の向き、モデル歯の部分のサイズ、アタッチメントの位置および選択、および材料の追加または除去(例えば、仮想的ワイヤーの追加またはへこみの生成)を変化させて、アライナーの構造を変化させることにより、アライナーの性能を調節する。システムは、一つ以上のアライナーを標準厚み以外の厚みのシートから作成するように指定してアライナーを任意に調節し、歯に対してより大きなまたはより小さな力を提供することができる。一方、アライナーが急速プロトタイピングプロセス(例えば、ステレオまたはフォトリソグラフィプロセス)により製造される場合、アライナーの厚みは、局部的に変化させることができ、また歯のデジタルモデルを修正することなくリム、へこみ、および波型などの構造的特長を追加できる。

システムは、リテーナーおよびブレースなど、より従来的な装置の効果をモデル化するために使用することもでき、よって、特定の患者について最適な設計および治療プログラムを生成するために使用される。

図11A〜11Bは、歯科用装置を配置した場合の歯の初期的な位置、および結果的に生じる望ましくない力のベクトルをそれぞれ図示したものである。図に関して、表示した歯がx方向に沿って顔面方向に移動中の例において、重合体シェルアライナーなどの歯科用装置が歯に装着されると、アライナー形状幾何学は予め定めた力が歯にかかるように設定されており、その特定の治療段階についての治療計画に従って歯が再配置される。例えば、図11Bに示すとおり、歯科用装置は、図示したとおり歯に噛み合い歯をx方向に再配置するよう構成されるが、むしろ結果的には、図示したとおり、また矢印で示したとおり、+x/−z方向に予め定めた力がかかることになる。

従って、一つの態様において、アライナー形状幾何学は、その力が相殺されるように補正するために、さらに、意図した力が考慮している治療段階についての治療計画に基づく方向にかかるよう、望ましくないが結果的に生じる力のベクトルを最適化することができる。つまり、図11C〜11Dは、歯の周囲の望ましくない力のベクトルを相殺するための歯科用装置への逃げの追加、および結果的に生じる歯科用装置による歯への所定の望ましい力の適用をそれぞれ図示したものである。一つの態様において、望ましくない力(例えば、図11Bで矢印により表示)を補正するために、予め定めた逃げ(例えば、限定はされないものの0.1〜0.3mm)を提供して、望ましくない力のベクトルが生じる原因となっているアライナーと歯との間の接触が回避されるが、例えば上記で考察したx軸に沿ったものなどの望ましい力はそのまま残るようにすることもできる。

図11Cに関して、アライナー上に予め定めた逃げは、表示された矢印で図示しているが、それによって、アライナーの幾何学形状を修正することにより、アライナーと望ましくない力が結果的に生じた場所にある歯との間の噛み合いが除去される。この様に、一つの態様において、および図11Dに示すとおり、例えば、アライナー形状幾何学を修正することにより、例えばx方向など歯にかかる意図された望ましい力が達成される。

図12は、歯科用装置と歯の間のギャップを除去するための追加的な形状の変更を含めた、修正した歯科用装置の幾何学形状を図示したものである。図12に関して、アライナー形状幾何学(例えば、上記で図11C〜11Dに関連して考察したもの)を修正することで、予め定めた望ましい力がその歯科治療において計画したとおり歯にかかる一方、歯とアライナーとの間、例えば、図12に示すとおり、歯肉部分の近くにギャップまたはポケットが形成される場合もあることに注意すべきである。一つの態様において、このギャップまたはポケットの生成を説明するために、アライナー形状幾何学をさらに修正または最適化することができ、例えば、アライナーが活性の(つまり伸張した)状態にある時、歯に向かう方向に向けて適切に適応するようにできる。

図12に関して、形成されたギャップまたはポケットに対処するためのアライナー形状幾何学の最適化は、一つの実施態様において、アライナー形状が修正される方向に矢印で図示している。その上、ギャップを説明するためのアライナー形状の最適化は、アライナーによって歯にかかる力の方向に潜在的に影響することがあり、そのため、追加的修正または最適化がさらに必要となる場合があることに注意すべきである。

一つの態様において、逃げの一つ以上の領域での歯科用アライナー形状幾何学の修正、ならびにゆるいまたはきつい適応についての輪郭の再形成によって、それぞれ望ましい力のベクトルが達成されるが、一方で摩擦およびその他の望ましくない力のベクトルを避けることで、歯の状態を治療するためのアライナー形状の改善およびカスタム化が実現される。

一つの態様において、歯科用装置の製造で高速プロトタイピングにより形成されたモールドをビルドプロセス中に調節して望ましい幾何学形状を形成することもでき、これには例えば、予め定めたまたは関連するモールド位置での逃げおよび/または突出のデジタル形式での追加および/または除去などがある。

図13は、歯の治療計画の掃引形状に基づく歯科用装置の形状幾何学的配置を図示したものである。図13に関して、一つの態様において、歯科用アライナーと歯との間の摩擦が治療に対して制限を課することがあるため、一つの態様において、アライナー形状幾何学は、現在の位置(現在の治療段階で)と次の位置(n+1の治療段階)との間でのすべての干渉を除去することによって最適化しうる。つまり、現在の位置と次の位置との間の掃引形状を生成しうる。図13に図示した掃引形状は、現在の位置と次の位置(n+1の治療段階)に向かう次の無限小の増分との間の和集合形状である。無限小の増分を加算することにより、結果的に生じる幾何学形状によって掃引形状が確定される。

再び図13に関して、歯と歯科用アライナーとの間の摩擦を最小化または除去するためにアライナーについての掃引形状を決定した後、一つ以上の歪みまたは逃げをアライナー形状に追加して、意図された力を治療計画の特定の治療段階について決定された方向にかけるための望ましい移動ベクトルが提供される。

さらなる態様において、歯の移動が不適切な力の生成の結果である可能性が低い時に検出することも可能である。つまり、望ましい移動ライン(または移動ベクトルの方向)に対して直角の表面積の量が、アライナーが必要な力を供給するために不十分な場合もある。例えば、挺出方向(+Z軸に沿って図12に示すとおり)において、歯がこの方向に押されるようにするために存在するアンダーカットが不十分な場合がある。その結果、歯科用アタッチメントを歯に追加または装着して、望ましい方向の歯の移動に直角の表面積の量を改善することができる。

一つの態様において、材料の性質および特定の治療段階についての移動ベクトルから結果的に生じる複合ベクトルに対して直角の表面積の量から決定される力の挙動に基づき、望ましい移動にとって特に適した歯科用アタッチメントを採用することにより、追加的な表面積を歯に追加することもできる。この様に、一つの態様において、特定の歯について表面積の断面を決定することができ、歯科用アタッチメントをその上に配置して、必要な表面積の歯科用装置との協調または噛み合いを改善または改良して、望ましい移動ベクトルまたは歯に対する予め定めたレベルの力をその治療段階にとって正確な方向にすることができる。

この様に、一つの態様において、歯科用アライナーを製造するか、またはコンピュータ支援設計ツールやシステムを使用してシミュレートすることができるが、ここで移動する歯の表現が最初にモデル化される。その後、歯の目標位置を定義するアライナーが、形状幾何学の性質が定義されてモデル化される。その後、歯を初期的な位置から目標位置に再配置するために必要な力が、例えば、FEAモデリングまたはその他の適切な計算および/またはモデリング技術を使用して決定されるか、またはモデル化される。一つの態様において、力測定センサーに接続した歯の物理モデルを使用して力を定義することができ、物理モデルから得られる読取値を使用し、またそのように、少なくとも部分的に物理的力ゲージからのフィードバックに基づき、アタッチメントおよびアライナーの配置形状を変化させて、最適な力を決定できるようにすることもできる。

その結果、移動ベクトルが定義され、これによりかかった力の方向のほか、歯を最初の位置から目標位置へと再配置するために必要な力のレベルおよびその性質が確定される。移動ベクトル、およびモデル化したアライナー形状に基づき、アライナーはさらに修正されるか、または決定された移動ベクトル内の要素に再構成される。つまり、歯の再配置に必要な力の性質を識別する移動ベクトルを定義した後で、歯科用装置の形状は決定された移動ベクトルに基づき変更されるか、または最適化される。さらに、定義した移動ベクトルに基づき発生しうる望ましくない力または力の成分を相殺するために、装置の形状をさらに最適化することもできる。

その後、修正または最適化された歯科用装置は、高速プロトタイピングまたは望ましい歯の移動を達成するためのその他の適切な技術によって製造できる。さらに、このプロセスはアライナーの性能、そしてその性能によって治療計画の結果が改善されるように、治療計画のそれぞれの治療段階についての歯科用装置の最適化のために反復することができる。

さらに、一つの態様において、微小なまたは小さな局在的変化がアライナー形状幾何学に導入される対話型の分析プロセスが提供されており、ここで結果的に生じる力のプロファイルの効果が、例えば、治療計画のそれぞれの治療段階で望ましい力と比較され、また結果がターゲットプロファイルに近い場合には繰り返され、結果がターゲットプロファイルから離れている場合やさらに逸脱している場合には無視される。これは、一連の歯科用装置またはアライナーがそのそれぞれの形状幾何学でそれぞれ最適化され、治療結果が改善されるように治療計画の各治療段階について繰り返すことができる。

さらなる態様において、一つの実施態様において、歯科用装置の配置は、歯科用装置とそれぞれの歯との間の摩擦を最小化するために前出の掃引形状に基づくものとすることができ、またさらに歯科用装置は、一つ以上の個別の接点または表面(例えば、歯に結合させたアタッチメントを使用したへこみまたは接点)を作成するために修正して、望ましい力を生成することができる。現在およびその後(n+1段階)の掃引経路の幾何学形状を含めた結果的に生じる歯科用装置の幾何学形状、ならびに前出の移動ベクトルなど力を発生する移動は、例えばコンピュータ支援設計またはモデリングツールを使用してモデル化することができる。

その上、またさらに別の態様において、歯科用アタッチメントの配置は、望ましい歯の移動方向と直角の利用可能な表面積が最大量となる位置に基づいて決定しうる。さらに、治療計画にある任意の歯への力が予め定めたレベル以下である場合、望ましい表面積を補うために、または歯の摩擦係数を高めそれによって歯のアライナーの力のプロファイルを改善するために、歯にアタッチメントを追加することができる。

一つの態様において、歯、歯肉および/またはその他の口内組織または構造に関連するデータセットは、望ましいまたは意図された治療目標のために最適化しうる歯科用装置の配置、モデリングおよび/または製造について、例えば、加算、部分的または完全な除算、均一または不均一なスケーリング、ブールまたは非ブールアルゴリズム、または幾何学演算、またはその一つ以上の組み合わせによって、意図的に変更することができる。

さらに、アタッチメントに関する上記の考察に関して、角形成またはアタッチメント、ならびにアタッチメントの表面形状を提供して移動ベクトルを改良し、望ましい歯に対するその付加を最適化しつつ、移動ベクトルを妨げうる望ましくないまたは不要な力のベクトルの量を最小化することができる。さらに、一つの態様において、隣接する一連のアタッチメントを提供して、その隣接する一連のアタッチメントが低速動作のカムとして機能し、そこで次に歯科用装置が従動子として機能するよう構成されるように、力の方向を変化させるか、または予め定めた時間について持ち越される移動ベクトルを発生させることができる。

さらに別の態様において、目標位置または治療目標を達成するために望ましいまたは適切なカム/従動子の関係が決定されうるように、点の追跡を追加して、治療段階全体の歯の点の処理および/または追跡を行うことができる。一つの態様において、歯科用装置の内部表面にある一つ以上の突出を従動子として構成し、これを仮想的な圧力点から形成することができる。仮想的な圧力点は、一つの実施態様において、意図的に構築したか、または基準のモールドまたはモデルに設計で組み込まれた空隙に含まれ、アライナーが基準モールド上で形成される時、これが歯に対する追加的圧力を発揮するように意図されたアライナー内の対応する部分と関連する。

図14A〜14Bは、歯の回転用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものである。図14A〜14Bに関して、一対のアタッチメントが図示したとおり歯の頬側面および舌側面に位置し、その中心が歯に関してZ軸に垂直な平面に位置している。これらの図に関して、二つのアタッチメントが上記の平面内で図中のそれぞれの矢印で示すとおり反対方向にずらされている、あるいは偏った配置となって、対が形成されているが、これは正味の力がゼロのトルクに対応し、結果的に歯の回転移動となる。

図15は、歯の傾斜用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものである。図15に関して、歯に関してY軸に直角の平面に位置する中心または軸との相対的な高さが異なる状態で、一方のアタッチメントを頬側面に配置し、他方のアタッチメントを舌側面に配置することができる。矢印で示した方向にアタッチメントに対して力がかかり、結果的に、歯の位置に関してY軸に沿ってトルクが発生し、また結果的に生じる正味力がゼロになる。別の態様において、アタッチメントは歯に関してY軸に直角の平面内に配置することができる。この様に、一方のアタッチメントが咬合面の方向に、また他方が同一平面内の反対の方向に並進するように、アタッチメントに対して力をかけると、歯が傾斜することになる。このアプローチは、例えば、歯の回転の中心が歯冠内にあり、そのために歯根がティッピングまたは傾斜する歯根のトルキング(舌側歯根傾斜)で使用することができる。

図16は、歯のアンギュレーション用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものである。図に示すとおり、対のアタッチメントは、それぞれの矢印で表示されたとおり、それぞれの力がそのアタッチメントにかけられた状態で歯の上に位置する。この効果は、歯のアンギュレーションという結果になる(例えば、図16に示す実施態様での時計方向)。

図17A〜17Bは、それぞれ、頬側並進移動および舌側並進移動用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものである。図に関して、図示した対のアタッチメントは、歯に対して頬側および舌側の両面にX−Y平面に位置することができる。二つのアタッチメントを歯の回転の中心に対して異なる高さで配置すると、回転の中心近くに配置したアタッチメントは、回転の中心から比較的離れたアタッチメントよりも歯冠に押し込まれる。従って、歯に対する合計力は正の値となるが、二つのアタッチメントそれぞれからの回転の中心への力レバー構成要素は互いに反対方向に等しく調節できるため、傾斜移動トルクはゼロに調節できる。このアプローチにより、歯根の並進が可能となる。

図18A〜18Bは、それぞれ近心および遠位の並進移動用に配置した歯科用アタッチメントを図示したものである。図に関して、歯の近心および遠位の並進移動は、例えば、対のアタッチメントを図に示すとおりに配置して、適切な予め定めた力をそのアタッチメントにかけることにより得ることができる。

図19A〜19Bは、それぞれ挺出および圧下のために配置した歯科用アタッチメントを図示したものである。図に関して、この場合の対のアタッチメントは、歯の舌側および頬側の側面に配置され、その中心はZ軸も含まれる平面内にある。図示した両方のアタッチメントは、挺出についてはZ軸に沿って上方向に移動するよう、または圧下についてはZ軸に沿って下方向に移動するよう構成される。生成される力または二つのアタッチメントにかかる力は、大きさが異なる(例えば、歯冠に関して局所的なアタッチメントの移動が異なることから結果的に生じる)。アタッチメントからの力が反対方向に等しい回転の中心への力レバーとなる時、傾斜移動トルクは相殺されることがあり、また結果的に生じる力には歯の挺出または圧下並進が含まれうる。

その上、上記の挺出または圧下並進で結果的に生じるアタッチメントの移動は、カウンターバランストルクを得るために歯冠に対する並進移動として使用されうる。例えば、頬側の移動から結果的に生じる傾斜移動トルクは、アタッチメントが歯冠に対して頬側面上で咬合平面に向けて移動するように構成することで釣り合わせることができる。

さらに、アライナー表面が受動的な状態で歯冠と接触しないように、いくつかの歯冠上で膨らませたアライナー表面を含む局所的に膨張させたアライナーと、結果的に挺出または圧下並進を生じるアタッチメント移動を併用することもできる。膨張させたアライナーを回転のためのアタッチメント移動で使用する時、アライナーはアタッチメントとのみ干渉し、例えば合計力がゼロの回転を生成するため、最大回転トルクおよび望ましくない最小の力が得られうる。

またさらなる実施態様において、予め組み立てられたアタッチメントを使用して、不正確なアタッチメント形状の形成による不良を低減または除去することもできる。

従って、一つの態様において、n+1またはその後の/目標の歯の位置が最初に決定される。その後、歯の初期的な位置から歯の目標位置に至る移動の方向が決定される。移動方向を決定した後、歯を最初の位置から目標位置に再配置するための力およびトルクの量または大きさと方向が決定される。その後、計画した歯の移動方向への最も適切なグリップを提供する幾何学形状や、歯の表面に対するアタッチメントの最適な位置など、アタッチメントのプロファイルが決定される。

アタッチメントの関連するプロファイルが決定されると、最初の位置から目標位置への並進の位置を達成するためのアタッチメントのずれが決定される。アタッチメントを歯に配置することで、その後の治療段階で歯科用装置は配置したアタッチメントを介して歯科用装置と噛み合い接触する。

この様に、歯科用装置により生成された力/トルクは、望ましい方向に正確に指向し、また歯を次の計画位置まで移動させる十分な大きさで構成される。例えば、一つの実施態様において、アタッチメントは患者の歯に接着される。アタッチメントの最初の位置は、上述のとおり決定される。ずらされたまたは再配置されたアタッチメントは、歯科用装置上でのアタッチメントの形状に適合した新しい位置の窩洞を生成しうる。初期段階で歯冠にアタッチメントを付け、その後の目標治療段階でずらすと、目標治療段階の歯科用装置は、初期の治療段階で歯のアタッチメントと干渉しうる。この干渉が次に、望ましい歯の移動を生成するための力/トルクを生成するように構成される。

一つの態様において、力/トルクの方向および大きさは、例えば、歯冠の表面に対するアタッチメントをずらす量を調整することにより、釣り合う力/トルクを生成するために望ましくない傾斜移動トルクを除去または最小化し、歯根の移動を達成するためなどに修正または最適化することができる。歯冠に対するアタッチメント移動の量も、アタッチメントの移動に基づき治療計画を作成するための歯の移動に比例しうる。

図20は、歯科用装置およびアタッチメントの補完的な噛み合いを図示したものである。図20に関して、一つの態様において、図20((a)でラベル付け)に示す場合など歯科用装置上に突出またはボタンが提供され、これは一つの実施態様において、図20で示され歯表面上に位置するアタッチメント((b)でラベル付け)上の対応する溝またはへこみと噛み合うよう構成される。この様に、歯科用装置上のボタンまたは突出、および突出を受けるためのアタッチメント上の窩洞では、突出の相対的位置は、点または表面積の力をこのアタッチメント装置にかけるように構成されうる。

従って、歯科用装置またはアライナー上の突出およびアタッチメント装置を受ける窩洞は、点の力を発揮しうる関節または噛み合いを形成するよう構成しうる。その上、歯科用装置上の突出およびアタッチメント上の窩洞の相対的位置が局所的に修正された場合(例えば、上述の一つ以上の移動の並進に基づき)、点または表面積の力は対応する歯を移動させる方向でありうる。

その上、本開示の一つの態様において、点の力に向かう歯の修正を提供するよう構成された表面には、歯に向かい内側を向いた隆線または平坦な突出が含まれうる。さらに、力には、n+1段階で「補強された」表面も含めることができ、ここで一つの態様において、歯に向かう内部表面が歯と完全に接触した状態のまま残る(点または隆線での接触ではなく)ように一つ以上の隆線または折り曲げによって波型を施し、また保持されていない領域で簡単には力が分散しないように局在的に保持された領域で補強されうる。

図21は、歯科用装置の最適化された形状幾何学を図示したフローチャートである。図21に関して、手順2110で歯の最初の位置が決定される。その後、手順2120で治療計画に基づき歯の目標位置が決定される。一つの態様において、目標位置には次のまたはn+1の治療段階の歯の位置が含まれうる。図21に関して、治療計画に基づき歯の目標位置を決定した後、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連する移動ベクトルは、手順2130で計算または決定される。つまり、力のプロファイルまたは属性が決定され、これには例えば、力の大きさや力の方向が含まれ、例えば、これは最初の位置から目標位置への歯の移動に関連したものである。

再び図21に関して、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連する移動ベクトルを決定した後、手順2140で移動ベクトルに関連する成分が決定される。例えば、上述のとおり、歯を最初の位置から目標位置に移動に再配置するための移動ベクトルに関連する力の大きさが決定される。さらに、歯の移動についての力の方向、および望ましくないまたは意図しない力に対処するための対抗力が決定される。その後、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連する移動ベクトルに関連した成分の決定に基づき、アライナーなどの歯科用装置の窩洞が修正される。

図22は、歯科用アタッチメントの配置を図示したフローチャートである。図22に関して、手順2210で最初の治療段階での歯の位置が決定される。手順2220で、第二またはn+1の治療段階での歯の位置が決定される。その後、手順2230で、最初の治療段階から第二の治療段階への歯の移動に関連する移動ベクトルが決定される。歯の移動に関連する移動ベクトルが決定された後、移動ベクトルに関連した一つ以上の歯科用アタッチメントプロファイルが手順2240で決定される。つまり、例えば、歯科用アタッチメントの位置、歯科用アタッチメントのアンギュレーション、歯科用装置からの力の方向に直角の表面積が決定される。その後、手順2250で、一つ以上の歯科用アタッチメントが最初の治療段階中に対応する歯に配置される。

この様に、一つの実施態様において、歯を最初の位置から目標または第二の治療段階の位置に再配置するために、歯科用装置からの力/トルクが歯に正確にかかる。

図23に関して、手順2310で一連の手順のうち、歯を最初の位置から目標の最終位置に移動させる段階について、それぞれの歯の表面上のそれぞれの点の軌道が予め定めた所定の段階の移動について計算される。軌道から歯の有効表面が決定される(2320)。有効表面は、望ましい移動に対応する軌道Γpの法線ベクトル上への点pでの、歯の表面に対する法線力N(p)の投影が予め定めた正の閾値よりも大きくなる歯表面上のすべての点pであるとして計算される。有効表面がいったん決定されると、患者のそれぞれの歯について、歯根の有効表面と抵抗表面との比率が計算される(2330)。この比率が所定の閾値よりも大きい場合には、歯は要求される歯の移動に適した有効な歯表面を持つ2340。

さらに図23に関して、歯根の有効表面と抵抗面との間の比率が所定の閾値を超えない場合には、既存の歯表面の極小な変形を実施しうる(2350)。既存の歯表面への変形には、とりわけ、歯の有効表面の数を増やすための特注のアタッチメントまたは装置、または歯の表面への材料の追加が含まれうる。既存の歯の表面の極小な変形は、修正した表面は要求される移動についての有効表面を有効表面と抵抗面との間の閾値よりも大きな比率で提供する、修正した表面はその現在位置でアクセス可能な歯の表面の変形である、ならびに修正した表面は製造性の要件を満たす必要がある、といった制約を満たすべきである。既存の歯表面がいったん修正されると、新しい表面は修正した歯表面について手順2310〜2330を繰り返すことにより、修正した歯表面との十分な接触面積が存在することを確認するために、対応するアライナーとともに検証される。

図24は、歯の十分な有効表面積を得るためにアタッチメントが望ましいかどうかを判断する方法を図示したフローチャートである。図24に関して、手順2410で、歯を最初の位置から目標位置に移動する治療計画について一連の段階における所定の治療段階について、歯の剛体変換Aが決定される。一つの態様において、剛体変換Aには、歯を段階nでの位置から段階n+1での位置へと移動する剛体変換が含まれうる。

図24に関して、剛体変換Aから、ゼロ移動Iおよび剛体変換Aに対応する形状保存と関連する剛体変換の空間内の測地線A(t)が決定される(2420)。例えば、一つの態様において、ゼロ移動Iに対応する剛体変換は、移動またはずれがなくすべての点が同位置にとどまっている場所に関連する。歯の表面のそれぞれの頂点Vについて、t=0での曲線A(t)Vに対する単位接線ベクトルと、頂点Vでの歯の表面に対する内部法線単位ベクトルNとのドット積s(V)が計算される(2430)。

その後、少なくとも一つの頂点Vを持つ歯冠のすべての面の集合としての歯の有効表面が決定されるが、ここでs(V)は所定の閾値SCよりも大きい(2440)。つまり、一つの態様において、歯冠の点の移動方向とこの点での表面の内側法線の方向との間の角度が所定の閾値SCよりも大きい時、歯冠の点は、有効な歯冠表面であると見なされうる。再び図24に関して、少なくとも一つの頂点Vを持つ歯根のすべての面の集合として、歯の抵抗表面が決定されるが、ここでs(V)は再定義した閾値SRよりも小さい(2450)。さらに別の態様において、歯根の点の移動方向とこの点での表面の内側法線の方向との間の角度が所定の閾値SRよりも大きい時、歯根の点は抵抗歯根表面上にあると見なされうる。

さらに図24に関して、比率Gは有効表面および抵抗表面の面積の比率として決定されうる(2460)。比率Gが予め定めた有効対抵抗の閾値ARよりも大きい場合には、アタッチメントは必要とされない場合がある(2470)。例えば、一つの態様において、歯冠の有効表面面積の歯根の抵抗表面面積に対する比率が予め定義した有効対抵抗の閾値ARを超える場合には、移動が実施可能であると見なされうる。一方、比率GがARを超えない場合には、再計算した比率GがG > ARの条件を満たすような歯冠表面への極小な追加が使用される(2480)。この追加は、アタッチメントとして、とりわけ、隆線、突出、またはへこみとして作成することができ、また歯冠に噛み合わせることができる。

一つの実施態様によれば、治療計画に従った望ましい移動のための最適に近い形状のアライナーの決定に非反復的なプロセスが使用される。図25は、この非反復的プロセス800のフローチャートである。基本的な形状の特徴(例えば、へこみ)について、特徴により形成された力の大きさは、手順810で、アライナーの表面上での特徴の位置および特徴の突出の位置の関数として計算される。この関数は、特徴の位置の幾何学的特性(例えば、境界までの距離、屈曲隆線までの距離、湾曲など)を特徴により生成された力の大きさの値と関連付けることにより、統計的に導き出すこともできる。段階nから段階n+1への歯の所定の移動について、所定の移動に対応する抵抗および並進ベクトルの中心を貫く回転軸が、手順820で計算される。次に、手順830で、歯表面上で力がかかる点が識別され、これらの大きさの力が、識別された点で段階nから段階n+1への移動のそれらの軌道の方向にかかる場合に、以下の条件が満たされるように力の大きさが計算される: a. 抵抗の中心を貫く合計トルクの軸が要求される回転軸方向に近いこと b. 合計トルクの大きさが歯回転にとって十分であること c. 合計力の方向が並進ベクトルの方向に近いこと d. 合計力の大きさが歯の並進について十分であること。

上の条件を満足させる点の集合の中で、次に以下の制約を満たす点の集合が手順840で識別される: a. 点の数ができるだけ少ない b. 点ができるだけ離れている c. 点が歯の有効表面にできるだけ近い。

手順840で識別された点集合について、要求される歯の移動のために点の位置を有効表面に転換する必要のある(ある場合)アタッチメントの表面が、手順850で計算される。次に、手順830の条件をできる限り密接に満たす、歯の頬側に一つのアタッチメントのみを持つ一つの点集合が、手順860で選択される。次に、手順870で、形状の特徴(例えば、へこみ)が、識別された点集合にて望ましい力の大きさに対応した突出をもって形成される。オプションの手順880で、点が互いに近い位置にある場合には、対応するへこみをまとめて隆線を形成することができる。当業者には、結果的に生まれるへこみおよび隆線は、歯の望ましい移動にとって必要なアライナー形状の特徴であることが理解される。

図26は、一つの態様における、治療計画の最初の治療段階から第二の治療段階への歯冠の点の軌道を示す。図26に関して、歯冠2501は、治療計画の治療段階の最初の位置で点2511および2521を持つ。治療計画の望ましい治療段階で、歯冠2501の同等な点を目標位置2512および2522にずらすことができる。軌道2513および2523は、歯冠の初期の位置および目標位置に基づき、決定およびマッピングすることができる。

図27は、一つの態様における、歯の有効表面および抵抗表面を示す。図27に関して、歯冠2501は、有効表面2530、または望ましい軌道2513および2523で歯を移動するために力をかけることのできる表面を持つ。これらの有効表面に対抗する作用には、歯根2502に位置する抵抗面2540にかかる力が含まれうる。有効表面の抵抗面に対する比率が所定の閾値よりも大きい時、例えば成型されたアライナーにより、歯を望ましい軌道2513および2523に沿って移動させる適切な力をかけることができる。

図28は、アタッチメントの追加による歯の有効表面の増加を例証したものである。図28に関して、有効表面の抵抗面に対する当初の比率が所定の閾値を超えない場合、歯の有効表面2530を増加させるために、隆線、へこみ、または突出を含めたアタッチメント2550などの付加を歯に噛み合せることができる。アタッチメントを使用して有効表面2530の量を増加させることにより、有効表面と抵抗面との間の比率が所定の閾値よりも大きくなるようにして、望ましい軌道2513に沿った適切な歯の移動のための力がかかるようにすることができる。

図29は、アタッチメントおよびアタッチメントと一致する隆線を持つアライナーを装着した歯の断面を示す。図29に関して、望ましい歯の移動を達成するために、歯冠の表面2501の有効表面積を増加させるために、アタッチメント2550を使用する場合がある。アタッチメントの効果を確保するために、歯を望ましい軌道経路に沿って移動させるべく適切な力をアタッチメント2550にかける必要がある。これらの力は、成型したアライナー2560内で、アタッチメント2550に適合する隆線2561または何らかの同等物により作成される。このように、歯を望ましい軌道に沿って最初の位置から望ましい目標位置まで移動させるために、アライナー2560は適切な力を歯表面に、またアタッチメント2550に直接かける。

記載した方法で、一つの態様において、歯列矯正治療計画は、少なくとも部分的に、その最初の位置での患者の初期の生歯、また例えば、治療終了時の歯の位置や向きなどの望ましい治療の転帰に基づき生成できる。一つの態様において、その初期の位置から最終位置へのそれぞれの歯の経路を分析するために、コンピュータソフトウェアを実施したアプローチを使用することもできる。三次元空間内でのすべての移動を分析しうる。例えば、経路は一連の漸次的な移動として描写でき、ここでそれぞれの増分には線形変位および回転の組み合わせが含まれうる。望ましい移動を実現するために必要な負荷(力およびモーメント)は、例えば、最終的な目標位置までの経路上での次の増分の移動による移動を誘発しうるか、または、初期の位置から最終的な目標位置までの総合的な移動を含む1回の移動を誘発しうる負荷に、少なくとも部分的に基づいて決定されうる。

一つの態様において、歯の表面は、離散した小さめの表面を寄せ集めたものとして分析・定義ができる。方向または負荷にとって望ましい向きを持つ表面が識別される。こうした表面が存在しない場合、または要求される負荷の適用にとって最適でない場合、または口腔内でアクセスできない場合には、歯の表面/向きは改善されるような輪郭をとるか、または材料を追加することにより変化させることができる。この様に、一つの態様において、本書に記載したアプローチにより、望ましい力のシステムへの修正を提供する一つ以上の考えられる解決策を決定でき、また一つ以上の臨床的に実行可能な解決策を決定できる。

さらなる態様において、処方される移動について適切な力のシステムを与えるために、複数の表面への複数の力が必要となることがある。歯科用装置は、歯に対して力のシステムを適用するよう構成されること、および力のシステムは、力、力のモーメント、および偶力モーメントのうち少なくとも一つを備えることが理解される。従って、設計した力のシステムが、例えば、決定した一つ以上の実行可能な解決策によって識別された表面上に伝達されうるように、アライナーの幾何学形状に合わせて変形することができる。アライナーの幾何学的パラメータにおける変形は、結果的にアライナーおよび歯の接触点の変形を生じさせることがあり、特定の歯にかかる力のシステムを制御できる。変形は、力のシステムを制御し、歯の移動を開始するために較正することができる。また、限定はされないものの、隆線などの特定の特徴を含めて、表面上での接点の管理を達成し、必要な負荷を供給することができる。

またさらなる態様において、アライナーの幾何学形状を、逃げ領域またはバブルと共に提供して、その領域または位置への妨害のない歯の移動を許容することもできる。アライナーによって歯にかかる力のシステムにより、アライナーにより包囲された空間内で問題なく歯を移動させることができる。

さらに別の態様において、アライナーの特徴は、歯の移動を制限するように設計および組立することができる。例えば、アライナーは、それを通過して歯が移動できない物理的な境界として設計することもでき、患者の健康にとって有害となりうる望ましくない移動に対する安全性が提供される。さらに、別の態様におけるアライナーは、それに沿って歯が移動する案内面として機能するように構成することもできる。さらに特定すれば、アライナーは、力のシステムが歯に対してかかり、歯がアライナーの誘導によって補助された特定の位置および向きに誘導されるように構成することもできる。

この様に、一つ以上の特徴をアライナーの幾何学形状または構成に組み込むことで、アライナーの幾何学形状のその後の変化が起こることがあり、その変化により、歯およびアライナーの接触面の位置における変化が結果的に生じる。変化およびこれらの幾何学的変化の効果は、望ましい移動を達成するための新しい表面および負荷を識別することにより、決定および補正することができる。最終的なアライナーの設計、およびまた、その治療段階を含めた全体的な治療計画を定義する前に、それぞれの反復を、それぞれの特徴ならびにアライナーの幾何学形状に対する、接触面に対する、および生成される力のシステムに対するその効果が考慮されるように構成するような反復型の設計プロセスで、アライナーの幾何学形状を改善することができる。

記載した方法で、一つの態様において、歯列矯正治療のアプローチには、それぞれの歯の移動の経路、移動を達成するために必要な力のシステム、表面の決定、および定義された力のシステムを伝達するこれらの表面にかけられる力の定義、ならびにこうした治療基準を満たすアライナーの幾何学的設計が含まれうる。

一つの実施態様において、コンピュータを実施した方法には、歯の最初の位置の確定、治療計画における歯の目標位置の決定、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した移動ベクトルの計算、移動ベクトルに対応する多数の成分の決定、および一つ以上のアタッチメント装置が歯科用装置と噛み合うように歯の平面に対してそれぞれの一つ以上のアタッチメント装置の対応する一つ以上の位置の決定が含まれる。

一つ以上のアタッチメント装置は、実質的に歯の平面で歯科用装置に予め定めた力をかけるように構成されうる。

一つの態様において、その多数の成分は、歯の回転変位、歯の角変位、直線の歯のずれのうち一つ以上またはその一つ以上の組み合わせとして提供しうる。

歯科用装置には、重合体シェルが含まれうる。

さらに、その多数の成分のうち一つ以上は、歯科用装置によりそれぞれのアタッチメント装置に対してかかる、それぞれ一つ以上の力または力のモーメントに対応することができ、ここでその多数の成分のうち一つ以上がそれぞれのアタッチメント装置により、歯科用装置に対してかかるそれぞれ一つ以上の力または力のモーメントに対応しうる。

一つ以上のアタッチメント装置には、それぞれに対して隣接した位置にある歯に提供された多数の歯科用アタッチメント装置を含めることができ、またその歯科用装置は、予め定めた期間、多数の隣接する歯科用アタッチメント装置のそれぞれに、順次にかつ個別に物理的に接触するよう構成しうる。

別の実施態様における歯科用装置のモデリングのための装置には、データストレージユニット、およびデータストレージユニットに接続された治療装置が含まれ、またこれは、歯の最初の位置の決定、治療計画における歯の目標位置の決定、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した移動ベクトルの計算、移動ベクトルに対応する多数の成分の決定、および一つ以上のアタッチメント装置が歯科用装置と噛み合うように歯の平面に対してそれぞれの一つ以上のアタッチメント装置の対応する一つ以上の位置の決定を行うように構成される。

一つの態様において、一つ以上のアタッチメント装置は、実質的に歯の平面で歯科用装置に予め定めた力をかけるように構成されうる。

さらに、その多数の成分により、歯の回転変位、歯の角変位、歯の線形変位、またはその一つ以上の組み合わせのうち一つ以上が提供されうる。

その上、歯科用装置には重合体シェルが含まれうる。

多数の成分のうち一つ以上は、歯科用装置によりそれぞれのアタッチメント装置に対してかかる、それぞれ一つ以上の力または力のモーメントに対応することができ、ここでその多数の成分のうち一つ以上がそれぞれのアタッチメント装置により、歯科用装置に対してかかるそれぞれ一つ以上の力または力のモーメントに対応しうる。

一つの態様において、一つ以上のアタッチメント装置には、それぞれに対して隣接した位置にある歯に提供された多数の歯科用アタッチメント装置を含めることができ、またその歯科用装置は、予め定めた期間、多数の隣接する歯科用アタッチメント装置のそれぞれに、順次にかつ個別に物理的に接触するよう構成しうる。

別の実施態様によるコンピュータを実施した方法には、歯の最初の位置の確定、治療計画における歯の目標位置の決定、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した移動ベクトルの計算、移動ベクトルに対応する多数の成分の決定、およびその多数の成分に基づく歯のための歯科用装置の窩洞の修正が含まれる。

移動ベクトルは、FEAモデリングに基づき決定しうる。また、移動ベクトルは、物理的力モデリングに基づくものとしうる。

さらに、その多数の成分の一つ以上には、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連する一つ以上の力のベクトルを含めることができ、ここで、一つ以上の力のベクトルは、歯科用装置の窩洞内に設計して、歯に対するそれぞれの一つ以上の力のベクトルに関連した対応する一つ以上の力がかかるようにすることができる。

この方法には、歯を最初の位置から目標位置に再配置するための歯に対する移動ベクトルに対応する決定された多数の成分に適用される、歯についての重合体シェルの窩洞の更新も含まれうる。

さらに、この方法には、移動ベクトルに関連する力のレベルの決定も含まれうるが、ここで力のレベルの決定には、移動ベクトルを適用する歯表面に対する一つ以上の位置の決定、および移動ベクトルを歯の表面上の決定した一つ以上の位置で適用する、歯の重合体シェルの窩洞の構成も含まれうる。

また別の実施態様による歯科用装置の製造方法には、患者の歯列矯正の状態の治療計画の決定(治療計画のそれぞれの段階について)、歯の最初の位置の定義、歯の目標位置の決定、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連する移動ベクトルの計算、移動ベクトルに対応する多数の成分の決定、およびその多数の成分に基づく歯のための歯科用装置の窩洞の修正が含まれる。

一つの態様において、この方法には、修正した窩洞の仮想的な表現の生成が含まれうる。

さらに別の実施態様によるコンピュータを実施した方法には、歯の最初の位置の確定、治療計画における歯の目標位置の決定、最初の位置と目標位置との間での掃引形状経路および最初の位置から目標位置への歯の再配置に関連する移動ベクトルの決定、および決定した掃引形状経路に基づく歯のための重合体シェルの窩洞の修正を含めることができ、ここで、窩洞の修正には、歯が対応する予め定めた歯の一つ以上の表面と接触するための重合体シェルの内部表面上の一つ以上の接点の定義が含まれうる。

その上、さらに別の態様において、窩洞の修正には歯のための重合体シェルの内部表面上の一つ以上の突出の定義を含めることができ、ここで一つ以上の突出は移動ベクトルに関連する。

一つ以上の突出には、へこみが含まれうる。

その上、窩洞は、重合体シェルの内部表面と歯との間の摩擦を最小化するために修正しうる。

一つの実施態様において、コンピュータを実施した方法には、歯の最初の位置の確定、治療計画における歯の目標位置の決定、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した移動ベクトルの計算、移動ベクトルに対応する多数の成分の決定、および移動ベクトルに対応する決定された多数の成分のそれぞれについてのそれぞれの表面積の決定に基づいて対応する一つ以上の歯科用アタッチメント装置の配置のための一つ以上の位置の決定が含まれる。

一つの態様において、治療計画に関連した重合体シェルの内部表面は、多数の成分のそれぞれ一つに対応するそれぞれ一つ以上の力を適用するように構成しうる。

一つの態様において、方法には、最初の位置から目標位置への歯の移動に関連した移動ベクトルの方向に実質的に直交する表面積の決定が含まれうる。

本発明のデータ処理の面は、デジタル電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実施できる。本発明のデータ処理装置は、プログラマブルプロセッサにより実行するための機械読取可能なストレージ装置内に明白に埋め込まれたコンピュータプログラム製品で実施でき、また本発明のデータ処理方法の手順は、入力データに対する演算および出力の生成により本発明の関数を実行する命令のプログラムを実行するプログラマブルプロセッサにより実行される。本発明のデータ処理の面は、データストレージシステムからデータおよび命令を受信し、データおよび命令をそこに送信するために接続された少なくとも一つのプログラマブルプロセッサ、少なくとも一つの入力装置、および少なくとも一つの出力装置を含む、プログラム可能なシステム上で実行可能な一つ以上のコンピュータプログラム内で有利に実施できる。それぞれのコンピュータプログラムは、高準の手続き型またはオブジェクト指向プログラミング言語またはアセンブリまたは機械言語で(希望に応じて)実施でき、どの場合にも、言語はコンパイルまたは解釈された言語でありうる。適切なプロセッサには、例として、一般のおよび特殊用途向けのマイクロプロセッサの両方が含まれる。一般に、プロセッサは、命令およびデータを読み出し専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから受信する。コンピュータプログラムの命令およびデータを明白に埋め込むために適切な記憶装置には、例としてEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD−ROMディスクなどを含むあらゆる形態の不揮発性メモリが含まれる。上述のどれも、ASIC(特定用途向け集積回路)で補足することも、またはその内部に組み込むことができる。

ユーザーとの対話を提供するために、本発明は情報をユーザーに表示するためのモニターまたはLCD(液晶表示装置)画面などのディスプレイ装置、およびそれによってユーザーがコンピュータシステムへの入力を供給するキーボード、マウスまたはトラックボールなどの二次元ポインティング装置、またはデータグラブまたはジャイロスコープマウスなどの三次元ポインティング装置などの入力装置を備えたコンピュータシステムを使用して実施することができる。コンピュータシステムは、ユーザーと対話するコンピュータプログラムを介してグラフィカルユーザーインタフェースを提供するようプログラムできる。コンピュータシステムは、仮想現実の三次元ディスプレイインタフェースを提供するようプログラムできる。

本発明の構造および実施方法における、本発明の範囲および精神を逸脱しない、その他各種の修正および改造は当業者にとって明らかである。本発明は、特定の望ましい実施態様に関連して説明してきたが、主張した本発明がこうした具体的な実施態様に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。以下の請求項が本発明の範囲を定義すること、ならびにそれらの請求項およびそれらの同等物の範囲内のその構造および方法がその対象となることが意図されている。

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