Good self-ligating orthodontic bracket appearance

申请号 JP2004007360 申请日 2004-01-14 公开(公告)号 JP4532125B2 公开(公告)日 2010-08-25
申请人 オルムコ コーポレイション; 发明人 アルバート・ルイズ−ヴェラ; ファロック・ファルジン−ニア;
摘要
权利要求
  • 歯に対してアーチワイヤを連結するための自己結紮型歯科矯正ブラケットであって、
    歯に対して取り付け得るよう構成されているとともに、アーチワイヤスロットを備えている、ブラケットボディと;
    前記アーチワイヤスロット内へと前記アーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、前記アーチワイヤスロット内へに前記アーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにして前記ブラケットボディに対して関連づけられた結紮部材であるとともに、厚さ方向に貫通する貫通穴を備えた結紮部材と;
    前記結紮部材が前記閉塞位置にあるときには片持ち式に前記貫通穴と係合し得る位置に配置されなおかつその係合によって前記ブラケットボディに対しての前記結紮部材の移動を拘束し得るものとされた突部を備えている、弾性係合部材と;
    を具備し、
    前記弾性係合部材の前記突部が、この突部に対して印加された力によって前記貫通穴から係合解除可能なものとされ、これにより、前記結紮部材が、前記閉塞位置から前記開放位置へと移動可能とされていることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項1記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記結紮部材が、閉塞端を有したグルーブを備え、
    前記結紮部材が前記開放位置と前記閉塞位置との間にわたって移動する際には、前記弾性係合部材が、前記グルーブ内において移動するものとされ、
    前記結紮部材が前記開放位置とされているときには、前記弾性係合部材が、前記閉塞端に対して係合することを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項1記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記弾性係合部材が、前記ブラケットボディに対して連結されたスプリングアームを備え、
    このスプリングアームが、前記突部を付帯した自由端を有していることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項1記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記弾性係合部材が、前記開放位置および前記閉塞位置においては、前記結紮部材に対して、明確な係止をもたらし、
    前記開放位置と前記閉塞位置との間にわたっての移動時には、前記弾性係合部材の付勢力に打ち勝つ必要がないものとされていることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項1記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記弾性係合部材が、前記開放位置と前記閉塞位置との少なくとも一方においては、前記弾性係合部材の付勢力に無関係に、前記結紮部材をロックすることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • スプリング力解除ツールと関連することによって歯に対してアーチワイヤを連結するための自己結紮型歯科矯正ブラケットであって、
    歯に対して取り付け得るよう構成されているとともに、アーチワイヤスロットを備えている、ブラケットボディと;
    前記アーチワイヤスロット内へと前記アーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、前記アーチワイヤスロット内へに前記アーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにして前記ブラケットボディに対して関連づけられた結紮部材であるとともに、前記歯に対向する背面と、前記背面とは表裏関係に位置する前面と、 前記前面から前記背面までにわたって貫通した貫通穴であるとともに前記前面からアクセス可能とされた貫通穴と、を備え、前記前面が、 前記貫通穴に向けての前記スプリング力解除ツールの移動を案内するのに効果的なチャネルを有しているような、結紮部材と;
    前記結紮部材が前記閉塞位置にあるときには片持ち式に前記貫通穴と係合し得る位置に配置されなおかつその係合によって前記ブラケットボディに対しての前記結紮部材の移動を拘束し得るものとされた突部を備えている、弾性係合部材と;
    を具備し、
    前記弾性係合部材の前記突部が、この突部に対して前記スプリング力解除ツールにより印加された力によって前記貫通穴から係合解除可能なものとされ、これにより、前記結紮部材が、前記閉塞位置から前記開放位置へと移動可能とされていることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項6記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記チャネルが、露出されているとともに、テーパー形状とされていることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項7記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記チャネルが、前記 貫通穴に向けて収束していることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 歯に対してアーチワイヤを連結するための自己結紮型歯科矯正ブラケットであって、
    歯に対して取り付け得るよう構成されているとともに、アーチワイヤスロットを備えている、ブラケットボディと;
    前記アーチワイヤスロット内へと前記アーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、前記アーチワイヤスロット内へに前記アーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにして前記ブラケットボディに対して関連づけられた結紮部材であるとともに、側縁を備えた結紮部材と;
    前記ブラケットボディ上に配置された偏向部材であって、前記結紮部材が前記閉塞位置にありかつ前記ブラケットボディが前記歯に対して取り付けられているときに、患者の口腔内の咀嚼物を、前記側縁から遠ざけるようにする偏向部材と;
    を具備し、
    前記結紮部材が、厚さ方向に貫通する貫通穴を備え、
    さらに、前記結紮部材が前記閉塞位置にあるときに前記貫通穴と係合し得る位置に配置されなおかつその係合によって前記ブラケットボディに対しての前記結紮部材の移動を拘束し得るものとされた突部を備えている、弾性係合部材を具備し、
    前記弾性係合部材の前記突部が、この突部に対して印加された力によって前記貫通穴から係合解除可能なものとされ、これにより、前記結紮部材が、前記閉塞位置から前記開放位置へと移動可能とされ、
    前記結紮部材が前記閉塞位置とされている際に、前記弾性係合部材 の前記突部が 、外部から直接的にアクセス可能とされていることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項 記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記側縁が長さを有し、
    前記偏向部材が、前記長さに沿って前記側縁上に位置する連続的リッジを備えていることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 請求項 記載の自己結紮型歯科矯正ブラケットにおいて、
    前記偏向部材が、円滑に湾曲したリッジであることを特徴とする自己結紮型歯科矯正ブラケット。
  • 说明书全文

    本発明は、広義には、歯科矯正ブラケットに関するものであり、より詳細には、自己結紮型歯科矯正ブラケットに関するものである。

    歯科矯正ブラケットは、患者の咬合を改良するために行われるすべての歯科矯正治療における主要構成部材である。 従来の歯科矯正治療においては、患者の複数の歯に対して複数のブラケットを固定した上で、アーチワイヤを、各ブラケットのスロットを貫通させつつ配置する。 アーチワイヤは、各歯を歯科矯正的に適切な位置へと強制的に移動させるような矯正をもたらす。 例えば細い弾性的O−リングや細い金属ワイヤといったような従来的な連結線を使用することにより、アーチワイヤが、各ブラケットのスロット内に維持される。 各ブラケットに対して個々の連結線を適用する際の困難さのために、連結線の必要性を除去した自己結紮型歯科矯正ブラケットが既に開発されている。 自己結紮型ブラケットにおいては、ブラケットスロットに対してアーチワイヤを受領するに際して、移動可能なラッチ部材やスライド部材を使用する。

    従来の歯科矯正ブラケットは、通常は、ステンレススチールから形成されており、強度が強く、非吸収性であり、溶接可能であり、成形および機械加工が比較的容易である。 しかしながら、金属製の歯科矯正ブラケットを使用した歯科矯正治療を受ける患者は、従来の金属製歯科矯正ブラケットの見た目が悪いことのために、困惑することとなる。 見た目を改良するために、従来のある種の歯科矯正ブラケットは、例えばポリマー樹脂やセラミックといったような透明または半透明の非金属性材料からなるブラケットボディを備えている。 このようなブラケットボディは、下方に位置する歯の色や陰影を模擬する。 そのような歯科矯正ブラケットは、アーチワイヤスロットの近傍においてブラケットボディを強化して補強するために、金属製インサート部材によるアーチワイヤスロットの内張りを行っている。 その結果、通常は、患者の口腔内における金属的外観が目立たなくなり、したがって、非金属性ブラケットボディによって特徴づけられるブラケットは、見た目的に満足のいくものとなる。 しかしながら、非金属性ブラケットボディを有した従来の歯科矯正ブラケットにおいては、自己結紮ブラケットが金属材料を必須としつつ、自己結紮を行う必要がある。 それは、非金属材料と比較した場合に、強度や延展性や堅牢性という点において、金属が優れているからである。

    従来の歯科矯正ブラケットには、他の欠点がある。 例えば、ある種の自己結紮ブラケットは、アーチワイヤを受領した閉塞位置に結紮スライド部材を保持するに際して、スプリング力を適用する。 結紮スライド部材が、閉塞位置と開放位置との間にわたって移行する際にも、そのスプリング力は、結紮スライド部材に対して作用し続け、移行に対抗することとなる。

    よって、従来の自己結紮型歯科矯正ブラケットに関連する上記欠点を克服し得るような自己結紮型歯科矯正ブラケットが要望されている。 なお、本出願人の知る限りにおいては、本出願に関連性を有する先行技術文献は存在しない。

    本発明は、従来技術による自己結紮型歯科矯正ブラケットに関しての上記欠点や他の欠点を克服する。 本発明の原理によれば、歯科矯正ブラケットは、歯に対して取り付け得るよう構成されているブラケットボディと;このブラケットボディに付帯されているとともに、アーチワイヤスロットと、アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置とアーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置との間にわたって移動可能とされた結紮部材と、を備えている金属製の自己結紮アセンブリと;を具備している。 ブラケットボディは、例えばポリマーやフィラー含有ポリマー複合体やセラミックといったような非金属材料から形成される。 本発明の原理においては、金属製インサート体が、自己結紮部材を備えており、この点が、従来技術による歯科矯正ブラケットと相違している。 従来技術による歯科矯正ブラケットは、非金属性ブラケットボディを備えていて、金属製インサート体は、アーチワイヤスロットに対する内張りとしてしか機能していない。

    本発明の他の実施形態においては、自己結紮型歯科矯正ブラケットは、歯に対して取り付け得るよう構成されているとともに、アーチワイヤスロットを備えている、ブラケットボディと;アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、アーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにしてブラケットボディに対して関連づけられた結紮スライド部材と;を具備している。 自己結紮型歯科矯正ブラケットは、さらに、結紮スライド部材が閉塞位置にあるときには、結紮スライド部材内の凹所に対して係合し得るよう配置された弾性係合部材を具備している。 弾性係合部材と凹所との間の係合は、ブラケットボディに対しての結紮スライド部材の移動を効果的に拘束する。

    本発明のさらに他の実施形態においては、自己結紮型歯科矯正ブラケットは、結紮スライド部材と、歯に対して取り付け得るよう構成されたブラケットボディと、を具備している。 ブラケットボディは、アーチワイヤスロットと、結紮スライド部材を支持する一対の対向ガイドと、を備えている。 一対の対向ガイドは、アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、アーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたる結紮スライド部材の移動を案内するよう機能する。 一対の対向ガイドの少なくとも一方は、凹所を有しており、この凹所は、結紮スライド部材が閉塞位置にあるときには弾性係合部材と係合することができ、この係合によってブラケットボディに対しての結紮スライド部材の移動を拘束し得るものとされている。

    本発明のさらに他の実施形態においては、歯に対してアーチワイヤを連結するための装置は、歯に対して取り付け得るよう構成されているブラケットボディと;このブラケットボディによって付帯されるとともに、アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、アーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにしてブラケットボディに対して関連づけられた結紮スライド部材と;を具備している。 結紮スライド部材は、歯に対向する背面と、背面とは表裏関係に位置する前面と、前面と背面との間にわたって貫通した貫通穴と、を備えている。 弾性係合部材は、閉塞位置においては結紮スライド部材に対して係合することができ、その係合によってブラケットボディに対しての結紮スライド部材の移動を拘束することができる。 装置は、さらに、ツールを具備している。 このツールは、肩部と、弾性係合部材を偏向させ得るに十分な突出距離にわたって肩部から突出した先端と、を備え、結紮スライド部材のうちの、貫通穴の周囲に位置した部分に対して肩部が当接したときには、結紮スライド部材を、閉塞位置から開放位置へと移動させ得るものとされている。

    本発明のさらに他の実施形態においては、自己結紮型歯科矯正ブラケットは、歯に対して取り付け得るよう構成されているブラケットボディと;このブラケットボディによって付帯されるとともに、アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、アーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにしてブラケットボディに対して関連づけられた結紮スライド部材と;を具備している。 結紮スライド部材は、歯に対向する背面と、背面とは表裏関係に位置する前面と、この前面からアクセス可能とされたツール係合部材と、を備えている。 前面は、この前面に当接しているツールの移動を案内してツール係合部材に向けてツールを移動させるのに効果的なチャネルを有している。

    本発明のさらに他の実施形態においては、自己結紮型歯科矯正ブラケットは、歯に対して取り付け得るよう構成されているブラケットボディと;このブラケットボディによって付帯されるとともに、アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、アーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにしてブラケットボディに対して関連づけられた結紮スライド部材と;を具備している。 自己結紮型歯科矯正ブラケットは、さらに、ブラケットボディ上に配置された偏向部材であって、結紮スライド部材が閉塞位置にありかつブラケットボディが歯に対して取り付けられているときに、患者の口腔内の咀嚼物を、側縁から遠ざけるようにする偏向部材を具備している。

    本発明のさらに他の実施形態においては、自己結紮型歯科矯正ブラケットは、歯に対して取り付け得るよう構成されているブラケットボディと;このブラケットボディによって付帯されるとともに、アーチワイヤスロット内へとアーチワイヤが挿入可能とされた開放位置と、アーチワイヤスロット内へにアーチワイヤを収容保持している閉塞位置と、の間にわたって移動可能であるようにしてブラケットボディに対して関連づけられた結紮スライド部材と;を具備している。 結紮スライド部材は、開放位置とされたときに、ブラケットボディ上の係止部材と当接する少なくとも1つの係止部材を備えている。

    本発明の上記および他の目的や利点は、添付図面と以下の説明とにより、明瞭となるであろう。

    本明細書の一部をなす添付図面は、本発明に関する上記一般的説明と一緒に、また、いくつかの実施形態に関する以下の詳細な説明と一緒に、本発明のいくつかの実施形態を例示しており、本発明の原理を説明するように機能する。

    以下においては、本発明について、いくつかの実施形態に関して説明するけれども、本発明は、特定のタイプの自己結紮型歯科矯正ブラケットに限定されるものではない。 本発明のいくつかの実施形態についての説明は、特許請求の範囲において規定されている本発明の精神および範囲内に属するような、すべての代替例や変形例や均等物を包含することを意図している。 特に、当業者であれば、以下で説明する本発明の各実施形態における各構成要素を様々な態様で実施し得ることは、理解されるであろう。

    図1〜図5に示すように、全体的に符号(10)によって示されている歯科矯正ブラケットは、ブラケットボディ(12)と、このブラケットボディ(12)内に部分的に嵌め込まれているあるいはインサート成型されている自己結紮インサート体(14)と、この自己結紮インサート体(14)に対してスライド可能に連結される移動可能な結紮スライド部材(16)と、自己結紮インサート体(14)に対しての結紮スライド部材(16)の移動範囲を制限するための弾性的係合部材すなわちスプリングアーム(18)と、を備えている。 スプリングアーム(18)は、また、スライド部材(16)を、開放状態すなわち非係止状態(図3)と、閉塞状態すなわち係止状態(図2)と、においてロックする。 ブラケットボディ(12)と自己結紮インサート体(14)とは、協働して、歯科矯正治療において使用するための歯科矯正ブラケット構造を形成する。

    ブラケットボディ(12)は、接着ベース(20)と、患者の下顎側の歯に対して取り付けられた際に咬合側に位置する咬合サイド(22)と、歯茎サイド(24)と、ボディ(12)の歯茎サイド上に形成された複数の例えば2つの歯科矯正結合ウィング(26,28)と、一対をなすサイドフランジ(30,32)と、各結合ウィング(26,28)とそれに対応する各サイドフランジ(30,32)との間において咬合/歯茎方向に形成されかつ互いに離間した2つのアーチワイヤスロット部分(34,36)と、サイドフランジ(30,32)どうしの間において近心/遠心方向に延在する凹所グルーブ(33)と、を備えている。 凹所グルーブ(33)は、同様に近心/遠心方向に延在しているアーチワイヤスロット部分(34,36)に対して、位置合わせされている。 結合ウィング(26,28)は、近心/遠心方向において離間しており、例えば歯に対して捻れ力を印加し得る歯科矯正取付位置といったような、歯科矯正取付位置を提供する。 ブラケットボディ(12)の接着ベース(20)は、例えば適切な歯科セメントや接着剤といったような任意の従来手法によって、歯に対して固定し得るよう構成されている。

    さらに図1〜図5に示すように、自己結紮インサート体(14)は、ベース壁(41)と、一対の対向スロット壁(37,39)と、を備えている。 一対の対向スロット壁(37,39)は、ベース壁(41)から唇側に突出しているとともに、近心/遠心方向に延在するアーチワイヤスロット(38)を形成している。 自己結紮インサート体(14)は、さらに、一対をなすガイド(40,42)を備えている。 これらガイド(40,42)は、アーチワイヤスロット(38)を超えて近心サイド上と遠心サイド上とに配置されている。 自己結紮インサート体(14)は、さらに、スロット壁(39)から延出されているとともにガイド(40,42)を付帯している平面状部材(45)を備えている。 ガイド(40,42)は、全体的にL字形状とされていて、平面状部材(45)から唇側に向けて外向きに突出している。 スロット壁(37,39)とベース壁(41)とは、実質的に、ブラケットボディ(12)をなす材料の中に埋設されているあるいは嵌め込まれている。 ガイド(40,42)は、アーチワイヤスロット(38)のうちの、スロット壁(37)とは反対側の側面上に配置されている。 アーチワイヤスロット(38)と、ブラケットボディ(12)のアーチワイヤスロット部分(30,32)とは、典型的な従来技術による歯科矯正ブラケットと同様にして、歯科矯正アーチワイヤ(43)(図4)を受領し得るように、構成されている。

    結紮スライド部材(16)のうちの、互いに反対側に位置した近心側の側縁および遠心側の側縁は、平面状部材(45)と、近心側/遠心側ガイド(40,42)のうちの、各側縁に対応する一方と、の間において、移動可能にかつスライド可能に係合する。 結紮スライド部材(16)は、アーチワイヤ(43)がアーチワイヤスロット(38)内に挿入可能とされた開放位置すなわち非係止位置と、アーチワイヤ(43)がアーチワイヤスロット(38)内に捕捉されたあるいは収容された閉塞位置すなわち係止位置と、の間にわたって、ブラケットボディ(12)に対して咬合/歯茎方向に移動可能とされている。 スロット壁(37)は、ブラケットボディ(12)の周囲表面よりも凹んでいる。 これにより、結紮スライド部材(16)が閉塞位置とされたときには、スライド部材(16)の周縁部が、自己結紮インサート体(14)のうちの、ガイド(40,42)が設置されているのとは反対側の側縁上において、ブラケットボディ(12)に対して当接する。

    スプリングアーム(18)は、ブラケットボディ(12)および自己結紮インサート体(14)に対しての、結紮スライド部材(16)の移動を規制するとともに、結紮スライド部材(16)が開放位置にあるかあるいは閉塞位置にあるかにかかわらず、使用時における自己結紮インサート体(14)からの結紮スライド部材(16)の偶発的なあるいは無用な逸脱を防止する。 スプリングアーム(18)は、ブラケットボディ(12)に対して結紮スライド部材(16)を連結するように機能し、結紮スライド部材(16)を、ブラケットボディ(12)に対して、開放位置あるいは閉塞位置に位置決めする。

    スプリングアーム(18)は、全体的にL字形状とされていて、アーチワイヤスロット(38)に対して垂直に配置されている。 唇側へと延在しているスプリングアーム(18)の一端部は、自己結紮インサート体(14)に対して固定されている。 この場合、スプリングアーム(18)は、ガイド(40,42)どうしの間に延在しているとともに、平面状部材(45)内に形成されたブラインド開口(44)に対して機械的に連結されている。 スプリングアーム(18)は、自己結紮インサート体(14)に対して固定することができる、あるいは、結紮スライド部材(16)と自己結紮インサート体(16)との間において単に閉じ込めるだけすなわち拘束するだけとすることができる。 スプリングアーム(18)の反対側の端部には、唇側に突出したデテントすなわち突部(46)が設けられている。 この突部(46)は、例えば、矩形横断面のものや円形横断面のものとすることができる。

    引き続き図1〜図5を参照すれば、結紮スライド部材(16)は、全体的に平板状の構造であって、長尺のスロットすなわち凹所(48)(図4)を備えている。 この凹所(48)は、歯の表面に向けて開口しているとともに、スプリングアーム(18)を受領し得るよう構成されている。 結紮スライド部材(16)は、さらに、一方の側縁から近心/遠心方向において外向きに延在したフランジ(50)と、反対側の側縁から近心/遠心方向において外向きに延在したフランジ(52)と、唇/舌方向に延在したフランジ(53)と、を備えている。 フランジ(50,52,53)は、結紮スライド部材(16)の外周縁回りに配置されている。 フランジ(50)は、自己結紮インサート体(14)のガイド(40)に対してスライド移動可能に係合する。 フランジ(52)は、自己結紮インサート体(14)の遠心側に位置したガイド(42)に対してスライド移動可能に係合する。 結紮スライド部材(16)のフランジ(53)は、スロット壁(37)のうちの、近心/遠心方向に互いに離間した2つの外向き突出部分に対して当接する。

    長尺凹所(48)は、咬合側においてあるいは歯茎側において開口する開口端(54)と、この開口端(54)とは反対側に位置する閉塞端(56)と、を有している。 開口端(54)の近傍には、結紮スライド部材(16)を舌/唇方向に貫通して、貫通穴(58)が形成されている。 この貫通穴(58)の横断面形状は、突部(46)の横断面形状に対応したものとされている。 スプリングアーム(18)は、突部(46)と貫通穴(58)とを選択的に係合させることによって、結紮スライド部材(16)を弾性的に片持ち支持することができる。 これにより、結紮スライド部材(16)を、閉塞位置にロックすることができる。 この目的のために、スプリングアーム(18)は、突部(46)が歯から遠ざかるように歯茎側に外向きにかつ結紮スライド部材(16)に向かう向きに、弾性的に付勢する。

    スプリングアーム(18)は、開放位置または閉塞位置のいずれかの位置に結紮スライド部材(16)を保持するよう機能するとともに、ブラケット(10)が歯上において役目を完了したときには、結紮スライド部材(16)の取外しを制御する。 この目的のために、スプリングアーム(18)は、開放位置および閉塞位置において、結紮スライド部材(16)に対しての明確な係止をもたらす。 ただし、開放位置と閉塞位置との間にわたっての移行時における付勢力に打ち勝つことはない。 言い換えれば、スプリングアーム(18)は、結紮スライド部材(16)を、スプリングアーム(18)の付勢力とは独立に、開放位置および閉塞位置にロックする。 スプリングアーム(18)は、単に、突部(46)と貫通穴(58)とを強制的に係合させることにより閉塞位置を確立するよう機能するとともに、閉塞壁(56)の内向き面に対して当接することにより開口位置を確立するよう機能する。

    本発明のいくつかの実施形態においては、ブラケットボディ(12)は、例えばセラミックやポリマー樹脂といったような実質的に透明または半透明あるいは歯の色をした見た目に満足のいく任意の材料から形成することができる。 限定するものではないけれども、適切なポリマー樹脂には、ポリカーボネート、アクリルベースの熱可塑性樹脂、アクリル系の熱硬化樹脂、および、他の構造的プラスチック、がある。 ポリマー樹脂は、例えばガラス球といったようなあるいはガラスファイバ等の補強用ファイバといったようなフィラーによって、補強することができる。 これにより、ブラケットボディ(12)の剛性および強度を改良した複合体を得ることができる。 適切なセラミックには、多結晶酸化アルミニウム、サファイヤ、硬質のジルコニア、および、イットリウムによって安定化されたジルコニア、がある。

    このような実施形態においては、自己結紮インサート体(14)は、例えばステンレススチールといったような、より詳細には17−4ステンレススチールといったような、生体適合性金属を原料として、例えば金属射出成型(metal injection molding,MIM)といったような任意の適切な成形技術を使用して、形成することができる。 スプリングアーム(18)は、ステンレススチールやチタン合金やNi/Tiタイプの超弾性材料も含めた任意の適切な材料から形成される。 スプリングアーム(18)に関して、1つの特に適切な材料は、17−7PHステンレススチールである。 結紮スライド部材(16)は、例えばステンレススチールといったような金属も含めた任意の生体適合性材料を原料として、例えばMIMといったような任意の適切なプロセスを使用して、形成することができる。 あるいは、結紮スライド部材(16)は、金属製コア部材材と、この金属製コア部材材を少なくとも部分的に囲んでいる例えば酸化アルミニウムや窒化チタンや酸化チタンといったようなセラミック製の薄いシェルと、を原料として形成することができる。 この場合、シェルは、天然の歯のエナメル質と見た目が同じとなるように着色されているとともに、特定の患者のエナメル質の陰影に対応した陰影を有することができる。 ブラケットボディ(12)と、自己結紮インサート体(14)と、結紮スライド部材(16)とは、例えば射出成型といったような任意の従来的成形技術によって、組み立てることができる。

    本発明の他の特定の実施形態においては、歯科矯正ブラケット(10)は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、全体的に金属から形成することができる。 本発明のさらに他の特定の実施形態においては、金属製自己結紮インサート体(14)は、例えば金属製のヒンジ付き閉塞部材といったような他の構成とすることもでき、スライド式の自己結紮機構に限定されるものではない。

    図1〜図5を参照すれば、結紮スライド部材(16)は、閉塞状態においては、アーチワイヤスロット(38)内にアーチワイヤ(43)を収容していて、アーチワイヤスロット(38)内への侵入を阻止している。 なおかつ、突部(46)と貫通穴(58)との間の係合によって、係止状態が確立されている。 結紮スライド部材(16)は、ツール(図15)の端部を使用することによって、ロック解除される。 この場合、ツールの端部は、スプリングアーム(18)によってもたらされている付勢力に対して打ち勝ち得るような十分に大きな力でもって歯に向けて内向きに(すなわち、舌側へと)突部(46)を押圧し得るよう構成されており、これにより、突部(46)と貫通穴(58)との係合が解除され、これにより、非係止状態がもたらされる。 ツールによって、突部(46)が、結紮スライド部材(16)の背面を実質的に超えるような適切な距離の分だけ内向きに(すなわち、舌側へと)駆動されたときには、結紮スライド部材(16)は、移動自由となり、ツールによって印加される力によって、開放位置に向けて、両ガイド(40,42)によって案内されつつ咬合/歯茎方向に沿ってスライド式に駆動される。 結紮スライド部材(16)の移動は、スプリングアーム(18)の湾曲部分(62)と長尺凹所(48)の閉塞壁(56)との間の接触によって、開放位置において明確に停止する。

    結紮スライド部材(16)を閉塞位置とするためには、スプリングアーム(18)による付勢力の作用によって突部(46)が外向きに弾発して貫通穴(58)内に受領される位置にまで、結紮スライド部材(16)を咬合/歯茎方向に移動させる。 その場合、結紮スライド部材(16)は、閉塞位置に固定的にロックされる。 貫通穴(58)内への突部(46)の係合は、施術者が感受し得るような触覚的効果をもたらし得るものである。 また、その係合は、同様に施術者が感受し得るような、例えばクリック音等の可聴音を発生させ得るものである。 結紮スライド部材(16)は、上述したツールを使用することによって咬合/歯茎方向に移動させることができる、あるいは、他のタイプのツールを使用することによって咬合/歯茎方向に単に押し込むことができる、あるいは、施術者の指先をフランジ側縁(53)に対し当接させることによって単に押し込むことができる。 それは、結紮スライド部材(16)が、スプリングアーム(18)による付勢力に打ち勝つ必要なく咬合/歯茎方向に移動自由となっているからである。

    スプリングアーム(18)による弾性的付勢力は、突部(46)と貫通穴(58)との間の係合を除いては、また、湾曲部分(62)が長尺凹所(48)の閉塞端に対して係止されることを除いては、結紮スライド部材(16)に対しては作用しない。 そのため、スプリングアーム(18)は、ブラケットボディ(12)に対して結紮スライド部材(16)を移動させることに関しては、結紮スライド部材(16)に対して力をもたらさない。 さらに、結紮スライド部材(16)は、移動時には、スプリングアーム(18)の弾性力に打ち勝つ必要がない。

    図7に示すように、代替可能な実施形態においては、結合ウィング(26,28)は、スロット壁(37)のエッジを超えて外向きに(すなわち、唇側へと)突出するような、寸法とすることができる。 その結果、結紮スライド部材(16)が閉塞位置とされたときには、閉塞壁(56)の最外エッジは、結合ウィング(26,28)の底面に対して当接することとなる。

    図6においては、図1〜図5における各構成要素と同様の構成要素に対しては、同じ符号が使用されている。 図6においては、本発明の代替可能な実施形態に基づく歯科矯正ブラケット(10')は、ブラケットボディ(12')と、このブラケットボディ(12')内に嵌め込まれているあるいはインサート成型されている自己結紮インサート体(14')と、この自己結紮インサート体(14')に対してスライド可能に連結される移動可能な結紮スライド部材(16')と、弾性係合部材と、を備えている。 弾性係合部材は、ピン(70)と、結紮スライド部材(16')に向けてピン(70)を付勢する弾性部材(72)と、から構成されており、自己結紮インサート体(14')に対しての結紮スライド部材(16')の移動を規制することができる。 後述の構成以外に関しては、歯科矯正ブラケット(10')の他の構成要素は、歯科矯正ブラケット(10)の各構成要素と実質的に同様である。 歯科矯正ブラケット(10')は、図6においては、結紮スライド部材(16')が閉塞位置とされた状態でもって、図示されている。

    ブラケットボディ(12')は、円筒形孔(74)を備えている。 この孔(74)は、ブラインド孔とすることができ、この孔内には、圧縮スプリングとして例示されている弾性部材(72)が受領されている。 弾性部材(72)は、ピン(70)のカラー(76)とブラインド孔(74)の閉塞端との間において圧縮状態でもって拘束されている。 弾性部材(72)の圧縮は、唇側を向く付勢力を生成する。 カラー(76)からは、円筒形デテントすなわち突部(80)が、外向きに突出している。 結紮スライド部材(16')が閉塞位置とされたときには、カラー(76)の歯茎側に位置した面が、結紮スライド部材(16')の下部に当接し、突部(80)が、結紮スライド部材(16')に設けられている開口(82)内に受領される。 突部(80)と開口(82)との間の係合は、開放位置または閉塞位置のいずれかの位置に結紮スライド部材(16')を保持するよう機能するとともに、ブラケット(10')が歯上において役目を完了したときには、結紮スライド部材(16')の取外しを制御する。

    開放位置とするためには、ツール(図示せず)を使用することによって、弾性部材(72)によってもたらされている付勢力に対して打ち勝ち得るような十分に大きな力でもって歯に向けて内向きに、突部(80)を押圧する。 これにより、突部(80)と開口(82)との係合が解除される。 突部(80)が、結紮スライド部材(16')の背面を実質的に超えるような適切な距離の分だけ内向きに駆動されたときには、結紮スライド部材(16')は、開放位置に向けてスライド移動することができる。 開放位置においては、突部(80)が、凹所の端部壁(84)に対して当接することにより、明確な係止をもたらす。 これにより、結紮スライド部材(16')は、ブラケットボディ(12')に対して拘束される。 開放位置から閉塞位置に向けての結紮スライド部材(16')の移動は、弾性部材(72)による付勢力の作用によって突部(80)が外向きに弾発して開口(82)内に受領される位置にまで、結紮スライド部材(16')を咬合/歯茎方向に移動させることにより、達成される。 その場合、結紮スライド部材(16')は、閉塞位置に固定的にロックされる。 弾性部材(72)は、突部を開口(82)内に係合させたりあるいは開口(82)から係合解除させたりするためのものである。

    図8〜図10においては、図1〜図5における各構成要素と同様の構成要素に対しては、同じ符号が使用されている。 図8〜図10においては、本発明の代替可能な実施形態に基づく歯科矯正ブラケット(10”)は、ブラケットボディ(図示せず)と、このブラケットボディ内に嵌め込まれているあるいはインサート成型されている自己結紮インサート体(14”)と、この自己結紮インサート体(14”)に対してスライド可能に連結される移動可能な結紮スライド部材(16”)と、弾性係合部材と、を備えている。 弾性係合部材は、結紮スライド部材(16”)に対して一端部(92)において固定されたロックワイヤ(90)から構成されている。ロックワイヤ(90)は、結紮スライド部材(16”)のフランジ(52)内に形成された通路(93)を近心/遠心方向に貫通して延在している。 ロックワイヤ(90)の他端(94)は、結紮スライド部材(16”)の側縁を超えて突出している。閉塞位置においては、ロックワイヤ(90)の端部(94)は、ガイド(42)内に形成された相補形状ロック凹所(96)内へと延出される。よって、この端部(94)は、デテントすなわち突部として機能し、ロック凹所内に拘束されることによって結紮スライド部材(16”)の移動を阻止する。 端部(94)とロック凹所(96)との間の係合は、閉塞位置における結紮スライド部材(16”)に対しての明確な係止をもたらす。

    結紮スライド部材(16”)を厚さ方向に貫通して、開口(98)が形成されている。この開口(98)に対応した位置には、ロックワイヤ(90)の長手方向の一部が位置している。結紮スライド部材(16”)を閉塞位置から解除するためには、適切なツール(図示せず)を使用することによって、ロックワイヤ(90)を、開口(98)を囲んで規定している内部エッジ(100)に向けて、咬合/歯茎方向に湾曲させるすなわち偏向させる。 これにより、ロックワイヤ(90)の端部(90)は、図9に示すようにして、ロック凹所(96)から引き抜かれる。 これにより、結紮スライド部材(16”)は、移動自由となり、ツール(102)によって印加した咬合/歯茎方向の力を使用することによって、閉塞位置から開放位置へと移行させることができる。これにより、アーチワイヤスロット(38)内へとアーチワイヤ(143)を挿入することができる。ロックワイヤ(90)は、ロック凹所(96)からの端部(94)の引抜を行い得るよう繰返し的に湾曲し得るよう、十分な湾曲性を有した任意の材料から形成される。より詳細には、ロックワイヤ(90)を形成する材料は、ロック凹所(96)から端部(94)を引く抜くために曲げられたときにあるいは偏向されたときに塑性変形を起こすことなく、弾性変形するべきである。その結果、ロックワイヤ(90)は、アーチワイヤ(43)をアーチワイヤスロット(38)内へと挿入し終わった後に結紮スライド部材(16”)を開放位置から閉塞位置にまで移動させたときには、端部(94)を延出させてロック凹所(96)内に係合させることができる。 ロックワイヤ(90)は、例えば、超弾性的Ni/Ti合金から形成することができる。 ロックワイヤ(90)を、L字形状をなすよう約90°でもって曲げておき、曲げた部分を開口(98)を通して視認し得るようにして結紮スライド部材(16”)に対して取り付けることが想定される。その場合には、ロックワイヤ(90)に対して近心/遠心方向に印加される力によって、端部(94)をロック凹所(96)から引き抜くことができる。

    図10は、ロック凹所(96)から端部(94)を引き抜いて結紮スライド部材(16”)を解放しこれにより結紮スライド部材(16”)を閉塞位置から開放位置に向けて移動可能とするために、ロックワイヤ(90)を偏向させるための代替可能な方法を示している。 より詳細には、ロックワイヤ(90)のうちの、開口(98)を通して見えている部分は、開口(98)の内径よりも大きな直径のカラー(104)を有した適切なツールの端部(106)を使用することによって、内向きに(すなわち、舌側へと)押し込まれている。 これにより、ロックワイヤ(90)の内方変位が制限されている。

    図11〜図14に示すように、本発明の代替可能な実施形態においては、全体的に符号(110)によって示されている歯科矯正ブラケットは、歯科矯正治療において使用するものであって、ブラケットボディ(112)と、このブラケットボディ(112)内に取り付けられた自己結紮インサート体(114)と、この自己結紮インサート体(114)に対してスライド可能に連結される移動可能な結紮スライド部材(116)と、弾性的係合部材すなわちスプリングアーム(118)と、を備えている。 ブラケットボディ(112)と、自己結紮インサート体(114)と、結紮スライド部材(116)と、スプリングアーム(118)とは、歯科矯正ブラケット(10)(図1〜図5)における各構成要素に関して上述した各材料と同じ各材料から形成されている。

    ブラケットボディ(112)は、接着ベース(120)と、凹所スロットすなわちグルーブ(122)と、を備えている。 グルーブ(122)は、図11に明瞭に示すように、全体的に近心/遠心方向に延在している。 接着ベース(120)は、例えば適切な歯科セメントや接着剤といったような任意の従来手法によって、歯(124)のエナメル質に対して固定し得るよう構成されている。 より詳細には、ブラケットボディ(112)は、典型的には、係止位置をなす閉塞位置(図13)から、非係止位置をなす開放位置(図12)に向けての、結紮スライド部材(116)の移動が、重力によって補助されるような向きでもって、歯(124)に対して固定される。 この場合、重力は、また、外力が印加されるまでは、結紮スライド部材(116)が開放位置に留まることを補助する。 歯(124)が患者の下顎に付帯されたものである場合、ブラケットボディ(112)は、下顎の歯(124)に対して、閉塞に際しては結紮スライド部材(116)が歯茎側から咬合側へと動するようにして、すなわち、結紮スライド部材(116)が重力方向に移動するようにして、接着される。 歯(124)が患者の上顎に付帯されたものである場合、ブラケットボディ(112)は、上顎の歯(124)に対して、閉塞に際しては結紮スライド部材(116)が咬合側から歯茎側へと移動するようにして、すなわち、結紮スライド部材(116)がこの場合にも重力方向に移動するようにして、接着される。

    付加的には、2つの歯科矯正結合ウィング(126,128)を、近心/遠心方向において互いに離間した位置関係でもって、ブラケットボディ(112)上に設けることができる。 これら結合ウィング(126,128)は、例えば歯(124)に対して捻れ力を印加し得る歯科矯正取付位置といったような、歯科矯正取付位置を提供する。

    さらに図11〜図14に示すように、自己結紮インサート体(114)は、ベース壁(136)と、一対の対向スロット壁すなわち一対の側壁(130,132)と、を備えている。 一対の対向スロット壁(130,132)は、ベース壁(136)から唇側にすなわち頬側に外向きに突出している。 これら側壁(130,132)とベース壁(136)とは、ブラケットボディ(112)をなす材料の中に嵌め込まれており、全体的に、ブラケットボディ(112)内のグルーブ(122)と同一の延在具合とされている。 側壁(130,132)とベース壁(136)とは、全体的に近心/遠心方向に延在するアーチワイヤスロット(138)を形成している。 アーチワイヤスロット(138)は、従来技術による歯科矯正ブラケットと同様にして、歯科矯正アーチワイヤ(143)(図14)を受領し得るように、構成されている。 ブラケットボディ(112)の一部は、自己結紮インサート体(114)の側壁(130)を超えて延出されており、歯(124)に対して外向きをなす引抜力に対しての抵抗性を、自己結紮インサート体(114)に対して付与する。

    側壁(130)は、図14に最も明瞭に示すように、楔形状とされている。 これにより、自己結紮インサート体(114)の引抜抵抗性を増強するように機能する。 ブラケットボディ(112)に対しての境界部分における側壁(130)の形状は、ドラフトすなわち負を形成している。 このことは、ブラケットボディ(112)に対して自己結紮インサート体(114)をロックする傾向を有している。 特に、ドラフトは、歯(124)から外向きをなす引抜力に対しての、自己結紮インサート体(114)の抵抗性を増大させる。

    自己結紮インサート体(114)は、さらに、側壁(132)から延出されている実質的に平面状の部材(134)と、この平面状部材(134)に設けられている一対をなすガイド(140,142)と、を備えている。 ガイド(140,142)は、近心/遠心方向において互いに離間して配置されている。 ガイド(140,142)は、平面状部材(134)から唇側にあるいは頬側に外向きに突出しており、アーチワイヤスロット(138)側面上に配置されている。 ガイド(140)は、近心/遠心方向に突出したリップ(140a)を有しており、ガイド(142)は、近心/遠心方向に突出したリップ(142a)を有している。 これらリップ(140a,140b)は、互いに対向している。 自己結紮インサート体(114)が、金属製のガイド(140,142)を備えていることにより、自己結紮インサート体(114)は、自己結紮型とされた歯科矯正ブラケット(110)を構成し得るに十分な強度を有している。

    さらに図11〜図14に示すように、結紮スライド部材(116)は、全体的に平面状の構造体であって、中央部(144)と、この中央部内に形成されていて歯(124)の方を向いて開口している長尺グルーブすなわち凹所(146)(図14)と、中央部(144)の周縁から近心/遠心方向において外向きに突出したフランジ(148)と、中央部(144)の反対側の周縁から近心/遠心方向において外向きに突出したフランジ(150)と、を備えている。 フランジ(148,150)の各々は、円滑に湾曲した連接部分を介して、中央部(144)に対して連接されている。 フランジ(148)は、自己結紮インサート体(114)のガイド(140)のリップ(140a)と平面状部材(134)との間におけるC字形状スペース内において、咬合/歯茎方向に移動する。 同様に、フランジ(150)は、ガイド(142)のリップ(142a)と平面状部材(134)との間におけるC字形状スペース内において、咬合/歯茎方向に移動する。

    長尺凹所(146)は、開放端(154)と、この開放端(154)とは反対側に位置した閉塞端(156)と、の間にわたって延在している。 貫通穴(152)が、開放端(154)寄りの位置に、形成されている。 結紮スライド部材(116)の中央部(144)の唇側に位置した面は、チャネル(158)を有している。 このチャネル(158)は、テーパー形状とされている、すなわち、結紮スライド部材(116)の前端(160)から結紮スライド部材(116)の後端(162)へと向かうにつれて狭くなっている。 貫通穴(152)は、チャネル(158)の頂点の近傍に形成されており、通常は、チャネル(158)の頂点のところに形成されている。 チャネル(158)は、貫通穴(152)に向けて収束している。 チャネル(158)は、中央部(144)のうちの、長尺凹所(146)が形成されている面とは表裏関係をなす面上に形成されている。 チャネル(158)は、後述するように、貫通穴(152)に向けて先端(184)(図15)をうまく案内し得るように向きでもって構成されている。 例えば、チャネル(158)を、テーパー形状としないこともでき、また、貫通穴(152)を、チャネル(158)の頂点近傍の位置とは異なる位置に配置することもできる。

    さらに図11〜図14に示すように、結紮スライド部材(116)は、開放位置と閉塞位置との間にわたってブラケットボディ(112)に対して咬合/歯茎方向に移動可能である。 開放位置においては、アーチワイヤスロット(138)がアクセス可能とされ、アーチワイヤ(143)(図14)を、アーチワイヤスロット(138)内に挿入することができる。 閉塞位置においては、アーチワイヤ(143)を、アーチワイヤスロット(138)内に捕捉すなわち収容することができる。 結紮スライド部材(116)が閉塞位置にあるときには、結紮スライド部材(116)の前端(160)は、両結合ウィング(126,128)の間において全体的にブラケットボディ(112)上に配置されていて円滑に湾曲した偏向部材(166)の下面に対して、隣接配置される。 偏向部材(166)は、咀嚼時には、結紮スライド部材(116)の前端(160)をカバーして遮蔽し、患者の口腔内の咀嚼対象物質が侵入することを防止する。 その結果、咀嚼対象物質は、前端(160)に対して接触することができず、噛み合わせ時における結紮スライド部材(116)の位置ズレ耐性を増大させる。 本発明においては、偏向部材(166)を、図11〜図14に示すような連続的リッジとし得ること、あるいは、例えば不連続な歯並びや互いに離間した複数の突部といったようなものに合わせた形状といったような、前端(160)の遮蔽に関して適切であるような他の形状とし得ること、を想定している。 いずれにしても、偏向部材(166)の円滑凸状湾曲は、咀嚼対象物質や他の対象物を、前端(160)から遠ざけ得るように、偏向している。

    結紮スライド部材(116)が開放位置にあるときには、結紮スライド部材(116)の後端(162)の一部が、両ガイド(140,142)上に形成された係止体(168,170)によって係止される。 係止体(168,170)は、実質的に平面の形態とされている。 係止体(168,170)は、使用時において、ブラケットボディ(112)が開放位置とされたときに、自己結紮インサート体(114)から結紮スライド部材(116)が偶発的にあるいは無用に逸脱してしまうことを防止する。 係止体(168,170)は、咬合/歯茎方向における結紮スライド部材(116)の移動範囲を制限する。

    さらに図11〜図14に示すように、スプリングアーム(118)は、ブラケットボディ(112)および自己結紮インサート体(114)に対しての、結紮スライド部材(116)の移動を規制するとともに、自己結紮インサート体(114)と結紮スライド部材(116)との間に拘束されている。 スプリングアーム(118)は、全体的にL字形状とされていて、アーチワイヤスロット(138)に対して垂直に配置されている。 スプリングアーム(118)の内向きプロング(172)は、自己結紮インサート体(114)内に形成された凹所(174)内に受領されている。 スプリングアーム(118)の自由端には、外向きに突出したデテントすなわち突部(176)が設けられている。 この突部(176)の横断面形状は、貫通穴(152)の横断面形状に対応したものとされている。 この目的のために、突部(176)は、矩形横断面のものや楕円形横断面のものとすることができる。 突部(176)は、結紮スライド部材(116)が閉塞位置にあるときには、結紮スライド部材(116)の貫通穴(152)内に延在している。 突部(176)と貫通穴(152)との間の係合は、スライド部材を開放しようと意図しない限り、結紮スライド部材(116)を閉塞位置に維持する。 閉塞位置における維持は、偏向部材(166)が、結紮スライド部材(116)の前端(160)を遮蔽して、咀嚼対象物質が前端(160)のところに侵入しないようにしていることによって補助されている。 その結果、結紮スライド部材(116)は、閉塞位置から開放位置へと、不注意に移行することがない。

    スプリングアーム(118)の突部(176)を付帯している自由端は、長尺凹所(146)内に捕捉されたときには、弾性的に押圧される。 より詳細には、スプリングアーム(118)の自由端は、突部(176)が貫通穴(152)に対して位置合わせされたときには、結紮スライド部材(116)に向けて外向きに、弾性変形することができるすなわち弾発することができる。 これにより、突部(176)は、貫通穴(152)に対して選択的に係合することができ、結紮スライド部材(116)を閉塞位置においてロックすることができる。 この目的のために、スプリングアーム(118)は、歯から遠ざける向きにかつ結紮スライド部材(116)に向けて外向きに突部(176)を押し出すようにして、弾性的な付勢を行っている。

    結紮スライド部材(116)は、一対をなす突部すなわち係止部(178,180)を備えている。 これら係止部(178,180)は、実質的にフラットな平面の形態とされているとともに、自己結紮インサート体(114)の係止体(168,170)を係止し得るような向きとされている。 結紮スライド部材(116)が完全に開放されたときには、係止部(178,180)が、それぞれ対応する係止体(168,170)に対して当接する。 これにより、移動に関しての明確な阻止がもたらされる。 スプリングアーム(118)の突部(176)は、開放位置においては、咬合/歯茎方向に印加された比較的小さな力に対しては結紮スライド部材(116)を開放位置に維持し得るに十分な力でもって、長尺凹所(146)に対して当接する。

    結紮スライド部材(116)は、開放位置と閉塞位置との間にわたっての移行時には、付勢力に打ち勝つ必要なく、開放位置と閉塞位置との間にわたって移行することができる。 言い換えれば、スプリングアーム(118)は、スプリングアーム(118)による付勢力とは実質的に無関係に、開放位置および閉塞位置に結紮スライド部材(116)をロックする。 開放位置と閉塞位置との間の途中の位置においては、結紮スライド部材(116)は、従来技術による自己結紮ブラケットの場合にスプリング付勢された結紮スライド部材を移動させるのに必要な力と比較して、かなり小さな力でもって自由に移動させることができる。 結紮スライド部材(116)は、結紮スライド部材(116)が開放位置にあるかあるいは閉塞位置にあるかにかかわらず、自己結紮インサート体(114)によって捕捉されている。

    図15に示すように、スプリング力解除ツール(182)は、先端(184)と、この先端(184)を取り囲んでいる環状カラーすなわち環状肩部(186)と、ツール(182)を把持して操作するためのハンドル(188)と、を備えている。 先端(184)は、結紮スライド部材(116)の貫通穴(152)内に挿入され、内向きに押圧されたときには、突部(176)を内向きに押圧して、突部(176)と貫通穴(152)との間の係合を解除し、これにより、結紮スライド部材(116)を、閉塞位置から解除して、開放位置へと移動させることができる。 口腔内部における視界が限定的であることにより、また、貫通穴(152)が比較的小さなものであることにより、チャネル(158)は、貫通穴(152)に向けて先端(184)を案内するように機能する。 貫通穴(152)は、開口穴(152)内における先端(184)の中心合わせを補助するための湾曲部(152a)を有している。 ハンドル(188)は、湾曲部(190)に向けてテーパー形状とされている。 湾曲部(190)は、奥歯(124)に対して取り付けられたブラケット(110)に対してアクセスし得るように先端(184)の向きを規定している。 湾曲部(190)は、アクセスが容易な中央の歯(124)に対してアクセスする際には、スプリング力解除ツール(182)において曲げ角度を小さなものとすることができるあるいは省略することができる。

    肩部(186)は、貫通穴(152)の周辺部分において結紮スライド部材(116)に対して当接することにより、貫通穴(152)内への先端(184)の挿入深さを制限するように機能する。 より詳細には、肩部(186)からの先端(184)の突出長さは、スプリングアーム(118)を損傷させてしまうような力が印加され得ないように、制限されている。 より一般的には、挿入深さは、結紮スライド部材(116)の貫通穴(152)の深さ以上であり、かつ、損傷をもたらす力が印加されてしまうような距離よりも短い。 ある実施形態においては、先端(184)は、貫通穴(152)を囲んでいる結紮スライド部材(116)の厚さと実質的に等しい長さの分だけ、肩部(186)から突出している。 ある特定の実施形態においては、先端(184)は、肩部(186)から0.254mm(0.01インチ)だけ突出しており、貫通穴(152)内への先端(184)の最大侵入深さが、0.254mm(0.01インチ)とされている。 スプリングアーム(118)が、貫通穴(152)から突部(176)の係合を解除するのに必要な力よりも実質的に大きな距離にわたって押圧されたときには、スプリングアーム(118)が材料の弾性限界を超えて応力を受けることが起こり得り、損傷してしまいかねない。

    本発明においては、チャネル(158)と同様のチャネルを、歯科矯正ブラケット(110)と同様の歯科矯正ブラケットにおいてあるいは他の歯科用器具において、結紮スライド部材(116)上のあるいは他の構造体上の所定目標物に対してツールの先端を案内するという他の目的で使用し得ることを想定している。 したがって、本発明のこの見地は、ツールの先端(184)を貫通穴(152)に対して案内して突部(176)を開口(152)から押し出すことだけに限定されるものではない。 本発明のある種の実施形態においては、貫通穴(152)を使用することによって、ツールの先端(184)と一緒に内向き力を印加することができ、これにより、突部(176)と、結紮スライド部材(116)において貫通穴(152)とは個別に形成されている凹所(図示せず)と、の係合を解除することができる。

    使用時には、図11〜図15に示すように、閉塞位置とされた結紮スライド部材(116)は、アーチワイヤスロット(138)に対してのアクセスを阻止し、アーチワイヤスロット(138)内にアーチワイヤを拘束する。 結紮スライド部材(116)は、スプリング力解除ツール(182)の先端(184)を全体的にチャネル(158)内に配置しその後に先端(184)を貫通穴(152)に向けて移動させることにより、ロックが解除される。 チャネル(158)がテーパー形状であることにより、先端(184)が貫通穴(152)内に案内される。 先端(184)が貫通穴(152)内に配置されたときには、スプリングアーム(118)による付勢力に打ち勝ち得るような内向き力が、先端(184)によって、突部(176)に対して印加される。 これにより、突部(176)と貫通穴(152)との間の係合が解除される。 結紮スライド部材(116)は、先端(182)により開放位置に向けて咬合/歯茎方向に印加された力を使用することによって、フランジ(148,150)とガイド(140,142)との間の協働関係によって案内されつつ、スライド式に移動可能である。 結紮スライド部材(116)の移動は、結紮スライド部材(116)の係止部(178,180)と、自己結紮インサート体(114)の係止体(168,170)と、の間の相互係止により、開放位置において明確に係止される。

    結紮スライド部材(116)は、スプリングアーム(118)によるスプリング力に打ち勝つ必要なく、開放位置から閉塞位置へと咬合/歯茎方向に移動自由である。 結紮スライド部材(116)を閉塞位置とするためには、ツール(182)を使用することによりあるいは施術者の指を使用することにより、スプリングアーム(118)による付勢力の作用によって突部(176)が外向きに弾発して貫通穴(152)内に受領される位置にまで、結紮スライド部材(116)を咬合/歯茎方向に移動させる。 その場合、結紮スライド部材(116)は、閉塞位置に固定的にロックされる。 貫通穴(152)内への突部(176)の係合は、施術者が感受し得るような触覚的効果をもたらし得るものである。 また、その係合は、同様に施術者が感受し得るような、例えばクリック音等の可聴音を発生させ得るものである。 スプリングアーム(118)による弾性的付勢力は、突部(176)と貫通穴(152)との間の係合を除いては、結紮スライド部材(116)に対しては作用しない。 そのため、スプリングアーム(118)は、ブラケットボディ(112)に対して結紮スライド部材(116)を移動させることに関しては、結紮スライド部材(116)に対して力をもたらさない。 さらに、結紮スライド部材(116)は、移動時には、スプリングアーム(118)の弾性力に打ち勝つ必要がない。

    本発明について、様々な実施形態を参照して例示し詳細に説明したけれども、本出願人の意図は、本発明の範囲を、それら実施形態の細部に限定することではない。 当業者であれば、他の利点や変形例が自明であろう。 したがって、本発明は、広義な見地においては、上述した装置や方法や各実施形態における特定の細部に限定されるものではない。 よって、本出願人による一般的発明概念による精神および範囲を逸脱することなく、そのような細部を変更することができる。

    本発明の原理による自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す斜視図であって、明瞭化のために、アセンブリから結紮スライド部材を取り外した状態で図示されている。

    図1の自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す斜視図であって、移動可能な結紮スライド部材は、この図には図示していないアーチワイヤを、アーチワイヤスロット内に受領し得る係止状態で示されている。

    図2と同様の斜視図であって、移動可能な結紮スライド部材は、アーチワイヤスロットに対してのアクセスが可能とされた非係止状態で示されている。

    図2の自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す断面図であって、アーチワイヤがアーチワイヤスロット内に捕捉された状態が示されている。

    図3の自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す断面図である。

    本発明の原理による自己結紮型歯科矯正ブラケットの代替可能な実施形態を示す断面図である。

    本発明の原理による自己結紮型歯科矯正ブラケットの他の代替可能な実施形態を示す断面図である。

    本発明の原理による自己結紮型歯科矯正ブラケットの他の代替可能な実施形態を示す斜視図である。

    図8における9−9線に沿った矢視断面図であって、ロックワイヤが、咬合/歯茎方向に曲げられている。

    図8の一部を拡大して示す図であって、ロックワイヤが、歯に向けて内向きに曲げられている。

    本発明の原理による自己結紮型歯科矯正ブラケットの他の代替可能な実施形態を示す分解斜視図である。

    図11の自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す斜視図であって、移動可能なスライド部材が、非係止状態とされている。

    図11の自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す斜視図であって、移動可能なスライド部材が、係止状態とされている。

    図13の自己結紮型歯科矯正ブラケットを示す断面図である。

    移動可能なスライド部材を係止状態と非係止状態との間にわたって移行させるのに適したツールの一部を示す斜視図である。

    符号の説明

    10 自己結紮型歯科矯正ブラケット 12 ブラケットボディ 16 結紮スライド部材 18 スプリングアーム(弾性係合部材)
    38 アーチワイヤスロット 40 ガイド 42 ガイド 43 アーチワイヤ 46 突部 48 長尺凹所(グルーブ)
    56 閉塞端 58 貫通穴 90 ロックワイヤ(曲げ可能ワイヤ、弾性係合部材)
    92 端部(第2端部)
    94 端部(第1端部)
    96 ロック凹所(凹所)
    98 開口(貫通穴)
    110 歯科矯正ブラケット112 ブラケットボディ114 自己結紮インサート体116 結紮スライド部材118 スプリングアーム(弾性的係合部材)
    124 歯152 貫通穴158 チャネル166 偏向部材168 係止体170 係止体176 突部178 係止部180 係止部182 スプリング力解除ツール(ツール)
    184 先端186 肩部

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