歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法及び装置

申请号 JP2014542657 申请日 2012-11-23 公开(公告)号 JP6246130B2 公开(公告)日 2017-12-13
申请人 ブレイボン メディカル コーポレーション; 发明人 ブラッドリー,ドナルド,カーモン;
摘要
权利要求

ヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法であって、 プロセッサが、少なくとも1つのパラメータの時間領域の測定値系列を、前記ヒト患者が装着した歯科器具から受信するステップと、 プロセッサが、前記時間領域の測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の測定値系列に変換するステップと、 プロセッサが、前記周波数領域の測定値系列が、コンプライアンスを示すために予め選択された許容差内にあると判定することによって、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップと、 を含み、 前記少なくとも1つのパラメータが温度、または前記歯科器具の空間方位である、方法。前記少なくとも1つのパラメータが温度である、請求項1に記載の方法。前記周波数領域の測定値系列のある成分が電であり、前記方法が、 プロセッサが、ヒトの口腔内の生理的周波数特性を示す第1の周波数帯及び人工の機械的環境の機械的周波数特性を示す第2の周波数帯の2つの周波数帯の総電力比が、前記予め選択された許容差内にあるか否かを判定するステップと、 プロセッサが、前記総電力比が前記予め選択された許容差内にある場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップと、 をさらに含む、請求項2に記載の方法。前記第1の周波数帯及び前記第2の周波数帯の総電力比が閾値を上回る場合、前記総電力比が予め選択された許容差内である、請求項3に記載の方法。前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップが、予想される最小変動に対して前記温度測定値を評価することを含む、請求項2に記載の方法。前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップが、口腔内で測定した状態で、前記温度測定値が体温の予想される夜間/昼間変動を示すと判定することを含む、請求項2に記載の方法。前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップが、前記温度測定値が35℃から40℃の範囲内であると判定することを含む、請求項2に記載の方法。前記少なくとも1つのパラメータが、前記歯科器具の空間方位である、請求項1に記載の方法。前記周波数領域の測定値系列のある成分が電力であり、前記方法が、 プロセッサが、前記周波数領域の測定値系列の平均電力を判定するステップと、 プロセッサが、前記平均電力が閾値を上回る場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップと、 をさらに含む、請求項8に記載の方法。前記周波数領域の測定値系列のある成分が電力であり、前記方法が、 プロセッサが、ヒトの口腔内の生理的周波数特性を示す第1の周波数帯及び人工の機械的環境の機械的周波数特性を示す第2の周波数帯の2つの周波数帯の総電力比が、前記予め選択された許容差内にあるか否かを判定するステップと、 プロセッサが、前記総電力比が前記予め選択された許容差内にある場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップと、 をさらに含む、請求項8に記載の方法。前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するステップが、 前記周波数領域の空間方位測定値のパワースペクトルがランダムであると判定するために、前記周波数領域の空間方位測定値の前記パワースペクトルを解析することをさらに含む、請求項8に記載の方法。プロセッサが、前記パワースペクトルに、人工的手段による空間方位の変化を示す1つ又は複数の有意の周波数がないことを判定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。歯科器具治療コンプライアンス監視装置で使用するコンプライアンス検証プロセッサであって、 前記歯科器具治療コンプライアンス監視装置は、 前記装置に電力を供給するバッテリーと、 前記装置の周囲温度を測定する温度センサと、 前記装置の空間方位を測定する空間方位センサと、 前記温度センサ及び前記空間方位センサを制御して、それぞれ前記周囲温度及び前記空間方位を定期的に測定し、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るように構成されたプロセッサと、 前記プロセッサに動作可能に結合し、前記時間領域の周囲温度測定値系列及び前記時間領域の空間方位測定値系列を記録するメモリと、 前記プロセッサに動作可能に結合し、歯科器具治療のコンプライアンスを判定するために、前記記録された時間領域の周囲温度測定値系列及び前記記録された時間領域の空間方位測定値系列を前記コンプライアンス検証プロセッサに通信する通信モジュールと、 を備え、 前記コンプライアンス検証プロセッサは、 前記時間領域の周囲温度測定値系列の少なくとも一部を、周波数領域の周囲温度測定値系列に変換し、 前記周波数領域の周囲温度測定値系列の成分が、コンプライアンスを示すために予め選択された許容差内であることを判定することによって、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するように構成される、コンプライアンス検証プロセッサ。前記周波数領域の周囲温度測定値系列のある成分が電力であり、前記コンプライアンス検証プロセッサが、 ヒトの口腔内の生理的周波数特性を示す第1の周波数帯及び人工の機械的環境の機械的周波数特性を示す第2の周波数帯の2つの周波数帯の総電力比が、前記予め選択された許容差内にあるか否かを判定するように構成され、 前記総電力比が予め選択された許容差内にある場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項13に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記第1の周波数帯及び前記第2の周波数帯の総電力比が閾値を上回る場合に、前記総電力比が予め選択された許容差内である、請求項14に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。歯科器具治療コンプライアンス監視装置で使用するコンプライアンス検証プロセッサであって、 前記歯科器具治療コンプライアンス監視装置は、 前記装置に電力を供給するバッテリーと、 前記装置の周囲温度を測定する温度センサと、 前記装置の空間方位を測定する空間方位センサと、 前記温度センサ及び前記空間方位センサを制御して、それぞれ前記周囲温度及び前記空間方位を定期的に測定し、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るように構成されたプロセッサと、 前記プロセッサに動作可能に結合し、前記時間領域の周囲温度測定値系列及び前記時間領域の空間方位測定値系列を記録するメモリと、 前記プロセッサに動作可能に結合し、歯科器具治療のコンプライアンスを判定するために、前記記録された時間領域の周囲温度測定値系列及び前記記録された時間領域の空間方位測定値系列を前記コンプライアンス検証プロセッサに通信する通信モジュールと、 を備え、 前記コンプライアンス検証プロセッサは、 前記時間領域の空間方位測定値系列の少なくとも一部を、周波数領域の空間方位測定値系列に変換し、 前記周波数領域の前記空間方位測定値系列の成分が、コンプライアンスを示すために予め選択された許容差内であると判定することによって、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するように構成される、コンプライアンス検証プロセッサ。前記周波数領域の空間方位測定値系列のある成分が電力であり、 前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記周波数領域の空間方位測定値系列の平均電力を判定し、 前記平均電力が閾値を上回る場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項16に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記周波数領域の空間方位測定値系列のある成分が電力であり、 前記コンプライアンス検証プロセッサが、 ヒトの口腔内の生理的周波数特性を示す第1の周波数帯及び人工の機械的環境の機械的周波数特性を示す第2の周波数帯の2つの周波数帯の総電力比が、前記予め選択された許容差内にあるか否かを判定するように構成され、 前記総電力比が前記予め選択された許容差内である場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項16に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記周波数領域の空間方位測定値系列のパワースペクトルがランダムであると判定するために、前記周波数領域の空間方位測定値系列の前記パワースペクトルを解析するようにさらに構成される、請求項16に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記周波数領域の空間方位測定値系列のパワースペクトルに、人工的手段による空間方位の変化を示す1つ又は複数の有意の周波数がないことを判定するようにさらに構成される、請求項16に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記温度センサがサーミスタである、請求項13から20のいずれか1項に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記空間方位センサが加速度計である、請求項13から20のいずれか1項に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。前記歯科器具治療コンプライアンス監視装置が、 オン/オフ信号を電源スイッチに提供する時計をさらに備え、前記電源スイッチが前記時計及び前記プロセッサに動作可能に結合し、前記オン/オフ信号に基づいて前記プロセッサをオン状態とオフ状態の間で定期的に切り換えるように構成され、 前記コンプライアンス検証プロセッサが、前記オン状態の間に前記温度センサ及び前記空間方位センサを制御するように構成される、請求項13から20のいずれか1項に記載のコンプライアンス検証プロセッサ。歯科器具治療コンプライアンス検証システムであって、前記システムが、 歯科器具治療コンプライアンス監視装置を備え、前記装置が、 前記装置に電力を供給するバッテリーと、 前記装置の周囲温度を測定する温度センサと、 前記装置の空間方位を測定する空間方位センサと、 前記温度センサ及び前記空間方位センサを制御して、それぞれ前記周囲温度及び前記空間方位を定期的に測定し、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るように構成されたプロセッサと、 前記プロセッサに動作可能に結合し、前記周囲温度測定値系列及び前記空間方位測定値系列を記録するメモリと、 前記プロセッサに動作可能に結合した通信モジュールと、 を含み、 前記装置の前記通信モジュールと通信し、前記記録した時間領域の周囲温度測定値系列及び前記時間領域の空間方位測定値系列と通信して、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するように構成されたコンプライアンス検証プロセッサを備え、 前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記時間領域の周囲温度測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の周囲温度測定値系列に変換し、 前記周波数領域の周囲温度測定値系列の成分が、コンプライアンスを示すために予め選択された許容差内であると判定することによって、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、システム。前記周波数領域の周囲温度測定値系列のある成分が電力であり、前記コンプライアンス検証プロセッサが、 ヒトの口腔内の生理的周波数特性を示す第1の周波数帯及び人工の機械的環境の機械的周波数特性を示す第2の周波数帯の2つの周波数帯の総電力比が、前記予め選択された許容差内にあるか否かを判定するように構成され、 前記総電力比が予め選択された許容差内である場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項24に記載のシステム。前記第1の周波数帯及び前記第2の周波数帯の総電力比が閾値を上回る場合、前記総電力比が予め選択された許容差内である、請求項25に記載のシステム。前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記時間領域の空間方位測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の空間方位測定値系列に変換し、 前記周波数領域の空間方位測定値系列の成分が、コンプライアンスを示すために予め選択された許容差内であると判定することによって、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項24に記載のシステム。前記周波数領域の空間方位測定値系列のある成分が電力であり、前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記周波数領域の空間方位測定値系列の平均電力を判定し、 前記平均電力が閾値を上回る場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項27に記載のシステム。前記周波数領域の空間方位測定値系列のある成分が電力であり、前記コンプライアンス検証プロセッサが、 ヒトの口腔内の生理的周波数特性を示す第1の周波数帯及び人工の機械的環境の機械的周波数特性を示す第2の周波数帯の2つの周波数帯の総電力比が、前記予め選択された許容差内にあるか否かを判定するように構成され、 前記総電力比が前記予め選択された許容差内である場合に、前記歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される、請求項27に記載のシステム。前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記周波数領域の空間方位測定値系列のパワースペクトルがランダムであると判定するために前記周波数領域の空間方位測定値系列の前記パワースペクトルを解析するようにさらに構成される、請求項27に記載のシステム。前記コンプライアンス検証プロセッサが、 前記パワースペクトルに、人工的手段による空間方位の変化を示す1つ又は複数の有意の周波数がないことを判定するようにさらに構成される、請求項30に記載のシステム。コンピュータに、請求項1から12のいずれか1項に記載のヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法を実行させるための非一時的命令であるプログラムを記録した、コンピュータ可読媒体。

说明书全文

[0001] 本発明は歯科器具に関する。特に、本発明は歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法及び装置に関する。

[0002] 睡眠時無呼吸は、睡眠中の呼吸の停止又は低下を特徴とする。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、主に睡眠中の上気道の虚脱による無呼吸症候群を指す。中年の北米人の2〜4%が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を患っていると推定される。未処置のままでは、睡眠時無呼吸は心疾患、高血圧、及び低酸素症などの他の深刻な病状を引き起こすか、又は悪化させることが知られている。しかしながら、無呼吸が睡眠を妨害するという症状の発現から、未処置状態の最も顕著な結果は疲労及び日中の眠気である。これらの状態は、注意を必要とする職業の個人、特に作業が単調になることがある職業の個人にとっては危険である。例えば、OSAは長距離トラック運転手が関与する多数の交通事故の要因になっていると考えられる。

[0003] 頻繁に処方されるOSAの治療方針の1つが、下顎前方移動治療である。治療は、患者の下の顎(下顎)を機械的に前方に位置決めすることと、睡眠の継続時間中にその位置を維持することで構成される。これは、下顎前方移動デバイス(MAD)として知られる歯科器具を患者に取り付けることによって遂行される。MADは、外観が歯科矯正用固定装置又は保護用マウスガードに類似しており、資格を有する歯科医療従事者によって製造される。MADは通常2つの部分、すなわち上歯に取り付ける上部分、及び下歯に取り付ける下部分である。2つの部分の相対位置が下顎前方移動の程度を決定する。睡眠中に、下顎下部が後退できないように2つの部分を合わせて取り付ける。一部のMADでは、相対位置が歯科医療従事者によって調整可能である。アメリカ睡眠医学アカデミーは、下顎前方移動治療が軽度から中程度の睡眠時無呼吸の治療に効果的であることを認めている。下顎が前方位置になると、閉塞性睡眠時無呼吸の原因になることが多い口蓋の軟組織の虚脱を防止するのに役立ち、したがって、睡眠の質を改善し、その結果として日中の注意力を改善する。

[0004] 注意力の欠如が公衆の安全にとって危険である職業に就いた個人の場合、MAD又は他の歯科器具治療による閉塞性睡眠時無呼吸の治療が、雇用主、専門職組織、政府、又は保険会社によって義務づけられる。MADデバイスは一般に、患者の快適性を考慮して設計されているが、患者が新しいデバイスに適合する期間があり、その間に刺激又は不快感により治療が放棄されることが多い。したがって、患者が治療の勧告に従っているか検証するために、単に治療デバイス(例えばMAD又は他の歯科器具)を所持しているだけでは十分ではない。全米トラック協会からのMADに関する最近の報告によると、コンプライアンスを測定する方法がない軽度から中程度のOSAの個人で、MADはOSAの軽減に役立つという証拠がある。間もなく、何らかの職業の認証及びライセンスを維持又は更新する、及び/又は保険会社からの償還を得るために、コンプライアンスの正確な確認が必要条件となる可能性がある。したがって、下顎前方移動デバイスのような歯科器具を患者がいつ装着しているかを正確に知る必要がある。

[0005] DuHamel他のUS2010/0152599号、Rahman他のUS2006/0166157号、LongleyのUS2007/0283973号、及びIvanov他の米国特許第5,774,425号に開示されたデバイスは、通常、周囲温度を測定する。酸素飽和度、明るさ、圧力、運動などの他のパラメータを測定する考察が開示されているが、口腔デバイスのコンプライアンスの正確さを向上させるためにこれらの信号を使用する方法については開示されていない。

[0006] MAD治療及び歯科矯正処置のコンプライアンスを推定するために現在使用可能な典型的なデバイスは、周囲温度のみを記録し、口腔器具内に埋め込まれるバッテリー式電子デバイスである。これらのデバイスは通常、熱センサ、記憶装置、バッテリー電源、時計及び電子プロセッサを備える。患者の不快感を増大させないか、又はOSA治療におけるMADの有効性を阻害しないように、このようなデバイスが口腔器具に埋め込めるほど十分に小さいサイズでなければならないことは明白であり、サイズの増加が最小であることが好ましい。このことは、実際的に記録することができる信号のタイプを、小型サイズで電力消費量が少ないセンサで測定できるタイプに限定することになる。

[0007] このようなシステムで最も単純なものは、適切なセンサ(通常はサーミスタ)を使用して口腔内温度を記録し、患者の口内への配置と一致する範囲内にあるか否か判定する。

[0008] Journal of Orofacial Orthopedics (Timm Cornelius Schott, Gernot Goz, J Orofac Otrhop (German Orthodontic Society) 2010;71:339-47)に掲載された「Applicative Characteristics of New Microelectronic sensors Smart Retainer and TheraMon for Measuring Wear Time」と題した記事は、SmartセンサをTheraMonセンサと比較した。この記事は、容易に入手可能な恒温槽のBuchi B-490 Heating Bathを使用してデバイスを試験した方法を説明している。特定の時間の長さだけ水温を35℃に加熱するように水槽をプログラムし、次に温度を室温まで自然に低下させることにより、著者は、水温を35℃まで加熱する装着時間を報告するように、両方のセンサを欺くことができた。この試験は、SmartセンサとTheraMonセンサの両方が患者の口内にあると考えるように騙す方法を読者に教示している。

[0009] Smartセンサ及びTheraMonセンサは両方とも、15分おきに温度信号をサンプリングする。Smartチップは0.3℃、TheraMonは0.1℃の感度を有する。記事で著者は、TheraMonチップの方が感度が良いので、より正確であったと説明している。

[0010] 輸送当局、保険会社、及びMADデバイスをいつ装着するかの正確な指示を何らかの形態で必要とする雇用主などの幾つかの異なる供給源から規則が伝えられると予想される。温度のみを使用する現在のデバイスは容易に騙すことができる。温度のみに依存する同様のデバイスは、温暖な環境で適切に機能する際に問題を有する。口腔内温度が許容可能な範囲内であるかのみをチェックするコンプライアンス監視システムは、例えば睡眠時間中に温水槽内に配置し、加熱デバイス及びサーモスタットで一定温度に維持することにより、独創的な個人には容易に欺かれる。

[0011] 例えばRahman他(US2006/0166157A1号)は、温度、水分、pH、明るさ、及び圧力の測定値の組み合わせを使用して、システムを欺くことをより困難にすることができるデバイスを教示している。DuHamel他(US2010/0152599号)は、口腔組織内の血中酸素飽和度レベルの測定を使用して、コンプライアンスの検証をさらに正確にする口腔器具を教示している。Abolfathi(US7,553,157B2号)は、温度、水分、及び/又は1つ又は複数の口腔内化学又は生物種に反応する着色料インジケータの使用を教示している。しかしながら、これらの追加の測定は追加の電力を消費するばかりでなく、多くの場合、pH、水分、及び種の測定の場合のように、口腔及び/又は組織に直接接触できる小さい開口などの様々な機械的要件も伴う。これらの開口は、細菌汚染の危険があり、次にこれが患者に感染することがある。

[0012] Longley(US2007/0283973号)は、送受信器を介して受信した命令に応答して、温度、水素イオン濃度、pH、水分、絶対湿度、又は口腔器具の移動などの測定値を定期的間隔で記録する口腔器具を教示している。記録した測定値を解析して、測定値が口腔に予想される状態と一致するか否かを判定する。また、記録した測定値を使用して、使用パターンを判定する、さらに使用者の口腔器具の使用が患者に処方された治療スケジュールに従っているか否かを判定する。

[0013] しかしながら、上記方法は、使用者が口腔内の状態を模倣した人工的環境に歯科器具を配置することによって欺かしやすい。本発明の方法は、有意な追加の電力を必要とすることなくデバイスのサイズを増大させずに欺くのが困難であるように考案されている。

[0014] 本開示により、既存のデバイスと比較して改良された精度及び/又は低減された電力消費量(すなわち長い製品寿命)で、歯科器具治療を遵守していることを検証することができる。

[0015] 一態様では、本開示は、ヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法であって、少なくとも1つのパラメータの時間領域の測定値系列を得るために、ヒト患者が装着する歯科器具の少なくとも1つのパラメータを定期的に測定するステップを含む方法を提供する。時間領域の測定値系列の少なくとも一部は、周波数領域の測定値系列に変換される。歯科器具治療のコンプライアンスは、周波数領域の測定値系列の成分が予め選択されたコンプライアンスを示す許容差内にあることを判定することによって判定される。

[0016] 一態様では、本開示は、コンプライアンス検証プロセッサとともに使用する歯科器具治療コンプライアンス監視装置を提供する。該装置は、装置に電力を供給するバッテリーと、装置の周囲温度を測定する温度センサと、装置の空間方位を測定する空間方位センサと、周囲温度及び空間方位を定期的に測定し、それぞれ時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るために、温度センサ及び空間方位センサを制御するように構成されたプロセッサと、プロセッサに動作可能に結合し、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を記録するメモリと、歯科器具治療のコンプライアンスを判定するために、プロセッサに動作可能に結合し、記録された時間領域の周囲温度測定値系列及び記録された時間領域の空間方位測定値系列をコンプライアンス検証プロセッサに通信する通信モジュールとを備える。

[0017] 一態様では、本開示は、本明細書で説明する歯科器具治療コンプライアンス監視装置で使用するコンプライアンス検証プロセッサを提供する。コンプライアンス検証プロセッサは、時間領域の周囲温度測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の周囲温度測定値系列に変換し、周波数領域の周囲温度測定値系列の成分がコンプライアンスを指示するように予め選択された許容差内であることを判定することによって、歯科器具治療のコンプライアンスを判定するようにさらに構成される。

[0018] 別の態様では、コンプライアンス検証プロセッサは、時間領域の空間方位測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の空間方位測定値系列に変換し、さらに周波数領域の空間方位測定値系列の成分がコンプライアンスを指示するように予め選択された許容差内であることを判定することによって歯科器具治療のコンプライアンスを判定するように構成される。

[0019] 一態様では、本開示は歯科器具治療コンプライアンス検証システムを提供する。システムは、歯科器具治療コンプライアンス監視装置及びコンプライアンス検証プロセッサを備える。歯科器具治療コンプライアンス監視装置は、装置に電力を供給するバッテリーと、装置の周囲温度を測定する温度センサと、装置の空間方位を測定する空間方位センサと、温度センサ及び空間方位センサを制御して、周囲温度及び空間方位を定期的に測定し、それぞれ時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るように構成されたプロセッサと、プロセッサと動作可能に結合し、周囲温度測定値及び空間方位測定値を記録するメモリと、プロセッサと動作可能に結合した通信モジュールとを含む。コンプライアンス検証プロセッサは、装置の通信モジュールと通信して、記録された時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を通信する、及び歯科器具治療のコンプライアンスを判定するように構成される。

[0020] 一態様では、本開示は、プロセッサによって実行されると、コンピュータが本明細書で説明するようにヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法を実行するようにする非一時的命令が自身上に記録された有形のコンピュータ可読媒体を提供する。

[0021] 添付図面を参照しながら次に本開示の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。

[0022]本開示の一態様によりヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法のフローチャートである。

[0023]本開示の例示的実施形態により、2つの周波数帯の電力の比率を比較してコンプライアンスを判定することにより、温度を使用してヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法のフローチャートである。

[0024]本開示の例示的実施形態による歯科器具治療コンプライアンス監視装置によりヒトの口内で記録された温度測定値の時間領域のグラフである。

[0025]図3の時間領域の温度測定値系列を変換した周波数領域のグラフ(パワースペクトル)である。本開示の例示的実施形態によりコンプライアンスの判定の電力比を計算するために使用される2つの周波数帯の例も示す。

[0026]本開示の例示的実施形態による歯科器具治療コンプライアンス監視装置により人工的環境(Buchi水槽)で記録された温度測定値の時間領域グラフである。

[0027]図5の時間領域の温度測定値系列を変換した周波数領域のグラフ(パワースペクトル)である。本開示の例示的実施形態によりコンプライアンスの判定の電力比を計算するために使用される2つの周波数帯の例も示す。

[0028]本開示の例示的実施形態によりコンプライアンスを判定するために、総電力の平均を閾値レベルと比較することによって空間方位を使用するヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法のフローチャートである。

[0029]本開示の例示的実施形態により2つの周波数帯の電力比を比較し、コンプライアンスを判定することによって空間方位を使用したヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法のフローチャートである。

[0030]本開示の例示的実施形態による歯科器具治療コンプライアンス監視装置によってヒトの口内で記録された空間方位測定値の時間領域のグラフである。

[0031]図9の時間領域の空間方位測定値系列を変換した周波数領域のグラフ(パワースペクトル)である。

[0032]本開示の例示的実施形態により歯科器具治療コンプライアンス監視装置によって人工的環境(Buchi水槽)で記録された空間方位測定値の時間領域のグラフである。

[0033]図11の時間領域の空間方位測定値系列を変換した周波数領域のグラフ(パワースペクトル)である。本開示の例示的実施形態によりコンプライアンスを判定する電力比を計算するために使用する2つの周波数帯の例も示す。

[0034]図2の方法を図7の方法と組み合わせるフローチャートである。

[0035]ラベルを付けたX軸及びY軸及び重力ベクトルで仰臥位の患者頭部の図を示す。

[0036]ラベルを付けたX軸及びY軸、重力ベクトル、及び重力ベクトルのX成分及びY成分で仰臥部分左方位置の患者頭部の図を示す。

[0037]ラベルを付けたX軸及びY軸、重力ベクトル、及び重力ベクトルのX成分及びY成分で、仰臥左方位置の患者頭部の図を示す。

[0038]本開示の一態様によるヒト患者の歯科器具治療コンプライアンス監視装置のブロック図である。

[0039]本開示の例示的実施形態により実時間クロックによってオン及びオフに切り換える電源を有するヒト患者の歯科器具治療コンプライアンス監視装置のブロック図である。

[0040]本開示のコンプライアンス監視装置を取り付けた歯科器具の斜視図を示す。

[0041]本開示の一態様による歯科器具治療コンプライアンス検証装置のブロック図である。




[0042] 一般的に、本開示は、ヒト患者が装着した歯科器具のパラメータを定期的に測定し、歯科器具治療のコンプライアンスを判定することによって、及び測定したパラメータのスペクトル解析を実行することによって、ヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法及び装置を提供する。


[0043] 例示的目的で、測定したパラメータとして歯科器具の温度及び/又は空間方位を使用する本開示の例示的実施形態を説明する。しかしながら、本開示により歯科器具治療のコンプライアンスを判定するために、湿度、pH、又は他の適切な口腔内生理学的パラメータなどの他のパラメータも使用することができる。


[0044] ヒトでは、口内温度は時間の大部分で体核心温度を密接に近似し、口腔内温度の典型的な範囲は約34℃〜39℃である。したがって、コンプライアンスの第1の指標として、温度値をチェックし、この範囲内であるか否かを調査する。記録された温度が一貫してこの範囲外にある場合は、デバイスが装着されていない可能性が高い。


[0045] 口腔内温度が体温を密接に近似しない例として、熱い、又は冷たい食品又は飲料を飲食中である場合、及び喫煙中の場合がある。しかし、このような活動は睡眠中には実行できず、したがって本開示には関係がない。また、上記温度範囲は、有意な高熱又は低体温の事例を考慮に入れていない。しかしながら、このような事態の発生は稀であり、本開示の目的には重要ではないとされる。しかし、1つの顕著な例外は口呼吸中であり、この場合、口腔内温度は呼息中に体核心温度を密接に近似するのみである。口で吸息する間、口腔内温度は体核心温度より有意に低いことが多い。これは、34℃〜39℃の範囲内にある連続的測定値によって回避することができる。


[0046] しかしながら、上述したように、測定値が口腔内で予想される条件と一致するか否かを判定するために口腔内温度測定値又は他のパラメータのみに基づいてコンプライアンスを検証する方法は、一般的に使用可能な品目を使用して容易に覆すことができる。


[0047] コンプライアンス検証の精度を改善するために、本開示はスペクトル特性の違いを使用して、歯科器具治療のコンプライアンスを検証する。温度などの生理学的パラメータのスペクトル特性は、歯科器具治療のコンプライアンスを欺くために使用することができる水槽などの人工の機械的環境とは異なるスペクトルシグネチャを有する。


[0048] したがって、本開示により、測定したパラメータのスペクトル解析を使用する既存のデバイスと比較して、精度が改善され、及び/又は電力消費量が低減した(すなわち製品寿命が長くなった)歯科器具治療のコンプライアンスの検証が可能になる。


[0049] 例えば、図1は、本開示の一態様によりヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法のフローチャートを示す。102で、ヒト患者が装着した歯科器具の少なくとも1つのパラメータを定期的に測定し、少なくとも1つのパラメータの時間領域の測定値又はデータ系列を得る。104で、時間領域の測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の測定値又はデータ系列に変換する。時間領域のデータは、高速フーリエ変換(FFT)、離散フーリエ変換(DFT)などのような適切なスペクトル変換によって周波数領域のデータに変換することができる。


[0050] 周波数領域データの成分、例えば振幅、位相、電力などを106で解析し、周波数領域の解析の結果が予め選択した許容差又は規定されたパラメータ内に入るか否かを108で判定する。イエスである場合は、110で歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。それ以外の場合は、112で器具がヒト患者に装着されていないと判定し、歯科器具治療を遵守していない可能性があることを示す。


[0051] 例示的実施形態では、測定するパラメータは口腔内/周囲温度とすることができる。時間領域の温度測定値を上述したように周波数領域のデータに変換することができる。歯科器具治療のコンプライアンスは、図2に示すように周波数領域の温度測定値における2つの周波数帯の電力比を比較することによって判定することができる。


[0052] 202で、ヒト患者によって装着された歯科器具の温度を定期的に測定し、時間領域の温度測定値系列を得る。204で、時間領域の温度測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の測定値系列に変換する。2つの周波数帯における総電力比を計算する。生理的温度は、歯科器具治療のコンプライアンスを欺くために使用することができる水槽などの人工機械的環境における温度よりも遅い周波数で変動する。したがって、生理的周波数及び機械的周波数を示す周波数帯を比較用に選択する。


[0053] 208で、2つの周波数帯の総電力比が予め選択した許容差内であるか否か判定する。総電力比が閾値を上回る場合は、210で歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。それ以外の場合は、212で器具がヒト患者に装着されていないと判定し、歯科器具治療を遵守していない可能性があることを示す。


[0054] 図3は、本開示の例示的実施形態により、ヒトの口内で歯科器具治療コンプライアンス監視装置、又はコンプライアンスマイクロレコーダによって記録された温度測定値の時間領域グラフを示す。図示の温度測定の継続時間は約6.5時間である。


[0055] 図4は、図3の時間領域の温度測定値系列を変換した周波数領域のグラフ(パワースペクトル)を示す。図4では、本開示の例示的実施形態によりコンプライアンス判定のために電力比の計算に使用する2つの周波数帯の例も示す。


[0056] 生理的周波数帯402及び機械的周波数帯404の全周波数について、総電力を計算する。総電力比が閾値を下回る場合は、歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。


[0057] 図5は、本開示の例示的実施形態により、人工的環境(Buchi水槽)内で歯科器具治療コンプライアンス監視装置によって記録された温度測定値の時間領域グラフである。図示の温度測定の継続時間は、図3に示すデータと同様に約6.5時間である。


[0058] 時間領域の温度データを適切なスペクトル変換によって周波数領域に変換し、図6に示す。生理的周波数帯602及び機械的周波数帯604の全周波数について総電力を計算する。人工的環境における温度測定のスペクトルシグネチャ(図6)は、ヒト患者の口腔内における温度測定のスペクトルシグネチャ(図4)とは有意に異なることが分かる。この差は、機械的周波数帯604の総電力で例証される。したがって、図6の例における2つの周波数帯の総電力比は、図4の例で得た値より大きくなり、歯科器具治療を遵守していないことを示す。


[0059] 別の例示的実施形態では、測定するパラメータは歯科器具の空間方位とすることができる。時間領域の空間方位測定値を、上述したように周波数領域のデータに変換することができる。歯科器具治療のコンプライアンスは、空間方位測定値のパワースペクトルの平均電力を計算することによって判定することができる。


[0060] 図7に示すように、702で、ヒト患者によって装着された歯科器具の空間方位を定期的に測定し、時間領域の空間方位測定値系列を得る。704で、時間領域の空間方位測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の測定値系列に変換する。706で、空間方位測定値のパワースペクトルの平均電力を計算する。708で、平均電力が閾値より上であるか否か判定する。平均電力が閾値を上回る場合、710で歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。それ以外の場合は、712で器具がヒト患者に装着されていないと判定し、歯科器具治療を遵守していない可能性があることを示す。


[0061] 別の例示的実施形態では、図8に示すように、歯科器具治療のコンプライアンスは、周波数領域の空間方位測定値系列の2つの周波数帯の電力比を比較し、コンプライアンスを判定することによって判定することができる。


[0062] 802で、ヒト患者が装着した歯科器具の空間方位を定期的に測定して、時間領域の空間方位測定値系列を得る。804で、時間領域の空間方位測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の測定値系列に変換する。806で、2つの周波数帯の総電力比を計算する。生理的空間方位は、歯科器具治療のコンプライアンスを欺くために使用することができる人工機械的環境における空間方位とは変動が異なる。このように、比較のために生理的周波数及び機械的周波数を示す周波数帯を選択する。


[0063] 808で、2つの周波数帯の総電力比が予め選択した許容差内にあるか否か判定する。総電力比が予め選択した許容差内にある場合は、810で歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。それ以外の場合は、812で器具がヒト患者に装着されていないと判定し、歯科器具治療を遵守していない可能性があることを示す。


[0064] 図9は、本開示の例示的実施形態により、ヒトの口内で歯科器具治療巡視監視装置、又はコンプライアンスマイクロレコーダによって記録された空間方位測定値の時間領域グラフを示す。時間領域の空間方位データを適切なスペクトル変換によって周波数領域に変換する。図10は、図9の時間領域の空間方位測定値系列を変換した周波数領域グラフ(パワースペクトル)を示す。図9では、本開示の例示的実施形態によりコンプライアンス判定のために電力比の計算に使用する2つの周波数帯の例も示す。


[0065] 生理的周波数帯1002及び機械的周波数帯1004の全周波数について、総電力を計算する。総電力比が閾値を下回る場合は、歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。


[0066] 図11は、本開示の例示的実施形態により、人工的環境(Buchi水槽)内で歯科器具治療コンプライアンス監視装置によって記録された空間方位測定値の時間領域グラフである。


[0067] 時間領域の空間方位データを適切なスペクトル変換によって周波数領域に変換し、図12に示す。生理的周波数帯1202及び機械的周波数帯1204の全周波数について、総電力を計算する。人工的環境における空間方位測定のスペクトルシグネチャ(図12)は、ヒト患者の口腔内における空間方位測定のスペクトルシグネチャ(図10)とは有意に異なることが分かる。この差は、機械的周波数帯1204の総電力で例証される。したがって、図12の例における2つの周波数帯の総電力比は、図10の例で得た値と異なり、歯科器具治療を遵守していないことを示す。


[0068] 例示的実施形態では、周波数領域の空間方位測定値のパワースペクトルを解析し、それがランダムであることを判定することによって、歯科器具治療のコンプライアンスを検証することができる。また、パワースペクトルに人工的手段による空間方位の変化を示す1つ又は複数の有意の周波数がないことを判定することによって、コンプライアンスを検証することができる。


[0069] 例示的実施形態では、本開示は2つの測定値、例えば口腔内/周囲温度及び空間方位測定値を使用する。空間方位測定値は、例えば加速度計によって測定するような重力の方向(重力ベクトル)のx、y、z座標とすることができる。


[0070] 図13は、図2の方法を図7の方法と組み合わせたフローチャートである。1402で、ヒト患者によって装着された歯科器具の温度及び空間方位を定期的に測定し、時間領域の温度及び空間方位測定値系列を得る。1404で、時間領域の温度測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の温度測定値系列に変換する。1406で、2つの周波数帯の総電力比を計算する。1408で、2つの周波数帯の総電力比が予め選択した許容差内であるか否か判定する。総電力比が閾値を上回る場合は、1410で時間領域の空間方位測定値系列の少なくとも一部を周波数領域の空間方位測定値系列に変換する。1412で、空間方位測定値のパワースペクトルの平均電力を計算する。1414で、平均電力が閾値を上回るか否か判定する。平均電力が閾値を上回る場合は、1416で歯科器具がヒト患者に装着されていると判定する。それ以外の場合は、1418で器具がヒト患者に装着されていないと判定し、歯科器具治療を遵守していない可能性があることを示す。


[0071] 他の例示的実施形態で図2の方法を図8の方法と組み合わせることができることが分かる。3つの方法を全て組み合わせて、歯科器具治療のコンプライアンスを判定することもできる。


[0072] 口腔内温度測定と空間方位などの2次信号をコンプライアンスの同一指標として組み合わせると、本開示のコンプライアンス検証方法及び装置の精度をさらに改善することができる。例えば、局所重力ベクトルに対する患者の方位を、(空間方位に関して上述したように)コンプライアンス検証のみのパラメータとして、又は温度測定値と組み合わせて使用することができる。デバイスの方位が実質的に直立又は逆さまになった患者との一致を示す場合、これは(i)デバイスが装着されていないか、又は(ii)患者が睡眠状態ではない可能性が非常に高い。


[0073] 口腔内温度測定値、及びデバイスの方位測定値から追加の同一指標が任意選択で導き出される。例示的実施形態では、経時的な温度の変動及び重力ベクトルの方位の変化が計算される。2つの生理学的現象の測定値から導き出された4つの信号は、現在の周囲温度、最終読み取り値からの温度変化の最大振幅を示すデルタ温度、頭部位置(直立、腹臥、仰臥、左又は右)、及び例えば最後に記録したサンプルからの重力ベクトルの2次元での最大変化から導き出すことができる頭部動作で構成される。


[0074] 別の例示的実施形態では、温度が口腔内の配置に一致する期間、記録した温度の自己相関が実行される。自己相関の結果を生物学的信号の許容可能な値と比較する。これは、コンプライアンスモニタを欺くために一般的に使用されるサーモスタット制御の加熱デバイスに典型的な規則的温度変動から準ランダムな代謝温度の変動を区別する。


[0075] 記録した方位信号の自己相関は、別の例示的実施形態では、少なくとも1つの他の信号又は指標が口腔内配置及び睡眠中の患者と一致する期間にも実行される。自己相関は、コンプライアンスモニタを欺くために使用することができるプログラムされた、及び/又は電動式の人工的動作から睡眠中のヒト患者の準ランダムな動作を区別する。


[0076] 少なくとも1つの他の信号又は指標が口腔内配置及び睡眠中の患者と一致する期間に、記録された方位信号の偏差の標準統計的尺度も実行することが好ましい。方位信号の変動は、デバイスが装着されている場合、患者の頭部動作の程度を示す。睡眠中に特定の最低レベルの活動が予想される。信号の変動がこの最低レベルより低い場合は、デバイスが装着されていない可能性が非常に高い。逆に、睡眠中に高レベルの活動は維持可能でない。したがって、例示的実施形態では、最低値及び最高値で区切られた範囲内の活動レベルは、患者が歯科器具治療を遵守していることを示す。


[0077] 電力及びメモリを節約し、したがってバッテリー及び記憶貯蔵デバイスに必要な物理的サイズを低減するために、測定した信号を継続的にサンプリングする必要がない。代わりに、例示的実施形態では、間隔を開けて短い測定バーストを入手し、バースト間にはシステムクロックのみをアクティブにした状態でデバイスを休止モードにすることができる。結果の有意性が事実上失われない状態で、適切な測定間隔は30秒〜300秒の範囲とすることができる。


[0078] メモリの要件をさらに軽減するために、データは予め選択された測定バーストの間隔でメモリに記憶することができる。この方法では、測定バーストのシーケンスを一時的メモリ位置に記憶する。予め選択された記憶間隔に到達すると、測定値の平均値を計算し、同じ値の分散の統計的尺度を計算する。次に、個々の測定値の代わりにこれらのデータをメモリに記憶する。例示的実施形態では、測定バースト5個毎にデータを記憶し、メモリ要件を60%軽減するが、有意に実質的損失はない。


[0079] 他のデバイスの場合のように、コンプライアンスの第1の指標は口腔内温度である。口腔内温度は通常、サーミスタで測定する。これらのデバイスは比較的安価で、広く入手可能であり、長期間にわたって安定した出力を提供する。しかしながら、本開示の様々な態様は、任意の他の手段で測定した温度でも全く同等に作用することが分かる。


[0080] サーミスタは通常、電気出力を生成するために電力を消費する。バッテリー電力を節約するために、サーミスタにはデータ入手前、入手中、及び入手後の短時間だけ電力を供給する。例示的実施形態では、サーミスタは、測定バースト毎に1ミリ秒未満だけ電力が供給され、測定バーストは1分の間隔で入手される。継続的ではなく間隔を開けたサンプリングは、デバイスのメモリも節約する。メモリを節約する追加の手段として、例示的実施形態では、データを5分間隔で記憶する。記憶されるデータは、1分目での出力、及びその測定値と2分目、3分目、4分目、及び5分目での測定値との差の絶対最大値である。5個ではなく2個のデータが記憶されるので、このデータ記憶法は必要な記憶容量を60%低減し、結果の普遍性に有意な損失がない。


[0081] 上述したように、測定値が口腔内で予想される状態と一致するか否かを判定するために、口腔温度測定値又は他のパラメータのみに基づいてコンプライアンスを検証する方法は、一般的に使用可能な品物を使用して容易に無効化することができる。


[0082] 本明細書で説明するスペクトル解析法は、コンプライアンス検証の精度を改善する。また、少なくとも1つの適切な2次信号を使用すると、コンプライアンス検証の精度がさらに改善される。コンプライアンス検証に使用する2つのパラメータとして温度及び空間方位を使用して、本開示の例示的実施形態を説明してきた。


[0083] 空間方位は適切な加速度計によって提供することができる。例示的実施形態では、3軸容量性加速度計を使用する。睡眠中に通常あるように、慣性効果を無視するか、又は重要でないとされる場合、加速度計の信号は重力の方向に対するその方位を示す。また、連続する測定値の差を取ることにより、信号を使用して間隔中のその動作の程度を推定することができる。最後に、容量性加速度計は比較的低コストで広く入手可能であり、操作に必要な電力が少ない。したがって、これらの計器を使用することは、低い電力消費量、及びデバイスの位置及び動作を数量化する元となるデータの入手の要件に一致する。


[0084] デバイスの空間方位は、3本の垂直の加速度計の軸の出力をベクトルに分解することによって計算され、これは図14〜図16に示すように重力の方向を表す。加速度計を患者の頭部に対して固定した状態で、3軸加速度計を装備した歯科器具を装着している場合、加速度計の方位及び動作は、患者の頭部の方位及び動作と同じである。患者の頭部に対して加速度計を固定する便利な方法は、それを既知の方位で下顎前方移動デバイスにしっかり埋め込むことである。器具は、装着時に常に患者の頭部に対して同じ位置にあるので、この方法は、患者の頭部の方位を計算するための固定された基準フレームも提供し、デバイスの方位はデバイスの装着時に患者の方位と1対1の対応を有する。


[0085] 下顎前方移動デバイス及び歯科矯正器具の圧倒的大部分の設計は、装着されず、平坦な表面で静止している場合、唯一の安定した位置は、図14に示すように、重力に対して患者の頭部の垂直位置を(すなわち直立又は逆さまであるかのように)示す方位に対応するような設計である。したがって、装着されていない場合のデバイスの最も一般的で論理的な方位は、装着され、患者が睡眠状態である場合のデバイスの最も一般的でなく、最も論理的でない方位である。したがって、デバイスの方位は、睡眠中に、すなわち仰臥、腹臥、左又は右側姿勢でデバイスが装着されているかを効果的に示す。


[0086] コンプライアンスの追加の指標は、経時的な空間方位信号の変動から導き出すことができる。デバイス装着時の空間方位信号の変動は、患者の頭部動作の程度を示す。患者が位置を変更すると、加速度計が口腔器具に対する重力ベクトルの新しい位置を示す。連続する方位測定値間の差がゼロでない場合、それは間にある期間でデバイスが移動していることを示す。差の大きさは、動作又は位置の変化の大きさを示す。小さい差は、例えば頭部の小さいシフト又は顎が開いたことを示すことがあり、大きい差は通常、寝返り、又は他の全身動作を示す。したがって、方位の変化の周波数ばかりでなく、大きさも重要である。周波数及び方位変化の大きさとともに両方増加する適切な量は、幾つかの連続的測定値の二乗平均値又は標準偏差である。


[0087] 睡眠中に、特定の最低レベルの活動が予想される。信号変動の適切な尺度が、この最低レベルより低い活動を示した場合は、デバイスが装着されていない可能性が非常に高い。逆に、高レベルの活動は睡眠中に維持可能でない。したがって、例示的実施形態では、患者を遵守していると見なすために、活動レベルを示す信号変動の尺度が、最低値と最高値で区切られた範囲内になければならない。口腔器具が装着されていないという別の指標は、所与の時間にわたって繰り返される任意の周期的動作である。これは、デバイスが何らかの形態の機械的装置であり、実際に装着されていると考えるように騙されていることを示す。


[0088] 空間方位情報は、体位性睡眠時無呼吸の患者を補助するために医師が使用することができる。体位性睡眠時無呼吸は、特定の睡眠体位で睡眠時無呼吸が優位になることである。通常、体位性睡眠時無呼吸は、仰臥(仰向け)時に異常な呼吸になる患者であることを示す。患者が特定の体位にある時間の量を判定するために、頭部の空間方位の記録が必要である。この情報を、体位性睡眠時無呼吸を治療している医師が使用して、患者が特定の体位にある時間量を低減する指令に従っているか調べることができる。


[0089] 空間方位信号は、デバイスを装着しているが、睡眠できるようにする体位にない個人をなくすように使用することもできる。これは、歯科器具治療を欺く可能性を低減するのに役立つ。


[0090] 例示的実施形態では、温度、温度差、及び頭部位置を定期的間隔で測定し、そこから経時的な頭部の動作、及び温度変化又は変動(デルタ温度)を判定することができる。このデータに基づき、コンプライアンスの特定の指標を判定又は解析することができる。コンプライアンスの指標は、例えばデバイスが口腔内にあることを示す範囲内に常にある温度、例えば34℃より高い測定又は平均温度、使用者が立っていない(又は直立していない)ことを示す頭部位置、サーモスタット制御の水槽内で加熱するなどの機械的介入の証拠を示さない温度変動、及び静止させずに、機械的介入の証拠を示さない頭部の動作を含むことができる。指標のいずれかがマイナスである場合、患者は歯科器具治療に遵守していない可能性が高い。


[0091] 連続し、値が異なる方位測定値の間で、動作の程度、又は同様の意味で、生じた位置変化の数を判定することは可能でないことが分かる。したがって、方位の変化は指標にすぎず、全ての活動の尺度ではないことが認知される。しかしながら、睡眠中の大部分の動作を捕捉するには、5分間の期間に1分間隔の測定が適切である。したがって、以上が理解されると、この目的には不連続のサンプリングが正当である。他には、通常、個別の5分間以上のサンプル期間で記録するデバイスもある。


[0092] 電力をさらに節約するために、加速度計の出力を連続的にサンプリングするのではなく、適切な間隔で短い測定バーストを得る。本発明の例示的実施形態では、1分間の間隔で個別に測定し、測定毎に加速度計に1ミリ秒未満だけ電力を供給する必要がある。この方法はデバイスのメモリも節約する。メモリを節約する追加の手段として、例示的実施形態では、5分間隔でデータを記憶する。記憶されるデータは、1分目での出力、及びその測定値と2分目、3分目、4分目及び5分目での測定値との間の差の絶対最大値である。5個ではなく2個のデータが記憶されるので、このデータ記憶法は必要な記憶容量を60%低減し、結果の普遍性に有意な損失がない。測定サイクルのデータ記憶を2バイトまで低減することができる。


[0093] コンプライアンス検証のその他の手段は、経時的温度変動の尺度から導き出すことができる。デバイスの比較的一定の温度を維持する1つの容易で広くアクセス可能な手段は、温浴、又は他のサーモスタット制御のデバイスに浸漬することである。しかしながら、このような場合は、加熱要素をオン及びオフに切り換えると、温度が周期的に上昇及び下降することが予想される。周囲温度が比較的一定である場合、要素のオン及びオフの切り換えが一定間隔で生じる。


[0094] この種の変動は、遅延の様々な値の信号の自己相関を計算し、最大値を求めることによって認識することができる。自己相関は、信号とそれ自体の時間がシフトしたタイプとの類似性を示す。時間のシフト、すなわち遅延が信号における有意な周波数に近い場合、自己相関は大きい値を有し、遅延が信号に存在するいかなる周波数とも近くない場合、自己相関は小さい値を有する。自己相関が最大値を有する遅延の値は、信号における優勢な周波数を示す。優勢な周波数が小さい(サンプリング周波数に近い)場合は、信号が相関されていない(ランダムである)又は相関が弱いことを示すことがある。


[0095] 平常の(例えば日周期リズムによる)体温変動が予想されるが、それは、サーモスタット制御のデバイスの加熱要素がオン及びオフに切り換わるのと同じ遅延又は優勢な周波数とは自己相関しないと予想される。したがって、温度信号の強力な自己相関がこの範囲に存在する、及び/又はデルタ温度の周波数解析がパワースペクトルに有意の周波数があることを実証する場合は、デバイスがサーモスタットで加熱した環境に位置する、したがって装着されていない可能性が非常に高い。さらに、口腔内で測定したままの体温の予想夜間/昼間変動を示す温度測定値に基づき、コンプライアンスを判定することができる。


[0096] 遅延の様々な値の加速度計信号の自己相関を計算し、最大の自己相関係数を生じる遅延を求めることにより、その他のコンプライアンス検証手段が得られる。睡眠中の動作は準ランダムな間隔で生じ、遅延の全ての値について相関していないか、又は相関が弱いように見えることになる。しかしながら、患者の口の外側にあるデバイスの位置を定期的に変化させるロボット又は電動式機構は、非常に洗練されていない限り、あるパターンのモチーフを反復し、遅延が反復運動の期間と一致した場合に強力な自己相関係数を生じる。


[0097] 例示的実施形態では、治療のコンプライアンスは約5〜1分間隔で記録した以下の最大4つのパラメータから判定される。すなわち、(i)間隔を表す基準温度、(ii)間隔を表す基準空間方位、(iii)間隔中の最大温度変動、及び(iv)間隔中の最大空間方位変動、である。さらに、デバイスからデータを検索した後、温度及び空間方位信号の自己相関、及び空間方位信号の変動の統計的尺度を計算する。デバイスがコンプライアンスを登録するには、i)記録した温度が規定の範囲内、すなわち35℃〜40℃の間になければならない、ii)空間方位は実質的に垂直ではない位置を示さなければならない、iii)空間方位の統計的変動は最小値より大きく、最大値より小さくなければならない、iv)規定期間にわたる温度測定値のシーケンスは、最短及び最長期間と強力に自己相関してはならない、及びv)規定期間にわたる空間方位測定値のシーケンスは、最短期間及び最長期間と強力に自己相関してはならない。


[0098] 図17は、例示的実施形態によるヒト患者の歯科器具治療コンプライアンス監視装置1700のブロック図を示す。装置1700は、バッテリー1704、CPU1706、温度センサ1708、空間方位センサ1712、メモリ1710、及び通信モジュール1702で構成される。バッテリー1704は装置1700に電力を供給し、使い捨てバッテリーでよいか、又は充電式バッテリーである。温度センサ1708は装置の周囲温度を測定する。空間方位センサ1712は装置の空間方位を測定する。CPU1706は、特に温度センサ1708及び空間方位センサ1712を制御し、それぞれ周囲温度及び空間方位を定期的に測定して、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るように構成される。メモリ1710はプロセッサ1706に動作可能に結合し、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を記録する。通信モジュール1702はプロセッサ1706に動作可能に結合し、記録された時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列をコンプライアンス検証プロセッサ(図示せず)に通信し、歯科器具治療のコンプライアンスを判定する。


[0099] 例示的実施形態では、コンプライアンス検証プロセッサは本明細書で説明するような方法を実行するように構成される。


[00100] 例示的実施形態では、装置はまた、図18に示すように、実時間時計と、電源スイッチと、電力用コンデンサとを含むことができる。上述したように、本明細書で説明する装置は電力消費量が低減されている。これは、例えば収集セッションの間にマイクロプロセッサを(完全なパワーダウンモード又はスリープモードで)オフに切り換えることにより、装置1800内で達成される。時計1814は、オン/オフ信号を電源スイッチ1816に提供する。電源スイッチは時計1814及びプロセッサ1806に動作可能に結合する。


[00101] 装置1800は、電力用コンデンサ1818を追加的に含むことができる。電力用コンデンサ1818は電源に動作可能に結合し、通常はマイクロプロセッサの電源オンのサイクル中に発生する高電流のドロースパイクを最小化する。これは、出力スパイクの効果を軽減し、バッテリーの寿命を延長する効果を有する。


[00102] 電力を必要とする集積回路を使用する通常の設計では、電源とアースの間に平滑コンデンサを挿入し、集積回路によって電線に導入されるような任意のノイズを除去することができる。マイクロプロセッサなどの一部の集積回路には、起動中に非常に高いパワードローもある。例示的実施形態では、コンプライアンス測定デバイスに適切な小型の電池(バッテリー)がCPUの起動に必要な電流を供給することができないので、起動中に十分な電力があるように、一時的蓄電池として平滑コンデンサを使用するので有利である。電池が電流を供給できる場合は、起動電流スパイクがバッテリーの寿命を短縮することがある。コンデンサを使用することによって、オン/オフサイクル中に何の問題もなく、CPU及び他のコンポーネントを停止し、電源投入することができる。これは、コンプライアンス測定デバイスの寿命を有意に延長する。


[00103] 電源スイッチ1816は、時計1814によって提供されるオン/オフ信号に基づき、オフ状態とオン状態の間でプロセッサ1806、メモリ1810、温度センサ1808、及び空間方位センサ1802を定期的に切り換えるように構成される。プロセッサ1806は、オン状態中に温度センサ1708及び空間方位センサ1712を制御するように構成される。


[00104] 電源は、実時間時計1814からのオン/オフ信号によって、例えば1分間に1回オンに切り換えられる。マイクロプロセッサ1806は、実時間時計に含まれる操作情報を読み取り、セッションに関連する機能を実行することができる。セッションの終了時に、マイクロプロセッサは、装置1800が基地局(図示せず)に(有線又は無線で)合体し、基地局が例えば通信モジュール1802を介してそれと通信しようとしているか否か検証することができる。イエスである場合は、通信セッションを実行して、メモリ1810との間でデータを伝送する。装置1800が基地局と合体していない場合、又は通信セッションの終了時に、マイクロプロセッサの電源を(完全に、又はスリープモードに)遮断することができる。この方法は、電力要件を有意に削減し、したがってさらに十分な信号情報をなお収集しながらデバイスの寿命を延長できるという利点を有する。


[00105] 例示的実施形態では、歯科器具治療コンプライアンス監視装置1900は、図19に示すように、歯科器具1910内に容易に取り付けるか、又はそれに埋め込まれるように製造することができる。


[00106] 図20は、本開示の態様による歯科器具治療コンプライアンス検証システムのブロック図である。システム2500は、歯科器具治療コンプライアンス監視装置(又はコンプライアンスマイクロレコーダ)2000と、コンプライアンス検証プロセッサ2010とを備える。コンプライアンスマイクロレコーダ2000は、装置に電力を供給するバッテリーと、装置の周囲温度を測定する温度センサと、装置の空間方位を測定する空間方位センサと、温度センサ及び空間方位センサを制御して、それぞれ周囲温度及び空間方位を定期的に測定し、時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を得るように構成されたプロセッサと、プロセッサに動作可能に結合して、周囲温度測定値及び空間方位測定値を記録するメモリと、プロセッサと動作可能に結合した通信モジュールとを含む。コンプライアンス検証プロセッサ2010は、基地局2006を介して通信リンク2004及び2008上で(有線又は無線で)コンプライアンスマイクロレコーダ2000の通信モジュールと通信し、記録された時間領域の周囲温度測定値系列及び時間領域の空間方位測定値系列を通信して、歯科器具治療のコンプライアンスを判定するように構成される。


[00107] コンプライアンスマイクロレコーダ2000は、口腔器具内に埋め込むことができる。コンプライアンスマイクロレコーダ2000は、通信リンク2004を介して基地局2006と合体する。基地局2006とコンプライアンスマイクロレコーダの間の通信は、光又は電磁気手段によって無線で実行される。基地局2006は、USB又は他の同様のコンピュータインタフェースモジュールを通して(又は適切な無線プロトコルを介して)コンピュータ2010に接続する。コンピュータ2010はインターネットに接続して、リンク2012を介してクラウドアプリケーション2014と通信し、そこにデータ又は他の器具及び/又は患者関連の情報を記憶することができる。データのさらなる解析は、この設定の任意の位置で実行することができる。


[00108] 一般的に、本開示の装置及びシステムは、温度を収集するためにサーミスタなどの温度センサ、頭部の位置及び頭部の動作を収集するために加速度計などの空間方位センサを使用する。例示的実施形態では、CPUは1分間隔でサンプリングする。データは、使用者/歯科医の所望に応じて5分〜15分毎に1回記憶される。データ記憶は、0.1℃の精度でデータが記憶された温度、最後の時間データが記憶されてからの温度変動の範囲であるデルタ温度、データが記憶された時間における頭部位置、及び最後に時間データが記憶されてからの加速度測定値の範囲である頭部動作の尺度で構成される。この情報は、口腔器具が人工環境内にあることを示すために使用することができる任意の周期的周波数のスペクトル解析を使用して解析する。この情報を最低温度及び超過温度及び頭部位置と結合し、デバイスが装着されているか報告する際の精度を上げることができる。


[00109] 同様に、頭部の動作及び頭部位置の変化のスペクトル解析を使用して、デバイスが患者の口の中にあるか否かを示すことができる。頭部位置及び頭部動作を使用して、デバイスの装着中に患者が睡眠状態であった可能性を示すことによって精度をさらに上げることが可能になり得る。


[00110] 本明細書で説明する方法の特定の態様は、自身上に記録された非一時的命令を有する有形のコンピュータ可読媒体で提供することができ、プロセッサがこの命令を実行すると、コンピュータに、本明細書で説明するようなヒト患者の歯科器具治療のコンプライアンスを検証する方法を実行させる。


[00111] 本発明を例示的実施形態に関して説明してきたが、本発明は請求の範囲内で修正して実践できることが当業者には認識される。含まれた例は単に例示としてのものにすぎず、可能な実施形態を提供するものでも用途の包括的リストを提供するものでもない。また、本発明は睡眠時無呼吸の治療をするための下顎前方移動デバイスの範囲で提示されているが、この方法は、歯科用及び歯科矯正用デバイスなどの他の分野にも同等に適用できることを理解されたい。



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