舌を再訓練する歯科用器具

申请号 JP2013545531 申请日 2011-12-21 公开(公告)号 JP6059663B2 公开(公告)日 2017-01-11
申请人 タング ラボ ヨーロッパ; 发明人 モークレア,クロード;
摘要
权利要求

歯科用器具であって、 前記器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構と、 前記取り付け機構に連結され、患者の舌の上方に位置決めされた拘束機構であって、前記患者の舌の後方領域の運動を制限するように成形され、前記後方領域が口蓋に付着するのを防止する一方、前記患者の舌の少なくとも前方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な運動を実行することができるようにする拘束機構と、を備え、 前記拘束機構が、前記患者の口腔内で後方に延在しかつ後方に湾曲したアーチを備え、前記アーチが、前記患者の咬合平面の上方に位置決めされた金属線を含み、前記歯科用器具が前記アーチの各端部を受ける第1及び第2のスリーブをさらに含む、歯科用器具。前記拘束機構が、前記患者の舌が休止位置にあるとき、前記患者の舌の上方少なくとも約2ミリメートルであるほぼ歯肉線のレベルに位置決めされるが、前記患者の口蓋に接触していない、請求項1に記載の歯科用器具。前記取り付け機構が、第1のバンド及び第2のバンドを備え、前記第1のバンド及び前記第2のバンドがそれぞれ、前記患者の前記上顎の2つの対向する大臼歯又は小臼歯に配置される、請求項1又は2に記載の歯科用器具。前記アーチが複数のループを含み、前記複数のループが、少なくとも1つの実質的に平のループ及び少なくとも1つの実質的に垂直のループを含み、前記少なくとも1つの実質的に水平のループによって前記アーチの幅を調整することができ、前記少なくとも1つの実質的に垂直のループによって前記アーチの垂直位置を調整することができる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記患者の口中で後方に延在する複数の脚をさらに備え、前記複数の脚が、前記口蓋の縁部に当たって、前記患者の上顎の歯の口蓋表面付近に位置決めされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記取り付け機構が、前記所定の歯と係合するために自身に装着されたフックを有する複数の樹脂構成を含み、前記樹脂構成が少なくとも部分的に、患者の欠如大臼歯の位置にあり、前記歯科用器具が、前記複数の樹脂構成に装着された複数のスリーブをさらに備え、前記スリーブが前記拘束機構の端部を受ける、請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記フックが前記器具の各側に位置決めされ、前記歯科用器具が、前記器具の各側にある少なくとも2つのフックを接続する交差部材をさらに備える、請求項6に記載の歯科用器具。第1の歯科用器具であって、 前記器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構と、 前記取り付け機構に連結する拘束機構と、を含み、前記拘束機構が、前記患者の舌の中心前領域の運動を制限して、前記口蓋に当たる前記舌の前後の動作を防止する一方、前記患者の舌の前記前方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な運動を実行できるように成形される第1の歯科用器具と、 第2の歯科用器具であって、 前記器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構と、 前記第2の歯科用器具の前記取り付け機構に連結する拘束機構と、を含み、前記拘束機構が、前記患者の舌の後方領域の運動を制限して、前記口蓋への付着を防止する一方、前記患者の舌の少なくとも前方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な運動をできるように成形される第2の歯科用器具と、を備え、 前記第2の歯科用器具の前記拘束機構が、前記患者の口腔内で後方に延在しかつ後方に湾曲したアーチを備え、前記アーチが、前記患者の咬合平面の上方に位置決めされた金属線を含み、前記第2の歯科用器具が前記アーチの各端部を受ける第1及び第2のスリーブをさらに含む、歯科用器具のセット。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2011年12月22日にPCT国際特許出願として、米国以外の国で指定される出願人の英国国有企業Tongue Laboratory Ltd.、及びフランスの市民で米国のみで指定される出願人のClaude Mauclaireの名前で出願されている。

本出願は、2010年12月22日出願の米国特許出願第12/976,489号に対する優先権を主張し、その開示は参照によりその全体を本明細書に組み込むものとし、また、2010年12月22日出願の欧州特許出願第10306495号に対する優先権を主張し、これも参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。

本開示は、概して、歯科用器具の分野に関する。特に、本開示は舌を抑制する歯科用器具に関する。

当技術分野では、Quad Helixなどの歯科矯正器具が、2本のバンドで大臼歯に取り付けることができ、4つの能動巻きバネを有する器具として知られている。これらの歯科矯正器具は、口のアーチを広げて叢生歯のために空間をあける、又は下歯が上歯より頬側(外側)にある後方交差咬合を矯正するなど、特定の病状を矯正することができる。しかし、これらの歯科矯正器具は様々な病状の発生における舌の役割を十分に考慮していない。

可動部分を含む舌体は、咽頭部分と口部分を含む。咽頭部分は舌の長さの約4分の3に相当し、口部分は舌の長さの約4分の1に相当する。口部分は、前方から後方へと舌先、中心前領域及び後領域を含む。後領域は舌背とも呼ばれる。舌の中心前領域及び後領域は、舌の側方縁によって側方で区切られている。

舌は17つの筋肉の集合体である。舌は、口蓋、鼻窩、顎、及び他の関連構造など、口腔のすべての隣接する構造を再構築する働きをする。舌の咽頭部は舌骨から始まり、下顎(オトガイ舌筋)、頭蓋(茎突舌筋)、及び咽頭に接続する。

これらの筋肉の幾つかは、タイミングが悪い動作及び間断のない動作により、過度に発達してしまう。その結果、舌は、患者の口腔のサイズを考慮すると「正常」と見なされる体積よりも大きい著しい体積を有することになる。この症状は大舌又は広舌として知られている。

異常に大きい舌は、小児期に最初の歯が生えたとき、幼児がおしゃぶりを止め、噛む、発語する、及び飲み込むことを学習しなければならない年齢で身に付けることが多い悪習慣が原因の機能不全が、その起源にある。機能不全の1つの形態は、歯音(T、D、N及びL)の発音以外の音を形成するのに舌を使用することにあり、別の機能不全は、唾液をすする、又は吸引することにあり、第三は、通常の飲み込みではなく、食塊を飲み込みながら、歯と歯の間に舌がある状態で吸引又はすすることにある。発語する、飲み込む、噛む、及び休止時の舌の位置のために舌の運動が制御不能、及び無秩序であるなど、他のタイプの機能不全は、上部及び下部上顎前突症及び唇側転位(前歯突出、離間歯など)、ダウン症の懸垂舌、下顎の後退、上顎の突出、上顎と下顎との開咬、口呼吸を伴う狭い口蓋及び深い口蓋、さらには歯の弛緩など、多くの骨及び歯の形成異常及び変形の起源である。

反射神経は、不適切に身に付けると、舌の口部分にある特定の筋肉が過度に使用されることになる。その舌では、不均衡で過度の状態で筋肉が構築される。舌は漸進的に肥大し、前後に働いて吸引する。このような場合、患者の口蓋は広がらず、狭くて深いままであり、上方向に延長して鼻窩に入ってしまう。狭い口蓋は鼻窩の幅及びその容積を減少させるので、呼吸の問題が発生する。正常な鼻呼吸の代わりに口呼吸となり、扁桃炎症につながり、下気道を閉塞することがある。舌の前後の動作は下顎の下前部分にあるオトガイ舌筋を過度に発達させ、位置が後退する。したがって、過剰発達した舌は、口蓋、鼻窩、顎、及び他の関連構造など、口腔の隣接構造すべてを誤って再構築する働きをし、正常な生物構造の発達を阻止又は誤らせる。これは咽頭レベル(特に口腔咽頭)で気道を閉塞する。

舌の休止位置も非常に重要である。舌の高い休止位置は口蓋に突き当たり、口蓋の凹みをもたらす。凹んだ口蓋は大きくて深く、鼻窩の容積を減少させて、口腔咽頭の入口を閉塞する。高い休止位置は軟口蓋を圧迫して、その張筋を軟化させることがあり、いびきや鼻呼吸の減少、強制口呼吸につながり、アレルギー性鼻炎及び喘息の一因となっているようである。それは、空気が鼻で濾過されないので、埃(花粉、アスベストなど)が下気道に直接到達するからである。舌の機能不全と同様に、舌は、この状況では不均衡で過度に筋肉を構築する。さらに、舌は漸進的に肥大して肥厚し、最終的に口呼吸を閉塞する。機能不全と不適切な舌の休止位置との両方を患う患者もいる。

いびきを軽減するための既存の解決策は、舌を押下して咽頭を開き、それによってより自由な呼吸を可能にすることを含む。このような器具の1つが欧州特許出願EP2303203A1号で説明されており、これは一般的に舌の後部分を押下して上昇又は後退を防止することを説明している。このような器具は、容易に装着できず、それと同時に正常な発語及び飲み込み機能を可能にできないという点で、一般的に侵襲である。このような器具は一般的に、断続的な使用が意図されているので習慣性もなく、特に舌の再訓練能もない。

さらに他の入手可能な器具は、調整性が限定され、一般的に舌の機能を再訓練するのではなく抑制するように構成されている。このような器具は、一般的に閉塞性であり、正常な発語及び/又は飲み込み機能を妨げるか、又は無関係の問題(例えば、Tucat's pearl)のために特定の訓練機能を含む必要がある場合がある。

鼻呼吸を回復させる他の既存の技術は高度な侵襲であり、基本的に外科手術に基づいている。しかし、これらの技術によって得られる結果は短命であり、再発が頻繁にある。これらの失敗の一因は、外科的介入後に必要な機能再訓練が達成困難なことである。何故なら、患者が外科手術後でも舌の正しくない運動を反射的に実行し続けるからである。広い舌がOSA(閉塞性睡眠時無呼吸)又はいびきの主原因になり得ることはまだ広く知られていず、認められていない。

以下の開示により、上記及び他の問題が以下によって対処される。

第1の態様では、歯科用器具は、器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構を含む。また、歯科用器具は、取り付け機構に連結した抑制又は拘束機構(すなわち、舌の位置及び/又は運動を制限する機構)も含む。抑制機構は患者の舌の上方に位置決めされ、患者の舌の後方領域又は咽頭領域の運動を制限するように成形される。抑制機構は、後方領域が口蓋に付着するのを防止する一方、患者の舌の少なくとも前方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な生理学的運動を実行できるようにする。

第2の態様では、上述した歯科用器具を含む1セットの歯科用器具が開示される。歯科用器具のセットは、器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構、及び取り付け機構に連結された抑制機構を含む他の歯科用器具も含む。他の歯科用器具の抑制機構も患者の舌の上方、通常は患者の舌の生理学的休止位置から少なくとも約2〜3ミリメートル上方に位置決めされる。抑制機構は、患者の舌の中心前領域の運動を制限して、硬口蓋を擦る前後の動作を防止するように成形される。上記他の歯科用器具の抑制機構でも、患者の舌の先端及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な運動を実行することができる。

第3の態様では、舌を再訓練して正常な休止位置を呈するようにし、肥大した舌の体積の減少のような好ましい結果につながる舌の治療方法が開示される。上記方法は、患者の口腔内で歯科用器具を位置決めすることを含む。歯科用器具は、器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構を含む。また、歯科用器具は、取り付け機構に連結した抑制機構も含み、抑制機構は患者の舌の上方に位置決めされ、患者の舌の後方領域の運動を制限するように成形され、後方領域が患者の口蓋に付着するのを防止する一方、患者の舌の少なくとも前方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な正常な生理学的運動を実行できるようにする。上記方法は、第1の期間の後に歯科用器具を除去することをさらに含む。第1の期間中に、正常な舌の位置が回復し、患者の舌の体積の減少、及びいびきの軽減又は呼吸の改善又はその両方につながる。

第4の態様では、歯科用器具は、器具を患者の上顎の所定の歯に取り付ける取り付け機構と、取り付け機構に連結した抑制機構とを含む。抑制機構は、患者の舌の上方に位置決めされ、患者の舌の中心前領域の運動を制限して、患者の口蓋を擦る舌の前後の動作を防止する一方、少なくとも患者の舌の先端及び後方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な運動を実行できるように成形される。また、歯科用器具は、患者の口内で前方に延在し、患者の上顎の歯の口蓋表面付近で口蓋の縁部に当たるように位置決めされる複数の脚も含み、複数の脚は少なくとも所定の歯に側方圧力を加え、それにより患者の口蓋を拡大する。

第5の態様では、通常は患者の肥大舌につながる高い不良休止位置を治療する方法が開示される。上記方法は、後方領域の運動を制限するために患者の舌の後方領域を抑制することと、患者の口蓋に付着することを防止する一方、少なくとも患者の舌の前方領域及び側方縁が発語及び飲み込みに必要な運動を実行できるようにすることとを含む。上記方法は、終了時に患者の舌の体積が減少し、いびきの軽減及び呼吸の改善又はその両方につながる第1の期間にわたって、抑制を継続することと、抑制を停止することとをさらに含む。

第1の可能な実施形態により、1セットの歯科用器具の第1の歯科用器具を支持する上顎の下からの略図である。

患者の舌に対して図1の第1の歯科用器具の機能位置を示す下顎の上からの略図である。

図1の第1の歯科用器具を装着した患者の口腔の矢状断面図である。

第1の歯科用器具の第2の可能な実施形態を支持する上顎の下からの略図である。

図4の実施形態の一部の下からの斜視図である。

可能な実施形態により、1セットの歯科用器具の第2の歯科用器具を支持する上顎の下からの略図である。

患者の舌に対して、図6の第2の歯科用器具の機能位置を示す下顎の上からの略図である。

図6の第2の歯科用器具を装着した患者の口腔の矢状断面図である。

第2の歯科用器具の第2の実施形態を支持する上顎の下からの略図である。

図9の実施形態の一部の下からの斜視図である。

図面を参照しながら、本発明の様々な実施形態を詳細に説明するが、同様の参照番号は幾つかの図を通して同様の部品及び集合体を表す。様々な実施形態を参照するが、それは本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、本明細書に記載する例は限定するものではなく、特許請求の範囲に記載する本発明の多くの可能な実施形態の幾つかを示すにすぎない。

一般的に、本開示は、第1の歯科用器具と、第2の歯科用器具とを含む1セットの歯科用器具に関する。これらの器具は個々に、又はセットとして連続的に使用することができる。通常、第1の歯科用器具は、舌体の前方領域の運動を制限する一方、舌の残りの部分が発語及び飲み込みに必要な運動を実行できるように構成される。しかし、これは舌の後方部分の休止位置にほとんど、又は全く影響しない。第2の歯科用器具は、舌体の後方領域を制限する一方、舌の残りの部分が発語及び飲み込みに必要な運動を実行できるように構成される。これらの歯科用器具の一方又は両方の使用についても、特に舌の機能不全、異常な休止位置、及び異常に大きい舌及びその結果、例えば、いびき、睡眠時無呼吸又は他の呼吸不全の治療に関して説明する。

一般的に、本開示の状況では、舌の正常な休止位置は、舌背が口の中央にあり、舌の先端が切歯後部口蓋乳頭に当たって休止する位置に対応する。注目すべきは、正常な休止位置では、堅口蓋と舌の間のドンデルス腔が自由なままであることである。

本開示の歯科用器具を、患者の口腔におけるその機能位置の状況で説明する。通常、図の方向はXYZ基準フレームによって与えられる。x軸は後方から前方へと配向された患者の矢状軸に対応し、y軸は患者の左から右へと配向された横軸に対応し、z軸は患者が基本の解剖学的体位である場合に実質的に垂直に位置決めされた内側縦軸であり、z軸は底部から頂部へと配向される。

幾つかの実施形態では、本開示による歯科用器具のセットは、第1の期間中に患者の上顎にセットの第1の歯科用器具を配置するステップと、次に第1の歯科用器具を除去した後、第2の期間中に患者の上顎に第2の歯科用器具を配置するステップとを含む治療方法に使用することができる。

次に図1〜図3を参照すると、患者の口腔1内に第1の歯科用器具2が示されている。第1の歯科用器具2は、口蓋、特に硬口蓋に擦りつけることになる舌の前方部分の前後の運動を抑制しながら、舌の飲み込み及び他の機能にとって正常な位置に対応する設定位置に舌を拘束するのに使用される。第1の歯科用器具は、患者の舌5に接触するように成形及び位置決めされた前方に延在するアーチ4を含む。前方に延在するアーチ4は、以下で説明するように舌5の特定部分の運動を制限するように成形及び位置決めされる。図示の実施形態では、取り付けバンド6及び7は、使用中に患者の上顎上の位置にある器具2、及び器具2を安定させる追加の支持手段を保持する。

第1の歯科用器具2は、特に、深く狭い口蓋を有する患者など、舌の機能不全に関連する患者の症状を治療するように構成される。第1の歯科用器具2は、以下で説明するように、片側又は両側で口蓋を拡大するように構成される。まず、これは舌が口蓋(例えば硬口蓋)を擦ることを防止し、また上顎に側方圧力を加え、両側を押し広げて口蓋を拡大する。

それぞれ右側6及び左側7のバンドは、使用するように選択された特定の歯のサイズに対応するように供給業者のカタログから選択され、患者の上顎10のそれぞれ右側8及び左側9の第2の大臼歯を締め付けるのに適切である。変形として、バンド6及び7は、上顎10の第1の大臼歯12及び13上に配置される。例えば、この構成は、第2の大臼歯がまだ生えていない子供に使用することができる。

各バンド6、7に外装又はスリーブ14、15を設け、その断面は実質的に矩形であり、例えば2mm×2.5mmの寸法及び4mm程度の長さを有する。このような平方向の舌外装は、例えば金属で作成され、米国企業Rocky Mountain Orthodonticsがカタログ番号AO186で販売している。各外装14、15は、例えばバンド6、7の口蓋表面18、19に溶接されている。ここで、口蓋表面とは口腔1の内側に向かう表面である。図3に示すように、外装14、15それぞれの軸線Cは、実質的に水平の面にあり、患者の顎の咬合平面Pに非常に近い。

アーチ4は、金属線、例えば直径0.036インチで、コロラド州デンバーの米国企業Rocky Mountain Orthodonticsが販売する「Elgiloy blue」タイプの線から形成される。アーチ4の端部24及び25はそれぞれ、バンド6及び7の対応する外装14、15内で受ける。

上から見ると、図2に示すように、アーチ4は、舌の中心領域31の運動を制限するように患者の口が閉じている場合、患者の舌5の中心前領域31の境界30と接触するように成形される。それと同時に、舌5の右側方縁32、左側方縁33、前縁又は先端34、及び後方領域35は、なお発語又は飲み込みに必要な運動をすることができる。アーチ4は、約3cmと0.5cmの間、好ましくは3cmと1cmの間の範囲の距離dで、下顎11の歯の口蓋表面によって形成されたアーチを辿る。

特定の実施形態では、アーチは、舌5の中心前部分で舌の動作を抑制するために、舌の正常な休止位置より約2〜3ミリメートル上方に位置決めされる。しかし、このガイドラインからの変動が可能である。

矢状断面では、図3に示すように、アーチ4は咬合平面Pの区域に配置される。アーチ4は患者の口腔1の口蓋3から離れ、したがって舌が硬口蓋などの口蓋の部分に擦れるのを防止することに留意されたい。

アーチ4は、その幾何形状を調整し、それによって器具2を患者の口の特定形状に適合させる手段を備える。

調整手段は、矢状面の両側で外装14及び15の付近に配置されたほぼ垂直又はわずかに傾斜したループ36及び37を備える。特に、垂直ループ36、37は、アーチ4の高さを調整し、それによって舌の拘束又は抑制量を調整し、様々な生理機能を有する患者に対応するのに使用することができる。各垂直ループ36、37は、アーチ4を構成する金属線を360°巻いて、ループを形成することによって作成される。ループ36、37を本明細書では垂直ループと呼んでいるが、これらのループは、特定の実施形態では部分的に垂直(すなわち、垂直面に対して傾斜又は斜形成)でもよいことが認識される。

第1の歯科用器具2が患者の口の機能位置にある場合、垂直ループ36及び37は、実質的に垂直面にあり、XZ面に平行で上向きである。垂直ループ36及び37によって、歯科専門医はアーチ4の金属線を弾性変形させ、咬合平面Pに対してアーチ4の前方区間38を多少傾けることができる。

調整手段は、XZ矢状面の両側に、垂直ループ36及び37のそれぞれから約1cm前方で前方区間38に沿って対称に配置された実質的に水平の右40及び左41の2つのループも備える。水平ループ40、41は、口蓋を拡大するためのアーチ4の調整に使用することができる。幾つかの実施形態では、水平ループ40、41は位置又はサイズが対称ではない。他の実施形態では、このようなループの一方のみが存在していてもよい。ループ40、41は本明細書では水平ループと呼んでいるが、これらのループは特定の実施形態では、部分的に水平、すなわち、水平面に対して傾斜又は斜角形成できることが分かる。2つの水平ループ40と41を分離する距離は、患者の口腔の幅に応じて変化し、一般的に2〜3cmである。各水平ループ40及び41は、アーチ4を構成する金属線を巻いてループを形成することによって作成される。アーチ4の形状を患者の歯生状態の幾何形状に、及びアーチ4が接触する舌5の中心領域の境界30の形状に適合させるために、水平ループ40及び41によって、アーチ4を構成する金属線を可塑変形することができる。さらに、水平ループ40及び41は、アーチ4と舌5の間に追加の接触表面を提供し、口蓋が狭すぎる場合に、その口蓋を広げて鼻呼吸を改善することが可能になる。

幾つかの実施形態では、垂直ループ26、27及び水平ループ40、41の両方が存在しない。このような実施形態では、図示の実施形態と比較して可撓性が低く、アーチの配置の精度が低下するが、それでもなお本発明の範囲に含まれる。

幾つかの他の実施形態では、垂直ループ及び水平ループのいずれか、又は両方を他の調整手段(微小締結具、微小ナットとボルト、微小ねじ又はバネ及びはめ歯機構など)と交換することができ、それらも本発明の範囲内に含まれる。

第1の歯科用器具2は、追加の支持手段を備えることが好ましい。実際に、舌5がアーチ4に力を加えると、これらの力が応力中心距離によって増幅され、外装14及び15を通してバンド6及び7に加えられる。バンド6及び7を移動する傾向があるこれらの著しい力を相殺するために、第1の歯科用器具2はそれぞれ右42及び左43で実質的に直線である2本の脚を装備する。各脚42、43は、アーチ4に使用されたものと同一の金属線で構成される。各脚42、43は、第1の端をバンド6、7の外装14、15に挿入することにより、この端部でこのバンドに取り付けられる。脚42、43は、それが取り付けられた外装14、15から口1の前部に向かって、上顎10の小臼歯の口蓋表面に沿って延在する。脚42、43の第1の端は第1の小臼歯の区域に配置される。脚42、43は、歯のエナメル質と歯肉との間の境界に位置決めされた上顎10の緩衝部で止まる。

関連出願PCT/EP2009/060226号と比較すると、図示のような脚42、43は、当該出願に図示された長い方の脚と比較して、歯の1本又は2本分の長さだけ患者の口内で前方に延在する。したがって、本出願の脚42、43は、患者の口蓋を広げ、それにより大きい舌の状態の後遺症をさらに治療する補助となる。

この構成では、外装14及び15が、それをy軸に平行な軸線の周囲で旋回させる傾向がある力を受けた場合、脚42及び43は、口蓋を広げながら、バンド6及び8の旋回に対抗する力を発生するように上顎の緩衝部で止まっている。

剛性を高めるために、幾つかの実施形態では、脚の第1の端と、同じ外装に収容されたアーチの端部とを一緒に溶接する。

ある変形では、脚は、アーチ4を構成する金属線を折り返すことによって作成され、折り返した部分は取り付け外装に収容されるか、又はいかなる場合でもそれと一体である。

別の変形では、脚の外側部分を口底に向かって斜めに曲げることができる。これによって、舌が横方向に動作し、使用者の歯と歯の間に挟まることが防止される。しかし、このような実施形態では、脚の延在距離は一般的に下歯を越えて延在しない。

別の変形では、舌を拘束するアーチは取り外し可能である。その結果、アーチをバンド上に維持する手段も適合される。例えば、取り付けバンドの口蓋表面には、コロラド州デンバーのRocky Mountain Orthodonticsからのカタログ番号A4114のWilson 3D舌管のように、垂直に配置される外装を形成する要素が設けられ、アーチの対応する端部に設けた複合手段が挿入によってこれと係合する。

他の変形として、垂直ループが、斜めに配置したループと交換される。このようなループによって、アーチの高さと幅の両方を調整することができる。これにより、アーチに水平ループを設けずに済むことが可能である。

第1の歯科用器具2を位置決めするために、歯科専門医は患者の上顎10の2つの第1の大臼歯8及び9のそれぞれにバンド6及び7を締結する。歯科専門医は、次にアーチ4の端部及び脚42及び43を外装14及び15内に収容する。次に、歯科専門医は、幅及び高さを患者の口腔の幾何形状に適合させるために、プライヤを使用してアーチ4の様々な水平40及び41及び垂直36及び37のループを変形させる。機能位置では、アーチ4は、舌の所望の位置の少し上方で、舌が弛緩して下顎の歯列弓付近に配置され、下顎切歯の真後ろの正常な休止位置に、それに全く力を加えない状態で調整される。

調整の最後に、アーチ4は、下前方に外装を出ながら、咬合と干渉しないように上顎の歯の口蓋表面から分離するようになっている。アーチ4は、舌5の外縁から約0.5cmに接触するように変形させる。したがって、アーチ4は患者の口蓋3に当たるように配置されていないが、患者の口腔の上弓と下弓の間の空間にある。

次に、追加の支持部を形成する脚を、小臼歯の口蓋表面に沿って歯頚付近に、すなわち、歯肉線に配置する。

代替構成では、外装14及び15を取り付けたバンド6及び7を、大臼歯8及び9以外の歯に配置することができる。一代替実施形態では、外装14、15を取り付けたバンド6及び7を第1の大臼歯12及び13に配置することができる。舌5によってアーチ4に与えられる圧力により、外装14、15を取り付けたバンド6及び7は小臼歯に配置しないことが好ましい。

幾つかの実施形態では、外装14、15は、金属又は樹脂で構築されたものを含め他の歯科用器具に固定することができる。例示的器具には、歯列矯正器又はアライナーなどの任意の歯科矯正又は歯科用の口の器具を含めることができる。

また、バンド6、7は、幾つかの実施形態では、例えば多数(例えば全部又はほぼ全部)の歯を失った人の場合、上顎骨の部分義歯又は固定義歯に固定することができる。

このように位置決めすると、器具2は、正常な機能、すなわち、歯茎音(T、D、N)及びLの発音、及び飲み込みによる食塊及び唾液の排出にとって必要な運動を可能にすることによってのみ作用する。

舌5が禁止された方法で運動すると、中心領域の境界30がアーチ4と接触し、これが障害物を形成する。したがって、吸い込む運動が不可能になり、他の望ましくない運動も不可能になる。金属線及び水平ループと擦れることによる外傷を回避するために、舌は、反射機構によって特定の運動を回避し、弛緩状態の維持を試みることを「学習」する。

図4〜図5を参照すると、第1の歯科用器具の別の実施形態では、特に例えば抜歯により1つ又は複数の大臼歯を失った患者、又は例えば日中は器具を外したい患者に特に適切な拘束手段は、1対の随伴する樹脂構成に金属線アーチを設定することによって作成される。図4を参照すると、この実施形態は、患者に適合するように成形された相補的な左及び右の樹脂構成401a〜bを含む。樹脂構成401a〜bは、上顎の各側にあって歯402、403などの1つ又は複数の使用可能な歯を把持する少なくとも2つのフック406によって、所定の位置に保持される。位置409は欠如歯を示し、図4は、フック406が位置409に隣接する歯を把持していることを示す。各樹脂構成401a〜bそれぞれに対向する歯の側では、フック406を交差部材によって繋ぎ合わせる、又は例えば口蓋の拡大が望ましい場合は分離状態を維持することができる。各側に1つずつある2つのスリーブ404は、重合などのプロセスにより、歯402、403に平行に樹脂構成401a〜bに取り付けられる。アーチ405の端部はスリーブ404に挿入され、ねじ、摩擦、又はこの目的で締結技術分野にて知られている他の方法などの機械的取り付けにより、スリーブ404に固定することができる。器具は金属線アーチ408の周囲に外装407を含むことができ、外装407は、外装がない剥き出しの金属線アーチよりも大きい快適性を使用者に提供する。

図4に示すように、脚442、443はそれぞれ左及び右の樹脂構成401a〜b上のスリーブ404内に装着されている。脚442、443は、第1の歯科用器具2の脚42、43と類似した機能を有し、アーチ408と協働して患者の口蓋を広げる。

図5は、図4の実施形態の一部の詳細斜視図を示し、フック406が固着点にて樹脂構成401a〜bに取り付けられ、固着点501はフック406毎に1つある。任意選択の交差部材502は2つの隣接するフック406に接続して、追加の安定性を提供する。

図4〜図5の実施形態では、フック406は歯402、403を把持するように位置決めされ、それは1つの実施形態では患者の第1及び第2の大臼歯である。代替実施形態では、フック406は樹脂構成401a〜b上に位置決めし、患者の口の幾何形状及び1つ又は複数の歯の存在(又は不在)に応じて、第2の大臼歯又は第2の小臼歯を把持することができる。

次に図6〜図8を参照すると、患者の口腔1内で歯科用器具のセットの第2の歯科用器具102が図示されている。第2の歯科用器具102は、通常、舌5の少なくとも後方領域を正常な休止位置に対応する位置、すなわち、硬口蓋の後方部分に、又は軟口蓋に突き当たらない位置に拘束するのに使用される一方、舌が発語し飲み込むのに十分動作できるようにする。その目的は、この場合も舌を再訓練することであるが、この器具は舌の位置決めにおける別の欠陥を矯正することを目指している。示唆されているか、当業者にとって明白な場合を除き、同様の要素の詳細は、第1の歯科用器具に関して以上で開示した通りである。

一般的に、第2の歯科用器具102を第1の歯科用器具2と比較すると、第1の歯科用器具2は患者の舌5の中心前領域31を抑制するように構築される一方、第2の歯科用器具は、舌5の後方領域35を抑制するように構築される。したがって、第2の歯科用器具102は、舌5の休止位置が、硬口蓋の後方部分及び軟口蓋及び口蓋垂などの口蓋に当たるが、口蓋を広げる必要はない(例えば図1〜図5に示した第1の器具を使用して既に矯正が適用されている場合の)患者の治療に特に適合している。

第2の歯科用器具102は、口腔1内で後方に延在し、患者5の舌の後方硬口蓋、軟口蓋及び口蓋垂に向かう運動を制限するために、それと接触するのに適しているアーチ104を含む。アーチ104に関して、以下でさらに詳述する。

図示の実施形態では、取り付けバンド106、107が、上顎10のそれぞれ第1の大臼歯12、13に位置決めされる。取り付けバンド106、107は、器具102を患者の上顎10の所定の位置に維持するように構成され、追加の支持手段142、143は使用中に器具102を安定させるように構成される。

代替構成では、バンド106、107及び関連する外装114及び115を、第1の大臼歯12、13以外の歯に配置することができる。一代替実施形態では、バンド106、107及び関連する外装114、115を大臼歯8及び9に、例えば智歯20、21が存在する場所に配置することができる。舌5がアーチ4に加える圧力があるので、バンド106、107及び外装114、115は小臼歯に配置しないことが好ましい。十分な歯が存在しない場合、図9〜図10に関して以下で説明する実施形態を代替方法で使用することができる。

図示の実施形態では、バンド106、107は、上顎10のそれぞれ右12及び左13の第1の大臼歯に締結するのに適している。代替実施形態(図示せず)では、取り付けバンド106及び107は、上顎10の第2の小臼歯16及び17に配置される。各バンド106、107には外装又はスリーブ114、115が設けられ、これは例えばバンド106、107の口蓋表面に接着される。各外装114、115は実質的に矩形の断面を有し、外装で受けるべき構造のサイズ及びサイズに応じて様々なサイズにすることができる。外装114、115は、図1〜図3の外装14、15に関して以上で説明したように、約2mm×2.5mmの寸法及び約4mmの長さを有する水平の舌状外装とすることができる。外装114、115は、バンド106、107の口蓋表面118、119に接着され(又は他の方法で取り付け)、口腔1の内側へと配向することもできる。図8に示すように、それぞれ外装114、外装115の軸線は実質的に水平の面にあり、患者の顎の咬合平面Pに非常に近い。

アーチ104は、図1〜図3のアーチ4に関して以上で説明したように、金属線から形成される。アーチ104の端部124及び125はそれぞれ、バンド106及び107の対応する外装114、115で受ける。

上記のように、図7に示すように、アーチ104は、舌5を口蓋に付けようとし、舌の中心後領域の上方向の運動を制限するように患者の口を閉じると、患者の舌5中心後領域35に接触するように成形される。それと同時に、舌5の右側方縁32、左側方縁33、前縁又は先端34及び中心領域31はなお、発語又は飲み込みに必要な運動をすることができる。一般的に、アーチ104は、軟口蓋の前縁から約1cm離れて硬口蓋の下方に位置するように、ほぼ第3の大臼歯のレベルで後方に位置決めされる。この方法で、アーチ104は舌5が軟口蓋及び硬口蓋、さらに口蓋垂を圧迫するのを防止する。

矢状断面では、図8に示すようにアーチ104は咬合平面Pの区域に位置する。アーチ104は、図1〜図3のアーチ4と同様に、患者の口腔1の口蓋3から離れていることに留意されたい。治療を開始する場合、相互作用及び舌5に生じ得る疼痛を軽減するために、アーチ104を口蓋の比較的近くに位置決めすることができる。治療により舌5の体積が減少すると、アーチ104を咬合平面Pに向かって漸進的に低下させ、舌をその正常な作業位置及び休止位置にさらに拘束することができる。したがって、アーチ104を初期位置で口蓋付近に配置する場合、アーチ104は、咬合平面に向かって口蓋から徐々に離間するように調整可能であることが望ましい。例えば、治療を弱めるか、初期治療することが望ましい場合、アーチは歯肉最上線の面から口蓋に向かって約3mm上方に調整することができ、同様に治療を強化することが望ましい場合、アーチ104は歯肉線の面から最大約3mm下へと下方に調整することができる。

アーチ104は、その幾何形状を調整する手段を備え、それによって器具102の患者の口に特定の形状に適合させることができる。調整手段は、2つの実質的に垂直又はわずかに傾斜したループ136及び137、及び2つの実質的に水平のループ140及び141を備える。以上で説明したように、これらの各ループを本明細書ではそれぞれ垂直又は水平ループと呼ぶが、これらのループは、特定の実施形態ではそれぞれ垂直又は水平面に対して部分的に傾けられ得ることが分かる。

これらの手段によって、その形状を患者の歯列に、及びアーチ104が接触する舌5の後方領域35の形状に適合させるために、アーチ104を構成する金属線の可塑変形が可能になる。さらに、水平ループ140及び141は、アーチ104と舌5の間に追加の接触表面を提供する。

第1の歯科用器具2と同様に、第2の歯科用器具102は、それぞれ右142及び左143の2本の脚で作成された追加の支持手段を備えることが好ましい。それぞれ右及び左の脚142及び143は実質的に直線であり、金属線から形成することができる。しかし、第1の歯科用器具2と比較すると、第2の歯科用器具102の脚142、143は、特定の実施形態では例えば歯1本又は1本半分の幅に対応する長さまで、さらに短縮することができる。脚142、143は、例えば第2の器具102を患者の口蓋の拡大に使用しない(例えば、第1の器具で治療した後、又は口蓋の拡大を必要としない患者に第2の器具102を適用する)実施形態では、短縮することができる。

各脚142、143の第1の端は、アーチ104の各端部124、125それぞれに沿って対応する外装114、115に挿入される。脚142、143は、それが取り付けられるバンド106、107から口1の後部に向かい上顎大臼歯の口蓋表面に沿って延在する。図示の実施形態では、各脚142、143の第2の端は第3の大臼歯20、21の区域に配置される。脚142、143は、歯のエナメル質と歯肉の間の境界線に位置する上顎10の緩衝部で停止する。特定の実施形態では、脚142、143は歯約1本分の長さであるが、正確な長さは患者の口の幾何形状に従って変更することができる。

また、アーチ104の各端124及び125は、外装114、115で受ける。

以上で説明したような第1の歯科用器具2に含まれる変形を適用して、第2の歯科用器具102を改造することもできる。

特定の実施形態では、第2の歯科用器具102の位置決めが以下のように実行される。

歯科専門医は、患者の上顎10の2つの第1の大臼歯12及び13それぞれにバンド106及び107を締結する。歯科専門医は次に、アーチ104の端部及び脚142及び143を外装114及び115に入れ、それを変形させて、締結による保持を確保する。

次に、歯科専門医はプライヤを使用して、アーチ104の幾何形状の幅及び高さ、及びその後方断面138を患者の口腔に適合させるために、アーチ104の様々な水平140及び141及び垂直136及び137のループを変形する。

その機能的位置で、アーチ104は、その後方断面138が舌の所望の位置よりわずか上方、すなわち、舌が弛緩して下顎の歯列弓付近に位置する正常な休止位置に調整されるようなアーチである。

調整の終了時に、アーチ104は、咬合を干渉しないように上顎の歯の口蓋表面から分離しながら、外装をした方向及び後方に出るようなアーチである。

アーチ104は、舌を休止位置で口蓋に当てて位置決めする場合に舌5と接触するが、舌が正常な所望の休止位置にある場合に舌5と必ずしも接触しないように、全体的に歯肉線の面より上方にあるように変形される。したがって、アーチ104は患者の口蓋3に当たらないように配置され、患者の口腔の上歯列弓と下歯列弓の間の空間にある。

次に、追加の支持を形成する脚142、143が、大臼歯の口蓋表面に沿って、歯頚付近、すなわち、歯と歯肉の接合区域に配置される。

このように位置決めされた第2の歯科用器具102は、舌5にその正常な機能に必要な運動、すなわち、歯茎音T、D、N及びLの発音、及び飲み込みによる食塊及び唾液の排出のみを可能にすることによって作用する。

舌5が禁止された方法で運動するか、口蓋上に悪い休止位置で固定されている場合、舌の後方領域35はアーチ104と接し、これは障害物を形成する。金属線及び水平ループと擦れることによる外傷を回避するために、舌は反射機構を通して特定の運動を回避し、弛緩状態を維持しようとすることを「学習」する。これが、器具102が舌の再訓練を提供するものとして呼称される理由である。

図9〜図10を参照すると、第2の歯科用器具の代替実施形態が図示されている。この代替実施形態は、第1の歯科用器具に関連する図4から図5の実施形態と同様であり、特に例えば抜歯により1つ又は複数の大臼歯を失った患者、歯科用装置を一日中挿入したままにしたくない患者、又は他の理由に適合させることができる。

図示の実施形態では、第2の歯科用器具600は1対の樹脂構成601a〜bを含む。図示の実施形態では、樹脂構成601a〜bはフック606によって上顎の各側の所定の位置に保持され、使用可能な1本又は複数の歯、図示の例では歯602、603を把持するようなサイズにされ、位置決めされる。このような実施形態では、歯602はフック606と係合する。代替実施形態では、フック606及び樹脂構成601a〜bは、例えば歯602の一方又は両方が欠如している場合に、異なる歯(例えば歯603)を把持するような構成である。他の歯が欠如している場合、樹脂構成601a〜bの一方又は両方を、それぞれ左側又は右側の既存の歯の周囲に形成することができ、例えば樹脂構成は、例えば樹脂構成601a〜bそれぞれの一部として、欠如した歯の位置を占めることができる。

図10に示すように、特定の実施形態では、フック606を任意選択で交差部材702によって相互に接合し、これはフックの位置を安定させ、歯602の把持を補助することもできる。しかし代替実施形態では、フック606は分離したままでよい。図示の実施形態では、フック406を固着点501にて樹脂構成601a〜bに取り付け、フック406毎に1つの固着点501がある。また、図4〜図5の器具と同様に、フック606は、1つの実施形態では患者の第1の大臼歯である歯602、603を把持するように位置決めされる。代替実施形態では、フック606は樹脂構成601a〜b上に位置決めし、患者の口の幾何形状及び1つ又は複数の歯の存在(又は不在)に応じて、第2の大臼歯又は第2の小臼歯を把持することができる。

幾つかの実施形態では、外装114、115は、金属又は樹脂で構築されたものを含め、既に所定の位置にあるか、又は同時に設置された他の歯科用器具に固定することができる。例示的な器具には、歯列矯正器又はアライナーなど、任意の歯科矯正又は歯科用の口の器具を含めることができる。

また、バンドのフック606は、幾つかの実施形態では、例えば多数(例えば全部又はほぼ全部)の歯を失った人の場合、上顎骨の部分義歯又は固定義歯に固定することができる。

アーチ608は通常、図6〜図8のアーチ105と同じ方法で位置決めし、成形して配向する。図4〜図5のアーチ408と同様に、アーチ608は、任意選択でアーチ608の金属線の周囲に外装607を含み、第2の歯科用器具600の使用者により大きい快適性を提供する。

2つのスリーブ604が、樹脂構成601a〜b毎に1つずつ、歯602、603に平衡に取り付けられる。スリーブ604は、重合プロセス又は他の同等の方法を使用して樹脂構成601a〜bに取り付けることができる。アーチ605の端部はスリーブ604に挿入され、ねじ、摩擦、又はこの目的で締結技術分野にて知られている他の方法などの機械的取り付けにより、スリーブ604に固定することができる。器具は金属線アーチ608の周囲に外装607を含むことができ、外装607は、外装がない剥き出しの金属線アーチよりも大きい快適性を使用者に提供する。

特定の実施形態では、樹脂構成601a〜bのサイズに応じて、スリーブ604を、歯を受けるフック606に隣接する位置で樹脂構成601a〜bそれぞれに位置決めすることができるが、代替実施形態では、スリーブ604を、例えばスリーブが歯610に隣接する(又はフックが歯610上に配置されている)場合、口中でさらに前方又は後方に配置することができる。

図9〜図10に示すように、脚642、643はスリーブ604から延在し、患者の舌によってアーチ608に圧力が加えられた場合に歯科用器具を安定させる作用をすることができる。脚142、143と同様に、脚642、643はほぼ1本分の長さであるが、正確な長さは患者の口の幾何形状に従って変更することができる。

次に全体的に図1〜図10を参照すると、使用中に、第1の歯科用器具は身に付いた望ましくない習慣に対抗し、治療の最初の日から始まって舌の機能不全を阻止する。舌は漸進的に、器具の拘束内で適切に機能するように再教育される。また、舌が口蓋に加える圧力を停止することにより、上気道を解放することを通して改善された呼吸を再確立する。強制的に舌の運動を小さくすることにより、及び特に適切な方法でのみ、幾つかの筋肉(例えばオトガイ舌筋)への応力が低下し、その結果、次第にその体積が減少する。強制的に舌を適切かつ均等に運動させることにより、舌の他の筋肉が力を回復し、咽頭領域の能力を保護する。両方の努力の組み合わせによって、咽頭での自然呼吸が可能になる。第2の器具は、過大な舌が口蓋に付いて気道も閉塞するのを防止する。これは強制的に舌を口の下部分に休止させ、次第にこの位置に維持させて、気道、特に咽頭を解放する。

第1又は第2の器具で約3カ月治療すると、その結果、舌の体積の減少が観察される。再発の危険性を低下させるために、器具は約6カ月装着すると有利である。歯科専門医が、舌の運動及び位置を抑制し、さらに口蓋の形状を再構築することが必要と考えた場合、歯科用器具はさらに長期に装着される。例えば、第1の歯科用器具の軸の能動的作用は、長期的な使用によって強調され、上顎の歯列弓をさらに押して離し、したがって口蓋を広げる。

また、治療中に、歯科専門医は、第1又は第2の歯科用器具それぞれのアーチの位置を変更し、例えば舌の体積が減少するにつれて舌に向かってさらに下降させることができる。

第1又は第2の歯科用器具を使用すると、言葉の発音の改善に役立つ。何故なら、器具の存在は舌の過剰な使用又は運動を阻止し、唇の使用を促進するからである。第1の歯科用器具は、舌がアーチを圧迫するにつれて歯を外側に圧迫することにより、口蓋を広げる。口蓋が漸進的に再構築され、浅くなるとともに幅広になり、そのことで鼻窩の容積が増大し、鼻呼吸を改善する。すする動作がなくなると、オトガイ舌筋の体積が減少し、二重顎が軽減するか、又は解消される。

少なくとも部分的には第1及び第2の歯科用器具が正常な発語及び飲み込み音を可能にすることにより、本明細書で説明するような器具は、夜間使用に、又は子供による使用に制限するのではなく大人が継続使用するのにも適している。特に、多くの大人に比較的大きい舌及び深い口蓋が発達し、さらに第3の大臼歯レベルまで発達した一揃いの歯があるので、本明細書で説明する器具は通常、大人が使用する。

呼吸がさらに容易になるので、睡眠時無呼吸及びいびきが軽減するか、又は消失する。したがって、患者はより深い眠りを経験し、その結果、外科手術を必要とせずに生活の質が向上する。第1の歯科用器具は、舌を再教育し、それが口蓋を構築するので、Quad Helixで得られるよりも安定した結果となる。

第2の器具は、舌が、硬口蓋の後方部分、軟口蓋及び口蓋垂を含め口蓋に押しつけられるのを阻止する。舌は低い弛緩位置に留まる。これは、舌の体積も減少させ、気道を解放し、呼吸をさらに容易にする。第2の歯科用器具(例えば歯科用器具102又は600)では、舌が未訓練の高い休止位置にある場合、舌背によって器具に加えられる圧力は、舌を舌骨に接続する筋肉及び咽頭壁の筋肉を強化する。また、これは気道の容積を増大させ、茎突舌筋への作用によって脊椎を伸ばす。したがって、第2の歯科用器具は、舌背が口蓋に接触している舌の高い休止位置の治療に適合する。数カ月で舌背が平坦になり、口腔咽頭が解放される。

幾つかの用途では、歯科専門医は第1及び第2の歯科用器具をセットとして使用する。例えば特定の実施形態では、第1の歯科用器具と第2の歯科用器具を順番に使用する。治療の第1の段階では、第1の期間中に第1の歯科用器具を使用して、舌の中心前領域の筋肉を治療する。第1の歯科用器具を取り外した後、治療の第2の段階で、第2の期間中に第2の歯科用器具を使用して、舌の後方領域の筋肉を治療する。代替実施形態では、使用の治療段階を逆転させることができ、第2の歯科用器具を第1の期間中に試用し、第1の歯科用器具を第2の期間中に試用する。

以上の明細書、実施例及びデータは、本発明の構成要素の製造及び使用に関する完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに作成することができるので、本発明は特許請求の範囲内にある。

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