Release device of intermaxillary fixation |
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申请号 | JP2006354200 | 申请日 | 2006-12-28 | 公开(公告)号 | JP2008161433A | 公开(公告)日 | 2008-07-17 |
申请人 | Furuya Kogyo Kk; Makoto Nakano; フルヤ工業株式会社; 誠 中野; | 发明人 | NAKANO MAKOTO; SUGAWARA TOSHIO; FURUYA TAKESHI; | ||||
摘要 | PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a release device of intermaxillary fixation capable of releasing the intermaxillary fixation without using any tool and reducing a trouble of an operator and a burden of a patient. SOLUTION: This release device is provided with an upper jaw connecting body 2 composed of a first synthetic resin, a lower jaw connecting body 3 composed of a second synthetic resin, and a link body 4 composed of elastomer, wherein the upper jaw connecting body 2 has an upper side locking part 21 and an upper side support part 22, the lower jaw connecting body 3 has a lower side locking part 31 and a lower side support part 32, the elastomer forming the link body 4 is non-compatible or hardly compatible relative to the first synthetic resin and the second synthetic resin, and the upper jaw connecting body 2 and the lower jaw connecting body 3 are connected to the link body 4 with the upper side support part 22 and the lower side support part 32 embedded in the link body 4. COPYRIGHT: (C)2008,JPO&INPIT | ||||||
权利要求 | 第一の合成樹脂からなる上顎接続体(2)と、第二の合成樹脂からなる下顎接続体(3)と、エラストマーからなる連結体(4)とを有し、 前記上顎接続体(2)は、上側掛止部(21)と上側支持部(22)を備え、 前記下顎接続体(3)は、下側掛止部(31)と下側支持部(32)を備え、 前記連結体(4)を形成するエラストマーは、前記第一の合成樹脂及び第二の合成樹脂に対して、非相溶性であるか若しくは相溶が困難であり、 前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を、連結体(4)に結合したことを特徴とする顎間固定解除装置。 上顎接続体(2)の上側支持部(22)と下顎接続体(3)の下側支持部(32)を連結体に埋設したことを特徴とする請求項1記載の顎間固定解除装置。 上側支持部(22)と下側支持部(32)とを当接した構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の顎間固定解除装置。 連結体(4)は、その口内面(42)に連結体取着部(45)を備え、 上顎接続体(2)は上側支持部(22)に上顎接続体取着部(26)を備え、 上側掛止部(21)は長手方向に挿通穴(25)を備え、 上側掛止部(21)の底面(210)は連結体の中央上面に対する当接面とし、上側支持部(22)の内面(220)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面とし、 下顎接続体(3)は下側支持部(32)に下顎接続体取着部(36)を備え、 下側掛止部(31)は長手方向に挿通穴(35)を備え、 下側掛止部(31)の上面(310)は連結体の中央下面に対する当接面とし、下側支持部(32)の内面(320)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面としたことを特徴とする請求項1記載の顎間固定解除装置。 連結体(4)は胴部(46)と該胴部(46)の両端に舌片状の把持部(41)を形成した構成を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の顎間固定解除装置。 連結体(4)の口外面(43)は、顎間固定の解除方法等の文字、図形、記号等を表示する表示部(44)を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の顎間固定解除装置。 |
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说明书全文 | 本発明は、医療行為等で行われる顎間固定において使用される、顎間固定解除装置に関するものである。 顎骨骨折の整復や顎変形症などに対する外科的矯正手術に際して、顎骨を正しい位置に維持し安静を保つため、顎間固定が行われている。 顎間固定は金属線材などの結紮線で上下顎を固定して行われる。 顎間固定は受傷後あるいは手術後早急に行うことが望ましい。 ところが受傷後は嘔吐や出血、口腔内の腫れ等で気道が閉塞する場合がある。 気道が閉塞した場合、酸素欠乏により4分乃至6分で不可逆的な脳障害が起こり、10分乃至15分以上継続すると死に至る危険があるため、早急に気道を確保する必要がある。 顎間固定している患者は口を開けることができないため、顎間固定解除を速やかに行い、気道を確保する必要がある。 上記顎間固定の解除は、上下顎を固定している結紮線をワイヤー切断用ハサミ等で切断して行うが、気道が閉塞した患者のそばに医療関係者がいるとは限らず、また極めて短時間内に気道の確保を行う必要があるため、近くにいる者が顎間固定を解除することが望ましい。 しかし、顎間固定の解除についてなんら知識を有しない者が、気道が閉塞した患者に遭遇した場合に、ワイヤー切断用ハサミ等の道具を用いて顎間固定を解除できる可能性は極めて低いという問題があった。 そこで従来、顎間固定の解除について知識を有しない者であっても、道具を使わずに顎間固定の解除を速やかに行えるようにするため、種々の顎間固定解除装置が提案されている。 先行技術1では、上顎と下顎それぞれにアーチワイヤーが装着され、上下顎のアーチワイヤーに跨るようにフックが架設されて、上下顎骨が固定される。 フックは硬い金属線材で形成されている。 フックには把持部が形成されており、把持部を口外方向に引くことにより、顎間固定が解除される(例えば、非特許文献1参照。)。 また、先行技術2では、まず上顎と下顎に通常の顎内固定が行われる。 顎内固定手段と歯の表面の間には上下方向に間隙が形成されており、この間隙に上下顎間の結紮線を通したうえでループを形成し、前記ループに係止体を貫通させる。 係止体は、前記間隙を通過できない太さを有する金属線材である。 係止体が抜け止めとなるため、結紮線に張力を付与して顎間を固定することができる。 顎間固定状態を解除する場合には、係止体に形成された把持部を口外方向に引くことにより、係止体が歯列に沿って移動し、結紮線のループから係止体が順次抜脱していき、顎間固定が解除される(例えば、非特許文献2参照。)。 渡辺八十夫、他2名、「外科的矯正手術後に使用する可撤式顎間固定装置」、日矯歯誌、1985年、第44号、p.160−164 玉利和彦、他2名、「外科的矯正手術後および顎骨骨折整復後に用いる瞬時可撤式顎間固定装置」、日矯歯誌、1988年、第47号、p.811−814 しかし上記先行技術1には、以下の問題がある。 顎間固定解除装置は顎間固定力を発揮させ、しかも顎間固定の解除もできるように調整する必要がある。 これは、顎間固定力を優先すると顎間固定の解除ができなくなり、また、顎間固定の解除を優先すると充分な顎間固定力を付与できなくなるからである。 更に、顎間固定解除装置の製作、装着、調整ともに施術者の経験と技量に依存する面が大きい。 調整は患者の口腔外で事前に行うことが必須であり、長時間かけて準備する必要がある。 口腔内での調整も必要であり、長時間を要する場合もある。 顎間固定解除装置の装着時において、患者の口腔内でも調整する必要があるため、患者の負担が大きい。 また、顎間固定解除装置の把持部やその他の部材が大きく、患者の唇の裏(口唇粘膜面)や歯肉に接し違和感を生じさせるため、装着しているあいだ患者に負担が強いられる。 顎間固定解除装置は、歯肉の近くに把持部が設置されるため、把持部が唇に隠れて口外から見えない。 解除には特別の道具は必要でないものの、患者の近くに居る者が把持部に気付かなければ、顎間固定の解除は行われない。 また、把持部が見えた場合であっても、把持部を引けば顎間固定が解除されるという理解ができない場合には、顎間固定の解除が行われる可能性は低い。 また、上記先行技術2では以下の問題がある。 顎間固定解除装置を患者毎に製作する必要はないが、事前に製作する必要があり手数を要する。 顎間固定解除装置を調整する必要があり、この調整が困難である。 顎間固定力を発揮させ、しかも顎間固定の解除もできるように調整する必要があるからである。 顎間固定解除装置は顎間固定力を発揮させ、しかも顎間固定の解除もできるように調整する必要がある。 顎間固定解除装置の製作、調整ともに施術者の経験と技量に依存する面が大きい。 特に、顎間固定を解除できるかどうかの確認は、顎間固定解除装置を破壊しなければできないため、確認することはできない。 顎間固定解除装置の装着は、通常の顎間固定手段とは全く異なり、施術者の習熟が必要である。 顎間固定解除装置の装着時において、患者の口腔内での作業が多く、長時間を要するため、患者の負担が大きい。 また、顎間固定解除装置の把持部やその他の部材が大きく、患者の唇の裏(口唇粘膜面)や歯肉に接し違和感を生じさせるため、装着しているあいだ患者に負担が強いられる。 顎間固定解除装置は、歯肉の近くに把持部が設置されるため、把持部が唇に隠れて口外から見えない。 解除には特別の道具は必要でないものの、患者の近くに居る者が把持部に気付かず、顎間固定の解除が行われる可能性は低い。 また、把持部が見えた場合であっても、把持部を引けば顎間固定が解除されるという理解ができない場合には、顎間固定の解除が行われる可能性は低い。 また、一本の係止体で全ての結紮線の抜け止め及び固定を行っており、解除する場合に係止体が顎内固定手段にひっかかって結紮線のループが係止体から抜脱せず、顎間固定が解除されない危険がある。 このように先行技術1、先行技術2ともに、患者の個人差に応じて個別に製作するため手数を要し、施術者の経験と技量が要求されていた。 また患者に多大な負担を強いるものであった。 その一方で、顎間固定の解除が行われる可能性が高まるのかどうか、施術者が効果を実感できないという面もあった。 このため、顎間固定が必要とされる患者に対して、顎間固定解除装置が採用されていないという問題があった。 更に、上記先行技術1、先行技術2のいずれの顎間固定解除装置においても、その解除方法を知らなければ、一般的な顎間固定解除方法のみ知っている者であっても解除を行えない可能性がある。 また、一般的な顎間固定解除方法のみ知っている者であれば、ワイヤーの切断を行うことを通常の態様として理解しているから、同様にワイヤーの切断手段を用いて顎間固定解除を試みる危険性がある。 先行技術1、先行技術2のいずれにおいてもこのような切断手段を使用しても切断を行うことはできず、切断作業は危険を伴うものとなる。 本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、施術者の手数が軽減され、施術者の経験と技量に関わらずに使用できるとともに、患者の負担を軽減でき、しかも顎間固定の解除についてなんら知識を有しない者であっても特別の道具を使用せずに解除ができる可能性が高く、また、一般的な顎間固定解除方法のみを知る者が従来のワイヤーの切断で顎間固定解除を行うことも可能となる顎間固定解除装置を提供することにより、顎間固定が必要とされる患者に対して、顎間固定解除装置の採用を促進し、ひいては医療の安全性を高めることにある。 本願発明者は、上記目的を達成するためには、施術者が個別に顎間固定解除装置を製作するのではなく、既製品としての顎間固定解除装置を施術者に提供することが必要であり、患者の顎間に顎間固定解除装置を介在させることが適切であることを見出した。 また、本願発明者は、相互に非相溶性となる合成樹脂若しくは相互に相溶が困難な合成樹脂が、一定の密着力を発揮することができ、容易に分離できる性質を有することを見出した。 そこで、請求項1に記載の発明に係る顎間固定解除装置は、第一の合成樹脂からなる上顎接続体(2)と、第二の合成樹脂からなる下顎接続体(3)と、エラストマーからなる連結体(4)とを有し、前記上顎接続体(2)は、上側掛止部(21)と上側支持部(22)を備え、前記下顎接続体(3)は、下側掛止部(31)と下側支持部(32)を備え、前記連結体(4)を形成するエラストマーは、前記第一の合成樹脂及び第二の合成樹脂に対して、非相溶性であるか若しくは相溶が困難であり、前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を、連結体(4)に結合したことを特徴とする顎間固定解除装置とした。 尚、本発明において、第一の合成樹脂と第二の合成樹脂は同一の合成樹脂であることを含む。 請求項2に記載の発明に係る顎間固定解除装置は、第一の合成樹脂からなる上顎接続体(2)と、第二の合成樹脂からなる下顎接続体(3)と、エラストマーからなる連結体(4)とを有し、前記上顎接続体(2)は、上側掛止部(21)と上側支持部(22)を備え、前記下顎接続体(3)は、下側掛止部(31)と下側支持部(32)を備え、前記連結体(4)を形成するエラストマーは、前記第一の合成樹脂及び第二の合成樹脂に対して、非相溶性であるか若しくは相溶が困難であり、前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を、連結体(4)に埋設したことを特徴とする顎間固定解除装置とした。 請求項3に記載の発明に係る顎間固定解除装置は、請求項1から請求項2のいずれか一項に記載の発明において、上側支持部(22)と前記下側支持部(32)とを当接した構成とした。 請求項4に記載の発明に係る顎間固定解除装置は、請求項1記載の発明において、連結体(4)は口内面に連結体取着部(45)を備え、上顎接続体(2)は上側支持部(22)に上顎接続体取着部(26)を備え、上側掛止部(21)は長手方向に挿通穴(25)を備え、上側掛止部(21)の底面(210)は連結体の中央上面に対する当接面とし、上側支持部(22)の内面(220)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面とし、下顎接続体(3)は下側支持部(32)に下顎接続体取着部(36)を備え、下側掛止部(31)は長手方向に挿通穴(35)を備え、下側掛止部(31)の上面310は連結体の中央下面に対する当接面とし、下側支持部(32)の内面(320)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面としたことを特徴とする顎間固定解除装置とした。 請求項5に記載の発明に係る顎間固定解除装置は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、連結体(4)は胴部(46)と該胴部(46)の両端に舌片状の把持部(41)を形成した構成を有するものとした。 請求項6に記載の発明に係る顎間固定解除装置は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、連結体(4)の口外面(43)は、顎間固定の解除方法等の文字、図形、記号等を表示する表示部(44)を備える構成とした。 (作用) そして、エラストマーを用いた連結体(4)に、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)とが結合され、上顎接続体(2)と連結体(4)との合わせ面が密着した状態となり、また、下顎接続体(3)と連結体(4)との合わせ面が密着した状態となり、一定の強さの密着力が発揮される。 密着された状態において、上顎接続体(2)と連結体(4)、及び下顎接続体(3)と連結体(4)に対して、外力が作用し、合わせ面に垂直な外力が作用した場合、すなわち合わせ面を離す方向の外力が加えられた場合、その外力が一定の強さ未満であれば密着力により合わせ面は剥離しない。 しかし、その外力が一定の強さ以上であれば合わせ面は剥離する。 また、密着された状態において、上顎接続体(2)と連結体(4)、及び下顎接続体(3)と連結体(4)に対して、外力が作用し、合わせ面に平行な外力が作用した場合、すなわち合わせ面をずらす方向の外力が加えられた場合、その外力が一定の強さ未満であれば密着力により合わせ面は剥離しない。 しかし、その外力が一定の強さ以上であれば合わせ面は剥離する。 よって、上顎接続体(2)、下顎接続体(3)及び連結体(4)はそれぞれ一定の強さ未満の外力が加えられても分離せず、一定以上の強さの外力が加えられると分離する。 また、上顎接続体(2)には、上顎の固定源(9)と接続される上側係止部(21)が形成されており、下顎接続体(3)には、下顎の固定源(9)と接続される下側掛止部(31)が形成されており、それぞれ上顎、下顎の固定源(9)に間接または直接に接続される。 上顎接続体(2)、下顎接続体(3)及び連結体(4)はそれぞれ一定の大きさ未満の外力が加えられても分離しないため、上下顎間に顎間固定力を付与することができる。 上顎接続体(2)と連結体(4)及び下顎接続体(3)と連結体(4)とは密着された状態であるが、一定の大きさ以上の外力が加えられると分離する。 このため、顎間固定解除装置(1)を上顎、下顎の固定源(9)に間接または直接に接続させた状態において、上顎接続体(2)と連結体(4)との合わせ面、及び下顎接続体(3)と連結体(4)との合わせ面に、顎間固定力に加えて一定以上の強さの外力を作用させると、エラストマーからなる連結体(4)が変形し、合わせ面が剥離し、上顎接続体(2)、下顎接続体(3)及び連結体(4)が分離する。 また、請求項2に係る発明は、基本構成を請求項1に係る発明と同様とするものであり、この点で、上記請求項1と同様の作用を奏する。 本請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明の構成に加えて、上顎接続体の上側支持部(22)と下顎接続体(3)の下側支持部(32)を連結体に埋設した構成を備えたものである。 即ち、前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を、連結体(4)に結合するに際して、上顎接続体(2)及び下顎接続体(3)は、前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を製造過程で溶融状態となる連結体(4)に埋設させた状態とし、その後の冷却により連結体(4)と結合状態が完成するが、上顎接続体(2)の上側支持部(22)及び下顎接続体(3)の下側支持部(32)は、完全に一体化されないこととなる。 そして、エラストマーを用いた連結体(4)に、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)とが夫々埋設され、上顎接続体(2)と連結体(4)との合わせ面が密着した状態となり、また、下顎接続体(3)と連結体(4)との合わせ面が密着した状態となり、一定の強さの密着力が発揮される。 請求項3に係る発明は、上側支持部(22)と前記下側支持部(32)とを当接した構成としたことで、顎間固定解除装置を装着し、ワイヤーを締め込んだ状態とすると、連結体は撓んで変形した状態が継続するところ、当接した上顎接続体と下顎接続体とが相互に干渉して連結体の大きな変形を緩和することができる。 また、上顎接続体と下顎接続体を連結体から取外す際には、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)とが当接しながら、上顎接続体(2)が上方へ、下顎接続体(3)が下方へ移動するから、分離に要する外力が、エラストマーの変形によって消費されるロスが少なくなり、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)を分離する操作を容易とする。 請求項4に係る発明は、連結体(4)は口内面に連結体取着部(45)を備え、上顎接続体(2)は上側支持部(22)に上顎接続体取着部(26)を備え、上側掛止部(21)は長手方向に挿通穴(25)を備え、上側掛止部(21)の底面210は連結体の中央上面に対する当接面とし、上側支持部(22)の内面(220)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面とし、下顎接続体(3)は下側支持部(32)に下顎接続体取着部(36)を備え、下側掛止部(31)は長手方向に挿通穴(35)を備え、下側掛止部(31)の上面310は連結体の中央下面に対する当接面とし、下側支持部(32)の内面(320)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面としたことによって、上顎接続体取着部(26)及び下顎接続体取着部(36)に対して連結体(4)の連結体取着部(45)を溶融形成して取着した状態で、前記挿通穴(25)(35)を有する上顎掛止部(21)及び下顎掛止部(31)は連結体(4)の胴部(46)の中央上下に突出して配置される。 請求項5に係る発明によれば、連結体(4)の胴部(46)の両端に舌片状の把持部(41)が形成される構成とした。 いずれか一方の把持部(41)を把持して引くことにより、上顎接続体(2)、下顎接続体(3)及び連結体(4)に、顎間固定力に加えて一定以上の強さの外力が加えられると分離する。 また請求項6の発明によれば、連結体(4)の外面に連結体(4)の解除方法等の文字、図形、記号等が表示された表示部(44)が形成されることにより、表示部(44)を見た者に対して連結体(4)を引くべきことを容易に理解させる。 以上詳述したように請求項1から請求項6に記載の発明によれば、顎間固定解除装置は既製品として施術者に提供されるため、施術者の手数が軽減され、施術者の経験と技量に関わらずに使用できる。 顎間固定解除装置の装着、調整を短時間で行うことができ、患者の負担を軽減することができる。 手指操作により顎間固定解除装置を分解できるため、顎間固定の解除についてなんら知識を有しない者であっても、特別の道具を使用しないで顎間固定の解除ができる。 また、本発明に係る顎間固定解除装置を装着した状態では従来のワイヤーを利用するため、一般的な顎間固定解除方法のみを知る者が従来のワイヤーの切断で顎間固定解除を行うことも可能となる。 このため、一般的な顎間固定解除方法のみを習熟した者であれば、本願発明の解除方法がわからなくても、従来どおりの方法で、顎間固定を解除することができる利点も有する。 また、請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の構成において、上顎接続体の上側支持部(22)と下顎接続体(3)の下側支持部(32)を連結体に埋設するものである。 即ち、前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を、連結体(4)に結合するに際して、上顎接続体(2)及び下顎接続体(3)は、前記上側支持部(22)及び下側支持部(32)を製造過程で溶融状態となる連結体(4)に埋設させた状態とし、その後の冷却により連結体(4)と結合状態が完成するが、上顎接続体(2)の上側支持部(22)及び下顎接続体(3)の下側支持部(32)は、完全に一体化されないこととなる。 そして、エラストマーを用いた連結体(4)に、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)とが夫々埋設され、上顎接続体(2)と連結体(4)との合わせ面が密着した状態となり、また、下顎接続体(3)と連結体(4)との合わせ面が密着した状態となり、一定の強さの密着力が発揮され、顎間固定及びその解除を良好とすることができる。 請求項3に係る発明は、上側支持部(22)と前記下側支持部(32)とを当接した構成としたことで、顎間固定解除装置を装着し、ワイヤーを締め込んだ状態とすると、連結体は撓んで変形した状態が継続するところ、当接した上顎接続体と下顎接続体とが相互に干渉して連結体の大きな変形を緩和することができる。 また、上顎接続体と下顎接続体を連結体から取外す際には、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)とが当接しながら、上顎接続体(2)が上方へ、下顎接続体(3)が下方へ移動するから、分離に要する外力が、エラストマーの変形によって消費されるロスが少なくなり、上顎接続体(2)と下顎接続体(3)を分離する操作を容易とする。 請求項4に係る発明は、連結体は口内面に連結体取着部を備え、上顎接続体(2)は上側支持部(22)に上顎接続体取着部(26)を備え、上側掛止部(21)は長手方向に挿通穴(25)を備え、上側掛止部(21)の底面(210)は連結体の中央上面に対する当接面とし、上側支持部(22)の内面(220)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面とし、下顎接続体(3)は下側支持部(32)に下顎接続体取着部(36)を備え、下側掛止部(31)は長手方向に挿通穴(35)を備え、下側掛止部(31)の上面(310)は連結体の中央下面に対する当接面とし、下側支持部(32)の内面(320)は連結体(4)の口内面(42)に対する当接面としたことによって、上顎接続体取着部(26)及び下顎接続体取着部(36)に対して連結体の連結体取着部を溶融形成して取着した状態で、前記挿通穴(25)(35)を有する上顎掛止部(21)及び下顎掛止部(22)は連結体中央の上下に突出して配置される。 この構成によって上顎掛止部の挿通穴(25)、下顎掛止部の挿通穴(35)、連結体(4)が、略同一平面状に位置することとなるため、顎間固定解除装置を装着し、ワイヤーを締め込んだ状態では、顎間固定解除装置がワイヤーによる引張力によって歪みにくくすることができる。 そして、上顎接続体(2)、下顎接続体(3)及び、エラストマーである連結体(4)の分離を容易とすることができる。 請求項5に係る発明によれば、連結体(4)に舌片状の把持部(41)が形成される。 把持部(41)を把持して引くことにより、上顎接続体(2)、下顎接続体(3)及び連結体(4)に、顎間固定力に加えて一定以上の強さの外力が加えられると分離する。 また請求項6の発明によれば、連結体(4)の外面に連結体(4)の解除方法等の文字、図形、記号等が表示された表示部(44)が形成されることにより、表示部(44)を見た者に対して連結体(4)を引くべきことを容易に理解させる。 本発明を具体化した実施形態(実施例1乃至実施例3)について、以下に説明する。 (実施例1) 顎間固定解除装置1は、使い捨ての顎間固定解除装置1であり、図1に示すように、上顎接続体2と下顎接続体3と連結体4とを有している。 前記連結体4に対して上顎接続体2と下顎接続体3とが、それぞれ上側係止部21と下側掛止部31とを突出させて固定されている。 上側係止部21と下側掛止部31とは連結体4の口内面42に突出している。 口内面42は、顎間固定解除装置1を患者の顎間に装着した場合に口内方向に向く面である。 また、口内面42の裏面であって口外方向に向く面が口外面43である。 顎間固定解除装置1は患者の上下顎間に対して3個前後が装着される。 よって顎間固定解除装置1の大きさは3個前後が装着される大きさである。 本実施例1では、長さ210mm、高さ10.9mmである。 前記実施例1に係る上顎接続体2はポリエチレンで形成される。 該上顎接続体2を構成するポリエチレンは、硬度の高い(D硬度 53度程度の)医療グレードの樹脂であり、無毒性と耐水性を有する。 図3の上図に示すように、上顎接続体2は上側係止部21と上側支持部22を有している。 上側係止部21は上顎の固定源9と間接的または直接的に接続される部分であり、本実施例1では、上顎の固定源9と間接的に接続される。 固定源9とは上顎の歯又は骨、下顎の歯又は骨である。 上側係止部21には挿通孔25が形成されている。 挿通孔25は結紮線8を挿通するための孔である。 上側係止部21は結紮線8を介して間接的に上顎の固定源9と接続される。 上顎接続体2の寸法は、長さ10.0mm、高さ2.3mm、幅2.2mmであり、挿通孔25の直径は0.7mmである。 前記上側支持部22は連結体4と接触する部分である。 上側支持部22が連結体4と接触することにより、上顎接続体2が連結体4に固定される。 上側支持部22は上側係止部21に突設されている。 上側支持部22の固定端部分は上側係止部21に接する部分である。 上側支持部22の固定端部分は、自由端部分より細くくびれた形状である(図4、図5参照)。 上側支持部22の固定端部分が凹部24としてのくびれた部分であり、上側支持部22の自由端部分が凸部23としての太く形成された部分である。 上側支持部22の寸法は、自由端部分の凸部23は長さ6.0mm、高さ25mm、幅0.5mmである。 固定端部分の凹部24は、長さ5.0mm、高さ1.0mm、幅0.8mmである。 前記下顎接続体3は上顎接続体2と同様にポリエチレンで形成される。 図3の下図に示すように、下顎接続体3は下側掛止部31と下側支持部32を有している。 下側掛止部31と下側支持部32の構成は、図3における上顎接続体2の図示上下方向を逆転させた点以外は共通するため、詳細な説明は省略する。 前記実施例1に係る連結体4は、スチレン系エラストマーで形成される。 該連結体4を構成するスチレン系エラストマーは、硬度の低い(A硬度65度程度の)医療グレードの樹脂であり、無毒性と耐水性を有する。 図4と図5に示すように、連結体4は前記上顎接続体2の上側支持部22と下顎接続体3の下側支持部32とを抱持している。 連結体4の内部において、連結体4のスチレン系エラストマーは上側支持部22及び下側支持部32の凸部23、33を被覆しており、また連結体4のスチレン系エラストマーは上側支持部22及び下側支持部32の凹部24、34に充填されている。 これにより、上顎接続体2と下顎接続体3とがそれぞれ連結体4に固定される。 また連結体4は、上顎接続体2と下顎接続体3とに架設される。 従って、連結体4によって上顎接続体2と下顎接続体3とが連結される。 また、図2に示すように、連結体4の両端は自由端である。 連結体4の両端には把持部41が形成される。 把持部41は手指操作により連結体4を引いて上顎接続体2と下顎接続体3とから剥離させる部分である。 把持部41は手指で把持できる程度の大きさを有する。 また、連結体4の口外面43には顎間固定の解除方法等の文字、図形、記号等が表示された表示部44として、把持部41に「引」との表示と、その方向を示す「矢印」が表示される。 本実施例1では、表示を天地反転したものをさらに設け、顎間固定解除装置の上下の向きにかかわらず、常に「引」及び「矢印」の表示が理解できるものとしている。 連結体4の寸法は、長さ210mm、把持部41での高さ10.9mm、中央部での高さ6.6mm、幅1.7mmである。 次に本実施例1における顎間固定解除装置1の製造方法について説明する。 この製造方法は第1工程と第2工程からなる。 まず第1工程では、前記説明した上顎接続部2と下顎接続部3とをポリエチレン樹脂を用いて射出成形手段により形成する。 次に第2工程により、上顎接続部2と下顎接続部3とがそれぞれ連結体4に固定される。 図6に示すように、まず第一型5に上顎接続部2と下顎接続部3とを保持させる。 第一型5には上側係止部21の形状に対応する上側係止部用保持部51と、下側掛止部31の形状に対応する下側掛止部用保持部52とが形成されている。 上側係止部用保持部51に上側係止部21を保持させ、下側掛止部用保持部52に下側掛止部31を保持させる。 上側支持部22と下側支持部32とは第一型5から露出させた状態とされる。 上顎接続部2と下顎接続部3は、顎間固定解除装置1と同様の間隔で並列させて保持される。 次に図7に示すように、前記上顎接続部2と下顎接続部3とを保持させた第一型5と第二型6を閉型させる。 第二型6には本実施形態における連結体4の形状に対応する連結体形成キャビティ61が形成されている。 連結体形成キャビティ61内には上顎接続部2と下顎接続部3の一部である、上側支持部22と下側支持部32とが露出されている。 第一型5と第二型6を閉型させた状態において、スチレン系エラストマーを連結体形成キャビティ61に注型する。 溶融状態にあるスチレン系エラストマーは連結体形成キャビティ61内に露出した上顎接続部2と下顎接続部3の表面に接触する。 また、スチレン系エラストマーは上側支持部22及び下側支持部32の凸部23、33を被覆し、上側支持部22及び下側支持部32の凹部24、34に充填される。 溶融状態にあるスチレン系エラストマーが冷却されると連結体4が形成され、上顎接続部2と下顎接続部3とはそれぞれ連結体4に固定される。 また連結体4は、上顎接続部2と下顎接続部3とに架設される。 従って、連結体4により上顎接続部2と下顎接続部3とが連結される。 図8に示すように第一型5と第二型6とを開型させて顎間固定解除装置1が得られる。 以上のように、上記実施例1係る顎間固定解除装置においては、ポリエチレンで形成された上顎接続体2と下顎接続体3の一部である上側支持部22と下側支持部32とに溶融状態のスチレン系エラストマーが接触され、連結体4が形成されることにより、上顎接続体2と連結体4及び下顎接続体3と連結体4とが固定された状態となる。 しかし、図4及び図8に示すように、ポリエチレンとスチレン系エラストマーとは互いに溶着しない。 従って、上顎接続体2と下顎接続体3と連結体4とは完全に一体化はされない。 上側支持部22と連結体4との合わせ面および下側支持部32と連結体4との合わせ面において相互に密着された状態であり、一定の強さの密着力が発揮される。 さらに、連結体4のスチレン系エラストマーは、上側支持部22及び下側支持部32の凸部23を被覆し、上側支持部22及び下側支持部32の凹部24に充填されている。 従って前記凸部23や凹部24において、上顎接続体2と下顎接続体3と連結体4とは鉤状に係止されている。 上顎接続体2と下顎接続体3とにそれぞれ連結体4から分離させる外力が作用すると、鉤状に係合している部分が外力に対抗して係止力を発揮し分離しない。 一定以上の外力が作用すると鉤状に係止されている部分が外力に屈して変形して伸びてしまい、係止力が発揮されない状態となる。 よって上顎接続体2、下顎接続体3及び連結体4は前記密着力と係止力が発揮されることにより、上顎接続体2、下顎接続体3を上下方向に引く均等な張力に対しては、本実施例1の顎間固定解除装置1では約100Nの張力を支えることができる。 次に本実施例1の顎間固定解除装置1を患者の上下顎間に装着する手順について説明する。 本実施例1の顎間固定解除装置1は、結紮線8を介して上下の顎間に介在させて装着される。 すなわち上下の固定源9には間接的に接続される。 よって、患者の上顎、下顎の固定源9には、顎内固定手段7が装着される。 歯を固定源9として使用する場合には、顎内固定手段7として「顎内固定シーネ」「矯正用ブラケット」を使用することができる。 前記「顎内固定シーネ」は、上下顎の歯列にフック72付きの顎内固定用金属線71をワイヤーで巻き付ける手段である。 主として顎骨骨折の整復手術の後に採用される。 また、前記「矯正用ブラケット」は、上下顎の歯列に歯列矯正用ブラケットを装着し、フック72付きの顎内固定用金属線71を上下顎それぞれのブラケットに装着する手段である。 主として外科矯正手術の後に採用される。 歯に動揺があるなど、歯が健全でなく固定源9として使用できないなどの場合には、顎骨を固定源9として使用する。 この場合、顎内固定手段7として「骨スクリュー」を使用することができる。 「骨スクリュー」は、上下顎それぞれの骨にスクリューを埋め込む手段である。 図9に示すように、上顎、下顎それぞれに顎内固定手段7を装着する。 顎内固定手段7は歯または骨の頬側(外側)に装着する。 本実施例1では、顎内固定用金属線71を固定源9としての上顎歯列91の頬側と、固定源9としての下顎歯列92の頬側とに装着する。 顎間固定解除装置1を装着する部位にはフック72を設ける。 フック72は結紮線8が係止される部分である。 フック72は顎内固定用金属線71上に設けられる。 顎間固定解除装置1は顎間固定力を発揮させる必要のある部位に装着されるが、一例として本実施例1では、顎間固定解除装置1を歯の唇頬側の前歯部に1箇所と両側臼歯部に1箇所ずつ計3箇所に装着する。 そして2本で一対のフック72を上顎、下顎にそれぞれ設けて一組のフック72とする。 一組のフック72を前歯部に1箇所と、両側臼歯部に1箇所ずつ計3箇所に設ける。 次に、図10に示すように、顎間固定解除装置1に結紮線8を接続する。 結紮線8は顎間固定解除装置1と上顎の顎内固定手段7を接続するとともに、顎間固定解除装置1と下顎の顎内固定手段7を接続するものである。 上顎接続体2は結紮線8を介して上顎の顎内固定手段7と接続され、下顎接続体3は結紮線8を介して下顎の顎内固定手段7と接続される。 上顎に結紮する結紮線8は上顎接続体2の挿通孔25に挿通され、下顎に結紮する結紮線8は下顎接続体3の挿通孔35に挿通される。 結紮線8は挿通孔25、35を挿通させて両端部をねじるなどの手段により結合させ環状にする。 環状にした結紮線8はフック72に係止する。 次に上下顎間に顎間固定力を付与する。 顎間固定力は結紮線8の長さを調整することにより付与される。 図10のように、結紮線8の両端部を結合させたねじり部分を更にねじる。 結紮線8をねじることにより、結紮線8によって形成された環状部分が短くされる。 環状部分を短くすることにより結紮線8に張力を与え、必要とされる顎間固定力を付与する。 顎間固定力の調整を結紮線8のねじりよって行う点は従来の顎間固定手段と同様であり、ねじりを増減させることによって顎間固定力の強弱を調整する。 また顎間固定解除装置1が上下顎の略中間位置に装着されるように結紮線8の長さを調整する(図9参照)。 次に顎間固定を解除する場合の手順について説明する。 解除の手順は極めて簡単である。 図9に示すように、顎間固定解除装置1は上下顎間の略中央部に装着されており、患者が唇を僅かに開いた状態とすれば口外から確認される。 図11に示すように、連結体4に形成された把持部41を手指で把持し口外方向に引く。 すると手指操作によって加えられた力は上顎接続体2と連結体4および下顎接続体3と連結体4の合わせ面を剥離させる力として作用する。 合わせ面が剥離すると、図12に示すように、上顎接続体2、下顎接続体3及び連結体4がそれぞれ分離し、顎間固定が解除される。 手指操作で把持部41を引くことによって合わせ面が剥離されるのは、まず、合わせ面を剥離させる力が把持部41に近い端部に局所的に加わるからである。 端部に局所的に加わった力は合わせ面を部分的に剥離させる。 把持部41を更に引くと、合わせ面は把持部41に近い端部から中央部、更に反対側の端部へと順次剥離していく。 連結体4は軟質樹脂で形成されているため、連結体4が変形して上側支持部22及び下側支持部32が抜脱される。 最終的に全ての合わせ面が剥離すると顎間固定解除装置1が分解され、上顎接続体2と下顎接続体3とが分離されるため顎間固定が解除される。 また、例えば、上顎接続体2と連結体4とが分離し、下顎接続体3と連結体4とが完全には分離しなかった場合のように、全ての合わせ面が剥離しない場合であっても、上顎接続体2と下顎接続体3とが分離した状態となるため、顎間固定は解除される。 (実施例2) 実施例2に係る顎間固定解除装置1は、上顎接続体2と下顎接続体3と連結体4とを有し、前記連結体4に対して上顎接続体2と下顎接続体3とが、それぞれ上側係止部21と下側掛止部31とを突出させ、上側支持部22と下側支持部32を埋設固定した構成については、前記実施例1に係る顎間固定解除装置と共通するものである。 そして、本実施例2に係る顎間固定解除装置1は、上顎接続体2と下顎接続体3の形状を変更し、上顎接続体2と下顎接続体3との距離を変更して該上顎接続体2と下顎接続体3を当接させることにより、分離操作をより容易としたものである。 本実施例2に係る顎間固定解除装置1の大きさは、長さ30.0mm、高さ11.0mmである。 また、上顎接続体2及び下顎接続体3の大きさは、いずれも、長さ35mm、高さ25mm、幅10mmであり、挿通孔の直径寸法は1.0mmである。 連結体4の大きさは、長さ30.0mm、把持部41での高さ11.0mm、中央部での高さ7.6mm、幅1.7mmである。 本実施例2に係る顎間固定解除装置における上顎接続体2は、上側係止部21において挿通穴25を設けてなる筒状部の幅を、上側掛止部21の全幅よりも狭く設定した構成である。 上側支持部22の幅は、上側掛止部21の全幅よりも狭くし、該上側支持部22の側部には、実施例1に開示した側方へ突出する凸部を形成せず、上側支持部22自体の幅は一定としている。 そして、上側支持部22の幅を一定とし、固定端部分の凹部24は、その高さ寸法(即ち、凸部23bの突出量)を前記実施例1に係る凹部24の高さ寸法(凸部23bの突出量)よりも小さく設定している。 また、下顎接続体3は、本実施例2に係る上顎接続体2と同一形状であり、上下方向を逆転させて使用するものである。 従って、下側支持部32の幅を一定とし、固定端部分の凹部34は、その高さ寸法(即ち、凸部33bの突出量)を前記実施例1に係る凹部34の高さ寸法(凸部33bの突出量)よりも小さく設定している。 当該構成とすることにより、把持部41を引いて、上顎接続体2、下顎接続体3及び連結体4をそれぞれ分離する際に、連結体4を剥離させる力を狭幅の筒状部分に集中させることができるから、分離を非常に容易とすることができる。 (実施例3) 本発明の実施例3に係る顎間固定解除装置1は、図19及び図20に示すように、連結体4の構成、上顎接続体2、下顎接続体3の構成及びこれらの相対的な配置等につき、上記実施例1及び実施例2とは相違する構成である。 即ち、実施例1及び実施例2においては、上側掛止部21及び下側掛止部31は連結体4における口内面42側に突出するが、本実施例3は連結体4の胴部46の上面及び下面に突出する。 即ち、本実施例3に係る連結体4は、図21(イ)(ロ)(ハ)に示すように、その胴部46における口内面42に、連結体取着部45を備えた構成である。 また、上顎接続体2は上側支持部22に正面視矩形輪郭を有する穴状の上顎接続体取着部26を備え、上側掛止部21は長手方向に挿通穴25を備えている。 一方、下顎接続体3は下側支持部32に下顎接続体取着部36を備え、下側掛止部31は長手方向に挿通穴35を備えている。 他の実施例1、2と同様に、上顎接続体2と下顎接続体3は、同一形状の部品であり、相互に対向して配置する。 そして、本実施例3に係る顎間固定解除装置1は、図22(ロ)に示すように、上側掛止部21の底面210が連結体4の中央上面に対して当接し、上側支持部22の内面220が連結体4の口内面42に対して当接し、下側掛止部31の上面310が連結体の中央下面に対して当接し、下側支持部32の内面320は連結体4の口内面42に対して当接する。 以上によって上顎接続体取着部26及び下顎接続体取着部36に対して連結体の連結体取着部45を溶融形成して取着した状態で、前記挿通穴25、35を有する上顎掛止部21及び下顎掛止部22は連結体4の胴部46の中央上下に突出して配置される。 この構成によって上顎掛止部の挿通穴25、下顎掛止部の挿通穴35、連結体4が、略同一平面状に位置することとなるため、顎間固定解除装置を装着し、ワイヤーを締め込んだ状態では、顎間固定解除装置がワイヤーによる引張力によって顎間固定解除装置自体の歪みを防止することができる。 そして、顎間固定解除装置1自体の歪みを防止することで、上顎接続体2、下顎接続体3及び、エラストマーである連結体4の分離を容易とすることができる。 尚、図23に示すように、断面図に現れる上顎接続体取着部26及び下顎接続体取着部36、連結体取着部45の傾斜を調節することで、上顎接続体取着部26と連結体取着部45の連結強度、下顎接続体取着部36と連結体取着部45との連結強度を調節することができる。 本実施例3の製造方法の一例としては、実施例1、2と同様に、製造時に上顎接続体2及び下顎接続体3を一次成形品として形成し、二次成形用金型内に該上顎接続体及び下顎接続体をインサートし、二次成形用金型内(一次成形品である上顎接続体取着部26、下顎接続体取着部36に形成される空間を含む。)に二次成形用樹脂であるエラストマーを射出して連結体4を成形し、顎間固定解除装置1を得るものである。 上記実施例1乃至実施例3に係る顎間固定解除装置では、以下の効果を有する。 上顎接続体2と下顎接続体3とが連結体4に固定されており、張力を支えることができるため、顎間固定力を付与することができる。 また、装着の際には顎間固定の解除を考慮する必要がないため、充分な顎間固定力を付与することができる。 顎間固定力の調整は結紮線8の長さを調整することにより行うことができる。 また、顎間固定が解除できるかどうか確認及び調整する必要がない。 よって、患者の口腔外で事前に調整する必要がなく、準備が不要である。 顎間固定解除装置1が装着される際には、上顎接続体2と下顎接続体3とが連結体4に固定されており、顎間固定の解除を優先することなく、上顎接続体2は結紮線8を介して上顎の顎内固定手段7と接続され、下顎接続体3は結紮線8を介して下顎の顎内固定手段7と接続される。 結紮線8の長さを調整することにより必要な顎間固定力が付与される。 顎間固定の解除の際は、顎内固定手段7や結紮線8とは無関係に、連結体4の把持部41を口外方向に引くことで、上顎接続体2、下顎接続体3及び連結体4がそれぞれ分離し、顎間固定が解除される。 装着の際には顎間固定の解除を考慮する必要がなく、また解除は顎間固定力の強弱と無関係に行うことができる。 よって顎間固定解除装置1の装着、調整ともに簡単に行うことができ、施術者の経験と技量に関わらずに行うことができる。 顎間固定力の調整は結紮線8の長さを調整することにより行うことができる。 結紮線8の長さの調整は従来行われている顎間固定手段と同様の手段を適用することができるため、口腔内での調節を容易に行うことができる。 顎間固定解除装置1は、結紮線8を介して上下の顎間に介在させて装着される。 上顎接続体2は結紮線8を介して上顎の顎内固定手段7と接続され、下顎接続体3は結紮線8を介して下顎の顎内固定手段7と接続される。 顎間固定解除装置1を介在させるだけでよく、従来の顎間固定と同様の顎内固定手段7を利用して装着することができる。 結紮線8の途中に介在させるものであり、顎内固定手段7の種類に関わり無く装着することができる。 歯を固定源9とする顎内固定手段7だけでなく、歯を固定源9としない顎内固定手段7であっても装着することができる。 従って歯が健全でなく固定源9として使用できない患者に対しても顎間固定解除装置1を装着することができる。 結紮線8の途中に介在させるものであり、結紮線8は従来の顎間固定と同様のものを使用することができるため、歯や歯肉等の状態に個人差があっても装着できる。 適用範囲が広く、個人差がある場合でも装着および顎間固定の解除をすることができる。 顎間固定解除装置1の装着は、上顎接続体2を、結紮線8を介して上顎の顎内固定手段7と接続し、下顎接続体3を結紮線8を介して下顎の顎内固定手段7と接続すればよい。 また、顎間固定力の調整は結紮線8の長さを調整することにより行い、結紮線8の長さの調整は従来行われている顎間固定手段と同様の手段を適用することができる。 よって、口腔内での装着及び調節を容易に短時間で行うことができ、患者の負担を軽減することができる。 顎間固定解除装置1は、顎内固定手段7が装着された歯または骨の頬側に装着する。 また、結紮線8を介して上下の顎間に介在させて装着される。 従って、歯の唇頬側に接触するように装着されるため、口腔内の組織に接触しにくい。 また、顎間固定解除装置1は小さく、薄い形状であり、連結体4は軟質の樹脂で形成されているため、口腔内の組織を傷つけにくく、また違和感が少ない。 よって、患者の負担を軽減することができる。 顎間固定解除装置1が装着された状態において、連結体4を口外方向に引くと、手指操作によって加えられた力は上顎接続体2と連結体4および下顎接続体3と連結体4の合わせ面を剥離させる力として作用する。 合わせ面が剥離すると上顎接続体2、下顎接続体3及び連結体4がそれぞれ分離し、顎間固定が解除される。 よって、特別の道具を使用せず、極めて短時間内に顎間固定を解除することができる。 顎間固定解除装置1が装着された状態において、連結体4を口外方向に引くことにより、特別の道具を使用せずに顎間固定を解除することができる。 よって、顎間固定の解除についてなんら知識を有しない者であっても、気道が閉塞した患者に遭遇した場合に、連結体4を口外方向に引くことにより顎間固定の解除ができるため、顎間固定の解除ができる可能性を高めることができる。 また、必要であれば患者自身によっても顎間固定の解除ができる。 顎間固定解除装置1は、上顎接続体2と下顎接続体3と連結体4とが固定された状態に製造されるため、顎間固定解除装置1を一定の品質管理のもとで製造し施術者に提供することができる。 施術者が顎間固定の解除に関する調整を行う必要がない。 よって施術者の装着の技量に関わらず、一定の力で確実に顎間固定の解除ができるように顎間固定を行うことができる。 顎間固定解除装置1は、顎内固定手段7が装着された歯または骨の頬側に装着する。 また、結紮線8を介して上下の顎間に介在させて装着される。 そして顎間固定解除装置1は唇に隠れる。 患者が唇を僅かに開いた状態とすれば口外から顎間固定解除装置1が確実に目視される。 よって、連結体4を引けば顎間固定が解除されるという理解が容易となり、解除できる可能性が高まる。 連結体4の口外面43には、顎間固定の解除方法等の文字、図形、記号等が表示された表示部44として、把持部41を「引く」「引」(例えば図20参照。)「PULL」(例えば図24参照。)等の表示や、その方向を示す「矢印」等の表示を付すことができる。 これによって、顎間固定の解除についてなんら知識を有しない者であっても、これらの表示を見ることによって、顎間固定の解除の方法について理解が容易となり、顎間固定の解除を行える可能性が高まる。 顎間固定を解除する場合に、ワイヤー切断用ハサミ等の特別の道具を使用せずに行うことができる。 よって患者を傷付ける危険な道具を口腔内に入れる必要がないため、安全に顎間固定を解除することができる。 一方で、従来の顎間固定の解除方法を知っているが本発明の解除方法について知らないという者が、解除を行う際には、ワイヤー切断用ハサミを用いた解除方法も可能であるから、このような者の場合には手馴れたワイヤー切断用ハサミを用いる通常の解除方法で解除することができる。 上顎接続体2に上側支持部22を設け、下顎接続体3に下側支持部32を設けたことにより、上顎接続体2及び下顎接続体3の表面積を増加させることができる。 よって、上顎接続体2と連結体4、下顎接続体3と連結体4の合わせ面の面積を増加させることができ、密着力を確保することができる。 上側支持部22に凸部23と凹部24とを設け、下側支持部32に凸部23と凹部24とを設けたことにより、上顎接続体2及び下顎接続体3の表面積を増加させることができる。 よって、上顎接続体2と連結体4、下顎接続体3と連結体4の合わせ面の面積を増加させることができ、密着力を確保して顎間固定力を発揮させることができる。 また、前記凸部23や凹部24において、上顎接続体2と下顎接続体3と連結体4とは鉤状に係止される。 上顎接続体2と下顎接続体3とにそれぞれ連結体4から分離させる外力が作用すると、鉤状に係合している部分によって外力に対抗する係止力が発揮され、顎間固定力を発揮させることができる。 連結体4の両端には把持部41が形成され、いずれの把持部41を操作して連結体4を引いても顎間固定の解除装置が分解し、顎間固定を解除することができる。 よって、一方の把持部41が破損して連結体4を引くことができない場合となっても、他方の把持部41を操作できるため、顎間固定の解除を確実に行うことができる。 顎間固定を解除する場合に、結紮線8を切断する必要がないため、顎間固定が解除された場合に、結紮線8の切りくず等が患者の体内に入り難く、患者の健康を害する可能性が低い。 なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように変形させてもよい。 連結体4は上顎接続体2と下顎接続体3との両方に接触して形成されていればよく、上側支持部22と下側支持部32とを有しなくてもよい。 連結体4は上顎接続体2と下顎接続体3とが取着されていればよい。 従って、スチレン系エラストマーを、上顎接続体2と下顎接続体3とに形成された窪みに充填させて連結体4を形成してもよい(図23参照)。 凹部24と凸部23はくびれた部分以外に凸条、凹条、窪み、突起などの形状としてもよい。 これらの形状を形成することにより、合わせ面の表面積を増加させることができ、密着力を確保して顎間固定力を発揮させることができる。 上顎接続体2に形成される上側支持部22は、上側係止部21に突設されていなくてもよく、上側係止部21の一部を窪ませた形状であってもよい(図23参照)。 また、下顎接続体3に形成される下側支持部32も同様である。 これにより、顎間固定解除装置1を薄く形成することができる。 上顎接続体2、下顎接続体3および連結体4は、抗菌性の樹脂で形成することができる。 この場合、装着された顎間固定解除装置1の衛生を保つことができる。 上顎接続体2、下顎接続体3および連結体4は、種々の色の樹脂で形成することができる。 例えば、顎間固定解除装置1を透明若しくは白色等とすることで、前歯等に装着する際には必要以上に目立たず患者の精神的苦痛を軽減することができる。 また、奥歯側に装着する顎間固定解除装置1については、目立つ色を採用することで、視認性を高め、安全性を確保することができる。 1 顎間固定解除装置2 上顎接続体21 上側掛止部210 底面22 上側支持部220 内面23 凸部23a 凸部(側方) |