Selection of orthodontic brackets

申请号 JP2003571998 申请日 2002-12-19 公开(公告)号 JP2005518263A 公开(公告)日 2005-06-23
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 ディー. クレアリー,ジェイムス; エー. ジョーダン,ラッセル; ライ,ミン−ライ;
摘要 予め定めた既存の歯列矯正ブラケットからの歯列矯正ブラケットの選択は、使用者が、患者の歯を見て、たとえばユーザインタフェースを用いて、三次元モデルデータから三次元歯/歯列弓モデルを定めることよって、行われる。 同様に、処方を選択する。 そのような情報があれば、定められた歯/歯列弓モデルの歯を、処方された 位置 に位置決めすることができる。 いったん、処方、またはそれに関して、もしあれば患者の歯/歯列弓モデルへの修正が行われると、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを選択することができ、たとえば、そのような選択は、そのような予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定めるパラメータを含むデータベースをサーチするのに用いられる選択基準に基くことができる。
权利要求
  • 歯/歯列弓モデルデータを用意することと、
    前記歯/歯列弓モデルデータを患者情報の関数として用いて、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終位置を表す処方データを用意することと、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを規定する1以上のパラメータを表すブラケットデータを用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、少なくとも前記処方データに基いた前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することとを含む、
    歯列矯正器具選択方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することは、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記処方データによって表された前記所望の最終位置の少なくとも近くに移動させるが必ずしも該所望の最終位置に厳密には移動させないような、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含み、
    前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記方法が、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットとともに、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの再位置決めされた1以上の歯を表示することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、再位置決めされた前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  • 前記方法が、前記比較に基いて、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を修正することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  • 前記方法が、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを規定する1以上のパラメータを表すアーチワイヤデータを用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤの少なくとも1つを選択することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記処方データによって表された前記所望の最終位置の少なくとも近くに移動させるが必ずしも該所望の最終位置に厳密には移動させないような、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含み、
    前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータと、前記選択された少なくとも1つの予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを表すアーチワイヤデータとに、少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  • 前記方法が、前記選択された少なくとも1つの予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤと相互作用する前記選択された1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットとともに、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの再位置決めされた1以上の歯を表示することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、再位置決めされた前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  • 前記方法が、前記比較に基いて、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を少なくとも修正することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、1以上の歯列矯正ブラケットの複数の修正された選択を表す前記ブラケットデータに基いて再位置決めされた、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を繰返し用意することと、
    各比較の後に、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を少なくとも修正することとをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  • 前記モデルデータを患者情報の関数として用いて前記三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることが、ユーザ入力インタフェースを使用者に提供して、患者に関連する1以上の特徴の入力を可能にすることを含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記1以上の特徴が、性別、年齢、人種、歯サイズ、歯列弓サイズ、印象情報および歯列弓形状の少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
  • 前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯が、歯の個別の分離された三次元モデルを含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記方法が、
    患者の前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、前記患者の実際の歯を表す1以上の患者画像を用意することと、
    前記比較に基いて、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを修正することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記1以上の患者画像が、前記患者の歯の1以上の部分の二次元画像および三次元画像の少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
  • 前記方法が、
    患者の前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写または前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写の修正をもたらすように、患者情報または処方データを変更することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  • 前記方法が、前記処方データによって表された所望の最終位置にある、患者の前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することをさらに含み、該描写を用意することが、
    前記三次元歯/歯列弓モデルの少なくとも1つのアーチワイヤであって、前記患者の歯列弓形態に対応するアーチワイヤの表面上に、グローバル座標系を用意することと、
    前記三次元歯/歯列弓モデルの各歯の面軸点でローカル座標系を定めることと、
    各歯に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、少なくとも部分的に前記処方データに基いた、前記三次元歯/歯列弓モデルの位置に配置することと、
    各歯を、前記配置された対応するローカル座標系に取付けることとを含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含み、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を少なくともブラケットデータに基いた位置に再位置決めすることが、各歯ごとに前記グローバル座標系に対する前記ローカル座標系の配置を変更することと、各歯を前記ローカル座標系の新たな配置に取付けることとを含む、請求項19に記載の方法。
  • 前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含み、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を少なくともブラケットデータに基いた位置に再位置決めすることが、
    前記三次元歯/歯列弓モデルの少なくとも1つのアーチワイヤであって、前記患者の歯列弓形態に対応するアーチワイヤの表面上に、グローバル座標系を用意することと、
    前記三次元歯/歯列弓モデルの各歯の面軸点にローカル座標系を定めることと、
    各歯に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、少なくとも、前記選択された1以上の予め定めた歯列矯正ブラケットを表す前記ブラケットデータによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することと、
    各歯を、前記配置された対応するローカル座標系に取付けることとを含む、請求項19に記載の方法。
  • 各歯の前記ローカル座標系は、xが前記アーチワイヤの方向であり、yが咬合方向であり、zが舌側方向である前記グローバル座標系(xyz)に、最初は一致し、各歯に対応する前記ローカル座標系を、少なくとも前記処方データによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することが、
    各歯の前記ローカル座標系を、歯タイプに基き前記アーチワイヤに沿って、前記グローバル座標系に対し平行移動させて、x 111を含む第1のローカル座標系を用意することと、
    各歯の前記第1のローカル座標系を、z 1が前記アーチワイヤの内面に直交するように回転させて、第2のローカル座標系x 222を用意することと、
    前記第2のローカル座標系を、前記舌側方向に、z 2に沿って前記処方データのイン/アウトに対応する距離だけ平行移動させて、第3のローカル座標系x 333を用意することと、
    前記第3のローカル座標系を、z 3に関して、前記処方データのアンギュレーションに対応する角度だけ回転させて、第4のローカル座標系x 444を用意することと、
    前記第4のローカル座標系を、x 4に関して、前記処方データのトルクに対応する角度だけ回転させて、第5のローカル座標系x 555を用意することとを含む、請求項19に記載の方法。
  • 前記方法が、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを規定する1以上のパラメータを表すアーチワイヤデータを用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存のアーチワイヤの少なくとも1つを選択することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータと、前記選択された少なくとも1つの予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを表すアーチワイヤデータとに、少なくとも基いた位置に再位置決めすることとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  • 前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含み、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を少なくともブラケットデータに基いた位置に再位置決めすることが、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットとともに、前記選択された処方によって定められた位置にある前記選択された三次元歯/歯列弓モデルの少なくとも歯の描写を用意することを含む、請求項21に記載の方法。
  • 前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの描写を用意することが、
    前記三次元歯/歯列弓モデルのアーチワイヤの表面上にグローバル座標系を用意することと、
    各々の選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットのアーチワイヤスロット中心に対してベースの底面上に原点が配置されたローカル座標系を定めることと、
    前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの各々に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、前記ブラケットデータによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することと、
    各ブラケットを、前記配置された対応するローカル座標系に取付けることとを含む、請求項24に記載の方法。
  • 少なくとも前記処方データに基いて前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、ユーザ入力インタフェースを使用者に与えて、該使用者が1以上の処方ブラケット選択基準を提供または修正できるようにすることを含み、前記1以上の処方ブラケット選択基準が、トルク、アンギュレーションおよびイン/アウト値の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  • 少なくとも前記処方データに基いて前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、少なくとも前記処方データに基いて、およびアーチワイヤと選択されたブラケットのスロットとの相互作用によるトルクまたはアンギュレーションの少なくとも1つの調整に基いて、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、1以上の処方ブラケット選択基準を用いて、前記データベースから前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含み、前記1以上の処方ブラケット選択基準が、トルク、アンギュレーションおよびイン/アウト値の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  • 歯列矯正に用いる方法であって、
    少なくとも1以上の歯を表すモデルデータを用意することと、
    少なくともアーチワイヤを表すアーチワイヤデータを用意することと、
    1以上の歯位置を定める位置データを用意することと、
    前記1以上の歯の描写を用意することとを含み、前記描写を用意することが、
    前記アーチワイヤの表面上にグローバル座標系を用意することと、
    前記1以上の歯の各々の面軸点にローカル座標系を定めることと、
    各歯に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、前記位置データによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することと、
    各歯を、前記移動された対応するローカル座標系に取付けることとを含む、方法。
  • 各歯に対応する前記ローカル座標系を前記位置データによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することが、
    各歯の前記ローカル座標系を、前記アーチワイヤに沿って、xが前記アーチワイヤの方向であり、yが咬合方向であり、zが舌側方向である前記グローバル座標系(xyz)に対し、歯タイプに基き平行移動させて、x 111を含む第1のローカル座標系を用意することと、
    各歯の前記第1のローカル座標系を、z 1が前記アーチワイヤの内面に直交するように回転させて、第2のローカル座標系x 222を用意することと、
    前記第2のローカル座標系を、前記舌側方向に、z 2に沿って前記位置データのイン/アウトに対応する距離だけ平行移動させて、第3のローカル座標系x 333を用意することと、
    前記第3のローカル座標系を、z 3に関して、前記位置データのアンギュレーションに対応する角度だけ回転させて、第4のローカル座標系x 444を用意することと、
    前記第4のローカル座標系を、x 4に関して、前記位置データのトルクに対応する角度だけ回転させて、第5のローカル座標系x 555を用意することとを含む、請求項29に記載の方法。
  • 前記位置データが、1以上の所望の歯位置を定める処方データを含む、請求項29に記載の方法。
  • 前記位置データが、1以上の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータを含む、請求項29に記載の方法。
  • 前記1以上の歯の描写が、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルである、請求項29に記載の方法。
  • 前記方法が、前記1以上の歯の描写とともに、歯列矯正ブラケットの描写を用意することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  • 前記1以上の歯の描写とともに前記歯列矯正ブラケットの描写を用意することが、
    前記三次元歯/歯列弓モデルのアーチワイヤの表面上に、xが前記アーチワイヤの方向であり、yが咬合方向であり、zが舌側方向であるグローバル座標系(xyz)を用意することと、
    各歯列矯正ブラケットのアーチワイヤスロット中心に対し任意の点でベースの底面上に原点が配置されたローカル座標系を定めることと、
    前記歯列矯正ブラケットの各々に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、1以上の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することと、
    各ブラケットを、前記移動された対応するローカル座標系に取付けることとを含む、請求項34に記載の方法。
  • 前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの各々に対応する前記ローカル座標系を前記ブラケットデータによって少なくとも部分的に定められた位置に配置することが、
    前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの各々のローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、前記アーチワイヤに沿って、歯タイプに基き平行移動させて、x 111を含む第1のローカル座標系を用意することと、
    各ブラケットの第1のローカル座標系を、z 1が前記アーチワイヤの内面に直交するように回転させて、第2のローカル座標系x 222を用意することと、
    前記第2のローカル座標系を、前記舌側方向に、z 2に沿って前記ブラケットデータのイン/アウトに対応する距離だけ平行移動させて、第3のローカル座標系x 333を用意することと、
    前記第3のローカル座標系を、z 3に関して、前記ブラケットデータのアンギュレーションに対応する角度だけ回転させて、第4のローカル座標系x 444を用意することと、
    前記第4のローカル座標系を、x 4に関して、前記ブラケットデータのトルクに対応する角度だけ回転させて、第5のローカル座標系x 555を用意することとを含む、請求項35に記載の方法。
  • 歯列矯正器具の選択に用いるための実行可能なプログラムを具現化するコンピュータ読取可能媒体であって、
    三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めるのに用いるための歯/歯列弓モデルデータを認識する手段と、
    使用者が患者情報の関数としての三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることができるようにするユーザインタフェース手段と、
    使用者が前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終歯位置を表す処方データを定めることができるようにするユーザインタフェース手段と、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを規定する1以上のパラメータを表すブラケットデータを認識する手段と、
    前記処方データに基いた前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の前記所望の最終歯位置の描写を表示させる手段と、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を表示させる手段と、
    前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの選択された1以上を表すブラケットデータに基いた位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を表示させる手段とを含む、コンピュータ読取可能媒体。
  • 前記患者情報が、性別、年齢、人種、歯サイズ、歯列弓サイズ、印象情報および歯列弓形状の少なくとも1つを含む、請求項37に記載の媒体。
  • 前記処方データに基いた前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の前記所望の最終歯位置の描写を表示させる手段が、
    前記三次元歯/歯列弓モデルのアーチワイヤの表面上にグローバル座標系を用意する手段と、
    前記三次元歯/歯列弓モデルの各歯の面軸点にローカル座標系を定める手段と、
    各歯に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、前記処方データによって少なくとも部分的に定められた位置に配置する手段と、
    各歯を、前記移動された対応するローカル座標系に取付ける手段とを含む、請求項37に記載の媒体。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を表示させる手段が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記処方データによって表された前記所望の最終位置の少なくとも近くに移動させるが必ずしも前記所望の最終位置に厳密には移動させないような、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択する手段を含む、請求項37に記載の媒体。
  • 前記コンピュータ読取可能媒体が、
    患者に対し前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を表示させる手段と、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、前記患者の実際の歯を表す1以上の患者画像を表示させる手段とをさらに含む、請求項37に記載の媒体。
  • 前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯が、歯の個別の分離された三次元モデルを含む、請求項37に記載の方法。
  • 前記コンピュータ読取可能媒体が、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの描写を表示させる手段をさらに含み、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの描写を表示させる手段が、
    前記三次元歯/歯列弓モデルのアーチワイヤの表面上にグローバル座標系を用意する手段と、
    各選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットのアーチワイヤスロット中心に対し任意の点でベースの底面上に原点が配置されたローカル座標系を定める手段と、
    前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの各々に対応する前記ローカル座標系を、前記グローバル座標系に対して、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表す前記ブラケットデータによって少なくとも部分的に定められた位置に配置する手段と、
    各ブラケットを、前記移動された対応するローカル座標系に取付ける手段とを含む、請求項37に記載の媒体。
  • 三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めるのに用いるための歯/歯列弓モデルデータを用意することと、
    使用者が患者情報の関数としての三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることができるようにするユーザインタフェースを用意することと、
    使用者が前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終歯位置を表す処方データを定めることができるようにするユーザインタフェースを用意することと、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを規定する1以上のパラメータを表すブラケットデータを用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、少なくとも前記処方データに基いた前記所望の最終位置に移動させるのに使用するために、データベースから前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することとを含む、
    歯列矯正器具選択方法。
  • 前記方法が、
    前記処方データに基いた、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の前記所望の最終歯位置の描写を表示することと、
    前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに基いた位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を表示することとをさらに含む、請求項44に記載の方法。
  • 前記方法は、前記使用者が、ブラケットおよび歯のいずれか一方を選択して任意の位置にドラッグすることにより、前記表示された描写の少なくとも1つを修正できるようにすることをさらに含む、請求項45に記載の方法。
  • 前記方法が、歯の間、1以上の歯と1以上のブラケットとの間、および/またはブラケットの間の接触を表す音を提供することをさらに含む、請求項45に記載の方法。
  • 前記方法が、前記選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに基いた位置にある前記1以上の歯の描写とともに、選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの描写を用意することをさらに含む、請求項45に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の前記所望の最終歯位置の描写と、ブラケットデータに基いた位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写とを重ね合せることと、
    前記重ね合された描写に基いて、データベースからの前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を修正することとをさらに含む、請求項45に記載の方法。
  • 患者情報の関数としての前記三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを選択することが、ユーザ入力インタフェースを前記使用者に与えて、前記使用者が患者と関連する1以上の特徴を入力できるようにすることを含む、請求項44に記載の方法。
  • 前記1以上の特徴が、性別、年齢、人種、歯サイズ、歯列弓サイズ、印象情報および歯列弓形状の少なくとも1つを含む、請求項50に記載の方法。
  • 前記方法が、
    患者に対し前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、前記患者の実際の歯を表す1以上の患者画像を用意することと、
    前記比較に基いて、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを修正することとをさらに含む、請求項44に記載の方法。
  • 前記1以上の患者画像が、前記患者の歯の1以上の部分の二次元画像および三次元画像の少なくとも1つを含む、請求項52に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写または前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写の修正をもたらすように、患者情報または処方データを変更することとをさらに含む、請求項44に記載の方法。
  • 少なくとも1以上の歯を表す歯/歯列弓モデルデータを用意することと、
    前記歯/歯列弓モデルデータを患者情報の関数として用いて、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることと、
    前記定められた不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終位置を表す処方データを用意することと、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを規定する1以上のパラメータを表すアーチワイヤデータを用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存のアーチワイヤの少なくとも1つを選択することと、
    複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを規定する1以上のパラメータを表すブラケットデータを提供することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、少なくとも前記処方データに基いた前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することとを含む、歯列矯正器具選択方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記処方データによって表された前記所望の最終位置の少なくとも近くに移動させるが必ずしも該所望の最終位置に厳密には移動させないような、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含み、
    前記方法が、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、前記選択された1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータと、前記選択された少なくとも1つの予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを表すアーチワイヤデータとに、少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記方法が、前記選択された少なくとも1つの予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤと相互作用する前記選択された1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いた前記所望の最終位置への、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの再位置決めされた1以上の歯を表示することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、少なくとも前記ブラケットデータおよび前記アーチワイヤデータに基いて再位置決めされた前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することとをさらに含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記方法が、前記比較に基いて、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を前記所望の最終位置に移動させるのに使用するための、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を少なくとも修正することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
  • 前記モデルデータを患者情報の関数として用いて三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることが、ユーザ入力インタフェースを使用者に与えて、該使用者が患者に関連する1以上の特徴を入力できるようにすることを含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記1以上の特徴が、性別、年齢、人種、歯サイズ、歯列弓サイズ、印象情報および歯列弓形状の少なくとも1つを含む、請求項60に記載の方法。
  • 前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯が、歯の個別の分離された三次元モデルを含む、請求項55に記載の方法。
  • 少なくとも前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルおよび前記定められた処方データに基いて前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、ユーザ入力インタフェースを使用者に与えて、該使用者が1以上の処方ブラケット選択基準を用意または修正できるようにすることを含み、前記1以上の処方ブラケット選択基準が、トルク、アンギュレーションおよびイン/アウト値の少なくとも1つを含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、少なくとも前記処方データに基いて、およびアーチワイヤと選択されたブラケットのスロットとの相互作用によるトルクまたはアンギュレーションの少なくとも1つの調整に基いて、前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することが、1以上の処方ブラケット選択基準を用いて、前記データベースから前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択することを含み、前記1以上の処方ブラケット選択基準が、トルク、アンギュレーションおよびイン/アウト値の少なくとも1つを含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットが、プリコート接着材料で予めコーティングされた複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記方法が、
    患者に対し前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、前記患者の実際の歯を表す1以上の患者画像を用意することと、
    前記比較に基いて、前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを修正することとをさらに含む、請求項55に記載の方法。
  • 前記1以上の患者画像が、前記患者の歯の1以上の部分の二次元画像および三次元画像の少なくとも1つを含む、請求項67に記載の方法。
  • 前記方法が、
    前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと、
    前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を用意することと 前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写または前記処方データによって表された所望の最終位置にある前記定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写の修正をもたらすように、患者情報または処方データを変更することとをさらに含む、請求項55に記載の方法。
  • 说明书全文

    本発明は、歯列矯正に関する。 より特定的には、本発明は、歯列矯正器具、たとえば歯列矯正ブラケットの選択に関する。

    歯列矯正は、歯の不規則な位置を防止または治療する、歯科学の一部門である。 正しい位置にない歯は、食物を適切に噛むことを妨げることがあり、また、虫歯を発生させるか、歯肉疾患に寄与する傾向があるであろう。 さらに、位置異常歯または不正咬合歯が、特に、患者の口腔の前方部分に配置されている場合に、見苦しい外観を示すことがある。

    歯列矯正器は、歯を、歯列弓に沿って歯列矯正学的に正しい位置に移動させるのに使用される装置である。 典型的には、歯列矯正医は、穏かな圧を歯に特定の方向に加える部品を選択することによって、各患者のカスタム歯列矯正器を作る。 ある期間にわたって、歯は、所望の位置の方にゆっくり移動する傾向がある。 長期間後、歯の根の隣の領域での新たな骨組織の成長が、歯を新たな位置に保持する。

    広く使用される1つのタイプの歯列矯正器は、アーチワイヤとともに1組の歯列矯正器具を含む。 これらの器具は、典型的には、いくつかの小さいスロット付ブラケットを含み、各ブラケットは、歯列弓に沿って対応する歯に取付けられる。 アーチワイヤが、各ブラケットのスロットで受けられ、歯を所望の位置の方に案内するトラックを形成する。 通常、1組の器具およびアーチワイヤが、患者の上側歯列弓および下側歯列弓の両方に提供される。 換言すれば、両方の歯列弓の治療が、一般に、同時に行われる。

    歯列矯正器具およびアーチワイヤを選択するための多数の方法がある。 医師によって用いられる特定の選択方法は、一般に、歯列矯正治療の間に用いられることが予期される歯列矯正技術のタイプに関連する。 たとえば、1つの例示的な技術は、「ストレートワイヤ」技術として知られている。 この技術は、いったん歯が所望の最終位置に移動されると、共通面にあるように設計されたスロットを有するブラケットの使用を伴う。 ブラケットのスロットは、歯のさまざまな位置異常によって、治療の開始時に整列していないが、アーチワイヤの固有弾性が、アーチワイヤを移動させ、したがって、関連したブラケットのスロットを共通面で整列させる傾向がある復元力をもたらす。

    上記ストレートワイヤ技術において、選択されたブラケットの各々は、ブラケットの特定の特徴を表す特定の「処方」を有する。 処方は、アーチワイヤスロットのサイズ、および歯の表面上に取付けることが意図されるブラケットのベースに対するスロットの配向などの、ブラケットの多数の異なった態様または特徴を含むことができる。 処方は、ブラケットのベースに対するアーチワイヤスロットの配向を説明し、また、トルク、アンギュレーション(angulation)、および回転の値を含んでもよい。 歯の移動の点で、「トルク」は、歯の長軸の頬唇側−舌側方向の(すなわち、患者の唇または頬および患者の舌に向かう方向およびそれらから離れる方向の)傾斜移動と定義されることが多く、「アンギュレーション」は、歯の長軸の近心方向および遠心方向の(すなわち、患者の歯列弓の中心に向かう方向およびそれから離れる方向の)傾斜移動と定義され、「回転」は、歯の、長軸の周りの回転移動と定義される。

    歯列矯正ブラケットの処方は、所望の歯位置を得るために歯によって変わることが多い。 たとえば、多くの医師は、下側前歯の長軸ができるだけ直立していることを好み、したがって、それらの歯に、トルク値およびアンギュレーション値がゼロ(0)であるブラケットを処方する。 対照的に、上側中央切歯は、通常、傾いた長軸を有する。 その結果、医師は、トルクが、たとえば17度であり、アンギュレーションが、たとえば5度である上側中央ブラケットを処方するであろう。 しかし、所望の処方は、1人の歯列矯正医から次の歯列矯正医で変わることがある。 さらに、いくつかの場合、処方を、医師の通常の実施から、患者の歯の最初の位置、患者の隣接した歯の配置、または特定の患者の対向する歯の配向に対応するように変える。

    歯列矯正医は、しばしば、他の患者で得られた過去の治療結果の直接知識によって、および文献に報告された結果を検討することによって、歯列矯正器の処方を選択している。 しかし、何人かの患者は、独自の問題を提示し、過去において満足のいくように用いられた技術の言及は、今後の特定の患者に適していないかもしれない。

    歯列矯正処方の選択の問題は、歯列矯正治療の性質によって悪化され、というのは、治療の結果が、歯列矯正器を患者の歯に適用した後、しばらくの間、明らかでないことがあるからである。 歯の移動は、患者によって経験される痛みの量を低減し、また、骨が成長し、各歯を新たな位置に所定位置に固定するための十分な時間を与えるために、歯列矯正治療の間、ゆっくり行われる。 その結果、医師は、最初に選択された歯列矯正器の処方が、歯を所望の最終配向に移動させるのに満足のいくものであることを確かめることを好む。

    さらに、歯列矯正器の処方の変更を行った場合、医師が歯の移動の影響を予測することが困難なことがある。 歯の移動の予測の問題は、歯の根が通常見えないことによって悪化される。 さらに、三次元の歯の移動の空間的認識が、特に、そのような歯の移動が、歯列弓に沿った隣接した歯の位置によって影響されることがある場合、困難である。

    一般に、歯列矯正製品の費用効果的製造を行うために、ブラケットのような歯列矯正製品は、平均構造(average anatomy)に合せて設計され、製造される。 換言すれば、歯列矯正ブラケットは、患者の任意の個別の構造に合せて調整されていない。 たとえば、医師が、上側中央歯の次のトルク(0、7、12、14、17、22)を有する予め定めた既存のブラケットを選択することができるであろう。

    平均構造に合せて設計され、製造された、そのような現在の歯列矯正製品により、歯列矯正医が、特定の患者によって必要とされるブラケットおよびアーチワイヤに最も近い設計のブラケットおよびアーチワイヤであると認めるものを選択する必要に、望ましくなく直面することが示唆されている。 さらに、そのような平均構造用歯列矯正製品の使用が、患者の治療の後の修正を必要とすることが示唆されている。

    そのような問題とされているものを克服するために、個別の患者の構造に関してカスタム歯列矯正器具を製造することが示唆されている。 したがって、平均構造に合せて設計され、製造された他の現在の歯列矯正製品と異なり、カスタム歯列矯正製品が、患者の個別の構造に合せて調整された態様で、製造され、使用される。

    そのようなカスタマイズを行う際に、一般に、患者の口の構造的形状のデジタル化情報から典型的に得られる厳密な患者モデルが使用される。 たとえば、歯列矯正ブラケットを、デジタル化歯形状情報から自動的に設計し、次に、数値制御製造技術を用いて提供してもよい。 たとえば、デジタル化情報は、直接とられるかモデルからとられた、患者の口の測定値から生成してもよく、患者の個別の歯および/または患者の歯列弓の形状と関連する情報を含んでもよい。

    しかし、歯の厳密なレプリカの生成は、複雑で、費用がかかる。 同様に、患者の歯の厳密なレプリカから、ブラケットなどのカスタマイズされた歯列矯正製品を設計し、生成することも、複雑で費用のかかるプロセスである。 したがって、カスタマイズされた歯列矯正器具の製造とともに、患者の歯をデジタル化してその厳密なモデルを提供することは、必ずしも、効果的な歯列矯正治療を行うための好ましい解決策ではない。

    本発明は、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットからの歯列矯正ブラケットの選択を容易にすることに関する。 一般に、使用者が、患者の歯を見て、たとえばユーザインタフェースを用いて、三次元歯/歯列弓モデルデータを用いて、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることができる。 同様に、患者の歯の所望の最終位置を表す処方を選択する。 そのような情報があれば、不正咬合歯/歯列弓モデルの歯を所望の最終位置に位置決めすることができる。 いったん、処方、またはそれに関して、もしあれば患者の不正咬合歯/歯列弓モデルへの修正が行われると、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを選択することができ、たとえば、そのような選択は、そのような予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定めるパラメータを含むデータベースをサーチするのに用いられる選択基準に基くことができる。

    一般に、今日利用可能である予め定めた既存の歯列矯正ブラケットで、医師は、アナログ態様ではなく、デジタル態様、すなわち、離散的態様で、決定を行う。 たとえば、歯列矯正医が、上側中央歯の次のトルク(0、7、12、14、17、22)を選択することができる。 患者の歯のデジタル化などによる、歯の厳密なレプリカまたはモデルの使用は、患者の歯を非常に表す厳密な測定値をもたらすが、しかし、そのような測定値は、歯列矯正医にとってそれほど価値がないかもしれない。 たとえば、デジタル化によって提供された歯の厳密なレプリカまたはモデルが、たとえばコンピュータ分析によって、5.32度のトルクが最適であることをもたらした場合、上で記載されたような予め定めた既存の歯列矯正ブラケットのみが利用可能であれば、歯列矯正医は、0または7を選ぶことしかできなかった。 換言すれば、デジタル化によって提供された歯の厳密なレプリカまたはモデルは、非常に正確な情報をもたらしたが、そのような情報は、依然として、離散的デジタル値、0または7の選択をもたらした。 上記例において、当然、歯列矯正医は、7のトルクを選択するであろう。 一般に、歯の厳密なレプリカまたはモデルのそのような複雑な最適値計算および提供は、非常に複雑で費用のかかるプロセスである。

    本発明は、そのような複雑さおよびコストを大きい程度だけ低減し、一方、適切なブラケットを選択する機能的プロセスに関する最適化を小さいファクタだけしか低減しない。 換言すれば、患者情報に基いた歯/歯列弓モデルデータを用いる三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの規定で、患者の歯の厳密なレプリカ、たとえば、デジタル化によって提供された厳密なレプリカを生成し、使用するのとは対照的に、1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを選択するための有益な方法が提供される。

    本発明による歯列矯正器具選択方法は、歯/歯列弓モデルデータ(たとえば、歯の個別の分離された三次元モデル)を提供することと、歯/歯列弓モデルデータを患者情報(たとえば、データの入力のためのユーザインタフェースを用いて提供された患者情報)の関数として用いて、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることとを含む。 さらに、この方法は、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終位置を表す処方データおよび複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータを提供することを含む。 定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、少なくとも処方データに基いた所望の最終位置に移動させるのに使用するために、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択する。

    この方法の一実施形態において、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、処方データによって表された所望の最終位置の少なくとも近くに移動させるが、必ずしも所望の最終位置に厳密に移動させない、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択する。 次に、この方法は、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いた位置に再位置決めすることをさらに含む。

    この方法の別の実施形態において、処方データによって表された所望の最終位置にある定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を、選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータに少なくとも基いて再位置決めされた、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写とともに、提供する。 これらの描写は、たとえば、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上の選択を修正するのに用いるために、比較することができる。

    この方法の別の実施形態において、複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを定める1以上のパラメータを表すアーチワイヤデータを提供する。 定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を所望の最終位置に移動させるのに使用するために、複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤの少なくとも1つを選択する。 次に、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の再位置決めは、選択された1以上の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータおよび選択された少なくとも1つの予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを表すアーチワイヤデータに少なくとも基いてもよい。

    さらに別の実施形態において、この方法は、患者の定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を提供することと、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写との比較に用いるための、患者の実際の歯を表す1以上の患者画像(たとえば、二次元画像および三次元画像)を提供することと含む。 定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを、比較に基いて修正してもよい。

    さらに、この方法の別の実施形態は、患者の定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を提供することと、処方データによって表された所望の最終位置にある定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を提供することとを含む。 そのような描写を用いて、たとえば、患者情報または処方データを変更し、描写の修正をもたらすことができる。

    本発明による歯列矯正に用いる方法は、少なくとも1以上の歯を表すモデルデータを提供することと、少なくともアーチワイヤを表すアーチワイヤデータを提供することと、1以上の歯位置を定める位置データを提供することとを含む。 アーチワイヤの表面上にグローバル座標系を提供し、1以上の歯の各々の面軸点でローカル座標系を定めることによって、1以上の歯の描写を提供する。 各歯に対応するローカル座標系を、グローバル座標系に対して、位置データによって少なくとも部分的に定められた位置に配置する。 その後、
    各歯を、対応する移動されたローカル座標系に取付ける。

    この方法のさまざまな実施形態において、位置データは、1以上の所望の歯位置を定める処方データおよび/または1以上の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータを含んでもよい。 さらに、1以上の歯の描写を伴う歯列矯正ブラケットの描写を、ローカル座標系を用いる歯の配置と同様に提供してもよい。

    本発明による歯列矯正器具選択方法は、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めるのに用いるための歯/歯列弓モデルデータを提供することと、使用者が、患者情報の関数としての三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めるのを可能にするユーザインタフェースを提供することとを含む。 使用者が、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終的な歯位置を表す処方データを定めるのを可能にするために、ユーザインタフェースも提供する。 さらに、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータを提供し、また、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、少なくとも処方データに基いた所望の最終位置に移動させるのに使用するために、データベースから複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択する。

    本発明による歯列矯正器具選択の別の方法は、少なくとも1以上の歯を表す歯/歯列弓モデルデータを提供することと、歯/歯列弓モデルデータを患者情報の関数として用いて、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルを定めることとを含む。 定められた不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終位置を表す処方データおよび複数の予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤを定める1以上のパラメータを表すアーチワイヤデータも提供する。 定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を所望の最終位置に移動させるのに使用するために、複数の予め定めた既存のアーチワイヤの少なくとも1つを選択する。 さらに、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータを提供し、また、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯を、少なくとも処方データに基いた所望の最終位置に移動させるのに使用するために、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上を選択する。

    さらに、本発明は、上記機能的エレメントの1以上を実施するための実行可能なプログラムを具体化するコンピュータ読取可能媒体を含む。

    本発明のさらなる詳細は、特許請求の範囲の特徴に定められている。

    本発明によるブラケット選択方法10を、図1に示されたフロー図を参照して、示し、広く説明する。 ブラケット選択方法10は、一般に、患者の不正咬合歯/歯列弓モデル規定ブロック12と、処方選択ブロック14とを含む。 患者の不正咬合歯/歯列弓モデル規定ブロック12は、一般に、患者情報、たとえば、歯のサイズ、性別、年齢、印象情報などの、患者の歯/歯列弓情報の関数としての、三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの、使用者による規定を表す。

    一般に、不正咬合歯/歯列弓モデルは、歯列矯正治療を用いる移動を必要とすることがあるが、必ずしも必要としない1以上の歯を含むいかなるモデルも指す。

    三次元歯/歯列弓モデルの規定は、好ましくは、複数の三次元モデルから生じる。 たとえば、利用可能な三次元モデルは、コンピュータデータベースのモデルデータとして提供される。

    モデルデータは、単独でまたは歯列弓情報と組合せて、1以上の歯を表してもよい。 たとえば、歯列弓情報は、アーチワイヤの選択を容易にする歯列弓の形態または形状の情報を含んでもよい。 歯列弓形態に従う、対応する選択されたアーチワイヤの中心面(図7を参照のこと)、すなわち、咬合面に平行な中心面の言及としての歯列弓形態は、ここでさらに説明されるようなその後の歯およびブラケットの位置決めのための参照データを提供する。

    好ましくは、三次元モデルデータは、分離した個別の歯を表す。 そのような分離した個別の歯は、ここで説明されるモデルに配置するときに、さらに分離することなく、個別に操作することができる。 これは、たとえば、咬合印象および後のデジタル化を用いてモデルデータを提供する、歯の実際の複製の使用と異なる。 そのような場合、ともにデジタル化された複数の歯を、依然として、分離して、個体性、および歯全体、たとえば根の完成または提供をもたらさなければならない。 たとえば、そのようなデジタル化は、印象によって物理的に表されない根構造に備えていない。

    そのようなモデルデータは、たとえば、実際の患者の歯を画像化および/または記録し、その平均的な共通描写を提供することによって作られた歯モデルおよび/または歯列弓モデルのさまざまな構成を表してもよい。 たとえば、三次元モデルは、性別、年齢、人種、歯のサイズ、歯列弓のサイズ、歯列弓の形状などの、さまざまな患者基準によって定めてもよいし、それらに対応してもよい。 したがって、医師に提供されたユーザインタフェースにより、さまざまな患者情報の入力が可能になるであろう。 次に、そのような患者情報を用いて、モデルを定めるデータベースをサーチし、コンピュータデータベースのモデルデータによって提供された複数の利用可能な三次元モデルからの、最も適合する三次元モデルデータの選択をもたらすことができる。

    患者の不正咬合歯/歯列弓モデルは、歯列弓形態、個別の歯、歯列弓形態および歯のグルーピング、複数の歯のグルーピングの選択によって、または1以上の歯および/または歯列弓形態を表す任意の他のモデルデータの選択によって、使用者によって定めてもよい。 好ましくは、使用者による患者情報の入力に基いて、歯列弓形態および個別の歯が、患者の不正咬合歯/歯列弓モデルの規定のために選択される。

    処方選択ブロック14は、一般に、使用者が、患者について定められた不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の所望の最終位置を表す複数の利用可能な処方から、処方データを選択することを表す。 複数の利用可能な処方は、コンピュータデータベースの処方データによって提供してもよい。 各患者/歯の処方は、個別にまたはグループとして選択することができる。

    1以上の患者の歯の所望の最終位置を表す、選択された処方データは、1以上の予め定めたブラケット処方システムの選択に限定されない。 換言すれば、1以上の患者の歯の所望の最終位置を表す処方データは、本発明によって選択されるべき予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上のパラメータを表す処方情報と同じではない。 簡単にするために、かつ、1以上の患者の歯の所望の最終位置を表す選択された処方データと、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの1以上のパラメータを表す処方情報との間の混乱をなくすために、予め定めた歯列矯正ブラケットの1以上のパラメータを表す処方情報を、ここでおよび特許請求の範囲でブラケットデータと呼ぶ。

    定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデル(ブロック12)および選択された処方(ブロック14)が提供されると、使用者によって定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの歯を、所望の処方された位置に提供することによって(ブロック17)、患者の歯の所望の咬合を有する歯/歯列弓モデルを得ることができる(ブロック16)。 次に、使用者は、これらの最終位置が歯に実際に望ましいかどうか、または修正を行う必要があるかどうかを決定することができる(ブロック18)。

    たとえば、そのような所望の最終位置にある患者の歯の描写が、使用者に示されると、使用者は、ブロック18によって表されたように、処方情報または患者情報を任意に修正してもよく、ループは、ブロック12および14に戻る。 ブラケット選択方法10の完了に必要ではないが、そのような処方情報または患者情報の修正(ブロック18)は、選択された処方によって処方されるように位置決めされた患者の不正咬合歯/歯列弓モデルの歯のより良好な描写を提供してもよく、したがって、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットからの、ブラケットのより良好な選択(ブロック20)、たとえば、不正咬合歯を処方された位置により近くに移動させるブラケット選択に備えてもよい。

    ブラケット選択方法10のブロック20は、一般に、コンピュータデータベースの1以上のパラメータによって定められた複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットからの、標準ブラケット、すなわち、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの選択を表す。 患者について定められた歯列弓形態に対応する少なくとも1つのアーチワイヤも、複数の予め定めた既存のアーチワイヤから選択してもよい。 予め定めた既存のブラケットの選択は、多くの場合、モデルの不正咬合歯を、処方データによって定められたような所望の最終位置に移動させるときの、アーチワイヤとブラケットとの相互作用によって影響される。 したがって、この相互作用を、予め定めた既存のブラケットの選択の際に、以下でさらに説明されるように考慮しなければならない。

    そのような予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの選択(ブロック20)は、いかなる数の態様で行ってもよい。 たとえば、そのような選択は、使用者が、たとえば、選択された処方に基いて、ユーザインタフェースを介してブラケット選択基準を入力することによって行ってもよい。 そのようなブラケット選択基準は、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すブラケットデータを提供するデータベースのサーチに用いられ、それにより、選択されたブラケット、すなわち、最も適合するブラケット、または不正咬合歯を処方された所望の位置に最良に移動させるブラケットが、サーチから得られる。 ブラケット選択基準は、一般に、少なくとも、使用者によって選択されるか使用者によって他の方法で定められた処方データ(ブロック14)および定められた不正咬合歯/歯列弓モデル(ブロック12)を表す。

    さらに、たとえば、そのような予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの選択は、システムが、使用者によって選択されたアンギュレーション、イン/アウト、または他の処方データを用いてデータベースをサーチすることによって行ってもよい(ブロック14)。 さらに、そのような選択は、トルク損失などの、1以上の他のパラメータを考慮に入れて行ってもよい(図11Bを参照のこと)。

    さらに、ここで説明される1以上の異なった選択プロセスの組合せの複数の繰返しを用いて、不正咬合歯を、処方された所望の位置に最良に移動させるブラケットを選択してもよい。 たとえば、選択の第1のサイクルを、不正咬合モデルの歯の所望の位置を定める選択された処方データ(たとえば、選択された処方データは、ブラケット選択基準である)のみに基いて、システムによって行い、第2のサイクルを、使用者によって入力された付加的なブラケット選択基準を用いて行い、選択プロセスをさらに修正してもよい。 ブラケットを選択するのに用いられるプロセスの組合せは、多数であり、当業者は、あらゆる可能な組合せが、ここに具体的に記載されていないが、そのような組合せが、明らかに本発明の範囲内であることを認識するであろう。

    ブラケットを選択すると、選択された歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータ(すなわち、ブラケット処方情報)に基いて、不正咬合モデルの歯を再位置決めする(ブロック22)。 換言すれば、選択された予め定めた既存のブラケットのパラメータを表すブラケットデータを用いて、患者の不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の位置を修正する。

    ブロック20の選択プロセスは、所望の最終的な歯位置のための選択された処方との厳密な適合をもたらさないことがある。 換言すれば、患者の不正咬合歯/歯列弓モデルの歯は、ブロック14の選択された処方によって表されるような所望の最終位置の近くに移動されるだけであるが、必ずしも所望の最終位置に厳密に移動されない可能性が最も高い。

    再位置決めされた歯(ブロック22)は、使用者に表示してもよい。 ブラケットデータに基いて再位置決めされた不正咬合歯は、単独で表示してもよいし、他の定められたモデル(たとえば、患者の不正咬合歯/歯列弓モデル、選択された処方データに基いて所望の最終位置に移動された不正咬合歯、他の画像データなど)とともに表示してもよい。 これは、選択された歯列矯正ブラケットの結果を見て、ブラケット選択を修正するか(ブロック24)、より効果的な歯列矯正ブラケット選択を行うために再規定を必要とする任意の他のパラメータを修正することができる機会を、使用者に提供する。 次に、新たなまたは修正された選択のブラケットデータを用いて、再び、歯を再位置決めしてもよい。 この修正および再位置決めプロセスは、ブロック24とブロック22との間のループによって表されるように、歯の適切な最終位置が得られるまで繰返すことができる。 この修正プロセスでは、ブロック14の選択された処方データの所望の位置が得られないことがあることが認識されるであろう。

    いったん、不正咬合歯/歯列弓モデルの歯の適切な最終位置が得られると、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの最終選択に基いたブラケットを伴うまたは伴わない最終的な歯モデルの表示が提供される(ブロック26)。

    ブロック12に関して、複数の三次元歯/歯列弓モデルを表すモデルデータは、一方、両方、または部分的な歯列弓とともに、完全な1組の歯または1以上の個別の歯を表すモデルデータを含んでもよい。 使用者が、データのライブラリから患者の歯/歯列弓モデルデータを選択してもよい。 たとえば、使用者がさまざまな患者情報を入力すると、1以上の三次元歯/歯列弓モデルが表示されて、使用者、たとえば医師が、検討し、適宜、修正してもよい。

    同様に、使用者によって入力されたデータにより、プログラムが、サムネイル画像の選択された適合するもの、たとえば、使用者によって供給された患者情報に適合する歯を表示してもよい。 その後、使用者は、選択、たとえば、特定の歯をクリックし、三次元モデルを作り、必要であれば、モデルを微調整してもよい。

    換言すれば、複数の三次元歯/歯列弓モデルを表すモデルデータは、個別の歯を表しても複数の歯を表してもよい。 しかし、そのような場合すべてにおいて、本発明によれば、少なくともブラケットの選択に関して、モデルデータは、患者の実際の歯の実際のモデルではないが、患者の歯を表す。

    好ましくは、モデルデータは、患者の不正咬合歯/歯列弓モデルを定めるために使用者によって選択されてもよい個別の歯および/または歯列弓形態を表す。 そのようなモデルデータは、実際の三次元モデルを用いて、コンピュータ歯ライブラリ、たとえば、さまざまな歯位置の歯を含む歯ライブラリを生成することによって、提供してもよい。 しかし、本発明は、モデルデータを提供するいかなる特定の態様にも限定されない。

    さらに、歯を表すモデルデータは、寸法が、必要に応じて、患者の歯に対応する相対寸法に拡大縮小されたモデル歯のデータを用いることによって、提供してもよい。 たとえば、歯モデルを表すデータを、歯のライブラリから得てもよい。 次に、歯モデルが、患者の対応する歯のサイズおよび/または形状において同様になるまで、1以上の基準軸に沿って、歯モデルのサイズを増大または減少させるように、必要に応じて、データを変更してもよい。

    拡大縮小操作、すなわち、1以上の軸に沿ってモデル歯のサイズを増大または減少させるためのデータの操作は、使用者によって、患者の実際の歯の測定からの数値データの入力、または患者の実際の歯のサイズの相対ランキングによって行ってもよい。 選択方法が、以下で説明されるような、患者の実際の歯のデジタル化画像を含む任意のことを含む場合、拡大縮小は、使用者によって、モデル歯の画像と患者の実際の歯の外観との視覚的比較によって行ってもよい。 拡大縮小プロセスは、必要に応じて、歯列弓の各歯ごとに行ってもよい。 たとえば、拡大縮小操作は、拡大縮小されている歯の境界または表面を選択し、ドラッグすることによって行ってもよい。

    本発明によって使用される、使用者によって選択された歯の推定モデルは、患者の実際の歯に十分に近く、それにより、患者の歯の厳密なレプリカがブラケット選択方法10に不要である。 先に示されたように、そのようなコンピュータ生成モデル歯を使用すると、患者の実際の歯のデジタル化描写を用いるのとは対照的に、患者の実際の歯の厳密なモデルまたはレプリカを提供しようとする試みの複雑さおよびコストを低減する。 さらに、ここで先に説明されたように、歯の個別の性質は、容易に操作できる分離された歯を提供する、はるかに複雑でないプロセスをもたらし、これは、歯の実際の描写を捕捉し、次に、さらに、捕捉された歯を分離して個別の分離された歯にするために複雑なアルゴリズムを行う必要があるのとは対照的である。

    本発明によるブラケット選択方法10を用いて、特定のブラケットデータによって定められた、予め定めた既存のブラケットを選択する。 ブラケットデータ、すなわち、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットのパラメータを表し、ここで説明される選択プロセスに用いられる歯列矯正ブラケット処方情報は、ブラケットによって与えられたトルク、アンギュレーション、および回転を表す値を含んでもよい。 ブラケットデータは、また、たとえば、アーチワイヤスロットの舌側と、患者の歯の表面に接触するか密接に隣接することが意図されるブラケットベースの外方に面する側との間の最短距離を表してもよい「イン/アウト」値を含んでもよい。 ブラケットデータは、また、アーチワイヤスロットの唇側−舌側深さ、アーチワイヤスロットの咬合側−歯肉側幅、およびアーチワイヤスロットの近心−遠心長さなどの他の態様を含んでもよい。 ブラケットデータは、また、任意に、ブラケットの材料および/またはアーチワイヤスロットを定める構造(アーチワイヤスロットライナなど)の材料、ならびに器具のタイプもしくは分類(たとえば、「ベッグ」(Begg)ブラケット、ツインブラケット、または回転ウィングを備えたブラケット)を含んでもよい。 ブラケットデータは、また、さまざまな寸法およびアンギュレーションの線公差および/または公差を含んでもよい。

    また、ブラケット選択方法10を用いて、特定のアーチワイヤデータによって定められた、予め定めた既存のアーチワイヤを選択してもよい。 予め定めた既存の歯列矯正アーチワイヤのパラメータを表し、選択プロセスに用いられるアーチワイヤデータは、断面形状(たとえば、円形、矩形、または正方形)および通常緩められた構成のときの全体的な形状(たとえば、緩められたときに平面にあるかどうか、または緩められたときにシュペー(Spee)のリバースカーブを有するように構成されているかどうか)などの、アーチワイヤの形状を表す値を含んでもよい。 さらに、アーチワイヤのアーチワイヤデータは、緩められたときの全体的な寸法、および断面寸法(たとえば、円形断面構成を有するアーチワイヤの直径、ならびに矩形断面構成を有するアーチワイヤの幅および深さ)を含んでもよい。 さらに、アーチワイヤデータは、また、その組成、剛性、および/または使用中のアーチワイヤの摩擦特徴を表す値を含んでもよい。

    本明細書で用いられるように、「ブラケット」という語は、いかなる歯列矯正ブラケットを含んでもよく、頬側チューブなどの歯列矯正チューブも含んでもよい。 頬側チューブブラケットは、典型的には、患者の臼歯に取付けられ、アーチワイヤの端部を受ける。 任意に、頬側チューブは、コンバーチブルである。 コンバーチブルチューブにおいて、管状通路は、頬側に沿ってなど、1つの側に沿って開いたスロットを作ることが望まれるときに、医師によって「開けられて」もよい。 いくつかの場合、頬側チューブを、頬側チューブを取付けるための安定したベースを提供するように臼歯の周りに配置された金属歯列矯正バンドに溶接する。 歯列矯正バンドは、たとえば、「歯列矯正器具の選択」(Selection of Orthodontic Appliances)という名称の、2000年7月18日に発行された米国特許第6,089,868号明細書に記載されているように、選択し、適用してもよい。

    ブラケットおよびアーチワイヤのシステムの一例が、図2に示されている。 図2において、患者の歯列弓60が、第1の歯列矯正器62とともに示されている。 第1の歯列矯正器62は、1組のブラケット64を含み、各ブラケット64は、歯列弓60のそれぞれの歯66に結合されている。 頬側チューブブラケット68が、歯列弓60の臼歯69に取付けられている。 ブラケット64、68は、アーチワイヤ70を受けるスロットまたは溝を有する。 上側歯列弓のみが図2に示されているが、この点に関して、歯列矯正器62と同様の歯列矯正器を患者の下側歯列弓にも取付けてもよいことが理解されるべきである。

    アーチワイヤ70は、ワイヤタイまたは図2に示された小さいエラストマーOリングなどの結紮構造によって、ブラケット64、68に固定される。 代わりに、ブラケット64、68は、アーチワイヤ70を所定位置に保持するために、スライドクリップ、シャッタ、または他のタイプのラッチを含む「自己結紮」ブラケットとして知られているタイプであってもよい。 アーチワイヤ70は、ブラケット64、68および関連した歯の、医師によって選択されるような処方された位置の方への移動を案内するトラックを形成する。

    図3に示されているように、ブラケット選択方法10またはその少なくとも一部を行うための選択プログラム11が、歯列矯正器具選択システム40の計算ユニット42のメモリ48内に存在する。 計算ユニット42は、プロセッサ46をさらに含む。 さらに、本発明のさまざまなエレメント、たとえば、1以上の処方、複数の三次元歯/歯列弓モデルを表すデータ、複数の予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを定める1以上のパラメータを表すデータなども、プログラム11によって用いられるために、メモリ48内に存在してもよい。 代わりに、そのようなデータを、プログラム11によって用いられるため、またはメモリ48内に記憶するために、使用者またはいくつかの他の周辺装置によって、計算ユニット42に、入力として提供してもよい。

    本発明は、任意のビットプロセッサベースのシステム、たとえば、パーソナルコンピュータを使用して動作可能であるように適合されてもよいこと、さらに、本発明は、決して、いかなる特定の処理システムにも限定されないことが、当業者には容易に明らかであろう。 システムのメモリの量は、プログラム11のオペレーション、ならびに、プログラム11によって用いられるための、モデル歯データおよび処方データなどのデータの記憶を可能にするのに十分でなければならない。 そのようなメモリを周辺メモリ装置によって提供してもよいことが、容易に明らかである。 システム40は、たとえば、次のそれぞれの装置、すなわち、ディスプレイ54、キーボード50、およびマウス52などの、システム40のオペレーションに望まれるような、いかなる数の他の周辺装置を含んでもよい。 しかし、当業者は、このシステムが、決して、そのような装置の使用に限定されないこと、また、そのような装置が、必ずしも、システム40のオペレーションに必要ではないことを認識するであろう。

    たとえば、計算システム40は、真TXグラフィックスカードを備えたネット・パワー・セメトラ−II(Net Power Semetra−II)であってもよい。 しかし、いかなる適切な計算システムも使用してもよい。 当業者には容易に明らかなように、ここで説明されるような機能を達成するために、さまざまなプログラムおよび言語を用いてもよい。 たとえば、そのような機能性は、C++言語、オープン(Open)GLなどを用いて提供してもよい。 さらに、画像の表示、画像の操作などのさまざまな機能を提供するために、利用可能なソフトウェアパッケージを使用してもよい。 たとえば、シリコン・グラフィックス(Silicon Graphics)から入手可能なオープン・インベンター(Open Inventor)を使用して、画像を表示してもよく、デジタル・ダイアグノスティック・プロトコル(Digital Diagnostic Protocol)を使用して、情報を伝達してもよい。

    本発明によるブラケット選択方法10のより詳細な例示的な実施形態を、図4−12を参照して説明されるような、歯の移動およびブラケット選択方法100ならびにそれらの実施形態によって示す。

    ブラケット選択方法100は、使用者が、患者の三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの規定に用いるための患者情報を入力することを表すブロック112を含む。 好ましくは、本発明は、使用者に、特定のタイプの患者情報を提供するように指示するユーザインタフェースを含む(ブロック140)。

    たとえば、患者情報は、患者の歯または歯列弓の際立った特徴に関連するか、それにつながるいかなる情報を含んでもよい。 たとえば、そのような患者情報は、患者の性別、年齢、人種、または推定される歯/歯列弓モデルを定めるのに有用な患者のグループを示すいかなる他のタイプの情報を含んでもよい。 一般に、患者を表すグループタイプ情報を提供することによって、特定のサイズおよび歯形状を選択することができる。 さらに、たとえば、患者情報は、1−5の尺度からなどの歯サイズ、1−5の尺度からなどの歯列弓サイズ、および歯列弓形状(たとえば、オーソフォーム(Orthoform)1、2、および3)を含んでもよい。 この患者情報は、また、ここで説明されるブラケット選択システムの使用者によって、患者から直接とられた咬合印象情報であってもよい。

    そのような患者情報を入力すると、コンピュータプログラム、たとえば、コンピュータプログラム11は、歯/歯列弓モデルデータベースから歯モデルおよび歯列弓モデルをサーチする(ブロック142)。 先に説明されたような歯/歯列弓モデルデータベースは、個別のもしくは組合された1以上の歯、全体的もしくは部分的歯列弓モデル、組合せの歯および歯列弓モデル、または、歯情報および/または歯列弓情報を含むいかなる他の三次元モデルを表すモデルデータを含んでもよい。 別個の歯モデルおよび歯列弓モデルを、歯/歯列弓モデルデータベースにライブラリファイルとして記憶してもよい。 さらに、好ましくは、そのような患者情報の入力後、さまざまな歯モデルおよび歯列弓モデルが、使用者が見るために提供され、使用者は、1以上の歯モデルおよび歯列弓モデルを選択して、患者の歯/歯列弓構成を推定することができる。 以下でさらに説明されるように、必要であれば、そのような選択を修正してもよい。

    先に説明されたように、拡大縮小を用いて、不正咬合歯/歯列弓モデルの歯を定めてもよい。 さらに、拡大縮小によって歯列弓形態を定めてもよい。 このオプションにおいて、一般的な歯列弓形態の形状を、使用者によって望まれる形状に達するまで、1以上の基準軸に沿って増大または減少させる。 歯列弓形態の拡大縮小は、いくつかの方法のうちのいずれか1つによって行ってもよい。 たとえば、患者の歯列弓形態のモデルを作り、特定の基準点で測定してもよく、次に、一般的な歯列弓形態を、必要に応じて拡大縮小することができる。 歯列弓形態は、1つの歯列弓形態から拡大縮小してもよいし、歯列弓形態のライブラリを含むデータファイルに保持された、いくつかの一般的な歯列弓形態のうちの1つから拡大縮小してもよい。

    不正咬合歯/歯列弓モデルを定めるブロック112にさらに関して、不正咬合モデルの歯を、定められた位置に配置してもよく、使用者は、ディスプレイ上でそのような歯を見て(ブロック144)、表示された不正咬合歯が使用者の期待を満足させるかどうかを決定してもよい。 使用者が、表示された不正咬合歯に満足した場合、使用者は、前に進み、ブロック114に示されているように、そのような歯の処方データを選択することができる。

    不正咬合歯を、患者の不正咬合歯と最も適合するように、不正咬合歯/歯列弓モデル内の位置に配置してもよい。 たとえば、患者の定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を、各歯を、患者の対応する歯の位置にできるだけ近く適合する位置に移動させることによって提供してもよいし、たとえば、複数の歯から形成されたモデルを選択してもよく、その場合、個別の歯の位置決めがほとんど必要でない。

    使用者が、定められた不正咬合歯/歯列弓モデルの歯に満足しない場合、不正咬合モデルを変更してもよい(ブロック152)。 たとえば、患者情報を変更して、歯を再選択してもよい。 換言すれば、患者に関する情報を変更し、それにより、不正咬合モデル歯または歯列弓形態を変更し、ここで説明された前のプロセスによって、変更形態で使用者に表示してもよい。

    使用者が不正咬合歯/歯列弓モデルの変更を行うのを助けるために、患者の二次元デジタル化画像(ブロック148)または患者の三次元デジタル化画像(ブロック150)を、コンピュータディスプレイ上で不正咬合歯/歯列弓モデルと重ね合せてもよい(ブロック146)。 これにより、使用者は、患者の歯を表す推定された歯が使用者によって望まれるとおりになるように、表示された不正咬合モデル歯を微調整することができる。 明らかに、デジタル化された二次元または三次元画像の使用は、本発明に任意に用いてもよい補足的ツールにすぎない。

    三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの規定の別の実施形態において、患者の歯の完全歯列弓モデル描写を提供するために、患者の実際の歯の情報(たとえば、完全咬合印象情報またはデジタル化描写)を用いてもよい。 しかし、たとえば根を完備した、分離した個別の選択されたモデル歯を、患者の完全歯列弓モデルに配置する。 したがって、本実施形態は、依然として、患者の実際の各歯の厳密なモデルまたはレプリカを提供しようとする試みの複雑さおよびコストを低減しながら、実際の患者情報を用いる。 換言すれば、モデル歯、すなわち、個別の分離された歯の個別の性質を、実際の患者をより綿密に定める情報から作られたモデルと組合せて用いる。 したがって、患者の実際の構成の部分的捕捉が用いられ、一方、(たとえば、印象またはデジタル化によって)捕捉された歯を分離して個別の分離された歯にするために複雑なアルゴリズムを行う必要がなくなる。

    三次元不正咬合歯/歯列弓モデルが定められると(ブロック112)、不正咬合モデルの歯の所望の最終位置を表す処方データを選択するか、他の方法で定めることができる(ブロック114)。 図4に示されているように、処方情報は、複数の方法でコンピュータプログラムに提供することができる。

    ブロック160では、使用者が、ユーザインタフェースを介して、データベースに記憶された1以上の処方から歯位置の標準処方を選択することができる。 たとえば、既知の処方値が、既知の技術に従って、歯位置のために、一般に用いられる。 周知の技術の例としては、ベネット・マクローリン博士およびトレビシ博士(Drs.McLaughlin,Bennett,and Trevisi)によって教示されたもの(「MBT」ブランドブラケット処方)、ロン・ロス博士(Dr.Ron Roth)によって教示されたもの、ならびにローレンス・エフ・アンドルーズ博士(Dr.Lawrence F.Andrews)によって教示されたものが挙げられる。

    さらに、処方情報は、使用者によって、使用者が、各歯ごとに、イン/アウト、アンギュレーション、およびトルクなどのさまざまな処方パラメータを入力するのを可能にする付加的なユーザインタフェースを介して提供されてもよい(ブロック162)。 そのような修正は、使用者、たとえば、歯列矯正医に、標準処方で得ることができない処方に対応するモデル歯の位置を得る能力を提供する。

    図5Aは、エル・エフ・アンドルーズ(L.F.Andrews)、「ストレートワイヤ、概念および器具」(Straight Wire,the Concept and Appliance)、エル・エー・ウェルズ(L.A.Wells)(1989)からの典型的な処方を示す。 イン/アウトは、3.5ミリメートルから各歯の歯冠隆起を引くことから計算された。 処方170は、ライブラリデータベースに記憶され、プログラム11によって提供されたユーザインタフェースを介して使用者によって選択されてもよい、多くの異なったタイプの処方のうちの1つにすぎない。

    処方データが選択される、および/または他の方法で定められると、(ブロック114)、方法100は、進み、選択された処方に対応するか、それによって処方された所望の最終的な歯位置に従って、患者の不正咬合歯を配置し、任意に、そのような配置から得られたモデルを修正する(ブロック116)。 不正咬合歯を所望のまたは処方された咬合に位置決めする歯位置決めプロセス(ブロック170)の1つの例示的な実現が、図6のフロー図に示されている。 しかし、歯を配置するか、歯を所望の位置に移動させるいかなる方法も、本発明によって用いてもよいことが明らかであろう。

    さらに、このプロセスは、処方された歯/歯列弓モデルを求めて歯/歯列弓モデルデータベースをサーチすることを含んでもよく、これは、不正咬合歯の位置を所望の最終位置に修正するのとは対照的である。 そのような不正咬合歯の位置修正は、不正咬合モデルに選択された各歯を、所望の処方された咬合に位置決めすることを含んでもよい。 代わりに、不正咬合モデルの歯についてすでに作成されたローカル座標系を再位置決めし、後、各歯を再び取付けてもよい。

    歯の所望の最終位置を表す選択された処方データに基いて、1以上の不正咬合歯の描写を提供する、1つの例示的な歯位置決めプロセス118が、図6に示されており、一般に、図7A−7Cを参照して説明することができる。 図7Aおよび図7Bは、不正咬合歯/歯列弓モデルの規定の際に患者について定められた歯列弓形態に対応する上側アーチワイヤ250および下側アーチワイヤ252を表す。

    歯を、処方された歯位置に移動させる歯配置プロセス118によれば、この方法は、アーチワイヤの内面上でおよびアーチワイヤの中点で(および中心面で)グローバル座標系を位置決めすることによって初期化される。 たとえば、図7Aに示されているように、グローバル座標系260を、その原点261が上側アーチワイヤ250の内面および中点上にあるように位置決めする。 同様に、図7Bに示されているように、グローバル座標系262を、その原点263が下側アーチワイヤ252の内面および中点上にあるように初期化する。

    さらに、一般に、歯配置プロセス118は、図7Cに示されているように、歯と関連するローカル座標系272を、アーチワイヤ252のグローバル座標系262に対して、処方された位置に移動させることを含む。 後、好ましくは、次に、歯270をローカル座標系272に取付ける。 同様に、下側歯列弓252の他のモデル歯(もしあれば)をすべて、処方された位置に同じように移動させる。 簡単にするために、下側歯列弓252に関する説明のみをここで示す。 しかし、対称によって、実質的に同じプロセスが上側歯列弓250に適用される。

    図6に示された歯配置プロセス118のより詳細な説明を、図8および図10A−10Fを参照してさらに説明する。 ブロック200に示されているように、グローバル座標系262を、図10Aに示されたアーチワイヤ252の内面267および中点269で原点を有するグローバル座標系262によって示されているように、アーチワイヤ252の内面267および中点269上で初期化する。 一般に、歯列矯正アーチワイヤは、たとえば、長年にわたって開発されている標準化形状に従って販売されることが多い。 アーチワイヤは、典型的には、中点の両側で対称的な滑らかな曲線として見えるが、アーチワイヤの曲率半径は、典型的には、アーチワイヤの長さに沿って変わる。 ここで説明されるようなグローバル座標系262は、一般に、近心−遠心方向における中点でアーチワイヤの内側(舌側)に接し、咬合面に平行かつ垂直である。

    一般に、コンピュータプログラムは、アーチワイヤ252上でグローバル座標系を自動的に作成する。 たとえば、一実施形態において、アーチワイヤの表面を表すか、アーチワイヤ表面を少なくともほぼ表すデータを、それが、モデルデータ、たとえば歯列弓形態に従うアーチワイヤに、まだ存在しない場合に、作成する。 アーチワイヤの表面は、固体モデルのデータ、ワイヤフレームデータ、表面を表すデータ、またはポイントクラウド(point cloud)表面を表すデータによって提供することができる。 好ましくは、アーチワイヤは、患者について定められた歯列弓形態(ブロック112)に従う。 アーチワイヤ252が上で示されたように定められると、グローバル座標系262を、その原点がアーチワイヤの内面267上およびアーチワイヤ252の中点269にあるように位置決めする。

    ブロック200および図10Aに示されているようにグローバル座標系262が提供されると、次に、各モデル歯のローカル座標系272を、以下でさらに説明されるように移動させる。 後で、各歯を、対応するローカル座標系に、その原点が各歯の面軸(facial axis)(FA)点278にあるように取付ける。 ローカル座標系272の取付けの一例が、図8に示されている。 図8は、歯270のFA点278におけるローカル座標系272の取付けを示す。 ローカル座標系272のz軸は、歯冠表面に垂直であり、y軸およびx軸は、歯冠に接している。

    次に、図10Aに示されているようなグローバル座標系262と最初に一致してもよいローカル座標系272を、アーチワイヤの内側中線に沿って歯幅のみ平行移動させる(ブロック204)。 換言すれば、歯番号「n」、すなわち、アーチワイヤの中点の一方の側にある歯に対応する数によって、歯番号「n」のローカル座標系272を、図10Bに示されているように、1から「n」まで、歯幅、

    のみ、アーチワイヤ252の内側中線(すなわち、中心面にある中線)に沿って点271までの距離261を平行移動させる。 n=1の場合、W

    n-1 =0。 「b

    n 」は、1より大きいか1より小さい係数であり、歯幅が測定される歯冠隆起歯列弓より大きい(または舌側歯列弓の場合はより小さい)アーチワイヤの歯列弓半径を説明する。 平行移動後、ローカル座標系は、x

    1 、y

    1 、およびz

    1になり、ここで、y

    1は、図10Bに示された図に垂直である。

    その後、ブロック206につき、および図10Cに示されているように、ローカル座標系x 1 ,y 1 ,z 1を、y軸に対して角度ベータ(β)のみ回転させ、z 1軸がアーチワイヤ252の内面に垂直であることを確実にする。 回転から生じる新たなローカル座標系は、x 2 ,y 2 ,z 2になる。

    さらに、ブロック208によって示され、図10Dを参照して説明されるように、座標系x 2 ,y 2 ,z 2を、z 2軸に沿って、または舌側方向に、イン/アウト値、dに等しい距離だけ平行移動させる。 これは、別のローカル座標系x 3 ,y 3 ,z 3をもたらす。

    そのような平行移動後、ブロック210に表され、図10Eに示されているように、ローカル座標系x 3 ,y 3 ,z 3の回転を行う。 座標系x 3 ,y 3 ,z 3を、z 3軸に対して角度γのみ回転させ、所望のアンギュレーションγ aにする。 下側右および上側左の歯の場合、γ=γ aであり、上側右および下側左の場合、γ=−γ aである。 そのような回転から生じるローカル座標系は、図10Eにx 4 ,y 4 ,z 4として示されている。

    最後に、アンギュレーションを維持しながら、座標系x 4 ,y 4 ,z 4を、x 4軸に対して、傾き(またはトルク)に近似する角度−θのみ回転させ、所望の傾き、α iにする。 下側右および上側左の歯の場合、α=α iであり、上側右および下側左の歯の場合、α=−α iである。 そのような回転から生じる新たな座標系は、図10Fに示されているように、x 5 、y 5 、およびz 5である。

    θは、次の式に示されているようにαおよびγに関連する。

    アンギュレーションγが小さい場合、cosγは、1に近づき、θは、トルクαとほぼ同じであることが認められる。

    その後、モデル歯270を、図10Fに示されているような、新たなローカル座標系x 5 ,y 5 ,z 5に取付ける。 歯が、図10A−Fの他の図にも示されているが、そのような歯は、回転および平行移動を示すために、例示のためにのみ示されている。 しかし、歯の、ローカル座標系への取付けは、選択された処方データにつき、ローカル座標系が、適切な位置になるまで、行われない。 ローカル座標系を移動させた後、歯を取付けることによって、歯を処方された位置に位置決めする複雑さを低減する。

    歯270の、新たなローカル座標系x 5 ,y 5 ,z 5への取付けは、ブロック214に表されている。 最後の歯が処方された位置に配置されるまで、ブロック216によって表されているように、歯をすべて、特定の処方された位置に移動させる。 そこで、移動および配置プロセスが終了する(ブロック218)。

    以下でさらに説明されるような、歯およびブラケットを位置決めするための数式は、次のように説明することができる。 y軸が、FACC(アンドルーズ(Andrews)によって定められたような臨床歯冠の面軸)に接し、かつ平行である歯ローカル座標系に、歯が取付けられるので、変形された歯座標系を配置すると、歯全体を見出すことができる。 たとえば、歯座標系のy 5軸上の単位ベクトルu y5 =[0,1,0]を用いると、グローバル座標系に対する歯の配置は、次のとおりである。

    ここで、D=[0,0,d]イン−アンド−アウト(in−and−out)ベクトル、

    Tは、ベクトル転置行列を表し、R

    y1 (−β)、R

    z3 (−γ)、およびR

    x4 (θ)は、次のように定められた回転変形マトリックスである。


    同様に、x 5およびz 5をグローバル座標系に関連させて、歯ローカル座標系の配置および配向を定めることができる。 次に、歯を歯ローカル座標系に取付けることができる。 歯がすべて所望の位置に配置されるまで、同じ手順を用いることができる。

    図4、および選択された処方データに基いて処方された位置に位置決めされた歯にさらに関して、使用者は、ディスプレイ上でそのような歯を見て、表示された歯が使用者の期待を満足させるかどうかを決定してもよい(ブロック176)。 使用者が、処方された位置の表示された歯に満足した場合、表示されたモデル歯は、不正咬合歯/歯列弓モデルの歯の所望の最終位置を表す。

    しかし、使用者が、処方された位置の歯に満足しない場合、患者情報を変更してもよいし(ブロック174)、処方データを変更してもよい(ブロック172)。 換言すれば、患者に関する情報を変更し、それにより、モデル歯または歯列弓形態を変更してもよい。 ここで説明された前のプロセスによって、モデルを変更形態で使用者に表示してもよい。 同様に、1以上の歯について処方を変更した場合(たとえば、データベースから歯位置の新たな処方を選択するか、イン/アウト、アンギュレーション、およびトルクなどの、さまざまな他のパラメータを入力することによって)、歯を新たな処方された位置に配置し、使用者に表示してもよい。

    使用者が処方データまたは患者情報の変更を行うのを助けるために、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの描写と重ね合された、選択された処方データによって表された所望の最終位置にある定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を、使用者に提供してもよい。 視覚的比較を行って、より効果的な処方を定めるのを助けることができる。 たとえば、2以上の異なった位置の歯の同時表示が、2001年7月30日に出願され、「歯列矯正器の処方を選択する方法および装置」(Method and Apparatus for Selecting a Prescription for an Orthodontic Brace)という名称の米国特許出願第09/918,226号明細書に記載されている。

    不正咬合モデル歯が所望の最終位置にあるという決定で、少なくとも、不正咬合歯/歯列弓モデル、および患者の歯の所望の最終位置に対応する選択された処方データに基いて、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットおよび/またはアーチワイヤをデータベースから選択する(ブロック120)。 好ましくは、データベースから選択されたブラケットは、不正咬合歯を所望の最終位置に最良に移動させるブラケットである(ブロック182)。 ここで先に説明されたように、歯を所望の最終位置の近くに移動させてもよいが、必ずしも所望の最終位置に厳密に移動させなくてもよい。 さらに、アーチワイヤは、治療の終わりに、患者の不正咬合歯を、選択された処方データによって表された所望の最終位置に最良に移動させようと試みるように、使用者によって選択される(ブロック180)。

    たとえば、患者情報の入力によって、使用者によって定められた歯列弓形態(ブロック112)に基いて、予め定めた既存のアーチワイヤのライブラリから、患者のアーチワイヤを選択してもよい。 たとえば、アーチワイヤは、3Mユニテック・コーポレーション(Unitek Corporation)によって販売される「オーソフォーム」(Orthoform)ブランドアーチワイヤであってもよい。 一例として、医師が、予め定めた既存のアーチワイヤのパラメータを表すアーチワイヤデータのライブラリから、アーチワイヤを選択してもよい。 代わりに、または使用者によるアーチワイヤの選択および/または規定と組合せて、システムが、歯列弓形態情報に基いてデータベースサーチを行い、使用すべきアーチワイヤを選択してもよい。

    ブラケットを選択するためのさまざまな方法(ブロック182)が可能である。 ブラケット選択プロセスのいくつかの例示的な実施形態を、図11−12を参照して説明する。

    たとえば、例示的なブラケット選択プロセス301のフロー図が、図11Aに示されている。 そのようなプロセスは、表404によって一般に表された図12に示されたデータベース400などの、予め定めた既存の歯列矯正ブラケットを表すブラケットデータを含むデータベースを用いる。 データベース400は、予め定めた既存のブラケットを定める1以上のパラメータを含む。 たとえば、そのようなパラメータは、トルク、アンギュレーション、イン/アウト、フック、左/右、スロットサイズなどを含む。 さまざまな他のパラメータも、そのようなブラケットの説明の一部であってもよいことが認識されるであろう。

    そのような予め定めた既存のブラケットがデータベースに定められると、ブラケット選択は、患者の歯の所望の位置を定める選択された処方データに対応するブラケット選択基準、たとえば、トルク、アンギュレーション、イン/アウトなどのみに実質的に基いたデータベースサーチを用いて進んでもよい。 しかし、好ましくは、ユーザインタフェースを提供して、使用者が、データベースのサーチを制限するのに用いられる、図11Aに示されているような、さまざまなタイプのブラケット情報を提供することができるようにしてもよい(ブロック300)。 たとえば、使用者は、サーチをある程度に制限するために、ブラケットタイプ、たとえば、金属または非金属、標準サイズまたは小型、特定のスタイルまたはシステムなどを選択することができるであろう。

    さまざまなブラケット選択基準が提供されると、データベース内の予め定めた既存のブラケットのコンピュータサーチが行われ、不正咬合歯を所望の最終位置に移動させることができる最良の歯列矯正ブラケットを見出す(ブロック302)。 たとえば、最良のブラケットは、最終的な選択された処方(ブロック114)に厳密に適合する処方を実際に有してもよい。 しかし、一般に、カスタマイズされたブラケットの使用とは対照的に、本発明は、推定に基き、特定のブラケットのみが選択に利用可能であるので、コンピュータサーチから得られるブラケットは、厳密な適合ではない可能性が最も高い。

    換言すれば、ブラケットのコンピュータサーチは、図4を参照して示され、説明されるように、所望の最終位置のモデル歯の描写をもたらした(ブロック176)選択された処方データ(ブロック114)から直接行ってもよい。 そのような処方は、データベース400のサーチに用いられるべき、図12に示されているようなブラケット選択基準402を提供してもよい。

    選択された処方データのみを用いることに加えて、またはその代わりに、ユーザインタフェースを使用者に提供して、使用者が、経験、最終位置に表されたモデル歯(ブロック176)、不正咬合モデルの歯の開始位置、または、ブラケット選択プロセスに影響を及ぼすかもしれない、使用者に表示されるか他の方法で知られた、任意の他のデータなどの、さまざまな状況に基いて、ブラケット選択基準を修正または入力することができるようにしてもよい。 たとえば、表部分402に示されているように、前方下側歯列弓ブラケットは、モデル歯の所望の最終位置(ブロック176)によって定められたように、−5より大きいトルクを有してもよい。 しかし、使用者が、以前の経験に基いて、そのような値を変更することを望んでもよい。

    さらに、たとえば、所望の歯位置のために選択された処方データを、そのような選択された情報を用いてデータベース400をサーチする前に、確認のために使用者に示してもよい。 これにより、また、使用者は、たとえば経験に基いて、ブラケット選択基準を変更する機会を持つことができる。

    さらに、ユーザインタフェースにより、使用者は、患者の不正咬合歯を、表された所望の最終位置(ブロック176)に移動させ、かつ、最終アーチワイヤとブラケットスロットとの間の隙間に対応するのに必要な歯列矯正補正の方向に基いて、ブラケット選択基準を修正または入力することができる。 換言すれば、ブラケットのスロット内のアーチワイヤの開始位置の影響が、好ましくは考慮される。 そのような隙間は、トルク損失およびアンギュレーションに影響を及ぼす。

    たとえば、そのような隙間は、図5B1−5B3に示されており、好ましくは、ブラケットを選択するときに考慮に入れられる。 たとえば、歯500およびブラケット502が、図5B1の公称位置に示されている。 ブラケット502は、アーチワイヤ504を受けるためのブラケットスロット506とともに、歯500に固定されたベース508を有する。 公称位置において、アーチワイヤとスロットとの間の非常に小さい隙間が存在することに留意されたい。 図5B2は、歯500Aが過剰の負のトルクで始まることを示し、図5B3は、歯が過剰の正のトルクで始まることを示す。 そのようなさまざまな開始位置に同じブラケットを使用すると、異なった開始位置について完全に異なった最終位置をもたらす。 たとえば、図5B2に示されているように、歯位置500Aからの移動は、500Bに進み、一方、歯位置500Cからの移動は、500Dに進む。

    開始位置500Aの場合、ブラケットと仕上げアーチワイヤとの間のトルク損失を説明し、所望の位置により近い終了位置をもたらすために、より正の(舌側根)トルクを有するブラケットが選択される。 同様に、開始位置500Cの場合、より負のトルクを有するブラケットが選択される。 したがって、使用者が、サーチが行われる前に、ブラケット選択基準でそのような特徴が説明されることを望むであろう。 そのようなブラケット選択基準を、使用者が歯の特定の開始位置のより効果的な基準を入力することによって、修正してもよいし、コンピュータプロセスが、不正咬合歯の開始位置を自動的に考慮に入れて、図11Bを参照して以下でさらに説明されるような、より効果的なブラケット選択プロセス317に備えてもよい。

    さらに、図11Aおよび図12を参照して、不正咬合を所望の最終位置に最良に移動させるために選択されたブラケット406を、選択された処方によって要求された値とともに表示して(ブロック304)、使用者にさらなる情報を提供してもよい。 そのような態様において、使用者は、選択された処方データを、選択されたブラケットのブラケットデータ、たとえば、ブラケット処方情報と比較して、ブラケット選択プロセスを完了すべきかどうか(ブロック305)、またはブラケット選択基準の調整(ブロック306)を行うべきかどうかを決定してもよい。 図12に示されているように、簡単にするために、結果として生じるブラケット406のみが示されている。

    ブラケット選択基準402を調整する必要があると決定された場合(ブロック306)、使用者は、インタフェースが提供され、ブラケット選択基準402、たとえば、トルク、アンギュレーションなどを修正する。 その後、ブラケットデータベースの別のコンピュータサーチが行われ、新たなブラケット選択基準402に対応する最も適合するブラケットを見出す(ブロック302)。

    本発明の一実施形態において、マイクロソフト・エクセル(Microsoft Excel)を用いて、予め定めた既存のブラケットのデータベースを提供する。 ブラケット選択基準によって定められたマイクロソフト・エクセルアドバンストフィルタを用いると、効率的なブラケット選択プロセスを行うことができる。 当業者は、いかなるデータベースおよびサーチプロセスも、本発明によって用いてもよいことを認識するであろう。

    図4をさらに参照すると、データベースから選択された予め定めた既存のブラケット(ブロック182)を、特定の位置の歯に配置してもよい(ブロック190)。 そのようなブラケットを表すデータをメモリに記憶し、そのようなブラケットをモデル歯に配置するのに用いる。 1つのそのようなブラケットが、図9に例示的に示されている。

    ブラケットを、当業者に知られているいかなる態様で、歯に移動させ、配置してもよい。 好ましくは、図6のプロセス118に関して説明されたのと実質的に同じ、モデル歯を処方された位置に配置する方法を用いて、ブラケットを歯の処方された位置に配置する。 換言すれば、グローバル座標系を、三次元歯/歯列弓モデルのアーチワイヤの表面上に提供する。 ローカル座標系をブラケットについて定め、ローカル座標系を、グローバル座標系に対して、ブラケット処方によって少なくとも部分的に定められた位置に移動させる。 その後、ブラケットを、対応する移動されたローカル座標系に取付ける。

    グローバル座標系を提供する一実施形態は、図6を参照して説明されたのと同じである。 換言すれば、グローバル座標系を、アーチワイヤの内面および中点上で初期化する。

    図9に示されているように、各ブラケット280のローカル座標系284が、ベース285の底面287に提供され、ローカル座標系284の原点286が、ブラケットベース表面287へのアーチワイヤスロット282の中心の突出にある。 ローカル座標系284のx軸は、アーチワイヤスロット282の方向であり、y軸は、ブラケットベース285に咬合方向に接している。 したがって、z軸は、舌側方向を指している。

    ブラケットを歯に配置すると、またはブラケットをモデル歯に配置する(ブロック190)前でさえ、歯を、選択された歯列矯正ブラケットのブラケットデータと関連する配向に再位置決めすることができる(ブロック192)。 たとえば、歯を、選択された予め定めた既存の歯列矯正ブラケットの、新たなブラケットのイン/アウト、アンギュレーション、およびトルク処方値に移動させてもよい。 移動プロセスの1つの例示的な最終結果が、ブラケットが位置決めされた歯モデルの表示である。

    さらに、上述されたように、歯の最終位置も、特に歯の開始位置を補償するために、ブラケット処方と仕上げアーチワイヤとの相互作用に依存する。 したがって、ブラケットの選択および不正咬合歯の再位置決めは、この相互作用を考慮に入れなければならない。 そのような補償に備える1つの例示的なブラケット選択プロセス317を、図11Bを参照して説明する。

    システムによって行われるブラケット選択プロセス317に示されているように、使用者は、ユーザインタフェースを介して特定のブラケット情報を入力して、後で行うべきサーチを制限する(ブロック320)。 たとえば、情報は、金属、セラミック、自己結紮、混合などのブラケットタイプを含んでもよい。

    次に、システムは、トルク調整プロセス318において、モデルの各歯のブラケットデータの決定を初期化する(ブロック322)。 たとえば、効果的なブラケット選択を行うのに必要なトルク損失調整の量を定める必要がある(ブロック324)。

    トルク損失調整の量は、任意のさまざまな方法で決定することができる。 たとえば、平均ワイヤコーナ半径を用いて、アーチワイヤの対角(diagonal corners)がブラケットスロットの咬合側壁および歯肉側壁に接触する角度を計算することによって、公称スロット、すなわちブラケットスロット、およびアーチワイヤデータに基いて、サブルーチンを用いて、トルク損失調整の量を決定することができる(ブロック326)。

    さらに、たとえば、公称スロットおよびアーチワイヤデータに基いて、ルックアップテーブルを用いることによって、トルク損失調整の量を決定することができる。 換言すれば、標準スロット、アーチワイヤ、およびコーナ半径データを用いて予め計算された値のアレイからの接触角の選択に基いて、ルックアップテーブルを用いて、特定の量のトルク損失調整を選択する。

    さらに、ユーザインタフェースを介して使用者によってまたは使用者のために修正された値のアレイからの接触角の選択に基いて探索することができるトルク損失の量を含むカスタマイズされたトルク損失ルックアップテーブルを用いることによって、トルク損失調整の量を決定することができる。 カスタム補正角度を、特殊なワイヤおよびスロットの組合せに基いて、予め計算し、このテーブルに入力するか、使用者自身の臨床的経験の結果として生じる。

    トルク損失調整の量の決定後(ブロック332)、適切な方向調整を、処方データ、たとえばトルクデータに行うことができるように、損失が発生する方向を決定しなければならない(ブロック332)。 そのような損失の方向は、下記によって決定してもよく、
    θ 不正咬合 −θ 終了 =Δ、ここで、θは、ローカル座標系に与えられた調整トルク角度であり、Δは、不正咬合歯ローカル座標系の調整トルクと、その歯の最終位置ローカル座標系の調整トルクとの差である。

    決定ブロック336につきΔが正である場合、トルク損失を説明する所望のまたは調整されたターゲットブラケットデータ(すなわち、トルクについてのブラケット選択基準)は、選択された処方データのトルクに、決定されたトルク損失調整の量を加えたものに等しい。 同様に、決定ブロック336につきΔが負である場合、トルク損失を説明する所望のまたは調整されたターゲットブラケットデータ(すなわち、トルクについてのブラケット選択基準)は、選択された処方データのトルクから、決定されたトルク損失調整の量を引いたものに等しい。

    トルク調整を考慮に入れて、次に、システムは、選択された処方データによって定められたようなアンギュレーションおよびイン/アウトとともに、ターゲット調整トルクブラケット選択基準に最も近いブラケットデータを備えたブラケットを求めてデータベースをサーチすることができる(ブロック340)。 換言すれば、少なくとも一実施形態において、サーチに用いられるブラケット選択基準は、処方データ(たとえば、ブロック114につき選択された処方データ)からのアンギュレーションおよびイン/アウトとともに、スロット/アーチワイヤ相互作用によるトルク損失のために調整された処方データのトルクである。

    トルク調整プロセス318につきブラケットを選択した後、データベースの予め定めた既存のブラケットから識別されたブラケットは、歯のブラケットの選択されたアレイの他のブラケットとともに、歯への配置の準備ができている(ブロック350)。 このプロセスを、ブラケットが各歯ごとに選択されるまで、各歯ごとに繰返す(ブロック352)。

    いったん、調整トルクに基いてブラケットが選択されると、ここで先に説明されたように、選択されたブラケットのブラケットデータに基いて歯を再位置決めする(ブロック354)。 換言すれば、各歯のローカル座標系(すなわち、選択されたアーチワイヤ上の選択されたブラケットのブラケットデータに基いて、各歯を再位置決めする)を決定する。 次に、歯をローカル座標系に取付けてもよい。

    トルク損失の調整を用いて行われたブラケット選択に基いて、歯を再位置決めすると、次に、アンギュレーション調整プロセス319を好ましくは用いる。 調整プロセス319は、最初に、歯のアンギュレーションγを、選択された処方によって定められるような歯の所望の終了位置と比較することによって、歯ごとに行ってもよい(ブロック356)。

    アンギュレーション差を用いると、歯を、選択された処方によって定められるような所望の終了位置により近くに移動させることができるように、ブラケットサーチ基準を、またアンギュレーション差のために調整する、調整されたターゲットトルクで修正することができる。 次に、ターゲットトルク、および他の先に定められた基準、たとえばイン/アウトを用いる新たなブラケットを求めてデータベースをサーチする(ブロック358)。

    調整されたターゲットトルクおよび調整されたアンギュレーションに適合する(またはそれらからの特定の偏差範囲内である)ブラケットが見出されると、決定ブロック360に従って、選択された新たなブラケットが、歯のブラケットの選択アレイの先に選択されたブラケットに取って代わる(ブロック362)。 しかし、調整されたターゲットトルクに適合する(またはそれらからの特定の偏差範囲内である)ブラケットが見出されなかった場合、決定ブロック360に従って、歯に対するブラケットの位置を、アンギュレーション差を補償するように調整する(ブロック364)。

    アンギュレーション調整プロセス319は、ブロック366によって表されるように各歯ごとに続き、ループは、ブロック356に戻る。 いったん、歯すべてについてアンギュレーション調整が行われると、選択された最終ブラケットに従って、歯の再位置決めとともに、ブラケット配置が行われる(ブロック368)。 たとえば、歯に対するブラケットの配置は、説明されたばかりのアンギュレーション差を考慮に入れて調整されたようなブラケットデータに従って行われる。

    上記トルクプロセスおよびアンギュレーションプロセスが、アーチワイヤとブラケットのスロットとの相互作用、たとえば、少なくとも部分的に、歯の開始位置、スロットのサイズ、アーチワイヤのサイズおよび形状などによるような相互作用に基いて、ブラケットの選択のための調整を行うための例示的な実施形態にすぎず、決して、そのようなプロセスが、そのような調整を行うための唯一の方法ではないことが認識されるであろう。 本発明の新規性の少なくとも一部は、そのようなアーチワイヤとブラケットのスロットとの相互作用を考慮に入れながら、予め定めた既存のブラケットを選択する方法の認識および実現である。 そのようなプロセスは、自動化ブラケット選択プロセスだけで実現してもよいし、ユーザインタフェースを介して提供される情報または調整と組合せて実現してもよい。

    また、歯に適合されるブラケットのばらつきは、間接結合を用いることによって、ブラケット結合の間に対応することができ、ブラケットを最初に患者の歯の物理的モデルに結合し、配置トレイなどを使用して患者に移す。 直接結合または間接結合の間のブラケットのコンピュータ制御配置は、選択された処方を維持することができる。

    図4をさらに参照して、ブラケットデータに基いて歯が再位置決めされると、ブラケット選択調整プロセス122を用いて、さらに効果的な歯列矯正ブラケットの選択に備えようと試みてもよい。 この調整プロセスにおいて、たとえば、不正咬合モデルの歯が、ブラケットデータ、たとえば、ブラケットデータおよびアーチワイヤとの相互作用に基いた位置に配置されると、使用者は、ディスプレイ上のそのような歯を見て、表示された再位置決めされた歯が使用者の期待を満足させるかどうか、たとえば、歯の所望の最終位置に適合するかどうかを決定してもよい。 使用者が、表示された再位置決めされた歯に満足した場合、使用者は、前に進むことができ、最終ブラケット選択での最終的な歯/ブラケットモデル描写を提供することができる(ブロック126)。

    しかし、使用者が、選択されたブラケットに基いた歯/歯列弓モデルの歯位置に満足しない場合、ブラケット選択を変更することができる(ブロック124)。 たとえば、異なったブラケット選択基準を用いて、ブラケット選択を変更してもよい。 換言すれば、ブラケットを選択するプロセスに関する情報を変更し、それにより、ブラケットの新たな選択を提供してもよい。 不正咬合モデルの歯を、ブラケットの新たな選択に基いて表し、ここで説明された前のプロセスによって、変更形態で使用者に表示してもよい。 このプロセスは、使用者が、新たに選択されたブラケットに基いて再位置決めされた、結果として生じる歯に満足するまで、繰返すことができる。

    使用者が選択されたブラケットへの変更を行うのを助けるために、選択されたブラケットを表すブラケットデータに基いて再位置決めされた、定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写と重ね合された、選択された処方データによって表された所望の最終位置にある定められた三次元不正咬合歯/歯列弓モデルの1以上の歯の描写を、使用者に提供してもよい(ブロック194)。 そのような比較は、ブラケット選択を修正するために、使用者によって用いられることができる。

    さらに、ブラケットを伴う歯モデルを見るのを助けるために、システムの使用者は、マウスまたは他のポインティングデバイスを使用して、特定の1つの歯、複数の歯、および/または1つのブラケット(複数のブラケット)を識別し、ドラッグして、平行移動または回転させることができる。 コンピュータは、リアルタイムにディスプレイを新たな位置に更新することができる。 使用者または患者は、異なった見る地点および角度から、ブラケットを伴うまたは伴わない歯モデルを見ることができる。 2つの歯もしくはブラケット間、または歯とブラケットとの間の衝突を表すための音などのマルチメディアプレゼンテーションも、提供することができる。

    ブラケットの最終選択を行った後、最終ブラケット選択に対応する再位置決めされたモデルを表示してもよい(ブロック126)。

    さらに、本発明の方法を用いてブラケットを選択すると、使用者は、ブラケットを患者の歯に適用してもよい。 そのようなブラケットは、たとえば製造会社でまたは歯列矯正医の診察室で、接着材料で予めコーティングされたブラケットであってもよい。

    本発明のブラケット選択方法を用いる1つの例示的な実施形態を以下で説明する。 ブラケット選択を助けるために、ここで先に説明され、以下で説明されるさまざまな技術をともに用いてもよいし、特定の技術を単独で用いることができることが認識されるであろう。

    歯列矯正使用者による使用の例示的な方法によれば、使用者は、予め定めた既存のブラケットの診察室内(in−office)在庫を維持する。 実際的な最小数のブラケットを維持するために、この在庫は、使用者の好ましい処方における最もポピュラーなブラケットタイプ、ならびに、フックを伴うまたは伴わないなどの特徴オプション、および付加的なトルクおよびアンギュレーションなどの処方オプションを伴うブラケットを含む。 これらの付加的なブラケットを、患者統計に基いて、最も一般に使用されるものに制限することができる。 在庫は、必要なときに、最初の患者の結合のためのブラケットおよび取替え用ブラケットの容易な供給を提供する。 選択システムがブラケットを使用するので、流出数を計数して、診察室内在庫を維持することができる。

    ブラケット選択のために、歯列矯正使用者は、ここで先に説明されたブラケット選択プログラムを用いるコンピュータに、ユーザインタフェースを介して患者情報を入力する。 ここで先に説明された反復プロセスによって、患者の不正咬合モデルを定めてもよい。 システムは、その歯/歯列弓モデルデータベースの情報を用いて、患者の歯および歯列弓を綿密に表す仮想不正咬合歯/歯列弓モデルを生成する。 次に、生成された不正咬合歯/歯列弓モデルを使用者に表示して、必要であれば、ユーザインタフェースを介して修正してもよい。

    次に、使用者は、患者の最初の処方を選択し、ここで先に説明されたような反復プロセスによって、患者の不正咬合モデルの1以上の歯を、処方されたような所望の最終位置に移動させてもよい。 ここで先に説明された反復プロセスによって、システムは、選択された処方を用いて、歯が処方された咬合にある歯/歯列弓モデルを提供する。 生成された、歯が処方された位置にある歯/歯列弓モデルを、使用者に表示して、必要であれば、ユーザインタフェース、たとえば、新たなもしくは修正された患者情報または新たなもしくは修正された処方情報の入力によって、修正してもよい。

    使用者が、歯の最終的な所望の歯位置に満足した場合、システムは、不正咬合歯を所望の処方された位置に最良に移動させる、既存の予め定めた歯列矯正ブラケットのデータベースからのブラケットの選択を続ける。 必要であれば、付加的なブラケット基準の入力によって、ここで先に説明されたプロセス(たとえば、トルク調整を用いる選択)を用いて、システムは、特定のブラケットを選択し、それらのブラケット描写を歯/歯列弓モデルに配置し、表示する。 選択されたブラケットと関連するブラケットデータに基づいて歯を表示し、次に、必要であればブラケット選択を修正する(たとえば、選択された処方に基いた所望の位置の比較に基いて)反復プロセスによって、システムは、歯が最終ブラケット選択に基いた最終位置にある最終的な歯/歯列弓モデルを生成する。

    使用者が最終調整を行い、最終ブラケットが選択された後、ブラケット選択プロセスが完了する。 選択されたブラケットは、実際の結合手順時に適用するために診察室内在庫から分配される。 例外的な場合、選択されたブラケットが在庫になければ、1組のブラケットの結合時前に、供給会社からそれを入手することができる。 選択プロセスを越えて、システム内の情報を用いて、直接または間接結合方法による特定の患者の結合されたブラケットの配置を案内することができる。

    ここに引用された特許、特許文書(出願を含む)、および刊行物をすべて、各々、個別に引用により援用するように、引用により援用する。 本発明のさまざまな修正は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者に明らかであろう。 また、本発明は、ここに記載された例示的な実施形態に限定されないことが理解されるべきである。 たとえば、さまざまなデータベースを用いて情報を提供してもよく、さまざまな操作グラフィカルソフトウェアパッケージを用いて画像の操作に備えてもよく、さまざまなタイプのソフトウェアプログラミングが、ここで説明された一般的な機能性などを実現してもよい。

    本発明による例示的な歯列矯正ブラケット選択方法を一般に示すブロック図である。

    各ブラケットのスロットで受けられたアーチワイヤとともに、いくつかのブラケットを含む歯列矯正器の一例の側面図である。

    本発明による歯列矯正ブラケット選択プログラムを用いる歯列矯正器具選択システムである。

    (ここで集合的に図4と呼ぶ)図1の歯列矯正ブラケット選択方法の一実施形態を示すブロック図である。

    (ここで集合的に図4と呼ぶ)図1の歯列矯正ブラケット選択方法の一実施形態を示すブロック図である。

    図4に示された方法に従って選択してもよい処方を示す表である。

    図4に示された方法に従って歯列矯正ブラケットを選択するときに考慮に入れてもよい歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの相互作用を示すのに用いられる図である。

    図4に示された方法に従って歯列矯正ブラケットを選択するときに考慮に入れてもよい歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの相互作用を示すのに用いられる図である。

    図4に示された方法に従って歯列矯正ブラケットを選択するときに考慮に入れてもよい歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの相互作用を示すのに用いられる図である。

    図4に示された方法に従って歯列矯正ブラケットを選択するときに考慮に入れてもよい歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの相互作用を示すのに用いられる図である。

    図4に示された方法に従って歯列矯正ブラケットを選択するときに考慮に入れてもよい歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの相互作用を示すのに用いられる図である。

    図4に示された方法に従って歯列矯正ブラケットを選択するときに考慮に入れてもよい歯列矯正ブラケットとアーチワイヤとの相互作用を示すのに用いられる図である。

    図4に一般に示されたような、歯/歯列弓モデルの歯および同様にブラケットを特定の位置に配置するプロセスの1つの例示的な実施形態のブロック図である。

    図6に示されたプロセスの実施形態を一般に示すために用いられる。

    図6に示されたプロセスの実施形態を一般に示すために用いられる。

    図6に示されたプロセスの実施形態を一般に示すために用いられる。

    図6のプロセスで説明され、用いられるような例示的なローカル座標系を示す歯の斜視図である。

    図6を参照して説明されたようなプロセスに用いるための、例示的なローカル座標系が定められたブラケットの斜視図を示す。

    図6を参照して説明されたプロセスに従って歯を配置する1つの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。

    図6を参照して説明されたプロセスに従って歯を配置する1つの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。

    図6を参照して説明されたプロセスに従って歯を配置する1つの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。

    図6を参照して説明されたプロセスに従って歯を配置する1つの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。

    図6を参照して説明されたプロセスに従って歯を配置する1つの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。

    図6を参照して説明されたプロセスに従って歯を配置する1つの例示的な実施形態をさらに詳細に示す。

    図4の選択方法に従う予め定めた既存のブラケットの選択の一実施形態を示すブロック図である。

    (ここで集合的に図11Bと呼ぶ)図4の選択方法に従う予め定めた既存のブラケットの選択のさらに別の実施形態を示す別のブロック図である。

    (ここで集合的に図11Bと呼ぶ)図4の選択方法に従う予め定めた既存のブラケットの選択のさらに別の実施形態を示す別のブロック図である。

    (ここで集合的に図12と呼ぶ)図11を参照して説明されたような、データベースから予め定めた既存のブラケットを選択するプロセスを示すために用いられる表である。

    (ここで集合的に図12と呼ぶ)図11を参照して説明されたような、データベースから予め定めた既存のブラケットを選択するプロセスを示すために用いられる表である。

    (ここで集合的に図12と呼ぶ)図11を参照して説明されたような、データベースから予め定めた既存のブラケットを選択するプロセスを示すために用いられる表である。

    QQ群二维码
    意见反馈