A method and apparatus for selecting a prescription of orthodontic braces

申请号 JP2003516401 申请日 2002-05-01 公开(公告)号 JP2004536662A 公开(公告)日 2004-12-09
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 エー. ジョーダン,ラッセル; シー. マネマン,ロバート;
摘要 歯科矯正用ブレースの処方は、歯列弓の多数の歯を表すデータを提供することによって、および2つ以上の異なる 位置 にある歯の画像を表示することによって選択される。 第1の位置にある時、および第2の位置にある時の少なくとも1つの歯の画像が、スーパーインポーズされる方法で同時に表示され、第1の位置と第2の位置の表示される歯の画像の向きの差異がコントラストをなして見える。 その結果、位置の相対的な差異が容易に観察できる。 本発明は、2つ以上の処方からブレースの処方を選択するのに特に有用であり、また、1つの処方が一定の歯に使用される時の、治療の前段階中の同じ歯の位置と比較した、その相対的な効果を観察するのにも有用である。
权利要求
  • 歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法であって、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    前記歯列弓の歯のうちの少なくとも何本かのための、一定の処方を有する第1の歯科矯正用ブレースを選択する段階、
    前記第1のブレースが対応する歯に取り付けられる時に見える可能性がある、前記歯の第1の位置を決定する段階、
    前記歯列弓の同じ歯のうちの少なくとも何本かのための、前記第1のブレースの処方とは異なる処方を有する第2の歯科矯正用ブレースを選択する段階、
    前記第2のブレースが対応する歯に取り付けられる時に見える可能性がある、前記歯の第2の位置を決定する段階、および前記第1の位置および前記第2の位置にある時の少なくとも1本の歯の画像を同時に表示する段階であって、前記画像の少なくとも一部が重なり、前記第1のブレースと前記第2のブレースの相対的な効果を観察できるように、表示される歯の画像の向きについての前記第1の位置と前記第2の位置との間の差異の少なくとも一部が、コントラストをなして見える、段階、
    を含む、方法。
  • 前記画像中のコントラストが、色のコントラストとして見える、請求項1に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像のシェーディングの差異として見える、請求項1に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像の周縁の形状の差異として見える、請求項1に記載の歯科矯正用ブレースのための処方を選択する方法。
  • 前記歯が、表示される時、前記第1のブレースおよび前記第2のブレースの少なくとも一部なしで表示される、歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 歯科矯正用ブレースの処方を選択し、ブレースを購入する行為を含む方法。
  • 前記購入する行為が、前記選択されるブレースの少なくとも一部に対応するデジタルデータを少なくとも一部使用して、オーダーエントリを作成する行為を含む、請求項6に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記オーダーエントリを作成する行為が、購入オーダーを作成する行為を含む、請求項7に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記第1の位置にある時、および前記第2の位置にある時の少なくとも1本の歯の画像を同時に表示する行為が、歯列弓の各歯を表示する行為を含み、前記第1の位置および前記第2の位置の両方で実質的に同じ向きである歯の全てが、前記歯列弓の残りの歯よりも目立たずに表示される、請求項1に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法であって、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    前記歯列弓の歯のうちの少なくとも何本かのための第1の歯科矯正用ブレースを選択する段階であって、前記第1のブレースが、アーチワイヤおよび多数のブラケットを備える第1の組の器具を含み、前記第1の組の各器具が一定の処方を有する、段階、
    前記第1のブレースが対応する歯に取り付けられる時に見える可能性がある、前記歯の第1の位置を決定する段階、
    前記歯列弓の歯のうちの少なくとも何本かのための第2の歯科矯正用ブレースを選択する段階であって、前記第2のブレースがアーチワイヤおよび多数のブラケットを備える第2の組の器具を含み、前記第2の組の各器具が一定の処方を有し、前記第2の組の少なくとも1つの器具が、前記第1の組の器具のうちの1つの処方とは異なる処方を有する、段階、
    前記第2のブレースが対応する歯に取り付けられる時に見える可能性がある、前記歯の第2の位置を決定する段階、および前記第1の位置および前記第2の位置にある時の少なくとも1本の歯の画像を同時に表示する段階であって、前記画像の少なくとも一部が互いにスーパーインポーズされ、前記第1のブレースと前記第2のブレースの相対的な効果を観察できるように、前記表示される画像の向きについての前記第1の位置と前記第2の位置との間の差異の少なくとも一部が、コントラストをなして見える、段階、
    を含む、方法。
  • 前記第1の組の器具のアーチワイヤが、前記第2の組の器具のアーチワイヤと同一である、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記第1の組の器具のアーチワイヤが、前記第2の組の器具のアーチワイヤと異なる、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、色のコントラストとして見える、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像のシェーディングの差異として見える、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像の周縁の形状の差異として見える、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記歯が、前記第1の位置に表示される時、前記第1の組の器具のブラケットなしで表示される、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 前記歯が、前記第1の位置に表示される時、前記第1の組の器具のアーチワイヤなしで表示される、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択し、相対的な効果を観察した後にブレースを購入する行為を含む方法。
  • 前記購入する行為が、前記選択されるブレースの少なくとも一部に対応するデジタルデータを少なくとも一部使用して、オーダーエントリを作成する行為を含む、請求項18に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • オーダーエントリを作成する行為が、購入オーダーを作成する行為を含む、請求項19に記載の歯科矯正用ブレースのための処方を選択する方法。
  • 前記第1の位置にある時、および前記第2の位置にある時の少なくとも1本の歯の画像を同時に表示する前記行為が、前記歯列弓の各歯を表示する行為を含み、前記第1の位置および前記第2の位置の両方で同じ向きである歯が、前記歯列弓の残りの歯よりも目立たずに表示される、請求項10に記載の歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法。
  • 注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法であって、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    前記歯列弓の少なくとも1本の歯を、歯科矯正治療の第1の段階中に見える向きで、第1の画像として表示する段階、
    前記歯列弓のための一定の群の歯科矯正用器具を選択する段階であって、前記一定の群の器具が、一定の処方を有するアーチワイヤおよび多数のブラケットを含み、前記一定の群のブラケットの各々が前記歯のうちの1本に対応して一定の処方を有する、段階、
    前記一定の群のブラケットが対応する歯に取り付けられ、前記一定の群のアーチワイヤが前記一定の群のブラケットに連結され、前記歯が、前記一定の群のブラケットに加えられる力に応答して移動した時に見える可能性がある、前記歯の第2の位置を決定する段階、および第2の位置にある少なくとも1本の歯を画像として表示する段階であって、前記一定の群の器具の効果を観察できるように、前記表示される第2の位置にある歯の向きの差異の全てが、前記表示される第1の位置にある歯の画像とコントラストをなす画像として見える、段階、
    を含む、方法。
  • 前記第1の段階が最初の段階である、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 中間段階にある前記第1の段階が、前記一定の群のアーチワイヤとは異なる特性を有するアーチワイヤに応答した前記歯の移動を表す、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記第2の位置が実質的に最終的な位置を表す、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、色のコントラストとして見える、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像のシェーディングの差異として見える、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像の周縁の形状の差異として見える、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記歯が、表示される時、前記一定の群の器具の少なくとも一部なしで表示される、請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 請求項22に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択し、前記ブレースを購入する行為を含む方法。
  • 前記購入する行為が、前記一定の群の器具の少なくとも一部に対応するデジタルデータを少なくとも一部使用して、オーダーエントリを作成する行為を含む、請求項30に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記オーダーエントリを作成する行為が、購入オーダーを作成する行為を含む、請求項31に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法であって、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    前記歯列弓の少なくとも1本の歯を、歯科矯正治療の第1の段階中に見える向きで、第1の画像として表示する段階、
    歯列弓のための、一定の処方を有するブレースを選択する段階、
    前記ブレースが口腔に取り付けられ、前記歯が前記ブレースによって加えられる力に応答して移動した時に見える可能性がある、前記歯の第2の位置を決定する段階、
    その第2の位置にある少なくとも1本の歯を画像として表示する段階であって、前記ブレースの効果を観察できるように、前記表示される第2の位置にある前記歯の向きの差異が、前記表示される第1の位置にある前記歯の画像とコントラストをなす画像として見える、段階、
    を含む、方法。
  • 前記第1の段階が最初の段階である、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 中間段階にある前記第1の段階が、前記一定の群のアーチワイヤとは異なる特性を有するアーチワイヤに応答した歯の移動を表す、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記第2の位置が実質的に最終的な位置を表す、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、色のコントラストとして見える、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像のシェーディングの差異として見える、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記画像中のコントラストが、前記画像の周縁の形状の差異として見える、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 前記歯が、表示される時、前記一定の群の器具の少なくとも一部なしで表示される、請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 請求項33に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択し、前記ブレースを購入する行為を含む方法。
  • 前記購入する行為が、前記一定の群の器具の少なくとも一部に対応するデジタルデータを少なくとも一部使用して、オーダーエントリを作成する行為を含む、請求項41に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • オーダーエントリを作成する行為が、購入オーダーを作成する行為を含む、請求項42に記載の注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法。
  • 歯科患者の歯のデータを処理する方法であって、
    患者の歯の少なくとも一部の形状を表す第1の組のデータを得る段階、
    前記第1の組のデータによって表される歯と同じ種類の歯である模型の歯の少なくとも一部の形状を表す第2の組のデータを提供する段階、
    患者の歯のスケールと模型の歯のスケールが実質的に同じであるように、前記第1の組のデータおよび前記第2の組のデータのうち、少なくとも一方のデータの少なくとも幾つかを処理する段階、および第1の組および第2の組の少なくとも幾つかのデータを組合せて、前記模型の歯の少なくとも一部、および前記患者の歯の少なくとも一部を表す第3の組のデータを得る段階、
    を含む、方法。
  • 前記第1の組のデータが、患者の歯の歯冠部分の形状を表す、請求項44に記載の歯科患者の歯のデータを処理する方法。
  • 前記第2の組のデータが、模型の歯の歯根の少なくとも一部の形状を表す、請求項45に記載の歯科患者の歯のデータを処理する方法。
  • 前記少なくとも幾つかのデータを処理する行為が、画像を参照することにより視覚的に実施される、請求項44に記載の歯科患者の歯のデータを処理する方法。
  • 前記少なくとも幾つかのデータを処理する行為がコンピュータにより実施される、請求項44に記載の歯科患者の歯のデータを処理する方法。
  • 前記少なくとも幾つかのデータを処理する行為が、1つ以上の基準軸に沿った方向に対応するデータを変更する行為を含む、請求項44に記載の歯科患者の歯のデータを処理する方法。
  • 前記データを変更する行為が、前記第2の組のデータを変更する行為を含む、請求項49に記載の歯科患者の歯のデータを処理する方法。
  • 歯科矯正用ブレースの処方の選択を行うための実行可能なプログラムを具体的に実施する、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータ、
    第1のブレースが前記歯に取り付けられる時に見える可能性がある、第1の位置にある前記歯のうちの少なくとも何本かの画像を表示する第1の手段、および第2のブレースが前記歯に取り付けられる時に見える可能性がある、第2の位置にある前記歯のうちの少なくとも何本かの画像を表示する第2の手段であって、前記第2の手段は、前記第2の位置および前記第1の位置にある同じ歯のうちの少なくとも何本かを同時に表示する手段を含み、前記第1の位置および前記第2の位置にある、表示される歯の画像の少なくとも一部がスーパーインポーズされる、第2の手段、
    を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記第1のブレースが、1組のブラケットおよびアーチワイヤを含む、請求項51に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記第1の手段が、モニター、プリンタ、および投影機を含む集合から選択される、請求項51に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記画像のスーパーインポーズされる部分が、色のコントラストとして、又はシェーディングの差異として見える、請求項51に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 歯科矯正用ブレースの処方の選択を行うための実行可能なプログラムを具体的に実施する、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータ、
    歯科治療の最終的な段階の前に見える可能性がある位置にある、前記歯の少なくとも何本かの画像を表示する第1の手段、および一定の群の歯科矯正用器具が、前記歯に取り付けられる時に見える可能性がある、最終的な位置にある前記歯の少なくとも何本かの画像を表示する第2の手段であって、前記第2の手段は、前記最終的な位置およびその前の段階の位置にある同じ歯のうちの、少なくとも何本かを同時に表示するための手段を含み、前記前の段階の位置および前記最終的な位置にある、表示される歯の画像の少なくとも一部がスーパーインポーズされる、第2の手段、
    を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 歯科矯正治療の前記第1の段階が、歯科矯正治療の最初の段階である、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記歯の前記第2の位置が、歯科矯正治療の終了時における前記歯の位置を実質的に表す、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記歯の前記第2の位置が、歯科矯正治療の中間段階中の前記歯の位置を表す、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記第1のブレースが、1組のブラケットおよびアーチワイヤを含む、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記第1の手段が、モニター、プリンタ、および投影機を含む集合から選択される、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 前記画像のスーパーインポーズされる部分が、色のコントラストとして、又はシェーディングの差異として見える、請求項55に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、歯科矯正患者の治療に使用される方法および装置に関する。 更に詳細には、本発明は、開業医が決定する特定の目的の達成を容易にするように選ばれた、1つ以上の構成要素から作製される歯科矯正用ブレースを選択する方法および装置に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    歯科矯正学は、不規則な歯の位置を防止又は治療する歯科学の1分野である。 正常な位置にない歯は、食物の適切な咀嚼を妨げる可能性があり、また、う蝕の発生や歯周病の一因となる傾向を有する場合がある。 更に、位置異常な歯は、見た目が悪い場合があり、特に患者の口腔正面又は前部分に位置する場合、見た目が悪い。
    【0003】
    歯科矯正用ブレースは、歯列弓に沿って歯科矯正学的に正常な位置に、歯を移動させるのに使用するデバイスである。 典型的には、歯科矯正の開業医は、一定の方向に歯に弱い圧を掛ける構成要素を選択することにより、各患者のための注文の歯科矯正用ブレースを作製する。 ある期間にわたって、歯は所望の位置の方にゆっくりと移動する傾向がある。 長期間後、歯根に近接した領域に新しい骨組織が成長し、歯を新しい位置にしっかりと保持する。
    【0004】
    広く使用されている歯科矯正用ブレースの1種は、1組の歯科矯正器具、並びにアーチワイヤを備える。 器具には、典型的には、多数の小さいスロット付きブラケットが含まれ、その各々は、歯列弓に沿って対応する歯に取付けられる。 アーチワイヤは、各ブラケットのスロットに受入れられ、歯を所望の位置の方に案内する軌道を形成する。 通常、1組の器具およびアーチワイヤが、患者の上顎および下顎歯列弓の両方に提供され、両方の歯列弓の治療は同時に実施される。
    【0005】
    現在、歯科矯正用器具およびアーチワイヤを選択する多くの方法があり、開業医が使用する特定の選択方法は、歯科矯正治療の経過中に採用することが予想される歯科矯正技術の種類に関係する。 例えば、一般的な技術の1つは、「ストレートワイヤ」技術として既知であり、歯が所望の最終的な位置に移動した時に、共通面にあるように設計されるスロットを有するブラケットを使用する。 ブラケットのスロットは、治療の始めには、歯の様々な位置異常のため一列に整列しないが、アーチワイヤの固有弾性は、アーチワイヤ、故に、結合したブラケットのスロットを共通面で一列に整列するように移動させる傾向がある復元力を提供する。
    【0006】
    前述のストレートワイヤ技術では、選択されるブラケットの各々は、ブラケットの特定の特性を表す、一定の「処方」を有する。 処方は、アーチワイヤスロットのサイズ、並びに、歯の表面に取付けることを意図されるブラケットのベースに対するスロットの向きなど、ブラケットの多数の異なる態様、又は特徴を含むことができる。 ベースに対するアーチワイヤスロットの向きを記載する処方は、トルク、アンギュレーション、および回転に関する値を含んでもよい。 歯の移動に関して、「トルク」は、頬面唇面−舌側方向(即ち、患者の唇又は頬、および患者の舌に向かう方向、および離れる方向)における歯の長軸の傾斜移動として記載されることが多く、「アンギュレーション」は、近心および遠心方向(即ち、患者の歯列弓の中心に向かう方向、およびそこから離れる方向)における歯の長軸の傾斜移動として記載されることが多く、「回転」は、歯の長軸の周りの歯の回転移動として記載されることが多い。
    【0007】
    歯科矯正用ブラケットの処方は、歯によってそれぞれ異なることが多い。 例えば、多くの開業医は、下顎前歯の長軸ができるだけ直立していることを好み、その結果、これらの歯に対して、比較的小さいトルク値およびアンギュレーション値を有するブラケットを処方する。 対照的に、上顎中切歯は、通常、傾斜した長軸を有する。 そのため、開業医は、幾分大きいトルク値およびアンギュレーション値を有する上顎中心ブラケットを処方する。 しかし、所望の処方は、歯科矯正によってそれぞれ変わる場合がある。 更に、処方は、特定の患者では、歯の最初の位置、隣接する歯の場所、又は対向する歯の向きに合わせるため、開業医の通常の診療とは異なる場合がある。
    【0008】
    別の種類の歯科矯正用ブレースは、ポジショナーとして既知であり、トレーの形状に形成されるエラストマー材料からなる。 トレーは、歯を受入れるための一連の隣接する空洞を有する。 各歯は、それぞれの空洞に受入れられ、エラストマー材料の弾性の性質は、歯を所望の位置に移動させる傾向がある。 歯科矯正用ポジショナーの一例は、米国特許第5,055,039号明細書に記載されている。
    【0009】
    歯科矯正用ポジショナーは、エラストマー材料のシートから実験室で作製されることが多い。 ポジショナーを作製する方法の1つは、印象材料を使用して患者の歯列弓の印象を作製する最初の段階を含む。 次いで、患者の現存する歯列弓の模型が、硬化した印象から作製される。 次に、この模型の歯が切り取られ、ワックス中で所望の向きに位置を変える。 次いで、注文のトレーを作製するため、エラストマー材料のシートは、位置を変えた模型の歯を覆って成形される。 エラストマー材料は弾性があり、固有の塑性復原力を有するが、トレーが患者の歯列弓上に配置されるとき、歯に弱い圧力を加えるように十分に剛性があることが好ましい。 トレーが歯に加える圧力は、ある期間にわたって歯を所望の位置の方に移動させる傾向がある。
    【0010】
    米国特許第5,975,893号明細書には、一連のポリマートレーを連続した順番で使用し、歯を徐々に移動させる方法が記載されている。 トレーは、複数の異なる中間の歯の配列、並びに最終的な歯の配列を提供するように、コンピュータで設計される。 各トレーには、矯正的な力を提供するのに十分な弾性があり、歯を比較的少しずつ徐々に、所望の最終的な歯の配列の方に移動させる。
    【0011】
    【特許文献1】
    米国特許第5,055,039号明細書【特許文献2】
    米国特許第5,975,893号明細書【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0012】
    従来、歯科矯正の開業医は、他の患者に関する過去の治療結果という直接得た知識により、および文献に報告された結果を検討することにより、ブレースの処方を選択することが多かった。 しかし、特有の問題が現れる患者もあり、過去に良好に使用された技術を参照しても、今後の、一定の患者には好適でない場合がある。 例えば、特定の場合には、歯の移動を助けるため、フォースモジュール(force module)が必要な場合があり、そのフォースモジュールは、処方を変えなければならないような程度まで、歯の最終的な位置に影響を与える場合がある。
    【0013】
    更に、治療の結果は、しばらくの間、はっきりと分からない場合があるため、歯科矯正の処方を選択する問題は、歯科矯正治療の性質によって更に悪化する。 患者が体験する苦痛を低減するため、また骨が成長し、各歯を所定の新しい位置に固定するのに十分な時間を与えるため、歯の移動は、歯科矯正治療の間、ゆっくりと実施される。 そのため、開業医は、最初に選択されるブレースの処方が、歯を所望の最終的な向きに移動させるのに満足なものであることを、確実にすることを好む。
    【0014】
    更に、ブレースの処方を変更したとき、開業医が歯の移動の効果を予測することが困難な時もある。 歯の移動を予測することの問題は、通常の観察では歯根が見えない、という事実によって更に悪化する。 更に、三次元における歯の移動の空間認識は困難であり、特に、このような歯の移動が、歯列弓に沿って隣接する歯の位置に影響される場合があるときには困難である。
    【0015】
    理解できるように、注文の歯科矯正用ブレースの選択を容易にするシステムを提供すること、および、特に注文の歯科矯正用ブレースの処方の選択を容易にするシステムを提供することが望ましい。 好ましくは、このようなシステムは、簡単に使用でき、選択される特定のブレースの長期間の影響を理解することを容易にする。 更に、このようなシステムは、ポジショナー、一連のカスタムトレー、ブラケットおよびアーチワイヤを含む系、並びに他の種類のブレースなど、どのような種類のブレースで使用するのにも適用可能とすべきである。
    【課題を解決するための手段】
    【0016】
    本発明は、注文の歯科矯正用ブレースの選択を容易にする方法および装置に関する。 本発明の一態様に従い、歯の画像は、第1のブレースを用いる治療の終了時の最終的な向きを表す向きで、並びに、第2のブレースを用いる治療の終了時の最終的な向きを表す向きで表示される。 第1のブレースと第2のブレースの両方から得られる結果を表す画像が同時に表示され、好ましくは、結果として得られる歯の位置に対する2つのブレースの相対的な効果が容易に観察できるように、コントラストをなす画像で表示される。 このような方法で、開業医は、選択されるブレースと、それに対応する歯の最終的な位置又は完了位置との因果関係を更によく理解できる。
    【0017】
    本発明の別の態様に従い、歯の画像は、最終段階の前の歯科矯正治療の段階中の向きで表示される。 この段階は、最初の段階であっても、又は中間段階であってもよい。 また、歯の画像は、一定のブレースを用いる治療の終了時の最終的な向きを表す向きで表示される。 完了した位置およびその前段階の位置の画像が同時に表示され、また、好ましくは、歯に対する、一定のブレースの効果を容易に観察できるように、コントラストをなす画像で表示される。
    【0018】
    更に詳細には、本発明は、一態様において、注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法に関する。 この方法は、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    歯列弓の歯のうちの少なくとも何本かのための、一定の処方を有する第1の歯科矯正用ブレースを選択する段階、
    第1のブレースが対応する歯に取付けられる時に見える可能性がある、歯の第1の位置を決定する段階、
    歯列弓の同じ歯のうちの少なくとも何本かのための、第1のブレースの処方と異なる処方を有する第2の歯科矯正用ブレースを選択する段階、
    第2のブレースが対応する歯に取付けられる時に見える可能性がある、歯の第2の位置を決定する段階、および第1の位置にある時の、および第2の位置にある時の少なくとも1本の歯の画像を同時に表示する段階であって、それらの画像の少なくとも一部が重なっており、第1のブレースと第2のブレースの相対的な効果を観察できるように、表示される歯の画像の向きについての第1の位置と第2の位置との間の差異の少なくとも一部がコントラストをなして見える、段階、
    を含む。
    【0019】
    また、本発明の別の実施形態は、歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法に関する。 この実施形態では、該方法は、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    歯列弓の歯のうちの少なくとも何本かのための第1の歯科矯正用ブレースを選択する段階であって、第1のブレースが、アーチワイヤおよび多数のブラケットを備える第1の組の器具を含み、第1の組の各器具が一定の処方を有する、段階、
    第1のブレースが対応する歯に取付けられる時に見える可能性がある、歯の第1の位置を決定する段階、
    歯列弓の歯のうちの少なくとも何本かのための第2の歯科矯正用ブレースを選択する段階であって、第2のブレースは、アーチワイヤおよび多数のブラケットを備える第2の組の器具を含み、第2の組の各器具が一定の処方を有し、第2の組のうち少なくとも1つの器具が第1の組の器具のうちの1つの処方と異なる処方を有する、段階、
    第2のブレースが対応する歯に取付けられる時に見える可能性がある、歯の第2の位置を決定する段階、および第1の位置にある時の、および第2の位置にある時の少なくとも1本の歯の画像を同時に表示する段階であって、それらの画像の少なくとも一部が互いにスーパーインポーズされ、第1のブレースと第2のブレースの相対的な効果が観察できるように、表示される歯の画像の向きについての第1の位置と第2の位置との間の差異の少なくとも一部がコントラストをなして見える、段階、
    を含む。
    【0020】
    また、本発明の別の態様は、注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法に関する。 この方法は、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    歯列弓の少なくとも1本の歯を、歯科矯正治療の最終段階の前の歯科矯正治療のある段階中に見られる向きで、第1の画像として表示する段階、
    歯列弓のための一定の群の歯科矯正用器具を選択する段階であって、この一定の群の器具は一定の処方を有するアーチワイヤおよび多数のブラケットを含み、一定の群のブラケットの各々がそれらの歯の1本に対応して一定の処方を有する、段階、
    一定の群のブラケットが対応する歯に取付けられ、一定の群のアーチワイヤが一定の群のブラケットに連結され、歯が一定の群のブラケットに加えられる力に応答して移動した時に見える可能性がある、歯の完了位置を決定する段階、
    決定された完了位置にある少なくとも1本の歯を画像として表示する段階であって、一定の群の器具の効果を観察できるように、表示される完了位置にある歯の向きの差異の少なくとも一部が、表示される前段階の位置にある歯の画像とコントラストをなす画像中に見られる、段階、
    を含む。
    【0021】
    また、本発明の他の態様は、注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法に関する。 この方法は、
    歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する段階、
    歯列弓の少なくとも1本の歯を、歯科矯正治療の第1の段階中に見られる向きで、第1の画像として表示する段階、
    歯列弓のための、一定の処方を有するブレースを選択する段階、
    ブレースが口腔内に取付けられ、歯がブレースにより加えられる力に応答して移動した時に見える可能性がある、歯の第2の位置を決定する段階、
    第2の位置にある少なくとも1本の歯を画像として表示する段階であって、ブレースの効果を観察できるように、表示される第2の位置にある歯の向きの差異が、置き換えられる第1の位置にある歯の画像とコントラストをなす画像として見える、段階、
    を含む。
    【0022】
    本発明の更に別の態様は、歯科患者の歯のデータを処理する方法に関する。 この方法は、
    患者の歯の少なくとも一部の形状を表す第1組のデータを得る段階、
    第1の組のデータで表される歯と同じ種類の歯のものである、模型の歯の少なくとも一部の形状を表す第2の組のデータを提供する段階、
    患者の歯のスケールと模型の歯のスケールが実質的に同じであるように、第1の組のデータと第2の組のデータのうち少なくとも一方のデータの少なくとも幾つかを処理する段階、および第1の組のうち少なくとも幾つかのデータと、第2の組のうち少なくとも幾つかのデータを組合わせて、模型の歯の少なくとも一部、および患者の歯の少なくとも一部を表す第3の組のデータを得る段階、
    を含む。
    【0023】
    また、本発明は、別の態様では、歯科矯正用ブレースの処方の選択を行うために実行可能なプログラムを具体的に実施する、コンピュータで読み取り可能な媒体に関する。 コンピュータで読み取り可能な媒体は、歯列弓の多数の歯を表す1組のデータ、および第1のブレースが歯に取付けられる時に見える可能性がある、第1の位置にある歯の少なくとも何本かの画像を表示するための第1の手段を含む。 また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、第2のブレースが歯に取付けられる時に見える可能性がある、第2の位置にある歯のうちの少なくとも何本かの画像を表示するための第2の手段も備える。 第2の手段は、第2の位置および第1の位置にある同じ歯の画像の少なくとも幾つかを同時に表示する手段を含む。 第1の位置および第2の位置にある、表示される歯の画像の少なくとも一部が、スーパーインポーズされる。
    【0024】
    また、本発明は、別の態様では、コンピュータで読み取り可能な媒体に関し、この媒体は、歯科矯正用ブレースの処方の選択を行うために実行可能なプログラムを具体的に実施する。 この態様では、コンピュータで読み取り可能な媒体は、歯列弓の多数の歯を表す1組のデータ、および歯科矯正治療の第1の段階中に見える可能性がある位置にある歯のうちの、少なくとも何本かの画像を表示するための第1の手段を備える。 また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、一定の群の歯科矯正用器具が歯に取付けられる時に見える可能性がある、第2の位置にある歯のうちの少なくとも何本かの画像を表示するための第2の手段も備える。 第2の手段は、第1段階の位置および第2段階の位置にある同じ歯のうちの少なくとも何本かを同時に表示する手段を含む。 第1段階の位置および第2段階の位置にある、表示される歯の画像の少なくとも一部が、スーパーインポーズされる。
    【0025】
    本発明の更なる詳細は、特許請求の範囲の特徴に定義される。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0026】
    本発明による注文の歯科矯正用ブレースを選択する方法は、図1に示される流れ図に大まかに記載されており、数字30で表記される。 この方法は、患者の不正咬合した歯を表すデータセットを作成する行為を含む(ブロック31)。 このデータセットは、当該技術分野で既知の任意の好適な手段によって得られてもよい。
    【0027】
    例えば、不正咬合した歯を表すデータセットは、患者の口腔内に保持される口内カメラを使用して、又はX線装置又は他の種類の放射線装置を使用することにより作成されてもよい。 或いはまた、多数の場所で患者の歯の表面に係合するコンタクトプローブを使用することにより、電子データのセットを得てもよい。
    【0028】
    別の代替として、患者の不正咬合した歯を表すデータは、最初に、硬化性印象材料を使用して患者の歯の印象を取ることにより得られてもよい。 次に、データセットは、カメラ若しくは他のデバイスで印象を走査することにより、又はPCT国際出願公開番号、国際公開第97/03622号パンフレットに記載される装置を使用することにより得られる。 別の選択肢として、得られる印象から石膏模型(stone model)を作製してもよく、次いで、模型を走査することにより、模型を機械的に調べる側面計を使用することにより、又は、PCT国際出願、国際公開第97/03622号パンフレットに記載の装置を使用することにより、データセットが得られる。
    【0029】
    不正咬合した歯を表すデータセットは、ブロック32に示されるようにメモリに記憶される。 任意選択的に、不正咬合した歯は、ブロック33に示されるように視覚的画像として表示される。 画像は、コンピュータのモニターに表示されることが好ましいが、情報を示す、又は表示する他の方法も可能である。 例えば、画像はプリンタで印刷されるか、又はスクリーンに投影されてもよい。
    【0030】
    次に、ブロック34で示されるように、患者の歯冠の各々を別々に表すデータが得られる。 不正咬合した歯を表すデータを、各歯を表す個々のデータセットに分離することにより、個々の歯冠データが得られる。 各歯は、下顎右第一大臼歯、又は上顎左犬歯などの歯の種類によって識別される。 開業医からの入力によって歯を識別してもよい。 例えば、開業医がカーソルをコンピュータのモニター上の不正咬合した歯の画像上に位置決めした後、適切な歯の識別を選択又は入力することを可能にするプログラムが提供されてもよい。 或いはまた、期待される歯の全てが画像中に存在することを開業医が確認した後、コンピュータで、歯列弓に沿って順番に各歯に識別を割り当てることができる。
    【0031】
    ブロック35に表されるように、個々の歯を表す1組のデータは、その後、個々の歯冠を表すデータから得られる。 好ましくは、ブロック35に示される歯を表すデータは、1つ又は複数の歯根の全ての部分を含めた、歯の全構造を含む。 この組のデータは、任意の好適な手段で作成されてもよい。 例えば、一般的な歯の模型のデータのライブラリから一定のデータを選択することにより、この組のデータを提供することができる。 任意選択的に、開業医は、サイズおよび形状が対応する患者の実際の歯冠に類似した歯冠を有する模型の歯を選択することができる。 例えば、患者が、歯冠の比較的狭い上顎左の横方向の1本の歯を有する場合、歯冠が同様に狭い形状である上顎左の横方向の1本の歯の模型は、模型の上顎の横方向の複数の歯から選択される。
    【0032】
    別の例として、必要に応じて、患者の実際の歯に対応する相対的な寸法に寸法をスケーリングした模型の歯のデータを使用することにより、ブロック35に記載される歯を表すデータが提供されてもよい。 この実施例では、歯の模型を表すデータは、歯のライブラリから得られる。 次いで、歯の模型のサイズおよび/又は形状が患者の対応する歯に類似するまで、1つ以上の基準軸に沿って歯の模型のサイズを拡大する、又は縮小するように、必要に応じてデータを変更する。
    【0033】
    スケーリング操作(即ち、1つ以上の軸に沿って模型の歯を拡大又は縮小するようにデータを処理すること)は、模型の歯の画像と、患者の実際の歯の外観を視覚的に比較することにより、開業医が実施してもよい。 或いはまた、患者の実際の歯を表す電子データの比較に応答して、1つ以上の軸に沿って模型の歯の寸法を調節するソフトウェアで、スケーリング操作を実施してもよい。 スケーリングプロセスは、必要に応じて歯列弓の各歯に対して実施される。
    【0034】
    任意選択的に、患者の実際の歯の歯冠を表すデータを、歯根のライブラリから選択される模型の歯の歯根を表すデータに合体させてもよい。 所望の場合は、歯根の模型のサイズおよび/又は形状が、対応する患者の歯根と類似するまで、又は、そのサイズおよび/又は形状が対応する歯冠と合体するのに適切になるまで、必要に応じて、1つ以上の基準軸に沿った方向に対応して、歯根の模型を表すデータを変更してもよい。 歯根のスケーリング操作を上記のように実施してもよい。
    【0035】
    好ましくは、ブロック35で示される歯列弓の多数の歯を表す1組のデータを提供する動作は、歯の表面を表す、又は少なくとも近似するデータを提供する動作を含む。 表面データは、ソリッドモデル、面モデリングされた模型、ワイヤフレームモデル、又は点群表面データを有する模型の一部とすることができる。 天然の歯の外観によく似た画像を提供するため、表面データを以下の段階で使用することが好ましい。
    【0036】
    次いで、第1の歯科矯正用ブレースは、ブロック36で示されるように選択される。 ブレースは、開業医が所望する任意の好適な種類であってよい。 例えば、第1のブレースは、スロット付き歯科矯正用ブラケットと、ブラケットのスロットに受入れられるアーチワイヤとのシステムであってもよい。 その場合、開業医は、ブラケットおよびアーチワイヤの処方も選択するであろう。
    【0037】
    歯科矯正用ブラケットの処方は、一定の構造的特徴、寸法特性、材料特性、又はブラケットの他の態様を表す多数の値のうち、任意の1つ以上を含んでもよい。 例えば、処方は、ブラケットにより提供されるトルク、アンギュレーション、および回転を表す値を含んでもよい。 また、ブラケットの処方は、「イン/アウト」の値を含んでもよく、この値は、例えば、アーチワイヤスロットの舌側と、患者の歯の表面と接触するか、又はそれに密接に近接することを意図されるブラケットベースの外向きの側との最短距離を表してもよい。 また、ブラケットの処方は、アーチワイヤスロットの唇側−舌側の深さ、アーチワイヤスロットの咬合−歯肉幅、およびアーチワイヤスロットの近心−遠心の長さなどの他の態様を含んでもよい。 また、ブラケットの処方は、任意選択的にブラケットの材料および/又はアーチワイヤスロットを画定する構造体(アーチワイヤスロットライナーなど)の材料、および器具の種類又は分類(即ち、「ベッグ(Begg)」ブラケット、ツインブラケット、又はローテーションウィングを有するブラケット)を含んでもよい。 また、ブラケットの処方は、様々な寸法、およびアンギュレーションの線公差および/又は度公差を含んでもよい。
    【0038】
    アーチワイヤの処方は、一定の構造的特徴、寸法特性、材料特性、又はアーチワイヤの他の態様を表す多数の値のうち、任意の1つ以上を同様に含んでもよい。 例えば、処方は、断面形状(円形、長方形、又は正方形)並びに、通常の弛緩した形状にある時の全体形状(即ち、弛緩時に平坦な面にあるか、又は弛緩時にシュペー(Spee)のリバースカーブを有するように構成されている)などのアーチワイヤの形状を表す値を含んでもよい。 更に、アーチワイヤの処方は、弛緩時のその全体の寸法、並びに断面寸法(円形の断面形状を有するアーチワイヤではその直径、および長方形の断面形状を有するアーチワイヤではその幅と深さなど)を含んでもよい。 また、アーチワイヤの処方は、その組成物、硬さ、および/又は使用中のアーチワイヤの摩擦特性を表す値を含んでもよい。
    【0039】
    本明細書で使用される場合、「ブラケット」の用語は、患者の前歯、犬歯、および双頭歯用のブラケット、並びにバッカルチューブなどの歯科矯正用チューブを含むものとする。 バッカルチューブブラケットは、典型的には、患者の大臼歯に取付けられ、アーチワイヤの端部を受入れる。 任意選択的に、バッカルチューブは改造可能である。 改造可能なチューブでは、一方の側面に沿って、例えば頬面唇面の側に沿って開いたスロットを作成することを所望する時に、開業医が管状の通路を「開け」てもよい。
    【0040】
    ブラケットおよびアーチワイヤのシステムの一例は、図2に表される。 図2では、患者の歯列弓60が、第1のブレース62と共に示されている。 第1のブレース62は、1組のブラケット64を備え、その各々は、歯列弓60のそれぞれの歯66に結合している。 バッカルチューブブラケット68は、歯列弓60の大臼歯に取付けられる。 ブラケット64、68は、アーチワイヤ70を受けるスロット又は溝を有する。 図2には上顎歯列弓のみが示されているが、この点について、ブレース62に類似のブレースを患者の下顎歯列弓に固定してもよいことを理解すべきである。
    【0041】
    アーチワイヤ70は、図2に示されるワイヤータイ、又は小さいエラストマーOリングなどの結紮構造体によってブラケット64、68に固定される。 或いはまた、ブラケット64、68は、アーチワイヤ70を所定の場所に保定するスライドクリップ、シャッタ、又は他の種類のラッチを含む「自己結紮」ブラケットとして既知の種類であってもよい。 アーチワイヤ70は、開業医が選択した位置の方に、ブラケット64、68、並びに結合した歯が移動するように案内する軌道を形成する。
    【0042】
    代替として、第1の歯科矯正用ブレースは、ブラケットとアーチワイヤとのシステム以外のものであってもよい。 例えば、第1のブレースは、歯科矯正用ポジショナーであってもよい。 好適なポジショナーの例は、米国特許第5,055,039号明細書および同5,975,893号明細書に記載されている。
    【0043】
    開業医が選択する歯科矯正用ポジショナーは、1つ以上の態様からなる一定の処方を有する。 これらの態様の例には、ポジショナーが口腔内の所定の場所にある時、患者の歯を受入れるポジショナー中の凹部の場所、向き、および/又は形状などが挙げられる。 処方の他の態様には、ポジショナーの材料の硬さ、その材料の組成、および空隙がある場合には、そのサイズおよび配置などを挙げてもよい。
    【0044】
    次に、ブロック38に記載のように、歯の第1の位置のデータセットが作成される。 歯の第1の位置は、ブロック32に記載のように、第1の歯科矯正用ブレースが歯の模型と連結される時に見える可能性がある歯の向きを表し、模型の歯は、歯に加えられる力に応答して最終的な配列に移動する。 実際には、歯の模型および第1のブレースは、物理的に一緒に連結されたり、又は画像中で互いに結合する必要もない。 代わりに、仮定的に、第1のブレースが物理的形態に構成され、患者の実際の歯に取付けられるか、又はその他連結される場合、歯の第1の位置を表すデータセットは、これらの歯が取る、又は取るのに近い最終的な位置を表しさえすればよい。 歯の第1の位置を決定する1つの方法の例は、次節に後述される。 好ましくは、歯の最終的な位置のデータセットは、ブロック39で示されるように、メモリに記憶される。 好ましくは、ブロック39並びにブロック32に示される記憶装置およびメモリは、特定の患者に関する他の情報、例えば、歯科又は医療履歴に関する情報、患者の歯列に関する他の情報、および/又は患者の住所、緊急連絡先、口座に関する情報などの入ったデータファイル中に保存される(か、又はデータファイルと対応付けられる)。
    【0045】
    また、ブロック40で示されるように、歯の最終的な位置は、任意選択的に表示される。 この情報は、スクリーンに情報を表示することによって、情報をプリンタでハードコピーに印刷することによって知られるか、又はその他の方法で、使用者に連絡されてもよい。 例えば、開業医は、最終的な位置にある時の歯のうちの何本か、又は全ての向きを表す数値データが分かるように選んでもよい。 この実施例では、開業医は、例えば、下顎左犬歯が第1のブレースの影響下で特定の角回転に回転されたか否かを知ることに関心がある場合がある。 開業医が表示される歯の最終的な位置に満足である場合は、比較の目的の第2のブレースの選択を省略してもよい。
    【0046】
    好ましくは、ブロック41に示されるように、第1の位置にある時の少なくとも1本の歯を示し、第2の位置にある時の少なくとも1本の歯を同時に示す画像が開業医に提供される。 任意選択的に、第1の位置は、歯科矯正治療前の歯の「元の」位置を表し、第2の位置は、歯科矯正治療の終了時の歯の「最終的な」位置を表すが、必ずしもこのようではない。 しかし、他の代替も可能である。 例えば、第1の位置および/又は第2の位置は、治療の一定の中間段階における歯の位置であってもよい。 画像は、好ましくはコンピュータのモニター上に表示されるが、情報を示す、又は表示する他の方法も可能である。 例えば、画像はプリンタで印刷されても、スクリーンに投影されても、又は他の手段で示されてもよい。
    【0047】
    画像の少なくとも一部は、互いに重なるか、又はスーパーインポーズされ、第1の位置にある時の少なくとも1本の歯が、第2の位置にある時の同じ歯のすぐ上、又は下のいずれかに表示される。 従って、第1の位置と第2の位置の、表示される歯の画像の向きのどのような差異も容易に比較できる。 位置の差異は、ある期間にわたる第1のブレースの治療効果を示す。
    【0048】
    好ましくは、第1の位置と第2の位置の、表示される歯の画像の向きのどのような差異もコントラストをなして見え、第1のブレースの効果の視覚的識別が容易になる。 例えば、画像中のコントラストは、モニター、スクリーン、又は印刷されたコピー上で色のコントラストとして見えてもよい。 この実施例では、第1の位置にある模型の歯の画像は赤色に見え、第2の位置にある模型の歯の画像は緑色に見えてもよい。
    【0049】
    別の代替として、画像中のコントラストは、第1の位置にある時と第2の位置にある時の歯の表面を表すのに使用されるシェーディングの種類における差異として見えてもよい。 この実施例では、画像の表面が、第1の位置にある歯では一連の斜線を、第2の位置にある歯ではクロスハッチ模様の線を含んでもよい。 別の代替として、画像中のコントラストは、一方の位置にある歯の周縁では断続線又は赤線、もう一方の位置にある歯の周縁では点線、又は緑線などのように、画像の周縁の外観における差異として見えてもよい。
    【0050】
    追加の代替として、画像中のコントラストは、2つの透明画像、又は半透明画像の重なる部分の結果として見えてもよい。 例えば、1つの画像は半透明な第1の色としてもよく、第2の画像は半透明な第2の色としてもよい。 第1の色および第2の色が重なる場合、第1の色と第2の色の間で色のコントラストを生じる、第3の色が現れる。 同様に、他の方法で、例えば、組み合わされた場合、幾分異なる外観を有する第3のクロスハッチングを作り出す2つの異なるクロスハッチングを使用することにより、同じ効果を実施してもよい。
    【0051】
    図3は、第1の位置および第2の位置にある歯66a、66bの画像を同時に表示した例である。 例示の目的のため、第1の位置にある図3に示される歯66aは、無地の表面として描かれる表面を有するが、第2の位置にある図3に示される歯66bは、点描で描かれる表面を有する。 図3を参照して理解できるように、歯列に沿った歯66a、66bの第1の位置および第2の位置の画像の外観の差異は、非常に明白であり、歯が第2の位置に移動した後の、第1のブレースの治療効果の理解を大変容易にする。 図3に示される位置の差異は、点描される表面と比較して、無地の表面で表されるが、第1のブレースで得られる効果又は結果を強調するため、カラーのコンピュータモニター又はカラーディスプレイ出力の他の形態上に、コントラストをなす色で、ソリッドオブジェクトとして、画像を表示することが現在のところ好ましい。
    【0052】
    図4は、図3に示される歯列弓の歯66aの中間部分全体にわたる側面立面図である。 歯の画像66aは、その第1の位置にある歯を示すが、歯の画像66bは、その第2の位置にある歯を示す。 第1のブレースの効果の理解を容易にすることを所望する場合、好ましくは、コンピュータおよびその対応付けたディスプレイ出力に命令し、歯列弓の歯のうちの任意の1本に対する第1の位置および第2の位置の相対的な差異を示すことができる。 更に、コンピュータおよびその対応付けたディスプレイ出力が、図4の例示的な目的のために選択される基準面以外の、多数の基準面のうちの任意の1つに沿って、歯66aを表示できることが好ましい。
    【0053】
    図3および4に表されるように、第1の位置および第2の位置を同時に示すコントラストをなす画像66a、66bは、治療の経過中は肉眼で見えない歯根の移動を理解する補助として特に有用である。 例えば、選択されるブラケットによりもたらされる少量のトルクは、歯の目に見える部分(即ち、歯冠)の相対的な位置に顕著な差異を作り出さない場合がある。 しかし、同じ歯の歯根に沿った第1の位置と第2の位置との差異が重要な場合がある。 第1の位置と第2の位置の歯の全長を表示することにより、開業医は第1のブレースの効果を容易に評価でき、そのことによって、選ばれるブレースが所望の治療結果を達成する可能性が増大する。
    【0054】
    任意選択的に、ブロック42に示されるように、開業医は選択される第1のブレースとの比較のため、第2の歯科矯正用ブレースを選択する。 選択される第2のブレースは、選択される第1のブレースに幾分類似していてもよく、又は、選択される第1のブレースとは実質的に異なっていてもよい。
    【0055】
    例えば、第1のブレースと第2のブレースには、共に、ブラケットとアーチワイヤとのシステムが含まれ、その場合、第1のブレースと第2のブレースとの唯一の差異は、1つのブラケットの処方の1構成要素である。 例えば、第1組の下顎右第一双頭歯ブラケットは12度のトルクを有する場合があり、第2組の下顎右第一双頭歯ブラケットは17度のトルクを有する場合があるということ以外、第1のブレースと第2のブレースは正確に同じであってもよい。 しかし、また、処方は、回転、アンギュレーション、又は前述の他の態様のいずれかなど、他の態様において異なってもよい。
    【0056】
    更に、第2の歯科矯正用ブレースは、第1の歯科矯正用ブレースとは異なる種類であってもよい。 例えば、第2の歯科矯正用ブレースは、ポジショナーであってもよく、第1の歯科矯正用ブレースはブラケットとアーチワイヤとのシステムであってもよい。 また、他の組合せおよび変形も可能である。
    【0057】
    また、ブロック44で示されるように、歯の第2の位置を表す1組の電子データも作成される。 歯の第2の位置は、第2の歯科矯正用ブレースが患者の歯に取付けられ、歯が第2のブレースの影響下で第2の(および任意選択的に最終的な)歯の配列に移動した時に見える可能性がある歯の位置を表す。 第2の位置のデータセットは、前述のように第1の位置を表すデータセットの作成に類似の方法で作成できる。
    【0058】
    好ましくは、ブロック44で作成されるデータセットは、ブロック45で示されるようにメモリに記憶される。 更に、ブロック46で示されるように、歯の第2の位置は、任意選択的に表示される。 ブロック45および46は、前述のように、それぞれブロック39および40で示される行為に類似の方法で実施されてもよい。 ブロック47で示されるように、任意選択的に、ブロック33および46で示される個々のディスプレイも同時に示される。 ブロック47に記載される同時表示は、ブロック41を参照して前述の同時表示に類似の方法でコントラストをなす画像で実施される。
    【0059】
    典型的には、ブロック50で示されるように、ブロック40および46で示される第2の歯の位置の個々の表示は、同時に表示される。 結果として、ブロック50に記載される表示は、第1のブレースで治療を受けた時の予測される歯の最終的な位置の視覚的画像、並びに第2のブレースで治療を受けた時の予測される歯の第2の最終的な位置の視覚的画像を含む。 ブロック50に記載される同時表示は、ブロック41を参照して、前述の同時のコントラストをなす画像に類似の方法で、コントラストをなす画像を使用して実施される。
    【0060】
    次いで、ブロック50で表される画像の同時表示から、開業医は、治療の目標を最もよく達成するブレースを選択することができる。 ブロック52は、開業医による選択を表し、キーストロークエントリ入力で、又はコンピュータのカーソルが、選択されるブレースの画像上に位置する時に「クリック」できるマウスを操作することにより、実施されてもよい。 選択されるブレースの認識はメモリに記憶され、好ましくはデータファイル中に保存されるか、又は特定の患者に関する他の情報、例えば、ブロック42および44と関連した前述の様々な情報などの入ったデータファイルと対応付けられる。
    【0061】
    次いで、任意選択的に、コンピュータを使用し、販売者から購入する品目のリストに追加する自動化された方法で、選択されるブレース、又はブレースの構成要素を購入できる。 例えば、ブロック31〜52に記載される、前作業のために開業医が使用するコンピュータは、(例えば、モデムにより)電子工学的に製造業者又は卸売業者のサーバーと対応付けられてもよい。 好ましくは、購入は、選択されるブレースの1つ以上の構成要素に対応するデジタルデータを少なくとも一部使用する、コンピュータで作成される購入オーダー、又はオーダーフォームで実施される。 例えば、購入オーダーは、ブラケットおよび1つ以上のアーチワイヤのリストを含んでもよく、それぞれ一定の処方を有する。 任意選択的に、コンピュータは、最初に開業医の現存の在庫目録をチェックし、選択されるブレース(又はその構成要素)が手元にあるかどうかを決定し、答えが肯定である場合は、患者に使用するそのようなブレースに目印を付けるようにプログラムされてもよい。
    【0062】
    或いはまた、歯の第1の位置は、歯科矯正処置の最初の又は中間の段階で見える可能性がある歯の向きを表してもよく、歯の第2の位置は、歯科矯正処置の次の中間段階中に、又は歯科矯正処置の最終的な段階又は完了した段階で見える可能性がある歯の向きを表してもよい。 この実施例では、開業医は、患者の歯に取付けられた場合の一定の歯科矯正ブレースの効果を研究すること、およびそのブレースの結果としての歯の移動を観察することに関心がある場合がある。 この実施例では、第2の歯科矯正用ブレースの選択は任意選択的であるが、2つの異なるブレースの相対的な効果を比較する目的のためにも望ましい場合がある。
    【0063】
    前述の段落は、歯科矯正用ブレースの処方を選択する方法および装置の例を記載した。 以下の段落では、開業医による検討のため選択されるブレースの処方に従って、最終的な歯の位置を決定する1つの方法の実施例を記載する。 最終的な歯の位置を決定するため、各歯に、およびアーチフォームに幾何学的基準が最初に設定される。 これらの幾何学的基準から、視覚的な歯列および咬合が作成される。
    【0064】
    歯の幾何学的基準の設定この節では、歯に座標系を付けることを記載する。 歯は、本来、複雑な幾何学的形状を有し、歯の外側表面(唇側表面など)は、通常、単純なカーブの形状を有していない。 代わりに、歯の表面の様々な位置に接近するにつれ、半径は、典型的には、変化する。
    【0065】
    この節に記載される座標系は、近心−遠心面で接し、咬合−歯肉面で接し、所与の周縁上の2つの面に垂直である。 選択される周縁は、非常に小さいか、又は比較的大きいものとすることができる。 例えば、周縁は、0.0001インチ(0.0025mm)とすることができるか、或いはまた、ブラケットベースのサイズと同等とすることができる。 別の選択肢として、周縁はこれら2つの値の間の任意の値、又は更に大きい値、若しくは更に小さい値とすることができる。
    【0066】
    図5〜7は、歯の幾何学的基準の作成のためのコンピュータプログラムのフローチャートを表す。 中心点、又は「BSC」がプログラムに入力されると、コンピュータプログラムは自動的に座標軸系を作成する。
    【0067】
    表1は、以下の段落に記載される様々な省略の定義を記載する。
    【0068】
    【表1】

    【0069】


    歯の模型の幾何学的基準を作成する方法は、ブロック90に示されるように、BSC点、又はブラケットスロット中心点の作成によって始まる。 BSC点は、ブロック32と関連する前述の歯の模型および表面など、歯の模型の表面、又は表面の近くに設定される。 BSC点は、以下の幾何学的基準の中心である。 ブラケットが、ローレンスF. アンドルーズ(Lawrence F.Andrews)博士により記載される技術などの、任意の歯科矯正技術により記載される歯の表面の理想的な場所に取付けられる時、BSC点はブラケットの中心とすることができる。 或いはまた、BSC点は、意図的に置き間違えたブラケットの中心とすることができる。 従って、下記の方法を実施するため、ブラケットを歯の表面の特定の「理想的な」場所に置く必要はない。 例示的なBSC点は、図8に参照符号90で示される。


    【0070】


    次に、ブロック92で示されるように、BSCL軸が作成される。 BSCL軸は歯の長軸と同じであり、図8および9に参照符号92で示される。 続いて、ブロック94で示されるように、LL中心面、又は唇側−舌側の中心面が作成される。 LL中心面は、BSCL軸を延ばすことにより作成される(即ち、BSCL軸は、LL中心軸にある)。 LL中心面は、模型の歯が舌側部分および唇側部分に分割されるような向きになっている。 LL中心面は、図10に参照符号94で示される。


    【0071】


    次いで、MD中心面は、ブロック96で示されるように作成される。 MD中心面は、LL中心面に垂直な向きに、BSCL軸を延ばすことにより作成される。 MD中心面は、模型の歯を近心部分と遠心部分に分割する。 MD中心面は、図10に参照符号96で示される。


    【0072】


    次いで、ブロック98に記載されるように、BSCL面、又はブラケットスロット中心線の面が作成される。 BSCL面は、BSC点を通り、BSCL軸に平行であり、BSC点を直接取囲む模型の歯の表面にほぼ垂直な向きに作成される。 BSCL面は、図10に98と表記される。


    【0073】


    BSCL面は、MD中心面に対して「AL1」と表記される角度の向きになっている。 角度AL1は、図10に参照符号99で表記される。 後の計算で、模型の歯の、隣接する所望の表面領域に正確に垂直な向きにこの角度を補正する。


    【0074】


    次いで、ブロック100で示されるように、BSCL近心および遠心オフセット面が作成される。 BSCL近心および遠心オフセット面は、BSCL面に平行であり、SOと表記される距離だけオフセットしているか、又は短軸からオフセットしている。 BSCL近心および遠心オフセット面は、各々、図10に参照符号100で示される。 図10は、各場合の距離SOを表す。


    【0075】


    次いで、ブロック102に記載されるように、0T軸、又はゼロトルク軸が作成される。 0T軸は、BSC点を通り、BSCL面に垂直である。 0T軸は、図10に参照符号102で表記される。 次に、図6に示されるように、0T BSC面は、ブロック104で示されるように作成される。 0T BSC面は0T軸を通り、BSC点にすぐ隣接して取囲む、模型の歯の表面にほぼ垂直である。


    【0076】


    0T BSC面は、図9に104と表記される。 0T BSC面は、BSCL軸に対してAS1と表記される角度の向きになっている。 角度AS1は、図9に参照符号105で表記される。 後の計算で、角度AS1を所望の歯の表面領域に対し、正確に90度の角度に、又は垂直に補正する。


    【0077】


    続いて、ブロック106に記載されるように、BSCL咬合および歯肉オフセット面が作成される。 BSCL咬合および歯肉オフセット面は、0T BSC面に平行であり、LOと表記される距離だけオフセットしている。 BSCL咬合および歯肉オフセット面は、図8に参照符号106で表記される。 図9は、各場合のオフセット距離LOを表す。


    【0078】


    次に、ブロック108に示されるように、BSCLO点が作成される。 BSCLOは、模型の歯の表面、BSCL面およびBSCS咬合オフセット面の交点に位置する。 BSCLO点は、図8および9に参照符号108で表記される。


    【0079】


    続いて、ブロック110で示されるように、BSCLG点が作成される。 BSCLG点は、模型の歯の表面、BSCL面およびBSCS歯肉オフセット面の交点に位置する。 BSCLG点は、図8および9に参照符号110で識別される。


    【0080】


    次いで、ブロック112に示されるように、BSCSD点が作成される。 BSCSD点は、模型の歯、OTBSC面およびBSCL遠心オフセット面の交点に位置する。 BSCSD点は、図8に参照符号112で表記される。


    【0081】


    次いで、ブロック114に記載されるように、BSCSM点が作成される。 BSCSM点は、模型の歯の表面、OSBSC面およびBSCL近心オフセット面の交点に位置する。 BSCSM点は、図8に参照符号114で識別される。


    【0082】


    次に、ブロック116に記載されるように、等辺三角形BSCLが作成される。 三角形BSCLは、BSC面上にある。 三角形BSCLの第1の辺は、BSCLO点(108)からBSCLG点(110)まで延びる。 三角形BSCLの第1の辺の長さは、LOの距離の2倍である。 三角形の第2の辺と第3の辺は長さが等しく、模型の歯の内側の共通点で交わる。 図9および10に表されるように、この共通点は、BSCLP点117と表記される。


    【0083】


    続いて、ブロック118で示されるように、BSCLP線が作成される。 BSCLP線は、BSCLP点117からBSC点90まで延びる。 BSCLP線は、図9に参照符号118で識別される。


    【0084】


    次いで、ブロック120で示されるように、角度寸法AS2が作成される。 角度AS2は、BSCLP線および0T BSC面のBSC面への投影から測定される。 角度寸法AS2は、図9に参照符号120で示される。


    【0085】


    ここで、図7を参照すると、ブロック122に記載されるように、その後、等辺三角形BSCSが作成される。 等辺三角形BSCSは、0T BSC面にある。 この三角形の第1の辺は、BSCSM点(114)からBSCSD点(点112)まで延びる。 第1の辺の長さは、SO距離の2倍である。 三角形の第2の辺および第3の辺は長さが等しく、模型の歯の内側の共通点で交わる。 この新しい点は、図10に123と表記されるBSCSP点として識別される。 また、図10は、122と表記される等辺三角形BSCSを表す。


    【0086】


    次に、ブロック124に記載されるように、BSCSP線が作成される。 BSCSP線は、BSCSP点(123)からBSC点(90)まで延びる。 BSCSP線は、図10に参照符号124で表記される。


    【0087】


    次いで、ブロック126に記載されるように、角度寸法AL2が作成される。 角度AL2は、BSCSP線(124)およびBSC面の0T BSC面(104)への投影から決定される。 角度AL2は、図10に数字126で識別される。


    【0088】


    図7のブロック128は、エラーを補正するコンピュータプログラムが取る段階を表す。 ブロック130では、プログラムは、角度AL2がゼロ度に等しいかどうかを決定する。 答えが肯定の場合は、ブロック132に記載されるように、コンピュータは、角度AS2がゼロ度に等しいかどうかを決定する。 しかし、角度AL2がゼロ度に等しくない場合、ブロック134に示されるように、角度AL2の値を角度AL1の値に加えることにより、角度AL1を補正する。 次いで、コンピュータは、ブロック132に記載されるように、角度AS2がゼロ度に等しいかどうかを決定する。


    【0089】


    角度AS2がゼロ度に等しくない場合、ブロック136に示されるように、角度AS1は補正される。 角度AS1を補正するため、角度AS2の値は、角度AS1の値に加えられる。 次に、ブロック138で示されるように、コンピュータは、角度AL2がゼロ度に等しいかどうかを決定する。 角度AL2がゼロ度に等しくない場合、コンピュータは、ブロック134で示される段階に進み、前述の角度AL1を補正する。


    【0090】


    ブロック128を通して、AL2およびAS2が共に等しい場合は、プログラムはブロック140に進み、そこで、歯の位置決めをする座標系BSCが作成される。 BSC座標系は、図11〜13に表される。 この座標系の中心は、BSC点(90)に位置する。 Y軸は、BSCLO点およびBSCLG点で形成される線に平行であり、歯肉に向かう方向が、正の方向として定義される。 Z軸は、BSCLO点、BSCLG点、BSCSD点、およびBSCSM点によって形成される面に垂直である。 Z軸では、舌側に向かう方向は、正の方向として定義される。 BSC座標系のX軸は、Y軸およびZ軸を使用する右手の法則に従うことにより決定される。


    【0091】


    アーチフォームの幾何学的標準の作成この節では、アーチフォームに座標系を付けることを記載する。 例えば、歯科矯正用アーチワイヤは、多年にわたり開発された、標準化した形状に従って販売されることが多い。 アーチフォームは、典型的には、中点のどちら側でも対称的な滑らかなカーブとして見えるが、アーチフォームの曲率の半径は、典型的には、アーチフォームの長さに沿って変化する。


    【0092】


    この節に記載される座標系は、近心−遠心面のアーチフォームに接しており、所与の周縁上の咬合面に平行および垂直である。 選択される周縁は、非常に小さいか、又は比較的大きい場合がある。 例えば、周縁は、0.0001インチ(0.0025mm)とすることができるか、或いはまた、ブラケットスロットの近心−遠心幅に等しくすることができる。 別の選択肢として、周縁は、これら2つの値の間の任意のサイズとすることができる。


    【0093】


    図14〜15は、アーチフォームの幾何学的基準の作成用のコンピュータプログラムのフローチャートを表す。 コンピュータプログラムは、座標系を自動的に作成するが、その一例を図17に示す。


    【0094】


    アーチフォームの幾何学的基準を作成する方法は、アーチフォームの選択で始まる。 アーチフォームは、ブロック150で示されるように、一般的な、又は普通のアーチフォームのライブラリから選ばれてもよい。 例えば、アーチフォームの形状は、3Mユニテック社(3M Unitek Corporation)により販売される「オーソフォーム(Ortho Form)」ブランドのアーチワイヤの形状に等しくてもよい。 一例として、開業医は、アーチフォームのライブラリから一般的なアーチフォームを選択し、治療の終了時に患者の歯を所望の位置に最も良く移動させるアーチフォームを選ぶように試みてもよい。


    【0095】


    別の選択肢として、ブロック152で示されるように、アーチフォームは、アーチフォームをスケーリングすることにより作製されてもよい。 この選択肢では、一般的なアーチフォームの形状は、開業医が所望する形状に到達するまで、1つ以上の基準軸に沿って拡大されるか、又は縮小される。 アーチフォームのスケーリングは、多数の方法のうちの任意の1つで実施されてもよい。 例えば、患者のアーチフォームの模型は、一定の基準点で作製および測定されてもよく、次いで、スケーリングされたアーチフォームが、治療の終了時に、弛緩されると一定の予測される形状になるまで、一般的なアーチフォームを必要に応じてスケーリングすることができる。 任意選択的に、アーチフォームは、単一のアーチフォームからスケーリングされてもよく、又は、アーチフォームのライブラリが入ったデータファイルに保存される、多数の一般的なアーチフォームのうちの1つからスケーリングされてもよい。


    【0096】


    別の代替として、患者のアーチ形状を表す電子データ参照し、コンピュータでアーチフォームを作成してもよい。 例えば、前述の手持ち式のカメラを使用して口腔内を走査してもよい。 次いで、治療の終了時に所望の形状のアーチフォームに等しく、ブラケットのイン/アウト寸法に合う形状を有するアーチフォームを選択することにより、最適化したアーチフォームをコンピュータで作成してもよい。


    【0097】


    更に別の代替では、ブロック156で示されるように、別の供給源からアーチフォームを提供してもよい。 別のアーチフォーム供給源の一例は、開業医が作成した注文作製のアーチフォームである。


    【0098】


    ブロック158で示されるように、アーチフォームの表面を表すデータ、又はアーチフォーム表面を少なくとも概ね表すデータがまだ存在しない場合は、それが作成される。 アーチフォームの表面は、ソリッドモデルのデータ、ワイヤフレームデータ、表面を表すデータ、又は点群表面を表すデータにより提供され得る。


    【0099】


    次に、ブロック160で示されるように、AC面、又はアーチの中心面が作成される。 AC面は、アーチフォームの縦軸の中心を通って延び、この面はアーチフォームを咬合部分と歯肉部分に分割する。 AC面は平坦な場合もある。 或いはまた、AC面は、例えばシュペー(Spee)のカーブ、又はシュペー(Spee)のリバースカーブに従うように、曲がっている場合もある。


    【0100】


    ブロック162に記載されるように、その後、AM面、又はアーチ中点面が作成される。 AM面は、アーチフォームを右側と左側に分割する。 例えば、右中央の歯は、AM面の一方の側面にあり、左中央の歯はAM面の反対側にある。


    【0101】


    次に、ブロック164で表されるように、IAFCカーブ、又はアーチフォームの内側のカーブが作成される。 IAFCカーブは、AC面、とアーチフォームの舌側部分との交点に位置し、図16の数字164によって示される。 IAFCカーブは、AM面によって右側および左側に分割される。 曲線のゼロ位置は、右側および左側の交点に位置する。


    【0102】


    ブロック166は、四分円に座標系を付けることの開始を表す。 アーチフォームに座標系を付けることは、4つの四分円全てについて同一である。 以下の段階では、説明の目的のため、下顎右四分円に関する座標系の作成を記載する。


    【0103】


    ブロック168に示されるように、アーチワイヤ寸法が決定される。 「WW」の用語は、咬合−歯肉方向でのアーチワイヤの幅のことを言う。 「WR」の用語は、アーチワイヤのコーナーの半径を表す。 「WH」の用語は、舌側−唇側方向でのアーチワイヤの高さを表す。 図19は、WWおよびWHの測定を表す。


    【0104】


    アーチワイヤの寸法(WW、WRおよびWH)は、任意の好適な手段で決定されてもよい。 例えば、ブロック150に示されるように、アーチフォームが市販のアーチフォームから選択される場合、アーチフォームの寸法は、メモリに保存されてもよい。 アーチフォームがスケーリングにより作成される(ブロック152に記載のように)か、又は走査したデータから作成される(ブロック154に記載のように)場合、開業医は、開業医の過去の診療、および考慮中の患者に対して期待される治療に基づいて、アーチワイヤ寸法をコンピュータに入力することを選んでもよい。


    【0105】


    次に、ブロック170に記載されるように、寸法AWW、又はアーチワイヤスロット幅が決定される。 AWW寸法は、図19に説明の目的で示される。 例えば、歯科矯正用器具が市販の器具のライブラリから選択される場合、AWW寸法は、メモリ記憶装置によって提供されてもよい。 別の選択肢として、開業医は、治療で使用することを意図された好ましい器具に従って、AWW寸法をコンピュータに入力することを選んでもよい。


    【0106】


    ブロック172に示されるように、その後、表現角度(expression angle)、又は「EA」を計算する。 EAは、図19に表され、参照符号172で表記される。 EAは、アーチワイヤが最大の程度まで回転し、アーチワイヤスロットの端部と接触する時の、アーチワイヤスロットの1つの壁とアーチワイヤの一側面との間の角度である。 アーチワイヤがアーチワイヤスロットに完全に設置される場合、EAはゼロに等しい。 アーチワイヤがアーチワイヤスロットを実質的に満たす場合、EAはゼロか、又はゼロに近い場合がある。


    【0107】


    次に、ブロック174で示されるように、各歯の幅が測定される。 歯の幅は、BSC面に垂直に測定される場合の、歯の近心−遠心の最大幅である。 歯の幅は、TW1からTW8まで(TW8を含む)として識別される。


    【0108】


    次いで、ブロック176に記載されるように、TC(n)点が作成される。 TC(n)点は、アーチフォーム上の歯の中心の場所である。 TC(n)点は、IAFCカーブの長さに沿って測定され、点の場所に関する寸法は、TW(n−1)/2+TW(n)/2に等しく、ここでnは、歯1〜8の番号である。 TC(n)点は、図17および18中の参照符号176で表記される。 図17は、図16に示されるアーチフォームの一部の拡大である。


    【0109】


    次に、ブロック178に記載されるように、TC(n)を中心とし、中心の垂線を有する、等辺三角形が作成される。 ブラケットの付着がシュミレートされる場合、三角形の辺の長さは、歯とアーチフォームとの間の相互作用幅を表す。 辺の幅は、ブラケットスロットの近心−遠心幅に等しく、点MA(n)およびDB(n)はIAFCカーブと一列に整列し、三角形の第1の辺は、点MA(n)からDB(n)までである。 点CL(n)は、三角形の第2の辺と第3の辺との交点に位置する。 等辺三角形の中心線は、点CL(n)から点TC(n)までであり、この線は三角形の第1の辺に垂直である。 中心線から点MA(n)およびDB(n)までの距離は、この辺の長さの半分である。 TC(n)を中心とする等辺三角形は、図17に参照符号178で表記される。


    【0110】


    ブロック180で示されるように、その後、IO(n)オフセット線が作成される。 IO(n)オフセット線は、等辺三角形の第1の辺に平行であり、IOD(n)の距離にある。 IO(n)オフセット線は、図17および18に参照符号180で示される。


    【0111】


    次に、ブロック182に記載されるように、TAR(n)座標系が作成される。 TAR(n)座標系は、図17に数字182で示される。 この座標系のZ軸は、等辺三角形の垂線に沿っており、舌側方向に延びる。 この座標系のY軸は、等辺三角形の垂線とIO(n)線に垂直である。 Y軸は、歯肉方向に延びる。 X軸は、右手の法則に従って、YおよびZ軸から決定される。


    【0112】


    ブロック184に示されるように、その後、ブラケット処方の一定の態様が提供される。 これらの態様には、ブラケットのアンギュレーション又は「BA(n)」、ブラケットのトルク又は「BT(n)」、ブラケットの回転又は「BR(n)」、およびブラケットのイン−アウト寸法又は「BIO(n)」などが挙げられる。 これらの値は、開業医によって入力され得るか、或いはまた、メモリから検索でき、歯によって、様々なブラケットで異なってもよい。


    【0113】


    次に、ブロック186に記載されるように、TARA(n)座標系が作成される。 TARA(n)座標系は、Z軸の周りにTAR(n)座標系をアンギュレーション角度BA(n)だけ回転することにより作成される。 Z軸は、TAR(n)座標系とTARA(n)座標系の両方に対して同じである。 TARA座標系は、図17に参照符号186で識別される。


    【0114】


    次いで、ブロック188に記載されるように、このプログラムは、歯の最初のトルク値が正であるか、又は負であるかを決定する。 アーチワイヤスロットの幅は、アーチワイヤの幅より大きく、その結果、治療の始めに歯を正のトルク値の向き、又は負のトルク値の向きのいずれかに向いていてもよい。 歯が最初に正のトルク値を有する場合、「TS」の値は1であり、歯が最初に負のトルク値を有する場合、「TS」の値は−1である。 続いて、ブロック190に記載のように「ET(n)」トルク値が計算される。 ET(n)は、歯nに対する表現トルク(expression torque)であり、ブラケットのトルク(BT(n))に、トルク値(TS(n))と表現角度(expression angle)(EA)の積を加えた合計に等しい。


    【0115】


    次に、ブロック192に記載されるように、TART(n)座標系が作成される。 座標系TART(n)およびTARA(n)座標系は同じX軸を共有するが、TART(n)座標系は、TARA(n)座標系のX軸の周りに、表現されるトルク角度(ET(n))だけ回転される。 TART(n)座標系は、図17に192と表記される。


    【0116】


    次いで、ブロック194に記載されるように、TARR(n)座標系が作成される。 TARR(n)座標系およびTART(n)座標系は共通のY軸を共有する。 しかし、TARR(n)座標系は、TART(n)座標系のY軸の周りに、回転角度(BR(n))だけ回転される。 TARR(n)座標系は、図17に参照符号194で識別される。


    【0117】


    次いで、プログラムは、「n」値が四分円の最後の歯を表すかどうかを決定する。 答えがいいえの場合、ブロック198に記載のように、nの値は1だけ増加し、プログラムはブロック176に戻る。 しかし、nの値が四分円の最後の歯を表す場合、プログラムは、ブロック200で示されるように、その四分円に対する幾何学的基準が完了したことを認識する。


    【0118】


    仮想歯列および咬合の作成この節は、模型の歯がその最終的な位置にあるように見えるように、アーチフォームに模型の歯を付けることを記載する。 また、この節では、模型の歯を互いにスーパーインポーズすることも記載し、スーパーインポーズされた画像に示される同じ模型の歯の向きの差異は、他と比較した1つの処方の効果の差異の結果である。 また、この節は、上顎アーチフォームと下顎アーチフォームを互いに咬合させる任意選択的な方法、および選択した所望の最終的な位置に歯を位置決めするようにブラケットを自動的に選択する方法を記載する。


    【0119】


    スーパーインポーズされるディスプレイ中で得られる模型は、治療の終了時に得られる歯の最終的な向きを更に良く理解するための補助として、異なる処方の効果を検討するための効果的な分析技術を提供する。 結果として、そのプログラムは、所望の位置に歯を位置決めするための適正なブラケットおよび/又はアーチワイヤの選択を容易にする。 図20〜22は、仮想の歯列および咬合の作成のためのコンピュータプログラムのフローチャートを表す。 プログラムは、所望のアーチフォームに沿って模型の歯を自動的に位置決めする。


    【0120】


    最初に図20を参照すると、ブロック210に記載されるように、プログラムのこのセクションは、幾何学的基準を有する歯の模型で始まるが、それは、前述のブロック140に到達する時に、このプログラムで以前に得られたものである。 また、このセクションは、ブロック212に記載されるように、幾何学的基準を有するアーチフォームを使用して始まるが、それは、このプログラムが前述のブロック200に到達した時、以前に得られたものである。


    【0121】


    次に、ブロック214に記載されるように、アーチフォーム座標系TARR(n)は、歯の座標系BSC(n)と一列に整列される。 プログラムのこの部分は、歯の模型を、最初に選択された処方から得られる向きのアーチフォームに組み立てる。 BSC(n)に対するTARR(n)の一列の整列は、図23に参照符号214で識別される。


    【0122】


    次に、プログラムは、nが歯列弓の最後の歯であるか否かを決定する。 答えがいいえの場合は、nの値は1だけ増加し、プログラムはブロック214に戻る。 答えがはいの場合は、プログラムはブロック218に進む。


    【0123】


    ブロック218では、干渉値(interference value)又は「TIG(n)」が得られる。 TIG(n)の値が正の場合、これは、歯の間に干渉があることを示す(即ち、仮想の歯が互いに重なる)。 TIG(n)の値が負の場合、これは、仮想の歯の間に間隙があることを示す。


    【0124】


    次いで、ブロック220で示されるように、TC(n)歯の場所の寸法が補正される。 TIG(n)の値が、TC(n)の値に加えられ、TC(n)の新しい値が得られる。


    【0125】


    次いで、このプログラムはブロック222に進み、そこで、このプログラムは、nが最後の歯であるか、否かを決定する。 答えが否定の場合、nの値は1だけ増加し、プログラムはブロック218に戻る。 答えが正の場合は、プログラムはブロック224に進む。


    【0126】


    プログラムがブロック224に到達すると、第1の処方に対する3D模型が完了する。 この時点で、開業医が歯列弓に沿った模型の歯の様々な向きを見ることができるように、任意選択的に、3D模型が表示されてもよい。 模型の歯の位置は、ブラケットおよびアーチワイヤの処方の結果として達せられる。 例えば、模型の歯の位置は、一定のアンギュレーション、トルク、回転、イン−アウト寸法、ブラケット幅、歯の表面のブラケット位置(近心−遠心方向と咬合−歯肉方向の両方)、アーチワイヤサイズ、アーチワイヤスロットサイズ、および歯の開始位置(これらは全て、入力変数としてプログラムに提供され得る)を有するブラケットに対して達成される最終的な位置を表す。


    【0127】


    ブロック224に記載されるように、得られる模型の歯の位置を開業医が検討する結果として、開業医は、1つ以上の入力変数を変更することを選んでもよい。 入力変数の変更は、ブロック226に記載されている。 入力変数は、1つ以上の変数を段階的な方法で変えることにより、徐々に変化する方法で変更され得る。 別の選択肢として、既知の技術に従って構成されるブラケットに通常使用される値などの、既知の処方の値に対応するように入力変数を変えることができる。 周知の技術の例には、マックラーフリン(McLaughlin)博士、ベネット(Bennett)博士、およびトレビシ(Trevisi)博士によって教示されるもの(「MBT」ブランドのブラケットの処方)、ロンロス(Ron Roth)博士により教示されるもの、およびローレンスF. アンドルーズ(Lawrence F.Andrews)博士により教示されるものなどが挙げられる。 更に別の選択肢として、一定の結果を達成するように開業医が選択する方法で、入力変数を変更できる。


    【0128】


    ブロック226に記載されるように、入力変数の変更によって歯の位置が変わる場合、プログラムは、前述の段階を繰返すため、ブロック228からブロック218に進む。 プログラムがブロック228に到達する時に歯の位置が変わらなかった場合、プログラムは図21に示されるように、ブロック230に進む。


    【0129】


    図21に記載されるプログラムのフローチャートは、模型の歯の画像をスーパーインポーズする1つの方法の例を記載するが、そこで、スーパーインポーズされる画像の差異は、異なる処方の結果である。 ブロック230に示されるように、ASM1座標系は、第1のアーチフォーム上に作成される。 ASM1座標系は、IAFC1アーチフォームのカーブのゼロ位置に位置する。 ASM1座標系のX軸は、AC1アーチフォーム面に平行であり、AM1アーチフォーム面に垂直であり、右の方向に延びる。 ASM1座標系のY軸は、AM1アーチフォーム面に平行であり、AC1アーチフォーム面に垂直であり、歯肉方向を指す。 ASM1座標系のZ軸は、右手の法則に従うことにより、導かれる。 ASM1座標系は、図24に230と表記される。


    【0130】


    次に、ブロック232に記載されるように、ASMO1座標系が作成される。 ASMO1座標系は、ASM1座標系からオフセットしている。 オフセットの量は、任意である。 デフォルトとして、例えば、咬合先端部、又は下顎前歯若しくは犬歯の歯根の端部を一列に整列させることができる。


    【0131】


    次いで、ブロック234に示されるように、第2のアーチフォーム上にASM2座標系が作成される。 ASM2座標系は、IAFC2アーチフォームのカーブのゼロ位置に位置する。 ASM2座標系のX軸は、AC2アーチフォーム面に平行であり、AM2アーチフォーム面に垂直であり、右を指す。 ASM2座標系のY軸は、AM2アーチフォーム面に平行であり、AC2アーチフォーム面に垂直であり、歯肉方向を指す。 ASM2座標系のZ軸は、右手の法則に従うことにより、導かれる。


    【0132】


    次に、ブロック236に記載されるように、座標系ASM2は、座標系ASMO1に対して一列に整列される。 この時点で、得られる模型はスーパーインポーズされ、同じ歯に対して処方が異なる結果としての、歯の位置の差異が容易に分かる。


    【0133】


    次に、プログラムはブロック238に進み、そこで、コンピュータにより、最終的な新しい歯の位置が到達されたか否かを決定する。 図22に記載されるように、答えが肯定の場合は、プログラムはブロック242に進む。 答えが否定の場合は、プログラムはブロック240に進む。 ブロック240では、最終的な歯の位置が達成されるまで、ブロック218〜ブロック228に記載される段階が繰り返される。 次いで、プログラムはブロック242に進む。


    【0134】


    図22に記載されるフローチャートは、必要に応じて、前述の表示される歯の模型の画像を開業医が検討する結果として、ブラケット処方をコンピュータで選択する方法を記載する。 新しいブラケット処方を決定するため、プログラムはブロック244に進み、ブロック226に記載される入力変数など、各入力変数で絶対値が使用されたか否かを決定する。 この質問に対する答えが肯定の場合は、ブラケット処方は、ブロック262で示されるように、入力変数に使用されるのと同じ値を含む。 答えが否定の場合は、プログラムはブロック246に進む。


    【0135】


    ブロック246では、新しいEA値が決定される。 次に、プログラムは、ブロック248に進み、そこで、新しいBA(n)角度が決定され、ブラケットアンギュレーション値が得られる。 次いで、プログラムはブロック250に進み、そこで、ET(n)角度が決定される。 ET(n)角度は、ブラケットの新しい表現トルク値(expressed torque value)を表す。


    【0136】


    次いで、プログラムは、ブロック252に進み、そこで、新しいTS(n)値が決定される。 TS(n)値は、新しいブラケット処方に対する歯の開始位置を表す。


    【0137】


    次に、プログラムはブロック254に進み、そこで、新しいBT(n)値、又はブラケットトルク角度が決定される。 BT(n)値は、ET(n)値から、TS(n)値と新しいEA値との積を引いたものに等しい。


    【0138】


    次いで、プログラムは、ブロック256に進み、そこで、BR(n)角度が決定される。 BR(n)角度は、新しいブラケット回転角度を表す。


    【0139】


    続いて、プログラムはブロック258に進み、そこで、新しいIO(n)値が決定される。 IO(n)値は、新しい位置にある新しいブラケットのイン−アウト寸法を表す。


    【0140】


    次いで、プログラムは、ブロック260に進み、そこで、nの値が評価される。 nが、最後の歯の値ではない値を表す場合、nの値は1だけ増加し、プログラムはブロック248に戻る。 nの値が、最後の歯の値に等しい場合、プログラムはブロック264に進む。


    【0141】


    ブロック264では、プログラムは、新しいブラケットの処方を、入手可能な様々なブラケットの処方と比較する。 例えば、入手可能なブラケットには、開業医の在庫目録で、若しくは製造業者の在庫目録で入手可能なブラケット、又は所望される時に製造業者が構成できるブラケットなどが挙げられる。


    【0142】


    次に、プログラムは、ブロック266に進む。 ブロック264で一致が見い出されなかった場合は、プログラムはブロック268に進み、そこで、1つ又は複数の入手可能な最も近いブラケットで得られる結果が、ブロック260に記載される方法の終了時に達成される結果とスーパーインポーズされた関係で表示される。 開業医は、好ましいブラケット処方および入手可能な最も近いブラケット処方で得られる結果を容易に観察し、比較できるため、ブロック268に記載されるように、画像をスーパーインポーズすることは、開業医にとって有利である。 スーパーインポーズされる画像は、考慮中の治療に対し、入手可能な最も近いブラケット処方が満足のいくものかであるか否かを、開業医が決定することを助ける。


    【0143】


    次いで、プログラムはブロック270に進み、そこで、プログラムは、nが最後の歯の値に等しいか否かを決定する。 答えが肯定の場合は、ブロック272に記載されるように、nの値は1だけ増加し、プログラムはブロック266に戻る。 答えが肯定の場合は、プログラムはブロック274に進むが、これは、ブラケットの選択方法が完了したことを示す。 更に、プログラムが、ブロック266に到達した時に、一致が見い出されたと決定する場合、プログラムはブロック270に直接進み、前述の段階に従う。


    【0144】


    ブロック268に記載されるように、スーパーインポーズされる画像の表示は、任意選択的に、他の情報も同様に含むことができる。 例えば、表示は、ブラケット処方に関する数値的情報を含むことができる。 ブラケットのトルク、アンギュレーション、およびスロット幅などの値を、任意選択的に表形式で表示することができる。 このような方法で、2つのブラケット処方を比較した差異を容易に定量化できる。


    【0145】


    好ましくは、スーパーインポーズされる画像は、第1のブレースと第2のブレースの相対的な効果を観察できるように、コントラストをなして見える。 例えば、第1のブレースの画像は、第1の色に見え、第2のブレースの画像は、第1の色とコントラストをなす第2の色に見える。 従って、各歯の歯根、歯冠、又は他の部分の位置の差異を容易に決定できる。


    【0146】


    画像コントラストの他の選択肢も可能である。 例えば、異なる種類のクロスハッチングの使用など、画像のシェーディングは、互いに異なってもよい。 別の選択肢として、平滑に見える画像に隣接する点描画像など、画像のテクスチャが異なって見えてもよい。 別の実施例として、1つの画像は周縁が太線であるが、もう一方の画像は周縁が破線又は点線であるなど、画像の周縁の形状は異なってもよい。 また、他の種類の画像コントラストも可能である。


    【0147】


    また、開業医が、歯科矯正治療の一定の選択された段階中に、一群の器具を用いた歯の位置を視覚的に決定し、これらの結果を歯科矯正治療の前段階中の歯の位置と比較できるように、一群の器具で前述の概念を使用してもよい。 前段階は、治療がはじまる前に見える、歯の最初の位置であってもよい。 別の選択肢として、前段階の歯の画像は、第2、第3のアーチワイヤなどが、又は最終的なアーチワイヤが取り付けられる前の、あるアーチワイヤの終了の時点など、治療の中間段階を表してもよい。 歯科矯正治療では、異なる特性を有するアーチワイヤを、選択される時間間隔で使用するのが普通であり、歯は、最後のアーチワイヤが所定の場所にあり、歯がその最後のアーチワイヤに応答して移動した時まで、最終的な又は完了した位置に移動しなくてもよい。


    【0148】


    前述のように本発明は、製造業者からのカタログリストなど、入手可能なブレース、又はブレースの構成要素のリストから、歯科矯正医が、好ましいブレース、又はブレースの好ましい構成要素を選択することを可能にするのに特に有用である。 しかし、或いはまた、本発明は、注文作製されるブレース構成要素を製造するのに好都合に使用されてもよい。 その場合、好適な処方の最初の推定から処方を最初に選択することにより、次いで、前述の段階を使用して期待される結果を観察することにより、前述の方法を使用してもよい。 必要に応じて、所望の結果が達成されるまで、処方を必要な回数、変更することができる。 次いで、プログラムされた加工機械、又は他の自動製造デバイスを使用して、選択された構成要素を注文作製してもよい。 例えば、このような方法を使用して、ブラケットを注文作製するか、又は、アーチワイヤを注文に応じて曲げることができる。 舌側からの治療に使用する場合、患者の快適さが増すように非常に低プロファイルとなる構成要素を選択することができる。


    【0149】


    他の様々な代替も可能である。 従って、本発明は、前述の具体的な、現在のところ好ましい実施形態に限定されるものと見なすべきではなく、代わりに、前述の公正な特許請求の範囲、並びにそれらの等価物によってのみ限定されるべきである。


    【図面の簡単な説明】


    【0150】


    【図1】本発明の一実施形態による、歯科矯正用ブレースの処方を選択するコンピュータプログラムの全段階を示すブロック図である。


    【図2】患者の上顎歯列弓に取付けられる1種類の歯科矯正用ブレースの一例の正面立面図であり、この場合、ブレースは、多数のブラケット、並びに各ブラケットのスロットに受入れられるアーチワイヤを含む。


    【図3】歯科矯正用ブレースの処方の選択を助けるため、本発明により提供される1種類の情報表示の一例を表す図である。


    【図4】図3の表示に示される画像の一部の拡大側面立面図である。


    【図5】図1に全体的に示されるプログラムの一部の更に詳細なブロック図であり、模型の歯の幾何学的基準の作成に関する。


    【図6】図1に全体的に示されるプログラムの一部の更に詳細なブロック図であり、模型の歯の幾何学的基準の作成に関する。


    【図7】図1に全体的に示されるプログラムの一部の更に詳細なブロック図であり、模型の歯の幾何学的基準の作成に関する。


    【図8】模型の歯の正面立面図であり、図5〜7に記載される座標系の作成の一例を表す。


    【図9】模型の歯の側面立面図であり、図5〜7に記載される座標系の作成の一例を表す。


    【図10】模型の歯の底面図であり、図5〜7に記載される座標系の作成の一例を表す。


    【図11】図5〜7に記載されるプログラムを使用し、個々の歯に対して得られる、結果として得られる例示的な歯の座標系の正面立面図である。


    【図12】図5〜7に記載されるプログラムを使用し、個々の歯に対して得られる、結果として得られる例示的な歯の座標系の側面立面図である。


    【図13】図5〜7に記載されるプログラムを使用し、個々の歯に対して得られる、結果として得られる例示的な歯の座標系の底面図である。


    【図14】図1のプログラムの別の部分の更に詳細なブロック図であり、アーチフォームの幾何学的基準を作成する方法の一例を記載する。


    【図15】図1のプログラムの別の部分の更に詳細なブロック図であり、アーチフォームの幾何学的基準を作成する方法の一例を記載する。


    【図16】ブロック14〜15に記載される方法に従うことにより、アーチフォームに沿った例示的な座標系の構成を表す、アーチフォームの1四分円の立面図である。


    【図17】図16に表されるアーチフォームの一部および座標系のうちの2つの拡大破断図である。


    【図18】図17に表される座標系のうちの1つの一部を示す拡大図である。


    【図19】歯科矯正用ブラケットのスロットに受入れられるアーチワイヤの拡大破断断面図であり、例示的な目的で、一列に整列していない位置へのスロット内のアーチワイヤの移動を表す。


    【図20】図1に表されるプログラムの別の部分の更に詳細なブロック図であり、仮想の歯列および咬合を作成する方法の一例を示す。


    【図21】図1に表されるプログラムの別の部分の更に詳細なブロック図であり、仮想の歯列および咬合を作成する方法の一例を示す。


    【図22】図1に表されるプログラムの別の部分の更に詳細なブロック図であり、仮想の歯列および咬合を作成する方法の一例を示す。


    【図23】アーチフォームおよび単一の模型の歯の斜視図であり、一定の向きのアーチフォームに模型の歯を付けるための座標系の使用の一例を表す。


    【図24】四円分の模型の歯の全てがアーチフォームに組立てられたことを除き、図23に幾分類似した図である。

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