歯内システム及び方法

申请号 JP2013532073 申请日 2011-10-06 公开(公告)号 JP5905012B2 公开(公告)日 2016-04-20
申请人 ファーディーヴィー ゲーエムベーハー; 发明人 ボルグシュルテ,マルクス;
摘要
权利要求

根管の歯内治療のためのシステムであって、 (i)歯内器具と、 (ii)歯内ハンドピースであって、前記ハンドピースに着脱可能に取付けられた前記歯内器具を回転させるためのドライブモーターを有する、歯内ハンドピースと、 (iii)1つ又は複数の所定の回転シーケンスに従って前記歯内器具の回転を制御するための制御ユニットと、を備え、 前記回転シーケンスは、 0.5×Ψ≦α<Ψ且つ3≦α/β≦20 であるように、前記歯内器具を、第1の方向に、引き続き回転方向を反転させて、連続して順次回転させることによって前記歯内器具を往復運動させることを含み、 αは、回転する前記歯内器具が根管から破片を除去する方向の回転度を表し、βは、反対方向の回転角度を表し、Ψは、前記歯内器具が根管から破片を除去する方向に塑性変形が起こる前記歯内器具の弾性角度を表す、根管の歯内治療のためのシステム。0.7×Ψ≦α<0.9×Ψであり、α及びΨは請求項1に規定される通りである、請求項1に記載の根管の歯内治療のためのシステム。4≦α/β≦10であり、α及びβは請求項1に規定される通りである、請求項1又は2に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記制御ユニットは、前記回転シーケンスの1つ又は複数のパラメーターを更に制御し、前記パラメーターは、往復運動周波数(Fr)、往復運動サイクル数(Nr)、及びにファイルに加えられるトルク(Tr)から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記制御ユニットは、前記往復運動周波数(Fr)を5Hz〜30Hzの範囲で制御する、請求項1から4のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。α、β、Fr、Nr、及び/又はTrは、Ψに基づいて予め決定される、請求項1から5のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記歯内器具は、120°〜420°の範囲の弾性角度(Ψ)を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記歯内器具は、NiTi合金を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記歯内器具は、非切削先端を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記歯内器具は、1つ又は複数の螺旋状の溝を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記歯内器具は、先端において0.20mm〜0.35mmの範囲の直径と、前記先端から最初の3mmにわたるテーパーであって、7%〜9%のテーパーの範囲内にあるテーパーと、1.00mm〜1.10mmの範囲の直径D16とを有するか、又は、前記歯内器具は、前記先端において0.35mm〜0.55mmの範囲の直径と、前記先端から最初の3mmにわたるテーパーであって、5%〜7%のテーパーの範囲内にあるテーパーと、1.05mm〜1.15mmの範囲の直径D16と、を有するか、又は、前記歯内器具は、前記先端において0.45mm〜0.65mmの範囲の直径と、前記先端から最初の3mmのわたるテーパーであって、4%〜6%のテーパーの範囲内にあるテーパーと、1.12mm〜1.22mmの範囲の直径D16とを有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。前記ドライブモーターはバッテリー駆動式である、請求項1から11のいずれか1項に記載の根管の歯内治療のためのシステム。根管の歯内治療のためのシステムの作動方法であって、 前記方法は、 0.5×Ψ≦α<Ψ且つ3≦α/β≦20 であるように、歯内器具を、第1の方向に、引き続き回転方向を反転させて、連続して順次回転させることによって前記歯内器具を往復運動させるように、制御ユニットが前記歯内器具を制御することを含み、 αは、回転する前記歯内器具が根管から破片を除去する方向の回転角度を表し、βは、反対方向の回転角度を表し、Ψは、前記歯内器具が根管から破片を除去する方向に塑性変形が起こる前記歯内器具の弾性角度を表す、根管の歯内治療のためのシステムの作動方法。(iv)制御パラメーターが第1の閾値未満であるときに物質を除去するために、第1の回転方向に前記歯内器具を回転させるように、前記制御ユニットが前記歯内器具を制御することと、 (v)前記制御パラメーターが前記第1の閾値以上であるときに前記歯内器具を往復運動させるように、前記制御ユニットが前記歯内器具を制御することと、 (vi)前記制御パラメーターが前記第1の閾値より大きい第2の閾値以上であるときに、前記器具を自由にするために前記第1の回転方向と反対の回転方向にだけ前記歯内器具を回転させるように、前記制御ユニットが前記歯内器具を制御することと、を更に含む、請求項13に記載の根管の歯内治療のためのシステムの作動方法。前記制御パラメーターは、前記歯内器具に印加されるトルクである、請求項14に記載の根管の歯内治療のためのシステムの作動方法。

说明书全文

本発明は、根管の歯内治療のためのシステムに関する。さらに、本発明はまた、根管の歯内治療のためのシステムを動作させるための方法に関する。

根管系の効果的な清掃及び成形は、根管治療の生物学的目的及び機械的目的を達成するために必須である(Sjogren他 1997年)。その目的は、管を充填するための適切な管形状を提供しながら、全ての歯髄組織、細菌、その副産物を除去することである。

伝統的に、根管の成形は、ステンレス鋼手用ファイルの使用によって達成された。しかし、ステンレス鋼手用ファイルを使用する技法は、幾つかの欠点を有する。 1.管を適切に形成するために多数の手用ファイル及びドリルの使用を必要とする(Schilder 1974年)。 2.ステンレス鋼ファイルを用いる手用器具操作(hand instrumentation)は時間がかかる(Ferrazetal 2001年)。 3.ステンレス鋼ファイル手用器具操作技法には、管トランスポーテーション(canal transportation)の発生率の増加がある(Kuhn他 1997年、Reddy及びHicks 1998年、Ferraz他 2001年、Pettiette他 2001年)。 4.最後に、臨床的見地から、狭い管内での手用器具の使用は、特にアクセスが困難である歯において非常に神経質にさせる可能性がある。

さらに、管曲率は、管形成に複雑さを常に導入してきた。「バランスドフォースコンセプト(balanced force concept)」、すなわち、小さな時計方向及び反時計方向の動きが、12年の期間にわたって開発され、1985年にRoaneによって曲率の影響を克服する手段として提案された。バランスドフォース法を使用して、直径の大きな手用器具によって湾曲した管を成形することが可能である。しかし、ステンレス鋼手用器具の使用は、時間がかかり、非常に骨が折れ、形成過誤の頻度が高い。

ニッケルチタン器具による連続回転式形成の開発は、これらの問題の一部を解決したが、異なるステップにおいて幾つかの手用及び回転式のファイルを使用することが依然として必要であり、熟練が達成され得る前に長い学習曲線が存在する場合がある。実際には、NiTi器具は、従来のステンレス鋼ファイルに優る多くの利点を提供する。NiTi器具は、可撓性があり(Walia他 1988年)、増加した切削効率を有し(Kazemi他 1996年)、改善された時間効率を有する(Ferraz他 2001年)。さらに、NiTi器具は、形成中に元の管形状を維持し、根尖孔を移動させる(transport)傾向が小さい(Kuhn他 1997年、Reddy及びHicks 1998年、Ferraz他 2001年、Pettiette他 2001年)。

しかし、これらの技法は、同様に、適切なサイズ及びテーパーに管を拡大するために多数の器具の使用を必要とするため、比較的時間がかかる。

同様に、アクセスが制限された状態で歯の狭い管において非常に神経質にさせるものである可能性がある(例えば、回転式器具を使用する前にグライドパスを生成するための)手用器具の使用が必要とされる。連続回転式NiTiシステムによって、破折のリスクを最小にするためにグライドパスを生成することが必要である。回転式器具の使用中に、器具の先端は、管内で動けなくなる(bind)場合がある。器具の先端が動けなくなっている間、モーターは器具を回転し続けることなる。器具は、その塑性変形限界を超えて回転し、最終的には、特定の回転度で破折することになる。この理由で、連続回転式器具を使用する前に、初期グライドパス又は最小の管拡大を生成することが必要である。グライドパスは、器具の不動化の発生率を最小にし、したがって、破折のリスクを最小にする。

根管を形成するための、往復運動における1つだけのエンジン駆動式器具の使用は、International Endodontic Journal(Yared 2008年)において公表された。その論文は、F2 ProTaper器具の使用を記載している。しかし、往復運動におけるその器具の使用は、2つの欠点を呈した。 1.器具のサイズ、テーパー、及び断面による器具の相対的剛性に関連する繰返し疲労による器具の破折。 2.往復運動においてF2器具を使用する前に、更なる手用ファイルによってグライドパスを生成する必要性。

本発明の課題は、管を拡大するために単一の器具だけが必要とされ、単一ファイルを使用する前に根管を拡大するための手用ファイルは必要とされず、それにより、たとえ狭くかつ湾曲した管でも、適切なサイズ及びテーパーに形成することができる、根管の歯内治療のためのシステムを提供することである。

さらに、本発明の課題は、管を拡大するために単一の器具だけが必要とされ、単一ファイルを使用する前に根管を拡大するための手用ファイルは必要とされず、それにより、たとえ狭くかつ湾曲した管でも、適切なサイズ及びテーパーに形成することができる、根管の歯内治療のための歯内システムを動作させるための方法を提供することである。

したがって、本発明は、根管の歯内治療のためのシステムであって、歯内器具と、歯内ハンドピースであって、該ハンドピースに着脱可能に取付けられた前記歯内器具を回転させるためのドライブモーターを有する、歯内ハンドピースと、1つ又は複数の所定の回転シーケンスに従って前記歯内器具の回転を制御するための制御ユニットと、を備え、前記回転シーケンスは、 0.5×Ψ≦α<Ψ且つ3≦α/β≦20 であるように、前記歯内器具を、第1の方向に、引き続き回転方向を反転させて、連続して順次回転させることによって前記歯内器具を往復運動させることを含み、αは、回転する前記歯内器具が根管から破片を除去する方向の回転角度を表し、βは、反対方向の回転角度を表し、Ψは、αの方向に塑性変形が起こる前記歯内器具の弾性角度を表す、根管の歯内治療のためのシステム、を提供する。

さらに、本発明は、根管の歯内治療のためのシステムを動作させるための方法であって、該方法は、 0.5×Ψ≦α<Ψ且つ3≦α/β≦20 であるように、歯内器具を、第1の方向に、引き続き回転方向を反転させて、連続して順次回転させることによって前記歯内器具を往復運動させることを含み、α、β、及びΨは、上記で規定した通りであり、式内の「×」は、掛け算の数学的演算を示し、及び「/」は割り算の数学的演算を示す、根管の歯内治療のためのシステムを動作させるための方法に関する。

本発明は、往復運動において単一の特定のエンジン駆動式器具だけを使用して、また、従来の手用ファイリングなしで、根管形成を達成することができるという認識に基づく。この新しい概念は、所望の形状が得られるまで、異なるファイル/器具によって管を徐々に拡大することを必要とする現行の教示標準に反する。特に、本発明のシステム及び方法は、破折の発生率を最小にするために、成形器具を使用する前の小型器具によるグライドパスの生成を必要としない。本発明によれば、成形器具は、根管である、抵抗の最も小さい既存でかつ自然なパスに追従することになり、時間節約的であるだけでなく、アクセスが制限された歯において特に好都合である。さらに、機械駆動式器具を使用する前の手用ファイリングの使用に伴う過誤が回避され得る。

本発明による根管の歯内治療のためのシステムの概略図である。

本発明のシステムで使用される歯内器具を示す図である。

本発明に従って使用される歯内器具の弾性角度Ψを決定するための例示図である。

図1は、本発明の一実施形態による根管の歯内治療のためのシステムを示す。システム2は、ハンドピース10と制御ユニット20とを備える。

歯内ファイル11は、ハンドピースヘッド12のチャック内に着脱可能に固定される。ハンドピース10は、コントラアングル13に固着されたドライブモーター14を更に備える。ドライブモーター14は、マイクロプロセッサ9を含む制御ユニット20にケーブル5によって接続される。制御ユニット2は、メモリ1、キーボード6、及びディスプレイ7を更に含むことができる。制御ユニット20はドライブモーター4を制御する。それにより、制御ユニット20は、1つ又は複数の所定の回転シーケンスに従って歯内器具11の回転を制御する。コードレスの実施形態では、制御ユニット20は、ハンドピース10に組み込まれることができ、システムはバッテリー動作式である。好ましい実施形態では、ドライブモーターはバッテリー動作式である。メモリ1は、歯内治療用の所定の回転シーケンス並びに動作パラメーターのライブラリを記憶するために使用することができる。

本発明によれば、マイクロプロセッサ9は、所定の回転シーケンスを実行するように構成される。所定の回転シーケンスは、 0.5×Ψ≦α<Ψ且つ3≦α/β≦20 であるように、歯内器具を、第1の方向に、引き続き回転方向を反転させて、連続して順次回転させることによって歯内器具を往復運動させることを含み、αは、回転する歯内器具が根管から破片を除去する方向の回転角度を表し、βは、反対方向の回転角度を表し、Ψは、αの方向に塑性変形が起こる歯内器具の弾性角度を表す。往復運動において、歯内器具は、最初に切削方向に駆動され、次に、反転して、器具を解放する。本発明によれば、往復運動の角度は、歯内器具及びドライブモーターの設計にとって正確かつ固有である。360°の1つの完全な回転が、幾つかの往復運動で完了する。

代替の実施形態によれば、制御ユニットを、回転シーケンスを制御するために電気エネルギーを必要としない機械的手段として実装することができる。

好ましい実施形態によれば、歯内器具の往復運動は、0.7×Ψ≦α<0.9×Ψであるように制御され、Ψ及びαは上記で規定された通りである。更なる好ましい実施形態によれば、歯内器具の往復運動は、3.5≦α/β≦20、より好ましくは4.0≦α/β≦10であるように制御され、α及びβは上記で規定された通りである。αの方向に塑性変形が起こる歯内器具の弾性角度Ψは、DIN EN ISO 3630−1:2008−04に基づいて決定される。具体的には、弾性トルク限界及び弾性角度を決定するためのテストが、器具に対して実施され、それにより、歯内器具は、先端から3mmに固定され、破折が起こるまで2rpmで回転する。αの方向の回転角度にわたって弾性トルクの関数が記録される。弾性角度値Ψは、図3に示すトルク抵抗テスト中に得られるグラフの解釈によって計算される。具体的には、弾性角度は、図3に示すトルク図に示すように、歯内器具の弾性変形領域の接線と塑性変形領域の接線の交点である。弾性角度値Ψは、制限的な回転角度と考えられることができ、更なる任意の回転は、歯内器具の永久的な塑性変形をもたらすことになる。弾性角度値Ψは、歯内器具の材料及び形状に依存する。

更なる好ましい実施形態によれば、歯内器具は、120°〜420°、より好ましくは150°〜400°、更により好ましくは190°〜390°の範囲の弾性角度Ψを有する。本発明に従って使用される歯内器具用の好ましい材料は、NiTi合金を含む。

更に好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、回転シーケンスの1つ又は複数のパラメーターを更に制御し、パラメーターは、往復運動周波数(Fr)、往復運動サイクル数(Nr)、及びファイルに加えられるトルク(Tr)から選択される。

本発明によれば、Ψの特定の値は、α及びβの限界を決定する。その結果、例えば所与の歯内器具についてΨが240°である場合、回転する歯内器具が根管から破片を除去する方向の回転角度としてのαは、120°から240°未満の範囲にある。αが180°であるように選択すると、反対方向の回転角度としてのβは9°〜60°の範囲にある。本発明によれば、システムの効率が改善されるように、回転シーケンスにおいてαとβとの差を増加させることが好ましい。

さらに、好ましい実施形態によれば、本発明のシステムの制御ユニットはまた、Fr、Nr、及び/又はTrを決定するためにΨを使用することができる。

更に、制御ユニットは、往復運動周波数(Fr)を5Hz〜30Hzの範囲、より好ましくは5Hz〜20Hzの範囲で制御することができる。

図2aは、本発明による好ましい歯内器具の実施形態を示す。これによれば、歯内器具は、1つ又は複数の螺旋状のフルート又は溝(flutes or grooves)を有する。歯内器具100は、器具をハンドピースに固定するための部分と、歯を成形するための切削縁を有する細長いシャフトと、を備える。シャフトの一部分は、歯内器具100の切削縁を形成する螺旋状のフルートを有する作業長を含む。使用時、器具100の作業長は、ドリル(図示せず)等の別の器具を使用して最初に穴をあけられた歯の上部内側部分を通して歯の根管に挿入される。本発明の器具10は、動作動式機器と共に使用するのに適応している。器具100は、根管を清掃し拡大させるために、矢印Aの方向に回転し、及び/又は、矢印Bの方向に往復運動することができる。図2bを参照すると、明確にするために螺旋状構造を排除した器具10の作業長の一部分の断面図が示される。図示する例示的な実施形態では、器具10は、2つのフルート22によって画定された2つの切削縁、及び、切削方向と反対の方向に切削縁から後縁まで延在する2つの周辺フルート表面を有する。

歯内器具は、先端において0.20mm〜0.35mmの範囲の直径と、先端から最初の3mmにわたるテーパーであって、7%〜9%のテーパーの範囲内にあるテーパーと、1.00mm〜1.10mmの範囲の直径D16とを有する器具とすることができるか、又は、歯内器具は、先端において0.35mm〜0.55mmの範囲の直径と、先端から最初の3mmにわたるテーパーであって、5%〜7%のテーパーの範囲内にあるテーパーと、1.05mm〜1.15mmの範囲の直径D16と、を有するか、又は、歯内器具は、先端において0.45mm〜0.65mmの範囲の直径と、先端から最初の3mmにわたるテーパーであって、4%〜6%のテーパーの範囲内にあるテーパーと、1.12mm〜1.22mmの範囲の直径D16とを有する。

更なる実施形態では、本発明のシステムは、根尖ロケーター、歯内器具識別システム、歯髄生死試験機、作業長測定システム、ガッタパーチャカッター、ガッタパーチャコンデンサー、又は光重合ランプ等の更なる歯科デバイスと組み合せることができる。

好ましい実施形態によれば、手用ファイルの従来の使用なしでの、単一ファイル往復運動のための本発明によるシステムは、3つの器具(R25、R40、及びR50)とモーターとを備える。

R25は、好ましくは、先端において0.25mmの直径、及び、先端から最初の3mmにわたる8%(0.08mm/mm)テーパーを有する。D16の直径は1.05mmである。

R40は、先端において0.40mmの直径、及び、先端から最初の3mmにわたる6%(0.06mm/mm)テーパーを有する。D16の直径は1.10mmである。

R50は、好ましくは、先端において0.50mmの直径、及び、先端から最初の3mmにわたる5%(0.05mm/mm)テーパーを有する。D16の直径は1.17mmである。

1つの器具だけが、管の初期サイズに応じて管形成のために使用される。好ましくは、器具は、M−Wireニッケルチタンから作られ、M−Wireニッケルチタンは、従来のニッケルチタンに比べて、優れた可撓性及び繰返し疲労に対する優れた耐性を提供する。好ましくは、器具は、S状断面及び逆行テーパー(regressive taper)を有する。

好ましくは、モーターはバッテリー駆動式である。バッテリーは、充電することができてもよく、モーターは、バッテリーが充電されている間、使用することができる。器具は、好ましくは毎秒約5〜30サイクルの往復運動で、又は通常は毎秒約10サイクルの往復運動で使用される。10サイクルは、約300rpmと同等のものを示す。モーターは、好ましくは、3つの器具について往復運動角度及び速度をプログラムされる。

器具は、切削方向に回転すると、管内を進み、切削するために象牙質に係合することになる。反対方向に回転する(小さな回転)と、器具は即座に脱係合することになる。最終結果は、管内への器具の進行である。その結果、その進行がほとんど自動的であるため、器具に対して非常にわずかな根尖圧だけが必要とされる。角度は、歯内器具に固有であり、器具のねじれ特性、すなわち、αの方向に塑性変形が起こる歯内器具の弾性角度Ψを使用して決定される。

本発明による、根管の歯内治療のためのシステムを動作させるための方法であって、この方法は、 0.5×Ψ≦α<Ψ且つ3≦α/β≦20 であるように、歯内器具を、第1の方向に、引き続き回転方向を反転させて、連続して順次回転させることによって歯内器具を往復運動させることを含む。好ましい実施形態によれば、本方法は、 (i)制御パラメーターが第1の閾値未満であるときに物質を除去するために、第1の回転方向に歯内器具を回転させることと、 (ii)制御パラメーターが第1の閾値以上であるときに歯内器具を往復運動させることと、 (iii)制御パラメーターが第1の閾値より大きい第2の閾値以上であるときに、器具を自由にするために第1の回転方向と反対の回転方向にだけ歯内器具を回転させることと、を更に含むことができる。 好ましい実施形態によれば、制御パラメーターは、歯内器具に印加されるトルクである。

ここで、単一ファイルによって根管を形成する方法が、以下の例によって示される。これによれば、1つの歯内器具だけが通常、往復運動において使用されて管形成を完了し、手用ファイリングは不要である。アクセスキャビティ要件、管に対する直線的なアクセス、及び洗浄プロトコルは、標準的な形成技法用のものと同じである。ゲーツグリッデンドリル又はオリフィスオープナーによって根管オリフィスを拡げることは必要でない。

適切な歯内器具の選択: 適切な歯内器具の選択は、適切な術前X線写真に基づく。管がX線写真上で部分的に又は完全に見えない場合、管が狭いと考えられ、例えば、R25が選択される。他の場合では、X線写真が、アクセスキャビティから根尖まで管を明瞭に示す場合、管は中程度又は広いと考えられる。サイズ30手用器具を、作業長まで(ファイリングアクションはないが、時計を巻く軽い動きによって)受動的に挿入することができる。作業長に達する場合、管は大きいと考えられ、R50を、管形成のために選択することができる。サイズ30手用ファイルが受動的に作業長に達しない場合、サイズ20手用ファイルが、受動的に作業長まで挿入される。作業長に達する場合、管は中程度と考えられ、R40を、その後、管形成のために選択することができる。サイズ20手用器具が受動的に作業長に達しない場合、R25を選択することができる。

(グライドパスを生成しない)ステップごとの形成: 往復運動において、時計方向及び反時計方向の角度は、往復運動の振幅、右方及び左方回転を決定する。これらの角度は、歯内器具が通常(動けなくなった場合に)破折する角度より小さい。往復運動するファイルは、管内で動けなくなると、その固有の破折角度を超えて回転しない。したがって、動けなくなることを最小にするためのグライドパスの生成は、歯内器具について必要とされない。歯内器具の切削効率及び往復運動に伴うセンタリング能力は、器具が装着されておらず(uninstrumented)狭い管を、器具が安全な方法で拡大することを可能にする。

形成を開始する前に、根管の長さが、適切に曝射されかつ角度付けされた術前X線写真を使用して推定される。シリコーンストッパーを、器具の長さの2/3において器具上にセットすることができる。歯内器具は、管から器具を完全に引き抜くことなく、出し入れするゆっくりとしたつつき運動(pecking motion)によって管に導入される。出し入れ運動の振幅は、好ましくは3mm〜4mmを超えるべきでない。好ましくは、非常にわずかな圧力だけが加えられるべきである。器具は、管内を根尖方向に容易に進むことになる。3回の出し入れ運動後か、器具を管内に更に進ませるためにより大きな圧力が必要とされるときか、又は抵抗に遭遇したときに、フルートを清掃するために管から器具を引き抜くことができる。#10ファイルは、推定される作業長の2/3までの開存性をチェックするために使用することができる。管を、好ましくは大幅に洗浄することができる。

歯内器具は、好ましくは、推定される作業長の2/3に歯内器具が達したと器具上のストッパーが示すまで使用される。器具を、その後、管から抜去することができ、管を、好ましくは洗浄することができ、長さを決定するために、#10ファイルを使用することができる。歯内器具を、その後、作業長に達するまで同じ方法で再使用することができる。作業長に達するとすぐに、歯内器具は管から引き出される。歯内器具はまた、広い管の側壁に接したブラッシング運動において使用され得る。歯内器具は、形成を完了するために作業長まで使用されることになる。

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