歯科治療のための液体噴射装置および方法

申请号 JP2012539042 申请日 2010-11-12 公开(公告)号 JP5902096B2 公开(公告)日 2016-04-13
申请人 ソネンド インコーポレイテッド; 发明人 ベルクハイム,ビャーネ; ガリブ,モルテザ; ハクプール,メールザド; ファン,ミシェル; テッブス,リチャード エス.;
摘要
权利要求

高速の液体噴射を歯の洞(cavity)に送るように構成されたチャネルを有する位置決め部材であって、前記位置決め部材は近位端部分および遠位端部分を有し、前記遠位端部分が、前記液体噴射を前記歯の前記洞に向けるように構成される、位置決め部材と、 前記位置決め部材の前記遠位端部分に配置された衝突部材であって、凹面の衝突面を有し、前記高速の液体噴射の動作中に、前記高速の液体噴射が前記衝突面に衝突するように構成された衝突部材と、 前記位置決め部材の前記遠位端部分を貫く複数の開口部であって、前記衝突面の外周のまわりに配置され、前記衝突面に衝突した後の前記液体噴射が当該開口部から流出するように構成された複数の開口部と、 を含み、 前記衝突部材は、前記位置決め部材の前記近位端部部分に向かって度が付けられた又は湾曲した、1つ以上の角度が付けられたまたは湾曲した部分を含み、当該1つ以上の角度が付けられたまたは湾曲した部分は、前記開口部の遠位端よりも遠位側にある、 歯科用器具。前記位置決め部材が、長手軸を有する細長い部材を含み 前記チャネルがチャネル軸を有し、および前記チャネル軸が前記細長い部材の長手軸に実質的に平行である、請求項1に記載の歯科用器具。前記高速の液体噴射が噴射軸に沿って伝搬し、前記噴射軸が、前記チャネル軸または前記細長い部材の長手軸に実質的に平行であるように前記位置決め部材が配置される、請求項2に記載の歯科用器具。前記高速の液体噴射を出するように構成されたノズルをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記ノズルが、前記位置決め部材の前記近位端部分に配置されている、請求項4に記載の歯科用器具。前記液体噴射が前記衝突部材に衝突した後に、前記液体噴射の少なくとも一部分を、前記位置決め部材の前記近位端部分の方へ少なくとも部分的に向けるように、前記衝突面の 前記1つ以上の角度が付けられたまたは湾曲した部分が構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記衝突面の前記1つ以上の角度が付けられたまたは湾曲した部分が、前記衝突面に衝撃を与える前記液体噴射の少なくとも一部分に渦まきまたは循環を与えるように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記衝突部材が、前記液体噴射が衝撃を与えると、液体の噴霧を生じるように構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記液体の噴霧が、第1の方向に向けられた第1の噴霧と、第2の方向に向けられた第2の噴霧とを含み、前記第2の方向が、前記第1の方向とは実質的に異なる、請求項8に記載の歯科用器具。前記液体噴射の動作中に、前記歯にあてがわれ、かつ前記歯の開口部からの流体の逆流を抑止するように構成された逆流制限器であって、少なくとも一部分が、大略、前記位置決め部材の前記近位端部分と前記遠位端部分との間に配置されている、逆流制限器をさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記逆流制限器が、実質的に前記位置決め部材の周りに配置されている、請求項10に記載の歯科用器具。前記逆流制限器が、少なくとも部分的に多孔性であるかまたは少なくとも部分的に吸収性である材料を含む、請求項10または11に記載の歯科用器具。前記逆流制限器が、圧縮可能な材料を含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の歯科用器具。ハンドピースを更に含み、前記位置決め部材が、前記ハンドピースに取り付けられるように構成されている、請求項1から13のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記位置決め部材の前記遠位端部分のサイズおよび形状は、前記複数の開口部を歯髄腔内に配置しつつ、前記遠位端部分を前記歯髄腔に位置決めできる、サイズおよび形状である、請求項1から14のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記位置決め部材および前記衝突部材を有する音響波発生器を更に含み、前記音響波発生器は、歯内に中音場を生成するように構成される、請求項1から15のいずれか1項に記載の歯科用器具。前記音響波発生器は、広範囲の音響周波数にわたる音響パワーを生成するように構成される、請求項16に記載の歯科用器具。前記音響波発生器は、歯内の有機物を歯から引き離すのに十分なパワーを生成するように構成される、請求項16または17に記載の歯科用器具。位置決め部材を有する圧力波発生器を備える歯科治療のための装置であって、 前記位置決め部材の遠位端部分は衝突面を含み、 前記位置決め部材は、高速の液体噴射ビームを出力するための大きさおよび形状を有するオリフィスを備えるノズルを有し、前記液体噴射ビームが前記衝突面に向かうように、前記衝突面に対して配置され、 前記遠位端部分のサイズは、歯内の空洞に入るようなサイズであり、 前記液体噴射ビームがビーム軸に沿って伝搬し、前記ビーム軸に対して実質的に垂直な前記衝突面の部分において前記衝突面に衝突するように構成され、 前記衝突面は、前記位置決め部材の近位端に向かって角度が付けられたまたは湾曲した面を1つ以上含む、 歯科治療のための装置。前記液体噴射のビームは、脱気液体を含む、請求項19に記載の装置。前記衝突面は、大略、凹型形状である、請求項19または20に記載の装置。前記位置決め部材はガイドチューブを含み、該ガイドチューブは、該ガイドチューブの遠位端部分に開口部を有するチャネルを有する、請求項19から21のいずれか1項に記載の装置。前記圧力波発生器は、歯の空洞において少なくともいくらかの液体キャビテーションを引き起こすために十分なエネルギーを出力するように構成される、請求項19から22のいずれか1項に記載の装置。オリフィスと衝突面を備える液体ビーム形成部を有する圧力波発生器であって、前記オリフィスは高速の液体噴射ビームを出力するための大きさおよび形状を有し、前記衝突面は前記オリフィスから離され、前記オリフィスの軸が前記衝突面を通るように配置され、前記衝突面は歯内の空洞に挿入されるように構成されている、圧力波発生器を備える歯科治療のための装置であって、 前記液体ビーム形成部は、前記液体噴射ビームが、前記衝突面の最遠位部分に衝突するように構成され、 前記衝突面は、前記液体噴射ビームの噴霧を、前記衝突面の近くに配置された1つまたは複数の開口部に向けるように構成された十分な剛性を有する材料を含み、 前記衝突面は、大略、前記液体噴射の軸に対して対称に配置される、 歯科治療のための装置。前記液体ビーム形成部は、前記液体噴射ビームが前記衝突面に衝突したときに、歯の空洞において少なくともいくらかの液体キャビテーションを引き起こすために十分なエネルギーを有する液体噴射ビームを形成するように構成される、請求項24に記載の装置。前記軸に沿って延びるチャネルを有し、該チャネルに沿って前記液体噴射ビームを流すことができるガイドチューブをさらに備える、請求項24または25に記載の装置。前記圧力波発生器の周りに配置され、前記歯内の空洞に少なくともいくらかの液体を保持するように構成された流れ制限器をさらに備える、請求項24から26のいずれか1項に記載の装置。前記液体ビーム形成部に結合されたハンドピースをさらに備える、請求項24から27のいずれか1項に記載の装置。前記衝突面は、前記液体ビーム形成部の近位端に向かって角度が付けられたまたは湾曲した面を1つ以上含む、請求項24から28のいずれか1項に記載の装置。前記凹面の衝突面は、前記長手軸に対して実質的に対称である、請求項2に記載の歯科用器具。前記衝突面は、前記液体噴射が前記衝突面の最遠位部分において前記衝突部材に衝突するように、前記歯科用器具に配置される、請求項1から18および30のうちのいずれか1項に記載の歯科用器具。前記高速の液体噴射が、噴射軸に沿って伝搬し、前記噴射軸に対して実質的に垂直な前記衝突面の部分において前記衝突面に衝突するように、前記位置決め部材が構成される、請求項1から18および30から31のうちのいずれか1項に記載の歯科用器具。前記衝突面は、前記位置決め部材の近位端に向かって角度が付けられたまたは湾曲した面を1つ以上含む、請求項29または31のうちのいずれか1項に記載の歯科用器具。前記衝突面は、前記液体噴射ビーム軸に対して実質的に対称に配置される、請求項21に記載の装置。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2009年11月13日出願の米国仮特許出願第61/261,293号(「APPARATUS AND METHODS FOR ROOT CANAL TREATMENTS」)(参照によりその全体が本書に援用され、本明細書の記載の一部としている)の35U.S.C.§119(e)下の利益を主張する。

技術分野 本明細書は、一般的に歯の治療のための方法および装置に関し、より詳細には、歯から有機物を除去するために液体の噴射を使用する方法および装置に関する。

従来の根管処置では、患歯の歯冠にドリルで開口部を形成し、根管系に歯内ヤスリを挿入して根管空間を開け、内部にある有機物を除去する。その後、根管は、ガッタパーチャまたは流動性閉塞材料などの固形物で埋められて、歯が復元される。しかしながら、この処置は、根管空間から全ての有機物を除去するわけではなく、処置後に、感染症などの合併症を生じることがある。そのうえ、歯内ヤスリの動きによっては、先端開口部から根尖周囲組織まで有機物を押し込んでしまう可能性がある。場合によっては、歯内ヤスリ自体の端部が先端開口部を突き抜けることがある。そのような事象は、先端開口部付近の軟組織に外傷をもたらし、処置後合併症を生じる可能性がある。

以下、本明細書の様々な非限定的な態様を、開示の装置および方法の特徴を説明するために提供する。

一態様では、歯科用器具は、高速の液体噴射を歯の洞に送るように構成されたチャネルを有する位置決め部材を含む。位置決め部材は、近位端部分および遠位端部分を有し得る。遠位端部分は、液体噴射を歯の洞に向けるように構成され得る。一実施形態では、位置決め部材は、例えば、ガイドチューブなどの細長い部材を含み得る。

別の態様では、歯科用器具は、歯に適用されるように構成された逆流制限器を含んでもよい。逆流制限器は、液体噴射の動作中に歯の開口部からの流体の逆流を抑止するように構成され得る。逆流制限器の少なくとも一部分は、位置決め部材の近位端部分と遠位端部分との間に配置され得る。

別の態様では、歯の根管の治療方法が説明される。方法は、衝突面を有する衝突部材を、歯から離して、歯の洞に配置することを含む。方法はまた、高速のコヒーレントな平行液体噴射を生成すること、およびこの噴射を、空気によって洞へ向けて、液体が歯の洞に入って、洞の少なくともかなりの部分を満たすようにすることを含む。方法はまた、衝突面に噴射の衝撃を与えること、およびこの噴射を、衝撃を与える前に、洞の少なくともかなりの部分を満たす液体の少なくとも一部分に通過させることを含む。

別の態様では、歯の根管の治療方法を説明する。方法は、ノズルを歯の内部に配置した状態で高速の液体ビームを生成させること、および歯の内部にある流体環境内に配置された衝突面に、高速の液体ビームで衝撃を与えることを含む。

この概要のために、本発明の特定の態様、利点、および新規の特徴を要約する。必ずしも全てのそのような利点が本発明の任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことを理解されたい。それゆえ、例えば、当業者は、必ずしも本明細書で教示または提案したような他の利点を達成することなく、本明細書で教示したような1つの利点または一群の利点を達成するように、本明細書に説明した発明が実施または実行され得ることを認識する。

歯の根管系を概略的に示す断面図である。

高速の液体噴射を生成するように適合されたシステムの実施形態を概略的に示すブロック図である。

液体噴射を歯の一部分に送るようにガイドチューブの実施形態を含むハンドピースの実施形態を概略的に示す側面図である。

高速の液体噴射を送るために使用できるハンドピースの別の実施形態を概略的に示す断面図である。

オリフィスを有するノズルの実施形態を概略的に示す断面図である。

ガイドチューブの実施形態を含むハンドピースの実施形態の遠位端部を概略的に示す側面図である。

ガイドチューブの実施形態を含むハンドピースの遠位端部の実施形態を概略的に示す側面図である。

ガイドチューブの追加的な実施形態を概略的に示す側面図である。

ハンドピース、ガイドチューブ、およびノズルの位置の様々な実施形態を概略的に示す断面図である。

ハンドピース、ガイドチューブ、およびノズルの位置の様々な実施形態を概略的に示す断面図である。

ガイドチューブの実施形態を概略的に示す断面図である。

ガイドチューブの追加的な実施形態を概略的に示す断面図である。

衝突部材の実施形態を概略的に示す斜視図(左側の図)および側面図(右側の図)を含む。

衝突部材の追加的な実施形態を概略的に示す斜視図(左側の図)および側面図(右側の図)を含む。

治療中に歯の流体に渦流を形成するのを支援し得る羽根を含む衝突部材の実施形態を概略的に示す斜視図(図14A)および上面図(図14B)を含む。

治療中に歯の流体に循環を誘発するのを支援するために可撓性部分を含む衝突部材の実施形態の側面図である。

ガイドチューブの遠位端部付近での可変の流体循環を形成するのに役立ち得るガイドチューブの別の実施形態を概略的に示す側面図である。

液体噴射に対して少なくとも部分的に透過性の材料を含む衝突部材の実施形態を概略的に示す。図17Aは、図17Bに示す線A−Aに沿って取った側面図である。図17Cは、図17Dに示す線C−Cに沿って取った側面図である。

ガイドチューブの遠位端部付近に支柱が配置されたガイドチューブの実施形態を概略的に示す斜視図である。

ガイドチューブの実施形態を概略的に示す、斜視図(上の図)、および上の図の線19−19に沿って取った断面図(下の図)をそれぞれ含む。

支柱および/または開口部を含むガイドチューブの様々な実施形態によって生じ得る噴霧の分布の例を概略的に示す上面図である。

湾曲したまたは度を付けられた衝突部材を有するガイドチューブの実施形態を概略的に示す側面図である。

ノズルがガイドチューブの軸に垂直に向けられていないハンドピースの実施形態を概略的に示す断面図である。

液体のストリームを歯の位置にもたらすように構成された液体流チューブを含むハンドピースの実施形態を概略的に示す。

ガイドチューブの実施形態を概略的に示す断面図である。

歯科治療中のハンドピースの使用を概略的に示す。

図面を通して、参照要素間での全体的な対応を示すために参照符号が再使用され得る。図面は、本明細書で説明する例示的な実施形態を示すために提供され、本開示の範囲を限定するものではない。

概要 本明細書は、例えば、歯内処置などの歯科的処置を行うための装置および方法を説明する。説明の装置および方法は、有利には根管の洗浄処置と使用して、例えば、根管系から効果的に有機物および/または無機物を除去し得る。装置および方法は、例えば、虫歯の洗浄処置、歯石および歯垢の除去などの他の歯科治療に使用してもよい。有機材料(または有機物)は、一般に、例えば生きている、炎症性、感染性、疾患性、壊死性、または分解性であるに関わらず、軟組織、歯髄、血管、神経、結合組織、細胞物質(cellular matter)、膿、および生物などの、健康なまたは病んだ歯または根管系に見られる有機物質を含む。無機物は、根管系に存在することが多い石灰化組織および石灰化構造を含む。

一部の実施形態では、説明の装置および方法は、高速の液体の平行ビームを使用して、根管系を洗浄し、歯の表面を洗浄する(例えば、虫歯を治療する)などを行う。高速の液体ビームは、歯および根管系を通って伝搬できかつ象牙質表面および/または解離した歯髄組織から有機物および/または無機物を引き離すまたは分解することができる圧波を発生させ得る。液体ビームおよび/または圧力波は、限定はされないが、音響キャビテーション(例えば、気泡形成および崩壊、マイクロジェット形成)、流体撹拌、流体循環、ソノポレーション(sonoporation)、音化学などを含め、歯に発生し得る様々な効果を引き起こすかまたはそれらの有効性を高め得る。

例えば、本開示の一態様では、歯から有機物および/または無機物を除去する装置は、歯に音響エネルギーをもたらすように構成された圧力波発生器を含む。音響エネルギーは、歯の有機物および/または無機物が周囲の象牙質から引き離されるようにするのに十分とし得る。(必須ではないが)音響エネルギーによって生じた(または高められた)効果が、根管壁、象牙質表面、および/または細管から歯髄組織を剥離させたり、引き離したりする洗浄作用をもたらし、およびそのような組織を小さな片へとさらに砕き得ると考えられている。

一部の実装例では、圧力波発生器は、本明細書で説明する装置の実施形態を含む。例えば、圧力波発生器は、チャネルまたはルーメンを有する位置決め部材(例えば、ガイドチューブ)を含み、液体噴射はチャネルまたはルーメンに沿ってまたはそれを通って伝搬できる。位置決め部材の遠位端部分は衝突面を含み、その面に液体噴射は衝突し、かつその面で向きがそらされて噴射または噴霧にされ得る。位置決め部材の遠位端部分は1個以上の開口部を含み、それら開口部から、そらされた液体が位置決め部材から出て、歯において周囲環境と相互作用するようにできる。一部の治療方法では、位置決め部材の遠位端部分にまたはその付近に配置された開口部は、歯内の液体に沈められる。任意の特定の理論または動作モードに同意することもまたはそれらに限定されることもなく、液体噴射の沈められた部分の流れは、治療用流体内にキャビテーションクラウドを発生させ得る。キャビテーションクラウドの生成および崩壊、および/または衝突面に衝撃を与える噴射は、場合によっては、歯に相当の中音場を発生させ得る。この音場は、歯の根管空間にまた はその付近に、および/または象牙質細管で満たされている象牙質表面内部に、圧力波、動揺(oscillation)、および/または振動を発生させることがある。細管にまたはその付近に形成されたキャビテーション気泡の成長、動揺、および崩壊を含め、別のキャビテーション効果を可能とし得る(例えば、おそらく、細管の表面エネルギーが高い部位において)。これらの(および/または他の)効果によって歯の歯髄腔を効果的に洗浄し得る。一部の実装例では、圧力波発生器は、治療されている所望の歯に対して圧力波発生器を位置するまたは向きを決めるように、患者の口腔内で操作し得るハンドピースまたは携帯型噴射ハウジングに結合され得る。

歯科治療のための装置および方法の例示的な実施形態 図1は、典型的なヒトの歯10を概略的に示す断面であり、歯は、歯肉組織14より上方に延在する歯冠12と、顎骨18内の歯槽(socket)(歯槽(alveolus))にはまっている少なくとも1個の歯根16とを含む。図1に概略的に示す歯10は臼歯であるが、本明細書で説明する装置および方法は、切歯、犬歯、小臼歯、または臼歯などの任意のタイプの歯に使用し得る。歯10の硬組織は、歯10の一次構造を提供する象牙質20と、非常に硬いエナメル層22であって、歯肉14付近のセメント質とエナメル質の境界部15まで歯冠12を覆っているエナメル層22と、セメント質とエナメル質の境界部15の下側にある歯10の象牙質20を覆うセメント質24とを含む。

象牙質20内に歯髄腔26が規定される。歯髄腔26は、歯冠11に歯髄室28と、各歯根16の根尖32に向かって延在する根管空間30とを含む。歯髄腔26は、神経、血管、結合組織、象牙芽細胞、および他の組織および細胞成分を含む軟質の維管束組織である歯髄を含む。歯髄には神経が分布し、歯髄は、歯髄室26および根管空間30の上皮層を通して歯に栄養を与える。血管および神経は、歯根16の根尖32の先端付近にある小さな開口部、根尖孔32を通って、根管空間30に入る/そこから出る。

図2は、歯科的処置に使用するための流体の高速噴射60を発生させるように適合されたシステム38の実施形態を概略的に示すブロック図である。システム38は、モータ40、流体源44、ポンプ46、圧力センサ48、コントローラ51、ユーザインターフェース53、および患者の口腔内の所望の個所に噴射60を向けるように歯科施術者によって操作され得るハンドピース50を含む。ポンプ46は、流体源44から受け取った流体を加圧することができる。ポンプ46は、モータ40によってピストンが作動可能なピストンポンプを含んでもよい。ポンプ46からの高圧液体が、圧力センサ48へ、次いで、例えば、ある長さの高圧チューブ49によってハンドピース50へ供給され得る。圧力センサ48を使用して液体の圧力を検知し、圧力情報をコントローラ51に通信してもよい。コントローラ51は、圧力情報を使用してモータ40および/またはポンプ46の調整を行い、ハンドピース50に送られる流体を目標圧力にすることができる。例えば、ポンプ46がピストンポンプである実施形態では、コントローラ51は、圧力センサ48からの圧力情報に依存してピストンをより早くまたはゆっくりと駆動させるようにモータ40に信号を送り得る。一部の実施形態では、ハンドピース50に送ることができる液体の圧力は、約500psi〜約50,000psi(1psiは、1平方インチ当たり1ポンドであり、約6895パスカル(Pa)である)の範囲内で調整できる。いくつかの実施形態では、約2,000psi〜約15,000psiの範囲の圧力が、歯内処置に特に効果的な噴射を生成することが分かっている。一部の実施形態では、圧力は約10,000psiである。

流体源44は、滅菌水、医療用生理食塩水、消毒液または抗生物質溶液(例えば、次亜塩素酸ナトリウムなどの漂白剤)、化学物質または薬剤を含む溶液、またはそれらの任意の組み合わせを入れる流体容器(例えば、点滴バッグ)を含んでもよい。2つ以上の流体源を使用してもよい。いくつかの実施形態では、流体源44によってもたらされた液体に 、キャビテーションの音響効果を低下させ得る溶解ガスが実質的に含まれていない場合には(例えば、約0.1%容積未満、1リットルの溶液当たり約1mg未満のガス、または他の何らかの値未満)、噴射形成にとって有利である。一部の実施形態では、流体源44は脱気蒸留水を含む。流体源44とポンプ46との間に気泡検出器(図示せず)を配置して、液体内の気泡を検出してもおよび/または流体源44からの液体流が中断されたかどうかまたは容器が空になったかどうかを判断してもよい。流体源44の液体は室温にあっても、または異なる温度まで加熱および/または冷却されてもよい。例えば、一部の実施形態では、流体源44の液体は冷却されて、システム38によって生成される高速噴射の温度を低下させることがあり、これにより、歯の内側の流体の温度を低下または制御し得る。一部の治療方法では、流体源44の液体を加熱することがあり、これにより、治療中に歯に発生し得る化学反応率を増加させ得る。

ハンドピース50は、高圧液体を受け取るように構成され、かつ遠位端部において、歯科的処置に使用するための高速の液体ビームまたは噴射60を生成するように適合され得る。一部の実施形態では、システム38は、液体のコヒーレントな平行噴射を生じ得る(下記でさらに説明する)。ハンドピース50のサイズおよび形状は、患者の口腔で操作しやすいようにし、噴射60を、歯10の様々な部分へ向けたり、またはそれら部分から離れるようにしたりし得るようにする。一部の実施形態では、ハンドピースは、歯10に結合できるハウジングまたはキャップを含む。

コントローラ51は、マイクロプロセッサ、専用または汎用コンピュータ、浮動小数点ゲートアレイ、および/またはプログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。コントローラ51を使用して、例えば、システムの圧力を安全性閾値未満に制限することによっておよび/または噴射60がハンドピース50から流れることができる時間を制限することによって、システム38の安全性を制御してもよい。システム38はまた、関連システムデータを出力するまたはユーザ入力(例えば、目標圧力)を受け取るユーザインターフェース53を含んでもよい。一部の実施形態では、ユーザインターフェース53はタッチスクリーングラフィックディスプレイを含む。一部の実施形態では、ユーザインターフェース53は、液体噴射装置を操作するための、歯科施術者用の制御装置を含んでもよい。例えば、制御装置は、噴射を作動させるまたは停止させる足踏スイッチを含むことがある。

システム38は、追加的なおよび/または異なる構成要素を含んでもよく、図2に示すものとは異なるように構成してもよい。例えば、システム38は、ハンドピース50に結合される吸引ポンプ(または吸引カニューレ)を含んで、口腔または歯10からの有機物の吸引を可能にしてもよい。他の実施形態では、システム38は、高速のビームまたは噴射60を発生させるように適合された空気圧システムおよび/または液圧システムを含んでもよい。また、システム38のいくつかの実施形態は、2001年5月1日発行の米国特許第6,224,378号明細書(「METHOD AND APPARATUS FOR DENTAL TREATMENT USING HIGH PRESSURE LIQUID JET」)、2002年12月24日発行の米国特許第6,497,572号明細書(「APPARATUS FOR DENTAL TREATMENT USING HIGH PRESSURE LIQUID JET」)、2007年10月25日公開の米国特許出願公開第2007/0248932号明細書(「APPARATUS AND METHODS FOR TREATING ROOT CANALS OF TEETH」)、および/または2010年6月10日公開の米国特許出願公開第2010/0143861号明細書(「APPARATUS AND METHODS FOR MONITORING A TOOTH」)で説明された装置およびシステムの実施形態を用いてもよいし、またはそれらの装置およびシステムと同じように構成してもよく、これらの各文献の開示全体を、その教示または開示全てに関し、本書において参照に より援用する。

いくつかの実施形態では、システム38は、約0.01cm〜約10cmの範囲の距離にわたって実質的に平行な(parallel)(例えば、「平行な(collimated)」)ビームを形成する液体噴射60を生成するように構成し得る。一部の実施形態では、噴射の伝搬軸を横断する速度プロフィールは、実質的に一定である(例えば、「コヒーレント(coherent)」である)。例えば、一部の実装例では、噴射速度は、噴射60の外表面(もしあれば)付近の狭小な境界層から離れて、噴射の幅にわたって実質的に一定である。それゆえ、いくつかの有利な実施形態では、歯科用ハンドピース50によって送られる液体噴射60は、コヒーレントな平行な噴射(Coherent Collimated Jet 「CC噴射」)を含み得る。一部の実装例では、CC噴射は、約100m/秒〜約300m/秒の範囲、例えば、一部の実施形態では約190m/秒の速度を有し得る。一部の実装例では、CC噴射の直径は、約5ミクロン〜約1000ミクロンの範囲、約10ミクロン〜約100ミクロンの範囲、約100ミクロン〜約500ミクロンの範囲、または約500ミクロン〜約1000ミクロンの範囲とし得る。本明細書で説明するシステムおよび装置の実施形態によって生成できるCC噴射に関するさらなる詳細は、米国特許出願公開第2007/0248932号明細書に見出すことができ、その全体が、開示または教示する全てに関して、本明細書に参照により援用される。

図3は、歯10の一部分に液体噴射60を送るように構成された位置決め部材の実施形態を含むハンドピース50の実施形態を概略的に示す側面図である。様々な実施形態では、位置決め部材はガイドチューブ100を含む。ハンドピース50の実施形態は、本明細書で説明するガイドチューブ100の実施形態のいずれと使用することもできる。ハンドピース50は、システム38からのチューブ49と係合するように適合された近位端部56を有する細長いチューブ状胴部52を含む。胴部52は、操作者の指および親指によるハンドピース50の把持性を高める形体またはテクスチャー55を含んでもよい。ハンドピース50は、手で持って操作できるように構成できる。場合によっては、ハンドピース50は、患者に対して携帯可能、移動可能、方向付け可能、または操作可能なように構成できる。一部の実装例では、ハンドピース50は、位置決め装置(例えば、操作可能または調整可能なアーム)に結合できるように構成できる。

ハンドピース50の形状またはサイズは、図3(または本明細書に示す他の図面)に示すものとは異なるようにできる。例えば、ハンドピース50は、歯10に結合させることができるハウジングまたはキャップを含むことができる。一部のそのような実装例では、細長いチューブ状胴部52を使用しなくてもよく、歯科施術者は、患者の口腔の所望の個所にハウジングを操作する。

任意選択により、ハンドピース50の遠位端部58に流れ制限器210を配置できる。図示の実施形態では、流れ制限器210は、ガイドチューブ100を実質的に取り囲んでいる。図25を参照してさらに説明するように、流れ制限器210は、歯科治療中に歯10の一部分と接触するように構成してもよく、および治療中に歯からの流体の逆流を制限、阻止、または低減させ得る。

図4および図4Aは、高速噴射60を送るように適合されたハンドピース50の別の実施形態を概略的に示す断面図である。ハンドピース50は、その軸方向に延在する中心通路54を有し、近位端部56においてシステム38からのチューブ49と係合して、通路54がシステム38によって送られた高圧液体と流体連通するように適合されている。胴部52の遠位端部58(図4Aに拡大図を示す)は、ノズルマウント62のネジ山に相補的に係合するように適合されたネジ付き凹部を含み、ノズルマウント62は、ノズル64を保持するように構成されている。ノズルマウント62は、胴部52の遠位端部58にし っかりとねじ込まれ、通路52の遠位端部に隣接してノズル64を固定し得る。図11A〜図11Cを参照して説明するように、ハンドピースの他の実施形態では、ノズル64は、異なる個所に配置できる。

図4Aは、ノズルマウント62に固定されたガイドチューブ100の実施形態を概略的に示す。一部の実施形態では、ガイドチューブ100は、ノズルマウント62と一体的に形成できる。他の実施形態では、ガイドチューブ100は、溶接(例えば、レーザー溶接)、接着剤、締結具などによってノズルマウント62に固定できる。ガイドチューブ100の実施形態は、例えば、金属射出成形、レーザー切断または溶接、微細溶接などを含む様々なプロセスを使用して製造できる。ガイドチューブ100の様々な実施形態を下記でさらに説明する。一部の実装例では、ハンドピース50は、2つ以上の噴射を送るように構成してもよく、一部のそのような実施形態では、2個以上のノズル62および/またはガイドチューブ100をハンドピース50の遠位端部58に配置してもよい。

ノズル64は、オリフィス66が形成された円形の、円盤のような要素を含み得る。ノズル64は、高圧下で変形に抵抗する適切な剛体材料、例えば、金属、セラミック、または合成サファイアまたはルビーなどから作製し得る。ノズル64の実施形態は、例えば、電鋳(ニッケル−コバルト電鋳を含む)、マイクロプランジ放電加工(EDM)、レーザー切断などを含む様々なプロセスによって製造できる。

図示の実施形態では、ノズルマウント62はノズル64を通路54に実質的に垂直に固定するので、通路54中の高圧液体が、オリフィス66を通って流れて、ハンドピース50の胴部52と実質的に同軸である長手噴射軸80に沿って進む非常に平行な流体のビームとして噴出することができる。オリフィス66は、例えば、円形、楕円形、矩形、多角形などの任意の所望の形状を有し得る。オリフィス66は、必ずしも要求されることではないが、実質的にノズル64の中心にある。一部の実施形態では、ノズル64は2個以上のオリフィス66を有してもよく、各オリフィスは液体噴射を放出するように構成されている。一部の実施形態では、ハンドピース50の遠位端部58は、例えば、噴射60の誘導または方向付けを支援するおよび/または吸引をもたらすために、追加的な構成要素を含んでもよい。

ノズル64の様々な態様(例えば、オリフィスの表面仕上げ)を、所望の流体流または噴射特性をもたらすように選択し得る。例えば、様々な実施形態では、オリフィス66から放出された液体噴射は、CC噴射、被摂動面をもった噴射、または流体の噴霧(空気中で測定されるような)とし得る。任意の特定の理論または動作モードに賛同するまたはそれらを必要とすることなく、CC噴射を生成するように構成されたノズル64は、CC噴射を生成しないように構成されたノズル64よりも、高出力の音場(例えば、圧力波)を歯(例えば、象牙質または歯髄腔の液体)に生成すると考えられている。例えば、CC噴射は大きな速度勾配を生じ、それにより圧力勾配が大きくなり、キャビテーションを強くし、高出力の音場を生じ得ると考えられている。それゆえ、一部の治療方法では、根管の洗浄には、CC噴射を生じるように構成されたシステムを使用し、および他の治療方法では、歯の洗浄(例えば、虫歯治療、歯石および歯垢の除去、表面の洗浄など)には、非CC噴射を生じるように構成されたシステムを使用し得る。

異なるタイプの流体ストリーム(例えば、噴射または噴霧)が、少なくとも一部には流れのパラメータ、ノズルの幾何学的形状、オリフィス66の表面品質(またはノズル64の他の表面)などに基づいて、ノズル64および/またはオリフィス66によって生成できる。図5Aおよび図5Bは、オリフィス66を有するノズル64の実施形態を概略的に示す断面図である。ノズルおよび/またはオリフィスは、CC噴射をもたらすように、いくつもの方法で構成できる。例えば、図5Aに概略的に示すように、一部の実施形態では 、比較的先の鋭い、錐体オリフィス66を使用できる。他の実施形態では、他の形状、例えば、円錐形オリフィス、毛管オリフィス、錐体−毛管オリフィスなどを使用できる。矢印72は、液体噴射装置の動作中にオリフィス66を通る流体流の方向を示す。

図示の実施形態では、オリフィス66は実質的に円対称であるが、これは必須ではない。オリフィス66は、必ずしも要求されることではないが、ノズル64の近位面70aに対してある角度をなしている。角度は、約0度(例えば、オリフィスが近位面70aに実質的に垂直である)、約10度、約20度、約30度、約40度、約50度、約60度、または他の何らかの角度とし得る。図5Aおよび図5Bに示すオリフィス66は、長さL1および直径D1を有する実質的にシリンダー状とし得る近位部分68aを含む。オリフィス66は、円錐角αで実質的に円錐状とし得る遠位部分68bを含むことができ、長さL2および直径D2を有することができる。図5Bに概略的に示すように、遠位部分68bが実質的にシリンダー状となるように、円錐角αを約180度とし得る。直径D2は、必ずしも要求されることではないが、直径D1とは異なり得る。例えば、様々な実施形態では、D2は、D1とほぼ同じとし得るが、D2はD1よりも長い、またはD2はD1よりも小さいとし得る。長さL2は、必須ではないが、L1とは異なり得る。例えば、様々な実施形態では、L2はL1とほぼ同じとし得るが、L2はL1よりも長い、またはL2はL1よりも短いとし得る。図5Aおよび図5Bに概略的に示すオリフィスの幾何学的形状は、オリフィス66を流れる液体の速度に比較的急激な変化をもたらし得る。

長さと直径の比L1/D1が約0〜約0.7の範囲の場合、流れは規制され、オリフィスの壁に再接触せず、および比較的長い崩壊長さ(break−up length)のCC噴射を形成し得る。長さと直径の比L1/D1が約0.7〜約4の範囲の場合、キャビテーションが誘発され得る。初めに、ノズル64から出る流れがオリフィス66の壁に再接触すると、流体ストリームはCC噴射とはならない。(ノズル64への入口74付近で)十分に高圧である場合、キャビテーションが入口74付近で発生する可能性がある。キャビテーション領域は成長することがあり、かつ、流れの下流からノズルの出口76まで空気を誘導しかつオリフィス66の壁から液体を分離させるのに十分大きい空気混入領域を形成し、これは、CC噴射の生成を助け得る。他の実施形態では、4超の、長さと直径の比L1/D1を使用できる。

約0〜約0.7の範囲にある長さと直径の比L1/D1を使用する、考えられる利点は、ノズルの損傷の原因となり得るキャビテーションが発生しない可能性があることである。考えられる欠点は、比較的高い圧力に耐えることができる十分に硬質な材料を、ノズル64に使用し得ることである。約0.7〜約4の範囲にある長さと直径の比L1/D1を使用する、考えられる利点は、L1/D1比が大きいと、ノズルの幾何学的形状を広範囲の材料に適合できることである。L1/D1比が高い場合の考えられる欠点は、キャビテーションが、ノズル64を損傷させ、ノズルの使用寿命を短くし得ることである。

必須ではないが、少なくとも約0〜約4の範囲にあるL1/D1比に関しては、ノズルの設計は、円錐角αの影響を比較的受けない可能性があると考えられている。それゆえ、約0度付近の円錐角を使用できる(例えば、オリフィス64は、長さL1およびL2にわたってほぼシリンダー状である)。この場合、オリフィス66は、近位部分68aのみを含み、遠位部分68bは含まないと考えられることがある。他の実施形態では、遠位部分68bのみを使用するため、オリフィス66は実質的に円錐状である。多くの考えられる構成をオリフィス66に使用できる。図5Aおよび図5Bの例は、例示であり、限定を意図するものではない。

例えば、図5Bに概略的に示すように、約180度の円錐角を使用できる。この例では、近位部分68aおよび遠位部分68bの双方とも実質的にシリンダー状であり、遠位部 分68bの直径D2は、近位部分68aの直径D1よりも大きい。他の実施形態では、遠位部分68bの直径D2は、近位部分68aの直径D1よりも小さくし得る。近位部分68aまたは遠位部分68bを実質的にシリンダーに付形することは、好都合にも、オリフィスの製造を簡単にし得る。他の実施形態では、約0度〜約20度、約20度〜約45度、約45度〜約90度、約90度〜約120度の範囲、または他の何らかの範囲の円錐角を使用できる。

ノズル64の様々な実施形態では、オリフィス66は、入口74に直径D1または出口76に直径D2を有し、これらは約5ミクロン〜約1000ミクロンの範囲とし得る。他の直径の範囲も可能である。様々な実施形態では、直径D1またはD2の一方または双方を、約10ミクロン〜約100ミクロンの範囲、約100ミクロン〜約500ミクロンの範囲、または約500ミクロン〜約1000ミクロンの範囲とし得る。様々な他の実施形態では、オリフィスの直径D1またはD2の一方または双方を、約40〜80ミクロンの範囲、約45〜70ミクロンの範囲、または約45〜65ミクロンの範囲とし得る。一実施形態では、オリフィスの直径D1は約60ミクロンである。軸方向長さL1と直径D1の比、軸方向長さL2と直径D2の比、または全軸方向長さL1+L2と直径D1、D2または平均直径(D1+D2)/2の比を、様々な実施形態では、約50:1、約20:1、約10:1、約5:1、約1:1、またはそれ未満とし得る。一実施形態では、軸方向長さL1は約500ミクロンである。場合によっては、軸方向長さL2(または比L2/D2)を、オリフィス66を通る流れが面70cに再接触しないように、選択できる。図5Aおよび図5Bに示す軸方向長さL2、直径D2、または他のパラメータを、加圧流体からの負荷に耐えるようにノズル64が十分な構造剛性を有するように、選択し得る。

図5Aに概略的に示す例示的なノズル64を参照すると、隅部または縁部69の曲率をrで示し、および面70a、70b、および70cの表面粗さをRaで示す。ノズル64の幾何学的形状の比較的急激な変化は、比較的大きな速度変化を誘発し、これにより、比較的規制された噴射をもたらし得る。例えば、面70a〜70cの一部または全てに関する表面粗さRaとオリフィス直径D1の比Ra/D1は、様々な実施形態では約0.01未満、約0.005未満、または約0.001未満とし得る。隅部の曲率半径rとオリフィス直径D1の比r/D1は、様々な実施形態では約0.1未満、約0.05未満、約0.04未満、約0.02未満、または約0.01未満とし得る。面70a、70b、または70cの表面粗さRaは、二乗平均平方根(rms)での表面粗さが約10ミクロン未満、約1ミクロン未満、または約0.1ミクロン未満とし得る。

いくつかの実施形態では、ノズル64(または液体に隣接した表面部分)は、疎水性材料製とし得る。いくつかのそのような実施形態では、疎水性材料の接触角(例えば、固体表面と液体との間に形成された角度)は、約π/2ラジアン未満とし得る。一部の実装例では、ノズル64は、ステンレス鋼またはプラスチック、例えばアクリルなどを含んでもよい。例えば、アルミニウム、銅、またはポリカーボネートなどの他の材料を使用してもよいが、場合によっては、そのような材料で形成されたノズルは、実質的に規制された噴射を生成しないことがある。

図6は、ガイドチューブ100の実施形態を含むハンドピース50の実施形態の遠位端部58を概略的に示す側面図である。図7A〜図7Bは、ガイドチューブ100の実施形態を含むハンドピース100の遠位端部58の代替的な実施形態を概略的に示す側面図である。図示の実施形態では、ガイドチューブ100は、実質的に直線状の細長いシリンダー状チューブを含む。他の実施形態では、ガイドチューブ100は、異なる(例えば、湾曲した)形状、または、異なる断面(例えば、下記の図10A〜図10Fを参照)を有してもよい。一部の実施形態では、ガイドチューブ100は、少なくとも部分的に互いに内部に入って、重なって、または周りに配置され得る複数のチューブを含む(例えば、「入 れ子」構成を形成する)。例えば、ガイドチューブ100は、少なくとも第1のチューブおよび第2のチューブを含み、第2のチューブの近位端部が、第1のチューブの遠位端部内に配置されるように構成されている(例えば、図22Aに示す例を参照のこと)。

図6を参照すると、ガイドチューブ100は、ハンドピース50の遠位端部58に取り付けられ得るまたはそれに隣接して配置され得る近位端部102と、治療中に、治療している歯10の一部分内に、その付近に、またはそこに配置できる遠位端部104を有する。例えば、ガイドチューブ100の遠位端部104は歯10の洞に配置できる。洞は、歯にある自然のまたは人工的な空間、開口部、または空洞、例えば、歯髄室28、根管空間30、歯科開業医などによって歯にドリル穿孔されたまたは形成された開口部などを含み得る。ガイドチューブ100は、ガイドチューブ100の長さの少なくとも一部分に沿って液体噴射60の伝搬を可能にするチャネル84を有する。例えば、液体噴射60は、長手噴射軸80に沿って伝搬し得る。図6および図7A〜図7Bに概略的に示す実施形態では、長手噴射軸80は、チャネル84およびガイドチューブ100の長手軸と実質的に同一線上にある。他の実施形態では、長手噴射軸80は、例えば、チャネル84および/またはガイドチューブ100の軸に対してノズル64のオリフィス66をオフセットさせることによって、チャネル84および/またはガイドチューブ100の長手軸からオフセットし得る。

ガイドチューブ100の様々な実施形態では、チャネル84の断面は、実質的に閉鎖し得る(例えば、ルーメン)(例えば、下記で説明する図10A〜図10Fを参照)。他の実施形態では、チャネル84の断面は、ガイドチューブ100の長さの一部分に少なくとも沿って、部分的に開放し得る。例えば、チャネル84の断面は、全体的にC字形状またはU字形状を有してもよい。実質的に閉鎖したチャネル84を含むガイドチューブ100のいくつかの実施形態の考えられる利点は、噴射が、ガイドチューブ100を通って伝搬するときに、チャネル84の外側にある要素によって崩壊から保護されることである。また、実質的に閉鎖したチャネル84の使用は、治療中に歯髄室26に空気が入り込む可能性を低減し得る。

ガイドチューブ100の近位端部102は、歯科用ハンドピース50の遠位端部58に取り付けることができる。液体噴射60(CC噴射とし得る)は、ハンドピース50から噴射軸80に沿って伝搬でき、ガイドチューブ100のチャネル84を通過できる。一部の実施形態では、ハンドピース50にガイドチューブ100を位置決めしておよび/または方向付けして、噴射軸80をガイドチューブ100のチャネル84の長手軸に実質的に平行に位置合わせし、液体噴射60がチャネルに沿って伝搬しかつガイドチューブの壁に衝撃を与えないようにすると、有利である(下記でさらに説明する場合を除いて)。一部の実施形態では、噴射軸80は、チャネル84またはガイドチューブ100の長手軸からオフセットし得る。

ガイドチューブ100の実施形態のサイズまたは形状は、歯10の、例えば、咬合面、頬面、または舌面上に形成された歯内処置のアクセス用開口部によって遠位端部104を位置決めできるようにし得る。例えば、ガイドチューブの遠位端部104のサイズまたは形状は、遠位端部104を歯10の歯髄腔26、例えば、髄質床付近、根管空間30への開口部付近、または根管開口部内部に位置決めできるようにし得る。ガイドチューブ100の遠位端部104のサイズは、遠位端部104が歯10のアクセス用開口部に入るように、選択できる。一部の実施形態では、ガイドチューブ100の幅は、ほぼゲーツグリッテンドリル(Gates−Glidden drill)の幅とし、例えば、サイズ4のドリルとし得る。一部の実施形態では、ガイドチューブ100のサイズは、ゲージ18、19、20、または21の皮下注射管と同様にし得る。ガイドチューブ100の幅は、約0.1mm〜約5mmの範囲、約0.5mm〜約1.5mmの範囲、または他の何らかの 範囲とし得る。ガイドチューブ100の長さは、ガイドチューブ100の遠位端部104を口腔内の所望の個所に配置できるように、選択できる。例えば、近位端部102と遠位端部104との間のガイドチューブ100の長さは、約1mm〜約50mmの範囲、約10mm〜約25mmの範囲、または他の何らかの範囲とし得る。一部の実施形態では、長さは約18mmであり、これにより、ガイドチューブ100の遠位端部104が、広範囲な歯の髄質床の近傍に達することができるようになる。歯髄室または髄質床を有しない歯(例えば、前歯)の場合、ガイドチューブ100の遠位端部104は、歯10の根管空間に挿入できる。

図6および図7A〜図7Bに概略的に示すように、ガイドチューブ100のいくつかの実施形態は、衝突部材110(本明細書ではデフレクタとも称する)を含み得る。噴射60は、チャネル84に沿って伝搬して衝突部材110に衝突することができ、それにより、噴射60の少なくとも一部分が低速にされ、中断され、またはそらされて液体の噴霧90を生じ得る。噴霧90は、様々な実装例において液体の液滴、ビーズ、ミスト、噴射、またはビームを含み得る。衝突部材110を含むガイドチューブ100の実施形態は、いくつかの歯科治療中に噴射によって引き起こされる可能性がある、考えられる損傷を減らすまたは回避し得る。例えば、衝突部材110の使用は、噴射によって望ましくなく組織を切断するまたは根管空間30に伝搬する(これは、場合によっては、望ましくなく根管空間を加圧し得る)可能性を低減させ得る。衝突部材110の設計(下記でさらに説明する)によって、また、治療中に歯髄腔26に発生し得る流体循環または圧力波を制御できるようにする。

衝突部材110は、歯10の洞に配置してもよい。一部の方法では、衝突部材110は歯10の流体内に配置され、衝突部材110が洞に配置されている間に、液体噴射60が衝突部材110の衝突面に衝撃を与える。液体噴射60は空気または流体中に生成され、場合によっては、液体噴射60の一部分は、歯10の洞内の流体の少なくとも一部(おそらく大部分)を通過してから、衝突部材110に衝撃を与える。場合によっては、歯の洞内の流体は、比較的静的とし得る;他の場合では、歯の洞内の流体は循環し、乱流とし、または高速の液体噴射の速度を下回る(または実質的に下回る)流体速度を有し得る。

一部の実装例では、衝突部材110は使用されず、噴射60は、ガイドチューブ100の部分の実質的な干渉を受けずにガイドチューブ100から出ることができる。一部のそのような実装例では、ガイドチューブ100から出た後、噴射60は象牙質表面に向けられ、そこで、噴射は、象牙質表面に衝撃を与えてまたは衝突して歯に音響エネルギーをもたらし、歯を表面的に洗浄するなどし得る。

ガイドチューブ100は、噴霧90がガイドチューブ100の遠位端部104から出られるようにする開口部120を含み得る。一部の実施形態では、複数の開口部120(例えば、図18〜図20Eを参照)、例えば、2個、3個、4個、5個、6個、またはそれよりも多い開口部を使用できる。開口部120は近位端部106および遠位端部108を有し得る。開口部120の遠位端部108は、ガイドチューブ100の遠位端部104付近に配置できる。開口部120は液体噴射60(および/または噴霧90)を、空気、液体、有機物などを含み得る周囲環境に露出させることができる。例えば、一部の治療方法では、ガイドチューブ100の遠位端部104を歯髄腔120に挿入する場合、開口部120があることによって、歯髄腔26内の物質または流体が噴射60または噴霧90と相互作用できるようにする。衝突部材110に噴射60が衝突することによって、歯10内の流体または物質が噴射60または噴霧90と相互作用することによって、歯髄腔26内で発生した流体循環または撹拌によって、またはこれらの要因(または他の要因)の組み合わせによって、歯10(例えば、歯髄腔26、根管空間30など)に水中音場(例えば、圧力波、音響エネルギーなど)が確立され得る。水中音場は、比較的広範囲の音響周波 数(例えば、約数kHz〜数百kHzまたはそれ以上)にわたる音響パワーを含み得る。歯内の水中音場は、例えば、音響キャビテーション(例えば、気泡形成および崩壊、マイクロジェット形成)、流体撹拌、流体循環、ソノポレーション、音化学などを含む効果に影響を与え、それらを引き起こし、またはそれらの強度を強め得る。必須ではないが、水中音場、前述の効果の一部またはすべて、またはこれらの組み合わせが、歯の有機物を破壊するまたは引き離すように作用し、それにより、効果的に歯髄腔26および/または根管空間30を洗浄し得ると考えられている。

近位端部106と遠位端部108との間の開口部120の長さをXと称する(例えば、図6を参照)。様々な実施形態では、長さXは、約0.1mm〜ほぼガイドチューブ100の全長の範囲とし得る。例えば、図6および図7A〜図7Bは、開口部の長さが異なる3つのガイドチューブの実施形態を示す。一部の実施形態では、長さXは約1mm〜約10mmの範囲である。場合によっては、長さXは、開口部120が歯髄治療中に歯10の腔26内の流体または物質中に沈んだままとなるように、選択される。約3mmの長さXを様々な歯に使用できる。一部の実施形態では、長さXは、ガイドチューブ100の全長の何分の1かである。その比(fraction)は、約0.1、約0.25、約0.5、約0.75、約0.9、または異なる値とし得る。一部の実施形態では、長さXは、ガイドチューブ100の幅またはチャネル84の倍数である。倍数は、約0.5、約1.0、約2.0、約4.0、約8.0、または異なる値とし得る。倍数は、約0.5〜約2.0、約2.0〜約4.0、約4.0〜約8.0またはそれ以上の範囲とし得る。他の実施形態では、長さXは、噴射の幅の倍数、例えば、噴射の幅の5倍、10倍、50倍、または100倍とし得る。倍数は、約5〜約50、約50〜約200、約200〜約1000、またはそれ以上の範囲とし得る。一部の実装例では、開口部120の長さXを、(少なくとも一部は)歯に発生した水中音場が、例えば、歯における1つ以上の音響周波数での所望の音響パワーを含め、所望の特性を有するように、選択できる。

図8A〜図8Cは、ガイドチューブの追加的な実施形態を概略的に示す側面図である。図8A〜図8Cに示すガイドチューブ100の実施形態は、本体130を含み、本体130は、ガイドチューブ100の近位端部102から開口部120の近位端部106まで延在する。図8Aに概略的に示す実施形態では、本体130は孔を全く含まず、本体130の1つまたは複数の壁は実質的に固体である。図8Bおよび図8Cに概略的に示す実施形態では、本体130は1個以上の孔124を含む。孔124は、任意の所望の形状、構成、または本体130に沿った配置を有し得る。噴射60の動作中、比較的高速の噴射60は、任意の孔124を通ってガイドチューブ100のチャネル84に空気を吸い込む傾向を有し得る(存在する場合および周囲流体に沈められていない場合)。空気は、ガイドチューブ100の遠位端部104の方へ噴射60と一緒に進むことができる。一部の治療方法では、吸い込まれた空気は歯髄腔26に入り、歯髄腔は、場合によっては、根管空間30に空気を吸い込み得る。また、吸い込まれた空気は、場合によっては、噴射60によってもたらされた音響パワーまたは流体循環を弱め得る。それゆえ、図8Aに概略的に示すガイドチューブ100の考えられる利点は、本体130に孔がないことによって、治療中にガイドチューブに空気が吸い込まれることを抑止または防止できることである。一部の実施形態では、孔124をガイドチューブ上に使用するが、孔124を開口部120の近位端部106付近に配置して、治療中に、孔が、歯髄腔26に存在する流体に沈められたままとするようにする。他の実施形態では、空気に曝され得る孔124をガイドチューブ100上に使用し、そのような孔124のサイズを、治療中に液体噴射60によってガイドチューブ100に空気を実質的に吸い込まない程度に十分に小さくする。例えば、そのような孔124のサイズは、約300μm未満、約700μm未満、約1000μm未満、または他の何らかのサイズとし得る。

図4および図4Aは、ハンドピース50の遠位端部58付近のノズルマウント62にノ ズル64が配置されているハンドピース50の実施形態を概略的に示す。他の実施形態では、ノズル64は、ハンドピース50またはガイドチューブ50の他の位置に配置できる。図9A〜図9Dは、ハンドピース50、ガイドチューブ100、およびノズル64の位置の様々な実施形態を概略的に示す断面図である。図9A〜図9Dでは、ハンドピース50は導管57を含み、導管は、システム38によって送られた加圧液体が流れることができる通路54を有する。図9A、図9B、および図9Dに示すハンドピース50の実施形態では、導管57の外側部分57aが、ハンドピースの遠位端部58から離れるように延在する。ガイドチューブ100は、導管57の外側部分57aと、(任意選択により)端部分57bとを含む。図9A、図9B、および図9Dに示す実施形態では、端部分57bは、衝突部材100および開口部120を含む。図9A、図9B、および図9Dに示す実施形態では、ノズル64は、外部導管57aの遠位端部に配置されている。図9Aおよび図9Bに示す例示的な実施形態では、それぞれ図9Aおよび図9Bにおいて、ガイドチューブ100の全長はほぼ同じであり、外部導管57aが長く(短く)、かつ端部分57bが短い(長い)。他の実施形態では、外部導管57a(ある場合)と端部分57b(ある場合)との相対的長さは、所望通りに選択し得る。例えば、場合によっては、外部導管57aは端部分57bよりも剛体とすることができ(例えば、導管は壁を厚くし得るため)、かつ剛性が高いことが望まれる場合、外部導管57aの長さを端部分57b(ある場合)の長さよりも長くしてもよい。別の例として、他の場合では、端部分57bに開口部120を形成することが容易であり(例えば、端部分の壁を薄くし得るため)、およびそのような一部の場合には、端部分57bは、比較的長く作製し得る。一部の実施形態では、ノズル64は、導管57または57aと一体的に形成できる。一部のそのような実施形態では、オリフィス66は、導管57または57aの遠位端部面に形成され得る(例えば、レーザー切断またはEDMによって)。

図9Dは、ガイドチューブ100が屈曲部59を含むハンドピース50の実施形態を示す。この図示の例では、屈曲部59は外部導管57aに配置されている。他の実施形態では、この屈曲部(または追加的な屈曲部)は、ガイドチューブ100に沿った、例えば、端部分57b(使用される場合)に沿った他の場所に配置されてもよい。屈曲部を含むガイドチューブは、歯科施術者がガイドチューブ100の遠位端部104を患者の口腔内の所望の個所に配置することを助け得る。1個以上の屈曲部を含むガイドチューブ100の、ハンドピースの遠位面58aからガイドチューブ100の遠位端部104まで垂直に測定されたプロフィール長さLPは、(ガイドチューブに沿って測定された)同じ全長を有する直線状のガイドチューブ100よりも短くなり得る。プロフィール長さが短い一部のガイドチューブの実施形態は、ガイドチューブを口腔内で位置決めすることを、または歯髄腔に達することをより簡単にし得る。ある歯には髄質床(例えば、前歯)または歯冠がない。そのような歯の場合、ガイドチューブ100のプロフィールが比較的短いことによって、噴射60または噴霧90を歯の所望の領域までより容易に送れるようにし得る。

図9Cは、外部導管57aを使用しないハンドピース50の実施形態を示す。この実施形態では、ガイドチューブ100の近位端部102は、ハンドピース50の遠位端部58の底部58aに配置され、ノズル64は、ガイドチューブ100の近位端部102付近に配置される。他の実施形態では、ノズル64は、ガイドチューブ100の遠位端部付近(例えば、開口部120の近位端部106付近)に配置される。

それゆえ、様々な実施形態では、ノズル64は、ガイドチューブ100の上流の位置に(例えば、ハンドピース50内の導管57に)、ガイドチューブ100の近位端部102の位置またはその付近の位置に、ガイドチューブ100の近位端部102と開口部120の近位端部106との間のガイドチューブ100の内側の位置に、または開口部120の近位端部106の位置またはその付近の位置に配置できる。一部の実施形態では、ガイドチューブ100は近位部分および遠位部分を含む。ノズル64は、ガイドチューブ100 の遠位部分に配置でき、遠位部分が、ノズル64を越えて遠位に延在するようにする。ノズル64を越えて遠位に延在する遠位部分は、衝突部材110を含む。一部のそのような実施形態では、近位部分はガイドチューブ100の近位の半分を含み、および遠位部分はガイドチューブ100の遠位の半分を含む。

図10A〜図10Fは、ガイドチューブ100の様々な実施形態を概略的に示す断面図である。チャネル84および/またはガイドチューブ100の断面は、実質的に円形(例えば、図10A、図10B、図10Dを参照)、楕円形(例えば、図10Fを参照)、矩形、多角形(例えば、ガイドチューブが図10Cに示すように六角形、およびチャネルが図10Dに示すように五角形)、または他の何らかの形状とし得る。ガイドチューブ100および/またはチャネル84の断面形状および/またはサイズは、ガイドチューブ100の長手軸に沿って変化し得る。チャネル84の断面形状は、ガイドチューブ100の断面形状と同じであることも、異なることもある(例えば、図10Cおよび図10Dを参照)。いくつかの実施形態では、チャネルおよびガイドチューブの断面形状は実質的に円形であり、およびチャネルはガイドチューブと実質的に同心である(例えば、図10Aおよび図10Bを参照)。ガイドチューブ100は、ガイドチューブ100に沿って長手方向に延びる1個以上の延出部88を含んでもよく、これにより、チューブの強度を高め得る(例えば、図10Eを参照)。

一部の実施形態では、ガイドチューブ100の断面は、遠位端部104よりも近位端部102において大きく、これにより、ガイドチューブ100の剛性を高める。様々な実施形態では、チャネル84の断面は、ガイドチューブの長手軸80に沿って変化し得る(例えば、遠位端部104に向かって小さくなる)か、またはチャネルの断面は、実質的に一定とし得る。チャネル84の長手軸は、必ずしも要求されることではないが、ガイドチューブ100の長手軸80と実質的に同一線上とし得る。一部の実施形態では、オリフィス66は、チャネルまたはガイドチューブの長手軸と位置合わせされる。チャネル84の表面は実質的に平滑であり、これにより有益に、噴射に干渉するまたは噴射を中断させる乱流気流が発生する可能性を低減させ得る。一部の実施形態では、チャネル84の表面を、起伏のある、湾曲した、らせん状の、またはねじれたものとし得る。

図11A〜図11Cは、複数の噴射を伝搬できるガイドチューブ100の実施形態を概略的に示す断面図である。図11Aおよび図11Bに示す実施形態では、ガイドチューブ100は複数のチャネルを含む。例えば、図11Aは、3個のチャネル84a〜84cを有するガイドチューブ100の実施形態を示す。3個のチャネル84a〜84cの各々は、対応する長手噴射軸80a〜80cに沿って噴射を伝搬できる。図11Bは、4個のチャネル84a〜84dを有するガイドチューブ100の実施形態を示す。4個のチャネル84a〜84dの各々は、対応する長手噴射軸80a〜80dに沿って噴射を伝搬できる。他の実施形態では、異なる数のチャネル、例えば、2個のチャネル、5個のチャネル、またはそれ以上などを使用してもよい。ガイドチューブ100は、例えば、図11Aおよび図11Bに示すようにチャネルを分離させる構造要素92(例えば、バッフル板)を有し得る。構造要素92は、使用される場合、ガイドチューブ100の長さの実質的に全てにまたは一部分のみに沿って延在してもよい。一部の実施形態では、構造要素はガイドチューブ100の近位端部102からガイドチューブの窓の上部まで延在する(下記で説明する)。

図11Cは、単一のチャネル84を有し、単一のチャネルを通って複数の噴射(例えば、この実施形態では2つの噴射)が、長手噴射軸80aおよび80bに沿って伝搬できるガイドチューブ100の実施形態を概略的に示す。他の実施形態では、ガイドチューブは、チャネル84を通って3つ、4つ、またはそれ以上の噴射が伝搬できるように構成できる。図示の実施形態では、両噴射軸80aおよび80bは、チャネル84の長手軸86か らオフセットしている。他の実施形態では、1つ(またはそれ以上)の噴射軸が、長手軸86と実質的に位置合わせされ得る。図11Cに示すガイドチューブ100の一部の実施形態では、複数のオリフィス66(例えば、図11Cに示す例では2個のオリフィス)を含む単一のノズル64が使用されて、噴射をもたらす。他の実施形態では、複数のノズルを使用できる。

ハンドピース50の一部の実施形態では、複数のガイドチューブ100(例えば、2個、3個、4個、またはそれ以上)を、ハンドピース50の遠位端部58に配置できる。各ガイドチューブ100は、1つ(またはそれ以上)の噴射に沿って伝搬できる。図11Dは、2個のガイドチューブ100aおよび100bを有する実施形態の概略的に示す断面図である。ガイドチューブ100aでは、噴射は、チャネル長手軸およびガイドチューブ長手軸と実質的に同軸である噴射軸80aに沿って伝搬する。ガイドチューブ100bでは、噴射軸80bは、チャネル84の長手軸86からオフセットしている。図示の実施形態では、チャネル84a、84bおよびガイドチューブ100a、100bの断面は、実質的に円形である。他の実施形態では、チャネルまたはガイドチューブの断面は、図11Dに示す断面とは異なる断面とし得る(例えば、ガイドチューブ100a、100bのいずれかまたは双方とも、図10A〜図10Fまたは図11A〜図11Cに概略的に示すガイドチューブのいずれかと同様に構成できる)。また、いずれかの実施形態では、チャネルまたはガイドチューブの断面は、互いに異なることがある(例えば、チャネル84aまたはガイドチューブ100aの断面は、チャネル84bまたはガイドチューブ100bの断面と異なることがある)。図11Dに概略的に示す実施形態では、ガイドチューブ100a、100bは、互いに隣同士に配置されて接触している。一部の実施形態では、ガイドチューブは、ぎっしりと詰められた構成に配置され得る一方、他の実施形態では、ガイドチューブのいくつかまたは全てを、互いに物理的に離間して配置してもよい。

図12A〜図12Eおよび図13A〜図13Eは、衝突部材110の様々な実施形態を概略的に示す斜視図(左側の図)および側面図(右側の図)を含み、衝突部材110は、液体噴射60を噴霧90に変換するために使用し得る。衝突部材110は衝突面114を有し、その衝突面に、噴射装置の動作中に液体噴射60が衝突できる。衝突面114は、必ずしも要求されることではないが、噴射60を妨害するように衝突部材110の中心付近に配置され得る実質的に平坦なセクション118を含み得る(例えば、図12A、図12B、図12Eおよび図13A、図13B、および図13Eを参照)。衝突面114は、必ずしも要求されることではないが、角度の付けられたまたは湾曲されたセクション122を含み得る。セクション122は、向かってくる噴射60の方向に向かって戻るように角度を付けられるかまたは湾曲されていて(例えば、ガイドチューブの遠位端部104から離れるように)、かつ噴射60(噴霧90)の一部を開口部120の近位端部106の方へ戻すように向けるのを助け得る(例えば、図6A〜図6Cに概略的に示す噴霧90を参照)。例えば、図12A(右側の図)は、衝突部材110の実質的に平坦なセクション118に衝突する噴射60、および矢印82aで示す方向に流れる液体(例えば、噴射または噴霧)を概略的に示す。開口部120の近位端部106の方へ戻すように液体の方向を変えることの考えられる利点は、加圧液体(例えば、噴射または噴霧)が根管空間30に入る可能性を低減し得ることである。図12Aおよび図13Aは、噴霧90が開口部120の近位端部106の方へ向けられる概略的な使用例であるが(例えば、矢印82a、82b参照)、衝突面114を、噴霧が開口部120の近位端部106から離れる向きとなるように構成してもよい。例えば、他の実施形態では、衝突面114は、図12A〜図12Eおよび図13A〜図13Eに示す面114と全体的に同様であるが、遠位端部104から離れて開口部120の近位端部106の方に向かって迫り上がる形状を有してもよい(例えば、面114の部分は凹面ではなく凸面である)。いくつかのそのような形状は、噴射または噴霧をガイドチューブの遠位端部104へ向け、および歯髄室28または根管空間30内での流体循環を高め得る。

衝突面114は様々な形状を有することがあり、そのうちのいくつかを、図12A〜図12Eおよび図13A〜図13Eに概略的に示す例として示す。図13A〜図13Eの実施形態の衝突面114は、図12A〜図12Eにそれぞれ示す対応する実施形態と全体的に同様とし得る。図13A〜図13Eの実施形態は、(任意選択の)外側の実質的に平坦な面126を含み、この面は、方向を変えられた液体が、例えば、コアンダ(Coanda)効果によって、矢印82bによって示す方向に沿って流れるようにする(例えば、図13Aの右側の図参照)。

様々な実施形態では、衝突面114は実質的に平坦とし得る(例えば、図12E、図13Eを参照)。衝突面114は、向かってくる噴射60の方へ戻るように(例えば、ガイドチューブの遠位端部104から離れるように)角度が付けられた(例えば、図12A、図12D、図13A、図13Eを参照)または湾曲した(例えば、図12B、図12C、図13B、図13Cを参照)1個以上のセクション122を含んでもよい。一部の実施形態では、セクション122は、約5度〜約45度の範囲、約10度〜約30度の範囲、約35〜約60度の範囲、約60度〜約80度の範囲、または他の何らかの範囲の角度で形成される。一部の実施形態では、セクション122は、例えば、約40度、約45度、約50度、または約55度などの角度で形成される。一部の実施形態では、湾曲したセクション122は、球面、卵形面、楕円面、環状面、円錐断面、または他の曲面の一部分を含む。図12A〜図12D、および図13A〜図13Dでは、衝突面114は、向かってくる噴射に向かって凹面であるが、他の実施形態では、衝突面114は凸面とし得る(例えば、衝突面114の部分が、ガイドチューブの遠位端部104に向かってではなく、そこから離れて延出し得る)。図13Eに示す実施形態では、外側の実質的に平坦なセクション126は、実質的に平坦なセクション118よりも隆起している。隆起セクション126の高さは、噴射噴霧90を所望の量だけ衝突面114から離れるようにそらすように、選択し得る。

衝突部材110の断面形状またはサイズは、それぞれチャネル84またはガイドチューブ100の断面形状またはサイズと同じとしてもまたはそれらと異なってもよい。例えば、様々な実施形態では、衝突プレート110の幅は、チャネル84の幅またはガイドチューブ100の幅よりも大きく(または小さく)できる。

図14Aおよび図14Bは、治療中に歯内の流体に渦流または循環流を形成するのを支援するために羽根131を含む衝突部材110の実施形態を概略的に示す斜視図(図14A)および上面図(図14B)である。この実施形態では、3個の湾曲した羽根131が、衝突部材110の周りに実質的に対称的に配置されている。他の実施形態では、異なる数の羽根131(例えば、1個、2個、4個、またはそれ以上)を使用でき、および羽根130は、直線でもよいし、または図14Aおよび図14Bに示すものとは異なる形状または湾曲を有してもよい。矢印132は、少なくともある程度は、羽根131によって誘発され得る渦流または循環流の方向を示し、この場合は、反時計回りである(図14Bの上面図で見ると)。他の実施形態では、羽根131は、時計回りの渦流または循環流を生じるように構成してもよい。他の実施形態では、羽根130に加えてまたはその代わりに、衝突面114は、渦まきまたは循環を誘発するために、または、そうでなければ液体流または噴射噴霧を修正するために、溝、隆起部、または他の形体を含んでもよい。一部の治療方法では、ガイドチューブ100の遠位端部104は、流体循環または渦まきの形成を支援するために、歯10に、中心を外れて位置決めできる。

図15A〜図15Cは、治療中に歯10内の流体に循環を誘発するのを支援する可撓性部分136を含む衝突部材110の実施形態の側面図である。可撓性部分136は比較的薄いため、噴射が衝突面114に衝突して流体流が可撓性部分136を横切ると、この部 分136は撓むことができる(矢印138で示すように)。例えば、必須ではないが、噴射が衝突面114の方へ伝搬すると噴射が流体を取り込み、および噴射は、流体の取り込みの可変性ゆえに、時間の経過につれて同じ個所に正確に衝突しないことがある(例えば、衝突点は衝突面114にわたってふらつき得る)と考えられている。それゆえ、可撓性部分136を通過した流体流もまた可変、振動性、または動揺性とし、および可撓性部分136は、得られる可変の流体の力に応答して、可撓性部分の形状および位置を調整し得る。それゆえ、可撓性部分136の撓み、振動、または動きは、ガイドチューブ100の遠位端部104付近で衝突部材110が流体循環または流体撹拌を発生するのを助け得る。一部の実施形態では、可撓性部分136は、レーザー加工、ワイヤEDM切断、または射出成形によって形成できる。図15Cに示す実施形態では、可撓性部分136は、衝突部材110に取り付けられ得るまたは接合され得る可撓性材料(例えば、エラストマー)を含む。

図16Aおよび図16Bは、ガイドチューブ100の別の実施形態を概略的に示す側面図であり、これらのガイドチューブは、ガイドチューブの遠位端部104付近に可変の流体循環を形成するのに役立ち得る。上述の通り、不安定な流体取り込みは、液体噴射がガイドチューブ100の遠位端部104付近に伝搬する場合に液体噴射60がわずかに動揺する原因となることがある。図16Aに示す実施形態では、支点144に(例えば、玉継ぎヒンジ結合によって)装着されたプレート140が、液体噴射60がプレート140に不安定な状態で衝突するときに、矢印142で示す方向に動揺できる。図16Bに示す実施形態では、チャネル84の直径よりもわずかに小さい直径を有するボール148が、衝突部材110に配置される。ボール148は動揺でき、かつ、ボール148の面への噴射60の衝突によって生じた噴霧90の方向および特徴を変えることができる。

図17A〜図17Dは、透過性材料を含む衝突部材110の実施形態を概略的に示す。図17Aは、図17Bに示す線A−Aに沿って取った側面図である。図17Cは、図17Dに示す線C−Cに沿って取った側面図である。図17Aおよび図17Bに示す衝突部材110の実施形態では、噴射60が衝突する衝突部材110の領域152が、透過性材料を含む。透過性材料は、噴射60の液体に対して少なくとも部分的に透過性とし、それにより、噴射液体の一部が材料を通過できるようにし(矢印60aで概略的に示す)、かつ噴射液体の一部がそらされるように(矢印60bで概略的に示す)し得る。必須ではないが、透過性材料を通過する噴射液体60aは、治療中の、歯髄腔26での流体循環または流体撹拌を促進するのを助け得ると考えられている。

透過性材料は、メッシュ、スクリーン、または多孔性材料を含んでもよい。一部の実装例では、透過性材料は、織られた金属メッシュの層を1つ以上含む。一部の実装例では、透過性材料は多孔性であり、例えば、噴射の断面サイズよりも小さいサイズにされた開口部を含む、機械加工された材料などであり、これは、多孔性材料を通る噴射液体の流れを少なくとも部分的に抑制するように作用する。様々な実施形態では、衝突部材110のいくつかまたは全てを、1種以上の透過性材料で作製し得る。例えば、図17Cおよび図17Dは、衝突部材110の実質的に全てが、織られたメッシュを含む実施形態を示す。

図18は、ガイドチューブ100の遠位端部104付近に支柱160が配置されたガイドチューブ100の実施形態を概略的に示す斜視図である。図18に示す実施形態では、ガイドチューブ100は、3個の開口部120と関連した3個の支柱160を有することができる。他の実施形態では、ガイドチューブ100は、例えば、1個、2個、4個、5個、6個、またはそれ以上などの、異なる数の支柱(および/または開口部)を含んでもよい(例えば、図19A〜図19Eおよび図20A〜図20Eを参照)。ガイドチューブ100および/または支柱160の部分は、レーザー切断、レーザー溶接、金属射出成形、EDM、または他の製造技術によって形成できる。例えば、一部の製造技術では、開口 部120は、ガイドチューブ100からレーザー切断され、それにより支柱160を形成する。支柱160は、実質的に開口部120の近位端部106から遠位端部108まで延在し得る。衝突部材110は、別個に形成してガイドチューブ100の本体130に取り付けることも、またはガイドチューブ100と一体的に形成することもできる(例えば、ガイドチューブの金属射出成形中に)。

支柱160のサイズ、断面形状、向き、および/または角度位置は、図18に示すものと異なってもよい。例えば、図19A〜図19Eの各々は、支柱160を含むガイドチューブ100の代替的な実施形態を概略的に示す斜視図(上の図)および上の図の線19−19に沿って取った断面図(下の図)を含む。支柱160の断面形状は、円形、多角形、アーチ形、楔形などとし得る。ガイドチューブ100の任意の特定の実施形態では、1個(またはそれ以上)の支柱160のサイズ、形状、または向きを、1個(またはそれ以上)の他の支柱160と異なるようにし得る。支柱160の1個以上は湾曲していてもおよび/または角度が付けられてもよく(例えば、図19C参照)、それにより、ガイドチューブ100の遠位端部104を取り囲む流体の渦まきまたは流体循環を誘発するのを助け得る。

支柱160のサイズ、形状、向き、および/または角度分布(または開口部120のサイズ、形状、向き、および/または角度分布)を使用して、少なくともある程度、液体噴射60が衝突プレート110に衝突する際に生じる噴霧90の角度分布を制御できる。例えば、支柱160および/または開口部120を適切に構成することによって、噴霧の角度分布(液体噴射60の方向から見ると)は、所望の角度パターンを有するか、ほぼ対称的とする(例えば、噴射軸の周りで2次、3次、4次、またはそれよりも高次の回転対称を有する)か、非対称的とするか、または噴射軸の周りで他の何らかの角度分布を有するとし得る。

図20A〜図20Eは、支柱160および/または開口部120を含むガイドチューブの様々な実施形態によってもたらされることができる噴霧90の分布のいくつかの考えられる例を概略的に示す上面図である。いくつかの実装例では、噴霧90は、1つまたは複数の開口部120を通ってガイドチューブ100から出ることができるか、または、その代わりに、支柱160によって実質的に遮断されていると考えられている。噴霧90の所望の角度幅は、1つまたは複数の支柱160(および/または1つまたは複数の開口部120)の角サイズを好適に選択することによって、選択できる。例えば、噴霧の角度幅は約360度とし、ガイドチューブ100の遠位端部58を取り囲む実質的に全ての領域に噴霧をもたらしてもよい。他の実施形態では、噴霧の角度幅は約270度、約180度、約120度、約90度、約60度、約45度、約30度、約20度、または約10度とし得る。比較的幅狭な角度幅(例えば、約10度〜約30度)を有する噴霧を使用して、噴射または噴霧のエネルギーを歯のまたはその付近の所望の個所に向けてもよい。様々な実施形態では、噴霧の角度幅は、約30度〜約60度の範囲、約45度〜約90度の範囲、約100度〜約145度の範囲、約120度〜約240度の範囲、または他の何らかの範囲とし得る。

図20A〜図20Eでは、噴霧を、外向き矢印で概略的に示す。図20Aは、1個の支柱160および1個の開口部120を概略的に示し、噴霧90は、開口部120を通って実質的にガイドチューブ100の一側面側に向かって(例えば、図20Aの紙面内上部に向かって)方向付けられている。図20Bは、噴射(またはガイドチューブまたはチャネル)の軸の周りで2つの、回転対称を有する噴霧90をもたらすように約180度離間されている2個の支柱160a、160bおよび2個の開口部120a、120bを概略的に示す。図20Cおよび図20Dは、3個の支柱160a〜160cおよび3個の開口部120a〜120cを概略的に示す。図20Cでは、支柱160a〜160cおよび開口 部120a〜120cは実質的に対称的に離間して、実質的に3つの、回転対称を有する噴霧をもたらす。図20Dでは、支柱160a、160bが支柱160cの近くに位置決めされて(例えば、開口部120aの角度幅は、開口部120b、120cの角度幅よりも大きい)、より多くの液体が、噴霧90b、90cよりも噴霧90aへそらされるようにしている。図20Eでは、4個の支柱160a〜160dおよび4個の開口部120a〜120dが使用されて、実質的に4つの、回転対称を有する噴霧90a〜90dをもたらす。他の実施形態では、1つまたは複数の支柱160および/または1つまたは複数の開口部120は、図20A〜図20Eに示すものとは異なるように構成して、所望の特徴を有する噴霧90を生じることができる。

本明細書で説明するガイドチューブの実施形態の多くでは、衝突部材110を、噴射60が伝搬する長手軸80(またはチャネル84の長手軸86またはガイドチューブ100の長手軸)に対してほぼ垂直に向けることができる。他の実施形態では、衝突部材110を、噴射60が伝搬する長手軸80(またはチャネル84の長手軸86またはガイドチューブ100の長手軸)に対して非垂直な角度で向けることができる。例えば、図21Aは、(この例では、チャネルの軸86およびガイドチューブの軸に沿って伝搬する)液体噴射60の軸80に対して垂直に向けられていない衝突部材110を有するガイドチューブ100の実施形態を示す側面図である。本明細書で説明する衝突部材110の実施形態のいずれも(何ら限定されないが、図12A〜図17Dに示す衝突部材を含む)、噴射、チャネル、またはガイドチューブの軸に対して非垂直に向けることができる。衝突部材110の向きを使用して、噴霧を所望の個所の方へ(例えば、治療中の根管空間から離れるように)向けてもまたはそらしても、または、治療中に歯に所望の流体循環または撹拌をもたらすのを支援してもよい。

図21Bは、ガイドチューブ100に対する衝突部材110の向きを説明するために使用し得る角度θを概略的に示す側面図である。図21Bでは、角度θは、噴射軸80、チャネル軸86、またはガイドチューブ軸(図21Bでは符号が付されていないが、この例ではチャネル軸86と同一線上にある)と、衝突部材110への法線180との間に規定されている。角度θが約ゼロ度であるガイドチューブ100の場合、衝突部材110は、必要に応じて、噴射、チャネル、またはガイドチューブ軸に対してほぼ垂直である。図21Bに示す例では、角度θは、衝突部材110が開口部120の近位端部106から離れるように角度が付けられている場合(例えば、図21Bに示すように下方に向けて角度が付けられている)には、正であり、および角度θは、衝突部材110が開口部120の近位端部106の方へ角度が付けられている場合(例えば、図21Bでは紙面内では上方に向けて)には、負である。角度θが正のとき、噴霧90は、ガイドチューブ100の遠位端部104から離れるようにそらされる傾向がある(例えば、図21Aに概略的に示す例)。角度θが負のとき、噴霧90は、ガイドチューブ100の遠位端部104の方へそらされる傾向がある。様々な実施形態では、角度θの正の値または負の値のいずれかを使用して、噴霧90を、ガイドチューブ100の遠位端部104からそれぞれ離れるまたはそこへ向かうように方向付ける傾向を持たせ得る。角度θの絶対値は、約0度、約10度、約20度、約30度、約45度、約50度、約60度、約70度、または約80度とし得る。様々な実施形態では、角度θの絶対値は、約0度〜約80度の範囲、約20度〜約60度の範囲、約30度〜約50度の範囲、または他の何らかの範囲とし得る。一部の実施形態では、角度θは、操作者によって調整でき、および歯科治療の前に(またはその最中に)、所望の角度に設定または変更し得る。

図21Cは、湾曲した衝突部材110を含むガイドチューブ100の実施形態を示す側面図である。この例では、衝突部材110の形状はアーチ形フラップとされ、開口部120の近位端部106から離れるように延出している。衝突部材110の曲率は、噴霧90の所望の方向または分布をもたらすように、選択し得る。一部の実施形態では、2個、3 個、4個またはそれ以上の湾曲した衝突部材を使用できる。

図22A〜図22Cは、ガイドチューブ100のチャネル84の軸86またはガイドチューブ100の軸に対して垂直に向けられていないノズル64を含むハンドピース50の実施形態を概略的に示す断面図である。図22A〜図22Cでは、ノズル64は、ガイドチューブ100の遠位端部58の方へ配置される。ノズル64には、ノズル64のオリフィス66から放出された液体噴射60が、チャネル84の長手軸86に対してある角度を形成する噴射軸80に沿って伝搬するように、角度を付けることができる。角度は約0度(例えば、噴射60は、チャネル軸86に実質的に沿って放出される)、約10度、約20度、約30度、約45度、約50度、約60度、約70度、約80度、または約90度とし得る。様々な実施形態では、角度は、約0度〜約80度の範囲、約20度〜約60度の範囲、約30度〜約50度の範囲、約50度〜約90度の範囲、または他の何らかの範囲とし得る。一部の実施形態では、角度は、操作者が調整でき、および歯科治療の前に(またはその最中に)、所望の角度に設定または変更してもよい。一部の実施形態では、ガイドチューブ100は開口部を含み、そこを通って、ノズル64からの噴射60がガイドチューブから出る。一部の実施形態では、ノズル64(または複数のノズルまたはオリフィス)は、ガイドチューブ100の側壁にまたはその上に形成してもよい。一部のそのような実施形態では、1つ(またはそれ以上)の噴射、ビーム、または噴霧が、そのようなノズルまたは開口部から送られ得る。一部のそのような場合には、噴射、ビーム、または噴霧は、ガイドチューブ100またはチャネル84の長手軸に対してほぼ垂直の角度で送られ得る。他のそのような場合には、ガイドチューブ100の側壁にある1個以上のノズル64またはオリフィス66を、ガイドチューブ100の遠位端部104の方へ向けることができ(例えば、噴射、ビーム、または噴霧を遠位端部104の方へ向けるように)および/またはガイドチューブ100の近位端部102の方へ向けることができる(例えば、噴射、ビーム、または噴霧を近位端部102の方へ向けるように)。

図22Aに示す実施形態では、衝突部材110は、内側チューブ100bの遠位端部の周りに配置された外側チューブ100aを含む。噴射60が、角度の付けられたノズル64から出ると、噴射60は、外側チューブ100aの内表面に当たってそらされ、噴霧90になる。図22Bおよび図22Cに示す実施形態では、衝突部材110は、1個以上のフラップ、プレート、または構造110a、110bを含み、そこに噴射60は衝突してそらされ、噴霧90となることができる。フラップ、プレート、または構造のサイズ、形状、向き、および/または構成は、噴霧90の所望の方向または分布を提供するように選択できる。

図23は、歯の位置に液体のストリームをもたらすように構成された液体流チューブ200を含むハンドピース50の実施形態を概略的に示す。図23は、液体流チューブに配置されたガイドチューブ100を示すために、液体流チューブ200が切り取られた部分切り取り図である。図示の実施形態では、液体流チューブ200は、ガイドチューブ100、およびガイドチューブ100の外表面208と液体流チューブ200の内表面206との間のチャネル204にある液体流のストリームの周りに配置されている。液体のストリームは、治療中、流体量が増えるか、または歯髄腔26に追加的な循環を誘発し得る。液体のストリームはまた、治療中に歯髄腔26に空気が入り込む程度を低下させ得るまたはそれを防止し得る。液体流チューブ200によってもたらされた液体は、必ずしも要求されることではないが、噴射60に使用される液体と異なってもよい。ハンドピース50を、噴射60に加えてまたはその代わりに操作者が液体流チューブ200から液体のストリームを提供できるように、構成し得る。一部の治療では、液体流チューブ200を使用して、消毒液または抗生物質溶液(例えば、次亜塩素酸ナトリウムなどの漂白剤)、化学物質または薬剤を含む溶液、または他の何らかの液体を提供できる。他の実施形態では、液体流チューブ200は、ガイドチューブ100に隣接させて配置できる、または複数の 液体流チューブ200を使用できる。一部の実施形態では、液体流チューブ200に加えてまたはその代わりに、液体のストリームは、ガイドチューブ100のチャネル84に沿ってもたらすことができる。

図24A〜図24Fは、ガイドチューブ100の遠位端部104において様々な構成を有するガイドチューブ100の実施形態の概略的に示す断面図である。図24Aおよび図24Bは、衝突部材110の衝突面114と、最も遠位の面114aとの間の距離が異なるガイドチューブの実施形態を概略的に示す。この距離は、歯髄室28の床または根管空間30から衝突面114を分離させるように作用し、および治療中に操作者が衝突面114の位置を床または根管空間に近づけすぎる可能性を低減させ得る。最も遠位の面114a(または遠位端部104付近の他の面)の1個以上の部分は、実質的に平坦(例えば、図22A〜図22Bを参照)、湾曲(例えば、部分的に球形または楕円形;例えば、図22Eを参照)、円錐状またはピラミッド形(例えば、図22D、図22Fを参照)、またはテクスチャー加工、粗化または不規則に(例えば、図22Cを参照)され得る。最も遠位の面114aは先端116(例えば、図22D、図22Eを参照)を含み、先端は丸みがあってもまたは鋭くてもよい。面114a上のテクスチャー加工または先端は、操作者が歯のまたはその上の所望の個所にまたはその付近にガイドチューブ100の遠位端部104を位置決めするのに役立ち得る。

一部の実装例では、衝突面114(またはガイドチューブの他の面)は、例えば、噴射60の衝突、ガイドチューブ100の遠位端部104付近のキャビテーションなどから受ける流体応力の影響下で生じる面114の劣化に抵抗する、1種以上の物質で被覆され得る。一部のそのような実装例では、衝突部材110は、付形、機械加工、成形、または形成が比較的容易であるが、衝突応力またはキャビテーション下で摩耗する傾向を有し得る材料から形成できる。被覆は、そのような材料を好都合に保護し得る。1つ以上の被覆が衝突面114a(またはガイドチューブの他の表面)に施されてもよい。例えば、めっき、化学溶液堆積(CSD)、化学蒸着(CVD)、プラズマ支援CVD、スパッタリング、パルスレーザー堆積、カソードアーク堆積(アーク−PVC)、または物理蒸着(PVD)を含む方法を使用して、1つまたは複数の被覆を形成できる。

一部の実施形態では、被覆は、厚さを約1〜約7ミクロンとし、および一部の例では(例えば、PVD)、所望の摩耗抵抗の程度に依存して異なる合金を含み得る。例えば、合金は、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、窒化チタンアルミニウム(TiAIN)、窒化アルミニウムチタン(AlTiN)、窒化チタンアルミニウムシリコン(titanium aluminium silicon nitride)(TiAlSiN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化クロム(CrN)、または窒化アルミニウムクロム(AlCrN)を含み得る。被覆は、ニッケルチタン(NiTi)またはダイアモンドなどの材料を含むことができる。場合によっては、これらの合金の1種以上を含む被覆は、衝突面の表面硬度を、ビッカーススケール(Vickers scale)の硬度で約1500HV〜約3500HVの範囲(HVは、ビッカース硬度(Vickers pyramid number)である)となるまで高め得る。他の場合では、被覆は、約500HV〜約1000HVの範囲、約1000HV〜約4000HVの範囲、または他の何らかの範囲の硬度を有し得る。

一実装例では、衝突部材110および衝突面114は、十分に硬い条件(例えば、硬度がロックウェルスケール(Rockwell scale)で約44HRC。これは、ビッカーススケールで約434HVである)の301ステンレス鋼から機械加工され、かつレーザーによって製造される。次いで、衝突面114は、PVDによって1.5ミクロン厚さのAlTiN層で被覆される。様々な実施形態では、ガイドチューブ100のいくつかまたは全てを、ステンレス鋼(例えば、オーステナイト系または300系ステンレス鋼 、フェライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼)、炭素鋼、チタン、またはニッケルから形成できる。一部の実施形態では、ガイドチューブ100は、Special Metals Corporation,New Hartford,New Yorkから入手できるINCONEL(登録商標)、例えば、INCONEL625またはINCONEL750Xから形成される。ガイドチューブ100の実施形態に使用できる材料の別の例は、限定はされないが、ジルコニアYTZB、コバルト合金、例えば、CoCrWNiまたはCoCrMo MP35Nなど、ステライト合金、例えば、Deloro Stellite,Goshen,Indianaから入手できるSTELLITE(登録商標)33、Haynes International,Inc.,Kokomo,Indianaから入手できるHASTELLOY(登録商標)合金など、グラフェン、ダイアモンド、窒化ケイ素、ナノ粒子ステンレス鋼、ナノ結晶合金、例えば、Integran,Pittsburgh,Pennsylvaniaから入手できるNANOVATE(登録商標)など、セラミックなどを含む。一部の実施形態では、他の材料、例えば、硬質ポリマー材料、カーボンナノチューブ、ホウ素繊維複合体チューブ、タングステン繊維複合体チューブなどを使用してもよい。一部の実装例では、材料は、硬質ポリマー材料および/または金属に埋め込まれた繊維を含むことができる。他の材料は、金属マトリクス複合材料および/またはセラミック金属複合材料を含む。一部の実施形態では、ガイドチューブ100の異なる部分が、異なる材料からおよび/または上述の材料のいずれかの組み合わせから形成される。

図25は、歯科治療、例えば、根管処置中のハンドピース50の使用例を概略的に示す。最初に、歯10に開口部(図25には図示せず)を形成するためにドリルまたは研削工具が使用され得る。開口部は、エナメル質22および象牙質20を通って延在し、歯髄腔26の歯髄を露出させて、そこへのアクセスを提供する。開口部は、歯10の歯冠12の上部にまたは別の部分、歯冠12の側面または歯肉14の下側の歯根16などに形成され得る。開口部のサイズおよび形状は、必要に応じて、病んだ歯髄におよび/または根管空間30のいくつかまたは全てに好適なアクセスをもたらすようにし得る。ハンドピース50は、液体の噴射60を歯10の一部分、例えば、歯髄腔26に送るように使用し得る。噴射60は、好都合には、必ずしも要求されることではないが、CC噴射とし得る。一部の治療方法では、操作者は、所望であれば治療プロセス中に、歯髄室28の周りに噴射60(または噴霧90)を向けるようにハンドピース50を操作できる。

ハンドピース50は、本明細書で説明するハンドピース50の実施形態のいずれかを含み得る。ハンドピース50は、本明細書で説明するガイドチューブ100または他の構造、要素、または形体のいずれか(例えば、衝突部材100、開口部120、液体流チューブ200など)を任意の好適な組み合わせで含み得る。いくつかの非限定的な例として、図3、図4、図4A、図6、図7A〜図7B、図9A〜図9C、図21A〜図21B、図22A〜図22C、図23、または図25を参照して示しかつ説明したハンドピース50の実施形態のいずれかは、上述の図面および/または図8A〜図8C、図10A〜図10F、図11A〜図11D、図16A〜図16B、図18、図19A〜図19E、および/または図24A〜図24Fを参照して示しかつ説明したガイドチューブ100の実施形態のいずれかと使用することができる。また、上述の図面を参照して説明したガイドチューブ100の実施形態のいずれかは、上述の図面および/または図12A〜図12E、図13A〜図13E、図14A〜図14B、図15A〜図15C、図17A〜図17D、および/または図20A〜図20Eを参照して示しかつ説明した衝突部材110を利用してもよい。

ハンドピース50は、ガイドチューブ100の遠位端部104が歯10のまたは歯の表面(例えば、象牙質表面)の中、それらの上またはそれらの付近の所望の個所に配置されるように、操作者が位置決めできる。例えば、ガイドチューブ100の遠位端部104は 、歯の歯髄腔26に配置され得る。ハンドピース50は、歯10または根管系30を通って伝搬できかつ歯10または象牙質表面から有機物を引き離すことができる圧力波を発生させ得る高速の液体ビーム(例えば、一部の治療ではCC噴射)をもたらすように使用できる。液体ビームおよび/または圧力波は、限定はされないが、音響キャビテーション(例えば、気泡形成および崩壊、マイクロジェット形成)、流体撹拌、流体循環、ソノポレーション、音化学、などを含む、歯に発生し得る様々な効果を発生させ得るかまたはそれらの有効性を高め得る。一部の治療方法では、ガイドチューブ100の遠位端部104を、治療されている歯10内の流体に沈めることは、上述の効果のいくつかまたは全ての有効性を高め、これにより、根管空間30は効果的に洗浄され得る。いくつかの治療方法では、ノズル64は、ガイドチューブ100の遠位端部104の方に位置決めされて、ノズル64のオリフィス66が、治療されている歯内の流体に沈められるようにし得る。いくつかのそのような実施形態では、オリフィス66から噴出する液体噴射は、空気、環境ではなく流体に送られ、および、場合によっては、歯内の流体に後で影響を及ぼす空気環境に形成される液体噴射から得られる音場よりも大きくし得る音場を提供し得る。

任意選択により、流れ制限器210を、ハンドピース50の遠位端部58に配置できる。一部の治療方法では、流れ制限器210は、治療されている歯からの流体の逆流を抑止するために使用できる。例えば、流れ制限器210は、歯10内の開口部からの流体の逆流を抑止し得る。流れ制限器210は、実質的にシリンダー状とし、かつガイドチューブ100を実質的に取り囲み得る。流れ制限器210は、歯科治療中に歯10の一部分に接触するように構成し得る。場合によっては、流れ制限器210はガイドチューブ100の周りに緩く配置されている。流れ制限器210は、場合によっては、ガイドチューブ100に取り外し可能に取り付けられ得る。流れ制限器210は、治療されている歯30の歯冠と一致するように構成できる。流れ制限器210は、流体を含むように、あるいはガイドチューブ100の遠位端部104から出てくる液体(例えば、開口部120からの噴射または噴霧)、液体流チューブ200(使用される場合)から歯に送られる液体、歯髄腔内の流体などの逆流を低下または抑止させるように助け得る。流れ制限器210を、開口部120から噴出する噴射または噴霧(または他の源、例えば、液体流チューブ200からの液体)が歯髄腔26内に十分に保持されて、ガイドチューブ100の遠位端部104が流体に含まれ得るまたは沈められ得るように、構成できる。ガイドチューブ100の開口部120は、歯10内の流体に含まれ得るまたは沈められ得る。例えば、下の歯10の場合、開口部120の近位端部106および遠位端部108の双方とも、歯内の流体に含まれ、開口部120の近位端部106および遠位端部108の双方とも、歯内の流体のレベルより下に沈めることができる。一部の治療方法では、ガイドチューブ100は、開口部120の一部分のみが流体内に含まれ得るように、歯の洞に配置され得る(例えば、近位端部106または遠位端部108の一方は、流体に含まれる)。流れ制限器219を用いる治療方法は、キャビテーションおよび圧力波が歯30に形成される機会を利用し得ると考えられている(このことは必須ではないが)。流れ制限器210は、ガイドチューブ100の開口部120から噴出する液体が流れ制限器210によって実質的に妨げられないように、構成できる。例えば、流れ制限器210の遠位面は、開口部120の近位端部106まで、またはそれを越えて、延在しなくてもよい。一部の治療方法では、流れ制限器210は歯10に適用され、次いで、ハンドピース50は、歯10付近の位置にされる。

いくつかの治療方法では、流れ制限器210は、必ずしも要求されることではないが、歯10の洞への開口部を実質的に封止して、洞が実質的に水密性となるようにする。例えば、いくつかの治療方法では、流れ制限器210は、洞からの流体の逆流を抑止するが、必ずしも歯10から流出する流体全てを防止するわけではない。例えば、一部の治療方法では、歯に1個以上の開口部を(例えば、ドリル加工によって)形成して、一部の流体が歯10の洞から流出できるようにし、かつ制限器210を、他の1つまたは複数の開口部 からの流体の逆流を低下させるまたは防止するように使用できる(例えば、歯冠のアクセス用開口部)。

一部の実施形態では、流れ制限器210は、根管処置中に使用された化学物質または洗浄液、例えば、次亜塩素酸ナトリウムによる悪影響を受けない材料から形成される。流れ制限器210は、任意の好適な1つまたは複数の多孔性および/または吸収材料、例えば、スポンジを含み得る。例えば、流れ制限器210は、液体を少なくとも部分的に吸収できる多孔性材料(例えば、エラストマー系、プラスチック、ゴム、セルロース、ファブリック、発泡体など)を含んでもよい。流れ制限器の材料は変形可能とし、歯の表面の輪郭に対して変形可能とし得る。一部の実施形態では、流れ制限器210は、密度が約1〜約1000kg/m3の範囲、または約10〜約100kg/m3の範囲である材料を含む。流れ制限器210の引張強度は、約1kPa〜約3000kPaの範囲または約50kPa〜約400kPaの範囲とし得る。流れ制限器210の極限伸びは、約5%〜約800%の範囲または約50%〜約220%の範囲とし得る。一部の実施形態では、流れ制限器210はセルを含み、その目視セル数は、約1〜約250/cmの範囲または約10〜約40/cmの範囲とし得る。発泡体に使用された材料は、エステルまたは別のタイプの発泡体を含み得る。

いくつかの図面に概略的に示す歯10は臼歯であるが、手順は、切歯、犬歯、小臼歯、または臼歯などの任意のタイプの歯に行ってもよい。また、説明の装置および方法は、高度に湾曲した根管空間を含む広範な形態学を有する根管空間の治療を可能にする。さらに、説明の装置および方法は、ヒトの歯(子供の歯を含む)および/または動物の歯に適用される。

本明細書を通して、「一部の実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、要素、作用または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書を通して、様々な個所で語句「一部の実施形態では」または「実施形態では」が現れる場合、必ずしも全て同じ実施形態を指すわけではなく、同じまたは異なる実施形態の1つ以上を指してもよい。さらに、特定の特徴、構造、要素、作用、または特性は、本明細書から当業者には明白なように、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせてもよい。加えて、様々な実施形態では、特徴、構造、要素、作用、または特性を、全体的に組み合わせ、統合し、再構成し、整理し直し、または省略することができる。それゆえ、単一の特徴、構造、要素、作用、または特性、あるいは一群の特徴、構造、要素、作用、または特性は、各実施形態に必須でも、または必要でもない。考えられる全ての組み合わせおよび二次的組み合わせが、本明細書の範囲内にあるとされる。

本出願で使用されるように、用語「含む(comprising、including)」、「有する」などは、同意語であり、制約なく包括的に使用され、および追加的な要素、特徴、作用、動作などを除外しない。また、用語「または」は、(排他的ではなく)包括的に使用され、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合には、用語「または」は、リスト中の要素の1つ、いくつか、または全てを意味する。

同様に、当然のことながら、実施形態の上述の説明では、様々な特徴が、時として、説明を合理化しかつ様々な発明の態様の1つ以上の理解を助けるために、単一の実施形態、図面、または説明にまとめられている。しかしながら、この開示の方法は、いずれの特許請求項も、特許請求の範囲で明白に説明されている以上の特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の態様は、単一の上述の説明の実施形態のいずれかの全ての特徴よりも少ない組み合わせにある。

上述の説明は、本明細書で説明する本発明の様々な例示的な実施形態、および他の例示的であるが非限定的な実施形態を説明する。説明は、開示された発明の組み合わせ、態様、および使用に関する詳細を提供する。実施形態の開示された特徴および態様の他の変形、組み合わせ、修正、均等物、態様、使用、実装例、および/または適用はまた、本明細書を読むことで当業者に明らかとなるものを含め、本開示の範囲内にある。加えて、本発明の特定の目的および利点を本明細書で説明する。そのような目的または利点の全てが、必ずしも任意の特定の実施形態で達成され得るわけではないことを理解されたい。それゆえ、例えば、当業者は、必ずしも本明細書で教示または提案したような他の目的または利点を達成することなく、本明細書で教示された1つの利点または一群の利点を達成するまたは最適にするように、本発明が実施または実行され得ると認識する。また、本明細書で開示した任意の方法またはプロセス、方法またはプロセスを構成する行為または操作は、任意の好適な順序で実施されてもよく、必ずしも、任意の特定の開示の順序に限定されない。

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