歯内治療のための装置および方法

申请号 JP2015505069 申请日 2013-04-15 公开(公告)号 JP2015512741A 公开(公告)日 2015-04-30
申请人 フルードファイル リミテッド; フルードファイル リミテッド; 发明人 アンモン リフシツ; アンモン リフシツ; イェフダ ダルシャン; イェフダ ダルシャン;
摘要 少なくとも1つの傾斜 流体 噴射を用いて 根管 を清掃および/または 研磨 するために使用される歯内治療のための装置である。幾つかの実施形態では本装置は、1つまたは複数の傾斜流体噴射を生成するように成形された、たとえば内部コーンおよび外部コーンを含んだノズルを備える。幾つかの実施形態では、神経組織、歯髄組織および/または残渣などの軟部組織を除去するために、流体の流れが根管壁に沿って進む。【選択図】図6B
权利要求

ノズルを備えた歯内治療のための装置であって、 前記ノズルは、歯の髄室を通して挿入するのに十分に細い先端を備えており、 前記ノズルは、前記ノズルの垂直軸に対してある度をもった少なくとも1つの流体噴射を含むビームを生成するように成形され、前記少なくとも1つの流体噴射は、根管の壁に沿って流れて軟部組織を除去する、 前記ノズルは、入パイプラインに接続される、 前記装置。前記ノズルは、内部コーンと外部コーンとを備え、前記流体が通過するように前記内部コーンと前記外部コーンの間にルーメンを画定する、 請求項1に記載の装置。前記ノズルは、前記内部コーンのルーメンと、前記内部コーンと前記外部コーンの間にある前記ルーメンとの間を延びるチューブを備える、 請求項2に記載の装置。前記流体は、前記ノズルからある角度で出るように前記ルーメンを通ってらせん流の形で循環する、 請求項2に記載の装置。前記傾斜流体噴射は、前記ノズルの垂直軸と交差しない、 請求項1に記載の装置。前記ノズルは、前記少なくとも1つの傾斜噴射を生成するためのチャンネルを備える、 請求項1に記載の装置。請求項1に記載の装置と、液体タンクと、空気圧縮機と、を備えたシステムであって、 前記装置の前記入力パイプラインは、ハンドルを通過して前記液体タンクと前記空気圧縮機のうちの少なくとも一方を前記ノズルに接続する、 前記システム。前記システムは、制御パネルおよび電気回路を用いて電気的に制御される、 請求項7に記載のシステム。前記流体は、気体、液体および研磨粉のうちの少なくとも1つを含む、 請求項1に記載の装置。前記気体は、空気であり、かつ、前記流体は、50〜95%の間の空気および5〜50%の間の液体を含む、 請求項9に記載の装置。前記ノズルは、前記流体がエアロゾルとして前記ノズルを出るように成形される、 請求項10に記載の装置。前記装置は、5〜300PSIの範囲の圧力の空気圧縮機に接続される、 請求項1に記載の装置。前記装置は、0.1〜100ml/秒の範囲の体積流量で流体を提供する流体タンクに接続される、 請求項1に記載の装置。前記傾斜噴射は、前記根管の壁に対して接線方向と垂直方向の速度成分を有する、 請求項1に記載の装置。前記装置は、帰還する流体および残渣を回収するための吸引コーンをさらに備えており、前記吸引コーンは、歯の髄室の内部に嵌り込むサイズの先端を有する、 請求項1に記載の装置。少なくとも1つの流体噴射を、根管の壁に沿って流す角度で導き、当該流れによって前記根管の壁から材料を除去するステップを含む、歯内治療のための方法。前記除去するステップは、前記根管の壁から軟部組織を分離させるステップを含む、 請求項16に記載の方法。前記流れは、前記根管の壁に沿ったらせん流を含む、 請求項16に記載の方法。前記根管は、少なくとも1つの狭窄部分を備えており、かつ、前記流れは、前記狭窄部分を通って前記根管の壁に沿った流れを含む、 請求項16に記載の方法。前記根管は、湾曲と分岐のうちの少なくとも一方を備えており、かつ、前記流れは、前記少なくとも1つの湾曲および分岐を通った流れを含む、 請求項16に記載の方法。前記方法は、前記少なくとも1つの角度流体噴射が前記根管の壁に当たるように前記根管への入口の上方にノズルを位置決めするステップを含む、 請求項16に記載の方法。前記流体は、前記流体が前記根管の中央ルーメンの少なくとも一部分に沿って上方向に帰還するように前記根管の少なくとも一部分の壁に沿って流れる、 請求項16に記載の方法。前記方法は、前記根管壁の少なくとも一部分から象牙質組織の層を摩耗させるステップを含む、 請求項16に記載の方法。前記層は、30〜300μmの範囲の厚さを有する、 請求項23に記載の方法。前記傾斜噴射は、装置のノズルの内部で前記流体をらせん流の形で循環させることによって生成される、 請求項16に記載の方法。前記軟部組織は、神経組織、歯髄組織および/または血管のうちの少なくとも1つを含む、 請求項17に記載の方法。前記方法は、前記根管の壁上にスミヤー層を残さない、 請求項16に記載の方法。前記導くステップは、前記流体噴射をパルスの形で導くステップを含む、 請求項16に記載の方法。前記導くステップは、封止の準備のために前記根管をクリアにするステップを含む、 請求項16に記載の方法。

说明书全文

(関連出願) 本出願は、その開示が参照により本明細書に援用される、2012年4月15日に出願したイスラエル国特許出願第219169号の優先権を主張するものである。

本発明はその幾つかの実施形態において、歯内治療のための装置および方法に関し、より詳細には、それだけには限らないが、1つまたは複数の傾斜流体噴射(angled fluid jet)を用いて根管を治療するための装置および方法に関する。

歯に虫歯、感染または膿瘍が生じた場合、感染を排除し歯を浄化するために根管処置が行われることがある。根管処置の間に、将来の感染防止のために神経や歯髄組織などの物質が除去される。

根管を治療するための目下の方法として、神経組織、マグマ(magma)、歯髄組織または血管などの組織を根管から除去するために金属ヤスリなどのヤスリの使用を必要とすることがある。幾つかの場合では、根管を成形するために、および任意選択で、その一部分をアクセス可能にするように広げるために回転式ヤスリ・ドリルが使用される。歯内治療のためにヤスリを使用することのリスクのうちの1つに、器具処置後において根管壁に有機性および/または無機性の残渣を含むことがあるスミヤー層が拡大することがある。ヤスリの使用について起こり得る別のリスクには、根管壁や根尖が傷つくことが含まれることがある。

歯内治療デバイスは幾つかの公報に開示されている。

Valdesらによる特許文献1は、「そこからカニューレが延びる歯科用ハイドロジェット工具を使用して歯科的処置を行うための方法および装置。このカニューレは、高圧液体源に連結されており、高速で高圧の噴流を送出する。根管の処置については歯の歯冠に形成した開口部を通してカニューレを向けて送り、歯髄室内の歯髄、神経および脈管組織にハイドロジェットを向けて送る」ことを開示している。

Detailleによる特許文献2は、「髄管が開いている予め開口された髄室が当該歯の冠部にある歯の該髄管と髄室を治療するための装置であって、該歯の冠部に密に嵌着可能な装置を備え、歯の導管神経束または壊死軟塊に実質的に作用する治療液を該髄質と髄管内に循環させ、実質的により高い周波数の振動と合成された周期的衝撃を該髄室と髄管内の該治療液に与える、装置」について開示している。

米国特許第6224378号

米国特許第4021921号

本発明はその幾つかの実施形態において、歯内治療のための装置および方法に関し、より詳細には、それだけには限らないが、1つまたは複数の傾斜流体噴射を用いて根管を治療するための装置および方法に関する。

本発明の幾つかの実施形態のある態様によれば、歯内治療のための装置および方法が提供される。

本発明の幾つかの実施形態のある態様によれば、ノズルを備えた歯内治療のための装置であって、前記ノズルは、歯の髄室を通して挿入するのに十分に細い先端を備えており、前記ノズルは、前記ノズルの垂直軸に対してある度をもった少なくとも1つの流体噴射を備えたビームを生成するように成形され、その結果、前記少なくとも1つの流体噴射は、根管の壁に沿って流れて軟部組織を除去し、前記ノズルは、入パイプラインに接続される、装置が提供される。幾つかの実施形態によれば、前記ノズルは、内部コーンと外部コーンとを備え、前記流体が通過するように内部コーンと外部コーンの間にルーメンを画定する。幾つかの実施形態によれば、前記ノズルは、前記内部コーンのルーメンと、前記内部コーンと前記外部コーンの間にある前記ルーメンとの間を延びるチューブを備える。幾つかの実施形態によれば、前記流体は、前記ノズルからある角度で出るように前記ルーメンを通過してらせん流の形で循環する。幾つかの実施形態によれば、前記傾斜流体噴射は、前記ノズルの垂直軸と交差しない。幾つかの実施形態によれば、前記ノズルは、前記少なくとも1つの傾斜噴射を生成するためのチャンネルを備える。幾つかの実施形態によれば、前記装置と、液体タンクと、空気圧縮機と、を備えるシステムであって、前記装置の前記入力パイプラインは、ハンドルを通過して前記液体タンクおよび/または前記空気圧縮機を前記ノズルに接続する、システムが提供される。幾つかの実施形態によれば、前記システムは、制御パネルおよび電気回路を用いて電気的に制御される。幾つかの実施形態によれば、前記流体は、気体および/または液体および/または研磨粉を備える。幾つかの実施形態によれば、前記気体は、空気であり、前記流体は、50〜95%の間の空気および5〜50%の間の液体を含む。幾つかの実施形態によれば、前記ノズルは、前記流体がエアロゾルとして前記ノズルを出るように成形される。幾つかの実施形態によれば、前記装置は、5〜200PSIの範囲の圧力の空気圧縮機に接続される。幾つかの実施形態によれば、前記装置は、流体を0.1〜50ml/秒の範囲の体積流量で提供する流体タンクに接続される。幾つかの実施形態によれば、前記傾斜噴射は、前記根管の壁に対して接線方向と垂直方向の速度成分を有する。幾つかの実施形態によれば、前記装置は、帰還する流体および残渣を回収するための吸引コーンを備えており、この吸引コーンは、歯の髄室の内部に嵌り込むサイズの先端を有する。

本発明の幾つかの実施形態のある態様によれば、少なくとも1つの流体噴射を、根管の壁に沿って流しこの流れによって前記根管の壁から物質を除去させるようなある角度でその流体噴射を導くステップを含む、歯内治療のための方法が提供される。幾つかの実施形態によれば、除去することは、前記根管の壁から軟部組織を分離することを含む。幾つかの実施形態によれば、前記流れは、前記根管の壁に沿ったらせん流を含む。幾つかの実施形態によれば、前記根管は、少なくとも1つの狭窄部分を備えるとともに、前記流れは、この狭窄部分を通って前記根管の壁に沿った流れを含む。幾つかの実施形態によれば、前記根管は、湾曲および/または分岐を備えるとともに、前記流れは、この湾曲および/または分岐を通った流れを含む。幾つかの実施形態によれば、前記方法は、前記少なくとも1つの角度流体噴射が前記根管の壁に当たるように前記根管への入口の上方にノズルを位置決めするステップを含む。幾つかの実施形態によれば、前記流体は、前記流体が前記根管の中央ルーメンの少なくとも一部分に沿って上方向に帰還するように前記根管の少なくとも一部分の壁に沿って流れる。幾つかの実施形態によれば、前記方法は、前記根管の壁の少なくとも一部分から象牙質組織の層を摩耗させるステップを含む。幾つかの実施形態によれば、この層は、100〜200μmの範囲の厚さを有する。幾つかの実施形態によれば、前記傾斜噴射は、装置のノズルの内部で前記流体をらせん流の形で循環させることによって生成される。幾つかの実施形態によれば、その軟部組織は、神経組織および/または歯髄組織および/または血管を含む。幾つかの実施形態によれば、前記方法は、前記根管の壁上にスミヤー層を残さない。幾つかの実施形態によれば、前記導くステップは、前記流体噴射をパルス状に導くことを含む。幾つかの実施形態によれば、前記導くステップは、封止の準備のために前記根管をクリアにすることを含む。

別段規定がない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および/または科学用語は発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有するものとする。本発明の実施形態を実施または試験する際に本明細書に記載したものと同様のまたは等価な方法および材料を使用することが可能であるが、以下では例示的な方法および/または材料を記載することにする。矛盾が生じた場合には、定義を含め本発明の明細書が優先するものとする。さらには、材料、方法および実施例は単に一例であり、必ずしも限定を意図したものではない。

本明細書では本発明の幾つかの実施形態について、添付の図面を参照しながら単に一例として説明している。ここで具体的に図面を詳細に参照するにあたり、示している詳細事項は単に一例であり本発明の実施形態の例証的な検討を目的としたものであることを強調しておく。このため、図面について取り上げた説明によって当業者には、本発明の実施形態をどのように実施し得るかが明らかとなろう。

本発明の幾つかの実施形態による例示的な歯内治療処置の流れ図である。

本発明の幾つかの実施形態による1つまたは複数の傾斜流体噴射を用いて根管を清掃および/または研磨するための例示的な方法の流れ図である。

本発明の幾つかの実施形態による、根管に入り根管壁に沿ってらせん流の形で進む傾斜流体噴射を示した図である。

本発明の幾つかの実施形態による根管への入口に位置決めされた円錐形ノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態による根管への入口に位置決めされた円錐形ノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態による根管への入口に位置決めされた円錐形ノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態によるノズルを出る傾斜流体噴射のビームの様々なアウトラインの側面図である。

本発明の幾つかの実施形態によるハンドルおよび円錐形ノズルを備えた装置の断面図である。

本発明の幾つかの実施形態によるハンドルおよび円錐形ノズルを備えた装置の外観図である。

図7Aおよび図7Bは、本発明の幾つかの実施形態による円錐形ノズルの断面図および円錐形ノズルの内部に構成された内部コーンの側面図である。

本発明の幾つかの実施形態による根管を治療するための例示的なシステムの概要図である。

本発明の幾つかの実施形態による根管を治療するための例示的なシステムの概要図である。

図9Aおよび図9Bは、本発明の幾つかの実施形態によるハンドルとノズルの出口開口の間を延びるパイプを備えた円錐形ノズルを示した図である。

図9Cおよび図9Dは、本発明の幾つかの実施形態によるハンドルとノズルの出口開口の間を延びるパイプを備えた円錐形ノズルを示した図である。

図10Aおよび図10Bは、それぞれ、吸引コーンを備えたノズルを示した図および前記ノズルの平断面図である。

本発明の幾つかの実施形態による1つまたは複数の傾斜流体噴射を生成するための1つまたは複数の誘導用チャンネルを含んだノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態による1つまたは複数の傾斜流体噴射を生成するための1つまたは複数の誘導用チャンネルを含んだノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態によるノズルを通る流れを制御するための弁を備えたノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態によるノズルを通る流れを制御するための弁を備えたノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態によるノズルを通る流れを制御するための弁を備えたノズルを示した図である。

図13A〜図13Cは、本発明の幾つかの実施形態によるコーンとこのコーンの内部ルーメンの少なくとも一部分を占有するピン形状要素とを備えたノズルを示した図である。

図13Dは、本発明の幾つかの実施形態によるコーンとこのコーンの内部ルーメンの少なくとも一部分を占有するピン形状要素とを備えたノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態によるノズルの例示的な組み上げを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態による1つまたは複数の傾斜流体噴射を生成するための出口流成形用要素を含んだノズルを示した図である。

本発明の幾つかの実施形態による歯内治療のための装置の実現可能性をテストするための実験に関する実験結果を示した表である。

本発明の幾つかの実施形態による歯内治療のための装置の実現可能性をテストするための実験に関する実験結果を示した表である。

本発明の幾つかの実施形態による歯内治療のための装置の実現可能性をテストするための実験に関する実験結果を示した表である。

本発明の幾つかの実施形態による歯内治療のための装置の実現可能性をテストするための実験に関する実験結果を示した表である。

本装置を用いて根管を治療した後に電子走査型顕微鏡によって撮影した象牙質層および象牙細管の画像である。

本発明はその幾つかの実施形態において、歯内治療のための装置および方法に関し、より詳細には、それだけには限らないが、1つまたは複数の傾斜流体噴射を用いて根管を治療するための装置および方法に関する。

幾つかの実施形態では、本装置は、歯を封止する前に歯の根管を清掃、研磨および/または浄化するために使用される。

本発明の幾つかの実施形態のある態様は、1つまたは複数の傾斜流体噴射を用いて根管を清掃および/または研磨することに関する。幾つかの実施形態では、傾斜噴射を根管壁に当てた後に、壁から受ける力によってその噴射を壁に沿って根管の下方向に進むように導く。幾つかの実施形態では、角度が根管の軸の面の外部にある成分を含むため、流れが根管の一部または全部に沿ってらせん流の形で旋回する。幾つかの実施形態では、流体は、有機物質を除去するようにおよび/または根管壁を研磨するように根管壁に沿って進む。幾つかの実施形態では、傾斜流体噴射は根管の垂直軸および/またはノズルの垂直軸と交差しない。

幾つかの実施形態では、根管の中の流れの通過は、流体が壁に沿って進むことによって容易になる。幾つかの実施形態ではこの流体の流れは、根管の狭まったおよび/または遠位の区画の清掃および/または研磨のために根管の狭窄部分を通過させる。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、根管の根尖まで続く。幾つかの実施形態では、流体の少なくとも一部が根管を通って流れ戻り、神経組織、血管、マグマおよび/または残渣などの軟部組織を洗い流す。幾つかの実施形態では、この流体の流れが根管壁に沿って前進するため、帰還する流体は根管の中心を通って上方向に流れる。任意選択で、この得られる流路によって、根管の清掃および/または研磨のための連続した洗浄が可能となる。任意選択で、流体が根管から出ることを可能とするために洗浄が周期的に実行される。幾つかの実施形態では、根管を通過する流体の体積流量は、たとえば1〜9ml/秒、30〜40ml/秒など0.5〜50ml/秒の間の範囲にある。

本発明の例示的なある実施形態では、流れは根管の壁に沿って、根管の少なくとも20%、50%、70%、90%あるいはこの中間やこれより大きな百分率の長さにわたって伝えられる。幾つかの場合では、流れの一部(たとえば、根管の遠位端の位置)は、かなりの乱流(たとえば、壁から離れる流れや壁に向かう流れ)を含む。

幾つかの実施形態では、装置のノズルを出る流体の運動量の向きおよび/または大きさはノズルの構造によって決定される。例示的なある実施形態では、流体は、ノズルの内部にある2つのコーンの間に形成されたルーメンの中で、ノズルの垂直軸に対してある角度をもってノズルから出るように循環される。別の実施形態では、歯の垂直面と交差する面上に構成された傾斜付きチューブなどノズルの構造要素内部における流体の通過によって、この噴射方向を傾斜させることができる。

本発明の幾つかの実施形態のある態様は、根管を通過するとともに、任意選択で、象牙細管の少なくとも一部分に入るように流体を高速で流すことに関する。幾つかの実施形態では、気体(空気など)と液体(水、消毒剤、防腐薬剤および/またはその他の任意の溶液など)との間の比が使用される。一例では流体は、90%の空気および10%の液体を含むことがある。幾つかの実施形態では選択した比は、流体の弾性、流体の速度および/または流量などのパラメータに影響を及ぼすことがある。任意選択で、空気泡などの流体の成分によって根管壁からの有機物質の除去を容易にすることができる。

幾つかの実施形態では、ノズルを出る噴射または噴射ビームについて、たとえば10〜200PSIの間の範囲など比較的低い圧力源を用いる。幾つかの実施形態では、根管の壁に当てるときの傾斜噴射の圧力を、たとえば5〜150PSIの間の範囲などに低くする。

幾つかの実施形態では、流体を高速で流すことによってたとえば象牙質組織などの組織の層を摩耗させる。任意選択で、摩耗は、流体に研磨剤粒子を添加し、これを次いで根管の壁に押し付け、象牙質組織、マグマ、残渣および/またはバクテリアの層を一掃することによって達成される。幾つかの実施形態では、根管壁の表面の少なくとも50〜80%、20〜30%、80〜90%の摩耗が実行される。幾つかの実施形態ではこの流体の流れは、根管壁を平滑にする。

幾つかの実施形態では、根管壁は、この流体の流れによって加えられるせん断力を受ける。任意選択で、加えられた力のために組織の薄い層が除去される。幾つかの実施形態では、根管の少なくとも一部分(たとえば、根尖の近傍)に乱流が観察されることがある。任意選択で、この流体の流れが及ぼすせん断力によって乱流が増大することがある。

幾つかの実施形態では、装置および/またはシステムの有効性を最適化するために、流体噴射の角度、気体と液体の間の比、研磨粉の種別および/またはその他の任意のパラメータあるいはこれらの組合せなどの装置および/またはシステムに関する様々なパラメータが選択されることがある。

本発明の例示的なある実施形態では、複数の噴射が用いられる。任意選択で、複数の噴射を使用することによれば、少なくとも1つの噴射が根管の適正な治療に必要な角度を有する可能性がより高くなることから、ノズルの向きに関する自由度をより大きくすること(たとえば、操作の精度を低くする、かつ/または様々な幾何学構成への整合を可能にする)が可能である。任意選択で、または代替として、複数の噴射を用いることによって根管壁のすべてが確実に十分な速度および/またはその他のパラメータで流体の流れに当たるように支援することができる。

幾つかの実施形態では、噴射は、たとえば円錐形および/または円錐断片の形態で互いに接触することになる。

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、発明がその利用において必ずしも以下の説明に示したおよび/または添付の図面および/または例に示した構成要素および/または方法の構造および配置に関する詳細に限定されないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施形態とすることが可能であり、かつ様々な方式で実施または実行することが可能である。

ここで図面を参照すると、図1は、本発明の例示的なある実施形態による歯内治療処置の流れ図である。

幾つかの場合では、たとえば歯に虫歯、感染および/または亀裂が生じた場合に歯科医は、101に記載したように根管処置を実行するように判断することがある。

通常、1本の歯の根管の数は歯の根の数に依存し、たとえば1〜5本の間の範囲にある。

幾つかの実施形態では、根管処置は、歯の将来の感染および/または膿瘍を防止するために髄室および根管から歯髄組織(抜髄)、マグマ、神経組織および/または血管を除去することを含む。幾つかの実施形態では、根管処置は、根管を成形することを含む。幾つかの実施形態では、根管処置は、歯を浄化することを含む。幾つかの実施形態の特徴は、たとえば根管の成形を実行しないなど上述したものうちの1つまたは幾つかを実行しないことを含む。

本発明の例示的なある実施形態では、たとえば以下で説明するように、たとえばそのままでは細管を塞ぐことおよび/または感染の温床になり兼ねないようなスミヤー層を残存させることなく根管が清掃される。

処置の前および/または処置中に、103に記載したように歯の撮像を行うことがある。たとえば、根管の形状(または、数)を決定するかつ/または感染の徴候を検出するためにX線撮像を行うことがある。

105では、歯の歯冠を通るように、たとえば歯科用ドリルを用いて髄室および根管へのアクセス・ キャビティが形成される。アクセス・ キャビティが形成された後に、107に記載したように任意選択で、アクセス・ キャビティを通して髄室内に挿入される根管ヤスリを用いて根管への入口を露出させる。幾つかの実施形態では、歯の側面を介してアクセスが設けられる。たとえば以下に記載するように根管に対してヤスリを用いない場合もこれを可能とすることができる。

この段階で、露出させた入口を通じた根管の清掃、成形および/または浄化のために、任意選択で、さらに記載するようなノズルを含んだ装置の遠位先端を109に記載したように髄室を通して挿入するとともに、111に記載したように露出させた根管への入口の上方にノズルの出口開口を位置決めさせる。任意選択で、ノズルの出口開口は、さらに記載するように根管の内部に位置決めされる。任意選択で、ノズルの出口開口は、根管入口に対してある角度をもって位置決めされる。113では、ノズルの出口開口から放出された1つまたは複数の傾斜流体噴射が、以下の図で説明するようにして根管を通過する。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、根管壁に沿って前進し、これが組織を除去する。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、歯髄組織、神経組織、血管、マグマおよび/または残渣などの有機物質を根管から除去する。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、象牙質組織の薄い層を根管の壁から摩耗させる。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、根管壁を平滑にする。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、根管を消毒する。

幾つかの場合では、本明細書に記載した流体噴射を用いる前に、根管から残渣塊のうちの一部または全部を除去するために、手作業での清掃(たとえば、当技術分野で周知のヤスリやその他の方法を用いる)を使用する。任意選択で、手作業での清掃によって生成されたスミヤー層を除去するために流体噴射を使用する。

115では歯科医が任意選択で、たとえば根管の根尖に達するようにヤスリを挿入することによって清掃処置および/または研磨処置の有効性を評価するとともに、感染した組織の残存の有無をテストすることがある。任意選択で、歯科医は、根管の再洗浄および/または乾燥および/または消毒(116)を行うことがある。

この段階で、任意選択で、根管(および/または髄室)の封止が行われる(117)。任意選択で、封止には、根管の中空の内部を充填することを含む。幾つかの実施形態では、根管を封止するためにグッタペルカ材料などのゴム製化合物を用いることがある。任意選択で、そのグッタペルカ材料は柔らかくして根管内に注入され、次いでこの中でこれが硬化する。別法として、たとえば円錐の形に成形したより固体形状としたグッタペルカが根管内に挿入されてこれを充填する。幾つかの実施形態では、封止工程は、充填材料を根管の根尖まで挿入した後、上方向に進むことによって開始される。幾つかの実施形態では、一時的な充填が用いられており、これを後から永久充填によって置き換えている。

上に記載した様々な技術においては、当技術分野で周知の技法を用いることがある。109〜113に記載した技術は、たとえば以下に記載するような根管を清掃および/または研磨するための発明の装置および方法のある実施形態を使用することが望ましい。

任意選択で、101〜117に記載した処置は、1つまたは複数の追加の根管(たとえば、同じ歯の追加の根管および/または異なる歯の根管)に対して反復される。任意選択で、治療された1つまたは複数の根管に対して封止が実施される。

図2は、本発明の幾つかの実施形態による1つまたは複数の傾斜流体噴射を用いて根管を清掃および/または研磨するための例示的な方法の流れ図である。

201では、根管を清掃および/または研磨するために根管内に1つまたは複数の傾斜流体噴射が導かれる。

幾つかの実施形態では、噴射は、任意選択で、ノズルの出口開口から出るように導かれた流体の流れである。様々な実施形態は、様々な形状および/または形態をした噴射を有することがある。たとえばその噴射は幅狭の線束の形態を有することがある。幾つかの実施形態では、複数の噴射からなるビームが用いられる。幾つかの場合、噴射は薄くかつ平坦であるとともに、角度が付いて拡散することがある。その他の実施形態では、噴射が実質的に鉛筆様であるが、根管壁と接触したときに拡散している。本発明の例示的なある実施形態では、噴射形状は、使用するノズルの特性の1つである。幾つかの実施形態では、噴射の形状は、空気/液体の割り当ておよび/または圧力および/または脈動性などの流体パラメータに依存することがある。その他の実施形態では、ノズルは、幾つかの噴射形態のうちの1つの選択的な提供を可能にすることがある。

幾つかの実施形態では、複数の傾斜噴射の各々は、さらに記載するように複数の噴射が根管壁に沿ってらせんパターンで一体に流れるように導かれるような異なる角度で根管壁に当たる。

幾つかの実施形態では、1つまたは複数の噴射は根管内に導かれる。幾つかの実施形態では、単一の噴射または複数の噴射の少なくとも一部分が根管の壁に当たる。幾つかの実施形態では、壁から受ける力によってその噴射を根管壁に沿って前進するように導く。幾つかの実施形態では、流体は、たとえば以下の図においてさらに記載するような根管の壁に沿ったらせん流パターンで流れる。

幾つかの実施形態では、さらに説明するようにその1つまたは複数の噴射は、ノズルの垂直軸に対して角度が付くようにしてノズルから放出される。幾つかの実施形態では、1つまたは複数の噴射は、根管の垂直軸に対して角度が付いて根管に入っている。任意選択で、ノズルの垂直軸は、根管の垂直軸と一体になっている。

幾つかの実施形態では、たとえば以下でさらに説明するようにノズルの指定の内側構造によって、1つまたは複数の噴射をある特定の角度および/または方向にそらす。

幾つかの実施形態では、複数の傾斜噴射が2本、4本、8本、12本、50本、1000本、あるいはこれらの中間の本数またはこれより多くの本数で使用される。複数の噴射を用いることの潜在的な利点の1つには、根管壁に対する均一な清掃および/または摩耗を含めることができる。複数の噴射を用いることの別の潜在的利点には、傾斜噴射と根管壁の間で衝突角度を選択できること(たとえば、30°、45°、70°の角度などとする)、ならびに追加としておよび/または代替としてビームの噴射のうちの少なくとも幾つかを確実に根管壁に当てるようにできることが含まれる。

幾つかの実施形態では、たとえば根管壁に沿って有効に前進するのに十分な細さとし、薄層コーティング様の流体層を生成させるようにして単一の傾斜噴射を用いることがある。任意選択で、上述の現象の中で、以下の図で示すことにするように、任意選択で、帰還する流体のうちの一部または全部を根管の垂直軸に沿って中央ルーメンを通して流し戻すことを可能にするようにして、傾斜噴射を根管壁に沿って前進させる。たとえば流体のうちの60〜80%、40〜50%、80〜95%を中央ルーメンを通って流し戻すことがあり、また10〜30%、5〜8%、30〜40%を根管壁に沿って流し戻すことがある。

幾つかの実施形態では、203に記載したように、根管を通過する流体の流れによって歯髄組織、マグマ、神経組織および/または血管などの軟部組織を除去する。幾つかの場合では、除去する組織は感染した組織である。幾つかの実施形態ではこの流体の流れによって、有機物質および/または残渣を流し去っている。

幾つかの実施形態では、この流体の流れは、組織の層(たとえば、象牙質組織の薄層などの薄い層)を摩耗させる。任意選択で、この流体の流れによって根管が広げられる。幾つかの実施形態では、この流体の流れは、根管壁の表面を平滑にする。たとえば、摩耗させる層の厚さを100〜200μm、10〜70μm、200〜300μmの間の範囲とすることがある。任意選択で、摩耗させる層の厚さおよび/または流れによって除去する残渣の量は、適用時間などの様々なパラメータに依存する。

幾つかの実施形態では、流体は、水および/または抗菌性液体などの液体を含む。追加としておよび/または代替として、流体は、空気などの気体を含む。任意選択で、ノズルから分散させる空気と液体からなる混合体はエアロゾルである。任意選択で、ノズルを出るエアロゾルの圧力は10〜200PSIの間の範囲にある。

幾つかの実施形態では、空気と液体の間の比は、たとえば根管を通って流れる流体の速度に対して空気と液体の間の比により影響を及ぼさせる必要性に従って選択される。例示的なある実施形態では、流体は、60〜90%の間の空気と10〜40%の間の液体とを含む。別の例では、空気と液体の割り当ては、90%の液体および10%の空気である。別の例では、流体は100%液体からなる。

幾つかの実施形態では、組織に対する摩耗は研磨粉などの研磨剤粒子を流体に添加することによって達成される。任意選択で、研磨粉は、流体のうちの0.01〜3%、2〜2.5%、0.8〜1.2%の間を占める。空気と液体の混合体に対して添加させ得る研磨粉の幾つかの例には、結晶子、ケイ素粉体、ガーネット粉体、アルミニウム粉体、マグネシウム粉体、セラミック粉体、プラスチック粉体、合成物、金剛砂、貝殻粉体、セメント粉体、塩、粉砕種子および/または上記のものの組合せが含まれる。幾つかの実施形態では、粉体粒子は、2〜500μm、10〜50μm、3〜6μmの間の範囲にある直径を有することがある。幾つかの実施形態では、粉体粒子は、除去しようとする組織の種類に従って選択することができる。幾つかの実施形態では、空気泡にたとえば組織を摩耗させるための研磨剤物質の役割をさせることが可能である。

幾つかの実施形態では、この流体の流れは、205に記載したようにたとえば流体に対して消毒剤を添加することによって根管を消毒する。任意選択で、抗菌性の物質および/または薬剤が添加される。一例では、根管を消毒するために根管を通過させる流体に次亜塩素酸ナトリウムが添加され、これに続いて任意選択で、食塩水と過酸化水素が添加される。幾つかの実施形態では、水、消毒剤および薬剤など使用可能な3つの流体源を存在させている。任意選択で、流体は、これらの液体のうちの1つまたは幾つかを含む。

幾つかの実施形態では、有機物質の除去、組織の摩耗および/または根管の内部の消毒という処置にかかる時間は、たとえば20秒、27秒、43秒など15〜45秒の間の範囲にある。幾つかの実施形態では、たとえば根管が極めて狭い部分を有する場合に上記の処置にかかる時間が、たとえば50秒、55秒など45〜60秒の間の範囲となることがある。任意選択で、処置を完了させるのに、これより短い、これらの中間の時間期間および/またはこれより長い時間期間を必要とする。幾つかの実施形態では、治療は、たとえば10秒間の継続時間に続いて10秒間隔をおく、または2秒間の継続時間に続いて5秒間隔をおく、またはその他の任意の組合せとするなど周期性パルスの形で提供することがある。幾つかの実施形態ではこの間隔の間に、アクセス流体がたとえば吸引によって根管から回収される。

図3は、本発明の幾つかの実施形態による、らせん流の形で根管に入りかつ根管壁に沿って前進する傾斜流体噴射を示している。

幾つかの実施形態では、傾斜流体噴射301は根管305の壁303に当たる。幾つかの実施形態では、根管に入る前および/または入る間に傾斜流体噴射が通過する面は、後で説明するように歯の垂直面(たとえば、垂直軸yがその中を通る面)と交差する。

幾つかの実施形態では、噴射301と根管壁303に沿って長手方向に延びる軸AAなどの軸の間には角度γが形成される。幾つかの実施形態では、たとえば根管の一部分が円筒形に成形される場合に、軸AAは垂直軸yと平行とすることがある。幾つかの実施形態では、角度γは、たとえば10〜85度の間の範囲にある鋭角(たとえば、20度、45度、73度)である。幾つかの実施形態では角度γがゼロである。

幾つかの実施形態では、1つの傾斜噴射301または複数の傾斜噴射を根管壁に当てている。幾つかの実施形態では、噴射は根管壁に沿って前進させる。幾つかの実施形態では、噴射が根管壁に当たった後、壁から受ける力によってその噴射を根管を通ってらせん流313の形で旋回するように導く。任意選択で、根管壁に沿った長手方向の流線などのその他の形態の流れが形成される。

幾つかの実施形態では、流れ313は根管の一部分315に沿って前進する。幾つかの実施形態では、部分315が円筒状である。幾つかの実施形態では、流れ313は根管の狭窄部分317を通過する。幾つかの実施形態では、流れ313は狭窄部分を通過し、次いで広がった部分を通過する。幾つかの実施形態では、流れ313は湾曲部323を通過する。

幾つかの実施形態では、狭窄部分317は0.1mm未満、0.05mm未満、および/またはその中間やこれより小さい値の直径を有する一部分を含む。幾つかの実施形態では、湾曲部323は、0.05mm未満、0.08mm未満および/またはこれらの中間やこれより小さい数値の湾曲半径を有する。幾つかの実施形態では、流体がそこを通って流れる湾曲をより先および/または狭窄部より先の根管の長さは、たとえば、0.1〜4mmの間(たとえば、1mm、0.5mm、2mm)の範囲である。

幾つかの実施形態では、流れ313は根管の根尖319に至る。幾つかの実施形態では、流れ313は根管の分岐部を通過し、たとえば分岐している象牙細管(本図には示していない)の少なくとも一部分に到達する。幾つかの実施形態では、たとえばL字形やC字形の根管など根管305の解剖構造が通常でない場合、および/または根管305が極めて狭い部分を有する場合に、根管の少なくとも大部分について流れ313を通過させて清掃することがある。流体の流れを用いて根管を清掃するおよび/または摩耗させることの潜在的な利点の1つには、たとえばヤスリを用いたのでは到達するのが不可能または困難であるような根管の湾曲部、狭窄部および/または分岐などの箇所に到達する能力を含むことがある。

幾つかの実施形態では、根管壁303は流れ313により加えられることがあるせん断力を受ける。任意選択で、このせん断力のために、象牙質組織などの組織の薄い層が流れによって除去される。幾つかの実施形態では、その組織除去は均一である。幾つかの場合では、たとえば根管の狭窄部分および/または湾曲部分において、その除去は不均一である。幾つかの実施形態では、均一な除去は根管305の直径に依存する。たとえば、直径が0.1mmより小さい狭窄部では、除去が不均一となることがある。任意選択で、こうした場合に、狭窄部を広げるためにヤスリを用いることがある。幾つかの実施形態では、流体の流れによって除去される象牙質層の厚さは、たとえば50μm、80μm、12μmなど10〜300μmの間の範囲にある。任意選択で、その中間のおよび/またはより小さい厚さの層が除去される。幾つかの実施形態では、流体のせん断粘性が除去される層の厚さに影響を及ぼす。

幾つかの実施形態では、たとえば穿通を防止するためにたとえばより短いパルスを加えることによって除去速度が制御される。幾つかの実施形態では、たとえば治療の間に追加の清掃および/または研磨を要するかどうかを判断するために撮像を行うことがある。

幾つかの実施形態では、流れ313は根管の根尖319に到達する。幾つかの実施形態では、流れ313はたとえば根尖319の近傍など根管の幾つかの部分に沿って乱流となることがある。

幾つかの実施形態では、流れ313が根尖319を摩耗させ、その結果として任意選択で、丸みのある根管となる。幾つかの実施形態では、たとえば0.3〜0.5mm、0.1〜0.2mm、0.4〜0.5mmの間の範囲など根尖の自然な開口部が広がらないように流れ313を加える。任意選択で、流れのうちの少なくとも一部の根尖を通る穿通が回避されるように治療時間が選択される。

幾つかの実施形態では、任意選択で除去した有機物質および/または残渣を含む流れ313の少なくともある部分を、根管を通して帰還させる。任意選択で、流れは、たとえば垂直軸yに沿った中央ルーメン内など、経路321に沿って通る。前進と帰還の流路の潜在的な利点の1つには、根管を清掃するために大体積の流体を使用できる能力を含むことがある。たとえば体積流量を0.5〜50ml/秒、10〜30ml/秒、1〜5ml/秒の間の範囲とすることがある。

幾つかの実施形態では、根管305を通過する流れ313の速度は、流体の空気と液体の間の比、根管の直径(根管の各部に沿って様々であり得る)、流体の粘度、噴射内の流体の初期速度および/またはその他のパラメータあるいはこれらの組合せなど、様々なパラメータにより影響を受けることがある。任意選択で、流れ313の速度は、たとえば狭窄部分など根管の幾つかの部分で増大する。一例では、根管壁に沿って前進する流れ313の速度は0.5〜50m/.秒である。任意選択で、流れ313の速度は、根管内部の目下の箇所に従って変化する。幾つかの実施形態では、流れの速度は、たとえば50ml/.秒など比較的高い体積流量を可能にする。

図4Aは、本発明の幾つかの実施形態による根管403への入口の上方に位置決めされた円錐形ノズル401を示している。図4Bは、歯のアクセス・キャビティ423の内部で根管403への入口の上方に位置決めされた円錐形ノズル401およびハンドル421を備えた装置を示している。図4Cは、傾斜流体噴射405に関する幾何学的描出である。

図4Aで分かるように、少なくとも1つの傾斜流体噴射405がノズル401から放出されて根管403の入口407の中に導かれる。

幾つかの実施形態では、たとえば図7でさらに記載するように、ノズル401が1つまたは複数の円錐構造を含む。任意選択で、ノズル401が外部コーン413の内部に位置決めされた内部コーン411を含む。幾つかの実施形態ではコーン411と413の間のルーメン内における流体の循環によって流体噴射405または複数の流体噴射の方向を傾斜させる。

幾つかの実施形態では、流体噴射405または複数の流体噴射の傾斜方向は、ノズル401の円錐構造によって得られる。例示的なある実施形態では流体415は、内部コーン411内に流れ込み、(たとえば、さらに後で示すことにする傾斜付きチューブを通って)外部コーン413まで通され、かつ外部コーン413と内部コーン411の間の狭まったルーメン417の内部をノズル401の出口開口419に到達するまで循環する。幾つかの実施形態では、流体の速度は、たとえば循環経路の半径を変更することによってルーメンを通る循環の際に上昇および/または低下される。

幾つかの実施形態では、ノズル401および/またはノズル401の出口開口419は、たとえば1mm、7mm、1cmおよび/またはこれらの中間やこれより大きな距離だけ上方など根管403への入口407の上方に位置決めされる。幾つかの実施形態では出口開口419は、垂直軸yがノズル401と根管403の中央の長手方向軸に沿って通るようにして、入口407の垂直方向で上方に位置決めされる。潜在的な利点の1つには、ノズル401が根管403の入口407の直ぐ上方に位置決めされる間に1つまたは複数の傾斜流体噴射405によって根管403が洗浄されることが含まれる。幾つかの実施形態ではノズル401が垂直軸yに対してある角度をもって位置決めされる。

幾つかの実施形態では、傾斜噴射405の直径は出口開口419の直径423より小さい。たとえば出口開口419の直径が0.8mmであれば、たとえば出口開口419を通過するときの流体噴射405の直径は10μm、90μm、0.5mm、0.1mm、0.3mmおよび/またはこの中間やこれより小さい直径とすることがある。幾つかの実施形態では傾斜噴射405の直径は、これが出口開口419と根管への入口407の間を流れるにつれて変化する。

幾つかの実施形態では、複数の傾斜噴射405を用いるときに、出口開口419を通って出る傾斜噴射の任意の対同士の間の距離は、0.05mm、0.8mm、2mmなど0.01〜3mmの間の範囲にある。任意選択で、この距離は、たとえば上述のように根管壁421に沿って進む流体の流れからなるコーティング様の層の形成に影響を及ぼす。

幾つかの実施形態では、ルーメン417の内部で流体415が循環する際に、その運動量の向きおよび/または大きさがノズル401の構造によって決定される。

幾つかの実施形態では、軟部組織の除去のための根管壁に沿った流体の指定の流れが生成されるように1つまたは複数のパラメータが(歯科医および/または製造者によって)選択されている。幾つかの実施形態では、パラメータは、傾斜流体噴射の本数、傾斜流体噴射の圧力、噴射の速度、噴射の直径、流体の粘度、気体と液体の間の比、流体に添加する研磨粉の量、治療の継続時間、ノズルの位置決めおよび/またはその他の任意のパラメータあるいはこれらの組合せを含む。一例では、流体噴射の速度および圧力は、噴射が根管入口位置のある壁に当たった後に、流体が根管への入口を越えて(たとえば、歯の歯冠の方向に)散布されないようにして選択されることがある。幾つかの実施形態では、パラメータがたとえば気体、液体間の比など互いに依存し合うことがあり、かつ/またはパラメータが流体の粘度に影響を及ぼすことがある。

幾つかの実施形態では、図4Bで分かるように、上で言及したような歯の歯冠425を通るアクセス・キャビティ423が形成される。任意選択で、アクセス・キャビティ423は象牙質とエナメル組織の層を通過する。幾つかの実施形態では、アクセス・キャビティ423によって髄室427を露出させる。幾つかの実施形態では、記載したシステムおよび/または方法を用いて髄室427が清掃される。任意選択で、髄室はその他の手段を用いて清掃される。幾つかの実施形態では、記載したシステムおよび/または方法は歯のその他の任意の部分に対する清掃および/または研磨のために使用されるが、根管を治療するために使用する際には特別な利点を有することがある。

幾つかの実施形態では、ノズル401の少なくとも一部分がアクセス・キャビティ423を通過する。幾つかの実施形態では、ノズル401の少なくとも一部分が髄室427を通して挿入される。幾つかの実施形態では、ノズル401の少なくとも一部分(たとえば、出口開口419を含む先端)が、根管403の内部ルーメンの少なくとも一部分の中に入れるようにした十分な細さである。

幾つかの実施形態では、ノズル401がハンドル421に接続される。幾つかの実施形態ではさらに説明するように、入力パイプラインがハンドル421を通過するとともに、ノズル401に接続される。幾つかの実施形態では、ハンドル421はノズル401を操縦するために使用される。

図4Cは、傾斜噴射405に関する幾何学的描出である。提示した図では、傾斜噴射405は点Aでノズルを出るとともに、点Bで根管壁に当たる。幾つかの実施形態では、点Bは根管入口の円周上に位置する。別法として点Bは、根管入口の円周上よりたとえば0.1mm、1mm、3mmおよび/またはこの中間の距離だけ下側に位置する。

本図に示したように、軸xは根管壁と直交して根管の直径の方向に延びる。本明細書で言及する場合に、軸yは、たとえば根管壁と平行に長手方向に延びる垂直軸である。軸zは、軸xと軸yの両方と直交する。線A’Bは、傾斜噴射405をxz平面上に投影したものである。幾つかの実施形態では、傾斜噴射405(線AB)とxz平面の間の角度αは、たとえば10〜85°の間の角度など鋭い角度である。幾つかの実施形態では、傾斜噴射ABの投影A’Bと接線方向軸zの間の角度βは、鋭い角度(たとえば、20°、50°、70°など90°より小さい角度)である。幾つかの実施形態では、角度βの大きさは、流れの経路に影響を及ぼす。鋭い角度β(たとえば、5〜10°、15〜20°の間の範囲)の潜在的な利点の1つには、流れが根管壁に沿って密着して通過するようなより効果的な流路が生成されることが含まれる。任意選択で、角度の大きさβは根管を通るらせん流の半径に影響を及ぼすことがある。幾つかの実施形態では角度βは、流れの壁への付着が促進され、かつ/または、飛び跳ねが減少するように選択されることがある。

幾つかの実施形態では、傾斜噴射405の速度ベクトルV(線AB)は、各軸方向のその3つの速度成分(本図ではVx(軸x方向)、Vy(軸y方向)およびVz(軸z方向)で示す)によって記述することができる。一例では、速度成分Vyを2〜50m/.秒とすることがあり、また、速度成分Vzを0.5〜25m/.秒とすることがある。

幾つかの実施形態では、傾斜噴射に対する追加としておよび/または代替として、軸方向噴射(たとえば垂直軸yと平行に延びる)を用いることがある。

幾つかの実施形態では、上で記載した考え方および/または方法のうちのいずれかあるいはこれらの組合せを以下に記載する実施形態の形でおよび/または本発明のその他の任意の実施形態の形で実装することができる。

図5は、本発明の幾つかの実施形態による傾斜流体噴射のビーム501(本図には示していない)の様々なアウトラインを側面図で示している。本図に示したビームのアウトラインは、ノズル503を出たが根管には未だ入っていないビームを示している。

幾つかの実施形態では、上に記載した、複数の傾斜流体噴射からなるビームがノズル503から放出される。幾つかの実施形態では、ノズルの構造がビームの形状に影響を及ぼす。幾つかの実施形態では、ノズルの先端の大きさおよび/または形状がビームの形状に影響を及ぼす。たとえば後で示すように、傾斜噴射のより幅が狭い集束ビームを生成するために細長い先端を用いることがある。別法として、傾斜噴射のより散乱性のビームを生成するためにより短い先端を用いることがある。

幾つかの実施形態では、ビームの直径505がノズルの出口開口の直径507を越えて延びる。幾つかの実施形態では、本図に示したように、流れが根管入口の方向に進むにつれてビームの直径が変化(たとえば、増大)する。任意選択で、アウトラインは、相対する傾斜噴射(たとえば、噴射がノズルの直径の相対する端部から出ること)によって生成する。幾つかの実施形態では、たとえば本図に示したように、様々なビームがノズルの出口開口からある軸方向距離で異なる直径を有することがある。たとえば、直径505は直径509より小さい。

幾つかの実施形態では、たとえばノズルの出口開口が根管のルーメン内部に位置決めされるとき、ビームの噴射は根管壁に直ぐに当たることがあり、これにより流体が壁に沿ってらせん流に導かれることがある。

幾つかの実施形態では、根管壁に沿った指定の流れは傾斜噴射がノズルを出る元の方向の結果である、かつ/または、噴射が根管に当たったときに生成される角度の結果である。

幾つかの実施形態では、傾斜噴射の少なくとも一部は同じ方向に流れる。

幾つかの実施形態では、空気と液体の間の比がビームの形状に影響を及ぼす。任意選択で、流体密度がビームの形状に影響を及ぼす。

幾つかの実施形態では、ビームのアウトラインは、たとえばボトルネック形状、円筒形状、釣鐘形状および/またはその他の任意の形状などその他任意の形状を有することがある。

図6Aは、1つまたは複数の傾斜流体噴射によって根管を清掃および/または研磨するためにハンドル601およびノズル603を備えた装置のある実施形態の断面図である。図6Bは、ハンドルおよびノズルを備えた装置のアウトラインである。

幾つかの実施形態では、ハンドル601は、任意選択で、ハンドルの内部ルーメンを長手方向に沿って通過する1つまたは複数のパイプ605を備える。

幾つかの実施形態では、パイプ605はノズル603への入口開口にあるその遠位端で終わっており、たとえば入口開口はさらに記載するようなノズルの内部コーンに続いている。

幾つかの実施形態では、ハンドル601の近位端607が、ユーザが手で掴めるように構成される。

幾つかの実施形態では、ノズル603に接続させたハンドル601の遠位端609は、上に記載したようにノズル603の出口開口を根管入口の上方に位置決めできるようにたとえば髄室を通して歯の中に挿入できるように構成される。任意選択で、ハンドル601は、ノズル603の近傍にたとえば歯に形成したアクセス・キャビティを通した遠位端609の挿入を容易にし得るような狭窄部分(本図には示していない)を備える。幾つかの実施形態では、ノズルの高さは、たとえば5〜15mmの間の範囲など口の中へのその挿入を可能とするように十分に低くする。

幾つかの実施形態では、内側パイプ605がハンドル601の近位端607を越えて延びる。任意選択で、液体は、内側パイプ605を(たとえば、その近位端の位置で液体タンクに接続させることによって)通過する。任意選択で、空気は、内側パイプ605を(たとえば、その近位端で空気圧縮機に接続させることによって)通過する。幾つかの実施形態では、空気と液体の両方を含んだ流体がパイプ605を通過する。幾つかの実施形態では、液体を通過させる1つのパイプと空気を通過させるもう1つのパイプの2つのパイプが使用される。幾つかの実施形態では、空気と研磨粉(たとえば、研磨粉タンクから転送される)とが一緒にパイプのうちの少なくとも1つを通過する。幾つかの実施形態では、1つのパイプが別のパイプ(中心が同じパイプ)によって囲繞されており、内側パイプがたとえば液体の転送用に使用され、かつ、外側パイプがたとえば空気の転送用に使用されるようにすることがある。幾つかの実施形態では、空気、液体、研磨粉および/またはこれらの組合せがハンドルを通るパイプのうちの少なくとも1つを通過する。

幾つかの実施形態では、パイプは、空気と液体からなる流体を生成し、次いでこれを傾斜噴射の形で放出されるまでノズル603内部で循環させるように、たとえばハンドル601の近位端607の位置で接続させることがある。

幾つかの実施形態では、ノズル603は、たとえば以下の図で説明するような円錐構造を有する。幾つかの実施形態では、ノズル603は、外部コーン615の内部に位置決めされた内部コーン613を備える。幾つかの実施形態では、たとえば次の図によって説明するように流体を内部コーン613から2つのコーンの間のルーメンまで通すために傾斜付きチューブ617が使用される。

幾つかの実施形態では、ノズル603は、たとえば図10でさらに説明するようにたとえば根管を通って上方向に帰還する流体を吸引するために用いられる追加のコーン611を備える。幾つかの実施形態では、吸引された流体は、ハンドルを通過(たとえば、ノズル603内まで通される空気および/または液体と反対方向に通過)することがある。任意選択で、吸引された流体は、ハンドル内の1つまたは複数のパイプを通過する。任意選択で、ハンドル601の近位端607は、パイプおよび/またはタンクおよび/または吸引された流体を処理するために使用されるその他の任意の要素に接続される。

幾つかの実施形態では、ノズルおよび/またはその任意の構成要素および/またはハンドルは、たとえばステンレス鋼、チタン、アルミニウム、陽極酸化被覆アルミニウム、PPM、プラスチック、あるいはその他の生体適合性および/または滅菌適性の材料および/またはこれら材料の組合せのうちの1つまたは幾つかなどの様々な材料から製作されることがある。幾つかの実施形態では、ノズルおよび/またはハンドルの少なくとも一部が使い捨て式である。本発明の例示的なある実施形態では、ノズルは剛性の材料および/または幾何学配置で形成されるが、その先端は可撓に製作されることがある。

幾つかの実施形態では、ノズルは、ハンドルおよび/または以下で記載するシステムの残りの部分とは別に製造および/または使用されることがある。

幾つかの実施形態では、ハンドルは、治療の継続時間を制御するためのon/offボタン、空気と液体の割り当てを制御するためのダイアル、その他などの制御器を備えることがある。

図7Aは、本発明の幾つかの実施形態による円錐形ノズル701の断面図であり、また図7Bは、円錐形ノズル701の内部に構成された内部コーン703の側面図である。

幾つかの実施形態では、ノズル701は、外部コーン705の内部に位置決めされた内部コーン703を備える。幾つかの実施形態では、内部コーン703と外部コーン705が、チューブ(たとえば、内部コーン703の内側ルーメンと内部コーン703の外面と外部コーン705の内面の間にあるルーメン709との間を延びる傾斜付きチューブまたはチャンネル707)によって接続される。

幾つかの実施形態では、外部コーン705は、円筒状の上側部分711を有する。幾つかの実施形態では、外部コーン705は、たとえば内部コーン703に流体が入り込むことを可能にするために円筒状の上側部分711の面に沿って構成され、任意選択で、上述のようなハンドルのパイプに続いている窪み713を備える。幾つかの実施形態では、窪みは、円形、三角形、矩形または流体の内部コーン703を通った流れを可能にするような任意の形状とすることができる。任意選択で、窪みの大きさおよび/または形状は、内部コーン703の入口開口719の大きさおよび/または形状に従って決定される。

幾つかの実施形態では、外部コーン705は、根管への入口の上方に位置決めし得る出口開口715を有する。幾つかの実施形態では、出口開口は、たとえば0.3〜2mmの範囲の直径717を有する円形とすることがある。任意選択で、出口開口の直径は、たとえば根管入口の直径に従うなど、必要に応じて決定される。

幾つかの実施形態では、外部コーン705は、幅狭の針様の先端部分737を備える。幾つかの実施形態では、幅狭の針様先端部分737の長さは、0.2〜7mmの間の範囲にある。幾つかの実施形態では、幅狭の先端737(出口開口715を備える)は、根管のルーメン内に挿入される。任意選択で、幅狭の先端部分は、根管入口から長手方向に測って0.2mm、0.5mm、1mm、2.5mmの距離および/またはこれらの任意の中間距離あるいはこれより長い距離まで挿入される。幾つかの実施形態では、先端部分737の外径は、0.5〜2.5mmの間の範囲にあり、また内径(任意選択で、上で言及したように出口開口の直径となる)は、0.3〜2mmの間の範囲にある。幾つかの実施形態では、先端部分737の直径は、根管の少なくとも一部分の中への先端部分737の挿入を可能にさせるのに十分な細さである。任意選択で、先端部分737が可撓であり、たとえば可撓な材料から製作されている。

幾つかの実施形態では、円筒状の上側部分711は、たとえば流体がノズル701の最上部を通って出るのを防止するために覆い蓋721によって覆われる。

幾つかの実施形態では、覆い蓋721を円筒状の上側部分711の最上部でねじ留めすることがある。

幾つかの実施形態では、内部コーン703は、外部コーン705の円筒状の上側部分711に従った大きさおよび/または形状とし得る円筒状の上側部分723を備える。

幾つかの実施形態では、内部コーン703は、たとえば円筒状の上側部分723の面に沿って構成された入口開口719を備える。幾つかの実施形態では、入口開口719は、外部コーン705の窪み713に続くように構成される。幾つかの実施形態では、入口開口は、円形、三角形、矩形または中を通る流体の流れを可能にする任意の形状とすることができる。

幾つかの実施形態では、円筒状の上側部分723は、円筒状の上側部分711の内部にこれらの間に空間ができないようにして嵌め込まれており、これによりたとえばコーンの2つの上側部分の間に流体が流れるのを防止する。幾つかの実施形態では、円筒状の上側部分723の直径は、円筒状の上側部分711の直径と比べて若干小さいだけである。たとえば、円筒状の上側部分723の直径は、2〜18mmの間の範囲にあり、また、円筒状の上側部分711の直径は、3〜20mmの間の範囲にある。

幾つかの実施形態では、円筒状の上側部分723の最上部725は開いている。幾つかの実施形態では、内部コーン703の円筒状の部分723が円筒状の部分711と同じ高さまで延びる場合、覆い蓋721が内部と外部の両方のコーンを覆うことがある。

幾つかの実施形態では、内部コーン703の先端727は、流体が中を通過するのを回避するために閉じている。幾つかの実施形態では、先端727は、出口開口715まで延びており、かつ/または、出口開口715を越えて(たとえば、1mm越えるまで)延びる。

幾つかの実施形態では、内部コーン703の内側ルーメンと、内部コーン703の外面と外部コーン705の内面の間にあるルーメン709との間に傾斜付きチューブ707が延びる。任意選択で、傾斜付きチューブ707への入口729が、流体を内部コーン703から出すための出口開口の役割を果たす。任意選択で、傾斜付きチューブ707の出口731は、円筒状の上側部分723の面に沿った最下点に構成し、ルーメン709に至るようにする。

幾つかの実施形態では、ルーメン709の大きさは、外部コーン705と内部コーン703のそれぞれの狭窄部分733と735の直径の差に従って決定される。たとえば、狭窄部分733の初期直径は3mmであり、また、狭窄部分735の初期直径は0.3mmである。幾つかの実施形態では、ルーメン709を形成する内部と外部のコーンの間の距離は一定(たとえば、1mmの距離)である。幾つかの実施形態では、内部と外部のコーンの間の距離は変化する(たとえば、垂直軸に沿って増大する)。

幾つかの実施形態では、流体(任意選択で、液体、空気および/または研磨粉あるいは上記のものの組合せを含む)は、外部コーン705の窪み713を通って、内部コーン703の入口開口719内にまた内部コーン703のルーメン内に流れ込む。幾つかの実施形態では、流体が内部コーン703の内部に溜まるにつれて、圧力が上昇することがあり、また、流体が入口729を通って傾斜付きチューブ707の中まで押し入れられることがある。流体が出口731を通って傾斜付きチューブ707を出た後、流体は内部と外部のコーンの間のルーメン709の内部を循環する。任意選択で、循環はらせん状である。任意選択で、ルーメンが狭まると流体が流れる速度は増大する。幾つかの実施形態では、らせん状循環によって流体は、上で記載したような1つまたは複数の傾斜流体噴射の形態で外部コーン705の出口開口715を通ってノズル701から出される。

幾つかの実施形態では、空気と液体の間の比(たとえば、90%の空気および10%の液体)のために、ルーメン709に入る流体がエアロゾルとなる。エアロゾルの潜在的な利点の1つには、コーンの表面と流体の間に生成される摩擦が低減すること(これにより任意選択で、流体(エアロゾル)のより速い速度を可能にし得ること)が含まれる。

幾つかの実施形態では、コーンのうちのいずれかを非対称性とするおよび/またはさもなければ歪ませることがある。

図8Aおよび8Bは、本発明の幾つかの実施形態による根管を治療するための例示的なシステムの概要図である。

幾つかの実施形態では、本システムは、たとえば水、消毒剤および/または薬剤などの液体を貯蔵するための液体タンク801を備える。任意選択で、たとえば薬剤を水と分離して貯蔵するため、または消毒剤を薬剤と分離して貯蔵するために、複数の液体タンクを用いる。幾つかの実施形態では、液体タンクの容量は、0.2〜50Lの間の範囲にある。幾つかの実施形態では、液体タンクは、アルミニウム、鋼鉄、プラスチック、または液体を包含することおよび空気圧に耐えることが可能な任意の材料から製作することができる。幾つかの実施形態では、液体タンク801は、液体を連続混合するための機械式、液圧式または電気式の旋回要素などの混合要素を備えることがある。

幾つかの実施形態では、液体タンク801は、空気圧縮機803に接続される。幾つかの実施形態では、空気圧縮機は、液体タンク801に空気を押し入れる。幾つかの実施形態では、空気圧縮機が生成する圧力は、5〜500PSI、1〜100PSI、100〜200PSIの間の範囲にある。任意選択で、空気圧縮機によって空気を液体タンクに押し入れるのにつれて、タンクの内部の圧力が上昇するとともに、タンクの出口開口を通って液体が押し出される。幾つかの実施形態では、タンクの出口開口は、上述のように装置のハンドル805に接続される(たとえば、パイプによって接続される)。

幾つかの実施形態では、本システムは回収タンク809を備える。任意選択で、回収タンク809は、根管から出る帰還流体(有機物質、無機物質および/または残渣を含むことがある)用に使用される。幾つかの実施形態では、回収タンク809は、ポンプ811および/またはベンチュリ式コネクタに接続される。幾つかの実施形態では、ポンプは、たとえばノズルの吸引用コーン(本図には示していない)を通して、ハンドル805を通して、また、回収タンク809に繋がる1つまたは複数のパイプを通して帰還流体を吸引するために使用される。任意選択で、帰還流体、唾液および/または残渣を回収するために歯の上および/または口の内部に吸引キャップを配置することがある。

幾つかの実施形態では、図8Bに示したように、研磨粉を貯蔵するために粉体タンク813を使用する。幾つかの実施形態では、粉体タンク813は空気圧縮機803に接続される。

空気、液体、研磨粉および/またはこれらの任意の組合せが本システムの1つまたは複数のパイプを通過することがある。

幾つかの実施形態では、図8Aに示したように、空気圧縮機803にパイプが接続されており、かつ、液体タンク801に接続させたパイプをハンドル805に繋がる経路に沿った任意の点で接合させており、これにより空気と液体がハンドル805に入る前に互いに混合される。幾つかの実施形態では、図8Bに示したように、複数のパイプが空気、液体、研磨粉と空気、液体と空気および/またはこれらの任意の組合せをハンドル805内に導くことがある。幾つかの実施形態では、液体と空気またはその他の任意の組合せを中心が同じパイプを通して流すことがある。

幾つかの実施形態では、パイプが微細孔を含み、これによりたとえば空気の内部の流れを可能としながら液体がパイプから出るのが防止される。

幾つかの実施形態では、上述の構成要素のうちのいずれかおよび/またはこれらの組合せを別々に通し、ノズルのルーメン(本図には示していない)の位置でだけ互いに混合させている。

幾つかの実施形態では、たとえば空気、液体および/または研磨粉の通過を制御するための制御パネル815が使用される。幾つかの実施形態では、圧力、速度、体積、流量および/またはその他の任意のパラメータを制御することができる。幾つかの実施形態では、治療の継続時間を制御パネル815を用いて制御する。幾つかの実施形態では制御パネル815を電源817に接続することがある。

幾つかの実施形態では、液体タンク、空気圧縮機、ポンプおよび/またはその他の任意の構成要素など本システムの2つ以上の構成要素が電気回路819によって接続される。幾つかの実施形態では、電気回路819を作動させて本システムの1つまたは複数の構成要素の機能を制御させるために制御パネル815が使用される。たとえば制御パネル815を用いて、空気圧縮機803を作動させる、液体を液体タンク801から放出する、流体をハンドル内まで通す、パイプまたは接合部に沿う弁を開放するおよび/または本システムのその他の任意の機能を行わせるための電気信号を送ることがある。

図9A〜9Dは、円錐形ノズル901であって、ハンドル905とこのノズル901の出口開口907との間を延びるパイプ903を備えた円錐形ノズル901のある実施形態を示している。

図9Aおよび9Bは、パイプ903を含んだ2つの実施形態を示している。図9Bは、上に記載したような幅狭の先端部分911を有する円錐形ノズル901を示している。図9Aは、平坦な先端部分913を有する円錐形ノズル901を示している。図9Cは、上記の図に記載したものと同様であるがパイプ903をさらに含めたノズルの断面である。図9Dは、このノズルの内部コーンの側面図である。

幾つかの実施形態では、長手方向パイプ903は、空気、研磨粉、液体および/またはこれらの組合せをノズル901を通って流し通すために用いられる。幾つかの実施形態では、この流れは、上述のようにノズル901の主経路を通って流れる流体と平行にパイプ903を通るように流れる。

幾つかの実施形態では、パイプ903の遠位部分が出口開口907から突き出ている。幾つかの実施形態では、たとえば図9Bに示したように、幅狭の先端部分911を根管の少なくとも一部分の中に挿入する場合に、上記の材料のうちのいずれかを根管の内部のある箇所まで送達させるためにパイプ903を用いることがある。

幾つかの実施形態では、パイプ903は、放出される傾斜流体噴射について、これらの進路を変えることによりその方向に影響を及ぼす。

幾つかの実施形態では、パイプ903の近位端は、流体タンク、気体圧縮機、粉体タンクおよび/または任意のパイプなど本システムの上述の構成要素のうちのいずれかに接続される。

幾つかの実施形態では、ノズル901を備えた内部と外部のコーンは、たとえば外部と内部のコーンのそれぞれの窪み917および入口開口919の上方または下方など両コーンの上側円筒状部分の面に沿って構成される、パイプ903の通過のための開口915を含む。

幾つかの実施形態では、図9Cおよび9Dに示したように、パイプ903は、傾斜付きチューブ909に対して平行な面上を通る。幾つかの実施形態では、パイプ903は、たとえばパイプ903を通過する物質との流体の混合を可能にするためにチューブ909と交差する。

図10Aは、上で言及したような吸引コーン1001を備えたノズルを示しており、また、図10Bは、ノズルの水平断面を示している。

幾つかの実施形態では、吸引コーン1001は、ノズルの外部コーンおよび/または内部コーンに従って成形されおよび/またはサイズ設定される。

幾つかの実施形態では、吸引コーン1001は、ノズルの外部に組み上げられる。幾つかの実施形態では、吸引コーンは、成形過程でノズルに取り付けられる。幾つかの実施形態では、吸引コーンを取り付けるために、ピンやねじなどのその他の機械的手段が使用される。

任意選択で、ノズルの吸引コーン1001と外部コーン1013の狭窄部分の間にルーメン1011が形成される。幾つかの実施形態では、このルーメンはチャンネルまたはチューブを備える。

幾つかの実施形態では、ノズル1015の遠位先端が吸引コーン1001から突き出ている。

幾つかの実施形態では、吸引コーン1001は、1つまたは複数の出口開口1005および/または1007を有する。任意選択で、出口開口1005および/または1007は、吸引コーン1001の円筒状の上側部分1009に沿って構成される。幾つかの実施形態では、出口開口1005および/または1007は、任意選択で、パイプを通してハンドルに接続される。幾つかの実施形態では、パイプは、図8において上述したようにノズルを通りまたハンドルを通って上方向に帰還流体を吸引してこれを処理するために、真空ポンプなどのポンプに接続される。

幾つかの実施形態では、吸引された流体は、ノズルの吸引コーンの内面と外部コーンの外面との間にあるルーメン内で吸引コーン1001を通過することがある。幾つかの実施形態では、そのルーメンがチャンネルまたはチューブを備える場合に、流体がチューブを通して直接吸引されることがある。

幾つかの実施形態では、根管を通って上方向に帰還する流体は、歯髄組織、神経組織、血管、研磨粉および/または流れによって除去されたその他の残渣など、有機性および/または無機性の除去済み物質を包含することがある。

幾つかの実施形態では、吸引コーン1001が蓋によって覆われており、この蓋は、任意選択で、流体が吸引コーン1001の最上部を通って出るのを防止するためにノズルの外部コーンの蓋の最上部にねじ留めされる。

図10Bは、線AAに沿ったノズルの水平断面を示している。中央円形ルーメン1017は、内部と外部のコーンの間に形成されたルーメンである。3つのアーチ形のルーメン1019は、外部コーンと吸引コーン1001の間に形成されたルーメンである。幾つかの実施形態では、アーチ形のルーメン同士の間の空間1021は、吸引コーン1001をノズルの狭窄部分に取り付けるためのアンカーを含む。

図11A〜Bは、本発明の幾つかの実施形態による1つまたは複数の傾斜流体噴射を生成するための1つまたは複数の誘導用チャンネルを含んだノズルに関する2つの実施形態を表している。図11Aは、ノズル1101、前記ノズルの遠位端の水平断面1105および前記ノズルの長手方向断面1107を含む。図11Bは、円錐形ノズル1101、ノズルの遠位先端(出口開口)の水平断面1109およびノズルの近位先端の水平断面1111を含む。

幾つかの実施形態では、装置のノズル1101は傾斜流体噴射を導くための1つまたは複数のチャンネルを備えることがある。幾つかの実施形態では、チャンネルはチューブ1103の形で形成される。幾つかの実施形態では、ノズル1101が円筒である。幾つかの実施形態では、チューブ1103は、ノズル1101の内壁に沿って構成される。

幾つかの実施形態では、チューブの角度は、チューブが形成する流体噴射に関する得られる角度に従って決定される。幾つかの実施形態では、チューブの構成(角度など)は、たとえばねじ留めを用いてチューブの背面をノズル1101の壁に接続することによって調節可能である。

幾つかの実施形態では、チューブ1103は同じ直径を有する。幾つかの実施形態では、チューブ1103は様々な直径を有する。幾つかの実施形態では、単一のチューブで直径が変化してもよい。

図12A〜12Cは、本発明の幾つかの実施形態によるノズルを通る流れを制御するための少なくとも1つの弁を備えたノズルの図である。図12Aでは、ノズルが円錐形状にしたアウトライン1219を有しており、また、図12Bでは、ノズルが楕円形状としたアウトライン1221を有する。図12Aと12Bの両図では、ノズルがたとえばモールド方式を用いて形成された一体構造として形成される。図12Cでは、ノズルは、さらに説明するように別々の構成要素(たとえば、互いに接続させたコーン)から形成されることがある。

幾つかの実施形態では、流れ(たとえば、空気(または、その他の任意の気体)、液体、研磨粉および/またはこれらの組合せのノズル内への流れ)を制御するために弁1201が使用される。幾つかの実施形態では、図12Aおよび12Bに示したように弁1201は、ハンドルを通過するパイプ1203の端部と、装置の外部と内部のコーンの間に形成されたルーメン1205との間に位置決めされる。幾つかの実施形態では、図12Cに示したように、弁1201は、パイプ1203の端部と接続用ルーメン1217との間に位置決めされる。任意選択で、弁が開放位置にあるとき、上記の物質のいずれかおよび/またはこれらの組合せの流れが接続用ルーメン1217に入り、次いでここからルーメン1205まで通る。追加としておよび/または代替として、接続用ルーメン1217とルーメン1205の間に少なくとも1つの弁を位置決めすることがある。追加としておよび/または代替として、任意の接合、入口開口、出口開口、パイプに沿って、ノズルのルーメン、またはノズルのその他の任意の部分に弁が位置決めされる。

幾つかの実施形態では、弁1201は、封止用要素1207を備える。幾つかの実施形態では、封止用要素は、流体および/またはその他の任意の物質が上方向に流れてパイプ1203に入るのを防止する。

幾つかの実施形態では、弁1201は、ばね1209を備える。幾つかの実施形態では、ばねは、空気および/または液体圧によって伸長または圧縮される。幾つかの実施形態では、ばね1209および/または封止用要素1207は、機械的手段(たとえば、ハンドルから制御を受けるレバーに弁1201を接続することによる)、液圧式手段(たとえば、その中を通過する流体の圧力によって動作させる)および/または電気的手段などのその他の手段を用いて制御される。

幾つかの実施形態では、ばね1209が伸長されるときに、これが封止用要素1207を開放位置まで引っ張る。任意選択で、この開放位置において、空気、液体、研磨粉および/またはこれらの組合せなどの材料がルーメン1205に流れ込むことがある。

追加としておよび/または代替として、内部コーンのルーメンからの流体の外部と内部のコーンの間のルーメン1205内への流れを制御するために弁1211を用いる。任意選択で、弁の封止用要素1213は、傾斜付きチューブ1215の端部に位置決めされる。幾つかの実施形態では、この弁は、たとえば弁を閉鎖位置まで周期的に押すことによって治療時間を制御するために使用される。

幾つかの実施形態では、ばねの代わりにコードなどのその他の要素を用いることがある。幾つかの実施形態では、たとえば空気圧によって開くフラップとして形成された封止用要素1207だけを用いることがある。

弁1201や同様のものを用いることの潜在的な利点の1つには、流体が根管に入る直前に流体に任意の物質を添加する能力が含まれる。一例では、塩など流体に融けることができる研磨粉(空気を伴うことも伴わないこともある)をパイプ1203の中を通過させるとともに、ルーメン1205に入れる。任意選択で、流体への塩の添加が根管に入る前の比較的短い時間に行われるため、塩の一部分は融けず、根管から軟部組織を除去するための研磨粉として用いることが可能となる。

図13A〜13Dは、本発明の幾つかの実施形態によるコーン1301を備えたノズルを、コーン1301の内部ルーメンの少なくとも一部分を占有するピン形状要素1303を備えるようにして示している。図13Bは、ノズルの線AAに沿った水平断面である。図13Cは、ピン形状要素1303の拡大図を示している。

幾つかの実施形態では、チューブ1305の遠位端が、ピン形状要素1303によって占有されていないコーン1301のルーメン1307内まで通る。幾つかの実施形態では、ノズルの一部分を占有し、特定の流れパターンおよび/または方向で流体を流すために用い得るルーメンを生成するために、その他の要素(たとえば、円筒)を用いることがある。

幾つかの実施形態では、ピン形状要素1303は、コーン1301の直径と比べてより小さい直径を有する。幾つかの実施形態では、流体がルーメン1307の内部を通る。幾つかの実施形態では、ピン形状要素1303のロッド部分1309の面とコーン1303の内面との間の距離は0.2〜3mmの間の範囲にある。

幾つかの実施形態では、図13Aで分かるようにロッド部分1309は、丸みのある楕円形の先端1315を備えた円筒形に成形される。幾つかの実施形態では、図13Dで分かるようにロッド部分1309は、先が尖った先端1317を有する狭まった円錐の形に成形される。

幾つかの実施形態では、ピン形状要素1303のヘッド1311は、コーン1301の上側部分がヘッド1311によって完全に占有されるようにしてコーン1301の内部に嵌め込まれている。任意選択で、これによって流体が中を通過するのが防止される。

幾つかの実施形態では、チューブ1305は、その近位端においてハンドル(本図には示していない)内のパイプに接続されることがある。幾つかの実施形態では、液体、空気および/または研磨粉あるいはこれらの組合せなどの流体をチューブ1305に通過させることがある。幾つかの実施形態では、流体は、ルーメン1307の内部を、たとえばらせん流の形で循環する。任意選択で、らせん流は、ロッド部分1309によって(流体がその周りを通るように強制されるため)生じさせている。幾つかの実施形態では、流体は、らせん流のために傾斜噴射の形態で出口開口1313を通ってノズルから出る。

幾つかの実施形態では、チューブ1305は、楕円形断面1319を有する。別法として、チューブ1305は、円形断面、矩形断面、またはその他の任意の形状を有する。幾つかの実施形態では、チューブ1305は、ロッド1309の周りで(たとえば、ロッドの近くで)捻じられている。

幾つかの実施形態では、図13Aで分かるように、コーン1301は、幅狭の細長い先端部分1315を有する。幾つかの実施形態では、図13Dで分かるように、コーン1301は、平坦形状の先端部分1317を有する。

図14は、本発明の幾つかの実施形態によるノズルに関する例示的な組み上げを示している。

幾つかの実施形態では、ノズルは、内部コーン1401と、外部コーン1403と、吸引コーン1405と、1つまたは複数の蓋1407と、を備える。幾つかの実施形態では、たとえば製造の間に、内部コーン1401が外部コーン1403の中に挿入される。幾つかの実施形態では、内部コーン1401が外部コーン1403の内部に組み上げられるとともに、任意選択で、この両方のコーンを吸引コーン1405の内部に組み上げている。

幾つかの実施形態では、これらのコーンのうちの少なくとも2つがピンまたはねじなどの機械的手段によって接続される。幾つかの実施形態では、これらのコーンが、モールド手段(たとえば指定の型を用いてコーンのうちの少なくとも2つを一体に鋳造すること)によって接続される。任意選択で、任意の2つのコーンおよび/またはすべてのコーンを一体にモールドし、たとえば一体構造として製作されたノズルを作成している。

幾つかの実施形態では、コーンのうちのいずれかをたとえば清掃を可能とするために取り外し可能とさせている。

図15は、1つまたは複数の傾斜流体噴射を生成するための出口流成形用要素を含んだノズルの図である。幾つかの実施形態では、出口流成形用要素は、翼1505の形に成形させることがある。

幾つかの実施形態では、ノズル1503は、1つまたは複数の翼型要素1505を含む。幾つかの実施形態では、翼型要素1505は、ノズル1503を出る流体をたとえば上に記載したような1つまたは複数の傾斜噴射を生成するように方向転換させるために使用される。

幾つかの実施形態では、その流体が平行流で円筒状のノズル1503を通過するとともに、この平行な流体を翼型要素1505によって傾斜方向にそらす。幾つかの実施形態では、ノズル1503が平行なチューブを備えるとともに、翼型要素1505は、このチューブの遠位端に位置決めされる。

幾つかの実施形態では、翼型要素1505は、ノズル1503の出口開口に沿って構成される。

本出願より満了に進む特許の有効期間内にも、多くの関連する歯内装置が開発されることが予想され、歯内装置という用語の範囲は、このような新規の技術のすべてをアプリオリに含むものとする。

用語「comprises(備える、含む)」、「comprising(備える、含む)」、「includes(含む)」、「including(含む)」、「having(有する)」、およびこれらの活用形は、「〜を含むがこれに限定されない」ことを意味する。

用語「〜からなる」は、「〜を含みかつこれに限定される」を意味する。

用語「本質的に〜からなる」は、その組成、方法または構造が、追加の構成要素、追加のステップ、または追加の部分を含むことがあるが、ただし特許請求している組成、方法または構造の基本的かつ新規の特徴が、これらの追加の構成要素、ステップまたは部分によって実質的に変更されない場合に限られることを意味する。

本明細書では、単数形の「a」、「an」および「the」は、別段文脈により明らかに示されない限り、対象要素の複数形も含む。たとえば「ある化合物」または「少なくとも1種類の化合物」という表現には、複数の化合物(それらの混合物も含む)を含むことができる。

本出願の全体を通じて、本発明の様々な実施形態をある範囲形式で提示することがある。範囲形式での記述は単に利便性および簡潔性を求めたものであり、本発明の趣旨に対する硬直的な限定と解釈すべきでないことを理解されたい。したがって、範囲に関する記述は、可能な部分範囲のすべてならびに当該の範囲内にある個々の数値を具体的に開示したものと見なすべきである。たとえば1から6までなどの範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までその他といった部分範囲、ならびに当該範囲内ある個々の数(たとえば、1、2、3、4、5および6)を具体的に開示したものと見なすべきである。このことは、その範囲の広さとは無関係に当てはまるものである。

本明細書において数値範囲を指定している場合は常に、指摘した範囲内にある任意の引用数値(端数の場合も整数の場合もある)を含むことを意味している。指摘した第1の数と指摘した第2の数「の間の範囲にある」という表現と指摘した第1の数「から」指摘した第2の数「までの範囲にある」という表現とは、本明細書において交換可能に使用しており、指摘した第1の数および第2の数、ならびにこれらの間にあるすべての端数および整数を含むことを意味している。

本明細書では、「方法」という用語は、化学的、薬理学的、生物学的、生化学的および医学的技能をもつ施術者に知られているか、化学的、薬理学的、生物学的、生化学的および医学的技能をもつ施術者によって既知の方式、手段、技法および処置から容易に開発されるかのいずれかの方式、手段、技法および処置(ただし、これらに限らない)を含む所与のタスクを実現するための方式、手段、技法および処置を意味している。

本明細書では、「治療」という用語は、状態の進行を抑止する、実質的に防止する、遅くするまたは逆転させること、状態の臨床的または審美的な症状を実質的に改善すること、あるいは状態の臨床的または審美的な症状の出現を実質的に防止すること、を含む。

本発明のある種の特徴は、明瞭にするために別々の実施形態のコンテキストで記載することがあるが、単一の実施形態において組合せて提供されることもあり得ることを理解されたい。逆に本発明の様々な特徴は、明瞭にするために単一の実施形態のコンテキストで記載することがあるが、単独で提供されること、または適当な任意の部分組合せで提供されること、または本発明に関する記載した別の任意の実施形態に適するように提供されることもあり得る。様々な実施形態のコンテキストで記載したある種の特徴は、その実施形態がその要素がなくとも動作不可能でない場合は、これらの実施形態の本質的特徴であると見なさないものとする。

本明細書の上で規定したようなまた添付の特許請求の範囲の部分で特許請求したような本発明の様々な実施形態および態様は以下の実施例から実験的な支持が得られよう。

ここで、上述の説明とともに本発明の幾つかの実施形態を非限定的に例証している以下の実施例を参照することにする。

傾斜流体噴射を用いた歯内治療のための装置および方法の実現可能性をテストするための実験

本発明者らは、上述のように根管の清掃、研磨および/または消毒のための装置を備えるシステムの実現可能性をテストするための実験を実施した。

実験計画

ヒトの歯試料41本を患者から抜歯した。この試料には、2〜4の根管を有する臼歯からなる群と、単一の根管を有する門歯からなる群と、が含まれていた。全体として、この実験では182の根管をテストした。各歯試料は、下で示すように1つまたは様々なタイプの根管を有していた。

テストした5つのタイプの根管は、以下のとおりである:標準根管(53試料)、湾曲した根管(40試料)、急湾曲の根管(32試料)、根尖で開口部が拡大した(石灰化の結果として自然に生成され2〜3mmの間の範囲に及ぶ)根管(33試料)、および極めて狭い根管をもつ試料(24)。

2〜3の根管を有する11の歯試料の各々は、入口開口の直径が0.5mmより小さく極めて狭いものであった。

これらの試料は、抜歯の直後に、根管の脱水を防ぐために10%の塩素および90%の水を包含した10%漂白溶液(他の溶液を使用することもできる)中に置いた。

各試料ごとに以下の処置を行った。先ず、髄室を通る根管までのアクセスを可能にするために、歯冠を通るアクセス・キャビティを設けた。根管への入口を露出させ、さらに試料を漂白溶液中に戻した。次いで、試料を溶液から出してゴム型内に置いた。この段階で、320スライスのCT撮像デバイスを用いて試料を撮像した。任意選択で、その他の撮像デバイスを用いることもある。

試料の各々に対する清掃、研磨および消毒のために、一例として上の図8で説明したような装置およびシステムを使用した。この装置のノズルは、髄室を通して挿入するとともに、ノズルの出口開口が概ね1〜3mmの距離で根管への入口の垂直上方に構成されるようにして位置決めした。

根管の治療に使用した流体には、水、空気およびガラス粉(研磨粉として使用)を包含させていた。用いた圧力は、80PSIの水圧と80PSIの空気圧である。流体は、システムのパイプライン(たとえば、装置のハンドル内にあるパイプ)を通過させ、ノズルに至らせるとともに、上に記載したような傾斜流体噴射の形態で出口開口を通って出させた。

各試料の根管の清掃、研磨および消毒は上に記載したように流体の流れが根管壁に沿って進み、神経組織、歯髄組織および/または残渣などの有機物質を除去することによって達成させた。

試料の各々に関する治療時間は、狭窄部分の有無、湾曲の有無、根管の長さおよび/またはその他のパラメータあるいはこれらの組合せなどのパラメータに従って決定した。本実験で用いた治療時間は15秒(13試料に適用)、30秒(15試料に適用)および45秒(13試料に適用)であった。任意選択で、その他の治療時間を使用することができる。

工程の最後に、再度、320スライスCT撮像デバイスを用いて各試料の撮像を行った。

各試料について、根尖穿通(本例では、根尖の自然な通常の開口部をさらに広げることを意味する)、根尖穿通の等級(生じた場合)、根管壁に沿った穿通および摩耗させた層の厚さのテストを行った。

試料の根管が清掃されたことを立証するために、各試料から電子走査型顕微鏡画像を取得した(これについては、さらに説明することにする)。

データ分析および結果

図16A〜図16Bは、実験結果の表である。この表は、テストしたすべての根管についてその根尖が穿通を受けていない(すなわち、最初の自然な開口部を広げなかった)ことを示している。この表は、さらに、テストしたすべての根管についてその根管壁もまた穿通を受けていないことを示している。除去した象牙質層の厚さは、テストしたすべての根管に関して100〜200μmの間の範囲にあった。

図17は、上述した実験の最後に撮影した試料のうちの1つに関する象牙質層と象牙細管の画像を示している。この画像は、電子走査型顕微鏡によって5000倍の倍率を用いて撮影した。

画像を取得する前に試料を漂白溶液中に保存しておいた。試料を溶液から取り出した後に、これを長手方向断面に沿ってスライスし、根管の内部ルーメンを露出させた。この例示的な画像は、象牙質層1701および細管1703が流体の流れによって清掃されかつクリアにされており、かつスミヤー層を有しないことを示している。

本発明についてその特定の実施形態に関連してここまで説明してきたが、当業者には数多くの代替形態、修正形態および変形形態が明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の精神および広範な趣旨の域内にあるようなこうした代替形態、修正形態および変形形態も包含するように意図している。

本明細書で言及しているすべての刊行物、特許および特許出願は、これら個々の刊行物、特許および特許出願の各々が、参照によって本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されたのと同じ範囲で、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。さらには、本出願において何らかの参考文献を引用または特定しているとしても、そのような参考文献が本発明に対する従来技術として利用可能であることを認めていると解釈されるものではない。セクションの見出しが使用される場合、それらの見出しは必ずしも本発明を限定するものとして解釈すべきではない。

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