開口器

申请号 JP2012127057 申请日 2012-06-04 公开(公告)号 JP5832379B2 公开(公告)日 2015-12-16
申请人 株式会社デンソー; 国立大学法人九州大学; 发明人 奥田 英樹; 小山 俊彦; 池上 達也; 豊田 和孝; 大内田 理一; チョ ビョンヒョン; 橋爪 誠;
摘要
权利要求

患者の口腔内の上顎側(301)に当接する上側部材(3)と、 前記患者の口腔内の下顎側(303)に当接する下側部材(5)と、 前記上側部材及び前記下側部材を、それらの端部において、前記上側部材と前記下側部材との開閉動作が可能となるように接続する接続部(7)と、 前記開閉動作における抵抗の大きさを制御する開閉抵抗制御部(9、11)と、 歯科治療装置(101)の動作状態を表す動作状態信号が入される入力部(21)と、 を備え、 前記開閉抵抗制御部は、特定の前記動作状況信号が前記入力部に入力された場合、前記上側部材及び前記下側部材が閉じる方向での前記抵抗の大きさを、前記特定の動作状況信号が入力されない場合よりも大きくすることを特徴とする開口器(1)。前記特定の動作状況信号は、前記歯科治療装置が備えるデバイス(107)が動作中である状態、前記デバイスから前記患者の口までの距離が所定値以下である状態、及び前記デバイスの移動速度が所定値以上である状態のうちのいずれかの状態を表す信号であることを特徴とする請求項1記載の開口器。前記上側部材及び前記下側部材に対し加えられた、それらが閉じる方向の力である閉止力を検出する閉止力検出部(9)と、 前記閉止力検出部が検出した前記閉止力の大きさが所定の閾値以上であった場合、その場合に特有の信号を外部に出力する第1の信号出力部(19、21)と、 を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の開口器。前記患者の開口量を検出する開口量検出部(9)と、 前記開口量検出部が検出した前記開口量の大きさが所定の閾値以下であった場合、又は、前記開口量の減少量が所定の閾値以上であった場合、特有の信号を外部に出力する第2の信号出力部(19、21)と、 を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の開口器。前記患者の頭部を固定する頭部固定部(23)を備え、 前記頭部固定部は、前記特定の動作状況信号が前記入力部に入力された場合、前記頭部固定部が頭部を固定する力の大きさを、前記特定の動作状況信号が入力されない場合よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の開口器。

说明书全文

本発明は、例えば、歯科治療等に用いられる開口器に関する。

歯科治療を行う場合、患者の口を開けておく必要がある。そのために、患者の上下の歯牙の間に噛ませる開口器が提案されている(特許文献1参照)。

特開2007−282698号公報

特許文献1記載の開口器を使用した場合、歯科治療の状況によらず、患者の口は常に開口した状態となる。そのため、唾を飲み込むことができない等、患者の苦痛が生じてしまう。本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、歯科治療の状態に応じて適切に制御される開口器を提供することを目的とする。

本発明の開口器は、患者の口腔内の上顎側に当接する上側部材と、患者の口腔内の下顎側に当接する下側部材と、上側部材及び下側部材を、それらの端部において、上側部材と下側部材との開閉動作が可能となるように接続する接続部と、開閉動作における抵抗の大きさを制御する開閉抵抗制御部と、歯科治療装置の動作状態を表す動作状態信号が入される入力部とを備える。そして、開閉抵抗制御部は、特定の動作状況信号が入力部に入力された場合、上側部材及び下側部材が閉じる方向での抵抗の大きさを、特定の動作状況信号が入力されない場合よりも大きくする。

本発明の開口器によれば、特定の動作状況信号が入力部に入力された場合は、上側部材及び下側部材が閉じる方向での抵抗の大きさを大きくし、患者の口を閉じ難くするので、歯科治療を適切に行うことができる。また、特定の動作状況信号が入力部に入力されない場合は、上側部材及び下側部材が閉じる方向での抵抗の大きさを小さくし、患者の口を閉じ易くするので、患者の苦痛を軽減することができる。

開口器1の構成を表す説明図である。

開口器1の電気的な構成を表すブロック図である。

開口器1の構成及び使用方法を表す説明図であって、(A)は側面図、(B)は正面図である。

歯科治療装置101及び位置計測装置201の構成を表す説明図である。

頭部固定装置23の構成を表す説明図である。

開口器1が実行する処理を表すフローチャートである。

開口器1が実行する処理を表すフローチャートである。

開口器1の電気的な構成を表すブロック図である。

開口器1の構成を表す説明図である。

開口器1が実行する処理を表すフローチャートである。

本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 <第1の実施形態> 1.開口器1等の構成 開口器1、歯科治療装置101、及び位置計測装置201の構成を図1〜図5に基づいて説明する。開口器1は、患者の上側の歯牙(患者の口腔内の上顎側の一実施形態)301に当接する略U字型の上側部材3と、患者の下側の歯牙(患者の口腔内の下顎側の一実施形態)303に当接する略U字型の下側部材5と、上側部材3及び下側部材5を、それらの両側の端部において、上側部材3と下側部材5との開閉動作が可能となるように接続する一対の蝶番である接続部7とを備える。接続部7は、より詳しくは、上側部材3及び下側部材5を、それらの両側の端部において、回動(開閉動作の一実施形態)可能に接続する。なお、接続部7は、上側部材3及び下側部材5を、それらの両側の端部において上下方向にスライド可能に接続するもの(例えばジャッキのように、上側部材3に対する下側部材5の向きは一定のままで、それらの間の距離が変化するもの)であってもよいし、上側部材3及び下側部材5を、上下方向にスライドしながら回動するように接続するものであってもよい。上述した開閉動作とは、少なくとも、接続部7以外のいずれかの部分で、上側部材3と下側部材5との距離が変化する動作をいう(接続部7においては、上側部材3と下側部材5との距離は一定であってもよいし、変化してもよい)。

また、開口器1は、アクチュエータ9及びブレーキ11を備える。アクチュエータ9は、減速機13、モータ15、及びエンコーダ17から構成される。アクチュエータ9は、上側部材3及び下側部材5の回動動作(開閉動作の一実施形態)を行う。詳しくは、モータ15の回転力を、減速機13により減速して接続部7に伝達し、上側部材3と下側部材5とが成す開口度θ(図3参照、開口量の一実施形態)を大きくする方向の動作(以下、開口動作とする)、又は開口角度θを小さくする方向の動作(以下、閉口動作とする)を実行する。エンコーダ17は、開口角度θを検出する。ブレーキ11は、開口動作又は閉口動作を行うために要する力、すなわち、上側部材3及び下側部材5を接続部7において回動させるときの抵抗(以下、抵抗Rとする)を増す機能を有する。

アクチュエータ9及びブレーキ11は、抵抗Rを制御する機能を有する開閉抵抗制御部の一実施形態である。すなわち、アクチュエータ9に、開口動作の方向の駆動力を生じさせ、また、ブレーキ11を作動させれば、閉口動作における抵抗Rが生じる。そして、アクチュエータ9の駆動力を大きくし、ブレーキ11の強度を強めれば、全体としての抵抗Rが大きくなる。なお、抵抗Rの制御は、アクチュエータ9又はブレーキ11のうちの一方のみで行ってもよい。

また、開口器1は、演算器19、信号入出力部21、及び頭部固定部23を備える。演算器19は、周知のコンピュータにより構成され、アクチュエータ9、信号入出力部21等から各種信号を受け取り、開口器1の各構成を制御する。演算器19及び信号入出力部21は、第1の信号出力部及び第2の信号出力部の一実施形態である。また、信号入出力部21は、入力部の一実施形態である。

演算器19がアクチュエータ9から受け取る信号としては、上側部材3及び下側部材5に対して加わる、開口角度θを小さくしようとする方向の力(以下、閉止力とする)の大きさを表す信号がある。なお、アクチュエータ9は、閉止力検出部の一実施形態であって、開口角度θを一定に保つために要するモータ15の電流値から閉止力を検出することができる。また、演算器19がアクチュエータ9から受け取る他の信号としては、開口角度θの大きさを表す信号がある。なお、アクチュエータ9は、上記のように、エンコーダ17を用いて開口角度θを検出することができ、開口量検出部の一実施形態である。

演算器19が信号入出力部21から受け取る信号としては、歯科治療装置101における後述するドリル107の回転のON(作動中)/OFF(停止中)を表す信号、ドリル107の位置を表す信号、及びドリル107の移動速度を表す信号がある。これらの信号は、歯科治療装置の動作状態を表す動作状態信号の一実施形態である。

演算器19は、開口器1を、開口モード、固定モード、及び閉口モードのうちのいずれかのモードにすることができる。開口モードは、アクチュエータ9により開口動作を行うモードである。固定モードは、アクチュエータ9及びブレーキ11により、その時点での開口角度θを維持しようとするモードである。開口モードは、開口角度θを固定するものであってもよいし、抵抗Rを、閉口モードの場合に比べて大きくするものであってもよい。閉口モードは、アクチュエータ9及びブレーキ11を制御することで抵抗Rを小さくし、患者の口を閉じようとする力により閉口動作を行えるようにするモードである。開口モード、固定モード、及び閉口モードの設定は、図示しない入力手段にユーザが入力することで行われる。また、後述するモード変更処理により、モードの変更が行われる。

また、演算器19は、後述するモード変更処理及び退避処理を実行する。信号入出力部21は、歯科治療装置101、及び位置計測装置201との間で信号の入出力を行う。詳しくは後述する。

頭部固定装置(頭部固定部)23は、医療用台307上に横臥する患者の頭部305に捲き回し、頭部305を医療用台307に対し固定するベルト25と、そのベルトの張力を制御する張力調整部27とを備える。張力調整部27は、演算器19から入力する信号に基づき、張力を決定する。頭部固定装置23は、固定モードのときは張力を強くし、頭部305をしっかりと固定する。また、閉口モードのときは張力を弱め、頭部305の移動を許容する。

歯科治療装置101は、複数の関節103を供えるアーム105と、アーム105の先端に取り付けられるドリル(デバイス)107と、コントローラ109とを備える。関節103は、それぞれ、図示しないモータ、エンコーダ、及びブレーキを備えており、コントローラ109からの制御信号に応じて所定の屈曲及び回転動作を行い、結果として、ドリル107の向き及び位置が制御される。また、ドリル107の回転のON/OFF、回転数等は、コントローラ109により制御される。なお、コントローラ109は周知のコンピュータであり、アーム105及びコントローラ109は周知のロボットである。コントローラ109は、ドリル107の回転のON/OFFを表す信号を開口器1に定期的に出力する。なお、ドリル107の回転のONを表す信号は、その時点でドリル107の回転がONであることを表す信号であってもよいし、その時点ではOFFであるが、所定時間後にONとなることを表す信号であってもよい。

位置計測装置201は、ドリル107を含む視野を撮影するカメラ203と、カメラ203で取得した画像に基づき、ドリル107の位置(患者の口、上側部材3、及び下側部材5のいずれかに対する相対位置)を算出する解析部205とを備える。位置計測装置201は、ドリル107の位置を表す信号を開口器1に定期的に出力する。また、位置計測装置201は、ある時点でのドリル107の位置と、所定時間経過後におけるドリル107の位置とから、ドリル107の移動速度を算出し、その移動速度を表す信号を開口器1に定期的に出力する。

2.開口器1が実行する処理 (1)モード変更処理 開口器1(特に演算器19)が実行するモード変更処理を図6のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。

ステップ1では、開口器1のモードを判断し、閉口モードの場合はステップ2に進み、固定モード又は開口モードの場合は本処理を終了する。 ステップ2では、歯科治療装置101が出力し、信号入出力部21で受信した信号を取得する。この信号は、ドリル107の回転のON/OFFを表す信号である。

ステップ3では、位置計測装置201が出力し、信号入出力部21で受信した信号を取得する。この信号は、ドリル107の位置を表す信号である。 ステップ4では前記ステップ2で取得した信号が、ドリル107の回転のONを表す信号であるか否かを判断する。ドリル107の回転のONを表す信号である場合はステップ6へ進み、それ以外の場合はステップ5に進む。なお、ドリル107の回転のONを表す信号は、特定の動作状況信号の一実施形態である。なお、ドリル107の回転のONを表す信号は、出力が0の信号(入力信号が0であること)であってもよい。

ステップ5では、前記ステップ3で取得した信号で特定されるドリル107の位置から、患者の口までの距離が所定の閾値以下であるか否かを判断する。閾値以下である場合はステップ6に進み、閾値より大きい場合はステップ8に進む。なお、前記ステップ3で取得した信号のうち、患者の口までの距離が所定の閾値以下であるものは、特定の動作状況信号の一実施形態である。なお、患者の口までの距離が所定の閾値以下であることを表す信号は、出力が0の信号(入力信号が0であること)であってもよい。

ステップ6では、開口器1のモードを、固定モードに変更する。すなわち、抵抗Rの大きさを、それまでの閉口モードにおける抵抗Rの大きさよりも大きくする。 ステップ7では、張力調整部27を制御することで、ベルト25の張力(患者の頭部305を固定する力の大きさ)をそれまでよりも増し、頭部305を医療用台307にしっかりと固定する。

一方、前記ステップ5で否と判断した場合はステップ8に進み、ベルト25の張力を緩める。また、既に張力が緩められていた場合は特に処理を行わない。その後、開口器1のモードを閉口モードとしたままで、本処理を終了する。

(2)退避処理 開口器1(特に演算器19)が実行する退避処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。

ステップ11では、位置計測装置201が出力し、信号入出力部21で受信した信号を取得する。この信号は、ドリル107の位置を表す信号である。 ステップ12では、前記ステップ11で取得した信号で特定されるドリル107の位置から、患者の口までの距離が所定の閾値以下であるか否かを判断する。閾値以下である場合はステップ13に進み、閾値より大きい場合は本処理を終了する。

ステップ13では、アクチュエータ9から閉止力を取得する。 ステップ14では、アクチュエータ9から開口角度θを取得する。 ステップ15では、前記ステップ13で取得した閉止力が、所定の閾値T1より大きいか否かを判断する。閾値T1より大きい場合はステップ17に進み、閾値T1以下である場合はステップ16に進む。

ステップ16では、前記ステップ14で取得した開口角度θが、以下の条件X、Yを充足するか否かを判断する。 条件X:開口角度θが、所定の閾値T2より小さい。

条件Y:直近の開口角度をθnとし、所定の時間ΔT前における開口角度をθpとしたとき、θnの方がθpよりも小さく(すなわち、開口角度θが減少し)、しかも、θnとθpとの差の絶対値(開口量θの減少量)が所定の閾値T3よりも大きい。

条件X、条件Yのどちらか一方でも充足する場合はステップ17に進み、どちらも充足しない場合は本処理を終了する。 ステップ17では、信号入出力部21を介して、歯科治療装置101に対し、本ステップ17の場合に特有の信号を出力する。その後、本処理を終了する。歯科治療装置101は、上記の特有の信号を受信すると、ドリル107の回転を停止するとともに、ドリル107の位置を患者の口から離し、退避させる。なお、上記の特有の信号を受信したときの歯科治療装置101の処理は、ドリル107の回転の停止と、ドリル107の退避とのうちの一方のみでもよい。

3.開口器1が奏する効果 (1)開口器1は、歯科治療装置101からドリル107の回転がONであることを表す信号が入力された場合、又は位置計測装置201からドリル107が患者の口に接近していることを表す信号が入力された場合は、固定モードに切り替えて抵抗Rの大きさを大きくし、患者の口を閉じ難くするので、歯科治療を適切に行うことができる。また、上記以外の場合は、閉口モード(固定モードに比べて抵抗Rが小さいモード)を維持し、患者の口を閉じ易くするので、患者の苦痛を軽減することができる。

(2)開口器1は、固定モードとしたとき、頭部固定装置23におけるベルト25の張力を強くし、医療用台307に対し患者の頭部305をしっかりと固定することができる。そのことにより、治療時の患者移動による治療精度の低下を抑制できる。

(3)開口器1は、閉止力が強い場合、又は開口角度θが小さい場合、ドリル107を患者の口から退避させる。そのことにより、ドリル107と患者口腔内組織との不必要な接触を防ぎ、治療時の安全性を担保することができる。

4.変形例 (1)前記モード変更処理では、ドリル107の回転のON/OFFの判断(前記ステップ4)と、ドリル107の位置の判断(前記ステップ5)との両方を行っているが、そのうちの一方のみを行うようにしてもよい。例えば、前記ステップ4においてNOと判断した場合はステップ5の処理を行わず、ステップ8に進んでもよい。また、前記ステップ3の後、前記ステップ4の判断は行わずにステップ5に進むようにしてもよい。

(2)開口器1は、頭部固定装置23を備えないものであってもよい。この場合、前記モード変更処理において、前記ステップ7、ステップ8の処理は実行しなくてもよい。 (3)前記退避処理では、閉止力の大きさの判断(前記ステップ15)と、開口角度θに関する条件の充足性の判断(前記ステップ16)との両方を行っているが、そのうちの一方のみを行うようにしてもよい。例えば、前記ステップ15においてNOと判断した場合は前記ステップ16の処理を行わず、退避処理を終了してもよい。また、前記ステップ14の後、前記ステップ15の判断は行わず、前記ステップ16に進むようにしてもよい。

また、前記ステップ16では、条件X、Yの一方のみについて充足性を判断し、充足すればステップ17に進み、充足しなければ本処理を終了するようにしてもよい。 (4)光学式の位置計測装置201の代わりに、磁気式、又は機械式の位置計測装置を用いてドリル107の位置を検出し、その位置情報を開口器1に出力してもよい。また、歯科治療装置101が備えるアーム105の状態(関節103の屈曲方向、屈曲量、回転方向、回転量)から、ドリル107の位置を検出し、その位置情報を開口器1に出力してもよい。

(5)アクチュエータ9として、形状記憶合金を用いても良い。この場合、形状記憶合金の温度を制御することにより、開口角度θを変化させることができる。 (6)頭部固定装置23は、ベルト25以外の部材(例えば、患者の頭部305を両側から挟む一対の板状部材、患者の頭部305の周囲に配置された複数の棒状部材等)で頭部305を固定するものであってもよい。

(7)前記モード変更処理では、ステップ4の処理において、ドリル107の移動速度が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であればステップ6に進み、所定値未満であればステップ5に進むようにしてもよい。また、ステップ5の処理において、ドリル107の移動速度が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であればステップ6に進み、所定値未満であればステップ8に進むようにしてもよい。

また、ステップ4とステップ5との間に、ドリル107の移動速度が所定値以上であるか否かを判断するステップを追加し、所定値以上であればステップ6に進み、所定値未満であればステップ5に進むようにしてもよい。

なお、ドリル107の移動速度は、直近の前記ステップ3で取得したドリル107の位置と、所定時間前の前記ステップ3で取得したドリル107の位置との移動量から算出できる。また、位置計測装置201から、ドリル107の移動速度を表す信号を受信するようにしてもよい。 <第2の実施形態> 1.開口器1の構成 開口器1の構成を図8、及び図9に基づいて説明する。開口器1の構成は、基本的には前記第1の実施形態の場合と同様であるが、頭部固定装置を備えない点と、アクチュエータ9の構造が異なる点とで相違する。以下では、相違点を中心に説明し、前記第1の実施形態と同様の部分の記載は省略乃至簡略化する。

開口器1は、上側部材3、下側部材5、接続部7、アクチュエータ9、ブレーキ11、演算器19、及び信号入出力部21を備える。アクチュエータ9は、上側部材3及び下側部材5に対し、開口角度θが大きくなる方向に、常に一定の力で付勢する弾性部材(バネ)である。ブレーキ11は、抵抗Rを制御する機能を有する。すなわち、ブレーキ11を作動させれば、閉口動作における抵抗Rが生じる。

演算器19は、信号入出力部21等から各種信号を受け取り、開口器1の各構成を制御する。信号入出力部21から受け取る信号としては、歯科治療装置101におけるドリル107の回転のON/OFFを表す信号、ドリル107の位置を表す信号がある。

演算器19は、開口器1を、固定モード、及び非固定モードのうちのいずれかのモードにすることができる。固定モードは、ブレーキ11によって抵抗Rを大きくし、その時点での開口角度θを維持しようとするモードである。非固定モードは、ブレーキ11を解除し、固定モードに比べて抵抗Rを小さくしたモードである。非固定モードにおいて、上側部材3及び下側部材5に対し、アクチュエータ9の弾性力よりも大きい閉止力を加えると閉口動作が行われる。一方、閉止力がアクチュエータ9の弾性力よりも小さければ、開口角度θが所定の上限値に達するまで開口動作が行われる。固定モード、非固定モードの設定は、図示しない入力手段にユーザが入力することで行われる。また、後述するモード変更処理により、モードの変更が行われる。信号入出力部21、歯科治療装置101、及び位置計測装置201の構成は前記第1の実施形態と同様である。

2.開口器1が実行するモード変更処理 開口器1(特に演算器19)が実行するモード変更処理を図10のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、所定時間ごとに繰り返し実行される。

ステップ21では、開口器1のモードを判断し、非固定モードの場合はステップ22に進み、固定モードの場合は本処理を終了する。 ステップ22では、歯科治療装置101が出力し、信号入出力部21で受信した信号を取得する。この信号は、ドリル107の回転のON/OFFを表す信号である。

ステップ23では、位置計測装置201が出力し、信号入出力部21で受信した信号を取得する。この信号は、ドリル107の位置を表す信号である。 ステップ24では前記ステップ22で取得した信号が、ドリル107の回転のONを表す信号であるか否かを判断する。ドリル107の回転のONを表す信号である場合はステップ26へ進み、それ以外の場合はステップ25に進む。

ステップ25では、前記ステップ23で取得した信号で特定されるドリル107の位置から、患者の口までの距離が所定の閾値以下であるか否かを判断する。閾値以下である場合はステップ26に進み、閾値より大きい場合は本処理を終了する。

ステップ26では、開口器1のモードを、固定モードに変更する。すなわち、抵抗Rの大きさを、それまでの非固定モードにおける抵抗Rの大きさよりも大きくする。その後、本処理を終了する。

3.開口器1が奏する効果 開口器1は、歯科治療装置101からドリル107の回転がONであることを表す信号が入力された場合、又は位置計測装置201からドリル107が患者の口に接近していることを表す信号が入力された場合は、固定モードに切り替えて抵抗Rの大きさを大きくし、患者の口を閉じ難くするので、歯科治療を適切に行うことができる。また、上記以外の場合は、非固定モード(固定モードに比べて抵抗Rが小さいモード)を維持し、患者の口を閉じ易くするので、患者の苦痛を軽減することができる。

4.変形例 (1)前記モード変更処理では、ドリル107の回転のON/OFFの判断(前記ステップ24)と、ドリル107の位置の判断(前記ステップ25)との両方を行っているが、そのうちの一方のみを行うようにしてもよい。例えば、前記ステップ24においてNOと判断した場合はステップ25の処理を行わず、モード変更処理を終了してもよい。また、前記ステップ23の後、前記ステップ24の判断は行わずにステップ25に進むようにしてもよい。

(2)開口器1は、頭部固定装置23を備えていてもよい。この場合、前記ステップ26の前又は後に、頭部固定装置23におけるベルト25の張力を高める処理を行うことができる。

(3)アクチュエータ9として、バネの代わりに、形状記憶合金を用いても良い。この場合、形状記憶合金の温度を制御することにより、開口角度θを変化させることができる。

(4)アクチュエータ9として、バネ以外の弾性部材(例えば、ゴム等)を用いてもよい。 (5)開口器1は、閉止力を検出するセンサ、又は開口角度θを検出するセンサを備え、前記第1の実施形態と同様に退避処理を行ってもよい。

(6)前記モード変更処理では、ステップ24の処理において、ドリル107の移動速度が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であればステップ26に進み、所定値未満であればステップ25に進むようにしてもよい。また、ステップ25の処理において、ドリル107の移動速度が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上であればステップ26に進み、所定値未満であれば当該処理を終了するようにしてもよい。

また、ステップ24とステップ25の間に、ドリル107の移動速度が所定値以上であるか否かを判断するステップを追加し、所定値以上であればステップ26に進み、所定値未満であればステップ25に進むようにしてもよい。

なお、ドリル107の移動速度は、直近の前記ステップ23で取得したドリル107の位置と、所定時間前の前記ステップ23で取得したドリル107の位置との移動量から算出できる。また、位置計測装置201から、ドリル107の移動速度を表す信号を受信するようにしてもよい。

1・・・開口器、3・・・上側部材、5・・・下側部材、7・・・接続部、 9・・・アクチュエータ、11・・・ブレーキ、13・・・減速機、 15・・・モータ、17・・・エンコーダ、19・・・演算器、 21・・・信号入出力部、23・・・頭部固定装置、25・・・ベルト、 27・・・張力調整部、101・・・歯科治療装置、103・・・関節、 105・・・アーム、107・・・ドリル、109・・・コントローラ、 201・・・位置計測装置、203・・・カメラ、205・・・解析部、 301・・・上側の歯牙、303・・・下側の歯牙、305・・・頭部、 307・・・医療用台

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