【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歯又は爪に貼るシール(以下、本明細書において「トゥースシール」という)、トゥースシール作製装置、およびトゥースシールを歯又は爪に貼る方法に関する。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】近年、歯を白くしたいという要望が高まりつつある。 歯科学的に歯を白くする方法としては、歯を漂白する方法、ラミネートベニア法、マニキュア法などが知られている。 このうち歯を漂白する方法については、確実性に乏しいこと、何度も施術する必要があること等の欠点がある。 また、ラミネートベニア法については、出来上がりは綺麗であるが、高価であること、僅かではあるが歯を削る必要があること等の欠点がある。 さらに、マニキュア法については、耐久性に問題があり、数時間程度しか効果が持続しないという欠点がある。 このように、従来の方法には、一長一短があり、満足すべき方法がないのが現状である。 【0003】一方、いわゆるネイルアートの分野においては、従来は、絵や模様等を直接描くことによって爪に装飾を施しているが、装飾を施すのに時間がかかったり、装飾を消すのに手間取る等の課題があった。 また、 このような方法では、爪に傷を付けるおそれもあった。 そのため、爪のおしゃれを手軽に楽しめる方法が望まれている。 【0004】したがって、本発明は、確実で且つ出来上がりが綺麗であり、安価で、或る程度の耐久性がある、 歯を白くする方法を提供することを目的としている。 また、本発明は、爪のおしゃれを手軽に楽しむことができる方法を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載のトゥースシールは、トゥースシールを貼ろうとする歯の歯形又は爪の爪形によって構成される雄型と、雄型に対応する雌型との間に、高分子材料製のシートを配置し、雄型、シート、および雌型を互いに圧縮することによって形成されることを特徴とするものである。 【0006】本願請求項2に記載のトゥースシールは、 前記請求項1のトゥースシールにおいて、前記シートに、抗菌剤又は抗菌作用を有する物質が付加されていることを特徴とするものである。 【0007】本願請求項3に記載のトゥースシールは、 前記請求項1又は2のトゥースシールにおいて、前記シートが、予め所望の白い色に着色されていることを特徴とするものである。 【0008】本願請求項4に記載のトゥースシールは、 前記請求項1又は2のトゥースシールにおいて、前記シートには、予め撮られた歯の写真がプリントされていることを特徴とするものである。 【0009】本願請求項5に記載のトゥースシールは、 前記請求項1〜3のいずれか1項のトゥースシールにおいて、前記シートには、予め所望の絵、写真、又は模様がプリントされていることを特徴とするものである。 【0010】本願請求項6に記載のトゥースシールは、 前記請求項1のトゥースシールにおいて、爪に貼るための前記シールに、所望の布、紙、又は皮革が貼り付けられていることを特徴とするものである。 【0011】本願請求項7に記載のトゥースシールは、 前記請求項1のトゥースシールにおいて、爪に貼るための前記シールに、コンピュータグラフィックスによる印刷が施されていることを特徴とするものである。 【0012】本願請求項8に記載のトゥースシール作製装置は、トゥースシールを貼ろうとする歯の歯形又は爪の爪形によって構成される雄型を配置するための下型ベースと、下型ベースの上方に高分子材料製のシートを位置決めするためのシートベースと、雄型に対応する雌型を保持するためのホルダ部分と、雄型、シートベース上に載せられた高分子材料製のシート、および雌型を互いに圧縮するためのプレス機構とを備えていることを特徴とするものである。 【0013】本願請求項9に記載のトゥースシール作製装置は、前記請求項8の装置において、シートを上方から温めるための上部ヒータ機構を更に備えていることを特徴とするものである。 【0014】本願請求項10に記載のトゥースシール作製装置は、前記請求項9の装置において、雄型を下方から温めるための下部ヒータ機構を更に備えていることを特徴とするものである。 【0015】本願請求項11に記載のトゥースシールを歯に貼る方法は、トゥースシールを貼ろうとする歯の歯形によって構成される雄型と雄型と対応する雌型との間に高分子材料製のシートを配置し、トゥースシールを貼ろうとする歯の前面をエッチング処理し、トゥースシールを歯科用接着剤によって歯に接着させることを含むことを特徴とするものである。 【0016】本願請求項12に記載のトゥースシールを歯に貼る方法は、前記請求項11の方法において、前記歯科用接着剤が弗素徐放性のものであることを特徴とするものである。 【0017】本願請求項13に記載のトゥースシールを歯に貼る方法は、前記請求項11の方法において、前記歯科用接着剤にアパタイト等の無機材料が混入されていることを特徴とするものである。 【0018】本願請求項14に記載のトゥースシールを爪に貼る方法は、トゥースシールを両面に感圧接着剤が塗布されたテープによって爪に接着させることを特徴とするものである。 【0019】本願請求項15に記載のトゥースシールを歯に貼る方法は、前記請求項14の方法において、前記テープの少なくとも一方の面に、爪の発育に良い薬効成分を含んだ感圧接着剤が塗布されていることを特徴とするものである。 【0020】本願請求項16に記載のトゥースシールを歯に貼る方法は、前記請求項15の方法において、前記爪の発育に良い薬効成分が、コラーゲンであることを特徴とするものである。 【0021】 【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、歯の前面に貼るトゥースシールに関連した本発明の実施の形態について詳細に説明する。 図1において全体として参照符号10で示される本発明の1つの実施の形態に係るトゥースシール作製装置は、ベース11の所定箇所にそれぞれ配置された、下部ヒータ機構20と、プレス機構30 と、上部ヒータ機構50と、制御機構60とを備えている。 【0022】下部ヒータ機構20は、詳細には後述するように、雄型となる歯形を下方から温めるための機構である。 下部ヒータ機構20は、図6および図7に示されるように、基台21と、基台21の上面のほぼ中央に配置された下部ヒータ22とを有している。 【0023】基台21の上面には、雄型となる歯形を設置するための下型ベース23が置かれており、下型ベース23は、図2の(a)、(b)に最も良く示されるように、基台21の上面に固定された一対の案内部材24 に沿って、下部ヒータ22から離れた第1の位置(図2 (a)参照)と下部ヒータ22の真上に位置する第2の位置(図2(b)参照)との間を摺動するように構成されている。 下型ベース23は、歯形が置かれる凹部23 a(図2の(a)、(b)では、6つの凹部が図示されている)と、下型ベース23を摺動させる際の把持部となるレバー23bとを有している。 【0024】プレス機構30は、詳細には後述するように、主として、雄型、雌型、およびシートを互いに圧縮してトゥースシールを成形するための機構である。 プレス機構30は、図3および図7に示されるように、雄型が設置されるホルダ部分31と、ホルダ部分31が取付けられるプレススライダ32と、プレススライダ32 (従って、ホルダ部分31)を昇降させるためのプレス昇降シリンダ33と、プレススライダ32(従って、ホルダ部分31)を水平方向に移動させるためのプレススライドシリンダ34とを有している。 【0025】ホルダ部分31は、図3に示されるように、上部と下部が開放した中空部35aを備えたホルダ35と、ホルダ35の中空部35aに嵌め込まれるプレスホルダ36とを有しており、プレススライダ32の下部ヒータ機構20の側の先端に取付けられている。 ホルダ35の平面的な大きさは、下型ベース32の平面的な大きさとほぼ同じである。 プレスホルダ36には、プレスホルダ36をホルダ35の中空部35aに嵌め込んだりホルダ35から取り外したりする際にプレスホルダ3 6を把持するためのつまみ36aが取付けられている。 また、プレススライダ32には、ホルダ35が取付けられる箇所に隣接して、プレスホルダ36をホルダ35の中空部35aに嵌め込んだときにプレスホルダ36を押さえるためのクランプ37が取付けられている。 【0026】図4は、ホルダ35の拡大斜視図である。 詳細には後述するように、ホルダ35の中空部35aにシリコンペーストを注入して雄型を作るが、ホルダ35 の前面に形成された貫通孔35bにフックベース38で連結されたフックピン38aを挿入することによって、 硬化したシリコンペースト(即ち、雄型)がホルダ35 から脱落しないようになっている。 【0027】プレススライドシリンダ34のピストンロッド34aが、図7に示されるように、取付具39を介して、プレスベース40に連結されており、ピストンロッド34aを伸縮させることにより、プレスベース40 を水平方向に移動させることができる。 また、プレス昇降シリンダ33のピストンロッド33aが、図7に示されるように、プレススライダ32に連結されており、ピストンロッド33aを伸縮させることにより、プレスベース40に固定された案内部材40aに沿って、プレススライダ32を上下方向に昇降させることができる。 なお、プレス昇降シリンダ33とプレススライドシリンダ34は、エアコンプレッサ(図示せず)から供給されるエアによって作動される。 【0028】図7において、ピストンロッド34aを伸長させてホルダ部分31を下型ベース23の上方に位置決めした状態が一点鎖線で示されており、ピストンロッド34aを収縮させてホルダ部分31を下型ベース23 から遠去けた状態が実線で示されている。 【0029】おな、プレスベース40には、温められたトゥースシールを冷却するためエアを噴射するエア吹出し口41が設けられている。 【0030】図5は、シートを下型ベース23の上方に保持するためのシートベース42を示している。 シートベース42は、矩形の平面形状をもつシートベース本体43と、シートベース本体43の四隅に配置された脚部44とを有している。 シートベース本体43には、シートベース42を下型ベース23の上方に配置したときに下型ベース23の凹部23aに対応する位置に、貫通孔43aが設けられている。 また、各脚部44には、シートベース42の上方から力を加えたときシートベース4 2が押し下げられるようにバネ45がそれぞれ装着されている。 なお、シートは、塩化ビニル樹脂やアクリルなどの高分子材料で作られており、好ましくは、貼ろうとする歯の色に適合する白い色に予め着色されている。 【0031】上部ヒータ機構50は、詳細には後述するように、シートを温めるための機構である。 上部ヒータ機構50は、図6に示されるように、後述する上部ヒータ51を昇降させるためのヒータ昇降シリンダ52を有しており、ヒータ昇降シリンダ52のピストンロッド5 2aが、ヒータスライドベース53に連結されている。 ヒータスライドベース53には、上部ヒータ51を水平方向に移動させるためのヒータスライドシリンダ54が取付けられており、ヒータスライドシリンダ54のピストンロッド54aが、ヒータスライドベース53に設けられた貫通孔(図示せず)に通されている。 ヒータスライドシリンダ54のピストンロッド54aの先端に固定された取付板55に、ヒータスライドシャフト56が取付けられており、ヒータスライドシャフト56は、ヒータスライドベース53に設けられた別の貫通孔(図示せず)に通されており、ヒータスライドシャフト56の先端に上部ヒータ51が取付けられている。 【0032】上部ヒータ機構50のかかる構成により、 ヒータ昇降シリンダ52のピストンロッド52aを伸縮させることによって、ヒータスライドベース53(従って、上部ヒータ51)を昇降させることができ、ヒータスライドシリンダ54のピストンロッド54aを伸縮させることによって、上部ヒータ51を水平方向に移動させることができる。 なお、ヒータ昇降シリンダ52とヒータスライドシリンダ54は、エアコンプレッサ(図示せず)から供給されるエアによって作動される。 【0033】図6において、ヒータスライドシリンダ5 4のピストンロッド54aを収縮させて上部ヒータ51 をシートベース41の上方に位置決めした状態が一点鎖線で示されており、ピストンロッド54aを伸長させて上部ヒータ51をシートベース41から遠去けた状態が実線で示されている。 【0034】制御機構60には、トゥースシール作製装置10の各部を操作するためのスイッチ、制御回路、ヒータ温度表示部、加温時間を設定するタイマ等が設けられている。 【0035】次に、トゥースシールの作製手順を模式的に示した図8を適宜参照しつつ、トゥースシール作製装置10を使用してトゥースシールを作る方法について説明する。 まず、歯の唇面(前面)の印象を行い、この印象に石膏を充填して形成された石膏模型を1つの歯ずつに分割することによって、雄型となる歯形を作る。 【0036】次いで、下型ベース23の凹部23aに、 耐熱固定剤を使用して歯形を固定する(図8(a)参照)。 この際、図2(b)に示されるように、下型ベース23を下型ヒータ22上に移動させて歯形を温めるのが好ましい。 これは、歯形を温めることによって、シートの成形が容易になり、かつ、上部ヒータ51によるシートの加温の際に温度をさほど上昇させる必要がなくなるからである。 【0037】次いで、図7の一点鎖線で示されるように、プレススライドシリンダ34とプレス昇降シリンダ33を作動させてホルダ部分31を下型ベース23の上に位置決めし、ホルダ35の中空部35a内にシリコンペーストを注入する(図8(b)参照)。 次いで、プレスホルダ36を使用してシリコンペーストを圧縮する(図8(c)参照)。 シリコンペーストが硬化した後、 プレス昇降シリンダ33を上昇させ、プレススライドシリンダ34を後退させる。 硬化したシリコンペーストが雄型となる(図8(d)参照)。 【0038】次いで、下型ベース23の上に、シートを載せたシートベース42を配置する(図8(e)参照)。 この際、図6の一点鎖線で示されるように、上部ヒータ51をシートベース42上に移動させてシートを温めるのが好ましい。 これは、シートを温めることにより、シートの成形が容易になるからである。 シートが所定温度に温められたら、ヒータ昇降シリンダ52を上昇させ、ヒータスライドシリンダ54を後退させる。 【0039】次いで、プレススライドシリンダ34とプレス昇降シリンダ33を作動させて雌型が配置されているホルダ部分31を下型ベース23およびシートベース42の上に位置決めし、プレス昇降シリンダ33を下降させて雄型、シート、雌型を互いに圧縮する(図8 (f)参照)。 なお、この際、下型ベース23、シートベース42、およびホルダ部分31の周囲に、エア吹出し口41からエアを噴射してトゥースシールを冷却するのが好ましい。 これは、温められたトゥースシールを冷却することによって、トゥースシールの変形を防止し、 かつ、成形作業時間を短縮するためである。 シートが硬化した後、プレス昇降シリンダ33を上昇させると、歯形に合ったトゥースシールが得られる(図8(g)参照)。 【0040】次に、トゥースシールを歯に貼る方法について説明する。 上述のようにして得られたトゥースシールを1つの歯ずつに分割する。 次いで、分割したトゥースシールの上面をサンドブラスト処理する。 或いは、トゥースシールの裏面にプライマを塗る。 次いで、歯の表面をエッチング処理する。 このように処理したトゥースシールを歯科用接着剤を使用して歯面に接着する。 最後に、細部のトリミング処理を行う。 【0041】トゥースシールの接着に使用する歯科用接着剤は好ましくは、弗素徐放性の接着剤である。 弗素徐放性の接着剤を使用することにより、虫歯に対する抵抗性を高めることができる。 また、好ましくは、トゥースシールの接着に使用する歯科用接着剤には、アパタイト等の無機材料を混入したものを使用することができる。 アパタイト等の無機材料を混入した歯科用接着剤を使用して歯に幾度もトゥースシールを貼ると、歯自体が白くなる。 【0042】上述の方法で貼られたトゥースシールの耐久性を検証するために実験を行った。 実験に際しては、 サンドブラスト処理にはアルミナを、そしてエッチング処理にはマレイン酸を使用した。 なお、エッチング処理にリン酸を使用しなかったのは、リン酸を使用すると、 トゥースシールの歯への接着が強固になりすぎ、トゥースシールが剥がれたときに接着剤が歯面に残ってしまうからである。 以上の条件で行った実験の結果、トゥースシールは、歯に1カ月以上付いていた。 【0043】本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。 【0044】たとえば、前記実施の形態においては、高分子材料製のトゥースシールが用いられている。 しかしながら、歯にトゥースシールを長期間貼ったままにしておくと、トゥースシールにプラークが付着して、細菌が発育する可能性が生ずる。 したがって、このような弊害を除去するため、抗菌剤を付加したトゥースシールを使用するのがよい。 抗菌剤としては、例えば銀系抗菌剤やセラミック系抗菌剤などがあげられる。 また、抗菌剤の代わりに、抗菌作用を有する物質(例えば、キチンキトサン)を使用してもよい。 なお、抗菌剤を付加したトゥースシールを使用することによりトゥースシールの周囲で虫歯や歯槽膿漏になりにくくすることも期待できる。 【0045】銀系抗菌剤を付加したトゥースシールの効果を実証するために行われた試験について説明する。 試験片として、10重量%の銀系抗菌剤が混入された直径12.3mmの即時重合型レジン(オルソファスト)の球を準備した。 銀系抗菌剤には、カネボウ化成株式会社からバクテキラー(Bactekiller )として販売されているものを用いた。 対照標準となる試験片としては、銀系抗菌剤が混入されていない即時重合型レジンの球を使用した。 【0046】試験に際しては、まず、スクロース1重量%を含む液体倍地(BHI)10mlを入れた試験管の中に、上述の試験片を入れて滅菌を行った。 次いで、7 日間の間、試験管を37°Cで前保温した後、試験片に供試菌株の培養液1エーゼを接種し、37°Cで24時間培養した。 なお、使用した菌は、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)ATCC 922 2 、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mi tis )ATCC 9811 、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)LM7 、ストレプトコッカス・ ミュータンス(Streptococcus mutans)OMZ 175 、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutan s)JC2 、ストレプトコッカス・ミュータンス(Strepto coccus mutans)GS5 である。 【0047】その結果、接種後6時間経過した時点において、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococ cus salivarius)ATCC 9222 、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis )ATCC 9811 、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)GS 5 を接種した培養液で培養液の混濁がそれぞれ認められ、抗菌活性が発揮されることが確認された。 【0048】また、接種後24時間経過した時点において、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcu s mutans)LM7 、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)OMZ 175 、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)JC2 を接種した培養液でも培養液の混濁がそれぞれ認められ、これらについても抗菌活性が発揮されることが確認された。 【0049】また、前記実施の形態においては、歯を白くするためのトゥースシールに関連して説明したが、絵や写真、模様等をプリントしたシールを歯に貼る、いわゆるトゥースアートの分野においても本発明のトゥースシールを使用することができる。 この場合、プリントした絵等の表面を透明な合成樹脂材(例えば、ビニルシート)でコーティングすることによって、インクの有害成分が口中に及ぶのが回避される。 また、絵や写真等をコンピュータ処理でシートに焼付けることによって廉価なシールの作製が可能になる。 なお、綺麗な歯を写真に撮り、その写真をトゥースシールにプリントすることにより、本物の歯に似た白さを実現することができる。 【0050】さらに、シールを爪に貼る、いわゆるネイルアートの分野においても、本発明のシールを使用することができる。 図9は、表面に布を貼ったシールの作り方を示した図である。 この実施の形態では、まず貼ろうとする爪の爪形に合うシールを上述のようにして形成し(図9(a)参照)、次いで、所望の布をシールに接着剤等で貼り付け(図9(b)参照)、しかる後、爪形に合うように布をトリミングして(図9(c)参照)、ネイルアート用のトゥースシールを作成する。 なお、この場合、布の代わりに、紙や皮革を貼ってもよい。 【0051】図10は、図9と同様に、ネイルアートの分野におけるシールの使用を示した例であって、コンピュータグラフィックス(CG)による印刷が施されたシールの作り方を示した図である。 この実施の形態では、 成形する前に、予めシートにCGによる印刷を施す(図10(a)参照)。 なお、使用するCGのソフトウェアは、本発明のシール用に特別に誂えたものを使用してもよく、市販のものを使用してもよい。 次いで、このシート(CGプリントシート)を、貼ろうとする爪の爪形に合うように上述のように成形する。 しかる後、爪形に合うようにシールをトリミングする(図10(b)参照)。 【0052】なお、図9および図10に関連して説明したシールは、両面に感圧接着剤を塗布したテープ(以下、本明細書において「両面テープ)という)を使用して爪に貼る。好ましくは、この両面テープの少なくとも一方の面には、爪の発育に良い薬効成分(例えば、コラーゲン)を含んだ感圧接着剤が塗布されている。 【0053】 【発明の効果】本発明によれば、比較的安い費用で、或る程度の耐久性があり、出来上がりが綺麗な状態で、歯を白くすることが可能になる。 また、抗菌剤を付加したトゥースシールを使用することにより、口中での細菌の発育を阻止することができるとともに、トゥースシールの周囲で虫歯や歯槽膿漏になりにくくすることができる。 また、弗素徐放性の接着剤を使用することにより、 虫歯に対する抵抗性を高めることができる。 また、アパタイト等の無機材料を混入した歯科用接着剤を使用して歯に幾度もトゥースシールを貼ることにより、歯自体が白くなる。 また、綺麗な歯を写真に撮ってトゥースシールにプリントすることにより、本物の歯に似た白さを実現することができる。 また、トゥースアートに使用できる。 さらに、ネイルアートにも適用することができる。 特に、ネイルアートの分野では、シールに所望の布や紙、皮革を貼り付け、或いはCGによる印刷を施すことにより、安価な費用で独創的なおしゃれを手軽に楽しむことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のトゥースシール作製装置を示した概略平面図である。 【図2】トゥースシール作製装置の下型ベースを示した拡大斜視図であって、(a)は、下型ベースが下部ヒータから離れた状態を示した図、(b)は、下型ベースが下部ヒータに接近した状態を示した図である。 【図3】雄型を形成するためのホルダ部分を示した拡大斜視図である。 【図4】ホルダ部分のフックベースおよびフックピンを示した拡大斜視図である。 【図5】下型ベースの上方にシートベースを設置した状態を示した拡大斜視図である。 【図6】上部ヒータ機構の移動状態を示した概略側面図である。 【図7】プレス機構の移動状態を示した概略側面図である。 【図8】トゥースシールの作製手順を示した模式図である。 【図9】ネイルアートの分野で使用される、表面に布を貼ったシールの作り方を示した図である。 【図10】ネイルアートの分野で使用される、CGによる印刷を施したシールの作り方を示した図である。 【符号の説明】 10 トゥースシール作製装置 20 下部ヒータ機構 30 プレス機構 50 上部ヒータ機構 60 制御機構 フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 FI B29L 31:00 |