Curable material producible and processible by vibrating action and its production

申请号 JP26341491 申请日 1991-10-11 公开(公告)号 JPH05178715A 公开(公告)日 1993-07-20
申请人 Thera Patent Gmbh & Co Kg; テラ パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト; 发明人 SHIYUTEFUAN AIDENBENTSU; KURAUSU ERURITSUHI; OSUBUARUTO GATSUSAA; RAINAA GUTSUGENBERUGAA; ANDOREASU IBURUKU; PEETAA KOORAN; MIHIYAERU YOTSUTO NOATSUKU; RAINHORUTO NOBUAKU; FURANSOWA RUURE; KURAUSUUPEETAA SHIYUTEFUAN; BUERUNAA TSUERUNAA;
摘要 PURPOSE: To obtain a dental curable material comprising a filter in such a high content as to have viscosity not to be processed by a conventional method and to liquefy the material so as to be processed and used. CONSTITUTION: This curable material, especially a dental material comprises a binder and a filler having
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 結合剤及び平均(重量平均)粒度<50
    μmを有する、高い割合の充填剤を含有する硬化性材料において、その充填剤の割合が、特定の用途のためにはその高い粘度に基づき使用不能であり、かつ振幅1μm
    〜5mmで周波数範囲20Hz〜20MHzの振動を作用させることにより、規定どおりに使用できるように液状化することができる程度であることを特徴とする硬化性材料。
  • 【請求項2】 充填剤を結合剤と、振幅1μm〜5mm
    で周波数範囲20Hz〜20MHzの振動を作用させることにより得られた請求項1記載の硬化性材料。
  • 【請求項3】 歯科用材料である請求項1記載の硬化性材料。
  • 【請求項4】 請求項1記載の硬化性材料を製造する方法において、充填剤を結合剤と振幅1μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜20MHzの振動を作用させて混合することを特徴とする、硬化性材料の製造方法。
  • 【請求項5】 成分を2つの工具の間で剪断運動によって混合することにより、多成分材料を高充填した高粘度の混合生成物に混合する方法において、工具の少なくとも一方を振幅1μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜2
    0MHzで振動させことを特徴とする、多成分材料を高充填した高粘度混合生成物に混合する方法。
  • 【請求項6】 硬化性材料が高充填した(メタ)アクリレートである請求項4又は5記載の方法。
  • 【請求項7】 高充填した(メタ)アクリレートが充填剤70〜95重量%を含有する請求項6記載の方法。
  • 【請求項8】 一方の工具がスパチュラ及び他方の工具がブロック又はガラス板である請求項5記載の方法。
  • 【請求項9】 一方の工具が振動するスプーンに似た成形体及び他方の工具が市販の振動しないスパチュラである請求項5記載の方法。
  • 【請求項10】 請求項1記載の硬化性材料の加工する方法において、振動する工具を使用し、該工具を振幅1
    μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜20MHzで振動させること特徴とする、硬化性材料の加工方法。
  • 【請求項11】 インレー、アンレー、外装シャーレ及びそれに類するものを固定する方法において、請求項3
    記載の高充填した歯科用材料を使用し、高周波数振動を用いることを特徴とする固定方法。
  • 【請求項12】 振動を超音波装置により発生させる請求項11記載の方法。
  • 【請求項13】 振動周波数が200Hz〜1MHzの範囲内にある請求項11又は12記載の方法。
  • 【請求項14】 振動周波数が10000Hz以上である請求項13記載の方法。
  • 【請求項15】 充填材料が以下の成分、 a)無機充填剤60〜95重量%、 b)エチレン不飽和重合性モノマー及び/又はポリマー4〜39.99重量%、 c)光重合開始剤0.01〜3重量%、並びに d)場合により活性剤、レドックス重合を開始させるための開始剤並びに顔料、X線不透過性添加物及び/又はチキソトロピー助剤 を含有する請求項11記載の方法。
  • 【請求項16】 無機充填剤の割合が70〜90重量%、エチレン不飽和モノマー及び/又はポリマーの割合が9〜29.9重量%及び光重合開始剤の割合が0.1
    〜2重量%である請求項15記載の方法。
  • 【請求項17】 無機充填剤が平均粒度≦5μm及び粒度上限25μmを有する請求項11から16のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項18】 充填剤の5〜25重量%が平均粒度0.02〜0.06μm及び充填剤の65〜85重量%
    が平均粒度1〜5μmを有する請求項17記載の方法。
  • 【請求項19】 成分b)が1価以上のアクリル−又はメタクリル酸エステルである請求項15記載の方法。
  • 【請求項20】 超音波装置と固定すべき部分の間に中間層を設ける請求項12記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、振動を作用させることにより製造及び加工可能な歯科用材料及びその製造方法並びに高周波数の振動を用いてインレー、アンレー、外装シャーレ及びそれに類するものを固定するために高充填した歯科用充填材料を使用することに関する。 この種の硬化性材料としては、特に歯科用製剤、例えば充填材料(充填コンパウンド)、しかしまた別の材料、例えば接着剤及びフィーラが該当する。

    【0002】

    【従来の技術】多くの技術分野、例えば歯科用材料並びに接着剤及びフィーラの分野で、欠損部を充填するか又は欠けた部分を相互に接合させるために、高充填した高粘度の硬化性材料が使用される。 この修復の保持性は、
    主として結合剤及び充填剤の特性によって決まる、その場合一般に結合剤は弱い部分である。 そのために、該材料は特に充填剤含量が極めて高い際に常に持続的かつ高価な修復を可能にすることが判明した。 従って、歯科分野に充填剤85重量%以下を有する歯牙充填材料が提供され、歯牙セメントは通常充填剤50〜60重量%を有する。

    【0003】この充填剤の受容能は、特にユーザにとって必要な粘度調整により制限される。 例えば、歯牙充填材料は、なお歯科医が適当な器具、例えばスパチュラ及び球状充填器を用いて窩洞中に充填することができる程に塑性変形可能であるべきであり、従って該材料は加圧下に、窩洞に流出する程完全に液状化可能であり、かつ器具でまたなお、表面を自然の状態に合わせることができるように加工可能であるべきである。 インレー、アンレー、外装シャーレ及びそれに類したものを固定するために、通常は、一般に低含量の無機充填剤を有する易流動性セメント材料が使用される。 このようなセメント材料は、イオン反応による、例えばいわゆる燐酸亜鉛もしくはガラスイオノマーセメント、又は更に重合反応、例えばメタクリル酸エステルのラジカル重合によるかのいずれかにより硬化する。

    【0004】最後に挙げた材料は、特に、例えばセラミック又はプラスチックからなる、十分に透明なインレー、アンレー並びに外装シャーレが問題となる場合に使用される。 標準的には、このために有利な光硬化性材料が使用され。 この場合一部は後続のレドックス法を介して再度後硬化が行われる。

    【0005】欧州特許出願第0325266号明細書は、例えば2工程で硬化される、インレー、アンレー並びに外装シャーレをセメント合着するためにも使用することができる歯科用材料が開示した。 このために、該材料は種々の光吸収を有する2種類の異なった光重合開始剤を含有する。 この特許明細書には、確かに高充填された歯科用充填材料が記載されているが、この方法で製造されるセンメト合着材料は、通常50重量%未満を有する。

    【0006】セメント合着及び接着剤の分野に対する要求は、なお多くの要求がある。 この場合、しばしば極めて微細なギャップに接着剤を充填すべき場合には、加圧下に高められた流動性が必要である。 この場合、通常は低圧下でフィルム厚さ<25μmが達成されるべきである。 従って、従来は、ユーザにとってなお自由に使用可能である程の高い粘性でありかつ高充填された材料を製造及び使用することは不可能であった。

    【0007】従来、たいていの多成分製剤はスパチュラで台、例えばブロックの上で混合される。 従って、この場合には、個々の成分の適当な容量又は混合比で前調合された容量をブロックの上に載せ、引き続きスパチュラで混合する。 この処置は従来勿論、混合運動により完全な混合が保証される程度に強度に液状化する、比較的低い粘度又は高いチキソトロピーの材料でのみ有効であったにすぎない。 低いチキソトロピー及び極めて高充填された材料の場合には、この剪断力を全体的に施すことは不可能である。

    【0008】更に、前調合した多成分材料をカプセル内で混合することも公知である(例えば欧州特許第015
    7121号明細書)。 この場合には専ら、粉末/液体系が使用され、その際カプセル成形体内に粉末、例えばガラスイオノマーセメント粉末が、かつこの容器に取り付けられた外側クッション内に液状成分が貯蔵され、該液状成分は混合前に特殊な活性剤系によって噴射される。
    引き続き、このカプセルは振幅>5mmで高周波振動でカプセル内で混合される。 この方式における欠点は、勿論、エネルギー伝達がなお比較的に悪く、かつ混合運動の際に室内でしばしば幾分か空気が一緒に取り入れられることにある。

    【0009】欧州特許第232733号から、低〜中粘度の材料(歯科用材料又はエポキシ接着剤)をいわゆる静的混合部材を用いて相互に均質に混合することが公知である。 この場合には、材料は、螺旋混合部材が組み込まれたカニューレを経て押し出される。

    【0010】米国特許第4219619号明細書には、
    歯冠及びブリッジを挿入するための振動する歯科用機器が記載されている。 この場合には、20〜100Hzの範囲内の比較的低い周波数の振動により通常の低粘度のセメントが歯冠を伝達連鎖:振動機−咬合記録体−歯冠を用いて液状化される。 この場合、高粘度材料の液状化は、記載されていない。 充填コンパウンド又はコンパウンドセメントの使用も記載されていない。 更に、該方法は、歯医者が特別に購入しなければならい特殊な機器を必要とする。

    【0011】従って、従来は、多成分の、高充填された、高粘度の材料をユーザ(従って手によるか又は混合スパチュラで)が均質に混合することができる方法は、
    提案されていない。

    【0012】

    【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規の製造方法で製造することができかつ新規の方法で使用することができる、極端に高充填したかつ高粘度の材料をユーザに提供することにより前記問題点を解決することであった。

    【0013】

    【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、その粘度が通常の方法で加工することができない程高い高充填した材料を振動処理により、規定どおりに製造し、加工しかつ使用することができることにある。

    【0014】本発明の対象は、結合剤及び平均(重量平均)粒度<50μmを有する、高い割合の充填剤を含有する硬化性材料であって、該硬化性材料は、その充填剤の割合が、特定の用途のためにその高い粘度に基づき使用不能であり、かつ振幅1μm〜5mmで周波数範囲2
    0Hz〜20MHzの振動を作用させることにより、規定どおりに使用できるように液状化することができる程度であることを特徴とする。

    【0015】本発明のもう1つの対象は、前記材料の製造方法であって、該方法は、充填剤を結合剤と、振幅1
    μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜20MHzの振動を作用させて混合することを特徴とする。

    【0016】更に、本発明の対象は、成分を2つの工具の間で剪断運動によって混合することより、多成分の、
    高充填した、高粘度の材料を混合する方法であって、該方法は、工具の少なくとも一方を振幅1μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜20MHzで振動させことを特徴とする。

    【0017】更に、本発明の対象は、高周波数振動を用いてインレー、アンレー、外装シャーレ及びそれに類するものを固定するために高充填した歯科用材料を使用することである。

    【0018】有利には、振動は超音波装置を用いて発生させる。

    【0019】本発明による周波数範囲は、有利には50
    Hz〜50kHz、特に100Hz〜30kHzである。 有利な振幅は、20μm〜2mm、特に50μm〜
    1mmである。

    【0020】本発明による方法を用いると、第一に、該材料が公知方法ではユーザでは(即ち、手で又は混合スパチュラを用いて)もはや混合することができない高さの粘度を有する材料も混合することができる。 このような多成分の形の材料は、特に常に、複数の種類の異なった硬化機構を相互に組み合わせたい場合に有利である。
    特に有利であるのは、シャドー領域内で光硬化の分野においてである。 この場合には、メタクリレートのためのレドックス開始剤系のような、露光源に依存しない第2
    の硬化機構を使用することもできる。 該系は例えばペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド、及び活性剤、例えばアミン、特に芳香族アミン又はその他の還元剤、例えばバルビチュル酸、又はそれらの誘導体もしくは更にマロニルスルホンアミド及びそれら誘導体からなる。

    【0021】本発明に基づき混合すべき歯科用材料には、エチレン不飽和モノマーもしくはポリマー、例えばモノマー及びポリマーのアクリレート及びメタクリレートが該当する。 このことに関しては、西独国特許出願公開第3609038号明細書に記載された材料を参照されたい。 この場合には、そこに記載されたX線不透過性充填剤を省くこともできる。

    【0022】歯科用材料のためのエチレン不飽和モノマーもしくはポリマーとしては、例えばモノマー及びポリマーのアクリレート及び特にメタクリレートを挙げることができる。 重合可能な歯科用材料においては、特にしばしばビスフェノール−A及びグリシジルメタクリレート又はそのイソシアネートの付加により得られた誘導体をベースとする米国特許第3066112号明細書記載の長鎖状モノマーが使用される。 1価又は有利には多価アルコールのアクリル酸−又はメタクリル酸エステル、
    例えばトリエチレングリコールメタクリレート等が特に好適である。 また、西独国特許第2816832項明細書に記載されたビスヒドロキシメチルトリシクロ−
    (5.2.1.0 26 )−デカンのジアクリル−及びジメタクリル酸エステルも、特に好適である。 例えば西独国特許出願公開第2312559号明細書に記載されているような、ジイソシアネート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートからの反応生成物を使用することもできる。 勿論、適当なモノマーもしくはそれから製造された不飽和ポリマーからなる混合物を使用することもできる。

    【0023】光重合開始剤としては、UV又は可視光線の照射後に重合を開始させるあらゆる物質、例えばベンゾインアルキルエーテル、ベンジルケタール、アシルホスフィノキシド又は脂肪族及び芳香族1,2−ジケト化合物、例えばカンファーキノンを使用することができる。 この場合には、光重合は自体公知の方法で第三アミン又は有機ホスフィンを添加することにより促進することができる。

    【0024】レドックス機構を介して重合を開始させるための適当な開始剤系は、例えばペルオキシド/アミン又はペルオキシド/バルビチュル酸誘導体系及びそれに類似のものである。 このような開始剤系を使用する際には、開始剤(例えばペルオキシド)と触媒成分(例えばアミン)を別々に用意するのが有利である。 次いで、両者の成分を使用直前に相互に均質に混合する。

    【0025】しかしまた、本発明による方法は、別の多成分のかつ高粘度の材料のために、例えば高粘度の硬化性材料又は歯牙セメント、例えばガラスイオノマーセメント又は亜鉛/燐酸塩セメントの混合のためにも使用することができる。

    【0026】従来まともに混合することができなかった、高充填した高粘度の材料を使用することにより、多成分接着剤及び充填材料の分野にも、新規の用途が開かれる。

    【0027】勿論、該方法は歯科用製剤を混合するために有利である。

    【0028】驚異的にも、インレー、アンレー並びに外装シャーレを固定する際に高周波数の振動を使用することにより、高粘度の、高充填した材料も、代生部分並びに残りの歯牙硬質物の濡れが最適でありかつセメント固定コンパウンドの最低フィルム厚さが達成されるほど易流動性になることが判明した。

    【0029】この場合、高周波振動とは、200Hz以上の振動であると解される。 1MHz以上のの周波数は、セメント合着のためにはもはや不適当である。

    【0030】有利には、1000Hz以上、有利には5
    000Hz以上、特に有利には10000Hz以上の高周波数の振動を使用するのが有利である。

    【0031】固定のためには、いわゆる“ソニック・スケーラ(Sonic Scalern)”及び/又は“ウルトラソニック・スケーラ(Ultrasonic Scalern)”での高周波数の振動が好ましい。 このような装置は、歯科臨床において歯石並びに過剰充填の除去のために既に長い間使用されている。 超音波をかけると、それに加え同時に供給を上回る冷却が達成される。 本発明による用途においては、
    この水冷を省き、丸みを帯びたスケーラ部分でインレー、アンレー又は外装シャーレの表面に、これがコンパウンドを充填した窩洞に侵入することができるように僅かな圧力を及ぼすのが有利である。

    【0032】この場合には、超音波装置と例えばインレー表面との間に、超音波装置のエネルギー供給を介するインレー表面の損傷を回避するために、中間層、例えば紙、パラフィン紙を入れるのが有利である。 これはまた好ましい実施態様においては、スケーラ中心部分にプラスチックスリーブを被せることにより行うことができる。 このために高弾性の、ゴム状材料、例えば咬合記録材料を使用することは不適当である、それというのも該材料は高周波数の振動をもはや伝達せずに、吸収するからである。

    【0033】該複合充填材料は、有利には以下の成分を含有する: a)無機充填剤60〜95重量%、有利には70〜90
    重量%、 b)エチレン不飽和重合性モノマー及び/又はポリマー4〜39.99重量%、有利には9〜29.9重量%、 c)光重合開始剤0.01〜3重量%、有利には0.1
    〜2重量%並びに d)場合により活性剤、レドックス重合を開始させるための開始剤並びに顔料、X線不透過性添加物及び/又はチキソトロピー助剤 を含有する。

    【0034】充填剤は、有利には平均粒度分布<20μ
    m、特に<5μm並びに粒度上限150μm、有利には70μm、特に<25μmを有する。 平均粒度0.02
    〜0.06μmを有する充填剤5〜25重量%及び平均粒度1〜5μmを有する充填剤65〜85重量%を含有する、いわゆる混成コンパウンドが特に有利に使用される。 無機充填剤は、例えば石英、粉砕したガラス、シリカゲル並びに熱分解珪酸又はその顆粒であってもよい。
    X線不透過性充填剤を少なくとも部分的に併用するのが特に有利である。 これらは一方では、X線不透過性ガラス、従って例えばストロンチウム、バリウム又はランタンを含有するガラスであってよく、又は充填剤の一部は、例えばフッ化イットリウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸ストロンチウム又は希土類金属のフッ化物からなる。

    【0035】ポリマーマトリックス中に良好に導入するためには、無機充填剤を疎水性にするのが有利である。
    通常の疎水性化剤は、シラン、例えばトリメトキシメタクリロリルオキシプロピルシランである。

    【0036】混合すべき材料中の充填剤の割合は、例えば60〜95重量%であり、この場合、歯科用製剤のためには、充填剤は80〜95重量%、及び接着剤及び充填材料のためには60〜80重量%であるのが特に重要である。

    【0037】高い充填剤割合を有する本発明による材料を製造するには、例えば従来のニーダを操作し、該ニーダに振幅1μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜20M
    Hzの振動を与える。 この場合、与えられた振動により、これらの成分を製造過程中、明らかに高められた充填剤割合が生じるまで液状に保つ。 その際、振動の停止後に、該材料は、通常の適用法ではもはや加工できない程高粘度になる。 その後は、該材料は新規の本発明による方法で振幅1μm〜5mmで周波数範囲20Hz〜2
    0MHzの振動を与えることによってのみ加工可能にすることができる。

    【0038】本発明による混合方法では、2つの工具の間で剪断力が成分に伝達されるように実施する。 該方法は、例えば、振動するスパチュラを使用し、対応部材としてまたブロック又はガラス板を設けることにより行うことができる。 例えばスパチュラの振動運動の下で、材料は液状化しかつ相応して良好に混合することができる。 しかしまた、もう1つの可能性は、その内部で市販の固定スパチュラで材料を混合することができる、振動するスプーンに似た成形体を使用することである。 振動するプレートと市販のスパチュラも、1つの可能な系である。 2つの工具、すなわちスパチュラとブロックを同時に振動させることも可能である。

    【0039】本発明による方法のもう1つの実施態様は、動的又は静的ミキサーで混合することである。 この場合には、振動は有利にカニューレの壁で又は螺旋混合部材に適用することができる。 この場合には、振動させなければ工具を破壊せずには該装置から押し出すことができない程高粘度の材料をも相互に均質に混合することができる。 この実施態様は、歯科用材料又は接着剤もしくは充填材料のために特に好適である。

    【0040】振動を発生させるには、圧電または勿論電磁モータを用いて相応する振動を起こさせることができる固有の装置を使用してもよく、又は歯科医において既存の装置、例えば超音波スケール又は電気歯ブラシを使用し、それに相応する対応部材を設けかつ起動後に振動を材料に伝達することもできる。 本発明による範囲内の振動の発生は、公知技術水準である。

    【0041】

    【発明の効果】1. 西独国特許出願公開第403250
    5号明細書記載に類似した、しかし今や付加的に第2の硬化機構を含有することができる、高粘度の、多成分セメント合着材料を使用することができる。 これにより、
    シャドー領域での硬化が可能である。

    【0042】2. 多成分系において初めて、気泡の無い混合が可能である。 前記範囲内の高周波振動で、気泡も高粘度材料から完全に除去することができる。 これにより、美的利点に加えて、材料の硬度も好ましく影響される、それというのも気泡はまた常に表面で見られるからである。

    【0043】3. 極めて高い充填物割合を有する歯科用製剤が製造され、ひいては該製剤は硬化した状態で特に高い持続強度及び耐摩耗性を有する。

    【0044】4. 高められた充填剤割合により、重合収縮、熱膨張並びに摩耗が減少せしめられる。

    【0045】

    【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する。

    【0046】例 1 ビスアクリルオキシメチルトリシクロ−(5.2.1.
    26 )−デカン70重量部及び2,2−ビス−4−
    (3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパン30重量部並びにp−クロルベンゾイルペルオキシド1重量部を混合して均一溶液1にする。

    【0047】同重量部のモノマー並びにp−N,N,−
    ジエチルアミノトルイジン1重量部並びにN,N,−ジメチルアミノエチルメタクリレート3重量部及びカンファーキノン0.3重量部を混合して均一溶液2にする。

    【0048】溶液1の21重量部を、平均粒度1.5μ
    mのシラン化された歯状の十分に着色された石英55重量部並びに平均粒度0.04μmのシラン化された発熱ケイ酸5重量部並びに平均粒度1μmのシラン化されたフッ化イットリウム19重量部と共にこねて均一なペースト1(触媒ペースト)にする。

    【0049】溶液2の21重量部を同重量部の石英、発熱ケイ酸並びにフッ化イットリウムと共にこねて均一なペースト2(基礎ペースト)にする。

    【0050】触媒−及び基礎ペーストを、従来の道具、
    例えばスパーテル/ブロック(Spatel/Bloc
    k)、混合カプセル(Mischkapsel)等を用いて相互に不均一に混合することができる。

    【0051】触媒ペースト0.5gを基礎ペースト0.
    5gと共に電動歯ブラシ用の匙様用具中に装入する。 市販のプラスチックスパーテルを用いて物質を、粘度が高くなって自体こねるのが不可能になる程には混合することができない。 電動歯ブラシの運転開始後に匙様用具を振動数50Hz及び偏差0.8mmで振動させる。 材料は、この状態で即座に非常に美しく混合でき、均一混合された最終生成物が得られる。 振動の停止後すぐに、混合されたペーストは、物質を良好に塑像可能にする高い粘度を有する。

    【0052】ペーストは、加工時間7.5分を有し、1
    5分以内に硬化する(23℃)。 硬化された材料の耐圧強度は、暗所での硬化後には350MPaであり、この耐圧体の両側を更に市販の歯科用の照明体(Elipa
    r Visio,ESPE)で20秒間照射すると、耐圧強度400MPaが得られる。 物質の表面硬度は、暗所で硬化されても、明所でも240MPaである。

    【0053】前記例により、先づ本発明の方法を用いて基礎−及び触媒ペーストの混合が達成でき、かつそうして、高粘稠性特性を有し、同様に本発明による方法での混合後に有価の物理特性を有する物質が製造できることが、判明している。 この物質は、混合後完全に気泡不含であり、即ち流動性セメントの場合に通例混入された気泡は、振動により完全に除去された。 粘度は、導入された振動により、膜厚測定に基づき示され得るように約1
    0倍低下する。 2枚のガラス板の間に基礎ペースト約5
    00mgを充填し、続いてこれに全負荷重量15KPを荷重すると、測定時間3分後に膜厚110μmが得られる。 測定は、前記のように実施するが、ガラス板を例中に記載の電動歯ブラシを用いて振動させると、膜厚10
    μmが得られる。 即ち、本発明による方法を用いると、
    必要な25μmをはるかにこえる膜厚を通常有する高硬度のペーストをセメント塗布目的のために使用することも可能である。 導入された振動によって膜厚は10倍だけ、110μmから約10μmまで低下する。

    【0054】例 2 例1のペースト双方を同量、市販の混合台(Misch
    block:表面にワックスをかけた紙)上に装入する。 引き続いて市販の超音波装置(Cavitron,
    Firma Dentsply)に装備されるスパーテルで相互に混合する。 超音波装置(振動数約28KH
    z、振幅0.05mm)の作動後、物質を簡単に相互に混合させ、その際、混合後に気泡は全くみられない。 超音波装置の停止後に、混合されたペーストは、すぐに再び、本来の高い粘度を有する。 そのように混合された物質は、例1中に記載のような物理的特性を有する。

    【0055】例 3 ビスアクリルオキシメチルトリシクロ−(5.2.1.
    26 )デカン70重量部及び2,2−ビス−4−(3
    −メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルプロパン(Bis−GMA)30重量部、シラン化された発熱ケイ酸7重量部、カンファーキノン0.3重量部、N,N−ジメチルアミノメチルメタクリレート3
    重量部及びレントゲン不透充填物としてのフッ化イットリウム110重量部をこねて前混合物にする。

    【0056】この前混合物5.96gを、できるだけ大量のシラン化された歯状の着色石英(平均粒径約6μ
    m)と共にこねる。 市販のプラネタリー混練機(Pla
    netenkneter)を用いて最大16gの充填物をこね合わす。 しかしながら混練機の容器を振幅0.5
    mm、振動数50Hzで振動する振動板上に置くと、更に石英6gを混ぜこむことができる。 振動を止めた後では、混練はもはや不可能であり、物質は固体粘度を有し、圧力下で少しも変形することはできない。

    【0057】しかしながら、例2に記載のように、このペーストを振動スパーテルを用いてとりいれると、この物質は、使用の際に再び問題なく窩洞中に充填でき、この方法により極めて低い熱膨張、極めて低い摩耗並びに少しの重合収縮を有する極めて高充填されたコンポジットが得られる。 その上この物質は、振動装置を用いて著しく加工可能であり、その際、振動の停止後の固体硬度は、特に有利であるので、過剰分及び辺縁部を非重合状態に完全にしておくことができる。

    【0058】例 4 ビスアクリルオキシメチルトリシクロ−(5.2.1.
    26 )−デカン70重量部及び2,2−ビス−4−
    (3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパン30重量部、カンファーキノン0.
    3重量部及びN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート3重量部を混合して均一な溶液にする。

    【0059】この溶液の21重量部を平均粒度1.5μ
    mのシラン化された歯状の着色石英55重量並びに平均粒度0.04μmのシラン化された発熱ケイ酸5重量部並びに平均粒度1μmのシラン化されたフッ化イットリウム19重量部と共にこねて均一なペーストにする。 このペーストは、それ自体セメント塗布に適する高粘稠性のペースト状硬度を有する。

    【0060】そうして製造されたコンポジット−ペーストでインレー窩洞を完全に満たす。 引き続いてプレハブのコンポジットインレー(同じコンポジットペースト物質から製造されているが、既に完全に深部まで硬化されている)を、ペーストで充填された窩洞中に押し込む。
    引き続いて「ウルトラソニック・スカラー(Ultra
    sonic Scaler;Cavitron,Fir
    ma Dentsply;10000Hz)」を用い、
    水冷却を止め、インレーのインレー表面上に僅かの圧力をかけて、充填された窩洞中に沈める。 超音波によって、コンポジットペーストは、全部の過剰分がセメント塗布細隙から湧き出し、かつインレーが完全に適合するまで窩洞中に押しこまれる位に液化する。 過剰分を、引き続いてゾンデ及びデンタルフロスで除去し、これはペーストの高い粘性に基づき、再び非常に容易にいく。 引き続いて市販の歯科用照射装置(Elipar,Fir
    maESPE)を用いて全方面に60秒にわたる照射を行なってセメント質を重合させる。 引き続いてセメント質表面及びインレーを研磨する。 境界部は識別不可能であり、インレーは著しく適合する。

    【0061】この方法を、同じ物質で同じインレーに、
    しかし超音波の作用なしで実施すると、このインレーは完全に窩洞中に導入することはできない。 歯表面からインレーへの境界部は、識別可能であり、これはゾンデで容易に確認し得る。

    【0062】膜厚の測定:平面金属板とガラス板との間に、前記コンポジット各々100mgを装入し、出発層厚500μmになるよう一様に配分する。 引き続いて前記「ウルトラソニック・スカラーズ」の平均部の表面を用いてガラス板の上面に各々0.5KPの圧力をかける。 この圧力は、各々10秒の間かけ、1回毎に振動をスタートさせ、かつ停止させる。 超音波装置を作動させた際には膜厚10μmが得られる。 超音波装置を作動させない際には膜厚は400μmである。 より長時間(例えば30秒)にわたるより高圧(例えば10KP)の作用の際にも膜厚は、50μmを下まわらない。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス エルリッヒ ドイツ連邦共和国 ヴェルトゼー アウイ ンガーシュトラーセ 16 (72)発明者 オスヴァルト ガッサー ドイツ連邦共和国 ゼーフェルト ヘーエ ンシュトラーセ 10 (72)発明者 ライナー グッゲンベルガー ドイツ連邦共和国 ヘルシング ジクルシ ュトラーセ 10 (72)発明者 アンドレアス イブルク ドイツ連邦共和国 ヴェルトゼー ハウプ トシュトラーセ 43 (72)発明者 ペーター コーラン ドイツ連邦共和国 ヴァイルハイム タシ ロリング 7 (72)発明者 ミヒャエル ヨット. ノアック ドイツ連邦共和国 ベルリン 31 フェヒ ナーシュトラーセ 24 (72)発明者 ラインホルト ノヴァク ドイツ連邦共和国 アーデルスホーフェン フッガーシュトラーセ 3 (72)発明者 フランソワ ルーレ ドイツ連邦共和国 ベルリン 19 ヘルバ ルトシュトラーセ 15 (72)発明者 クラウス−ペーター シュテファン ドイツ連邦共和国 ゼーフェルト ハウプ トシュトラーセ 36アー (72)発明者 ヴェルナー ツェルナー ドイツ連邦共和国 オーベルプファッフェ ンホーフェンアム ジーストニヒトゲルン 3

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