Dental tray and a method of manufacturing the same

申请号 JP3934697 申请日 1997-02-24 公开(公告)号 JP2909040B2 公开(公告)日 1999-06-23
申请人 ウルトラデント・プロダクツ・インコーポレーテッド; 发明人 FUITSUSHAA DAN II;
摘要 The present invention discloses high viscosity sustained release dental compositions, such as tooth bleaching or fluoride compositions, for treating tooth surfaces. For maximum results, an improved dental tray having reservoirs for holding the dental composition adjacent the desired tooth surfaces is preferably used in combination with the sustained release dental composition. The sustained release dental compositions include a high carboxypolymethylene concentration which results in very high viscosity. The high level of carboxypolymethylene makes dilution of the dental compositions from saliva difficult and time consuming so that the compositions stay within the tray reservoirs, thereby providing sustained release. The concentrated carboxypolymethylene adds a unique tackiness to the dental composition which helps retain and seal the soft tray material against the patient's teeth.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 歯科用トレーからいかなる有意な圧力が加えられることなく、使用者の歯の少なくとも1部分の所定場所に、歯科用組成物が歯科用トレーを保持できるように形成されている歯科用トレーであって、 (a)使用者の歯の上に配置されている間中に、当該歯科用トレーの周囲部分が使用者の歯肉上に有意な圧力が加わらないように、使用者の歯肉線またはそれより下で終わるよう形成されている該周囲部分;及び(b)歯科用トレーによりいかなる有意な圧力が加わることなく、
    歯科用トレーが歯科用組成物により所定場所に保持されるに足る量の歯科用組成物を保持するように形成された凹所のある内側を有する前記周囲部分の下に延長する部分を含む前記歯科用トレー。
  • 【請求項2】 使用者の歯に隣接して増加量の歯科用組成物を保持するための歯科用トレー内に構成された複数の拡張したリザバーをさらに含む、請求項1記載の歯科用トレー。
  • 【請求項3】 歯科用トレーが薄く且つ軟質の材料から構成されている、請求項1記載の歯科用トレー。
  • 【請求項4】 使用者の歯の少なくとも1部分を処置するためにその中に歯科用組成物を保持するために形成されている薄壁を有する軟質歯科用トレーから構成されている製造品であって、当該歯科用トレーが使用者の歯がその歯科用トレーにより覆われたとき特定の形状と方向を持った使用者の歯に合致しこれと一体化するように内側に凹所を設け、当該歯科用トレーは、歯科用組成物の粘着特性により所定の場所に歯科用トレーを維持できるよう使用者の歯及び歯肉上に歯科用トレーがいかなる有意な圧力を加えることのないように形成され且つ充分軟質である、前記製造品。
  • 【請求項5】 歯科用トレーが、それが使用者の歯の上に配置されている間中に、使用者の歯肉上に有意な圧力を加えることのないように、使用者の歯肉線またはそれより下で終わるよう形成されている歯科用トレーの周囲部分を含む、請求項4記載の製造品。
  • 【請求項6】 使用者の歯に隣接して増加量の歯科用組成物を保持するための歯科用トレー内に構成された複数の拡張したリザバーをさらに含む、請求項4記載の製造品。
  • 【請求項7】 歯科用トレーが透明なビニル材料から構成される、請求項4記載の製造品。
  • 【請求項8】 歯科用トレーが、約0.04インチ〜約0.06インチの範囲内の厚さである、請求項4記載の製造品。
  • 【請求項9】 使用者の歯に歯科用組成物を施用するのに使用するための歯科用トレーの製造方法であって、 (a)使用者の歯の少なくとも1部分及び歯肉縁の印象を得、 (b)この印象から使用者の歯に相当する部分及び歯肉縁に相当する部分を含む石質模型を製造し;(c)使用者の歯に相当する石質模型の少なくとも1部分を、所定量の歯科用組成物を保持するために歯科用トレー内に形成される1以上のリザバー部分に一致して配置される被覆材料で被覆し;(d)ポリマー材料を使用して前記石質模型から歯科用トレーを形成し;そして(e)歯科用トレーをトリムして歯科用トレーが歯肉縁に相当する部分上に延びないようにする各工程を含む、前記方法。
  • 【請求項10】 ポリマー材料が軟質ビニル材料を含む、請求項9記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 【請求項11】 被覆材料が使用者の歯の石膏模型の歯肉縁に相当する部分を覆わないように石膏模型を被覆する、請求項9記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 【請求項12】 被覆材料を使用者の歯の石膏模型の歯肉縁に相当する部分から約1mmよりも離して維持する、請求項11記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 【請求項13】 被覆材料が光硬化性材料である、請求項9記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 【請求項14】 歯科用トレーをポリマー材料を真空成形することにより形成する、請求項9記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 【請求項15】 歯科用トレーを、当該歯科用トレーが石膏模型上に描写された歯肉縁から約1/4mmよりも離して維持されるようにトリムする、請求項9記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 【請求項16】 歯科用トレーを波形に仕上げ、石膏模型上に模写された歯間乳頭上及び周囲に波形に仕上げられた上部縁を形成する工程をさらに含む、請求項9記載の歯科用トレーの製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、歯の表面を処理するための歯科用トレー及びその製造方法に関するものである。 更に詳しくは、本発明の歯科用トレーは処理しようとする歯の表面に隣接して配置される歯科用組成物を保持するためのリザーバーを有する歯科用トレー及びその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】事実上すべての人は白い又はより白い歯を望む。 このゴールに到達するために、人々は、自分の歯の上に化粧板を配置するか、あるいは自分の歯を化学的に漂白してきた。 従来は、自分の歯を漂白することを所望する者は、従来の病院内の漂白技術に任せなければならなかった。 この方法は、通常、歯の上に過酸化素溶液(通常30%のH 22 )を注意深く配置し、敏感な柔らかい組織を結紮したラバーダムで保護し、溶液に熱をかける工程を含むものであった。 かかる処置には通常30分〜1時間が費やされ、十分に色を変化させるためには4〜10回の予約が必要である。 6〜8本の前歯の唇側の面しか処理されない。

    【0003】1989年初頭の導入から、歯科業者の間で家庭で使用するための歯漂白用製品及び方法に対する関心が高まってきている。 現在代表的な方法は、(1) 歯を漂白することを所望する者の歯のアルギネート印象を取り、(2) 印象の石質模型を製造し、(3) 通常は薄い(0.020〜0.030インチ)硬質の透明な材料から、石質模型からトレーを真空成形し、(4) その者に、
    (a) 漂白すべきそれぞれの歯のそれぞれの領域中に2〜
    3滴の漂白剤溶液を配置させ、そして(b) トレーを口の中に配置させ、(3) 過剰の漂白剤溶液を吐き出させ、
    (4) 1〜2.5時間ごとに漂白剤溶液を取り替え、そして(5) 食事の間はトレーを取り外す、という工程を含むものである。 わずかな場合には夜間もトレーを装着することを薦められる。

    【0004】最も通常的に用いられている歯科用漂白剤は、過酸化尿素水素、過酸化水素カルバミド及びペルヒドロール尿素とも呼ばれている10%のカルバミドペルオキシド:CO(NH 2 ) 222である。 カルバミドペルオキシドは、1960年代から口腔内防腐剤として推奨され歯科臨床家に処方されてきた。 歯の漂白は長期投与の副次的な効果であった。 10%カルバミドペルオキシドの店頭販売用(OTC)溶液は、Marion Laboratories
    から「Gly-Oxide」として、またReed and Carnrickから「P
    roxigel」として入手することができる。

    【0005】上記の技術を用いた肯定的な効果が報告されている。 有効性は、しみのタイプ及び強さ、漂白剤の歯への接触時間、漂白剤中の利用し得る活性成分の量といったファクターに依存する。 実際の漂白工程にかかる時間は歯科医院の外であるので、この工程のコストは、
    従来の歯科医院内での漂白方法よりも実質的に少ない。
    更に、家庭用の歯の漂白方法に関連する処置中及び処置後の不快感は、歯科医院内での従来のものに比べて少ないと報告されている。

    【0006】上記の有利性にもかかわらず、家庭用の漂白剤製品及び方法には幾つかの重要な欠点が残っている。 一つの重要な欠点は、漂白剤を日中に頻繁に取り替えなければならないか、あるいは処置が数週間又は数カ月に及ぶという点である。 実際の試験によって、漂白剤の唾液による希釈及び嚥下により、トレー中の薬剤が処置時間中に急激に減少し、それにより歯の漂白に用いられる活性成分の量が減少することが示される。 試験の結果によれば、1時間後には、漂白剤の当初の容量の1/
    2未満しか残っていなかったことが示される。 しかして、現在の漂白剤は、有効性を保つためには約1時間ごとに補充しなければならない。

    【0007】現在の家庭用の漂白剤はしばしば補充しなければならないので、使用者は必然的に大量の漂白剤を摂取することになる。 多くの場合、漂白剤の摂取は喉の痛みを引き起こす。 一部の研究者は、長期間繰り返して大量のカルバミドペルオキシドを摂取すると発癌性を示す可能性があるとさえ示唆している。 したがって、使用者による漂白剤組成物の摂取を最小にしなければならない。

    【0008】多くの使用者の日中のスケジュールは漂白剤を絶えず補充することを可能とさせない。 加うるに、
    夜間、漂白剤を定期的に補充することの示唆はほとんどの使用者によって好意的には受け入れられないであろう。 歯科剤を絶えず補充することの不便さの故に使用者の使用遵守は、維持するのが困難であり、そして使用者の使用遵守は処理の最終的な成功を決するから、歯科漂白剤を絶えず補充する必要性は、治療の成功を制限する主要な不都合である。

    【0009】最近の家庭用の漂白組成物及び技術についてのもう一つの欠点は、観察しうる結果を見るのにしばしば何週間もかかることである。 若干の人はより短時間での歯の色調の明化を報告しているが、ほとんどの場合に、家庭用漂白処理は4ないし6週間継続する。 そのような状況下で、使用者は彼等の処理に対する熱情をしばしば失い、そして処置摂生に従うことをしばしば止める。

    【0010】上記から、当該分野において必要とされるものは、使用者の使用遵守を促進し、かくして処置の最終目的を実現する歯表面処置用の組成物及び方法である。

    【0011】使用者の歯と接触する定期的な高及び低レベルの歯科剤よりも歯表面と接触する一層一定のレベルの歯科剤を与える歯表面処理用歯科組成物を提供することは当分野におけるもう一つの著しい進歩であろう。

    【0012】数週間ではなく数日間で顕著な色調明化を与える使用者の歯漂白用の歯科組成物及び方法を提供することは当分野における追加の進歩であろう。

    【0013】歯表面治療用のそのような歯科組成物及び方法は、ここに開示されそして請求される。

    【0014】

    【発明の要約及び課題】本発明は、歯表面処置用の、歯漂白または弗化物組成物のような、高粘度の持続放出歯科組成物に使用し得る歯科用トレーに関している。 所望の歯表面に隣接して歯科組成物を保持するためのリザバー(reservoirs)を有する本発明の改善された歯科用トレーが、その徐放性歯科組成物と組み合わせて好ましく使用される。

    【0015】一つの最近好まれる徐放性歯科組成物は、
    カルバミドペルオキシドのような歯科漂白剤を含む。 歯科漂白剤の濃度は、その反応性に応じて変わりうる。 例えば、カルバミドペルオキシドについて、最近の好まれる濃度範囲は、約3%から約20%であり、約4%から約15%の範囲が最も好ましい。

    【0016】歯科漂白剤は、好ましくは高粘度マトリックス材料中に含まれて、徐放性歯科組成物を形成する。
    適当なマトリックス材料は、好ましくは、口内使用に安全であり、唾液中に容易には溶解せず、そして歯科漂白剤と反応しない。 一つの最近好まれる高粘度マトリックス材料は、飽和カルボキシポリメチレン組成物である。
    pHを約5.0ないし約7.0内に調節するために、カルボキシポリメチレン組成物に対して、ある量の塩基を添加するのが好ましい。

    【0017】本発明の範囲内の徐放性漂白剤は、それらを分配するのに、正の圧が必要とされ、重力では充分でないような高粘度を有する。 現存の低粘度漂白剤と異なり、持続放出漂白剤は、ビンから滴状に分配され得ない。 注射、可圧搾チューブまたはその他の正圧分配装置が、本発明の範囲内の漂白組成物を分配するのに使用されなければならない。

    【0018】所望とされる歯の表面に隣接する、歯科用組成物を保持するためのリザバーを有する改良された歯科用トレーは徐放性の歯科用組成物と併用するのが好ましい。 歯科用トレーを作るこの概括的方法はこの技術分野において公知である。 例えば、全ての歯の表面プラス歯肉縁と位置がぴったり合うアルギン酸塩の印象を作り、それより石質模型を速やかに作ることである。 リザバーは処理されるべき特定の歯の表面にある石質模型の上に硬質材料の層を作ることによって調製される。 次に、この改変された石質模型から常用の方法を用いて歯科用トレーを真空下で形成する。 トレーを形成したら、
    それを頬側の表面と舌側の表面の歯肉縁にかろうじて達するようにトリミングするのが好ましい。 得られるトレーは使用者の歯とその硬質材料が石質模型の上に配置された場所にあるリザバー又は空間とを完全に適合させる。

    【0019】リザバーはまた他の歯よりも白くする必要のある特定の歯又は歯の表面に追加の漂白剤を与えるべくトレーに創造的に組み込むこともできる。 組み込みリザバーを持つトレーを用いるときは使用者が受けるトレー圧力から来る歯の不快感は少なくなることも見い出されている。

    【0020】家庭で歯の漂白処理を開始する前に、使用者の歯をきれいにしておくこと、及び漏出性の縁又は露出した象牙質を有する充填物はないことが推奨される。
    露出した象牙質の大きな領域があったり、或いは充填物が不十分であったりすると、使用者に軽い乃至はそれほどには激しくない痛みが出る可能性がある。

    【0021】歯の漂白中に得られる白化量は、(1)各日当たりのトレーの装着時間、(2)トレーの装着日数及び(3)歯の漂白剤に対する感受性に依存する。 最大の白化に対しては、約18〜20時間/日と言う促進処理時間が推奨される。 処理スケジュールは各使用者のライフスタイル又は処理の応答性に合わせて立てることができるが、そのスケジュールには通常少なくとも使用者が眠っている間に行う処理が含まれる。 睡眠中の処理は、口の活動が少なく、それがトレーから材料を“くみ出す”ので、当該日の内の最も成果の上がる単一処理時間であることが見い出された。

    【0022】最近の実験的テストで本発明の範囲に入る1つの歯科用漂白組成物と若干の市販歯科用漂白組成物との比較を行った。 テストを行った漂白組成物は全て同一の活性成分濃度(過酸化カルバミド10%)を有していた。 これらのテストでは漂白効果を調べただけで、徐放性から来る増加した効果については考慮しなかった。
    実験結果は、本発明の漂白組成物は、その徐放性に関係なく、テストした他の漂白組成物より有意に大きな効果を与えることを示している。 本発明の1つの目的は、従って、高度に有効な歯科用漂白組成物を提供することである。

    【0023】本発明の追加の目的は、使用者の使用遵守を促進し、しかして処理の最終目的を実現する、歯の表面を処理するための改良された組成物と方法を提供することである。

    【0024】本発明のもう1つの重要な目的は、使用者の使用遵守が高められるように連続的に置き換えられる必要のない、歯の表面を処理するための徐放性の歯科用組成物を提供することである。

    【0025】本発明の更に他の重要な目的は、歯科用剤を高いレベルと低いレベルで周期的に使用者の歯と接触させて与えるのではなく、より一定のレベルの歯科用剤を歯の表面と接触させて与え、それによって数週間と言った期間ではなく数日の内に使用者の歯にかなりの軽減感を与える、歯の表面を処理するための徐放性の歯科用組成物を提供することである。

    【0026】本発明の更に他の目的は、歯の処理効果と使用者の満足感を高める、歯の表面を処理するための歯科用組成物を保持する組み込みリザバーを有する改良された歯科用トレーを提供することである。

    【0027】本発明のこれらの目的及び他の目的、並びに特徴は次の説明から更に十分に明らかとなるか、又は本発明の実施によって知ることができるだろう。

    【0028】

    【好ましい実施態様の詳細な説明】上に要約した通り、
    本発明は概して、歯の表面を処理するための歯科用漂白組成物またはフッ化組成物のような、粘度の高い徐放性歯科組成物に関する。 所望の歯の表面に隣接する歯科組成物を支持するためのリザバー(reservoirs)を有する改良された歯科用トレーが、徐放性歯科組成物と組み合わせて用いられるのが好ましい。

    【0029】目下の好ましい徐放性歯科組成物の一つには、カルバミドペルオキシドのような歯科漂白剤が含まれる。 歯科漂白剤の濃度は、その反応性によって変化する。 例えばカルバミドペルオキシドの場合、目下の好ましい濃度範囲は約3%〜約20%であり、最も好ましくは約4%〜約15%である。 過酸化水素の場合、それはカルバミドペルオキシドよりも反応性が高いが、目下の好ましい濃度範囲は約2%〜約10%である。

    【0030】歯科漂白剤は、徐放性歯科組成物を形成するために、高粘度基材中に含まれるのが好ましい。 適当な基材は、口腔使用のために安全で、唾液に容易に分解せず、歯科漂白剤と反応しない又は不活性なものであるのが好ましい。 目下の好ましい高粘度基材の一つは、濃縮したカルボキシポリメチレン組成物である。 カルボキシポリメチレンは、活性なカルボキシル基を有するわずかに酸性のビニルポリマーである。 適当なカルボキシポリメチレン組成物は、B.F.Goodrich Company社から「カルボポール(carbopol)」の商標で得られる。

    【0031】種々のカルボキシポリメチレン樹脂の水中での通常の濃度は、製造業者によれば、約2%以下である。 幾つかの市販されている歯科漂白組成物は、低濃度のカルボポールを含む。 重要なことには、約3.5%〜
    約12%の範囲、好ましくは4.5%〜約10%の範囲の絶対濃度を有する飽和したカルボキシポリメチレン組成物を調製することによって、適当な高粘度の徐放性歯科組成物を調製し得ることが見いだされた。

    【0032】本発明の範囲内での歯科組成物中には大量の非水性成分が存在するので、歯科組成物中での水の全量中でのカルボキシポリメチレンの実際の濃度は、約1
    5%〜約35%の範囲が好ましく、最も好ましくは約2
    0%〜約30%の範囲である。 非常に高濃度のカルボキシポリメチレンを所望するような幾つかの特別な適用においては、歯科組成物中での水の全量中でのカルボキシポリメチレンの濃度は、約40%程度になってもよい。

    【0033】一つの一般に好まれているカルボキシポリメチレン組成物はカーボポール934Pとして公知である。 カーボポール934Pはカーボポール934の高純度医薬用等級品で、約3,000,000の近似分子量を有する。 粘着、けん濁、及び乳化に加え、カーボポール934Pは乾燥錠剤中で持続した放出特性を与えるために使用されてきた。 カーボポール934Pについて広範囲の毒性試験が行われてきており、食品医薬品局によってマスターファイルが確立された。 国民医薬品集にカーボポール934Pとして収載されている。

    【0034】カーボポール940のような他のカルボキシポリメチレン樹脂でカーボポール943Pを代替することができると信じられている。 しかし、臨床的及び実験的評価によると、カーボポール940はカーボポール934Pよりも速く希薄となるようである。 さらに、カーボポール934Pは医薬用等級で入手できるので、一般に好まれている。 したがって、カーボポール934P
    は一般に好ましいカルボキシポリメチレン組成物である。

    【0035】本発明の目的内の濃縮されたカルボキシポリメチレン組成物は、高い粘度に加えて多くの重要な特性を有する。 だ液によって希釈されそして洗い流され得る点まで粘度を下げるために有意の量のだ液又は水が要求されるような高い粘度を与えるために要求される量を越える十分な量のカルボキシポリメチレンが歯科用剤に加えられる。 高いレベルのカルボキシポリメチレンはだ液からの希釈を困難にし、より多くの時間を消費するので、生じた歯科用組成物は歯科用剤の持続した放出を与える本発明の目的内の濃縮されたカルボキシポリメチレン組成物の他の重要な利点は、だ液と接触したときに本組成物が最初に堅くなることである。 結果として、歯科用トレーの周囲にシールが形成され、そこでは組成物がだ液と接触しており、シールは、組成物の残余が歯の表面と接触した状態でその場に陥れられそして「シールされた」ままにしておく。

    【0036】トレーの周囲のより堅くなった物質はトレーと歯の適合の少々の不一致をもうめる。

    【0037】ほとんどの場合、高いレベルのカルボキシポリメチレンは、過度にだ液を分泌する使用者においてより長期間にわたって歯科用の組成物の持続された放出活動が維持されるために好ましいだろう。 しかし、いくつかのケースではより低い濃度のカルボキシポリメチレンが望ましいかもしれないが、相対的に言えば、持続された放出活動がより短期間続くように、それでもまだ典型的な濃度よりよりも高い。 したがって、カルボキシポリメチレンの濃度を変えることによって、歯科用剤の活性の期間をいくらか調整することができる。

    【0038】濃縮されたカルボキシポリメチレン組成物は、歯に対して薄くて柔らかいトレーの材料を保持しシールする粘着性及び他着性をも有しており、それによって組成物がトレーの外へ移動することを防止する。 組成物の粘着性は貯蔵所内に組成物を維持するのみならず、
    使用者の歯に対してトレーを保持し、それによってさらに柔らかく、さらに薄く、そしてさらに柔軟性のあるトレー材料が使用されるのを許容する。 あまりにも多くのカルボキシポリメチレンが使用されると、他着性が減少し、組成物が完全なトレーの挿入を妨げることが分かってきた。

    【0039】濃縮されたカルボキシポリメチレン組成物を得るために、カルボキシポリメチレンを水中に分散しようとする前に多量のグリセリンと混合することが推奨される。 グリセリンは大量のカルボキシポリメチレンを水中においてよりも容易に分散させることができる。 いったんカルボキシポリメチレンとグリセリンが混合されると、素早く水中で混合物を分散さえることが重要で、
    さもなければ混合物は取り扱いにくい固体になるということも観察されてきた。 最終の除放性歯科用組成物中のグリセリンの濃度は重量基準で約20%〜約70%の範囲内、好ましくは重量基準で40%〜60%の範囲内にあることが推奨される。

    【0040】湿潤剤として機能することに加えて、グリセリンは甘い味が知覚されるようにいくらか味の甘さを強めもする。 グリセリンの2、3の可能な代用品はポリプロピレン、ソルビトール、いくつかのポリエチレングリコール類又は他のポリオール類を含む。

    【0041】着脱性歯科用組成物中の水の量は、一般に約10重量%〜約60重量%であることが好ましく、より好ましくは約15重量%〜約40重量%である。 歯科用組成物の全体の水の量は、種々の起源のものであることが理解されるであろう。 例えば、歯科用漂白剤および塩基(後述する)は水性溶液として利用される。

    【0042】カルボキシポリメチレンはポリカルボン酸であるため、得られる漂白用組成物のpHを下げる傾向にある。 臨床及び生体外の試験によれば、約5以下のp
    Hを有する歯科用組成物はエナメルを食刻しうると思われる。 エナメルの食刻を防止するために、一般に、着脱性歯科用組成物は約5から約7のpHを有することが好ましい。 pHを調整するためには、組成物に塩基を加えることが最も簡単である。 無機及び有機の塩基を用いることができるが、濃縮水酸化ナトリウム(50%NaO
    H)を用いることが、ひとつの好ましい態様である。 より低い濃度の水酸化ナトリウム又はトリエタノールアミン等のその他の塩基を用いることも可能であるが、濃度の薄いものは歯科用組成物を希釈して、粘度及び着脱性の特性に影響を及ぼすおそれがある。

    【0043】本発明の範囲に含まれる高粘度着脱性歯科用組成物の重要な特性は、実際の使用の見地から、約3
    〜7時間の通常の日常活動の後、及び約7〜10時間の睡眠の後に、依然としてその組成物が認められることである。 これは、接着性の高粘度歯科用組成物が長時間経過後、例えば夜の終わりに、依然として歯科用トレーの中に認められるということである。

    【0044】現存の、一滴ずつトレーにおかれる低粘度漂白剤とは異なり、本発明の範囲に含まれる着脱性漂白剤は非常に高い粘度を有しているため、瓶からトレーに滴下することができない。 本発明の着脱性漂白剤を押し出すためには、正の圧力が必要であり、重力では不十分である。

    【0045】この漂白剤を小出しする、一般に好ましいひとつの方法は、注射筒を用いることである。 スクイズチューブ及びその他の同様の小出し用具もまた、漂白剤を小出しするために用いることができる。 小出しに際しては、着脱性漂白剤は十分に高粘度であるため、小出しする時に固まったりこぼれたりせず、漂白剤の1本の押出ストランドのままである。

    【0046】一般に、注射筒又は同様の小出し用具に入った単位容量の歯科用剤を提供することが好ましい。 このようにして、それぞれの処置ごとに、使用者は精密な量の歯科用剤を歯科用トレーの上に装填することができる。 このような小出し用具を使用することによって、歯科医は、どのくらいの容量が使用者に与えられ、用いられたかをモニターし、制御することもできる。

    【0047】歯科用組成物を所望の歯の表面に近接して保持するリザーバーを有する、改良された歯科用トレーを、着脱性歯科用組成物と組み合わせて用いることが好ましい。 歯科用トレーを製造する一般的な方法は周知である。 例えば、すべての歯の表面及び歯肉辺縁を示すアルギネート印象を製作し、印象から速やかに石質模型を作る。 取り扱いを容易にするため及びプラスチックトレーを形成するために、余分の石質を取り除く。

    【0048】図1ないし図4について説明する。 本発明は処置される歯の表面上の石質模型12に剛性材料の薄い被覆10を与えることにより公知方法を改善するものでる。 図1に示されるように、被覆10は注射アプリケーター14を用いて好都合に塗布することができる。 また、この被覆は好都合には光硬化することができる。 被覆10は歯肉線16から約1mm以上、好ましくは約1 1
    /4〜2 1/2 mm以上の間隔を保つように注意が払われる。 仕上げされた被覆は約1/2mm厚であることが好ましい。 剛性被覆材料を塗布する場合、切端18及び咬合端20を被覆しないことが特に重要である。 これらの端は仕上げられたトレーと接触して、使用中にトレー垂直の動きを阻止しなければならない。 このような動きはポンプとして作用し、漂白剤を押出し、唾液を吸収することになるであろう。

    【0049】歯科用トレー22は次いで慣用技術を用いる改良された型から真空成形される。 トレー22は約0.035〜0.06インチの予め形成された厚さを持つ軟質透明ビニル材料から作られることが好ましい。 軟質材料は使用者が装着するのにより快適である。 ほとんどの使用者用では0.035インチ厚が好適であることが判るであろう。 最終のトレー厚はトレーを調製する技術によって変えることができる。 歯ぎしりをする者又は強力に咬合する者と推測される使用者のものでは0.06
    インチ厚のトレー用材料が要求されるであろう。 勿論、
    使用者はトレーを装着して食べたり、トレーを固く咬んだりしないよう指導される。 極端な場合、より厚くかつより硬いプラスチックが必要とされるであろう。

    【0050】トレー22は一度成形されれば、頬側及び舌側の両方の表面上の歯肉の線16のわずかの間隙をトリミングすることが好ましい。 全ての歯を、トレーの縁の仕上げ及び斜をつける際に、歯肉の境界の約1/4
    mm〜約1/3mm以内が被覆される。 歯間乳頭上でかつその周囲を波形に仕上げ、それによって仕上りトレーが歯間乳頭を覆わないことが重要である。 トレーの全ての縁は平滑であり、唇及び舌が縁の突出物を感じることがないようにすることが好ましい。 トレーの微細な調節は、
    トレー材料を注意深く加熱し、かつ延伸することによって行うことができる。

    【0051】前述のように、トレー中に設けられたリザバーを持つトレーを用いる場合、使用者がトレー圧からの歯の不快感がより少くできることが、実際の使用において見出された。 これは、歯がトレーにより強固に保持されないという事実によるものである、と現在の所考えられており、それによって、トレーの適合により歯が感じる「歯科矯正」圧力が最小になる。 更に、薄い軟質のトレー材料により、この分野で現在使用されている、より硬いプラスチックに比較して、「歯科矯正」力を最も少くできる。

    【0052】リザバーはトレー中に任意に設けて、歯列弓の他の歯よりも白色化する必要のある1本又は2本以上の歯に、又は他の部位よりもより白色化が必要な1本の歯の選択された部分に余分の漂白剤を供給することもできる。

    【0053】最も速く結果を得るためには、本発明の範囲に含まれる徐放性漂白剤をリザバーを有するトレーと組合せて使用することを奨める。 そうであっても、本発明の徐放性漂白剤組成物を使う方が現在使用されている漂白剤を使用するよりも慣用のトレーを用いてもより速い漂白が得られることが、観察されている。 更に、リザバーを持たない慣用のトレーよりもリザバーを持つトレーで現在使用されている漂白剤を使用する場合、若干の効果の向上が観察されている。

    【0054】家庭で歯の漂白処置を始める前には、使用者の歯を歯石及び外部の汚れから清浄にしておくことが奨められる。 修復は水密性でなければならず、全てのぞうげ質、特に潜在的又は顕在的な感受性を持つ歯肉のぞうげ質は被覆されなければならない。 多くの場合、ぞうげ質は、ぞうげ質結合剤又はシール剤の層で被覆され、
    これが防止される。

    【0055】大部分の使用者はその処置をできるだけ早く完了させることを望んでいるから、1日当たり約18
    〜20時間で始める処置時間が奨められる。 最も速い結果を得るためには、使用者は各食後及び就寝する前に新しい漂白剤を充填したトレーを装着することが指示される。 1日または2日間にわたるそのような促進された処置スケジュールにより、歯肉痛またはその他の使用者の不快感がより頻繁に報告されている。

    【0056】第2の可能な処置スケジュールは夕食と就寝との間に休憩をとるものである。 これによって、使用者はトレーを装着することなく夜の社会的活動に参加できる。 更に、この休憩の時間に口腔組織を休めることができる。

    【0057】特に、1日または2日以上の処置が必要であろう使用者のための、その他の奨められる処置スケジュールは就寝前と、昼食後だけに漂白剤を充填及びトレーの装着を行うことである。 この処置では歯及び軟質組織に、2回の長い処置期間の間にほぼ2回の4〜5時間の間隔で休息を与える。 この方法で潜在的な痛みが最も防止され、処置時間も、促進処置スケジュールよりも2
    0〜30%延長されるにすぎない。

    【0058】最後に、使用者がしばしば人前に出るときまたは使用者が中程度またはそれ以上の苦痛を経験するときは、トレーを夜間にのみ使用することが推奨される。 睡眠中は、口の動きによるトレーからの物質の圧出がより少なくなるため、最も効果的単一治療時間である。

    【0059】いずれの処理スケジュールを用いるかに関係なく、本発明の範囲内の徐放性歯科漂白用組成物の使用は、既存の家庭用漂白システムに比べて、より一定レベルの漂白剤が歯に接触することを可能にする。 既存の家庭用漂白システムを用いる使用者が、新鮮な漂白剤を1時間置きに添加するとしても、依然として歯に接触する漂白剤のレベルは周期的に高低を繰り返す。 活性な漂白剤が歯に隣接する量と時間は治療の効果に有意に影響するから、本発明の徐放性漂白組成物および方法は、既存の家庭用歯科漂白システムに比べて有意に改良されている。

    【0060】使用者に対するインストラクションを守るならば、何週間といわず何日の間により明確な結果が得られる。 また、漂白剤の全使用量も減少する(従来のペルオキシド溶液の1/10ないし1/20)。 その結果、使用者が飲み込む漂白剤が少なくなる。

    【0061】漂白処理の終了後、所望により徐放性フルオリド組成物を使用者に与えてもよい。 便宜のため、歯を漂白したときに使ったのと同じトレーを、フルオリドで歯を処理するために用いても良い。 そのようなフルオリド処理方法には、2ないし4回の3時間処理または1
    または2回の夜間処理が含まれる。 本発明の範囲内の一つの典型的徐放性フルオリド組成物は、高粘度ゲル中に0.5%のナトリウムフルオリドを含有する。

    【0062】

    【実施例】以下の実施例に、本発明の範囲内の種々の徐放性歯科組成物を例示する。 これらの実施例は純粋に例示的なものであり、本発明の範囲を限定するためのものと解釈すべきではない。

    【0063】 実施例1本発明の範囲内の徐放性歯科漂白組成物を、次の成分を混合して製造した: 成分 重量 重量%カルバミド・ペルオキシド 13.2g 10% 水 27.5g 21% グリセリン 74.6g 57% カルボポール 934P 9.5g 7% 水酸化ナトリウム(50%) 6.5g 5%

    【0064】カルボポール 934Pは、オハイオ州クリーブランドのB. F. グッドリッチ社から入手した。
    このカルボポールをグリセリンと混合し、次に水と手早く混合した。 グリセリンはカルボポールを水の中に分散することを助ける。 カルバミド・ペルオキシドはグリセリン−カルボポール混合物を水に添加する前に該水に溶解した。 上記組成物は水中に約25.7%のカルボポールを含有する。 この均一組成物中に水酸化ナトリウムを徐々にブレンドし、pHを許容可能レベルに上昇させた。

    【0065】上記方法により、徐放性歯科漂白組成物を製造し、これを図1−4に記載したような歯科トレーに入れ、使用者に9時間使用させた。 使用者の歯を検査すると、バイタ・シェード・ガイド(Vita shad
    e guide)で1〜1.5単位だけ漂白されており、そして有意量の徐放性漂白組成物が依然として適用トレー中に観察された。

    【0066】 実施例2各成分を下記の量で混合することにより、実施例1の方法と同様にして本発明の範囲内の徐放性歯科漂白組成物を製造した: 成分 重量 重量%カルバミド・ペルオキシド 1150 10 水 2030 18 グリセリン 6660 59 カルボポール 934P 830 7 水酸化ナトリウム 650 6

    【0067】上記方法により徐放性歯科漂白剤組成物が得られた。 上記組成物は水中に約25.6%のカルボポールを含有する。 この組成物は高粘度を有し、そして良好な徐放性の歯漂白活性を有していた。

    【0068】 実施例3本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物を、成分を以下に示される量で組み合わせたことを除いて、実施例1の手順に従って作製する。

    【0069】以上の手順により、徐放性歯科用漂白組成物を得る。 前記組成物の水中におけるカルボポールの割合は約37.5%である。 組成物の粘度は高く且つ徐放性歯科漂白作用は優れている。

    【0070】 実施例4本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物を、成分を以下に示される量で組み合わせることを除いて、実施例1の手順に従って作製する。 成 分 重量%カルバミドペルオキシド 5 水 20 グリセリン 60 カルボポール 934P 10 水酸化ナトリウム 5

    【0071】以上の手順により、徐放性歯科用漂白組成物を得る。 前記組成物の水中におけるカルボポールの割合は約33.3%である。 組成物の粘度は高く且つ徐放性歯科漂白作用は優れている。

    【0072】 実施例5本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物を、成分を以下に示される量で組み合わせることを除いて、実施例1の手順に従って作製する。

    【0073】以上の手順により、徐放性歯科用漂白組成物を得た。 前記組成物の水中におけるカルボポールの割合は約23.1%である。 組成物の粘度は高く且つ徐放性歯科漂白作用は優れている。

    【0074】 実施例6本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物を、成分を以下に示される量で組み合わせることを除いて、実施例1の手順に従って作製する。

    【0075】以上の手順により、徐放性歯科用漂白組成物を得る。 前記組成物の水中におけるカルボポールの割合は約21.1%である。 組成物の粘度は高く且つ徐放性歯科漂白作用は優れている。

    【0076】 実施例7本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物は、成分を以下に示される量で組み合わせることを除いて、実施例1の手順に従って作製する。

    【0077】以上の手順により、徐放性歯科用漂白組成物を得る。 前記組成物の水中におけるカルボポールの割合は約25.9%である。 組成物の粘度は高く且つ徐放性歯科漂白作用は優れている。

    【0078】 実施例8本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物を、成分を以下に示される量で組み合わせることを除いて、実施例1の手順に従って作製する。

    【0079】以上の手順により、徐放性歯科用漂白組成物を得る。 前記組成物の水中におけるカルボポールの割合は約14.3%である。 組成物の粘度は高く且つ徐放性歯科漂白作用は優れている。

    【0080】 実施例9本発明の範囲に含まれる徐放性歯科漂白用組成物を、以下の成分を組み合わせて作製する。 成 分 重 量 重量%フッ化ナトリウム 52gm 1.1% 水 1000gm 21.5% グリセリン 2980gm 64.1% カルボポール 934P 380gm 8.2% 水酸化ナトリウム(50%) 238gm 5.1%

    【0081】上記の成分は、カルバミドペルオキシドの代わりにフッ化ナトリウム使用することを除いては、実施例1の手順に従って混合する。 フッ化物の濃度は約1.1%に保持して、遊離フッ化物イオンの濃度を約0.5%にするのが好ましい。 前記組成物のカルボポールの水中における割合は約27.5%である。 前記の手順により、図1乃至4を引用して既に詳述した歯科用トレー用に適切な徐放性歯科用フッ化物組成物ができる。

    【0082】 実施例10本実施例では、商業的に入手可能な二つの漂白剤のインビトロによる白色度の効果を測定した。 そして実施例1
    の手順に従って調製した歯科用漂白組成物と比較した。
    虫歯及び修復の無い36個の抽出した前歯及び小臼子を無作為に4つの群に分け、装着した。 熱可塑性材料のスプリントをそれぞれの群用に製作した。 実施例1の歯科用漂白剤に加えて、デンタ・ライト(Denta−Li
    te、米国ミズーリ州オーセージ・ビーチのチャレンジ・プロダクツ社製造)及びプロキシゲル(Proxig
    el、米国ニュージャージー州ピスカッタウエーのリード&カーンリック社製造)も試験した。 漂白剤の全ては、活性成分としてカルバミドペルオキシドを10%含有していた。 群1〜3は漂白剤で治療し、群4は殺菌した蒸留水中に浸し対照として使用した。

    【0083】漂白剤は、スプリント中におき、日中は3
    時間毎に置き換え、その後夜の時間は8時間であった。
    この治療は2週間続き、その間、平均して1日に最短1
    8時間漂白した。 漂白剤を置き換える場合には、全ての歯及びスプリントはブラッシングして水で洗浄した。

    【0084】測定にはペンタックス・フォト・スポット・メーターを使用して、白色度の変化を24時間、72
    時間、7日、及び14日のインターバルで測定した。 このフォト・スポット・メーターはアナログ・メーターを備えおり、0.1の変動を読み取る性能を有する。 このフォト・スポット・メーターを測定装置に取り付けた。
    この測定装置は、二つの光源を、測定対象の歯の歯冠に対して60°の偏向角で反射した。 加減抵抗器を用いて、測定の間一定の光量となるように光源を制御した。
    得られたデータは、2路のアノバ(ANOVA)及びダンカンのマルチプル・レンジ試験を用いて分析した。

    【0085】測定を行う前に、そして漂白を始めてから72時間後及び14日後に写真撮影をした。 2倍のジオプターを有するマイクロレンズを備えた35mm一眼レフカメラを用いて写真撮影した。

    【0086】本実施例の結果を表1に示すと共に、図5
    にグラフを示す。 この結果より、本発明の範囲内の歯科用漂白剤は、同濃度の活性成分を有する二つの商業的に入手可能な歯科用漂白剤よりも50%以上有効であることが分かる。 実際、他の漂白剤が治療後2週間で白色化するのに対して、実施例1の漂白剤は治療後3日で非常に白色化した。

    【0087】この結果は、歯科用漂白剤の効果に唾液が影響するということを目的とするものではない、ということを認識するのは重要なことである。 徐放性という本発明の範囲内の歯科用漂白剤が有する特徴は、本発明の目的とするところではない。 それ故、徐放性を考慮すると、本発明の効果は従来技術の漂白剤よりも大きいということが期待し得る。

    【0088】

    【表1】

    【0089】上述の議論は、徐放性歯科用漂白組成物又はフッ素組成物に関するものであったが、徐放性の有無に拘わらず、他の歯科用組成物も調製してよく、且つ本発明の範囲内として使用してもよい、ということは理解できるであろう。 例えば、クロロヘキシジングルコネートのようなう食予防剤や、テトラサイクリンのような歯周ポケット治療用の抗菌剤を徐放性組成物と組み合わせてもよい。 そのような歯科用組成物を柔組織の治療用に使用するときには、その代わりとして、トレーを用いることが必要であろう。 該トレーは使用者の歯茎と重なり合うような好ましいトレーデザインであることが必要であろう。

    【0090】幾つかの場合には、歯科用剤は、歯科用トレーを使用せずに用いてもよい。 例えば、抗菌剤を有する徐放性歯科用組成物を歯周ポケットに直接施用してもよい。 そのような組成物においては、カルボキシポリメチレンの濃度を最大とし、唾液の希釈の効果は最小にすることが好ましかろう。 更に、粘膜付着物質を組成物に添加して該組成物を歯周ポケット中に保持するようにしてもよい。 徐放作用は、使用者の口内及び唾液の活性にもよるが、数時間から数日続くであろう。

    【0091】上述したことより、本発明によれば、歯の表面を治療するための優れた組成物及び方法が提供されることが理解されるであろう。 これによって使用者の要求に応じることができ、治療の究極的目的が実現される。

    【0092】これに加えて、本発明によれば更に、歯の表面を処置するための徐放性歯科用組成物が提供される。 該組成物は、連続的に施用する必要がないので、使用者の要求にますます応じられる。 また、本発明によれば、歯科用剤が歯の表面と接触するレベルが、使用者の歯と接触する歯科用材の周期的に高いレベル及び低いレベルに比してより一定である、歯の表面を治療するための徐放性歯科用組成物が提供される。

    【0093】更に、本発明によれば、歯科用組成物及び使用者の歯を漂白する方法が提供されることが分かるであろう。 該方法によれば、数週間ではなく、数日で歯を白色化し得る。

    【0094】これに加えて、本発明によれば、歯の表面を処置するための歯科用組成物を保持するためのリザーバーが設けられた歯科用トレーが提供されることが分かるであろう。 該トレーは、歯科処置及び使用者への利便の面からみて、効果的なものである。

    【0095】本発明は、その精神又は本質的な特徴から離れない限りにおいて他の具体的な態様にて実施してもよい。 上述した本発明の実施態様は、すべての意味において例示的なものとして考えるべきであり、限定的なものとして考えるべきではない。 それ故、本発明の範囲は、上述の記載ではなく、請求の範囲に示されているのである。 特許請求の範囲における意味及び範囲の均等物内での全ての変更は、特許請求の範囲内に包含されるものである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】図1は、選択された歯の表面に剛性コーティングを塗布した使用者の歯の石質模型の斜視図である。

    【図2】図2は、図1の石質模型の斜視図であり、本発明の教示に従って模型から形成され調整された歯科用トレーを伴う。

    【図3】図3は、図2の3−3線に沿う断面図であり、
    図3Aは、図3の3A−3A線に沿う拡大断面図である。

    【図4】図4は、図2の4−4線に沿う断面図である。

    【図5】図5は、実施例10の結果を説明するグラフである。

    フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl. 6 ,DB名) A61C 19/06 A61K 7/16 C01B 15/10

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