多機能シリンジ用のカニューレおよびアダプタ

申请号 JP2014545327 申请日 2012-11-26 公开(公告)号 JP6087371B2 公开(公告)日 2017-03-01
申请人 プロデュイ・ダンテール・ピエール・ロラン; 发明人 フルニ,マルグリット; ソル,サブリナ;
摘要
权利要求

多機能歯科シリンジ用のカニューレであって、前記カニューレは、円形開口と、端壁と、円筒部を構成する側壁とによって定められる固定ブッシュを備え、 前記カニューレは、 前記端壁から流体射出オリフィスへと複数の流体を個々にまたはともに送り込むことが可能な少なくとも2つの流路をさらに備え、 前記2つの流路は、前記端壁から互いに並んで始まり、 前記カニューレは、 前記円筒部が、その壁の厚さ方向に切り欠きを有し、 前記切り欠きが、前記円形開口側から順に、前記円筒部の軸方向以外の方向に延びる少なくとも1つのセグメントと、前記セグメントに連なり前記端壁に向かって延びる長手セグメントと、を含むことを特徴とするカニューレ。前記切り欠きは、前記端壁から離れる方向への移動を防ぐように構成された受止部を含む、請求項1に記載のカニューレ。前記受止部は、前記切り欠きが局所的に狭くなる部分を含む、請求項2に記載のカニューレ。前記長手セグメントは、その長さの大部分にわたって幅が一定であり、 前記長手セグメントは、その末端である盲端に近づくとその2つの壁が突起して、それに応じて前記切り欠きの幅が狭くなり、 前記切り欠きの幅は、前記局所的に狭くなる部分の前記端壁側で、その反対側と比べてより急峻に変化する、請求項3に記載のカニューレ。前記切り欠きは、面取りされた開口を有する、請求項1に記載のカニューレ。前記固定ブッシュの外側に、前記切り欠きの開口に合わせて補強部を備える、請求項1に記載のカニューレ。前記端壁にある前記流路の開口は、面取りされている、請求項1に記載のカニューレ。前記流路は、前記固定ブッシュの近傍で、ブラケットによって補強されている、請求項1に記載のカニューレ。前記固定ブッシュの近傍、かつ前記流路が埋設されているチューブの周囲に把持領域を備え、前記チューブ自体によって与えられるよりも大きな把持面が与えられる、請求項1に記載のカニューレ。請求項1〜9のいずれかに記載の使い捨て式のカニューレを多機能歯科シリンジの端部に取り付けるためのアダプタであって、 前記アダプタは、少なくとも2つの流路が互いに並んで突出する端面で終わる概ね円筒形状の端部を有し、 前記アダプタは、 係止部が、前記端部の側壁から局所的に突出して前記使い捨て式のカニューレの前記固定ブッシュの切り欠きに嵌まり込むように構成され、 前記カニューレと前記多機能歯科シリンジとが、相対的な周方向の移動によって誘導され、次いで互いに固定されるまで長手方向に沿って相互に嵌め合わされることを特徴とする、アダプタ。

说明书全文

本発明は、歯科用の設備および器具の分野に属する。

歯科医の診察室には一般に、患者の方に体勢が傾いている施術者の手の届く範囲に多数の器具が組み込まれた歯科用椅子が備えられている。これらの器具のうち、設備の中心となる要素は、空気、、および空気と水との混合物を射出するためのシリンジ(多機能シリンジまたは空気/水シリンジ)である。

空気/水シリンジの機能は、施術者の処置・治療がどのように進行するかによって口内の領域を施術者が洗浄および乾燥できるように、選択された流体または流体の混合物の一定した流れを送りこむことである。空気のみの機能を使用する場合には、処置・治療の良好な質を確保するためには、吹かれた空気が完全に乾燥していることが特に重要である。

歯科用椅子の製造業者によって、種々の異なる空気/水シリンジが存在している。これらのシリンジは、ステンレススチール製であることが多く、アルミニウム製または合成樹脂製の場合もある。これらシリンジはそれぞれ、患者の口に挿入して適切な方向に向けられるように構成された形状の末端具を備えている。この末端具は取り外し可能であるが、消耗品ではない。従って、2つの処置・治療の合間に末端具をいったん取り外した場合、その末端具を洗浄し殺菌する必要がある。これは当然費用と時間のかかる作業であり、その結果も絶対に確実なわけではない。

洗浄および殺菌が困難であるこのような非消耗品の末端具を使用することに代えて、二人の患者の合間にシリンジに容易に装着可能な1回使い切りの使い捨て末端具を使用することが提案されている。近年ではこのような末端具の使用がますます広がり、これにより、衛生状態の改善が可能になり、患者および施術者の利益となっている。

文献WO92/04878は、そのような使い捨て末端具を製造するコストを低減するという課題に関し、カニューレと金属製のアダプタとで構成されるアセンブリであって、アダプタの第1の端部で所定の種類のシリンジに接続可能であり、第2の端部で成形されたプラスチック材料からなる使い捨てカニューレの接続ブッシュに接続可能なアセンブリを記載している。並んで延びる雄型の流路がアダプタから突出しており、これら雄型の流路は、水と空気とをカニューレへ送りこむため、組立時にカニューレの雌型の流路の開口に挿入される。

カニューレのブッシュの内壁により支持された軸方向のスプラインをアダプタの外壁に形成された補完的な溝と合わせることにより、これら二つの部品、カニューレおよびアダプタ、が互いに方向づけられる。このように位置決めされると、これら部品は並行して動かされることにより互いに嵌め合わされ、短いストロークの後に雄型の流路が雌型の流路に入り込む。

しかし、上記のシステムには、カニューレとシリンジの最初の位置決めを、目視のみでスプラインを溝と合わせることによって行わなければならないという欠点がある。スプラインと溝とが大まかにしか合わせされていない状態で、使用者が急速に圧を加えると、部品同士がわずかにずれた状態で嵌まり合い、雄型の流路が雌型の流路の壁に触れる結果になる。これにより、流路を塞ぐ可能性のあるプラスチック材料の削りくずが生じうるとともに、雄型の流路が変形する可能性もあり、多機能シリンジの機能不全につながる。

さらに、上記のシステムは、流体の圧力によってカニューレがシリンジから分離して脱落し、あまつさえ患者がカニューレを飲み込むことがないように、2つの部品(カニューレおよびアダプタ)の寸法が極めて良好に適合していることを前提としている。文献WO92/04878に記載されている別の形態では、弾性変形可能な複数の突出部を接続ブッシュの内面に設け、それら突出部がアダプタの周縁の溝に収容される。しかし、その解決手段では、カニューレの取り付けがさらに複雑になる。

最後に、文献WO92/04878のシステムでは、カニューレを取り外す際にアダプタの雄型の流路が捻じれる危険がある。カニューレをシリンジに確実に固定する必要があることを考慮すると、カニューレを取り外すためには使用者はある程度の力を働かせる必要がある。使用者は、カニューレをよりしっかりと把持しようとして、ブッシュの近傍のチューブを掴み、それを捩じろうとするかもしれない。このことは、チューブの雌型の流路に嵌め込まれている雄型の流路をも捩じる結果になる。

歯科シリンジ用のカニューレは、文献WO90/07912からも知られる。このカニューレは、シリンジまたはアダプタに設けられた、径方向外側に突出したバヨネット式の連結部を用いてシリンジに固定できる。このようなバヨネット式の連結部は、カニューレに形成されたL字状の経路と協働する。より正確に言うと、この経路は、長手方向に平行な入口部分と、この入口部分に対して90°の度でカニューレの周のある角度領域にわたって延びる第2部分とを有する。

施術者はまず、上記経路の2つの部分の交点で受け止められるまでカニューレとシリンジとを長手方向に沿って互いに動かして、バヨネット式の連結部を組み立てる。その後、カニューレとシリンジとを第2部分の端部へ向かって互いに回転させる。

なお、このバヨネット式の連結システムは、文献WO92/04878に記載されているようなカニューレの流路とは適合しない。なぜなら、カニューレ内に並んで配置されている流路の場合、2つの部品を長手方向に沿って互いに動かす前にそれら部品を合わせる必要があるからである。文献WO90/07912では、記載されている2つの流路が同軸であることから、提案している後半の回転操作に適合する様々な流路を提示している。

しかし、これら2つの流路はカニューレの外側部分にのみ存在し、シリンジおよび/またはアダプタに接続される部分には存在していないため、空気と水とを完全に分離しておくためにはガスケットを有する必要がある。このため、新たなカニューレを取り付けるたびに変化する可能性のあるガスケットの位置決めとガスケットの劣化状態とによっては、完全に乾燥した空気を得られなくなることがある。あいにく、ある歯科行為を行うためには完全に乾燥した空気が必須であり、それ故、これは、この装置の使用における重大な課題を提起する。

上述した種々の問題を解決するために、円形の開口と、端壁と、円筒部を含む側壁とによって定められる固定ブッシュを備える多機能歯科シリンジ用のカニューレを提供する。該カニューレは、また、上記端壁から流体射出オリフィスへと複数の流体を個々にまたはともに送り込むことが可能な少なくとも2つの流路を備え、この2つの流路は、上記端壁から並んで延びる。該カニューレは、上記円筒部が上記側壁の厚さ方向に切り欠きを有し、該切り欠きが、上記開口を始端とする少なくとも1つの横断セグメント(すなわち、筒部の軸に対して横または斜めに配置されたセグメント)、言い換えると、筒部の軸方向とは異なる方向に延びるセグメントと、それに連なる、筒部の軸に平行で端壁に向かって延びる長手セグメントとを含むことを特徴とする。

上記側壁の厚さ方向の切り欠きは、多機能シリンジまたはアダプタの固定用筒部の側壁が有する係止部を収容する機能を果たす。長手セグメントは、シリンジの有する雄型の流路が、係止部に対して筒部上で完全に位置決めされ、カニューレ内の雌型の流路との位置が合うまで、カニューレの軸周りの回転を誘導する機能を果たす。これにより、2つの部品がどのようにともに嵌め合わされるかについて使用者による確認が不十分となる可能性を克服できる。横断セグメントによる誘導が終わると、長手セグメントにより、部品が互いに固定されるまでの部品の嵌め合わせが可能になる。要約すると、機械的な手段であってそれ故先行技術の目視のみによる点検と比べて信頼性の高い手段により、雄型の流路と雌型の流路とが位置合わせされる。

これらの特徴により、カニューレを取り付ける間にプラスチック材料の削りくずが生じることが回避されるとともに、シリンジから突出している流路の変形が回避される。シリンジの耐用期間が長くなり、施術者の行う作業が簡便になる。

さらに、種々の流体の性質に対して十分に適合的である。従って、このシステムは使用に際して、より信頼性が高く、より衛生的で、より簡便で、より安全である。

これらの利点により、文献WO92/04878の開示に対して顕著な改善が達成される。この改善は、他のところから利用可能な教示内容に基づいても得られず、特に文献WO90/07912の教示内容に基づいても得られない。具体的に言うと、WO90/07912は同軸の流路を提案しており、この流路は、本発明のカニューレにおける互いに並んで開口する平行な流路とは大きく異なっている。さらに、WO90/07912は、並行して動いた際の受止位置を提案しておらず、また、本発明のある実施形態の場合のような2つの異なる受止位置も提案していない。

有利には、切り欠きは、端壁から離れる方向への移動を防ぐ受止部を含む。

この受止部により、ブッシュの直径の製造公差が大きい場合であっても、射出されている流体によって発生する圧力の影響を受けてカニューレが脱離する危険が回避される。これにより、患者がカニューレを飲み込む危険が回避される。

例えば、並行して動くこと(並行移動)に対する受止部は、切り欠きが局所的に狭くなる部分を含む。これにより、カニューレはシリンジに係止され、施術者が使用している間、カニューレは移動しない。これにより、各部品の直径の公差がより大きくなってもよいので、製造が容易になる。

好ましくは、切り欠きの幅は、局所的に狭くなる部分について、並行移動に対する受止部の第2の位置側で、その反対側と比べてより急峻に変化する。これにより、カニューレの取り付けがさらに容易になる。

有利には、切り欠きは面取りされた開口を有する。これにより、使用者が部品を急いで取り扱うことで十分に位置合わせをしなかった場合でも、アダプタの係止部を切り欠きの内部へ誘導できる。

有利には、カニューレは、ブッシュの外側に、切り欠きの開口に合わせて補強部を備える。このような補強部は、部品の機械的な一体性を確保する機能を果たす。

さらに有利には、端壁にある流路の開口が面取りされている。これにより、たとえアダプタの雄型の流路がカニューレの雌型の流路に対して十分に位置決めされていなかったとしても、面取り部による誘導によって相互の嵌め合わせが容易になる。

1つの有利な実施形態では、流路がブッシュの近傍で、例えばブラケットによって補強されている。これにより、カニューレを取り外そうとした使用者が、カニューレを捩じるのが早すぎたことにより、雌型の流路に嵌め合わされた雄型の流路が捻じれてしまう危険がない。ブラケットは、このようなあらゆる捻じれを防止する機能を果たす。

別の有利な側面では、カニューレは、流路が埋設されているチューブの周囲に把持領域を有し、チューブ自体によって与えられるよりも大きな把持面が与えられる。これにより、カニューレを取り外す際に、使用者が力を制御して加えることができる。

本発明の第2の側面では、多機能歯科シリンジの端部に使い捨て式のカニューレを取り付けるためのアダプタが提供される。該アダプタは、少なくとも2つの流路が並んで突出する端面で終わる概ね円筒形状の端部を有し、該端部の側壁から係止部が局所的に突出していることを特徴とする。このようなアダプタは、上述した使い捨て式のカニューレを多機能シリンジに取り付けるために使用される。

本発明について、以下の図を参照して説明する。

図1は、本発明の一実施形態におけるカニューレの前方斜視図である。

図2は、図1のカニューレの固定ブッシュの内部図である。

図3は、本発明のアダプタの第1の実施形態の図である。

図4は、本発明のアダプタの第2の実施形態の図である。

図5は、図1および図2のカニューレのブッシュの切り欠きの詳細図である。

図6は、同じ切り欠きの第2の詳細図である。

図7は、図1、2、5、および6のカニューレを異なる角度から見た図である。

図8は、本発明の第2の実施形態を示す。

図9は、図1〜7のカニューレの断面図である。

図1は、本発明の一実施形態におけるカニューレ1000を示している。カニューレ1000はプラスチック成形部品であり、その各種要素が一体品として形成されている。カニューレ1000は、アダプタを介して多機能歯科シリンジに取り付けるためのものである。その全長は、例えば、およそ5.5センチメートル(cm)である。

第1のアプローチでは、カニューレ1000は2つの主要部分、すなわちチューブ1100とブッシュ1200とから構成される。

チューブ1100は、細長い筒形状である。チューブ1100は断面が横長であり、その全長を貫く2つの互いに平行な孔を内部に有し、その孔は、シリンジによって射出される流体のための流路1120および1125を形成している。これら流路は同様の直径を有し、並んで配置されている。

チューブ1100のブッシュ1200から離れた端部は自由であり、丸みのある面取りされた形状をしていてもよい(図9の断面図を参照)。その表面は、チューブ1100の軸に対して傾斜したチューブ1100の端面を構成する。この面には、流体としての空気および水をカニューレから患者の口内へ射出するための2つのオリフィスがある。ある実施形態では、流路1120および1125は、空気と水とを同時に射出する際に空気と水との混合噴射液を形成するのに適した特定の内部構造を射出オリフィスの近傍に有する。

ブッシュ1200は、チューブ1100と同軸であるとともに円断面の端面1210および1220を有する概ね中空の円筒である。前者の端面は中空であって後者の端面は中実である。ブッシュ1200の側壁は、例えば厚さがおよそ1ミリメートル(mm)である。ブッシュの直径は1cmよりわずかに大きい。これらの寸法は変更可能である。

チューブ1100は、ブッシュ1200の端面1220の中心に対して直角に取り付けられている。

カニューレ1000はまた、参照符号1290、1300および1400を付した補強および結合要素を有している。これらの要素については以降の図を参照して説明する。注目すべきこととして、カニューレ1000は、ブッシュの壁に切り欠きDを有している。この切り欠きについては、後にさらに詳細に説明する。

図2は、カニューレ1000の固定ブッシュの内部を示している。開口端面1210を通して固定ブッシュの内部が示されている。チューブ1100は後景に示されている。

ブッシュ1200の下部に、端面1220の内壁が見える。この壁1220には、流路1120および1125の開口1230および1235が穿たれている。これらの開口1230および1235は、壁1220の中心の近傍に、チューブ1100に合わせて配置されている。

有利には、開口1230および1235もまた、例えばおよそ45°の角度で面取りされている。

ブッシュ1200の内壁には、カニューレのシリンジへの取り付けをより容易にするための鍵となる部材として働くスプライン1240がある。このスプラインは、壁1220に始端が接し、長手方向に延びて、ブッシュ1200の長さのおよそ2/3まで至っている。スプライン1240の幅は、およそ10°である。その末端部は丸みを帯びている。スプライン1240はまた、ブッシュ1200の軸に面する平坦な面を有する。

特に注目すべきこととして、ブッシュ1200の側壁は、その壁を径方向に貫通する切り欠きDを有している。この切り欠きは、ブッシュ1200の周方向の限られた範囲にあり、およそ20°を占めている。開口端面1210にある切り欠きDの始端が参照符号1250とともに示されているが、この参照符号1250は、開口端面1210にある切り欠きの開口を指示している。この開口1250の両側において、ブッシュ1200の壁は、例えばおよそ45°の角度で面取りされている。

切り欠きDの正確な形状については、以降の図面を参照して、後にさらに詳細に説明する。

補強部1290は、記載する実施形態において完全に円対称であるものとして示されているが、ブッシュ1200の外側の表面に、端面1210に合わせて、詳細には開口1250を覆うようにして存在している。補強部の厚さは、長手方向におよそ1mmであってよく、径方向におよそ1mmであってよい。

図3は、図1および図2に示すカニューレ1000と協働する本発明のアダプタの第1の実施形態を示している。このアダプタは、ステンレススチール、またはアルミニウム、さらにまたは合成樹脂から作られる。アダプタは、長手方向に連続して配置された2つのセクションから構成されている。

第1セクション2100は、多機能歯科シリンジに取り付けるためのセクションである。このセクションは、既知の歯科用椅子の製造業者によって提供される既知の多機能歯科シリンジの種類に対して特有となる。

参照符号2200を付した第2セクションは、図1および図2に示す種類のカニューレに取り付けるためのセクションである。このセクションは、概ね回転対称を有し、概ね筒形状であり、この筒の垂直かつ平坦な部分である自由端部を有する。この端部から雄型の金属製の流路が突出し、カニューレ1000内の流路の開口1230および1235に嵌め合わされるのに適している。長手スロット2230が、カニューレ1000のスプライン1240を収容するように構成されている。

最後に、注目すべきこととして、係止部2240が、筒の所定の周方向領域において局所的に、セクション2200の壁から径方向に突出している。この係止部2240は、ブッシュ1200の切り欠きDに開口1250を介して、嵌め合わされるように構成されている。

図4には、本発明の第2の実施形態におけるアダプタ3000を見ることができる。このアダプタ3000は、図3に示すアダプタ2000と同様に、既知の歯科用椅子の製造業者によって提供される既知の多機能歯科シリンジの端部へ取り付けることを可能にする第1セクション3100を有している。

アダプタ3000はまた、カニューレ1000に取り付けるためのセクション3200を有する。セクション3200は、図3を参照して説明したセクション2200と全く同様である。

以下、図5および図6を参照して、ブッシュ1200の壁に存在する切り欠きDの形状について詳細に説明する。この切り欠きは、スプライン1240のおおよそ正反対の位置にある。

この切り欠きDは、端面1210において開口1250を始端とし、次いでブッシュの長手方向に延びる、幅が一定の第1セグメントを有する。図6では、このセグメントに参照符号1260を付している。その第1セグメント1260に第2セグメント1265が直角に連なっている。すなわち、第2セグメント1265は、ブッシュに対して周方向に、およそ10°を占める周方向領域にわたって延びている。このセグメント1265は常に幅が一定である。その第2セグメント1265に、参照符号1270を付した細長の第3セグメントが直角に連なっており、第1セグメント1260と同じく、チューブ1100に向かって長手方向に延びている。

第3セグメント1270の長さは、第1セグメント1260の長さの実質的に二倍である。第3セグメントは盲端1272で終わっている。セグメント1270は、その長さの大部分にわたって幅が一定である。しかし、端部1272に近づくと、セグメント1270の2つの壁に2つの突起が現れて、その突起の位置で切り欠きの幅が狭くなる。

セグメント1260および1265の間の角部1262が、施術者がカニューレをシリンジに取り付ける際に切り欠きに進入する係止部2240または3240の並行移動を受け止める位置である受止位置を定める。この受止位置により、使用者が十分に行えない可能性のある2つの部品の最初の嵌め合わせ、特にカニューレおよびシリンジ間の周方向の位置合わせの際に、シリンジまたはアダプタの有する雄型の流路が嵌め合わされないように保つことができる。

また、セグメント1265および1270の間の角部1267が、カニューレを取り付ける最中に係止部の回転移動が防止される受止位置を定める。この受止位置は、セグメント1265の誘導機能を示すものであって、この受止位置により、カニューレとシリンジとの周方向の位置合わせ、ひいては雄型の流路と雌型の流路との周方向の位置合わせを確実にすることができる。このことは、先行技術の完全に目視に頼った位置合わせと比べてより有効であるように機械的に達成される。

セグメント1270は、この段階で雄型の流路が正しく位置決めされている場合に、雄型の流路の雌型の流路への挿入を可能にする。

また、セグメント1265および1270の間の角部1267は、シリンジからカニューレ1000を分離する際に係止部の並行移動を受け止める受止位置を定める。この側面により、嵌合が不十分であったカニューレが射出された液体または空気の流れ作用を受けて患者の口内に脱落することを防止する安全機能が果たされる。

図7は、カニューレ1000を側面図により示している。チューブ1100とブッシュ1200を見ることができる。以下、上述した図に既に見ることができる結合・補強要素について説明する。

有利には、カニューレ1000は、ブッシュ1200の端面1220における互いに正反対の位置にある2つの点を起点とするアーチ部1300を有する。アーチ部1300は端面1220に対して垂直な平面を定めている。チューブ1100の断面の長さ部分はこの平面にある。アーチ部1300の内側には、カニューレを操作しようとする、特にシリンジからカニューレを取り外そうとする使用者のためのさらなる把持部を構成する物質面がチューブ1100の根元部の周囲に形成されている。使用者は、アーチ部の一方の側に親指を置くとともにアーチ部の反対側に別の指を置くことができ、これによりカニューレを把持するために大きな面を利用できる。

チューブ1100と端面1220の壁との間に、2つの角ブラケット1400がアーチ部1300の平面に対して垂直に配置されている。これらのブラケットは、チューブ1100とブッシュ1200との継ぎ目の補強部を構成している。これらブラケットは、チューブ1100の断面の長さ方向に平行な軸周りの捻じれを防止する。例えば、2つのブラケット1400は、ブッシュの軸に関して互いに対称に配置される。

アーチ部1300の高さは、チューブ1100の高さのおよそ1/5である。ブラケット1400の高さは、アーチ部1300の高さのおよそ1/4である。これらの比率は変更してもよい。

1つの変形例では、ブッシュ1200は中空の筒部のみで構成されるのではなく、中空の筒部とチューブ1100との間に中空の円錐台部を備える。このような円錐台部は、アダプタの端部の補完的な形状と適合してもよい。雌型の流路の開口が円錐台部の端壁に位置し、アダプタの雄型の流路が円錐台部に対して補完的な形状をした端部に位置している。

上記変形例と組み合わせ可能な別の変形例では、筒部の壁の切り欠きが壁を貫通せずに、壁の内面に溝のみを形成する。

別の実施形態では、切り欠きは壁の外面にあり、カニューレは、内側を向いた係止部を有するさらなる外側筒部を有するアダプタと協働する。

さらに、図8に示すような切り欠きの別の実施形態では、切り欠きは、2つのセグメントのみを含む。すなわち、セグメント1260および1265が、筒部の軸に垂直ではない方向、例えば45°の方向に筒部を横切って延びる単一のセグメント2265によって置き換えられている。図6の実施形態のセグメント1265と同様に、セグメント2265の役割は、カニューレおよびシリンジの互いに対する周方向の移動を誘導することである。長手セグメント2270はセグメント1270と同様であって、部品が互いに固定されるまでの相互の嵌め合わせを可能にする。スプライン1240およびスロット2230の寸法は、セグメント2260および2270によって定められる行路に適合するように調整される。

本発明は、上述した実施形態に限定されず、請求項の射程の範囲内のあらゆる変形例に及ぶ。

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