Interproximal surface coatings applicator

申请号 JP2000614912 申请日 2000-05-01 公开(公告)号 JP2002542878A 公开(公告)日 2002-12-17
申请人 ネクス リシェルシェ エ デヴェロップメント インク; 发明人 ナイム カラジヴァン;
摘要 (57)【要約】 【課題】 歯の表面、例えば隣接歯間表面にシーリング剤を塗布し得る用具、および歯の表面、例えば、隣接歯間表面にシーリング剤を塗布する方法を提供する。 【解決手段】 a)処置すべき歯表面の形状に実質的に適合する 基板 を有してなる伸長した細片であって、当該基板がまた歯表面にシーリング剤を塗布するために適合されたものである細片を準備すること;b)当該基板と当該シーリング剤を歯表面に 接触 させること;およびc)当該基板を、少なくとも当該シーリング剤の一部が歯表面に移動するように操作すること;を含んでなる歯表面にシーリング剤を塗布する方法と、そのための用具とする。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)処置すべき歯表面の形状に実質的に適合する基板を有してなる伸長した細片であって、当該基板がまた歯表面にシーリング剤を塗布するために適合されたものである細片を準備すること; b)当該基板と当該シーリング剤を歯表面に接触させること;および c)当該基板を、少なくとも当該シーリング剤の一部が歯表面に移動するように操作すること; を含んでなることを特徴とする方法。
  • 【請求項2】 当該基板が実質的に歯の表面形状に沿って予め形成されている請求項1記載の方法。
  • 【請求項3】 工程b)において、当該基板が、歯の表面に接触または隣接するように配置され、次いで、当該シーリング剤が歯の表面と当該基板の間に塗布される請求項1または2記載のいずれかの方法。
  • 【請求項4】 工程b)の前に、当該シーリング剤が当該基板に塗布される請求項1または2記載の方法。
  • 【請求項5】 工程c)において、当該シーリング剤が歯表面に塗布されるように当該細片が歯の表面に沿ってスライドされる請求項1ないし3に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項6】 工程b)において、当該細片が隣接歯間空隙に配置され、工程c)において当該シーリング剤が隣接歯間面に塗布される請求項1ないし5に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項7】 当該基板が、歯の表面でシーリング剤を塗布する塗布領域を定めるのに適した陥凹を備え、工程b)において当該シーリング剤を当該塗布領域に注入する請求項3記載の方法。
  • 【請求項8】 該方法が、工程c)において、歯の表面で当該シーリング剤が硬化する間そのシーリング剤に圧力を加える工程を含む請求項1または2または7に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項9】 該方法が、工程b)に先立ち、歯の表面を乾燥させる工程を含む請求項1または2または8に記載の方法。
  • 【請求項10】 該方法が、工程c)の後に、歯の表面に存在する当該シーリング剤を研磨する工程を含む請求項1ないし9に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項11】 該方法が、歯の表面を乾燥するに先立ち、歯の表面をエッチングする工程を含む請求項9記載の方法。
  • 【請求項12】 該方法が、歯の表面をエッチングした後、エッチングされた歯の表面を洗浄する工程を含む請求項11記載の方法。
  • 【請求項13】 該方法が、歯の表面をエッチングするに先立ち、歯の表面をクリーニングする工程を含む請求項12記載の方法。
  • 【請求項14】 工程b)において歯の表面に当該シーリング剤を塗布する前に、親水性試薬を歯の表面に塗布し、そこに存在する水分を吸収させる請求項1ないし13に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項15】 工程b)において歯の表面に当該シーリング剤を塗布する前に、活性化試薬を歯の表面に塗布し、当該シーリング剤の硬化を促進する請求項1ないし14に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項16】 当該方法に際し、エッチング剤、洗浄剤、乾燥剤、吸収剤、活性化試薬、親水性試薬、研磨剤および抗微生物剤および/または抗齲蝕剤を含む種々の製品の少なくとも1種を使用し、当該製品は当該基板上に工程b)の前に塗布するか、または工程b)において、もしくは工程b)の後に当該基板を歯の表面に接触または隣接配置させて塗布する請求項1ないし15に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項17】 当該方法において、当該細片に沿って連続的に配置した複数の基板上に、各々その使用する順番に当該製品を施す請求項16記載の方法。
  • 【請求項18】 歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)少なくとも2つの区分を備える伸長部材を準備すること; b)当該区分の1つを用いて歯の表面を前処理すること;および c)当該区分の他方を用いて歯の表面にシーリング剤を塗布すること; を含んでなる方法。
  • 【請求項19】 工程b)およびc)は、当該伸長部材を歯の表面に沿って移動させ、それによって当該2つの区分を歯の表面に沿って連続的に滑らせることにより実施される請求項18記載の方法。
  • 【請求項20】 当該方法が、工程c)の後に、歯の表面に存在する当該シーリング剤に圧力を加える工程を含む請求項18または19に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項21】 当該方法が、工程c)の前に、歯の表面から水分を除去する工程を含む請求項18ないし20に記載のいずれかの方法。
  • 【請求項22】 当該方法が水分除去工程に先立って、歯の表面をクリーニングする工程を含んでなる請求項21記載の方法。
  • 【請求項23】 当該工程b)が、歯表面のクリーニング、歯表面のエッチング、歯表面の洗浄、歯表面の乾燥、吸収剤の塗布、歯表面への活性化試薬の塗布、歯表面への親水性試薬の塗布、の少なくとも1つの工程を含む請求項18記載の方法。
  • 【請求項24】 工程c)の後に、歯表面の研磨、抗微生物剤および/または抗齲蝕剤、例えばフッ化物の塗布、の少なくとも1つの工程を実施する請求項18記載の方法。
  • 【請求項25】 歯の表面にシーリング剤を塗布するための用具であって、
    歯の表面に接触、または隣接して位置し得るように適合された用具であり、処置すべき歯表面の形状に実質的に適合し、かつ、歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適合し、歯の表面に接触することにより、歯の表面にシーリング剤の少なくとも一部を移動させ得る第1の基板を含むことを特徴とする用具。
  • 【請求項26】 当該第1の基板が、処置すべき歯表面の形状に実質的に沿うように予め形成される請求項25記載の用具。
  • 【請求項27】 当該シーリング剤を、歯の表面と接触または隣接して位置する第1の基板と歯の表面との間に供給するための供給手段を備えた請求項25
    または26に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項28】 当該第1の基板を歯の表面に接して配置するに先立って、
    当該シーリング剤を当該第1の基板に予め含浸させる請求項25または26に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項29】 当該第1の基板が、歯の表面にシーリング剤塗布領域を定めるのに適した陥凹を備え、当該シーリング剤は当該塗布領域に注入される請求項27記載の用具。
  • 【請求項30】 当該第1の基板が、当該塗布領域に流体を移動するための開口部を有し、当該シーリング剤は供給手段により当該開口部を通して当該塗布領域に注入される請求項29記載の用具。
  • 【請求項31】 当該用具が伸長した細片を含んでなり、当該第1の基板が当該細片上に備わっていることを特徴とする請求項25ないし30に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項32】 当該第1の基板が、歯の表面に規定された陥凹に当該シーリング剤を塗布するための歯肉クッションを備えている請求項25ないし31に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項33】 当該細片が、第1の基板によりシーリング剤を歯の表面に塗布する前に歯の表面を乾燥するために、歯の表面から水分を除去する吸収剤を担持するのに適合された第2の基板を有してなる請求項31記載の用具。
  • 【請求項34】 当該細片が、シーリング剤が硬化する間、歯の表面に圧力を加えるのに適合された第3の基板を有してなる請求項33記載の用具。
  • 【請求項35】 当該細片が、歯の表面を当該第2の基板で乾燥する前に、
    歯の表面をエッチングするためのエッチング剤を担持するのに適合された第4の基板を有してなる請求項34記載の用具。
  • 【請求項36】 当該細片が、歯の表面を当該第2の基板で乾燥する前に、
    当該エッチング剤を洗浄するための洗浄剤を担持するのに適合された第5の基板を有してなる請求項35記載の用具。
  • 【請求項37】 当該第2の基板が、歯の表面に存在する水分を吸収するために歯の表面に塗布する親水性試薬を担持するのに適合された請求項33記載の用具。
  • 【請求項38】 当該細片が、シーリング剤の硬化後に歯の表面を研磨するための研磨剤が担持された第6の基板を有してなる請求項36記載の用具。
  • 【請求項39】 当該細片が、歯の表面を当該第4の基板によりエッチングする前に、歯の表面から異物を除去するための吸収剤を担持するのに適合された第7の基板を有してなる請求項38記載の用具。
  • 【請求項40】 当該細片が、該シーリング剤の硬化過程を促進するために歯の表面に塗布される活性化試薬を担持するのに適合された第8の基板を有してなる請求項39記載の用具。
  • 【請求項41】 当該細片が、歯の表面に塗布する抗微生物剤および/または抗齲蝕剤、例えば、フッ化物を担持するのに適合された第9の基板を有してなる請求項40記載の用具。
  • 【請求項42】 当該基板が当該細片に沿って連続的にその使用順に配置されており、それによって当該細片が歯の表面に接触し、当該基板が歯の表面に連続的に作用するようにそれに沿って配置されている請求項33ないし41に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項43】 当該基板の少なくとも1つがその識別のために着色されていることを特徴とする請求項33ないし42に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項44】 当該第1の基板が、シーリング剤の硬化する間、歯の表面に圧力を加えるのに適合された請求項33記載の用具。
  • 【請求項45】 歯の表面にシーリング剤を塗布する用具であって、歯の表面に接触または隣接して位置するのに適合された用具であり、伸長されており、
    かつ、連続した第1および第2の基板を有してなり、当該第1の基板は、歯の表面に対し位置したときに、歯の表面にシーリング剤の少なくとも一部を移動させ、歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適合されており、また、当該第2の基質は歯の表面を前処理するのに適合されている用具。
  • 【請求項46】 当該第2の基板が、歯の表面にシーリング剤を塗布する前に歯の表面から水分を除去するための吸収剤を担持するのに適合されている請求項45記載の用具。
  • 【請求項47】 当該第2の基板が、歯の表面をクリーニングするためのクリーニング剤を担持してなる請求項45記載の用具。
  • 【請求項48】 当該第2の基板が、歯の表面をエッチングするためのエッチング剤を担持するのに適合されている請求項45記載の用具。
  • 【請求項49】 当該第2の基板が、歯の表面を乾燥するのに適合されている請求項45記載の用具。
  • 【請求項50】 当該第2の基板が、歯の表面に吸着剤を塗布するのに適合されている請求項45記載の用具。
  • 【請求項51】 当該第2の基板が、歯の表面に塗布する活性化剤を担持するのに適合されている請求項45記載の用具。
  • 【請求項52】 シーリング剤を塗布した後に、歯の表面を研磨するための研磨剤を担持する第3の基板を有してなる請求項45ないし51に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項53】 シーリング剤を歯の表面に塗布した後に、歯の表面に塗布するための抗微生物剤および/または抗齲蝕剤、例えば、フッ化物を担持するのに適合された第4の基板を有してなる請求項45ないし52に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項54】 当該第1の基板が、歯の表面に規定された陥凹にシーリング剤を塗布するための歯肉クッションを備えた請求項45ないし53に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項55】 当該第1の基板が処置すべき歯表面の形状に実質的に一致するように適合された請求項45ないし54に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項56】 当該第1の基板が、実質的に歯の表面形状に沿うように予め形成されている請求項45ないし55に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項57】 当該第1の基板が2つの隣接する歯間の歯間空隙に規定された接触領域に伸長するように適合させた咬合延長部を含んでなる請求項45ないし56に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項58】 当該第1の基板が、当該用具の位置確認を容易にするためのガイドマークを備えた請求項45ないし57に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項59】 当該第1の基板が、グラスアイオノマーにより作製される請求項45ないし58に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項60】 当該基板のいずれか1つに適合させた物質を予め含浸せた請求項45ないし59に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項61】 当該基板のいずれか1つに適合させた物質は、当該用具を使用する際に、別個に準備し、選択的に当該基板に施されるように適合された請求項45ないし59に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項62】 当該第1基板が、重合禁止剤または過剰の接着材料を吸収できる吸収剤を含む部分を有してなる請求項45ないし61に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項63】 当該用具の使用時に隣接する歯に隙間を作るための歯間セパレーターを有してなる請求項45ないし62に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項64】 歯の表面を乾燥するための加圧空気供給源を有してなる請求項45ないし63に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項65】 当該加圧空気供給源がシリンジを含んでなる請求項64記載の用具。
  • 【請求項66】 当該シリンジが、歯の表面を空気で乾燥するか、または液体で洗浄するために選択的に使用される空気−水型シリンジである請求項65記載の用具。
  • 【請求項67】 当該基板の少なくとも1つがその識別のために着色されている請求項45ないし67に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項68】当該第1の基板が、歯の表面に規定された陥凹に当該シーリング剤を塗布するための歯肉クッションを備えている請求項25ないし44に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項69】 当該第1の基板が、処置すべき歯表面の形状に実質的に一致するように適合された請求項25ないし44または68に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項70】 当該第1の基板が、実質的に歯の表面形状に沿うように予め形成されている請求項25ないし44または68または69に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項71】 当該第1の基板が、2つの隣接する歯間の歯間空隙に規定された接触領域に伸長するように適合された咬合延長部を有してなる請求項25
    ないし44または68ないし70に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項72】 当該第1の基板が、当該用具の位置確認を容易にするためのガイドマークを備えてなる請求項25ないし44または68ないし71に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項73】 当該第1の基板が、グラスアイオノマーにより作製される請求項25ないし44または68ないし72に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項74】 当該基板のいずれか1つに適合させた物質が、予め基板に含浸されている請求項25ないし44または68ないし73に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項75】 当該基板のいずれか1つに適合させた物質は、当該用具を使用する際に、それぞれ別個に準備し、選択的に基板に施されるように適合された請求項25ないし44または68ないし73に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項76】 当該第1基板が、重合禁止剤または過剰の接着材料を吸収できる吸収剤を含む部分を有してなる請求項25ないし44または68ないし7
    5に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項77】 さらに、当該用具の使用に際し、隣接する歯間に隙間を作るための歯間セパレーターを有してなる請求項25ないし44または68ないし76に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項78】 さらに、歯の表面を乾燥するための加圧空気供給源を有してなる請求項25ないし44または68ないし77に記載のいずれかの用具。
  • 【請求項79】 当該加圧空気供給源がシリンジを有してなる請求項76記載のいずれかの用具。
  • 【請求項80】 当該シリンジが、歯の表面を空気で乾燥するか、または液体で洗浄するために選択的に使用される空気−水型シリンジである請求項79記載の用具。
  • 【請求項81】 当該第6の基板が、縦方向の縁に沿ってのみ研磨剤を備えた微細研磨部位を有してなり、当該微細研磨部位の中央部には研磨剤がなく、シーリング剤の上部および下部縁のみを研磨する請求項38記載の用具。
  • 【請求項82】 当該第3の基板が、縦方向の縁に沿ってのみ研磨剤を備えた微細研磨部位を有してなり、当該微細研磨部位の中央部には研磨剤がなく、シーリング剤の上部および下部縁のみを研磨する請求項52記載の用具。
  • 【請求項83】 歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)処置すべき歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適合された基板を準備すること; b)当該基板と当該シーリング剤を歯表面に接触させること; c)当該基板を、少なくとも当該シーリング剤の一部が歯表面に移動されるように操作すること;および d)歯の表面にシーリング剤を形状化させること; を含んでなることを特徴とする方法。
  • 【請求項84】 歯の表面にシーリング剤を塗布するシステムであって、第1用具と第2用具を有してなり、当該第1用具が歯の表面に接触、または隣接して位置するように適合されたものであって、歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適合し、歯の表面にシーリング剤の少なくとも一部を移動させるためのものであり、当該第2用具が歯の表面にシーリング剤を形状化させるためのものである塗布システム。
  • 【請求項85】 歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適した基板を準備すること; b)当該基板を歯の表面に接触、または隣接して配置すること;および c)当該シーリング剤の少なくとも一部が歯の表面に塗布されるように当該基板と歯の表面の間に当該シーリング剤を供給すること; を含んでなる方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】

    本願発明は歯科シーリング剤を塗布するためのアプリケーターに関するものである。 詳しくは、本願発明は隣接歯間表面に歯科用シーリング剤を塗布するためのアプリケーターに関するものである。

    【0002】

    【従来技術とその課題】

    歯科用シーラントは歯の噛み合わせ面に塗布してその裂溝を塞ぎ、齲蝕を予防する樹脂フィルムからなる。

    【0003】 歯の表面は全般にエナメル質で造られており、負に帯電していて、通常、生理的流体と細菌からなるバイオフィルムで蔽われている。

    【0004】 シーラントとエナメル質との結合を確かなものとするために、処置すべき歯の表面は、先ず隔離して唾液による汚染を防止し、洗可能な洗浄剤でクリーニングし、プラークを除去する。 歯の表面を乾燥し、エッチング剤をその表面に一定時間塗布してエナメル質に穿孔を造る。 エッチングした表面を水洗し、乾燥して、唾液による汚染を避けるようにする。 次いで、製造業者の指示に従い、歯の表面にシーラント材料を、例えば、刷毛またはスポイトで塗布する。 その後、シーリング剤を硬化し、機械的にエナメル質表面と結合させる。 最後に、シーリング剤を研磨して滑らかな仕上げを得る。

    【0005】 歯科用シーリング剤の問題としては、隣接歯間表面に接近し難く、シーリング剤材料が唾液や他の流体で汚染されて、隣り合った歯間のいわゆる隣接歯間空隙に蓄積される恐れがあるため、隣接歯間表面に塗布できない点が挙げられる。

    【0006】 隣接歯間表面から食物残片、プラークなどを除くためにデンタルフロスまたはテープを使用することが知られている。 デンタルフロスはナイロンまたは他の糸を織り合わせてより太い糸として調製されるが、この糸はパラフィンなどの不溶性ワックスで被覆してもよい。

    【0007】 デンタルフロスにクリーニング剤などの化学薬品を含浸させることも公知である。 例えば、以下の米国特許に開示されている:USP 185,666(Brown)、2,667,
    443(Ashton)、3,699,979(Muhlerら)、3,942,539(Corlissら)、4,819,675
    (Wilkinson)、4,941,487(VanBeneden)、5,165,913(Hillら)、および5,665
    ,333(Homolaら)。

    【0008】 現在のところ、初期の隣接歯間齲蝕に対する耐久性の高い防腐的治療法はなく、したがって、そのような初期の齲蝕に対しては、歯科医師はその齲蝕を引き続きモニターしながらも治療を行わないか、侵襲的な修復技法で治療を施したり、
    生物製品を用いたりして耐久性の低い高価な治療を行うかのいずれかである。

    【0009】 従って、隣接歯間表面にシーリング剤を塗布し得るような用具が提供されることは大いに望ましいことである。

    【0010】 また、隣接歯間表面にシーリング剤を塗布し得る方法が提供されることも大いに望ましいことである。

    【0011】 すなわち、本願発明の目的は、歯の表面、例えば隣接歯間表面にシーリング剤を塗布し得る用具を提供することである。

    【0012】 また、本願発明の目的は処置すべき歯の表面に沿って配置される伸長した細片形状の歯被覆アプリケーターを提供することである。

    【0013】 本願発明のさらなる目的は一連の基板を含んでなる歯被覆アプリケーターを提供することであって、例えば、全体的には連続的に、歯の表面から残片と沈積物を除去し、歯の表面を腐食させ、歯の表面を洗浄し、歯の表面を乾燥し、歯の表面にシーリング剤を塗布し、シーリング剤の硬化に際し歯の表面に圧を加え、
    そして歯の表面とその硬化したシーリング剤を研磨するための基板を含んでなる。 シーリング剤はすでに硬化した状態で塗布してもよい。

    【0014】 本願発明のさらなる目的は、歯の表面、例えば、隣接歯間表面にシーリング剤を塗布する方法を提供することである。

    【0015】 本願発明のさらなる目的は、初期段階の齲蝕をもつ歯の表面にシーリング剤を塗布し、それがさらに進行するのを防止するか、少なくとも遅延させる用具および方法を提供することである。

    【0016】 また、本願発明はかかる用具を保存装着する施行装置を提供することである。

    【0017】

    【課題を解決するための手段】

    従って、本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)処置すべき歯表面の形状に実質的に沿って予め形成した基板を含んでなる伸長した細片であって、当該基板が歯表面にシーリング剤を塗布するのに適するものである細片を準備すること; b)当該基板と当該シーリング剤を歯表面に接触させて置くこと;および c)当該基板を、少なくとも当該シーリング剤の一部が歯表面に移動するように操作すること; を含んでなる方法が提供される。

    【0018】 また、本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)少なくとも2つの区分を備える伸長した部材を準備すること; b)当該区分の1つを用いて歯の表面を処理すること;および c)当該区分の他方を用いて歯の表面にシーリング剤を塗布すること; を含んでなる方法が提供される。

    【0019】 さらに、本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)処置すべき歯表面の形状に実質的に一致するように適合する基板を含んでなる伸長した細片であって、当該基板が歯表面にシーリング剤を塗布するのに適するものである細片を準備すること; b)当該基板と当該シーリング剤を歯表面に接触させて置くこと;および c)当該基板を、少なくとも当該シーリング剤の一部が歯表面に移動するように操作すること; を含んでなる方法が提供される。

    【0020】 さらにまた、本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する用具であって、歯の表面に接触して、または隣接して位置し得るように適合する用具であり、処置すべき歯表面の形状に実質的に一致するように適合し、かつ、歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適する第1の基板を含んでなる用具であり、当該第1の基板が歯の表面に対し位置したときに、歯の表面にシーリング剤の少なくとも一部を移動するための用具が提供される。

    【0021】 さらにまた、本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する用具であって、歯の表面に対して、または隣接して位置するのに適した用具であり、伸長していて、かつ、連続した第1および第2の基板を含んでなり、当該第1の基板は歯の表面に接触して位置したときに、歯の表面にシーリング剤の少なくとも一部を移動するために、歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適しており、また、当該第2の基板は歯の表面を処理するのに適している用具が提供される。

    【0022】 さらにまた、本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)処置すべき歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適した基板を準備すること; b)当該基板と当該シーリング剤を歯表面に接触させて置くこと; c)当該基板を、少なくとも当該シーリング剤の一部が歯表面に移動するように操作すること;および d)歯の表面にシーリング剤を形状化すること; を含んでなる方法が提供される。

    【0023】 さらにまた本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布するシステムであって、第1用具と第2用具を含んでなり、当該第1用具が歯の表面に接触して、または隣接して位置するように適合させたものであって、歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適合し、歯の表面にシーリング剤の少なくとも一部を移動させるためのものであり、当該第2用具が歯の表面にシーリング剤を形状化するものである塗布システムが提供される。

    【0024】 さらにまた本願発明によると、歯の表面にシーリング剤を塗布する方法であって、 a)歯の表面にシーリング剤を塗布するのに適した基板を準備すること; b)当該基板を歯の表面に接触して、または隣接して配置すること;および c)当該シーリング剤の少なくとも一部が歯の表面に塗布されるように当該基板と歯の表面の間に当該シーリング剤を供給すること; を含んでなる方法が提供される。

    【0025】

    【発明の実施の形態】

    本願発明においては、下記の用語は以下のとおりに定義される。

    【0026】 「隣接歯間面」という表現は隣接位置するもう1本の歯に及ぶ1本の歯の表面、例えば、2本の隣り合った歯の接触域周囲の表面を意味するものであるが、それに続く直ぐ隣の歯をもたない歯の隣接歯間面をも意味する(例えば、歯が欠損しているためにその歯の側面にかなりの空隙がある場合など)。 また、本願発明の方法および用具は歯以外の他の表面、例えば、唇、口腔、および舌の表面で使用するのにも適合する。

    【0027】 「吸収材料」という表現は、流体を吸収するのに適した材料、例えば、リンネル、絹、綿、ナイロンおよび他の合成または天然繊維を含む材料を意味するものとする。 この材料は編むこと、紡糸すること、よりを掛けること、または融解することの可能な紡績糸として調製することができる。

    【0028】 「流体」という用語は、水、油、化学薬品および、血液、唾液、間隙液などの生理的流体など口内に本来存在するかまたは挿入され得る液状物を含み、シーリング過程において使用する薬剤を妨害する可能性のある液状物である。

    【0029】 「物質」という用語は食物残片、プラーク、細菌、唾液など歯の表面に存在し得る物質である。

    【0030】 「シーリング剤」という表現は、取分け、紫外線硬化、化学的にまたは自己硬化および可視光硬化酸腐食性シーリング材料、およびその他の適切な持続性、不活性、疎水性、防御剤であって、歯の表面にシールし得るものであり、かつ、長時間歯の表面に留まり得るものである。 該シーリング剤は液状またはゲルの形状であってもよく、フッ化物を含むシーリング剤を包含する。 また、シーリング剤はフィルムの形状、例えば、樹脂フィルム、金シート、または他の適切な材料で作られたものであってもよい。

    【0031】 「エッチング剤」という表現は、取分け、リン酸、クエン酸、マレイン酸などの酸溶液を含み、歯のエナメル質に1定時間塗布してシーリング剤と結合処理し得るものである。 エッチング剤は水などの洗浄剤により洗浄することにより、または次に塗布するシーリング剤と適合性のある酸中和剤で中和することにより除去することができる。 洗浄剤はシリンジなどで基板の1区分に塗布するか、または歯の表面に直接、例えば、シリンジで注入することができる。

    【0032】 「親水性試薬」という表現は、歯の表面に存在する可能性のある水分を吸収するために使用し、歯の表面に対するシーリング剤の結合強度を増強し得るプライマーなどの物質を含む。

    【0033】 「活性化試薬」という表現は、樹脂の硬化工程を促進するのに使用し得る歯科用樹脂活性化剤(例えば、スコッチボンド(商標)マルチパーパス・プラス3M
    の活性化剤)などの物質を含む。

    【0034】 「窩洞」という用語は虫歯から生じる歯の齲蝕領域を意味するものとする。

    【0035】 本願発明の歯被覆アプリケーターは隣接歯間面に到達可能であり、その面を流体から隔離し、その面をシーリング剤塗布のために処理し、そこにシーリング剤を塗布することを可能とする。

    【0036】 従って、本願発明は隣接歯間面を処理し、そこにシーリング剤を塗布するための用具を提供する。

    【0037】 該用具は隣接歯間空隙に挿入し、歯の表面をスライドさせるか、または対置させるのに適した柔軟性材料などの材料のものでよい。

    【0038】 該用具の寸法は隣接歯間空隙に挿入するのに十分な細さである。 一般に、歯間の空隙は約0mmないし約1mmの範囲である。 一般に、隣接歯間空隙は患者の歯肉で満たされており、歯肉は歯の表面に対して確りと並んでいる。 歯肉組織は弾力性を有するため、フロスまたは細片を歯肉と歯の間に挿入することができる。 基板の幅は約0.5mmないし約10.0mmの範囲で変位してもよい。 基板の厚さは約0.01mmないし約1.5mmに変わり得る。 好適な厚さは約0.05
    mmである。

    【0039】 該用具は隣接歯間表面を処理するための第1区分と歯の表面にシーリング剤を運ぶのに適した第2区分を有していてもよい。 第1区分は歯の表面を乾燥により処理するものであってもよい。

    【0040】 該用具は上述の第2区分と上述の第1区分を有していてもよい、細片などの歯被覆アプリケーターであってもよい。 歯の表面にシーリング剤を適当に塗布するために必要な各工程は、別個の機能を有するアプリケーター上の区分や基板に対応していてもよいし、いくつかの工程が同一の区分によって行われるものであってもよい。

    【0041】 従って、本願発明の歯被覆アプリケーターは複数の基板を含んでなるものであってもよい。 例えば、該基板は単1の細片上に都合よく配置されていればよい。
    各基板は、歯表面へのシーリング剤の塗布の全工程において、別個の機能を有するものであってもよい。

    【0042】 基板は互いに隣接していてもよい。 あるいは、基板は互いに間隔を置いて配置してもよい。

    【0043】 あるいは、幾つかの基板はアプリケーターの1端に配置され、幾つかの他の基板が他端に配置されていてもよく、または両端に配置されていてもよい。

    【0044】 基板の幾つかは着色され、異なる基板とそれらのそれぞれの機能を使用者が識別しやすいようにされていてもよい。

    【0045】 本願発明の特徴全般について説明するために、ここで以下に添付の図面を参照し、その好適な態様を図解して示す。 ただし、同じ数字は同じ要素を示す。

    【0046】 図1ないし4には、15個の基板からなる本願発明の歯被覆アプリケーターの第1の態様が記載されている。 該歯被覆アプリケーターは参照数字10で識別し、歯科用シーリング剤などの被覆剤を、隣接歯間表面Sに、2本の隣接する歯T
    とT'の間に、その間に形成される隣接歯間空隙Iを通る被覆アプリケーター1
    0を挿入することにより塗布するのに使用される。

    【0047】 該歯被覆アプリケーター10は、隣接歯間空隙Iと隣接歯間表面Sにアクセスできるようにするための伸長した細片11を有し、以下に詳細に説明するように、この工程の間、隣接歯間領域を隔離する。 このことはシーリング剤の整合性を維持し、また歯の表面Sにシーリング剤を適切に塗布することを可能とする。 細片11は第1端11aとその反対側の第2端11b、表側11cと対する裏側1
    1dを有する。 表側11cと裏側11dは薄い伸長縁により接合している。 細片11は約2mmの幅をもち、織り上げた繊維材料で作製する。

    【0048】 細片11は第1端11aに隣接して配置した第1基板12を備えている。 第1
    基板12は、使用者が歯被覆アプリケーター10を隣接歯間空隙I内に挿入し、
    隣接する歯TとT'間の接触領域C内およびその下部に挿入し、かつ、処置すべき隣接歯間表面Sに接触して挿入することを可能とする。 第1基板12は表面S
    を清浄にし、その状況を確認するために使用できる。 第1基板12は、細片11
    を隣接歯間空隙I内に歯の表面Sに接触させながら引込むために使用されるが、
    一般的には、例えば5cmないし15cmの長さをもつデンタルフロス(または他の糸状材料)で構成される。 紡績糸は適切な天然または合成繊維、例えば、綿、絹、リンネル、ナイロン、ポリエステルまたはアクリル、もしくはその混合物で造ることができる。

    【0049】 第1基板12は、隣接する歯TおよびT'間で患者の歯肉に向かって、接触領域Cを通り、それを抜けて最終的に隣接歯間空隙Iにスライドできる。

    【0050】 第1基板12を細片の形状とすることも考慮される。 そうすることで細片はそれ自体で接触領域Cを通過し得るものとなる。

    【0051】 また、第1基板12は、その末端11aを、歯の咬合面0に並行方向となるように挿入することにより隣接歯間空隙Iに配置させることができる;つまり、末端11aを隣接歯間空隙Iに通し、それによって歯被覆アプリケーター10が接触領域Cを通過する必要性を避けることができるのである。 このような場合、末端11aは隣接歯間空隙Iに導入するのを容易にするために実質的に硬いものとすることができる。

    【0052】 第1基板12は、また、デンタルフロス、絹、ナイロン、金属など適当な材料の糸、紡績糸、ワイヤまたは帯により形成されるものであってもよい。

    【0053】 第1基板12に隣接して、第2の基板13が第1基板12を第3の基板14に連結される。 フレアー状の第2の基板は細片11を緩やかに配置することを可能とし、隣接する歯TおよびT'の接触領域Cの下部にそれを挿入し易くする。

    【0054】 第3の基板14は、主に歯の表面Sに存在する流体を吸収するために使用される。 第3の基板14は綿(または他の吸収性材料)により構成され、約6cmの長さをもち、歯の表面Sに対する最初のクリーニング媒体として主に使用されるが、この表面S上に存在するプラークと液体を磨耗または吸収する。

    【0055】 第4の基板16は、第3の基板14に隣接して配置される。 第4の基板16は、歯の表面Sに存在する沈積鉱物とプラークを機械的に破壊するために使用される研磨剤として作用する。 第4の基板16は、従来歯科用充填物を研磨するのに用いられる研磨材料などにより構成されていてもよい。 第4の基板16は、およそ4cmの長さを有する。

    【0056】 第5の基板18は、第4の基板16に隣接して配置される。 第5の基板18は、歯の表面Sに存在するプラークの破壊により生じたプラーク残渣と流体(例えば、血液、唾液、間隙液)を吸収する。 第5の基板18は、6cmの綿またはその他の適当な吸収材料により作製する。

    【0057】 第6の基板20は、第5の基板18に隣接して配置される。 第6の基板20は、エッチング剤(例えば、液状またはゲル状の異なる種類の酸)を吸収し、次いで歯の表面Sに搬送するのに用いられる。 第6の基板20は、綿(またはその他の適当な吸収材料)により作製し、およそ1cmの長さを有する。 この基板には予めエッチング剤を含浸させることもできる。 本願発明において、「予め含浸させる」という用語は、一般に、歯被覆アプリケーター10の製造の段階で、ある製品が所定の基板に含浸されているという意味で使用する。 シーリング剤などの予め含浸させる製品の中には、細片11上に分けて2種の個別の基板状にされたものがあってもよく、それを、例えば使用者が歯の上に製品(例えば、シーリング剤)を塗布し易いようにする場合、歯の表面S上で連続してそれらを擦り付けることにより混和することができる。 他方、使用者はむしろ、歯被覆アプリケーター10を使用するに際して、すなわち、歯被覆アプリケーター10を隣接歯間空隙に導入するか、またはより一般的には、処置すべき歯の表面と接触させる前に、基板に含浸させることが考慮される。

    【0058】 第7の基板22は、第6の基板20に隣接して配置される。 第7の基板22はそこに(例えば、シリンジで)塗布された水を吸収し、次いで歯の表面Sに搬送し、そこからエッチング剤を除き、それを吸収するのに用いられる。 第7の基板22は、綿またはその他の適当な吸収材料により作製され、およそ6cmの長さを有する。

    【0059】 第8の基板24は、第7の基板22に隣接して配置される。 第8の基板24は残存水とエッチング剤を吸収する。 第8の基板24は、綿またはその他の適当な吸収材料により作製され、吸収性物質(例えば、粉末)を含んでいてもよく、また、およそ6cmの長さを有する。

    【0060】 第9の基板26は、第8の基板24に隣接して配置される。 第9の基板26は使用者が塗布し、次いで歯の表面Sの残存する水分を吸収するために歯の表面S
    に配置されるべき親水性試薬(「プライマー」)および/または活性化剤を吸収するのに用いられる。 該親水性試薬および/または活性化剤は、この第9の基板26に予め含浸させてもよい。 該親水性試薬またはプライマーはカー・カンパニー(Kerr Company)または3Mが製造したものであってもよい。 第9の基板26
    は、綿またはその他の適当な吸収材料により作製され、およそ2cmの長さを有する。

    【0061】 第10の基板28は、第9の基板26に隣接して配置される。 第10の基板2
    8は、作業者がその上に塗布したシーリング剤を吸収し、次いでそのシーリング剤を歯の表面Sに搬送するのに用いられる。 この第10基板28には、シーリング剤が予め含浸されていてもよい(可能ならば上記のとおり、2種の異なる物質中に)。 該シーリング剤はカー・カンパニーまたは3MのA+B、またはデンツプライ・カンパニー(Dentsply Company) のシーリング剤・デルトン(Delton
    )A+Bであってもよい。 第10の基板28は、綿またはその他の適当な吸収材料により作製され、およそ2cmの長さを有する。

    【0062】 第11の基板30は、第10の基板28に隣接して配置され、隣り合った第1
    および第2区分32および34を有する。 第11の基板30は、ステンレススチール細片(例えば、トッフルマイヤー(tofflemire)細片)またはセルロイド細片などの滑らかな材料で作製され、僅かに凸状に湾曲していても、していなくてもよく、弾力性があってもなくてもよい。 第11の基板30は、シーリング剤に圧力を加え、重合反応の前にそれを薄くし、重合反応に際して滑らかな形状とするために使用される。 第1区分32は、隣接する歯TとT'間の接触領域Cの下部を通過する際に、第11基板30が滑り易いようにする。 第1区分32は、樹脂製とする。 第2区分34は、処置すべき歯の表面Sに対し第11基板30が滑り易いようにする。 第2区分34も樹脂製とする。 あるいは、第2区分34は弾力性のある滑らかな材料、例えば、樹脂製ラップ(例、サランラップ(商標)様の材料)で作製されていてもよい。

    【0063】 第11基板30は、シーリング剤および/または活性化剤を歯の表面Sに搬送する際に、第10の基板28と置換えることが可能である(ただし、活性化剤は第9、10または11の基板26、28および30をそれぞれ使用して塗布することが可能である)。 この基板30は物質の注入および/または物質の排出のために設計された側面の開口部を有していても、いなくてもよい。 第11基板30
    は、およそ2cmの長さを有する。

    【0064】 別法として、シーリング剤は歯の表面Sに塗布するために、第11基板30に塗布された、剥離可能なフィルムの形状をとってもよい。 このようなフィルムは、均一な仕上げをもつシーリング剤を提供する。 該フィルムは適当な材料、例えば、粘着性樹脂、シーリング剤、複合体、グラスアイオノマー、金フィルム、またはその他の生体適合性樹脂または材料で作製することが可能である。 滑らかな区分に載せられたフィルムは、第11基板30から離れ、歯Tの表面Sに付着し、それによって、完全に滑らかで均一な外面仕上げを可能とし、接着があまり強くなくても、例えば、初期の齲蝕に対して歯の表面Sの完全な被覆を確かなものとする。 歯被覆アプリケーター10はこのように齲蝕の治療に使用することができる(その予防に使用することに加えて)。

    【0065】 第11基板30は、光重合性シーリング剤の使用を可能とする光学ファイバーを含んでもよい。

    【0066】 第12の基板36は、第11の基板30に隣接して配置される。 第12の基板36は過剰のシーリング剤を除去し、塗布したシーリング剤の多孔性または不均一部分を研磨する。 第11基板は、中級の研磨剤からなり、4cmの長さを有する。 独立したサンドペーパー細片を使用してもよい。

    【0067】 第13の基板38は、第12の基板30に隣接して配置される。 第13の基板38は塗布したシーリング剤の最終研磨に使用し、研磨がシーリング剤の上部および下部縁にのみ作用するように、その縦方向の縁に沿ってのみ配置された研磨剤を有している;このような場合、基板38によるシーリング剤中央領域での研磨は起こらない。 第13の基板38は、微細なの研磨剤からなり、約4cmの長さを有する。 独立したサンドペーパー細片を使用してもよい。

    【0068】 第14の基板40は、第15の基板42に第13の基板38を接合するものである。 第14の基板40は先細りの構造を有し、隣接歯間空隙Iから細片11を緩やかに除去することを可能とする。

    【0069】 第15の基板42は、第14の基板40に隣接して配置され、第2末端11b
    に至る。 第15の基板42は、塗布したシーリング剤を確認し、なお残存している可能性のあるシーリング剤の残留片を除去するのに使用する。 第15の基板4
    2はデンタルフロス(例えば、5ないし15cm)で作製される。

    【0070】 細片11は、このように隣接歯間表面Sに届き、この表面Sを十分に隔離維持し、表面Sを処理し、また、シーリング剤をその面に塗布できるようにするものである。

    【0071】 シーリング剤塗布基板28およびより重要な第11基板30は、解剖学的に形成されていてもよく、すなわち、処置すべき歯の表面Sの湾曲した形状に沿うように、またはその湾曲した形状に沿い、その歯の表面形状に合致するかまたは適合するように予め形成され、歯の表面S全体にシーリング剤の適切な被覆がおよぶことを保証できる。 あるいは、基板28と、とくに30は、歯の表面Sの形状に実質的に合致し得る物質、例えば、柔軟で、かつ弾力性のある材料により作製されてもよく、それによってシール領域の周辺部にシーリング剤が過剰となるのを防ぎ、封鎖領域と隣接する歯の表面間の滑らかな移行を可能とし、従って、そこにプラークが蓄積するのを回避することができる。 シーリング剤の形状化は基板30の替りに適切な器具により実施することも十分可能である。

    【0072】 さらに、歯肉Gに隣接する歯の表面Sに陥凹が規定されている場合には、シーリング剤塗布領域28は、歯肉側にクッションを設け、基板28が歯の表面Sに合致するようにしてもよい。 このとき、他の基板も上記のシーリング剤塗布基板28と同様に歯の表面Sの輪郭形状に予め形成されていてもよいが、これら他の基板においてはあまり重要ではない。

    【0073】 また、シーリング剤塗布基板28は、歯の表面Sにシーリング剤の空隙を与えることができる陥凹を有していてもよい。 この場合、基板28を介して開口部が設けられていてもよく、シーリング剤などの製品がこの空隙に注入され得るようにしてもよい。

    【0074】 細片11のシーリング剤塗布基板28は、2本の歯TおよびT'間の接触領域Cを通過する咬合延長部を有していてもよい。 シーリング剤塗布基板28には、
    ガイドラインまたはマークが設けられ、接触領域Cに対して細片11の位置を決め易いようにしてもよい。

    【0075】 調製工程を要しないシーリング剤(例えば、グラスアイオノマー)を使用することが可能であり、その場合、エッチングと清浄工程が省略でき、グラスアイオノマーの特性から見て乾燥工程もあまり重要でなくなる。

    【0076】 また、細片11のシーリング剤塗布基板28は、重合反応阻害製品(例えば、
    ウレタン吸収剤+H2O、穿孔、3M(商標)吸収剤)または過剰の接着材料の吸収を可能とする吸収性製品を含有する部分を有していてもよい。 その目的はシーリング剤を所望の領域においてのみ硬化させることであり、それによって過剰後処理部分を除去する必要性を低減できる。

    【0077】 追加の基板が、最終研磨基板38の後に、抗微生物物質および/または抗齲蝕物質、例えば、フッ化物などを塗布するために設けられていてもよく、それによって腐食した歯のエナメル質を補強できる。

    【0078】 一部の基板は着色して、異なる基板とそのそれぞれの機能を使用者が識別し易くすることができる。 基板のあるものについては、作業者の時間を節約し、作業を簡略化するために、それぞれの製品を予め含浸させてもよい。

    【0079】 図4および5については、歯被覆アプリケーター10は以下のように操作される。 使用者はステップごとに2本の隣り合ったまたは隣接する歯TおよびT'間で操作すべき歯被覆アプリケーター10の基板の両側を持ち、歯の表面Sに対し所定の操作を実施する。 歯被覆アプリケーター10は、一般に連続的に歯TとT
    '間の所定の位置にあり、隣接歯間空隙Iを通って(一般には咬合面Oに並行の方向に)順次スライドし、各基板がそれぞれの機能を順に果たしていく。 最初、
    歯被覆アプリケーター10は、患者の歯肉Gの方向にスライドさせ、隣り合った歯TおよびT'間の接触領域Cを通すことで、2本の隣り合った歯TおよびT'
    間に置かれる。

    【0080】 処置すべき歯の表面Sに対し所定の位置に置いた後、使用者は、第1基板12
    を歯の表面Sに対し、咬合平面に対しほぼ並行の方向にスライドさせ、第2基板13を歯の表面Sに接近させる。 処置を施す間、歯間セパレーター(ここに表示されていない)、例えばステンレススチールディスクを使用してもよい。 使用者は第2基板13を歯の表面Sに対してスライドさせ、次いで第3基板14により歯の表面Sを清浄する。

    【0081】 使用者は、第4基板16をスライドさせ、歯の表面Sに存在する可能性のある沈殿鉱物を破砕する。 使用者は、第5基板18を歯の表面Sに対してスライドさせ、そこに保持してそれを乾燥させる。

    【0082】 使用者は、(エッチング剤を予め含浸させていない場合、)エッチング剤を第6基板20に沈積させ、それを歯の表面Sに対しスライドさせる。 エッチング剤を歯の表面Sと反応させた後、使用者は第7基板22に水を注入する。 次いで、
    使用者は第7基板22をスライドさせて歯の表面Sからエッチング剤を洗浄する。

    【0083】 第7基板22を歯の表面Sに対し保持したままで、使用者は第9基板26上に親水性試薬および/または活性化剤を塗布する。

    【0084】 使用者は第7基板22を歯の表面Sに対し保持したままで、第10基板28上にシーリング剤を塗布する(または、第10基板28の替りに、第11基板30
    を使用する場合には、第11基板30の第2区分34にシーリング剤を塗布し、
    歯の表面Sに搬送する)。

    【0085】 その後、使用者はエアシリンジを用い、第8基板24および歯の表面S間に加圧空気を注入してその領域を乾燥し、次いで、第8基板24を歯の表面Sに対しスライドさせて残余の水分を乾燥させる。 次いで、使用者は第9基板26を歯の表面Sに対しスライドさせ残余の湿気をそこから除く。

    【0086】 次いで、第10基板28は、歯の表面Sに対しスライドされ、シーリング剤がそこに塗布される。

    【0087】 シーリング剤が未だ未硬化相(すなわち、液状またはゲル状)にある間に、使用者は接触領域Cの下の歯表面Sに対し、第11基板30をスライドさせ、シーリング剤による閉塞を防止する。 使用者はシーリング剤が十分に重合(または硬化)するまで第11基板30を歯の表面Sに対し維持する。

    【0088】 別法としては、使用者は、第11基板30を歯の表面Sに対し維持する間、第11基板30と歯の表面Sの間に直接シーリング剤をシリンジにより注入することもできる。 従って、このような場合には、臨床医は、シーリング剤をアプリケーター30に先ず塗布し、それを歯の表面Sに対しスライドさせる替りに、アプリケーター30を表面Sに置き、次いで、細片と歯表面の境界面にシーリング剤1滴をしみ込ませ、細片−歯表面に沿って拡散させるなどしてシーリング剤を施すことにより、第11基板30と歯の表面Sの間に直接シーリング剤を塗布することになる。 実際に、上記のシーリング剤については、種々の製品は、所定の基板に直接塗布される替りに、処置すべき歯の表面の位置にある所定の基板とこの歯表面の間に直接注入されてもよい。 該製品を基板と歯Tの間に施した後、基板を前後にスライド運動させることにより、該製品が歯の表面Sにより良好に配分されるようにすることができる。

    【0089】 次いで、使用者は、第12基板36と第13基板38を塗布したシーリング剤に対しスライドさせ、研磨する。 第15基板42は歯の表面Sを確かなものとすること、すなわち、シーリング剤が適切に塗布されたことを検証するために使用する。 最後に、歯被覆アプリケーター10は隣接歯間空隙Iから取除かれる。

    【0090】 重要なことは、歯被覆アプリケーター10は、歯の表面Sにシーリング剤を塗布し、重合に際しシーリング剤に圧力を加えるために、第11基板30のみからなるものであってもよいことである。 その他の工程は、必ずしも細片11を使用しなくても実施し得る。 さらに、これら他の工程の幾つかは省略することができる。

    【0091】 細片11を隣接歯間空隙Sに導入し易くするために、歯のスペーサーを用いてもよい。

    【0092】 隣接歯間空隙Iに対する歯被覆アプリケーター10の挿入を容易にするために、施行装置(ここには示されていない)を用いてもよい。 該施行装置は1個または2個のリールからなり、そのリールの周りに歯被覆アプリケーター10を設置できるようなものとすることができる。 施行装置は、デンタルフロスで使用されるものに似たフォーク状で、2個のリールを備えたものであってもよい。 施行装置は、例えば、歯被覆アプリケーター10を歯の表面Sに接触させ、歯の表面S
    に沿って各基板を連続的に接触させるようにしながら、使用者が親指でそのリールを回すなどして手動で操作してもよい。 必要ならば、使用者はもう一方の手で歯被覆アプリケーター10の種々の基板に適切な試薬を塗布することができる。
    したがって、使用者の片手が自由となり、全工程中、これらの試薬、製品または物質の基板に対する塗布が容易になる。 あるいは、施行装置におけるこの(またはこれらの)リールは、モータ可動としてもよい。

    【0093】 該施行装置は、隣接歯間領域の汚染を防止するために、綿ロールなどの単離材料等を保持するための拡張部を有していてもよい。

    【0094】 本願発明品を汚染から保護するために格納したり、その装着を容易にしたりするために、小型シリンダー状の他の施行装置(ここには示されていない)を使用してもよい。 このような装置は先の装置と共に使用されても、前記の装置なしで使用されてもよい。

    【0095】 本願発明については、特に図面に示した態様を参照しながら説明したが、これらに対する様々な改変が当業者にとって明らかであることは説明するまでもない。 したがって、上記の説明および添付の図面は、本願発明の一説明であって、発明を限定するものではないと理解されるべきである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本願発明の歯被服アプリケーターの第1の態様の正面図である。

    【図2】 図1に示した歯被覆アプリケーターの上面図である。

    【図3】 図1に示した歯被覆アプリケーターの端立面図である。

    【図4】 図1の歯被覆アプリケーターが間に配置された1対の隣接する歯の拡大正面図である。

    【図5】 隣接する歯の接触領域下に伸長する図1の歯被覆アプリケーターと歯の拡大側面図である。

    【図6】 図4の歯被覆アプリケーターと隣接する歯2本の拡大上面図である。

    【符号の説明】

    10 歯被覆アプリケーター 11 細片 11a 細片第1端 11b 細片第2端 11c 細片表側 11d 細片裏側 12 第1基板 13 第2基板 14 第3基板 16 第4基板 18 第5基板 20 第6基板 22 第7基板 24 第8基板 26 第9基板 28 第10基板 30 第11基板 32 第11基板第1区分 34 第11基板第2区分 36 第12基板 38 第13基板 40 第14基板 42 第15基板 C 接触領域 G 歯肉 I 隣接歯間空隙 O 咬合面 S 隣接歯間表面、歯表面 T 歯 T' Tと隣接する歯

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

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