Articulator, method for fabricating denture and method for adjusting occlusal vertical dimension in fabrication of denture

申请号 JP2002280015 申请日 2002-09-25 公开(公告)号 JP2004113398A 公开(公告)日 2004-04-15
申请人 Osamu Sasagawa; 笹川 修; 发明人 SASAGAWA OSAMU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an articulator capable of accurately reproducing the occlusal vertical dimension in the oral cavity of a patient to fabricate a denture good in occlusion in a short period of time. SOLUTION: The articulator 1 has a lower frame 23 having a lower jaw support part 21, to which a lower jaw model 20 can be attached in a freely detachable manner, on the upper surface thereof, the strut parts 30 vertically arranged to the rear part of the lower frame and an upper frame 13 having an upper jaw support part 11, to which an upper jaw model 10 can be attached in a freely detachable manner, on the rear surface thereof and mounted on the strut parts in an on-off movable manner. One or more kinds of disc plates 40 different in thickness are prepared with respect to the support parts 11 to obtain the articulator 1 which enables the model mounting surfaces of the respective support parts to move in parallel to the respective frames by replacing the disc plates. The occlusal vertical dimension can be adjusted by respectively independently adjusting the horizontal positions of the upper and lower jaw models, and the positions of the upper and lower jaw models coinciding with the occlusal vertical dimension in the oral cavity of the patient can be easily obtained on the articulator. COPYRIGHT: (C)2004,JPO
权利要求
  • 下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部を上面に有する下側フレームと、
    下側フレームの後部に立設配置される支柱部と、
    上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部を下面に有するとともに、前記支柱部に対して開閉運動可能に装着された上側フレームとを具備し、
    前記各支持部について厚さの異なる複数種を用意し、支持部を交換することで各支持部の模型装着面が各フレームに対して平行に移動可能と成ることを特徴とする咬合器。
  • 下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部を上面に有する下側フレームと、
    下側フレームの後部に立設配置される支柱部と、
    上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部を下面に有するとともに、前記支柱部に対して開閉運動可能に装着された上側フレームとを具備し、
    前記各支持部が各フレームに対して平行に移動可能な昇降手段をそれぞれ設けたことを特徴とする咬合器。
  • 前記昇降手段は、支持部とフレームとの間に厚さの異なるプレートを挿入配置することで支持部のフレームに対する平行移動の距離を調整する請求項2に記載の咬合器。
  • 前記昇降手段は、支持部に先端が着脱自在に当接され他端がフレームを貫通して配置される計測柱に対して、支持部中央から伸長する軸部が前記計測柱の中央孔を貫通して前記支持部を軸着して配置され、フレーム側部からフレームを貫通するネジ部が計測部の側部を押圧して固定することで支持部のフレームに対する平行移動の距離を調整する請求項2に記載の咬合器。
  • 下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部を上面に有する下側フレームと、
    下側フレームの後部に立設配置される支柱部と、
    上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部を下面に有するとともに、前記支柱部に対して回動自在に装着された上側フレームとを具備し、
    前記支柱部に対して各フレームの高低位置を調整可能な位置調整手段を設けることで、支持部同士が互に平行に移動可能となることを特徴とする咬合器。
  • 上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部及び下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部の高低が独立して調整可能な高低調整機構を有する咬合器を使用し、上顎側及び下顎側から成る義歯(旧義歯)を基に新しい義歯を作製する方法であって、
    旧義歯を使用して口腔内に対応する筋形成を行う筋形成工程と、
    筋形成された旧義歯の口腔内側に印象材を装着し口腔内を印象する印象工程と、
    前記印象材における複数箇所の厚さを測定し平均化して印象材厚さを算出する印象材厚さ算出工程と、
    前記印象材に対応する口腔形状を正確に再現するため上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の印象材上に硬石膏又は超硬石膏を盛り上げる石膏装着工程と、
    咬合器に咬合平面板を取り付け、咬合平面板上に上顎側旧義歯を仮固定した状態で上顎側旧義歯の硬石膏装着側を上顎支持部に石膏で接合する上顎側旧義歯接合工程と、
    咬合平面板に描記紙を貼着し前記上顎側旧義歯の歯列弓外形を記録する歯牙外形描記工程と、
    咬合平面板を外した後、上顎側旧義歯に対して下顎側旧義歯を当接させ、両者を固定手段で固定した状態で下顎側旧義歯の硬石膏装着側を下顎支持部に石膏で接合する下顎側旧義歯接合工程と、
    上顎支持部から上顎側旧義歯を外すことで硬石膏及び石膏から成る上顎模型を形成し、下顎支持部から下顎側旧義歯を外すことで硬石膏及び石膏から成る下顎模型を形成する模型形成工程と、
    咬合器の高低調整機構により算出した前記印象材厚さを参考にして上顎支持部及び下顎支持部の高低を調整して咬合高径の調整を行う咬合高径調整工程と、
    下顎模型を外して歯列弓外形が記録された描記紙が貼着された咬合平面板を取り付け、上顎模型にパラフィンワックスを盛り上げて口腔内形状を整形しながら前記歯牙外形に対応するように上顎の歯牙を排列して上顎義歯基礎体を形成する上顎義歯基礎体形成工程と、
    前記咬合平面板を外して下顎模型を取り付け、下顎模型にパラフィンワックスを盛り上げて、上顎の歯牙に咬合するように下顎の歯牙を排列して下顎義歯基礎体を形成する下顎義歯基礎体形成工程と、
    を具備することを特徴とする義歯の作製方法。
  • 請求項6の義歯の作製方法において、
    筋形成工程前に旧義歯の噛み合わせをバイト材で取得するバイト取得工程と、このバイト取得工程で得たバイト材を介して上顎側旧義歯に対して下顎側旧義歯を当接させて下顎側旧義歯の硬石膏装着側を下顎支持部に石膏で接合する下顎側旧義歯接合工程を具備することを特徴とする義歯の作製方法。
  • 上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部及び下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部の高低が独立して調整可能な高低調整機構を有する咬合器を使用し、上顎側及び下顎側から成る義歯(旧義歯)を基に新しい義歯を作製するに際して、
    旧義歯を使用して口腔内に対応する筋形成を行う筋形成工程と、
    筋形成された旧義歯の口腔内側に印象材を装着し口腔内を印象する印象工程と、
    前記印象材における複数箇所の厚さを測定し平均化して印象材厚さを算出する印象材厚さ算出工程と、
    前記印象材に対応する口腔形状を正確に再現するため上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の印象材上に硬石膏又は超硬石膏を盛り上げる石膏装着工程と、
    咬合器に咬合平面板を取り付け、咬合平面板上に上顎側旧義歯を仮固定した状態で上顎側旧義歯の硬石膏装着側を上顎支持部に石膏で接合する上顎側旧義歯接合工程と、
    咬合平面板を外した後、上顎側旧義歯に対して下顎側旧義歯を当接させ、両者を固定手段で固定した状態で下顎側旧義歯の硬石膏装着側を下顎支持部に石膏で接合する下顎側旧義歯接合工程と、
    上顎支持部から上顎側旧義歯を外すことで硬石膏及び石膏から成る上顎模型を形成し、下顎支持部から下顎側旧義歯を外すことで硬石膏及び石膏から成る下顎模型を形成する模型形成工程と、
    咬合器の高低調整機構により算出した前記印象材厚さを参考にして上顎支持部及び下顎支持部の高低を調整して咬合高径の調整を行う咬合高径調整工程と、
    を具備することを特徴とする義歯作製における咬合高径の調整方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、歯科医療における義歯の製作に使用される咬合器に関し、特に、緩みを許容できるという顎関節の特徴を考慮の上で、患者の口腔内の咬合高径を正確に再現し、噛み合わせの高さが正確で現在迄慣れ親しんできた歯列弓歯を再現し、新しい義歯にもかかわらず違和感の少ない義歯を製作可能とする咬合器の構造、及びその咬合器を使用した義歯の作製方法、及び義歯作製に際して行われる咬合高径の調整方法に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    一般的な咬合器1は、例えば図16に示すように、上顎模型10が取り付けられる上顎支持部11がフランクフルト平面12に形成された上側フレーム13と、下顎模型20が取り付けられる下顎支持部21が形成されるとともに先端部分にインサイザルテーブル22を有する下側フレーム23と、これら上側フレーム13と下側フレーム23とを互に対向間隔を調整自在にして支持する支柱部30と、インサイザルテーブル22に対向して上側フレーム13に取り付けられたインサイザルピン14とを具備して形成される(例えば、特許文献1参照)。
    また、上顎支持部11及び下顎支持部21は、上側フレーム13及び下側フレーム23に対して着脱自在に構成されている。
    【0003】
    【特許文献1】
    特開平9−206315号公報(図1)
    【0004】
    一方、一度作製された義歯であっても、日常の咀嚼行為によって略平衡的に咬耗が発生するので、数年毎に作り直す必要がある。
    上記した咬合器1を使用して既存の義歯50(旧義歯)を基に新しい義歯を作製する場合、上顎側旧義歯51及び下顎側旧義歯52の義歯内面(義歯粘膜面)に対応する口腔内接触辺縁部にイソコンパウンド等を盛り上げ、患者の口腔内に戻すことにより前記イソコンパウンドによって口腔内形状に合致させて筋形成を行い、筋形成が行われた旧義歯をトレーとして、その裏側全体に印象材を塗布して印象する。
    【0005】
    次に、印象材が硬化した上顎側旧義歯51の口腔内側に石膏を注入し石膏が硬化(石膏模型)したら旧義歯を外し、同様に印象材が硬化した下顎側旧義歯52の口腔内側に石膏を注入し石膏が硬化(石膏模型)したら旧義歯を外す。
    続いて、作製された上顎及び下顎の各石膏模型上にパラフィンワックスで新義歯の原型となる咬合堤(ロー堤)の作製を行う。
    次に、熱で軟化した上下のパラフィンワックス咬合堤を口腔内に挿入し噛み合せを採取する。
    上顎及び下顎の咬合堤に人工歯を排列することで噛み合せバイトを作製し、新義歯原型を得ることができる。
    【0006】
    人工歯が排列された咬合堤に対して、義歯床での各部の形態を自然の状態に近づける歯肉形成を行って新義歯原型を完成させる。
    そして、この新義歯原型のワックス部分をレジンに置き換えるために新義歯の陰型を作製する埋没操作を行い、作製された陰型から新義歯を作製する(例えば、非特許文献1参照)。
    【0007】
    【非特許文献1】
    西浦 恂 著 「有床義歯技工学 総義歯編」医歯薬出版株式会社、1976年5月20日、p33−112
    【0008】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら上述の作製方法であると、パラフィンワックス咬合堤を口腔内に挿入して噛み合せを採取するに際しては、咬合高径(咬合の正確な高さ)については何等基準となるべくものがなく、熟練者の勘に頼らざるを得ない。 したがって、ワックス咬合堤に人工歯が排列されたものを口腔内に戻した時、咬合高径が狂っている現象が生じ、噛み合せバイトの作成の直しを何回かしなければならないという問題点があった。
    【0009】
    すなわち、新義歯の口腔側については旧義歯を使用した筋形成を行うことで旧義歯の有する情報を利用しているが、咬合高径については旧義歯による情報を参酌せず、また新たに歯牙を排列するので患者が正しい咬合であると納得する迄に、何回も試適することが必要となり通院回数が多くなり作製時間及び労がかかるという問題点があった。
    旧義歯は患者が実際に使用しているものであり、患者が使用し易い義歯を作製するための有用な情報の全てを有していると考えることができ、これらの情報を引き出すことが重要である。
    【0010】
    その一方、上記構造の咬合器であると、旧義歯の咬耗分を考慮した咬合高径(上顎模型と下顎模型との間隔)を設定することができないので、旧義歯における噛み合わせを考慮して新義歯を作製することができないという問題点があった。 この咬合器を使用した場合、旧義歯の咬耗分については、インサイザルピン14の長さを調整することだけで対処することが考えられるが、インサイザルピン14による調節では上下顎の前方位置部分のみの調整であり、上下顎が平行に移動するものでないため、前歯部と臼歯部の間隔に差が生じて正確な噛み合わせ状態を再現できない。
    【0011】
    また、上記咬合器によれば、支柱部30の長さを調整することで上側フレーム13と下側フレーム23との対向間隔を調整することができるが、上下顎で咬耗状態が異なる可能性があるので、支柱部30の長さの調整では咬耗を考慮した咬合高径を設定することができず、噛み合わせ状態の再現に対して上顎・下顎の個々に対応できないという問題があった。
    【0012】
    すなわち、従来の咬合器は、インサイザルピン14による調節という顎関節の開閉にのみ対応する構造であった。 顎関節は他の関節と異なり下前方向に移動し最大で4mm程度までの緩みを許容できるという特徴を有している。 したがって、長年咀嚼した義歯は咬耗して低くなるために、顎関節に緩みが生じ、これによってほぼ平に義歯が磨り減って行くことを見出し、旧義歯を基に新しい義歯を製作する場合、従来型の咬合器では咬合高径の平衡的な調整ができないので、顎関節の緩みを考慮に入れた噛み合わせの良好な義歯を作製できないという結論に達した。
    【0013】
    本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、顎関節の特徴を考慮し、患者の口腔内の咬合高径を正確に再現して噛み合わせの良好な義歯を短期間で製作可能とする咬合器及び旧義歯を使用した義歯の作製方法及び咬合高径の調整方法を提供することを目的としている。
    【0014】
    【課題を解決するための手段】
    上記目的を達成するため請求項1の咬合器は、下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部を上面に有する下側フレームと、下側フレームの後部に立設配置される支柱部と、 上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部を下面に有するとともに、前記支柱部に対して開閉運動可能に装着された上側フレームとを具備し、
    前記各支持部について厚さの異なる複数種を用意し、支持部を交換することで各支持部の模型装着面が各フレームに対して平行に移動可能と成ることを特徴としている。
    【0015】
    請求項2は、下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部を上面に有する下側フレームと、下側フレームの後部に立設配置される支柱部と、上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部を下面に有するとともに、前記支柱部に対して開閉運動可能に装着された上側フレームとを具備し、前記各支持部が各フレームに対して平行に移動可能な昇降手段をそれぞれ設けたことを特徴としている。
    【0016】
    請求項3は、請求項2の咬合器において、前記昇降手段は、支持部とフレームとの間に厚さの異なるプレートを挿入配置することで支持部のフレームに対する平行移動の距離を調整することを特徴としている。
    【0017】
    請求項4は、請求項2の咬合器において、前記昇降手段は、支持部に先端が着脱自在に当接され他端がフレームを貫通して配置される計測柱に対して、支持部中央から伸長する軸部が前記計測柱の中央孔を貫通して前記支持部を軸着して配置され、フレーム側部からフレームを貫通するネジ部が計測部の側部を押圧して固定することで支持部のフレームに対する平行移動の距離を調整することを特徴としている。
    【0018】
    請求項5の咬合器は、下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部を上面に有する下側フレームと、下側フレームの後部に立設配置される支柱部と、上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部を下面に有するとともに、前記支柱部に対して回動自在に装着された上側フレームとを具備し、
    前記支柱部に対して各フレームの高低位置を調整可能な位置調整手段を設けることで、支持部同士が互に平行に移動可能となることを特徴としている。
    【0019】
    本発明の咬合器によれば、上顎支持部及び下顎支持部に、各フレームに対して平行に移動可能な昇降手段がそれぞれ設けられているので、上顎模型及び下顎模型をそれぞれ別個に上側若しくは下側フレームに対して昇降することで上顎模型及び下顎模型の位置を互に平行な状態で調整することができる。
    【0020】
    請求項6は、上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部及び下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部の高低が独立して調整可能な高低調整機構を有する咬合器を使用し、上顎側及び下顎側から成る義歯(旧義歯)を基に新しい義歯を作製する方法であって、次の各工程を含むことを特徴としている。
    旧義歯を使用して口腔内に対応する筋形成を行う筋形成工程。
    筋形成された旧義歯の口腔内側に印象材を装着し口腔内を印象する印象工程。 前記印象材における複数箇所の厚さを測定し平均化して印象材厚さを算出する印象材厚さ算出工程。
    前記印象材に対応する口腔形状を正確に再現するため上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の印象材上に硬石膏又は超硬石膏を盛り上げる石膏装着工程。
    咬合器に咬合平面板を取り付け、咬合平面板上に上顎側旧義歯を仮固定した状態で上顎側旧義歯の硬石膏装着側を上顎支持部に石膏で接合する上顎側旧義歯接合工程。
    咬合平面板に描記紙を貼着し前記上顎側旧義歯の歯列弓外形を記録する歯牙外形描記工程。
    咬合平面板を外した後、上顎側旧義歯に対して下顎側旧義歯を当接させ、両者を固定手段で固定した状態で下顎側旧義歯の硬石膏装着側を下顎支持部に石膏で接合する下顎側旧義歯接合工程。
    上顎支持部から上顎側旧義歯を外すことで硬石膏及び石膏から成る上顎模型を形成し、下顎支持部から下顎側旧義歯を外すことで硬石膏及び石膏から成る下顎模型を形成する模型形成工程。
    咬合器の高低調整機構により算出した前記印象材厚さを参考にして上顎支持部及び下顎支持部の高低を調整して咬合高径の調整を行う咬合高径調整工程。
    下顎模型を外して歯列弓外形が記録された描記紙が貼着された咬合平面板を取り付け、上顎模型にパラフィンワックスを盛り上げて口腔内形状を整形しながら前記歯牙外形に対応するように上顎の歯牙を排列して上顎義歯基礎体を形成する上顎義歯基礎体形成工程。
    前記咬合平面板を外して下顎模型を取り付け、下顎模型にパラフィンワックスを盛り上げて、上顎の歯牙に咬合するように下顎の歯牙を排列して下顎義歯基礎体を形成する下顎義歯基礎体形成工程。
    を具備することを特徴とする義歯の作製方法。
    【0021】
    請求項7は、請求項6の義歯の作製方法において、筋形成工程前に旧義歯の噛み合わせをバイト材で取得するバイト取得工程と、このバイト取得工程で得たバイト材を介して上顎側旧義歯に対して下顎側旧義歯を当接させて下顎側旧義歯の印象材装着側を下顎支持部に石膏で接合する下顎側旧義歯接合工程を具備することを特徴としている。
    【0022】
    請求項8の咬合高径の調整方法は、上顎模型が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部及び下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部の高低が独立して調整可能な高低調整機構を有する咬合器を使用し、上顎側及び下顎側から成る義歯(旧義歯)を基に新しい義歯を作製するに際して、
    旧義歯を使用して口腔内に対応する筋形成を行う筋形成工程と、
    筋形成された旧義歯の口腔内側に印象材を装着し口腔内を印象する印象工程と、
    前記印象材における複数箇所の厚さを測定し平均化して印象材厚さを算出する印象材厚さ算出工程と、
    前記印象材に対応する口腔形状を正確に再現するため上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の印象材上に硬石膏又は超硬石膏を盛り上げる石膏装着工程と、
    咬合器に咬合平面板を取り付け、咬合平面板上に上顎側旧義歯を仮固定した状態で上顎側旧義歯の印象材装着側を上顎支持部に石膏で接合する上顎側旧義歯接合工程と、
    咬合平面板を外した後、上顎側旧義歯に対して下顎側旧義歯を当接させ、両者を巻回手段で固定した状態で下顎側旧義歯の印象材装着側を下顎支持部に石膏で接合する下顎側旧義歯接合工程と、
    上顎支持部から上顎側旧義歯を外すことで石膏から成る上顎模型を形成し、下顎支持部から下顎側旧義歯を外すことで石膏から成る下顎模型を形成する模型形成工程と、
    咬合器の高低調整機構により算出した前記印象材厚さを参考にして上顎支持部及び下顎支持部の高低を調整して咬合高径の調整を行う咬合高径調整工程と、
    を具備することを特徴としている。
    【0023】
    本発明の義歯の作製方法及び咬合高径の調整方法によれば、上顎模型及び下顎模型の水平位置をそれぞれ独立して調整することで咬合高径を調整できるので、口腔内の咬合高径に合致した上顎及び下顎模型の位置を容易に得ることができ、旧義歯の歯牙状態とほぼ同じ排列状態にできるので患者にとって違和感がなく、また、既存の義歯が有する情報の全てを有効に利用することで患者にとって満足の行く新たな義歯を作製することができる。
    【0024】
    【発明の実施の形態】
    本発明の実施の形態の一例について、図面を参照しながら説明する。 図1は咬合器の全体構造を示す斜視説明図、図2は咬合器の側面説明図、図3(a)(b)は咬合器に装着する円板プレートの平面説明図及び側面説明図である。
    【0025】
    本発明に係る咬合器1は、下顎模型20が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部21を上面に有する下側フレーム23と、下側フレーム23の後部に立設配置される一対の支柱部30と、これらの支柱部30によって両端を開閉運動可能に支持されるとともに上顎模型10が着脱自在に取り付け可能な上顎支持部11を下面に有する上側フレーム13とを具備して構成されている。
    各フレーム13,23は略T字型に形成され、各支持部が形成される部分が円形幅広となる形状となっている(図1)。
    【0026】
    上側フレーム13の先端側には、インサイザルピン14が貫通配置されて、固定ネジ15によりピンの突出長を所望の位置で固定できるように調整可能に構成されている。 下側フレーム23には、インサイザルピン14の先端が当接する位置にインサイザルテーブル22が設けられている。 また、インサイザルピン14は、後述する咬合堤での歯牙の排列に際して作業性の向上が図れるように、上側フレーム13から完全に外せるように構成されている。
    上顎模型10及び下顎模型20(図2)は、石膏等によって上顎支持部11及び下顎支持部21に形成されるようになっている。 その詳細な作製手順は後述する。
    【0027】
    下顎支持部21は、円板ステージ(マウント板)24に対して下側フレーム23の下面から固定ネジ25が円板ステージ中央下面の螺着孔24aに螺着することで固定されるように構成されている。 下側フレーム23の上面には、一対の円柱部26が突出形成され、円板ステージ24の下面に設けた孔部27に嵌合可能に構成されている。
    【0028】
    円板ステージ24の高さは、円板ステージ24と下側フレーム23上面との間に挟まれるように配置装着される円板プレート40の厚さにより調整できるように構成されている。 すなわち、下顎支持部21が下側フレーム23に対して平行に移動可能な昇降手段を形成している。 円板プレート40は、図3(b)に示されるように、厚さの異なるもの(例えば、0.5,1.0,2.0,3.0mm)が複数用意され、適宜選択配置して中央に設けられた孔部41に固定ネジ25を貫通配置して円板ステージ24の螺着孔24aに締結することで下顎支持部21(円板ステージ24)の高さが調節できるようになっている。
    また、各円板プレート40の直径上には中心を挟んで二つのブレ止め孔42が穿孔され、このブレ止め孔42に下側フレーム23の円柱部26が挿入されることで、円板プレート40が水平面において回転することなく位置を固定できるようになっている。
    【0029】
    上顎支持部11も下顎支持部21と同様に昇降可能なように構成されている。 すなわち、上顎支持部11は、円板ステージ(マウント板)16に対して上側フレーム13の上面から固定ネジ17が円板ステージ中央上面の螺着孔16aに螺着することで固定されるように構成されている。 上側フレーム13の下面には、一対の円柱部18が突出形成され、円板ステージ16に設けた孔部19に嵌合可能に構成されている。 そして、円板ステージ16の高さは、円板ステージ16と上側フレーム13下面との間に挟まれるように配置装着される円板プレート40の厚さにより調整できるように構成されている。
    【0030】
    円板ステージ16,24の表側には、後述する石膏との接合を確実にするために複数の凸部24bが形成されている。
    また、上側フレーム13及び下側フレーム23の円形幅広部位には、後述する旧義歯固定に際して巻回手段の固定を確実にするための複数の切り込み部76が適宜間隔をおいて形成されている。
    【0031】
    上記構成により、下顎支持部21の高さ、上顎支持部11の高さはそれぞれ独立して調整することが可能となるとともに、上側フレーム13,下側フレーム23に対して上顎支持部11,下顎支持部21を高さ方向に平行移動して配置することが可能となる。
    【0032】
    図4は咬合器の他の実施の形態の一例を示すもので、昇降手段の構造が図1及び図2に示した咬合器と異なる構成となっている。
    すなわち、この咬合器の昇降手段は、上顎支持部11(下顎支持部21)の円板ステージ16(24)に先端が着脱自在に当接され他端がフレームを貫通して配置される計測柱43を設けている。 計測柱43には上下方向に沿って目盛が記載されている。 また、計測柱43には、その中央ネジ孔44に固定ネジ17(25)が螺着し、その先端が円板ステージ16(24)中央の螺着孔16a(24a)に軸着することで連結されている。 そして、上側フレーム13(下側フレーム23)側部からフレームを貫通するネジ部45が計測柱43の側部を押圧して固定することで円板ステージ16(24)の上側フレーム13(下側フレーム23)に対する平行移動の距離を調整するようになっている。
    【0033】
    図1及び図2の咬合器においてフレーム13,23側に形成された円柱部18,26は、円板ステージ16,24側に設けられるとともに、これら円柱部が嵌合する孔部13a,23aをフレーム13,23側に形成されている。 また、円柱部18,26を、図1及び図2の咬合器と同様にフレーム13,23側に形成し、対応する孔部を円板ステージ16,24側に形成するようにしてもよい。
    他の構成は図1及び図2の咬合器と同様であり、図1と同様の構成をとる部分については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
    【0034】
    上記構造の咬合器によれば、ネジ部45を緩めることで、円板ステージ16(24)の昇降に応じて計測柱43が上下可能となり、上側フレーム13(下側フレーム23)面に対する計測柱43の目盛を測定することで、各フレームに対する円板ステージの位置を把握することができる。
    計測柱43の形状は、方形柱や三柱等、細長い形状で、ネジ部45により固定できる形状であればよい。
    【0035】
    図5は咬合器の他の実施の形態の一例を示すもので、昇降手段の構造が図1及び図2の咬合器と異なる構成となっている。
    すなわち、この咬合器は、下顎模型が着脱自在に取り付け可能な下顎支持部21を上面に有する下側フレーム23の後部に、一対の支柱部30が立設配置して形成されている。 この支柱部30は、支柱部30内部に配置された調整軸31と、この調整軸31に対して下側に螺着連結された下部支柱33と、調整軸31に対して上側に螺着連結された上支柱35で構成されている。 調整軸31の中央部分には、環状部34,37が回転して上下方向に移動可能に軸着されている。
    【0036】
    したがって、下部支柱32上端の環状部34を回転させることで、下部支柱32に対する調整軸31の位置を変化させ、上部支柱35下端の環状部37を回転することで、上部支柱35に対する調整軸31の位置を変化させることができ、上顎支持部16,下顎支持部21の高低位置を独立して調整することで、咬合平面を中心として上側下側のフレーム間を平衡に移動することが可能となる。
    下部支柱32及び上部支柱35の各側部を貫通して配置されるネジ部33,36は、調整軸31の側部を押圧して固定することで前記のように調整された高低位置の固定を行うものである。
    また、この咬合器では、下部支柱32及び上部支柱35の高低位置を調節後、インサイザルピン14の先端がインサイザルテーブル22に当接する時に上側フレーム13が水平面に位置するように、インサイザルピン14の突出長を固定ネジ15により調整する。
    【0037】
    上記構成により、支柱部30に対して上側フレーム13(下側フレーム23)の高低位置を調整可能な位置調整手段をそれぞれ設けることで、上顎支持部11,下顎支持部21同士が互に平行に移動可能となっているまた、調整軸31には目盛が表示され、上側フレーム13(下側フレーム23)との距離が確認できるようになっている。
    【0038】
    次に、上述した構造の咬合器を使用した義歯の作製手順について、図6乃至図14を参照しながら説明する。 患者が使用している既存の義歯50(以下、旧義歯50という)を基に、新しい義歯(以下、新義歯という)を作製する場合について説明する。
    【0039】
    先ず、患者に旧義歯を口腔内に装着してもらい、上顎を何ミリ高くするか下顎を何ミリ高くするかを相談しその高さをカルテに記載する。 そして、旧義歯の吸着力が充分あるか、良く噛むことができるかどうかについて患者に問診し、不充分である場合には、新たに筋形成(口腔内の形状に義歯床辺縁部を合致させる)を行うことで充分な吸着が得られることを患者に説明する。 その後、旧義歯を装着した状態で下顎歯列弓上にシリコン系バイト材を載置し、図6に示すような口腔内での旧義歯50の噛み合わせ形状(シリコンバイト55)を前記シリコン系バイト材で取得する。 U字状シリコン系バイト材は、口腔内で約1分間の経過で硬化する性質を有している。
    【0040】
    次に、上顎側旧義歯51及び下顎側旧義歯52の各義歯辺縁部に対応する口腔内接触部にイソコンパウンド61等を塗布し、患者の口腔内に戻すことにより前記イソコンパウンド等により口腔内形状に合致させる筋形成を行う(図7)。 この筋形成を行うことにより、義歯辺縁部を現在の口腔内形状に正確に合致した形状とすることができる。
    そして、筋形成が行われた旧義歯50をトレーとして、その裏側全体に印象材62(斜線で示す)を盛り上げて精密印象する(図8)。
    【0041】
    続いて、印象した旧義歯50の内面にある印象材62の厚みを上顎側及び下顎側共に、プローブ(歯周病検査で使用する器具)を用いて例えばABC(DEF)の三ヶ所程度測定する。 上顎及び下顎の各旧義歯について測定した数値0.5〜3mmまでの平均値をカルテに記録しておく。
    【0042】
    印象材62が硬化した上顎側旧義歯51及び下顎側旧義歯52の粘膜面に硬石膏(又は超硬石膏)63を注いで上顎口腔内模型及び下顎口腔内模型(半完成品)を作製しておく(図9)。 ここで使用する硬石膏63は、印象材62側の形状(精密印象された口腔内形状)を石膏側に正確に再現するための石膏であり、通常使用される接合のための石膏(普通石膏)より微粒子且つ高硬度のタイプ(硬石膏、超硬石膏)が用いられる。
    【0043】
    咬合器1の上顎支持部11と上側フレーム13との間に、基準プレートとなる3mmの厚さの円板プレート40を装着しておく。
    咬合器1の下側フレーム23(下顎支持部21)に咬合平面板70を直接装着して固定し、咬合平面板70上に上顎側旧義歯固定のためのユーティリティワックスを装着し、上顎側旧義歯51の歯牙側を咬合平面板70の中心線に合わせて装着し、上顎側旧義歯51の口腔側及び上顎支持部11に石膏60を装着することで上顎側旧義歯51を咬合器1に接合固定する(図10)。 ここで使用される石膏60は、上顎支持部11への接合のためのものである。
    【0044】
    ここで使用される咬合平面板70は、その裏面側に設けた脚部71が下顎支持部21側の固定ネジ25及び円柱部26に嵌合して連結できるように、図11(B)に示すようなネジ孔71a及び嵌合孔71bを有する形状とし、咬合器に確実に固定できるようになっている。 また、下側フレーム23(下顎支持部21)に円板ステージ24及び円板プレート40を介在させることなく直接装着することで、咬合平面板70上に咬合中心平面が位置するように脚部71の高さが設定されている。
    【0045】
    上顎側旧義歯51に装着した石膏60が硬化した後に、咬合平面板70上のワックスを除去するとともに、全体に描記紙72を貼り付け、その紙上に上顎側旧義歯51の歯列弓の外形を描記73する(図11(a))。
    【0046】
    次に、咬合平面板70を取り除き、上側と同様に下顎支持部21と下側フレーム23との間に、基準プレートとなる3mmの厚さの円板プレート40を装着しておく。 続いて、下顎側旧義歯52に取得しておいたシリコンバイト55を配置し、このシリコンバイト55を介して上顎側旧義歯51に合致させ、上顎側義歯と正確に噛み合わせてしっかりとワイヤ等の巻回手段や輪ゴム等の固定手段75で締結する。 ワイヤは、上側フレーム13に形成された切り欠き部76に嵌まることで確実に固定できる。
    上下旧義歯が締結された状態で、下顎側旧義歯52の口腔側を石膏60で下顎支持部21に接合固定する(図12)。 旧義歯50の接合固定が完了したらワイヤ(固定手段75)を切断し硬石膏63から旧義歯50を外すことで、硬石膏63及び石膏60で形成された上顎模型10及び下顎模型20が得られる(図13)。 この時点で旧義歯は患者に返却可能となる。
    【0047】
    旧義歯50を外した石膏模型(上顎模型10及び下顎模型20)の上下顎間距離(咬合高径)は、実際に口腔内で義歯50を使用していた時より上下共印象材62の厚み分だけ咬合器上での咬合高径が広くなっている。 すなわち、仮に旧義歯50と同じ咬合高径に対応する形状の義歯を作製する場合には、上顎模型10を印象材62の厚さ分だけ低く、下顎模型20を印象材62の厚さ分だけ高く配置させる必要がある。
    すなわち、旧義歯に印象材を盛って印象した際に、カルテに記載しておいた印象材の厚さの平均値分(段落番号0037で記載した各旧義歯における平均値)を上下共に移動する。
    【0048】
    上述の構造の咬合器によれば、図14(a)(b)に示すように、上顎旧義歯51の印象材62の厚み分に相当する円板プレート40aを上側フレーム13と円板ステージ16との間に加えることにより上顎模型10を下降させ、下顎側も計測しておいた印象材62の厚み分に相当する円板プレート40bを下側フレーム23と円板ステージ24との間に加えることで下顎模型20を上昇させることができる。
    【0049】
    したがって、円板プレート40(基準プレート)に加えて若しくは交換して厚さの異なる円板プレート40を挿入配置することで、口腔内に旧義歯50の入っていた時と略同じ上下顎間距離に設定することが可能となり、咬合器上に略正確な咬合高径を再現することができる。
    【0050】
    更に、旧義歯50を使用していた時の、咬耗による咀嚼機能の低下、発音不正確、顔貌が老人化している等の情報を参酌することで、上顎を何ミリ高くするかをカルテの記載数値に合わせて円板プレートをその高さ分だけ差し引く(高さ分が差し引かれた薄い円板プレートに交換する)。 すなわち、新たに作製する上顎側の義歯と下顎側の義歯をどの程度高くするかを患者と同意の上で判断し、円板プレートを追加若しくは交換してプレート全体の厚さの調整を行うことで、咬合高径をより適した値に設定することが可能となる。
    この場合において、咬合器の上下に円板プレート40(基準プレート)が装着された状態よりも咬合高径を広げたい場合には、3mmの円板プレート40(基準プレート)に代えて厚さの薄い(例えば2mm)の円板プレートを挿入配置すればよい。
    【0051】
    そして、下顎模型20を外して咬合平面板70を取り付け、上顎模型10にパラフィンワックスを装着し、咬合平面板70の描記紙に描記73された上顎側旧義歯の歯牙の配列を考慮して上顎の歯牙(人工歯)を配置し排列を完成させる。 次に、咬合平面板70を外して下顎模型20を取り付け、パラフィンワックスを装着し、上顎の歯牙に咬合するように下顎の歯牙(人工歯)を排列し新義歯作製の基となる上下の咬合堤を完成させる。 続いて、各咬合堤においてパラフィンワックスを削ることで口腔内形状を整形して各咬合堤を完成させる。
    そして、通常行われる手順により、この咬合堤を基に埋没操作により陰型を作製した後、新義歯を作製する。
    【0052】
    上記各実施例の咬合器では、各支持部が各フレームに対して平行に移動可能な昇降手段をそれぞれ設けることで各支持部が移動可能に形成したが、図15に示すように、上顎支持部11の円板ステージ16及び下顎支持部21の円板ステージ24について厚さの異なる複数種を用意し、各円板ステージを交換することで各円板ステージ(支持部)の模型装着面が上側フレーム13及び下側フレーム23に対して平行に移動可能に構成してもよい。
    この場合、義歯の作製に際して、咬合高径を調整するために各円板ステージ16,24を交換する必要があるので、円板ステージ上に石膏で形成される上顎模型10及び下顎模型20が円板ステージ16,24から容易に外れるように、石膏で接合する時に下地剤を塗布しておくことが好ましい。
    図中、図1に示された咬合器と同じ構成をとる部分については同一符号を付している。
    【0053】
    【発明の効果】
    本発明の咬合器によれば、上顎支持部及び下顎支持部に、各フレームに対して平行に移動可能な昇降手段がそれぞれ設けられているので、上顎模型及び下顎模型をそれぞれ別個に上側若しくは下側フレームに対して昇降することで上顎模型及び下顎模型の位置を互に平行な状態で調整することができ、口腔内における適切な咬合高径を咬合器上に再現することができる。
    【0054】
    また、本発明の咬合器を使用して義歯を作製することにより、上顎模型及び下顎模型の水平位置をそれぞれ独立して調整することで咬合高径を容易に調整できるので、口腔内の咬合高径に合致した上顎及び下顎模型の位置を容易に得ることができ、旧義歯の排列状態等の既存の義歯が有する情報を有効に利用することで、簡便な作業で従来より正確で患者に喜ばれる新たな義歯を作製することができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明に係る咬合器の一例を全体構成を示す斜視説明図である。
    【図2】図1の咬合器の側面説明図である。
    【図3】(a)(b)は咬合器に装着する複数の円板プレートの平面説明図及び側面説明である。
    【図4】本発明に係る咬合器の他の例を示す側面説明図である。
    【図5】本発明に係る咬合器の他の例を示す側面説明図である。
    【図6】旧義歯の噛み合わせ形状を取得したシリコンバイトの斜視説明図である。
    【図7】旧義歯に筋形成を行った場合における上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の口腔側からの平面説明図である。
    【図8】旧義歯に印象材を装着した場合における上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の口腔側からの平面説明図である。
    【図9】旧義歯に対して石膏を盛り上げた場合における上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯の側面説明図である。
    【図10】上顎側旧義歯を咬合器に固定する場合の斜視説明図である。
    【図11】(A)(B)は咬合器に装着される咬合平面板を示すもので(A)は上顎旧義歯の歯列弓外形の描記を行った咬合平面板の斜視説明図、(B)は咬合平面板の裏面説明図である。
    【図12】上顎側旧義歯及び下顎側旧義歯を咬合器に固定する場合の斜視説明図である。
    【図13】咬合器から旧義歯を取り外して上顎模型及び下顎模型を形成した場合の斜視説明図である。
    【図14】咬合器による咬合高径の調整を示すものであり、(a)は旧義歯が装着されている状態での咬合器の側面説明図、(b)は円板プレートを装着して上顎模型及び下顎模型の咬合高径を調整した状態での側面説明図である。
    【図15】本発明に係る咬合器の他の例を示す側面説明図である。
    【図16】従来の咬合器の基本構造を示す斜視説明図である。
    【符号の説明】
    1…咬合器、
    10…上顎模型、 11…上顎支持部、 13…上側フレーム、
    14…インサイザルピン、 16…円板ステージ、 17…固定ネジ、
    20…下顎模型、 21…下顎支持部、
    22…インサイザルテーブル、 23…下側フレーム、
    24…円板ステージ、 25…固定ネジ、
    30…支柱部、 31…調整軸、 32…下部支柱、 35…上部支柱、
    40…円板プレート、 41…螺着孔、 42…ブレ止め孔、 43…計測柱、
    50…旧義歯、 51…上顎側旧義歯、 52…下顎側旧義歯、
    55…シリコンバイト、
    60…石膏、 61…レジン、 62…印象材、 63…硬石膏(超硬石膏)、
    70…咬合平面板、 71…脚部、 72…描記紙、 73…描記、
    75…ワイヤ(固定手段)

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