乳歯保管装置

この考案は、子供の抜けた乳歯を保管する乳歯保管装置に関する。

人が生まれてから初めて生える歯は、短い間使用するだけの乳歯である。このため何人も成人の歯に生えかわる自然期を迎える。この期間、徐々に食物の粗食、呑みこみを覚え、また徐々に言葉を覚え父母を呼ぶようになる。乳歯の存在は人を小学低学年への啓蒙の段階に導く。このため、抜け替わる1本1本の乳歯は、父母にとって愛する子女が幼児期を離れて成長する証しであり、育児の苦労が慰められるものである。よって、しっかり保管して記念品とするに値する。

しかしながら、市販される乳幼児の用品には、乳歯の採集に関して、乳歯の歯茎における位置に基づいて収納するものはない。しかも、親が子供の乳歯を保管しようと思っても、往々にして引き出しの角に置くか、せいぜい何らかの箱を容易して入れておく程度ある。そして、時折思い出しては整理する。だが、時間が経つと、どこにしまっておいたか分からなくなる。次の乳歯が生えかわり、その次の乳歯が生えかわるときには、それまで保管しておいたはずの抜けた乳歯がどこにしまってあるのかわからなくなり、乳歯がちらばって収集されることになる、

また、仮に大きさも様式もほぼ同様の幾つかの箱を見つけてきて乳歯を収納したとしても、それらの箱は乳歯の収集のために特にデザインされたものではない。このため、箱の中に任意に収納しておくだけのものになってしまい、どの乳歯が前歯で、どの歯が後ろに位置するのか、本来の位置が分からなくなり、これを突き止めるには、大人が自身の歯の形状、位置などを考えて判断するしかない、結局、乳歯の収集用として不適格で、美観が感じられない、また収集する乳歯の歯茎における位置も判断しにくい。

この考案は、乳歯を歯茎上の位置に基づいて保管して、記念とすることのできる乳歯保管装置を提供することを課題とする。

また、この考案は、乳歯を保管するとともに、関連する情報を表示でき、また関連する情報を保管できる乳歯保管装置を提供することを課題とする。

そこで、本考案者は乳歯の保管に関して鋭意研究を重ねた結果、後端に設けた柔軟性を有する連結板を介して開閉自在に連結した上歯茎模型及び下歯茎模型と、筐本体と蓋体とを具え、該上歯茎模型及び下歯茎模型とを内部に設置する筐体と、によってなり、該上歯茎模型と該下歯茎模型に複数の植設孔を形成し、それぞれの該植設孔の位置に対応する人造乳歯を該植設孔に植設してなることを特徴とする乳歯保管装置によって課題を解決でできる点に着眼し、係る知見に基づいて本考案を完成させた。

以下この考案について説明する。請求項1に記載する乳歯保管装置は、後端に設けた柔軟性を有する連結板を介して開閉自在に連結した上歯茎模型及び下歯茎模型と、 筐本体と蓋体とを具え、該上歯茎模型及び下歯茎模型とを内部に設置する筐体と、によってなり、 該上歯茎模型と該下歯茎模型に複数の植設孔を形成し、それぞれの該植設孔の位置に対応する人造乳歯を該植設孔に植設してなる。

請求項2に記載する乳歯保管装置は、請求項1における筐本体内に仕切り板を一体に形成して、物品を収納する収納空間を形成する。

請求項3に記載する乳歯保管装置は、請求項1における植設孔に接着剤を充填して該人造乳歯を植設し、かつ植設した該人造乳歯を抜いて取り換えて保管する乳歯を該植設孔に植設して接着剤で接着する。

請求項4に記載する乳歯保管装置は、請求項1における筐体は、該筐本体と該蓋体とが背面側で開閉自在に連結して、開閉蓋を具える筐体を構成し、かつ該箱本体内に該下歯茎模型を設置する。

請求項5に記載する乳歯保管装置は、請求項1における上歯茎模型と該下歯茎模型とがPUによってなる。

請求項6に記載する乳歯保管装置は、請求項1における上歯茎模型と該下歯茎模型とがプラスチックによってなる。

請求項7に記載する乳歯保管装置は、請求項1における上歯茎模型と該下歯茎模型とがシリカゲルによってなる。

請求項8に記載する乳歯保管装置は、請求項4おける筐体が硬質のプラスチック材によってなり、かつ光透過性を具える。

請求項9に記載する乳歯保管装置は、請求項4における筐体が硬質のプラスチック材によってなり、かつ非透過性である。

請求項10に記載する乳歯保管装置は、請求項2における収納空間に収納する物品がソフトワックスによってなる接着剤である。

請求項11に記載する乳歯保管装置は、請求項2における収納空間に収納する物品がホットメルトによってなる接着剤である。

請求項12に記載する乳歯保管装置は、請求項1における筐体の該蓋体の上面に、磁石を設けた透明板を設けるとともに、該蓋体には該透明板の該磁石に対応する位置に磁石を設け、該蓋体の上面と該透明板との間に識別データを挟んで磁力で吸引して該透明板を固定する。

請求項13に記載する乳歯保管装置は、請求項4における筐本体内には、該下歯茎模型を設置して位置決めするために、凹溝状で、かつ該下歯茎模型の底面に沿った形状であって、該下歯茎模型の底面に比してやや面積の広い設置溝を形成して該下歯茎模型の底端部分を該設置溝18に嵌設する。

請求項14に記載する乳歯保管装置は、請求項2における収納空間が引き出し配設する空間である。

請求項15に記載する乳歯保管装置は、請求項4における蓋体と該筐本体の正面側の一端には、上下対応する位置に、互いに吸引する磁石をそれぞれ埋設し、該蓋体が筐本体上に、該磁力の吸引によって止まるようにする

この考案による乳歯保管装置の分解図である。

他の角度から見たこの考案による乳歯保管装置の分解図である。

図1に開示する乳歯保管装置の断面図である。

図1に開示する乳歯保管装置の斜視図である。

図1に開示する乳歯保管装置の他の斜視図である。

図1に開示する乳歯保管装置の使用態様を示した説明図である。

図1に開示する乳歯保管装置の使用態様を示した他の説明図である。

この考案は、乳歯を歯茎上の位置に基づいて保管して、記念とすることのできるとともに、関連する情報を表示でき、また関連する情報を保管できる乳歯保管装置を提供するものであって、後端に設けた柔軟性を有する連結板を介して開閉自在に連結した上歯茎模型及び下歯茎模型と、筐本体と蓋体とを具え、該上歯茎模型及び下歯茎模型とを内部に設置する筐体と、によってなり、該上歯茎模型と該下歯茎模型に複数の植設孔を形成し、それぞれの該植設孔の位置に対応する人造乳歯を該植設孔に植設してなる。係る乳歯保管装置の特徴を説明するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照にして以下に詳述する。

この考案による乳歯保管装置1は、蓋体13を具える筐体10と、上歯茎模型20と、下歯茎模型30と、複数の人造乳歯80、81を含んでなる。

上歯茎模型20は、下歯茎模型30の上に設け、それぞれ乳歯に対応する複数の植設孔21、22、23を形成する。また上歯茎模型20と下歯茎模型30とは後端に柔軟性を有する連結板14を設けて連結して、上歯茎模型20と下歯茎模型30とを開閉自在に設ける。

筐体10は、筐本体11と蓋体13とが背面側で開閉自在に連結して、開閉蓋を具える筐体を構成する。また、筐本体11内には、適宜な位置に仕切り板17を一体に形成し、仕切り板17と筐本体10の底面との間を収納空間15とする。図1に開示するように、収納空間15は引き出し16を配設する空間であって、引き出し16には、例えば乳歯の歯根に塗布する接着剤40、子供の画像データを保管するUSBメモリなどの記憶媒体41などの関連する物品を収納する。

筐本体11内には、下歯茎模型30を設置して位置決めするために、凹溝状で、かつ下歯茎模型30の底面に沿った形状であって、下歯茎模型30の底面に比してやや面積の広い設置溝18を形成して下歯茎模型30の底端部分を設置溝18に嵌設する。よって、下歯茎模型30と上歯茎模型20とは筐本体11の設置溝18の位置に設置される。この場合、上歯茎模型20は、後端が連結板14を介して下歯茎模型30に連結し、筐本体10とは直接接続しない。

筐体10は硬質のプラスチック材によってなり、光透過性であっても、非光透過性であってもよい。筐体10内に設置する上歯茎模型20と下歯茎模型30とは、PU、プラスチック、もしくはシリカゲルの内から選択する。

乳歯の歯根に塗布する接着剤40は、ソフトワックス、ホットメルト、PU、もしくはシリカゲルから選択される。

複数の人造乳歯80、81は、複数の植設孔21、22、23などの対応する孔に植設し、空の植設孔21、22、23などに埃が溜まって汚れることを防ぐようにする。また、乳歯60、61に取り換える前に、装飾用として植設孔21、22、23に補填しておく。

筐体10の蓋体13の上面には、透明板82を設ける。また、透明板82の周囲に磁石83を設けるとともに、蓋体13には透明板82の磁石83に対応する位置に磁石84を設ける。磁石83、84は互いに吸引し、その作用は後述の第7図に係る説明において述べる。

蓋体13と筐本体11の正面側の一端には、上下対応する位置に、互いに吸引する磁石85、86をそれぞれ埋設し、蓋体13が筐本体11上に、また筐体10に引き出し16が磁力の吸引によって止まるようにする。

図3に開示するように、上歯茎模型20と下歯茎模型30とに形成した植設孔21、22、23などの全ての植設孔には接着剤40を充填して人造乳歯80、81、もしくは取り換えた図2に開示する乳歯60、61を対応する植設孔21、31に植設して、緊密に接着する。

保管する乳歯80、81は、例えば図5に開示するように、蓋体13を開けた状態で、図6に開示するように上歯茎模型20と下歯茎模型30とを開けることができ、蓋体13を閉じた状態は図7に開示するとおりである。

人造乳歯80を保管する乳歯60に取り換える場合は、筐体10蓋体13を開けると上歯茎模型20の上面を露出させ、上歯茎模型20と下歯茎模型30とを開ける。次いで、取り換える対象の人造乳歯80を抜いて、空になった植設孔21に接着剤40を充填させ、乳歯60を植設して、緊密に接続する。乳歯60、61などは、それぞれ対応する位置の植設孔21、31などに逐一植設して緊密に接続する。次いで、上歯茎模型20と下歯茎模型30とを閉じて乳歯の植設、収集、整理を完成させる。

また、筐体10にシールを貼って記入をしてもよい。即ち、筐体10の内壁、もしくは外壁の適宜な位置に、収納する乳歯の持ち主である子供の名前、もしくは記念の標章が描かれたシール70を貼着する。よって、どの子供の乳歯を収集したのか識別することができ、記念性が増す。

さらに、蓋体13の上面の透明板82を取り外し、識別データ90を置いて、蓋体13の上面と透明板82との間に挟んでもよい。識別データ90は、例えば収集する乳歯の持ち主の子供の写真、子供の描いた絵、もしくは出生の記録などであって、透明板82は磁力で吸引されるため、識別データ90が固定される。

1 乳歯保管装置 10 筐体 11 筐本体 13 蓋体 14 連結板 15 収納空間 16 引き出し 17 仕切り版 18 設置溝 20 上歯茎模型 21 植設孔 22 植設孔 23 植設孔 30 下歯茎模型 31 植設孔 40 接着剤 41 記憶媒体 60 乳歯 61 乳歯 70 シール 80 人造乳歯 81 人造乳歯 82 透明板 83 磁石 84 磁石 85 磁石 86 磁石 90 識別データ