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コンピュータ、コンピュータで実行される方法、及びコンピュータプログラム、並びにフェイスボウ

申请号 JP2014027052 申请日 2014-02-14 公开(公告)号 JP2015150258A 公开(公告)日 2015-08-24
申请人 高橋 淳; 高橋 らら; 发明人 高橋 淳;
摘要 【課題】コンピュータ上に仮想咬合器のデータを作成するための、咬合器の作成不要な、安価で普及させやすい技術を提供する。 【解決手段】診断装置は、 位置 データ生成部224と結合部226を備える。位置データ生成部224は、アッパーボウとバイトフォークとを接続する接続部材の姿勢についての姿勢画像と、バイトフォークと患者の上顎歯列の位置関係を示す上部画像と、患者の上顎歯列と下顎歯列の位置関係を示す咬合画像とを用いて、第1位置データと第2位置データを生成する。結合部226は、モデル生成部223が生成した患者の上顎歯列と下顎歯列の3次元モデルを、第1位置データと第2位置データを用いて位置合せして、仮想咬合器を生成する。 【選択図】図7
权利要求

患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであり、患者に正確に取付けられたものの画像を用いて、仮想の咬合器のデータである仮想咬合器データを生成することができる、仮想咬合器データ生成装置であって、 上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、及び上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データを受付けるための、受付手段と、 前記受付手段から受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、前記受付手段から受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成手段と、 前記受付手段から受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成するとともに、前記受付手段から受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する、位置データ生成手段と、 前記モデル生成手段から、前記上顎歯列モデルデータと、前記下顎歯列モデルデータとを受取るとともに、前記位置データ生成手段から、前記第1位置データと、前記第2位置データとを受取り、生体における基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の相対的な位置関係を、前記第1位置データと、前記第2位置データを用いて、仮想基準面に対する上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置関係に再現するようにして、前記仮想咬合器データを生成する、連結手段と、 を備えている仮想咬合器データ生成装置。前記噛合わせ画像は、患者の上顎歯列と下顎歯列の噛合わせ部分を撮像した画像である、 請求項1記載の仮想咬合器データ生成装置。前記噛合わせ画像は、患者の上顎歯列と下顎歯列との間で咬合された、上顎歯列と下顎歯列の形状を印記できる印記用ペーストの画像である、 請求項1記載の仮想咬合器データ生成装置。前記接続手段は、複数の部材から構成されているとともに、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によってその位置関係が変化する複数の目印が適宜付されており、 前記位置データ生成手段は、姿勢画像データから得られる姿勢画像に映り込んだ前記目印から、前記接続手段の姿勢を検出するようになっている、 請求項1記載の仮想咬合器データ生成装置。前記接続手段は、複数の部材から構成されているとともに、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によって見え方が変化するようにして色彩が付されており、 前記位置データ生成手段は、姿勢画像データから得られる姿勢画像に映り込んだ前記色彩から、前記接続手段の姿勢を検出するようになっている、 請求項1記載の仮想咬合器データ生成装置。前記姿勢画像は複数の方向から撮像された複数の画像であるとともに、前記姿勢画像データは前記姿勢画像のそれぞれについてのものであり、前記姿勢画像と同数である、 請求項1、4又は5記載の仮想咬合器データ生成装置。患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであり、患者に正確に取付けられたものの画像を用いて、仮想の咬合器のデータである仮想咬合器データを生成することができる、コンピュータを有する仮想咬合器データ生成装置で実行される仮想咬合器データ生成方法であって、 前記コンピュータが実行する、 上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、及び上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データを受付ける、受付過程と、 前記受付過程で受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、前記受付過程で受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成過程と、 前記受付過程で受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成するとともに、前記受付過程で受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する、位置データ生成過程と、 前記モデル生成過程で生成された前記上顎歯列モデルデータ、及び前記下顎歯列モデルデータと、前記位置データ生成過程で生成された前記第1位置データ、及び前記第2位置データとにより、生体における基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の相対的な位置関係を、仮想基準面に対する上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置関係に再現するようにして、前記仮想咬合器データを生成する、連結過程と、 を含む、仮想咬合器データ生成方法。患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであり、患者に正確に取付けられたものの画像を用いて、仮想の咬合器のデータである仮想咬合器データを生成することができる、仮想咬合器データ生成装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、 前記コンピュータを、 上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、及び上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データを受付けるための、受付手段と、 前記受付手段から受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、前記受付手段から受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成手段と、 前記受付手段から受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成するとともに、前記受付手段から受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する、位置データ生成手段と、 前記モデル生成手段から、前記上顎歯列モデルデータと、前記下顎歯列モデルデータとを受取るとともに、前記位置データ生成手段から、前記第1位置データと、前記第2位置データとを受取り、生体における基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の相対的な位置関係を、前記第1位置データと、前記第2位置データを用いて、仮想基準面に対する上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置関係に再現するようにして、前記仮想咬合器データを生成する、連結手段と、 して機能させるためのコンピュータプログラム。患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであって、 前記接続手段は、複数の部材から構成されているとともに、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によってその位置関係が変化する複数の目印が適宜付されている、 フェイスボウ。患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであって、 前記接続手段は、複数の部材から構成されているとともに、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によって見え方が変化するようにして色彩が付されている、 フェイスボウ。患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置であって、 ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段と、 前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段と、 リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、 前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、 前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いた、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画手段と、 を備えている下顎運動記録装置。患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、コンピュータを含む下顎運動記録装置で実行される下顎運動記録方法であって、 前記コンピュータが実行する、 ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録する記録処理と、 前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付処理と、 リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付処理と、 前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定処理と、 前記第2受付処理で受付けた運動データと、前記記録処理で記録された後に読み出された仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いた、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画処理と、 を含む下顎運動記録方法。患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、 前記コンピュータを、 ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段、 前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段、 リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段、 前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段、 前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いた、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画手段、 として機能させるためのコンピュータプログラム。患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置であって、 ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段と、 前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段と、 リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、 前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、 前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像における下顎を、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いて、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる動画処理手段と、 を備えている下顎運動記録装置。患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、コンピュータを含む下顎運動記録装置で実行される下顎運動記録方法であって、 前記コンピュータが実行する、 ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録する記録処理と、 前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付処理と、 リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付処理と、 前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定処理と、 前記第2受付処理で受付けた運動データと、前記記録処理で記録された後に読み出された仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像における下顎を、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いて、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる動画処理と、 を含む下顎運動記録方法。患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、 前記コンピュータを、 ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段と、 前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段と、 リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、 前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、 前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像における下顎を、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いて、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる動画処理手段、 として機能させるためのコンピュータプログラム。

说明书全文

本発明は、歯科の医療分野で用いるコンピュータに関し、特にはフェイスボウと組合せて用いられるコンピュータに関する。

歯科の分野でフェイスボウが用いられている。例えば、歯科補綴治療、顎関節症咬合治療、咬合診断を行う場合に、フェイスボウが用いられる。最も一般的なフェイスボウは、例えば、頭蓋の基準面(例えば、頭蓋右側の眼窩下面と左右外道上縁とを結んだフランクフルト平面)と、上顎歯列或は上顎骨との相対的な度を含めた位置関係を測定し記録するためのものである。

フェイスボウは、おおまかに、患者の頭蓋の中に想定される解剖学的基準面との関係を一意に決定して患者の顔に固定できるようになっているアッパーボウと、患者の上顎歯列に対してその固定の状態を記録しつつ固定できるようになっているバイトフォークと、アッパーボウと、バイトフォークとを、相対的な位置と角度を任意に位置決めして、その位置と角度を記録しつつ固定することができる接続手段と、を備えて構成される。

フェイスボウには幾つかの種類がある。 ある種のフェイスボウのアッパーボウは、例えば、メガネ形状をしている。アッパーボウは、使用時に顔の前に位置するメガネであればフレームに相当する本体部と、本体部の両側に取付けられたメガネであればテンプルに当たるテンプル部とを備えている。テンプル部の先端は、内側に曲折されるなどしており、患者の外耳道に挿入できるようになっている。本体部のアッパーボウの使用時における顔に近い側には患者の任意の鼻根凹部に固定することのできる維持装置が取付けられている。テンプル部の先端の位置は、基準面に対して、例えば前後左右に移動できるようになっている。また、上述の鼻根凹部に固定する維持装置も、上述の基準面に対して例えば前後、上下に移動できるようになっている。 フェイスボウの使用時においては、テンプル部の両先端が患者の両外耳道に、維持装置を鼻根凹部に固定する。この状態で、アッパーボウの本体部が予め定められた姿勢(例えば、頭蓋の基準面に対して平行)になるように調節する。アッパーボウはテンプル部の両先端と棒の先端という3つの部位により、顔頭蓋に対して、もっと言えば解剖学的基準面に対して一意に位置決めされる。 バイトフォークは、歯列咬合面に相当するU字型をした板状体であり、その上面に、モデリングコンパウンドやバイトワックスなどの例えば硬化性の物質である印記用ペーストを塗布するなどして、上顎歯列の下面に固定される。印記用ペーストに印記された上顎歯列の下面の形状により、バイトフォークと上顎歯列の関係を記録できる。 接続手段は、例えば複数の球体関節により接続された棒状体によって構成されており、アッパーボウと、バイトフォークとを、相対的な位置と角度を任意に位置決めして固定することができるようになっている。球体関節と棒状体に所定の目盛を付すなどされており、ある姿勢を取った接続手段の姿勢(例えば、ある球体関節とそれに接続された棒状体の位置や角度)を記録することができるようになっている。 フェイスボウのアッパーボウは上述のように、基準面に対して一意に位置決めすることができる。接続手段の一端に接続されたバイトフォークは、その他端にアッパーボウが接続された接続手段が、その姿勢を録することができるようになっているので、間接的に、アッパーボウとの相対的な位置関係を記録できるようにされており、結果的に、基準面との相対的な位置関係を記録できるようにされている。そして、患者の上顎歯列の下面のバイトフォークに対する相対的な位置と角度は、印記用ペーストを介して記録できるようになっており、且つバイトフォークと基準面との相対的な位置関係は上述の如く記録できるようになっているので、結果として、基準面と患者の上顎歯列の位置と角度は、記録できることになる。 フェイスボウは、このようにして、個々の患者にユニークな、基準面と上顎歯列の相対的な位置関係を、角度を含めて記録する。

フェイスボウで測定された基準面と上顎歯列との相対的な位置関係についての記録は、一般に、咬合器にて利用される。咬合器には後述のように、患者の上顎歯列の模型と、下顎歯列の模型を組合せるが、そこに患者の生体における上顎歯列と、下顎歯列の噛合わせを再現させるために、上述の記録が使われるのである。このように、生体の患者の噛み合わせを咬合器に移す作業を一般に、フェイスボウトランスファーと称する。 咬合器は、頭蓋における上顎に相当する部材と下顎に相当する部材を備えている。頭蓋における上顎に相当する部材と下顎に相当する部材、は、生体における上顎と下顎と同様に開閉できるように構成されており、且つ上顎に相当する部材に、例えば患者の歯の型取りにより正確に再現された患者の上顎歯列の模型を、下顎に相当する部材に、患者の下顎歯列の模型を取付けられるようになっている。 この状態で、フェイスボウで計測された上述の基準面と上顎歯列の下面の位置関係を咬合器上で再現することにより、咬合器に、患者の生体における基準面と上顎歯列の相対的な位置関係を再現することができるようになっている。 なお、患者の上顎歯列の下面と下顎歯列の上面の相対的な位置関係は、例えばマウスピースやコンパウンドを用いる周知の方法で患者の噛合わせの記録を行うことにより再現できる。咬合器の上顎に相当する部材に取付けた患者の上顎歯列の模型の下面に対して、上述の記録を用いて、咬合器の下顎に相当する部材に取付けた患者の下顎歯列の模型の上面の位置決めを行えば、咬合器に取付けられた上顎歯列の模型と下顎歯列の模型と基準面の相対的な位置関係は、生体の患者における上顎歯列の下面と、下顎歯列の上面と基準面の相対的な位置関係を反映させたものとなる。

上述の如く、咬合器を用いれば、患者の上顎歯列と、下顎歯列の基準面に対する相対的な位置関係を、正確に、咬合器上に再現できる。歯科医は、咬合器に取付けられた上顎歯列の模型と、下顎歯列の模型を用いて、咬合診断を行い、或いは歯科補綴治療、顎関節症咬合治療を行うに先立って必要なシミュレーション(義歯の噛合わせのテスト等)を行う等することができるようになる。

以上に説明したように、フェイスボウで測定された上顎歯列の下面と、基準面との相対的な関係は一般に、咬合器に取付けられる上顎歯列と基準面との関係が、生体の患者における基準面と上顎歯列との関係を正確に再現できるようにするために用いられていた。言い換えれば、フェイスボウは、もっぱら咬合器を正確に使いこなすための咬合器に従属的な装置という位置づけであり、治療や診断のために咬合器は不可欠であるというのが古くからの歯科業界における常識であった。 しかしながら近年のコンピュータ技術、特には画像処理技術の進化により、コンピュータ上に仮想咬合器(言い換えれば、それは、噛合わせも含めた患者の上顎歯列と下顎歯列の3次元画像である。)を再現する試みがなされている。仮想咬合器を用いれば、患者の歯列の模型を作らなくても良いので、診断と治療のスピードを増すことができるし、また、ある患者の診断や治療に用いられた仮想咬合器のデータ(電子データ)を例えば歯科医同士で持ち合うこともできるので、便利である。

しかしながら、コンピュータ上で仮想咬合器を用いる技術はそれほど普及していない。その理由は仮想咬合器のデータをコンピュータ上に作成する適当な技術が存在しないという点にある。 仮想咬合器のデータを作成するための方法として、例えば、以下の2つの方法が知られている。 まず第1の方法であるが、第1の方法では、従来と同様、一旦咬合器を作成し、咬合器から測定された数値を、コンピュータに入することによって、仮想咬合器のデータが作られる。上述の数値は、例えば、上顎歯列の模型が取付けられる咬合器の上顎に相当する部材が、所定の基準となる点よりどれだけ前後、或いは上下に移動しているか、或いは上顎歯列の咬合面がどれだけ傾いているか、ということを示す数値である。 次に第2の方法であるが、この場合には咬合器を用いない。その代わりに、例えば、CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)撮像装置などで撮影した患者の頭部の3次元画像に、それとは別に3次元撮影した患者の上顎歯列と、下顎歯列の画像を合成することにより、仮想咬合器のデータを作るというものである。

しかしながら、上述の2つの方法をもってしても仮想咬合器のデータを用いての診断、治療が普及しない理由がある。 まず、第1の方法では、上顎歯列と下顎歯列のそれぞれの模型を作ることが必要であり、またそれらを用いて実際の咬合器を作ることが必要であるから、診断、治療のスピードを増すことができない。それどころか実際に咬合器を作るのであれば、仮想咬合器のデータを作ることは単に手間を増やすだけであるとの印象を歯科医に与えやすいから、歯科医に仮想咬合器のデータを利用することに対するモチベーションを与えにくい。 第2の方法では実際に咬合器を作ることはしないが、その代わりにCT撮像装置の如き患者の頭部の3次元撮影を行える装置が必要となる。そのような3次元撮影を行える装置は一般に非常に高価であり、歯科医院での普及率が高くない。したがって、そのような3次元撮影を行える装置の存在を前提とする第2の方法は、その普及が難しい。また、患者の頭部の3次元撮影は患者に放射線の被曝を強いることが殆どなので、患者のためにも好ましくない。

本願発明は、コンピュータ上に生体と仮想咬合器のデータを作成するための、実際に咬合器を作成することが不要な、安価で普及させやすい技術を提供することを、その課題とする。

上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。 本願発明は、患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであり、患者に正確に取付けられたものの画像を用いて、仮想の咬合器のデータである仮想咬合器データを生成することができる、仮想咬合器データ生成装置である。 本願発明の仮想咬合器データ生成装置は、上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、及び上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データを受付けるための、受付手段と、前記受付手段から受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、前記受付手段から受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成手段と、前記受付手段から受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成するとともに、前記受付手段から受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する、位置データ生成手段と、前記モデル生成手段から、前記上顎歯列モデルデータと、前記下顎歯列モデルデータとを受取るとともに、前記位置データ生成手段から、前記第1位置データと、前記第2位置データとを受取り、生体における基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の相対的な位置関係を、前記第1位置データと、前記第2位置データを用いて、仮想基準面に対する上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置関係に再現するようにして、前記仮想咬合器データを生成する、連結手段と、を備えている。

この仮想咬合器データ生成装置は、受付手段から入力された上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データと、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データとを用いて、仮想咬合器のデータである仮想咬合器データを生成する。具体的には、本願発明の仮想咬合器データ生成装置は、受付手段から受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、受付手段から受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成手段を備えている。この仮想咬合器データ生成装置では、モデル生成手段が生成した上顎歯列モデルデータに基づく上顎歯列モデルと、下顎歯列モデルデータに基づく下顎歯列モデルとを、仮想咬合器における、一般的な咬合器における上顎歯列の模型と下顎歯列の模型の代わりになるものとして用いる。それにより、この仮想咬合器データ生成装置を用いれば、上顎歯列の模型も、下顎歯列の模型も必要ない。 ここで、上顎歯列モデルと下顎歯列モデルとを用いて仮想咬合器データを生成するには、上顎歯列モデルと下顎歯列モデルとが角度を含めてどのような位置関係となるかを、患者の生体における上顎歯列と下顎歯列の角度を含む位置関係を正確に再現するようにして決定しなければならず、言い換えれば、上顎歯列モデルと下顎歯列モデルとを患者の上顎歯列と下顎歯列に対応するようにして、位置合わせしなければならない。 この仮想咬合器データ生成装置では、上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの上述の位置合わせを、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データと、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データと、上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データとを用いて行う。それを可能とするために、この仮想咬合器データ生成装置の受付手段は、上顎歯列画像データと下顎歯列画像データとの入力に加え、それらの位置合わせに用いられる上述の3種類のデータをも受付けられるものとされている。なお、本願発明の仮想咬合器データ生成装置で実行される処理は、概ねアッパーボウから現実の咬合器にフェイスボウトランスファーを行うときの手順に倣っているが、接続手段の姿勢を画像(より正確には、姿勢画像)で特定してしまうという点は、従来のフェイスボウトランスファーの考え方にはまったくない。かかる手法により、本願発明は、CT撮像装置のような高価な装置がなくとも、歯科医師に過大な労力を使わせることなく、簡単に仮想咬合器データを生成できるものとなる。 本願発明の仮想咬合器データ生成装置において、上述の位置合わせに用いられるデータを生成するのが、位置データ生成手段である。位置データ生成手段は、上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成する。第1データは、実際の咬合器では、基準面に対して上顎歯列の模型の位置を決定するための情報に相当する。位置データ生成手段は、また、咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する。第2位置データは、実際の咬合器では、上顎歯列の下面に対して下顎歯列の上面の位置を決定するための情報に相当する。 そして、本願発明の仮想咬合器データ生成装置では、連結手段が、第1データと第2データを用いて、上顎歯列モデルと、下顎歯列モデルの位置合わせを行うことにより、仮想咬合器データを生成する。 本願発明の仮想咬合器データ生成装置は以上のようなものなので、手軽に、安価に、仮想咬合器データを生成することができるという効果を得ることができる。つまり、本願の仮想咬合器データ生成装置によれば、仮想咬合器データを生成するに当たり、既に述べたように上顎歯列の模型と下顎歯列の模型の作成の必要がなく、また、頭部の3次元撮影を行うための高価な装置の導入を歯科医に強いることもないし、頭部の3次元撮影による被曝を患者に強いることもない。 なお、本願における上顎歯列画像、下顎歯列画像、上部画像、噛合わせ画像、姿勢画像はすべて、3次元画像であっても構わない。以下に説明する下部画像も同様に、3次元画像であっても構わない。

本願の仮想咬合器データ生成装置で用いられる前記噛合わせ画像は、上述したように、患者の上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像であるが、それは例えば、患者の上顎歯列と下顎歯列の噛合わせ部分を撮像した画像であっても構わないし、患者の上顎歯列と下顎歯列との間で咬合された、上顎歯列と下顎歯列の形状を印記できる印記用ペーストの画像であっても構わない。 いずれの画像を用いても、患者の上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を再現可能に記録することができる。 例えば、上顎歯列と下顎歯列の形状を印記できる印記用ペーストの画像を口腔外で撮像する場合は、汎用されている歯科技工用の3次元画像撮像装置を用いて、3次元画像である噛み合わせ画像を撮像することができる。例えば、姿勢画像の撮影のように、口腔外での撮像を行う場合も同様である。

バイトフォークをアッパーボウと接続する前記接続手段は、複数の部材から構成されている場合が多い。バイトフォークとアッパーボウの位置関係を決定する接続手段の姿勢は、姿勢画像に映り込んだ接続手段の状態から決定することができる。姿勢画像は1つの画像でなく複数であっても構わない。例えば、前記姿勢画像は複数の方向から撮像された複数の画像であるとともに、前記姿勢画像データは前記姿勢画像のそれぞれについてのものであり、前記姿勢画像と同数であっても良い。 接続手段が、複数の部材から構成されている場合、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によってその位置関係が変化する複数の目印が適宜付されていても良い。そのような接続手段がフェイスボウに採用されている場合には、前記位置データ生成手段は、姿勢画像データから得られる姿勢画像に映り込んだ前記目印から、前記接続手段の姿勢を検出するようになっていても良い。そうすることで、位置データ生成手段が姿勢画像から接続手段の姿勢を検出することが容易になる。 接続手段が、複数の部材から構成されている場合、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によって見え方が変化するようにして色彩が付されていても良い。そのような接続手段がフェイスボウに採用されている場合には、前記位置データ生成手段は、姿勢画像データから得られる姿勢画像に映り込んだ前記色彩から、前記接続手段の姿勢を検出するようになっていても良い。これによっても、位置データ生成手段が姿勢画像から接続手段の姿勢を検出することが容易になる。

本願発明者は、以上の仮想咬合器データ生成装置と同様の効果を得られる以下の方法をも提供する。 その方法は、患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであり、患者に正確に取付けられたものの画像を用いて、仮想の咬合器のデータである仮想咬合器データを生成することができる、コンピュータを有する仮想咬合器データ生成装置で実行される仮想咬合器データ生成方法である。 そしてこの方法は、前記コンピュータが実行する、上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、及び上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データを受付ける、受付過程と、前記受付過程で受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、前記受付過程で受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成過程と、前記受付過程で受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成するとともに、前記受付過程で受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する、位置データ生成過程と、前記モデル生成過程で生成された前記上顎歯列モデルデータ、及び前記下顎歯列モデルデータと、前記位置データ生成過程で生成された前記第1位置データ、及び前記第2位置データとにより、生体における基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の相対的な位置関係を、仮想基準面に対する上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置関係に再現するようにして、前記仮想咬合器データを生成する、連結過程と、を含む。

本願発明者は、以上の仮想咬合器データ生成装置と同様の効果を得られる以下のコンピュータプログラムをも提供する。 そのコンピュータプログラムは、患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウであり、患者に正確に取付けられたものの画像を用いて、仮想の咬合器のデータである仮想咬合器データを生成することができる、仮想咬合器データ生成装置として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。 そしてこのコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、前記バイトフォークと上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、前記接続手段の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、及び上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データを受付けるための、受付手段と、前記受付手段から受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、前記受付手段から受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する、モデル生成手段と、前記受付手段から受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における前記基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する前記上顎歯列モデルの位置についてのデータである第1位置データを生成するとともに、前記受付手段から受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、前記上顎歯列モデルに対する前記下顎歯列モデルの位置についてのデータである第2位置データを生成する、位置データ生成手段と、前記モデル生成手段から、前記上顎歯列モデルデータと、前記下顎歯列モデルデータとを受取るとともに、前記位置データ生成手段から、前記第1位置データと、前記第2位置データとを受取り、生体における基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の相対的な位置関係を、前記第1位置データと、前記第2位置データを用いて、仮想基準面に対する上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置関係に再現するようにして、前記仮想咬合器データを生成する、連結手段と、して機能させるためのものである。

本願発明者は、以上で説明した仮想咬合器データ生成装置と組合せて用いることのできる以下のフェイスボウをも本願発明の一態様として提案する。 その一例は、患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウである。そしてこのフェイスボウの前記接続手段は、複数の部材から構成されているとともに、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によってその位置関係が変化する複数の目印が適宜付されている。 その他の例は、患者の頭蓋における所定の基準面との相対的な角度を含めた位置関係を一意に定めた状態で患者の頭蓋に固定することができるアッパーボウと、硬化性の物質を塗布して患者の上顎歯列の下面に対して固定することができるバイトフォークと、前記アッパーボウ、及び前記バイトフォークの相対的な角度を含めた位置関係を任意に調節可能な接続手段と、を備えたフェイスボウである。そして、その接続手段は、複数の部材から構成されているとともに、前記部材には、それらの角度を含めた相対的な位置関係の変化によって見え方が変化するようにして色彩が付されている。

本願発明者はまた、以下のような下顎運動記録装置をも提案する。 その一例は、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置である。 そしてこの下顎運動記録装置は、ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段と、前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段と、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いた、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画手段と、を備えている。 下顎は、ヒンジ様の顎関節を中心とした頭蓋に対する回転運動だけでなく、頭蓋に対して、前後、左右に動くため、患者の噛み合わせをより精度よく再現するには、下顎運動を記録することが好ましい。そのような点から、患者の下顎運動を記録する試みがなされている。そしてそのために、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置が用いられている。もっとも汎用的な下顎運動記録装置は、患者の頭蓋に想定される基準面に対して一意に固定されるフラッグと、患者の下顎歯列に対して固定されるアンダーボウに設けられたスタイラスとを用いて、下顎の動きに従って動くスタイラスとフラッグの相対的な位置関係から、下顎の頭蓋の運動を検出するようになっている。 しかしながら、下顎の頭蓋に対する運動である下顎運動を、例えば、フラッグとスタイラスとを用いて検出し、そのデータを記録したとしても、それを実際の咬合器上で再現することは大変難しい。下顎運動を再現するための道具として、一般的には、左右顎関節による下顎運動の軌跡を、左右それぞれの下顎頭中心位から約12ミリ前方位までの角度と、その軌跡の曲線を任意の複数種類のバリエーションで設定した半調節性咬合器が用いられているが、上述の曲線は多数の人間から算出した平均値でしかないので、それにより再現される下顎運動は各患者にユニークなそれを、正確に写しとったものとは言い難い。また同様にコンピュータ上の仮想咬合器であっても、生体の下顎運動を再現するための適当な手法も存在しない。 本願の下顎運動記録装置は、第2受付手段で受付けた運動データと、記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画手段を備えている。かかる描画手段が描画を行った仮想咬合器の3次元画像を、例えば下顎運動記録装置に接続されたディスプレイに表示させることによって、それを見た歯科医師は、下顎運動検出装置が検出した患者の下顎運動を、直感的に、正確に把握できるようになる。もっとも、上述のマークの位置が正確でないと、歯科医師の把握した患者の下顎運動が正確であることが保証されない。それを、この下顎運動記録装置では、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、により担保している。ある瞬間におけるリファレンス画像により特定される下顎の位置を、仮想咬合器における下顎歯列のリファレンスポジション(初期位置、或いは基準位置)として用いることで、時間的に連続して入力される運動データにより仮想咬合器の画像に順次付されていくマークの位置の調整を行うことができる。リファレンス画像は、例えば、患者の頭部或いは基準面に対する下顎(或いは下顎歯列)の相対的な位置を把握できる画像であれば良く、患者の下顎歯列と上顎歯列とが写り込んだ画像、或いは患者の下顎歯列と患者の頭部とが写り込んだ画像、下顎運動記録装置が後述するようなアッパーボウとローワーボウを含んでいるのであれば、それらの相対的な位置関係を特定できるような画像、がその一例となる。 この下顎運動記録装置と同様の効果を、例えば以下の方法によって得ることもできる。 その方法は、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、コンピュータを含む下顎運動記録装置で実行される下顎運動記録方法である。 そしてこの方法は、前記コンピュータが実行する、ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録する記録処理と、前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付処理と、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付処理と、前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定処理と、前記第2受付処理で受付けた運動データと、前記記録処理で記録された後に読み出された仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いた、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画処理と、を含む。 上述の下顎運動記録装置と同様の効果を、例えば以下のコンピュータプログラムによって得ることもできる。 そのコンピュータプログラムは、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。 そしてそのコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段、前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段、前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段、前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像上に、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いた、患者の下顎運動を示すマークを書込む描画手段、として機能させる。

下顎運動記録装置の他の例として、本願発明者は、以下のような発明を提案する。 この下顎運動記録装置は、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、下顎運動記録装置である。 そしてこの下顎運動記録装置は、ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段と、前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段と、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像における下顎を、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いて、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる動画処理手段と、を備えている。 この下顎運動記録装置は、上述の下顎運動記録装置が仮想咬合器の画像上にマークを書込む描画手段を備えていたのに対し、描画手段に代えて、仮想咬合器の画像において下顎を、アニメーションにより下顎運動させる動画処理手段を備えている。動画処理手段が生成したデータに基づく仮想咬合器のアニメーションによる動画を、例えば下顎運動記録装置と接続されたディスプレイ上に表示させ、歯科医師にそれを見せることにより、歯科医師は、下顎運動検出装置が検出した患者の下顎運動を、直感的に、正確に把握できるようになる。もっとも、アニメーションする仮想咬合器の画像上の下顎の位置が正確でないと、歯科医師の把握した患者の下顎運動が正確であることが保証されない。それを、この下顎運動記録装置では、上述の下顎運動記録装置の場合と同様の方法で、リファレンス画像を用いて保証している。 この下顎運動記録装置と同様の効果を、例えば以下の方法によって得ることもできる。 その方法は、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる、コンピュータを含む下顎運動記録装置で実行される下顎運動記録方法である。 そしてその方法は、ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録する記録処理と、前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付処理と、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付処理と、前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定処理と、前記第2受付処理で受付けた運動データと、前記記録処理で記録された後に読み出された仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像における下顎を、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いて、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる動画処理と、を含む。 上述の下顎運動記録装置と同様の効果を、例えば以下のコンピュータプログラムによって得ることもできる。 そのコンピュータプログラムは、患者の下顎の運動である下顎運動によって変化する、患者の下顎の頭蓋に対する位置を測定するとともに、患者の下顎の頭蓋に対する位置についてのデータである運動データを出力する出力手段を有する下顎運動検出装置と組合せて用いられる下顎運動記録装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。 そして、そのコンピュータプログラムは、前記コンピュータを、ある患者の仮想咬合器についてのデータである仮想咬合器データを記録した記録手段と、前記出力手段から、前記運動データを受付ける第2受付手段と、リファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータを受付ける第3受付手段と、前記第3受付手段で受付けたリファレンス画像データに基づくリファレンス画像が撮像された時点における患者の下顎の位置を、前記運動データから特定するリファレンスポジション特定手段と、前記第2受付手段で受付けた運動データと、前記記録手段から読出した仮想咬合器データとに基づいて、前記仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の3次元画像における下顎を、前記リファレンスポジション特定手段で特定された下顎の位置をリファレンスポジションとして用いて、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる動画処理手段、として機能させる。

一実施形態によるフェイスボウの全体構成を示す斜視図。

図1に示したフェイスボウに含まれるアッパーボウの構成を示す斜視図。

図1に示したフェイスボウの接続部材の一部の拡大斜視図。

図2に示したアッパーボウと組合せて用いられるアンダーボウの構成を示す斜視図。

一実施形態における診断装置の外観を示す斜視図。

図5に示した診断装置の本体のハードウエア構成図。

図5に示した診断装置の本体の内部に生成される機能ブロックを示すブロック図。

以下、本発明の好ましい一実施形態を説明する。 まず、この実施形態において使用されるフェイスボウ100について説明する。 フェイスボウ100は、仮想咬合器のデータである仮想咬合器データを作成するときに使われる。また、フェイスボウ100は、仮想咬合器データを利用して患者の下顎運動を記録するときにも使われる。フェイスボウ100は、これら2つの場合に使われるが、それぞれの場合でその態様が異なる。

まず、仮想咬合器データの作成に用いられる場合におけるフェイスボウ100について説明を行う。その場合のフェイスボウ100は、図1、図2の斜視図に示したように構成されている。

この場合のフェイスボウ100は、フェイスボウトランスファーに用いられる公知のフェイスボウと同様に、アッパーボウ110、バイトフォーク120、及びアッパーボウ110とバイトフォーク120とを接続する接続部材130を備えている。この実施形態のフェイスボウ100は、基本的には、公知の一般的なもので良いが、後述するようにその接続部材130に印が付されるか、色彩が付されている点で、公知のフェイスボウとは異なる。

アッパーボウ110は、患者の頭部に対する角度も含めた位置調整が可能となっており、患者の頭部に、患者の頭部に想定される所定の基準面との位置関係を一意に決定した状態で固定可能とされている。 これには限られないが、この実施形態で説明するアッパーボウ110は、全体として、メガネ様の構成をしている。アッパーボウ110は、メガネのフレーム様の形状をした本体部111を備えている。本体部111は、レンズは入ってはいないが、メガネのフレームに相当するこれには限らないが円環状とされた左右2つのフレーム部111Aと、両フレーム部111Aを繋ぐブリッジ部111Bと、両フレーム部111Aの外側から平に伸びる智111Cと、を備えて構成されている。 ブリッジ部111Bには、その内周面にネジ切りのされた図示せぬ孔が穿たれており、その孔には、ネジ111B1を螺合させられるようになっている。 智111Cには、その長さ方向の略全長にわたる孔である長孔111C1が設けられている。

この実施形態のアッパーボウ110では、フレーム部111Aの一方、これには限られないが、左側のフレーム部111Aの下部には、取付部111Dが取付けられている。取付部111Dにはそれを上下に貫通するネジ111Eが取付けられており、ネジ111Eの下端には、支持ブロック112が取付けられている。支持ブロック112は、ネジ111Eを回転させることで、ネジ111Eを軸として回転できるようになっている。もっともこの回転はある程度大きな力を加えない限り生じないようにされている。 支持ブロック112は、位置決め棒113を固定するためのものである(図2。なお、図1では、支持ブロック112と位置決め棒113の記載を省略している。)。支持ブロック112には前後方向にわたる孔(図示を省略。)が穿たれている。支持ブロック112には、また、それを前後方向に貫く上述の孔に対して垂直なその内周面にネジ切りのされた孔(図示を省略。)が穿たれており、その孔にはネジ112Aが螺合されている。位置決め棒113は、フェイスボウ100の使用時に概ね水平を保つ水平部113Aと、フェイスボウ100の使用時に概ね垂直を保つ垂直部113Bとからなる。垂直部113Bの上端はフェイスボウ100の使用時において、患者の鼻に対して押し当てられる位置決め用の球体113B1がその上端に取付けられている。位置決め棒113は、その水平部113Aを支持ブロック112を前後に貫く上述の孔に挿入されている。位置決め棒113の水平部113Aは、孔の中を前後に移動できるように、且つその中心を軸として軸周りに回転できるようにされている。水平部113Aは、回転させることにより締められたネジ112Aの先端と当接するようにされている。回転させることによりネジ112Aを締めると、水平部113Aは、支持ブロック112を前後方向に貫く上述の孔の内面とネジ112Aとの間で挟持され、任意の前後方向の位置、及び任意のその軸周りの角度を保ったまま、支持ブロック112に対して固定できるようになっている。ネジ112Aを緩めれば、当然その固定は解除される。 支持ブロック112が取付部111Dに対して略水平方向で回転可能であることも考慮すれば、位置決め棒113の垂直部113Bは、支持ブロック112を中心に水平方向で回転することができ、また支持ブロック112に対して前後動することができ、またその軸周りに回転できることになる。

智111Cには、一般的なメガネのテンプルと同様に、フェイスボウ100の使用時には患者の両耳にかけられるテンプル114が取付けられている。テンプル114は、智111C寄りの前テンプル部114Aと、前テンプル部114Aに取付けられた後テンプル部114Bとからなる。 前テンプル部114Aの前面には、図示を省略のその内周面にネジ切りのされた穴がテンプル114の長さ方向に向けて穿たれている。智111Cに設けられた長孔111C1は、ネジ114A1に貫かれており、且つネジ114A1の先端は前テンプル部114Aの前面に穿たれた上述の孔に螺合されている。ネジ114A1が緩められた状態では、ネジ114A1と前テンプル部114Aは(要するに、テンプル114は)、長孔111C1に沿って略水平方向に移動できるようになっている。ネジ114A1を回転させて締めると、智111Cは、ネジ114A1の前側に設けられた頭部の後面と前テンプル部114Aの前面との間で挟持された状態となる。つまり、テンプル114は、智111Cの長さ方向に沿って移動可能であり、任意の位置で智111Cに固定することができる。 後テンプル部114Bは、前テンプル部114Aに対して前後動することができるようになっており、それによりテンプル114の全長が変化させられるようになっている。後テンプル部114Bを前テンプル部114Aに対して前後させられるようにするための機構としてはどのようなものを採用しても構わないが、この実施形態ではいわゆるラック・アンド・ピニオン構造を採用している。図示を省略するが、前テンプル部114Aには前テンプル部114Aの長さ方向に沿うラックが内蔵されており、また、後テンプル部114Bに取付けられたネジ114B1にはこれも図示を省略するがピニオンが取付けられている。ネジ114B1を回転させることにより、ラックと噛み合ったネジ114B1がラックに対して前後動するので、後テンプル部114Bが前テンプル部114Aに対して前後動する。

後テンプル部114Bには、フラッグ115が着脱自在として取付けられている。フラッグ115は、後述するスタイラスとの協働により、下顎運動を記録する際に用いられる後述のフェイスボウを、本願発明における下顎運動検出装置として機能させるための主な機能を有する。 フラッグ115は面状のセンサ部115Aとそれを囲む枠115Bとから構成されている。フラッグ115は、ネジ115Cを介して後テンプル部114Bに対してネジ止めすることにより、後テンプル部114Bに対して着脱自在に固定できるようになっている。センサ部115Aは、後述するスタイラスの針状部に接触された部位を検出し、その部位についての運動データを略実時間で連続的に出力できるようになっている。フラッグ115は、ケーブル115Dと接続されており、その先端は後述するコンピュータと接続されるようになっている。運動データは、ケーブル115Dを介してコンピュータに送られるようになっている。

バイトフォーク120は、フェイスボウ100の使用時において、患者の上顎歯列の下面に固定されるものである。バイトフォーク120は、患者の上顎歯列の下面に固定されるバイトフォーク本体121と、バイトフォーク本体121と接続部材130の下端の固定をなす、接続部122とを備えている。接続部122は板状体であり、図示を省略の孔が穿たれている。 バイトフォーク本体121と上顎歯列の下面との固定は、公知の方法で、例えば、モデリングコンパウンドをバイトフォーク本体121の上面に塗布し、バイトフォーク本体121を上顎歯列の下面に押し付けることによって行う。

接続部材130は、アッパーボウ110と、バイトフォーク120とを接続するためのものである。接続部材130は、上部材131、下部材132、中間部材133からなる。 上部材131は、上取付部131A、上接続棒131B、及びボール131Cからなる。上取付部131Aは、アッパーボウ110との固定を行うためのものである。上取付部131Aには図示を省略の孔が穿たれている。上取付部131Aは、その孔を上述したブリッジ部111Bの孔に対応させた状態で、上取付部131Aの孔を貫通させたネジ111B1の先端をブリッジ部111Bの孔に螺合させ締め付けることにより、アッパーボウ110に固定される。上接続棒131Bは、上取付部131Aとボール131Cとを接続する。ボール131Cは、金属製の球体である。 下部材132は、下取付部132A、下接続棒132B、及びボール132Cからなる。下取付部132Aは、バイトフォーク120との固定を行うためのものである。下取付部132Aには、その内周面にネジ切りのされた図示を省略の孔が穿たれている。下取付部132は、その孔を上述した接続部122の孔に対応させた状態で、接続部122の孔を貫通させたネジ132B1の先端を、下取付部132Aの孔に螺合させ締め付けることにより、バイトフォーク120に固定される。下接続棒132Bは、下取付部132Aとボール132Cとを接続する。ボール132Cは、金属製の球体である。 中間部材133は、上部材131と、下部材132との中間に入り、両者を連結するものである。中間部材133は、同軸に配置された、共に円筒形の第1部材133Aと第2部材133Bを備えている。第1部材133Aには、上部材131のボール131Cを受けるための受け穴133A1を備えた上受け部133A2が設けられている。第2部材133Bには、下部材132のボール132Cを受けるための受け穴133B1を備えた下受け部133B2が設けられている。上受け部133A2の受け穴133A1と、ボール131Cは、それらの組合せによりボールジョイントをなし、下受け部133B2の受け穴133B1と、ボール132Cは、それらの組合せによりボールジョイントをなす。第1部材133Aと第2部材133Bは、それらの共通の軸周りに相互に回転できるようになっている。また、第2部材133Bには、レバー134が接続されている。レバー134は、その回転により、上受け部133A2の受け穴133A1に対するボール131Cの回転と、下受け部133B2の受け穴133B1に対するボール133Cの回転と、第1部材133Aと第2部材133Bの相互の回転を許容する状態とするか、それらを許容しない状態とするかを決定できるものである。レバー134を緩めると、2つのボールジョイントはフリーとなるとともに、第1部材133Aと第2部材133Bの相互の回転が許容され、レバー134を締め付けると、2つのボールジョイントはロックされるとともに、第1部材133Aと第2部材133Bも互いにロックされ相互に回転できない状態となる。 アッパーボウ110と、バイトフォーク120は上述のようにして、接続部材130によって互いに接続される。そして、その接続部材130は、2つのボールジョイントを持ち、また、第1部材133Aと第2部材133Bの間での相互の回転が許容されているので、アッパーボウ110と、バイトフォーク120の角度を含む位置関係は、自由に調節でき、且つその位置関係を固定することも可能となる。

接続部材130には、上述のように印が付されるか、さもなくば色彩が付されるか、或いはその双方が付されている。 印、或いは色彩は、複数の部材から構成される接続部材130の姿勢、言い換えれば、受け穴133A1に対するボール131Cの位置関係、受け穴133B1に対するボール132Cの位置関係、及び第1部材133Aと第2部材133Bの相互の位置関係を、それらが個別に映り込んだ複数の画像か、或いはそれらがすべて映り込んだ1つの画像等のそれらが映り込んだ画像から把握できるようにするためのものである。 それらの位置関係が一意に決定されれば、接続部材130の上取付部131Aとアッパーボウ110のブリッジ部111Bとの位置関係が常に決まっており(これらはネジ111B1を軸として相互に回転できるが、それらの相互の位置を必ず一定の位置にするものとする。)、且つ接続部材130の下取付部132Aとバイトフォーク120の接続部122の位置関係が常に決まっている(これらはネジ132B1を軸として相互に回転できるが、それらの相互の位置を必ず一定の位置にするものとする。)ことが前提となるが、アッパーボウ110とバイトフォーク120の角度も含めた相対的な位置関係も一意に決定される。印、或いは色彩は、接続部材130の画像である姿勢画像から、アッパーボウ110とバイトフォーク120の相対的な位置関係を簡単に把握できるようなものとする。 なお、接続部材130の上取付部131Aとアッパーボウ110のブリッジ部111Bとの位置関係と、接続部材130の下取付部132Aとバイトフォーク120の接続部122の位置関係を、必ず一定の位置にしないのであれば、姿勢画像はそれらの位置関係をも把握できるように写す必要がある。

例えば、印を用いる場合であれば、図4に示したように、上部材131のボール131Cに、上接続棒131Bを中心とする、同心円M1(地球で言う緯度線と同様の線)を複数書込むとともに、上接続棒131Bを中心とする放射状の線M2(地球でいう経度線と同様の線)を複数書き込み、且つそれらの間隔を変えるとか、それらの線の太さを変える、或いはそれら線のうちそれらを区別するのに必要な部分に、それら線を特定する記号(例えば数字やアルファベット)を書込むとともに、上受け部133A2の受け穴133A1の周囲にボール131Cに書き込まれた上述の線と上受け部133A2との相対的な位置関係を明確にするための印M3を適当な数打っておけば良い。下部材132のボール132Cと、下受け部133B2にも同様の印を書込むことができる。また、中間部材133においては、同軸に配置された第1部材133Aと第2部材133Bの角度のみが問題となるので、その一方の外側面にメモリを、他方の外側面にそのメモリの基準となる例えば矢印を書き込んでおくことで、それらの例えば上接続棒131Bと下接続棒133Bがなす角を捉えることができる。以上のような印を接続部材130に付しておけば、姿勢画像から、接続部材130の姿勢が簡単に明らかになるから、姿勢画像から、アッパーボウ110とバイトフォーク130の角度も含めた相対的な位置関係を簡単に把握できるようになる。

色彩を用いる場合であれば、上部材131のボール131Cに、例えば、その経度方向で色相が、その緯度方向で明度が連続的に変化するように色を付するとともに、上受け部133A2の受け穴133A1の周囲に、例えば、その明度が連続的に変化するような(例えば、白から黒まで連続的に色彩が変化するような)無彩色の色を付せば良い。下部材132のボール132Cと、下受け部133B2にも同様に色を付すことができる。また、中間部材133においては、同軸に配置された第1部材133Aと第2部材133Bの一方の外側面にその明度が周方向に連続的に変化するような無彩色の色を付すとともに、その他方の外側面に上述の場合と同様の矢印を記しておくか、さもなくば矢印と同様の役割を果たすことができるように、第1部材133Aと第2部材133Bの一方に付されたのと同様の色を付しておけば良い。そうしておけば、姿勢画像から、接続部材130の姿勢が簡単に明らかになるから、姿勢画像から、アッパーボウ110とバイトフォーク120の角度も含めた相対的な位置関係を簡単に把握できるようになる。

次いで、下顎運動の記録の際に用いられる場合におけるフェイスボウについて説明を行う。この場合のフェイスボウとしては、例えば、白水貿易株式会社が輸入販売を行っている下顎運動検出装置である「キャディアックス(商標) コンパクト2(医療機器認証番号 221AGBZX00099000)」を用いることができる。 この場合のフェイスボウは、仮想咬合器データを生成するときに用いられる上述のフェイスボウ100のアッパーボウ110と、以下に説明するアンダーボウ140とを用いる。両者は互いに接続されていない。上述のフェイスボウ100における接続部材130と、バイトフォーク120は、このフェイスボウには用いられない。

前棒141は棒状体である。 連結部材143は、前棒141を貫通させる図示を省略の孔を備えている。連結部材143にはその内周面にネジ切りのされた孔が穿たれており、その孔にはネジ143Aが螺合されている。ネジ143Aを緩めた状態では連結部材143は前棒141の長さ方向に沿って移動でき、且つ前棒141を軸として回転することができる。他方、ネジ143Aを締めると、ネジ143Aの先端が前棒141に固定され、前棒141の長さ方向における位置と、前棒141に対する角度が固定された状態で維持される。 連結部材143は、また、横棒142を貫通させるための管143Bを備えている。横棒142は、管143Bを貫通した状態で、連結部材143に取付けられている。連結部材143にはまた、その内周面にネジ切りのされた図示せぬ孔が穿たれており、その孔にはネジ143Cが螺合している。ネジ143Cを緩めると横棒142は管143の長さ方向に移動できるようになるとともに、その軸周りに回転できるようになり、ネジ143Cを締めると横棒142は管143Bに固定される。 上述のように、連結部材143は、前棒141の長さ方向における位置と、前棒141に対する角度が可変であるので、連結部材143から横棒142の後端までの長さが可変であることも合わせると、後述する下バイトフォークから見た場合における、横棒142の後端の位置は、縦横高さの全てにおいて、自由に位置決めできることになる。

横棒142の後端には、スタイラス144が取付けられている。 スタイラス144は、アッパーボウ110に取付けられる上述のフラッグ115と接触して、上述した運動データを生成するものである。上述のように、下バイトフォーク145から見た場合における、横棒142の後端の位置は、縦横高さの全てにおいて、自由に位置決めできる。横棒142後端の位置を適当に位置決めすることで、患者が咬合を普通に行っているときに、スタイラス144がフラッグ115のセンサ部115Aの適当な位置(例えばフラッグ115の中心)に位置するように位置決めを行う。 スタイラス144は、スタイラス本体144Aと、針状部144Bとが含まれる。スタイラス本体144Aには、ケーブル144A1が接続されている。また、針状部144Bは、スタイラス本体144Aに内蔵された図示を省略の弾性体から、その先端に向けて適度な弾性力を与えられている。それにより、スタイラス本体144Aから、フラッグ115のセンサ部115Aまでの距離が多少変化したとしても、針状部144Bは一定範囲の適当な圧力でその先端がセンサ部115Aに押し付けられた状態となる。また、スタイラス本体144Aの内部には、スタイラス本体144Aに対する針状部144Bの相対的な位置を測定することのできる図示を省略のセンサが内蔵されている。このセンサにより、事実上、スタイラス本体144Aから、フラッグ115のセンサ部115Aまでの距離が測定される。センサで測定されたその距離に関するデータは、上述のケーブル144A1を介して、スタイラス本体144Aから出力されるようになっている。 このデータは、フラッグ115からケーブル115Dを介して出力されるデータと同期されている。この実施形態では、これら2つのデータを合わせたものが、患者の下顎運動を表す本願発明における運動データとなる。フラッグ115から出力されるデータが、フラッグ115の検出面115A上の縦横に相当するXY軸に沿う下顎の位置を示し、スタイラス144から出力されるデータは、フラッグ115の検出面115Aに垂直なZ軸に沿う下顎の位置を示すものとなる。

アンダーボウ140は、下バイトフォーク145を備えている。下バイトフォーク145は、前棒141に固定された固定板145Aにその基端を固定された固定棒145Bの先端に固定されている。下バイトフォーク145は、その下面を患者の下顎歯列の上面に固定される。その固定は例えば、下バイトフォーク145に維持する様に即時重合レジン等を置いて下顎歯列歯牙頬側に面圧接することによって下顎歯列に適合した状態で重合し、歯牙頬側軸面に適合させた、下バイトフォーク145を下顎運動を干渉する事が無い下顎歯列の頬側面に瞬間接着剤等で固定する等の一般的な方法で行う。

次に、この実施形態における、診断装置について説明する。この診断装置は治療にも用いるものであるが、簡単のため以下、単に診断装置と称するものとする。 この診断装置は、本願発明における仮想咬合器データ生成装置と、下顎運動記録装置の機能を併せ持つ。もっともそれら機能を別の装置として実現可能なことは当然であろう。

診断装置200は、図5に示したようなものであり、事実上コンピュータ、例えば、一般的なパーソナルコンピュータによって構成される。

診断装置200は、コンピュータである本体210と、入力装置220と、ディスプレイ230とを含んでいる。 入力装置220は、ユーザである歯科医師等が本体210に対して入力を行うための機器である。これには限られないが、この実施形態における入力装置220は、例えば、汎用のキーボード、マウスなどを含んでいる。 ディスプレイ230は、汎用のものでよく、例えば液晶ディスプレイであり、或いはCRTディスプレイである。

次に、本体210の構成について説明する。 本体210は、その内部に、図6に示したようなハードウエアを備えている。本体210は、この実施形態では、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、HDD(Hard disc drive)214、インタフェイス215、及びこれらを接続するバス216を備えている。 CPU211は、本体210全体の制御を行う。CPU211は、プログラムを実行することで、以下に説明するような種々の処理を実行する。 ROM212は、CPU211を動作させるためのプログラム、本体210を制御する際に必要なデータなどを記憶している。 RAM213は、CPU211がデータ処理を行うためのワーク領域を提供する。 HDD214もまた、CPU211を動作させるためのプログラム、データを記録している。例えば、CPU211を動作させるためのOSがHDD214に記録されている。本発明のプログラムは、ROM212か、或いはHDD214に記録されている。なお、本発明のプログラムは、本体210の出荷時から本体210にインストールされていてもよく、本体210の出荷後に、例えばユーザにより本体210にインストールされたものであっても構わない。本体210の出荷後にインストールされる場合、本発明のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体から本体210に記録されてもよく、また、インターネット等の所定のネットワークからのダウンロードを経て本体210に記録されたものであってもよい。本発明のプログラムは、それ単独で後述する処理をCPU211に実行させるものとなっていてもよく、OSその他の他のプログラムとの協働により後述の処理をCPU211に実行させるものとなっていても構わない。 インタフェイス215は、CPU211、ROM212、RAM213、HDD214と外部とを繋ぐ窓口となるものであり、CPU211、ROM212、RAM213、HDD214は、必要に応じて、インタフェイス215を介して外部とデータ交換を行えるようになっている。本体210は後述のように、姿勢画像データその他の画像データを外部機器(例えば、3次元画像撮像カメラ)、或いは画像データを記録した記録媒体から受付けられるようになっている必要がある。画像データは、有線、或いは無線のネットワークを介して外部機器等からインタフェイス215が受付けるようになっていても構わない。それを可能とするように、インタフェイス215は、例えば、本体210に設けられた図示を省略のUSB端子と接続されており、USBケーブルとその一端が接続された3次元画像撮像カメラから、USBケーブルと、USBケーブルとその他端を接続されたUSB端子を介して、画像データを受付けられるようになっている。或いは、インタフェイス215は、DVD、メモリカード等の所定の記録媒体からデータを読み込むことができるリーダを備えており、そのリーダに入れられた画像データを記録した記録媒体から、画像データを受付けるようになっている。

プログラムをCPU211が実行することにより、本体210の内部には、図7に示した如き機能ブロックが生成される。なお、上述したように、この診断装置は、本願発明でいう仮想咬合器データ生成装置と、下顎運動記録装置とを兼ねている。したがって、この実施形態におけるプログラムは、例えば汎用のコンピュータを、仮想咬合器データ生成装置と、下顎運動記録装置の双方として機能させるものとなっている。もっとも、あるコンピュータを仮想咬合器データ生成装置としてのみ機能させ、またそれとは別のコンピュータを下顎運動記録装置としてのみ機能させる場合には、それぞれのコンピュータにインストールされるべきプログラムは、それに必要な機能をコンピュータに与えるものであれば足りるのは、当業者には当然理解できることであろう。

この実施形態では本体210の中には、受付部221、制御部222、モデル生成部223、位置データ生成部224、フェイスボウデータ記録部225、結合部226、仮想咬合器データ記録部227、表示制御部228、リファレンスポジション決定部229、及び下顎運動画像データ生成部230が生成される。 あるコンピュータを仮想咬合器データ生成装置としてのみ機能させる場合には、そのコンピュータの本体210の中には、受付部221、制御部222、モデル生成部223、位置データ生成部224、フェイスボウデータ記録部225、結合部226、仮想咬合器データ記録部227、及び表示制御部228があれば足りる。 また、あるコンピュータを下顎運動記録装置としてのみ機能させる場合には、そのコンピュータの本体210の中には、受付部221、制御部222、仮想咬合器データ記録部227、表示制御部228、リファレンスポジション決定部229、下顎運動画像データ生成部、及び下顎運動画像データ生成部230があれば足りる。

受付部221は、外部から入力されるデータをインタフェイス215を介して受付けるものである。受付部221は、本願でいう受付手段、第2受付手段、及び第3受付手段を兼ねる。 受付部221が受付けるデータとしては、例えば、入力装置220から受付ける後述するデータ、或いは外部機器又は記録媒体から受付ける画像データがある。受付部221が受付ける画像データとしては、患者の上顎歯列の画像である上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データ、患者の下顎歯列の画像である下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データ、患者の上顎歯列にバイトフォーク120が固定された状態で撮像された、バイトフォーク120と上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である上部画像のデータである上部画像データ、接続部材130の姿勢を示す画像である姿勢画像のデータである姿勢画像データ、上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である噛合わせ画像のデータである咬合画像データ、及びリファレンスポジションにおける患者の下顎の位置を特定できる画像であるリファレンス画像のデータであるリファレンス画像データとがある。リファレンス画像データは、診断装置200が下顎運動記録装置として機能するときに用いられるものであり、それ以外の画像データは診断装置200が仮想咬合器データ生成装置として機能するときに用いられる。 受付部221は、また、フラッグ115と、スタイラス144から、からインタフェイス215を介して運動データを受付ける。運動データは、診断装置200が下顎運動記録装置として機能するときに用いられる。 受付部221は、受付けたデータがどのデータかを判別して、適切な送り先にそれを送るようになっている。 受付部221は、入力装置220から受付けたデータを主に制御部222に送り、上顎歯列画像データと、下顎歯列画像データは、モデル生成部223に送り、上部画像データと、姿勢画像データと、咬合画像データは位置データ生成部224に送るようになっている。 受付部221はまた、リファレンス画像データを、リファレンスポジション決定部230に送り、運動データを、下顎運動画像データ生成部230に送るようになっている。ただし、運動データは、リファレンスポジション決定部230がリファレンスポジションを決定するときだけ、運動データを、リファレンスポジション決定部230に送るようになっている。

制御部222は、本体210全体の制御を行う。

モデル生成部223は、上述のように受付部221から上顎歯列画像データと、下顎歯列画像データを受付けるようになっている。モデル生成部223は、受付けた上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するようになっている。これは、現実の咬合器であれば、上顎歯列の模型に相当するものである。モデル生成部223は、受付けた下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成するようになっている。これは、現実の咬合器であれば、下顎歯列の模型に相当するものである。モデル生成部223は、上顎歯列モデルデータと、下顎歯列モデルデータを、例えばポリゴンを用いた既知の画像処理技術を応用することにより生成する。 モデル生成部223が上顎歯列モデルと下顎歯列モデルを正確に生成できるようにするには、上顎歯列画像と下顎歯列画像がいずれも3次元画像であることが好ましい。そのような撮像を行うことのできる口腔内撮像用の3次元撮像用カメラも実用されている。 モデル生成部223は、生成した上顎歯列モデルデータと、下顎歯列モデルデータとを、結合部226に送るようになっている。

位置データ生成部224は上述のように、受付部221から上部画像データと、姿勢画像データと、咬合画像データとを受付けるようになっている。 位置データ生成部224は、受付けた上部画像データ、及び姿勢画像データから、生体の患者における基準面に対する角度を含めた上顎歯列の相対的な位置を求めて、仮想の基準面である仮想基準面に対する上顎歯列の位置についてのデータである第1位置データを生成するようになっている。位置データ生成部224は、また、受付けた咬合画像データから、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を求めて、上顎歯列に対する下顎歯列の位置についてのデータである第2位置データを生成するようになっている。 これら第1位置データと、第2位置データは、コンピュータ上で作られる仮想咬合器における上顎歯列モデルと、下顎歯列モデルの位置合わせを後に行うときに用いられる。第1位置データを用いれば、基準面と、上顎歯列モデルの位置合わせを、生体の患者における基準面と上顎歯列に一致させるようにして行うことができる。第2位置データを用いれば、上顎歯列モデルと下顎歯列モデルの位置合わせを、生体の患者における上顎歯列と下顎歯列に一致させるようにして行うことができる。

この実施形態における位置データ生成部224は、以下のようにして第1位置データを生成するようになっている。 上述したように、第1位置データは、上部画像データ、及び姿勢画像データから生成される。上部画像データは、上述のように、バイトフォーク120と上顎歯列下面の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である。複数であることもあるが、上部画像には、バイトフォーク120と上顎歯列とが写っているので、上部画像データに対して、公知の画像処理を適用することにより、それら相互の位置関係を示すデータを生成するのは容易である。例えば、上顎歯列のみが写った上顎歯列画像と、上顎歯列とバイトフォーク120とが写った上部画像の重ね合わせにより、上顎歯列とバイトフォーク120の位置関係は容易に求められる。かかる位置関係をより正確に決定するには、上部画像が3次元画像であるのが好ましい。 第1位置データを求めるには、また、姿勢画像データから、接続部材130の姿勢を求める必要がある。姿勢画像データは、上述のように、接続部材130の姿勢を示す画像である。複数であることもあるが、姿勢画像データには接続部材130が写っているから、姿勢画像に対して公知の画像処理技術を適用することにより、接続部材130の姿勢を検出するのは容易である。姿勢画像は、例えば、接続部材130のすべての関節部分、或いはすべての可動部分、或いはすべての関節部分と可動部分がそれぞれ写り込んだ画像であってもよい。 必ずしもこの限りではないが、この実施形態では、姿勢画像データから接続部材130の姿勢を検出するために、位置データ生成部224は、フェイスボウデータ記録部225に記録されているデータを利用する。フェイスボウデータ記録部225には、この診断装置200と組合せて用いられるフェイスボウ100についてのデータが記録されている。診断装置200と組合せて用いられるフェイスボウ100が複数ある場合には、複数ある各フェイスボウ100についてのデータであるフェイスボウデータが、フェイスボウデータ記録部225に記録されている。フェイスボウデータは、各フェイスボウの接続部材130を構成する各部品の寸法や、各フェイスボウの接続部材130に付されたマーク、或いは色彩から、各フェイスボウの接続部材130の姿勢を例えば演算や、或いはデータのテーブルとの対比にて求めるために必要な情報が含まれる。 位置データ生成部224は、姿勢画像データに基づく姿勢画像を、その姿勢画像にその接続部材130が写っているフェイスボウについてのフェイスボウデータを用いて解析する。上述のように姿勢画像に写っている接続部材130には、マークが付されているか、或いは色が付されているので、姿勢画像におけるそのマーク或いは色の写り方についての情報に基づいて、接続部材130の姿勢を求めることに困難はない。かかる位置関係をより正確に決定するには、姿勢画像が3次元画像であるのが好ましい。姿勢画像が3次元画像であるのであれば、接続部材にマークや色が付されていなくとも、正確に接続部材の姿勢を決定するのは比較的容易である。なお、接続部材130に色が付されている場合には、姿勢画像データに基づく姿勢画像中の色を位置データ生成部224が正しく把握できるようにするために、予め定められた複数の色彩が付された色見本を姿勢画像中に写り込ませるとともに、その色見本に付された複数の色彩に基いて、位置データ生成部224が姿勢画像中の色を修正する処理を実行するようになっていても良い。 以上のようにして、バイトフォーク120と上顎歯列の相対的な位置関係と、接続部材130の姿勢が求められる。 接続部材130の姿勢が求められると、既に述べたように、その両端に接続されたアッパーボウ110と、バイトフォーク120の相対的な位置関係が把握できる。そして、アッパーボウ110は、患者の頭部に想定される基準面に対して一意に固定されているから、アッパーボウ110とバイトフォーク120の相対的な位置関係が把握できるというのは事実上、基準面とバイトフォーク120の相対的な位置関係が把握できることを意味する。そして、上述の如く、バイトフォーク120と上顎歯列の相対的な位置関係も把握されているのであるから、それと基準面に対するバイトフォーク120の相対的な位置関係を組合せることにより、基準面に対する上顎歯列の位置関係が把握できる。 このようにして求められる患者の基準面と上顎歯列の位置関係が、コンピュータ上に形成される仮想咬合器における仮想の基準面である仮想基準面と、上顎歯列モデルの位置関係として再現するための、仮想基準面と、上顎歯列モデルの相互の位置についてのデータである第1位置データとして用いられることになる。

この実施形態における位置データ生成部224は、以下のようにして第2位置データを生成するようになっている。 上述したように、第2位置データは、咬合画像データから生成される。咬合画像データは、上述のように、上顎歯列と下顎歯列の噛合わせの状態を示す画像である。複数であることもあるが、咬合画像には、噛み合わせた上顎歯列と下顎歯列(それらの一部である場合もある)が写っているか、或いは 患者の上顎歯列と下顎歯列との間で咬合された、上顎歯列と下顎歯列の形状を印記できる印記用ペーストが写っているので、咬合画像データに対して、公知の画像処理を適用することにより、上顎歯列と下顎歯列の相互の位置関係を示す第2位置データを生成するのは容易である。 なお、かかる位置関係をより正確に決定するには、姿勢画像が3次元画像であるのが好ましい。

位置データ生成部224は以上のように生成した第1位置データと第2位置データとを、結合部226へ送る。

結合部226は、モデル生成部223から、上顎歯列モデルデータと下顎歯列モデルデータとを受取る。結合部226はまた、位置データ生成部224から第1位置データと第2位置データとを受取る。 結合部226は、これらを用いて仮想咬合器についての仮想咬合器データを生成する。仮想咬合器は実際の咬合器を立体的に画像化したものである。仮想咬合器では、実際の咬合器における上顎歯列と下顎歯列の模型は、上顎歯列モデルと下顎歯列モデルに置き換えられる。 そして、咬合器における基準面に対する上顎歯列の位置合わせは、仮想咬合器においては、仮想基準面に対する上顎歯列モデルの位置合わせとして実行される。その位置合わせには、仮想基準面と、上顎歯列モデルの相互の位置についてのデータである第1位置データが用いられる。 また、咬合器における上顎歯列下面と下顎歯列上面の位置合わせは、仮想咬合器においては、上顎歯列モデルの下面と下顎歯列モデルの上面の位置合わせとして実行される。その位置合わせには、上顎歯列と下顎歯列の相互の位置関係を示す第2位置データが用いられる。 以上のようにして、仮想咬合器についての仮想咬合器データが生成される。仮想咬合器は、例えば、仮想の顎関節を軸として上顎歯列モデルと下顎歯列モデルを開閉させたりすることも可能なものとすることができる。そのような画像処理も、公知の技術を用いれば可能である。 結合部226は仮想咬合器データを、仮想咬合器データ記録部227と、表示制御部228とに送る。

仮想咬合器データ記録部227は、仮想咬合器データを記録するものである。仮想咬合器データは一般に、その仮想咬合器がどの患者のものであるかを特定するデータとともに仮想咬合器データ記録部227に記録される。 表示制御部228は、ディスプレイ230の制御を行う。表示制御部228は、仮想咬合器データを受取ると、それに基づいて仮想咬合器をディスプレイ230に表示するための例えば動画の画像データを作り、その画像データをインタフェイス215を介してディスプレイ230に送る。 それにより、ディスプレイ230には、仮想咬合器の画像が例えば動画により表示されることになる。

リファレンスポジション決定部229は、上述のように受付部221からリファレンス画像データを受付け、それに基づき、患者の下顎の、ひいては仮想咬合器における下顎(或いは下顎歯列)のリファレンスポジションを決定する。 それは以下のように行われる。リファレンスポジション決定部229には、リファレンスポジションをリファレンスポジション決定部229が決定するまで、患者の下顎の位置を示す運動データが受け取り続ける。ある瞬間、患者が写り込んだ、例えば3次元画像であるリファレンス画像が撮像される。リファレンスポジション決定部229は、その瞬間における運動データが示す下顎の位置が、リファレンス画像と一致するように調整を行い、フラッグ110に対するスタイラス144の相対的な移動量のデータでしかない運動データ(つまり、運動データのみによっても、所定の点からの移動の軌跡を追うことはできるが、運動データのみによっては、その所定の点がどこか定まらない。)を、基準面に対する相対的な位置のデータに変換する。それにより、仮想咬合器上で下顎を下顎運動させるための初期位置乃至基準位置であるリファレンスポジションが決定される。 リファレンス画像は、例えば、患者の頭部或いは基準面に対する下顎(或いは下顎歯列)の相対的な位置を把握できる画像であれば良い。 リファレンス画像は、例えば、患者の下顎歯列と上顎歯列とが写り込んだ画像であっても良いし、或いは患者の下顎歯列とアッパーボウを取付けた患者の頭部とが写り込んだ画像であっても良いし、この実施形態の場合であれば、フラッグ110とスタイラス140の相対的な位置を特定できるような画像であってもよい。 フラッグ110とスタイラス140の相対的な位置は、例えば、下バイトフォーク145と下顎歯列の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である下顎歯列と下バイトフォーク145とが写り込んだ画像である下部画像と、下バイトフォーク145と、スタイラス144の相対的な位置関係を決定する、接続部材130における姿勢画像と同様の意味を持つ、前棒141と横棒142の角度を含めた相対的な位置関係を示す画像である、前棒141と横棒142とが写り込んだ、第2姿勢画像と、スタイラス140の針状部144とフラッグ115の検出面115Aがそれらの相対的な位置がわかるように写り込んだ画像である相対位置画像と、があれば良い。これらのうち、下部画像と第2姿勢画像を用いれば、下顎歯列に対するスタイラス140の針状部144の相対的な位置関係が決定できる。また、上述のように、姿勢画像と上部画像とを用いれば、アッパーボウ110に対する基準面115Aと上顎歯列の位置が一意に決定されることもあり、基準面に対する検出面115Aと上顎歯列の位置が決定できる。そして、相対位置画像によれば、スタイラス140の針状部144とフラッグ115の検出面115Aの相対的な位置関係を決定することができるから、結果として、基準面に対する、上顎歯列と下顎歯列の位置が相対的に決定できる。 リファレンスポジション決定部229は以上のようにして決定されたリファレンスポジションについてのデータであるリファレンスポジションデータを、下顎運動画像データ生成部230に送るようになっている。

下顎運動画像データ生成部230は、上述のように受付部221から運動データを受付ける。運動データは、下顎運動の記録を行う際に用いられるアンダーボウ140を備えたフェイスボウ100のフラッグ115と、スタイラス144から送られる信号である。上述のように、下顎のXYZ軸方向の所定の点からの移動量を示すデータである。 フラッグ115は、患者の頭部に固定されるアッパーボウ110に固定されている。スタイラス144は患者の下顎の一部である下顎歯列に下バイトフォーク145によって固定されているアンダーボウ140に固定されている。そして、アッパーボウ110とアンダーボウ140は互いに接続されていない。患者が下顎運動を行うと、アンダーボウ140全体が下顎運動にしたがって移動し、その下顎運動にしたがって、スタイラス144の針状部144Bがフラッグ115のセンサ部115Aをなぞる。これにより、上述の運動データは、下顎運動を表すデータとなる。 下顎運動画像データ生成部230は、運動データを受取るとともに、リファレンスポジション決定部229からリファレンスポジションデータを受取り、また、仮想咬合器データ記録部227から仮想咬合器データを読み出す。そして、仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の画像上に、リファレンスポジションデータにより仮想咬合器における下顎のリファレンスポジションを決定した上で、患者の下顎の運動を示すマークを書込む処理を実行するか、或いは、仮想咬合器の画像上における下顎を、リファレンスポジションデータにより仮想咬合器における下顎のリファレンスポジションを決定した上で、患者の下顎運動を再現するようにアニメーションにより下顎運動させる処理を実行し、それら処理の結果生成されたデータである下顎運動画像データを生成する。 下顎運動データ生成部230は生成した下顎運動画像データを、仮想咬合器データ記録部227及び表示制御部228に送るようになっている。

この実施形態では、仮想咬合器データ記録部227には、仮想咬合器データに加えて、下顎運動画像データも記録されるようになっている。また、この実施形態では、表示制御部228は、上述した仮想咬合器の画像のみならず、下顎運動画像データに基づく、患者の下顎運動を示すマークを書き込まれた仮想咬合器の画像か、仮想咬合器の画像上における下顎を、患者の下顎運動を再現するように下顎運動させる動画の画像を、ディスプレイ230に表示するようになっている。

次に、以上説明した診断装置で診断を行う方法について説明する。 診断装置で行えるのは、仮想咬合器データの生成と、下顎運動の記録である。これらについて順に説明する。

仮想咬合器データを生成するにあたり、まず、患者の上顎歯列画像と、下顎歯列画像と、噛み合わせ画像とを撮像し、上顎歯列画像データと、下顎歯列画像データと、噛み合わせ画像データとを生成する。なお、この過程は、フェイスボウ100が患者に固定されていない状態であれば、いつ行っても構わない。 上述のように、上顎歯列画像は上顎歯列が映り込んでいる、例えば3次元の画像であって、上顎歯列モデルを後に生成するのに足りるものとされ、場合によっては複数の画像とされる。 下顎歯列画像は下顎歯列が映り込んでいる、例えば3次元の画像であって、下顎歯列モデルを後に生成するのに足りるものとされ、場合によっては複数の画像とされる。 噛み合わせ画像は、上顎歯列に対する角度を含めた下顎歯列の相対的な位置を把握できるような画像であり、上顎歯列に対する下顎歯列の相対的な位置についての第2位置データを後に生成するのに足りるものとされ、場合によっては複数の画像とされる。噛み合わせ画像には、噛み合わせた上顎歯列と下顎歯列(それらの一部である場合もある)か、或いは 患者の上顎歯列と下顎歯列との間で咬合された、上顎歯列と下顎歯列の形状を印記できる印記用ペーストが写っている。

次に、患者の頭部にフェイスボウ100を取付ける。 フェイスボウ100の患者の頭部への取り付け方は、一般的なフェイスボウ100の場合と何ら変わらない。 この実施形態であれば、アッパーボウ110は、2つのテンプル114が患者の耳にかかり、ブリッジ部111Bが患者の鼻筋にかかり、本体部111のフレーム部111Aが正しく患者の眼前に位置し、位置決め棒113の垂直部113Bが、患者の鼻に正しく位置決めされた状態とする。そのために、本体部111に対するテンプル114と位置決め棒113の位置や、テンプル114の前テンプル部114Aに対する後テンプル部114Bの位置の調整を、患者の顔の寸法に応じて行うのも一般的なフェイスボウ100の場合と同様である。こうすることで、アッパーボウ110は、患者の頭部の基準面に対して、予定されていた位置関係に一意に位置決めされる。なお、このときフラッグ115は、テンプル114に取付けられていなくても良い。 他方、バイトフォーク120の上面に、例えばモデリングコンパウンドを塗布し、バイトフォーク120の上面を患者の上顎歯列の下面に固定する。 そうしてから、接続部材130の上端と下端を、アッパーボウ110とバイトフォーク120にそれぞれ接続する。このとき、かかる接続が自然にできるように、接続部材130の姿勢を適宜修正する。また、かかる接続を行う場合には、接続部材130の上取付部131Aとアッパーボウ110のブリッジ部111Bとを予め定められた位置関係にするとともに、接続部材130の下取付部132Aとバイトフォーク120の接続部122の位置関係を予め定められた位置関係にするようにする。

以上のようにして患者にフェイスボウ100を取付けたら、上部画像と、姿勢画像とを撮影し、上部画像データと、姿勢画像データとを生成する。 上部画像は、上顎歯列とバイトフォーク120の角度も含めた相対的な位置関係を把握できるようにするために、それら(の少なくとも一部)が映り込んでいる、例えば3次元の画像であり、後に姿勢画像と合わせて第1位置データを生成するのに足りるものとされ、場合によっては複数の画像とされる。 姿勢画像データは、接続手段130の姿勢を把握できるようにするために、接続手段130が映り込んでいる、例えば3次元の画像であり、後に上部画像と合わせて第1位置データを生成するのに足りるものとされ、場合によっては複数の画像とされる。

次いで、診断装置200で仮想咬合器データを生成する処理が実行される。

まず、患者を特定するための患者の氏名等の情報を、入力装置220から入力する。入力装置220から入力されたその情報は、インタフェイス215から制御部222に送られる。 制御部222は、その情報を、今から仮想咬合器データが作られる患者を特定するための情報として仮想咬合器データ記録部227に記録する。

次いで、診断装置200に、種々の画像のデータが入力される。 具体的には、上顎歯列画像のデータである上顎歯列画像データと、下顎歯列画像のデータである下顎歯列画像データと、噛合わせ画像のデータである咬合画像データと、上部画像のデータである上部画像データと、姿勢画像のデータである姿勢画像データが入力される。これらは、外部機器から、或いは所定の記録媒体を介して入力されるが、いずれにせよ、インタフェイス215を介して受付部221に受付けられる。 なお、これら画像のデータの入力は、必ずしも一度に、或いは連続して行うことは要しない。例えば、それらのデータが生成された都度、受付部221に入力されても良い。 受付部221は、上顎歯列画像データと、下顎歯列画像データを、モデル生成部223に送り、上部画像データと、姿勢画像データと、咬合画像データとを位置データ生成部224に送る。

受付部221から上顎歯列画像データと、下顎歯列画像データを受付けたモデル生成部223は、上顎歯列画像データから上顎歯列の3次元モデルである上顎歯列モデルのデータである上顎歯列モデルデータを生成するとともに、下顎歯列画像データから下顎歯列の3次元モデルである下顎歯列モデルのデータである下顎歯列モデルデータを生成する。 モデル生成部223は、生成した上顎歯列モデルデータと、下顎歯列モデルデータとを、結合部226に送る。

受付部221から上部画像データと、姿勢画像データと、咬合画像データとを受付けた位置データ生成部224は上部画像データ、及び姿勢画像データから、第1位置データを生成するとともに、咬合画像データから第2位置データを生成するようになっている。 上述のように、この実施形態では、第1位置データを作る場合にフェイスボウデータ記録部225に記録されたデータを用いる。フェイスボウデータ記録部225に記録されたフェイスボウについてのデータが複数ある場合には、その複数のデータの中からその患者が使用したフェイスボウについてのデータが選択された上で、位置データ生成部224に読み出される。その選択に必要な、患者に使用されたフェイスボウを特定するための情報は、例えば、歯科医師が操作した入力装置220からインタフェイス215を介して制御部222に送られ、制御部222から位置データ生成部224に伝えられる。位置データ生成部224はその情報に基づいて読み出すべきフェイスボウについてのデータを、複数のデータの中から選択できるようになっている。 位置データ生成部224は生成した第1位置データと第2位置データとを、結合部226へ送る。

モデル生成部223から、上顎歯列モデルデータと下顎歯列モデルデータとを受取るとともに、位置データ生成部224から第1位置データと第2位置データとを受取った結合部226は、それらに基づいて仮想咬合器についての仮想咬合器データを生成する。もっともこれにより作られる仮想咬合器は、咬合器で言うところの、半調節性咬合器と同様のものであり、一般的な人間の関節位置を基準として下顎運動を行うようなものとなる。 結合部226は仮想咬合器データを、仮想咬合器データ記録部227と、表示制御部228とに送る。

仮想咬合器データ記録部227は、結合部226から送られて来た仮想咬合器データを記録する。基本的には、仮想咬合器データは、先に仮想咬合器データ記録部227に記録されたその仮想咬合器データの作成の対象となった患者を特定する情報とともに、仮想咬合器データ記録部227に記録される。 表示制御部228は、結合部226から仮想咬合器データを受取ると、それに基づいて仮想咬合器をディスプレイ230に表示するための例えば動画の画像データを作り、その画像データをインタフェイス215を介してディスプレイ230に送る。 それにより、ディスプレイ230には、仮想咬合器の画像が例えば動画により表示される。

次いで、下顎運動の記録について説明する。 下顎運動を記録する場合には、アンダーボウ140を、より詳細にはアンダーボウ140の下バイトフォーク145を患者の下顎歯列に固定する。 そして、スタイラス144のフラッグ115に対する相対的な位置関係がある程度の幅のある適当な関係になるように、連結部材143、横棒142等の調整を行う。例えば、患者が上顎歯列と下顎歯列とを自然に噛み合わせたときに、フラッグ115のセンサ部115Aのおよそ中心にスタイラス144の針状部144Bが適当な圧力で接するように、上述の調整を行う。 次に、リファレンス画像の撮像を行い、リファレンス画像についてのリファレンス画像データを生成する。上述したように、リファレンス画像は、基準面に対する上顎歯列と下顎歯列の位置関係を把握できるようにするための画像であり、おおまかに言えば、上顎歯列と下顎歯列とが写し込まれた画像が、アッパーボウ110とアンダーボウ140とが写し込まれた画像であるが、それ以外の画像により上顎歯列と下顎歯列の位置関係を把握するのも自由である。

次いで、リファレンス画像データを、診断装置200に送る。リファレンス画像データは、受付部221で受付けられ、リファレンスポジション決定部229に送られる。 リファレンスポジション決定部229は、仮想咬合器の画像上での下顎のリファレンスポジションを、リファレンス画像データと、運動データから決定する。リファレンスポジションを示すリファレンスポジションデータは、リファレンスポジション決定部229から、下顎運動画像データ生成部230に送られる。

下顎運動画像データ生成部230は、上述のように受付部221から運動データを受付け、また、リファレンスポジション決定部229からリファレンスポジションデータを受付ける。 下顎運動画像データ生成部230は、リファレンスポジションデータにより、仮想咬合器の画像上における下顎のリファレンスポジションを決定した上で、仮想咬合器データ記録部227から読出した仮想咬合器データにより特定される仮想咬合器の画像上に、患者の下顎運動を示すマークを書込む処理を実行するか、或いは、仮想咬合器の画像上における下顎を、アニメーションにより患者の下顎運動を再現するように下顎運動させる処理を実行し、それら処理の結果生成されたデータである下顎運動画像データを生成する。 これら下顎運動画像データにより再現される下顎運動画像は、各患者にユニークな関節の位置や動きを再現したものとなり、それにより表現される仮想咬合器上の上顎歯列と下顎歯列の相対的な動きは、その仮想咬合器があたかも全調節咬合器であるかのようなものとなる。 下顎運動データ生成部230は生成した下顎運動画像データを、仮想咬合器データ記録部227及び表示制御部228に送る。

仮想咬合器データ記録部227には、仮想咬合器データに加えて、下顎運動画像データが記録される。好ましくは、同じ患者の仮想咬合器データと下顎運動画像データは対応させて仮想咬合器データ記録部227に記録される。 また、表示制御部228は、下顎運動画像データに基づき、患者の下顎運動を示すマークを書き込まれた仮想咬合器の画像か、仮想咬合器の画像上における下顎を、患者の下顎運動を再現するように下顎運動させる動画の画像を、ディスプレイ230に表示する。これにより、歯科医師は、直感的に、且つ正確に、患者の下顎運動を把握することができる。

100 フェイスボウ 110 アッパーボウ 111 本体部 111A フレーム部 111B ブリッジ部 111B1 ネジ 111C 智 111C1 長孔 111D 取付部 111E ネジ 112 支持ブロック 112A ネジ 113 位置決め棒 113A 水平部 113B 垂直部 114 テンプル 114A 前テンプル部 114B 後テンプル部 114A1 ネジ 115 フラッグ 115A センサ部 115B 枠 115C ネジ 115D ケーブル 120 バイトフォーク 121 バイトフォーク本体 122 接続部 130 接続部材 131 上部材 131A 上取付部 131B 上接続棒 131C ボール 132 下部材 132A 下取付部 132B 下接続棒 132B1 ネジ 132C ボール 133 中間部材 133A 第1部材 133A1 受け穴 133A2 上受け部 133B 第2部材 133B1 受け穴 133B2 下受け部 134 レバー 140 アンダーボウ 141 前棒 142 横棒 143 連結部材 143A ネジ 143B 管 143C ネジ 144 スタイラス 144A スタイラス本体 144B 針状部 145 下バイトフォーク 145A 固定板 200 診断装置 210 入力装置 220 ディスプレイ 211 CPU 212 ROM 213 RAM 214 HDD 215 インタフェイス 216 バス 221 受付部 222 制御部 223 モデル生成部 224 位置データ生成部 225 フェイスボウデータ記録部 226 結合部 227 仮想咬合器データ記録部 228 表示制御部 229 リファレンスポジション決定部 230 下顎運動画像データ生成部 M1 印 M2 印

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