レーザ加工装置及びその加工方法

申请号 JP2008554062 申请日 2008-01-16 公开(公告)号 JPWO2008087984A1 公开(公告)日 2010-05-06
申请人 住友電気工業株式会社; 发明人 山田 英一郎; 英一郎 山田; 井上 享; 享 井上; 畑山 均; 均 畑山;
摘要 レーザ加工装置1は、歯13Aあるいは歯肉13Bを加工する為の加工用光を発する加工用光 光源 2と、歯13Aあるいは歯肉13Bを照明する為の照明光を発するハロゲンランプ3と、歯13Aあるいは歯肉13Bからの複数波長の光を検出することが可能な検出部4と、第1の発光部2の発光状態を制御する制御部5とを備えている。検出部4は、波長によって受光感度の異なる第1の検出素子6と第2の検出素子7とを有し、異なる波長の光強度を検出し、検出した結果を制御部5に出 力 している。制御部5は、検出部4により検出された異なる波長の光それぞれの光強度の比率に基づき、加工用光光源2の発光状態を制御している。
权利要求
  • 加工対象物を加工する為の加工用光を発する第1の発光部と、
    前記第1の発光部から発せられる加工用光を前記加工対象物へと導光する第1の導光体と、
    前記加工対象物で生じる複数波長の光を導光する第2の導光体と、
    前記第2の導光体により導光される前記加工対象物からの複数波長の光を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された結果に基づき、前記第1の発光部の発光状態を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  • 前記検出部は、異なる波長の光それぞれの光強度を検出し、
    前記制御部は、前記検出部により検出された異なる波長の光それぞれの光強度の比率に基づき、前記第1の発光部の発光状態を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  • 前記検出部は、波長によって受光感度の異なる複数の検出素子を含むことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  • 前記検出部は、
    それぞれ異なる中心波長の光を透過または反射させる光フィルタと、
    前記光フィルタを透過し、または前記光フィルタにより反射された異なる中心波長の光の強度を検出する複数の検出素子と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  • 前記検出部は、
    1つの検出素子と、
    波長に応じて光路を変更し、前記検出素子への光路を切り替える光路変更手段と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  • 前記第1の発光部は、中心波長が異なる複数の光源を含むことを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  • 前記加工対象物を観察する為の観察用光を発する第2の発光部と、
    前記第2の発光部から発せられる観察用光を前記加工対象物へと導光する第3の導光体と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
  • 前記第2の発光部は、中心波長が異なる複数の光源を含むことを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
  • 少なくとも前記第1の導光体及び前記第3の導光体は、前記加工対象物側で束ねられ、固定されていることを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
  • 請求項7に記載のレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法であって、
    加工対象物に対し、加工用光及び観察用光の少なくとも一方の光を照射する第1ステップと、
    前記加工対象物からの複数波長の光である検出光を検出し、検出した検出光の特性により照射対象領域を特定する第2ステップと、
    特定した前記照射対象領域に加工用光を照射し、前記加工対象物を加工する第3ステップと、
    を備えることを特徴とするレーザ加工方法。
  • 前記第3ステップにおいて、照射時の加工用光の強度は、前記第1ステップにおける照射時の加工用光の強度よりも高いことを特徴とする請求項10に記載のレーザ加工方法。
  • 請求項7に記載のレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法であって、
    加工対象物に対し、加工用光及び観察用光の少なくとも一方の光を照射する第1ステップと、
    前記加工対象物からの複数波長の光である検出光を検出し、検出した検出光の特性により前記加工対象物の温度変化または状態変化を判断する第2ステップと、
    判断した結果に基づき、前記加工対象物に照射する加工用光を制御する第3ステップと、
    を備えることを特徴とするレーザ加工方法。
  • 前記第2ステップにおいて、検出光のスペクトルの変化に基づき状態変化の度合いを判断し、
    検出光のスペクトルの変化があったと判断された場合、前記第3ステップにおいて前記加工対象物に照射する加工用光のパワーを小さくし、又は加工用光の照射を停止するように前記第1の発光部の発光状態を制御することを特徴とする請求項12に記載のレーザ加工方法。
  • 前記加工対象物において、観察用光の照射領域は加工用光の照射領域よりも広いことを特徴とする請求項10〜13の何れか1項に記載のレーザ加工方法。
  • 前記第1の導光体と前記第3の導光体との出射端には、前記第1の導光体と前記第3の導光体にそれぞれ光学的に接続される第4の導光体が設けられ、
    前記第4の導光体から出射された観察用光の拡がり角は、前記第4の導光体から出射された加工用光の拡がり角よりも大きいことを特徴とする請求項14に記載のレーザ加工方法。
  • 前記第1の導光体は前記第3の導光体によって囲まれていることを特徴とする請求項14に記載のレーザ加工方法。
  • 前記加工対象物において、検出光の検出領域は加工用光の照射領域よりも広いことを特徴とする請求項10〜16の何れか1項に記載のレーザ加工方法。
  • 前記第1の導光体の出射側には、前記第1の導光体と前記第2の導光体にそれぞれ光学的に接続される第5の導光体が設けられ、
    前記第5の導光体に入射する検出光の前記第5の導光体の光軸に対する最大角度は、前記第5の導光体から出射された加工用光の拡がり角よりも大きいことを特徴とする請求項17に記載のレーザ加工方法。
  • 前記第1の導光体は前記第2の導光体によって囲まれていることを特徴とする請求項17に記載のレーザ加工方法。
  • 说明书全文

    本発明は、レーザ加工装置及びその加工方法に関する。

    従来、このような分野の技術として、例えば特許文献1に記載されたものがある。 この文献に記載されたレーザ加工装置は、接合用光を発するレーザ光源と、判定用光を発するレーザ光源と、接合状態の良否を判定する判定装置とを備えている。 そして、加工対象物の接合部に接合用光を照射した後に、接合部に判定用光を照射し、その反射光及び輻射光を判定装置に受光することによって、接合状態の良否判定を行っている。

    特開平5−335735号公報

    しかしながら、前述した従来のレーザ加工装置では、接合部に判定用光を照射し、その照射により接合部にて生じる温度変化を輻射光で検出し、検出した結果に基づいて加工対象物の加工状態の良否を判定している。 その結果、処理時間がかかり、処理高速化の向上に阻害するといった問題点があった。

    本発明は、高速処理を可能としたレーザ加工装置及びその加工方法を提供することを目的とする。

    本発明に係るレーザ加工装置は、加工対象物を加工する為の加工用光を発する第1の発光部と、第1の発光部から発せられる加工用光を加工対象物へと導光する第1の導光体と、加工対象物で生じる複数波長の光を導光する第2の導光体と、第2の導光体により導光される加工対象物からの複数波長の光を検出する検出部と、検出部により検出された結果に基づき、第1の発光部の発光状態を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。

    本発明に係るレーザ加工装置では、第1の発光部から発する加工用光が第1の導光体により導光され、加工対象物に照射される。 そして、加工対象物で生じる複数波長の光は、第2の導光体により検出部まで導光され、検出部により検出される。 制御部は、その検出結果に基づいて加工対象物の加工状態を特定し、第1の発光部の発光状態を制御する。 このように直接に複数波長の光を検出し、加工状態を特定することにより、加工対象物の温度変化で加工状態を特定する場合と比較して、処理速度が大きく向上し、処理の高速化を図ることが可能となる。 また、加工対象物からの複数波長の光を検出し、検出した結果に基づき第1の発光部の発光状態を制御することで、加工状態に応じて照射条件を適宜に調整することが可能となるので、加工の精度を高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、検出部は、異なる波長の光それぞれの光強度を検出し、制御部は、検出部により検出された異なる波長の光それぞれの光強度の比率に基づき、第1の発光部の発光状態を制御することが好適である。 この場合には、検出した異なる波長の光の強度の比率で加工状態を特定することで、加工精度の向上を図ることができる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、検出部は、波長によって受光感度の異なる複数の検出素子を含むことが好適である。 このように異なる波長に対応可能な検出素子を備えることにより、検出精度を向上し、加工状態を特定する信頼性を高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、検出部は、それぞれ異なる中心波長の光を透過または反射させる光フィルタと、光フィルタを透過し、または光フィルタにより反射された異なる中心波長の光の強度を検出する複数の検出素子と、を含むことが好適である。 この場合には、検出部の構成を簡単化することでき、装置全体のコスト削減を図ることが可能となる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、検出部は、1つの検出素子と、波長に応じて光路を変更し、検出素子への光路を切り替える光路変更手段と、を含むことが好適である。 この場合には、検出部の構成を簡単化することができ、装置全体のコスト低減を図ることが可能となる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、第1の発光部は、中心波長が異なる複数の光源を含むことが好適である。 この場合には、中心波長が異なる複数の加工用光を得られるので、加工対象物の加工状態に応じて加工用光を適宜に選択することが可能となり、加工精度を一層高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、加工対象物を観察する為の観察用光を発する第2の発光部と、第2の発光部から発せられる観察用光を加工対象物へと導光する第3の導光体と、をさらに備えることが好適である。 この場合には、加工用光と観察用光とを使い分けることにより、加工精度を一層高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、第2の発光部は、中心波長が異なる複数の光源を含むことが好適である。 この場合には、中心波長が異なる複数の観察用光を得られるので、加工対象物の加工状態に応じて観察用光を適宜に選択することが可能となり、加工精度を一層高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工装置では、少なくとも第1の導光体及び第3の導光体は、加工対象物側で束ねられ、固定されていることが好適である。 この場合には、導光体を束ねることにより、装置を小型化することができると共に、装置の操作を容易に行うことができる。

    本発明に係るレーザ加工方法は、加工対象物に対し、加工用光及び観察用光の少なくとも一方の光を照射する第1ステップと、加工対象物からの複数波長の光である検出光を検出し、検出した検出光の特性により照射対象領域を特定する第2ステップと、特定した照射対象領域に加工用光を照射し、加工対象物を加工する第3ステップと、を備えることを特徴とする。

    このように加工対象物からの複数波長の光である検出光を検出し、検出結果に基づいて照射対象領域を特定した後、その照射対象領域を加工することにより、加工対象物を加工する速度を向上することが可能となると共に、加工対象物の加工状態に応じて照射条件を適宜に調整することが可能となるので、加工の精度を高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、第3ステップにおいて、照射時の加工用光の強度は、第1ステップにおける照射時の加工用光の強度よりも高いことが好適である。 この場合には、第3ステップにおける加工用光よりも強度の弱い加工用光を用いて、照射対象領域を特定することにより、照射対象領域の特定時に加工対象物に損傷を与えることを抑制することができる。

    本発明に係るレーザ加工方法は、加工対象物に対し、加工用光及び観察用光の少なくとも一方の光を照射する第1ステップと、加工対象物からの複数波長の光である検出光を検出し、検出した検出光の特性により加工対象物の温度変化または状態変化を判断する第2ステップと、判断した結果に基づき、加工対象物に照射する加工用光を制御する第3ステップと、を備えることを特徴とする。

    このように加工対象物からの複数波長の光である検出光を検出し、加工対象物の温度変化または状態変化を判断し、判断した結果に基づいて加工対象物に照射する加工用光を制御することにより、加工対象物の加工速度を向上することができると共に、加工対象物の加工状態に応じて照射条件を適宜に調整することが可能となるので、加工の精度を高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、第2ステップにおいて、検出光のスペクトルの変化に基づき状態変化の度合いを判断し、検出光のスペクトルの変化があった場合、第3ステップにおいて加工対象物に照射する加工用光のパワーを小さくし、又は加工用光の照射を停止するように第1の発光部の発光状態を制御することが好適である。 このようにすれば、検出光のスペクトルの変化に基づき加工対象物の加工状態を確認し、加工状態に応じて加工用光のパワーを適宜に調整することで、加工の精度を高めることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、加工対象物において、観察用光の照射領域は加工用光の照射領域よりも広いことが好適である。 このようにすれば、広範囲に加工対象物を観察することができるので、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、処理の高速化を図ることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、第1の導光体と第3の導光体との出射端には、第1の導光体と第3の導光体にそれぞれ光学的に接続される第4の導光体が設けられ、第4の導光体から出射された観察用光の拡がりは、第4の導光体から出射された加工用光の拡がり角よりも大きいことが好適である。 このようにすれば、第4の導光体から出射された加工用光の照射領域よりも観察用光の照射領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物を観察することが可能となる。 その結果、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、処理の高速化を図ることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、第1の導光体は第3の導光体によって囲まれていることが好適である。 このようにすれば、第3の導光体は第1の導光体の外側に配置されるので、第1の導光体から出射された加工用光の照射領域よりも第3の導光体から出射された観察用光の照射領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物を観察することが可能となる。 その結果、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、処理の高速化を図ることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、加工対象物において、検出光の検出領域は加工用光の照射領域よりも広いことが好適である。 このようにすれば、広範囲に加工対象物からの検出光を検出することができるので、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、処理の高速化を図ることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、第1の導光体の出射側には、第1の導光体と第2の導光体にそれぞれ光学的に接続される第5の導光体が設けられ、第5の導光体に入射する検出光の第5の導光体の光軸に対する最大角度は、第5の導光体から出射された加工用光の拡がり角よりも大きいことが好適である。 このようにすれば、第5の導光体から出射された加工用光の照射領域よりも、第5の導光体に入射する検出光の検出領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物からの検出光を検出することができる。 その結果、加工対象物の加工状態を確認し易くなるので、処理の高速化を図ることができる。

    本発明に係るレーザ加工方法では、第1の導光体は第2の導光体によって囲まれていることが好適である。 このようにすれば、第2の導光体は第1の導光体の外側に配置されるので、第1の導光体から出射された加工用光の照射領域よりも第2の導光体に入射する検出光の検出領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物からの検出光を検出することができる。 従って、加工対象物の加工状態を確認し易くなるので、処理の高速化を図ることができる。

    本発明によれば、高速処理を可能としたレーザ加工装置及びその加工方法を提供することができる。

    第1実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である

    硬組織とマグロ肉との反射/散乱スペクトルを示す図である。

    第1実施形態に係るレーザ加工装置の変形例を示す概略図ある。

    第1実施形態に係るレーザ加工装置の変形例を示す概略図ある。

    第2実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である。

    第2実施形態に係るレーザ加工装置の変形例を示す概略図である。

    第2実施形態に係るレーザ加工装置の変形例を示す概略図である。

    第3実施形態に係るレーザ加工装置の加工方法を示すフローチャートである。

    第4実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である。

    バンドルファイバを示す断面図である。

    第5実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である。

    バンドルファイバを示す断面図である。

    第6実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である。

    集光レンズの色収差を利用して観察用光の照射範囲を拡げる方法を示す図である。

    符号の説明

    1,14,20,25,34,39,47,57,67 レーザ加工装置 2,35,45 加工用光光源(第1の発光部)
    4,15,21 検出部 5 制御部 6,7,16,17,22,28 検出素子 8,31,32,36,46,48,58,68 光ファイバ(第1の導光体)
    10,11,24,33,53,60,73 光ファイバ(第2の導光体)
    12 バンドルファイバ 13A 歯(加工対象物)
    13B 歯肉(加工対象物)
    18,19 光フィルタ 23 プリズム(光路変更手段)
    26 電子部品(加工対象物)
    27 加工用光発光部(第1の発光部)
    37 観察用光光源(第2の発光部)
    38,42,44,50,63,70 光ファイバ(第3の導光体)
    40 観察用光発光部(第2の発光部)
    55,75,78 光ファイバ(第4の導光体)
    65 光ファイバ(第5の導光体)

    以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。 なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。

    (第1実施形態)
    図1は第1実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である。 レーザ加工装置1は、歯科治療に用いられる装置であって、歯13Aあるいは歯肉13B(加工対象物)を加工する為の加工用光を発する加工用光光源(第1の発光部)2と、歯13Aあるいは歯肉13B、あるいはその両方を観察する為の観察用光(照明光)である白色光を発するハロゲンランプ3と、歯13A、歯肉13Bからの複数波長の光である検出光を検出することが可能な検出部4と、加工用光光源2の発光状態を制御する制御部5とを備えている。

    加工用光光源2は、特定波長408nmのレーザ光を出する半導体レーザ素子を含んで構成されている。 この加工用光光源2から発する加工用光は、加工用光光源2に光学的に接続される光ファイバ(第1の導光体)8によって、歯13Aあるいは歯肉13Bに導光される。

    検出部4は、波長によって受光感度の異なる第1の検出素子6と第2の検出素子7とを備えている。 第1の検出素子6は波長540nmの光に対して高い受光感度をもち、第2の検出素子7は波長610nmの光に対して高い受光感度をもっている。 第1の検出素子6及び第2の検出素子7は、それぞれ光ファイバ(第2の導光体)10,11と光学的に接続され、光ファイバ10,11により導光されてきた異なる波長の光強度を検出し、検出した結果を制御部5に出力している。 制御部5は、検出部4により検出された結果に基づき、加工用光光源2の発光状態を制御している。 ハロゲンランプ3からの照明光は、ハロゲンランプ3と光学的に接続される光ファイバ9により歯13Aあるいは歯肉13B、あるいはその両方に向けて導光される。

    歯13Aは硬組織(エナメル質、象牙質等)を、歯肉13Bは軟組織(歯肉等)を有する。 図2は硬組織とマグロ肉との反射/散乱スペクトルを示す図である。 マグロ肉は、軟組織である歯肉と略同様な構造を有するため、歯肉13Bに代えて用いられている。 図2に示すように、硬組織と軟組織との反射/散乱スペクトルは、波長610nmの付近で最も高いピークをもつ。 また、波長540nm付近で、双方の反射/散乱スペクトルの差は最も大きい。

    従って、波長610nm時の反射/散乱スペクトルを100とした場合、波長540nmでの硬組織の反射/散乱スペクトルの相対強度が約85となり、軟組織の反射/散乱スペクトルの相対強度が約68となる。 そして、硬組織(歯13A)の判定閾値を85と、軟組織(歯肉13B)の判定閾値を68とした場合、検出部4により検出された波長540nmの光強度と波長610nmの光強度との比率を算出し、算出した値と判定閾値との比較を行うことによって、歯13Aおよび歯肉13Bのいずれかが照射対象領域にあるかを容易に判断することが可能である。

    光ファイバ8,9,10,11は、歯13A側で束ねられ、固定されている。 これらの光ファイバ8,9,10,11は、バンドルファイバ12を構成している。 このように光ファイバ8,9,10,11を束ねることにより、レーザ加工装置1を小型化することができると共に、装置の操作を容易に行うことができる。 また、バンドルファイバ12の先端には、集光レンズ(図示せず)がバンドルファイバ12の軸方向に沿って移動可能に設置されている。

    このように構成されたレーザ加工装置1では、加工用光光源2から発する加工用光が光ファイバ8により導光され、歯13Aあるいは歯肉13Bに照射され、ハロゲンランプ3から発する照明光が光ファイバ9により導光され、歯13Aあるいは歯肉13B、あるいはその両方に照射される。 これによって、歯13Aあるいは歯肉13Bで生じた蛍光、照明光及び加工用光の反射光、照明光及び加工用光の散乱光、輻射光などを含む複数波長の光(すなわち検出光)は、光ファイバ10,11により検出部4まで導光され、第1の検出素子6と第2の検出素子7により検出される。 制御部5は、その検出結果に基づいて歯13Aあるいは歯肉13Bの加工状態を特定すると共に、加工用光光源2の発光状態を制御する。 このように直接に複数波長の光を検出し、加工状態を特定することで、従来のように温度変化で加工状態の特定する場合と比べると、処理速度を大きく向上し、処理の高速化を図ることが可能となる。

    また、歯13Aおよび歯肉13Bからの複数波長の光を検出し、検出した結果に基づき加工用光光源2の発光状態を制御することで、歯13Aまたは歯肉13Bの加工状態に応じて照射条件を適宜に調整することが可能となるので、加工の精度を高めることができる。 さらに、検出部4は、波長によって受光感度の異なる第1の検出素子6及び第2の検出素子7を有するので、検出精度を向上し、加工状態を特定する信頼性を高める効果がある。

    次に、第1実施形態に係るレーザ加工装置1を用いたレーザ加工(治療)方法について説明する。

    初めに、第1ステップでは、制御部5を介してハロゲンランプ3から照明光を発生させ、歯13Aあるいは歯肉13B、あるいはその両方に照射する。 このとき、最大照射時間は20msで行う。 また、照射する際に、照明光が拡散するように、バンドルファイバ12の先端に設けられた集光レンズをバンドルファイバ12の軸方向に沿って移動して、広範囲の照射範囲を確保する。

    続いて、第2ステップでは、歯13Aあるいは歯肉13Bからの複数波長の光である検出光を検出し、検出した検出光の特性により照射対象領域を特定する。 照明光の照射により、歯13A(硬組織)と歯肉13B(軟組織)とがそれぞれ蛍光を発生したり、照明光を反射したりする。 そして、これらの蛍光、照明光の反射光、照明光の散乱光、輻射光を含む複数波長の光は、光ファイバ10,11に入射し、検出部4まで導光される。

    検出部4は、波長540nmの光に対して高い受光感度をもつ第1の検出素子6と、波長610nmの光に対して高い受光感度をもつ第2の検出素子7とを備えるので、光ファイバ10,11により導光された歯13Aあるいは歯肉13Bからの複数波長の光のうち、波長540nm及び610nmの光が検出される。 その検出結果は、制御部5に入力される。 制御部5では、検出部4により検出された波長540nmの光強度と波長610nmの光強度との比率を算出し、算出した値と判定閾値との比較を行う。 そして、算出した値が0.68付近であれば、照射対象領域が歯肉13B(軟組織)であると判断され、一方、算出した値が0.85付近であれば、照射対象領域が歯13A(硬組織)であると判断される。 これによって、照射対象領域が容易に特定される。

    続いて、第3ステップでは、特定した照射対象領域に加工用光を照射し、歯13Aまたは歯肉13Bを加工する。 例えば、照射対象領域が歯肉13B(軟組織)であると判断された場合に、制御部5は加工用光光源2からの発光状態を継続するように加工用光光源2を制御する。 また、照射対象領域が歯13A(硬組織)であると判断された場合に、制御部5は、加工用光光源2からの発光状態を停止するように加工用光光源2を制御する。

    第3ステップにおいて、照射対象領域に加工用光を照射する際に、バンドルファイバ12の先端に設けられた集光レンズをバンドルファイバ12の軸方向に沿って移動して、加工用光を照射対象領域に集光させる。

    このように歯13Aあるいは歯肉13Bからの複数波長の光特性を検出し、検出結果に基づいて照射対象領域を特定した後、その照射対象領域を加工することにより、加工不要な部分を誤って加工することを防止でき、歯13Aあるいは歯肉13Bを加工する速度を向上することが可能となる。 また、歯13Aあるいは歯肉13Bの加工状態に応じて照射条件を適宜に調整することが可能となるので、加工の精度を高めることができる。

    以下、図3及び図4を参照しつつ第1実施形態に係るレーザ加工装置1の変形例について説明する。

    図3に示す変形例では、レーザ加工装置14の検出部15は、それぞれ異なる中心波長の光を透過または反射させる光フィルタ18,19と、複数波長の光を検出可能な検出素子16,17とが1対1の組み合わせにより構成されている。 光フィルタ18は、波長540nmの光に対して高い透過率をもち、波長610nmの光に対して低い透過率をもっている。 一方、光フィルタ19は、波長610nmの光に対して高い透過率をもち、波長540nmの光に対して低い透過率をもっている。 検出素子16,17は、波長540nm及び波長610nmを含む複数波長の光を検出可能である。

    このような構成により、歯13Aあるいは歯肉13Bからの蛍光、照明光の反射光、照明光の散乱光、輻射光を含む複数波長の光は、光ファイバ10,11により光フィルタ18,19にそれぞれ導光される。 そして、複数波長の光のうち波長540nmの光は、光フィルタ18を透過し検出素子16に入射し、検出素子16により検出され、波長610nmの光は、光フィルタ19を透過し検出素子17に入射し、検出素子17により検出される。 このような構成を有するレーザ加工装置14は、第1実施形態に係るレーザ加工装置1と同様な効果が得られるほか、検出部15の構成を簡単化することでき、装置全体のコスト削減を図ることが可能となる。

    図4に示す変形例では、レーザ加工装置20の検出部21は、1つの検出素子22と、波長に応じて光路を変更するプリズム(光路変更手段)23とを含んで構成されている。 プリズム23は、歯13Aあるいは歯肉13Bで生じる複数波長の光を導光する光ファイバ(第2の導光体)24と光学的に接続されている。 検出素子22は、波長540nm及び波長610nmを含む複数波長の光を検出可能である。

    このような構成により、歯13Aあるいは歯肉13Bからの蛍光、照明光の反射光、照明光の散乱光、輻射光を含む複数波長の光は、光ファイバ24によりプリズム23に導光される。 プリズム23では、複数波長の光のうち波長540nmの光と波長610nmの光の光路を変更し、プリズム23の回転により検出素子22への光路を切り替える。 従って、波長540nmの光と波長610nmの光は、検出素子22によりそれぞれ検出される。 このような構成を有するレーザ加工装置20は、第1実施形態に係るレーザ加工装置1と同様な効果が得られるほか、検出部21の構成を簡単化することができ、装置全体のコスト低減を図ることが可能となる。

    (第2実施形態)
    次に、第2実施形態に係るレーザ加工装置25について説明する。 図5は第2実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す概略図である。 レーザ加工装置25は、電子部品加工に用いられる装置であって、電子部品(加工対象物)26を加工する為の加工用光を発する加工用光発光部(第1の発光部)27と、電子部品26からの複数波長の光である検出光を検出することが可能な検出素子(検出部)28と、加工用光発光部27の発光状態を制御する制御部5とを備えている。

    加工用光発光部27は、中心波長が異なる2つの光源を有し、波長408nmのレーザ光を出力する第1加工用光光源29と、波長910nmのレーザ光を出力する第2加工用光光源30とを含んで構成されている。 これらの加工用光光源29,30から発する加工用光は、それぞれと光学的に接続される光ファイバ(第1の導光体)31,32により、電子部品26に向けて導光される。

    検出素子28は、波長408nm及び波長910nmを含む複数波長の光を検出可能な素子を有し、光ファイバ(第2の導光体)33と光学的に接続されている。 検出素子28は、光ファイバ33により導光されてきた異なる波長の光強度を検出し、検出した結果を制御部5に出力している。

    制御部5は、検出素子28により検出された結果に基づき、加工用光発光部27の発光状態を制御している。 すなわち、制御部5では、検出素子28により検出された波長408nmの光強度と波長910nmの光強度との比率を算出し、算出した値と判定閾値との比較を行うことによって、電子部品26の照射対象領域を特定する。

    光ファイバ31,32,33は、電子部品26側で束ねられ、固定されている。 これらの光ファイバ31,32,33は、バンドルファイバ12を構成している。 このように光ファイバ31,32,33を束ねることにより、レーザ加工装置25を小型化することができると共に、装置の操作を容易に行うことができる。 また、バンドルファイバ12の先端には、集光レンズ(図示せず)がバンドルファイバ12の軸方向に沿って移動可能に設置されている。

    このように構成されたレーザ加工装置25では、第1加工用光光源29及び第2加工用光光源30から発する加工用光が、それぞれ光ファイバ31,32により導光され、電子部品26に照射される。 そして、この照射により電子部品26で生じる複数波長の光は、光ファイバ33により検出素子28に導光され、検出素子28により検出される。 制御部5は、その検出結果に基づいて電子部品26の照射対象領域を特定すると共に、加工用光発光部27の発光状態を制御する。 このように直接に複数波長の光を検出し、加工状態を特定することで、従来のように温度変化で加工状態の良否を判定する場合と比べると、処理速度を大きく向上し、処理の高速化を図ることが可能となる。

    また、電子部品26からの複数波長の光を検出し、検出した結果に基づき第1加工用光光源29及び第2加工用光光源30の発光状態を制御することで、電子部品26の加工状態に応じて照射条件を適宜に調整することが可能となるので、加工の精度を高めることができる。 さらに、加工用光発光部27は、中心波長が異なる2つの光源を有するので、電子部品26の加工状態に応じて、中心波長が異なる2種類の加工用光を適宜に選択することが可能となり、加工精度を一層高めることができる。

    次に、第2実施形態に係るレーザ加工装置25を用いたレーザ加工方法について説明する。

    初めに、第1ステップでは、制御部5を介して第1加工用光光源29及び第2加工用光光源30からそれぞれ加工用光を発生させ、電子部品26に照射する。 このとき、電子部品26に損傷を与えないように加工用光の強度を弱くし、最大照射時間が20msで行う。 また、電子部品26を照射する際に、第1加工用光光源29及び第2加工用光光源30から発生した加工用光を拡散するように、バンドルファイバ12の先端に設けられた集光レンズをバンドルファイバ12の軸方向に沿って移動して、広範囲の照射範囲を確保する。

    続いて、第2ステップ及び第3ステップでは、電子部品26からの複数波長の光を検出し、検出光の特性により照射対象を判断し、電子部品26を加工する。 具体的には、加工用光の照射により、電子部品26に含まれる金属材料である金、錫等及び電子部品26を搭載するガラスエポキシ基板がそれぞれ加工用光を反射したり、蛍光を発生したりする。 そして、これらの加工用光の反射光、蛍光、加工用光の散乱光、及び輻射光を含む複数波長の光(すなわち検出光)は、光ファイバ33に入射し、検出素子28に導光される。

    検出素子28では、電子部品26で生じた複数波長の光のうち、加工用光の反射光である波長408nm及び波長910nmの光が検出される。 その検出結果は、制御部5に入力される。 制御部5では、検出素子28により検出された波長408nmの光強度と波長910nmの光強度との比率を算出し、算出した値と判定閾値との比較を行う。

    例えば、金に対して判定閾値をαとし、錫に対して判定閾値をβとした場合、算出した値がα付近であれば、電子部品26の照射対象領域が金であると判断され、第1加工用光光源29を動作させ、波長408nmの光を照射する。 また、算出した値がβ付近であれば、電子部品26の照射対象領域が錫であると判断され、第1加工用光光源29及び第2加工用光光源30を動作させ、波長408nm及び波長910nmの光を照射する。 それ以外であれば照射対象領域がガラスエポキシ基板と判断し、第1加工用光光源29及び第2加工用光光源30の発光状態を停止する。

    このように電子部品26からの反射光の光特性を検出し、検出結果に基づいて照射対象を判断し、電子部品26を加工することにより、電子部品26を加工する速度を向上することが可能となると共に、加工の精度を高めることができる。

    以下、図6及び図7を参照しつつ第2実施形態に係るレーザ加工装置25の変形例について説明する。

    図6に示す変形例では、レーザ加工装置34は、観察用光光源(第2の発光部)37をさらに備え、加工用光発光部が加工用光光源(第1の発光部)35を含んで構成されている。

    加工用光光源35は、特定波長408nmのレーザ光を出力する半導体レーザ素子を有する。 加工用光光源35から発する加工用光は、加工用光光源35に光学的に接続される光ファイバ(第1の導光体)36により、電子部品26に導光される。 観察用光光源37は、電子部品26を観察する為の観察用光を発するものであって、特定波長660nmのレーザ光を出力する半導体レーザ素子を含んで構成されている。 観察用光は光ファイバ(第3の導光体)38により電子部品26まで導光される。

    このような構成を有するレーザ加工装置34を用いてレーザ加工する際に、加工用光及び観察用光を電子部品26に照射し、検出素子28により加工用光及び観察用光の反射光である波長408nm及び波長660nmの光を検出する。 そして、検出された波長408nmの光強度と波長660nmの光強度との比率に基づき照射対象領域を特定し、加工用光を照射することによって、電子部品26を加工する。

    図7に示す変形例では、レーザ加工装置39は、加工用光光源(第1の発光部)45と観察用光発光部(第2の発光部)40とを備えている。 加工用光光源45は、特定波長308nmのレーザ光を出力する半導体レーザ素子を有する。 加工用光は、加工用光光源45に光学的に接続される光ファイバ(第1の導光体)46により、電子部品26に導光される。

    観察用光発光部40は、電子部品26を観察する為の観察用光を発するものであって、中心波長が異なる2つの光源を有し、波長408nmのレーザ光を出力する第1観察用光光源41と、波長660nmのレーザ光を出力する第2観察用光光源43とを含んで構成されている。 これらの観察用光光源41,43から発する観察用光は、それぞれと光学的に接続される光ファイバ(第3の導光体)42,44により、電子部品26に導光される。

    このような構成を有するレーザ加工装置39を用いてレーザ加工する際に、第1観察用光光源41及び第2観察用光光源43から発せられる観察用光を電子部品26に照射し、検出素子28によって観察用光の反射光である波長408nm及び波長660nmの光を検出する。 そして、検出された波長408nmの光強度と波長660nmの光強度との比率に基づき照射対象領域を特定し、特定波長308nmの加工用光を照射することによって、電子部品26を加工する。

    (第3実施形態)
    以下、図8を参照しつつ、レーザ加工装置1を用いた歯肉13Bの切開について説明する。

    手順S1(第1ステップ)では、制御部5を介してハロゲンランプ3から照明光を発生させ、歯13Aと歯肉13Bに照射する。 このとき、最大照射時間は20msである。

    手順S2(第2ステップ)では、歯13Aと歯肉13Bとからの検出光が検出され、手順S3(第2ステップ)では検出された検出光のスペクトル変化に基づき加工状態の変化の判断が行われる。 このとき、照明光の照射によって歯13Aと歯肉13Bとがそれぞれ蛍光を発生したり、照明光を反射したりする。 これらの蛍光、照明光の反射光、照明光の散乱光、輻射光を含む検出光は、光ファイバ10,11に入射し、検出部4まで導光される。

    検出部4は、波長540nmの光に対して高い受光感度をもつ第1の検出素子6と、波長610nmの光に対して高い受光感度をもつ第2の検出素子7とを備えるので、光ファイバ10,11により導光された歯13Aと歯肉13Bとからの複数波長の光のうち、波長540nm及び610nmの光が検出される。 その検出結果は、制御部5に入力される。 制御部5では、検出された波長540nmと610nmの光のそれぞれのスペクトルの変化に基づいて加工状態変化の度合いを判断する。

    そして、波長540nmと610nmの光のスペクトルの変化がないと判断された場合、手順S4(第3ステップ)に進む。 手順S4では、制御部5を介し加工用光光源2の発光状態を維持させて歯肉13Bの切開が行われる。 一方、波長540nmと610nmの光のスペクトルの変化があったと判断された場合、手順S5(第3ステップ)に進む。 この手順S5では、制御部5を介して加工用光のパワーを小さくし、又は加工用光の照射を停止するように加工用光光源2の発光状態が制御される。 例えば、歯肉13Bの切開中に波長540nmと610nmの光のスペクトルの変化があって歯13Aに接近していると判断された場合、制御部5は加工用光光源2から発生した加工用光のパワーを弱めるように加工用光光源2を制御する。 また、波長540nmと610nmの光のスペクトルの変化があって加工用光が歯13Aに当たったと判断された場合、制御部5は加工用光光源2からの発光状態を停止するように加工用光光源2を制御する。 そして、手順S1〜S5は、例えば加工用光が歯13Aに当たるまで必要な回数分繰り返される。

    このように検出光のスペクトルの変化に基づいて歯肉13Bの切開状態を随時確認し、切開状態に応じて加工用光光源2から発生した加工用光のパワーを適宜に調整することで、歯13Aに損傷を与えることを抑制すると共に、加工の精度を高めることができる。

    (第4実施形態)
    図9に示すように、レーザ加工装置47は、加工用光光源から発せられる加工用光を加工対象物へと導光する光ファイバ(第1の導光体)48と、観察用光光源から発せられる観察用光を加工対象物へと導光する光ファイバ(第3の導光体)50と、加工対象物で生じる複数波長の検出光を検出部に導光する光ファイバ(第2の導光体)53と、検出部により検出された結果に基づいて加工用光光源と観察用光光源との発光状態を制御する制御部とを備える。 本実施形態に係る加工用光光源、観察用光光源及び制御部は、図6に示す変形例における加工用光光源35、観察用光光源37及び検出部4と同様であり、検出部は、図4に示す変形例における検出部21と同様であるため、重複説明を省略する。

    光ファイバ48と光ファイバ50との出射端には、これらの光ファイバ48,50にそれぞれ光学的に接続される光ファイバ(第4の導光体)55が設けられている。 光ファイバ55の付近には、加工対象物からの検出光を導光する光ファイバ53が設置されている。 光ファイバ48と光ファイバ55とは、集光レンズ49,54と、集光レンズ49,54の間に配置された光フィルタ52とを介して互いに接続されている。 一方、光ファイバ50と光ファイバ55とは、集光レンズ51,54と、集光レンズ51,54との間に配置された光フィルタ52とを介して互いに接続されている。

    光フィルタ52は、光ファイバ48により導光された加工用光を透過させ、光ファイバ50により導光された観察用光を反射させるものである。 従って、光ファイバ48から出射された加工用光は、集光レンズ49によって集光され、光フィルタ52を透過した後、更に集光レンズ54により集光され、光ファイバ55に入射して光ファイバ55から加工対象物に出射される。 一方、光ファイバ50から出射された観察用光は、集光レンズ51によって集光され、光フィルタ52に反射された後、更に集光レンズ54により集光され、光ファイバ55に入射して光ファイバ55から加工対象物に出射される。

    図9に示すように、光ファイバ55から出射された観察用光の拡がり角θ1は、この光ファイバ55から出射された加工用光の拡がり角θ2よりも大きい。 このようにすれば、光ファイバ55から出射された加工用光の照射領域よりも観察用光の照射領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物を観察することが可能となる。 その結果、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、レーザ加工処理の高速化を図ることができる。

    また、加工対象物において加工用光の照射領域よりも観察用光の照射領域を広くする方法として、上述した方法のほか、図10及び図14に示す方法が挙げられる。 図10に示す方法では、バンドルファイバ56は断面六角形状に形成され、その中央には、7本の光ファイバ48が設けられ、光ファイバ48の周囲には、30本の光ファイバ50が配列されている。 このように構成されたバンドルファイバ56にあっては、光ファイバ50が光ファイバ48の外側に配置されるので、光ファイバ50から出射された観察用光の照射領域は光ファイバ48から出射された加工用光の照射領域よりも広いので、広範囲に加工対象物を観察することができる。 従って、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、レーザ加工処理の高速化を図ることができる。

    図14に示す方法では、光ファイバ48と光ファイバ50との出射端には、これらの光ファイバ48,50にそれぞれ光学的に接続された光ファイバ(第4の導光体)78が設けられている。 光ファイバ78の先端には、集光レンズ79が設置されている。 光ファイバ48により導光された加工用光(特定波長408nm)と、光ファイバ50により導光された観察用光(特定波長660nm)とは、互いに波長が異なるので、集光レンズ79の色収差によって加工対象物での焦点位置は異なる。 そして、加工用光の焦点位置に合わせて加工用光を結像させた場合(図14の実線部分)、観察用光の照射範囲(図14の破線部分)を拡げることが可能となる。 このようにすれば、広範囲に加工対象物を観察することができるので、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、レーザ加工処理の高速化を図ることができる。 なお集光レンズ79は光ファイバ78の軸方向に沿って移動可能に設置されていてもよい。 このようにすれば、色収差が無いまたは少ないレンズを使用しても加工対象物での焦点位置を充分に変えることができ、観察用光の照射範囲を広げることが可能となる。 もちろん、レンズの色収差を利用することと、レンズ設置位置を移動可能にすることの両者を組み合わせることが可能であることは言うまでもない。

    (第5実施形態)
    図11に示すように、レーザ加工装置57は、加工用光光源から発せられる加工用光を加工対象物へと導光する光ファイバ(第1の導光体)58と、加工対象物からの検出光を検出部まで導光する光ファイバ(第2の導光体)60と、観察用光光源から発せられる観察用光を加工対象物へと導光する光ファイバ(第3の導光体)63と、検出部により検出された結果に基づいて加工用光光源と観察用光光源との発光状態を制御する制御部とを備える。 本実施形態に係る加工用光光源、観察用光光源及び制御部は、図6に示す変形例における加工用光光源35、観察用光光源37及び検出部4と同様であり、検出部は、図4に示す変形例における検出部21と同様であるため、重複説明を省略する。

    光ファイバ58の出射端には、光ファイバ58,60にそれぞれ光学的に接続される光ファイバ(第5の導光体)65が設けられている。 光ファイバ65の付近には、観察用光を加工対象物へと導光する光ファイバ63が設置されている。 光ファイバ58と光ファイバ65とは、集光レンズ59,64と、集光レンズ59,64の間に配置された光フィルタ62とを介して互いに接続されている。 一方、光ファイバ60と光ファイバ65とは、集光レンズ61,64と、集光レンズ61,64との間に配置された光フィルタ62とを介して互いに接続されている。

    光フィルタ62は、光ファイバ58により導光された加工用光を透過させ、光ファイバ65により導光された検出光を反射させるものである。 従って、光ファイバ58から出射された加工用光は、集光レンズ59によって集光され、光フィルタ62を透過した後、更に集光レンズ64により集光され、光ファイバ65に入射して光ファイバ65から加工対象物に出射される。 一方、光ファイバ65に入射した検出光は、集光レンズ64によって集光され、光フィルタ62に反射された後、更に集光レンズ61により集光され、光ファイバ60に入射して検出部まで導光される。

    図11に示すように、光ファイバ65に入射した検出光の光ファイバ65の光軸L1に対する最大角度θ3は、出射された加工用光の拡がり角θ4よりも大きい。 この場合、光ファイバ65から出射された加工用光の照射領域よりも光ファイバ65に入射した検出光の検出領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物からの検出光を検出することが可能となる。 その結果、加工対象物の加工状態を確認し易くなるので、処理の高速化を図ることができる。

    また、加工対象物において加工用光の照射領域よりも検出光の検出領域を広くする方法として、上述した方法のほか、図12に示す方法が挙げられる。 図12に示すように、バンドルファイバ66は断面六角形状に形成され、その中央には、7本の光ファイバ58が設けられ、光ファイバ58の周囲には、30本の光ファイバ60が配列されている。 このように構成されたバンドルファイバ66にあっては、光ファイバ60が光ファイバ58の外側に配置されるので、光ファイバ58から出射された加工用光の照射領域よりも光ファイバ60に入射した検出光の検出領域を拡げることができるので、広範囲に加工対象物からの検出光を検出することが可能となる。 従って、加工対象物の加工状態を確認し易くなるので、処理の高速化を図ることができる。

    (第6実施形態)
    図13に示すように、レーザ加工装置67は、加工用光光源から発せられる加工用光を加工対象物へと導光する光ファイバ(第1の導光体)68と、観察用光光源から発せられる観察用光を加工対象物へと導光する光ファイバ(第3の導光体)70と、加工対象物で生じる複数波長の検出光を検出部に導光する光ファイバ(第2の導光体)73と、検出部により検出された結果に基づいて加工用光光源と観察用光光源との発光状態を制御する制御部とを備える。 本実施形態に係る加工用光光源、観察用光光源及び制御部は、図6に示す変形例における加工用光光源35、観察用光光源37及び検出部4と同様であり、検出部は、図4に示す変形例における検出部21と同様であるため、重複説明を省略する。

    光ファイバ68と光ファイバ70との出射端には、光ファイバ68,70,73にそれぞれ光学的に接続される光ファイバ(第4の導光体)75が設けられている。 光ファイバ68と光ファイバ75とは、集光レンズ69,74と、集光レンズ69,74の間に配置された2つの光フィルタ72,77とを介して互いに接続されている。 光ファイバ70と光ファイバ75とは、集光レンズ71,74と、集光レンズ71,74との間に配置された光フィルタ72とを介して互いに接続されている。 また、光ファイバ73と光ファイバ75とは、集光レンズ74,76と、集光レンズ74,76の間に配置された光フィルタ72,77とを介して互いに接続されている。

    光フィルタ72は、光ファイバ68により導光された加工用光、及び光ファイバ75により導光された検出光を透過させて、光ファイバ70により導光された観察用光を反射させるものである。 光フィルタ77は、光ファイバ68により導光された加工用光を透過させ、光ファイバ75により導光された検出光を反射させるものである。 従って、光ファイバ68から出射された加工用光は、集光レンズ69によって集光され、光フィルタ77,72を透過した後、更に集光レンズ74により集光され、光ファイバ75に入射して光ファイバ75から加工対象物に出射される。 光ファイバ70から出射された観察用光は、集光レンズ71によって集光され、光フィルタ72に反射された後、更に集光レンズ74により集光され、光ファイバ75に入射して光ファイバ75から加工対象物に出射される。 光ファイバ75に入射した検出光は、集光レンズ74によって集光され、光フィルタ72を透過した後、光フィルタ77に反射され、更に集光レンズ61により集光され、光ファイバ73に入射して検出部まで導光される。

    図13に示すように、光ファイバ75から出射された観察用光の拡がり角θ5は、この光ファイバ75から出射された加工用光の拡がり角θ6よりも大きい。 光ファイバ75に入射した検出光の光ファイバ75の光軸L2に対する最大角度θ7は、観察用光の拡がり角θ5と同じである。 このようにすれば、光ファイバ75から出射された加工用光の照射領域よりも、出射された観察用光の照射領域と光ファイバ75に入射した検出光の検出領域とを拡げることができるので、広範囲に加工対象物を観察することができると共に広範囲に加工対象物からの検出光を検出することが可能となる。 その結果、加工対象物の加工状態を確認し易くなり、レーザ加工処理の高速化を図ることができる。 なお、観察用光の拡がり角θ5と、検出光の光ファイバ75の光軸L2に対する最大角度θ7とは必ずしも同じでなくてもよく、それぞれが加工用光の拡がり角θ6より大きければ異なってもよい。

    本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。 例えば、上記の実施形態では、歯科治療と電子部品加工に用いられたレーザ加工装置について説明したが、レーザ加工装置の使用はこれらの用途に限らず、その他の分野にも適用可能である。 また、本方法あるいは本加工装置を用いれば、照射対象に対するレーザ照射位置を相対的に変化させながら順次加工していくような場合にも同様な効果が得られる。

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