Apparatus and methods for removing deposits from the teeth

申请号 JP51649395 申请日 1994-11-29 公开(公告)号 JPH09506525A 公开(公告)日 1997-06-30
申请人 ペーター レヒマン; 发明人 ペーター レヒマン;
摘要 (57)【要約】 アプリケータに通じる光導体を備えたパルス式レーザ光線用のレーザ 光源 を具備する、歯(2)の上の沈着物(8、10、12)を除去するための装置において、レーザ光源が波長300〜600nm、エネルギー 密度 0.5〜10J/cm
2 のレーザ光を放出するようにする。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. アプリケータ(28)に通じる光導体(26)を備えたパルス式レーザ光線(25)用のレーザ光源を具備する、歯石(8)、微生物プラーク(10)、結石(12)などの沈着物を除去するため装置であって、 前記沈着物ならびに微生物の感染を受けた歯根セメント質の除去に使用される前記レーザ光源が、除去すべき物質の吸収挙動に選択的に適合された300〜6 00nm、好ましくは320〜410nmの波長と、歯肉及び健全な歯物質に損傷を与えない0.5〜10J/cm 2のエネルギー密度を有するレーザ光線(2 5)を放出することを特徴とする装置。 2. レーザ光線(25)のレーザ光パルス、またはレーザ光パルスのパルス・チェーンのスパイク・パルスのパルス長が10マイクロ秒未満、好ましくは5ナノ秒と5マイクロ秒の間であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装置。 3. レーザ光線(25)のパルス長が50〜300ナノ秒、好ましくは150〜 250ナノ秒であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の装置。 4. レーザ光源のパルス繰返し周波数が10〜200Hz、好ましくは15〜1 50Hzであることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか一項に記載の装置。 5. レーザ光パルスのパルス・チェーンが2〜30個のQスイッチ・スパイク・ パルスを含むことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか一項に記載の装置。 6. 各レーザ光パルスが2個のスパイク・パルスを含むことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか一項に記載の装置。 7. 二重スパイク・パルスまたは多重スパイク・パルス相互間の時間間隔が約3 0マイクロ秒であることを特徴とする請求の範囲第5項または第6項に記載装置。 8. 複数のレーザ光スパイクを含むパルス・チェーンが制御されない形で互いに続き(自走レーザ)、各パルス・チェーンの後に数ミリ秒のダーク位相が続くことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか一項に記載の装置。 9. レーザ光線(25)のレーザ光が光スポット内で0.5〜5J/cm 2のエネルギー密度を有することを特徴とする請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか一項に記載の装置。 10. レーザ光線(25)のレーザ光が355〜390nmの波長を有することを特徴とする請求の範囲第1項ないし第9項のいずれか一項に記載の装置。 11. レーザ光線(25)の光スポットにおけるエネルギー密度が0.6〜3. 6J/cm 2であることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかに記載の装置。 12. レーザ光線(25)が液体ジェット(30)中に閉じ込められ、アプリケータ(28)から前記液体ジェット(30)と同軸に放出されることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第11項のいずれか一項に記載の装置。 13. アプリケータ(28)の自由端に、レーザ光線(25)がアプリケータ( 28)の長手軸から横に延びるための出口開口(32)が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第12項のいずれか一項に記載の装置。 14. アプリケータ(28)上に、操作の進行状況を示す切削音の測定が可能なように音響センサ(44)が配置されることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第13項のいずれか一項に記載の装置。 15. 光学式センサを含む監視手段(34)がアプリケータ(28)上または分離形のハンド・ピース(36)中に配置されることを特徴とする請求の範囲第1 項ないし第14項のいずれか一項に記載の装置。 16. 窓板(40)が前記光学式センサの前に配置されることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の装置。 17. イメージ光導体(38)が光学式センサと窓板(40)の間に接続されることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の装置。 18. 窓板(40)を介したイメージの伝達を改善するために、洗浄液が光学式センサの窓板(40)を通過することを特徴とする請求の範囲第15項または第16項に記載の装置。 19. レーザ光を導く液体ジェット(30)がボデー・サウンドを音響信号として液体の流れる方向とは逆方向に音響センサまで伝達することを特徴とする請求の範囲第1項ないし第17項のいずれか一項に記載の装置。 20. パルス式レーザ光線(25)を使って歯(2)の上の歯石(8)、プラーク(10)及び結石(12)を除去する方法であって、 前記沈着物(8、10、12)を除去するために、除去すべき沈着物(8、1 0、12)の吸収挙動に選択的に適合された波長を有するレーザ光線(25)を使用し、前記レーザ光線(25)が健全な象牙質(18)に対する切削閾値より低くて歯肉(4)に熱損傷を与えないエネルギー密度を有することを特徴とする方法。 21. 波長300〜600nm、好ましくは320〜410nmのレーザ光線( 25)を、エネルギー密度が0.5〜10J/cm 2の範囲の作用点の光スポット内で使用することを特徴とする請求の範囲第20項に記載の方法。 22. レーザ光線(25)のレーザ光パルスのパルス長またはレーザ光パルスのパルス・チェーンのスパイク・パルスのパルス長が10マイクロ秒未満、好ましくは5ナノ秒から5マイクロ秒の間であることを特徴とする請求の範囲第20項または第21項に記載の方法。 23. レーザ光線(25)のパルス長が50〜300ナノ秒、好ましくは150 〜250ナノ秒であることを特徴とする請求の範囲第20項ないし第22項のいずれか一項に記載の方法。 24.10〜200Hz、好ましくは15〜150Hzのレーザ光線のパルス繰返し周波数を使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第23項のいずれか一項に記載の方法。 25.2〜30個のQスイッチ・スパイク・パルスを含むレーザ光パルスを使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第24項のいずれか一項に記載の方法。 26.2個のスパイク・パルスを含むレーザ光を使用することを特徴とする請求の範囲第25項に記載の方法。 27. レーザ光パルスの二重スパイクまたは多重スパイク相互間に約30マイクロ秒の時間間隔を保つことを特徴とする請求の範囲第25項ないし第26項のいずれか一項に記載の方法。 28. 互いに制御されない形で続き、各パルス・チェーンの後に数ミリ秒のダーク位相が続く、複数のレーザ光スパイクを含むパルス・チェーンを使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第24項のいずれか一項に記載の方法。 29. エネルギー密度が0.5〜5J/cm 2のレーザ光線を使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第28項のいずれか一項に記載の方法。 30. 波長が355〜390mmのレーザ光線を使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第29項のいずれか一項に記載の方法。 31.0.6〜3.6J/cm 2のエネルギー密度を使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第30項のいずれか一項に記載の方法。 32. レーザ光線(25)の作用点の光スポットを照準を合わせた液体ジェット(30)で冷却することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第31項のいずれか一項に記載の方法。 33. レーザ光線(25)を液体ジェット(30)中に閉じ込め、前記液体ジェット(30)と同軸に案内することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第3 2項のいずれか一項に記載の方法。 34. レーザ光線(25)用の横出口開口(32)を有するアプリケータ(28 )を使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第33項のいずれか一項に記載の方法。 35. レーザ光を導く液体ジェット(30)によって前記液体の流れる方向とは逆の方向に伝達されるボデー・サウンドを音響センサ用の音響信号として使用することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第34項のいずれか一項に記載の方法。 36. パルス長が200ナノ秒より長い場合、光スポット内のエネルギー密度が選択されたパルス長と200ナノ秒のパルス長の商の平方根に比例する係数で増加することを特徴とする請求の範囲第20項ないし第35項のいずれか一項に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 歯から沈着物を除去するための装置と方法本発明は、それぞれ請求の範囲第1項及び第20項の前文に記載の、歯から生物プラーク、歯石、結石を除去するための装置及び方法を対象とする。 歯石及び結石は、通常、超音波式器具及び手持ち式器具を使用して機械的に除去している。 超音波式器具を使用する際、器具先端の振動によって石灰化構造が剥離する。 しかし歯の表面に小さな鉱化した部分領域が残って、新たなプラークの迅速な沈着とそれに続く新たな歯石の結晶化を促進する。 さらに手持ち式器具を使用することにより、歯石の完全な除去が可能になる。 このために、歯石除去器などを使用するが、これはをかけるとき歯の表面を横切って手で引っ張らなければならない。 超音波装置で除去を行う際、器具先端がその振動により、歯の硬い物質に損傷を与える可能性があるという欠点がある。 また手持ち式器具を使用しても、特に器具を歯の表面に対し平行に案内しない場合は、歯の硬い物質に損傷が及ぶ可能性がある。 歯の全領域で表面に対して接線方向に研削を行うことは不可能なのでこのような損傷は避けられない。 歯肉嚢の底部領域では、可能な最小幅の手持ち式器具でも歯と歯肉の間の歯肉嚢の幅に比べて非常に大きいので、結石の完全な除去は難しい。 すべての結石が除去できるには、器具が結石の下側に届かなければならず、その過程で歯を保持する構造の一番上の繊維を引き剥がすことになる。 したがって、たとえば4mm を越える深さの、特に多根歯の深い歯肉嚢の場合、結石の除去は、肉眼検査下で、すなわち外科的に歯肉を巻き上げた後で行われる。 歯肉下領域の結石の除去(歯根修平)にEr:YAGレーザを使用することは既知である。 (A.アオキ等:Basic Studies on the Apphcation of Er:YAG La ser to Sca1ing, Proceedings of the ISLD. Third Intemational Congress on Laser in Dentishy, Sa1t Lake City, Utah, 1992)。 波長2.94μmのレーザ光源を最大周波数10Hz、パルス長200マイクロ秒で動作させる。 エネルギーが10mJ/パルス未満のとき、このレーザ装置の効率は極めて悪い。 20 〜30mJ/パルスのより高いエネルギーでパルス周波数が10Hzのときに始めて許容できる効率が得られるが、歯根のセメント層が損傷を受けるという欠点がある。 30 mJ/パルスより高いエネルギーの場合は、歯根の損傷がさらにひどくなる。 もう1つの欠点は、歯肉に損傷を与える危険があることである。 上の既知のレーザ装置は吸特性が高い。 その効果として、解剖学的空間条件が限られているために絶えず起こることであるが、レーザ光線が歯肉嚢の壁面または底部に当たるとき、可能な最低のレーザ光束を使用してもこれらの組織構造が制御のとれない形で除去される可能性がある。

    レーザを使って歯根管を清掃し、歯痛を除くことが知られる。 このレーザ光の波長は308nmである。 このレーザ装置は高いエネルギー密度で動作し、したがってドリル工具のように使って歯痛を除くことができる。 ドイツ特許DE3936714A1は、液体ポンプとハンドピースの間のホース線内に、液体ポンプの電気モータにスイッチ機能を無電流伝達するための2つの可撓性光導体が配列されている、ウォータ・ピックを記述している。 本発明の目的は、歯や歯肉の表面に損傷を与えずに高い効率で不要の物質を選択的に除去する、プラーク、歯石、結石を除去するための装置を提供することにある。 上記の目的は、請求の範囲第1項に記載の特徴によって解決される。 本発明によれば、沈着物と細菌感染を受けた歯根セメント質の除去に使用されるレーザ光源が、除去すべき物質の吸収挙動に対して選択的に適合された、波長が300〜600nm、好ましくは320〜410nm、エネルギー密度が0. 5〜10J/cm

    2の、歯肉と健全な歯の物質に損傷を与えない光線を発生する。 このレーザ・パラメータの組合せを選択すると、歯肉嚢の組織や健全な歯物質、例えば、歯肉上歯石の下のエナメル質、ならびに歯肉上歯石の下のエナメル質、健全な歯根セメント質及び健全な歯根象牙質に不必要な損傷を与えずに、微生物プラーク、歯石、結石を高い効率で切削することが可能となる。 レーザ光線が嚢壁または嚢底部に当たったとき、嚢及び歯周保持構造の内壁は損傷を受けない。 エネルギー束密度は、特にレーザ光の前記波長における除去すべき物質の吸収挙動に関してこのような損傷が生じないように適切に選択する。 したがって、歯肉または健全な歯物質に損傷を与えずに不要の沈着物を選択的に除去することが可能である。 さらに、細菌の感染を受けた歯根セメント質を除去して、歯保持構造の再生が開始できるようにすることが可能である。 レーザ光パルスまたはQスイッチ・スパイク・パルスのパルス長は、10マイクロ秒未満とすることができ、5ナノ秒から5マイクロ秒が好ましい。 レーザ光のパルス長が10マイクロ秒を越えると隣接組織への熱損傷が避けられなくなるので、10マイクロ秒を越えてはならない。 50〜300ナノ秒の範囲のパルス長を使用することが好ましい。 また、レーザ光のパルス長を上記の範囲で可変調節可能にすることも可能である。 特に好ましいパルス長は150〜250ナノ秒である。 また、自走動作では、レーザ光パルスを名目パルス長数100マイクロ秒のスパイク・パルスのシーケンスとして提供することもできる。 レーザ光源のレーザ光パルスのパルス繰返し周波数は10〜200Hzの範囲であり、15〜150Hzが好ましい。 上記の設定の下で、レーザ光パルスの各パルス・チェーンは2〜30個のQスイッチ・スパイク・パルスを含むことができ、各パルスのエネルギー密度は請求の範囲に記載の範囲内である。 レーザ光線の作用点は、照準のよく合った液体ジェットで冷却することができる。 この点に関連して、特に好ましい実施形態では、レーザ光線を液体ジェット中に埋め込み、アプリケータから前記液体ジェットと同軸に排出する。 この場合、 レーザ光線は、光導体の延長部として機能する液体ジェットのコースを厳密にたどる。 すなわち、レーザ光線の作用点は液体ジェットの衝突点と同じであり、このため剥離した沈着物を液体ジェットによって直接洗い流すことができ、かつ処理を受ける部位が冷却されるようになる。 レーザ光のエネルギー密度は液体ジェットの所与の部分にわたって一定のままである。 したがって、アプリケータが作用点からある距離の所で使用できる。 これは、歯肉上の領域では意味があるが、 歯肉嚢中では空間条件が限られているため、液体ジェットとレーザ光線用の排出ノズルを備えたアプリケータを処理すべき表面に直接あてる。 これにより、光導体端部の焼切れが起こらないという利点が得られる。 アプリケータの自由端に、アプリケータの長手軸から横に延びるレーザ光線用の出口開口を設けることができる。 レーザ光線用またはレーザ光線を埋め込んだ液体ジェット用の横出口開口を設けると、歯肉嚢の狭い範囲内の沈着物の除去が容易になる。 この横出口開口は、たとえば光導体の延長部を形成する液体チャネルの対応する湾曲によって実現することができる。 アプリケータには音響センサを設けることができる。 この音響センサは、動作の進行状況を監視するのに役立つ。 というのは、沈着物が残っている限り、切削圧のために除去の際に音が出るからである。 沈着物がなくなると、センサで音響的に監視できる音量が著しく低下する。 動作の成否を制御するために、光学式センサ付きの制御装置を設けることもできる。 この制御装置は、別のハンド・ピース内またはアプリケータ上に別途配置することができる。 好ましい実施例では、光学式センサに窓板を設ける。 窓板は、レンズに比べてかなり小さい寸法で作成すると有利である。 このレーザはアプリケータの動作領域内で十分な強度の光を生成するので、動作領域の高品質のイメージを生成するのに窓板で十分である。 光学式センサと窓板の間にイメージ光導体を配置することが好ましい。 このイメージ光導体は、互いに平行に延びる重ねた複数の導体からなる。 このイメージ光導体により、光学式センサを歯肉嚢からある距離の所に保持することが可能になる。 光学式センサの窓板は、その中に液体を流すことができる。 窓板自体または窓板の縁部領域あるいはその両方を通って液体を案内することができる。 この点に関連して、窓板を含む光学式ヘッドを常時液体中に浸しておくことが好ましい。 窓板自体の中を液体を流す場合は、この措置によって、窓板がアプリケータによって除去された沈着物で詰まるのが防止できて有利である。 特に好ましい実施形態では、アプリケータから放出されるレーザ光線を導く液体ジェットが、レーザ光の作用点で発生したボデー・サウンドを液体の流れる方向とは逆方向に音響センサまで伝達するように、アプリケータが音響センサに組み込まれる。 このボデー・サウント信号は、すべての沈着物が除去されると非常に低レベルになり、沈着物の除去がまだ進行中には高レベルになる。 次に図面を参照しながら本発明の一実施形態についてより詳細に説明する。 第1図は、器具が歯肉嚢中に案内された状態の歯を示す図である。 第2図は、歯の表面における本発明の装置の動作部位を示す図である。 第3図は、細菌の吸収図である。 第4図は、水の吸収図である。 第5図は、本発明によるアプリケータの動作原理を示す系統図である。 第6図は、横方向ジェット放出を伴うアプリケータの第2の実施形態の全体図である。 第7図は、卵形断面を有するアプリケータの第3の実施形態の横出口開口を示す図である。 第8図は、光学監視装置を示す図である。 第9図及び第10図は、それぞれ第8図の線IX−IX及び線X−Xに沿った断面図である。 第11図は、光学監視装置の第2の実施形態を示す図である。 第1図は、あご部14で保持された歯2を示す。 歯2の左側に健全な歯周状態が図示してある。 健全な状態のとき、歯肉4の癒着線は、歯冠3と歯根セメント質20の境界線7上にある。 歯肉の上縁16はこの境界線7の0.5〜2mm上にあり、0.5〜2mmの自然な歯肉嚢6を形成している。 右側には感染した状態が示してある。 炎症のため、嚢の底部は境界線7の領域にはなく、その代わりに深くなった歯肉嚢6が形成されている。 この場合、歯肉4は境界線7によりずっと下方で歯2に癒着している。 歯の上の沈着物は歯肉の上縁の上下に生じ、実質的に歯石8、微生物プラーク10及び結石12からなる。 歯肉嚢6と歯肉4が炎症を起こした場合、顎骨14 の支持構造も陥没し、歯周炎の段階が進むとまず歯が緩み、最終的には歯を失うことになる。 歯2はエナメル層5で覆われた歯冠3を有する。 エナメル層5は歯肉上縁16 のやや上にある境界線7上で歯根セメント層20と合体している。 微生物プラーク10は歯2上の細菌の集塊からなる。 この集塊は鉱化していず、細菌、白血球、剥離した口内上皮細胞、血球及び食物残渣粒子からなる。 1m m

    2のプラークに約10

    8個の細菌が含まれる。 微生物間基質(25体積%)は、 蛋白質、炭水化物、脂肪からなる。 これらの物質は細菌代謝、唾液及び組織滲出液、すなわち歯肉嚢滲出液に由来する。 歯肉上プラークと歯肉下プラークを区別することができる。 「歯肉上」の語は、歯肉の縁部16付近の部位、すなわち目に見える間の領域を指し、「歯肉下」の語は、歯肉嚢6内部の領域を指す。 歯肉嚢6は以下のように定義できる。 上向きの方向では、歯肉嚢6は開いているか、あるいは歯肉上のプラークまたは歯石8によって閉じている。 歯肉嚢6の内側は嚢上皮からなるが、これは炎症性増殖を受けている可能性がある。 歯の側では、歯根象牙質18の上に歯根セメント質の層20が配列しており、その一部に細菌または細菌毒素が浸透している可能性がある。 この歯根セメント層20の後に結石層12とプラーク層10が続いている可能性がある。 下向きの方向では、歯肉嚢は、嚢壁22、結合組織繊維及び上皮層で限定されている。 歯周炎による歯肉嚢の炎症の段階が進んでいる場合、嚢壁はさらに後ろに引っ込む。 歯石8は、鉱化したプラーク、すなわち主要元素としてCa/Pを含む無機塩からなる。 歯肉下歯石は結石12とも呼ばれ、結石12はヘモグロビンの大部分を含み、従って色がかなり暗色で黒色のこともある。 黒色は、一部には細菌性の硫化水素と唾液中の鉄から生じる不溶性硫化鉄によって生じる。 一方歯肉上結石8は白味がかった黄色ないし暗黄色である。 第2図は、炎症を起こした歯肉嚢6の領域の断面図である。 歯根象牙質18の横に、歯髄24のための歯2の空洞が見える。 歯2からの沈着物の除去は、レーザ光源(図示せず)を備え、光導体26とアプリケータ28を介してパルス式レーザ光線25を沈着物の付いた歯の表面に放出する装置(第5図)で行う。 アプリケータ28は手持ち式器具からなることが好ましく、その先端の直径は約1〜1.5mmで歯肉嚢6中に挿入できるようになっている。 レーザ光源は、波長300〜600nm、エネルギー密度0.5〜10J/c m

    2のパルス式レーザ光線25を発生する。 これらのパラメータをもつレーザ光線は、例えば、歯肉上歯石8または歯痛部の下のエナメル質や歯肉下歯石8、1 2の下の健全な歯根セメント質及び健全な歯根象牙質など、健全な硬い歯の表面に損傷を与えずに歯2から沈着物8、10、12を選択的に除去するのに有用である。 歯肉嚢の組織及び隣接する歯保持構造は傷つかない。 前記の波長範囲での沈着物の自然の吸収挙動により、沈着物の選択的除去が可能である。 微生物プラーク10中では、細菌が優勢である。 第3図に、Pseudomonas areo genosaと呼ばれる細菌の一菌株の吸収図を示す。 この図では、吸収強度をレーザ光の波長(単位nm)の関数としてプロットしてある。 波長が600nmより長いと吸収は小さいが、波長が400nm未満のときは吸収の著しい増大が観察できる。 これは、芳香族アミノ酸ならびにNA、NEATH、チトクローム、黄色蛋白質など呼吸鎖の酵素の特性吸収スペクトルによるものと考えられる。 黄色酵素の典型的吸収スペクトルは、370nmと480nmに最大吸収を示す。 チトクロームでは最大吸収は400nmと550nmにある。 特にporphyromonas gingivalisやprevotella intermediaと呼ばれ黒色色素沈着バクテロイデスとも呼ばれる細菌の菌株は、歯周病原性であると見なされている。 プロトポルフィリンIX(PPIX)を含むことが特徴的である。 プロトポルフィリンは好ましくは410nmと520nmで光を吸収する。 微生物プラーク10中に細菌を含むことが、紫外スペクトルの近紫外領域で吸収がやや大きくなることのある理由である。 歯肉上歯石の吸収挙動は、細菌が大量に存在することの影響をかなり受け、したがって微生物プラーク10の吸収挙動と大幅に一致する。 ただし、微生物プラーク10は吸収特性に影響を及ぼす血液成分をほんの二三種しか含まないが、微生物プラーク10は、したがって鉱化プラークの形をとる歯肉上結石8も鉄と硫黄を含んでいる。 この両者は不溶性の硫化鉄を形成し、それが黒色を呈し、全スペクトル範囲で光を吸収する。 結石12、すなわち歯肉上結石中では、血液及び血液成分を高率で含有することが吸収挙動に影響しており、最大吸収は380〜410nmの範囲と560n mで生じる。 したがって、この場合、結石の除去は、可視スペクトル領域で放出するレーザ、例えば短パルス・アルゴン・レーザで実施できる。 しかし、通常は現在市販のレーザは専ら連続放出用に設計されており、熱的副作用があるため使用できない。 レーザ光源として、波長380nmの周波数二倍化アレキサンドライト・レーザまたは波長355nmの周波数三倍化Nd:YAGレーザを使用することが好ましい。 1〜5J/cm

    2のエネルギー密度を使用して320〜410nmの波長範囲で良好な結果を得ることができる。 波長380nmのレーザ光を使用するとき、 約3J/cm

    2のエネルギー密度を使うと特に有利である。 このパラメータの組合せにより、前記波長に対するレーザ・エネルギー密度が健全な象牙質18の切削閾値より下になり、したがって象牙質よりも高い健全なエナメル質5の切削閾値より下になることが保証される。 これによって歯2上の沈着物の選択的除去が可能になる。 また細菌に感染した歯根セメント層も除去される。 感染していない歯根セメント質または象牙質の表面だけがセメント芽細胞の新たな発生に適し、 歯の支持構造を再生させるので、このことは重要である。 さらに、レーザ光を選択的に歯肉嚢6内の組織に当てることができる。 嚢と歯周保持構造の内壁は、レーザ光線が嚢壁21または嚢底部22に当たったときマイナスの影響を受けない。 沈着物の除去にレーザ光線を使用すると、レーザ光線が歯肉嚢6内の細菌を直接破壊し、またはその代謝を妨げて、嚢領域全体の保護を行うという追加の利点も得られる。 レーザ光源は、スパイク周波数約50〜400スパイク/秒のQスイッチ・スパイク・パルスのレーザ・パルス・チェーンを放出することが好ましい。 パルス・チェーン中のスパイク・パルスの数は2〜30Qスイッチ・スパイク・パルスの範囲にある。 個々のスパイク・パルス間の時間間隔は約30〜50マイクロ秒である。 連続Qスイッチ・スパイク・パルスを使用すると、エネルギーが有効に利用でき、レーザ光源用の大きな変圧器を必要とせずにより高い周波数の使用が可能になるので有利である。 必要ならば、レーザ光線25のパルス長を可変調節することができる。 そうする場合、パルス長は10マイクロ秒を越えてはならない。 それを越えると、隣接する組織への熱損傷が避けられなくなるからである。 使用する好ましいパルス長は約200ナノ秒である。 レーザ光のパルス長が200ナノ秒より長い場合、設定パルス長と200ナノ秒の基底パルス長の商の平方根に比例する、エネルギー密度の増加係数が使用できる。 この比例係数は1であることが好ましい。 すなわちパルス長が200ミリ秒より長い場合、増加係数に対応して増大されたエネルギー密度が光スポット中で必要とされることになる。 複数のQスイッチ・レーザ光スパイクを含むパルス・チェーンを使用する代わりに、各パルス・チェーンの後に数ミリ秒のダーク位相が続く、制御されない連続するレーザ光スパイクを含むパルス・チェーンを使用することも可能である。 沈着物の選択的切削に使用されるレーザ光パルスは、光導体26によってアプリケータ28に導かれる。 パルス周波数が約12Hzを越えると、レーザ光線の光スポット中で作用点を冷却すべきである。 この目的で、既知の散水式冷却装置が使用でき、これはアプリケータ28に装着することができる。 レーザ光線をアプリケータ28内の液体ジェット30に組み込み、アプリケータ28から出る液体ジェットを光導体延長部として使用することがさらに好ましい。 第5図は、液体ジェット30中へのレーザ光の組込みを示す系統図である。 この構成では、レーザ光円錐の開口を考慮すると、アプリケータ28の出口開口32におけるレーザ光円錐が出口開口32の開口幅にぴったり到達する程度に、 光導体26の自由端がアプリケータ28の出口開口に対して後退している。 アプリケータ28の直径はせいぜい1.0〜1.5とすべきである。 この直径までの様々な直径のアプリケータが使用でき、したがって深い歯肉嚢6にも容易にアクセスできる。 この目的で、異なる直径の交換式先端部分を備えるアプリケータを提供することも可能である。 第6図及び第7図は、接近し難い領域、例えば歯根分岐部にも到達できるように適合された横放出式アプリケータを示している。 上記のアプリケータ28は、 セラミック・コーティングした中空導体を備えることができる。 第7図の実施形態では、歯の表面の面治療が可能な楕円形の出口開口が示されている。 レーザ光線25を閉じ込めた液体ジェット30によって水冷を実施することにより、ちょうどレーザ光線の作用点で冷却が行われるという利点が得られる。 第4図の水の吸収スペクトルから明らかなように、ここで使用する波長範囲では水によるレーザ光の吸収は実質上ないので有利である。 この点に関して、歯肉嚢6 に含まれる水によって切削が損なわれることはない。 切削の監視は、光ファイバ手段により光学式監視装置34を使って行うことができる。 監視装置34はアプリケータ28とは独立して使用できる分離形手持ち式器具であり、第1図には、歯肉嚢6を検査中のものが例として示してある。 第8図は、イメージ光導体38を介してハンドピース36に接続された光学式光センサ(図示せず)を備える、光学式監視装置34の第1の実施形態を示す。 イメージ光導体38は、1本の光導体ではなく光導体の束からなり、イメージ情報を伝送することができる。 イメージ光導体38は、窓板40からある距離の所で終端し、窓板40は、イメージ光導体38上に歯肉嚢6のイメージを生成するために使用される。 ハンドピース36は、さらに、ハンドピース36から、第8 図ないし第10図の実施形態の場合のように、窓板40の周辺領域中及び窓板4 0自体を経て、あるいは第11図の実施形態の場合のように窓板40自体のみを経て放出される洗浄液用のチャネル42を少なくとも1本含んでいる。 歯肉嚢6 はいずれにせよ水で一杯になっているので、この排水によりイメージの伝達が改善される。 アプリケータのレーザ光により、歯の表面が強い光で照射され、したがってアパチャが歯の表面の鋭く明るい像を生成することができる。 その走査の進行及び成否を監視するためのもう1つの手段は、切削音を拾うための音響センサをアプリケータ28上に設けることである。 歯の表面に沈着物がある限り、切削圧のために切削中にノイズが発生するが、歯の表面がきれいになるとノイズは検出されなくなる。 この点に関して、第5図ないし第7図の実施形態によるアプリケータでは、ボデー・サウンドを介して切削ノイズを拾うのに最も適した音響センサを使用することによって液体ジェット30中をはね返ってくるボデー・サウンドを検出するのが特に有利である。

    【手続補正書】特許法第184条の7第1項【提出日】1995年5月29日【補正内容】 請求の範囲 1. アプリケータ(28)に通じる光導体(26)を備えた、パルス式レーザ光線(25)用のレーザ光源を具備する、例えば歯(2)の上の歯石(8)、微生物プラーク(10)、結石(12)などの沈着物を除去するため装置であって、 前記レーザ光源の波長が、前記物質が選択的に除去されるように、前記沈着物ならびに細菌の感染を受けた歯根セメント質の吸収挙動に対応して300〜60 0nm、好ましくは320〜410nmの範囲内のある値に調整され、 前記レーザ光源が光スポットにおいて、0.5〜10J/cm 2のエネルギー密度を有することを特徴とする装置。 2. レーザ光線(25)のレーザ光パルス、またはレーザ光パルスのパルス・チェーンのスパイク・パルスのパルス長が10マイクロ秒未満、好ましくは5ナノ秒と5マイクロ秒の間であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装置。 3. レーザ光線(25)のパルス長が50〜300ナノ秒、好ましくは150〜 250ナノ秒であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の装置。 4. レーザ光源のパルス繰返し周波数が10〜200Hz、好ましくは15〜1 50Hzであることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか一項に記載の装置。 18. 窓板(40)を介したイメージの伝達を改善するために、洗浄液が光学式センサの窓板(40)を通過することを特徴とする請求の範囲第15項または第16項に記載の装置。 19. レーザ光を導く液体ジェット(30)がボデー・サウンドを音響信号として液体の流れる方向とは逆方向に音響センサまで伝達することを特徴とする請求の範囲第1項ないし第17項のいずれか一項に記載の装置。 20. パルス式レーザ光線(25)を使って、特に請求の範囲第1項ないし第1 9項のいずれか一項による装置を使用することによって、歯(2)の上の歯石( 8)、微生物プラーク(10)及び結石(12)を除去する方法であって、 前記沈着物(8、10、12)及び細菌の感染を受けた歯根セメント質を選択的に除去するために、除去すべき沈着物(8、10、12)の吸収挙動に選択的に適合された波長を有し、エネルギー密度が健全な象牙質(18)に対する切削閾値より低いレーザ光線(25)を使用することを特徴とする方法。 21. 波長300〜600nm、好ましくは320〜410nmのレーザ光線( 25)を、エネルギー密度が0.5〜10J/cm 2の範囲の作用点の光スポット内で使用することを特徴とする請求の範囲第20項に記載の方法。 22. レーザ光線(25)のレーザ光パルスのパルス長またはレーザ光パルスのパルス・チェーンのスパイク・パルスのパルス長が10マイクロ秒未満、好ましくは5ナノ秒から5マイクロ秒の間であることを特徴とする請求の範囲第20項または第21項に記載の方法。 【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年12月21日【補正内容】 請求の範囲 1. アプリケータ(28)に通じる光導体(26)を備えた、パルス式レーザ光線(25)用のレーザ光源を具備する、例えば歯(2)の上の歯石(8)、微生物プラーク(10)、結石(12)などの沈着物を除去するため装置であって、 前記レーザ光源の波長が、前記物質が選択的に除去されるように、前記沈着物ならびに細菌の感染を受けた歯根セメント質の吸収挙動に対応して300〜60 0nm、好ましくは320〜410nmの範囲内のある値に調整され、 前記レーザ光源が光スポットにおいて、0.5〜10J/cm 2のエネルギー密度を有することを特徴とする装置。

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