Method for processing a laser processing equipment and living tissue

申请号 JP2011526389 申请日 2009-08-19 公开(公告)号 JP5271414B2 公开(公告)日 2013-08-21
申请人 ルメラ レーザー ゲーエムベーハー; アントン カセンバッハー; 发明人 アントン カセンバッハー;
摘要
权利要求
  • パルス状のレーザー加工用ビーム(50)を供給するための光源(1、10)と、
    前記レーザー加工用ビーム(50)をレーザー加工対象の組織部位の方向に結合(出射)するためのアウトカップラー(6、70)と、
    レーザー加工対象の前記組織の部位の周辺域の方向に感光剤を供給するためのアウトフィーダ(5、25)と、を具備し、
    前記アウトフィーダ(5、25)は、前記レーザー加工用ビーム・アウトカップラー(6、70)に接続されて おり、
    前記レーザー加工用ビーム(50)のレーザー・パルスは、1 ps〜100 psの範囲にある時間的半値幅をもつ、生体組織をレーザー加工するためのレーザー加工装置。
  • 前記装置 は、虫歯に冒された象牙質の切除または研磨のための歯科用レーザー加工装置(200)である、請求項1に記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー・パルスの繰り返し率は、1 Hz〜1000 kHzの範囲に入るように設定される、 請求項1または請求項2に記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工用ビームが、少なくとも一部は、二光子吸収によって前記感光剤に吸収され、前記感光剤の吸収最大値近くの吸収が起こるように、前記レーザー・パルスの波長が選択される、 請求項1から 請求項3のいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工用ビームが、少なくとも一部は、一光子吸収によって前記感光剤に吸収され、前記感光剤の吸収最大値近くの吸収が起こるように、前記レーザー・パルスの波長が設定される、 請求項1から 請求項3のいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工用ビーム・アウトカップラー(6、70)に連結されて、前記レーザー加工用ビーム・アウトカップラー(6、70)の遠位端を前記レーザー加工対象組織の一部分に対して位置決めするための位置決め器 (150)をさらに具備する、 請求項1から 請求項5のいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記パルス状のレーザー加工用ビーム(50)の実質的にトップ・ハット・ビーム・プロファイルを生成するためのビーム整形素子(30)をさらに具備する、 請求項1から 請求項6のいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工用ビームで組織部位を走査するための走査素子(80)をさらに具備する、 請求項1から 請求項7のいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記走査素子(80)は、前記レーザー加工用ビーム(50)が焦点を結んだ部位の一区分が、正確に一つのレーザー・パルスによってレーザー加工されるように設計される、 請求項8に記載のレーザー加工装置。
  • 前記走査素子(80)は、隣接する部位区分が一つのレーザー・パルスによってまたがってレーザー加工され、各区分のまたがってレーザー加工される部分は部位区分の半分よりも小さい表面積になるように設計される、 請求項8または 請求項9に記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工装置は、焦点位置を当該組織の表面に常に維持するための自動焦点合わせ素子(20)をさらに具備する、 請求項1から 請求項10のうちのいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工装置は、前記組織または周辺域で発生された信号の有無 と、その信号強度を検出するための検出器(110)をさらに具備する、 請求項1から 請求項11のうちのいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記検出器(110)は光センサーである、 請求項12に記載のレーザー加工装置。
  • 前記光センサーは、前記組織へ放射された電磁放射の第二高調波またはそれより高次の高調波を感知するように設計される、 請求項13に記載のレーザー加工装置。
  • 前記レーザー加工用ビーム・アウトカップラー(70)は、感光剤を外部供給するための前記アウトフィーダ(25)の少なくとも一部がそこに内蔵される、ハンドピースの形態で装備される、 請求項1から 請求項14のうちのいずれかに記載のレーザー加工装置。
  • 前記ハンドピースの内部に、前記走査素子(80)及び/または自動焦点合わせ素子(20)が配置される、 請求項15に記載のレーザー加工装置。

  • 说明书全文

    本発明は、生体組織をレーザー加工するための方法と生体組織をレーザー加工するためのレーザー加工装置に関係する。 本発明は、特に、安全性(生体の安全性)を最大限保証し、二次的損傷を最大限減少しつつ、失活(死んでいる)及び生活(生きている)生体組織の自動的かつ客観的診断とレーザー加工を行なうための統合的なオンライン解析を特徴とする、失活(死んでいる)及び生活(生きている)生体組織の即時診断とレーザー加工のための方法及びレーザー加工装置に関係する。

    本発明の適用分野の一例は、象牙質、特に、虫歯に冒された象牙質の切除または研磨のために、機械式ドリルに代えて、レーザー加工方法及び装置を使用できる歯科である。 しかし、本発明は、例えば、硬組織、軟組織及び組織液などの他の種類や型の生体組織のレーザー加工にも同様に応用可能であると解釈される。

    歯科において、特に、虫歯治療において、主要な目標は、従来のX線写真診断方法や従来の機械式ドリル装置を近単色(LED)及び/または厳密な単色の放射光源(レーザー)に完全にまたは部分的に置き換えることである。 X線撮影用放射線の変異原性及び発癌性の潜在可能性は、医学の分野ではよく知られており、このことが治療は「合理的に達成可能な限り低く」(ALARA)という原則を常に順守しなければならない理由である。 理想的な代替手段は、治療の間、可能であれば、X線撮影用放射線なしで解析することであろう。 口腔組織構造の治療に関する限り、従来の「ドリル」は、結果的に誘発される避けようのない痛みとあいまって、かなりの熱機械的損傷(摩擦熱、ひび割れ、衝撃波)を引き起こすその潜在可能性にもかかわらず、その普遍性と低い投資コストゆえに、歯科においてはなおも主要な選択であり続ける。 今日まで、世界的に見て、最大限の生体の安全性のために自動の自己制御式停止機能を備えた、同時的かつ客観的な病理学的構造(例えば、虫歯)の検出と治療(例えば、窩洞形成)のための「スマート」な装置は、いまだ存在しない。 これらの好ましくない影響のすべては、診断とレーザー加工を併合した装置を使用することによって回避可能である。

    近年、歯科での使用に向けた一連のレーザー・システムの試験が行われてきた。 しかし、多くの事例において、特にこれらの関与システムの初期のものでは、望ましくない熱の影響またはその他の二次的な影響が観測された、あるいは切除効率が不十分であった。 このことは、例えば、紫外線領域における波長をもつエキシマー・レーザーまたは赤外線波長領域におけるEr:YSGG(λ = 2.7 μm)またはEr:YAG(λ = 2.94 μm)レーザーを使用する、ナノ秒からマイクロ秒までの範囲に入るパルス幅をもつパルス状レーザー・ビーム光源を基にして動作するレーザー・システムでは特にそうであった。 その上、これらのシステムの中で、生体に安全な検出と治療を行なうことができるシステムは皆無である。

    可視または近赤外スペクトル領域における波長のピコ秒(ps)域またはフェムト秒(fs)域での短パルス・レーザー・システムが導入されてようやく実質的な進歩が達成された。 最初の実証研究は、これらのシステムが、機械式タービンの性能と少なくとも同等の効率で質の高い歯切除結果を達成可能にすることを示した。

    特許文献1は、パルス状レーザー・ビーム光源を用いた素材物質切除のための方法と装置を記述する。 レーザー・パルスの波長、パルス幅、エネルギー、及び繰り返し率に関して選択されるべき切除パラメータが、レーザー加工用ビームの焦点位置でプラズマが形成されるように、各レーザー・パルスが素材物質の薄い表面部分と相互作用するように意図される関与作業に関してだけ主に示される。 上記に挙げたレーザー加工用ビームのパラメータは、50 mJまでに達する、または表面積については、15 J/cm までに達するというように、比較的広い範囲に及んで示されている。 しかし、危惧されることは、非常に短いレーザー・パルスから超短波までのレーザー・パルスを含むこれほど高いパルス・エネルギーにより、特に、4個以上の光子がかかわる場合に、多光子イオン化などの非線形過程により有害な二次的影響が現れるほどのパルスの最大時の電または強度の値に達することである。 このような強力な(数TW/cm の)ピーク・パルス時には特に、DNA損傷やキャビテーション気泡の形成などの致命的な二次的影響を伴う、分子のイオン化が発生し(イオン化エネルギーE ion = 6.5 eV)、それに続いて、紫外線(UV)からX線に至るまでの範囲に及ぶスペクトル帯域幅における音ルミネセンス融合が起こることは避けられない。

    米国特許第5,720,894号明細書

    本発明の目的は、したがって、効率的な組織レーザー加工を今や確実に行ない、かつレーザー加工対象組織とその近接周囲域に損傷を与える影響を回避するまたは最小にすることを可能にし、レーザー光波長を選択する上でさらなる柔軟性を与えることをも可能にする、生体組織をレーザー加工するための方法と生体組織をレーザー加工するためのレーザー加工装置を定義することである。 特に、本発明の目的は、組織の客観的診断と効率的なレーザー加工を瞬時のうちにも今や確実に行ない、かつレーザー加工対象組織とその近接周囲域に損傷を与える影響を回避するまたは最小にすることを可能にし、レーザー・ビームの波長、パルス幅及び強度を選択する上でさらなる柔軟性を与えることを可能にする、生体組織の診断とレーザー加工を同時に行なうための方法並びに生体組織の診断とレーザー加工のためのレーザー加工装置を定義することである。

    上記目的は、独立請求項の特徴によって達成される。 有利なさらに他の実施形態と態様は、下位請求項から読み取れる。

    本発明の一つの実現は、生体組織をレーザー加工用ビームでレーザー加工するときに、組織自体にビームを当てなくてはならないことはもはや必要ではないということである。 その代わり、レーザー加工用ビームは、今は有利にある物質に吸収されることが可能であり、同物質はこの吸収によって、本質的に、自由なまたは準自由な電子の源として働き、電子自体は吸収されたエネルギーを切除されるべき素材物質に伝達する。 このように働くものとしての物質は、感光剤が最も効果的に使用される。 感光剤は、光量子を吸収後、光化学反応に入る感光性の化合物である。 感光剤の活性化は、十分な強度の適当な波長のレーザー光によって行なうことができ、光吸収は、最初に比較的短期間の一重項状態に感光剤を活性化し、その後より安定した三重項状態へ変わる。 この活性化された状態は、次に、例えば、切除されるべき素材物質と直接反応できる。

    本発明による別の実現は、ピコ秒範囲にある時間的半値全幅を有するレーザー・パルスが今は有利に使用されることが可能であり、上記の範囲において侵入度の光学的深さにより、一方では切除効率、他方では生物医学的適合性が最適化され得るので、熱的及び機械的応力を制限することを可能にする。

    本発明のさらに別の実現は、マーカーを使用して、レーザー加工または切除対象部位を診断のために可視表示し、この表示は、必要な場合には、今やレーザー加工と同時に実施できることである。 このマーカーは、同様に、感光剤であってもよく、及び/またはレーザー・ビームまたはLEDによって連続的にまたは適当な波長、幅及び強度のパルス波状に活性化されることも可能である。

    本発明によるまたさらに他の実現は、レーザー加工または切除対象組織の部位を密閉して包み込み、吸引システムを本体及びレーザー加工用ビーム・デカップラー/アウトカップラーに組み込むことである。

    本発明の第1の態様では、レーザー加工対象部位の周囲域に感光剤を部位をしぼって塗布することと、パルス状のレーザー加工用ビームを供給することと、及び1 ps〜100 psの範囲にある時間的半値幅をもつレーザー・パルスを発する上記パルス状のレーザー加工用ビームによって上記組織部位をレーザー加工することを含む、生体組織をレーザー加工する方法が記述され、上記範囲は、100 fs単位で増分するあらゆる中間値を網羅する。

    上記方法の一つの実施形態では、レーザー加工用ビームが、少なくとも一部は、二光子吸収によって感光剤に吸収され、感光剤の吸収最大値近くの吸収が起こるように、レーザー・パルスの波長が選択される。

    別の実施形態では、レーザー加工用ビームが、少なくとも一部は、一光子吸収によって感光剤に吸収され、感光剤の吸収最大値近くの吸収が起こるように、レーザー・パルスの波長が設定される。

    さらに別の実施形態では、レーザー・パルスの繰り返し率は、1 Hz〜1000 kHzの範囲に入るように設定される。 この構成において、レーザー・パルスはバーストとして生成され、各バーストが所定のレーザー・パルス数を有し、例えば、各部位のレーザー加工は所定のバースト数(例えば、1個のバースト)で行なわれ、このバースト内のレーザー・パルスはまた、設定されたとおり変化するパルス・ピーク強度を有し得ることを提示することもできる。 有利には、バーストの前、間または後に、望ましくない先行または後続パルスまたはアンダーグランド強度やオフセット強度が全く発生しない。

    また別の実施形態では、レーザー・パルスのエネルギーは、特に100 μJ未満の範囲において、1.5 J/cm 〜7.5 J/cm の範囲に入る密度に設定され、組織部位上のレーザー加工用ビームの焦点位置は、組織の表面で10〜100 μmの範囲に入る焦点直径となるように設定される。

    なおもさらに別の実施形態では、部位をレーザー加工するレーザー・パルスのピーク強度は、10 11 〜1.5 × 10 12 W/cm の範囲に入る。 別の実施形態では、パルス状のレーザー加工用ビームを使用する場合の診断用パルスのピーク強度は、10 〜10 W/cm の範囲に入る。

    第1の実施形態では、上記方法は、特に虫歯に冒された状態の象牙質の切除または研磨のために使用され、虫歯に冒された象牙質がバクテリア活性により多孔質構造をもつような用途は好都合である。 この多孔質構造では、感光剤が切除すべき虫歯の象牙質にいわば埋め込まれるようになって侵入し、その他の用途でのように、切除すべき組織物質の表面に塗布される必要はない。

    ピコ秒(ps)またはフェムト秒(fs)のレーザーなどの短パルス・レーザーを用いて生体組織をレーザー加工する際には、ほんのナノ秒またはマイクロ秒で切除される、レーザー加工ビームの焦点位置の薄い表面層中でマイクロプラズマが発生されることはすでに知られている。 このナノ秒またはマイクロ秒のうちに、生体組織は、準自由な電子をもつレーザー光子との相互作用でイオン化されることはなく、最小限の侵襲で熱機械的に断片化される。 一つの大まかな意図は、しきい値領域において、すなわち、臨界電子密度(1064 nmのレーザー波長では1.03 × 10 21個の電子/cm )よりも常に低い状態で、マイクロプラズマを常に発生させることであり、これにより、望ましくない二次的影響を回避するように医学的及び生物学的適合性を最大にして切除を行なうことを可能にする。 特に回避されなければならないのは、UV放射と多光子イオン化を引き起こす5800 K(太陽の表面温度)以上のプラズマ温度であり、このようにして組織の水分子がイオン化されないことを実現する。 本発明による感光剤を用いた間接的なエネルギー入力とピコ秒のレーザー・パルスの使用の併用は、決定的により増加した生物学的−医学的適合性をもたらす。 特に、ストレスの緩和に関することとしては、ピコ秒のレーザー・パルスにより、侵入度の光学的深さは衝撃波が全く伝播されないようにするので、治療を痛みなく実施可能にする。

    生体組織のある決められた表面部位がレーザー加工されることは一般的に事実であるので、さらに別の実施形態では、表面部位がレーザー・ビームによって適切に走査される。 これに関するところでは、レーザー加工用ビームが焦点を結ぶ各部位区分が一つのレーザー・パルスで正確に走査されるようにするためには、レーザー加工用ビームがトップ・ハット・ビーム・プロファイルをもつとき有利であることがわかった。 ただし、トップ・ハット・プロファイルが与えられるか否かにかかわらず、同じようにこれを実現することが可能であり、例えば、隣接する部位区分を単一のレーザー・パルスによってまたがって走査するとき、各区分がまたがって走査される部分は一つの部位区分の表面積の半分よりも小さいまたは半分以外の何らかの分数よりも小さい表面積をもつように、走査を定義することによって可能である。 ここで、これは、「レーザー・ビームの断面」がGausianプロファイルをもつときにも、レーザー加工用ビームが実質的に焦点を結ぶ部位区分が単一のレーザー・パルスによって実質的にパルス照射されることを可能にする。

    別の実施形態では、レーザー加工中に、焦点位置を当該部位の表面に常に維持することが、後で詳しく述べる、様々な型式の自動焦点合わせ素子によって実現可能であることを提示できる。

    なおも別の実施形態では、感光剤を塗布する前に、レーザー加工対象部位は、特異な種類の組織、特に損傷した組織に接触すると、特徴的な染色を帯びるマーカーを組織に塗布することによって明確に画定可能であることが提示できる。 この構成では、マーカーは、同様に、感光剤を含むことが可能であり、その場合は、したがって、マーカーは診断用感光剤となり、一方、切除に使用される感光剤は切除用感光剤と称することができる。 しかし、マーカーは、感光剤反応を有しないその他の市販のマーカーによって作ることができ、一方、切除用感光剤は、マーカー反応を有しない、つまり、様々な種類の組織と接触しても染色効果をもたないものである。

    なおもさらに別の実施形態では、感光剤は、切除用に使用される前に、マーカーとして初めに使用されてもよい。 これは、染色の変化を示す感光剤の部分だけがその後の切除においてレーザー加工されるので、処理を簡易にできる。

    さらに別の実施形態では、レーザー加工対象部位は、マーカーを使用せずに、すなわち、当該組織で発生された信号の有無と、必要な場合、その信号の強度を検出することによって確定されることが提示できる。 この構成では、上記信号は、レーザー加工される部位に向けられた電磁放射の第二高調波またはそれより高次の高調波が信号として使用される。 この電磁放射は、特にパルス状の診断用のレーザー・ビームの電磁放射であり得て、このビームのレーザー・パルスは、組織をレーザー加工するために必要とされるエネルギー密度よりも小さいエネルギー密度を特徴的に有する。 実際に、レーザー加工用ビームと診断用ビームは、二つの動作モード間で切り替えられる、一つの同じレーザー・ビーム光源によって発生させることができる。 より具体的には、非損傷象牙質と虫歯の象牙質を区別するために、赤外線領域におけるレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を用いて、診断用レーザー・ビームによって組織を活性化することができ、この際に、第二高調波の後方散乱信号は健全な組織(例えば、石灰化可能なコラーゲンの繊維)を示し、上記の信号がないことは、虫歯に冒された象牙質(例えば、石灰化不可能な取り返しが付かないほどに損傷したコラーゲン構造)を示す。 組織部位を診断用レーザー・ビームによって走査でき、後方散乱された第二高調波のデータを検出し、保存できる。 このデータに基づいて、次に、その部位のどの部分をレーザー加工用ビームによってレーザー加工するまたは切除する必要があるかが決定され得る。

    本発明の第2の態様では、パルス状のレーザー加工用ビームを供給するための光源、レーザー加工用ビームをレーザー加工対象の組織部位の方向に結合(出射)するためのアウトカップラー、およびレーザー加工対象の組織の部位の周辺域の方向に感光剤を供給するためのアウトフィーダを具備し、上記アウトフィーダは上記レーザー加工用ビーム・アウトカップラーに接続されている、生体組織をレーザー加工するための装置が記述される。

    上記レーザー加工装置の第1の実施形態では、レーザー加工用ビームが、少なくとも一部は、二光子吸収によって感光剤に吸収され、感光剤の吸収最大値近くの吸収が起こるように、レーザー・パルスの波長が選択される。

    上記レーザー加工装置の代替的な実施形態では、レーザー加工用ビームが、少なくとも一部は、一光子吸収によって感光剤に吸収され、感光剤の吸収最大値近くの吸収が起こるように、レーザー・パルスの波長が設定される。

    さらに別の実施形態では、レーザー・パルスは、1 ps〜100 psの範囲にある半値幅を特徴的にもち、この範囲は100 fs単位で増分するあらゆる中間値を網羅する。

    なおもさらに別の実施形態では、レーザー加工対象の組織の表面でのレーザー・パルスのエネルギー密度は、1.5〜7.5 J/cm の範囲に入る。

    さらに別の実施形態では、レーザー・パルスのエネルギーは、100μJ未満の範囲に設定可能であり、組織表面上のレーザー加工用ビームの焦点位置は、10〜100μmの範囲に入る直径となるように設定可能である。

    別の実施形態では、レーザー・パルスの繰り返し率の設定は、1 Hz〜1000 kHzの範囲に入る。

    一つの実施形態では、上記レーザー加工装置は、特に虫歯に侵された状態の象牙質を切除または研磨するための歯科用レーザー加工装置。

    別の実施形態では、上記レーザー加工装置は、レーザー加工用ビーム・アウトカップラーに連結されて、上記アウトカップラーの遠位端をレーザー加工対象組織の一部分に対して位置決めするための位置決め器をさらに特徴的に有する。

    さらに別の実施形態では、レーザー・ハンドピースは、位置決め器として機能するだけでなく、内蔵された吸引器システムと連動して、様々な化合物及び/または様々な圧力比を作り出すことができ、その結果、例えば、アマルガム充填物の形態の水銀でも切除可能になる、歯を被覆するための手段としても機能する取り付け具を具備する。

    なおもさらに別の実施形態では、上記レーザー加工装置は、パルス状のレーザー加工用ビームの実質的にトップ・ハット・ビーム・プロファイルを生成するためのビーム整形素子をさらに具備する。

    さらに別の実施形態では、上記レーザー加工装置 は、レーザー加工用ビームで組織部位を走査するための走査素子をさらに具備でき、この走査素子は、レーザー加工用ビームが焦点を結んだ部位の一区分が、正確に一つのレーザー・パルスによってレーザー加工されるような、特に走査速度を有するように設計される。 上記走査素子は、隣接する部位区分が一つのレーザー・パルスによってまたがってレーザー加工され、各区分のまたがってレーザー加工される部分は、部位区分の半分よりも小さいまたは半分以外の何らかの分数よりも小さい表面積になるように、さらに設計され得る。

    さらに別の実施形態では、上記レーザー加工装置は、焦点位置を当該組織の表面に常に維持するための自動焦点合わせ素子をさらに具備できる。

    さらに他の実施形態では、上記レーザー加工装置は、当該組織またはその周辺域で発生された信号の有無と、必要な場合、信号強度を検出するための検出器をさらに具備できる。 上記検出器は、例えば、レーザー照射下のプラズマによって発せられる放射を感知するように、または当該組織へ放射された電磁放射の第二高調波またはそれより高次の高調波を感知するように設計された光センサーを具備できる。 上記電磁放射は、レーザー加工用ビームと一つの同じレーザー・ビーム光源によって発生された診断用のレーザー・ビームの電磁放射であることも、または連続的に発光するLEDの電磁放射であることもあり得る。

    別の実施形態では、上記レーザー加工装置は、レーザー・ビーム光源をレーザー加工モードまたは診断モードに設定するように設計された制御器を具備できる。 レーザー加工モードではパルス状のレーザー加工用ビームが発生され、診断モードでは、組織をレーザー加工するのに必要なエネルギー密度よりも小さい、組織の表面でのエネルギー密度を有する診断用レーザー・ビームが発生される。

    さらに別の実施形態では、上記レーザー加工用ビーム・アウトカップラーはハンドピースの形態で装備され、感光剤を出力するためのアウトフィーダの少なくとも一部がハンドピース内部に配置可能であり、特に供給導管がハンドピース中のノズルに終端する。 ハンドピース内には、走査素子及び/または自動焦点合わせ素子がさらに配置可能である。

    最後の実施形態では、上記レーザー加工装置はまた、マーカーを外部出力するための追加の手段を具備し、上記の手段の一部も同様にハンドピース内に配置可能である。

    レーザー加工装置の第1の実施形態の概略図である。

    レーザー加工装置のさらに別の実施形態の概略図である。

    レーザー加工用ビーム・ アウトカップラーの第1の実施形態の概略図である。

    レーザー加工用ビーム・アウトカップラーの別の実施形態の概略図である。

    レーザー加工用ビーム・アウトカップラーの別の実施形態の概略図である。

    レーザー加工用ビーム・アウトカップラーの別の実施形態の概略図である。

    レーザー加工装置の別の実施形態の概略図である。

    自動化された診断とレーザー加工併合方法の第1の実施形態のフローチャートである。

    自動化された診断とレーザー加工併合方法の別の実施形態のフローチャートである。

    図面を参照しながら、例示的な実施形態によって本発明を以下に詳細に説明する。

    図1を参照すると、正確な縮尺ではないレーザー加工装置の一つの実施形態が図示されているが、図示されたレーザー加工装置100は、特に虫歯になった状態の象牙質をレーザー加工する、研磨する、または切除するための歯科用レーザー加工装置である。 ただし、このレーザー加工装置は、何らかの他の種類の生体組織をレーザー加工するためのいずれかの他の種類の医療用レーザー加工装置であってもよいと解釈される。

    レーザー加工装置100は、レーザー・パルスのパルス幅が1〜100 psの範囲にある、パルス状のレーザー加工用ビーム50を発光するレーザー・ビーム光源1を具備する。 レーザー加工用ビームは、レーザー加工する患者の歯4に焦点を合わせられる。 ミラーまたは偏プリズムなどの光ダイバータ3によって、レーザー加工用ビームを先ず偏向させる必要があり得る。

    パルス当りのエネルギーが100μJを超えないように、レーザー・ビーム光源1は、レーザー・パルスを発生するという条件を定めることができる。 この場合、上記エネルギー密度の値を維持するための焦点合わせ素子2は、レーザー・ビームが10〜100 μmの範囲に入る直径で歯4の表面に焦点を合わせられるように設定されることになる。

    レーザー・ビーム光源1は、1 Hz〜1000 kHzの範囲に入る繰り返し率をもつレーザー・パルスを発光するという条件をさらに定めることができる。

    レーザー加工装置100は、歯4のレーザー加工対象部位の周辺域の方向に感光剤を出力するためのアウトフィーダ5をさらに具備する。 図示のとおり、アウトフィーダ5は、感光剤を収容するための貯蔵容器5Aと、それに接続された供給管路5Bを含み得る。 感光剤は、例えば、Nd:YAGレーザー(1064 nm)のレーザー加工用ビームの二光子吸収によって、またはNd:YAGレーザー(532 nm)の周波数倍増成分の一光子吸収によって効率的に活性化可能なエリトロシンであり得る。 さらに他の感光剤を挙げれば、例えば、メチレンブルー、フォトフリン及び有機金属デンドリマーがある。 これは、まだ開発されていないものも含めて技術文献で言及されたすべての他の感光剤を範疇に入れるものとし、個々の感光剤は、レーザー波長を感光剤の対応する吸収最大値または少なくとも最大値あたりに適合させることを常に必要条件とする。 やがて正当に認められることになるであろうという意味での感光剤としては、生化学的発色団もあり得る。 ここでの感光剤という用語は、定義では感光剤ではないものの、規定された物理的−化学的条件の下では感光剤の典型的な性質を特徴的に有することができるような物質も範疇に入れるように意図される。 これらは、例えば、気体または気体混合物(空気)またはエアロゾル(煙霧質)のいずれかを含む―これらの物質はすべて、規定された物理的−化学的条件の下では感光剤の性質を特徴的に有することを前提にする。

    レーザー加工装置100は、加工対象の歯4の部位の方向にレーザー加工用ビーム50を出射するためのアウトカップラー6をさらに具備する。 図示した例では、アウトカップラー6は、例えば、偏向素子3を含み、アウトフィーダ5の供給管路5Bにさらに接続され、感光剤が、供給管路5Bから、歯4の該当する箇所に要望どおり当てられている状態のアウトカップラー6の遠位端から噴射されるようになっている。

    さて図2を参照すると、正確な縮尺で示したのではない、レーザー加工装置のさらに別の実施形態が概略的に図示されている。 図2に示したレーザー加工装置200の実施形態は、パルス状のレーザー加工用ビーム50を放射するレーザー・ビーム光源10を具備する。 図示したこの例示的な態様では、レーザー・ビーム光源10は、1064 nmの波長のレーザー・パルスを発光する、過渡または再生増幅器に結合されたNd:YAGレーザーである。 例えば、Nd:YVO またはNd:GdVO レーザーなどのいずれかの他のレーザー・ビーム光源も使用可能であると解釈される。 レーザー・パルスのパルス幅は10 psであり、レーザー・パルスの繰り返し率は1 kHz〜1000 kHzの範囲に入り、レーザー・パルスのエネルギーは40 μJになり、さらに100kHzの繰り返し率のときの平均ビーム電力は4Wである。

    いずれかの他のレーザーも、原則的には、レーザー・ビーム光源として使用可能であり、レーザー・ビーム光源は、例えば、ダイオード・レーザーまたはダイオード・レーザー・アレイであってもよい。

    図2に示した実施形態において、レーザー・ビーム光源10によって発光されたレーザー加工用ビーム50は、光ダイバータ60に向けられる。 ただし、光ダイバータは、レーザー加工用ビーム50の所要の波長においてレーザー加工用ビーム50を約90° 進路転換する機能だけあればよい。

    その下流で、レーザー加工用ビーム50は、トップ・ハット・ビーム・プロファイルを生成するためのビーム整形素子30を通過する。

    これに続き、レーザー加工用ビーム50は、自動焦点合わせ素子20の一部としてのレンズ2がその前面に設けられている、ハンドピースとして構成されたアウトカップラー70へ入る。 自動焦点合わせ素子20は、周知の手段によって、レンズ2によって形成された焦点位置が歯40のレーザー照射される表面の面内に常にとどまることを確実にする。 自動焦点合わせ素子20は、歯40の表面によって後方散乱された放射光から、表面がレーザー加工用ビームの焦点位置にまだあるかどうかを光学的に検知するための手段と特に組み合わせてもよい。 表面が焦点位置にない場合には、例えば、レンズ2を搭載するキャリッジに接続された高速のステッピング・モーターによって、レーザー加工用ビーム50の伝播経路に沿う方向にレンズ2を前にまたは後ろに移動することによって、歯40の表面がレーザー加工用ビームの焦点位置に適切に戻されるように、制御信号が自動焦点合わせユニット20に送られる。 しかし、その屈折が微調整されるようにレンズ2を構成することも同様に可能である。

    図2をさらに参照すると、レンズ2が歯40の表面に40 μmの焦点直径でビームを焦点合わせするように、レンズ2がどのように配置されるかが示されている。 上記に値を挙げたレーザー・パルス・エネルギーは、結果的に、3.18 J/cm のエネルギー密度をもたらし、これは、1.7・10 30光子・cm ・s −1の光量子束密度に相当する3.18・10 11 W/cm のパルス・ピーク強度を発生させることになる。 交流電磁場の電界強度は1.55・10 V/cmであり、交流電磁場における電子振動エネルギーの中央値は0.021 eVになる。

    ビーム整形素子30は、レンズ2の下流のビーム経路に、つまり具体的には、ハンドピース70の中に配置されてもよいが、自動焦点合わせ素子20とビーム整形素子30、特に、レンズ2とビーム整形素子30を共通の光学部品内に統合することも同様に可能であると解釈される。

    アウトカップラー70のさらに別の部分には、走査素子80が配置され、この走査素子によって、これもすでに知られているように、例えば、互いに対向した二つの回転ミラーによってレーザー加工対象の歯40の表面の規定された領域にわたりレーザー加工用ビーム50または診断用レーザー・ビームを走査することができる。 例えば、進路転換プリズムまたは反射ミラーなどのさらに別のダイバータ90によってレーザー加工用ビーム50または診断用レーザー・ビームは、次に、歯40の方向に進路転換される。

    この実施形態では、走査素子80はハンドピースの中に配置されているが、走査素子がハンドピースの上流のビーム経路に、すなわち、具体的には、ミラーを蝶設するアーム内またはハンドピースの上流のハンドピースへの入力部位に置かれる他の実施形態が同じく可能であると解釈される。

    ハンドピースとして構成されたアウトカップラー70は、医師によってレーザー加工対象の歯に向けられた状態に保たれる必要がある。 これをしやすくするために、特に、アウトカップラー70の遠位端の位置を歯40に常に相対するように維持しやすくするために、漏斗状の位置決め器150がアウトカップラー70の遠位端に固定されていて、図3〜図6を参照して詳しく後述するが、この位置決め器をレーザー加工中に歯40の上に適切に位置付けることができる。 この前に、その外の咽頭空間から歯を隔離するように歯を密閉して包み込むために、コファダムまたはラバー・クランプが医師によって取り付けられてもよい。

    レーザー加工装置200は、レーザー加工対象の歯40の部位の周辺域の方向に感光剤を外部供給するためのアウトフィーダ25をさらに具備する。 アウトフィーダ25は、貯蔵容器25Aとそれに接続された供給管路25Bを含み、供給管路25Bはアウトカップラー70の接続口から中へ入り、アウトカップラー70内で位置決め器150内まで導かれる。

    歯40の表面のレーザー加工される部位またはその周辺で発生された光信号または音響信号を、診断の目的で検出し使用することができる。 光信号に関しては、光信号は、例えば、レーザー加工の対象となる象牙質に作用する、プラズマ放射かあるいは第二高調波(SHG)またはそれより高次の高調波の発生を伴う電磁放射のいずれかに基づくことはすでに説明した。 SHG信号を検出する後者の場合について、図2に示した例示的な態様を以下に説明する。

    この診断モードでは、診断用レーザー・ビームが発光されるが、このビームのエネルギーまたはエネルギー密度は切除またはプラズマを発生させるしきい値よりも低く抑えられ、レーザー加工対象の象牙質の部分的部位が虫歯であるか、ないかを診断する意図で、レーザー加工用ビームと同様、パルスとして供給される診断用レーザー・ビームではレーザー加工は発生しないようにされる。 この際に、虫歯ではないならば、その歯部位は虫歯に冒された象牙質よりも高いSHG信号を発する。 歯の表面でそのようなものとして発生された周波数が2倍になった放射光は、上述したレーザー・ビーム経路の少なくとも一部を逆方向に通過する。 すなわち、この放射光は、ダイバータ90によって進路転換されて、走査素子ト80、レンズ2を含む自動焦点合わせ素子20を通過し、最後に、ビーム・スプリッタ60に入射する。 しかし、SHG信号の波長にとっては、ビーム・スプリッタ60は透過性であるので、周波数が2倍になった放射光は光検出器110へ入力可能である。 光検出器110は、SHG放射光の強度を検出する単純な光検出器であり得る。 分光計、CCDカメラまたはCMOSイメージ・センサーなどのより複雑なシステムを光検出器110として使用することも同じく可能である。 このような光検出器は、すでに上記に指摘したように、自動焦点合わせ素子20と組み合わせて使用されるように適切に役立てることができる。

    同様に、ダイバータ90は、歯の表面で発生した周波数が2倍になった放射光を透過し、例えば、ダイバータ90の下流に配置されたガラス繊維を利用して検出器110へ放射光を送るように設計され得る。 こうすることは、光学素子80、20、60、2を、必要に応じてこれらが被覆される必要が生じる、数個の波長に対応するように設計しなくてすむので、周波数が2倍になった放射光を伝達するための光ビームに対応する複雑さを減少させる。 周波数が2倍になった光を効果的に結合するために、ダイバータ90とガラス繊維の間に、周波数が2倍になった光をガラス繊維に収束させるための光学部品を挿入することができる。 この光学部品は、微小光学部品として設計可能である。

    光検出器110によって検出されたSHG放射光の値は、信号115へ変換され、本実施形態ではコンピュータ・システムであってもよい一体化した解析器/制御器120へ入力される。 ただし、原則的には、いずれかの他の型の制御システム(例えば、メモリをプログラム可能な制御装置、マイクロ・コントローラまたはアナログ閉ループ制御)も互換性があると解釈される。

    解析器/制御器120には、レーザー・ビーム光源10から、その動作状態に関するデータを含む信号が入力され得る。 解析器/制御器120は、光検出器110により送信された信号115に応じて、例えば、アイドル・モードからレーザー加工モードにビーム光源を切り替える際にレーザー・ビーム光源10に入力される制御信号を出力する。

    図2に示した実施形態は、「オフ」(アイドル)つまり「診断」と「治療」(レーザー加工)の間でのモード切り替えが敏速であるレーザー・ビーム光源10を特に具備する。 この実施形態では、レーザー・ビーム光源10は、「治療」モード中にはレーザー加工用ビームを、「診断」モード中には診断用レーザー・ビームを発光し、両ビームでは歯の表面に照射されるW/cm で示されるパルス当りのエネルギー密度がはっきりと異なり、このエネルギー密度は「診断」モードでは切除のしきい値よりも確実に低くなる必要があり、「治療」モードでは上記しきい値よりも高くなる。

    上述の診断モード中には、例えば、歯40のある表面部位が診断用レーザー・ビームによって走査され、後方散乱されたSHG信号が受信され解析される。 このための基礎として、レーザー加工または切除対象の表面の一部を特定するために、表面部位はある範囲に限定した区画化が可能である。 診断モードの実施後、解析器/制御器120はアウトフィーダ25へ信号を出力し、供給管路25Bを通じて、最終的には制御可能なノズルが切除対象の歯表面の部位に感光剤を噴射することになる。

    さて図3を参照すると、診断用のさらに別の実施形態の例を説明するために、断面が示されたハンドピースの形態のアウトカップラー70が図示されている。 この実施形態の例では、健全な象牙質と不健全な象牙質を区別することは、SHG信号によって行なわれるのではなく、不健全な象牙質に接触すると特徴的な染色を呈するマーカーによって行なわれる。 このマーカーは、ハンドピース内に同じく組み込まれた追加の供給管路72を通じて組織に塗布することができる。 例えば、組織表面の虫歯部分が光学画像化とその後の画像の解析によって好適に検出されたならば、レーザー加工用ビーム50によるその後の切除のために、その部分には供給管路71を通じて感光剤が塗布される。 したがって、この実施形態の例では、診断用レーザー・ビームも、レーザー・ビーム光源の切り替えも、またSHG検出もかかわることがない。 二つの供給管路71と72は、組織の表面にピンポイントで位置合わせされて物質を噴射するように方向を制御されたノズル71.1と72.1にそれぞれ接続するように使用可能である。

    図3に示した実施形態は、独立した発明としてのレーザー・ビーム・アウトカップラーを図示していることに留意すべきである。 このレーザー・ビーム・アウトカップラーは、ハンドピース70、レーザー加工用ビーム50及び/または、必要な場合は、診断用レーザー・ビームをを偏向させるためのダイバータ90、及びハンドピース70をレーザー加工対象組織の周辺に位置決めするための位置決め器250を具備する。 この構成において、ハンドピース70は、レーザー加工または切除対象の組織の部分に、その内部に組み込まれた供給管路71を通じて感光剤を塗布することができるように、必要な場合は、追加の供給管路72を通じてマーカーを噴射することができるように構成される。 この単独の発明は、上述したとおり、レーザー・ビーム・アウトカップラーを組み込んでいるレーザー加工装置というような主となる装置をも含む、本出願に記述されたその他の実施形態のいずれかと組み合わせることもでき、及び/または本出願で言及された特徴のいずれかにより洗練化されることも可能であると解釈される。

    さて図4を参照すると、少なくとも一つのLED73がハンドピース70内に内蔵される、さらに別の実施形態の例を説明するために、断面が示されたハンドピースの形態のアウトカップラー70が図示されている。 図4から明らかなように、位置決め器250がまだ適所に取り付けられていないときに咽頭空間を照明するために、それによって、医師が、特に、治療対象の歯40に対して位置決め器250を最適に位置付けることができるように、医師の役に立つものとして数個のLED73がハンドピースに内蔵されてもよい。 さらに、これらのLEDは、例えば、虫歯の箇所が特徴的な染色を呈するように、治療対象の歯の表面に塗布されたマーカーを活性化するためにもかさねて役立てられる。 マーカーによってこうして現わされた像は、レーザー加工用ビーム50を入射(incoule)するために使用されるのと同じ光学素子によって走査可能である。 この画像化に基づいて、次のステップではレーザー加工または切除対象部位へ感光剤を塗布することができる。 各LED73は、例えば、図示したように、ハンドピース70の水平方向の端部に、可能な限り最も均等で回転対称をなすような照明を実現するためには、例えば、円状に配置可能である。 各LED72は、LED73に電力供給するためにハンドピース70内に組み込まれたリード線(図示せず)によって接続される。 各LED73は、例えば、赤などの単色の光を発するLED、すなわち、準単色LEDのようなLEDであってもよいが、有利には、異なる波長で活性化されるマーカーのより広範な選択が利用可能であるように、とりわけ、咽頭空間のよりよい照明のためには、なるべくなら、白色光LEDが使用され得る。

    図4に示した実施形態は、独立した発明としてのレーザー・ビーム・アウトカップラーを図示していることに留意すべきである。 このレーザー・ビーム・アウトカップラーは、ハンドピース70、レーザー加工用ビーム50及び/または、必要な場合は、診断用レーザー・ビームをを偏向させるためのダイバータ90、及びハンドピース70をレーザー加工対象組織の周辺に位置決めするための位置決め器250、さらにをマーカーまたは感光剤を照明する及び/または活性化するための少なくとも一つのLED73を具備する。 この単独の発明は、上述したとおり、レーザー・ビーム・アウトカップラーを組み込んでいるレーザー加工装置というような主となる装置をも含む、本出願に記述されたその他の実施形態のいずれかと組み合わせることもでき、及び/または本出願で言及された特徴のいずれかにより洗練化されることも可能であると解釈される。

    さて図5を参照すると、位置決め機能だけでなく、治療対象の歯40を密閉して包み込むことも行なう位置決め器350をハンドピース70が特徴として有する、さらに別の実施形態の例を説明するために、断面が示されたハンドピースの形態のアウトカップラー70が図示されている。 このことは、簡単に象徴的に、なお技術的に本物同様に認識される必要はないものとしてここに示された、位置決め器350の底部の縁部に装着されたシール350.1から明らかである。 しかし、どんな場合でも、このような位置決め器の目的は、治療されている歯40の直ぐ近辺を(空気及び気体が入らない)最高の気密状態でその外の咽頭空間から密閉して包み込むことである。 上記のこの種の密閉した位置決めは、以下の態様の例によって次に説明するように、多種多様な方式で歯の治療を最適化することを可能にする。 例えば、その部位を外部から密封する位置決め器のおかげで、特に、切除された破片の効率的で確実な除去のために、例えば、吸引器がハンドピース70内に内蔵され得る。 さらに、制御された雰囲気を歯40の周囲に作り出すことができる。

    図5に示した実施形態は、独立した発明としてのレーザー・ビーム・アウトカップラーを図示していることに留意すべきである。 このレーザー・ビーム・アウトカップラーは、ハンドピース70、レーザー加工用ビーム50及び/または、必要な場合は、診断用レーザー・ビームを偏向させるためのダイバータ90、及びハンドピース70をレーザー加工対象組織の周辺に位置決めするための位置決め器350を具備する。 この構成において、位置決め器350は、レーザー加工対象の組織部位を封止密閉して包み込むことができるように設計される。 この単独の発明は、上述したとおり、レーザー・ビーム・アウトカップラーを組み込んでいるレーザー加工装置というような主となる装置をも含む、本出願に記述されたその他の実施形態のいずれかと組み合わせることもでき、及び/または本出願で言及された特徴のいずれかにより洗練化されることも可能であると解釈される。

    さて図6を参照すると、ハンドピース70が位置決め器250を搭載し、これらの両方が組織の治療で切除された破片の効率的な吸い込みのための吸引器ダクト80を内蔵する、さらに別の実施形態の例を説明するために、断面が示されたハンドピースの形態のアウトカップラー70が図示されている。 吸引器ダクト80は、ハンドピース70に組み込まれた吸引器システム(図示せず)に接続され、ダクトの開放端部が、レーザー加工中に物質として生じる切除された破片を吸い込むために、 レーザー加工対象部位へ向けられるように、位置決め器250に中へ突き出している。 レーザー加工対象部位から端部までの間隔を変えることも含む、ユーザにより制御されて方向付けられるように、吸引器ダクト80の端部は移動可能に取り付けられることを提示できる。

    図6に示した実施形態は、独立した発明としてのレーザー・ビーム・アウトカップラーを図示していることに留意すべきである。 このレーザー・ビーム・アウトカップラーは、ハンドピース70、レーザー加工用ビーム50及び/または、必要な場合は、診断用レーザー・ビームを偏向させるためのダイバータ90、及びハンドピース70をレーザー加工対象組織の周辺に位置決めするための位置決め器250を具備し、ハンドピース70と位置決め器350は吸引器ダクト80が内蔵されるように構成され、上記ダクトの端部は、レーザー加工対象組織に向けて方向付けできるようになっている。 この単独の発明は、上述したとおり、レーザー・ビーム・アウトカップラーを組み込んでいるレーザー加工装置というような主となる装置をも含む、本出願に記述されたその他の実施形態のいずれかと組み合わせることもでき、及び/または本出願で言及された特徴のいずれかにより洗練化されることも可能であると解釈される。 特に図5と図6に関して示した実施形態の組み合わせ、すなわち、吸引器システムに密閉封止された取り付け具を加えることは、次のことを可能にする。 例えば、アマルガム充填剤の切除を含む潜在的に有毒なレーザー加工を実行できるようにし、この場合に、気密封じ込めが、本質的に元素の水銀である切除された破片を事実上残渣物を残すことなく除去することを安全にする。 本出願で記述されるとおり、アマルガム充填剤のレーザー切除は、感光剤の助けを借りて実行され得る。 この発明は、したがって、水銀蒸気について法律により要求される最大作業環境濃度(MAK)を順守したレーザー加工によるアマルガム除去を実行可能にする。

    さて図7を参照すると、正確な縮尺ではない、レーザー加工装置のさらに別の実施形態が概略的に図示されている。 図7に示したレーザー加工装置300の実施形態は、図2に関して説明した構成要素と実質的に同じ構成要素を具備するため、これらの構成要素は同じ参照番号によって識別される。 しかし、図2に示したレーザー加工装置とは異なり、レーザー加工装置300は、ここでは、供給管路325Bによってハンドピース70へ接続された貯蔵容器325Aを具備する発生器325を特徴的に有する。 供給管路325Bは、ハンドピースの中を通じて位置決め器150に至るように組み込まれ、その端部にレーザー加工対象の歯に向けられたオリフィスを特徴的に有する。 この大まかに図示された発生器325は、様々な機能をもつが、主として、治療対象の歯40の周囲域にある雰囲気を作り出す働きをする。 一つの簡単な変形では、真空ポンプを具備する発生器325によって真空が発生され得る。 この場合、図5に示した実施形態における位置決め器350と同様の位置決め器150は、密閉して包み込む位置決め器として構成可能であり、さらに、位置決め器150は、所望の場合または必要な場合、ハンドピース70と位置決め器150の間にレーザー加工用ビーム50には透過性である窓を配置することで、ハンドピース70から切り離せるようにもできる。 複雑さをいくぶん少なくした変形では、例えば、歯40の上に真空が作り出される必要があるときには、ハンドピース70と位置決め器150の間は密封されない、または少なくとも完全に密封されない。 発生器325は、正圧を作り出すように設計されることも可能である。 さらに、発生器325は、O 、N 、H O(水蒸気)または何らかな希ガスなどの気体を供給するなど、歯40の周囲域に特定の気体の雰囲気を作り出すように設計され得る。 特にアマルガム充填物を切除するときには、切除された水銀をある方法で結合させ、歯40の周囲域からそれ取り除くのに、これを有利に用いることができる。 発生器325は、冷却媒体(最も簡単な例では、切除された表面部位に噴射されることになる冷却用空気)を発生することによって、歯40に対する冷却を達成するように設計されてもよい。 発生器325は、エアロゾル(煙霧質)発生器として設計されてもよく、それによって、例えば、微視的な(ナノ)粒子または肉眼で見える粒子などの粒子が、切除にともなってある機能をこなすように分散されている気体を発生する。 これらの粒子は、ひいては、冷却機能を有することができる。 これに加えて、図2に示した実施形態の解析器/制御器120と検出器110が、同様に含まれることが可能であり、解析器/制御器120はまた、発生器325を制御するために発生器325に接続される。

    図7に示した実施形態は、独立した発明としてのレーザー加工を図示していることに留意すべきである。 このレーザー加工装置は、レーザー加工用ビーム50を供給するための光源10、レーザー加工用ビーム50をレーザー加工対象の組織部位の方向に出射するためのアウトカップラー70、及びレーザー加工対象の組織の周囲域に雰囲気を発生させるまたは供給するための発生器325を具備する。 この単独の発明は、本出願に記述されたその他の実施形態のいずれかと組み合わせることもでき、及び/または本出願で言及された特徴のいずれかにより洗練化されることも可能であると解釈される。

    さて図8を参照すると、マーカーを使用する場合の自動化された切除と診断併合プロセスの一つの実施形態についてのフローチャートが図示されている。 ステップs1で、マーカーが塗布される。 ステップs2では、損傷した組織を示す染色の変化が起きたか否かが確定される。 染色の変化が検出されなければ、プロセスは終了される。 染色の変化を検出することは、CCDまたはCMOS素子などの検出器を用いて画像化されている表面による空間分解能を用いて、画像を走査することによって染色の変化を示す部位を検出し、その結果を電子的に記憶することによって実行可能である。 その後、マーカーを除去し、ステップs4で、被損傷部として検出された部位に感光剤が塗布される。 次のステップs5では、レーザー照射の継続時間、出力等のパラメータがユーザによって予め設定され、レーザー加工用ビームによって切除が行なわれる。 この後、マーカーを塗布するステップs1が繰り返され、ステップs2で何らかの被損傷部位がまだ存在するか否かが確定される。

    さて図9を参照すると、LIBS技術を使用する場合の自動化された切除と診断併合プロセスの一つの実施形態についてのフローチャートが図示されている。 ここで、ステップs1では、図2に関して説明したとおり、診断用レーザー・ビームで部位が走査され、同時にSHG信号の検出が行なわれる。 ステップs2では、どの部位がSHG信号を後方散乱したか、つまり健全であると見なされるかが確定される。 表面の全域からSHG信号が返されるときには、プロセスは終了される。 したがって、ここでも、どの部位が健全であるかを確定することは空間分解能を用いて行なうことができ、補完的な部位は、罹患部位として電子的に記憶可能であり、ステップs4で感光剤がこうした部位に塗布される。 次のステップs5では、レーザー照射の継続時間、出力等のパラメータがユーザによって予め設定され、レーザー加工用ビームによって切除が行なわれる。 この後、ステップs1のLIBS解析が繰り返され、ステップs2で何らかの罹患部位がまだ存在するか否かが確定される。

    図8と図9に示した実施形態は、マーカーまたはLIBSによって罹患部位を検出するステップと、感光剤を罹患部位に塗布するステップと、レーザー加工用ビームによって罹患部位を切除するステップを有し、さらに疾患がもう検出されなくなるまでは、残存する疾患がないか検出を繰り返し、必要な場合には、感光剤をかけた後切除するステップを有する、独立した発明としての、レーザー加工と診断併合プロセスを図示することに留意すべきである。 これらの独立した発明のそれぞれは、本出願に記述されたその他の実施形態のいずれかと組み合わせることもでき、及び/または本出願で言及された特徴のいずれかにより洗練化されることも可能であると解釈される。

    詳細に説明した実施形態と独立した各発明で述べたすべての特徴は、ここに述べたその他の実施形態と独立した発明にも適用可能であると、かさねて解釈されるべきである。

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