Dental laser irradiation chip

申请号 JP2009217570 申请日 2009-09-18 公开(公告)号 JP5059074B2 公开(公告)日 2012-10-24
申请人 株式会社モリタ製作所; 发明人 和典 濱田;
摘要
权利要求
  • コアとクラッドからなるファイバ芯部と、該ファイバ芯部の周囲を被覆するジャケットとからなる光ファイバを備え、3μm帯のレーザ光を照射する歯科用レーザ照射チップであって、
    該歯科用レーザ照射チップの先端部を、
    軸線方向前方に前記レーザ光を照射する先端面と、前記軸線方向に対する放射方向に前記レーザ光を照射する傾斜側面とを備え、軸線方向前方に向かって先細り 、且つ狭隘な施術箇所に挿入可能な錐台形状で形成し、
    前記先端面を、 軸線方向前方にエネルギ密度の高い状態のレーザ光を照射する鏡面仕上げ面で構成するとともに、
    前記傾斜側面を、 軸線方向に対する放射方向にエネルギ密度の低い状態のレーザ光を広範囲に亘って照射する粗面仕上げ面で構成した歯科用レーザ照射チップ。
  • 前記錐台形状を、円錐台形状とするとともに、
    前記鏡面仕上げ面を表面粗さ0.1μm以下の鏡面仕上げ面で構成し、
    前記粗面仕上げ面を表面粗さ0.2μm以上20μm以下の粗面仕上げ面で構成した請求項1に記載の歯科用レーザ照射チップ。
  • 前記歯科用レーザ照射チップの先端部を、
    前記軸線方向の高さが2mm以上5mm以下、且つ錐角が5度以上20度以下の錐台形状で形成した請求項1又は2に記載の歯科用レーザ照射チップ。

  • 说明书全文

    この発明は、歯科治療するためのレーザ光を照射する歯科用レーザ照射チップに関する。

    従来から、患部の凝固止血、蒸散、焼灼或いは切開などの治療のためにレーザ光が用いられている。 細かい患部を施術する歯科治療においてもレーザ光は多用されており、治療用途に合わせて効率的にレーザ光を照射するためのレーザ照射チップが提案されている(特許文献1参照)。

    上記特許文献1に記載のレーザ照射チップは、チップ先端を円錐形状に形成することで、チップ前方の患部に効率よく、つまりエネルギ密度の高いレーザ光を照射することができるとされている。

    一方、例えば、日本人が歯を失うもっとも大きな原因の一つの病気である歯周病の従来の治療は、狭隘で深さのある歯周ポケット内で不良肉芽の除去や広範囲の歯石除去と、広範囲の殺菌とを行う必要があるため技術的難易度が高く、施術者及び患者にとって負担が大きかった。

    例えば、歯周病のような技術的難易度が高い治療に、上記特許文献1に記載のレーザ照射チップを用いたとしても、狭隘で深さのある歯周ポケット内で不良肉芽の除去や広範囲の歯石除去と、広範囲の殺菌とを効率よく同時に両立させることは難しく、施術者及び患者にとって満足できるものではなかった。

    特開2000−304948号公報

    そこでこの発明は、狭隘な施術箇所であっても、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を同時に効率よく得ることのできる歯科用レーザ照射チップの提供を目的とする。

    本発明は、コアとクラッドからなるファイバ芯部と、該ファイバ芯部の周囲を被覆するジャケットとからなる光ファイバを備え、3μm帯のレーザ光を照射する歯科用レーザ照射チップであって、該歯科用レーザ照射チップの先端部を、軸線方向前方に前記レーザ光を照射する先端面と、前記軸線方向に対する放射方向に前記レーザ光を照射する傾斜側面とを備え、軸線方向前方に向かって先細り、且つ狭隘な施術箇所に挿入可能な錐台形状で形成し、前記先端面を、 軸線方向前方にエネルギ密度の高い状態のレーザ光を照射する鏡面仕上げ面で構成するとともに、前記傾斜側面を、 軸線方向に対する放射方向にエネルギ密度の低い状態のレーザ光を広範囲に亘って照射する粗面仕上げ面で構成したことを特徴とする。

    上記3μm帯のレーザ光は、への吸収が高く、安全性も比較的高いレーザ光であるEr:YAGレーザ光(エルビウムヤグレーザ:波長2.94μm程度)やEr. Cr;YSGGレーザ(波長2.78μm程度)とすることができる。

    上記錐台形状は、円錐台形状、三錐台形状、四角錐台形状、あるいは多角錐台形状とすることができる。
    上記先端面は、軸線方向に対して直角方向、或いは軸線方向に対する直角方向からわずかに傾斜した方向に形成した先端面とすることができるとともに、フラットな面や、軸線方向に対して凸状或いは凹状の曲面で形成することができる。

    上記傾斜側面は、側面視直線となる傾斜面、軸線方向に対する放射方向外側向きに膨らんだ側面視凸状曲線となる傾斜面、或いは軸線方向に対する放射方向内側向きに凹んだ側面視凹状曲線となる傾斜面で形成することができる。

    本発明の構成により、先端面からエネルギ密度の高いレーザ光を軸線方向前方に向かって照射するとともに、傾斜側面からエネルギ密度の低いレーザ光を軸線方向に対する放射方向の広範囲に亘って照射し、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果(歯の表面の滑沢化処置による効果であり、特に、歯石除去後の歯根の表面に形成された凹凸を滑沢化するルートプレーニング処置による効果を含む)を効率よく同時に得ることができる。

    詳しくは、歯科用レーザ照射チップの先端部を、軸線方向前方に向かって先細り、 且つ狭隘な施術箇所に挿入可能な錐台形状で形成するとともに、軸線方向前方にレーザ光を照射する先端面を鏡面処理された鏡面仕上げ面で構成したことにより、水への吸収が高く、安全性も比較的高い3μm帯のレーザ光を、軸線方向前方にエネルギ密度の高い状態で照射することができる。 これにより、歯石や不良肉芽に対する高い除去効果を得ることができる。
    なお、上記軸線方向は錐台形状の高さ方向であり、さらに軸線方向前方は錐台形状の高さ方向における先細り側の外側をいう。

    また、先細り、且つ狭隘な施術箇所に挿入可能な錐台形状を構成する傾斜側面を粗面仕上げ面で構成したことにより、傾斜側面の粗面処理された表面の凹凸によってレーザ光が拡散するため、軸線方向に対する放射方向にエネルギ密度の低い状態のレーザ光を広範囲に亘って照射することができる。 これにより、広範囲に亘る殺菌効果及び効率的なプレーニング効果を得ることができる。 特に、殺菌効果については、歯の表面に無数に存在するクレータの中に潜む細菌に対してまでも殺菌することができる。
    このようにして本発明の歯科用レーザ照射チップは、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を効率よく同時に得ることができる。

    この発明の態様として、前記錐台形状を、円錐台形状とするとともに、前記鏡面仕上げ面を表面粗さ0.1μm以下の鏡面仕上げ面で構成し、前記粗面仕上げ面を表面粗さ0.2μm以上20μm以下の粗面仕上げ面で構成することができる。

    本発明の構成により、操作性を向上するとともに、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果をより効率よく確実に得ることができる。
    詳しくは、該歯科用レーザ照射チップの先端部を円錐台形状とすることにより、先端部の形状による軸線方向に対する方向性が無く、また、歯の表面、特に歯根の表面に沿わせることが容易となるため、特に、狭隘な施術箇所における操作性を向上することができる。

    また、鏡面仕上げ面を表面粗さ0.1μm以下の鏡面仕上げ面で構成したことにより、よりエネルギ密度の高いレーザ光を軸線方向前方に照射することができる。 さらに詳述すると、先端面を表面粗さ0.1μm以上の鏡面仕上げ面で構成した場合、先端面の表面に形成される表面粗さ0.1μm以上の微細な凹凸によりレーザ光が拡散し、所望のエネルギ密度のレーザ光を照射することができなくなるが、先端面を表面粗さ0.1μm以下の鏡面仕上げ面で構成することで、先端面の表面におけるレーザ光の拡散を抑制し、より確実に、歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い高エネルギ密度のレーザ光を照射することができる。

    また、粗面仕上げ面を表面粗さ0.2μm以上20μm以下の粗面仕上げ面で構成したことにより、粗面仕上げ面の表面に形成された上記範囲の凹凸によって、軟組織を不必要に傷付けることなく殺菌あるいはプレーニングできるエネルギ密度のレーザ光を十分な広範囲に照射することができる。

    さらに詳述すると、傾斜側面を表面粗さ0.2μm以下の粗面仕上げ面で構成した場合、傾斜側面における表面粗さ0.2μm以下の凹凸によってレーザ光が十分に拡散されず、軟組織を不必要に傷付けない程度のエネルギ密度のレーザ光を広範囲に照射することができない。

    逆に、傾斜側面を表面粗さ20μm以上の粗面仕上げ面で構成した場合、傾斜側面の凹凸によってレーザ光が拡散され過ぎてエネルギ密度が低下し、所望の殺菌効果及びプレーニング効果を有するレーザ光を照射することができない。

    このように、傾斜側面を、表面粗さ0.2μm以上20μm以下の粗面仕上げ面で構成したことにより、軟組織を不必要に傷付けることなく殺菌あるいはプレーニングできるエネルギ密度のレーザ光を十分な広範囲に照射することができる。

    また、この発明の態様として、前記歯科用レーザ照射チップの先端部を、前記軸線方向の高さが2mm以上5mm以下、且つ錐角が5度以上20度以下の錐台形状で形成することができる。

    本発明の構成により、例えば、歯周ポケットのような狭隘で深さのある施術箇所であっても、歯科用レーザ照射チップの先端部を施術箇所に挿入して十分な歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を有するレーザ光を照射することができる。

    詳しくは、先端部を構成する錐台形状の軸線方向の高さを2mm以上5mm以下とすることで、例えば2〜5mmの深さの歯周ポケット等の狭隘で深さのある施術箇所に先端部を挿入して十分な歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を有するレーザ光を照射し、効率よく治療することができる。

    さらに詳述すると、先端部を構成する錐台形状の軸線方向の高さを2mm以下で構成した場合、先端部を歯周ポケットのような狭隘で深さのある施術箇所の深くまで挿入することができないため、照射するレーザ光が施術箇所の底部近傍まで届かず、十分な治療を行うことができない。 また、傾斜側面の面積が低減するため、殺菌効果及びプレーニング効果を有するエネルギ密度であるレーザ光の照射量が低減し、十分な殺菌効果及びプレーニング効果を得ることができない。

    逆に、先端部を構成する錐台形状の軸線方向の高さを5mm以上で構成した場合、傾斜側面の面積が多くなるため、傾斜側面から照射されるレーザ光が多くなり、先端面から照射される歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い高エネルギ密度のレーザ光の照射量が低減する。

    このように、錐台形状の軸線方向の高さを2mm以上5mm以下とすることで、2〜5mm程度の深さの歯周ポケット等の狭隘で深さのある施術箇所に先端部を挿入し、十分な歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果が同時に得られるレーザ光を照射し、効率よく治療することができる。

    また、先端部を構成する錐台形状の軸線方向の高さを2mm以上5mm以下とするとともに、錐台形状の錐角を5度以上20度以下としたことで、歯周ポケットのような狭隘で深さのある施術箇所に先端部を挿入して、確実に施術できるとともに、耐久性を向上することができる。

    詳しくは、錐台形状の軸線方向の高さを上記範囲とするとともに、錐台形状の錐角を5度以下とした場合、先端面の照射面積が確保できず、歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い高エネルギ密度のレーザ光の照射量が低減する。 また、先端部を構成する錐台形状の錐角を5度以下とした場合、歯科用レーザ照射チップの先端部が細くなりすぎ、繰り返しの施術に対する十分な耐久性を確保することができない。

    逆に、先端部を構成する錐台形状の軸線方向の高さを上記範囲とするとともに、先端部を構成する錐台形状の錐角を20度以上とした場合、歯科用レーザ照射チップの先端部が太くなりすぎ、狭隘で深さのある施術箇所の底部近傍まで先端部を挿入することができない。 したがって、例えば歯周ポケット等の施術箇所の底部近傍まで高エネルギ密度のレーザ光が届かず、歯石や不良肉芽に対する除去性能が低減する。

    このように、先端部を構成する錐台形状の高さ及び錐角を上記範囲とすることによって、歯周ポケットのような狭隘で深さのある施術箇所に耐久性のある歯科用レーザ照射チップの先端部を底部近傍まで挿入することができ、歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い高エネルギ密度のレーザ光を先端面から照射するとともに、十分な殺菌効果及びプレーニング効果を有するレーザ光を傾斜側面から照射して、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を同時に得ることのできる効率のよい治療を施術することができる。

    本発明により、狭隘な施術箇所であっても、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を同時に効率よく得ることのできる歯科用レーザ照射チップを提供することができる。

    レーザ治療装置の斜視図。

    レーザ治療装置及びハンドピースについての概略説明図。

    歯科用レーザ照射チップの斜視図。

    歯科用レーザ照射チップの側面図。

    歯科用レーザ照射チップの一部断面図。

    出射先端部についての説明図。

    歯科用レーザ照射チップのEr:YAGレーザ光の照射状態を説明する写真。

    レーザ光の波長による水に対する吸収スペクトルグラフ。

    歯周病治療の状態説明図。

    別の実施形態の歯科用レーザ照射チップについての説明図。

    この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
    図1はレーザ治療装置1の斜視図を示し、図2はレーザ治療装置1及びハンドピース4についての概略説明図を示している。 また、図3は歯科用レーザ照射チップ10の斜視図を示し、図4は歯科用レーザ照射チップ10の側面図を示している。 さらに、図5は歯科用レーザ照射チップ10の一部断面図を示し、図6は出射先端部100についての説明図を示し、図7は歯科用レーザ照射チップ10のEr:YAGレーザ光200の照射状態を説明する写真を示している。 なお、図6(a)は出射先端部100の先端形状についての説明図を示し、図6(b)は出射先端部100からのEr:YAGレーザ光200の照射方向についての説明図を示している。

    レーザ治療装置1は、治療装置本体2と、レーザハンドピース4と、治療装置本体2とハンドピース4とを接続する媒体供給ケーブル3とで構成している。
    治療装置本体2は、図2に示すように、空気や不活性ガス等の気体を供給するための気体供給源21と、Er:YAGレーザ光を発生するレーザ光発生源22と、水または生理食塩水等の液体を供給するための液体供給源23とを内蔵している。

    気体供給源21から供給された気体、レーザ光発生源22で発光されたEr:YAGレーザ光、及び液体供給源23から供給された液体は、媒体供給ケーブル3を介してハンドピース4に供給される。

    媒体供給ケーブル3は、気体を送給する流路である気体送給管31、光ファイバで構成する光伝送体32、及び液体を送給する流路である液体送給管33とで構成している。 ここで光伝送体32は、伝送するレーザ光に適した伝送効率を有するものであれば中実ファイバ及び中空ファイバのいずれも採用することができる。

    なお、気体送給管31の治療装置本体2側の端部は気体供給源21に接続され、反対側の端部である気体送給管他端部31aはハンドピース4内で挿入接続されている。 同様に、光伝送体32の治療装置本体2側の端部はレーザ光発生源22に接続され、反対側の端部である光伝送体他端部32aはハンドピース4内で挿入接続されている。 そして、液体送給管33の治療装置本体2側の端部は液体供給源23に接続され、反対側の端部である液体送給管他端部33aはハンドピース4内で挿入接続されている。

    レーザハンドピース4は、施術者が把持するハンドピース本体41と、ハンドピース本体41の先端部に着脱自在に装着される歯科用レーザ照射チップ10とで構成している。

    ハンドピース本体41は、中空円筒形のハンドピースハウジング42と、該ハンドピースハウジング42の前側(図2において左側)に装着する円筒状の中間部材43と、該中間部材43の前側に装着する歯科用レーザ照射チップ10の着脱を自在にする装着機構44とを、ハンドピース後方(図2において右側)から前方(図2において左側)に向かってこの順で配置して構成している。

    ハンドピースハウジング42は、後端が有底となる寝位の中空円筒形であり、前端に中間部材43の螺合を許容する構成である。 なお、上述の気体送給管他端部31aはハンドピースハウジング42内部で、中間部材43に配置された気体流路45に接続パイプ45aで接続されている。 同様に、液体送給管他端部33aはハンドピースハウジング42内部で、中間部材43に配置された液体流路46に接続パイプ46aで接続されている。 さらに、光伝送体他端部32aは、ハンドピースハウジング42内部で、中間部材43に配置されたフェルール50に接続されている。

    中間部材43は、軸線に沿って配置されたフェルール50と、その外側に配置された気体流路45及び液体流路46を内蔵している。
    フェルール50は、光伝送体他端部32aが後端部に接続されるとともに、レンズ51が配設されたレンズホルダ52を内部に装着している。
    レンズ51は、光伝送体他端部32aに対向し、光伝送体32からのレーザ光を集光して歯科用レーザ照射チップ10に導くよう配置されている。

    気体送給管他端部31aが接続された気体流路45及び液体送給管他端部33aが接続された液体流路46は、中間部材43の前方まで配置され、歯科用レーザ照射チップ10に接続されている。 この構成により、気体供給源21から供給された気体は気体送給管31及び気体流路45を通って歯科用レーザ照射チップ10に送給され、液体供給源23から供給された液体は、液体送給管33及び液体流路46を通って歯科用レーザ照射チップ10に送給される。
    中間部材43の前端に螺合して装着される装着機構44は、複数個の係止球体47によって、中間部材43への歯科用レーザ照射チップ10の装着を着脱自在に構成している。

    次に、歯科用レーザ照射チップ10について説明する。
    歯科用レーザ照射チップ10は、前記装着機構44を介して前記中間部材43に装着される装着部11と、チップ本体12とで構成している(図5参照)。

    チップ本体12は、軸線Lに沿って配置されたファイバ13と、ファイバ13を被覆する保護用パイプ14と、その外側に配置した中空状の第1パイプ15と、さらにその外側に配置した中空状の第2パイプ16とで構成している。
    なお、チップ本体12は、保護用パイプ14で覆われた曲線部12aと、保護用パイプ14からファイバ13が露出する直線部12bとで構成している。

    ファイバ13は、装着部11の後端部(図5において右端)からチップ本体12の先端まで連続する1本の石英製光ファイバからなり、装着部11からハンドピースハウジング42側に露出する入射側の端部を入射端部13aとしている(図2参照)。 また、ハンドピースハウジング42側の反対側である先端側の端部を出射先端部100としている。 なお、光ファイバの材質は石英に限らずサファイア等を採用することもできる。

    ファイバ13は、シングルコアの光ファイバであり、中心に存在するコアとクラッドよりなるファイバ芯部131と、ファイバ芯部131を被覆するジャケット132とで構成している。
    そして、直線部12bにおいてファイバ13は、保護用パイプ14に覆われずに露出している。

    また、入射端部13aは中間部材43内部においてレンズ51に対向配置されているため、レーザ光発生源22で発光されたEr:YAGレーザ光は、光伝送体32、フェルール50及びレンズ51を介して入射端部13aから入射され、ファイバ13を通って出射先端部100から照射することができる。

    第1パイプ15は、装着部11内部に位置する後端15aから、保護用パイプ14の前端14aが一部露出する前端15bまでの間を、保護用パイプ14で被覆されたファイバ13を囲繞するように設けられている。

    また、第2パイプ16は、装着部11内部に位置する後端16aから、第1パイプ15の前端15bが一部露出する前端16bまでの間を、第1パイプ15の外側を囲繞するように設けられている。 なお、保護用パイプ14、第1パイプ15及び第2パイプ16はステンレス鋼製のパイプから成っている。

    なお、ファイバ13、ファイバ13を被覆する保護用パイプ14、保護用パイプ14を囲繞する第1パイプ15、及び第1パイプ15を囲繞する第2パイプ16は、軸線Lを中心とする同心上に配置されている。

    また、保護用パイプ14と第1パイプ15との間のクリアランスにより第1流路空間17を構成するとともに、第1パイプ15と第2パイプ16との間のクリアランスにより第2流路空間18を構成している(図5a部拡大図参照)。

    そして、第1流路空間17は、第1パイプ15における前端15bの開口17aにおいて開放されるとともに、中間部材43内部において液体流路46に接続されている。 このため、液体供給源23から供給された液体は、液体送給管33、液体流路46及び第1流路空間17を通って、開口17aから噴出される。

    同様に、第2流路空間18は、第2パイプ16における前端16bの開口18aにおいて開放されるとともに、中間部材43内部において気体流路45に接続されている。 このため、気体供給源21から供給された気体は、気体送給管31、気体流路45及び第2流路空間18を通って、開口18aから噴出される。

    歯科用レーザ照射チップ10をこのように構成しているため、第1流路空間17を介した液体の供給及び第2流路空間18を介した気体の供給は、レーザ治療装置1を用いた治療内容に応じて適宜選択することができ、気体単独、液体単独及び霧状態で噴出する気体液体混合の供給を後述するEr:YAGレーザ光200の照射域に向けて行うことができる。

    続いて、このように構成された歯科用レーザ照射チップ10におけるファイバ13の先端部分である出射先端部100について詳述する。
    保護用パイプ14から露出したファイバ13の下端である出射先端部100は、軸線Lの前方となる下方に向かって先細りの円錐台形状で形成している。

    詳しくは、出射先端部100は、軸線Lの前方となる下方に向かって歯石・不良肉芽除去用レーザ光201(以下において「前方レーザ光201」という)を照射する円形先端面101と、軸線Lに対する放射方向に殺菌・プレーニング用レーザ光202(以下において「側方レーザ光202」という)を照射する傾斜側面102とで構成する円錐台形状で形成している。

    なお、出射先端部100は、高さHが2mm以上5mm以下の3mm且つ錐角αが5度以上20度以下である11度の円錐台形状に形成することによって、φ600μmのファイバ13において、直径D400μmの円形先端面101を形成している。

    また、円形先端面101を表面粗さ0.1μm以下である表面粗さ0.008μmの鏡面仕上げ面で構成し、傾斜側面102を表面粗さ0.2μm以上20μm以下である表面粗さ0.4μmの粗面仕上げ面で構成している。

    出射先端部100は、このように構成したことにより、図6(b)及び図7に示すように、レーザ光発生源22で発光され、光伝送体32、フェルール50及びレンズ51を介して入射端部13aから入射されたEr:YAGレーザ光200を、円形先端面101から前方レーザ光201として軸線Lの前方となる下方に照射するとともに、傾斜側面102から側方レーザ光202として軸線Lに対する放射方向、すなわち出射先端部100の径外側向きに照射することができる。

    なお、図7は、波長が赤外線領域であるため不可視であるEr:YAGレーザ光の代わりに、Er:YAGレーザ光に見立てた可視光を照射した状態を写真撮影することで、Er:YAGレーザ光200が歯科用レーザ照射チップ10によって如何に照射されるか説明する写真を示している。

    次に、本実施例において、レーザ光発生源22で発光するEr:YAGレーザ光200について図8とともに説明する。 なお、図8はレーザ光の波長による水に対する吸収スペクトルグラフを示している。
    レーザ光は、波長によって反応する物質が異なるため、主として歯周病治療を目的としたレーザ治療装置1では、Er:YAGレーザ光をレーザ光発生源22で発光させて用いている。

    Er:YAGレーザ光は2.94μm程度の波長である赤外線領域のレーザ光であり、図8に示すように、水への高い吸収性を有している。
    このようなEr:YAGレーザ光は、水の分子と反応し蒸散する際のエネルギ(microexplosion;微小爆発)によって歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を得ることができる。 また、Er:YAGレーザ光は、表層にのみ蒸散作用が起こり、照射野周囲の照射エネルギ密度が低いため周囲組織への影響が少なく、安全性が高い。
    なお、Er:YAGレーザ光の代わりに、2.78μm程度の波長であるEr. Cr;YSGGレーザ光等のEr系3μm帯のレーザ光を用いてもよい。

    このように、レーザ光発生源22でEr:YAGレーザ光を発光させ、Er:YAGレーザ光200として照射する出射先端部100を備えた歯科用レーザ照射チップ10による歯周病治療について図9とともに説明する。 なお、図9は歯周病治療の状態説明図を示している。

    歯周病は、歯周組織が歯垢に含まれている歯周病菌に感染し、歯肉301が腫れたり、出血したり、最終的には歯が抜けたりしてしまう病気であり、日本人が歯を失うもっとも大きな原因となっている。

    歯周病の根本的な原因である歯垢は、時間が経てば歯磨きでは取り除くことができない歯石310になり、歯石310により歯周病菌が増殖され歯周病が悪化することとなる。

    歯肉301に覆われていない歯300の表面に形成された歯石はスケーラー等の専用器具によって除去できるが、歯肉縁下、つまり歯肉301と歯300との隙間である歯周ポケット302内に形成された歯石310の除去は困難である。

    さらに、歯周病になり歯肉301が腫れると、歯肉301が歯300から離れていくため歯周ポケット302がさらに深くなり、歯周ポケット302に溜まった歯垢、歯石310の歯磨きによる除去はさらに難しくなる。 また、歯周病治療において、歯周病の原因となる歯周病菌の殺菌も同時に行う必要がある。

    なお、軽度歯周病で歯周ポケット302の深さは2〜5mm程度であり、重度歯周病では歯周ポケット302の深さは5mm以上となる。 このように、歯周ポケット302の深さは5mm以上である重度歯周病では、歯がグラグラしたり、さらに歯垢が溜まりやすくなり歯周病の進行を早め、歯が抜けたりする場合もある。

    このような歯周病治療に出射先端部100を有する歯科用レーザ照射チップ10を用いる場合、図9に示すように、歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100を歯周ポケット302に挿入して、出射先端部100からEr:YAGレーザ光200を照射する。

    詳しくは、図9のb部拡大図に示すように、円形先端面101から前方レーザ光201を照射して、歯周ポケット302内の歯300の側面に形成された歯石310を除去する。 このとき、前方レーザ光201は歯300の表面に沿うような照射方向で照射されるため、歯300の表面に沿って形成された歯石310をそぎ落とすように除去することができる。

    また、図9のb部拡大図に示すように、傾斜側面102から側方レーザ光202を照射して、前方レーザ光201による歯石310の除去残りであるカス310aを除去するとともに、歯石310を除去した後の歯300の表面及び歯肉301の内面を殺菌する。

    このとき、側方レーザ光202は、歯300の表面及び歯肉301の内面に対して略直角方向に広範囲に照射される。 このため、歯300の表面に無数に存在するクレータ(図示省略)の中に潜む細菌に対してまでも殺菌するとともに、歯石除去後の歯300の表面をプレーニングする(滑沢する)ことができる。 詳しくは、歯石310を除去した後の歯300の表面には多くの凹凸が形成されるが、この歯石除去による凹凸を滑沢化することができる。 これを特に、ルートプレーニング処置という。

    このように、狭隘で深さのある歯周ポケット302内に、軸線Lの前方に向かって先細りの円錐台形状で形成した出射先端部100を挿入し、鏡面仕上げ面で構成する円形先端面101からエネルギ密度の高い前方レーザ光201を軸線方向前方に向かって照射するとともに、粗面仕上げ面で構成する傾斜側面102から側方レーザ光202を軸線Lに対する放射方向の広範囲に亘って照射することによって、歯石310の除去と、歯300や軟組織である歯肉301に潜む細菌の殺菌と、さらには歯300の表面のプレーニングを同時に行うことができる。

    詳しくは、歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100を、軸線Lの前方に向かって先細りの円錐台形状で形成するとともに、軸線Lの前方にレーザ光を照射する円形先端面101を鏡面処理された鏡面仕上げ面で構成したことにより、水への吸収が高く、安全性も比較的高いEr:YAGレーザ光200を、軸線Lの前方にエネルギ密度の高い状態の前方レーザ光201として照射することができる。

    これにより、歯石310に対する高い除去効果を得ることができる。 なお、図示省略する不良肉芽が歯周ポケット302内に生じていた場合、歯石310の除去と同様に、前方レーザ光201によって除去すればよい。

    また、先細りの錐台形状を構成する傾斜側面102を粗面処理された粗面仕上げ面で構成したことにより、傾斜側面102の粗面処理された表面の凹凸によってEr:YAGレーザ光200が拡散するため、軸線Lに対する放射方向に、エネルギ密度の低い状態の側方レーザ光202を広範囲に亘って照射することができる。

    これにより、軟組織である歯肉301を不必要に傷付けることなく、広範囲に亘る殺菌効果を得ることができるとともに、歯石310の除去残りであるカス310aを除去することができる。 さらに、歯石除去後の歯300の表面をプレーニングする(滑沢にする)こともできる。

    このようにして出射先端部100を有する歯科用レーザ照射チップ10は、歯300や軟組織である歯肉301に対する効率のよい治療効果を得ることができる。

    また、円形先端面101を表面粗さ0.1μm以下である表面粗さ0.008μmの鏡面仕上げ面で構成し、傾斜側面102を表面粗さ0.2μm以上20μm以下である表面粗さ0.4μmの粗面仕上げ面で構成しているため、歯300や軟組織である歯肉301に対する効率のよい治療効果をより確実に得ることができる。

    詳しくは、円形先端面101を表面粗さ0.1μm以下の鏡面仕上げ面で構成したことにより、よりエネルギ密度の高い前方レーザ光201を軸線Lの前方に照射することができる。

    さらに詳述すると、円形先端面101を表面粗さ0.1μm以上の鏡面仕上げ面で構成した場合、円形先端面101の表面に形成される表面粗さ0.1μm以上の微細な凹凸によりEr:YAGレーザ光200が拡散し、所望のエネルギ密度のレーザ光を照射することができなくなる。

    しかし、円形先端面101を表面粗さ0.1μm以下である表面粗さ0.008μmの鏡面仕上げ面で構成することで、円形先端面101の表面におけるEr:YAGレーザ光200の拡散を抑制し、より確実に、歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い高エネルギ密度の前方レーザ光201を照射することができる。

    また、傾斜側面102を表面粗さ0.2μm以上20μm以下である表面粗さ0.4μmの粗面仕上げ面で構成したことにより、傾斜側面102の表面に形成された上記範囲の凹凸によって、軟組織である歯肉301を不必要に傷付けることなく殺菌及びプレーニングできるエネルギ密度の側方レーザ光202を十分な広範囲に照射することができる。

    さらに詳述すると、傾斜側面102を表面粗さ0.2μm以下の粗面仕上げ面で構成した場合、傾斜側面102における表面粗さ0.2μm以下の凹凸によってレーザ光が十分に拡散されず、軟組織である歯肉301を不必要に傷付けない程度にエネルギ密度を低減させたレーザ光を広範囲に照射することができない。

    逆に、傾斜側面102を表面粗さ20μm以上の粗面仕上げ面で構成した場合、傾斜側面102の凹凸によってレーザ光が拡散され過ぎてエネルギ密度が低下し、所望の殺菌効果及びプレーニング効果を有するレーザ光を照射することができない。

    したがって、傾斜側面102を、表面粗さ0.2μm以上20μm以下である表面粗さ0.4μmの粗面仕上げ面で構成したことにより、軟組織である歯肉301を不必要に傷付けることなく殺菌できるとともに、プレーニングできるエネルギ密度のレーザ光を十分な広範囲に照射することができる。

    また、前記歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100を、前記軸線方向の高さHが2mm以上5mm以下である3mmとし、且つ錐角αが5度以上20度以下である11度で構成された円錐台形状としたことにより、歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100を狭隘で深さのある歯周ポケット302に挿入して、十分な歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を有するEr:YAGレーザ光200を照射することができる。

    詳しくは、円錐台形状の軸線方向の高さHを2mm以上5mm以下である3mmとすることで、2〜5mm程度の深さの歯周ポケット302に出射先端部100を挿入してEr:YAGレーザ光200を照射し、効率よく治療することができる。

    さらに詳述すると、出射先端部100の高さHを2mm以下で構成した場合、出射先端部100を歯周ポケット302の深くまで挿入することができないため、円形先端面101から照射する前方レーザ光201が狭隘で深さのある歯周ポケット302の底部近傍まで届かず、十分な治療を行うことができない。 また、傾斜側面102の面積が低減するため、側方レーザ光202の照射量が低減し、十分な殺菌効果及びプレーニング効果を得ることができない。

    逆に、出射先端部100の高さHを5mm以上で構成した場合、傾斜側面102の面積が多くなるため、傾斜側面102から照射される側方レーザ光202が多くなり、円形先端面101から照射される歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い前方レーザ光201の照射量が低減する。

    したがって、錐台形状の軸線方向の高さHを2mm以上5mm以下とすることで、2〜5mm程度の深さの歯周ポケット302に出射先端部100を挿入し、十分な歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果が得られるEr:YAGレーザ光200を照射し、効率よく治療することができる。

    また、錐台形状の軸線方向の高さHを2mm以上5mm以下とするとともに、錐台形状の錐角αを5度以上20度以下である11度としたことで、狭隘で深さのある歯周ポケット302に挿入して、確実に施術できるとともに、耐久性を向上することができる。

    詳しくは、出射先端部100の高さHを上記範囲とするとともに、錐台形状の錐角αを5度以下とした場合、円形先端面101の照射面積が確保できず、歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い前方レーザ光201の照射量が低減する。 また、円錐台形状である出射先端部100の錐角αを5度以下とした場合、前記歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100が細くなりすぎ、繰り返しの施術に対する十分な耐久性を確保することができない。

    逆に、出射先端部100を形成する円錐台形状の錐角αを20度以上とした場合、前記歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100が太くなりすぎ、狭隘で深さのある歯周ポケット302の底部近傍まで出射先端部100を挿入することができない。 したがって、歯周ポケット302の底部近傍まで高エネルギ密度の前方レーザ光201が届かず、歯石や不良肉芽に対する除去性能が低減する。

    このように、出射先端部100を構成する円錐台形状の高さH及び錐角αを上記範囲とすることによって、狭隘で深さのある歯周ポケット302に耐久性のある出射先端部100を底部近傍まで挿入することができ、歯石や不良肉芽に対する除去性能の高い前方レーザ光201を円形先端面101から照射するとともに、十分な殺菌効果及びプレーニング効果を有する側方レーザ光202を傾斜側面102から照射して、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を同時に得られる効率のよい治療を施術することができる。

    なお、歯科用レーザ照射チップ10の出射先端部100を円錐台形状とすることにより、出射先端部100の形状による軸線方向に対する方向性が無く、また、歯300の表面、特に歯根の表面に沿わせることが容易となり、狭隘な施術箇所である歯周ポケット302における操作性を向上することもできる。

    上記効果についての臨床試験を実施した結果、以下の表1に示すような評価を得た。

    このように、鏡面仕上げ面である円形先端面101と、粗面仕上げ面である傾斜側面102とを備えた円錐台形状の出射先端部100を有する歯科用レーザ照射チップ10を歯周病治療に用いることにより、狭隘で深さのある歯周ポケット302内で前方レーザ光201による不良肉芽の除去や広範囲の歯石310の除去と、側方レーザ光202による広範囲の殺菌及びプレーニングとを効率よく実施することができ、施術者及び患者の両者の満足度を向上させることができることが確認できた。

    なお、本実施例において、φ600μmのファイバ13において、直径D400μmの円形先端面101を構成したが、φ800μmのファイバ13において、直径D600μmの円形先端面101を構成してもよい。
    また、円錐台形状の出射先端部100を用いたが三角錐台形状、四角錐台形状、あるいは多角錐台形状の出射先端部100としてもよい。 これらの場合であっても、上述の歯科用レーザ照射チップ10と同様に、歯石や不良肉芽の除去効果、殺菌効果及びプレーニング効果を同時に得ることができる。

    また、軸線Lに対して直角方向のフラットな面で構成された円形先端面101であったが、円形先端面101よりわずかに傾斜させた円形先端面101で構成してもよい。 これにより、上述の歯科用レーザ照射チップ10が得ることのできる効果に加えて、前方レーザ光201の照射方向を所望の照射方向とすることができる。

    さらにまた、軸線Lに対して凸状或いは凹状の曲面で円形先端面101を構成してもよい。 これにより、上述の歯科用レーザ照射チップ10が得ることのできる効果に加えて、円形先端面101から照射する前方レーザ光201を集光させてエネルギ密度をさらに向上させたり、逆に拡散させてエネルギ密度を低減させたりして所望のエネルギ密度の前方レーザ光201を照射することができる。

    同様に、傾斜側面102を側面視直線となる傾斜面で構成したが、軸線Lに対する放射方向外側向きに膨らんだ側面視凸状曲線となる傾斜面や、放射方向内側向きに凹んだ側面視凹状曲線となる傾斜面としてもよく、この場合も、上述の歯科用レーザ照射チップ10が得ることのできる効果に加えて、所望のエネルギ密度の側方レーザ光202を傾斜側面102から照射することができる。

    さらにまた、本実施例では、曲線部12aと直線部12bとで構成するチップ本体12を備えた歯科用レーザ照射チップ10であったが、図10に示すように、ストレートタイプのチップ本体12を備えた歯科用レーザ照射チップ10'であってもよい。

    また、プローブ型の歯科用レーザ照射チップ10、10'に限らず、例えばエアータービンハンドピースのヘッドに装着する切削工具のような、ハンドピースの長手軸に対して略直角な状態でハンドピースのヘッドに装着するタイプのストレートチップであってもよい(特開平07−155335号公報における図3参照)。

    この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
    この発明の光ファイバは、ファイバ13に対応し、
    以下同様に、
    3μm帯のレーザ光は、Er:YAGレーザ光200に対応し、
    先端部は、出射先端部100に対応し、
    先端面は、円形先端面101に対応するも、
    この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
    例えば上述の説明において、出射先端部100を有する歯科用レーザ照射チップ10を歯周病治療に用いた場合について説明したが、もちろん口腔外科等のその他の歯科治療に用いてもよい。

    10…歯科用レーザ照射チップ13…ファイバ100…出射先端部101…円形先端面102…傾斜側面131…ファイバ芯部132…ジャケット200…Er:YAGレーザ光L…軸線H…高さα…錐角

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