Medical laser probe

申请号 JP2501397 申请日 1997-02-07 公开(公告)号 JP3535685B2 公开(公告)日 2004-06-07
申请人 光信 宮城; 日立電線株式会社; 株式会社モリタ製作所; 发明人 光信 宮城; 吉秀 岡上; 晃史 本郷;
摘要
权利要求
  • (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 レーザ光を伝送する長尺導波路の先端部に着脱自在に接続され、内部に空気、酸素、窒素、または炭酸ガスの少なくとも1つの気体が流通可能であると共に金または銀による金属薄膜が内壁に形成されたステンレススチール或いはリン青銅による金属パイプと、 環状ポリオレフィンを前記金属薄膜上にコーティングすることにより形成された透明な誘電体薄膜とを備えることを特徴とする医療用レーザプローブ。 【請求項2】 前記金属パイプは、直管、屈曲、あるいは湾曲状に形成される構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項3】 前記金属パイプは、前記レーザ光の出射端が斜めに切断されている構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項4】 前記金属パイプは、前記長尺導波路との接続側が拡大されたフレア状に形成されている構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項5】 前記金属パイプは、前記レーザ光の出射端の方向に細くなるテーパー状に形成されている構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項6】 前記金属パイプは、前記レーザ光の出射端が平板、あるいは先端が尖状もしくは斜めに切断されたウインド、あるいはレンズ機能を有する封止チップによって封止されている構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項7】 前記封止チップは、シリコン、ダイヤモンド、サファイア、石英、酸化マグネシウム、あるいはフッ化カルシウムによって形成される構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項8】 前記金属パイプは、前記レーザ光の波長帯で透明な平板ウインドまたはレンズを介して前記中空型の長尺導波路に接続される構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項9】 前記平板ウインドまたはレンズは、シリコン、ダイヤモンド、サファイア、石英、酸化マグネシウム、あるいはフッ化カルシウムによって形成される構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項10】 前記長尺導波路は、前記レーザ光を伝送する充実型の導波路と、前記導波路の外側に配置される保護部材より構成され、前記導波路と前記保護部材との間に挿通される乾燥ガスを前記金属パイプの外側に配置される他の金属パイプによって形成される間隙に挿通して前記レーザ光の出射に基づいて噴出させる構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項11】 前記長尺導波路は、前記レーザ光を伝送する中空型の導波路より構成され、前記導波路の内部に挿通される乾燥ガスを前記金属パイプの内部、あるいは前記金属パイプの外側に配置される他の金属パイプによって形成される間隙に挿通し、前記レーザ光の出射に基づいて前記乾燥ガスを噴出させる構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項12】 前記金属パイプは、使用者が使用目的に応じて塑性変形を加え、曲げて使用することができる構成の請求項 記載の医療用レーザプローブ。 【請求項13】 歯科分野に使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の医療用レーザプローブ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は医療(歯科を含む)
    分野に使用される赤外波長帯のレーザ光を伝送する長尺な導波路の先端部に設けられ、使い捨てあるいは再使用に適する着脱可能な医療用レーザプローブに関し、特に、先端部におけるレーザ光の減衰が小である低損失
    医療用レーザプローブに関する。 【0002】 【従来の技術】波長2μm以上の赤外光は、医療、工業加工、計測、分析、あるいは化学等の様々な分野で利用されている。 特に、波長2.94μm帯のEr−YAG
    レーザ、5μm帯のCOレーザ、および10.6μm帯のCO 2レーザは、発振効率が高く高出が得られ、また、に対しても大きな吸収を持つことから、医療用(歯科用を含む)のレーザ治療器の光源として注目されている。 【0003】ところで、一般の通信用に使用されている石英系光ファイバは、波長2μm以上のレーザ光を使用すると分子振動による赤外吸収が大きくなって高損失となり、長距離伝送用の導波路として使用するには不適当である。 このため、上記した波長のレーザ光を用いた医療用レーザ装置には、石英系光ファイバ以外の材料で構成される伝送系、あるいは構造の工夫された様々な伝送系が提案され、実用化されている。 【0004】例えば、現在歯科治療用として注目されているEr−YAGレーザ治療器では、レーザ光を光源から患部近くまで導くためにフッ化物系ガラスファイバを使用している。 Er−YAGレーザの波長2.94μm
    のレーザ光は、赤外波長帯で発振するレーザの中でも特に水に対する吸収率が大きく、無麻酔下でもエアタービンや電気モータで切削するときのように熱や振動を伴わないために痛みをほとんど感じることがない。 このため、虫歯治療における窩胴形成や歯石の除去等の硬組織の切削加工が可能である。 【0005】レーザによる治療には、歯の切削以外にも軟組織の切開や止血、殺菌等の様々な治療効果があり、
    それぞれの目的に応じたレーザ光源が使用される。 フッ化物系ガラスファイバは、Er−YAGレーザの波長帯では低損失であるが、これより波長が長くなると損失が増大するので、例えば、COレーザの伝送にはカルコゲナイト系ガラスファイバが検討されている。 更に波長の長いCO 2レーザでは、ガラスファイバによる伝送が困難となることから、銀ハライドやタリウムハライド系の結晶性ファイバが使用されている。 このような充実型の光ファイバ以外にも、中空構造の導波路、特に、伝送するレーザ光の波長によって材料および膜厚を適宜変化させた誘電体層を内装した金属中空導波路が試作検討されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、レーザ光を光源から患部近くまで伝送する導波路は、長尺で水やガス流入用のチューブ等を含んだ複雑なケーブル内に収納されており、この伝送系全体を治療毎に使い捨てたり、
    あるいは滅菌消毒して再使用することは技術的および経済的に困難である。 そのため、患部に接近、接触、あるいは挿入する部分は比較的短尺で交換可能なレーザプローブを長尺導波路の先端に取り付けて構成するのが一般的である。 この先端に取り付けられるレーザプローブは、患部、あるいは滅菌処理の雰囲気に直接曝されるために、機械的強度、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、無毒性、そして低損失性等の様々な性能が要求される。 少なくともレーザプローブを再使用するためには、高温蒸気滅菌や薬品浸漬滅菌等の処理に耐えなくてはならない。
    レーザプローブは短尺であるが、レーザ光を伝送する一種の導波路であるため、レーザ光を光源から患部近くまで伝送する長尺導波路と同じ材料、構造を採用することも考えられる。 しかし、前述の赤外伝送用充実型光ファイバに用いられている材料、即ち、フッ化物系ガラス、
    カルコゲナイト系ガラス、銀ハライドやタリウムハライド系結晶は、以下に述べるようにどれも上記したレーザプローブに要求される性能を充分に満足することができない。 まず、これらの材料を用いた導波路は一般に機械的強度が弱い。 強固な金属パイプ等に挿入して使用することも可能であるが、外力による物理的破壊以外にも化学的要因による特性の劣化が生じる。 例えば、フッ化物系ガラスは高湿の雰囲気に曝されると潮解したり、結晶化が進行して破断する可能性が高くなる。 銀ハライド系結晶は、短波長の光によって感光し、損失が増大するだけでなく、鉄、銅、アルミニウム等の金属と接触すると化学反応を起こして光学特性や機械的強度が著しく劣化する。 タリウム系結晶は曲げた状態で長期間保持すると結晶面でのすべりが発生し、延性破壊や散乱損失増加の原因になる。 また、これらの材料は機械的ばかりでなく化学的にも弱いので、前述した高温蒸気殺菌、薬品浸漬殺菌等の処理に充分に耐えることができない。 また、医療用として使用するためには人体に無毒であることが必須の条件となる。 カルコゲナイト系ガラスやタリウムハライド系結晶は、ヒ素、セレン、およびタリウム等の有毒物質を含む。 これらの材料は、屈折率が高く、溶融温度が比較的低いことから出射端部分において熱的な破壊、蒸散が起こりやすい。 破断した切片だけでなく蒸散した蒸気も有毒であることから、これらの物質が体内に侵入すると人体に重大な影響を及ぼすという問題がある。 以上のような理由から、現在開発されているレーザ治療器では、フッ化物系ガラス、カルコゲナイト系ガラス、銀ハライドやタリウムハライド系結晶等の材料を、
    直接人体に接触させたり挿入させたりするレーザプローブとして使用することができない。 一方、中空導波路は構造そのものは無害であり、機械的強度も強く、また、
    外部雰囲気に対しても比較的安定している。 しかし、導波路内部に粉塵や水分が侵入し易いために光学特性を劣化させるという問題がある。 このため、レーザプローブとして中空導波路をそのまま使用することはできず、導波路内部へ粉塵や水分の侵入を防止する対策を講じる必要がある。 先に述べた歯科用のEr−YAGレーザ治療器の従来例では、レーザ光伝送中はフッ化物系光ファイバを挿入するチューブ内部に常にドライエアを流し続け、ファイバの湿度による機械強度の劣化を防止している。 また、照射後は外部雰囲気と遮断しファイバ先端が直接外部に露出しない構造になっている。 そして、そのファイバの先端にはボールレンズを介して長さ2〜3c
    mの短尺な石英ガラス製の光ファイバがレーザプローブとして接続される。 この石英ガラス製のレーザプローブは直接患部と接触し、また再使用のための滅菌処理等の雰囲気に曝される。 石英ガラスはフッ化物系ガラスに比べれば機械的強度、耐熱性の信頼性において遙かに優れており、劣悪な環境にも充分耐えることができる。 しかしながら、石英ガラスは前述のように波長2μm以上で損失が急増する。 そのためわずか2〜3cmと言えども、このレーザプローブによってレーザ光は約60%に減衰してしまう。 この伝送効率の低下は、長尺導波路の透過率の向上や光源の出力容量増大等の新たな負担を強いる。 また、治療目的によってはレーザプローブの長さが10cm以上必要だったり、屈曲や曲がり等の種々のプローブ形状に加工しなければならない場合がある。 石英ガラスでは損失あるいは加工性の点でこれらの要求に充分応えることができない。 さらにEr−YAGレーザの波長では、短尺ならば石英ガラスのレーザプローブをかろうじて使用することができるが、更に長波長で発振するCOレーザやCO 2レーザでは短尺と言えども石英系レーザプローブを使用することができない。 以上述べたように、現在開発されているレーザ治療器においては、信頼性が高く安全で使いやすく、しかもレーザ光の減衰の小なるレーザプローブは殆ど実用化されていない。 そのためにレーザ治療の本来の特徴を充分生かすことができずレーザ治療が有効な適用症例も限られているという問題がある。 従って、本発明の目的は機械的強度、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、無毒性、低損失性、経済性、使いやすさ等の要求特性を満足し、使い捨てあるいは再使用に適する着脱可能な医療用のレーザプローブを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するため、第1の特徴として、 レーザ光を伝送する長
    尺導波路の先端部に着脱自在に接続され、内部に空気、
    酸素、窒素、または炭酸ガスの少なくとも1つの気体が
    流通可能であると共に金または銀による金属薄膜が内壁
    に形成されたステンレススチール或いはリン青銅による
    金属パイプと、環状ポリオレフィンを前記金属薄膜上に
    コーティングすることにより形成された透明な誘電体薄
    膜とを備えることを特徴とする医療用レーザプローブを
    提供する。 【0008】上記したレーザプローブにおいて、金属パイプは、直管、屈曲、あるいは湾曲状に形成されても良く、レーザ光の出射端が斜めに切断されていても良く、
    導波路との接続側が拡大されたフレア状に形成されていても良く、レーザ光の出射端の方向に細くなるテーパー形状を有しても良い。 また、金属パイプは、その内面粗さが1μm以下に研磨されていることが好ましい。
    た、金属パイプは、レーザ光の出射端が平板、あるいは先端が尖状もしくは斜めに切断されたウインド、あるいはレンズ機能を有する封止チップによって封止されていても良い。 金属パイプと導波路との接続は、レーザ光の波長帯で透明な平板ウインドまたはレンズを介して長尺導波路と金属パイプを接続しても良い。 封止チップ、平板ウインドまたはレンズは、シリコン、ダイヤモンド、
    サファイア、石英、酸化マグネシウム、あるいはフッ化カルシウムによって形成されても良い。 長尺導波路は、
    レーザ光を伝送する充実型の導波路と、導波路の外側に配置される保護部材より構成され、導波路と保護部材との間に挿通される乾燥ガスを金属パイプの内部、あるいは金属パイプの外側に配置される他の金属パイプによって形成される間隙に挿通してレーザ光の出射に基づいて噴出させても良く、あるいは、レーザ光を伝送する中空型の導波路より構成され、導波路の内部に挿通される乾燥ガスを金属パイプの内部、あるいは金属パイプの外側に配置される他の金属パイプによって形成される間隙に挿通し、レーザ光の出射に基づいて乾燥ガスを噴出させても良い。 また、このようなレーザプローブは、使用者、例えば、医師が使用目的に応じて金属パイプに塑性変形を加え、曲げて使用することができる。 【0009】上記構成によれば、治療、あるいは再使用のための滅菌処理等の過酷な環境に曝される医療用レーザプローブとして、機械的強度、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、無毒性、低損失性、経済性、使いやすさ等の様々な要求特性を満足することができる。 即ち、本発明の
    療用レーザプローブは、外力等による物理的な破壊あるいは化学的変化による特性劣化が起こりにくく強固である。 また、医療用として無毒であるという必須条件を満足し、直接人体に接触したりあるいは挿入したりして使用することができる。 また、 医療用レーザプローブは、
    治療目的に応じ適当な形状に加工したり、また種々の形状の封止チップを接着することが可能で、これにより例えば、ごく狭い窩胴部分への挿入、注射針のような人体内部への挿入、あるいはメスのような機械的な切開機能の付与といった様々な取り扱いに対応することができる。 これにより切削、切開、止血、殺菌等のレーザ治療本来の特徴を充分生かすことができ、これまでに適用できなかった症例にも効果的に適用できる。 また、導波路としての低損失性も充分満足し、高効率伝送が可能なので、光源の容量増大等の負担を解消することができる。
    更に、本発明による医療用レーザプローブは製作が容易で安価な材料を用いているため、消毒滅菌による再使用だけでなく治療毎の使い捨ても可能になる。 このように本発明によって、上記特徴を備えた使い捨てあるいは再使用に適した着脱可能な医療用レーザプローブを提供することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1(a)は、第1の実施の形態における医療用レーザプローブ(以下、レーザプローブ
    という)を示し、中空状の金属パイプで構成されるレーザプローブ1と、レーザ光源(図示せず)から患部近くまでレーザ光を導く長尺導波路2と、レーザプローブ1
    と長尺導波路2を突き合わせ接合するスリーブ3を有する。 【0011】図1(b)は、図1(a)におけるA−
    A'部での断面を示し、レーザプローブ1は、金属パイプ1Aの内壁に伝送するレーザ光の波長に応じた透明な誘電体薄膜1Cを有して構成されており、レーザ光は、
    中空領域1Bと誘電体薄膜1Cおよび金属パイプ1Aと誘電体薄膜1Cとの境界において反射を繰り返すことによりレーザ光を出射端に誘導する。 【0012】図2は、レーザプローブ1の形状例を示し、レーザ治療では、レーザ光の照射位置、または目的に応じて様々な形状のレーザプローブ1を選択して使用する。 例えば、歯科治療レーザ装置において、表面の歯や歯茎へレーザ光を照射する場合には直管状のレーザプローブ1が好適で、裏面へのレーザ光を照射する場合には図2(a)に示す屈曲型のレーザプローブ1、あるいは図2(b)に示す湾曲型のレーザプローブ1が好適である。 このような屈曲あるいは湾曲の形状は、予め整形されているものであるが、これに限定されず、使用者、
    例えば、医師等が使用目的に応じて任意に塑性変形を加え、整形して使用することも可能である。 【0013】歯茎等の軟組織への挿入や切開には、図2
    (c)に示すように、注射針のように先端を斜めに切断された形状のレーザプローブ1が好適である。 レーザプローブ1の内径は約200〜800μm、外径は約40
    0〜1000μmと細径であるが、狭い窩胴部分への挿入には、図2(d)に示すように、先端方向に向かって滑らかに細くなるテーパー形状を有するレーザプローブ1が好適である。 【0014】長尺導波路2は、本発明のレーザプローブ1と同様の構造を有する中空導波路や、フッ化物系ガラスファイバ等の充実タイプの光ファイバが使用される。
    レーザプローブ1と長尺導波路2がほぼ同一径のときはスリーブ3によって容易に突き合わせ接合が可能であるが、着脱を容易にするために、図2(e)示すように、
    接続部分をフレア状に形成したレーザプローブ1も有効であり、このようなフレア状とすることによって、レーザプローブの径が長尺導波路の径よりも小である場合、
    即ち、異径導波路の接続における接続損失を低減させることも可能になる。 【0015】レーザプローブ1に用いられる金属パイプ1Aは、ステンレススチールあるいはリン青銅より構成される。 これらの金属材料は、所望の形状への加工性、
    機械的強度、そして耐久性に優れ、特に、医療用として無毒で、消毒滅菌の雰囲気にも侵されない特性を有している。 【0016】レーザプローブ1におけるレーザ光の減衰は、導波路内壁における表面粗さおよびその材料に依存する。 本発明では、金属パイプ1Aの内壁を研磨することによって表面粗さを1μm以下としている。 また、赤外領域で使用する本発明のレーザプローブ1では、誘電体薄膜1Cに接する金属はステンレススチールやリン青銅よりも銀あるいは金を選択した方がレーザ光の減衰は小となるが、銀あるいは金で構成される金属パイプ1A
    では機械的強度が不足し、かつ、極めて高価になることから、経済性を考慮すると実際的ではない。 そこで、本発明では金属パイプ1Aとしてステンレススチールやリン青銅の内壁に別の金属材料からなる薄膜、即ち、銀あるいは金の薄膜を内装したパイプを使用している。 このような銀あるいは金の薄膜は、ステンレススチールやリン青銅パイプの内壁に無電解めっき液を流入することによって容易に形成することができる。 【0017】一方、誘電体薄膜1Cもレーザプローブ1
    内を伝搬するレーザ光の減衰に大きな影響を与える。 誘電体薄膜1Cの材料は、伝搬するレーザ光に対して透明であることが要求され、その膜厚もレーザ光の波長によって適宜決定しなければならない。 高分子樹脂のような液状前駆体を持つ特定の材料は、赤外領域においても透過性の高いものが存在することから、液状の前駆体をパイプ内部に流入し、熱処理による乾燥、硬化に基づいて容易に細径なパイプ内壁に一様な膜厚の薄膜をコーティングすることができる。 【0018】上記したコーティングの材料として、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリシロキサン、ポリシラザン、
    環状ポリオレフィン等の高分子樹脂が使用できる。 特に、ポリイミドは耐熱性に優れ、更に長波長のCOレーザやCO 2レーザの波長帯でも透明であるので、これらのレーザによる高エネルギー用レーザプローブとしても使用することができる。 また、上記のような有機高分子樹脂だけでなく、例えば、ZnOやZnS等の無機の金属酸化物または金属硫化物を使用することもできる。 【0019】本発明のレーザプローブ1は中空構造を有するため、患部へのレーザ光照射時に発生する切片や、
    飛散する体液がプローブ内壁に付着して汚染される可能性がある。 このような汚染を防ぐために、レーザプローブ1の内部にレーザ光の伝搬方向に向けて高圧ガスを流入し、プローブ先端から噴出させることは有効である。
    高圧ガスには、空気、酸素、窒素、炭酸ガスを使用することができる。 【0020】図3は、レーザプローブ1の他の構成を示し、ウインドやレンズ機能を備え、レーザプローブ1の先端を封止する封止チップ4a,4b,4c,および4
    dを設けている。 この封止チップ4a,4b,4c,および4dは、治療目的やレーザ光の照射位置によって適宜選択される。 例えば、通常のレーザ光照射の場合には、図3(a)に示す平板の封止チップ4aを使用し、
    軟組織の切開に使用する場合には、図3(b)に示す先端が円錐状に尖った封止チップ4b、あるいは図3
    (c)に示す先端が斜めに切断された封止チップ4cを使用する。 また、ごく狭い窩胴部分の内部にレーザ光を照射する場合に封止チップ4bが使用でき、歯の裏面へのレーザ光照射にはレーザ光が斜めの面に反射して側射されることから封止チップ4cが使用できる。 レーザプローブ1を患部と接触させて切削あるいは切開を行う場合には、図3(d)に示すボールレンズ状の封止チップ4dを使用する。 ボールレンズ状の封止チップ4dを有するレーザプローブ1は、プローブ先端部分でレーザ光のパワー密度が飛躍的に高くなる特性を示す。 しかし、
    プローブ先端部分が患部から離れるにつれてレーザ光が拡散し、パワー密度が急激に減衰することから安全性が高い。 【0021】封止チップ4a,4b,4c,および4d
    の材質は、治療目的や照射するレーザ光の波長によって適宜選択される。 Er−YAGレーザ用では、シリコン、ダイヤモンド、サファイア、石英、酸化マグネシウム、フッ化カルシウムが用いられ、COレーザ用では、
    シリコン、サファイア、酸化マグネシウム、またはフッ化カルシウムが用いられ、CO 2レーザ用では、シリコン、ダイヤモンド、またはフッ化カルシウムを用いることができる。 封止チップのサイズは、直径200〜80
    0μm、あるいは長さが数mm以下であるので、吸収係数が若干大であってもレーザ光の減衰を抑制することが可能であり、微小であるのでダイヤモンドのような高価な材料であっても経済的に大きな負担とならない。 【0022】レーザプローブ1と長尺導波路2との接続は、両者の外径がほぼ同じであるとき、スリーブの内部で突き合わせ接続を行うことによって接続される。 特に、長尺導波路2が中空導波路である場合には、長尺導波路2の内部に高圧ガスを流入し、そのままレーザプローブ1の先端部分から高圧ガスを噴出させることによってプローブ内壁の汚染を防止することができる。 更に、
    レーザプローブ1を長尺導波路2から取り外すとき、長尺導波路2のレーザ光出射端を外部の雰囲気から保護するために、あるいはレーザプローブ1と長尺導波路2の接続によるレーザ光の減衰を抑制するために、両者の間に平板状のウインドまたはレンズを介入することが好ましい。 【0023】図4は、レーザ光1と長尺導波路2の接続部分を示す。 図4(a)は、第1の接続部分を示し、長尺導波路2が金属あるいは樹脂製の保護チューブ5に収納されている。 また、長尺導波路2の出射端には平板状のウインド7が装着されている。 長尺導波路2が高湿の湿気を嫌うフッ化物ガラスのような光ファイバの場合では、長尺導波路2の化学的な反応による機械特性の劣化を防止するために、長尺導波路2と保護チューブ5との間隙に乾燥したガスを流入するのが有効である。 【0024】また、ウインド7は、レーザプローブ1を取り外したとき、長尺導波路2の出射端を保護する働きをする。 即ち、ウインド7によって長尺導波路2の端面に直接汚れや傷がつくことを防ぎ、また、外部雰囲気による化学的な端面の劣化を防止する。 あるいは、長尺導波路2が中空導波路である場合には、外部からの粉塵や水分の侵入を防止する。 長尺導波路2と保護チューブ5
    との間隙に流入したガスは、ウインド7を迂回してレーザプローブ1の内部に流入させることも可能である。 長尺導波路2とレーザプローブ1とは着脱可能なコネクタスリーブ6によって接続される。 このコネクタスリーブ6は、図4(a)に示すように、レーザプローブ1とは別の部材によるコネクタ構造をしているが、簡易的には図1で示したフレア状のレーザプローブ1のような金属パイプを用いて一体化させても良い。 【0025】図4(a)に示す第1の接続部分は、レーザプローブ1と長尺導波路2の径がほぼ等しいか、あるいはレーザプローブ1の径が長尺導波路2よりも大であるときに有効である。 レーザプローブ1の径が長尺導波路2よりも小であるとき、あるいはレーザプローブ1と長尺導波路2との間にある程度のギャップが必要な場合には、長尺導波路2の出射光を一旦レンズで集光し、再度レーザプローブ1に入射する構成とすることにより接続損失が小になる。 【0026】図4(b)は、第2の接続部分を示し、レーザプローブ1と長尺導波路2がコネクタスリーブ6の内部でボールレンズ9を介して接続されている、レーザプローブ1の外側には、更に別の外装金属パイプ8が装着されており、長尺導波路2の外側には、金属あるいは樹脂製の保護チューブ5が装着されている。 長尺導波路2から出射されたレーザ光は、ボールレンズ9によって集光され、レーザプローブ1に入射される。 長尺導波路2と保護チューブ5の間隙、あるいは長尺導波路2が中空導波路の場合には、長尺導波路2の内部にガスを流すことができる。 このガスは、ボールレンズ9を迂回して、レーザプローブ1の内部あるいはレーザプローブ1
    とその外側の外装金属パイプ8の間隙に流すことができ、長尺導波路2およびレーザプローブ1の保護だけでなく、レーザ光が出射される患部付近にも噴出されることによって、洗浄や切開効率を高めるアシストガスとして作用する。 【0027】図4(b)では、レーザプローブ1は外装金属パイプ8に保護されて二重構造を成しているが、更にその外側に金属パイプを装着して三重構造とすることもできる。 中心部分のレーザプローブ内部にはレーザ光が伝搬し、その外側にはガス、更にその外側には水を流入させることができる。 このようにレーザ光とガスや水の経路は各々別々の空間を利用することができるが、レーザ光とガス、あるいはガスと水は各々の経路を共有させても良い。 【0028】図4(c)は、第3の接続部分を示し、長尺導波路2の外側に設けられる保護チューブ5の更に外側に外装チューブ10を有する。 保護チューブ5と外装チューブ10の間隙には、水、あるいは水とガスとを混合した流体が流れ、この流体はボ−ルレンズ9を迂回して、レーザプローブ1と外装金属パイプ8の間隙を通り、レーザ光照射に基づいて患部に噴出される。 保護チューブ5と長尺導波路2の間隙、あるいは長尺導波路2
    が中空導波路の場合には、長尺導波路2の内部にガスを流入させることが可能であり、このガスはレーザ光とともにレーザプローブ1の内部を通って先端部から噴出される。 【0029】一般に、レーザ光は水によく吸収されるので、外装金属パイプ8よりもレーザプローブ1を長く形成する。 具体的には、レーザプローブ1の先端が外装金属パイプ8より5mm程度露出していることが好ましい。 このようなガス、特に、空気と水を噴出させながらのレーザ光の照射は、歯科治療の場合に有効である。 【0030】上記構成において、レーザプローブ1内、
    あるいはその周辺に流入するガスは、外部雰囲気との隔離による機械的、および光学的特性の劣化抑制、導波路あるいは光学部品の熱的破損の防止、粉塵や水分等の汚染物質侵入の防止、患部における切開物の除去や洗浄、
    レーザ光による切開効率等のアシスト、その他の治療の種類によって様々な機能を有している。 これらのガスの作用を考慮し、本発明では空気、酸素、窒素、炭酸ガスのいずれかのガスを使用した。 また、ガス中に含まれる水分を極力低減した乾燥ガスを使用することは、長尺導波路2またはレーザプローブ1の機械的、光学的特性の劣化抑制に特に有効である。 また、冷却したガスの使用は、熱的破損の防止に有効である。 【0031】また、長尺導波路2と、それに接続されるレーザプローブ1との間に介在するウインド7あるいはボ−ルレンズ9は、レーザプローブ1の先端部を封止する封止チップ4a,4b,4c,および4dと同様に、
    シリコン、ダイヤモンド、サファイア、石英、酸化マグネシウム、フッ化カルシウムのいずれかの材料によって形成することが好ましい。 【0032】本発明によるレーザプローブ1をEr−Y
    AGレーザ用に適用した場合、湾曲型のレーザプローブ1において透過率80%を実現することが本発明者によって確認されている。 これは、ほぼ同じ形状を有する石英系レーザプローブと比較して、約10〜20%程度高い透過率である。 また、CO 2レーザによる長さ10c
    m以上の体内挿入用レーザプローブの場合でも、取り扱いが容易であるだけでなく、充分な透過率を示すことが確認された。 【0033】上記構成のレーザプローブによると、以下に示す優れた効果が得られる。 外力等による物理的な破壊、あるいは化学的変化による特性劣化が起こりにくく強固であるので、外科治療や滅菌処理等の過酷な環境下でも充分な耐久性を有する。 医療用として無毒であるという必須条件を満足し、
    レーザプローブを直接人体に接触、あるいは挿入したりして使用することができる。 治療場所や目的に応じ、適切な形状のレーザプローブを選択することができる。 レーザプローブの先端には種々の形状の封止チップを装着することが可能で、ごく狭い窩胴部分への挿入、注射針のように人体内部への挿入、あるいはメスのような機械的な切開機能の付与といった様々な取り扱いに対応することができる。 導波路としての低損失性を充分満足し、高効率伝送が可能であるので、光源の容量増大等の負担を増加させることがない。 製作が容易であり、かつ、安価な材料を用いているため、消毒滅菌による再使用だけでなく治療毎の使い捨ても可能になる。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の医療用レ<br>ーザプローブによると、金属パイプの内壁にレーザ光の波長帯で透明な誘電体の薄膜をコーティングしたため、
    機械的強度、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、無毒性、低損失性、経済性、使いやすさ等の要求特性を満足し、着脱可能で使い捨てあるいは再使用を可能とすることができる。

    【図面の簡単な説明】 【図1】(a),本発明のレーザプローブを示す断面図である。 (b),(a)におけるレーザプローブのA−A部における断面図である。 【図2】(a),屈曲型のレーザプローブを示す説明図である。 (b),湾曲型のレーザプローブを示す説明図である。 (c),先端が斜めに切断されたレーザプローブを示す説明図である。 (d),先端がテーパー状に形成されたレーザプローブを示す説明図である。 (e),接続部分がフレア状のレーザプローブを示す説明図である。 【図3】(a),平板状の封止チップを有するレーザプローブの説明図である。 (b),先端が円錐状の封止チップを有するレーザプローブの説明図である。 (c),先端が斜めに切断された封止チップを有するレーザプローブの説明図である。 (d),ボ−ルレンズ状の封止チップを有するレーザプローブの説明図である。 【図4】(a),レーザプローブと長尺導波路の第1の接続部分を示す説明図である。 (b),レーザプローブと長尺導波路の第2の接続部分を示す説明図である。 (c),レーザプローブと長尺導波路の第3の接続部分を示す説明図である。 【符号の説明】 1,レーザプローブ1A,金属パイプ1B,中空領域1C,誘電体薄膜2,長尺導波路3,スリーブ4a,4b,4c,4d,封止チップ5,保護チューブ6,コネクタスリーブ7,ウインド8,外装金属パイプ9,ボ−ルレンズ10,外装チューブ

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本郷 晃史 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電 線株式会社 アドバンスリサーチセンタ 内(72)発明者 岡上 吉秀 京都府京都市伏見区東浜南町680番地 株式会社モリタ製作所内 (56)参考文献 特開 平1−262856(JP,A) 特開 平5−19124(JP,A) 特開 昭63−266404(JP,A) 特開 平6−148440(JP,A) 特開 平7−294762(JP,A) 特開 平6−14936(JP,A) 特開 平9−243837(JP,A) 特開 平9−159845(JP,A) 特開 平5−19124(JP,A) 特開 平8−234026(JP,A) 特開 平8−143629(JP,A) 特開 平8−211205(JP,A) 特開 平8−248232(JP,A) 特開 平8−313708(JP,A) 特開 平9−29885(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) G02B 6/00 - 6/02,6/10 G02B 6/16 - 6/22,6/44 A61B 18/20 A61C 3/02

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