殺菌消毒治療用装置、前記装置を備えた設備及びそれに関する方法

申请号 JP2018516163 申请日 2016-09-28 公开(公告)号 JP2018534967A 公开(公告)日 2018-11-29
申请人 エル.エン ソチエタ ペル アチオーニ; 发明人 マゾッティ,レオナルド; カルヴァーニ,パオロ; ブレスキ,ルカ;
摘要 本発明に係る装置(3)は、ハンドピース(5)に関連付けられた近位端部と、遠位端部(14A)とを有する第一ダクト(14)を備えている。第一ダクト(14)は、散乱粒子を含む液体用の入口ポート(18)と 流体 接続している。さらにまた、装置(3)は、レーザ源(11)から第一ダクト(14)の開口遠位端部(14A)の近くまでレーザ放射線を伝達するように配置及び構成された光ガイド(7)を有する。 【選択図】 図1
权利要求

組織レーザ治療用の医療用装置であって、 該医療用装置が、ハンドピースに関連付けられる近位端部と、開口遠位端部とを有する第一ダクトを有し、該第一ダクトが散乱粒子を含んだ液体用の入口ポートと連通し、かつ、 該医療用装置が、第一ダクトの前記開口遠位端部又はその近くにレーザ放射線を伝達するように配置及び構成された光ガイドを有し、前記散乱粒子が光ガイドによって放射されるレーザ放射線を散乱するように構成されている ことを特徴とする医療用装置。その中に散乱粒子が懸濁される液体源を備え、 前記液体源が前記第一ダクトと流体連通している ことを特徴とする請求項1に記載の装置。光ガイドが、前記第一ダクト内に配置され、第一ダクトの開口遠位端部に隣接する位置まで、第一ダクトに沿って長手方向にのびている ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。光ガイドが、少なくとも一つの光ファイバを備えている ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の装置。光ガイドが、レーザ放射源に接続するための連結具を備えている ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の装置。第一ダクトの遠位端部の横断面が、略円形又は略楕円形である ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の装置。第一ダクトに対する光ガイドの位置が、第一ダクトの長さ方向に沿って調整可能である ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の装置。治療領域から液体を除去する第二吸引ダクトを備え、該第二吸引ダクトが第一ダクトの開口遠位端部の近くに配置された入口を備えている ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の装置。散乱粒子を含む前記液体を送り出すために、ハンドピースに少なくとも一つのポンプを配置した ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の装置。前記少なくとも一つのポンプが、散乱粒子を含む液体を第一ダクトに送り、かつ、前記第二吸引ダクトを通して散乱粒子を含む液体の吸引をするように構成及び配置されている ことを特徴とする少なくとも請求項6に従属する請求項9に記載の装置。請求項1〜10の何れか一項に記載の装置と、 光ガイドに接続可能なレーザ光源と、 散乱粒子が懸濁される液体を含む供給回路と を備え、 前記散乱粒子が、前記レーザ光源によって放射されるレーザ放射線を散乱するように形成され、 前記供給回路が、装置の第一ダクトと接続可能である ことを特徴とする医療用設備。レーザ光源が、約700nmから約3000nmの間の波長範囲でレーザ放射線を放射する ことを特徴とする請求項11に記載の設備。散乱粒子によって散乱されるレーザ放射線のパラメータが、殺菌効果又は生体刺激効果を有するように選択される ことを特徴とする請求項11又は12に記載の設備。レーザ放射線によって治療されるべき表面に向けてレーザ放射線を伝達する方法であって、 該方法が、 散乱粒子を含む液体を前記表面の近くに供給するように第一ダクトを配置するステップ、 前記表面に隣接して光ガイドを配置するステップ、 前記第一ダクトを通して、散乱粒子を含んだ液体を供給し、前記表面を散乱粒子を含む液体で濡らすステップ、 前記光ガイドを用いて、供給された液体で占められた容積体内にレーザビームを放射するステップ、及び 散乱粒子を通して、レーザ放射線を、散乱粒子を含んだ液体によって濡らされた表面上に分配するステップ を有することを特徴とする方法。前記容積体から液体及び散乱粒子を吸引するステップをさらに有する ことを特徴とする請求項14に記載の方法。

組織レーザ治療用の医療用設備であって、 ハンドピースに関連付けられる近位端部と、開口遠位端部とを有する第一ダクトを有し、該第一ダクトが、散乱粒子を含んだ液体用の入口ポートと連通し、かつ、治療すべき領域に散乱粒子を含む液体を供給するように構成された第一ダクト及び、第一ダクトの前記開口遠位端部又はその近くにレーザ放射線を伝達するように配置及び構成された光ガイドを有する装置と、 光ガイドに接続可能なレーザ光源と、 散乱粒子が懸濁される液体を含む供給回路と を備え、 前記散乱粒子が、前記レーザ光源及び光ガイドによって放射されるレーザ放射線を散乱するように形成され、 前記供給回路が、装置の第一ダクトと接続可能である ことを特徴とする医療用設備。その中に散乱粒子が懸濁される液体源を備え、 前記液体源が前記第一ダクトと流体連通している ことを特徴とする請求項1に記載の設備。光ガイドが、前記第一ダクト内に配置され、第一ダクトの開口遠位端部に隣接する位置まで、第一ダクトに沿って長手方向にのびている ことを特徴とする請求項1又は2に記載の設備。光ガイドが、少なくとも一つの光ファイバを備えている ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の設備。光ガイドが、レーザ放射源に接続するための連結具を備えている ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の設備。第一ダクトの遠位端部の横断面が、略円形又は略楕円形である ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の設備。第一ダクトに対する光ガイドの位置が、第一ダクトの長さ方向に沿って調整可能である ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の設備。治療領域から液体を除去する第二吸引ダクトを備え、該第二吸引ダクトが第一ダクトの開口遠位端部の近くに配置された入口を備えている ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の設備。散乱粒子を含む前記液体を送り出すために、ハンドピースに少なくとも一つのポンプを配置した ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の設備。前記少なくとも一つのポンプが、散乱粒子を含む液体を第一ダクトに送り、かつ、前記第二吸引ダクトを通して散乱粒子を含む液体の吸引をするように構成及び配置されている ことを特徴とする少なくとも請求項6に従属する請求項9に記載の設備。レーザ光源が、約700nmから約3000nmの間の波長範囲でレーザ放射線を放射する ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の設備。散乱粒子によって散乱されるレーザ放射線のパラメータが、殺菌効果又は生体刺激効果を有するように選択される ことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の設備。レーザ放射線によって治療されるべき表面に向けてレーザ放射線を伝達する方法であって、 該方法が、 散乱粒子を含む液体を前記表面の近くに供給するように第一ダクトを配置するステップ、 前記表面に隣接して光ガイドを配置するステップ、 前記第一ダクトを通して、散乱粒子を含んだ液体を供給し、前記表面を散乱粒子を含む液体で濡らすステップ、 前記光ガイドを用いて、供給された液体で占められた容積体内にレーザビームを放射するステップ、及び 散乱粒子を通して、レーザ放射線を、散乱粒子を含んだ液体によって濡らされた表面上に分配するステップ を有することを特徴とする方法。前記容積体から液体及び散乱粒子を吸引するステップをさらに有する ことを特徴とする請求項13に記載の方法。

说明书全文

本発明は、医療用装置及び設備に関する。本明細書に記載された実施形態は、歯根管、歯肉ポケット又は口腔及び他の身体部分における、痛み、外傷、及び経皮的シャントを伴う人工器官による影響も受ける他の病的状態を治療するために使用される装置及び設備に関する。

歯は、外側エナメル層及び内側象牙質層を有する外側シェルから成る。前記シェルの内部には、歯髄腔又は神経腔と呼ばれる腔がある。前記腔には、根管とも称される歯根管の系を介して骨から伸びる、血管、リンパ管及び神経に加えて、歯髄が収容されている。根管は、歯根全体を通り、その端部で椎孔が歯周組織に繋がる。栄養と歯に対する感度とを保証する血管神経束は、根管の内部に位置している。

多くの歯科的治療介入は、根管治療に関係することが多い。歯髄腔が、例えば、虫歯が原因で感染した場合、又は、外傷による損傷を受けた場合、根管治療が歯を救う唯一の方法であることが多い。深刻な虫歯や他の傷は、歯髄に損傷を与えたり、感染を引き起したりする可能性がある。歯内治療とも呼ばれる根管治療では、歯科医は、損傷又は感染した歯髄を除去し、歯の残りの構造体を維持するために寄与する特別な充填材料を除去した歯髄と置き換える。

現在、根管を治療するために歯内治療介入が行われ、この歯内治療では、歯随腔にアクセスするために歯冠に開口を形成する。血管、神経、歯髄及び必要に応じて象牙質の一部が、機械的システムを通して除去される。得られた腔は、その後、シールされる。場合によっては、この腔内に、歯冠に置き換わる人口器官を支持するためにピンが挿入される。

機械的な手段を用いた根管の洗浄工程は、歯、特に、大臼歯にアクセスすることが難しいこと、及び、根管が曲がりくねっており、かつ、根管の内部の寸法、特に、最も深い領域の寸法が小さいことが原因で複雑である。

根管の不完全な洗浄は、心臓の感染症を含む非常に深刻な結果をもたらす可能性がある。

根管治療を容易にするためにレーザ放射線を使用するシステムが研究されている。例えば、米国特許US5968039号(特許文献1)には、レーザ放射線を根管に送るために光ファイバを使用する歯科用ツールが開示されている。前記光ファイバの遠位端部は、歯根の側壁をより好適に照射するために、その先端領域に代えて、ファイバ軸を囲む環状表面上にレーザビームを放出するように加工されている。

しかしながら、レーザ放射線が根管の内部に完全には達しないので、この解決方法は十分ではない。

根管治療のために現在用いられている技術は、治療領域の内部で患者に対して深刻な結果を生じさせ得る病原菌(細菌)の除去に関して、不十分である。生物を殺すためには、抗生物質を局所的又は全身的に使用する必要がある。抗生物質の使用は、第一に、耐性を持つ微生物が成長すること、そして、第二に、使用された抗生物質に対する患者の不耐性による副作用の発生のような幾つかの不都合がある。

さらに歯科分野に関し、抗菌治療を必要とする別の病的状態としては、歯肉溝の増加による歯肉ポケットの形成がある。歯肉溝は、狭くて浅い溝であり、歯の側面に位置し、一方の側面が歯表面によって画定され、他方の側面は歯肉縁の溝の上皮によって画定される。通常の場合、この溝の深さは1〜3mmの間であるが、この深さは4mmまで深くなり、歯周病の場合にはそれ以上になる。幾つかの病的状態の下で、歯肉溝の深さが増加し、所謂、歯肉ポケットを形成することがある。その主たる原因は歯垢の形成である。もし、歯垢が除去されないと、歯垢は、より深い領域まで上皮破壊を移動させる原因になり、歯肉溝の深さを深くして、ポケットを形成させる。

歯肉ポケット内の微生物は、歯肉炎を生じさせるバクテリア毒素を生み出す。歯周組織の炎症は、元の位置から離れる方向に移動する歯周組織の変位を生じさせ、歯根を、見苦しく、人が気付くような形で露出したままの状態にする原因になる。歯茎が歯から離れる方向に動かされると、骨吸収もあり、結果として骨ポケットが形成され、そこでは、プラークがより簡単に堆積し易くなり、かつ、石灰化のために歯石に変化し易くなる。

歯及び歯茎から除去されなかった細菌はポケット内に残り、骨芽細胞を死滅させ、骨吸収を生じさせて、適切に処置しなければ、歯が動き、抜ける原因になる。歯が抜け落ちる危険は、実際には歯肉ポケットには関連してなく、(細菌感染のために)治療を行っていない場合に生じる骨吸収に関連している。

歯肉ポケット及び歯周病の治療は病気の段階に依存する。歯肉歯槽粘膜形成術は、歯周軟組織(歯茎)の形態、位置及び又は量の欠陥を直すのに適した手順から成る。主な方法は、既存の歯茎を引き伸ばすことによって露出した根管を覆うことであり、覆うべき歯肉ポケットが大きい場合には、歯肉は口蓋から採取される。これらの治療介入は非常に侵襲的である。

従って、骨に影響を及ぼす上述した結果を導き得るこの病状の悪化を防止するために、歯肉ポケットに効果的に介入し、その中にある微生物を除去するのに適した工具及び方法が歯科分野において必要とされている。

歯科分野において、微生物は、他の領域、例えば、歯科用インプラント及び人口器官のピンの周囲の領域や外科手術用金属スティッチ等の近くの領域でも急増することができる。

例えば、金属スティッチや人工器官のような外的要素が、皮膚を貫通して、その下の組織に入る時にも、同様の問題が生じ得る。例えば、心臓手術中に胸骨に金属スティッチを適用する場合にも、この種の問題が生じ得る。これら全ての場合において細菌の除去は、患者の健康にとって根本的なものであり、現在、最も一般的なアプローチは、上述した限界及び欠点を有する抗生物質の使用に基づいている。

従って、上述した病状を治療するためのより効果的な装置及び方法が必要とされる。

米国特許US5968039号

第一の特徴によれば、ハンドピースに関連付けられた近位端部と、開放した遠位端部とを有する第一ダクトを備え、前記第一ダクトが散乱粒子を含む液体用の入口ポートに連通している組織のレーザ治療のための医療用装置が提供される。さらにまた、この装置は、適当なレーザ光源からくるレーザ放射線を、第一ダクトの開口遠位端部の近くに伝達するように配置され、構成された光ガイドを有する。散乱粒子は、個体、液体又は気体であり得、第一ダクトの開口遠位端部の近くで、光ガイドによって伝達されたレーザ放射線を散乱させるように形成される。具体的には、粒子の寸法及び材料は、例えば、粒子が光ガイドによって伝播される放射線に与える散乱効果を最適化するために、レーザ放射線の波長に従って選択され得る。

この明細書に記載された実施例では、医療用装置は、液体源を有し、液体の中に散乱粒子が懸濁されており、該液体源は、第一ダクトと流体接続される。

光ガイドは、第一ダクトの外側に配置してもよいが、好ましくは、第一ダクトの内部に収容されており、第一ダクトの開口遠位端部に隣接する領域まで長手方向に伸びる。このようにして、光ガイドは保護され、装置の全体的な寸法が小さくされる。

光ガイドが光ファイバで構成されている場合、装置は特にコンパクトな構造を有し得る。光ガイドは、単一の光ファイバで構成されていてもよく、また、複数の光ファイバから成る束で構成されてもよい。後者の場合、複数の光ファイバは、特性、寸法又は他の特徴に関して相互に等しくてもよく、また、異なっていてもよい。例えば、異なる光ファイバが、異なる波長でレーザ放射線を伝達するために使用され得る。また、治療すべき領域に、例えば、殺菌消毒及び/又は生体刺激放射線のような治療用放射線だけでなく、ライトアップして治療を容易にするための放射線も伝達することが可能である。

光ガイドは、光ガイドの端部とダクトの端部との間の距離を調整するために、調整可能な方法で、ダクト内に又はダクトに隣接して配置され得る。この方法では、光ガイドは、ダクトから適切な距離だけ突出してもよく、また、ダクトの内部に完全に収容されていてもよい。

改良された実施例によれば、装置は、さらに、治療領域から液体を除去するための第二吸引ダクトを有する。この第二吸引ダクトは、第一ダクトの開口遠位端部の近くに入口を有し、治療領域から液体及び散乱粒子を除去する。これにより、例えば、液体の飛散を低減し、治療をより快適なものにし、かつ、患者に対するトラブルを軽減することが可能になる。さらに、液体の吸引は、治療領域から熱及び/又は残留物を除去することに寄与する。

別体のポンプ又はハンドピースに一体化されたポンプが、散乱粒子と共に液体を送り込むために使用され得る。幾つかの特に有利な実施例では、ポンプは、散乱粒子を有する液体を第一ダクト内に送り込み、かつ、第二吸引ダクトを通して散乱粒子を有する液体を吸引するように構成され、かつ、配置され得る。ポンプは、例えば、蠕動ポンプであり得る。

散乱粒子を含む液体と、光ガイドによって伝達されるレーザ放射線とを組み合せて使用することによって、光ガイドから直接来る放射線では直接アクセスすることができない領域にレーザ光を放射することが可能になる。実際、光ガイド、例えば、光ファイバの自由端から放射されるレーザ放射線は、直線軌道に従って伝搬する。従って、光放射点に対して陰になる領域には到達することができない。これは、例えば、幾つかの外科的又は歯科的用途においてレーザを使用する場合には、深刻な制限になり得る。典型的には、光ファイバによって放射された放射線が伝搬することができない、アクセスすることが困難な凹所及び領域、又は曲がった軌道を通してのみアクセスすることができる凹所又は場所の存在のために、根管を清掃する時に深刻な制限を生じさせ得る。レーザ放射線放射領域に液体によって運ばれる散乱粒子により、放射線は無限の方向(任意の方向)に散乱され、従って、例えば、陰の領域、複雑な軌道及びアンダーカット領域にも到達することが可能になる。治療される容積体、例えば、根管の内部に自由液体を噴霧することにより、レーザ放射線を、実質的に、液体によって濡らされた全表面に放射することが可能になる。

別の特徴によれば、本発明は、上述した医療用装置と、光源に接続され得るレーザ光源と、散乱粒子が懸濁される液体を含んだ供給回路とを備えた医療用設備に関し、前記散乱粒子は、レーザ光源によって放射されたレーザ放射線を散乱させるように形成され、前記供給回路は、装置の第一ダクトに接続可能である。

別の特徴によれば、本発明は、レーザ放射線を用いて治療するべき表面に向けてレーザ放射線を伝搬させる方法に関し、この方法は、以下のステップを有する。 ・散乱粒子を含んだ液体を前記表面に隣接して供給するように第一ダクトを配置するステップ。 ・前記表面に隣接して光ガイドを配置するステップ。 ・第一ダクトを通して液体を供給し、散乱粒子を含んだ液体で表面を濡らすステップ。 ・前記光ガイドを用いて、供給された液体によって占められた容積体中にレーザ放射線を放射するステップ。 ・散乱粒子を通して、散乱粒子を含む液体によって濡らされた表面上にレーザ放射線を分配するステップ。

さらにまた、この方法は、液体及び散乱粒子を前記容積体から吸引するステップを有する。

本発明の設備及び方法のさらなる有利な特徴及び実施例は、非限定的な実施例を示す添付図面を参照して以下に説明され、かつ、この説明の欠くことのできない部分を形成する添付した特許請求の範囲において説明される。

本発明は、本発明の非限定的実施例を示す説明及び添付図面を参照することで、より良く理解されることになる。

図1は、本発明の第一実施例による装置の概略長手方向断面図である。

図2A及び図2Bは、図1のII−II線に沿った二つの異なる実施例の断面図である。

図3は、別の実施例の図1と同様の部分の長手方向断面図である。

図4は、装置の別の実施例の長手方向断面図である。

図5は、装置の別の実施例の長手方向断面図である。

図6は、装置の使用態様を示している。

図7は、装置の使用態様を示している。

以下に、添付図面を参照して実施例の詳細な説明をする。異なる図面において使用される同一の符号は、同一又は類似の構成要素を示す。さらに、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。また、以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によって画定される。

明細書を通して使用される用語「一つの実施例」「ある実施例」又は「幾つかの実施例」は、一つの実施例に関連して説明される特別な特徴、構造又は特性が、開示されている構成要件から成る少なくとも一つの実施例に含まれていることを意味している。従って、本明細書を通して様々な場所で使用される「一実施例において」「ある実施例において」又は「複数の実施例において」という文は、必ずしも同じ実施例と参照しているとは限らない。さらに、特別な特徴、構造又は特性は、任意の適切な方法で、一つ又は複数の実施例において組み合せられ得る。

以下の説明では、歯科用途に具体的に言及するが、本発明による装置は、通常の光ガイドを使用することによってはアクセスが困難な場所において同様の細菌増殖の問題が生じる他の医療又は獣医学用途にも使用できることは理解されるべきである。

図1を参照すると、符号1は、本発明による設備を概略的に示している。符号3は、患者の器官又は臓器にレーザ放射線を照射するための装置を示している。図示実施例では、装置3は、ハンドピース、即ち、ハンドル5を備え、このハンドル5に一つ又は複数の光ファイバ7によって構成された光ガイドが到達する。以下の説明では、一つの光ファイバのみを有する実施例を具体的に参照するが、この構成は単なる非限定的な実施例であることは理解されるべきである。

光ファイバ7は、例えば、コネクタ9を通して、図1に概略的に示された設備1のレーザ光源11に接続され得る。図1に示した実施例において、光ファイバ7の端部部分は、第一ダクト14の内部で伸びており、第一ダクト14の近位端部はハンドピース5に取り付けられ、遠位端部14は開口している。光ファイバ7の遠位端部7Aは、ダクト14の開口遠位端部14Aの近くに配置され得る。幾つかの実施例では、ファイバの遠位端部7Aはダクト14に対して調整することができるようにされ、その遠位端部7Aを、ダクト14の開口遠位端部14Aと正確に対応して位置決めしてもよく、又は図1に示すようにダクト14の内部の後方位置に位置決めしてもよく、又は、ダクト14の外側に突出するように位置決めしてもよく、例えば、数十分の1ミリメートルから数ミリメートルまで長さが調整され得る。

幾つかの実施例では、ダクト14は、符号15で概略的に示されているようなネジ連結部材等を用いてハンドピース、即ち、ハンドル5に接続され得、ダクト14の取外し及び交換を可能にしている。衛生上の理由から、ダクト14は、例えば、使い捨てダクトであり得、又、それは殺菌を容易にするために、連結具15を通して取り外され得る。

概略的に示すように、以下に明らかにする理由のために、ガスケット17は、光ファイバ7の表面に密封的に接触することによって、ハンドピース5の内部を、ダクト14の内部から分離している。

ダクト14は、入口ポート18と流体接続し、前記入口ポート18を介して、液体、例えば、生理溶液が供給され得る。入口ポート18は、サイドダクト19がダクト14に接続される位置に設けられ得る。図1の概略図において、符号12は、設備1のポンプを示しており、このポンプ12は、タンク23からサイドダクト19へ液体を送る。タンク23からサイドダクト19へ送られた液体は、ダクト14に沿って流れ、ダクト14の開口遠位端部14Aから出る。ガスケット17は、液体が、光ファイバ7に沿ってハンドピース5の内部に向けて逆流することを防止する。

液体は、光ファイバ7とダクト14の内壁との間の自由領域を通して流れ、ダクト14の横断面は様々な形状であり得る。図2A及び図2Bは、ダクト14の端部部分の二つの別の実施例を示している。図2Aにおいては、ダクト14の横断面は実質的に円形であるが、図2Bにおいては、ダクト14の横断面は実質的に楕円形である。両方の場合において、光ファイバ7は、ダクトの横断面のほぼ中心に配置され得、必要であれば、光ファイバ7は、不図示の適切な半径方向スペーサを用いてこの位置に保持され得る。ダクト14の横断面の形状は変更可能であり得、例えば、異なる用途のために、幾つかの交換可能なダクトを設けてもよい。図2Aの形状は、根管治療のために特に有用であり、かつ、歯肉瘻の治療やピンを離脱する場合のインプラントピンと骨組織との間の空間の治療にも特に有用である。逆に、図2Bの形状は、歯肉ポケットの治療又は他の応用に対して有用であり、平坦な装置を使用することによって処置されるべき領域により良くアクセスできる。

図1の実施例では、ダクト14は直線状である。図3に概略的に示すように、他の実施例ではダクト14は曲げられ得る。図3において、同じ参照符号は、図1を参照して説明した部材と同一又は同等の部材を示す。

図1と同様に、図4は、本発明による装置の異なる実施例を概略的に示している。同じ参照符号は、図1を参照して説明した部材と同一又は同等の部材を示し、再度説明はしない。図4において、光ファイバ7の遠位端部7Aは、ダクト14の開口遠位端部14Aから僅かに突出した位置に示されている。

図1の実施例と異なり、図4では、装置3は吸引ダクト31を備えており、この吸引ダクト31は、ダクト14と一体であり得、かつ、ダクト14の開口遠位端部14Aの近くに配置された開口遠位端部31Aを有し得る。図4の実施例では、吸引ダクト31の開口遠位端部31Aは、ダクト14の開口遠位端部14Aに対して僅かに後方に配置されている。吸引ダクト31は吸引ポンプ33に流体接続され得、吸引ポンプ33は、吸引ダクト31を通して液体を吸引し、以下に詳しく説明する目的のために、液体を収集タンク35へ送る。

このような構成によって、ダクト14を通してポンプ21によって供給された液体は、装置3によって治療すべき領域を濡らし、その後、吸引ダクト31の吸引によって前記領域から除去される。図5は、図4の装置を改良した実施例を示している。同一の符号は、図1及び図4を参照して説明した部材と同一又は同等の部材を示す。図5の実施例では、吸引ダクト31及びサイドダクト19は、単一のポンプ34、例えば、蠕動ポンプに接続されている。 ポンプ34は、小型化され、ハンドピース5の内部に配置され得る。別の実施例では、ダクト19及び31は、ハンドピース5から突出し得、かつ、ハンドピースの外部に配置されたポンプ34に接続され得る。

幾つかの実施例では、蠕動ポンプ34は、単一のロータを有し得、前記ロータが、二本の可撓性パイプ上に作用する。前記二本の可撓性パイプはロータの周りを伸び、かつ、各々サイドダクト19及び吸引ダクト31の一部を形成している。ロータは図5において符号36によって概略的に示されており、その回転方向は符号f36によって示されている。このダクト19及び31の配置のおかげで、単一ロータ36の回転により、新しい液体がタンク23から取り出されて、ダクト14に押し出され、そして、排出された液体は吸引ダクト31の開口遠位端部31Aを通して吸引され、収集タンク35に排出される。

図6は、歯肉ポケットの治療のための装置の使用態様を示している。符号Dは歯を示し、符号Gは歯茎を示している。符号Tは、歯肉ポケットを示している。歯肉ポケットは、組織上に存在する微生物を除去し、かつ、炎症を除去するために治療される。治療は、実質的に以下に説明するように行われる。作業者は、ダクト14の遠位端部14Aを、歯肉ポケットTの入口又は内部に置く。この応用例では、遠位端部の位置決めを容易にするために、図2Bに概略的に示すように、ダクト14の横断面が、少なくとも端部において平坦である装置3を使用することが有用である。

一つ又は複数の制御ボタンが、設備1の構成要素、特に、レーザ光源11及び装置の構成に従ってポンプ21,33,34を制御するために、装置3のハンドピース、即ち、ハンドル5に設けられ得る。

代わりに、これらの制御又はこれらの制御の一部は、不図示の別体のコンソール、一つ又は複数のペダル、若しくは他の適当なインターフェイス装置又は部材を通して行われてもよい。

ダクト14の開口遠位端部14Aが位置決めされると、作業者は治療サイクルを開始する。液体は、ダクト14を通して供給され、治療すべき領域、この実施例の場合は歯肉ポケットの内部に流れる。液体は、任意の生体適合性液体、例えば、生理溶液又は蒸留であり得る。

液体は、例えば、粉末状の懸濁された散乱物質を含む。粉末は、この明細書では、液体によって運ばれ、治療されるべき領域で循環するために十分な小ささの粒子に散乱物質を細分化した任意の形態を意味する。粒子は、球形、ほぼ球形、又は粒状の形状であり得る。また、粒子はフレーク状又は所望の散乱効果を保証する任意の形状を有してもよい。

実際、散乱物質は、治療中に作業者が活性化するレーザビームを散乱する働きを有する。レーザ光源11によって放射されるレーザビームは、光ファイバの遠位端部7Aから「発射」され、液体内に懸濁した散乱粒子に衝突する。実際、ダクト14の開口遠位端部14Aを通って流れる液体は、治療すべき領域の容積体、即ち、図6の場合には歯肉ポケットTを満たす。このようにして、レーザ光は、液体内で懸濁する散乱粒子を用いて散乱され、直線軌道の代わりに、懸濁流体における様々な反射によって画定される複雑な軌道を通して周囲の組織に到達する。このようにしてレーザ放射線は、液体が供給される腔の見えない領域にも到達し得る。

レーザ放射線のパラメータは、放射線が衝突する表面において殺菌を生じさせるように選択される。言い換えれば、液体は、その中に懸濁された散乱粒子のおかげで、光ファイバ7を用いて放射され、かつ、液体に含浸されたレーザ放射線を、液体によって濡らされた全ての表面、光ファイバが「見えない」表面部分、即ち、光ファイバから出るレーザビームの直線軌道上になり表面部分にも伝達させる。

レーザ放射線は、組織を殺菌し、かつ病原菌を除去するだけでなく、組織を刺激するように選択され得る。これは、よりよい回復を可能にするので、本明細書で説明した歯科・口腔科の応用において特に有用で重要である。

使用において、懸濁した散乱粒子を含む液体は、好ましくは、レーザ放射の前にポンプによる供給が開始され、レーザビームが最初から散乱され、周囲の組織に直接到達することがないようにしている。これにより、レーザを用いて、直接的ではなく、液体中に懸濁した粒子物質を通して「間接的」な方法で、組織を治療することが可能になる。

装置が図4又は5に示したタイプの装置である場合、懸濁粒子を含む液体は、治療領域から吸引され、従って、治療をより容易にし、かつ、患者に対する侵襲を少なくする。実際、散乱粒子を有する液体は、治療される領域に向けて分散され、かつ、同領域から徐々に除去されるので、患者に対する不快適さが蓄積されることが回避される。ダクト31を通して排出された液体を吸引することで、即ち、治療される領域に既に噴霧された液体を吸引することで、患者に対するトラブルを引き起こすことなく、高い液流で治療をすることが可能になる。液流は、例えば、そうしなければ光ファイバ7によって供給されるレーザパワーの影響により過熱し、その結果、患者にトラブルを生じさせ、また、組織にダメージを与え得る治療領域をコンスタントに冷却するために、計量され得る。散乱液体を連続的に、また、制御して供給することにより、治療中に分離する物質の洗浄及び除去も可能になる。吸引ダクト31を設けた場合、液体によって濡らされた構造体から取られた破片及び残留物は、排出される液体と共に蓄積され、例えば、密閉可能な使い捨て容器又はタンク内にそれらを集めることによって除去され得る。

図7は、歯科・口腔科における装置の別の使用方法を示している。装置は、符号3で示されている。この実施例では、装置3及び設備1は、例えば、虫歯が歯髄腔Pに深刻なダメージを与えた結果として失活した後に、歯Dの根管CRの治療のために使用される。ダクト14の開口遠位端部14Aは、歯髄腔Pの中に挿入された後、治療のために歯根CR内に挿入される。作業者は、散乱粒子を含む液体の供給を開始し、次いで、適切な遅れをもって、レーザビームの供給を開始する。レーザ放射線は、たとえその領域がレーザビームによって直接到達できない領域であっても、散乱粒子を含む液体によって濡らされた表面全体に到達する。

図7において、ダクト14は、図2の実施例に示すように、曲げられている。幾つかの実施例では、異なる形状及び(横断面及び/又は長さの)異なる寸法の根管の内部に到達させるために、相互に長さ、外形及び曲率が異なる交換可能なダクト14のキットが設けられ得る。

幾つかの実施例では、ダクト14は、根管の形状に適合するように、可撓性材料で形成され得る。

この明細書で説明したタイプの装置3を根管CRの治療に使用する場合、治療方法は以下のようになる。作業者は、公知の機器を用いて、歯髄腔Pにアクセスする歯Dを開き、腔の内部から軟組織を部分的又は完全に除去する。最後に、作業者は、装置3を用いて最終殺菌処置を行う。散乱粒子が懸濁した液体を循環させることで、光が散乱して濡らされた表面全体に到達することを可能にし、また、温度を制御することを可能にし、かつ、歯の内部から組織、血液又は他の破片の残留物を除去することを可能にする。

上述した装置3及び設備1は、感染症を受けてピンと骨組織との間に剥離が生じた時のピンプラントピンと周囲の骨との間の隙間の治療、又は、膿瘍や金属縫合点を囲む感染領域等に起因する腔の治療のような他の応用にも使用することもできる。何れの場合も、散乱粒子が懸濁された液体を供給する油圧回路と、レーザ光源及び対応する放射線伝達システムとを備えた装置3により、光ファイバによって放射されたレーザビームを用いては直接到達できない領域においても、組織を消毒又は殺菌することが可能になる。さらに、レーザ放射線は、組織における生体刺激効果を有し、例えば、インプラントピンが剥離した場合、骨組織とピンとの間の空間を満たす組織の増殖を促進することによって、回復を促進又は加速する。

幾つかの実施例では、この明細書で説明した設備11において使用可能なレーザ光源11の波長は、約700〜約3000マイクロメートルの間の波長である。

光ファイバ7又はファイバ束の直径は、約50マイクロメートルから約1000マイクロメートルの間であり得、好ましくは、約200マイクロメータから約400マイクロメータの間であり得る。

有利な実施例では、レーザ平均出は、約1Wから約30Wの間、好ましくは、約2Wから約20Wの間であり得る。

レーザ放射線は、連続放射線又はパルス放射線であり得る。パルス放射線の場合、ピーク出力は、例えば、100Wから10kWの間のインパルス波形で構成され得、その持続時間は約20ナノ秒から1000マイクロ秒の間であり、繰り返し周波数は1kHzから20Hzの間である。

レーザ源は、例えば、Nd:YAGレーザのような、連続的パルス状又はQ−スイッチング放射に適した、約700nm〜約3000nmの波長範囲内の単一レーザ源又は複数レーザ源であってもよい。

液体中に懸濁される散乱粉末物質は、ヒドロキシルアパタイト又は他の生体適合性粉末物質からなる群から選択され得る。散乱物質は、例えば、約300nm〜約1500nmの平均粒径を有し得る。

上述した実施例では、固形懸濁粉末又は粒子の形態の散乱物質を参照しているが、他の実施例によれば、散乱粒子は、例えば、超微細気泡の形態で分散される気体散乱物質、又は、水、生理溶液若しくは他の搬送液体においてエマルジョンの形態である液状物質から成る粒子であり得る。

概して、液体中に懸濁される散乱粒子の寸法と、液体体積単位あたりの粒子の量とは、ファイバの遠位端部7Aからの最大作業処理において、ファイバの放射面の近くで、初期出力の40%以上の強度、好ましくは、50%以上の強度、より好ましくは70%以上の強度が得られることを可能にするレーザ散乱をサポートするように比例され得る。例えば、最大作業距離は、用途に応じて、約7mmから28mmの間であり得る。

レーザ光源は、フリーランニングモード又は必要であればQスイッチングモードにおいて、連続モード及びパルスモードの両方で動作する固体状態レーザ源によって生成されるNd:YAGレーザであり得る。

Qスイッチングモード及び部分的にパルスモードにおいて達成可能な高いピーク出力は、治療領域におけるバクテリア膜の除去に寄与する補助的フォトメカニカル効果を生む。

図面は、本発明の実用的構成を用いて提供される一実施例を示しているにすぎず、発明の基礎をなす概念から逸脱することなく、形態及び配置を変更できることは理解される。特許請求の範囲における符号は何れも、発明の詳細な説明及び図面を参照して特許請求の範囲を読み易くするために記載したものであり、特許請求の範囲によって表される保護範囲を限定するものではない。

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