Medical laser therapy device

申请号 JP2002567177 申请日 2002-02-22 公开(公告)号 JP2004518508A 公开(公告)日 2004-06-24
申请人 ヴェーウントハー デンタルベルク ビュルモース ゲーエムベーハー; 发明人 カーゼンバッファ アントーン; ブルッガー ヴィルヘルム; バオアー トルシュタイン; ニームツ マルク;
摘要 医療用レーザー治療装置は、cw(持続波)動作モードと、パルス動作モードの間で切換可能に設計され、cwレーザービームを生成するための少なくとも1つの第1レーザー 光源 を有する医療用レーザー治療装置であって、レーザー治療装置は、さらに前記した少なくとも1つの第1レーザー光源の少なくとも1つによって励起されるパルスレーザービームを生成するための第2レーザー光源を有し、cw動作モードにおいては、前記した少なくとも1つの第1レーザー光源の少なくとも1つからのcwレーザービームが治療に使用され、パルス動作モードにおいては、第2レーザー光源からのパルスレーザービームが治療に使用され、しかるに、レーザー治療装置は、cw動作モードにおいても、前記した少なくとも1つの第1レーザー光源の少なくとも1つによって、第2レーザー光源が継続的に励起されるように設計される。
权利要求
  • cw(持続波)動作モードとパルス動作モードとの間で切換可能に設計され、cwレーザービームを生成するための少なくとも1つの第1レーザー光源(410)を有する医療用レーザー治療装置であって、前記レーザー治療装置は、前記少なくとも1つの第1レーザー光源(410)の少なくとも1つによって励起されるパルスレーザービームを生成するための第2レーザー光源(480)を有し、cw動作モードにおいては、前記少なくとも1つの第1レーザー光源(410)の少なくとも1つからのcwレーザービームが治療に使用され、パルス動作モードにおいては、第2レーザー光源(480)からのパルスレーザービームが治療に使用され、しかるに、前記レーザー治療装置は、cw動作モードにおいても、前記少なくとも1つの第1レーザー光源(410)の少なくとも1つによって、第2レーザー光源(480)が継続的に励起されるように設計されてなることを特徴とする医療用レーザー治療装置。
  • 上記少なくとも1つの第1光源(410)は、固体レーザーを含むことを特徴とする請求項1に記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記少なくとも1つの第1光源(410)は、少なくとも一つのレーザーダイオードを含むことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、ウェハーレーザー(wafer laser)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、異なるレーザーパルス幅(laser pulse duration)および/あるいは異なるパルス繰返し周波数(pulse repetition frequencies)でレーザー光を放射する異なるパルス動作モード間で切り換えられるように設計されることを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、20ps≦t≦500psのパルス幅(t)でパルスレーザー光が放射されるように設計されることを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、t≦1psのパルス幅(t)でパルスレーザー光が放射されるように設計されることを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、5〜500fsのパルス幅(t)でパルスレーザー光が放射されるように設計されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、t≧1nsのパルス幅(t)でパルスレーザー光が放射されるように設計されることを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記装置は、750nmと1100nmの間にある少なくとも1つの波長(λ)で光が放射されるように設計されることを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第1レーザー光源(410)の一つは、750nm〜1100nmの波長範囲にある第1波長(λ1)をcw動作モードにおいて放射するように設計されることを特徴とする請求項10に記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、750nm〜800nmの波長範囲にある第2波長(λ2)をパルス動作モードにおいて放射するように設計されることを特徴とする請求項10もしくは11に記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記第2レーザー光源(480)は、Yb:KGWレーザー、Yb:KYWレーザー、Yb:YAGレーザー、Nd:YAGレーザーあるいはNd:YLFレーザーを含むことを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記装置は、制御装置および/あるいは、医療用レーザー治療装置の動作モードおよび/あるいは他の機能を選択するためのスイッチ装置を含むことを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記装置は、可視補助レーザー光(visible auxiliary laser beam)を生成および/あるいは制御するための装置(340)をさらに含むことを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記装置は、第2レーザー光源(480)から放射されるレーザービームのパルス幅を変更するための少なくとも一つの手段をさらに含むことを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記装置は、上記少なくとも1つの第1レーザー光源(410)の放射パワーの一部を出力するビームスプリッタ(440)をさらに含むことを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 上記装置は、上記少なくとも1つの第1レーザー光源(410)からのcwレーザー光および/あるいは上記第2レーザー光源(480)からのパルスレーザー光を遮蔽することができる制御可能な遮蔽手段(492、592、594)を有することを特徴とする上位請求項のいずれかに記載の医療用レーザー治療装置。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、レーザー光源を有する医療用レーザー治療装置、特に歯科用レーザー治療装置に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    従来のレーザー治療装置としては、例えば、ドイツ公開特許公報(DE 195 33 348 A1)が知られている。 そのような装置は、レーザー光源に加えて、治療器具を構成するハンドピース、グラスファイバーケーブルや導波管のようなレーザー光を誘導する装置、制御要素、制御装置を有している。 また、そのようなレーザー治療装置は、ハウジング要素内に通常配設されるモニタのようなディスプレイやランプのようなインジケータ、およびパワー供給要素を有する。
    【0003】
    医療用レーザー治療装置は、種々の医療目的の為に異なる現場で使用されるため、使用目的に応じてレーザー治療装置は異なる仕様、特に医療処置において放射されるレーザー光の特性に関して異なる仕様を持たなければならない。
    【0004】
    異なる用途にわたる医療用レーザー治療装置の広範囲の使用においては、処置を実行する者は異なるレーザー治療装置の使用を強いられる。 例えば、ある時にはcw(continuous wave:持続波)レーザー光を放射するレーザー治療装置の使用が強いられ、別の時にはパルスレーザー光を放射するレーザー治療装置の使用が強いられる。 しかしながら、多くのレーザー治療装置の購入は非常に高価であるし、与えられた状況、特に時間をかけることでかろうじて便利になる場合もあるが、処置中に異なるレーザー治療装置を使用することは多くの場合において非常に不便である。
    【0005】
    さらに、ドイツ公開特許公報(DE 198 44 719 A1)は、レーザービームを生成する固体レーザーと、固体レーザーを励起して連続レーザー光、cwレーザー光を放射する励起レーザー光源とを含むレーザー治療装置を開示している。 DE 198 44 719 A1に開示されている装置は、さらに2つの異なる相互に独立した光学系と、レーザー光の光学経路を切り換えるシステムとを有し、この切換システムにより、固体レーザーによって生成されるcwレーザー光が一方の光学系、若しくは他方の光学系に向けられる。 この切換システムは、旋回ミラーの形式でなり、旋回ミラーはレーザー光を第1光学系に導くために固体レーザーによって生成される連続レーザービームのビーム経路内に動かされ、もしくは偏向されることなく第2光学系にレーザー光を向かわせるためにレーザービームの経路外に動かされる。
    【0006】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、このようなシステムは比較的複雑であり、旋回ミラーを機械的に動かす必要性から故障に敏感である点で不利である。 さらに、光学系の切換には時間がかかり、単一のレーザー光源からのレーザー光のみがアクセスされるので、システムの変更の選択肢および使用の選択肢が制限される。
    【0007】
    【課題を解決するための手段】
    したがって、本発明の目的は、より多様な使用が可能で、その多様な使用において異なるレーザー光源を使用することができ、装置の個々の動作モード間の切換を故障に敏感になることなく迅速に行える医療用レーザー治療装置を提供することにある。
    【0008】
    この目的は、請求項1に記載される医療用レーザー治療装置によって達成され、請求項2〜18は、本発明にかかる医療用レーザー治療装置の特に好適な実施形態に関するものである。
    【0009】
    本発明に基づくレーザー治療装置は、cw動作モードとパルス動作モードとの間が切換可能となるように設計され、cwレーザービームを生成するための少なくとも1つの第1レーザー光源と、パルスレーザービームを生成するための第2レーザー光源を含み、第2レーザー光源は前記した少なくとも1つの第1レーザー光源によって励起される。
    【0010】
    本発明によれば、レーザー治療装置がcw動作モードにある場合は、前記した少なくとも1つの第1レーザー光源の少なくとも1つからのcwレーザービームが治療あるいは診断に使用され、パルス動作モードにある場合は、第2レーザー光源からのパルスレーザービームが治療に使用される。 さらに、本発明に基づくレーザー治療装置は、cw動作モードにある場合においてさえ、第2レーザー光源が前記した少なくとも1つの第1レーザー光源の少なくとも1つによって継続的に励起されるように設計される。 これは、少なくとも1つの第1レーザー光源から提供されるレーザー光出の少なくとも特定の割合が第2レーザー光源を励起するために継続的に使用され、その結果この構成はそれ自体をcwレーザービームでのレーザー治療には利用できないが、第2レーザー光源は常に励起状態に置かれることを意味する。
    【0011】
    特に、本発明に基づくレーザー治療装置には、2つの異なるレーザーシステムが、単一の装置において、cwレーザービームを生成するためにも、パルスレーザービームを生成するためにも使用することができ、これにより、可能な処置および多様性の幅が格段に広がり、特に、第2レーザー光源の設備により、cwレーザー光が高品質なスイッチ等の手段により単にパルスレーザー光に変換されるのであれば実現できないだろう非常に高エネルギーのパルスレーザービームを提供することが可能になるという長所がある。
    【0012】
    さらに、本発明によれば、第2レーザー光源が継続的に励起され、連続した動作状態にあるので、パルスレーザー光源を始動する必要がなく、cw動作モードからパルス動作モードに迅速に切り換えることができる。 この点において、パルスレーザー光源の始動は、システムに依存するものの一般に少なくとも30秒必要であり、場合によってはパルスレーザー光が安定な状態になるまでに1分以上かかるので、治療を行う者はcw動作モードからパルス動作モードに切り換えるのに長い待ち時間を経験し、結果として、動作モードの変更が繰返し行われるような治療、特に歯科治療においては許容できない遅延をもたらす。
    【0013】
    また、本発明の好ましい実施形態として、cw動作モードにおいては、少なくとも一つの第1光源の出力のうちの比較的小さな割合(パルス動作モードに比較して)のみが第2レーザー光源の励起放射(pump radiation)に使用され、それにより、第2レーザー光源は利用できる励起出力(pump power)は少ないが、パルス動作中に増幅器がブレークダウンしないように出力の減少が選択され、フル励起出力を有する通常の動作に極めて迅速に戻ることが可能である。
    【0014】
    また、別の実施形態において、cw動作モードおよびパルス動作モードの両方において、常に一定の励起出力が利用できるようにすることができる。 これは、一方で、励起放射として常に出力される前記した少なくとも1つの第1光源によって生成される出力の一定割合によって達成でき、他方で、多数の第1レーザー光源、例えば多数のレーザーダイオードを提供し、第1レーザー光源、好ましくはレーザーダイオードの少なくとも一つを第2レーザー光源の励起に独占的に使用し、その他の第1レーザー光源を治療のためのcwレーザービームの生成に使用することによっても達成できる。
    【0015】
    固体レーザー、特にレーザーダイオードは、第1レーザー光源としての使用に最適であり、ウエハレーザーが第2レーザー光源としての使用に最適である。 ウエハレーザーには、ウエハレーザーに使用される結晶を実質的にすべてのサイドから非常に効果的に冷却できるという長所がある。 励起ビーム(pump beam)の直径は、使用されるドープ結晶ウエハの厚みよりも非常に大きいので、これは、いわゆる”熱レンズ(thermal lens)”の形成を顕著に抑制する。 換言すれば、励起ビームは異なる強度分布を有し、一般にガウス分布(Gaussian distribution)をとるため、変化を招く結晶の異なる加熱の可能性、特に、望ましくない反射を招く結晶の歪みを回避する。
    【0016】
    このように、他のレーザーシステムに比較して、ウエハレーザーは励起出力の変化に対する感受性が少なく、その出力は、一定の良好なビーム品質を維持しながら拡張可能である。 このことは、本発明のレーザー治療装置にとって特に重要である。 これにより、動作モードに応じて、第2レーザー光源が異なる出力レベルで励起される。 例えば、少なくとも1つの第1光源からのcwレーザー放射の多くの割合がcw動作モードにおける治療の為に出力され、この出力の少ない割合が第2レーザー光源、この場合はウエハレーザーの継続的な励起のために使用される。
    【0017】
    望まれる治療方法に応じて、少なくとも一つの第1光源によって生成されるcwレーザー光、および/あるいは第2レーザー光源によって生成されるcwレーザー光、および/あるいはパルスレーザー光を、例えばシャッタによって遮蔽することができる。 それにより、パルスレーザービームで独占的に、もしくはcwレーザービームで独占的に、もしくは両方のレーザービームで並列に治療を実行することができる。 もちろん、レーザー光源自体をスイッチオフすることなく、治療を中断するためにすべてのレーザー放射を遮蔽することもできる。
    【0018】
    また、動作モードの選択に応じて、治療用レーザー治療装置は、いろいろな医療目的に利用することができる。 これは、治療されるべき対象、一般に生体材料、特に組織(tissue)とレーザー光の相互作用の結果であり、それは、入力波長、波出力(wave power)および治療される組織の性質に加えて、選定されたパルス幅に、本発明に基づいてパルス放射および連続放射のどちらが使用されているかに、そしてどんなエネルギーレベルが連続的にあるいはパルス的に放射され、伝送されるかにも依存する。
    【0019】
    本発明に基づく医療用レーザー治療装置は、多目的(multi−use)装置を提供するものであり、治療と診断の広い範囲において使用できる。 また、多くのレーザー治療装置を使用する場合に比して格段にコスト効率が良く、さらには動作性および利便性が大幅に向上する。 その結果、一般に治療を実行する者である医者は、装置を変えることなく、動作モード間の切換を行うだけで、単一の装置の使用により異なる治療や異なる治療ステップを迅速且つ容易に行うことができる。
    【0020】
    本発明の好ましい実施形態に基づく医療用レーザー治療装置は、少なくとも2つのパルス動作モードを有し、それらは放射されるレーザー光の異なるパルス繰返し周波数および/あるいは異なるレーザーパルス幅を有する。
    【0021】
    本発明に基づく医療用レーザー治療装置がcw動作モードにある場合、放射されたレーザー光と組織との間に熱的な相互作用が結果として生じる。 このように、cw動作モードにある医療用レーザー治療装置は、凝固(coagulation)および光線力学療法(PDT: photodynamic therapy)に最適である。
    【0022】
    医療用レーザー治療装置は、3ワットまでの出力レベル、好ましくは約2ワットまでの出力レベルでレーザー光出力を制御するための制御装置を含むことが好ましく、レーザー治療装置のcw動作モードにおいて凝固のために好適に使用される。
    【0023】
    本発明に基づく医療用レーザー治療装置のパルス動作モードは、有機硬組織(organic hard tissue)のような硬組織(hard tissue)、例えば、歯材料(tooth material)、特に虫歯材料(carious tooth material)の切除(ablation)に特に好適に使用される。 医療用レーザー治療装置の好ましい動作モードの一つは、1psより短いパルス幅を有する。 fs範囲のパルス幅は、切除における使用に特に好適であり、1〜1000fsの範囲、より好ましくは1〜700fsの範囲、特に好ましくは5〜500fsの範囲である。
    【0024】
    これらの動作モードにおいて、本発明に基づく医療用レーザー治療装置は、治療される硬組織と本質的に非熱的相互作用をもたらす。 その結果、切除プロセスは本質的に周囲の組織、特に周囲の硬組織の加熱を伴うことなく実施される。
    【0025】
    本発明に基づく医療用レーザー治療装置のさらに好ましい動作モードは、ピコ秒範囲、特に20ps〜500psのパルス長さを有する。 この動作モードにおける好ましいパルス長さは、約100psである。
    【0026】
    この動作モードは、硬組織表面をシール(sealing)するのに最適である。
    【0027】
    本発明に基づく医療用レーザー治療装置のさらに好ましい動作モードにおいて、1ナノ秒あるいはそれ以上のパルス幅を有するレーザーパルスが生成される。 cw動作モードにおける場合と同様に、これらの非常に長いパルス幅は特に組織の凝固(coagulation of tissue)に最適である。
    【0028】
    上記した動作モードおよび/あるいはさらなる動作モードの少なくとも2つの組み合せは、医療用レーザー治療装置の多目的な使用を可能にする。 治療を実行する者、特に医者は、装置を変えることなく、時間遅延なしに動作モードを切り換えることによって簡単に別の医療効果を達成することができる。 例えば、歯科医を例にとると、歯材料の切除中に出血が発生するとパルス動作モードからcw動作モードに切り換えて直ちに凝固の手法により出血を止めることができ、その後、再び時間遅延なしに切除プロセスに復帰することができる、この際、歯科医は治療装置を変えるために患者から注意を逸らす必要がない。 本発明に基づくレーザー治療システムにおいて、実質的に時間遅延なしでの動作モードの切換機能は特に重要である。 これによって、患者は、より迅速に、より適切に、よりコスト効率良く治療される。
    【0029】
    医療用レーザー治療装置は、λ=750nm〜1100nmの波長でレーザー光を放射するレーザー光源を有することが好ましい。 この波長は、生体組織の吸着がこの波長領域において比較的小さく、その結果、組織と熱的相互作用がある動作モードにおいて、高い侵入深さと均一で且つ効果的な治療が可能となるので好ましい。
    【0030】
    この波長範囲は、組織凝固に特に適しており、一方、高い吸着は切除に有効である。 象牙質(dentine)の高い吸着は、780nmの波長でさえ高強度であるため、短−パルスレーザーで達成される。 より高い吸着は、UV帯、<500nmの波長、特に390nmもしくは248nm(ArFレーザー)の低い強度で達成される。
    【0031】
    1030nmの放射波長を有するYb:KGWレーザー、Yb:KYWレーザー、あるいはYb:YAGレーザーが第2レーザー光源として使用に好適であり、さらに、1064nmの波長を放射するNd:YAGレーザー、1053nmの波長を放射するNd:YLFレーザーを使用することもできる。 805から980nmの波長範囲、例えば809nm、940nm、もしくは980nmの放射波長で作動するダイオードレーザーは、第1レーザー光源としての使用に最適である。
    【0032】
    好適なレーザーの代表的なパラメーターを以下の表に示す。
    【0033】
    【表1】

    【0034】


    さらなる実施形態において、医療用レーザー治療装置は、治療されるべき表面もしくは治療されるべき領域においてスキャンパターンを生成するためのスキャン装置を有する。 好ましくは、スキャン装置はレーザービームを偏向させる制御式ミラーを有し、レーザービームは予め決められた制御可能なx−yディフレクションムーブメント(deflection movement)を介して循環的に通過するように生成される。


    【0035】


    このスキャン装置は、スキャンパターン、スキャン領域、スキャン速度が所望の治療目的にマッチするようにコンピュータによって制御可能であることが好ましい。 単位時間あたりの距離として見積もられるスキャン速度は、好ましくは10〜1000mm/秒、より好ましくは100〜500mm/秒、特に好ましくは約200mm/秒である。 単位時間あたりのスキャンパターンの完全サイクルとして解されるスキャン周波数は、スキャン速度、もしくはスキャンパターンおよびスキャン領域に依存し、好ましくは1Hz〜1kHz、より好ましくは1〜100Hz、特に好ましくはおよそ10Hzである。


    【0036】


    治療の成功は、選択された波長とパルス幅だけでなく、処理モードに応じて適宜調製されるパルス繰返し周波数にも依存する。


    【0037】


    切除が必要な場合は、短いレーザーパルス幅と高いパルス繰返し周波数が特に効果的である。 その一方で、硬組織表面をシールする場合は、20ps〜500psの中程度のパルス長さと低いパルス繰返し周波数、特に1kHz以下のパルス繰返し周波数を採用することが特に効果的である。 凝固は、非常に長いパルス幅と好ましくはcw放射の使用で上手く行える。


    【0038】


    本発明の好ましい実施形態において、レーザー治療装置の動作モードとの組合わせにおいて、レーザー治療装置の特性もしくは放射、特にスキャン速度、スキャン周波数、パルス繰返し周波数を制御する制御装置が提供される。 これらは、自動的にプリセットされるか、もしくは手動により制御可能である。


    【0039】


    医療用レーザー治療装置は、t<1psの短いパルス幅と、1kHz〜50kHzの範囲内、特に約30kHzの高いパルス繰返し周波数の両方が提供される”切除モード”において好適に動作させることができる。


    【0040】


    さらなるモード、”シールモード”では、医療用レーザー治療装置および/あるいは制御装置は、医療用レーザー治療装置が、20ps〜約500psのパルス幅と、1kHz以下のパルス繰返し周波数でパルスを生成するように設計されることが好ましい。


    【0041】


    さらに、”凝固モード”では、医療用レーザー治療装置および/あるいは制御装置は、医療用レーザー治療装置が、スキャン装置がスイッチオフされて、治療のためのcwモードにおいてレーザー光を放射し、その結果本質的に固定もしくは位置固定されたレーザービームがレーザー治療装置に生成されるように設計されることが好ましい。


    【0042】


    医療用レーザー治療装置の好ましい実施形態として、スイッチ装置を有することが好ましい。 このスイッチ装置は、両動作モード(特に、パルス幅および/あるいはcwモード)、スキャナーのスキャン周波数、およびパルス繰返し周波数を前もって決定する上記の組合わせモード間の切換えを可能にしたり、医療用レーザー治療装置のその他の特徴的な動作データと動作モードの間の個別の切換えを可能にする。 特に、スイッチ装置は、医療用レーザー治療装置の連続的に可変な出力制御のための構成を有するこよが好ましい。


    【0043】


    医療レーザー治療装置のさらに好ましい実施形態において、可視補助レーザービーム(visible auxiliary laser beam)を設けることが好ましい。 この補助レーザービームは、治療中および治療前に生成できて、治療を実行する者が、特に非接触治療の場合に治療を実行しやすくする。 この目的の為に、本発明に基づく医療用レーザー治療装置は、例えば、周波数二倍器(apparatus for frequency doubling)を有し、前記した少なくとも1つの第1レーザー光源によって生成されるcwレーザービームの一部が出力され、補助レーザービームとして使用されることが好ましい。 しかしながら、追加のレーザー光源、特に可視光波長帯域において発光するレーザーダイオードを使用することも可能である。 この補助レーザー光源、もしくは補助レーザービームを生成する装置が医療用レーザー治療装置の動作状態を表示することが好ましい。 これは、例えば、治療用ビームが生成されていない場合、補助レーザービームの点滅によって示され、処理レーザー光が放射されている場合は、持続波であるかパルス波であるかを問わず、連続的に補助レーザービームを発することによって示される。 もちろん、レーザー治療装置の動作状態に依存して放射される補助レーザー光の波長を変えることも可能である。 また、動作状態を表示するため、上記した装置との組合わせにおいて、あるいは孤立した形態において音響表示装置を設けても良い。


    【0044】


    【発明の実施の形態】


    本発明に基づく医療用レーザー治療装置のさらなる特徴および長所が添付図面を参照することでより明確になるだろう。


    【0045】


    図1は、本発明のレーザー治療装置の1実施形態の構成を示す概観図である。 本実施形態に基づく医療用レーザー治療装置は、多数個のレーザーダイオードを含む第1レーザー光源と、第2レーザー光源としてのウエハレーザーとを有するレーザー光源302と、動作モードを制御するための装置304とを有し、これらにより複合レーザーユニット300が形成される。


    【0046】


    レーザーユニット300もしくはレーザー光源302および動作モードを制御するための装置304は、一般に医者や技術者である操作者によって操作されるスイッチ装置330によって制御装置320を介して制御される。


    【0047】


    図1に概略的に示される医療用レーザー治療装置は、補助レーザービームを入力するための装置340を有するが、この構成の導入は任意である。


    【0048】


    治療用レーザービームおよび補助レーザービームは、図示される単一の光伝送装置70を有する光学要素を通過する。


    【0049】


    本実施例に基づく医療レーザー治療装置は、さらに制御可能なスキャン装置310を有し、これによりレーザービームをスキャン移動(scanning movement)させることができる。


    【0050】


    スキャン移動させることができるレーザー光は、治療を実施する者によって扱われるハンドピース100に通される。 この点において、スキャン装置310はハンドピース100内に統合されても良い。


    【0051】


    図1は、単に概略構造を示すことを目的としたものである。 したがって、図中に描かれた構成の順序を置き換えることや、個々の要素を削除すること、さらなる構成を追加することは、請求項に記載された本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて許容される。


    【0052】


    図2は、図1の実施形態において使用される(図1の340)補助レーザービームを入力するための装置200を示す概略図である。 ここに、フィルタ210が二色性レーザービームスプリッタ(dichromatic beam splitter)として使用され、これは治療用レーザー光220に対しては本質的に透明である。 例えば、レーザーダイオードによって生成され、可視波長帯域にある補助レーザービーム230はフィルタ210によって反射され、治療用レーザービーム220は、それに重ね合わされる。 図2の実施形態において、補助レーザービーム230の反射は、フィルタ210上の反射被膜よって達成される。


    【0053】


    治療用レーザービーム220の強度は、図2中の矢印Aによって示されるように、フィルター210を軸回りに回転させることによって連続的に変化させることができる。 補助レーザービームの強度は、本質的にフィルター210の回転によって影響されない。


    【0054】


    図3は、本発明に基づく医療用レーザー治療装置のさらなる実施形態を示す概略図である。


    【0055】


    図3の上側に描かれたレーザー光源は、第1レーザー光源としてのレーザーダイオード410と第2レーザー光源としてのウエハレーザー480とを有する。 レーザーダイオード410によって放射される持続波レーザー光は、コリメータ420を介してビームスプリッタ440に向けられる。 ビームスプリッタ440は、cwレーザー出力の一部を出力し、このcwレーザー出力の一部は集束レンズ460および光ファイバー470を介してハンドピース100'に向かう。


    【0056】


    ビームスプリッタ440から出力されないレーザーダイオード410によって放射されたcw光の残りの部分は、集束レンズ430および光ファイバー450を介してパルスレーザー光Lを放射するウエハレーザー480に連続的に進む。


    【0057】


    ビームスプリッタ440によって出力されるレーザーダイオード410からのcwレーザー光とウエハレーザー480によって放射されるパルスレーザー光Lの両方が概略的に描かれたハンドピース100'に供給される。


    【0058】


    ビームスプリッタ440によって出力され、光ファイバー470を介してハンドピース100'に供給されるレーザーダイオード410からのcwレーザー光は、入力ミラー520からスキャン装置530によって集束レンズ540および偏向ミラー550を通過し、治療や診断に使用できるようにハンドピース100'の外部に進行する。


    【0059】


    ウエハレーザー480によって放射されるパルスレーザー光Lは、ハンドピース100'内に進み、この波長に対して透明な入力ミラー520を介して進行する。 上記と同様に、ビームスプリッタから出力されたレーザーダイオード410のcwレーザー光は、スキャン装置530、集束レンズ540を通過し、偏向ミラー550を経てハンドピース100'の外部に進行し、治療および診断に使用される。


    【0060】


    図3に示される本発明に基づく医療用レーザー治療装置の実施形態は、使用者が治療や診断に使用することを望む放射光を選択することができる多くの装置を具備している。 例えば、図3に示されるシャッタ492、592、594は、使用者によって制御され、cwレーザー光および/あるいはパルスレーザー光を遮蔽もしくは通過させることができる。


    【0061】


    本実施形態において、シャッタ492は、cwレーザー光を遮蔽するためにハンドピース100'の外部に配置され、シャッタ592および594はハンドピース100'内に配置されている。 もちろん、これらのシャッタを異なる位置に配置したり、シャッタ492や592を省略したり、匹敵する効果を有する他の構成、例えば、シャッタの代りにミラー装置を採用してもよい。


    【0062】


    使用者は、ビームスプリッタ440から出力されるレーザーダイオードからのcw光のみを使用することを希望するか、あるいは、ウエハレーザー480から放射されるパルスレーザー光Lを使用することを希望するか、あるいは、これら両方の放射の組合わせを使用することを希望するかどうかを制御することができる。 もちろん、レーザー光源自体をスイッチオフすることなく、そしていかなる問題を発生させることもなく、迅速にハンドピース100'からのレーザー光の放射を完全に抑制するためシャッタを使用することができる。


    【0063】


    図示された実施形態では、ダイオードレーザー410がλ=809nmの波長で発光し、これは凝固に特に適している。 一方、ウエハレーザー480はλ=1030nmの波長で発光する。 既存のYb:KGWレーザー、Yb:KYWレーザー、あるいはNd:YAGレーザーがウエハレーザーの代りに使用でき、λ=1064nmの波長で光を放射する。 他のcwレーザー光源をレーザーダイオード410の代りに使用しても良い。


    【0064】


    このように使用者は、cwレーザー放射と励起レーザー放射の間で選択するオプション、および同時に重ねられたcwレーザー光とパルスレーザー光を使用するオプションを有する。


    【0065】


    図3に描かれた実施形態に関して、ビームスプリッタ440は、レーザーダイオード410からウエハレーザー480に放射されたレーザー光の一部を連続的に通過させる。 それにより、下流の再生増幅器(regenerative amplifier)やウエハレーザー480においてダメージを及ぼすようなパワー変動は発生しない、もしくは発生してもウエハレーザー480の動作を損なわない程度のパワー変動である。 特に、レーザーダイオード410によって生成される光が治療や診断に実際に使用される時のみ、レーザーダイオード410によって生成されるレーザー光の一部が治療目的の為に出力されるようにビームスプリッタ440を設計することができる。 例えば、レーザーダイオード410のすべての励起出力(pump powers)が下流のレーザーシステム480に提供される場合、ビームスプリッタ440が移動し、折りたたまれるようビームスプリッタ440を配置することができる。


    【0066】


    レーザーダイオード410の代りに、複数個のレーザーダイオードを使用しても良い。 図3に示される実施形態に加えて、さらなるレーザーダイオード(あるいは別のいくつかのレーザー光源)をさらなる第1レーザー光源としてレーザーダイオード410とは独立に配置することができる。 また、さらなる第1レーザー光源を所望のポイントでレーザー治療装置に、好ましくはハンドピース100'に連結することができる。 一方、第1レーザー光源としてのレーザーダイオード410は、主にウエハレーザー480(あるいは別のいくつかの第2レーザー光源)の励起レーザー(pump laser)として主に使用される。 一例として、ハンドピース100'にこの(追加の)レーザー光を入力する簡単な手段として光ファイバーを使用することができる。


    【0067】


    本実施形態において、図3に示されるビームスプリッタ440を設けることは本質的ではないが、全システムの高いレベルの可変性を確保する上でビームスプリッタを設けることが好ましい。


    【0068】


    図3に示される実施形態は、さらに回転可能な半波長プレート(half−wave plate)425を有する。 この手段により、レーザー光の偏向方向に影響が及ぼされ、レーザー光が半波長プレートを通過する。 この場合、ビームスプリッタ440は、その透過係数もしくは反射係数がそれに到達するレーザー光の偏向方向(polarization direction)に依存するビームスプリッタである。 したがって、半波長プレート425を回転させることにより、ビームスプリッタを介して出力される、もしくはウエハレーザーを通過するcwレーザー光の比率を決定することができる。 これは、cwレーザー光の出力レベルを連続的に可変に制御するためのシンプルな手段を提供する。


    【0069】


    cwレーザー光は、一方において、ウエハレーザー480(あるいは別のいくつかの第2レーザー光装置)を連続的に通過し、パルス動作を維持する。 また、cwレーザー光は、他方において、ハンドピース100'に出力され、入力される。 尚、回転可能な半波長プレート425およびビームスプリッタ440を、レーザーダイオード410から提供されるcw放射の実質的に100%がウエハレーザー480に通されるように配置もしくは形成することができる。 その一方で、ウエハレーザー480への励起出力を顕著に減らすことも可能である。


    【0070】


    図4は、本発明に基づく医療用レーザー治療装置の種々の動作状態における好ましいパラメータを示す図であり、横軸が秒単位での相互作用時間であり、縦軸は選択された動作モードにおける出力ピークである。


    【0071】


    ”C”によって表示された領域は、約3ワットの連続出力レベルを有するcw動作モードであり、この場合における相互作用時間は1秒とされている。 しかし、これが最大治療持続時間に対応する必要はない。 一般に、数秒間かけて治療を実行することが好ましい。


    【0072】


    ”S”および”A”によって表示された領域は、各々が本発明に基づく医療用レーザー治療装置のパルス動作モードに対応し、表示領域”S”では300μjのパルスエネルギーが生成され、およそ100psのパルス幅で、およそ3x10

    Wの最大パルス出力に対応している。 この領域は、特に歯科の分野において硬質物質をシールするのに適している。


    【0073】


    表示領域”A”におけるパルスエネルギーは上記と同様に300μjであるが、パルス幅は1ps以下であり、およそ3x10

    Wのピークパルス出力に対応している。 この領域は、特に歯科治療において硬質材料を除去するのに適している。


    【0074】


    もちろん、上記以外の領域や動作モードを使用しても良い。 図4に示される領域は、単に医療用レーザー治療装置の1実施形態における好ましい動作領域を示すものに過ぎない。


    【0075】


    図5および図6は、パルス長さ(pulse length)を変化させるための構成要素を示すものであり、例えば、CPA法(Chirped Pulse Amplification:チャ−プパルス増幅法)とともに使用される。


    【0076】


    図5は、到達するレーザーパルスの時間分(time duration)を伸ばすストレッチャー(stretcher)600示している。 一方、図6は、到達レーザーパルスの長さを短縮若しくは圧縮するコンプレッサ(compressor)700を示している。


    【0077】


    図示された構成は、回折格子やプリズムの分散特性(dispersive characteristics)を利用するものであり、到達パルスを互いから引き離したり、圧縮したりする。


    【0078】


    図5に示されるように、レーザーパルスLが反射回折格子(reflection grating)610上の点Pに度τで到達すると、パルスLのスペクトル成分は異なる角度で反射される。 異なる波長を有するビームbおよびrは、それぞれ角度αbおよびαrで回折格子610から離れる。 さらに、レンズ650がポイントPとポイントP'に対して1:1になるように配置される。


    【0079】


    レンズ650に加えて、第2回折格子620が、回折格子610上において特定の角度で反射されるすべてのビームがこの角度で回折格子620に到達するように配置される。 回折格子620上における回折角がすべてのビームに関して正確にτであるので、すべてのスペクトル成分が回折格子620後再び平行に進む。 回折格子620は、Zで表示された経路に沿って移動させることができ、第2回折格子後のビームrおよびbの可変の異なる経路長さ(path lengths)をもたらす。


    【0080】


    異なるスペクトル成分は、このように異なる遅延時間の下におかれ、結果的に反射(チャ−プ)後のパルスビーム長さをもたらす。


    【0081】


    正のチャ−プ(positive chirp)がストレッチャー600において生成される場合、図6に示されるコンプレッサ700におけるチャ−プは、負である。 図5に示されるストレッチャーと同様に、図6に示されるコンプレッサは第1回折格子(first grating)710、第2回折格子(second grating)720およびミラー730を有する。


    【0082】


    パルスレーザー光Lのパルス幅(pulse durations)は、このようにストレッチャー600において第2回折格子620を移動させることにより、あるいはコンプレッサ700において第2回折格子720を移動させることによって広い範囲にわたって変化させることができる。


    【0083】


    図7は、本発明のレーザー治療装置における第2レーザー光源として使用されるウエハーレーザーシステムの構成を示す概略断面図である。 また、図7は、第1レーザー光システムの構成の概略も示している。 ここに、レーザーダイオード410は、第1レーザー光源として使用されている。 尚、図7は、ウエハレーザーを励起するために必要な構成のみが示されている。 したがって、レーザーダイオード410によって生成されるレーザー出力を部分的に出力するのに必要な構成は図示を簡素化するために図7には示されていない。 さらに、図を明確にするために単一の反射経路のみが示されている。


    【0084】


    レーザーダイオード410によって生成されるcwレーザー光は、レンズ820を通過し、次いでウエハレーザーの結晶ウエハ830に到達する。 この結晶ウエハは冷却装置840によって3面から冷却されている。


    【0085】


    図7に示されるように、レーザーダイオード410によって生成される励起レーザービーム850の直径Dが、ウエハレーザーの結晶ウエハ830の厚みdよりも非常に大きいため、極めて効率的な冷却が可能になる。 この励起レーザー850の直径Dと結晶ウエハ830の厚み寸法dのため、熱流は本質的に一次元であるとみなせる。 これは、熱レンズの形成が顕著に抑制され、上記した長所がもたらされることを意味する。


    【0086】


    さらに、図7は、励起レーザービーム850が反射要素860の手段、この場合は完全反射ミラー(fully reflective mirror)によって反射されることを概略的に示している。 レーザービーム870は、出力ミラー880を介して出力され、出力されたレーザービーム870はパルスレーザー光であり、治療や診断に直接使用可能である。


    【0087】


    図7に示されるウエハレーザーシステムは、Yb:KGWウエハレーザーであり、これは1026nmの波長で発光し、およそ15nmの発光バンド幅(emission bandwidth)を有する。 しかしながら、他の材料が使用されても良く、例えば、Yb:KYWウエハレーザー、Yb:YAGウエハレーザー、あるいはおよそ1054nmの発光波長とおよそ20nmの発光バンド幅を有するNd:ガラスウエハレーザーのようなNdドープ材料等を使用しても良い。


    【0088】


    上記明細書、請求項および図面に記載した特徴は、個々におよび組合わせの両方において、本発明にかかる種々の実施形態の遂行にあたって重要である。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】


    医療用レーザー治療装置の実施例の構成を示す概観図である。


    【図2】


    本発明に基づく医療用レーザー治療装置の実施例に基づく補助レーザー光を生成するための装置を示す図である。


    【図3】


    実施例に基づく医療用レーザー治療装置の構成の設計を示す図である。


    【図4】


    本発明に基づく医療用レーザー治療装置の好ましい動作状態のパラメータを示すグラフである。


    【図5】


    本発明に基づくレーザー治療装置の実施例に使用可能なストレッチャーの設計を示す図である。


    【図6】


    本発明に基づくレーザー治療装置の実施例に使用可能なコンプレッサの設計を示す図である。


    【図7】


    ウエハレーザーシステムの構成を示す概略断面図である。


    【符号の説明】


    70: 光伝送装置100、100':ハンドピース200:補助レーザービーム入力装置210:フィルター220:治療レーザー光230:補助レーザービーム300:(第1および第2レーザー光源を有する)レーザーユニット302:レーザー光源304:動作モード制御装置320:制御装置330:スイッチ装置340:補助レーザービーム入力装置410:レーザーダイオード(第1レーザー光源)


    420:コリメータ425:回転式半波長プレート(Half−wave plate)


    430:集束レンズ440:ビームコンダクター450:光ファイバー460:集束レンズ470:光ファイバー480:ウエハーレーザー(第2レーザー光源)


    492:シャッター510:コリメータ520:入力ミラー530:スキャナー装置540:集束レンズ550:偏向ミラー592:シャッター594:シャッター600:ストレッチャー(Stretcher)


    610:回折格子620:回折格子630:ミラー650:レンズ700:コンプレッサ710:回折格子720:回折格子730:ミラー820:レンズ830:結晶ウエハ(ウエハレーザー)


    840:冷却装置(ウエハレーザー)


    850:励起レーザービーム860:反射エレメント870:出力レーザービーム880:出力ミラーA:回転方向(フィルタ210)


    D:励起レーザービーム850の直径d:結晶ウエハ830の厚みL:増幅器からのパルスビームb:青色ビーム成分r:赤色ビーム成分

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