Laser beam irradiation system to living body

申请号 JP2000000604 申请日 2000-01-06 公开(公告)号 JP2001190565A 公开(公告)日 2001-07-17
申请人 Slt Japan:Kk; 株式会社エス・エル・ティ・ジャパン; 发明人 OKUZONO NORIO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a device for surely and uniformly applying the laser beam to a wide area. SOLUTION: This laser beam irradiation system comprises an optical fiber 10 receiving the laser beam from a laser beam supply means from its rear end and emitting the same from its point, holding means 30, 32, 36 respectively holding the optical fiber 10, revolving means 50, 52, 54 respectively capable of moving at least its point part along a revolving locus around a center of the revolution CL, and laser beam reflecting cylinders 20 respectively mounted on the holding means coaxially with the center of revolution, located at least at a front part with respect to a point of the optical fiber 10, and allowing a part of the laser beam emitted from the point of the optical fiber 10 to be reflected by an inner face 20A to be applied to the tissue.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】レーザ光供給手段からのレーザ光を生体組織表面または内部に照射するレーザ光照射装置において、前記レーザ光供給手段からのレーザ光が後端から入射され、先端から出射させるレーザ光伝達部材と、このレーザ光伝達部材を保持する保持手段と、この保持手段内において、少なくとも前記先端を有する先端部分をほぼ旋回中心周りの旋回軌跡に沿って移動させる旋回手段と、を備えたことを特徴とする生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項2】少なくとも前記レーザ光伝達部材の前記先端より前方に、前記旋回中心と同軸に、内面においてレーザ光を反射させる反射筒体を配置し、前記レーザ光伝達部材の前記先端より出射したレーザ光の一部を前記内面で反射させて前記組織に入射させるようにした請求項1記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項3】前記反射筒体は透明または半透明であり、
    前記反射筒体を通してその内部の前記組織を視認可能とした請求項2記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項4】前記反射筒体は前記保持手段に着脱自在であり、かつ前記反射筒体は長さが異なる複数種類のものが用意されている請求項2記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項5】レーザ光供給手段からのレーザ光を生体組織表面または内部に照射するレーザ光照射装置において、前記レーザ光供給手段からのレーザ光が後端から入射され、先端から出射させるレーザ光伝達部材と、このレーザ光伝達部材を保持する保持手段と、この保持手段内において、少なくとも前記先端を有する先端部分をほぼ旋回中心周りの旋回軌跡に沿って移動させる旋回手段と、前記旋回中心と同軸に前記保持手段に装着され、少なくとも前記レーザ光伝達部材の前記先端より前方に位置し、前記レーザ光伝達部材の前記先端より出射したレーザ光の一部を、前記内面で反射させて前記組織に入射させるレーザ光を反射させる反射筒体と、 を備えたことを特徴とする生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項6】前記組織表面の冷却のための冷却媒体を前記反射筒体内部に送入する冷却媒体送入手段を有する請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項7】前記反射筒体の壁に開口部を有し、前記冷却媒体送入手段により連続的にまたは間欠的に前記反射筒体内部に送入される前記冷却媒体が前記開口部より送出される構成としてある請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項8】前記冷却媒体は前記保持手段内を通して前記反射筒体内部に送入される構成としてある請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項9】前記保持手段は、ケーシングと、このケーシング内に前記旋回中心軸周りに回転自在に配置された案内体とを有し、前記レーザ光伝達部材は光ファイバーであり、前記旋回手段はモータであり、このモータは前記保持手段内部に配設され、 前記光ファイバーの少なくとも先端部は、前記旋回中心軸とオフセットした位置において前記案内体に遊びをもって前記旋回中心軸とほぼ平行に挿通されることにより保持され、前記案内体は、前記モータに回転駆動力により回転されるように構成されている請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項10】前記モータの回転駆動力はギア機構を介して前記案内体の回転力とされる請求項9記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項11】前記ギア機構の前記案内体側ギアの歯数/前記モータ側ギアの歯数の比は、端数が生じるものである請求項10記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項12】前記レーザ光伝達部材は旋回軌跡上の異なる位置において複数前記保持手段に保持されている請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項13】前記レーザ光伝達部材が複数配設され、
    これらのレーザ光伝達部材が前記旋回中心から異なる半径をもった位置において前記保持手段に保持されている請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項14】前記レーザ光伝達部材は旋回軌跡上の異なる位置において複数前記保持手段に保持されている請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 【請求項15】前記レーザ光供給手段はYAGパルスレーザ光を前記レーザ光伝達部材に供給し、生体の皮膚に照射する請求項5記載の生体へのレーザ光照射装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、生体へのレーザ光照射装置に係り、特に皮膚表面の痣の除去、脱毛、歯石の除去などに適した生体へのレーザ光照射装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】近年、痣部分の組織表面にレーザ光を照射して、その組織を蒸散させることにより、痣の除去を図ることが行われている。

    【0003】光ファイバーの先端から出射レーザ光は、
    ガウシアン分布(正規分布)を示すので、組織表面に対して照射したとき、照射中心のレーザ光エネルギーが最も強く、周辺への拡がりに応じて急激なエネルギー低下を示す。 したがって、痣部分の組織表面に対してレーザ光を照射する場合、正常組織のダメージを極避けるためには、レーザ光の照射中心のエネルギーレベルが、正常組織にダメージを与えず、しかも組織を蒸散できる程度のものに設定する必要がある。

    【0004】前述のように、光ファイバーの先端から出射レーザ光は、ガウシアン分布を有するから、組織表面へのレーザ光の照射エネルギーレベルは、照射中心から比較的短い距離分離れると急激な低下傾向を示すので、
    組織を蒸散できる面積をきわめて小さい。

    【0005】その結果、医者は患者の痣部分の組織表面に対して位置を異ならせながら多数回レーザ光の照射を繰り返す必要があり、長い治療時間を要する。 しかも、
    隣接する照射位置間に、組織を蒸散できなかった領域が生じることが往々にあり、まだらな治療となってしまうこともある。

    【0006】したがって、ある比較的広い面積内において、均一にレーザ光を照射できる装置の開発が望まれていた。

    【0007】このために、日本国特開昭58−8397
    3号及び特公平8−111号公報には、「均一光照射ロッド」を用いることにより、均一にレーザ光を照射できるようにした技術を開示している。

    【0008】

    【発明が解決しようとする課題】しかし、この先行技術は「均一光照射ロッド」をレンズなどの光学系との組み合わせで使用するものであり、装置的に高価となるばかりでなく、組織の蒸散成分が前記光学系を汚損させ、均一にレーザ光を照射できなくなったりするおそれがあり、さらに、広い面積を均一にレーザ光を照射するのには適していない。

    【0009】したがって、本発明の課題は、確実に広い面積を均一にレーザ光を照射する装置を提供することにある。

    【0010】

    【課題を解決するための手段】本発明によれば、レーザ光供給手段からのレーザ光を生体組織表面または内部に照射するレーザ光照射装置において、前記レーザ光供給手段からのレーザ光が後端から入射され、先端から出射させるレーザ光伝達部材と、このレーザ光伝達部材を保持する保持手段と、この保持手段内において、少なくとも前記先端を有する先端部分をほぼ旋回中心周りの旋回軌跡に沿って移動させる旋回手段と、を備えたことを特徴とする生体へのレーザ光照射装置が提供される。

    【0011】本発明において、前記レーザ光供給手段からのレーザ光は、レーザ光伝達部材の後端から入射され、先端から出射される。 レーザ光伝達部材は保持手段によって保持され、この保持手段内において保持された状態で、レーザ光伝達部材が前記旋回手段によって旋回中心周りの旋回軌跡に沿って移動させられる。 この旋回速度としては、たとえば1分間あたり数十回〜数万回の高速旋回するように設計することが望ましい。 レーザ光伝達部材が前記旋回軌跡に沿って移動する過程、すなわち高速旋回する過程での各位置において、前記レーザ光伝達部材の先端からレーザ光がガウシアン分布をもって出射する。 その結果、旋回中心と交差する横断面における、レーザ光のエネルギー分布は、前記旋回軌跡の直径に応じて、その直径が小さい場合には、頂上部分がなだらかな山形を示し、直径が大きい場合には外輪山の形状を採る。 いずれにしても、前記レーザ光伝達部材の位置を常時固定しておく従来例におけるガウシアン分布、すなわち中心部のピークが高く、山の傾斜が急で裾野が狭いエネルギー分布に比較して、本発明のレーザ光の照射エネルギー分布は、山の頂上の高さが低く、広い面積範囲内において相対的に高いほぼ均一なエネルギー分布を示すものとなる。 したがって、前記旋回軌跡の直径と、
    前記レーザ光伝達部材の先端から組織までの距離と、前記レーザ光伝達部材の先端から出射するレーザ光のエネルギーとの相関を適切に選定することにより、対象組織の対象面積範囲に対して、ほぼ均一なエネルギー分布をもってレーザ光を照射できる。 その結果、組織に局部的にダメージを与えることなく、確実に組織の広い面積範囲に対して均一にレーザ光を照射することができる。

    【0012】本発明において、少なくとも前記レーザ光伝達部材の前記先端より前方に、前記旋回中心と同軸に、内面においてレーザ光を反射させる反射筒体を配置し、前記レーザ光伝達部材の前記先端より出射したレーザ光の一部を前記内面で反射させて前記組織に入射させるようにすることが、特に好ましい。

    【0013】前記レーザ光伝達部材の前記先端より出射したレーザ光の一部は前記反射筒体の内面で反射して前記組織に入射される。 したがって、前記反射筒体の内面で反射したレーザ光が前記組織に対する入射光として加算されるので、組織に対するレーザ光の照射エネルギー分布は、ほぼ逆U字形状となり、より対象の組織面積範囲に対して均一にレーザ光を照射することができるようになる。

    【0014】前記反射筒体は透明または半透明とすることができる。 この形態によれば、前記反射筒体を通してその内部の前記組織を視認でき、たとえば皮膚の痣を蒸散させようとする場合において、治療中にその痣の位置を確認しながらレーザ光の照射が可能となる。 前記反射筒体は、組織表面に当てるようにすることにより、前記レーザ光伝達部材の先端との離間距離を一定にする部材としても機能する。

    【0015】前記反射筒体は前記保持手段に着脱自在とし、かつ前記反射筒体は長さが異なる複数種類のものを用意しておき、状況に応じて前記反射筒体群中から使用する反射筒体を選択することにより、反射筒体の内面における反射態様を変更して組織に対するレーザ光の照射エネルギー分布を変更することが可能となり、しかも、
    前記レーザ光伝達部材の先端から出射するレーザ光のエネルギーを一定にした場合でも、組織に対して入射させるレーザ光のエネルギーを変更できる。

    【0016】前記反射筒体を前記旋回中心と同軸に前記保持手段に装着する形態において、前記組織表面の冷却のための冷却媒体を前記反射筒体内部に送入する冷却媒体送入手段を設けることができる。 皮膚に対してレーザ光を照射させる場合、無麻酔でレーザ光の照射を行うので、レーザ光が照射された皮膚は熱くなり、耐え難いことがある。 この種の場合には、冷却媒体を前記反射筒体内部に送入することにより、前記組織表面を冷却でき、
    患者の熱感を和らげることができる。

    【0017】前記反射筒体の壁に開口部を形成しておけば、前記冷却媒体送入手段により連続的にまたは間欠的に前記反射筒体内部に送入した前記冷却媒体を前記開口部より送出させ、冷却媒体が吸収した熱を外部に排出できる。

    【0018】前記冷却媒体は前記保持手段内を通して前記反射筒体内部に送入することができる。

    【0019】前記保持手段は、ケーシングと、このケーシング内に前記旋回中心軸周りに回転自在に配置された案内体とを有し、前記レーザ光伝達部材は光ファイバーであり、前記旋回手段はモータであり、このモータは前記保持手段内部に配設され、前記光ファイバーの少なくとも先端部は、前記旋回中心軸とオフセットした位置において前記案内体に遊びをもって前記旋回中心軸とほぼ平行に挿通されることにより保持され、前記案内体は、
    前記モータに回転駆動力により回転されるように構成できる。 前記光ファイバーは、前記案内体に遊びをもって前記旋回中心軸とほぼ平行に挿通されるので、前記光ファイバー自体は前記案内体の回転に対して同伴することなく、したがって、捩れることはなく、前記光ファイバーの先端部は単に旋回軌跡を描くだけである。

    【0020】前記モータの回転駆動力はギア機構を介して前記案内体の回転力とする構造を採ることができる。
    回転力の伝達にギア機構を採用することにより、装置をコンパクト化できる。

    【0021】前記レーザ光供給手段はパルスレーザ光を前記レーザ光伝達部材に供給することができる。 パルスレーザ光を用いることにより、短い時間間隔内で大きいエネルギーのレーザ光を組織に与えることができる。 連続波を使用する場合に比較して、患者の熱感も小さい。

    【0022】パルスレーザ光を使用する場合、前記ギア機構の前記案内体側ギアの歯数/前記モータ側ギアの歯数の比は、端数が生じるものであるように設計することが望ましい。 パルスレーザ光は一定の時間間隔で照射され、旋回速度も一定であると、旋回軌跡内において、同一の位置においてパルスレーザ光を組織に照射する可能性がある。 しかるに、前記ギア機構の前記案内体側ギアの歯数/前記モータ側ギアの歯数の比は、端数が生じるものであるようにすると、旋回軌跡内において常に異なる位置においてパルスレーザ光が組織に対して照射されるから、ある時間内において組織面積範囲内に満遍なくレーザ光を照射することができる。

    【0023】前記レーザ光伝達部材は複数配設することができる。 たとえば、旋回軌跡上の異なる位置において配設することもできるほか、前記旋回中心から異なる半径をもって前記保持手段に保持することもできる。 前記レーザ光伝達部材を複数すると、単位時間あたりほぼその数の倍数の照射エネルギーを与えることができる。 前記旋回中心から異なる半径の位置にそれぞれ前記レーザ光伝達部材を配設する態様は、より広い照射面積を得たい場合に有効である。

    【0024】生体の皮膚にレーザ光照射する治療の場合、レーザ光としてはYAGパルスレーザ光が治療効率の点で優れる。

    【0025】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、生体組織表面における皮膚の痣の除去の例を採って、図面を参照しながら詳説する。 なお、本発明の生体へのレーザ光照射装置は、皮膚表面部の痣の除去のほか、脱毛や、歯石の除去などにも適用できるし、生体の内部組織に対しても、たとえば内視鏡下でのレーザ光にも適用でき、治療対象に限定されないことを注記しておく。

    【0026】<発明の原理>まず、図1及び図2によって、本発明の基本的な思想について説明する。 本発明のレーザ光伝達部材としては、光ファイバー10が用いられ、レーザ光供給手段からのレーザ光は、光ファイバー10の後端から入射され、内部を通って先端から出射され、生体組織M、たとえば皮膚に対して入射される。 図示の光ファイバー10の先端部はクラッドが切除されコアが露出している。 光ファイバー10は、ハンドピースなどの保持手段により保持されている。

    【0027】この保持手段内において、光ファイバー1
    0の先端部分をほぼ旋回中心CL周りの旋回軌跡Sに沿って移動させるモータなどを含む旋回手段が設けられ、
    この旋回手段により、光ファイバー10の先端部は旋回中心CL周りに円の旋回軌跡Sを示しながら、たとえば1分間あたり数十回〜数万回の高速旋回する。 したがって、レーザ光の光軸の横断面軌跡も円の軌跡を描く。

    【0028】光ファイバー10が旋回軌跡Sに沿って高速旋回する過程での各位置において、光ファイバー10
    の先端からレーザ光がガウシアン分布をもって出射する。 図2に縦断面でのレーザ光のガウシアン分布GDを示した。

    【0029】組織Mに対して入射されるレーザ光のエネルギー分布は、組織Mの表面における各位置におけるレーザ光のガウシアン分布GDの合成である。 その結果、
    組織Mに対して入射されるレーザ光のエネルギー分布は、前記旋回軌跡Sの直径に応じて、その直径が小さい場合には、頂上部分がなだらかな山形を示し、直径が大きい場合には外輪山の形状を採る。 いずれにしても、皮膚表面に対して照射される本発明のレーザ光のエネルギー分布は、図1に示すように、山の頂上の高さが低く、
    広い面積範囲内において相対的に高いほぼ均一なエネルギー分布を示すものとなる。

    【0030】したがって、前記旋回軌跡Sの直径と、前記光ファイバー10の先端から組織までの距離と、前記光ファイバー10の先端から出射するレーザ光のエネルギーとの相関を適切に選定することにより、対象組織M
    の対象面積範囲に対して、ほぼ均一なエネルギー分布をもってレーザ光を照射できる。 その結果、組織に局部的にダメージを与えることなく、確実に組織の広い面積範囲に対して均一にレーザ光を照射することができる。

    【0031】本発明において、光ファイバー10の先端より前方に、旋回中心CLと同軸に、内面20Aにおいてレーザ光を反射させる反射筒体20を配置することが望ましい。 この反射筒体20としては、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などのプラスチック材料、ガラスなどの無機材料、金属などの材質を選定できる。 反射筒体20壁を通して組織Mの表面を視認するためには、透明または半透明のものが好ましく、この観点からアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ガラス、石英、サファイヤなどが好適である。

    【0032】前記反射筒体20を配置することにより、
    前記光ファイバー10先端より出射したレーザ光の一部は前記反射筒体20の内面20Aで全反射し、または一部は透過し残部が反射して前記組織Mに入射される。 したがって、図1及び図2に示すように、前記反射筒体2
    0の内面20Aで反射したレーザ光が前記組織Mに対する入射光として加算されるので、組織Mに対するレーザ光の照射エネルギー分布は、ほぼ逆U字形状となり、より組織Mの対象の面積範囲に対して均一にレーザ光を照射することができるようになる。

    【0033】組織Mの表面に入射されたレーザ光は、組織Mの内部において散乱する。 組織Mの表面より深い部分に対して、たとえば皮膚の痣を蒸散させようとする場合には、図1に示すように、組織Mの表面より1〜3m
    m程度深い部位において、均一にレーザ光を照射するためには、図1に示すように、組織Mの表面でのレーザ光のエネルギー分布が旋回中心CL周囲においてやや低く、より周辺で高いエネルギー分布とすることが望ましいことが知見された。

    【0034】この組織Mの表面でのレーザ光のエネルギー分布を得るためにも、前記反射筒体20を使用することが有効であり、これによって組織Mの対象レーザ光照射範囲の周囲部分のエネルギーレベルを高めることができる。

    【0035】<装置の具体例>図3〜図5に、医者が手で把持して組織表面に対するレーザ光の照射に適したレーザ光照射装置の構造例を示した。 このレーザ光照射装置は、保持手段としてのケーシング30(ハンドピース)と、このケーシング30内に旋回中心軸CL周りに回転自在に配置された中空の案内体32とを有する。 ケーシング30は、把持部本体30Aの後部に着脱自在のカバー部30Bを有する。 把持部本体30Aの先端側には支持筒30Cが留めネジ31により一体化され、支持筒30Cの先端に継ぎ手30Dを介して反射筒体20が着脱自在に装着されている。

    【0036】前記の中空の管状案内体32は、支持筒3
    0C内に、前後のベアリング34,34により旋回中心軸CL周りに回転自在に保持されている。 この案内体3
    2にレーザ光伝達部材としての光ファイバー10の先端部が保持されている。 前記光ファイバー10は、ケーシング30のカバー部30Bを通してケーシング30内部に挿入され、さらに中空の管状案内体32の内部に挿入されている。 管状案内体32の先端部内に保持部材36
    がネジ38留めされ、さらに前後の固定部材40A及び40Bをボルト(図示せず)により連結することにより、保持部材36が管状案内体32に固定されている。

    【0037】保持部材36、前後の固定部材40A及び40Bの外周面には溝が形成され、その溝内に光ファイバー10の先端部が遊びをもって入り込んでいる。 その結果、光ファイバー10の先端部は、前記旋回中心軸C
    Lとオフセットした位置において管状案内体32に、遊びをもって前記旋回中心軸CLとほぼ平行に挿通されることにより保持されている。

    【0038】把持部本体30Aの内部には旋回手段を構成するモータ50が固定されている。 このモータ50の出力軸には、原動ギア52が固定され、この原動ギア5
    2は、管状案内体32の後部に一体化された従動ギア5
    4と噛合している。 その結果、モータ50の回転駆動力は、原動ギア52及び従動ギア54に伝達され、管状案内体32が、旋回中心軸CL周りに回転する。 回転駆動力を伝達するギア機構の案内体側ギア(従動ギア54)
    の歯数/モータ側ギア(原動ギア52)の歯数の比は、
    端数が生じるものであるのが望ましい。 実施の形態では、1/32に設定してある。 この構成にすると、旋回軌跡S内において常に異なる位置においてパルスレーザ光が組織に対して照射されるから、ある時間内において組織面積範囲内に満遍なくレーザ光を照射することができる

    【0039】このとき、前記光ファイバー10の先端部は、保持部材36、固定部材40A及び40Bの外周面に形成された溝内に遊びをもって入り込んでいるので、
    前記光ファイバー10自体は管状案内体32の回転に対して同伴することなく、したがって、捩れることはなく、前記光ファイバー10の先端部は単に旋回軌跡Sを描くだけである。

    【0040】光ファイバー10は、レーザ光供給手段と光学的に連結される。 レーザ光供給手段はレーザ光の発生器及びパルス化手段(いずれも図示を省略してある)
    を含むことができる。 レーザ光供給手段からのレーザ光は、光ファイバー10の後端から入射され、内部を通って先端から出射され、生体組織M、たとえば皮膚に対して入射される。 光ファイバー10の中間は、カバー部3
    0Bに固定されたホルダー42と、支持板44により支持されている。 光ファイバー10の旋回に伴って光ファイバー10が若干前後に移動することがあるので、ホルダー42と支持板44との間にスプリング46が介装され、緩衝を図っている。

    【0041】カバー部30Bには送気口48が形成され、この送気口48を通して冷却媒体としての冷却空気がケーシング30内にコンプレッサー(図示せず)により送入される。 ケーシング30内に送入された冷却空気は、管状案内体32内を通り、固定部材40B、保持部材36、及び固定部材40Aに形成された貫通孔48A
    を通って反射筒体20内に入り、その先端の壁に形成された90度異なる位置に合計4箇所の開口部20Bから送出される。

    【0042】反射筒体20は、支持筒30Cの先端に継ぎ手30Dを介して反射筒体20が着脱自在に装着される。 図3〜図5に示す反射筒体20は、内面20Aの長さが短いものであるが、その内面20Aの長さが異なる複数種類の反射筒体を用意しておくのが望ましい。 図1
    には、内面20Aの長さが長い反射筒体20が図示されている。 こうして、状況に応じて複数の反射筒体群中から使用する反射筒体を選択することにより、内面20A
    でレーザ光の反射態様を変更して組織Mに対するレーザ光の照射エネルギー分布を変更することが可能となり、
    しかも、前記光ファイバー20の先端から出射するレーザ光のエネルギーを一定にした場合でも、組織Mに対して入射させるレーザ光のエネルギーを変更できる。

    【0043】組織M表面の冷却のために冷却媒体を前記反射筒体20内部に送入する冷却媒体送入手段を設けることが好適である。 たとえば、皮膚に対してレーザ光を照射させる場合、無麻酔でレーザ光の照射を行うので、
    レーザ光が照射された皮膚は熱くなり、耐え難いことがある。 この種の場合には、冷却媒体を前記反射筒体内部に送入することにより、前記組織Mの表面を冷却でき、
    患者の熱感を和らげることができる。 前記冷却媒体としては、空気、、アルコール、カルボキシメチルセスロースなどを使用できる。 高分子ジェルを水やアルコールにより粘度調整した液体も有効である。 揮発性の液体は気化熱により冷却効果が高いものとなる。 前記冷却媒体は、連続的にまたは間欠的に前記反射筒体内部に送入することができる。 反射筒体20の壁に開口部20Bを形成しておけば、その開口部20Bから冷却媒体が送出されるので、冷却媒体が吸収した熱を外部に排出できる。

    【0044】上記の形態においては、光ファイバー20
    は円の旋回軌跡Sを描くようにしたものであるが、他の形状、たとえば図6に示すように、楕円の旋回軌跡S1
    を描くようにすることもできる。 このための手段としては、カムなどを用いることによって達成できることは機構学を学んだ者には容易であろう。 また、図7に概略を示すように、光ファイバー10の光軸は、旋回中心CL
    に対して平行でなく少しの度傾斜してもよい。

    【0045】また、前記光ファイバー10は複数配設することができる。 たとえば、旋回軌跡上の異なる位置において配設することもできるほか、図8に示すように、
    旋回中心CLから異なる半径をもって光ファイバー1
    0,10を複数することができる。 この態様では、対象の照射面積が一定であれば、単位時間あたりほぼその数の倍数の照射エネルギーを与えることができるとともに、対象の照射面積を広げることもできる。

    【0046】旋回手段はケーシングの外部にあってもよい。 反射筒体は必要ならば省略することができる。 光ファイバーに代えて、ガラスや石英ロッドなどをレーザ光伝達部材とすることができる。

    【0047】前記レーザ光としては、例えば、皮膚の痣除去治療に対しては、650nm以下の波長をカットしたレーザ光を用いるのが望ましい。 たとえば、クリプトンランプ、アレクサンドライト(波長755nm)、特にNd:YAGレーザ(波長1064nm)など650
    nm以上の波長をもつレーザ光が好適である。

    【0048】レーザ光は連続波のほか、好適にはパルスレーザ光を使用する。 パルスレーザ光としては、たとえば5〜10ppsで出射する。 レーザ光に出力は、1パルスあたり0.5〜3Jとすることが望ましい。

    【0049】

    【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、確実に広い面積を均一にレーザ光を照射することができるなどの利点がもたらされる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の概略的説明図である。

    【図2】レーザ光の照射形態の概略図である。

    【図3】レーザ光の照射装置例の縦断面図である。

    【図4】図3の前部の拡大縦断面図である。

    【図5】図3の後部の拡大縦断面図である。

    【図6】光ファイバーが楕円の旋回軌跡を描く形態の説明図である。

    【図7】光ファイバーの光軸を旋回中心に対して傾斜させた例を示す説明図である。

    【図8】複数の光ファイバーを配設した例を示す説明図である。

    【符号の説明】

    10…光ファイバー(レーザ光伝達部材)、20…反射筒体、20A…内面、20B…開口部、30…ケーシング、30C…支持筒、32…管状案内体、34…ベアリング、36…保持部材、48…送気口、50…モータ、
    52…原動ギア、54…従動ギア、CL…旋回中心軸、
    M…組織、S…旋回軌跡。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C026 AA02 BB07 DD02 DD03 DD06 FF17 FF18 FF19 FF21 FF33 FF34 FF36 FF43 HH02 HH05 HH06 HH21 4C082 RA01 RA07 RC08 RE17 RE18 RE19 RE21 RE33 RE35 RE36 RE43 RG02 RG03 RG06 RL02 RL05 RL06 RL21

    QQ群二维码
    意见反馈