【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ダイオード、ファイバあるいは固体レーザのようなコンパクトで低強度、長パルスポンプ光源で発生された光パルスを、光パラメトリック増幅媒質の使用によって、高エネルギ超短光パルスに変換するための方法と装置に関する。 【0002】ここに使用されているように、用語”高エネルギパルス”は、超短パルス発振器から直接得られるものより高いエネルギレベルをもつ、光パルスを指す。 一般的に、コンパクトなモードロック発振器は、10n Jレベルの最大エネルギをもつパルスを発生する。 【0003】超短パルスレーザと増幅器は、結局フェムト秒(10−15 S )〜ピコ秒(10−12 S )の範囲の幅をもつ短い光パルスを発生する、特別なクラスのレーザデバイスに属する。 そのようなパルスの応用は、短い幅、高いピークパワ、高い空間的時間的可干渉性を含む特性で決まる。 以下に詳述されているように、そのようなパルスの有利な用途は、加工、医療(組織蒸散、組織除去、精密切開、強膜と皮膚手術、眼内手術、分子手術)、レーザレーダ、科学計測、イメージング、のような分野に存在する。 【0004】 【従来の技術】ダイオードレーザは、二つの特異な技術的有利性をもつコンパクトなレーザ放出光源である。 第一に、ダイオードレーザは電力を高効率に光パワに変換する。 第二に、小さい寸法(一般的には1mm以下)のモノリシックデバイスである。 したがって、それらの大きさ、ロバスト性、信頼性、寿命、生産性、といったパラメータは、ガス、色素あるいはバルクの固体レーザのような、他のレーザ構造の対応するパラメータよりはるかに優れている。 これらキーとなる特性は、存続できるレーザ光源を商業的に開発するのに、理想的にふさわしいようにする。 しかしながら、ダイオードレーザを高エネルギ超短パルス発生に直接使用することは制限される。 本質的に、これはシングルモードダイオードの小さい断面積で決められる。 ダイオードに対する破滅的な損傷と超短パルスの厳しい非線形歪は、得られるピーク強度を制限する。 さらに、同じ小さい断面積により、貯えられるエネルギと飽和フルエンスも制限される。 レーザダイオードから直接得られる最大エネルギは、実際的に重要な超短パルスエネルギの下限である約100pJに制限される。 レーザダイオードの有効断面積は、多重横モード構造あるいは多重溝構造にすることで増大されるが、空間的時間的可干渉性の必要性は、そのような構造での超短パルスの直接発生を許さない。 【0005】このことは、実際のシステムを開発するには、他の種類の超短パルスレーザと増幅器に対して、ダイオードをポンプ光源として使うことを必要とする。 希土類元素ドープファイバレーザは、そのような種類のデバイスの一つに相当し、小型化が主に小さい横方向寸法のファイバで決められるので、小型化のために半導体利得媒質に近接されるファイバ構造の一般的な直径は1m m以下である。 半導体レーザと異なり、ファイバレーザは数メータの長さをもつが、小さな横方向寸法により、 小さいスペースを占めるように巻き付けられる。 事実上、ファイバレーザは、横方向の分布が任意で縦方向が同じ、光電磁界をもつ1次元構造である。 希土類元素ドープファイバは、ダイオードレーザでポンプされる。 たとえば、既知のEr−ドープファイバレーザシステムは、1480nmあるいは980nmを放出する既成の高パワレーザダイオードでポンプされている。 【0006】Broad-area Diode-pumped 1W Femtosecond Fiber System, a. Galvanauskas,ME Fermann, D. H arter, JD Minelly, GG Vienne, J. e. Caplan, Conference on Lasers and Electro-Optics, vol.9 199 6 OSA Technical Digest Series (Optical Society of America, Washinton, DC, 1996) pp.45 に報告されているように、高パワーマルチモードダイオードポンプ光は、ファイバクラッドポンピング技術とチャープパルス増幅によって、高パワ超短パルス出力に有効に変換される。 一般的に、超短パルスの非線形歪や光学素子あるいは利得媒質への光学的損傷を受けずに、最大エネルギを取り出すためには、どのような量子増幅器にとってもチャープパルス増幅が必要である。 一般に、飽和エネルギに等しいエネルギをもつ超短パルスのピーク強度は、媒質の飽和フルエンスより高い。 【0007】しかしながら、空間的時間的可干渉性を保存し、超短パルスを持続させるためには、ファイバ出力はシングル−モードでなければならない。 これは、シングル−モード半導体レーザの場合と同じ理由でファイバコアサイズ、したがって最大取り出し可能パルスエネルギとピーク強度に制約を与える。 しかしながら、シングル−モードファイバの場合、最大取り出し可能エネルギは半導体の場合より、はるかに高い。 最大フルエンス限界エネルギは、増幅と再圧縮後に10μJ以上のパルスエネルギを出すいくつかのダイオードポンプEr−ファイバチャープパルス増幅システムで、既に実験的に作られている。 しかしながら、微細加工や光手術のような様々の実応用には、もっと高い超短パルスエネルギが必要とされる(一般的に1〜10mJの範囲)。 このようなパルスエネルギを得るために、バルクの量子増幅器がこれまで使われてきた。 バルク媒質中のビームサイズは、 高ピーク強度問題を緩和するファイバあるいは半導体構造中のシングル−モード導波ビームより、十分大きい。 さらに、ある種の固体利得媒質はコンパクトなデバイスの設計を可能にする。 しかしながら、量子増幅器の一般的な特性で決められる多数の制限は、超短高エネルギパルスの直接増幅のためにコンパクトな固体デバイスを設計することを、実質的に困難にする。 これは、量子増幅器の一般的な特性を考慮することで明らかにされる。 【0008】量子増幅器は、光学的遷移状態の上位レベルにポンプエネルギを貯え、このエネルギはシグナルを通過させ光学的誘導放出作用を通して、収穫される。 既知の固体超短パルス増幅配列は、1μJから1Jの範囲のシングルあるいはマルチ−パスエネルギを含んでいる。 チャープパルス増幅は、これらのシステムに必要である。 【0009】しかしながら、バルクのレーザと増幅器は著しい弱点をもっている。 第一に、固体レーザと増幅器は、半導体とファイバによるそれより非常に大きく、かつ高価である。 サイズとコストは、必須の扱いにくいポンプ光源、たとえば高パワArレーザあるいはランプで、主に追い込まれてしまう。 ダイオードポンピングは数少ないそのようなシステムで可能である。 個々の利得媒質の固定された吸収バンドの中で、量子増幅器をポンプする必要がある。 これは、多くの媒質に対するダイオードレーザポンピングを制限あるいは除外する。 なぜなら、信頼性の高い高−パワポンプダイオードは、今のところ、2〜3波長でしか利用できないからである。 たとえば、超短パルス発生のための最も一般的な固体媒質は、直接的にダイオードレーザポンプできないTi−サファイアである。 【0010】第二に、量子増幅器は、個々の利得媒質中の光学遷移の幅で決まる、限定された利得バンド幅をもっている。 狭帯域の利得バンド幅は、超短パルスを増幅するために、ある種の材料を使用することを非常に制限する。 【0011】第三に、励起された光学遷移の寿命や模擬放出断面積のような利得媒質の元の特性は、個々の量子増幅器から取り出し得る平均パワとパルスエネルギに制限を与える。 【0012】第四に、バルク増幅器は、高パワレベルで利得媒質の光学特性を変化させる熱的影響を受けやすい。 これは、そのようなデバイスの動作を環境の変化に敏感にする。 【0013】光増幅を達成するための代わりとなるアプローチ法は、非線形材料中に光学パラメトリック増幅(OPA)を用いることである。 OPAアプローチにより、ポンプエネルギは材料中に貯えられずにポンプからシグナルへ直接変換され、非線形材料は、ただその課程を取り次ぐだけである。 位相歪を通してのパルス歪は、 一般的に避けられる。 なぜなら、2次の非線形性が3次(自己あるいは交差−位相変調の原因である)よりはるかに強いからである。 最大取り出し可能エネルギは、個々の材料の損傷スレッシュホールドで根本的に制限される。 必要なポンプ波長と利用できる増幅バンド幅は、従来の複屈折位相整合で相互作用する波長の屈折率楕円の向きと大きさのような、個々の結晶の基本光学特性で決められる。 事実このことは、利用できる非線形材料に近づくことができるポンプ波長とバンド幅に制限を与え、 そのような増幅器をポンプするのに必要なエネルギを高くする。 上述の制限の結果、現状でのパラメトリック相互作用は、光シグナルの波長を変換する手段としては一般的に使われるが、エネルギ増幅の手段としては使われない。 【0014】ここに具体化された参考文献、Powerful f emtosecond Pulse Generating Chirped and Stretched Pulse Parametric Amplification in BBO Crystals, A. Dubietis, G. Jonusanskas, and A. Piskarskas, Opt. Comm. 88, 437(1992), の中に、高エネルギ超短光パルスが、従来の量子増幅器の代わりに光パラメトリック増幅器を使用することで、得られることが暗示されている。 文献は、ポンプからシグナルへのエネルギ変換を効率よく行うには、超短パルスがポンプパルスの幅に適合するように拡張されなければならないことを教えている。 この研究は、短い(約5ps)拡張されたポンプパルスで0.53μmの3mJポンプから1.06μmの100μJシグナルへの1:30変換を実験的に示した。 【0015】しかしながら、Dubietis 等の研究は低輝度から高輝度ビームへのエネルギ変換を教えていないし、ダイオード、ファイバあるいはマイクロチップレーザのような、小さいポンプ光源で高エネルギ超短パルスのコンパクト光源を達成する方法も、教えていない。 (遭遇した問題の一つは、長いポンプパルス(ナノ秒領域の)で同じ変換効率を実際に得るためには、パルスエネルギが約100(ジュール領域)倍に増大されなければならないということである。現在、コンパクトなパルス光源から、そのような高エネルギを得ることは困難である。)同様に、この研究は、超短パルス増幅器のポンプ波長と利得バンド幅への制限も除いていない。 さらに、この研究では、ポンプと増幅されたパルスの両方が同じレーザ光源によるものであった。 長パルスポンプと短パルス光源を同期させる方法も暗示されていない。 モードロック光源からの超短パルスで、通常のQ−スイッチポンプレーザからのパルスを同期させることは問題である。 【0016】前述のことは、ポンプ光源としてのダイオードレーザの使用を主として強調するが、ダイオードレーザポンプされる余地のある少なくとも第一ステージで、ポンプ光源がダイオードレーザと、一つあるいはそれ以上の直列配置されたレーザ光源の、組み合わせになることは自明である。 たとえば、ポンプ光源は、希土類元素ファイバレーザあるいはQ−スイッチパルス光源をポンプするダイオードレーザで構成される。 【0017】 【本発明が解決しようとする課題】本発明の主要な目的は、高エネルギ超短光パルスのコンパクトな増幅器を提供することである。 【0018】本発明のさらなる目的は、ポンピング波長と増幅のバンド幅への制限がない、超短パルス増幅器を提供することである。 【0019】本発明の別の目的は、光パラメトリック増幅器を効率よくポンプするために、ダイオード、ファイバあるいは固体レーザ、および、それらの組み合わせ、 のようなコンパクトCWあるいはパルスポンプ光源を、 超短パルス増幅に利用することである。 本発明のさらなる目的は、回折限界のシングル−モードビームをパラメトリックに増幅するために、広域ダイオードあるいはダイオードアレイ、マルチ−モードコアファイバレーザと増幅器、マイクロチップレーザアレイあるいは他のマルチ−モード固体レーザ、のようなマルチ空間モードのコンパクト光源を利用することである。 【0020】本発明の目的は、パラメトリック利得媒質中で重ねるためにポンプと拡張超短パルスの適当なタイミングのための、方法と手段を提供することである。 【0021】本発明の付加的目的は、公開されたレーザデバイスを、上述のレーザデバイスで作られたレーザパルスを最適使用するために設計された特定のシステムである応用と結合して、様々な科学的、医学的、および工業的応用に利用することである。 【0022】 【課題を解決するための手段】本発明の一面によれば、 擬位相整合非線形材料が、超短パルスのパラメトリックチャープパルス増幅(QPM PCPM)用パラメトリック利得媒質として使用される。 QPM材料の位相整合特性は、製作工程中で調整され、ポンプ波長と達成できる利得バンド幅への制限を根本的に取り除くことができる。 さらに、位相整合特性を調整できるということは、 有利な結晶方位の選択を可能にし、空間ビームウォークオフと特定の光学材料に利用できる最も高い非線形率を除去することによって、相互作用長の増大を可能にする。 その結果、QPMパラメトリック増幅で高変換効率と高利得を達成するために必要なポンプエネルギは、従来のパラメトリック増幅器に比べて大幅に減少される。 そのことは、マルチモードポンプビームの回折限界シグナルビームへの変換を容易にする。 一般に、これは様々な比較的単純でコンパクトなダイオードポンプ光源を使って得られる、比較的長いマルチモードポンプパルスの有効利用を可能にする。 これは、Dubietis等に記述されたような従来の非線形結晶を使っては不可能である。 【0023】本発明のより広い見地にによれば、シングルモードあるいはマルチモードレーザダイオードのCW あるいはパルスパワを、超短光パルスの増幅されたエネルギに変換する一般的な方法が記述されている。 一般に、この変換は、二つの基本ステップからなる。 第一に、ダイオードレーザパワは、拡張シグナルパルス幅に合わせるために、適当な幅の高エネルギポンプパルスへ、直接あるいは一つあるいは多くの他のレーザ媒質を使って変換される。 拡張シグナルパルスは、パルス拡張器で超短パルスから作られる。 第二に、拡張シグナルは、ポンプシグナルパルスでポンプされた非線形結晶で、パラメトリックに増幅される。 ある条件下で、パラメトリック増幅器は、空間的マルチモードポンプビームにとっても、回折限界シングルモードビームの非歪増幅を行う。 増幅されたシグナルは、最終的にパルス圧縮器を使って超短パルス幅に再圧縮される。 【0024】パラメトリックチャープパルス増幅(PC PA)技術は、このように長いナノ秒パルスから短いフェムト秒へのエネルギ変換を、単純で効率のよい方法で可能にする。 ポンピングPCPAシステムのための高エネルギ長パルスは、同等のエネルギのフェムト秒パルスより常に作りやすい。 バンド幅、非線形歪、スレシュホールド、ビーム品質、他、への要求は大幅に緩和される。 【0025】原理的に、任意の標準的なQ−スイッチレーザは、フェムト秒PCPAシステムをポンプするのに使われるが、PCPAの最適な特性(パワ効率、光損傷問題、他に関しての)を達成するために、特定のナノ秒ポンプレーザシステムを設計することが必要である。 【0026】したがって本発明は、さらにマルチモードコアファイバおよびマイクロチップ固体レーザとアレイを含むパラメトリック増幅器をポンピングするための、 コンパクトな配置のデザインを含んでいる。 【0027】 【実施例】図1は本発明による増幅システムの概括的な実施例の配置を示す。 図1に示すように、増幅システムは、高エネルギパルス光源120をポンピングするためのポンプダイオード110をもつ、ポンプ光源100を含む。 シグナル光源130は、超短パルスを発生する発振器140とパルス拡張器150を含む。 ビームスプリッタ160は、高エネルギポンプパルスと拡張超短パルスを結合するために使われる。 結合されたシグナルは、 パラメトリック増幅器170に供給され、増幅されたシグナルは、パルス圧縮器180に供給される。 システムを実施するための他の部品は、効率のよい非線形相互作用に必要な偏光状態を定めるための波長板105と、適切な集光光学系106を含む。 トリガ電子回路190はポンプシグナルパルスに供給され、拡張パルスがパラメトリック増幅器170の非線形結晶中で時間的、空間的に重畳される。 【0028】パラメトリック増幅は、いくつかの重要な利点を与える。 第一に、それはマルチモードと長パルスポンプ光源の利用を可能にする。 一般に、そのような光源は複雑でなく、直接的超短パルス発生と増幅のために、小型光源よりも十分な高エネルギを供給する。 【0029】第二に、量子増幅器に固有の利得バンド幅とポンプ波長に対する制限が、擬位相整合非線形材料を使うことで、完全に除去される。 チャープ周期擬位相整合バルク材を使うことで、利得バンド幅は任意の必要な幅に設計される。 ポンプ波長は、パラメトリック増幅器の適当な擬位相整合周期で選択される。 適当なとき、ポンプ波長は第2高調波発生を使うことで、増幅されたシグナルより短波長に変換される。 【0030】第三に、パラメトリック増幅システムは、 元々単純でよりコンパクトである。 シングルステージでのパラメトリック増幅は、約90dBの利得まで供給できる(制限は、光パラメトリック発生(OPG)のためのスレッシュホールドでのみ課される)。 したがって、 任意のファイバ、レーザダイオードあるいは固体発振器で得られる最小エネルギ約10pJから出発して、1m J〜1Jの範囲の高パルスエネルギが1あるいは2増幅ステージだけを使って達成される。 したがって、再発生機構とマルチパス機構は不要である。 【0031】そのような増幅システムが現実的であるためには、パラメトリック増幅器中でのポンプからシグナルへの最大エネルギ変換が十分高く(約10〜50%) なければならない。 この変換は、ポンプのピーク強度と非線形結晶の特性で決められる。 複屈折性位相整合結晶の場合、そのような変換は、マルチモードあるいはシングルモードナノ秒幅のポンプパルスで小型ダイオードポンプ光源から実際得られるピーク強度よりも、十分高いピーク強度を必要とする(>100mJ)。 本発明によれば、周期的にポーリングされたニオブ酸リチウム(P PLN)のような新規な擬位相整合(QPM)材料を使うことで、ダイオードレーザポンプ小型光源からの低強度低輝度ナノ秒出力が、拡張超短パルスの効率よいパラメトリック増幅にうまく使われる。 PPLNと関連材料およびそれらの特性のさらなる議論のために、読者はここに参考文献として挙げられた以下の文献が参考になる:1997.3.26提出のUS出願No.08/824,032(Arbore 等、スタンフォード大学明細書No.S96-208):US出願N o.08/763,381と08/789,995、これはパルス増幅システムへのPPLN結晶の使用を開示している;Myers et a l., "Quasi-phase-matchedoptical parametric oscilla tors in bulk periodically poled lithium niobate", J. Opt. Soc. Am. B, 22, 2102(1995).超短パルスが非線形効果を取り除くために拡張される伝統的なチャープパルス増幅機構に対比して、このアプローチは、ただ長いポンプパルスからの抽出効率を最大にする目的のために、超短パルスの拡張を必要とする。 一般に、より長いポンプと拡張パルスの使用は、与えられたポンプパルスピーク強度に、より高く増幅されたパルスを提供する。 最大使用可能ポンプパルス幅は、非線形結晶の損傷スレッシュホールドと、増幅されたシードパルスのための最大圧縮可能パルス幅で、決められる。 たとえば、PPL N中の損傷スレッシュホールド以下にポンプ強度を保つために、好ましくは500ps以下のポンプパルス幅が使用される。 また、存在するパルス拡張器と圧縮器は、 拡張パルス幅をナノ秒の大きさに制限するようにデザインする。 これは、有効なポンプ幅を潜在的に100ps から2〜3ナノ秒の範囲内に制限する。 そのようなパルスは、様々なパッシブあるいはアクティブQ−スイッチあるいはレーザダイオードポンプのNd:YAGやアレキサンドライトシステム、小型レーザダイオードポンプマイクロレーザ、増幅ファイバシステム、のようなマスター−発振器−パワ−増幅器(MOPA)で得られる。 供給されるポンプエネルギは、1μJから1J以上までの範囲であり、増幅シグナルパルスを同じ範囲内に考慮する。 【0032】発振器140は、モードロックレーザ、利得スイッチ、あるいは高速周波数変調半導体レーザである。 後者の場合、発振器は拡張パルスを直接発生でき、 したがって、パルス拡張器の必要性を除去する。 【0033】前の技術の中で既知の様々な異なるデバイスは、パルス拡張器150と圧縮器180として、使用するのに適している。 たとえば、回折−格子ベースデバイス、ファイバグレーティング、あるいは複合した組み合わせ(たとえば、拡張器としてのファイバあるいはファイバグレーティングと圧縮器としての回折格子対)が使用される。 しかしながら、一般的に、存在する実際のパルス拡張器からの最大拡張パルス幅は、約ナノ秒の範囲に制限される。 パラメトリック増幅効率を最大に、かつ、結晶損傷のような有害な影響を最小にするために、 ポンプパルスの幅はシグナルパルスの幅に合致するべきである。 したがって、本発明の場合、最も適切なポンプパルス幅は、ナノ秒とサブナノ秒の範囲を取り囲む。 【0034】増幅機構の実際の利点は、使用されたポンプパルス光源の有利な特性によって、根本的に決定される、ということが本発明の重要な一面である。 擬位相整合パラメトリック媒質は、必要なポンプエネルギの減少、増大したパルス長およびマルチモードポンプビームの使用を可能にするので、様々な実際的なポンプ光源が実証のために使用できるようになる。 本発明は、このように異なるポンプ光源に基づく特別の実施例を含んでいる。 【0035】出力デバイス181は、レーザ出力ビームの受取器として図1に示されている。 以下に記述するように、このデバイスはレーザ外科手術装置やワークピース加工システム、他、のような多数のビーム利用デバイスの一つである。 ビーム利用デバイスは、図1に利便性の目的のために示されているが、発明の他の任意の実施例の出力にも接続され、図1には単純に例示的に示されているに過ぎない、ということは明白である。 【0036】図2に示された最初の模範的な実施例によれば、本発明はマルチモードファイバ型パラメトリックチャープパルス増幅(PCPA)システムとして実施される。 【0037】PCPAシステムへのファイバ利得媒質の使用は、つぎのような考慮すべき事柄を含んでいる。 上で議論したように、ファイバ利得媒質の小さな横方向寸法は、最大パルスエネルギに制限を与える。 シグナルがシングルモード(ファイバの出力端で空間的ガウス分布をもつ)の場合、ファイバコアの最大切断面径は約15 μmである。 より大きな直径のシングルモードコアは、 コアとクラッド間に非現実的に小さな屈折率差を必要とし、耐えがたい高い曲げ損失を引き起こす。 Er−ドープファイバ利得媒質の場合、これは最大入手可能パルスエネルギを約100μJレベルに固定する。 【0038】マルチモードファイバ増幅器に頼ることで、十分大きなコア径を使うことができる。 30μm〜 100μmのコア径のマルチモード増幅器で、パルスエネルギを10μJ〜100mJの範囲に到達させることが可能である。 しかしながら、フェムト秒パルスの従来型チャープパルス増幅に、マルチモードファイバ増幅器を使用することは、再圧縮パルスの厳しい時間的歪を引き起こす高い内部モード(分散約1〜10ps/m)によって、実際的には全く許されない。 マルチモードファイバで超短パルス直接発生させることにとっての別の根本的な不利益は、ビームの輝度と空間的可干渉性を大きく低下させる非ガウス分布マルチモードビームである。 【0039】マルチモードファイバ増幅器のこれらの制限は、直接チャープパルス増幅のためよりはむしろ拡張超短パルスのパラメトリック増幅器のためのポンプとして、マルチモードファイバを使用することで、打破される。 【0040】図2に示すように、マルチモードファイバ型PCPAシステムは、拡張超短パルスを供給するシグナル光源200、長い高エネルギポンプパルスを供給するポンプ光源210、パラメトリック増幅器220、パルス圧縮器230、ポンプと増幅シグナルを同期させるトリガ電子回路240を含む。 【0041】シグナル光源200は、モードロック発振器202(たとえば、モードロックファイバ発振器)とパルス拡張器204からなる。 あるいは、シグナル光源は、広いバンド幅の拡張パルスを直接発生する最初に同調されたレーザダイオード(図示せず)を含むことができる。 上で議論したように、様々な可能性のある拡張器と圧縮器の配置を利用できる。 【0042】ポンプ光源210は、レーザダイオード2 16でシードされるポンプダイオード218でポンプされるマルチステージあるいはマルチパスファイバ増幅器212、214からなる。 トリガ電子回路240、たとえば標準電子パルス発生器でシードダイオード216をポンプすることで、光シードパルスは約100psおよびそれより長い時間から始まる任意の幅に適合される。 マスタ−発振器−パワ−増幅器機構(MOPA)は、任意の必要な長さと必要な繰り返し周期のポンプパルスの発生を可能にする。 重要なことに、この機構は、ポンプパルスの無視できるジッタをもつ拡張超短パルスへの同期を可能にする。 たとえば、ナノ秒電子パルス発生器は、超短パルス列で高速フォトダイオードを通してトリガされる。 拡張パルスに関する生成ポンプパルスのタイミングジッタは、ポンプパルスの幅の何分の一かの30 ps以下である。 【0043】マルチパスあるいはマルチステージファイバ増幅器は、レーザダイオード216からの典型的な〜 10pJ出力から出発するパルスをミリジュールに到達させるために90dBまでの利得を供給するためのポンプ光源に、必要とされる。 Er−ドープファイバ増幅器の典型的なシングルパス利得は、20〜30dBである。 したがって、4〜5の増幅ステージが、要望されたエネルギレベルに到達させるために必要である。 縦繋ぎされた線形増幅器を使った概念的な例が図3(a)に示されている。 ステージ間の音響光学変調器300は、増幅された自然放出(ASE)によるステージ間の相互飽和を防ぐために必要である。 全てのチェーンはマルチモードファイバからなる。 代わりに、シングルモードファイバがパルスエネルギがまだ低い初期ステージで使用され、マルチモード増幅器は最終ステージあるいは複数ステージでのみ使われる。 最終ステージには、長さとコア中の非線形効果とを最小にするために、高ドープファイバを使うことが有利である。 非線形効果は、増幅効率を低下させ、非線形結晶をポンプするのに好ましくないポンプパルスのスペクトル拡がりを起こす。 【0044】”直線的”アプローチの図3(a)に示す縦繋ぎファイバ増幅器は経済性に欠け、その増幅器ではポンプ光源の価格と大きさがステージ数に比例する。 有利な代わりの解は、図3(b)に示すようなマルチパス配置を使うことである。 この場合、一つあるいは最大二つの増幅ステージで十分である。 音響光学変調器301 は、シードパルスを増幅器に注入し、十分なエネルギが2〜3パス後に達成された後だけシードパルスを出力へ向かわせるスイッチとして動作する。 一般的に、変調速度(ゲート幅)は、典型的なファイバ増幅器212Cの往復時間(約10−50ns)に合わせるために、10 0−200nsであることが要求される。 音響光学変調器は一般に偏光不感であるので、シングルモード、マルチモードファイバの両方が、そのようなマルチパスデザインに使われる。 シードシグナルの低平均パワにより、 2ステージ機構が有利で、一方のステージは直線増幅器であり、他方はマルチパス増幅器である。 【0045】ファイバ増幅器は、レーザダイオードMO PAのようなシングルモードダイオードでポンプされる;しかしながら、シングルモード光源はより高価で、 比較的低パワを供給する。 したがって、マルチモードあるいは多重ダイオード光源を使用することが好ましい。 これは二重クラッド構造のシングルモードとマルチモードファイバ増幅器の両方を通して実施される。 重要なことには、マルチモードコアファイバの大きなコア領域は、2重クラッドシングルモードコアファイバに比べて、クラッドポンピングでのポンプ吸収を容易にする。 また、幅広く剥された十分大きなコア径(典型的に>1 00μm)をもつマルチモードファイバの場合も、マルチモードダイオードレーザが直接コア内ポンピングに使われる。 一般に、マルチモードレーザダイオードの使用は、ポンプ光源および結果としての全体システムの非常にコンパクトでロバストな設計に非常に有利である。 【0046】パラメトリック増幅器のポンピング波長は、シグナル波長より短くなければならない。 もしも、 ポンプ光源を含むファイバ増幅器が超短パルス光源より短い波長で動作するなら、そのときのただ一つの要求は、適切な非線形材料(たとえば、周期的にポーリングされたニオブ酸リチウム結晶に擬位相整合周期のための適当に選んだ)を選ぶことでパラメトリック結晶中で適切な位相整合を達成することである。 一例はErドープファイバ(1550nmの動作波長)に基づくフェムト秒発振器と、Ndドープガラスファイバ(1060nm の動作波長)を使用するポンプ光源である。 もしも、ポンプとシグナル光源の両方が同じタイプのドープファイバを使用(たとえば、両方がEr−ドープファイバを使用)するなら、QPMあるいは他の知られた周波数逓倍器260でポンプビームを周波数2倍にすることが必要である。 退化での位相感受性パラメトリック増幅を避けるために、シグナルより僅かに短い基本波長でポンプ光源を動作せることも有利である(たとえば、それぞれ1 530nmと約1560nm)。 【0047】パラメトリック増幅器220は、一つあるいはもっと多数の増幅ステージからなる。 2ステージ2 20Aと220Bを使用することが望ましい(図2)。 シングルステージよりむしろダブルステージの使用が、 拡張パルスの90dB以上の増幅(約10pJから約1 0mJへ)を達成することを容易にする。 パラメトリック増幅中の最大利得は、パラメトリック発生の始まりで制限される。 これは、自然真空ゆらぎを微視的レベルまで増幅するのに十分な約90dB利得シングルステージで起きる。 一般的に、マルチモードファイバの出力は非偏光である。 この場合、2ステージパラメトリック増幅を実施するための好ましい配置は、二つのポンプチャネル、すなわち各パラメトリック増幅ステージ220Aと220B用のチャネルを作るために、ポンプ光源210 1の出力部に偏光ビームスプリッタ250を含む。 この配置は、全てのポンプパワの使用を確実にする。 【0048】システムを実施するための他の部品は、ポンプとシグナルビームを結合するためのダイクロイックミラ221、効率よい非線形相互作用のために必要な偏光状態設定用波長板222、および適切な集光光学系2 23を含んでいる。 フェムト秒シグナルは、増幅の前にポンプパルスとほぼ同じ幅に拡張される。 ポンプとシグナルパルスは、パラメトリック増幅器結晶224内で時間的、空間的の両方で重ね合わされなければならない。 結晶損傷を避けるために、スポットサイズは十分大きくなければならない。 【0049】パラメトリック結晶224は、損傷スレシュホールド以下のピーク強度で効率よい増幅を達成するために、PPLN、PPLTあるいは他の擬位相整合材料のような高い非線形性をもつことが望ましい。 空間的マルチモードポンプビームを使っての高効率パラメトリック増幅を達成するために、大きいスポットサイズが有利でもある。 PPLNのような高効率非線形結晶の使用は、ファイバ型システムの実現のために必須である。 最近の利用できる通常の複屈折整合結晶で必要なピークパワは、大きなコアのマルチモードファイバでも耐えられない。 【0050】上記から明らかなように、むしろ拡張フェムト秒パルスの直接増幅用ポンプ光源としてのファイバ増幅器の使用は、高エネルギファイバ増幅器からの悪いビーム品質のマルチモード出力はもちろん、内部モード分散の影響を除去し、高パルスエネルギのシングルモード変換制限出力を供給する。 【0051】上記のように、得られる最大エネルギは、 マルチモードファイバのコアサイズで調整する。 10m J以上は約100μmのコアサイズで利用される。 周波数2倍化とパラメトリック増幅効率を考慮すると、1m J以上の増幅パルスを得るのに10mJパルスで十分である。 さらに、エネルギ調整は一層大きなファイバの使用によって可能である。 あるいは、出力パルスエネルギは、多重ポンプ光源の出力を結合することで調整される。 【0052】図4(a)と4(b)に示す別の模範的な実施例により、本発明はQ−スイッチ固体レーザシステムを使って実証される。 【0053】幾つかの固体材料は、レーザダイオードでポンプされ、拡張パルスパラメトリック増幅器をポンプするためのコンパクトでロバストな固体光源を設計することを可能にする。 【0054】Q−スイッチングは、高ピークパワパルスの発生を可能にする、よく確立された技術である。 共振器のQパラメータは、共振器に貯えられたエネルギの往復当たり失われるエネルギに対する比として定義される。 それは、共振器内の損失を変化させることで変えられる。 損失を制御する二つの方法がある:アクティブQ −スイッチングとパッシブQ−スイッチング。 アクティブQ−スイッチングは、共振器中にあるアクティブ変調器(たとえば、ポッケルスセル)を必要とする。 アクティブQ−スイッチレーザの利点は、それらが外部からトリガされることである。 パッシブQ−スイッチングは、 可飽和吸収体のようなパッシブデバイスを使って実施される。 パッシブQ−スイッチレーザの必須の欠点は、それらのトリガが外部から制御されないことと、パルスからパルスへのジッタがパルス自身の幅を上回ることができる大きさをもつことであり、この特性は、モードロックとパッシブQ−スイッチレーザ間の同期を重大な問題にする。 しかしながら、発明者は、この問題が避けられ、パッシブQ−スイッチレーザのエネルギがパラメトリック増幅機構に使用されるということを明らかにし、 たとえば高速同調レーザダイオードのような外部同期可能なレーザが拡張ブロードバンド幅パルスの光源として使われるということを規定した。 そのようなレーザダイオードは、無視しうるタイミングジッタをもつパッシブあるいはアクティブQ−スイッチレーザのどちらかで容易にトリガされる。 一般に、任意の外部同期可能レーザ(たとえば、利得スイッチレーザダイオード)が、高速同調ダイオードの代わりに使われる。 【0055】Q−スイッチ固体レーザを使ったそのような実施例が図4(a)に示されている。 ポンプ光源71 0は、ポンプダイオード716でポンプされるパッシブQ−スイッチパルス光源715からなる。 同調可能レーザダイオード740を制御する同調可能ダイオード電子回路700は、高速フォトダイオード720で検出されるQ−スイッチパルス光源715のほんの少しの光出力(高エネルギパルスの場合、約1%が十分である)でトリガされる。 【0056】ダイオード駆動電子回路の許容できない大きさの遅れを補償することが必要な場合、ポンプパルスがマルチモードファイバ730に実装された遅延線に送出される。 ファイバのコアサイズは、非線形歪みを避けて良好なファイバ内結合効率を達成するために、十分大きくなければならない。 このファイバの使用は、実施例の実証を容易にするが、必須ではない。 【0057】アクティブQ−スイッチポンプ光源の実施例が図4(b)に示されている。 そのようなポンプ光源715'は、無視しうるジッタを伴って外部的にトリガされ、したがって、モードロックシグナル光源705の使用を可能にする。 【0058】図4(a)と4(b)の両方で、ポンプパルスエネルギを増大させるために、Q−スイッチパルスは固体増幅器(図示せず)でさらに増幅される。 【0059】小型Q−スイッチ固体レーザを製造するための特に注目すべき概念は、半導体封止技術の使用を必要とするマイクロチップレーザである。 ウェハの2面が平らで平行になるように研磨され、標準的な半導体ダイシング技術を使ってウェハをダイシングして何千ものマイクロチップレーザが固体レーザ材料のウェハから作られる。 おおよそ1−3mm 3のサイズであるそのような”チップレーザ”は、シングルモードあるいはマルチモードレーザダイオードあるいはダイオードアレイでポンプされる。 マイクロチップレーザの典型的な材料は、 1064と1319nmの波長で動作し、約808nm でレーザダイオードポンピングされるNd−ドープYA Gである。 Q−スイッチングは、複合共振器を形成するために電気−光学(アクティブデバイス)あるいは可飽和吸収材(パッシブデバイス)のどちらかをNd:YA GあるいはNd:VO 4に接合することで達成される。 シングルマイクロチップレーザのQ−スイッチ出力は、 〜100ピコ秒から〜ナノ秒、たとえば200psから5nsまでの幅をもつ数10マイクロジュールに至るまでである。 マイクロチップレーザの使用は、非常に安価でコンパクトなマイクロジュールフェムト秒パルス光源を可能にする。 さらに、マイクロチップレーザアレイを使用することで、パワとエネルギの拡大が達成され、約100mJに至るまでの出力エネルギが可能である。 【0060】本発明によるQPMパラメトリック結晶の使用は、PCPAシステムのためのポンプとして相対的に低い出力エネルギを出すマイクロチップレーザのようなコンパクトな光源の使用を可能にする。 反対に、通常の非線形材料(BBOのような)を使うと、ポンプビームのしっかりした集光でさえも効率的なパワ変換用に十分なパラメトリック利得を供給できない。 【0061】図4(c)と4(d)に示すさらに模範的な実施例によれば、本発明は固体型PCPAシステムとして実施される。 【0062】上述のように、非同一直線上配置に通常の複屈折性位相整合BBO結晶を使用するこれまでの技術で、1:30のエネルギ変換効率が、3mJと約5ps のポンプパルスで達成された。 しかしながら、同じ必要なピークパワをもつナノ秒ポンプパルスを使用するためには、ポンプエネルギが100〜1000倍増大されなければならない。 これはジュールレベルの出力エネルギをもつパルス光源を使用することを必要とする。 現在、 熟練した技術として知られているように、そのようなシステムは大きく、扱い難く、かつ高価である。 また、そのような光源のパルスエネルギ密度は、典型的に非線形媒質の損傷スレッシュホールド以上である。 本発明によるQPM材料の使用は、ポンプエネルギへの要求をマイクロジュール〜ミリジュールレベルに減少させ、付随的にパワ密度を非線形結晶の損傷スレッシュホールド以下のレベルに減少させる。 このエネルギレベルでは、PC PAシステムに必要なポンプパルスを供給できる様々の実用的な固体システムがある。 【0063】ファイバ増幅器を使う上述のものに本質的に類似しているMOPA機構もまた、バルクの固体材料で実施される。 しかしながら、固体媒質の低シングルパス利得により、マルチパスあるいは再生式機構が望ましい。 【0064】MOPAタイプのアレキサンドライトベースシステムの一般的な配置が、図4(c)に示されている。 ランプポンプマルチモードアレキサンドライトレーザが、780nmと800nmの間の波長で動作する再生式増幅器410用のポンプレーザ410として、使われる(図4(d))。 増幅器は、786nmの標準的な半導体レーザダイオード420からのいろいろな幅のパルスでシードされる。 ダイオードパルスの幅は、トリガ回路400の標準的なナノ秒パルス発生器からの電気パルス幅で決められる。 アレキサンドライトシステムの繰り返し周期は、10Hzである。 増幅された出力が、8 mJより高いエネルギをもつ350ps−1nsパルス(シード幅で決められるような)を与えるということが明らかになった。 共振器は固定往復回数後外へ切り換えられる。 これは、シードダイオードが外部的にトリガされるという事実と一緒に、シグナルパルスでポンプパルスのタイミングを容易にする。 【0065】シグナル光源440は、約1550nmの波長で動作する増幅されたEr−ドープファイバレーザシステムである。 パッシブモードロックEr−ドープファイバレーザ光源445からのフェムト秒パルスは、陽性分散回折格子拡張器450で拡張され、連鎖状のダイオードポンプEr−ドープファイバ増幅器(図示せず) で増幅される。 増幅後、約7nmバンド幅(利得狭小化作用で決まる)、300−350ps長さのパルスが得られた。 このシステムは、10μJまでのエネルギをもつシードパルスを供給できる。 そのような高エネルギは、シングルステージパラメトリック増幅器を使って働くために、便宜上使われる。 発振器とパルス拡張器からの直接出力の増幅は、ミリジュールエネルギを達成するために、一般的に二つのパラメトリック増幅ステージを必要とする。 量子増幅器に比べて、パラメトリック増幅器は十分低いエネルギでシードされる。 これは、量子増幅器の自然放出に対立するものとして、パラメトリック結晶に注入された低エネルギパルスが真空ゆらぎと競争しなければならないからである。 【0066】ポンプとシグナルパルスは同一線上を伝搬するために、IRビームスプリッタ460で結合される。 両ビームは、周期的にポーリングされたニオブ酸リチウム(PPLN)QPM結晶470のサンプルに集光される。 この結晶の厚さは0.5mmで、3〜5mmの様々な長さが使われる。 より長い結晶でも使用され、これは必要なポンプエネルギをさらに減少させ、結晶損傷問題を緩和させる。 この特別な実施におけるPPLN結晶の擬位相整合周期は19.75μmであった。 一般に、QPM周期Λは、次式を使って、与えられた相互作用を見越して計算される。 【0067】1/Λ=(n p /λ p )−(n s /λ s )− (n i /λ i ) ここで、n kとλ kは、それぞれポンプ、シグナル、アイドラ波長での屈折率と波長である。 ポンプ波長は、パラメトリック増幅器用に適当な擬位相整合周期を選ぶことで選定されることが、この式から明かである。 もしも、 QPM周期が光ビームパルスに沿ってチャープさせられると、それは事実上与えられた非線形相互作用にとっての位相整合バンド幅を拡げる、ということもこの式から明かである。 選ばれた結晶の幾何学形状はきわどくない位相整合を与え、その結果ビームの空間的ウォーク−オフを除去する。 ポンプからシグナルへの最適変換効率は、結晶中でのポンプとシードビームの空間的なオーバラップと同一線上性にきわどく依存する。 ポンプとシグナルのスポットサイズ径は、たとえば、300〜400 μmの範囲にある。 結晶での大きなスポット径は、結晶損傷を防ぐためと、ポンプとシグナルビームのマルチモードとシングルモード分布形状を空間的に合わせるために、必須である。 結晶中でポンプとシグナルビームの波頭曲率を合わせるために、特別の注意は不必要である。 増幅されたパルスは、標準的な負分散回折格子圧縮器4 80で再圧縮される。 【0068】最大増幅シグナル出力1mJが、mJのポンプと100nJのシグナル入力で実験的に得られた。 小信号利得10 4が5nJとそれ以下の入力パルスエネルギの場合測定された。 ポンプ対シグナル変換効率は3 5%より高いことがわかった。 このシステムの中でのポンプビームはシングルモードであるが、波頭曲率間の不整合とパラメトリック結晶中の両ビームの大きなサイズとにより、ポンピング条件はマルチモードでのポンピングに等価である。 大きいスポットサイズと高モード数の場合、シングルモードとマルチモードビーム分布形状の空間的不整合は無視できる。 【0069】ニオブ酸リチウムの材料特性は、結晶の損傷スレッシュホールド以下のポンプ強度で効率よいパラメトリック変換を可能にする。 増幅に使用されるような300ps−500psポンプパルス幅の場合、最大ポンプエネルギ8mJでさえも損傷は全然観察されなかった。 しかしながら、1nsより長いポンプパルス幅の場合、パラメトリック結晶の入射面の光損傷が、3.8G W/cm 2の強度に相当する約2mJ/パルスで観察された。 より長いパルス幅、すなわち、5nsで、表面損傷は、無視できるパラメトリック利得だけを生成できるより低いピーク強度0.8GW/cm 2でも観察された。 観察された損傷スレッシュホールドのポンプパルス幅依存は、熱的作用によるバルクLiNbO 3の表面損傷と一致する。 これは、1nsより短いパルスでのポンピングは、最も高いパラメトリック利得と変換効率を得るためにLiNbO 3結晶に有利であるということを示している。 【0070】一般に、与えられたパルス幅の場合、使用できるポンプエネルギ(とその結果として得られるシグナルエネルギ)は、スポット面積を相応して調整することで、増大あるいは減少される。 得られる最大エネルギへの唯一の実際的な制限は、パラメトリック結晶の最大縦方向寸法で与えられる。 最近、電界ポーリングへの制限で決められるので、0.5mm厚の周期的にポーリングされたニオブ酸リチウムが標準的である。 この制限を越えるスポットサイズの調整は、制限されない幅の結晶を使用するために非対称のビーム拡がりを必要とする。 しかしながら、QPM結晶の厚さは、すなわち、PPL N板の拡散接合垂直積層を使って、必要とされたあるいは願望されたサイズに増大される。 【0071】ポンプとシグナル間のパラメトリック相互作用が、増幅された拡張パルスへの位相歪みを誘起しないということを確かめることは重要である。 増幅された出力上のチャープをキャラクタライズするため再び平行にされた出力が格子分光器中でスペクトル的に分散され、ストリークカメラで測定された。 増幅されないシグナルビームのストリークカメラ像は、線形のチャープを示した(図5(a))、そしてこのチャープは増幅シグナルに完全に変換され(図5(b))、7nmのバンド幅をもたらした。 ポンプパルス(図5(d))のチャープ(非線形)は、増幅シグナルパルスにどのような付加的チャープも誘起しない;むしろ、それはアイドラチャープに変換された(図5(c)参照)。 このポンプからアイドラへの変換の間、位相符号が反転され、これはインパルス保存則に矛盾しない。 ポンプとシグナルの間で観測された約100psの時間的ジッタは、増幅に影響しない。 再圧縮シグナルパルスは、シングルショット自己相関器で測定された。 図6は増幅と非増幅パルスのシングルショット自己相関を示す。 非増幅と増幅パルスは、両方とも約680fsに圧縮され、同一のトレースをもたらし、このことは40dBパラメトリック増幅により、観測できる位相歪みが起きなかったことを示している。 【0072】記述されたアレキサンドライト増幅器は、 たとえば、周波数2倍化モードロックファイバ発振器からの拡張超短パルスの直接増幅のためにも使用されるが、パラメトリック増幅機構を使う大きな利点は、大きなパラメトリック増幅バンド幅による利得狭小化作用の除去である。 【0073】さらなる実施例が図7に示されており、これは図2について前に記述されたシステムの変形である。 図2の実施例は、シードとしてのダイオードレーザとミリジュールおよびより高いパルスエネルギを得るための大きいコアのマルチモードファイバ増幅器を使用した。 このファイバ増幅器は、好ましくは1530−15 60nm波長範囲で動作するEr−ドープファイバ増幅器で実施される。 中に挟まれた光ゲート付の複数の増幅ステージとその後の第2高調波発生器が必要とされる。 【0074】図7は非常に単純で、より効率の良い関連したアプローチを示す。 ダイオードポンプマイクロチップレーザ72は、〜1064nmで動作し、繰り返し周期1−10KHzで、1−10μJのエネルギをもつ〜 1nsのパルスを発生するシード光源として使用される。 これらのパルスは、2〜3ワットの平均パワをもつミリジュールパルスが生成されるYb−ドープ大コア(10−100μm径)クラッドポンプファイバ増幅器74に注入される。 シードパルスの高エネルギ(ダイオードレーザからのピコジュールに比べてマイクロジュール)とYb−ドープファイバの大きな利得とにより、多重ステージあるいは光ゲートは、ミリジュールパルスと2〜3ワットの平均パワを得るために必要とされない。 さらに、波長〜1550nmのモードロックErファイバレーザからのフェムト秒パルスをパラメトリック増幅するために、第2高調は必要とされない。 もし必要なら、Ti:サファイアフェムト秒モードロック発振器からの〜800nm出力をパラメトリックにポンピングするのに適す532nmパルスを、1064nmの周波数逓倍は、得られるようにする。 Yb−ファイバ増幅器は、Er−ファイバおよびどの固体増幅器と比べても、 かなり高い量子効率をもっている(Erの20−45% に比べてYbは60−80%)。 ダイオードポンプYb −ファイバシステムの効率は、他のどのダイオードポンプナノ秒レーザの効率よりかなり高く、このことはPC PAシステムの全体コストと複雑さを低減する。 【0075】Yb−ファイバ中のアクティブ−イオン濃度は、Er−ファイバ中の濃度よりかなり高い。 このことは増幅器長を著しく短くし、その結果ファイバコア中の非線形散乱効果への感受性を著しく少なくする。 Yb −ファイバは、Er−ファイバに比べて、著しく高い飽和フルエンスをもち、これはより高いパルスエネルギの取り出しを容易にする。 この高い飽和フルエンスにより、Yb−ドープ固体増幅器は、非常に高いパルスエネルギ(数ジュールまでも)を取り出すのに、他の固体利得媒質に比べ有利である。 【0076】図4(a)の変形であるさらなる実施例が図8に示されている。 図4(a)で半導体可変レーザは、外部トリガされる超短パルスを発生する。 これは、 パッシブQ−スイッチレーザの使用を可能にする。 この配置の利点は、PCPAをポンピングするためのダイオードポンプパッシブQ−スイッチマイクロチップレーザから、直接けた違いに高いパルスエネルギとパワを得られることである。 別の利点は、パッシブQ−スイッチレーザのアクティブQ−スイッチレーザに比べての単純さから由来する。 【0077】図8は類似のアプローチを示し、このアプローチでは、可変レーザあるいは利得スイッチダイオードレーザ800からの出力が、ファイバグレーティング802の中で2〜3ピコ秒幅(典型的には1−3ps) に圧縮され、その後標準的なシングルモード希土類ファイバ増幅器(たとえば、Er−ドープファイバ増幅器) に送出される。 非線形効果(ソリトン形成)がここでは非線形的圧縮フェムト秒パルスを発生するために有利に使われる。 等価的に、拡張パルスは最初に増幅され、それからファイバグレーティングの中で圧縮され、非線形パルス圧縮のための付加的ファイバに送出される。 標準的利得スイッチダイオードは、10−300ピコ秒パルスを直接生成するのに使われ、そのパルスはその後非線形ファイバ増幅器中で圧縮される。 【0078】上述のタイプのPCPAシステムは、様々な応用に多数の競合する超高速レーザシステムの代わりに、靴箱サイズのミリジュールシステムを使う。 以下に、幾つかの応用システム181が本発明のレーザシステムと組合せて記述されている。 これら幾つかの応用だけが詳細に記述されるとしても、本発明のPCPAシステムが、増幅されたTi:サファイアレーザシステムと置き換えて一般に使われ、また、多くの場合、他の最近のレーザシステムと置き換えて使われるということが、 その技術の技能者によって理解される。 低パワ加工と微細加工 応用システム181は、一般的に既知の工業用レーザシステムでもよい。 そのようなシステムは、材料の切断と穴あけに使われ、最近は、CO 2あるいはNd:YAG レーザを主に使う。 大部分のレーザ微細加工は、一般的にNd:YAG、エキシマ、あるいは銅−蒸気レーザで行われる。 PCPA超高速レーザは、他のレーザを上回る、より高精度な加工のための重要な利点をもっている。 フェムト秒パルスが穴あけあるいは材料の吹き飛ばしに使われるとき、材料の表面は材料中に熱を与えることなしに瞬時に蒸発される。 nsおよびpsレーザパルスを使うと、標点周辺の材料の多くは溶融され、再固化される。 この周辺領域−熱影響ゾーン(HAZ)と呼ばれる−は、非常にざらざらして粗い。 しかしながら、本発明の組み合わせにより超短レーザパルス(USLP) が使われると、溶融が起こらず、切断を非常にきれいな制御されたよりよいものにする。 USLPの使用は、n sおよびpsレーザパルスの高速加熱作用によって作られた強力な超音速衝撃波で破砕された材料の周辺領域であるショック影響ゾーン(SAZ)の大きさを最小にもする。 SAZの最小化は、きれいな切断をもたらし、f sパルスを使うと、切断の周辺領域と下面への2次的な損傷を少なくする。 【0079】フェムト秒レーザはまた、加工のための付加的な利点をもつ。 fsパルスでの蒸散の物理的なメカニズムはより決定論的で、nsパルスでの蒸散より制御しやすい。 このため、レーザスポットサイズより小さい特徴の加工が可能である。 たとえば、超高速レーザを使うと、たとえば3.0ミクロンのビームスポットサイズを使って、銀フィルムに0.3ミクロン径の穴をあけることができる。 この特徴は、いくつかの微細加工応用で超高速レーザがエキシマレーザに置き代わることを示している。 最近、エキシマレーザがその短波長(〜200 −300nm)により、高精度加工に使用されている。 しかし、エキシマレーザは高価で、やっかいであり、腐食性で有毒なガスの取り回しのための装置を必要とする。 本発明で供給されたエキシマの代わりとなる固体はこの産業に役立つ。 【0080】フェムト秒レーザ加工は、ステンレス鋼と他の合金、プラスチック、歯の琺瑯質、ガラス、ダイヤモンド、および多くのその他のもの、のような多くの材料で実証された。 切断のために必要なレーザパルスエネルギは、通常材料特性、特に、その光吸収特性に強く依存する。 たとえば、透明材は、光を多く吸収しないので、切断することがより困難である。 しかしながら、フェムト秒レーザパルスは、材料の吸収に対する蒸散スレッシュホールドのより低い感度を示す。 そこで、透明材料でも容易に切断あるいは穴あけされる。 一つの具体的な例として、穴あけに超高速レーザを使用した結果、バイオセンサ(グルコースモニタリング用)の微細加工で、よりよい再現性が得られた。 レーザ手術、穴あけおよび切断 応用ユニット181は、また、手術用ナイフあるいは他の工具でもよい。 超短レーザパルスは、生物学上の材料および組織の切断と穴あけに大きな利点を与える。 非生物学上材料でのように、超短レーザパルスは、マイクロ秒あるいはナノ秒レーザと比べ、局所的加熱あるいは近傍領域への2次的損傷をほとんど与えないで、組織(ハード、ソフト両方)を蒸散することができる。 切断はより正確であり、周辺の組織への損傷はほとんどない。 これは、医学レーザ処理において新しいレベルの高い正確さを約束する。 一例は、眼の手術においてである。 従来のパルスレーザは、ショック影響ゾーンに生成される厳しい2次的損傷により、多くの処置には使用されない。 フェムト秒レーザは対象的に高精度屈折手術を実証するために使われた。 レーザは、つぎの処置に道をあけるための角膜中に垂れ下がった小さなものを切るのに使われる。 フェムト秒レーザでの垂れ下がったものの切断は、 最近臨床で使われているミクロケラトムと呼ばれるデバイスのナイフでの切断に比べて全く滑らかである。 【0081】応用ユニット181が医療装置あるいは硬い組織の穴あけあるいは除去に使われる手術工具(歯科用ドリルのような)であるとき、一例として、本発明のPCPAベースUSLPを使用することは、ナノ秒レーザパルスよりつぎの利点を有する:十分な材料除去のためのより低いエネルギスレッシュホールド(USPL使用の3J/cm 2対nsパルス使用の20−35J/c m 2 ) 蒸散スレッシュホールドが組織タイプに対し、より小さい感度である 2次的損傷のほとんどないきれいな穴 組織中のより小さい温度上昇(たとえば、歯の中でUS LPの場合の2℃対nsパルス使用での>50℃上昇) より低いノイズレベル(歯科ドリルより非常に小さい) 工業レーザ応用 多くの工業プロセスでレーザは穴あけ、仕上げ加工、切断、表面処理、塗膜剥がし、他、のような伝統的、機械的な方法より多数の利点を有する。 一つのよく知られた利点は、レーザで得られる高精度に関連する。 レーザを使うことの一つのあまり有名でない利点は、多くの応用での固体と液体廃棄物の減少である。 応用ユニット18 1が塗膜剥がし応用システムである一つの例で、廃棄物量が伝統的な化学法に比べ50倍以上減少された。 【0082】応用ユニット181が適切な加工機械であるときに本発明によるレーザを使うことで、切断、マーキング、穴あけ、溝掘り、溶接、溶解、燒結、表面処理(焼き入れと合金化を含む)、リソグラフィ、を含む材料処理が、行われる。 多数の技術がラピッドプロットタイピング、デスクトップ生産、微細加工、はもちろん、 半導体とマイクロエレクトロニックプロセッシングのようなプロセスを使う。 【0083】本発明による市販のエレクトロニクス応用ユニットは、精密微細加工および薄膜トリミングシステムである。 トリミング応用は、エアバッグ用センサのトリミングと水晶時計への金コーティングはもちろん、よく確立されたメモリ修理を含む。 多くの関心を受けているより新しい応用は、モデル製作のためのラピッドプロトタイピングを含む。 【0084】幾つかの材料で穴あけあるいは加工したときの本当の改良を示す材料には、シリコン、スチール、 銅、金、幾つかのポリマ、硬い歯の組織および柔らかい眼の組織(角膜)、がある。 【0085】LIBのパルス幅依存性が、損傷フルエンススレッシュホールドが10psのパルス幅まではパルス幅で減少するということを示す実験で、これは多少説明される。 それで、それはパルスがより短くなるにつれて僅かに増加する。 これは特にSiO 2とMgF 2の場合真実である。 【0086】低フルエンス支配では、フェムト秒パルスがナノ秒パルスより、よりよい表面を与える。 たとえば、応用ユニット181がフェムト加工システムであるとき、非常に滑らかな表面が幾つかの材料で得られる。 たとえば、スレッシュホールドパルス(0.13J/c m 2 、80fs)でシリコン表面を蒸散した後、ATF 像は約30nmの表面粗さを示す。 大工業システムへのfsレーザの統合 ここでのコンセプトは、CO 2レーザを注入モードロックする(高平均パワ〜1KWのための)ためか、あるいは、高パルスエネルギ(〜20J)への再生式増幅のために、PCPAシステムからの10ミクロンパルスを、 大きな高パワCO 2レーザ発振器に注入することである。 短パルスの高平均パワ生産にCO 2レーザを使うことの可能性を実験は示したが、システムは実用的でない。 その理由は、注入パルスが、ピコ秒増幅色素レーザシステムからのプラズマシャッタリングのための活性化パルスとしての、パルスを使って、CWレーザをプラズマシャッタリングすることで得られる、ということである。 CO 2レーザ用注入器としてPCPAシステムを使うことが、そのシステムを実用的にする。 CO 2レーザはパワ効率が高いので、最終ステージとしてCO 2レーザを使うシステムは、効率の観点で非常に魅力的である。 【0087】本発明は好適実施例に関して記述され、示されているが、書式と細部の変更が添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神と目的から逸脱しないで行われるということは、その技術に熟練した人によって理解される。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の概括的な実施例による増幅システムの配置図。 【図2】本発明の第1実施例によるマルチモードファイバ型PCPAシステムの配置図。 【図3(a)】縦に繋がれた線形増幅器を使ったポンプ光源の構成図。 【図3(b)】マルチパス増幅配置を使ったポンプ光源の構成図。 【図4(a)】本発明の第2実施例によるパッシブQ− スイッチ固体レーザ型増幅システムの配置図。 【図4(b)】本発明の第2実施例によるアクティブQ −スイッチ固体レーザ型増幅システムの配置図。 【図4(c)】本発明のさらに進んだ実施例によるMO PA型アレキサンドライトベース増幅システムの配置図。 【図4(d)】本発明のさらに進んだ実施例によるアレキサンドライト再生式増幅器の配置図。 【図5(a)】図4(c)の実施例システムで生成された非増幅シグナルビームのストリーク像。 【図5(b)】図4(c)の実施例システムで生成された増幅シグナルビームのストリーク像。 【図5(c)】図4(c)の実施例システムのアイドラ位相のストリーク像。 【図5(d)】図4(c)の実施例システムのポンプシグナルのストリーク像。 【図6】図4(c)の実施例システムの増幅と非増幅パルスのシングルショット自己相関のプロット図。 【図7】理想的なポンプ光源を含む本発明のさらなる実施例による増幅システムの配置図。 【図8】本発明のさらなる実施例によるQ−スイッチ固体レーザ型システムの配置図。 【符号の説明】 100、210、710・・ポンプ光源、130、20 0、705、440・・シグナル光源、170・・パラメトリック増幅器、180、230、480・・圧縮器、181・・応用システム、190、240、400 ・・トリガ電子回路、110、218、716・・ポンプダイオード、120・・パルス光源、140、202 ・・発振器、150、204、450・・拡張器、10 5、222・・波長板、106、223・・集光光学系、160、221、460・・ビームスプリッタ ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/04 10/06 (72)発明者 グレッグ ディー スーハ アメリカ合衆国 ミシガン州 マンチェス ター市 シャロン ホロー ロード5450番 地 |