大豆遺伝子組換え事象MON87705およびその検出方法

申请号 JP2015022554 申请日 2015-02-06 公开(公告)号 JP2015144602A 公开(公告)日 2015-08-13
申请人 モンサント テクノロジー エルエルシー; 发明人 ニコラス・ワグナー; ウェン・シー・バーンズ; エリック・ジェイ・ゴッジー; ピーター・ディ・ロバーツ;
摘要 【課題】55〜80%の中オレイン酸の範囲におけるオレイン酸レベル、および8%未満の飽和 脂肪酸 レベルを有する大豆種子を生成する遺伝子組み換え大豆。 【解決手段】遺伝子組換え大豆 植物 MON87705をpMON95829に由来するDNA断片での大豆細胞のアグロバクテリウム媒介形質転換により生成した大豆植物。pMON95829は2つの植物形質転換T−DNAを含み、その一方はFAD2及びFATB遺伝子のRNAiベースの抑制を引き起こすような逆方向反復配列で設計されており、本組換え体に特徴的であるヌクレオチド配列の存在を検出する方法、使用するプローブ及びプライマー。 【選択図】図1
权利要求

配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含むDNA分子を含む大豆植物。植物器官が、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1記載の大豆植物の植物器官。後代が、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項1記載の大豆植物の後代。約55〜80%のオレイン酸および8%未満の飽和脂肪酸を含む油組成物を有する種子を生成できる大豆植物であって、該油組成物についての遺伝的決定基が、ATCC受入番号PTA−9241を有する大豆から得られる該大豆植物。大豆事象MON87705を含む植物と、大豆事象MON87705を欠く大豆植物とを交配して、該大豆事象MON87705および改変された脂肪酸レベルを含む植物を得ることを含む、改変された脂肪酸レベルを含む大豆植物を生成する方法であって、該事象を含む種子の代表的試料が、ATCC受入番号PTA−9241下寄託されたことを特徴とする該方法。大豆事象MON87705を含む大豆変種を生成する方法であって、大豆事象MON87769を該変種に戻し交配すことを含み、ここに、該事象を含む種子の代表的試料は、ATCC受入番号PTA−9241下で寄託されたことを特徴とする該方法。請求項1に記載の大豆植物の種子から得た油組成物。食用油、サラダ油、ショートニング、レシチン、無毒性プラスチック、印刷用インク、滑沢剤、ワックス、作動液、電気的変圧器流体、溶剤、化粧品、ヘアケア製品およびバイオディーゼルよりなる群から選択される請求項7記載の油に由来した商品。配列番号:1、2および18下でリストされた配列よりなる群から選択されるものであるか、またはそのものに相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含むDNA分子。配列番号:1および配列番号:2よりなる群から選択される少なくとも約11〜約20の連続ヌクレオチドを含む単離されたDNA分子。配列番号:1、2および18下でリストされた配列よりなる群から選択される配列を有するポリヌクレオチドを含む大豆細胞のゲノム。生物学的試料中の大豆事象MON87705 DNAの存在を検出する方法であって、 i.配列番号:1および配列番号:2ならびにそれらの相補体よりなる群から選択される配列とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号:1および配列番号:2ならびにそれらの相補体よりなる群から選択される配列を含まない大豆植物ゲノムDNAとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしないプローブと、試料とを接触させ; ii.試料およびプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に付し;次いで iii.該試料に対するプローブの結合を検出することを含み、ここに、結合は、該試料中の該DNAの存在に特徴的である ことを特徴とする該方法。該DNAプライマー対が、配列番号:3および配列番号:5またはそれらの相補体の少なくとも11個の連続ヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を含む請求項12記載の方法。該DNAプライマー対が、配列番号5および配列番号:4、またはそれらの相補体の少なくとも11個の連続ヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を含む請求項12記載の方法。該DNAプライマー対が、配列番号:5またはそれらの相補体の少なくとも11個の連続ヌクレオチドを含むヌクレオチド配列を含み、ここに、一方のプライマーは配列5’〜配列番号:18に由来し、他方のプライマーは、配列3’〜 配列番号:18に由来することを特徴とする請求項12記載の方法。配列番号:1、2および18よりなる群から選択されるヌクレオチド配列の存在を検出することを含む、生物学的試料中の大豆事象MON87705の存在に特徴的なヌクレオチド配列の存在を検出する方法であって、 該生物学的試料は、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加分解物およびホイップトッピングよりなる群から選択されることを特徴とする該方法。配列番号:1、2および18下で示された1以上の配列の検出に基づいて設計されたヌクレオチド成分を含む、大豆試料中の大豆遺伝子組換え事象MON87705の存在または不存在を検出するためのキット。生物学的試料中の大豆事象MON87705の存在を検出するために用いる請求項17記載のキットであって、 i.試料とDNAプライマー対とを接触させ; ii.核酸増幅反応を行い、それにより、アンプリコンを生成し;次いで iii.該アンプリコンを検出し、ここに、該アンプリコンは、配列番号:1、2および18下でリストされた1以上の配列を含む ことを特徴とする該キット。該DNAプライマー対が、配列番号:3および配列番号:5に由来するヌクレオチド配列を含む請求項18記載のキット。該DNAプライマー対が、配列番号:5および配列番号:4に由来するヌクレオチド配列を含む請求項18記載のキット。該DNAプライマー対が、配列番号:5のヌクレオチド配列を含み、ここに、一方のプライマーは配列5’〜 配列番号:18に由来し、他方のプライマーは、配列3’〜 配列番号:18に由来することを特徴とする請求項18記載のキット。配列番号:1、2および18よりなる群から選択されるDNA分子を有する組成物であって、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物およびホイップトッピングよりなる群から選択される商品である該組成物。

生物学的試料中の大豆事象MON87705DNAの存在を検出する方法であって、 i.DNAを含む生物学的試料を得ること; ii.配列番号:1、配列番号:2、配列番号:18、およびそれらの相補体からなる群から選択される配列とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、かつ配列番号:1、配列番号:2、配列番号:18およびそれらの相補体からなる群から選択される配列を含まない大豆植物ゲノムDNAとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズしない核酸配列を有する第一のプライマー、および配列番号:5の少なくとも11個の連続ヌクレオチドを含む第二のプライマーとのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施してアンプリコンを生成すること;および iii.該PCRで生成した該アンプリコンを検出すること、 を含み、 該アンプリコンの検出が、該生物学的試料中の該大豆事象MON87705の存在に特徴的である、方法。該アンプリコンが、配列番号:1、ならびに配列番号:3および配列番号:5またはそれらの相補体の少なくとも11個の連続ヌクレオチド、を含む、請求項1に記載の方法。該アンプリコンが、配列番号:2、ならびに配列番号:5および配列番号:4またはそれらの相補体の少なくとも11個の連続ヌクレオチド、を含む、請求項1に記載の方法。該アンプリコンが、配列番号:18、および配列番号:5の少なくとも11個の連続ヌクレオチド、を含む、請求項1に記載の方法。該検出が、蛍光または蛍光消光による、請求項1に記載の方法。該生物学的試料が、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物およびホイップトッピングからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。該第二のプライマーが、配列番号:6の少なくとも11個の連続ヌクレオチド、を含む、請求項1に記載の方法。配列番号:13、14、および15からなる群から選択される蛍光プライマーをさらに含む、請求項1に記載の方法。配列番号:1、配列番号:2、および配列番号:18からなる群から選択される2つ以上の配列からなるDNA分子、および 大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物、ホイップトッピング、全大豆種子、加工大豆種子、動物食料、豆乳、ソイナッツバター、納豆、テンペ、食用の全大豆、ローストした全大豆、枝豆、大豆ヨーグルト、大豆チーズ、豆腐、ゆば、およびバイオマスからなる群から選択される材料、 を含む、組成物。事象MON87705を含む大豆植物の種子であって、該植物が配列番号:1、2、および18またはそれらに相補的な配列を有するポリヌクレオチドを含む異種DNAを含み、該配列番号:1および2は、該異種DNAが該大豆植物のゲノムに挿入された点にわたる結合配列である、種子。該種子が配列番号:6またはその相補体と実質的に相同である配列を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の種子。該種子が配列番号:6またはそれに相補的な配列を有するポリヌクレオチドを含む、請求項10に記載の種子。請求項10に記載の大豆から得られる商品であって、該商品が、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物、ホイップトッピング、全大豆種子、加工大豆種子、動物食料、豆乳、ソイナッツバター、納豆、テンペ、食用の全大豆、ローストした全大豆、枝豆、大豆ヨーグルト、大豆チーズ、豆腐、ゆば、食用油、サラダ油、ショートニング、レシチン、無毒性プラスチック、印刷用インク、滑沢剤、ワックス、作動液、電気的変圧器流体、溶剤、化粧品、ヘアケア製品およびバイオディーゼルからなる群から選択される、商品。

说明书全文

本発明は、遺伝子組換え大豆事象MON87705ならびにその植物器官および種子に関する。この事象は、改変された脂肪酸レベルを含む油組成物を示す。また、本発明は、生物学的試料中の大豆事象の存在を検出する方法に関し、かかるようにできるヌクレオチド配列を提供する。

(関連出願の相互参照) 本願は、2008年9月29日付けで出願した米国仮出願シリアル番号第61/100,859号の利益を主張する。

(配列表の取込み) サイズが50,995バイト(MS−DOSにおける測定)であって、2009年9月22日に作成されたファイル名「56047−0000WO_seqlist.pdf」を含む、添付書類C/ST.25テキスト形式の配列表のコピーをEFSウェブを介してここに電子的に提出し、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす。

大豆は、重要な作物であって、世界の多数の地域の主要な食料源である。生物工学の方法は、農業形質の改良および生成物の品質のために大豆に適用されている。1つのかかる品質形質は改変された脂肪酸レベルを含むダイズ油である。

性的交配の後代が注目する導入遺伝子/ゲノムDNAを含むかを決定するために、特定の植物の導入遺伝子/ゲノムDNAの存在を検出できることは有利であろう。加えて、組換え体作物植物に由来する食品の市販前承認および標識化を要求する規則に従う場合に、特定の植物を検出する方法は有用であろう。

ダイズ油は、特定の市場に利益を創製するように種々の育種方法により改変されてきた。しかしながら、サラダ油、食用油およびフライ油の消費者のごとき主要なダイズ油ユーザー、ならびにバイオディーゼルおよびバイオルーブ市場のごとき産業市場に広範囲に有益であるダイズ油は、入手可能ではない。従前のダイズ油は、余りにも高価であるか、あるいは酸化安定性、良好なフライ食品風味、または飽和脂肪含量のごとき重要な食物品質特性、または適切な一酸化窒素放出または寒冷耐性もしくは低温フローのごとき重要なバイオディーゼル特性を欠いていた。

ダイズ油は典型的には約20%のオレイン酸を含む。オレイン酸は1つの二重結合を有するが、依然として高温で比較的安定であり、高レベルのオレイン酸を含む油は、料理および加温が必要な場合の他のプロセスに適している。最近、オレイン酸が高密度リポタンパク(「HDL」)のレベルに影響することなく、低密度リポタンパク質(「LDL」)の血中レベルを低下させるようであるため、高オレイン油の消費の増加が勧められている。しかしながら、オレイン酸が高温にて分解する場合に、ネガティブな香り化合物を創製し、リノール酸の酸化によって創製されたポジティブな香りを減少させるために、オレイン酸レベルのいくらかの制限が望ましい。Neffら, JAOCS, 77:1303−1313 (2000); Warnerら, J. Agric. Food Chem. 49:899−905 (2001)。かくして、フライ油およびフライ食品のごとき食物適用における不快なにおいを制限するために、65〜85重量%またはそれ未満であるオレイン酸レベルを持つ油を使用することが好ましい。他の好ましい油は、酸化安定性を改善するために55重量%を超えるオレイン酸レベルを有する。

多数の油適用について、8重量%未満または約2〜3重量%未満でさえの飽和脂肪酸レベルは望ましい。ダイズ油は典型的には約16〜20%の飽和脂肪酸:13〜16%のパルミチン酸塩および3〜4%のステアリン酸塩を含有する(一般的には、Gunstoneら, The Lipid Handbook, Chapman & Hall, London (1994)を参照)。飽和脂肪酸は多数の適用に望ましくない高融点を有する。原料または燃料として用いる場合、飽和脂肪酸は低温で曇りを引き起こし、燃料に流動点および目詰まり点のごとき貧弱な低温フロー特性を与える。低飽和脂肪酸レベルを含む油生成物は、それらが、より健康なものと認められる、および/またはFDAのガイドラインに従う「飽和脂肪無し」と分類され得るために、消費者および食品産業によって好ましいかもしれない。加えて、低飽和油は、サラダ油のごとき食物適用のための油に不凍を施す必要性を低減または消失させる。バイオディーゼルおよび潤滑適用において、低飽和脂肪酸レベルを持つ油は、低温フロー特性の改善を与え、低温にて曇らない。

中オレイン酸および低飽和含量を持つ種子を生成する大豆系は、望ましいであろう。本明細書に開示された方法は、55〜80%の中オレイン酸の範囲におけるオレイン酸レベル、および8%未満の飽和脂肪酸レベルを有する大豆種子の生成を可能にする。

植物中の外来遺伝子の発現は、恐らく、クロマチン構造(例えば、ヘテロクロマチン)または組込み部位に近い転写調節要素(例えば、エンハンサー)の近接によりそれらの染色体の位置によって影響を受けることが知られている(Weisingら,1988 Ann. Rev. Genet 22:421−477)。この理由のために、注目する導入された遺伝子の最適な発現により特徴付けられた事象を同定するために多数の事象をスクリーニングすることがしばしば必要である。例えば、事象中の導入された遺伝子の発現のレベルにおける広範囲の変動が存在し得ることが、植物および他の生物体において観察されている。また、導入された遺伝子構築体中に存在する転写調節要素から期待されるパターンに対応しないかもしれない、空間的または時間的のパターンの発現における差、例えば、種々の植物組織における導入遺伝子の相対的な発現の差が存在し得る。この理由のために、異なる数百〜数千の事象を生成し、商業目的のための所望の導入遺伝子発現のレベルまたはパターンを有する単一の事象につき事象をスクリーニングすることが一般的である。導入遺伝子発現の所望のレベルまたはパターンを有する事象は、従来の育種方法を用いる性的外交配によって導入遺伝子を他の遺伝的背景に遺伝子移入するのに有用である。かかる交配の後代は、元来の形質転換体の導入遺伝子表現特性を維持する。この戦略は、特定の地域の栽培条件に適切に適合する多数の変種の信頼できる形質発現を保証するために用いられる。

核酸プローブを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAハイブリダイゼーションのごとき、いずれのよく知られた核酸検出方法によっても導入遺伝子の存在を検出することは可能である。これらの検出方法は、一般的には、プロモーター、ターミネーター、標識遺伝子等のごとき頻繁に用いる遺伝子要素に集中する。結果的には、かかる方法は、挿入DNA(「フランキングDNA」)に隣接する染色体DNAの配列が知られていない限りは、異なる事象、特に、同一のDNA構築体を用いて生成したものを区別するのに有用ではないかもしれない。事象特異的なPCRアッセイは、例えば、Taverniersら (J. Agric. Food Chem., 53: 3041−3052, 2005)により言及され、ここに、遺伝子組換えトウモロコシ系Bt11、Bt176およびGA21、およびキャノーラ事象GT73についての事象特異的な追跡システムが実証されている。この研究において、事象特異的なプライマーおよびプローブは、各事象のゲノム/導入遺伝子結合の配列に基づいて設計された。また、遺伝子組換え植物事象に特異的なDNA検出方法は、米国特許第6,893,826号;第6,825,400号;第6,740,488号;第6,733,974号;第6,689,880号;第6,900,014号および第6,818,807号に記載されている。

本発明は、改変された脂肪酸レベルを含む油組成物を含む遺伝子組換え大豆(Glycine max)植物MON87705、および大豆植物MON87705のDNA構築体、ならびに大豆MON87705およびその後代における導入遺伝子/ゲノムの挿入領域の検出に関する。

本発明は、MON87705と指定された遺伝子組換え大豆植物、および受入番号PTA−9241で米国培養細胞系統保存機関(ATCC)に寄託された種子を有する大豆事象MON87705と判別不能なその後代(かかる後代が、挿入された遺伝子組換えDNAに対応する少なくとも1つの対立遺伝子も含む範囲まで)を含む。本発明のもう一つの態様は、大豆事象MON87705の後代植物または種子、あるいはその植物および種子の再生可能な器官である。また、本発明は、限定されるものではないが、花粉、胚珠、花、苗条、根、茎、葉、鞘、種子および分裂組織を含めた大豆事象MON87705の植物器官を含む。油、ミール、粉末、食物製品、蛋白サプリメント、およびMON87705に対応する大豆植物が収穫された圃場内に残存しているバイオマスのごときMON87705のゲノムおよびMON87705からの生成物に含まれる新規な遺伝子組成物は、本発明の態様である。

本発明は、約55〜80重量%のオレイン酸および8重量%未満の飽和脂肪酸を含む油組成物を有する種子を生成できる大豆植物を提供し、ここに、該油組成物についての遺伝的決定基は、ATCC受入番号PTA−9241を有する大豆から入手可能である。

本発明の1つの態様により、組成物および方法は、MON87705と指定された新規な大豆植物からの導入遺伝子/ゲノムの挿入領域の存在を検出するために提供される。配列番号1(配列番号6[F]の第3449〜3468位に対応する[A]、図2])、配列番号:2(配列番号6[F]の第10700〜10719位に対応する[B]、図2)および配列番号:18(配列番号6[F]の第9266〜9371位に対応する、図2)およびその相補体よりなる群から選択されるMON87705の少なくとも1つの結合配列を含むDNA配列が提供され;ここに、結合配列は、ゲノムに挿入された異種のDNAにて大豆細胞ゲノムDNAに連結するポイントにわたるヌクレオチド配列であり、大豆DNAを含有する生物学的試料におけるこの配列の検出は、該試料中の大豆事象MON87705DNAの存在に特徴的である(図2)。かかる結合配列は、配列番号1、2、18下でリストされた配列およびその相補体の少なくとも1つを含むことができる。これらのDNA分子を含む大豆植物、その植物からの大豆種子およびその植物の後代は、本発明の態様である。

大豆事象MON87705からの新規な導入遺伝子/ゲノムの挿入領域、配列番号3[C]、配列番号:4[D]および配列番号:5[E]または配列番号:1[A]および配列番号:2[B]を含むDNA配列(図2参照)は、本発明の態様である。また、これらの分子を含む大豆植物、種子および後代は本発明の態様である。

本発明のもう一つの態様により、DNA検出方法における使用のための2つのDNA分子が提供され、ここに、第1のDNA分子は、配列番号:5のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の少なくとも11個以上、少なくとも12個以上または少なくとも13個以上の隣接するポリヌクレオチド、ならびに、配列番号:3の5’フランキング大豆ゲノムDNA領域のいずれかの部分の同様の長さのDNAを含み、一緒に用いられる場合のこれらのDNAは、アンプリコンを生成するDNA増幅方法におけるDNAプライマーとして有用である。DNA増幅方法におけるこれらのDNAプライマーを使用して生成されたアンプリコンは、そのアンプリコンが配列番号:1を含有する場合に大豆事象MON87705に特徴的である。配列番号:3および配列番号:5のいずれかの部分に相同的または相補的なDNAプライマーによって生成されたいずれのアンプリコン、および配列番号:1を含むいずれのアンプリコンも、本発明の態様である。

本発明のもう一つの態様により、DNA検出方法における使用のための2つのDNA分子が提供され、ここに、第1のDNA分子は、配列番号:5のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の少なくとも11個以上の隣接するポリヌクレオチド、および配列番号:4の3’フランキング大豆ゲノムDNAのいずれかの部分の同様の長さのDNA分子を含み、これらのDNA分子は、DNA増幅方法におけるDNAプライマーとして有用である。DNA増幅方法におけるこれらのDNAプライマーを用いて生成したアンプリコンは、そのアンプリコンが配列番号:2を含む場合に大豆事象MON87705に特徴的である。配列番号:4および配列番号:5のいずれかの部分に相同的または相補的なDNAプライマーにより生成されたいずれのアンプリコン、および配列番号:2を含むいずれのアンプリコンも、本発明の態様である。

本発明のもう一つの態様により、DNA検出方法における使用のための2つのDNA分子が提供され、ここに、第1のDNA分子は、配列番号:5のDNA分子の導入遺伝子領域のいずれかの部分の少なくとも11個以上の隣接するポリヌクレオチドまたはそれらの相補体を含み、一方のプライマーは、配列5’〜配列番号:18に由来し、他方は、配列3’〜配列番号:18に由来し、これらのDNA分子は、DNA増幅方法におけるDNAプライマーとして有用である。DNA増幅方法におけるこれらのDNAプライマーを用いて生成されたアンプリコンは、そのアンプリコンが配列番号:18を含有する場合に大豆事象MON87705に特徴的である。配列番号:5のいずれかの部分に相同的または相補的なDNAプライマーにより生成されたいずれのアンプリコンおよび配列番号:18を含むいずれのアンプリコンも本発明の態様である。

本発明のもう一つの態様により、試料中の大豆事象MON87705に対応するDNAの存在を検出する方法が提供される。かかる方法は:(a)DNAを含む試料と、大豆事象MON87705からのゲノムDNAとの核酸増幅反応に用いた場合に大豆事象MON87705に特徴的であるアンプリコンを生成するプライマーセットとを接触させ;(b)核酸増幅反応を行ない、それによりアンプリコンを生成し;次いで、(c)該アンプリコンが配列番号:1、2および18下でリストされた1以上の配列を含むアンプリコンを検出することを含む。

本発明のもう一つの態様は、MON87705の大豆植物もしくは種子、またはMON87705のその植物もしくは種子の事象を含む生成物であり、ここに、そのゲノムDNAは、配列番号:3の約1〜3458位のヌクレオチド配列、配列番号:5の約1〜7251位のヌクレオチド配列および配列番号:4の約1〜2515位のヌクレオチド配列(そのコンティグは配列番号:6として表される)、およびその相補体より実質的になるDNA分子を含む。本発明のさらなる態様は、MON87705の大豆植物もしくは種子、またはその植物もしくは種子に由来する生成物であり、ここに、そのゲノムDNAは、配列番号:6の約1〜13224位のヌクレオチド配列およびその相補体より実質的になるDNA分子を含む。MON87705の大豆植物もしくは種子、またはその植物もしくは種子に由来する生成物は、その大豆植物もしくは種子または生成物から単離される場合に、配列番号:1、2または18を組み込むDNAおよびその相補体を含む。本発明の一の態様において、DNA分子は、大豆事象MON87705を含有する。もう一つの態様において、大豆事象MON87705を含む、2コピーのDNA分子が、その大豆植物に存在する。もう一つの態様において、大豆事象MON87705を含む1コピーのDNA分子が、その大豆植物に存在する。

本発明のもう一つの態様は、MON87705の大豆植物もしくは種子、またはその植物もしくは種子の事象を含む生成物であり、ここに、その大豆植物もしくは種子または生成物から単離された場合のゲノムDNAは、DNA増幅方法におけるアンプリコンを生成し、該アンプリコンは、配列番号:1、2および18よりなる群からの少なくとも1つの配列を含む。

もう一つの態様において、大豆植物の種子は、容器に入れることもできる。本明細書に用いた容器は、かかる種子を保持できるいずれかの物である。容器は、約500、1,000、5,000または25,000個を超える種子を含み、ここに、その種子の少なくとも約10%、25%、50%、75%または100%は、本発明の植物に由来する。また、本発明は、約10,000個、より好ましくは20,000個、さらにより好ましくは40,000個を超える種子の容器を提供し、約10%、より好ましくは約25%、より好ましくは約50%、さらにより好ましくは約75%または90%を超える種子は、本発明の植物に由来する種子である。また、本発明は、約10kg、より好ましくは約25kg、さらにより好ましくは約50kgを超える種子の容器を提供し、約10%、より好ましくは約25%、より好ましくは約50%、さらにより好ましくは約75%または90%を超える種子は、本発明の植物に由来する種子である。

本発明のもう一つの態様は、生物学的試料中の大豆遺伝子組換え事象MON87705の存在または不存在を検出する方法を提供し、この方法は、a)該試料からDNAを抽出し;次いで、b)配列番号:1、2または18下に示されたものに対応する配列を有するポリヌクレオチドの存在または不存在をアッセイし、それにより、該試料中の大豆事象MON87705の存在または不存在を確認できる。

本発明のもう一つの態様において、試料中のMON87705事象に対応するDNAの存在を検出する方法は:(a)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1および配列番号:2ならびにそれらの相補体よりなる群から選択される配列とハイブリダイズし、かつそのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1および配列番号:2を含まない大豆植物DNAとハイブリダイズしないプローブと、試料とを接触させ;(b)試料およびプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に付し;次いで、(c)該試料に対するプローブの結合を検出し;ここに、結合が該試料における該DNAの存在に特徴的であることを含む。本発明のもう一つの態様は、生物学的試料中の大豆事象MON87705の存在の検出における使用のために長さが約11〜約20個の連続ヌクレオチドを含むプローブであり、ここに、該連続ヌクレオチドは、配列番号:1および配列番号:2ならびにそれらの相補体よりなる群から選択される。プローブは、デオキシリボ核酸、リボ核酸またはヌクレオチドアナログであり得る。プローブは、少なくとも1つのフルオロフォアで標識し得る。

本発明のもう一つの態様は、大豆事象MON87705の後代の接合状態を決定する方法であり、この方法は、(a)プライマーセットSQ21928(配列番号:11)、SQ20901(配列番号:12)、および大豆事象MON87705からのゲノムDNAとの核酸増幅反応において用いた場合に、第1のアンプリコンを生成し、大豆事象MON87705に特徴的である、プライマーSQ21928およびSQ20901、ならびに6FAM(商標)標識プライマー/プローブPB10164の組合せからの蛍光シグナルを放出するプローブ6FAM(商標)標識PB10164(配列番号:13)と、大豆DNAを含む試料とを接触させ、(b)核酸増幅反応を行ない、それにより、第1のアンプリコンを生成し;次いで、(c)該第1のアンプリコンを検出し;次いで、(d)大豆DNAを含む試料と、プライマーセットのSQ21928(配列番号:11)およびSQ21905(配列番号:15)、ならびに大豆植物からのゲノムDNAとの核酸増幅反応に用いた場合に、第2のアンプリコンを生成し、大豆事象MON87705と同定した導入遺伝子挿入の大豆ゲノム領域に相同的な野生型大豆ゲノムDNAに特徴的である蛍光シグナルを放出するVIC(商標)標識PB10335(配列番号:14)とを接触させ;(e)核酸増幅反応を行い、それにより、第2のアンプリコンを生成し;次いで、該第2のアンプリコンを検出し;次いで、(g)試料中の第1および第2のアンプリコンを比較し、ここに、双方のアンプリコンの存在は、その試料が導入遺伝子挿入につきヘテロ接合性であることを示すことを含む。

本発明のもう一つの態様は、大豆事象MON87705の後代の接合状態を決定する方法であり、この方法は、(a)大豆DNAを含む試料と、プライマーセットSQ21928(配列番号:11)、SQ20901(配列番号:12)、および大豆事象MON87705からのゲノムDNAとの核酸増幅反応に用いた場合に大豆事象MON87705に特徴的であるプライマーSQ21928およびSQ20901の組合せから第1のアンプリコンを生成するSQ21905(配列番号:15)とを接触させ;(b)核酸増幅反応を行ない、それにより、第1のアンプリコンを生成し;次いで、(c)該第1のアンプリコンを検出し;次いで、(d)大豆DNAを含む試料と、SQ21928およびSQ21905、ならびに大豆植物からのゲノムDNAとの核酸増幅反応に用いた場合に、大豆事象MON87705と同定された導入遺伝子挿入の大豆ゲノム領域に相同性の野生型大豆ゲノムDNAに特徴的であるプライマーSQ21928およびSQ21905の組合せから第2のアンプリコンを生成するものとを接触させ;(e)核酸増幅反応を行ない、それにより、第2のアンプリコンを生成し、次いで、(f)該第2のアンプリコンを検出し;次いで、(g)試料中の第1および第2のアンプリコンを比較し、ここに、双方のアンプリコンの存在は、その試料が導入遺伝子挿入にヘテロ接合性であることを示すことを含む。

また、本発明は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択されるDNA分子を有する組成物を提供し、ここに、該組成物は、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加分解物およびホイップトッピングよりなる群から選択される商品である。

本発明のもう一つの態様は、生物学的試料中の大豆事象MON87705の存在に特徴的なヌクレオチド配列の存在を検出する方法であって、この方法は、ヌクレオチド配列の存在を検出することを含み、ここに、該配列は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択され、該生物学的試料は、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物およびホイップトッピングよりなる群から選択される。

配列番号:1、2および18下で示された1以上の配列の検出に基づいて設計されたヌクレオチド成分を含む、大豆試料中の大豆事象MON87705の検出用キットが提供される。配列番号:3、4または5から設計されたプライマーを用いる、大豆事象MON87705の検出用キットが提供される。該キットを用いて生成されたアンプリコンは、アンプリコンが配列番号:1、2および18下でリストされた1以上のヌクレオチド配列を含む場合にMON87705に特徴的である。

本発明のもう一つの態様は、改変された脂肪酸レベルを含む大豆植物を生成する方法であり、この方法は、大豆事象MON87705を含む植物と大豆事象MON87705を欠く大豆植物とを交配させて、該大豆事象MON87705および改変された脂肪酸レベルを含む植物を得ることを含み、ここに、該事象を含む種子の代表的試料は、ATCC受入番号PTA−9241下で寄託された。

また、大豆事象MON87705を含む大豆変種を生成する方法が提供され、この方法は、該変種に大豆事象MON87769を戻し交配し、ここに、該事象を含む種子の代表的試料は、ATCC受入番号PTA−9241下寄託された。

本発明のもう一つの態様は、約55〜80%のオレイン酸および8%未満の飽和脂肪酸を含む油組成物を有する種子を生成できる大豆植物であり、ここに、該油組成物用の遺伝的決定基は、ATCC受入番号PTA−9241を有する大豆から入手可能である。また、その大豆植物からの種子から得られた油組成物および、食用油、サラダ油、ショートニング、レシチン、無毒性プラスチック、印刷用インク、滑沢剤、ワックス、作動液、電気的変圧器流体、溶剤、化粧品、ヘアケア製品およびバイオディーゼルよりなる群から選択される油から由来した商品が提供される。

本発明の油は他の油と混合し得る。1つの態様において、本発明の植物から生成されたか、または本発明の方法によって生成された油は、いずれかの生成物の油成分の容積または重量で0.5%、1%、5%、10%、25%、50%、75%または90%を超えて含まれる。もう一つの態様において、油調製物を混合でき、その混合物の10容積%、25容積%、35容積%、50容積%または75容積%を超えて含むことができる。本発明の植物から生成された油は、1またはそれを超える有機溶媒または石油蒸留物と混合できる。

本発明のさらなる態様は、配列番号:1、2および18下でリストされた配列よりなる群から選択される配列を有するポリヌクレオチドを含む大豆細胞のゲノムである。

本発明のもう一つの態様は、MON87705の大豆植物もしくは種子、または種子後代、あるいはMON87705のその植物もしくは種子に由来する生成物である。植え付けまたは商品を調製するための販売用種子は、本発明の態様である。かかる商品は、限定されるものではないが、全体または加工された大豆種子、動物食料、植物油、ミール、粉末、無毒性プラスチック、印刷用インク、滑沢剤、ワックス、作動液、電気的変圧器流体、溶剤、化粧品、ヘアケア製品、豆乳、ソイナッツバター、納豆、テンペ、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物、ホイップトッピング、料理油、サラダ油、ショートニング、レシチン、食用の全大豆(生、ローストまたは枝豆として)、豆乳、大豆ヨーグルト、大豆チーズ、豆腐、ゆばおよびバイオディーゼルを含む。 本発明の前記の態様および他の態様は、以下の詳細な記載からより明らかになるであろう。

大豆植物MON87705を生成するために用いた、バイナリー形質転換ベクターpMON95829の地図。

大豆事象MON87705のゲノム中の遺伝子組換え挿入物の構造化;[A]は、配列番号:3と配列番号:5との間の結合部を形成する配列番号:1の相対的位置に対応する;[B]は、配列番号:4と配列番号:5との間の結合部を形成する配列番号:2の相対的位置に対応する;[C]は、配列番号:3の相対的位置に対応し、その大豆ゲノム配列は、事象MON87705におけるゲノムへ組み込まれた発現カセットの任意に割当/指定された5’終端に隣接する;[D]は、配列番号:4の相対的位置に対応し、その大豆ゲノム配列は、事象MON87705におけるゲノムへ組み込まれた発現カセットの任意に割当/指定された3’終端に隣接する;[E]は、配列番号:5を含む種々の要素を表し、事象MON87705のゲノムに挿入された発現カセットの配列である;また、[F]は、左から右に図中で表わされるように、配列番号:3、配列番号、5および配列番号:4を含む隣接する配列を表し、ここに、配列番号:1および配列番号:2は、前記のごとく組み込まれ、これらの配列は、事象MON87705におけるゲノムに存在する。

(配列の簡単な記載) 配列番号:1− 大豆ゲノムDNAと組込みT−DNAとの間の5’左境界結合部を表す20個のヌクレオチド配列。この配列は、配列番号:6の第3413〜3432位に対応する。加えて、配列番号:1(図2の[A])は、配列番号:3の第3432〜3422位に対応するヌクレオチド配列であり([C]、図2参照)、配列番号:5の第1〜10位に対応する組込みT−DNAの5’左境界である([E]、図2参照)。

配列番号:2− 組込みT−DNAと大豆ゲノムDNAとの間の3’左境界結合部を表す20個のヌクレオチド配列。この配列は、配列番号:6の第10664〜10683位に対応する。加えて、配列番号:2([B]、図2参照)は、配列番号:5の第7242〜7251位に対応するヌクレオチド配列であり([E]、図2参照)、配列番号:4の第1〜10位に対応する3’フランキング配列である([D]、図2参照)。

配列番号:3− T−DNA挿入までのMON87705の挿入DNAに隣接する5’配列。 配列番号:4− T−DNA挿入までのMON87705の挿入DNAに隣接する3’配列。 配列番号:5− 組込み後の残りの境界配列を含めた、挿入T−DNAの配列。

配列番号:6− MON87705の挿入DNAに隣接する5’配列(配列番号:3)、組込み発現カセットの配列(配列番号:5)、およびMON87705の挿入DNAに隣接する3’配列(配列番号:4)のコンティグを表わす13188bpのヌクレオチド配列。

配列番号:7− pMON95829 T−DNAの共同組込みからMON87705中で組み立てた、aroA−CP4発現カセットおよびFAD2−1A/FATB抑制カセットを表わす6583bpのヌクレオチド配列。

配列番号:8− MON87705事象を同定するために用いたプライマーSQ20129。プライマーSQ20129は、配列番号:6の第10645〜10663位に対応する3’左境界に近接する挿入T−DNAの3’における領域に対応する。 プライマーSQ20129およびSQ20130の組合せを用いて生成されたPCR アンプリコンは、事象MON87705の存在に陽性である。

配列番号:9− MON87705を同定するために用いたプライマーSQ20130。プライマーSQ20130は、配列番号:6の第10688〜10707位に対応するT−DNA挿入境界の領域3’に相補的である。プライマーSQ20129およびSQ20130の組合せを用いて生成されたPCRアンプリコンは、事象MON87705の存在に陽性である。

配列番号:10− MON87705の事象を同定するために用いたプローブPB10043。このプローブは、その配列が配列番号:6の第10666〜10686位に対応する、6FAM(商標)標識された合成オリゴヌクレオチドである。6FAM(商標)標識されたプローブPB10043と組み合わせたプライマーSQ20129およびSQ20130を用いる増幅反応における蛍光シグナルの放出は、事象MON87705に特徴的である。

配列番号:11− MON87705の事象を同定するために用いたプライマーSQ21928。プライマーSQ21928は、配列番号:6の第10675〜10699位に対応するT−DNA挿入境界の領域3’に相補的である。プライマーSQ20901およびSQ21928の組合せを用いて生成されたPCRアンプリコンは、事象MON87705の存在に陽性である。また、プライマーSQ21928は、MON87705事象の接合状態を決定するために用いる。6FAM(商標)標識されたプローブPB10335ならびにプライマーSQ21928およびSQ21905を用いるPCRアンプリコンの検出および蛍光シグナルの放出は、接合状態アッセイにおける野性型の存在に陽性である。18塩基対のその配列は、配列番号:6の第1053〜1070位に対応し、残りの7塩基対は、MON87705事象の生成において喪失した配列番号:17に示された野性型配列の40塩基対の領域における7塩基対に対応する。

配列番号:12− MON87705事象を同定するために用いたプライマーSQ20901。プライマーSQ20901は、配列番号:6の第10624〜10647位に対応する3’左境界に近接する挿入T−DNAの3’における領域に対応する。プライマーSQ21928およびSQ20901の組合せから生成されたPCRアンプリコンは、事象MON87705の存在に陽性である。

配列番号:13− MON87705事象を同定するために用いたプローブPB10164。このプローブは、その配列が配列番号:6の第10651〜10670位に対応する6FAM(商標)標識された合成オリゴヌクレオチドである。6FAM(商標)標識されたプローブPB10164と組み合わせたプライマーSQ21928およびSQ20901を用いる増幅反応における蛍光シグナルの放出は、事象MON87705に特徴的である。

配列番号:14− MON87705事象の接合状態を決定するために用いたプローブPB10335。このプローブは、その配列が野生型ゲノムDNAの領域に対応するVIC(商標)標識された合成オリゴヌクレオチドである。プライマーSQ21928およびSQ21905を用いて生成されたPCRアンプリコンは、事象MON87705についての接合状態アッセイにおける野生型対立遺伝子の存在に陽性であるプローブPB10335を用いる蛍光シグナルの放出を生じる。この配列は、事象MON87705事象の生成において喪失した配列番号:17としてリストされた40塩基対の野性型配列の第12〜31位に対応する。

配列番号:15− MON87705事象の接合状態を決定するために用いたプライマーSQ21905。6FAM(商標)標識されたプローブPB10335ならびにプライマーSQ21928およびSQ21905を用いるPCRアンプリコンの検出は、接合状態アッセイにおける野性型の存在に陽性である。16塩基対の配列は配列番号:6の第1037〜1052位に対応するが、このプライマーは、MON87705事象の生成において喪失した配列番号:16としてリストされた40塩基対領域の野生型配列に10塩基対を継続する。

配列番号:16− タンデム反復配列(配列番号:17)および5’ゲノム配列の結合部にて喪失した40塩基対の配列。この配列は野性型で見出され、配列番号:6における塩基対1052および1053間に位置し、MON87705事象の生成中に喪失しなかったであろう。また、MON87705事象の生成にゲノム配列の重複により、末端の12塩基の配列は、配列番号:6の第10670〜10681位に位置するが、残りの28塩基対は、MON87705事象に完全に不存在であり、従って、接合状態についてのアッセイ中に野性型を同定するために利用し得る。

配列番号:17− この2370bpの配列は、MON87705事象の生成に際して重複させたようである野性型ゲノム配列の一部分である。この領域の重複は、第1053〜3422位に対応し、配列番号:6の第10682〜13051位にほとんど同一である。この領域のDuplicate Genomewalker(商標)ベースのクローンは、3’終端および大豆ゲノム配列に比較した場合、挿入物の5’終端に位置した繰り返しにおける2つのミスマッチを共有した。その重複(配列番号:16)の5’終端に見出された欠失と共に、5’反復における2つの改変された塩基は、さらに、第1053〜3422位に対応するタンデム配列が新しく生成された配列であり、一方、第10682〜13051位に対応する配列が元来の野性型配列であることに導く。

配列番号:18− この106bpの配列は、事象MON87705を与える2つのpMON95829 T−DNAの共同組込みに際して生成された右境界から右境界結合部にわたる。それは、逆方向反復配列の各アームからのものである20塩基の抑制標的FATBで始まって終了し、MON87705事象で見出された配列の組込みにおいて生成された残りの境界配列および挿入配列を含む。この配列は、配列番号:6の第9230〜9335位に対応する。この配列は、2つのT−DNAのin vivoアセンブリーのランダムな性質により、抑制カセット内に位置するが、その配列の組合せはMON87705事象に特有である。

配列番号:19− そのGenomewalker(商標)誘導の5’隣接伸長の増幅用のAP2と組み合わせた第2(入れ子)PCRに用いたプライマー24894。この配列は、配列番号:6の第3722〜3748位に対応する。

配列番号:20− そのGenomewalker(商標)誘導の5’隣接伸長の増幅のためにAP1と組み合わせた一次PCRに用いるプライマー24895。この配列は、配列番号:6の第3798〜3827位に対応する。

(詳細な記載) 以下の定義および方法は、本発明をより良好に定義し、本発明の実施において当業者を導くために提供される。特記しない限りは、用語は、関連技術分野における当業者による通常の使用に従い理解されるものである。また、分子生物学における通常の用語の定義は、Riegerら, Glossary of Genetics: Classical and Molecular, 5th edition, Springer−Verlag: New York, 1991; およびLewin, Genes V, Oxford University Press: New York, 1994に見出すことができる。

本明細書に用いた「大豆」なる用語は、ダイズ(Glyycine max)を意味し、野生大豆種ならびに、種間の育種を可能とするツルマメ(Glycine soja)に属するそれらの植物を含めて大豆で育種できる全植物変種を含む。

「グリホサート」とは、N−ホスホノメチルグリシンおよびその塩をいう。N−ホスホノメチルグリシンは、広範囲の植物種に対して活性を有するよく知られた除草剤である。

「不飽和化酵素」は、モノもしくはポリ不飽和脂肪酸、またはその前駆体を生成する1以上の脂肪酸の連続する炭素間の二重結合の形成を不飽和化または触媒できるポリペプチドをいう。特に注目されるのは、オレイン酸のリノール酸へのまたはリノール酸のα−リノレン酸への転換を触媒できるポリペプチドであり、それは第12または15位にて不飽和化する酵素を含む。不飽和化酵素活性を有する特定のポリペプチドの選定についての考慮は、限定されるものではないが、ポリペプチドのpH至適、ポリペプチドが速度制限の酵素またはその成分であるか、用いる不飽和化酵素が所望のPUFAの合成に必須か、および/または共同因子がポリペプチドによって必要とされるかを含む。その発現されたポリペプチドは、むしろ宿主細胞中のその位置の生化学的環境と適合する特性を有する。例えば、ポリペプチドは基質につき競合しなければならないかもしれない。また、内因性不飽和化酵素は、遺伝子抑制の標的であり得る。

「チオエステラーゼ」は、特にチオール基にて(水の存在下でエステル結合を酸およびアルコールに分割する)分子のチオエステル結合を加水分解できるポリペプチドをいう。特に注目されるのは、アシル-アシル担体蛋白(アシル−ACP)、特に、ステアロイル−ACPおよびパルミトイル−ACP基質に含まれたチオエステル結合の加水分解を触媒できるポリペプチドである。かかる加水分解は、遊離脂肪酸およびACPを生成し、それにより、色素体に位置する植物の脂肪酸生合成を終了させ、細胞質への搬出のための脂肪酸を準備する。チオエステラーゼ活性を有する特定のポリペプチドの選定についての考慮は、限定されるものではないが、ポリペプチドのpH至適、ポリペプチドが速度制限の酵素またはその成分であるか、用いるチオエステラーゼが、飽和脂肪酸の生成の増加に必須であるかを含む。発現されたポリペプチドは、好ましくは、宿主細胞におけるその位置の生化学的環境と適合する特性を有する。例えば、ポリペプチドは、基質につき競合しなければならないかもしれない。また、内因性チオエステラーゼは、遺伝子抑制の標的であり得る。

「商品」とは、大豆またはダイズ油に由来した材料を含み、消費者に販売されるいずれかの生成物をいう。加工された大豆は、世界中でタンパク質食料および植物油の最大の源である。大豆植物MON87705を用いて、大豆から典型的に獲得した商品を製造できる。MON87705の大豆は、ミール、粉末、または油に加工でき、ならびに動物食料中のタンパク質または油源として陸生および水生動物の双方に用いることができる。MON87705からの大豆およびダイズ油は、多数の異なる生成物、限定されるものではないが、無毒性プラスチック、印刷用インク、滑沢剤、ワックス、作動液、電気的変圧器流体、溶剤、化粧品およびヘアケア製品の製造に用いることができる。MON87705の大豆および油は、豆乳、ソイナッツバター、納豆およびテンペのごとき全大豆から調製された種々の大豆食品、ならびに大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物、ホイップトッピング、料理油、サラダ油、ショートニング、およびレシチンを含めた加工大豆およびダイズ油から調製された種々の大豆食品に用いるのに適当であることができる。また、全大豆は食用であり、消費者に生、ローストまたは枝豆として典型的に販売される。浸漬および粉砕することにより典型的に製造される豆乳を、他の加工、スプレー乾燥なくして消費し得るか、または大豆ヨーグルト、大豆チーズ、豆腐またはゆばを形成するように加工し得る。

MON87705の油を用いて、バイオディーゼルを調製できる。従来のディーゼルエンジンにおけるバイオディーゼルの使用の結果、石油ディーゼル燃料に比較して、硫酸塩、一酸化炭素および微粒子のごとき汚染物質の実質的な低下を生じ、スクールバスにおける使用は、有毒ディーゼル排気に対する曝露を大幅に低減できる。バイオディーゼルは、大豆油を抽出、濾過および精製して、遊離脂肪およびリン脂質を除去し、次いで、メタノールで油をエステル転移反応させて、脂肪酸のメチルエステルを形成することにより典型的には得られる(例えば、米国特許第5,891,203号を参照)。得られた大豆メチルエステルを一般的に「バイオディーゼル」という。MON87705に由来する油を、例えば、アセタールと油を混合することにより、メチルエステルの形成なくして、ディーゼル燃料として用いることもできる(米国特許第6,013,114号参照)。該油を調製するために用いたMON87705の種子は、本発明の方法により同定できる。MON87705事象の種子あるいはそのいくらかまたはすべてがMON87705である種子の混合物からの精製された油が、相対的に、テストに利用可能なDNAを有しないであろうことが予期される。しかしながら、油が抽出された種子は、該油を調製するのに用いた種子の集合内でMON87705事象の存在を同定する本発明の方法で特徴付けることができる。また、該油を調製するために用いたプロセスからの植物廃棄物は、本発明の方法を用いて、該油を調製するために加工された種子の混合物内でMON87705の存在を同定することができる。同様に、商品の調製後に残されたか、または大豆種子の収穫後に残された植物残渣は、該商品を調製するのに用いた原料内でMON87705事象を同定する本発明の方法により特徴付けることができる。

また、本発明は、MON87705の混合されたまたは混合されていないダイズ油を含む。かかる油は、他の油と混合し得る。好ましい具体例において、本発明の植物から生成されたか、または本発明の方法によって生成された油は、いずれかの生成物の油成分の容積または重量で0.5%、1%、5%、10%、25%、50%、75%または90%を超えて含まれる。もう一つの具体例において、油調製物は混合でき、容積で混合物の10%、25%、35%、50%または75%を超えて含むことができる。本発明の植物から生成された油は、1以上の有機溶媒または石油蒸留物と混合できる。

遺伝子組換え「事象」は、異種のDNA、すなわち、注目する導入遺伝子を含む核酸構築体での植物細胞の形質転換、植物のゲノム中への導入遺伝子の挿入に起因する植物の集団の再生、および特定のゲノム位置への挿入により特徴付けられた特定の植物の選択によって生成される。「事象」なる用語は、異種のDNAを含む元来の形質転換体および形質転換体の後代をいう。また、「事象」なる用語は、形質転換体およびもう一つの変種間の性的外交配によって生成された後代をいい、ここに、その後代は異種のDNAを含む。反復親への戻し交配の反復後にさえ、元来の形質転換からの挿入DNAおよびフランキングDNAは、同一染色体の位置での交配の後代に存在し得る。また、「事象」なる用語は、挿入DNA(例えば、自家受粉に起因する元来の形質転換体および後代)を含む1つの親系、および挿入DNAを含まない親系の性的交配の結果として、注目される導入遺伝子を含む挿入DNAを受け取る子孫に形質転換されることが期待されるであろう、その挿入DNAおよび挿入DNAに直ちに隣接しているフランキングゲノム配列を含む元来の形質転換体からのDNAをいう。本発明は、MON87705に由来した事象MON87705 DNA、植物細胞、組織、種子および加工生成物に関する。

また、2種の異なる遺伝子組換え植物、または遺伝子組換え植物および野生型植物を交配して、2つの独立して分離して追加された外来性遺伝子を含む子孫を生成できると理解されるべきである。その子孫はその遺伝子にホモ接合性またはヘテロ接合性であることができる。適当な後代の自家受粉は、双方の追加された外来性遺伝子にホモ接合性である植物を生成できる。また、親植物への戻し交配および非遺伝子組換え植物との外交配は、栄養繁殖であるので考えられる。異なる形質および作物に一般的に用いられる他の育種方法の記載は、いくつかの参考文献のうちの1つ、例えば、Fehr, in Breeding Methods for Cultivar Development, Wilcox J. ed., American Society of Agronomy, Madison WI (1987) に見出すことができる。

本明細書に用いた「単離されたDNA分子」を参照する場合に、そのDNA分子は、単独または他の組成物と組み合わせて存在するものであるが、その自然環境内にないものであることを意図する。例えば、大豆ゲノムのDNA内で天然に見出されるコード配列、イントロン配列、非翻訳リーダー配列、プロモーター配列、転写終結配列等は、それらが大豆ゲノム内にある限りは、大豆ゲノムから単離されると考えられない。しかしながら、これらの各成分およびこれらの成分のサブ部分は、構造および成分が大豆ゲノム内にない限りは、この開示の範囲内で「単離された」であろう。この開示の目的で、いずれかの遺伝子組換えヌクレオチド配列、すなわち、大豆植物事象MON87705の細胞のゲノムに挿入されたDNAのヌクレオチド配列は、MON87705事象が生起する大豆細胞を形質転換するのに用いるプラスミド内にそれが存在するか、事象MON87705のゲノム内で、事象MON87705に由来した組織、後代、生物学的試料または商品に検出可能な量で存在するかに拘らず単離されたヌクレオチド配列であると考えられる。ヌクレオチド配列またはそれに由来するいずれの断片も、そのDNA分子が細胞もしくは組織、または植物または種子または植物器官からのホモジネートから抽出できるか、または細胞もしくは組織、または植物または種子または植物器官からのホモジネートから抽出されたDNAまたはRNAからのアンプリコンとして生成できるならば、単離されるか、または単離可能であると考えられ、そのいずれもが、事象MON87705に由来したかかる物質に由来する。その点において、配列番号:1、2および18に記載の結合配列、ならびにこれらの結合配列をさらに含む事象MON87705に由来したヌクレオチド配列は、これらの配列が、事象MON87705の細胞のゲノム内に存在するか、事象MON87705に由来する組織、後代、生物学的試料または商品に検出可能な量において存在するかに拘らず、単離されるかまたは単離可能であると考えられる。

また、本発明のDNA分子は、組換え体DNA分子であり得る。本明細書に用いた組換え体なる用語は、いずれかの剤(例えば、DNA、ペプチド等)、すなわち、または如何に間接的であろうとも、核酸分子のヒトの操作からの結果を意味する。

「プローブ」は、従来の検出可能な標識またはリポーター分子、例えば、放射性同位体、リガンド、化学発光剤または酵素が付着した単離された核酸である。かかるプローブは、標的核酸の鎖、本発明の場合には大豆事象MON87705からのDNAを含む大豆植物または試料からであろうとも、その事象からのゲノムDNAの鎖に相補的である。本発明によるプローブは、デオキシリボ核酸またはリボ核酸だけではなく、標的DNA配列に特異的に結合するポリアミドおよび他のプローブを含み、かかる結合を用いて、その標的DNA配列の存在を検出できる。

「プライマー」は、核酸ハイブリダイゼーションによって相補的な標的DNA鎖にアニーリングされて、プライマーおよび標的DNA鎖間のハイブリッドを形成し、次いで、ポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)によって標的DNA鎖に沿って伸長される単離された核酸である。本発明のプライマー対とは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または他の通常の核酸増幅方法によって標的核酸配列の増幅のためのそれらの使用をいう。

プローブおよびプライマーは、一般的には、長さが11個以上のヌクレオチド、好ましくは15個以上のヌクレオチド、より好ましくは18個以上のヌクレオチド、より好ましくは20個以上のヌクレオチド、より好ましくは24個以上のヌクレオチド、および最も好ましくは、30個以上のヌクレオチドである。かかるプローブおよびプライマーは、高ストリンジェンジー・ハイブリダイゼーション条件下で標的配列に特異的にハイブリダイズする。好ましくは、本発明によるプローブおよびプライマーは、標的配列との完全な配列類似性を有するが、その標的配列とは異なり、標的配列にハイブリダイズする能を保持するプローブを通常の方法により設計し得る。

プローブおよびプライマーを調製および使用する方法は、例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., vol. 1−3, Sambrookら編, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989 (以下、「Sambrookら, 1989」); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubelら編, Greene Publishing and Wiley−Interscience, New York, 1992 (定期更新) (以下、 「Ausubelら, 1992」); およびInnisら, PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press: San Diego, 1990に記載されている。PCRプライマー対は、例えば、Primer (Version 0.5, c 1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MA)のごときその目的を意図されたコンピュータープログラムを用いることにより公知の配列から誘導できる。

本明細書に開示されたフランキングDNAおよび挿入配列に基づいたプライマーおよびプローブを用いて、通常の方法、例えば、かかる配列を再クローニングおよび配列決定することにより開示されたハイブリダイズを確認(および必要ならば、修正)することができる。

本発明の核酸プローブおよびプライマーは、ストリンジェントな条件下で標的DNA配列にハイブリダイズする。いずれの通常の核酸ハイブリダイゼーションまたは増幅方法も用いて、試料中の遺伝子組換え事象からのDNAの存在を同定できる。核酸分子またはその断片は、ある種の状況下で他の核酸分子に特異的にハイブリダイズできる。本明細書に用いた2つの核酸分子は、その2つの分子が逆平行二本鎖の核酸構造を形成できるならば、相互に特異的にハイブリダイズできると言われる。核酸分子は、それらが完全な相補性を示すならば、もう一つの核酸分子の「相補体」であると言われる。本明細書に用いた分子は、その分子の1つのすべてのヌクレオチドが他方のヌクレオチドに相補的である場合に「完全な相補性」を示すと言われる。2つの分子は、それらが少なくとも通常の「低ストリンジェンシー」条件下でそれらが相互にアニーリングされたままとすることを可能とするのに十分な安定性を持って相互にハイブリダイズできるならば、「最小に相補的である」と言われる。同様に、それらの分子は、それらが通常の「高ストリンジェンシー」条件下でそれらが相互にアニーリングされたままとすることを可能とするのに十分な安定性を持って相互にハイブリダイズできるならば、「相補的」であると言われる。通常のストリンジェンシー条件は、Sambrookら, 1989, および Haymesら, Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach, IRL Press, Washington, DC (1985)により記載されている。従って、完全な相補性からの逸脱は、かかる逸脱が二本鎖構造を形成する分子の能力を完全に除外しない限りは、許される。核酸分子がプライマーまたはプローブとして機能するために、使用した特定の溶媒および塩の濃度下で二本鎖構造を形成できる配列において十分に相補性であることだけが必要である。

本明細書に用いた、実質的に相同性の配列は、高ストリンジェンシー条件下でそれが比較されるべき核酸配列の相補体に特異的にハイブリダイズするであろう核酸配列である。DNAハイブリダイゼーションを促進する適当なストリンジェンシー条件、例えば、約45℃の6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)に続けて、50℃の2.0×SSCの洗浄は、当業者に知られているか、またはCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1−6.3.6に見出すことができる。例えば、洗浄工程における塩濃度は、50℃の約2.0×SSCの低ストリンジェンシーから50℃の約0.2×SSCの高ストリンジェンシーまでから選択できる。加えて、洗浄工程における温度は、室温、約22℃の低ストリンジェンシー条件から約65℃の高ストリンジェンシー条件に増加できる。温度および塩の双方は変更でき、または温度もしくは塩濃度のいずれかを一定に保持し、他方の変数を変化させ得る。ある具体例において、本発明の核酸は、適度にストリンジェントな条件下、例えば、約2.0×SSCおよび65℃で、配列番号:1および2に記載された1以上の核酸分子またはその相補体あるいはいずれかの断片に特異的にハイブリダイズするであろう。特に好ましい具体例において、本発明の核酸は、高ストリンジェンシー条件下、配列番号:1および2に記載された1以上の核酸分子またはその相補体あるいはいずれかの断片に特異的にハイブリダイズするであろう。本発明の1つの態様において、本発明のマーカー核酸分子は、配列番号:1および2に記載された1以上の核酸分子またはその相補体あるいはいずれかの断片を有する。本発明のもう一つの態様において、本発明のマーカー核酸分子は、配列番号:1および2に記載された1以上の核酸分子またはその相補体あるいはいずれかの断片と80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%および100%の配列同一性を共有する。本発明のもう一つの態様において、本発明のマーカー核酸分子は、配列番号:1および2に記載された1以上の核酸分子またはその相補体あるいはいずれかの断片と95%、96%、97%、98%、99%および100%の配列同一性を共有する。配列番号:1および2は、単純な配列反復DNAマーカー解析につきDNA markers: Protocols, applications, and overviews: (1997) 173−185, Creganら編, Wiley−Liss NY(その全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に記載された方法に同様の遺伝的交雑の子孫を同定するための植物育種方法におけるマーカーとして用い得る。標的DNA分子へのプローブのハイブリダイゼーションは、当業者に知られた多数の方法によって検出でき、これらは、限定されるものではないが、蛍光性タグ、放射性タグ、抗体ベースのタグおよび化学発光タグを含むことができる。

特定の増幅プライマー対を用いる標的核酸配列の増幅(例えば、PCRによる)について、「ストリンジェントな条件」は、プライマー対が標的核酸配列にだけにハイブリダイズすることを可能にする条件であり、ここに、この標的核酸配列に、対応する野生型配列(またはその相補体)を有するプライマーが、DNA熱増幅反応において、好ましくは、ユニークな増幅生成物のアンプリコンを生成するために結合するであろう。

「(標的配列)に特異的」なる用語は、プローブまたはプライマーが、標的配列を含む試料中の標的配列にだけ、ストリンジェントなハイブリダイゼーション下でハイブリダイズすることを示す。

本明細書に用いた「増幅されたDNAまたはアンプリコン」とは、核酸テンプレートの一部である標的核酸配列の核酸増幅の生成物をいう。例えば、性的交配に起因する大豆植物が本発明の大豆植物からの遺伝子組換え事象ゲノムDNAを含むかどうかを決定するために、大豆植物組織試料から抽出されたDNAは、挿入された異種のDNAの挿入部位に隣接する植物のゲノム中のフランキング配列に由来したプライマー、およびその事象DNAの存在に特徴的であるアンプリコンを生成するための挿入された異種のDNAに由来した第2のプライマーを含むプライマー対を用いる核酸増幅方法に付すことができる。アンプリコンは、ある長さであり、その事象に特徴的でもある配列を有する。アンプリコンは、プライマー対+1つのヌクレオチド塩基対、好ましくは+約50個のヌクレオチド塩基対、より好ましくは+約250個のヌクレオチド塩基対、さらにより好ましくは+450個のヌクレオチド塩基対の組み合わせた長さからの長さの範囲にあり得る。あるいは、プライマー対は、全挿入物ヌクレオチド配列を含むアンプリコンを生成するように挿入されたDNAの両側にてフランキング配列に由来することができる。植物ゲノム配列に由来したプライマー対のメンバーは、挿入されたDNA分子からある距離にて位置でき、この距離は、1個のヌクレオチド塩基対から約20,000個のヌクレオチド塩基対までの範囲にあることができる。「アンプリコン」なる用語の使用は、DNAの熱増幅反応において形成し得るプライマー二量体を特に除外する。

核酸増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含めた、当該技術分野において知られた種々の核酸増幅方法のいずれによっても達成できる。種々の増幅方法は、当該技術分野において知られており、特に、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号ならびにPCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, ed. Innisら, Academic Press, San Diego, 1990に記載されている。PCR増幅方法は、22kbまでのゲノムDNAおよび42kbまでのバクテリオファージDNAを増幅するために開発された(Chengら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:5695−5699, 1994)。DNA増幅の技術分野において知られたこれらの方法ならびに他の方法は、本発明の実施において用い得る。ATCC PTA−9241として寄託された種子試料を含む大豆事象MON87705からの異種のDNA挿入物の配列またはフランキング配列は、本明細書に提供された配列に由来するプライマーを用いてその事象からかかる配列を増幅するのに続いて、そのPCRアンプリコンまたはそのクローニングされたDNAの標準的なDNA配列決定により確認できる。

これらの方法によって生成されたアンプリコンは、複数の技術によって検出し得る。かかる1つの方法は、隣接するフランキングゲノムDNA配列および挿入されたDNA配列の双方をオーバーラップさせるDNAオリゴヌクレオチドが設計されているGenetic Bit Analysis (Nikiforov,ら Nucleic Acid Res. 22:4167−4175, 1994)である。そのオリゴヌクレオチドは、マイクロウェルプレートのウェルに固定化する。(挿入された配列における1つのプライマーおよび隣接したフランキングゲノム配列における1つのプライマーを用いた)注目する領域のPCR後に、一本鎖PCR生成物を固定化オリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、DNAポリメラーゼおよび期待された次の塩基に特異的な標識されたddNTPを用いて、単一塩基伸長反応のためのテンプレートとして機能できる。読み取りは、蛍光性またはELISAべースであり得る。シグナルは、増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一塩基伸長の成功により挿入物/フランキング配列の存在を示す。

もう一つの方法は、Winge (Innov. Pharma. Tech. 00:18−24, 2000)によって記載されたピロシーケンス(Pyrosequencing)技術である。この方法において、隣接するゲノムDNAおよび挿入物DNA結合部をオーバーラップさせるオリゴヌクレオチドが設計される。そのオリゴヌクレオチドは、注目する領域からの一本鎖のPCR生成物にハイブリダイズされ(挿入された配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列の1つのプライマー)、DNAポリメラーゼ、ATP、スルフリラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼ、アデノシン5’ホスホスルファートおよびルシフェリンの存在下でインキュベートされる。dNTPは個々に加えられ、その組み込みの結果、光シグナルが測定される。光シグナルは、増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一または多重の塩基伸長の成功により導入遺伝子挿入物/フランキング配列の存在を示す。

Chenら, (Genome Res. 9:492−498, 1999)によって記載された蛍光偏光法は、本発明のアンプリコンを検出するために用いることができる方法である。この方法を用いて、ゲノムのフランキングおよび挿入されたDNA結合部をオーバーラップさせるオリゴヌクレオチドは設計される。このオリゴヌクレオチドは注目する領域からの一本鎖のPCR生成物にハイブリダイズされ(挿入DNAにおける1つのプライマーおよびフランキングゲノムDNA配列における1つのプライマー)、DNAポリメラーゼおよび蛍光標識ddNTPの存在下でインキュベートされる。単一塩基伸長の結果、ddNTPの組み込みを生じる。組み込みは、蛍光測定器を用いて偏光の変化として測定できる。偏光の変化は、増幅、ハイブリダイゼーションおよび単一塩基伸長の成功による導入遺伝子挿入物/フランキング配列の存在を示す。

TaqMan(商標登録)(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)は、DNA配列の存在を検出および定量する方法として記載され、製造者により提供された指示において十分に理解されている。略言すると、ゲノムフランキングおよび挿入物DNA結合部をオーバーラップさせるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブおよびPCRプライマー(挿入物DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列における1つのプライマー)が熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環する。FRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、蛍光性部分がFRETプローブ上の消光部分から離れて切断および遊離する。蛍光シグナルは、増幅およびハイブリダイゼーションの成功によりフランキング/導入遺伝子挿入物配列の存在を示す。

分子標識(Molecular Beacon)は、Tyangiら (Nature Biotech.14:303−308, 1996)に記載された配列検出に用いるために記載されている。略言すると、フランキングゲノムおよび挿入物DNA結合部をオーバーラップさせるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブのユニークな構造の結果、それは蛍光性および消光部分を隣接に保つ二次構造を含む。FRETプローブおよびPCRプライマー(挿入物DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列における1つのプライマー)が、熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環する。PCR増幅の成功に続いて、標的配列へのFRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、蛍光シグナルの生成を生じる蛍光性および消光部分のプローブ二次構造および空間的分離を除去する。蛍光シグナルは、増幅およびハイブリダイゼーションの成功により、フランキング/導入遺伝子挿入物配列の存在を示す。

マイクロフルイディクス(米国特許公開第2006068398号、米国特許第6,544,734号)のごとき他の記載された方法は、DNA試料を分離および増幅する方法および装置を提供する。光学色素を特異的なDNA分子を検出および定量するために用いる(WO/05017181)。特定のDNA分子を結合し、次いで、検出できるDNA分子またはナノビーズの検出のための電子センサーを含むナノチューブ装置(WO/06024023)。

DNA検出キットは、本明細書に開示された組成物、およびDNA検出の当該技術分野においてよく知られた方法を用いて構築できる。キットは、試料中の大豆事象MON87705 DNAの同定に有用であり、適切な事象DNAを含む大豆植物を育種する方法に適用できる。キットは、配列番号:1〜配列番号:5に相同性または相補的であるDNAプライマーまたはプローブ、あるいはDNAのその導入遺伝子遺伝子要素に含まれたDNAに相同的または相補的なDNAプライマーまたはプローブを含み得る。これらのDNA配列は、DNA増幅反応において、またはDNAハイブリダイゼーション法におけるプローブとして用いることができる。MON87705大豆ゲノムに含まれたゲノムDNAおよび導入遺伝子遺伝子要素の配列は、図2に示され;T−DNAに含まれた導入遺伝子遺伝子要素は以下のように構築される:第1のT-DNAは、オクトピン左境界配列で始まり、続いて、ゴマノハグサ・モザイク・ウィルス(FMV)からの35Sエンハンサー、およびシロイヌナズナTsf1遺伝子からのプロモーター、イントロンおよびリーダー配列を含む第1の人工遺伝子、これは最適化されたaroA−CP4に融合したShkG輸送ペプチドの上流にあり、これは、エンドウマメからのRbcS2(E9)遺伝子の3’UTRの上流にあり、続いて、ベータ−コングリシニン遺伝子のダイズ7Sアルファプライムサブユニットからのプロモーターおよびリーダー配列を含む第2のカセット、これはダイズFAD2およびFATB遺伝子に相同性の配列を含む逆方向反復配列のセンス半分の上流にあり、該センスはノパリン右境界配列の上流にある。第2のT-DNAは、ノパリン右境界配列で始まり、これはダイズFAD2およびFATB遺伝子に相同性の配列を含む逆方向反復配列のアンチセンス半分の上流にあり、該アンチセンスはGossypium barbadense(海島綿)H6遺伝子の3’UTRの上流にあり、該UTRはオクトピン左境界配列の上流にある。これらの配列に由来するプライマー分子は、配列番号:3および配列番号:4に示す事象MON87705の導入遺伝子挿入物にフランキングするゲノムに由来するDNAプライマー分子をさらに含むプライマーセットの一部として用いることができる。

本発明は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含むDNA分子を含む大豆植物を含む。もう一つの態様において、本発明は、大豆植物器官を含み、ここに、その植物器官は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含む。もう一つの態様において、本発明は、大豆植物の後代を含み、その後代は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含む。

また、本発明は、約55〜80%のオレイン酸および8%未満の飽和脂肪酸を含む油組成物を有する種子を生成できる大豆植物を含み、ここに、該油組成物についての遺伝的決定基は、ATCC受入番号PTA−9241を有する大豆から入手可能である。もう一つの態様において、本発明は、大豆事象MON87705を含む植物と大豆事象MON87705を欠く大豆植物とを交配させて、該大豆事象MON87705および改変された脂肪酸レベルを含む植物を得ることを含み、ここに、該事象を含む種子の代表的試料はATCC受入番号PTA−9241下で寄託された。また、さらなる態様において、本発明は、大豆事象MON87769を大豆変種に戻し交配することを含む大豆事象MON87705を含む大豆変種を生成する方法を含み、ここに、該事象を含む種子の代表的試料は、ATCC受入番号PTA−9241下で寄託された。

また、本発明は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含むDNA分子を含む種子から得られた油組成物を含む。もう一つの態様において、本発明は、食用油、サラダ油、ショートニング、レシチン、無毒性プラスチック、印刷用インク、滑沢剤、ワックス、作動液、電気的変圧器流体、溶剤、化粧品、ヘアケア製品およびバイオディーゼルよりなる群から選択される油組成物に由来する商品を含む。

また、本発明は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択される配列であるか、または該配列に相補的である配列を有するポリヌクレオチドを含むDNA分子を含む。もう一つの態様において、本発明は、配列番号:1および配列番号:2よりなる群から選択される少なくとも約11個〜約20個の連続ヌクレオチドを含む、単離されたDNA分子を含む。

また、本発明は、配列番号:1、2および18下にリストされた配列よりなる群から選択される配列を有するポリヌクレオチドを含む大豆細胞のゲノムを含む。

もう一つの態様において、本発明は、生物学的試料中の大豆事象MON87705 DNAの存在を検出する方法であって、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1および配列番号:2ならびにそれらの相補体よりなる群から選択される配列とハイブリダイズし、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:1および配列番号:2ならびにそれらの相補体よりなる群から選択される配列を含まない大豆植物ゲノムDNAとハイブリダイズしないプローブと、その試料とを接触させ;その試料およびプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下に付し;次いで、その試料に対するプローブの結合を検出し;ここに、結合は、試料中の該DNAの存在に特徴的であることを含む該方法を含む。

もう一つの態様において、本発明は、生物学的試料中の大豆事象MON87705の存在に特徴的なヌクレオチド配列の存在を検出する方法であって、配列番号:1、2および18よりなる群から選択されるヌクレオチド配列の存在を検出することを含み、ここに、該生物学的試料は、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物およびホイップトッピングよりなる群から選択されることを含む該方法を含む。

また、本発明は、配列番号:1、2および18下で示された1以上の配列の検出に基づいて設計したヌクレオチド成分を含む大豆試料中の遺伝子組換え事象MON87705の存在または不存在の検出用キットを含む。また、もう一つの態様において、本発明は、配列番号:1、2および18よりなる群から選択されるDNA分子を有する組成物を含み、ここに、該組成物は、大豆ミール、大豆粉末、大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白分離物、組織状大豆蛋白濃縮物、大豆蛋白加水分解物およびホイップトッピングよりなる群から選択される商品である。

以下の実施例は、本発明のある種の好ましい具体例の例を示すために含める。以下の実施例において開示された技術が、本発明者が本発明の実施に良好な機能を見出したアプローチを表し、かくして、その実施についての好ましい様式の例を含むと考えることができることは、当業者により理解されるであろう。しかしながら、本開示に徴して、当業者ならば、多数の変更を開示された特定の具体例になすことができ、依然として、本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似する結果を得ることができることを理解するであろう。

実施例1:pMON95829での大豆A3525の形質転換および事象選択 遺伝子組換え大豆植物MON87705をpMON95829(図1)に由来するDNA断片での大豆細胞のアグロバクテリウム媒介形質転換により生成した。バイナリー植物形質転換ベクターpMON95829は2つの植物形質転換T−DNAを含む。各T−DNAは、T−DNAの末端にて、右境界(RB)および左境界(LB)配列によって隣接してはさまれる。MON87705の形質転換後スクリーニングは、2つのカセット挿入を生成する2つのT−DNAの右境界ないし右境界共同組込みを同定し、一方のT−DNAは、グリホサート耐性を与えるアグロバクテリウムチュメファシエンスからのaroA−CP4遺伝子を発現するように設計され、他方は、内因性のFAD2およびFATB遺伝子(配列番号:7)のRNAiベースの抑制を引き起こすような逆方向反復配列で設計されている。逆方向反復配列構造はpMON95829で見出されていないが、2つのT−DNAのRBないしRBの共同組込みで形成される。この組込み配置は、発現および抑制カセットの双方を含む単一の遺伝子組換えの遺伝子座を生じ、残余の左境界配列(図2)によって隣接してはさまれる。RB:RB組込み部位にて生成されたユニークな配列は、配列番号:18下でリストされる。

T−DNAは以下のように構築される:第1のT−DNAはオクトピンLB配列で始まり、続いて、ゴマノハグサ・モザイク・ウィルス(FMV)からの35Sエンハンサー、シロイヌナズナTsf1遺伝子からのプロモーター、イントロンおよびリーダー配列を含む第1の人工遺伝子、これは、最適化されたaroA−CP4に融合したShkG輸送ペプチドの上流にあり、これは、エンドウマメからのRbcS2(E9)遺伝子の3’UTRの上流にあり、続いて、ベータ−コングリシニン遺伝子のダイズ7Sアルファプライムサブユニットからのプロモーターおよびリーダー配列を含む第2のカセット、これはダイズFAD2およびFATB遺伝子に相同性の配列を含む逆方向反復配列のセンス半分の上流にあり、該センスはノパリンRB配列の上流にある。第2のT−DNAは、ノパリンRB配列から始まり、これは、ダイズFAD2およびFATB遺伝子に相同性の配列を含む逆方向反復配列のアンチセンス半分の上流にあり、これは、Gossypium barbadense(海島綿)H6遺伝子の3’UTRの上流にあり、該UTRはオクトピンLB配列の上流にある。

pMON95829で形質転換された外植片は、アグロバクテリウムチュメファシエンス媒介形質転換を介して得た。植物は形質転換された組織から再生された。約955個のR0形質転換の事象を生成し、Invader(登録商標)(Third Wave Technologies, Inc., Madison, WI)によって2つのT−DNAの存在につきテストした。加えて、RB:RB配置を同定するように設計したPCRを用いて、適切に組み立てられた候補事象を選択した。T−DNAの適切な共同組込みを示すR0事象を自家受粉して、R1種子を生成した。R1種子の脂肪酸組成は、FAME−GC分析によって決定した。これらの分析に基づいて、48個の事象をR2生成に進めた。複数コピーの事象の分離および発現型の特徴付けは、R3生成により候補事象プールを11の事象まで狭くする。

所望ではないベクター配列のコピー数、カセットの無傷さ、遺伝子座および不存在を確認するように設計した詳細なサザン分析を行った。また、引き続いての世代において、圃場性能特性ならびに、残りの事象についての挿入部位のフランキング配列を決定した。一つの後代系で命名された事象MON87705を、その全体的な脂肪酸組成プロフィール(表1)、農学的な効率および分子特性に基づいて選択した。

実施例2:逆PCRを用いるフランキング配列の単離 MON87705におけるT−DNA挿入のフランキング配列を、Ochmanら, 1990 (PCR Protocols: A guide to Methods and Applications, Academic Press, Inc.) に記載された逆PCRを用いて、およびTAIL (Thermal Asymmetric InterLaced)PCRにより決定した。植物ゲノムDNAを野生型A3525および温室条件下で生育された組織からの遺伝子組換え系の双方から単離した。凍結した葉組織を液体窒素または機械的粉砕で乳鉢および乳棒によって粉砕した。22mlの容積の抽出緩衝剤を約1gの粉砕した葉組織に添加し、65℃にて1時間インキュベートした。CTAB抽出緩衝剤は、1.4M NaCl、2% CTAB、20mM EDTAおよび100mMトリス−HCl pH8.0よりなった。使用の直前に、0.02%ベータ−メルカプトエタノールおよび0.5mgのRNアーゼAを抽出緩衝剤に添加した。試料を12mLのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)溶液で抽出し、次いで、4℃にて10分間、4000×Gで遠心した。上清を新しいチューブに移し、DNAを15mLのイソプロパノールで沈殿させた。4000×Gにて10分間の遠心分離後に、ペレットを5mLの70%エタノールで洗浄した。4000×Gでの5分間の最終遠心を行い;ペレットを空気乾燥させ、次いで、300μLの水に再懸濁させた。

DNAのアリコートをTAIL PCRに付し、挿入部位に隣接する配列の領域を単離し配列決定した。加えて、DNAのアリコートをT−DNAの制限分析に基づいて選択した制限エンドヌクレアーゼで消化した。制限酵素断片の自己連結後、T−DNAの5’および3’終端から離れて伸びる配列を増幅するT−DNA配列から設計されたプライマーを用いて、PCRを行った。PCR生成物はアガロースゲル電気泳動によって分離し、QIAGENゲル精製キット(Clontech, Mountain View, CA)を用いて精製した。引き続いての生成物を標準的な配列決定プロトコールを用いて直接的に配列決定した。

T−DNAの5’終端から離れて伸びる最初のフランキング配列の伸長をGenomewalker(商標)キット(Clontech, Mountain View, CA)を用いて行った。標準的なプロトコール条件を用い、配列番号:19および配列番号:20と示されるプライマーを、供給したAP1およびAP2プライマーと共にネステッドPCRに用いた。反応を繰り返して試行し、生成物を標準的な配列決定プロトコールを用いてクローニングし、直接的に配列決定した。配列を繰り返して試行した先のゲノム配列および3’フランキング配列に比較して、PCR由来の誤差からの実際の多形性を決定した。明らかにMON87705事象の生成で生じた染色体重複が存在する。この領域の重複(配列番号:17)は配列番号:6の第1053〜3422位に対応し、配列番号:6の第10682〜13051位にほとんど同一である。発明者らは、その挿入物の5’終端に位置する繰り返しとその挿入物の3’終端からの繰り返しとの間に2つの多形性が存在することを決定し、挿入物のその3’終端は、元来のゲノム配列に対応した。

これらの方法を用いて、挿入の同定された5’フランキング配列を配列番号:3として示し(図2を参照)、3’フランキング配列を配列番号:4として示した(図2を参照)。A3525ゲノムDNAに完全に組み込まれたpMON95829からの挿入されたカセット部分(配列番号:7)を配列番号:5として示す(図2を参照)。

単離された配列をT−DNA配列に比較して、フランキング配列および共同単離されたT−DNA断片を同定した。発現カセットの存在の確認は、推定されたフランキング配列データおよび公知のT−DNA配列に基づいて設計したプライマーでのPCRにより達成した。T−DNAが形質転換された系に組み込まれた同一領域に対応するA3525野性型配列を、MON87705におけるフランキング配列から設計したプライマーを用いて単離した。MON87705中のフランキング配列およびA3525野性型配列を複数のヌクレオチドおよびタンパク質データベースに対して解析した。この情報を用いて、植物ゲノムに対する導入遺伝子の関係を検討し、挿入部位整合性を調べた。フランキング配列および野性型配列を用いて、その事象を同定するために用いたTaqManエンドポイントアッセイ用プライマーを設計し、実施例3に記載した接合状態を決定した。

実施例3:事象特異的なエンドポイントTaqManおよび接合状態アッセイ 試料中の事象MON87705を同定するために用いた方法は、事象特異的なエンドポイントTaqMan PCRアッセイであり、それについての条件の例を表2および表3に記載する。エンドポイントアッセイに用い得る第1のセットのDNAプライマーは、プライマーSQ20129(配列番号:8)、SQ20130(配列番号:9)および6FAM(商標)標識プライマーPB10043(配列番号:10)である。エンドポイントアッセイに用い得る第2のセットのDNAプライマーは、プライマーSQ21928(配列番号:11)、SQ20901(配列番号:12)および6FAM(商標)標識プライマーPB10164(配列番号:13)である。6FAM(商標)は、そのDNAプライマーに結合したApplied Biosystems (Foster City, CA)の蛍光色素生成物である。TaqMan MGB(Minor Groove Binding)プローブについて、Taq DNAポリメラーゼの5’エキソヌクレアーゼ活性は、フルオロフォアと消光剤との間で5’−終端からプローブを切断する。標的DNA鎖にハイブリダイズした場合、消光剤およびフルオロフォアが、蛍光シグナルを生成するのに十分に分離する。

PB10043(配列番号:10)と共に記載されたごとく用いた場合のSQ20129(配列番号:8)およびSQ20130(配列番号:9)は、事象MON87705 DNAに特徴的であるDNAアンプリコンを生成する。PB10164(配列番号:13)と共に記載されたごとく用いた場合のSQ21928(配列番号:11)およびSQ20901(配列番号:12)は、事象MON87705 DNAにも特徴的であるDNAアンプリコンを生成する。これらの分析のための対照は、事象MON87705 DNAを含むことが知られた大豆からの陽性対照、非遺伝子組換え大豆からの陰性対照、およびテンプレートDNAを含まない陰性対照を含むであろう。同様のアッセイは配列番号:18につき設計できる。

これらのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp PCR System 9700、Stratagene Robocycler, MJ Engine, Perkin−Elmer 9700またはEppendorf Mastercycler Gradient サーモサイクラーで用いるために最適化する。事象MON87705 DNAを同定するアンプリコンを生成する他の方法および装置は、当業者に公知であり得る。

Stratagene Robocycler、MJ Engine、Perkin−Elmer 9700、Eppendorf Mastercycler Gradient thermocycler、Applied Biosystems GeneAmp PCR System 9700またはMJ Research DNA Engine PTC−225 サーマルサイクラーにおけるDNA増幅を以下の循環パラメーターを用いて行う。Eppendorf Mastercycler Gradient またはMJ EngineにおいてそのPCRを試行する場合、このサーモサイクラーは計算されたモードで試行されるべきである。Perkin−Elmer 9700においてそのPCRを試行する場合、このサーモサイクラーは最大に設定されたランプ速度で試行される。

試料中の事象MON87705についての接合状態の決定を事象特異的な接合状態エンドポイントTaqMan PCRアッセイを用いて行い、これについての条件の例は、表4および表5に記載する。接合状態アッセイに用いたDNAプライマーは、プライマーSQ20901(配列番号:12)、SQ21928(配列番号:11)、SQ21905(配列番号:15)、6FAM(商標)標識プライマーPB10164(配列番号:13)およびVIC(商標)標識プライマーPB10335(配列番号:14)である。6FAM(商標)およびVIC(商標)は、そのDNAプライマーに結合したApplied Biosystems (Foster City, CA)の蛍光色素生成物である。

PB10164(配列番号:13)と共にこれらの反応方法に用いる場合のSQ20901(配列番号:12)およびSQ21928(配列番号:11)は、事象MON87705 DNAに特徴的なDNAアンプリコンを生成する。この分析についての対照は、事象MON87705 DNAを含む大豆からの陽性対照、非遺伝子組換え大豆からの陰性対照、およびテンプレートDNAを含んでいない陰性対照を含むべきである。PB10335(配列番号:14)と共にこれらの反応方法に用いる場合のSQ21928(配列番号:11)およびSQ21905(配列番号:15)は、野性型対立遺伝子に特徴的であり、その全体において配列番号:16を含むDNAアンプリコンを生成する。ヘテロ接合性は、プローブPB10164およびPB10335の双方からの蛍光シグナルの放出によって示された双方のアンプリコンの存在によって決定する。

これらのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp PCR System 9700、Stratagene Robocycler、MJ Engine、Perkin−Elmer 9700またはEppendorf Mastercycler Gradient サーモサイクラーでの使用に最適化される。事象MON87705 DNAを同定するアンプリコンを生成する当業者に知られた他の方法および装置は、当該技術分野の技術内にある。

Stratagene Robocycler、MJ Engine、Perkin−Elmer 9700、Eppendorf Mastercycler Gradient thermocycler、Applied Biosystems GeneAmp PCR System 9700またはMJ Research DNA Engine PTC−225 サーマルサイクラーにおけるDNA増幅は、以下の循環パラメーターを用いて行う。Eppendorf Mastercycler GradientまたはMJ EngineにおいてPCRを試行する場合、そのサーモサイクラーは計算されたモードにおいて試行されるべきである。Perkin−Elmer 9700においてPCRを試行する場合、そのサーモサイクラーは、最大に設定されたランプ速度で試行する。

実施例4:所与の大豆試料中の事象MON87705の同定 以下の実施例は、所与の大豆試料中のMON87705事象の存在または不存在を同定し得る方法を記載する。 DNA事象プライマー対を用いて、大豆事象MON87705に特徴的なアンプリコンを生成する。MON87705に特徴的なアンプリコンは、少なくとも1つの結合配列:配列番号:1、配列番号:2または配列番号:18を含む。配列番号:1(図2)は、5’フランキング配列(配列番号:6の第3413〜3422位、図2参照)および挿入の組込み境界(配列番号:6の第3423〜3433位、図2参照)の結合部に対応するヌクレオチド配列である。配列番号:2(図2を参照)は、挿入の組込み境界(配列番号:6の第10664〜10673位、図2参照)および3’フランキング配列(配列番号:6の第10674〜10683位、図2参照)の結合部に対応するヌクレオチド配列である。配列番号:18は、事象MON87705を得るために2つのpMON95829 T−DNAの共組込みに際して生成された右境界から右境界結合部(配列番号:6の第9230〜9335位)に対応するヌクレオチド配列である。

MON87705に特徴的なアンプリコンを生成する事象プライマー対は、フランキング配列および挿入されたカセットに基づいたプライマー対を含む。配列番号:1の少なくとも11のヌクレオチドが見出される特徴的なアンプリコンを得るために、配列番号:3の塩基1〜3448に基づいた順方向プライマーおよび配列番号:5の第10〜7251位に基づいた逆方向プライマーを設計するであろう。配列番号:2の少なくとも11のヌクレオチドが見出される特徴的なアンプリコンを得るために、挿入されたカセット配列番号:5の第1〜7241位に基づいた順方向プライマー、および3’フランキング配列の配列番号:4の塩基10〜2515に基づいた逆方向プライマーを設計する。実際の目的のために、制限されたサイズ範囲、好ましくは、200〜1000塩基のアンプリコンを生成するプライマーを設計するであろう。より小さなサイズのアンプリコンは、一般的に、PCR反応においてより確実に生成され、より短いサイクル時間を可能とし、容易に分離でき、アガロースゲル上で視覚化でき、またはエンドポイントTaqMan様アッセイにおける使用に適応できる。加えて、該プライマー対を用いて生成されたアンプリコンは、ベクターにクローニングでき、増殖、単離および配列決定できるか、または当該技術分野において良好に確立された方法で直接的に配列決定できる。MON87705またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するためのDNA増幅方法に有用である、配列番号:3および配列番号:5または配列番号:4および配列番号:5の組合せから誘導されたいずれのプライマー対も、本発明の態様である。MON87705またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するためのDNA増幅方法に有用である、配列番号:3の少なくとも11個の隣接するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離されたDNAポリヌプライマー分子も、本発明の態様である。MON87705またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するためのDNA増幅方法に有用である、配列番号:4の少なくとも11個の隣接するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離されたDNAポリヌプライマー分子も、本発明の態様である。MON87705またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するためのDNA増幅方法に有用である、配列番号:5の少なくとも11個の隣接するヌクレオチドを含むいずれの単一の単離されたDNAポリヌプライマー分子も、本発明の態様である。

この分析のための増幅条件の一例を表6および表7に例示する。しかしながら、これらの方法および、配列番号:3または配列番号:4に相同的または相補的なDNAプライマーまたはMON87705に特徴的なアンプリコンを生成するMON87705の導入遺伝子挿入物(配列番号:5)に含まれた遺伝子要素のDNA配列の使用のいずれの変更も、当該技術分野内にある。特徴的なアンプリコンは、配列番号:1、2および18下でリストされた少なくとも1つの導入遺伝子/ゲノム結合部DNA、またはその実質的な部分に相同的または相補的なDNA分子を含む。

事象MON87705植物組織試料についての分析は、事象MON87705からの陽性組織対照、事象MON87705ではない大豆植物からの陰性対照、例えば、限定されるものではないが、A3525、および大豆ゲノムDNAを含まない陰性対照を含むであろう。内因性の大豆DNA分子を増幅するプライマー対は、DNA増幅条件についての内部対照として機能するであろう。さらなるプライマー配列は、DNA増幅方法の技術分野における当業者により、配列番号:3、配列番号:4または配列番号:5から選択でき、表6および表7に示した方法によるアンプリコンの生成につき選択された条件は異なることもでき、結果的に、事象MON87705 DNAに特徴的なアンプリコンを生じ得る。表6および表7の方法に対する変更を含むこれらのDNAプライマー配列の使用は、本発明の範囲内にある。MON87705に特徴的である配列番号:3、配列番号:4または配列番号:5に由来する少なくとも1つのDNAプライマー配列によって生成されたアンプリコンは、本発明の態様である。

DNA増幅方法において用いた場合、MON87705またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成する、配列番号:3、配列番号:4または配列番号:5に由来する少なくとも1つのDNAプライマーを含むDNA検出キットは、本発明の態様である。大豆植物または種子(そのゲノムは、DNA増幅方法においてテストされた場合にMON87705に特徴的なアンプリコンを生成する)は、本発明の態様である。MON87705アンプリコンについてのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp PCR System 9700、Stratagene Robocycler、MJ Engine、 Perkin−Elmer 9700またはEppendorf Mastercycler Gradient サーモサイクラー、あるいは表7に示したMON87705に特徴的なアンプリコンを生成するために用いることができるいずれかの他の増幅システムを用いて行うことができる。

前記に開示され、特許請求の範囲に引用された大豆事象MON87705の種子の寄託は、米国培養細胞系統保存機関(ATCC、10801 University Boulevard, Manassas, VA. 20110)でのブダペスト条約下でなした。ATCC受入番号はPTA−9241である。この寄託は、30年、または最後の請求後5年の期間の寄託、あるいは特許の有効期間のいずれか長い期間維持され、その期間に必要ならば交換されるであろう。

本発明の原理を例示または記載してきたが、当業者には、かかる原理から逸脱することなく本発明の構成や詳細を変更できることは明らかであろう。発明者らは、添付した特許請求の範囲内にある精神および範囲にあるすべての変更を特許請求する。

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