In the expression of the gene, or improved on it

申请号 JP52909997 申请日 1997-02-14 公开(公告)号 JP2001501805A 公开(公告)日 2001-02-13
申请人 ビーティージー・インターナショナル・リミテッド; 发明人 ヘイズロフ,ジェームズ・フイリップ; ホッジ,サラ;
摘要 (57)【要約】 植物 細胞において発現可能であり、少なくともGAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードし、A/T塩基の含有率が野生型 酵母 の配列に対して実施的に減少している核酸配列が開示される。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 植物細胞において発現可能であり、少なくともGAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードし、A/T塩基の含有率が野生型酵母の配列に対して実施的に減少している核酸配列。 2. GAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする配列に作動可能に連結する構造及び/又は調節配列をさらに含む、請求項1に記載の配列。 3. 前記核酸が、GAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする配列と作動可能に連結する、転写活性化活性を有するペプチド又はポリペプチドをコードする、 請求項1又は2に記載の配列。 4. 前記配列が、植物細胞における転写活性化活性を有する、GAL4、VP16、GCN4 又は天然には生じない設計された配列の改変部分であるペプチド又はポリペプチドをコードする、請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の配列。 5. 請求項1−4のいずれか1項に記載の配列を含む核酸構築体。 6. 請求項1−4のいずれか1項に記載の配列を植物宿主細胞のゲノムに挿入することが可能な、請求項5に記載の構築体。 7. GAL4応答性上流活性化配列(UAS)に作動可能に連結するレポーター遺伝子をさらに含む、請求項5又は6に記載の構築体。 8. 植物細胞における発現に適するGUS又は緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする配列を含む、請求項5、6又は7のいずれか1項に記載の構築体。 9. T−DNA境界又はDs要素を含む、請求項5−8のいずれか1項に記載の構築体。 10. 請求項1−4に記載の配列の発現がエンハンサー依存性植物プロモーターの制御の下にある、請求項5−9のいずれか1項に記載の構築体。 11. 選択可能なマーカー遺伝子をさらに含む、請求項5−10のいずれか1項に記載の構築体。 12. 請求項1−4のいずれか1項に記載の核酸配列を含むか、あるいは請求項5− 11のいずれか1項に記載の構築体で形質転換されている植物又はそれらの一部。 13. 前記配列が植物ゲノムにおいて安定に維持されている、請求項12に記載の植物又はそれらの一部。 14. 複数の植物又はそれらの一部を含むライブラリーであって、各々の植物又はそれらの一部が安定に組み込まれた請求項3又は請求項4に記載の核酸配列を含み、該配列が既知の時間的及び/又は空間的パターンでレポーター遺伝子の発現を生じる前記ライブラリー。 15. 請求項6−11のいずれか1項に記載の核酸構築体を複数の植物又はそれらの一部に導入することにより作製される、請求項14に記載のライブラリー。 16. 複数のシロイヌナズナ植物を含む、請求項14又は15に記載のライブラリー。 17. 関心のある遺伝子を既知のパターンで植物又はそれらの一部において発現させる方法であって、該関心のある遺伝子を該植物又はそれらの一部に導入することを包含し、ここで該関心のある遺伝子はGAL4応答性上流活性化配列(UAS) を有し、該植物又はそれらの一部が請求項1−4のいずれか1項に記載の配列によってコードされるGAL4 DNA結合ドメインの有効部分を含む転写活性化因子の影響下において既知のパターンで発現するレポーター遺伝子を含み、よって、該転写活性化因子のUASへの結合により該関心のある遺伝子の転写活性化が生じる、ことを特徴とする前記方法。 18. 関心のある遺伝子が請求項14、15又は16のいずれか1項に記載のライブラリーからの1以上の植物又はそれらの一部に導入される、請求項17に記載の方法。 19. 植物又はそれらの一部における複数の関心のある遺伝子の発現を調整するための方法であって、該関心のある遺伝子の各々はGAL4応答性UASと機能的に会合しており、該植物又はそれらの一部が請求項1−4のいずれか1項に記載の配列を含み、かつGAL4 DNA結合ドメインの有効部分を含む転写活性化因子を発現することが可能であり、よって、該転写活性化因子のUASへの結合により該関心のある全ての遺伝子の転写活性化が同時に生じる、ことを特徴とする前記方法。 20. 関心のある遺伝子の少なくとも幾つかがポリシストロン的に配置され、かつ単一のGAL4応答性UASと会合する、請求項19に記載の方法。 21. 関心のある遺伝子がそれぞれのGAL4応答性UASと機能的に会合する、請求項19に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 遺伝子の発現における、又はそれに関する改良発明の分野 本発明は、植物細胞における発現について最適化された核酸配列、並びにこの核酸配列を含むベクター及び植物細胞に関する。 発明の背景酵母にはGAL4と呼ばれる遺伝子が存在し、その産生物は転写活性化因子として作用する(Johnson 1987 Microbiol.Rev. 51 ,458-476)。 このGAL4遺伝子は非常に大きく(3Kb)、かつN−末端DNA結合ドメイン、転写活性化因子の機能を有するC末端ドメイン、及び介在グルコース応答性要素“GRE”をコードする(GAL4 はグルコースの存在下において抑制される)。 GAL4タンパク質は非常によく特徴付けられている。 このタンパク質のアミノ酸残基1−147は配列特異的な様式でDNAに結合する(Keeganら1986 Science 231 ,6 99-704)。 転写活性化機能はC末端ドメインの2つの短い部分に関連付けられる( Ma & Ptashne 1987 Cell 48,847-853)。 GAL4が結合するDNA配列は17マーとして同定されており、これは最適なGAL4の結合のためには反復として存在しなければならず(Ginigerら,1985 Cell 40,767-774)、そしてGAL4応答性“上流活性化配列”(UAS)と呼ばれることがある:GAL4がDNA結合ドメインにより遺伝子のUSA5'に結合し、C−末端ドメインがその遺伝子の転写の上方調節を生じる。 近年、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)において遺伝子の発現を指示するための二要素系が開発されている。 Brand及びPerrimon(1993 Development 118 :401-415)は、P−要素ベースのベクターを用いてGAL4をコードする遺伝子をキイロショウジョウバエのゲノムに無作為に挿入した。 隣接するゲノムDNA配列に応じて各々GAL4を特有のパターンで発現する、多数の安定なキイロショウジョウバエ系が生じた。 次いで、GAL4上流活性化配列(UA S)の制御の下で選択された標的遺伝子をクローン化し、別々に形質転換し、かつGA L4が存在しない条件下において休止状態で維持することが可能であった。 この単一系とGAL4を含む系のいずれかのライブラリーとの遺伝的交雑により多くの異なる組織及び細胞型において標的遺伝子の活性化が可能であり、かつ生物にとって致命的であるものを含む誤発現の表現型上の結果を都合よく研究することが可能であった。 加えて、GAL4を含むハエのライブラリーがますます特徴付けられ、かつ共有される資源となっており、これが様々な“逆”遺伝子技術の共通の入口点をもたらす。 植物において作動可能な同様の系は非常に望ましいものである。 しかしながら、植物における異種真核生物遺伝子の発現は非常に問題が多いことが過去立証されていて(例えば、緑色蛍光タンパク質を参照)、GAL4の効率的な発現も等しく困難であるものと思われ、これは植物におけるGAL4 mRNAの非効率的な翻訳のためであることが示唆されている(Reichelら,1995 Plant Cell Reports 14 ,773 -776)。 Maら(1988 Nature 334 ,631-633)は、タバコの葉のプロトプラストにおける改変された機能的GAL4誘導体の一時的な発現を得ることはできたが、機能的な全長野生型GAL4の存在を示すことはできなかった。 同様に、GAL4誘導体の一時的な発現は、トウモロコシのプロトプラストにおいて(McCartyら,1991 Cell 66 ,895-905)、及び微粒子銃法によって導入された場合にはトウモロコシのアリューロン組織又は胚形成カルスにおいて(Goffら,1991 Genes & Dev.5,298 -309;Goffら,1992 Genes & Dev.6,864-875)示されている。 しかしながら、 植物細胞における機能的GAL4又はそれらの誘導体の安定で効率的な発現の報告はこれまでなされていない。 GAL4遺伝子の改変された部分を用いる、植物において作動可能な新規発現系を提供することが本発明の目的である。 発明の要約第1の側面において、本発明は、植物細胞において発現可能であり、少なくともGAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする核酸配列であって、そのA/T塩基含有率が野生型酵母の配列に対して実施的に減少している核酸配列を提供する。 GAL4のDNA結合ドメインをコードする野生型酵母の配列のA/T含有率は約59% である。 GAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする本発明の配列のA/T塩基含有率は、それが50%未満である場合に実質的に減少しているものと理解される。 好ましくはA/T含有率は45%未満であり、より好ましくは40%未満である。 本発明の配列は、例えば、部位特異的突然変異誘発によって作製することができ、又は化学合成によって新たに作製することができる。 DNA結合ドメインの“有効部分”は、全長DNA結合ドメインのDNA結合活性の大部分(すなわち、50%超)を保持するに十分な部分である。 典型的には、“有効部分”はDNA結合ドメインの全長配列の少なくとも2/3を含む。 この核酸配列は、実質的により小さな部分(約75アミノ酸残基)がDNA結合活性の大部分を保持するのに非常に適している(Kraulisら,1992 Nature 356 ,448-450;及びMarmo rsteinら,1992 Nature 356 ,408-414)ものの、GAL4 DNA結合ドメインの実質的に全て(すなわち、酵母のポリペプチドのアミノ酸残基1−147)をコードすることが好都合である。 特定の態様の1つにおいて、この配列は図1の5'部分(ヌクレオチド1ないし約460)に示されるヌクレオチド配列を含み、この配列は、同一のアミノ酸配列をコードするものの、野生型酵母の配列に対して実質的にA/T 含有率が減少している(38%)。 GAL4 DNA結合ドメインはそれ自体では転写活性化機能は持たない。 したがって、好ましい態様においては、GAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする配列を、構造的(すなわち、機能的ポリペプチドをコードする)及び/又は調節的であり得る別の1またはそれ以上の核酸配列に作動可能に連結させる。 典型的には、DNA結合ドメインをコードする配列は調節機能を有するペプチドもしくはポリペプチド、好ましくは転写活性化因子、をコードする配列に作動可能に連結させる(例えば、インフレームで融合させる)。 この転写活性化因子はGAL4タンパク質の活性化ドメインであってもよく、それをコードする配列は、好ましくは、( 例えは、それらのA/T含有率を減少させることにより)植物における発現について最適化されているべきである。 あるいは、この転写活性化因子は、本発明の配列が少なくともGAL4 DNA結合ドメインの有効部分及び転写活性化ドメインを含むキメラポリペプチドをコードするように、植物において活性であることが知られる、当業者に公知の多くのタンパク質のうちのいずれか1つであってもよい。 特に適する転写活性化因子ドメインは、単純ヘルペスウイルス(HSV)VP−16から得ることができるものである(Greaves及び0'Hare 1989 J.Virol 63,1641-1650;VMW65としても知られるVPを参照)。 他の転写活性化ドメインには、大腸菌ゲノムDNA断片によってコードされる特定のペプチド(Ma & Ptashne 1987 Cell 51 ,113-119 )又は両親媒性α−ヘリックスを形成するように設計された合成ペプチド(Gini ger & Ptashne 1987 Nature 330 ,670-672)が含まれる。 共通する特徴は、正( Gill & Ptashne 1987 Cell 51,121-126)又は、特に植物活性化ドメインについては、過剰負電荷(Estruchら,1994 Nucl.Acids Res.22,3983-3989)のいずれかの過剰電荷を必要することであるものと思われる。 これを考慮して、当業者は植物における転写活性化活性を有するペプチドもしくはポリペプチドをコードするものを容易に合成し、又は天然に生じる配列を見出すことができる。 いずれにしても、このような活性化因子配列は植物細胞における最適活性について改変することができる。 さらなる側面において、本発明は、上に定義される核酸配列を含む核酸構築体を提供する。 特定の態様の1つにおいて、この核酸構築体は、“エンハンサー− トラップ”として植物エンハンサー配列を“釣り上げる”のに用いることができる(Sundaresanら,1995 Genes & Dev. 9 ,1797-1810)。 このような態様においては、この構築体は、好ましくは、植物細胞宿主のゲノムへの無作為で安定な挿入を可能にするために右及び左Ti−DNAを含む。 この構築体は、好ましくは、本来の植物プロモーター配列を含む。 この用語は、実質的な準の転写を生じるのに適切なエンハンサー配列を存在を必要とする(植物細胞において作動可能な) プロモーターを意味する。 このような“本来の”プロモーターは“エンハンサー依存性”プロモーターと見なすことができ、本質的には公知の植物プロモーターのTATAボックス領域に相当する。 “植物”プロモーターには、植物細胞において活性であるウイルス及び細菌プロモーター配列(例えば、CaMV35Sプロモーターのヌクレオチド−48ないし+1)への言及が含まれる。 この本来のプロモーターはTiの境界の1つに実質的に隣接することが望ましい。 その際、そのプロモーターは、そのプロモーターが植物宿主細胞のゲノムにエンハンサー配列と機能的な関係で挿入されるようになる場合にGAL4 DNA結合ドメイン及び転写活性化ドメインの発現に向かうように、植物において作動可能な転写活性化ドメインと融合するGAL4 DNA 結合ドメインをコードする配列と適格な関係にある。 この構築体は、便宜を図るため、植物の選択可能なマーカー(例えば、カナマイシン耐性)をさらに含んでいてもよい。 加えて、この構築体は、GAL4応答性上流活性化配列(UAS)に作動可能に連結する、植物において活性のレポーター遺伝子(例えば、緑色蛍光タンパク質、又はβ−グルクロニダーゼ“GUS”)を、そのレポーター遺伝子がGAL4 DNA結合ドメイン/転写活性化因子融合タンパク質の合成に応答して発現するように含んでいてもよい。 好ましくは、このレポーター遺伝子はWO96/27675号に開示される改変GFP、又は(都合よくは、核局在化シグナルも有する)GUSである。 好ましくは、UASは、GAL4が結合する17マーの1またはそれ以上の反復を含む(Ginigerら,1985 Cell 40 ,767-774)。 GAL4結合ドメイン/転写活性因子配列を植物宿主細胞ゲノムに導入する代替法として、この構築体はDs(“解離(dissociation)”)要素を含んでいてもよく、これは、その後、一時的に発現するAc(活性化因子)酵素の作用によりゲノム周辺に移動され得る(例えば、Cocherelら,1996 Plant Mol.Biol. 30 ,539-55 1)。 さらなる側面において、本発明は、上に定義される構築体を含む植物又はそれらの一部(例えば、植物宿主細胞又は細胞系)を提供する。 典型的には、この構築体は植物細胞のゲノムに組み込まれることになり、そこで安定に維持される。 特には、本発明は、ライブラリーを含む複数の植物又はそれらの一部(例えば、 単離された植物細胞、又は細胞系、又は組織培養物)を提供し、各々の植物又はそれらの一部は、上に定義されるGAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする、安定に維持される核酸配列を有する。 都合よくは、この核酸配列は、そのライブラリー内に存在する植物細胞のゲノムに組み込まれるであろう。 したがって、植物又はそれらの一部のライブラリーは非常に有用な資源を提供する。 このライブラリーは、例えば、シロイヌナズナ、又は研究で日常的に用いられる他のあらゆる植物のものであり得る。 このライブラリー内の各々の植物又はそれらの一部は、組み込まれたレポーター遺伝子の発現を特有のパターンで有し得る(例えば、Sundaresanら,1995 Genes & Dev.9,1797-1810;Klimyukら, 1995 Molec.Gen.Genet.249,357-365)。 したがって、GAL4応答性UASを有するさらなる遺伝子をこれらの細胞系に導入することにより、その導入された遺伝子がレポーター遺伝子と同じ時間的/空間的パターンで発現し、研究者が、特定の関心のある遺伝子を選択された組織において、及び/又は選択された時間に、予測可能な様式で発現させることができるようになる。 したがって、本発明は、関心のある遺伝子を既知の(予測可能な)パターンで植物又はそれらの一部において発現させる方法であって、該関心のある遺伝子を該植物又はそれらの一部に導入することを包含し、ここで該関心のある遺伝子はGAL4応答性上流活性化配列(UAS)を有し、該植物又はそれらの一部が上に定義される本発明による配列によってコードされるGAL4 DNA結合ドメインの有効部分を含む転写活性化因子の影響下において既知のパターンで発現するレポーター遺伝子を含み、その結果、該転写活性化因子のUASへの結合により該関心のある遺伝子の転写活性化が生じることを特徴とする方法を提供する。 これにより、導入された関心のある遺伝子又は複数の遺伝子の発現の時間的/ 空間的パターンは、レポーター遺伝子について既知のものを反映する。 典型的には、植物又はそれらの一部はシロイヌナズナであるが、日常的に研究される他のあらゆる植物(例えば、トウモロコシ、コメ、ジャガイモ等)でもあり得る。 典型的には、関心のある遺伝子又は複数の遺伝子は、GAL4発現植物細胞系をGA L4応答性UASに連結する関心のある遺伝子(1つもしくは複数)を含む植物細胞系と交雑させることにより導入する。 本発明の核酸配列は、“エンハンサー・トラップ”として用い、又は関心のある遺伝子又は複数の遺伝子の予測可能な様式での発現を指示させるのに加えて、 他の有用な用途を有する。 この改変GAL4 DNA結合ドメイン/転写活性化因子は、 複数の関心のある遺伝子の発現を調整するのに用いることもできる。 多くの状況において、研究目的のため、又は農業的/工業的動機のため(例えば、代謝経路を研究するため、又は植物染料もしくは脂質のような所望の産生物の合成を操作するため)、植物において複数の遺伝子を同時に発現させることが望ましい。 したがって、本発明は、植物又はそれらの一部における複数の関心のある遺伝子の発現を調整するための方法であって、該関心のある遺伝子の各々はGAL4応答性UASと機能的に会合しており、該植物又はそれらの一部が上に定義される本発明の第1の側面による配列を含み、かつGAL4 DNA結合ドメインの有効部分を含む転写活性化因子を発現することが可能であり、よって、該転写活性化因子のUAS への結合により該関心のある全ての遺伝子の転写活性化が同時に生じることを特徴とする方法を提供する。 都合よくは、これらの複数の関心のある遺伝子は、全て、多シストロン的配置で単一のUASと会合していてよく、これはそれらを植物又はそれらの一部に導入することを容易にする(関心のある遺伝子は、典型的には、植物又はそれらの一部には天然には見出されない遺伝子、例えば、哺乳類動物もしく細菌遺伝子であり、又は異なる植物に由来する遺伝子もしくは様々な改変の被検体であるおそらくは天然の植物遺伝子である)。 あるいは、1またはそれ以上の遺伝子を各UAS に作動可能に連結させることもできる。 転写活性化因子は、その植物又はそれらの一部に既に存在する配列によってコードされても、又は複数の関心のある遺伝子の導入と同時に(又はそれに続いて)導入されてもよい。 本発明を、説明的な実施例によって、添付の図面を参照してさらに説明する。 これらの添付の図面のうち: 図1は、HSVVP16に由来する改変転写活性化ドメインをコードする配列にインフレームで融合された、改変GAL4 DNA結合ドメインをコードする本発明によるヌクレオチド配列を示し、垂直線はGAL4 DNA結合ドメインの最後を表し; 図2は、本発明による配列を含む核酸構築体の模式図であり; 図3は、図2に模式的に表される核酸構築体の一部のヌクレオチト配列を示し; 及び 図4a−4dは、本発明による配列を含む植物の根の顕微鏡写真である。 実施例本発明者らはBrand & Perrimon(1993、上で引用)によって記述されるものに類似するアプローチを用いているが、アグロバクテリウム・ツメファシエンス( Agrobacterium tumefasciens)介在形質転換を用いて、シロイヌナズナにおける使用にそれを適合させ、HSV VP16の活性化ドメインに融合したGAL4 DNA結合ドメイン(mGAL4−VP16)を含む転写活性化因子を有する“エンハンサー・トラップ”植物細胞系を産生した。 実施例1 − mGAL4−VP16遺伝子の構築 GAL4 DNA結合領域の改変された配列に相当する8つのオリゴヌクレオチドを合成した。 GAL-5' (28マー) GGC AAC AAT GAA GCT ACT GTC TTC TAT C (配列番号3) VP16-3' (31マー) GGC AGA TCT ACC CAC CGT ACT CGT CAA TTC C (配列番号4) MGAL1(109マー) GGC AAG CTT GGA TCC AAC AAT GAA GCT CCT GTC CTC CAT CGA GCA GGC CTG CGA CAT CTG CCG CCT CAA GAA GCT CAA GTG CTC CAA GGA GAA GCC GAA GTG CGC CAA G (配列番号5) MGAL2(108マー) TCC TCT CGA GGG AAG ATC AGG AGG AAG AGC TGC TCC AGG CGC TCC AGG CGG GAC TCC ACT TCG GTG AGG TGG GCG CGG GTC AGC GGG GAG CGC TTG GTT TTG GGA GAG (配列番号6) MGAL3(81マー) TTC CCT CGA GAG GAC CTC GAC ATG ATC CTG AAA ATG GAC TCC CTC CAG GAC ATC AAA GCC CTG CTC ACC GGC CTC TTC GTC (配列番号7) MGAL4(89マー) GGG TGA GGG GCA TGT CGG TCT CCA CGG AGG CCA GGC GGT CGG TGA CGG CGT CTT TGT TCA CGT TGT CCT GGA CGA AGA GGC CGG TGA GC(配列番号8) MGAL5(80マー) GGA GAC CGA CAT GCC CCT CAC CCT GCG CCA GCA CCG CAT CAG CGC GAC CTC CTC CTC GGA GGA GAG CAG CAA CAA GGG CC (配列番号9) MGAL6(83マー) AGT GGA GCT CGT CCC CCA GGC TGA CGT CGG TCG GGG GGG CCG TCG AGA CGG TCA ACT GGC GCT GGC CCT TGT TGC TGC TCT CC (配列番号10) 全長オリゴヌクレオチドを、7M尿素及び90Mトリスーホウ酸 1mM EDTA pH8.3 (TBE)バッファーを含む5%ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳動により精製した。 分画したオリゴヌクレオチドを、濾過した0.05%トルイジンブルー染料で簡単に染色することにより検出して切り出し、0.5M酢酸アンモニウム、0.1%S DS及び0.1mM EDTA中において37℃で一晩抽出した。 抽出したDNAを沈殿させてエタノールで洗浄し、T4ボリヌクレオチドキナーゼを用いてリン酸化した。 DNA( 各々0.5μg)を別々に50mMトリス−HCl pH9.0、10mM MgCl 2 、1mM ATPを含む10m M DTT、及び5単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼに再懸濁し、37℃で30分間インキュベートした。 プラスミドpCMVGal65(Cousensら,1989 EMBO J. 8 ,2337-2342)を、非改変コドンユーセジ(codon usage)のGAL4−VP16配列の源として用いた。 このプラスミドから2つの制限エンドヌクレアーゼ断片を単離した。 サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)GAL4タンパク質のDNA結合要素をコードする配列を含むSacI−SacI断片及び単純ヘルペスウイルスVP16タンパク質の活性化ドメインをコードするSacI−KpnI断片を、低ゲル化温度(LGT)1% アガロースゲルでの分画及び抽出により精製した。 mGAL4−VP16配列の5'部分を、GAI−5'及びMGAL2オリゴをプライマーとして、かつSacI−SacI GAL4 DNA断片をテンプレートして用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。 プライマー及びテンプレートを標準条件の下でVEN T DNAポリメラーゼ(ニュー・イングランド・バ・イオラブス(New England Bio labs))と共にインキュベートし、94℃で30秒、50℃で1分、72℃で1分のサイクルを30回行った。 その産生物をXhoI制限エンドヌクレアーゼで切断し、1.5%LGTアガロースゲルによる電気泳動で精製した。 MGAL4及びMGAL5オリゴヌクレオチドを65℃に加熱することによりアニールし、 室温まで徐々に冷却した。 次に、MGAL3及びMGAL6オリゴヌクレオチドを添加し、 これもその混合物にアニールした。 その後、これらのオリゴヌクレオチドを、DN Aポリメラーゼ1のクレノウ断片及びT4 DNAリガーゼと共に、50mMトリスーHCl p H7.5、10mM MgCl 2 、10mM DTT、1mM dNTP及び1mM ATP中において37℃で60分間インキュベートした。 過剰のMGAL3及びMGAL6オリゴヌクレオチドを添加し、その混合物を上述のようにPCR増幅に処した。 その産生物を制限エンドヌクレアーゼXho I及びSacIで切断し、1.5%LGTアガロースゲルによる電気泳動で精製した。 これらの3つのゲル精製制限断片:(1)GAL4 DNA結合ドメインの5'部分に相当するGAL−5'/MGAL2 PCR増幅産生物、(2)GAL4 DNA結合ドメインの3'部分に相当するMGAL3−6アニール済増幅産生物、及び(3)VP16活性化ドメインに相当するpCMVGal65由来のSacI−KpnI断片を混合し、T4 DNAリガーゼを用いて、50m Mトリス−HCl pH7.5、10mM MgCl 2 、10mM DTT及び1mM ATP中において20℃で一晩ライゲートした。 ライゲートした産生物を、MGAL1及びVP16−3'をプライマーとして用いて(上述のように)PCR増幅した。 改変されたGAL4−VP16配列全体を含むその産生物をBamHIで切断し、SacIで切断され、T4 DNAポリメラーゼで処理することにより平滑末端化され、かつBamHIで再度切断されているPBI112(Jeffers onら,EMBO J.6:3907,1987)にライゲートした。 この組換えプラスミド(pBIN 35S−mGAL4−VP16)は、mGAL4−VP16遺伝子を構造性35S植物プロモーターの下流に含んでいた。 図1において、下側のDNA配列は融合遺伝子のものであり(配列番号1)、GAL4 DNA結合ドメインの5'部分をコードし、かつHSV VP16に由来する転写活性化ドメインの3'部分をコードする。 野生型の配列が比較のために上に示されている。 野生型のGAL4 DNA結合ドメインコーディング配列はA/Tに富んでいることが分かり(A/T含有%は配列の各列の右側に示されている)、これが植物における非効率的な発現を引き起こすものと信じられる。 特に、A/Tに富むDNAは、転写された場合に植物細胞においてmRNAスプライス部位として認識される1以上の領域を含むものと信じられる。 変更されたヌクレオチドは輪郭を付けて図1に示される。 コードされるポリペプチド配列が下に示される(配列番号2)。 核酸配列に対する改変は、コードされるアミノ酸の配列に変化が生じないことを確実なものとするように注意深く選択した。 配列の上の数字はその位置のヌクレオチド又はアミノ酸の番号を表す。 特定の制限エンドヌクレアーゼ部位も示されている。 35Sプロモーター及びmGAL4−VP16遺伝子を制限エンドヌクレアーゼHinDIII及びEcoRIを用いる消化により切り出し、1%LGTアガロースゲル電気泳動により精製し、かつGAL4−応答性mgfp5−ERマーカー遺伝子を含むベクターにサブクローン化した(下記実施例2を参照)。 生じた構築体が図2に示されており、ここでR 及びLは右及び左Tiプラスミド境界配列を表す。 GAL4−VP16融合遺伝子は、右Ti 境界に隣接して挿入されたCaMV 35S遺伝子のTATAボックス領域(ヌクレオチド− 48ないし+1)の下流に存在する。 また、このプラスミドは、カナマイシン耐性(Kan R)選択可能マーカー、及び合成GAL4−UASプロモーター配列に作動可能に連結するレポーター遺伝子(GUS又はGFP)をも含む。 特定の制限エンドヌクレアーゼ部位も示されている。 図3は、Ti右境界の連結部、CaMV35S TATAボックス、及びGAL4 DNA結合ドメインコーディング領域の開始点を横切る、このプラスミドの核酸配列(配列番号15 )を示す。 mGAL4−VP16遺伝子を、アグロバクテリウム介在形質転換により形質転換されたシロイヌナズナ植物における活性について直接検定した(ValvekensらProc.N atl.Acad.Sci.USA 85:5536-5540,1988)。 実施例2 GAL−GFPエンハンサー・トラップ・ベクターの構築T−DNA右境界の改変 プラスミドpBIN19(Bevan,M.Nuc.Acids Res.12:8711-8721,1984)を制限エンドヌクレアーゼSacIIで消化し、アグロバクテリウムT−DNA右境界配列を含む2.6Kb断片をSacII切断pGEM 5Zf(Genebank受付番号X65308:プロメガ(Promeg a)から購入)にサブクローン化した。 この組換えファージミドを含む細菌にヘルパーファージを重感染させて一本鎖ファージミドDNAを生成した。 合成変異原性オリゴヌクレオチド(“TR+”:ATA TCC TGT CAA ACA CTG GAT C CG AGC TCC AAT TCA TAG TTT AAA CTG AAG GCG GG;配列番号11)をキナーゼ処理し、精製したファージミドDNAにアニールし、テンプレート上でT7 DNAポリメラーゼを用いて伸長させ、かつT4 DNAリガーゼを用いてライゲートした。 このDN Aで細菌を形質転換し、T−DNA右境界にすぐ隣接する制限エンドヌクレアーゼBam HI、SmaI及びEcoRIの新たな部位の挿入について組換えプラスミド(pTr+)をスクリーニングした。 TATAボックス領域の挿入 35SプロモーターのTATA領域を、このプロモーターの−48領域に相補的なオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチドΔ35SBglII;GGC AGA TCT TCG CAA GAC CC T TCC TCT ATA TAA GG;配列番号12)及び下流β−グルクロニダーゼ遺伝子(オリゴヌクレオチドGUSSnaBI;CAC ACA AAC GGT GAT ACG TA;配列番号13)を用いてpBI121からPCR増幅した。 このPCR産生物を制限エンドヌクレアーゼBglII及びB amHIで切断し、BamHI切断pTr+にライゲートした。 生じた組換えプラスミド(pT r+Δ35S)は、T−DNA右境界に隣接して位置する最小(未変性)プロモーターを含んでいた。 35Sプロモーター駆動mGAL4−VP16遺伝子の挿入 未改変コドンユーセジのGAL4の誘導体を不成功の試行実験においてpTr+Δ35S プラスミドに挿入し、これらの構築体のうちの1つ(pMA236に由来する短縮されたGAL4遺伝子の挿入;Maら,1988 Nature 334,631-633)はpTR+Δ35S内のBamH I部位のすぐ隣に独自のHindIII部位の挿入を生じた。 このプラスミド、pTr+ΔG AL4、を制限エンドヌクレアーゼHindIII及びEcoRIで消化し、pBIN 35S−mGAL4− VP16に由来するHindIII−EcoRI断片でライゲートして35S駆動mGAL4−VP16遺伝子を導入した。 次に、このプラスミド(pTr+35S−mGAL4−VP16)に由来するアグロバクテリウム配列を、イン・プランタ(in planta)で試験するため、GAL4応答性マーカー遺伝子(下記参照)を含む二元植物形質転換ベクターに再クローン化した。 合成GAL4応答性プロモーターの構築 5つの最適化されたGAL4の結合部位を含むHindIII−XbaI制限エンドヌクレアーゼ断片をプラスミドpUAST(Bran & Perrimon,1993 Development,118,401-41 5)を切り出し、GUS遺伝子上流のHindIII−XbaI切断pBI101(Jefeersonら,1 987 EMBO J.6,3901-3907)にライゲートした(pBINΔUAS−GUSを作製した)。 35Sプロモーターの−90領域に相当する配列を、オリゴヌクレオチドDELAS1(GAA CTC TAG AAG CTA CTC CAC GTC CAT AAG GGA CAC ATC ACA ATC CCA CTA TCC TTC GC;配列番号14)及びGUSSnaBI(上記参照)を用いてPCR増幅した。この産生物をXbaI−BamHIで切断し、同様に切断したpBINΔUAS−GUSにクローン化した。生じるプラスミド(pBIN UAS(−90−AS1)GUS)は、β−グルクロニダーゼ(GUS )コーディング配列の上流に合成GAL4プロモーターを含む。次に、GUS遺伝子を緑色蛍光タンパク質(GFP)のものと置換した。 GAL4応答性mgfp5−ER遺伝子 植物における発現を最適化するため、我々は緑色蛍光タンパク質に広範に突然変異を誘発している。最適化された遺伝子はmgfp5−ERと呼ばれる(Siemeringら,Current Biology 6:1653-1663,1996;WO96/27675)。 mgfp5−ER遺伝子を植物形質転換ベクターpBI121にクローン化し、そのコーディング配列を含むBamHI−SacI断片を切り出し、かつこれをBamHI−SacI切断pBIN UAS(−90−AS1)GUSに挿入してGUS遺伝子を置換した。このプラスミド(pBIN UAS(−90−AS1)mgfp5−ER)をSacIIで切断し、改変されたT−DNA右境界及びpT r+35S−mGAL4−VP16に由来するmGAL4−VPl6遺伝子を含むSacII断片でライゲートしてpBIN 35S−GAL4−VP16+UAS−mgfp5−ER(pBIN35S−GAL−GFPと略称する)を得た。 pBIN35S−GAL−GFPベクターの試験 pBIN35S−GAL−GFPプラスミドを、電気穿孔法、次いでカナマイシン含有プレート上での選択によりアグロバクテリウム・ツメファシエンスLBA4044株に導入した。このアグロバクテリウム株を、以下に説明される技術を用いるシロイヌナズナの形質転換に用いた。形質転換の後、GFP蛍光のGAL4依存性誘発について植物を採点した。 GAL−GFPエンハンサー・トラップ・ベクターの構築 (35Sプロモーター配列を切り出すため)pTR+35S−mGAL4−VP16プラスミドをBamHIで処理し、T4 DNAリガーゼを用いて再ライゲートした。このプラスミド(p TR−mGAL4−VP16)は、T−DNA右境界に隣接する最小プロモーター内に位置する改変されたGAL4−VP16を含む。次に、SacIIで消化することによりT−DNA配列を切り出し、同様に切断したpBIN UAS(−90−AS1)mgfp5−ERにライゲートした。これにより、隣接するエンハンサー要素に応答する非常に活性な・GAL4−VP16転写活性化因子及びGAL4依存性GFP遺伝子を含むpBIN GAL−GFPが産生された。 GFP の蛍光はGAL4−VP16の活性化に応答して生じる。エンハンサー・トラップ・スクリーニング このエンハンサー・トラップ・ベクターpBIN GAL−GFPをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(以下の詳細を参照)LBA4044に導入し、7,500を超える形質転換されたシロイヌナズナの苗木の生成に用いた。遺伝子導入苗木をGAL4介在性GFP発現について直接スクリ−ニングし、発現する植物から種子を集めた。我々は、根においてGAL4介在性GFP発現の安定な遺伝的パターンを示す、250を超えるシロイヌナズナ系のライブラリーを有している。トランス活性化 外来性遺伝子のGAL4介在性トランス活性化を示すため、pBIN UAS(−90−AS1 )GUSに由来するT−DNA配列を含む遺伝子導入シロイヌナズナを生成させた。 GAL 4−VP16の非存在下においては、これらの植物はGUS遺伝子を発現しない。しかしながら、mGAL'4−VP16遺伝子を発現する系と遺伝的に交雑している場合、GUS遺伝子は、その供与体植物に由来するmGAL4−VP16遺伝子のものを正確に反映する発現パターンで活性化される(下記実施例3を参照)。 実施例3上述のライブラリーの一部を形成するシロイヌナズナの安定な形質転換系(J2 302)は、根の最先端の細胞中で(mGAL4−VP16活性化因子の影響下において)改変GFPを発現した。図4aは、根の先端でのGFP介在性エピ蛍光(epifluorescence)(400nm励起) を示す低倍率顕微鏡写真である。図4bは、GFP介在性蛍光の領域をより詳細に示す、より高倍率の共焦点顕微鏡写真(488nm励起)である。このJ2302系を(標準技術を用いて)、GAL4−応答性UASに作動可能に連結する、 安定な休止状態で維持されるGUSレポーター遺伝子を含む別のシロイヌナズナ系と交雑させた。この交雑の産生物は、期待通り、GAL4−VP16転写活性化因子の影響下において、J2302中のGFPレポーター遺伝子と同じパターンで(すなわち、根の最先端で)、GUSを発現し続けた。明視野顕微鏡によって画像形成された、適切に染色された試料が図4c及び4dに示されており、これらは根の先端でのGUSレポーター遺伝子の活性(最も濃い染色)を示している。これは、改変されたGAL4 DNA結合ドメイン配列が、 (i)エンハンサー・トラップ・ベクターの構築においてうまく用いることができ; (ii)(GUSによって例証されるように)関心のある遺伝子を予測可能なパターンで発現させることが可能であり;かつ (iii)(GFP及びGUSによって例証されるように)複数の関心のある遺伝子の同時発現を調整することができる、 ことを示す。実施例4 シロイヌナズナの形質転換 用いた方法はValvekensら1988,Proc. Natl. Acad Sci. 85,5536-5540によって初めて開示されたものに基づくものである。培地 他に述べられていない限り、全ての手順は無菌の溶液及び装置を用いて無菌的に行った。全ての培地は標準的なプラスチックの使い捨てペトリ皿において、又は、後の段階には、マジェンタ(Magenta)GA7ポット(マジェンタ社(Magenta Corp.、USA)において用いる。ホルモンは×1000貯蔵液としてジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する。ホルモン及び抗生物質は、培地をオートクレーブ処理して65℃に冷却した後に添加する。 1.発芽培地(GM)は:1×Murashige及びSkoog塩混合物;1%ショ糖;100mg/l イノシトール;1.0mg/l チアミン;0.5mg/l ピリドキシン;0.5mg/l ニコチン酸;0.5g/l 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES);(1M KOH でpH5.7に調整);及び0.8%ディフコ・バクト(Difco Bacto)寒天(固体GM培地用)を含んでいた。 1a.GM K50 GMと同様であるが、50mg/l カナマイシン(シグマ(Sigma))を補足。 2.カルス誘発培地(CIM)は:1×ガンボーグのB5培地(Gamborg's B5 medium) ;2%グルコース;0.5g/l MES(pH5.7、1N KOHで調整);0.5mg/l 2,4− D(シグマ);0.05mg/l キネチン(シグマ);及び0.8%寒天(固体CIM培地用)を含んでいた。 3.バンコマイシン(SIM V750K50)を含む新芽誘発培地は:ガンボーグのB5培地;2%グルコース;0.5g/l MES(pH5.7);0.8%寒天;5mg/l N6−(2−イソペンテニル)アデニン(2ip);0.15mg/l インドール−3−酢酸(IAA);750m g/l バンコマイシン;及び50mg/l カナマイシンを含んでいた。 3a.SIM V500K50 SIMと同様であるが、500mg/l バンコマ・イシン;及び50mg/l カナマイシンを補足。 4.根誘発培地(RIM)は;ガンボーグのB5培地;2%グルコース;0.5g/l MES (pH5.7);0.8%寒天;12.5mg/l インドール酪酸(IBA);及び50mg/l セホタキシムを含んでいた。 植物の成長(i)種子を15mlポリプロピレン遠心管に入れる。 (ii)エタノールを2分間添加する。エタノールをピペットで除去する。 (iii)50ml当たり1滴のNP40を含む5%市販漂白液(〜0.25%の利用可能な塩素)で置き換える。規則的に撹拌しながら15分間放置する。 (iv)種子を無菌の蒸留水で少なくとも3回洗浄する。 (v)最後の洗浄の後、無菌の種子をコニカルフラスコ内の100mlのGMに加える。培養室において20−25℃で振盪しながら2−4週間成長させる。アグロバクテリウム介在形質転換1.第1日(i)メスを用いて、苗木の緑色(上方)部分の全てを切り取って根系のみを残す。 (ii)固体CIMを含むプレートに根を横たえる。ひとまとまりの根を各々を穏やかに押し付けてそれらが寒天の表面に確実に接触するようにする。 (iii)成長室で3日間インキュベートする(22℃、連続光)。 2.第4日(i)視認可能な汚染の徴候がないことを確実なものとした後、カルスを誘発した根を空のペトリ皿に集める。 (ii)根を0.5cmの移植片に切断する。 (iii)ルリア(Luria)ブロス中において28℃で一晩成長させたアグロバクテリウム培養物3−5mlを添加し、遠心により洗浄する。鈍端ピンセットで撹拌する。共存培養のために2分間放置する。 (iv)ペトリ皿内の倍厚無菌濾紙(ワットマン(Whatman)No.1)で根を乾燥させる。 (v)これらの移植片をペトリ皿内の固化CIM培地上に置き、表面に穏やかに押し付けて培地と確実に接触させる。 (vi)プレートを成長室で2日間インキュベートしてアグロバクテリウムの共存培養を可能にする。 3.第6日(i)移植片を20−25mlの水中のペトリ皿に移す。鈍端ピンセットで撹拌してアグロバクテリウムを洗い落とす。この浴培地は幾らか濁るはずである。根の断片を篩に移し、洗浄を繰り返す。その後、篩をバッファーから引き揚げて水分をきる。移植片を網目に押し付けてバッファー及びアグロバクテリウムをできる限り除去する。半乾燥移植片を互いに押し付けて塊にする。 (あつらえの、オートクレーブ処理可能かつ再使用可能な篩がアグロバクテリウムの感染及び根の移植片の洗浄の間の移植片の保持に用いる。これらの篩は、10 0mlプラスチック三ビーカー及び100umナイロンメッシュから作製する。ビーカーの頂部3−4cmを切り取り、メッシュをこの部品の底部に渡してこのビーカーの基底のすぐ上部から切断した高さ2cmの輪をこの頂部の低部に押し込むことにより適所に保持する。この2つの部品を、熱金属ロッドをそれらを貫通して数カ所で押し付けることにより互いに密封する。) (ii)根素材の小さな束をペトリ皿内の倍厚無菌濾紙上で乾燥するまで水分をきり、根の移植片が培地と密接に接触するように注意しながら固化SIM V750K50培地に移す。 (iii)成長室においてインキュベートする。再生(i)成長室において、3週間後に黄色がかった根移植片上に小さな緑色のカナマイシン耐性カルスが現れる。 (ii)2週間毎に、移植片を新鮮なSIM V750K50に移す。次の数週間にわたって、 新芽(しばしば、最初は硝子体)が緑色カルスから現れる。 (iii)これらの新芽をRIMに移す。ここで、2ないし3週間にわたって根が生じる。 (iv)根が形成された後、それらの植物を換気されたマジェンタGA7ポット内のG M又は土壌に直接移す。良好な種子の結実を確実なものとするため、湿度を確実に低く保つ。 (v)莢が黄褐色に変色し、したがって成熟したときに、それらを収穫する。 F1子孫の発芽及びスクリーニング 形質転換について試験するため、F1苗木をGM K50上で発芽させる。 (i)種子をGMK50上に置く(必要であれば、種子の表面を滅菌する)。 (ii)ペトリ皿を4℃の暗所に(冷蔵庫)3−5日間置き、種子の休眠状態を解く。種子が1ヶ月を超えて保存されていた場合には、これは不必要である。 (iii)ペトリ皿を成長室で2週間インキュベートする。感受性の苗木は根も葉も形成せず、白色の子葉を有する。形質転換された苗木は表現型の上では正常である。 (iv)遺伝子導入カルス及び新芽を、GFPの主395nm励起及び509放射ピークに適するフィルターセット(ライツ−D(Leitz-D)励起BP355−425、二色性455、放射L P460)を備える倒立蛍光顕微鏡(ライツDM−IL)を用いて、GFP発現についてスクリーニングした。 4×対物鏡(EF 4/0.12)を備える7mmねじ込み延長管を用いることによってより長い作業距離が得られ、反転した密封ペトリ皿内の組織を都合よく直接観察することが可能である。 100ワット長波長携帯型UVランプ(UVプロダクツ(UV Products)、B100AP)も遺伝子導入新芽及び植物の定型的な観察に用いた。遺伝子導入シロイヌナズナF1苗木を無菌の寒天培養で5日間成長させ、顕微鏡検査のためカバーグラス下の水中にマウントした。この検体を、クリプトン−アルゴンレーザー並びに蛍光及びテキサス赤色染料(texas red dyes)( バイオラッド(BioRad)Ki/K2)の検出に適するフィルターセット、並びにニコン60×プランアポ(PlanApo)NA. 1.2水浸対物鏡を備えるバイオラッドMRC−60 0レーザー走査共焦点顕微鏡を用いて調べた。

    【手続補正書】特許法第184条の8第1項【提出日】平成10年4月17日(1998.4.17) 【補正内容】 請求の範囲1. 植物細胞において発現可能であり、少なくともGAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードし、A/T塩基の含有%が野生型酵母の配列に対して実施的に減少している核酸配列であって、該A/T塩基含有%が45%未満であることを特徴とする核酸配列。 2. A/T塩基含有%が40%未満であることを特徴とする、請求項1に請求される核酸配列。 3. GAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする配列に作動可能に連結する構造及び/又は調節配列をさらに含む、請求項1又は2に記載の配列。 4. 前記核酸が、GAL4 DNA結合ドメインの有効部分をコードする配列と作動可能に連結する、転写活性化活性を有するペプチド又はポリペプチドをコードする、 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の配列。 5. 前記配列が、植物細胞における転写活性化活性を有する、GAL4、VPA16、GCN 4又は天然には生じない設計された配列の改変部分であるペプチド又はポリペプチドをコードする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配列。 6. 請求項1−5のいずれか1項に記載の配列を含む核酸構築体。 7. 請求項1−5のいずれか1項に記載の配列を植物宿主細胞のゲノムに挿入することが可能な、請求項6に記載の構築体。 8. GAL4応答性上流活性化配列(UAS)に作動可能に連結するレポーター遺伝子をさらに含む、請求項6又は7に記載の構築体。 9. 植物細胞における発現に適するGUS又は緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする配列を含む、請求項6、7又は8のいずれか1項に記載の構築体。 10. T−DNA境界又はDs要素を含む、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の構築体。 11. 請求項1ないし4に記載の配列の発現がエンハンサー依存性植物プロモーターの制御の下にある、請求項6ないし10のいずれか1項に記載の構築体。 12. 選択可能なマーカー遺伝子をさらに含む、請求項6ないし11のいずれか1項に記載の構築体。 13. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の核酸配列を含むか、あるいは請求項6ないし12のいずれか1項に記載の構築体で形質転換されている植物又はそれらの一部。 14. 前記配列が植物ゲノムにおいて安定に維持されている、請求項13に記載の植物又はそれらの一部。 15. 複数の植物又はそれらの一部を含むライブラリーであって、各々の植物又はそれらの一部が安定に組み込まれた請求項4又は請求項5に記載の核酸配列を含み、該配列が既知の時間的及び/又は空間的パターンでレポーター遺伝子の発現を生じる前記ライブラリー。 16. 請求項7ないし12のいずれか1項に記載の核酸構築体を複数の植物又はそれらの一部に導入することにより作製される、請求項15に記載のライブラリー。 17. 複数のシロイヌナズナ植物を含む、請求項15又は16に記載のライブラリー。 18. 関心のある遺伝子を既知のパターンで植物又はそれらの一部において発現させる方法であって、該関心のある遺伝子を該植物又はそれらの一部に導入することを包含し、ここで該関心のある遺伝子はGAL4応答性上流活性化配列(UAS) を有し、該植物又はそれらの一部が請求項1ないし5のいずれか1項に記載の配列によってコードされるGAL4 DNA結合ドメインの有効部分を含む転写活性化因子の影響下において既知のパターンで発現するレポーター遺伝子を含み、よって、該転写活性化因子のUASへの結合により該関心のある遺伝子の転写活性化が生じる、ことを特徴とする前記方法。 19. 関心のある遺伝子が請求項15、16又は17のいずれか1項に記載のライブラリーからの1以上の植物又はそれらの一部に導入される、請求項18に記載の方法。 20. 植物又はそれらの一部における複数の関心のある遺伝子の発現を調整するための方法であって、該関心のある遺伝子の各々はGAL4応答性UASと機能的に会合しており、該植物又はそれらの一部が請求項1ないし5のいずれか1項に記載の配列を含み、かつGAL4 DNA結合ドメインの有効部分を含む転写活性化因子を発現することが可能であり、よって、該転写活性化因子のUASへの結合により該関心のある全ての遺伝子の転写活性化が同時に生じる、ことを特徴とする前記方法。 21. 関心のある遺伝子の少なくとも幾つかがボリシストロン的に配置され、かつ単一のGAL4応答性UASと会合する、請求項20に記載の方法。 22. 関心のある遺伝子がそれぞれのGAL4応答性UASと機能的に会合する、請求項20に記載の方法。

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