揚液装置及び揚液方法

申请号 JP2014557362 申请日 2013-12-12 公开(公告)号 JP5987919B2 公开(公告)日 2016-09-07
申请人 株式会社村田製作所; 发明人 田中 伸拓; 栗原 潔;
摘要
权利要求

液体を貯留した給液部と、 前記給液部よりも高い位置に設けられているタンクと、 一端が前記給液部の液体中に挿入され、他端が前記タンクに接続されている揚液管と、 前記タンク内及び前記揚液管内を減圧するエアーポンプと、 前記揚液管の途中に分岐部を介して一端部が接続され、他端部に一端部より上方へ起立した起立部を有する給気管と、 前記給気管の他端部に設けられ、大気に対して開閉可能なエアーバルブと、を備え、 前記給液部の液面から前記揚液管の他端までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも大きく、 前記給液部の液面から前記分岐部までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも小さく、 前記給気管は、その一端部と他端部とが上方へ起立し、全体として略U字形状に形成されており、 前記給気管の一端部は、前記分岐部を介して前記揚液管のタンク側の部分と一直線状に接続されていることを特徴とする、揚液装置。液体を貯留した給液部と、 前記給液部よりも高い位置に設けられているタンクと、 一端が前記給液部の液体中に挿入され、他端が前記タンクに接続されている揚液管と、 前記タンク内及び前記揚液管内を減圧するエアーポンプと、 前記揚液管の途中に分岐部を介して一端部が接続され、他端部に一端部より上方へ起立した起立部を有する給気管と、 前記給気管の他端部に設けられ、大気に対して開閉可能なエアーバルブと、を備え、 前記給液部の液面から前記揚液管の他端までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも大きく、 前記給液部の液面から前記分岐部までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも小さく、 前記給気管の断面積は前記揚液管の断面積よりも大きいことを特徴とする、揚液装置。前記給気管の起立部は前記エアーポンプの揚液可能高さよりも高い位置まで延びており、 前記給気管の起立部の前記エアーポンプの揚液可能高さよりも高い位置に、前記エアーバルブが取り付けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の揚液装置。液体を貯留した給液部と、 前記給液部よりも高い位置に設けられているタンクと、 一端が前記給液部の液体中に挿入され、他端が前記タンクに接続されている揚液管と、 前記タンク内及び前記揚液管内を減圧するエアーポンプと、 前記揚液管の途中に分岐部を介して一端部が接続され、他端部に一端部より上方へ起立した起立部を有する給気管と、 前記給気管の他端部に設けられ、大気に対して開閉可能なエアーバルブと、を備え、 前記給液部の液面から前記揚液管の他端までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも大きく、 前記給液部の液面から前記分岐部までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも小さく、 前記給気管は、その一端部と他端部とが上方へ起立し、全体として略U字形状に形成されており、 前記給気管の一端部は、前記分岐部を介して前記揚液管のタンク側の部分と一直線状に接続されている、揚液装置を使用し、 前記エアーバルブを閉じた状態で前記エアーポンプを駆動して、前記給液部の液体を前記揚液管の分岐部より上方まで揚液する第1ステップと、 前記エアーポンプを駆動しながら前記エアーバルブを開いて、前記給気管を介して前記分岐部へ空気層を流入させ、その空気層により前記揚液管内の液体を上下に分割して、空気層よりも上部に位置する液体を前記タンクへ吸い上げる第2ステップと、を実行する揚液方法。液体を貯留した給液部と、 前記給液部よりも高い位置に設けられているタンクと、 一端が前記給液部の液体中に挿入され、他端が前記タンクに接続されている揚液管と、 前記タンク内及び前記揚液管内を減圧するエアーポンプと、 前記揚液管の途中に分岐部を介して一端部が接続され、他端部に一端部より上方へ起立した起立部を有する給気管と、 前記給気管の他端部に設けられ、大気に対して開閉可能なエアーバルブと、を備え、 前記給液部の液面から前記揚液管の他端までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも大きく、 前記給液部の液面から前記分岐部までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも小さく、 前記給気管の断面積は前記揚液管の断面積よりも大きい、揚液装置を使用し、 前記エアーバルブを閉じた状態で前記エアーポンプを駆動して、前記給液部の液体を前記揚液管の分岐部より上方まで揚液する第1ステップと、 前記エアーポンプを駆動しながら前記エアーバルブを開いて、前記給気管を介して前記分岐部へ空気層を流入させ、その空気層により前記揚液管内の液体を上下に分割して、空気層よりも上部に位置する液体を前記タンクへ吸い上げる第2ステップと、を実行する揚液方法。前記第2ステップにおいて、前記エアーバルブは前記空気層よりも上部に位置する液体を前記タンクへ吸い上げるまで連続的に開かれることを特徴とする、請求項4又は5に記載の揚液方法。

说明书全文

本発明は、低い位置にある液体をエアーポンプを使用して高い位置へ吸い上げるための揚液装置及び揚液方法に関する。

従来より、エアーポンプ(又は真空ポンプ)を用いた揚液装置が知られている。この揚液装置は、低い位置にある液体源に揚液管の一端を挿入し、揚液管の他端を高い位置に設けられた密閉構造のタンクに接続し、タンク内をエアーポンプで減圧することにより、液体源の液体を揚液管を介してタンクへと吸い上げるものである。しかし、この種の揚液装置の場合、エアーポンプが発生する負圧に応じた揚液可能高さ以上には揚液できない。

そこで、特許文献1では、真空ポンプによる揚液可能高さ以上に揚液が可能な揚液装置が提案されている。図10はその一例であり、低い位置に設けられた液体源100と、液体源100に一端が挿入された揚液管101と、高い位置に設けられ、揚液管101の他端が接続されたタンク102と、タンク102に設けられた真空ポンプ103とを備えている。揚液管101の他端は、液体源100の液面レベルに対して真空ポンプ103による揚液可能高さ以上の高さに設置されている。揚液管101の途中であって、真空ポンプ103による揚液可能高さより低い位置に給気管104が接続され、この給気管104に給気バルブ105が取り付けられている。

給気バルブ105を閉じた状態で真空ポンプ103を駆動すると、この真空ポンプ103に接続されたタンク102内と揚液管101内の空気が排気されて減圧される。揚液管101内が所定の負圧になると、給気管104が接続された分岐部よりも高い位置まで揚液管101内の液面が上昇する。ただし、液面はタンク102の高さまでは到達できない。ここで、給気バルブ105を短時間だけ開くと、空気が給気管104に導入され、揚液管101の分岐部に気泡106として溜まり、揚液管101内の液体が上下に分断される。揚液管101内の圧と気泡105の圧力との差と、気泡105が受ける浮力とによって、気泡105が上昇するため、気泡105の上側に位置する液体柱は上方へ押し上げられ、タンク102に流入することになる。

ところが、上記構成の揚液装置の場合、短い給気管104が揚液管101の側部に接続され、その給気管104に給気バルブ105が取り付けられているため、給気バルブ105に液体が接触する。そのため、液体中の不純物がバルブ105に付着し、バルブ105の開閉動作に支障をきたす可能性があった。また、給気バルブ105を所定時間以上開くと、給気バルブ105を介して液体が流出する可能性もある。

特許文献1には、上述の揚液装置とは別の実施例も開示されている。図11はその一例であり、揚液管101の中に送気管104を挿入し、その下端を真空ポンプ103による揚液可能高さより低い位置に開口させてある。送気管104の上端には、間欠的に開閉される開閉バルブ105が取り付けられている。この実施例では、開閉バルブ105が揚液管101より上方に突出した送気管104の上端に取り付けられているので、開閉バルブ0に液体が接触する恐れがなく、送気管104から液体が流出するという問題もない。

しかし、この揚液装置の場合、揚液管101の中に送気管104が挿入されているため、揚液管101の断面積が送気管104の断面積分だけ減少し、揚液管101と送気管104との間の環状の隙間が液体の流路となる。送気管104から導入された空気層は、送気管104の先端で気泡106になって溜まり、この気泡106が揚液管101と送気管104との間の環状の隙間に満たされた液体を上下に分割する必要がある。しかし、環状の隙間に満たされた液体を上下に分割するには、大きな気泡を作る必要がある。特許文献1では、開閉バルブ105を短時間ずつ開き、間欠的に吐出された複数の気泡が上昇するにしたがって集合することで、揚液管101の内径を占めるような砲弾型の気泡(スラグ流)を形成するとされている(段落0022)。しかし、複数の気泡が環状の空間の中で1つに集合するとは限らず、環状の隙間に満たされた液体を上下に分割できず、所望の揚液効果が得られない可能性がある。さらに、揚液管101の直径が比較的小さな小型の揚液装置に適用した場合、液体の表面張力の影響により、気泡が送気管104の先端で溜まったまま揚液管101の環状隙間の中を浮上できなくなる可能性がある。

特開2000−240600号公報

本発明の目的は、エアーポンプを用いてこのポンプの揚液可能高さ以上の高さに揚液できる揚液装置及び揚液方法を提供することにある。

前記目的を達成するため、本発明は、液体を貯留した給液部と、前記給液部よりも高い位置に設けられているタンクと、一端が前記給液部の液体中に挿入され、他端が前記タンクに接続されている揚液管と、前記タンク内及び前記揚液管内を減圧するエアーポンプと、前記揚液管の途中に分岐部を介して一端部が接続され、他端部に一端部より上方へ起立した起立部を有する給気管と、前記給気管の他端部に設けられ、大気に対して開閉可能なエアーバルブと、を備え、前記給液部の液面から前記揚液管の他端までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも大きく、前記給液部の液面から前記分岐部までの高さは前記エアーポンプの揚液可能高さよりも小さく、前記給気管は、その一端部と他端部とが上方へ起立し、全体として略U字形状に形成されており、前記給気管の一端部は、前記分岐部を介して前記揚液管のタンク側の部分と一直線状に接続されていることを特徴とする、揚液装置を提供する。

本発明は、特許文献1と同様に、エアーポンプの揚液可能高さより高い位置まで揚液するために、エアーバルブを間欠的に開き、給気管から空気を導入させ、導入された空気層によって揚液管内の液体を持ち上げてタンクへ揚液するものである。エアーバルブを閉じた状態でエアーポンプを駆動すると、タンク内及び揚液管内が減圧され、給液部の液体は揚液管へと吸い上げられ、エアーポンプの揚液可能高さまで上昇する。分岐部はエアーポンプの揚液可能高さより低い位置にあるので、分岐部は液体で満たされる。このとき、液体の一部は給気管の中にも入るが、エアーバルブが閉じられているため、エアーバルブの位置まで液面は上昇できない。つまり、エアーバルブが液体と接触することはない。次に、エアーポンプを駆動しながらエアーバルブを開くと、空気層が給気管を介して分岐部へ導入され、この空気層により揚液管内の液体が上下に分割される。空気層より上部に位置する液体は、エアーポンプの揚液可能な液体の質量より軽いので、その液体はエアーポンプによる負圧と空気層の圧力との差と、空気層の浮力とによって押し上げられ、タンク内に流入する。エアーバルブを間欠的に開くことにより、上記動作を繰り返し、タンク内に液体が溜められる。

本発明では、給気管の一端部が分岐部を介して揚液管に接続され、給気管の他端部にエアーバルブが取り付けられている。エアーバルブを開くと、給気管から導入された空気層は揚液管の中で1つの気泡となり、その気泡により揚液管内の液体を上下に分割できる。そのため、エアーポンプが発生する負圧により、気泡より上側の液体をスムーズに揚液できる。給気管が揚液管の断面積に影響を与えないので、揚液管が細い管であっても、給気管が揚液管内を上昇する気泡の浮上を邪魔せず、円滑に揚液できる。さらに、エアーバルブには液体が接触しないので、液体中の不純物がバルブに付着することがない。

給気管の起立部はエアーポンプの揚液可能高さよりも高い位置まで延びており、給気管の起立部のエアーポンプの揚液可能高さよりも高い位置に、エアーバルブが取り付けられているのが望ましい。この場合には、何らかの原因で給気管の中が負圧となり、給気管内に液体が流入した場合でも、エアーバルブがエアーポンプの揚液可能高さよりも高い位置に設けられているので、エアーバルブに液体が接触することがない。

なお、エアーバルブの取付位置は給気管の起立部に限るものではなく、例えば給気管の他端部に上向きの起立部と下向部とを連続して形成し、その下向部にエアーバルブを取り付けても良い。この場合、起立部の上端がエアーポンプの揚液可能高さより高い位置にあれば、液体が起立部を乗り越えることができないので、エアーバルブに液体が接触することがない。

給気管は、その一端部と他端部とが上方へ起立し、全体として略U字形状に形成されており、給気管の一端部は、分岐部を介して揚液管のタンク側の部分と一直線状に接続されているのが望ましい。この場合には、給気管内で形成された空気層が蛇行せずに揚液管に流入するため、空気層が崩れにくい。そのため、揚液管内の液体が上下に分割されやすく、揚液効果が高くなる。また、給気管がU字状に屈曲しているので、給気管内に液体を溜めることができ、エアーバルブを開いた時、流入した空気によって給気管内の液体が押されて一緒に揚液管を上昇するので、より多量の液体を揚液できる。

給気管の断面積を揚液管の断面積よりも大きくするのが望ましい。この場合には、給気管内の容積が大きくなるので、揚液管の分岐部に流入した空気層の塊を大きくできる。そのため、揚液管内の液体が上下に分割されやすく、揚液効果が高くなる。

エアーポンプを駆動しながらエアーバルブを開いて、給気管を介して分岐部へ空気層を流入させる際、エアーバルブを短時間で開閉してもよいし、連続的に開いても良い。特に、空気層よりも上部に位置する液体柱をタンクへ吸い上げるまでエアーバルブを連続的に開いた場合には、空気層が分散せずに1つの大きな空気溜まりになり、その空気層が大気圧に近くなるので、空気層よりも上部に位置する液体柱を速やかに揚液できる。

以上のように、本発明によれば、給気管の一端が分岐部を介して揚液管に接続され、給気管の他端部にエアーバルブが取り付けられているので、給気管から導入された空気層は揚液管の中で1つの気泡となる。そのため、エアーポンプが発生する負圧により気泡より上側の液体をスムーズに揚液できる。給気管が揚液管の断面積を減少させないので、給気管が揚液管内を上昇する気泡の浮上を邪魔せず、円滑に揚液できる。さらに、エアーバルブには液体が接触しないので、液体中の不純物がバルブに付着せず、長期間にわたってバルブの開閉性能を維持できる。

本発明に係る揚液装置の第1実施例の概略図である。

エアーポンプの一例である圧電マイクロブロアの断面図である。

第1実施例の揚液装置の揚液動作例を示す図である。

第1実施例の揚液装置におけるエアーポンプOFF時の動作図である。

第1実施例の揚液装置の他の揚液動作例を示す図である。

本発明に係る揚液装置の第2実施例の概略図である。

第2実施例の揚液装置の揚液動作を示す図である。

本発明に係る揚液装置の第3実施例の概略図である。

本発明に係る揚液装置の第4実施例の概略図である。

従来の揚液装置の一例の概略図である。

従来の揚液装置の他の例の概略図である。

−第1実施例− 図1は本発明に係る揚液装置の第1実施例を示す。この装置1は、低い位置に設けられた給液部2と、給液部2の液体中に一端が挿入された鉛直方向の揚液管3と、高い位置に設けられ、揚液管3の他端が接続された密閉構造のタンク4と、タンク4に設けられたエアーポンプ10とを備えている。この実施例の給液部2は、上方が開口した貯液槽であるが、一部が大気に開放したタンクでもよい。エアーポンプ10は、タンク4内に流入した液体に触れないように、タンク4の上壁部に設けられている。タンク4の側壁部には液位センサ8が設けられており、タンク4内の液面が液位センサ8の高さになった時点でエアーポンプ10を停止するよう構成されている。揚液管3の他端部は、エアーポンプ10による揚液可能高さより高い位置まで延び、タンク4の側壁部に接続されている。なお、揚液管3のタンク4との接続部は側壁部に限らないが、タンク4内の液体が液位センサ8の液面レベルに到達する前に揚液管3に逆流しないように、液位センサ8の液面レベルより高い位置に開口している。

揚液管3の途中にはT字形の分岐部5が設けられ、この分岐部5に給気管6の一端部が接続されている。給気管6の他端部は上方に起立しており、その起立部6aの上端が大気に開放している。起立部6aには、開閉可能なエアーバルブ7が取り付けられている。エアーバルブ7としては、気体を開閉できるバルブであればよく、好ましくは短時間で開閉できる電磁バルブがよい。エアーポンプ10と液位センサ8とエアーバルブ7とは図示しない制御装置と接続され、後述するような作動順序にしたがって制御される。

例えば、液体の密度をρ、エアーポンプ10が発生する最大負圧をP、重力加速度をgとすると、エアーポンプ10による揚液可能高さh0は次式で与えられる。 h0=P/ρg したがって、例えば液体がで、エアーポンプ10が発生する最大負圧が2kPaである場合には、エアーポンプ10による揚液可能高さh0は約20cmとなる。

給液部2の液面と揚液管3の他端部との高低差をh1、給液部2の液面と分岐部5との高低差をh2とすると、h1とh2は次式を満たすように設定されている。 h1>h0 かつ h2

さらに好ましくは、給気管6の起立部6aはエアーポンプ10の揚液可能高さh0よりも高い位置まで延びており、エアーバルブ7は給気管6の起立部6aの揚液可能高さh0よりも高い位置に取り付けられている。そのため、給気管6内がいかに減圧されても、液体がエアーバルブ7に接触することがない。なお、エアーバルブ7の取付位置は、揚液可能高さh0よりも高い位置である必要はない。

エアーポンプ10は、公知の如何なる真空ポンプを使用してもよいが、本実施例では、吸入口がタンク4に接続され、吐出口が大気に開放された圧電マイクロブロアを使用した。この圧電マイクロブロア10は、例えば特開2011−27079号公報に開示されたものと同じであり、その構造の一例を図2に示す。図2に示すように、ブロア本体11は、内ケース12と、内ケース12の外側を所定の隙間をもって非接触で覆う外ケース13とを備えている。外ケース13の中に内ケース12が所定の隙間をあけて収容され、内ケース12は外ケース13に対してばね連結部14を介して弾性的に支持されている。そのため、後述する振動板15の共振駆動に伴って内ケース12が上下方向に振動したとき、その振動が外ケース13に漏洩するのを抑制する働きを持つ。内ケース2と外ケース3との間には空気の流入通路17が形成されている。

内ケース12は下方が開口した断面コの字形に形成され、内ケース12の開口を閉じるように振動板15が固定されて、内ケース12と振動板15との間に第1ブロア室16が形成されている。振動板15は、例えば圧電セラミックよりなる圧電素子15aを薄肉な弾性金属板よりなるダイヤフラム15bの中央部に貼り付けたユニモルフ構造であり、圧電素子15aに所定周波数の電圧を印加することにより、振動板15全体がベンディングモードで共振駆動される。この例では圧電素子15aは、ダイヤフラム15bの第1ブロア室側と逆側の面に固定されている。

第1ブロア室16の一つの壁面を構成し、振動板15と対向する内ケース12の部位には、第1壁部12aが設けられている。この第1壁部12aを薄肉な弾性金属板で形成し、振動板15を所定のモードで共振駆動したとき、それに伴って第1壁部12aを励振させるように構成することが好ましい。振動板15の中心部と対向する第1壁部12aの部位には、第1ブロア室16の内部と外部とを連通させる第1開口部12bが形成されている。第1壁部12aと対向する外ケース13の部位には第2壁部13bが設けられ、第2壁部13bの中心部、即ち第1開口部12bと対向する部位には第2開口部13cが形成されている。この第2開口部13cが空気の吐出口となる。第1壁部12aと第2壁部13bとの間には所定の流入空間17aが形成され、この空間17aは前述の流入通路17の一部を構成している。流入空間17aは、流入通路17から導入された空気を第1開口部12b及び第2開口部13cの付近に導く役割を持つ。

外ケース13の下面側、即ち振動板15を間にして第1ブロア室16と反対側には、振動板15との間で第2ブロア室18を形成するための第3壁部19が設けられている。第3壁部19の中央部には、外部と第2ブロア室18とを連通させる第3開口部19aが形成されている。この第3開口部19aが空気の吸入口となる。第2ブロア室18の容積及び第3開口部19aの開口面積は、振動板15の振動に伴って疑似的な共鳴空間を形成できるように設定されている。第2ブロア室18と流入通路17とは相互に接続されている。そのため、第3開口部19aを介して第2ブロア室18に流入した空気は、流入通路17を通って流入空間17aへと供給される。

圧電素子15aに所定周波数の交流電圧を印加すると、振動板15が1次共振モード又は3次共振モードで共振駆動され、それにより第1ブロア室16の容積が周期的に変化する。第1ブロア室16の容積が増大するとき、流入空間17a内の空気が第1開口部12bを通り第1ブロア室16へと吸い込まれ、逆に第1ブロア室16の容積が減少するとき、第1ブロア室16内の空気が第1開口部12bを通り流入空間17aへと排出される。振動板15は高周波で駆動されるため、第1開口部12bから流入空間17aへと排出された高速/高エネルギーの空気流は、流入空間17aを通過して第2開口部13cから排出される。このとき、流入空間17a内にある周囲の空気を巻き込みながら第2開口部13cから排出するので、流入通路17から流入空間17aへ向かう連続した空気の流れが生じ、第2開口部13cから空気は噴流となって連続的に吐出される。空気の流れを図2に矢印で示す。特に、振動板15の共振駆動に伴って第1壁部12aを励振させるようにすれば、吐出流量の飛躍的な増大を図ることができる。

上述のような構造のマイクロブロア(エアーポンプ)10は、逆止弁を備えていないので、非駆動時において吸入口19aと吐出口13cとが連通している。そのため、エアーポンプ10の駆動を停止すると、タンク4内及び揚液管3内が瞬時に大気圧に戻り、揚液管3内に残っている液体が揚液されず、給液部2に戻すことができる。その結果、揚液量の制御が容易になる。

−作動の説明− 次に、上記構成からなる揚液装置1の作動の一例を図3を参照しながら説明する。まず、エアーバルブ7を閉じた状態でエアーポンプ10を駆動すると、タンク4内が減圧され、タンク4と接続された揚液管3の内部も減圧される。そのため、給液部2の液体は揚液管3へ吸い上げられ、液面はエアーポンプ10による揚液可能高さh0まで上昇する。つまり、液面は分岐部5より高い位置まで上昇するが、タンク4までは到達できない。このとき、液体の一部は分岐部5を通って給気管6の中にも入るが、エアーバルブ7が閉じているので、液面上昇によって給気管6内の気圧が上昇し、エアーバルブ7の位置まで液面は上昇できない。つまり、液体がエアーバルブ7と接触することはない。この状態が図3(a)である。

次に、エアーポンプ10を駆動しながらエアーバルブ7を開くと、給気管6を通って外気が分岐部5へ流入し、揚液管3内の液体が上下に分割される。この状態が、図3(b)である。

エアーバルブ7の開放時間の経過につれて、揚液管3に入った空気層A1は拡大する(図3(c)参照)。空気層A1によって分割された上側の液体柱L1は、エアーポンプ10の負圧によって吸い上げ可能な質量以下しかないので、揚液管3内の負圧と空気層A1の内圧との差、及び空気層A1の浮力とによって揚液される。なお、揚液管3の分岐部5より下方の液面は、給気管6から流入する空気の圧力によって徐々に降下する。

さらに、エアーバルブ7の開放時間が経過すると、図3(d)のように液体柱L1は揚液管3内を上昇し、タンク4に流入する。そして、液体柱L1が完全にタンク4内に流入すると、タンク4と揚液管3と給気管6とが連通するので、揚液管3と給気管6の内部がほぼ大気圧となり、図3(e)のように揚液管3の内部がほぼ空の状態になる。その後、エアーバルブ7を閉じると、タンク4及び揚液管3が再び負圧となり、図3(a)の状態に戻る。以後、同様の動作を繰り返す。

この作動例では、エアーバルブ7を短時間に開閉することなく、1回の揚液中、エアーバルブ7は開いた状態を維持するようにした。そのため、1つの大きな空気層A1を揚液管3内に形成でき、揚液管3内の液体の分割が容易になると共に、空気層A1の内圧が大気圧に近くなるので、揚液管3内の負圧と空気層A1の内圧との差が大きくなり、空気層A1より上側の液体柱L1を速やかに揚液できる。

上記説明では、液体柱L1が完全にタンク4内に流入するまでの間、エアーバルブ7を開いた状態で維持したが、液体柱L1がタンク4内に入ると同時又はその前(例えば図3(c)又は図3(d))の段階でエアーバルブ7を閉じてもよい。この場合は、揚液管3の内圧が大気圧まで上昇しないので、揚液管3内の液体が完全に給液部2に戻る前に次の揚液動作を開始することができ、効率がよい。

このように、エアーポンプ10を駆動しながらエアーバルブ7を開閉することにより、揚液管3内の液体柱を分割し、空気層A1の力を利用してエアーポンプ10の揚液可能高さh0より高い位置にあるタンク4へ揚液することができる。エアーバルブ7の開閉方法は、特許文献1のような短時間の開閉を繰り返す必要はなく、ある時間インターバルをもって開閉すればよいので、揚液管3内に大きな空気層A1を形成でき、空気層より上側の液体柱L1を確実に揚液できる。

図4は、エアーポンプ10を停止した時の動作を示す。図4(a)のように、タンク4には液位センサ8が設けられており、タンク4内の液面が液位センサ8のレベルになった時点でエアーポンプ10を停止する。このとき、揚液管4内に液体が残っていても、エアーポンプ10を停止すると、タンク4内及び揚液管3内が瞬時に大気圧に戻るので、揚液管4内の残留液体がタンク4に流れ込まず、図4(b)のように揚液管3内の液体がすべて給液部2へ戻る。したがって、タンク4内の液面レベルを精細に制御できる。

−他の作動の説明− 図5は、揚液装置1の他の作動例を示す。この作動例は、1回の揚液作動中にエアーバルブ7を複数回開閉する場合を示す。

まず、エアーバルブ7を閉じた状態でエアーポンプ10を駆動すると、タンク4内が減圧され、タンク4と接続された揚液管3の内部も減圧される。そのため、給液部2の液体は揚液管3へ吸い上げられ、揚液管3内での液面の高さがh3に達する(図5(a)参照)。液面の高さh3は、繰り返し動作にて常に一定量の揚水をすることができるよう、次式を満たすように設定されている。 h3<(h0+h2)/2 このとき、液体の一部は分岐部5を通って給気管6の中にも入るが、エアーバルブ7が閉じているので、液面上昇によって給気管6内の気圧が上昇し、エアーバルブ7の位置まで液面は上昇できない。つまり、液体がエアーバルブ7と接触することはない。図5(a)の瞬間にエアーバルブ7を開くと、給気管6を通って外気が分岐部5へ流入し、揚液管3内の液体が上下に分割される。この状態が、図5(b)である。

エアーバルブ7の開放時間の経過につれて、揚液管3に入った空気層A1は拡大する(図5(c)参照)。空気層A1によって分割された上側の液体柱L1は、エアーポンプ10の負圧によって吸い上げ可能な質量以下しかないので、揚液管3内の負圧と空気層A1の内圧との差、及び空気層A1の浮力とによって揚液される。なお、揚液管3の分岐部5より下方の液面は、給気管6から流入する空気の圧力によって徐々に降下する。

図5(d)で、エアーバルブ7を閉じると、揚液管3の最初の液体柱L1が上昇すると共に、空気層A1の気圧も低下するため、液体が給液部2から揚液管3へ吸い上げられる。揚液管3内での液面の高さが再びh3に達した瞬間にエアーバルブ7を開くと、給気管6を介して空気が導入され、図5(e)のように空気層が分岐部5に到達することで、揚液管3内の液体が上下に分割される。このとき、2番目の液体柱L2が形成される。

エアーバルブ7の開放時間の経過につれて空気層A2が拡大し、1番目と2番目の液体柱L1,L2が揚液管3内を上昇する(図5(f)参照)。やがて1番目の液体柱L1がタンク4内に入ると、2番目の液体柱L2より上部の空間にエアーポンプ10による負圧が作用するので、2番目の液体柱L2が揚液管3内を上昇する(図5(g)参照)。ここで、エアーバルブ7を閉じると、揚液管3及び給気管6の内部が負圧となり、図5(d)の状態に戻る。以後、図5(d)〜図5(g)の動作を繰り返す。

このように、1回の揚液作動中にエアーバルブ7を間欠的に開閉することにより、揚液管3内に複数の液体柱を発生させ、液体を微量ずつタンク4へ注入することができる。よって、微細な揚液量制御を行うことができる。

−第2実施例− 図6は本発明に係る揚液装置の第2実施例を示す。この装置20において、第1実施例の装置1と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。

この実施例では、揚液管21の下部21aと上部21bとが分岐部22で屈曲しており、その分岐部22に給気管23の一端部23aが接続されている。揚液管21の上部21bは鉛直方向に延びている。給気管23は、その一端部23aと他端部23bとが上方へ起立し、全体として略U字形状に形成されている。給気管23の他端部(起立部)23bは一端部23aより高い位置まで延びている。給気管23の一端部23aは、分岐部22を介して揚液管21の上部(タンク側の部分)21bと一直線状に接続されている。

第2実施例の揚液装置20の作動を図7にしたがって説明する。エアーバルブ7を閉じた状態でエアーポンプ10を駆動すると、タンク4内が減圧され、タンク4と接続された揚液管20の内部も減圧される。そのため、給液部2の液体は揚液管20へ吸い上げられ、液面はエアーポンプ10による揚液可能高さh0まで上昇する。この状態が図7(a)である。液面は分岐部22より高い位置まで上昇するため、液体の一部は分岐部22を通って給気管23の中にも入る。給気管23が屈曲しているため、第1実施例に比べて多量の液体が給気管23内に入る。なお、エアーバルブ7が閉じているので、液面はエアーバルブ7の位置まで上昇できない。

次に、エアーポンプ10を駆動しながらエアーバルブ7を開くと、給気管23に外気が流入し、流入した空気層A1により給気管23内の液体の一部を揚液管21(特に上部21b)内の液体と一緒に上方に持ち上げる。この状態が、図7(b)である。なお、給気管23内の液体の残部は揚液管21の下部21aを通って給液部2に戻る。

やがて、空気層A1が分岐部22に到達することで、揚液管21内の液体が上下に分割される。この状態が、図7(c)である。分岐部22において、揚液管21と給気管23とが一直線状に接続されているので、空気層A1が泡状に崩れることなく、給気管23から揚液管21へと上昇する。

さらに、エアーバルブ7の開放時間が経過すると、分割された上側の液体柱L1は揚液管21内を通って押し上げられ、下側の液体柱は揚液管20を通って降下する。この状態が図7(d)である。

やがて、空気層A1より上側の液体柱L1がタンク4に流入すると、揚液管21及び給気管23内が大気と連通するので、揚液管21内の液体(下部21aの液体も含めて)はほぼ給液部2に戻る。この状態が図7(e)である。

この状態から、再びエアーバルブ7を閉じると、揚液管21及び給気管23の内部が減圧され、図7(a)の状態に戻る。以後、図7(a)〜図7(e)の動作を繰り返す。なお、この場合も、液体柱L1がタンク4に流入するまでエアーバルブ7を連続的に開くようにしたが、揚液管21内の液体が上下に分割された後であれば、液体柱L1がタンク4に流入する前にエアーバルブ7を閉じても良い。

第2実施例では、給気管23の一端部23と揚液管21の上部(タンク側の部分)21bとが一直線状に接続されているので、給気管23から導入された空気層A1が崩れることなく揚液管21の上部21bに流入し、揚液管21内の液体を確実に上下に分割できる。また、給気管23が屈曲しているので、エアーバルブ7を開いた後、空気層A1が分岐部22に到達するまで、給気管23の中の液体も一緒に揚液管21を上昇する。そのため、1回の揚液動作によって、第1実施例に比べて多量の液体を揚液できる利点がある。

−第3実施例− 図8は本発明に係る揚液装置の第3実施例を示す。この装置30は第2実施例の装置20の変形例であり、第2実施例の装置20と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。

この装置30の特徴は、給気管33の断面積を揚液管31の断面積より大きくした点である。給気管33内の容積が大きくなるので、揚液管31内で大きな空気層を形成できる。そのため、揚液管31内の液体が上下に分割されやすくなり、揚液効果が高くなる。なお、32は分岐部である。給気管33の断面積を揚液管31の断面積より大きくする構造は、第1実施例(図1)の揚液装置にも適用できる。

−第4実施例− 図9は本発明に係る揚液装置の第4実施例を示す。この装置40は第1実施例の装置1の変形例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。

この装置40の特徴は、給気管6の他端側を上方へ起立させたあと下方を向くように屈曲させ、その下向部6bにエアーバルブ7を取り付けた点である。この場合、起立部6aの上端がエアーポンプ10による揚液可能高さh0より高い位置にあれば、液体が起立部6aを乗り越えられないので、エアーバルブ7が揚液可能高さh0より低い位置に取り付けられていても液体と接触することがない。この装置40の構造は、第2実施例や第3実施例にも適用できる。

1 揚液装置 2 給液部 3 揚液管 4 タンク 5 分岐部 6 給気管 6a 起立部 7 エアーバルブ 8 液位センサ 10 エアーポンプ(マイクロブロア) 13c 吐出口 19a 吸入口

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