ポンプ

申请号 JP2014533905 申请日 2012-10-04 公开(公告)号 JP6134322B2 公开(公告)日 2017-05-24
申请人 クァンテックス パテンツ リミテッド; 发明人 ヘイズパンクハースト リチャード ポール; フォード ジョナサン エドワード;
摘要
权利要求

ハウジング(10)と該ハウジング(10)内に回転可能に収まるロータ(11)を備え、前記ハウジング(10)は流体の吸入口(14)と吐出口(15)を有し、前記ロータ(11)は前記ハウジング(10)の内面(16)と共働して前記ロータ(11)と、前記ハウジング(10)の前記内面(16)の間を封止するハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)とを有し、前記ロータ(11)は更に、前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)に対して径方向の内部に向かって形成された少なくとも第1、第2のロータ表面(21、22、50a、50b、50c)を有し、前記各第1、第2のロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は前記ハウジング(10)の前記内面(16)との間に空間(23、24、51a、51b、51c)を形成して、前記ロータ(11)の回転によって前記吸入口(14)から前記吐出口(15)に流体を輸送し、前記吸入口(14)から前記吐出口(15)の間には、前記各第1、第2のロータ表面(21、22、50a、50b、50c)が前記吐出口(15)から前記吸入口(14)へ移動する際に、前記吐出口(15)から前記吸入口(14)への流体の漏洩を防止するためのダイアフラムシール(12、56)を配置し、前記ロータ(11)の前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)は、前記第1のロータ表面(21、50a)の縁部と前記第2のロータ表面(22、50b)の縁部との間に前記ロータ(11)の軸線に沿って周方向に延在する領域を有し、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は前記ロータ(11)の軸線に直交する面内では凸状の曲面を形成し、前記ロータ(11)の軸線を含む面内では凹状の曲面を形成し、前記ロータ(11)の軸線と直交する面内では、対応する面内の前記ハウジング(10)の前記内面(16)の曲率よりも大きな曲率を有することを特徴とするポンプ。前記ロータ(11)は前記第1、第2のロータ表面(21、22)を有し、前記第1、第2のロータ表面(21、22)は前記ロータ(11)の回転軸の周りに対称的に配置される請求項1に記載のポンプ。前記各第1、第2のロータ表面(21、22)は前記ロータ(11)の周上に間隔を置いて配置した第1、第2の縁部(28、29)を有し、前記第1のハウジング接触面部(20a)は前記第1のロータ表面(21)の前記第1の縁部(28)と前記第2のロータ表面(22)の前記第2の縁部(29)の間に延在し、前記第2のハウジング接触面部(20b)は前記第2のロータ表面(22)の前記第2の縁部(29)と前記第1のロータ表面(21)の前記第1の縁部(28)との間に延在する請求項2に記載のポンプ。前記ハウジング接触面部(20a)は前記第2の接触面部(20b)と同じ形状を持つ請求項3に記載のポンプ。前記第2のハウジング接触面部(20b)は前記第2のハウジング接触面部(20b)が前記吸入口(14)に収まるときには、前記吸入口(14)からの流体の漏洩を防止する請求項3に記載のポンプ。前記ハウジング接触面部(20a、20b)の曲率半径又は少なくとも一方の前記ハウジング接触面部(20a)の曲率半径は、前記ハウジング(10)の同じ位置での半径の10%よりも小さい請求項1〜5の何れか1つに記載のポンプ。前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は軸線上に離れた第1、第2の端末部を有し、前記ロータ(11)の軸線に直交する面における凸状の曲率は第1、第2の端末部の位置において最大になり、前記第1、第2の端末部の間では最小になるまで減少する請求項6に記載のポンプ。前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は軸線上に離れた第1、第2の端末部を有し、前記第1、第2の端末部の位置とその付近では、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の曲面は円弧を形成し、前記第1、第2の端末部間では前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の凸状の曲面は楕円弧を形成する請求項7に記載のポンプ。前記第1、第2の端末部の付近では、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の凸状の曲面は円弧を形成し、前記第1、第2の端末部の間では前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は前記ロータ(11)の直線から成る軸線に直交する面内に断面を有する請求項7に記載のポンプ。前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)のどの位置においても、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)に直交する仮想の線と、前記ロータ(11)の径に沿った仮想の線の間の度は55°以上にならない請求項7〜9の何れか1項に記載のポンプ。前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)のどの位置においても、前記ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の曲面の半径は前記ロータ(11)に直交する内面の半径の10倍以上にはならない請求項7〜10の何れか1項に記載のポンプ。前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は第1、第2の周方向に間隔を置いた第1、第2の縁部を有し、前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)に対して径の内部に延在する前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は第1の縁部から第2の縁部の周方向に向けて不均一に変化する請求項1〜11の何れか1項に記載のポンプ。前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の前記第1の縁部から始まる周方向の第1の区分(30)の深さの増加率は、対応する前記第2の縁部から始まる周方向の第2の区分(32)における増加率に比べて大になる請求項12に記載のポンプ。周方向の前記第1の区分(30)は、周方向の前記第2の区分(32)に比べて周上の長さは短くなる請求項13に記載のポンプ。周方向の前記第1、第2の区分(30、32)は、第1、第2、第3の小区分(33a、33b、33c、34a、34b、34c)から成り、前記各区分(30、32)の小区分(33a、33b、33c、34a、34b、34c)の深さの増加率が他の区分の小区分の深さの増加率と異なる請求項14に記載のポンプ。前記ロータ(11)は前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の前記第1の縁部は前記ロータ(11)の回転方向において案内の役割を果し、前記第1の縁部は前記第2の縁部よりも前に前記ダイアフラムシール(12、56)に接触するように調整される請求項12〜15の何れか1項に記載のポンプ。前記ロータ(11)に接触した前記ハウジング(10)の内面(16)の少なくとも一部はライナ(45)によって形成され、前記ライナ(45)の材料は前記ハウジング(10)の他の部分における材料よりも柔軟性を備え、弾発性を有する前記ライナ(45)は前記ロータ(11)が前記ハウジング(10)内で回転するときに、前記ロータ(11)の前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)によって変形し、前記ライナ(45)と前記ロータ(11)の前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)間で密着する請求項1〜16の何れか1項に記載のポンプ。前記ライナ(45)はゴム状の高分子材料又はシリコンゴムである請求項17に記載のポンプ。シールはダイアフラムシール(12、56)である請求項1〜18の何れか1項に記載のポンプ。前記ライナ(45)はゴム状の高分子材料又はシリコンゴムであって、シールはダイアフラムシール(12、56)であり、該ダイアフラムシール(12、56)は前記ライナ(45)の一部により形成される請求項17に記載のポンプ。前記ダイアフラムシール(12、56)は柔軟性と弾発性を有する材料から形成され、前記ハウジング(10)の前記内面(16)から前記ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)までの最大間隔は前記ロータ(11)が回転するときに前記ダイアフラムシール(12、56)の弾性限界を超えないようにされた請求項1〜20の何れか1項に記載のポンプ。前記ダイアフラムシール(12、56)は前記ハウジング(10)に使われる材料で前記ハウジング(10)と一体に形成される請求項21に記載のポンプ。ハウジング(10)と該ハウジング(10)内に回転可能に収まるロータ(11)を備え、前記ハウジング(10)は流体の吸入口(14)と吐出口(15)を有し、前記ロータ(11)は前記ハウジング(10)の内面(16)と共働して、前記ロータ(11)と前記ハウジング(10)の前記内面(16)の間を封止するハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)とを有し、前記ロータ(11)は更に、前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)に対して径方向の内部に向かって形成された少なくとも第1、第2ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)を有し、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は前記ロータ(11)の軸線に直交する面内では凸状の曲面を有し、前記ロータ(11)の軸線を含む面内では凹状の曲面を備え、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は前記ハウジング(10)の前記内面(16)との間に空間(23、24、51a、51b、51c)を形成して、前記ロータ(11)の回転によって前記吸入口(14)から前記吐出口(15)に流体を輸送し、前記吸入口(14)から前記吐出口(15)の間には前記各第1、第2のロータ表面(21、22、50a、50b、50c)が前記吐出口(15)から前記吸入口(14)へ移動する際に、前記吐出口(15)から前記吸入口(14)への流体の漏洩を防止するためのダイアフラムシール(12、56)を配置し、前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)は周方向に間隔を置いて配置した第1、第2の縁部を有し、前記ハウジング接触面部(20a、20b、52a、52b、52c)に対して径方向の内部に向かって形成された前記各ロータ表面(21、22、50a、50b、50c)の深さは、前記第1の縁部から前記第2の縁部の周方向に向けて不均一に変化することを特徴とするポンプ。

说明书全文

本発明はポンプに関するものである。

PCT/GB2005/003300とPCT/GB2010/00798にはハウジングと、ハウジングの内面に回転可能に収まるロータを備えたポンプが開示されている。ハウジングは吸入口と吐出口を備え、ロータはハウジングの内面と共働してその間を封止するためのハウジング接触面を有する。ロータはハウジング接触面の径方向の内側に向かって形成される少なくとも1つのロータ表面を有し、ハウジングの内面との間には、ロータの回転によって吸入口から吐出口へ流体を輸送するための空間を形成する。吐出口と吸入口の間には、吐出口から吸入口への流体の漏洩を防止するために、ロータの表面と密着するダイアフラムシールが配置される。

PCT/GB2005/003300とPCT/GB2010/00798に開示された上記のポンプの表面は、ロータとロータの回転軸に直交する軸線を持った仮想の円筒とが交差することによって形成される。このように、ロータには回転軸に沿って凹面状の表面が形成され、その表面とハウジングによって空間の大きさが決まる。

先行技術においては、ロータ表面の縁部がハウジングの内面と接触すると、ロータの表面形状は急激に変化する。本来、ダイアフラムシールは柔軟性を有し、ロータの早い回転速度においては、継続的な封止が必要であっても、ロータの表面形状が急激に変化するとそれに追従できなくなる。その結果、ダイアフラムシールは急激な形状変化を伴う場合に、ロータの鋭い縁部との摩擦によって磨耗し易くなり、ロータの回転速度に制限が設けられる。

本発明によれば、ポンプはハウジングと、ハウジング内に回転可能に収まるロータとから成り、ハウジングは流体の吸入口と吐出口とを備える。ロータはハウジングの内面との間で機密を保つために共働するハウジング接触面と、ハウジング接触面の径方向の内側に向かって形成される少なくとも第1、第2のロータ表面を有し、ロータの回転時に吸入口から吐出口へ流体を輸送するために、ハウジングの内面と共にそれぞれの表面との間に空間を形成し、ロータ表面が吐出口から吸入口に移動する際には、流体が吐出口から吸入口に漏洩しないように吐出口と吸入口の間に第1、第2のロータ表面と接触するダイアフラムシールを設ける。ロータのハウジング接触面は、ロータ表面の第1の端末部と第2の端末部との間に軸線に沿って周上に延在する領域を有すると共に、ロータのハウジング接触面は、ロータの軸線に直交する面内において対応するハウジングの内面の曲率よりも大きな曲率を有することを特徴とする。

このように、ロータ表面とハウジングの間に形成される各空間の容積は増大し、ロータの回転毎に多量の流体の吐出を可能にする。

ポンプの第1の形態を示し、ハウジング内に収められ、2個の表面を有するロータと、ダイアフラムシールと、管体とを示す説明断面図である。

図1のポンプのロータの概要を示した断面図であり、ロータに沿って様々な断面を示した図である。

図1と類似しているが、図1に示した位置から更に回転したロータを示した図である。

図1と類似しているが、図3に示した位置から更に回転したロータを示した図である。

図1と類似しているが、図4に示した位置から更に回転したロータを示した図である。

図1のロータを周方向から見た表面の第2の形態を示す概略図で、曲線から直線へと推移するロータ表面を示したものである。

図1の管体の他の形態の斜視図と端末部から見た正面図である。

図1と類似しているが、突起を持った他の管体の実施例を示した図である。

図1の管体と置き換えるための高分子製のワイパーの配列を示した図である。

図9に示したワイパーの作用を示した説明図で、ダイアフラムシールは第1の位置にあり、他の部材は分かり易くするために省略してある。

図9に示したワイパーの作用を示した説明図で、ダイアフラムシールは第2の位置にあり、他の部材は分かり易くするために省略してある。

図1に示したポンプと同種のポンプの斜視図であり、管体はジェルに置き換えられ、ジェルが第1の位置にきたときの図である。

図12と類似しているが、ジェルが第2の位置にきたときの図である。

図1に示した種類のポンプの軸線に沿った斜視図で、管体に代えてばねを使用し、ロータは第1の位置にあって、分かり易くするために他の部材は省略してある。

図14に示したばねの作用を示した説明図で、ロータは第2の位置にあって、他の部材は分かり易くするために省略してある。

図1と類似しているが、弾発性を有するライニングを配したハウジングから成るポンプを示した図である。

吸入口と、吐出口と、異なった第1、第2のハウジング接触部を有するロータとを備えた他の実施例のポンプの概略断面図である。

3個のハウジング接触面を有するロータを備えた他の実施例のポンプの概略断面図である。

図1に示すように、本発明のポンプは回転可能なロータ11を内包するハウジング10から成り、ロータ11は弾発性を有し、細長い中空の管体13によって支持されたダイアフラムシール12と接している。

ハウジング10はプラスチック材料から成形され、流体の吸入口14と吐出口15とを備えている。図1に示すように、吸入口14と吐出口15はそれぞれ同軸上(必須ではない)に並んでいる。ハウジング10の内部には、長手方向に延在し、ロータ11に密着する内面16が形成される。内面16の断面は円形で、長手方向に向けて仮想の円筒表面又は円錐台状の表面を有する。

ハウジング10の内面16には、吐出口15と吸入口14との間に軸線に沿って、周方向に延在するダイアフラムシール12を充填するための開口が形成される。ハウジング10はダイアフラムシール12の後部に延在する空間17を有し、空間17はハウジング10の軸線に対して直交方向に延在する周壁18によって囲まれる。周壁18の片端はダイアフラムシール12によって閉止され、他端はキャップ19によって閉止される。キャップ19は管体13と共働して、以下に述べるように機能する。

ハウジング10はそれに適したプラスチック材料を使用して、望ましくは1回の射出成形によって作製される。ダイアフラムシール12はハウジング10とは別体に作製され、その後にハウジング10に固定されるか、ハウジング10と同じ材料を用いて一体に成形される。また、ハウジング10の材料よりも弾発性に富んだ材料を使って、ハウジング10と共に2色成形してもよい。以下に述べるように、ハウジング10は部品間を封止するためにロータ11と共働して次のように機能する。

ロータ11はハウジング10の内面16に接触するハウジング接触面20を備えている。ロータ11の軸線に沿って間隔を空けて位置する第1と第2の端末部において、このハウジング接触面20は、円形の断面を有し、ハウジング10の全内周に渡ってハウジング10の内面16と密着して、これらの部品間を封止する。この場合に、ハウジング10が弾発性を有し、ロータ11のハウジング接触面20が多少膨張すると、上記の封止はより強固になる。

ロータ11の端末部間には、ロータ11の外側にハウジング接触面20から径方向の内側に向かって、第1、第2のロータ表面21、22が形成される。図1に示す各第1、第2のロータ表面21、22は、次に述べるハウジング10との間に、流体を汲み上げるための空間23、24を形成する。

第1、第2のロータ表面21、22は種々の形状を採ることができる。次の図2に示すように、ロータ11の軸線に沿った第1の端末部25は、ロータ11の軸線に直交する面内では円形の断面を有し、第2の端末部(図2には図示せず)の断面もまた円形になる。この場合に、ロータ11の回転軸に直交する面内ではロータ11の断面は次第に変化してゆき、各端末部25、26においては円形であったものが中心位置では楕円形27になる。このように、ロータ11の回転軸に直交する面内においては、第1、第2のロータ表面21、22の凸面の曲率は、第1、第2の端末部25、26において最大になり、これら第1、第2の端末部間では減少し、中間点において最小になる。各第1、第2のロータ表面21、22は、鋭い縁部を持たずに全ての方向に連続的な曲線を描き、各第1、第2のロータ表面21、22のどの位置においても、第1、第2のロータ表面21、22に直交する仮想の線と、ロータ11の半径に沿った仮想の線の間の度は55°以上にならないことが望ましい。

各第1、第2のロータ表面21、22のどの位置においても、曲率半径はロータ11の半径の10%以下にはならないことが望ましい。特に、高速ポンプではこの条件が望まれる。

ロータ11の軸線の中心における断面は、必ずしも楕円形でなくてもよい。各第1、第2のロータ表面21、22は円弧状であってもよい。

また、各第1、第2のロータ表面21、22は中心点又はその付近においては、軸線方向及び周方向に延在する平面であってもよい。

各第1、第2のロータ表面21、22は、ロータ11の軸線に沿った第1、第2の端末部25、26と出会う第1、第2の縁部28、29によって特徴付けられる。ロータ11のハウジング接触面20はこれらの縁部28、29の間で(同じ形状の)各第1、第2のハウジング接触面部20a、20bを形成しながら延在する。これらの第1、第2のハウジング接触面部20a、20bはハウジング10の内面16と接触し、空間23と24の間の漏洩を防止する。ロータ11のハウジング接触面20の第1、第2の接触面部20a、20bの曲率は、ハウジング10の内面16のどの地点においても同一になる。更に、その曲率は、接触面積を減少させて摩擦を低減させるために、対応する位置におけるハウジング10の内面16の曲率よりも小さくなり、接触面部20a、20bは図2に破線で示した仮想の円49の表面となる。ロータ11のハウジング接触面20の曲率は同じ位置のハウジング10の曲率の10%になる。ロータ11の端末部間において、ハウジング接触面20とハウジング10が周方向に接触する長さは、1mm程度又はロータ11のそれぞれの縁部の幅の長さほどになる。

図1に示すように、ロータ11はハウジング10内でロータ11を時計方向に回転させるための駆動装置に接続する(又は接続することができる)。図面に基づいて説明するロータ11は、ロータ11の回転軸を含む面に対して対称的に配置されるため、ロータ11の何れの回転方向においても、同じ効率で流体を汲み上げることができる。

ダイアフラムシール12は弾発性を有する薄膜から形成されており、その目的は、ロータ11がハウジング10内を回転する際に両者間を密着させることである。ロータ11のこのような形状を考慮した上で、ダイアフラムシール12をロータ11により強く密着させる必要があり、その目的のために管体13が使用される。管体13には例えばシリコンゴム(A型硬度計による硬さ60)が用いられ、キャップ19とダイアフラムシール12の間のハウジング空間17内に配置される。管体13の軸線はロータ11の軸線と平行になる。管体13はロータ11の全ての位置において圧縮され、その結果、ダイアフラムシール12には何時でもが掛かることになる。

以下に、図3〜図5を参照してポンプの作用機構を説明する。

吸入口14は流体の供給源に接続される。ポンプは粘性の液体、塗料のような懸濁液(流体の範疇に入れる)を含む広い範囲の液体、気体の汲み上げに使用することできる。吐出口15は流体の輸送先に接続される。ロータ11は望ましくは、角速度やロータの位置をコンピュータで制御できる駆動装置(図示せず)に接続される。

図1に示すロータ11のハウジング接触面20がハウジング10の上死点位置から始動すると、流体は第1のロータ表面21とハウジング10によって形成された空間23の吸入口14から吸入され、第2のロータ表面22とハウジング10によって形成された空間24の吐出口15から吐出される。ダイアフラムシール12はロータ11のハウジング接触面20と密着し、管体13によってロータ11に押し付けられたダイアフラムシール12と共に、吐出口15から吸入口14への流体の漏洩を防止する。

図3に示すように、引き続きロータ11が回転すると、第2のロータ表面22の回転によって第2の空間24の吐出口15から流体を吐出するために、第2の空間24の流体の量は減少し、一方で第1のロータ表面21の回転によって吸入口14から第1の空間23に吸入される流体の量は増加する。ダイアフラムシール12は管体13の作用の基でロータ11への密着を継続し、ダイアフラムシール12はロータ11のハウジング接触面20だけでなく、第2のロータ表面22とも密着する。

更に、ロータ11が下死点位置(図4参照)に向かって回転すると、第1のロータ表面21はハウジング10と共に閉じた第1の空間23を形成し、所定の量の流体を収容する。第2の空間24は吐出口15において、第2の空間24の一部分に空間を形成して、流体を引き続き吐出口15に吐出し、第2の空間24の他の部分空間には吸入口14から流体を吸入する。ダイアフラムシール12は第2のロータ表面22と密着して、空間24の各部分空間の間の漏洩を防止する。

ロータ11(図5参照)は更に回転して、第1の空間23を吐出口15に開放し、それによって第1の空間23のほぼ全量を吐出口15から吐出する。第2のロータ表面22は、吸入口14において第2の空間24の容積を増加させ、更に次の流体を吸入する。ダイアフラムシール12は管体13の作用の基で、ロータ11への密着を続行する。

ロータ11が更に回転することによって、吸入口14から吐出口15に向かう流体の汲み上げは続行される。

ロータの回転軸に直交する面において、第1、第2のロータ表面21、22の少なくも一部は凸面を形成し、参照した先行技術と比較すると、空間23、24の容積、即ちロータ11の1回転毎の流体の汲み上げ量は増加する。同時に、ロータ11とハウジング10の間の封止は十分に維持され、双方の間の漏洩を防止する。更に、第1、第2のロータ表面21、22の形状は、ハウジング接触面20とハウジング10との間の接触面積を減少させ、それによって、ロータ11の回転中の摩擦は減少するため、ポンプの運転に必要な電力も減少し、そして/又はロータ11の早い回転速度も可能になる。これによって、安価で小さなモータの使用が可能になる。汲み上げ量が増大すると、参照した先行技術に比べて最大流量に向けたポンプの大きさも小さくなる。ダイアフラムシール12と管体13を使用すると、ダイアフラムシール12とロータ11間の回転条件も改善され、そのことは、特に粒体を含む流体を汲み上げる際には重要になる。

更に、ハウジング接触面部20a、20bの曲率を適正化することによって、接触面の急激な形状変化は回避される。そのため、ダイアフラムシール12の磨耗量は減少し、早い回転速度を可能にする。

図6に示すように、ロータ11の軸線と直交する面内では、第1、第2のロータ表面21、22は周方向に対して非対称になる。第1、第2のロータ表面21、22の始点になる縁部28から終点になる縁部29に至る過程において、ロータ11の軸線の中心点にある仮想的な円での第1、第2のロータ表面21、22の径方向の深さは、第1の区分30で急激に増大する。次いで、中央区分32で一定になり、縁部29までの区分32においては区分30に比べてやや緩い傾斜を持つようになる。更に、第1の区分30は第1、第2、第3の小区分33a、33b、33cに分けられ、第1の小区分33aは凸状の曲面を呈して小区分の中では最小の曲率半径を有し、第2の小区分33bは最大の傾斜領域を有して、第3の小区分33cは最小の曲率半径を有する凹状の曲面を持つ。第2の区分32は第1、第2、第3の小区分34a、34b、34cに分けられ、第1、第2、第3の小区分33a、33b、33cと類似の形状を有するが、第1、第2、第3の小区分33a、33b、33cに比べて周上に長い領域を有する。各区分の小区分は共通の接線を有して集まるため、急激な変形は避けられる。

これによって、第1、第2のロータ表面21、22が縁部28から始まってダイアフラムシール12を過ぎるとき、第1、第2のロータ表面21、22の深さの変化率は、縁部29がダイアフラムシール12を過ぎるときの深さの変化率に比べて大きくなる。このことは、管体13の作用の下でダイアフラムシール12が、第1、第2のロータ表面21、22に対して、離れるときよりも接触するときの動作を早くするための必要条件になっている。

以上の説明によって、ダイアフラムシール12は全軸線方向に渡って第1、第2のロータ表面21、22を封止することが理解される。かくして、ダイアフラムシール12には、ロータ11の回転角と共に変化する軸線方向の長さに応じて異なった適合性が必要になる。図1、図3〜図5に示すように、管体13はその長さ方向に向かって内側と外側に一定の同心を持つ断面を有し、キャップ19は一定の厚みを持つ。これらの適合性の変化に対して、より良き封止の方法を求める場合には、上記の事例は必ずしもこれに当たらない。

例えば、管体13を通してダイアフラムシール12に負荷を掛けるためには、キャップ19には柔軟性が必要になる。その柔軟性は、キャップ19の軸線方向の長さによって変化し、例えばキャップ19の厚みを変化させる。

ロータ11に対してダイアフラムシール12の必要な適合性を確保するために、中空でかつ延伸可能であり、内側と外側に互いに同心円ではない円形の断面から成る管体13が配置される。これらの断面の一方又は両方は円形ではなく、例えば楕円形、八角形、三角形又は菱形のような多角形でもよい。1個の管体13以外に、例えば2つの管体を重ねてもよい。

図7a、図7bに示すように、他の管体35も提案されており、管体35では内部及び外部の断面は共に略楕円形であり、中心における長軸の長さは端部に比べて長くなる。この目的はロータ11の回転中に、ロータ11の軸線に沿った接触圧の変化の幅をできるだけ小さくするためである。下死点位置(BDC)において、ロータ11の回転中にダイアフラムシール12が第1、第2のロータ表面21、22の最大深さの位置に接触する必要があるときに、管体35は軸線方向にほぼ一定の圧力を掛けられるように設計されている。ハウジング10の上死点位置(TDC)ではダイアフラムシール12がロータ11のハウジング接触面部20a、20bに接触する必要があるが、管体35ではより大きく圧縮されるため、作用する力は不必要に高くなる。しかし、管体35が楕円形であれば、単位長さ当りの楕円状の管体を圧縮する際に必要な力は線形ではなくS字形を呈し、下死点位置(BDC)と上死点位置(TDC)での圧力差を最小にすることができる。更に、管体35にはその外面に間隔を空けて延在する2個の平行なリブ36が付加される。これらのリブ36は管体35がハウジング空間17内にあるときはキャップ19と係合する。

ダイアフラムシール12とロータ11の間の接触面積は管体13を軸線方向に突出させると減少する。図8にはその構成を示す。ここに、図1、図3〜図5と同じ部品が使われる場合は、同じ参照符号で表示されているので、詳細は省略する。管体35は管体13のように軸線に沿って延在するV字型の突起37を備え、ダイアフラムシール12に接触し、ダイアフラムシール12の突起37に接触する領域のみがロータ11を押し付ける。この構造はダイアフラムシール12との接触によって生ずる摩擦力を低下させ、より効率的な封止を可能にする。ダイアフラムシール12の下面にはV字形の突起37を含む他の構成を配置してもよい。例えば、この構成ではダイアフラムシール12の下面に、間隔を空けて2列に配列した突起を取り付けてもよい。

上記に説明したように、ダイアフラムシール12は全面に渡って均一な厚みを有する薄いシート状の材料である。しかし、ダイアフラムシール12はこれに限られるものではない。ダイアフラムシール12は種々の柔軟性を示す性能をその全面に付与し、ロータ11の最大深さにおいてもロータ11に適合するように形成される。この目的のために、例えばロータ11に接触しない円形のリブや襞がダイアフラムシール12の表面に付加される。

次に、図9〜図11に示すように、上述の実施例の管体13はダイアフラムシール12を押圧するために他の手段に置き換えることができる。図9に示すように、1つの可能性は一連の配列されたワイパー39である。各ワイパー39はU字形を呈し、ワイパー39の先端に接続する1組の片状部材40に側面から支えられる。ワイパー39はポリプロピレンのような材料に比べて、へたりを起こし難く、ゴム状ではないアセタールのような高分子材料で形成されることが好ましい。

一連のワイパー39は図10、図11に図示するように、ダイアフラムシール12とはワイパー39の頂点において接触し、ハウジング空間17内に装着される。各ワイパー39は自由な先端を有し、それぞれのワイパー39は部位によって変形の度合いを異にするために、ワイパー39の配列はダイアフラムシール12をロータ11の表面と適合し易くする。図10、図11に示すように、各ワイパー39はダイアフラムシール12に対して均一な力を加えられるようにダイアフラムシール12の軸線上の長さを異にすることができる。

ワイパー39は曲がることだけを要求されるため、小さい応力に限定される。また、ワイパー39には低価格で再生可能な材料が使われるため、ポンプもまた再生可能になる。

他の可能性は、管体13を流体に置き換えることである。図12、図13を参照する場合には、図12、図13と図1に共通の部品は同じ参照符号で表示されているので、詳細は省略する。この実施例においては、管体13はハウジング空間17に満たされる流体41に置き換えることができる。流体41は液体又はジェルであって、空間17内に圧縮、充填される。ジェルが使われるときは、を基材にしてポリアクリル酸ナトリウムのような超吸水性高分子、低密度シリコン又はそれらに類似の材料が使われる。この実施例では、キャップ19には柔軟性を有する弾性体が使われる。

運転中に、流体41はダイアフラムシール12に圧力を掛けて、回転中のロータ11に力を加える。ロータ11の表面の形状によって起こるダイアフラムシール12の位置ごとの変化は、キャップ19の撓みの度合によって調整され、図13に示すように、ロータ11の径方向の外端部がダイアフラムシール12を通過する際には、キャップ19は最大に変形する。

流体41は圧力下に置かれる代りに、柔軟性を持ったキャップ19に作用するばねによっても圧力を掛けることができる。

管体13は更にばねに置き換えることもできる。その実施例は図14、図15に示されており、これらの図面と図1に共通の部品は同じ参照符号で表示されているので、その詳細は省略する。この実施例では、各第1、第2のロータ表面21、22の軸線に沿った形状は、ロータ11の軸線に対して直交する面内にあっては、円弧や懸垂線等の連続した線になり、形状が円弧であれば、第1、第のロータ表面21、22の連続的な軸線に沿った形状も円弧になって、その半径は徐々に増大又は減少する。

ばね42はハウジング空間17内に配置される。ばね42は葉状か金属線状であり、金属又は高分子で作製される。ばね42はばね自体よりも柔軟な物質で被覆される。ばね42には第1、第2のロータ表面21、22の軸線上の最大曲率よりも大きな最大曲率を予め付与しておけば、ダイアフラムシール12に必要な圧力を加えることができる。ばね42には一対のローラ又はばね42の対向する各端部向かって作用する支点43と、ダイアフラムシール12の上に成形された2個のリブ44によって、ロータ11の軸線に直交する軸線の周りに曲がるように力が掛かる。ロータ11が回転すると、ばね42はダイアフラムシール12にロータ11が接触する位置の軸線上の形状に適合させる。図14には最大の撓みを示しており、図15は最小の撓みでばね42は直線になっている。

ロータ11とハウジング10の間が封止されれば、多くの流体の漏洩は十分に防止される。知られているように、ハウジング10は封止をより向上させるために、弾発性を有しロータ11によって膨張可能な材料によって形成される。ハウジング10の内面16とロータ11のハウジング10に接触する面を円錐台状にすると、軸上に沿ってこれらの部品間の相対的な位置関係を調整が可能になることは、良く知られている。

図16に示した部品は図1に示すポンプの部品と共通しており、それらは同じ参照符号で表示されているので、その詳細は省略する。図16に示した実施例では、ハウジング10の内面16は弾発性を有するライナ45で覆われ、ライナ45はロータ11とハウジング10が接触する全領域に渡って延在している。ライナ45にはゴム状の高分子又はシリコンゴムが使われる。ライナ45を使用すると、ハウジング10とロータ11の間の耐久性は、ハウジング10全体が弾発性を有する材料で作製された場合よりも高くなる。ハウジング10とロータ11が円筒状であると、部品の相対的な軸線上の動きによる影響は、それらが円錐台の形状の場合に比べて小さくすることができるため、上記の構成は特に有効になる。汲み上げられる流体に摩擦を起こす粒体が含まれている場合には、ゴム状の表面間に生ずる磨耗は低減されるので、この特徴はライナ45の使用上の利点になる。

この場合に、ダイアフラムシール12はライナ45と同じ材料であることが望ましい。それによって、ダイアフラムシール12には、それがハウジング10と同じ材料で作製されている以上に大きな変形を可能にする。また、ダイアフラムシール12がハウジング10よりも弾性率の低い材料で形成される場合に比べても、第1、第2のロータ表面21、22はハウジング10に対して間隔の限度をより大きく取ることができる。

図1〜図16に示した実施例では、吸入口14と吐出口15は円形の断面を持つ管体で形成されている。この状態では、汲み上げられる流体が100センチポアズ以上である高粘度の液体であった場合には、関連するポンプの最大の流量に影響が生ずる。

所定の流速で管体内を層状流として流れるニュートン流体の圧力は、管体の長さに対しては直接的に比例して低下し、管体の直径に対しては4倍に比例して低下する。そのため、粘度の高い液体に対しては、ポンプの吸入口と吐出口の開口はできるだけ大きくする必要がある。しかし、実用可能な直径の大きさには限度がある。図16に示すように、吸入口14と吐出口15への開口の上部は、ダイアフラムシール12よりも上にくることはないし、吸入口14と吐出口15の開口の底部もハウジング10の軸線の中心線よりも下になることはない(さもないと、吸入口14と吐出口15はロータ11が水平の位置に来たときに連通してしまう)。そのためには、ハウジング10に上記の要件を満たす最大の開口を設け、開口はできるだけ短くして、吸入口14と吐出口15の管体径を最適な大きさにまで拡大すればよい(図16においては、ハウジング10の壁の厚さに相当する)。

更に、吸入口14と吐出口15は軸線方向に伸長して、軸線に沿って第1、第2のロータ表面21、22の全長に及ぶようにする。

これまでの図を参照すれば、各部品の配置に対しては多くの代案が提供されるはずである。特に、第1、第2のロータ表面21、22は2個以上になる場合もある。ロータ11に対しては3個又はそれ以上なので、特に少量の汲み上げ量を計測する際には利点になる。3個又はそれ以上のロータ表面を使うと1度のロータ11の回転によって輸送される流体の容量は減少するが、このような配置にすると、取り出す流体の必要量を計量する際の精度が上がり、汲み出す量が少量の場合には、空間の容量が全量の共通の分母になり得る。

図面を参照した上述した実施例では、ハウジング接触面20の2つの部分の形状は同じである。この構成は必ずしもこの実施例の要件ではない。参照すべき図17では、図16に示した部品は他の図で示した部品と共通しており、それらには同じ参照符号で表示されているので、詳細は省略する。この実施例では、第2のハウジング接触面部20aは第1のハウジング接触面部20bよりも小さな曲率と大きな角度領域を有している。第2のハウジング接触面部20aはハウジング10の内面と同じ曲率を持つ部分を有し、吸入口14と同等か、又はより大きな角度領域を有しているので、第2のハウジング接触面部20aが吸入口14に嵌め込まれると、吸入口14を塞ぐことになる。この構造はポンプが流体の容器(図17には図示せず)の出口に接続されたときに、ロータ11が吸入口14を塞ぐため、対応する容器からの流体の漏洩防止に有効になる。

図18を参照すれば、この実施例に示した部品は他の図で使った部品と共通しており、それらは同じ参照符号で表示されているので、詳細は省略する。この実施例においてハウジング10は、精密加工した金属や、アセタール等の合成樹脂を使用して、精密な射出成形により作製されたロータ11を内包している。ロータ11はPCT/GB2005/003300、PCT/GB2010/00798に開示されたものと同様の形状を有しているが、3個の窪んだロータ表面50a、50b、50cから成り、これまでに参照した図面と同様に成形され、ハウジング10と共に空間51a、51b、51cを形成する。ロータ11は3個のハウジング接触面部52a、52b、52cを備えている。

ハウジング10の吸入口14と吐出口15の間には、シール保持部53が形成される。シール保持部53はハウジング10内に開口55から立ち上がって、平行に間隔を空けて配置した側壁54a、54bを備えている。各側壁54a、54bはロータ11の軸線に平行に延在し、少なくともロータ表面50a、50b、50cの軸線方向の長さと同じ長さの軸線方向の長さを有する。端末壁(図示せず)は側壁54a、54bの軸端と交差する。柔軟性を有するダイアフラムシール56は、上記の実施例又はPCT/GB2005/003300、PCT/GB2010/00798と同様に開口55を閉止する。

ダイアフラムシール56はシリコンゴムのように柔軟性と弾発性を有する弾性材料によって形成され、逆U字型に形成された延伸部材57に支持される。延伸部材57はその外面に間隔を空けてリブ60を備え、基部59によって連結された腕部58a、58bを有する。リブ60は延伸部材57の長手方向の軸線と平行に延在する。延伸部材57はシール保持部53にあって、腕部58a、58bの側面とは逆方向に装着され、側壁54a、54bを押圧し、それによって基部59の端部61a、61bは側壁54a、54bに固定される。リブ60はダイアフラムシール56の下面を押し付ける。シール保持部53は平行に間隔を空けたチャンネル63a、63bを備えたキャップ62によって閉ざされ、チャンネル63a、63bは、延伸部材57をハウジング10に配置するために、各腕部58a、58bの末端を受け入れる。キャップ62が延伸部材57を圧縮すると、リブ60はダイアフラムシール56を押し付けることになる。

窪んだロータ表面50a、50b、50cは、上述したように、ロータ11の軸線方向に形成される。

これまで図面を参照して述べてきた全ての実施例において、各第1、第2のロータ表面21、22及びロータ表面50a、50b、50cと、ロータ11の内面16に対する最大の間隔は、ダイアフラムシール12、56の柔軟性によって決められる。もし、ダイアフラムシール12、56がその弾性限界を超えるならば、それは永久に変形し、ロータ11を封止する能力が損なわれる。従って、この間隔(図18に示す「d」)はダイアフラムシール12、56の材料性能を考慮して選択されなければならない。それによって、ダイアフラムシール12、56はダイアフラムシール12、56の弾性領域内で適正に加減できることになる。

各第1、第2のロータ表面21、22とロータ表面50a、50b、50cとハウジングの内面16間の最大間隔「d」の限度は、空間23、24、51a、51b、51cの容量に限度を設ける。最大の間隔が決定し得る最小値以下になる場合は、図18に示すように、3分割されたロータ11は、図1〜17に示した2分割されたロータ11に比べて、1回転当りの流体の輸送量は多くなる。最大間隔「d」がダイアフラムシール56の性能を考慮して更に小さくする必要があるときは、3分割されたロータ11よりも多くの流量を輸送できる4分割されたロータ11が供される。

そのような3分割されたロータ11には他の利点がある。即ち、3分割されたロータ11は2分割のロータに比べて、ロータ11が回転するときにロータ11とハウジング10の間に2つのシールが入るため、より大きな流体の圧力をダイアフラムシール12に掛けることになる。更に、この状況においては、空間51a、51b、51cの全容量は2分割されたロータ11よりも大きくなるが、空間51a、51b、51c毎の容量は図1〜図17の実施例に示した空間23、24よりも少なくなり、他の寸法は同じであれば、汲み上げられる流体の流量はより精度良く測定されることになる。

図18に示した上述のポンプは、図1〜図17に示したポンプと共にロータ11の回転によって広く作動する。下死点位置では、ハウジング10内のダイアフラムシール56の撓みが最大になっても、基部59の撓みは僅かでしかない。それでも、ロータ11にはダイアフラムシール56を介して、ダイアフラムシール56とロータ11の間で流体が吐出口15から吸入口14へと漏洩しないように、ダイアフラムシール56の弾性限界を超えない範囲でも、十分封止できるだけの力が掛かる。引き続き、ロータ11が約45°回転すると、ロータ11は基部59を内側に押し付ける。この場合に、基部59の曲率は上死点位置にあるときに比べて減少し、それによって、腕部58a、58bに圧縮力を加えなくても、腕部58a、58bの側壁54a、54bへの押し付けが可能になる。更に、ロータ11が上死点位置から90°回転した図18の位置にくると、ロータ11は基部59をその最大の範囲までハウジング10の外側に押し付け、これによって、延伸部材57の基部59は逆方向に向くことになる。ここでもまた、腕部58a、58bには圧縮力が掛かることはない。確かに、逆向きになれば、延伸部材57からロータ11に掛かる力は減少する。ダイアフラムシール12が予め湾曲した形状から逆向きの形状になるには、殆ど追加の力を必要としないので、この撓みは変わることなく、又はリブ60からダイアフラムシール12に掛かる力、そしてダイアフラムシール12からロータ11へ掛かる力は殆ど変わることはない。

延伸部材57と同類の部材の作用については、英国特許出願1202245.4号に詳細に記載されている。

10 ハウジング 11 ロータ 12、56 ダイアフラムシール 14 吸入口 15 吐出口 20 ハウジング接触面 20a、20b ハウジング接触面部 21、22、50a、50b、50c ロータ表面 23、24、51a、51b、51c 空間 25、26 端末部 28、29 縁部

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