選択触媒還元装置用の液状の添加剤を調量するポンプ

申请号 JP2016509360 申请日 2014-04-07 公开(公告)号 JP6067179B2 公开(公告)日 2017-01-25
申请人 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; Continental Automotive GmbH; 发明人 ロルフ ブリュック; ヤン ホジソン;
摘要
权利要求

液体を調量して供給する装置(1)であって、少なくとも、液体を圧送するための少なくとも1つのポンプ(2)を備え、該少なくとも1つのポンプ(2)が、少なくとも1つの流入部(4)と少なくとも1つの流出部(5)とを備えたポンプハウジング(3)を有し、該ポンプハウジング(3)に偏心体(6)が配置されており、該偏心体(6)とポンプハウジング(3)との間に、変形可能なダイヤフラム(7)が配置されており、該変形可能なダイヤフラム(7)とポンプハウジング(3)とが、前記少なくとも1つの流入部(4)から前記少なくとも1つの流出部(5)までの少なくとも1つの圧送路(8)を画定していて、該圧送路(8)の少なくとも1つのシール部(9)を形成しており、該少なくとも1つのシール部(9)が、圧送のための前記偏心体(6)の運動によって前記圧送路(8)に沿って圧送方向(27)で前記少なくとも1つの流入部(4)から前記少なくとも1つの流出部(5)へ移動可能であり、前記少なくとも1つのポンプ(2)の内部に、前記偏心体(6)が運動するために克服されなければならない摩擦モーメント(13)が生じ、該摩擦モーメント(13)が、圧下にある液体によって前記圧送路(8)内に形成され得る最大押圧モーメント(14)よりも大きく形成されており、これにより前記偏心体(6)の、圧送方向(27)とは逆の方向での運動が阻止されるようになっていることを特徴とする、液体を調量して供給する装置(1)。変形可能なダイヤフラム(7)が、少なくともポンプハウジング(3)または前記偏心体(6)に、所定の摩擦係数と垂直抗力(10)とを持って接触しており、前記摩擦係数と前記垂直抗力(10)とにより、前記摩擦モーメント(13)が生ぜしめられる、請求項1記載の装置(1)。前記偏心体(6)が、内側の偏心領域(22)と、外側の軸受リング(21)と、該偏心領域(22)と該軸受リング(21)との間に配置された軸受(20)とによって構成されており、前記摩擦モーメント(13)が、前記軸受(20)における内部摩擦により形成される、請求項1または2記載の装置(1)。前記少なくとも1つのポンプ(2)が駆動ユニット(26)を有し、前記摩擦モーメント(13)が、該駆動ユニット(26)における内部摩擦により形成される、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置(1)。前記最大押圧モーメント(14)が、前記少なくとも1つのポンプ(2)の最大作業圧と、前記少なくとも1つのポンプ(2)の前記圧送路(8)の最大に発生した横断面(25)とに基づいて形成される、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置(1)。前記圧送路(8)の最大横断面(25)が、20mm2(平方ミリメートル)よりも小さい、請求項5記載の装置(1)。前記少なくとも1つのポンプ(2)の最大作業圧が、6〜10バールである、請求項5または6記載の装置(1)。前記少なくとも1つのポンプ(2)の以下に挙げるパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは、前記摩擦モーメント(13)が、圧送方向(27)とは逆の方向における前記偏心体(6)の運動時に、圧送方向(27)における前記偏心体(6)の運動時よりも大きくなるように形成されている: −ポンプハウジング(3)の、前記圧送路(8)に向けられたハウジング表面(15)と、変形可能なダイヤフラム(7)の、前記圧送路(8)に向けられたダイヤフラム表面(34)との間の摩擦係数; −変形可能なダイヤフラム(7)と前記偏心体(6)との間の摩擦係数; −前記少なくとも1つのポンプ(2)の前記偏心体(6)の軸受(20)における摩擦モーメント;および −前記少なくとも1つのポンプ(2)の駆動ユニット(26)における摩擦モーメント、 請求項1から7までのいずれか1項記載の装置(1)。前記摩擦モーメント(13)が、圧送方向(27)とは逆の方向において、圧送方向(27)よりも大きくなるようにするために、前記少なくとも1つのポンプ(2)の内部の、以下に挙げる位置のうちの少なくとも1つの位置に、鉤構造体(35)が設けられている: −ポンプハウジング(3)の、前記圧送路(8)に向けられたハウジング表面(15); −変形可能なダイヤフラム(7)の、前記圧送路(8)に向けられたダイヤフラム表面(34); −変形可能なダイヤフラム(7)の、前記偏心体(6)に向けられたダイヤフラム表面; −前記偏心体(6)の、変形可能なダイヤフラム(7)に向けられた表面; −前記少なくとも1つのポンプ(2)の前記偏心体(6)の軸受(20); −前記少なくとも1つのポンプ(2)の駆動ユニット(26)、 請求項1から8までのいずれか1項記載の装置(1)。少なくとも、内燃機関(18)と、該内燃機関(18)の排ガスを浄化するための排ガス処理装置(16)と、該排ガス処理装置(16)に液体を圧送する、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置(1)とを有する自動車(17)において、 前記液体が、尿素溶液であることを特徴とする、自動車(17)。

说明书全文

本発明は、液体を調量(ドージング)して供給する装置に関する。このような装置は、圧送装置および/または調量装置とも呼称され得る。このような装置は、たとえば自動車において、自動車の排ガス処理装置に、排ガス浄化のための液状の添加剤を供給するために使用され得る。運転のために液状の添加剤を必要とする排ガス処理装置においては、たとえば選択触媒還元法(SCR法;SCR=Selective Catalytic Reduction)が実施される。この方法では、内燃機関の排ガス中の窒素酸化物化合物が、還元剤を用いて還元される。還元剤としては、通常、アンモニアが使用される。アンモニアは、自動車において通常では直接に貯蔵されるのではなく、還元剤前駆溶液の形で貯蔵される。この還元剤前駆溶液は、液体としてタンク内に貯蔵され、そして前記方法により運転され得る相応する装置によって供給される。これに関連して特に頻繁に使用されている液体が、尿素溶液である。尿素水溶液は排ガス浄化の目的のためには、32.5%の尿素含量を有して、商品名「AdBlue」(登録商標)で市販されている。

有効な排ガス浄化のためには、排ガス処理装置への液体のできるだけ正確に調量された添加が望まれている。すなわち、添加される液体の量が、排ガス処理装置における需要にできるだけ正確に対応することが望まれている。さらに、液体を調量して供給する装置は、できるだけ廉価に製造可能でかつ運転可能であることが望ましく、そして前記装置内部の凍結する液体によって、できるだけ損傷され得ないことが望ましい。なぜならば、前記(水性)液体は低い温度で凍結し得るからである。低い温度は、自動車においては、たとえば長時間の停止段階の際に生じる。

このような液体を圧送するためには、タンクから排ガス処理装置に設けられたインジェクタにまで、分岐なしの圧送管路を有する装置が特に有利であることが判っている。液体を調量して供給するこのような装置は、典型的には、当該装置を通ってタンクへ戻る液体の循環圧送を可能にする戻し管路を有しない。従来では、このような戻し管路が設けられていた。なぜならば、この戻し管路を介して当該装置内の空気泡が簡単にかつ確実に除去され得たからである。しかし、このような戻し管路は、高められたコスト手間となる。

この装置を用いた液体の調量(ドージング)は、好ましくは、電子的に制御されて開閉され得るインジェクタ(ドージングバルブ)を用いて行われる。この装置により送出される液体量は、典型的にはインジェクタの開放時間に比例している。このためには、インジェクタに加えられる液体圧が、できるだけ正確に規定値に相当していなければならない。なぜならば、規定された開放時間中にインジェクタにより調量される液体量は、インジェクタにおける液体の圧と著しく関連しているからである。

インジェクタの複数の個々の調量過程の間では、ポンプとインジェクタとの間の吐出管路区分における液体の圧力を実質的に一定に保持することが望ましい。これによって、インジェクタに調量要求が課せられた直後に、インジェクタは、所望された通りに液体を調量することができる。

液体を供給する装置は、液体を圧送しかつインジェクタに加えられる圧力を維持するために、典型的には少なくとも1つのポンプを有する。しかし、このような装置のために汎用的に使用されるポンプには、ポンプを通じて液体の戻り流が生じる恐れがあるという欠点がある。この戻り流により、インジェクタに加えられる圧力は正常値から狂わされ、したがって調量精度は低下される。

上記公知技術水準から出発して、本発明の課題は、公知先行技術に関連して述べた技術的な問題を解決するか、もしくは少なくとも緩和することである。特に、液体の精密な調量を可能にし、かつ装置のエネルギ消費量ができるだけ少なく、しかも装置ができるだけ廉価となるような、液体を調量して供給する装置が提供されることが望まれる。

上記課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴を有する装置により解決される。この装置の別の有利な実施態様は、従属項形式の各請求項に記載されている。特許請求の範囲に個別に記載されている特徴は、任意にかつ技術的に好都合に互いに組み合わせ可能であり、そして明細書に記載の事項により適宜補填され得る。この場合、本発明のさらに別の変化形が提供される。

本発明によれば、液体を調量して供給する装置であって、少なくとも、液体を圧送するための少なくとも1つのポンプを備え、該少なくとも1つのポンプが、少なくとも1つの流入部と少なくとも1つの流出部とを備えたポンプハウジングを有し、該ポンプハウジングに偏心体が配置されており、該偏心体とポンプハウジングとの間に、変形可能なダイヤフラムが配置されており、該変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとが、前記少なくとも1つの流入部から前記少なくとも1つの流出部までの少なくとも1つの圧送路を画定していて、該圧送路の少なくとも1つのシール部を形成しており、該少なくとも1つのシール部が、圧送のための前記偏心体の運動によって前記圧送路に沿って圧送方向で前記少なくとも1つの流入部から前記少なくとも1つの流出部へ移動可能であり、前記少なくとも1つのポンプの内部に、前記偏心体が運動するために克服されなければならない摩擦モーメントが生じ、該摩擦モーメントが、圧力下にある液体によって前記圧送路内に形成され得る最大押圧モーメントよりも大きく形成されており、これにより前記偏心体の、圧送方向とは逆の方向での運動が阻止されるようになっていることを特徴とする、液体を調量して供給する装置が提案される。

前記装置は、好ましくは吸込管路を有する。この吸込管路は、前記少なくとも1つのポンプを起点としてタンクに向かって延びており、このタンク内には液体が貯えられている。吸込管路は、好ましくはポンプの流入部に接続されている。好ましくは、前記装置はさらに吐出管路を有する。この吐出管路は、前記ポンプを起点として、排ガス処理装置に液体を添加するための添加個所に向かって延びている。この吐出管路は、ポンプの流出部に接続されている。基本的には、複数の(並列の)吸込管路が複数のポンプ(たとえば互いに異なる圧送出力の)に通じていて、これらのポンプがそれぞれ(特に分岐部なしに)吐出管路を介して1つの個別のインジェクタまたは複数のインジェクタに接続されていることも可能である。好適には、前記装置の管路システムの別の分岐部は設けられていない。特に、好ましくは、ポンプの流出部からタンクに戻る接続を形成する戻し管路は存在していない。

前記構造を有するポンプは、オービタルポンプ(Orbitalpumpe)と呼称され得る。圧送路は、変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間のギャップによって形成される。変形可能なダイヤフラムは、好ましくは偏心体とポンプハウジングとの間に配置されていて、この場合、変形可能なダイヤフラムは、前記少なくとも1つのシール部の領域において、ポンプハウジングと偏心体との間にプレスされている。これにより、変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間のギャップは、前記少なくとも1つのシール部の領域において流体密に閉鎖される。このギャップもしくは圧送路は、前記装置の運転中、液体で満たされている。圧送路に沿って、前記少なくとも1つのシール部はこの圧送路を分割するので、少なくとも1つの(閉じられた)圧送容積が形成されている。偏心体の運動によるシール部の移動により、この圧送容積は圧送方向でポンプの流入部を起点としてポンプの流出部へ向かって移動させられる。これにより、液体の圧送が行われる。

ポンプのポンプハウジングは、好ましくはリングまたは円筒状のチャンバであり、このチャンバ内に偏心体が内側に(センタに)配置されている。その場合、ポンプハウジングはポンプの(外側の)ステータとみなされ得る。それに対して、偏心体は(内側の)ロータとみなされ得る。しかし、前記ポンプの別の実施態様では、ポンプハウジングがポンプの内側のステータを形成し、このステータが偏心体によって取り囲まれていることも可能である。その場合、偏心体は外側のロータを形成する。流入部および流出部はポンプハウジングに配置されていて、ポンプハウジング内への、もしくは変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間の圧送路内への、液体の流入および流出を可能にする。

ポンプには、好ましくは、流出部から流入部への液体の、意図されていない戻り流を阻止する分離部も設けられている。この分離部は、たとえばポンプハウジングに設けられた押込み成形部または変形可能なダイヤフラムの膨隆部として形成されていてよい。この分離部は、ポンプの流出部と流入部との間に(永続的にもしくは定位置固定に)配置されている。この分離部は、ポンプハウジングに対して相対的な偏心体の運動によって、いずれかの時点で、流出部から流入部への液体のための直接的な接続が形成されてしまうことを阻止する。分離部は、変形可能なダイヤフラムが、流出部と流入部との間でポンプハウジングに緊定、ねじ締結または接着により固定されていることによって保証されていてもよい。

偏心体は、好ましくは複数の部分から形成されている。偏心体は好ましくは、偏心的な回転運動を実施する(内側の)偏心領域と、この偏心領域を取り囲む(外側の)軸受リングとを有する。偏心領域と軸受リングとの間には、好ましくは少なくとも1つの軸受が設けられている。この軸受は球軸受またはころ軸受であってよい。偏心体の偏心領域は、運転中に回転軸線周りの回転運動を実施する。偏心体の外側形状により、偏心領域の表面の偏心的な運動が生ぜしめられる。この偏心的な運動は、軸受リングへ伝達される。偏心領域と軸受リングとの間の軸受により、偏心領域の回転運動が偏心的な運動と一緒に軸受リングへ伝達されることが阻止される。偏心領域と、軸受リングと、両者の間に配置された軸受との組合せにより、偏心領域の偏心的な回転運動が、回転運動成分なしの軸受リングの偏心的な揺動運動に変換され得る。軸受リングの運動が回転運動成分を有しないという事実は、変形可能なダイヤフラム内の剪断応力を減少させることを可能にする。好ましくは、変形可能なダイヤフラムには、偏心体によって揉み運動しか付与されない。変形可能なダイヤフラムに対する偏心体の接触面には、好ましくは押圧力だけが作用し、変形可能なダイヤフラムに対する接触面が回転運動成分をも有している場合にダイヤフラムにおける偏心体の摩擦によって生じるような摩擦力は実質的に作用しない。偏心体が外側のロータであって、このロータが、内側のステータを形成するハウジングを取り囲むように配置されている場合でも、偏心体を偏心領域と軸受リングとに相応して分割することが可能である。しかし、偏心領域と軸受リングとを有するこのような分割は、前記ポンプの全ての実施態様につき必要であるわけではない。

圧送路内の、圧力下にある液体は、偏心体もしくは変形可能なダイヤフラムに押圧力を加える。偏心体の向きに応じて、この押圧力は半径方向および/または接線方向で作用し得る。この場合、半径方向の押圧力は偏心体の回転軸線に向けられており、接線方向の押圧力は偏心体の回転軸線に対して接線方向に延びる。接線方向の押圧力は、偏心体に作用する押圧モーメントを発生させる。この押圧モーメントは、偏心体を回転させるために適している。相応する押圧モーメントにより、偏心体の圧送方向とは逆向きの回転も形成され得る。このような回転により、ポンプによって吐出管路区分内に形成される圧力は減じられる。

前記摩擦モーメントは、ポンプの駆動装置が作動されていないときに、圧送路内の圧力下にある液体によって偏心体に加えられる押圧モーメントが偏心体を実際に独自に移動させるか、もしくは回転させることを阻止する。このことは特に、複数回の調量過程の間に、前記装置を用いて、ポンプの流出部に接続された吐出管路内の圧力を、駆動装置を作動させる必要なしに維持するために有利である。したがって、前記装置は、とりわけ小さな液体調量量しか要求されない場合および/または2つの調量要求の間に時間的な大きな間隔が生じる場合に、特に僅かなエネルギ投入量で運転され得る。

さらに、前記装置は、変形可能なダイヤフラムが、少なくともポンプハウジングまたは偏心体に、所定の摩擦係数と所定の垂直抗力とを持って接触していて、この摩擦係数と垂直抗力とにより、前記(接線方向の)摩擦モーメントが生ぜしめられると有利である。

付加的に、ポンプ内部には、前記摩擦モーメントを支援する別の力および/またはモーメントが生じ得る。摩擦接触を用いた摩擦モーメントの形成は、選択的に、変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間の接触面においてか、または変形可能なダイヤフラムと偏心体との間の接触面において、これら両接触面のどちらで接線方向の相対運動が生じるのか、に応じて行われ得る。したがって、ダイヤフラムとポンプハウジングとの間での摩擦モーメントの形成は、特に、偏心体全体が回転させられて、かつ偏心体が内側の偏心領域と、外側の軸受リングと、これらの間に配置された軸受とには分割されていないようなポンプのために適している。

さらに前記装置は、偏心体が、内側の偏心領域と、外側の軸受リングと、該偏心領域と該軸受リングとの間に配置された軸受とによって構成されていて、前記摩擦モーメントが、前記軸受における内部摩擦により形成されると有利である。

偏心体のこのような分割については、既にさらに上で説明済みであるので、これに関しては前記説明を参照するものとする。軸受における内部摩擦は、たとえば軸受内のプラスチック封入物により形成され得る。このプラスチック封入物は、軸受の軸受体に対して、軸受が相対運動を可能にするために克服されなければならない規定された力を発生させる。軸受シェルの粗面化された領域または比較可能な類似の構造によって摩擦モーメントを発生させることも可能である。軸受内部での摩擦モーメントの形成は、特に良好にあとからポンプにおいて実現可能である。このためには、たとえば前記プラスチック封入物が軸受に導入され得るか、または規定された転がり抵抗を有する、相応する軸受が使用され得る。

さらに、前記装置は、前記少なくとも1つのポンプが駆動ユニットを有し、前記摩擦モーメントが、該駆動ユニットにおける内部摩擦により形成されると有利である。

駆動ユニットは通常、電動モータである。この電動モータに軸線を介して偏心体が接続されている。電動モータは偏心体を圧送のために運動させることができる。駆動ユニットにおける内部摩擦は、やはり駆動ユニット内の適当な封入物または駆動ユニットの軸受装置の適当な設計により形成され得る。駆動ユニットは、典型的には電動モータである。また、電気的な駆動ユニットの内部の電気的なコンタクトの接触によって摩擦モーメントを形成することも可能である。駆動ユニット内の摩擦モーメントが形成され得るようにするためには、駆動ユニットが、相応して形成されていなければならない。このためには、ポンプのために、与えられた要求に応える内部摩擦モーメントを有する駆動ユニットを使用することが可能である。

さらに、前記装置は、前記最大の(接線方向の)押圧力が、前記少なくとも1つのポンプの最大作業圧と、前記少なくとも1つのポンプの圧送路の、最大に発生した横断面とに基づいて形成されると有利である。

圧送路の横断面は、変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間のギャップにより規定される。「ギャップ」とは、変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間の、液体で満たされた容積を意味する。このギャップが最も広幅となる個所が、圧送路の、最大に発生した横断面を形成する。この横断面に作用する圧力が、前記押圧モーメントを生ぜしめる力を発生させる。

前記装置は、圧送路の最大横断面が、20mm2(平方ミリメートル)よりも小さいと、特に好適である。

さらに、前記装置は、ポンプの最大作業圧が、5〜10バールであると有利である。

圧送路の最大横断面が、20mm2よりも小さくなるようにポンプが設計されていると、最大に発生した押圧モーメントが、5〜10バールの範囲内の汎用の運転圧において、摩擦モーメントよりも大きくならないことが確保され得る。この場合、摩擦モーメントは、それと同時に、ポンプの偏心体の駆動が、比較的小さな駆動力を用いて可能となるように小さく形成される。さらに、作用する押圧モーメントについては、ポンプの直径が重要となる。変形可能なダイヤフラムとポンプハウジングとの間の圧送路の直径が大きくなればなるほど、作用する回転モーメント、つまりトルクは、ますます大きくなる。好ましくは、圧送路の直径は80mm(ミリメートル)よりも小さく、特に有利には40mm〜70mmである。

さらに、前記少なくとも1つのポンプの以下に挙げるパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータは、接線方向の摩擦力が、圧送方向とは逆の方向における偏心体の運動時に、圧送方向における偏心体の運動時よりも大きくなるように形成されていると、前記装置は有利である: −ポンプハウジングの、圧送路に向けられたハウジング表面と、変形可能なダイヤフラムの、圧送路に向けられたダイヤフラム表面との間の摩擦係数; −変形可能なダイヤフラムと偏心体との間の摩擦係数; −前記少なくとも1つのポンプの偏心体の軸受における摩擦モーメント;および −前記少なくとも1つのポンプの駆動ユニットにおける摩擦モーメント。

タンクからインジェクタに向かう液体の正規の圧送の際には、偏心体は圧送方向に運動させられる。したがって、偏心体はこの運動方向では小さな摩擦抵抗しか有しないことが好都合である。これにより、ポンプの運転時におけるエネルギ消費量を最小限に抑えることができる。それにもかかわらず、圧送方向とは逆方向での戻り運動は、上で説明した理由から回避されることが望まれる。したがって、摩擦モーメントは、この方向においては、(高められた)最小値を有しなければならない。付加的な要求としては、それにもかかわらず、液体の吸い戻しもしくは圧送路の排出のために圧送方向とは逆方向での偏心体の運動を可能にすることが考えられる。排出時では、ポンプが、圧送方向とは逆の方向で運転され、これにより、添加装置もしくはインジェクタを通じて空気が前記装置内に吸い込まれ、前記装置から液体が排出される。しかし、圧送に比べて、吸い戻しは比較的希にしか必要とならないので、高められた摩擦係数に基づいた、吸い戻し時の高められたエネルギ損失は許容され得るものとなる。

偏心体の、意図されない運動を防止する高い安全性と、吸い戻しの可能性の保証との間での適当な妥協が、摩擦モーメントの相応する形成により保証されていることが望まれる。

さらに、前記装置は、前記摩擦モーメントが、圧送方向とは逆の方向において、圧送方向よりも大きくなるようにするために、前記少なくとも1つのポンプの内部の、以下に挙げる位置のうちの少なくとも1つの位置に、鉤構造体が設けられていると有利である: −ポンプハウジングの、圧送路に向けられたハウジング表面; −変形可能なダイヤフラムの、圧送路に向けられたダイヤフラム表面; −変形可能なダイヤフラムの、偏心体に向けられたダイヤフラム表面; −偏心体の、変形可能なダイヤフラムに向けられた表面; −前記少なくとも1つのポンプの偏心体の軸受; −前記少なくとも1つのポンプの駆動ユニット。

鉤構造体は、好ましくは、ポンプの駆動装置もしくは偏心体が圧送方向とは逆の方向に運動されるときに、絶対的に固く引っ掛かってロックしないように形成されている。鉤は、圧送方向とは逆の方向における運動に対して、高められた抵抗を成すに過ぎない。このことは、たとえば、作用する力が所定の限界値を超過するやいなや、鉤がめくり返されて、圧送方向とは逆の方向における運動を許すことにより実現され得る。この場合、この運動の際に実際に発生する抵抗力は、休止状態でこの運動に抗して作用する抵抗力に比べて、それどころか減少されていてよい。鉤は、たとえば表面の一種の鋸刃構造として形成されていてよい。その場合、この鋸刃構造は、圧送方向では容易に擦過され得るが、圧送方向とは逆の方向では擦過され難い。

さらに、少なくとも、内燃機関と、該内燃機関の排ガスを浄化するための排ガス処理装置と、該排ガス処理装置に液体を圧送する装置とを有する自動車において、前記液体が、尿素水溶液であることを特徴とする、自動車が提案される。

排ガス処理装置内には、好ましくはSCR触媒が設けられている。このSCR触媒を用いて、内燃機関の排ガス中の窒素酸化物化合物が液体によって還元され得る。自動車に設けられた前記装置は、説明した全ての装置特徴を有していてよい。自動車は、好ましくは制御装置をも有する。この制御装置は少なくとも前記装置の前記少なくとも1つのポンプに接続されていて、さらに場合によっては、排ガス処理装置に液体を添加するためのインジェクタにも接続されている。この制御装置によって、前記装置を用いて排ガス処理装置に液体を調量するための調量法が実施され得る。このためには、制御装置が、好ましくはファイルされた相応するプログラムルーチンを有する。

以下に、本発明ならびにその周辺技術を図面につき詳しく説明する。図面には、特別な実施形態が示されているが、しかし本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。特に念のため付言しておくと、図面およびとりわけ図面に描かれているサイズ比は、概略的なものであるに過ぎない。

前記装置のためのポンプを示す概略図である。

前記装置を示す概略図である。

前記装置を有する自動車を示す概略図である。

前記装置内部の摩擦接触を示す概略図である。

前記装置のためのポンプの第2実施形態を示す概略図である。

前記装置のためのポンプの第3実施形態を示す概略図である。

前記装置のためのポンプの第4実施形態を示す概略図である。

ポンプの駆動ユニットを示す概略図である。

図1には、ポンプ2が図示されている。このポンプ2は、流入部4と流出部5とを備えたポンプハウジング3を有する。ポンプハウジング3の内部には、偏心体6が配置されている。偏心体6とポンプハウジング3との間には、変形可能なダイヤフラム7が設けられている。変形可能なダイヤフラム7とポンプハウジング3との間には、圧送路8が存在しており、この圧送路8は流入部4から流出部5にまで延びている。圧送路8は、所定の個所でシール部9によってシールされている(閉鎖されている)。シール部9では、変形可能なダイヤフラム7が直接にポンプハウジング3に接触している。偏心体6の偏心運動によって、シール部9は移動され得る。これにより、圧送方向27で流入部4から流出部5への液体の圧送が行われる。偏心体6は内側の偏心領域22と、外側の軸受リング21とに分割されている。内側の偏心領域22は、外側の軸受リング21とは軸受20によって分離されている。偏心領域22が、圧送方向27に相当する回転方向23で軸線24周りに回転させられると、軸受リング21は前記偏心運動を実施する。流入部4と流出部5との間には、(定位置固定の、永続的な)分離部19が設けられている。この分離部19はこの場合、変形可能なダイヤフラム7を局所的に押し縮める突起として形成されている。この分離部19は、流出部5から流入部4へ戻る液体の戻り流を阻止する。

圧送路8の内部では、液体が運転時に、規定の圧力を持って存在する。この圧力は、圧送路8の、流入部4に接続されている側の領域において、圧送路8の、流出部5に接続されている側の領域におけるよりも著しく低く形成されている。

図1に示したポンプ2の実施形態では、圧送路8の、ポンプ2の流出部5に接続されている部分において、流出側押圧力36が作用している。圧送路8の、ポンプ2の流入部4に接続されている部分においては、流入側押圧力37が作用している。流入側押圧力37は流出側押圧力36よりも著しく小さい。なぜならば、圧送路8の、ポンプ2の流入部4に接続されている部分における圧力が、圧送路8の、ポンプ2の流出部5に接続されている部分における圧力よりも著しく低いからである。したがって、合成押圧モーメント14が生ぜしめられる。この合成押圧モーメント14に抗して、摩擦モーメント13が作用している。摩擦モーメント13が詳細にはどのように形成されるのかは、図1には図示されていない。摩擦モーメント13は、たとえば軸受20における内部摩擦の結果および/またはポンプ2の駆動装置(図1には図示されていない)における内部摩擦の結果であってよい。ポンプ2の駆動装置は、軸線24を介してポンプ2の図1に図示されている部分に結合されている。

図2には、(唯一つの)吸込管路29を介してタンク28に接続されている、(唯一つの)ポンプ2を有する、液体を調量して供給する装置1が示されている。吸込管路29は、ポンプ2の(唯一つの)流入部4に接続されている。さらに、この装置1は、液体を調量して送出するための(唯一つの)インジェクタ12を有する。このインジェクタ12は、(唯一つの、分岐なしの)吐出管路11を介してポンプ2の(唯一つの)流出部5に接続されている。

図3には、内燃機関18と排ガス処理装置16とを有する自動車17が示されている。排ガス処理装置16は、内燃機関18の排ガスを浄化する。このために、排ガス処理装置16はSCR触媒30を有し、このSCR触媒30を用いて、選択触媒還元の方法が実施され得る。このためには、排ガス処理装置16に、装置1によって排ガス浄化のための液体(特に尿素水溶液)が供給され、この場合、装置1はポンプ2を有し、このポンプ2は、タンク28からインジェクタ12へ液体を圧送する。ポンプ2とインジェクタ12とは、自動車17の制御装置31に接続されている。この制御装置31には、制御ルーチンがファイルされていてよく、この制御ルーチンによって装置1の運転が制御される。

図4には、たとえば変形可能なダイヤフラム7とポンプハウジング3との間に生じ得るような摩擦接触が概略的に示されている。ポンプハウジング3はハウジング表面15を有し、変形可能なダイヤフラム7はダイヤフラム表面34を有する。変形可能なダイヤフラム7とポンプハウジング3とは、垂直抗力38によって互いに押し合わされている。さらに、ダイヤフラム表面34とハウジング表面15との間には、所定の摩擦係数が存在する。ダイヤフラム表面34に設けられた鉤構造体35により、この摩擦係数が回転方向23において、回転方向23とは逆の方向よりも小さくなるので、その都度生ぜしめられる摩擦力32は回転方向23において、回転方向23とは逆の方向よりも小さくなることが保証されている。図4に示した摩擦接触は、鉤構造体35の、可能となるあらゆる配置、すなわちポンプハウジング3、偏心体6および変形可能なダイヤフラム7における配置、のために使用可能である。

図5には、前記装置のためのポンプ2の第2実施形態が示されている。このポンプ2は、偏心体6と、変形可能なダイヤフラム7とが2つのシール部9を形成している点で、図1に示したポンプ2とは異なっている。2つのシール部9は、ポンプハウジング3に対して相対的な偏心体6の回転運動により、圧送路8に沿って移動させられる。しかし、このポンプ2では、軸受リングと偏心領域への偏心体6の分割が行われていない。偏心体6はこの実施形態では、偏心体6と変形可能なダイヤフラム7との間の接触面33に規定の摩擦力が生じるように回転するが、この摩擦力は、接触面33の相応する構成により回避される。

図6には、ポンプ2のさらに別の実施形態が概略的に図示されている。この実施形態では、ポンプハウジング3が内側に配置されていて、偏心体6が外側でポンプハウジング3を取り囲むように配置されている。この場合にも、ポンプハウジング3と偏心体6との間には、変形可能なダイヤフラム7が位置している。流入部4と流出部5とは、ポンプハウジング3に配置されており、流出部5から流入部4へ戻る液体の戻り流を阻止するための(位置固定の永続的な)分離部19が存在している。

図7には、ポンプ2の第4実施形態が示されている。この第4実施形態では、偏心体6が、偏心領域と、軸受リングと、これらの間に配置された軸受とに分割されていない。変形可能なダイヤフラム7はこの場合、直接にポンプハウジング3に接触して運動するので、変形可能なダイヤフラム7とポンプハウジング3との間には摩擦接触が生じ、この摩擦接触は摩擦モーメントを生ぜしめる。

図8には、ポンプ2が著しく簡略化されて図示されている。図8から判るように、ポンプ2はポンプハウジング3を有し、このポンプハウジング3内には、偏心体(図示しない)が配置されている。偏心体は軸線24を介してポンプ2の駆動ユニット26に結合されている。

念のため付言しておくと、本発明は、図面に示した、技術的な特徴の組合せに限定されるものではない。すなわち、1つの図面の技術的な特徴を、別の図面および/または明細書に記載の別の技術的な特徴と組み合わせることができる。ただし、特徴の組合せの有効性が明示的に証明された場合および/または当該組合せ以外では装置の基本機能がもはや満たされ得なくなることが当業者にとって明らかである場合には、必ずしもこの限りではない。

前記装置により、液体、特に小量の液体をも、特に正確に調量することが可能となる。それと同時に、前記装置は特に廉価であり、圧送および調量のために特に僅かなエネルギしか必要としない。

1 装置 2 ポンプ 3 ポンプハウジング 4 流入部 5 流出部 6 偏心体 7 変形可能なダイヤフラム 8 圧送路 9 シール部 10 垂直抗力 11 吐出管路 12 インジェクタ 13 摩擦モーメント 14 押圧モーメント 15 ハウジング表面 16 排ガス処理装置 17 自動車 18 内燃機関 19 分離部 20 軸受 21 軸受リング 22 偏心領域 23 回転方向 24 軸線 25 横断面 26 駆動ユニット 27 圧送方向 28 タンク 29 吸込管路 30 SCR触媒 31 制御装置 32 摩擦力 33 接触面 34 ダイヤフラム表面 35 鉤構造体 36 流出側押圧力 37 流入側押圧力 38 垂直抗力

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