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申请号 JP2012506563 申请日 2010-04-21 公开(公告)号 JP2012524864A 公开(公告)日 2012-10-18
申请人 ピーディーディー イノベーションズ リミテッド; 发明人 リチャード ポール ヘイズパンクルスト; ピーター ロス;
摘要 ポンプはハウジング10から成り、ハウジング10は内部にロータ通路を備え、ロータ通路の第1の 位置 でハウジング10に形成される吸入口11と、ロータ通路の第1の位置から離れた第2の位置に形成される吐出口12とを有する。 ロータ15はハウジング10内で回転可能である。 第1の表面がロータ15上に形成され、ハウジング10のロータ通路を封止する。 第2の表面が第1の表面から離れてロータ15の周上に形成され、第2の表面はロータ通路との間に空間を形成し、空間はロータ15の回転に応じてロータ通路上を移動し、ハウジング10の内周上において 流体 を吸入口11から吐出口12に運搬する。 弾性を有するシール材14はハウジング10と一体に成形され、ロータ通路上にあって吸入口11から吐出口12の間でロータ15が回転する方向に延在し、第1のロータ面はシール材14を封止すると共に弾性的に変形させ、ロータ15がハウジング10内のロータ通路を回転し、シール材14を通過する際には吐出口12から吸入口11への流体の流れを防止する。
权利要求
  • ハウジング(10、210、300、410)とロータ(15、315、350、415)とシール材(114、214)とから成り、前記ハウジング(10、210、300、410)は、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吸入口(111、211)と、前記第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吐出口(12、212)とを有し、前記ロータ(15、315、350、415)は、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ(15、315、350、415)上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジング(10、210、300、410)の前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータ(15、315、350、415)の周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータ(15、315、350、415)の回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジング(10、210、300、410)の内周上において流体を前記吸入口(111、211)から前記吐出口(12、212)に輸送し、弾性を有する前記シール材(114、214)は前記ハウジング(10、210、300、410)と一体的に成形され、前記ロータ通路上に位置して前記吸入口(111、211)と前記吐出口(12、212)の間で前記ロータ(15、315、350、415)の回転する方向に延在し、前記ロータの第1の表面は前記シール材(114、214)を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ロータ(15、315、350、415)が前記ハウジング内の前記ロータ通路を回転して前記シール材(114、214)を通過する際には前記吐出口(12、212)から前記吸入口(111、211)への流体の流れを防止するポンプ。
  • 前記ハウジング(10、210、300、410)と前記シール材(114、214)は1回の射出成形により樹脂材料から形成される請求項1に記載のポンプ。
  • 前記シール材(114、214)は柔軟性のある樹脂製の壁部を有する請求項1又は2に記載のポンプ。
  • 前記壁部は前記吸入口(11、211)と前記吐出口(12、212)の間に延在する請求項3に記載のポンプ。
  • 前記壁部は0.1mm〜0.3mmの厚みを有し、望ましくはその厚みが0.15mmである請求項2〜4の何れかに記載のポンプ。
  • 前記壁部は射出成形によって作製され、繰り返し成形する際には油圧による押込みによって前記シール材(114、214)の壁部の厚みを設定する請求項5に記載のポンプ。
  • ハウジング(10、210、300、410)とロータ(15、315、350、415)とシール材(114、214)とから成り、前記ハウジング(10、210、300、410)は、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吸入口(111、211)と、前記第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吐出口(12、212)とを有し、前記ロータ(15、315、350、415)は、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ(15、315、350、415)上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジング(10、210、300、410)の前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータ(15、315、350、415)の周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータ(15、315、350、415)の回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジング(10、210、300、410)の内周上において流体を前記吸入口(111、211)から前記吐出口(12、212)に輸送し、前記ハウジング(10、210、300、410)と一体的に成形され、弾性を有する前記シール材(114、214)は前記ハウジング(10、210、300、410)の前記ロータ通路上に位置して前記吸入口(111、211)と前記吐出口(12、212)の間で前記ロータ(15、315、350、415)の回転する方向に延在し、前記第1のロータの表面は前記シール材(114、214)を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ロータ(15、315、350、415)が前記ハウジング内の前記ロータ通路を回転して前記シール材(114、214)を通過する際には前記吐出口(12、212)から前記吸入口(111、211)への流体の流れを防止し、前記シール材(114、214)は前記ロータ(15、315、350、415)に接触する面の反対側に下面を有し、前記シール材(114、214)を前記ロータ (15、315、350、415)に押し付ける際には前記下面に流体を供給するための通路(101、201)が設けられるポンプ。
  • 前記下面に供給される流体はポンプで吸引した流体である請求項7に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(10、210)には流体が前記吐出口(12、212)から前記下面に流れるように前記吐出口(12、212)から延びる通路(101、201)が形成される請求項8に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(10、210)は空間を形成し、前記シール材(114、214)は前記空間の壁部を形成し、流体は前記空間に供給される請求項7〜9の何れかに記載のポンプ。
  • 請求項9に従属するときは、前記通路(101、201)は前記吐出口(12、212)から前記空間に延びる請求項10に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(10、210)は流体が前記吸入口(11、211)から前記下面に流れるように前記吸入口(11、211)から延びる通路を備える請求項8に記載のポンプ。
  • 前記シール材(114、214)の前記下面を支えるために弾性体(141、240)を備える請求項7〜12の何れかに記載のポンプ。
  • 弾性を有する前記シール材(114、214)は前記ハウジング(10、210)と一体的に形成される請求項7〜13の何れかに記載のポンプ。
  • ハウジング(10、210、300、410)とロータ(15、315、350、415)とシール材(114、214)とから成り、前記ハウジング(10、210、300、410)は、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吸入口(111、211)と、前記ロータ通路の第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吐出口(12、212)とを有し、前記ロータ(15、315、350、415)は、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ(15、315、350、415)上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジング(10、210、300、410)の前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータ(15、315、350、415)の周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータ(15、315、350、415)の回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジング(10、210、300、410)の内周上において流体を前記吸入口(111、211)から前記吐出口(12、212)に輸送し、前記ロータ通路に位置する弾性を有する前記シール材(114、214)は前記ロータ通路上にあって前記吸入口(111、211)から前記吐出口(12、212)の間で前記ロータ(15、315、350、415)が回転する方向に延在し、前記第1の表面と前記第2の表面は前記シール材(114、214)を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ハウジング内で前記ロータ(15、315、350、415)が回転して前記シール材(114、214)を通過する際には前記吐出口(12、212)から前記吸入口(11、211)への流体の流れを防止するポンプ。
  • 前記ロータの第1の表面は軸上に延在して、前記第2の表面(216)から外に向かって放射状に突出する隅角部(217)に形成され、前記第2の表面(216)は前記第1の表面に対して凹んでいる請求項15に記載のポンプ。
  • 前記シール材(114、214)は前記ハウジング(10、210)と一体的に形成される請求項15又は16に記載のポンプ。
  • 前記シール材(114、214)が前記ロータ(15)に密着するように、前記シール材(114、214)の下面に弾性を有するパッド(141、240)を取り付けた請求項14〜16の何れかに記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(10、210)には前記吐出口(12、212)から下面に延びる通路(101、201)が備えられ、該通路(101、201)を通して前記吐出口(12、212)から前記下面に流体が流れ込み、前記ロータ(15)と前記シール材(114,214)を密着させる請求項14〜17の何れかに記載のポンプ。
  • ハウジング(10、210、300、410)とロータ(15、315、350、415)とシール材(114、214)とから成り、前記ハウジング(10、210、300、410)は、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吸入口(111、211)と、前記ロータ通路の第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング(10、210、300、410)内に形成される吐出口(12、212)とを有し、前記ロータ(15、315、350、415)は、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ(15、315、350、415)上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジング(10、210、300、410)の前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータ(15、315、350、415)の周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータ(15、315、350、415)の回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジング(10、210、300、410)の内周上において流体を前記吸入口(111、211)から前記吐出口(12、212)に輸送し、弾性を有する前記シール材(114、214)は前記ロータ通路上にあって前記吸入口(111、211)から前記吐出口(12、212)の間で前記ロータ(15、315、350、415)の回転する方向に延在し、前記第1のロータ面は前記シール材(114、214)を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ロータ(15、315、350、415)が前記ハウジング内の前記ロータ通路を回転し、前記シール材(114、214)を通過する際には前記吐出口(12、212)から前記吸入口(111、211)への流体の流れを防止し、前記ロータ通路は截頭円錐部(352)を形成し、前記ロータ(15、315、350、415)の前記第1の表面も截頭円錐形であって、前記ロータ通路と互いに嵌合するポンプ。
  • 前記ロータ通路と前記第1の表面が成す円錐の開き角は2度〜20度の範囲にあって、望ましくは5度〜15度の範囲にある請求項20に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(300、410)に対する前記ロータ(350、415)の軸方向における位置は調整可能である請求項20又は21に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(300、410)に対する前記ロータ(350、415)の軸方向における相対的な位置は吸入された流体の圧力によって調整され、前記ロータ(350、415)と前記ハウジング(300、415)の間隔はポンプ内の流体の圧力に応じて増加する請求項22に記載のポンプ。
  • 前記ロータと前記ハウジングの小さな径の端部間で作用する第1のシール材(459)と、前記ロータと前記ハウジングの大きな径の端部間で作用する第2のシール材(457)とを有する請求項20〜23に記載のポンプ。
  • 前記ロータ(415)は小さな径の端部と大きな径の端部とを備えるように中空成形によって形成され、前記第1、第2のシール材(457、459)は前記ロータ(415)と一体に成形されて前記ハウジング(410)を係合する請求項24に記載のポンプ。
  • 前記ロータ(415)は小さな径の端部と大きな径の端部とを備えるように中空成形によって形成され、前記第1、第2のシール材(457、459)は前記ハウジング(410)と一体に成形され、前記ロータ(415)を係合する請求項24に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(410)は小さな径の端部において軸上に延在し、内部に向かうハブ(452)を有し、前記ロータ(415)の小さな径の端部は前記ハブ(452)上を覆い、前記ハウジング(410)に対して前記ロータ(415)を同軸上に位置させるために前記ハブ(452)に保持手段(461)が取り付けられている請求項25又は26に記載のポンプ。
  • 前記ハウジング(300、410)と前記ロータ(350、415)に間にばね手段(370、371、470)が作用し、ポンプの始動に向けて前記ロータ(350、415)を前記ハウジング(300、410)に近付けるように押し付けて調整し、一度ポンプが始動すれば、吸入した流体に対応して前記ロータ(350、415)と前記ハウジング(300、410)の距離を広げる請求項22又は23に記載のポンプ。
  • 前記ばね手段(470)は前記保持手段(461)と前記ロータ(415)の間で作用し、それによって前記ハウジング(410)と前記ロータ(415)の間が広がる請求項28に記載のポンプ。
  • 前記ばね手段はコイルばね(470)から成る請求項28に記載のポンプ。
  • 前記保持手段はばねを形成する弾性部分(473)を備えた請求項28に記載のポンプ。
  • 前記ばね手段(370、371)は前記ロータ(350)の大きな径の端部と前記ハウジング(300)の間で作用する請求項28に記載のポンプ。
  • 前記ロータ(350)の大きな径の端部は2つの円弧状の片持ち梁から成るばねアーム(370、371)によって形成され、前記ばねアーム(370、371)は前記ハウジング(300)と嵌合するために大きな径の端部から回りに離れて延在する請求項32に記載のポンプ。
  • 前記ロータ(350)は成形によって形成され、前記ばねアーム(370、371)は前記ロータ(350)と一体的に形成される請求項33に記載のポンプ。
  • 前記ロータ(350)と前記ばねアーム(370、371)はポリアセタールによって形成される請求項34に記載のポンプ。
  • 说明书全文

    本発明はポンプに関するものである。

    従来から知られるポンプ構造体は、流体源に通ずる吸入口と吸入された流体を吐出する吐出口とから成り、流体の吸入口と吐出口はハウジング内のロータの通路にあって互いに離間して配設されている。 ロータは少なくとも1個の表面を有し、その表面とハウジングによりハウジング内に閉じた空間を形成し、流体を運搬するためにハウジングの内周を回転移動する。 ここにおいて、用語“流体”には気体と液体の何れもが含まれる。

    このようなポンプは特許文献1に開示されており、そこではハウジング内の吸入口と吐出口の間にロータ内を封ずるためのシール材が配置されている。 この種のポンプにおける第1の問題はハウジングとシール材が別体で形成され、その後に一体化することである。 特許文献1にも記載があるように、ハウジングは射出成形により形成されるが、ハウジング内のシール材は接着剤で固定される。 シール材はハウジングと共にツーショット成形によって形成することも可能である。 また、2個かそれ以上の空間が形成される場合にはハウジングとシール材の境界が円滑に連結されないために、隣接する空間の間で漏洩を起こすことがある。 特に吸入圧と吐出圧力の間に大きな差が生じたり、ロータの突出部がシール材に接する位置に来たときなどにはこの問題が顕在化する。 流体の漏洩によってポンプからの流量は不均一になり、ポンプを停止した時や低流量の場合には逆流が生ずることもある。

    WO2006/027548号公報

    本発明の第1の実施形態によれば、ハウジングとロータとから成り、前記ハウジングは、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング内に形成される吸入口と、前記第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング内に形成される吐出口とを有し、前記ロータは、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジングの前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータの周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータの回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジングの内周上において流体を前記吸入口から前記吐出口に輸送し、弾性を有する前記シール材は前記ハウジングと一体的に成形され、前記ロータ通路上に位置して前記吸入口と前記吐出口の間で前記ロータの回転する方向に延在し、前記ロータの第1の表面は前記シール材を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ロータが前記ハウジング内の前記ロータ通路を回転して前記シール材を通過する際には前記吐出口から前記吸入口への流体の流れを防止するポンプである。

    このようなポンプでは、第1にロータとハウジングの間における封止の形成に必要な力にずれが生じたり、第2に流体の吸入口か吐出口かの何れかにおける流体の圧力間で平衡がとれないという新たな問題が発生する。 高い流体圧力では、それに応じて大きな封止力が必要になる。 しかし、低い流体圧力の下でそのような大きな封止力が掛かると、摩擦力が必要以上に上昇し、それに伴ってロータの回転に必要なトルクもまた必要以上に増大する。 一方、高い流体圧力の下にあって封止力が低いと、シール材とロータ間に漏洩が生じ、高い吐出圧力での使用は不可能になる。

    本発明の第2の実施形態によれば、ハウジングとロータとシール材とから成り、前記ハウジングは、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング内に形成される吸入口と、前記第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング内に形成される吐出口とを有し、前記ロータは、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジングの前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータの周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータの回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジングの内周上において流体を前記吸入口から前記吐出口に輸送し、前記ハウジングと一体的に成形され、弾性を有する前記シール材は前記ハウジングの前記ロータ通路上に位置して前記吸入口と前記吐出口の間で前記ロータの回転する方向に延在し、前記第1のロータの表面は前記シール材を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ロータが前記ハウジング内の前記ロータ通路を回転して前記シール材を通過する際には前記吐出口から前記吸入口への流体の流れを防止し、前記シール材は前記ロータに接触する面の反対側に下面を有し、前記シール材を前記ロータに押し付ける際には前記下面に流体を供給するための通路が設けられるポンプである。

    特許文献1ではロータは1個又はそれ以上の空間を有し、各空間は吸入口と吐出口間で形成される円弧よりも短い円弧を有している。 この構造で吸引される流体の量に限界が生ずる。

    本発明の第3の実施形態によれば、ハウジングとロータとシール材とから成り、前記ハウジングは、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング内に形成される吸入口と、前記ロータ通路の第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング内に形成される吐出口とを有し、前記ロータは、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジングの前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータの周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータの回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジングの内周上において流体を前記吸入口から前記吐出口に輸送し、前記ロータ通路に位置する弾性を有する前記シール材は前記ロータ通路上にあって前記吸入口から前記吐出口の間で前記ロータが回転する方向に延在し、前記第1の表面と前記第2の表面は前記シール材を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ハウジング内で前記ロータが回転して前記シール材を通過する際には前記吐出口から前記吸入口への流体の流れを防止するポンプ。

    この種のポンプではロータとハウジングは、ロータが、円筒状の空間内に適合して回転できるように略円筒状になっている。 部品間に必要な気密性は製作工程に依存し、その後の組み立て工程や使用時に調整することは困難である。

    本発明の第4の実施形態によれば、ハウジングとロータとシール材とから成り、前記ハウジングは、内部にロータ通路を備え、該ロータ通路の第1の位置で前記ハウジング内に形成される吸入口と、前記ロータ通路の第1の位置から離れた第2の位置で前記ハウジング内に形成される吐出口とを有し、前記ロータは、前記ハウジング内で回転可能であり、前記ロータ上に形成された少なくとも1個の第1の表面が前記ハウジングの前記ロータ通路を封止し、前記第1の表面から離れて前記ロータの周上に少なくとも1個の第2の表面が形成され、該第2の表面は前記ロータ通路との間に空間を形成し、該空間は前記ロータの回転に応じて前記ロータ通路上を通過し、前記ハウジングの内周上において流体を前記吸入口から前記吐出口に輸送し、弾性を有する前記シール材は前記ロータ通路上にあって前記吸入口から前記吐出口の間で前記ロータの回転する方向に延在し、前記第1のロータ面は前記シール材を封止すると共に弾性的に変形させ、前記ロータが前記ハウジング内の前記ロータ通路を回転し、前記シール材を通過する際には前記吐出口から前記吸入口への流体の流れを防止し、前記ロータ通路は截頭円錐部を形成し、前記ロータの前記第1の表面も截頭円錐形であって、前記ロータ通路と互いに嵌合するポンプ。

    この場合に、軸上におけるロータとハウジングの相対的位置の調整は可能である。

    図1は特許文献1に開示の従来ポンプの断面図であり、吸入口、吐出口を備えたハウジングとハウジング内を回転するロータから成り、ロータはハウジング内に配置されたシール材を封止し、ロータは第1の度位置にある。

    図1と類似しているが、図1よりも更に30度回転したロータを示した図である。

    図1と類似しているが、図1よりも更に60度回転したロータを示した図である。

    図4は本発明のポンプの断面図であり、吸入口、吐出口を備えたハウジングとハウジング内を回転するロータから成り、ロータはハウジング内に一体的に形成されたシール材を封止する。

    図4と類似しているが、吐出口の隣接する点からシール材の後方に延びる流路が配置される他のポンプを示した図である。

    図1〜図3に類似しているが、1個の空間を伴うロータを示した図である。

    図1〜図3に示した一般的な種類のポンプ長手方向の断面図であるが、截頭形状の円錐形を備えたロータとハウジングを備えたポンプの図である。

    図7に示した一般的な種類のポンプ長手方向の断面図であるが、第2の截頭形状の円錐形を備えたロータとハウジングを備えたポンプの図である。

    図8に類似しているが、ハウジングに対するロータの軸上の位置を調整するためにばねを配したポンプの図である。

    歯形付の端部を有し、図9の実施形態においてばねとして使用するキャップの側面図である。

    図7と類似しているが、大きな半径を有するロータの端部においてロータとハウジング間にばねを配したポンプの図である。

    図11のロータの端部を示した図である。

    以下に、本発明の実施形態を添付の図面によってより詳細に説明する。

    先ず図1〜図3を参照して特許文献1に開示された従来のポンプを説明する。 ポンプはハウジング10から成り、例えばポリエチレンやポリプロピレンを使用した樹脂成形によって作製される。 ハウジング10は流体源に通ずる吸入口11と流体を吐出するための吐出口12を備えている。 ハウジング10の内部は円筒状になっている。 ハウジング10の内部の吐出口12と吸入口11の間には、図1〜図3に示したように時計の回転方向にシール材14が取り付けられている。 シール材14については以下により詳しく説明する。

    ハウジング10はロータ15を収容し、ロータ15はステンレス鋼のような金属や、ポリアセタールのような樹脂を精密に射出成形した部品等から製作される。 記載の図面を見ても分かるように、略円形の断面を有するロータ15はその回りに等間隔かつ等角度に配置された4つの凹面16a、16b、16c、16dを備えており、それらはロータ15のハウジングに密着する隅角部17a、17b、17c、17dに連結している。 即ち、ロータ15がロータ通路を形成する円筒状のハウジング内面13に密着できるように、ロータ15の各隅角部17は円筒状のハウジング内面13の曲面と一致するように成形されている。 その結果、凹面16a、16b、16c、16dがロータ通路13を移動すると、凹面16a、16b、16c、16dは円筒状のハウジング内面13との間に空間18a、18b、18c、18dをそれぞれ形成することになる。 もし、ハウジング10を荷重の掛かった時に変形する弾性を備えた樹脂材料で形成して、ロータ15はハウジング10を僅かに膨張させるように配置すれば、各凹面16a、16b、16c、16dの回りの流体は確実に封入されることになる。

    図1〜図3に示すように、ロータ15は図示しない駆動装置により時計方向に回転される。

    シール材14は柔軟性と弾性を有し、例えばハイトレルの商品名で市販されているブロック状の弾性材料から作製される。 シール材14はハウジング10に取り付けられ、シール材14とハウジング10間に流体が通過するのを防止する。 シール材14を取り付ける際には接着剤が使われる。 接着剤を使う代りに、ツーショット射出成形法を用いてシール材14をハウジング10に取り付けることもできる。 後者の場合には、シール材14の材料は漏洩を起こさないように、ハウジング10に溶着されなければならない。 シール材14は吸入口11に隣接する第1の端部19と吐出口12に隣接する第2の端部20とを有する。 シール材14は第1の端部19と第2の端部20間の距離と同じ長さを有するロータ接触面21を備え、ロータ接触面21は対応する隅角部17a、17b、17c、17dの間に位置する凹面16a、16b、16c、16dと同じ長さを有し、その表面は凹面16a、16b、16c、16dの表面形状に一致するように仕上げられる。 シール材14の軸方向の長さは少なくとも凹面16a、16b、16c、16dの軸方向の長さに等しい。 シール材14は吸入口11から吐出口12間で連続する円筒状のハウジング内面13が形成する想像上の円筒状空間内に突出する。 シール材14は第1の端部19と第2の端部20の間で撓むので、凹面16a、16b、16c、16dが凹面を形成する場所ではシール材14はロータ15の軸方向に向けて突出し湾曲する。

    シール材14の材料は本来弾性を有するため、ロータ15によって一度変形しても元の形状に回復し、その作用はシール材14の外側の端部に作用する図示しないばねによって助成される。

    図1〜図3を参照してポンプの作用を説明する。 吸入口11は吸引される流体源に連結し、吐出口12は吸引された流体の輸送先に連結する。 ロータ15は図1〜図3に示すように時計方向に回転する。 図1に示す位置で、凹面16aはロータ接触面21と変形可能に密着する。 このように、ハウジング10とロータ15間のこの領域で空間は閉止され、吐出口12から吸入口11へ流体の逆流は防止される。 この位置では、隅角部17aは吸入口11と並び、一方、凹面16b、16c、16dは円筒状のハウジング内面13との間に閉止された空間18b、18c、18dをそれぞれ形成する。 ロータ15が先行して回転する結果、後述するようにこれらの空間18b、18c、18dは流体で満たされる。

    次に図2に示すように、ロータ15が約30度回転すると、空間18dは吐出口12に連通するようになる。 対応する隅角部17dはロータ接触面21に接触してその面を封止する。 その結果、ロータ15は流体を空間18dから吐出口12に押し出すことになる。 更に、これまで吸入口11と並んでいた隅角部17aが吸入口11から動き出すと、凹面16aはシールされたロータ接触面21から離れ、円筒状のハウジング内面13と隅角部17dとロータ接触面21に囲まれた空間18aを形成する。

    次に図3を参照して説明する。 図1に示した位置からロータ15が更に60度回転すると、これまで吐出口12に隣接する空間18dを形成していた凹面16dはロータ接触面21に接触し始め、ロータ接触面21を封止するようになる。 このように、空間18dは消滅するまでその容積を減少させ、空間の流体は吐出口12に押し出される。 同時に、それまでロータ接触面21と接触していた凹面16aはロータ接触面21から完全に離れて、円筒状のハウジング内面13と空間18aを形成し、空間18aが吸入口11から流体を吸入することになる。 凹面16a、16d間にある隅角部17dは密着していたロータ接触面21から離れ、吸入口11と並び始める。

    ロータ15は図1と同じ位置まで動き、連続的に流体を吸引する。 これにより、流体は吸入口11から吐出口12へと移動する。

    液体の流速はロータ15の回転速度及び空間18a、18b、18c、18dの容積に比例する。 ロータ15は4個の凹面16a、16b、16c、16dを有しているが、それぞれ1個、2個、3個又は4個の何れか又は4個以上の面とすることもできる。 凹面16a、16b、16c、16dの表面は平面状でも、或いは凸面状であってもよい。 望ましくは、これらの面はロータ15と交差し、ロータ軸に直角の方向に軸を持つ想像上の円筒の一部を形成し、ロータ軸の1側面に取り付けられる。 上述のように、シール材14のロータ接触面21は凹面16a、16b、16c、16dの形状に一致するように形成されている。

    ロータ15が回転するときは何時でも、シール材14は吐出口12と吸入口11の間に隙間ができないように作用する。 シール材14は弾性を備えているので吸入口11と吐出口12、そしてこの領域でロータ15の部分から形成される空間を埋める働きをする。 吸入口11又は吐出口12との間の圧力差が増大すると、流体はシール材14からロータ15に流れ易くなる。 上述のようにばねをシール材14に作用させると、その傾向は減少し、ポンプは高圧下でも運転できるようになる。 このように、ばねから加えられる圧力によりポンプの最大圧力が設定される。 従来のポンプでは吸入口と吐出口はハウジングから延びてロータに接触する薄い翼板で仕切られていた。 そのようなポンプでは吐出口と吸入口の間に流体が留まって、ロータの回転速度と共に翼板の前後に大きな圧力勾配が生ずる。 その結果、翼板を通して漏洩が起こり易くなる。 図に示したポンプでも吸入口と吐出口の間に圧力差は存在するが、流体が空間18a、18b、18c、18dから吐出口12に徐々に絞り出されるため、圧力勾配は緩やかになり、更にロータ15が回転すると、流体は吸入側の空間18a、18b、18c、18dに徐々に導入されることになる。 この作用によって流体が漏洩する可能性は減り、ポンプは決められた流量を維持することができる。 シール材14は吸入口11と吐出口12の間で流体を入れ換えるための置換器としても作用する。

    図1〜図3を参照して、上記のように説明したポンプは特許文献1に開示されている。

    図4以降では、図1〜図3と図4に共通の部品には同じ参照符号が付加されており、詳細な説明は省略する。

    図4においては、別体のシール材14は除かれている。 代りにシール材114がハウジング10と一体に成形される。 これらの部品は樹脂材料を使って1回の射出成形により作製される。 シール材114は薄い樹脂製の壁部から成り、吸入口11から吐出口12まで円弧状に延びている。 壁部は例えば0.15mmの厚さを有する。 ハウジング10に使われる材料と厚みは、壁部がロータ15の隅角部17a、17b、17c、17dと接触する際に変形し得るものが選ばれる。 好適な材料としてポリエチレンやポリプロピレンが使われる。

    シール材114が回転中のロータ15の外形に追随するのに十分な柔軟性を備えるには、シール材114を非常に薄い壁部から成るように成形する必要がある。 通常は、広い領域にわたって薄い壁部を形成する部品の製作に一般的な射出成形が用いられることはない。 しかし、通常の射出成形でも射出圧力を高くし、封止する領域の回りの局部的なツールを加熱し、発生するガスを局部的に排気して注意深く加工すれば、0.1mm〜0.3mmの厚さの壁部を有するシール材114を成形することができる。

    このような好ましい加工では、シール材114の外面を形成する金型が摺動する部分は油圧によって制御される。 従来の方法に従って、溶融した樹脂は射出用のスクリュを使って金型に注入され、そこではシール材の壁部は設計上の厚みの2倍ほどになり、溶融した材料はシール材全体に容易に流れてゆく。 モールドが冷えて固まる間に射出スクリュを使って封入圧を上げる方法とは異なり、シール材の壁部を所定の厚みにすると同時に、封入圧を上げられるように金型の摺動部分が油圧によって押し込まれる。

    シール材114に適度の柔軟性を有する材料を付加するには、ハウジング10に備えられて十分な硬さを有するフランジのような固い部材を使った成形が必要になる。

    シール材114が均一に成形されていれば、使用に際しても、隅角部17a、17b、17c、17dが接触部を通過するときに、図1、図3で説明したような隣接する空間18a、18b、18c、18dとハウジング10とシール材114の接触部における特に高圧下での漏洩は回避される。 1段のみの射出成形は2段にわたる成形や多色成形に比べて工程が短縮され、サイクルタイムも早められて、金型と周辺設備がより簡素化されるため、歩留まりは高くなり製作費も削減される。 これらの特徴を備えていないポンプに比べて、図4に示したポンプでは寿命も長くなる。

    次に、図5においても図1〜図4と共通の部品には同じ参照符号が付加されており、詳細は省略する。

    図5に示す実施形態では、図4と同様にシール材114はハウジング10と一体的に成形される。 この実施形態においては、シール材はロータ(15、315、350、415)に接触する面の反対側に下面を有し、シール材には弾性を有するパッド141が取り付けられ、シール材114をロータ15に対抗できるようにシール材の下面を押し付ける。 パッド141に掛かる余分な圧力が、ロータ15とシール材114の間で起こる流体の無理な通過を阻止するため、高い圧力下においてもポンプの作動が可能になる。 パッド141から圧力を与える方法は、運転中の圧力範囲の最小値、例えば0.5バール以内の圧力で運転するように設計されたポンプにも適用することができる。

    更に、吐出口12と、シール材114の背後に形成される空間とが連通できるように吐出口12に通路101が設けられる。 これによって、運転中に通路101を介して流体の流入が可能になり、シール材114の下面とハウジング10の残りの部分から立ち上がったタレット145とタレット145を覆うキャップ146によって囲まれた空間147には流体による圧力が掛かるようになる。 その結果、シール材114からロータに掛かる圧力はパッド141と流体からの圧力の和になる。 このように、加わる力は吐出口での圧力に依存し、吐出口の圧力の増加はシール材114への圧力も増加を招くため、それら圧力の増大はシール材114とロータ15との間における流体の漏洩防止に寄与することになる。

    通路101がない場合には、最大運転圧力の限界が1バールのポンプであっても、通路101を取り付けると6バールかそれ以上の圧力でも運転可能になる。 シール材114に掛かる圧力は吐出口での圧力に依存して自動的に変わるので、このような通路101を備えれば、単一目的に設計されたポンプでも広い範囲の圧力を要する様々な目的に応用することができる。 更に、このようなポンプではシール材114とロータ15の間の圧力は不必要に高くならないので、常に最小のトルクでの運転が可能になる。

    パッド141はシール材114の下面を押し付けるので、パッド141は吐出口からの圧力がシール材114に伝達するために十分な弾性を有することが望ましい。

    流体は吸入口11から、或いはハウジング10内の他の適当な地点、更には流体装置から離れた位置からも管体を経由してシール材114の下面に供給されるので、高い吸入圧と吐出圧を備えたポンプの製造が可能になる。

    図6においても、図1〜図3と共通する部品には同じ参照符号が付与され、詳細は省略する。 図6のハウジング210は図4と同様に一体的に成形される。 ハウジング210は吸入口211と吐出口212を備え、それらはハウジングの周方向に接近して配置される。 図4を参照して説明したように、シール材214はハウジング210の残りの部分と共に一体的に成形され、ハウジングの上に形成されたシール材214と基体241に作用する弾性を有するパッド240によって内側の中心位置に向う力が掛けられる。 パッド240を含む空間は、シール材214とハウジング210の間に形成された通路201によって吐出口212に接続する。 この通路201は図5を参照して説明した通路と同様に作用する。

    ロータ15は1個の凹面216を有し、この凹面216の端部はロータ15に沿って軸方向に延在する1個の隅角部217に連なる。 隅角部217の円弧の長さは吸入口211と吐出口212間の円弧の長さよりも長くなる。

    シール材214は凹面216がシール材214を通過するときに、パッド240が凹面216と密接するように、内側の中心に向かって突出するロータ嵌合面221を有する。

    図6のポンプは図1〜図5を参照して説明したポンプと同様に作動する。 しかし、凹面216の円弧の長さは吸入口211と吐出口212の間の距離に比べて長くなるため、凹面216がシール材214を通過してシール材214に接触する際は、吸入口211と吐出口212の連通は防止される。

    図6のポンプには、凹面216と空間13により形成される1個の空間218がロータ15の回転によって吸入口211から吐出口212に移動する際に、流体の容積を最大にする利点がある。 その効果は吸入口211から吐出口212間の円弧の長さを短くすることによって更に改善される。 隅角部217の円弧に沿った長さは短くなり、一方で凹面216の円弧に沿った長さも長くなるので、空間218の容積は増加することになる。

    勿論、図6のポンプには、図1〜図4に示したような別体のシール材を取り付けることも可能である。 更に、通路201は任意に取り付けられる。 そして、図5と図6に示した形態では通路101と通路201が吐出口12、212からシール材114或いはシール材214の下面に延在する構造も可能である。 また別の構造として、通路が付随する吸入口11、211からシール材114、214の下面に延在することも可能である。

    図1〜図6を参照して説明した実施形態では、ハウジング10の内部とロータ15の外部は相補的な円筒面を形成する。 作動時のトルクと最大ポンプ圧はこれら部品が接触する際の緊密度に依存し、ポンプの作製時に少しでも変動するとトルクが大きくなったり、流体の漏洩により最大ポンプ圧が低下するなどの逆効果をもたらす。

    図7においても、図1〜図3に共通する部品には同じ参照符号が付与されており、詳細は省略する。

    図7のポンプでは、ハウジング300は内部に截頭円錐部352に接続する短く、半径の小さな円筒状の第1の端部350と、短く半径の大きな第2の端部351を備えている。 ロータ315も截頭円錐形のロータ本体354に、短く、小さな半径を有する円筒状の端部353を備え、それによってロータ315はハウジング300の内部に収まって回転可能になり、ハウジング300の内部とロータ本体354とはハウジングの截頭円錐部352に密着する。 ロータ315の小さな半径の端部353には環状のシール材355が取り付けられており、ロータ315とハウジング300の間を封止する。 シール材はOリンググか矩形状又は舌片状であり、ハウジング300或いはロータ315の何れかと一体に成形される。

    ハウジング300の截頭円錐部352とロータ本体354に係る円錐の開き角は2度〜20度の範囲にあることが望ましく、より望ましくは5度〜15度の間にあって10度程度が適当である。

    ハウジング300の大きな半径の端部351にはワッシャ357が取り付けられ、ハウジング300に対しては同軸上でのロータ315の相対的位置を移動調整してこれら部品の適合性を図り、ロータ315とハウジング300間の接触圧を適正に保つ一方で、ロータ315の小半径の端部353にまで同軸上に延在するドライブソケット356を介してロータ315の回転に必要なトルクを最小にする。 このように、製造時に発生する円筒状のハウジング内部とそれに対応するロータ面の気密性に影響する潜在的な問題は軽減される。 ワッシャ357とロータ315の間の接触点は、ロータ315の回転時に必要なトルクを低下させるようにロータ315の軸の近くに設けることが望ましい。

    ロータ350は凹面を有し、そのうちの凹面16a、16cが図7に示されている。 更に、ハウジング300にはシール材14が取り付けられるが、シール材14は図面を参考にどのような方法でも形成される。 パッド141は図5を参照して取り付けられ、キャップ358によって所定の場所に固定される。

    ハウジングと接触面の圧力が所定の値になるように、ロータ315からハウジングに掛かる圧力は注意深く調整される。 この圧力は次のどの方法(個々の方法か、2つかそれ以上の方法のコンビネーション)によっても掛けることができる。 第1の方法では、圧力はロータ315に作用するばねにより与えられる。 第2の方法では、圧力は製造中にハウジング300の小径を有する端部の所定の位置に収まるように、ロータ315にフランジや取手を備えた形状に変更されている。 第3の方法では、圧力はロータ350の軸上の適切な場所に保持されるように、ハウジング300の大径を有する端部に変更されている。 また、ハウジング300の端部を熱処理したり周囲に舌片を取り付けたり、ハウジング300のワッシャを溶着してリムを形成したり、ロータ315が所定の場所に嵌り込むように、ハウジング300の周囲に変形可能な舌片を成形するなどの変更も可能である。

    図8を参照して次の実施形態を説明する。 この実施形態では図7を参照して前述したように、ロータ415はハウジング410に対向して截頭円錐形の面を有し、ハウジング410内に収まる。 この実施形態では、ハウジング410の大径を有する端部には、ハウジング410と同軸にあって円筒状の内面451を有する断面L字型の環状のフランジ450が形成される。 ハウジング410の小径の端部には、大径の円筒表面453を有し内側に突出するハブ452が形成され、円筒表面453は角度を持った環状のステップ455を経て小径の円筒表面454に接続する。

    ロータ415は中空の円筒状であって、ハウジング410内に収められる。 ロータ415の大径を有する端部には外部に向けて放射状に広がるフランジ456が取り付けられ、フランジ456は同軸上に延びる環状のシール材457を有し、シール材457は各部品間を封止するために、ハウジング410の環状のフランジ450の内面451を押し付ける。 ロータ415の小径の端部には、ロータ415の内面451に環状の舌片460を有する断面L字型の環状のシール材459が取り付けられ、舌片460は部品間を封止するために、ハブ452の大径を有する円筒表面453を押し付ける。

    ロータ415に回転力を伝達するためにフランジ456の内面にスプラインが形成される。 また、ロータへ動力を伝達するためにフランジ456の表面にギア状の歯を取り付けることもできる。

    キャップ461は傾斜した端面462を有し、ステップ455に接してハブ452の小径を有する円筒表面454に嵌合し、キャップ461の開いた端部463はロータ415の小径を有する端部にあって断面L字型のシール材459に支えられる。 キャップ461は例えば溶着によってハブ452に固定される。

    この嵌合によって、軸に沿ったハウジング410に対するロータ415の位置が決まる。 キャップ461の寸法や位置が変わると、ロータ415の軸上での相対的な位置も変わり、ロータ415とハウジング410の間に必要な界面圧力を与えることになる。

    図8のポンプは吸入口と吐出口(図示しない)とシール材(図示しない)を有し、その他の点でも図1〜図7を参照して説明したように作動する。

    ハウジング10は必ずしもステンレス鋼のような金属やポリアセタールのような樹脂で作製する必要はない。 ロータ15も例えばポリエチレンやポリプロピレン製であってもよい。

    シール材14は凹面16a、16b、16c、16dに嵌合する形を必ずしも有する必要はない。 シール材14は例えば、ロータ15の軸に向かってシール材14を変形させるばねや弾性を有するパッドを備えたハウジング10の円筒面に連なるような自然な形状であってもよい。 実際にシール材は円筒状のハウジング10の直径と同じ曲率半径を有するように形成される。 しかし、通常ではシール材はロータが作る円筒面がハウジング側にはみ出しても、ハウジングとシール材の接触面がハウジングの内部に形成される円筒に円滑に接するように成形される。

    ロータ15は反時計方向に回転することもあり、その際に流体は逆方向に流れる。 吸入口11と吐出口12がシール材14に対して対称的に置かれている個所では、両方向に向けたポンプの流れ特性は同じになる。 実際には、シール材14から周上にやや離れて移動する吐出口では高い出力が得られ、そのため隅角部17a、17b、17c、17dが吐出口に対して閉じているときは、シール材14とロータ15の間で逆流する傾向を抑えることになる。 この場合に、シール材14は流体を空間から移動させ難くなるので反時計方向への流れは減少する。

    次の図9では図8と共通の部品には同じ参照符号が付加されており、詳細は省略する。

    図8のポンプでは、ロータ415とハウジング410の接触面の圧力によってキャップ461の位置が決まる。 図8でも説明したように、この圧力はキャップ461の位置と寸法を変更することによって調整することできる。

    異なった粘度を有したり、剪断力の増大などの反粘弾性的性質を有する流体に適応させるにはポンプの調整が必要になる。 ロータ415を回転させるために必要なトルクを不必要に増大させないためには、粘度の低い流体に対してはロータ415とハウジング410間の間隙を小さくすることも可能である。 塗料や食料品のソースのような高粘度物質の場合、負荷がかかる領域では、この間隙を広げるとロータ415の回転に必要なトルクを下げることができる。 間隙をそのように広げても流体の漏洩には繋がらないし、出力の高さ、流量の精度にも影響を及ぼさない。 しかし、間隙を大きくすると、(ポンプとその供給経路に流体がない場合に)ポンプの始動に影響を与える可能性はある。

    図9の実施形態はハブ452の周辺にばね470を配置して、キャップ461とシール材459の周囲方向に延在する壁部472の間に作用させることによって、この問題を解決している。 ばね470の効用はハウジング410に対してロータ415を押し付けることで、ポンプに流体がない状態の時にこれらの部品間の閉鎖を可能にする。 これにより、ポンプを通して気体は外に吐出され、高い粘度を有する流体でもポンプの始動が可能になる。 このような高粘度の流体がポンプの吐出口に到達すると、増大した吐出口の圧力と、ロータとハウジングの間に生成する薄い液体の膜がロータ415上で作用し、ばね470の圧縮力によってハウジング410からロータ415を強制的に離して、ロータ415とハウジング410の間隙を広げることになる。 このように、ハウジング410に対するロータ415の軸上での位置は、ポンプ内で流体の圧力が増大すると共に、ロータ415とハウジング410の間の距離が増大することによって調整される。

    キャップ461とシール材459の間の距離は、ロータ415のハウジング410からの最大移動範囲を制限し、この距離は必要に応じて変えることができる。 更に、吐出された流体の作用下で、ばね470が異なった圧縮率を与えるようにばね定数を変更することもできる。

    このばねの力は図9に示すようなコイルばね470によってのみ与えられるものではない。 適合する形状のばねであれば、ばね金属又は樹脂製のワッシャでもよい。 図10には可能な形状の一例を示した。 図にも示したように、キャップ461は柔軟性を備えた材料で形成され、歯形から成る開口を有し、各歯形473は圧縮時に変形する。 キャップ461の歯形を備えた開口はシール材459の壁部472を圧縮し、ポンプによってより高い粘度の流体が吸引されるとロータ415の圧力が増加して、歯形473はロータ415とハウジング410間の距離を増大するように変形する。

    第2の構成は図11と図12に示した。 これらの図のポンプは図7と同様な構造を有しているが、図7と共通の部品には同じ参照符号が付加されており、詳細は省略する。

    図11と図12に示すように、ロータ350の大径の端部には大径の端部から離れて、周囲に延びる2個の円弧を有する片持ち梁状のばねアーム370、371が形成される。 図11に示すように、ばねアーム370、371の自由端はワッシャ357を支え、ロータ350をハウジング300に密着させるばね力を与えて、上記のポンプの始動を容易にするために、ロータ350をハウジング300に近付け、粘度の高い流体が出口に到達するとロータとハウジングの間の距離を広げる。

    ばねアーム370、アーム371はロータ350とは別体に形成される。 ロータ350が成形される個所では、例えばばねアーム370、アーム371もロータ350と同時に成形される。 そのような場合に、成形材料には残留歪が小さなポリアセタールが適している。 残留歪が小さいばねの場合に、1個のポンプ装置で吐出される様々な粘度の流体に対応できる利点がある。

    勿論、ばねアーム370とアーム371はばねとして作用する他の適当なばね状部品、例えばコイルばねやスプリングワッシャに置き換えることもできる。

    この実施形態での移動範囲は、ロータ350の大径端部とワッシャ357間の距離によって制約されるが、必要に応じてその距離は調整したり制限することも可能である。

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