Outboard motor

申请号 JP2007302405 申请日 2007-11-22 公开(公告)号 JP2009127499A 公开(公告)日 2009-06-11
申请人 Yamaha Motor Co Ltd; ヤマハ発動機株式会社; 发明人 FUKUOKA YOSHIHITO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To improve maintainability when replacing an impeller of a water pump. SOLUTION: This outboard motor has the water pump 41 pumping up cooling water, and a pump driving mechanism 53 for taking out and transmitting motive power from a drive shaft 18 to the water pump 41. A pump housing 45 storing at least the impeller 68 of the water pump 41 can be attached-detached from an external part of an upper case 2. The pump driving mechanism 53 is constituted to transmit the motive power to the water pump 41 by taking out the motive power in the substantially vertical direction to the axial direction of the drive shaft 18. COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • アッパーケースの下部にロアーケースが設けられ、前記アッパーケースの上部にクランクシャフトを縦向きにしてエンジンが搭載され、前記クランクシャフトの回転が、前記アッパーケースの内部に軸支されたドライブシャフトを経て前記ロアーケース内部に軸支されたプロペラシャフトに伝達されるように構成された船外機において、
    冷却水を組み上げるウォーターポンプと、前記ドライブシャフトから動力を取り出して前記ウォーターポンプに伝達するポンプ駆動機構とを有し、前記ウォーターポンプの少なくともインペラが収容される部分を前記アッパーケースの外部から着脱可能にしたことを特徴とする船外機。
  • 前記ポンプ駆動機構を、前記ドライブシャフトの軸方向と異なる軸方向に動力を取り出して前記ウォーターポンプに伝達するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の船外機。
  • 前記ポンプ駆動機構を、前記ドライブシャフトの軸方向に対して略垂直方向に動力を取り出して前記ウォーターポンプに伝達するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の船外機。
  • 前記ウォーターポンプを、前記アッパーケースの側面、かつ前記船外機の運転時における喫水線よりも上方に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の船外機。
  • 前記ポンプ駆動機構を、前記エンジンと、前記ドライブシャフトに軸装されるトランスミッション装置とを結ぶ動力伝達経路間に配置したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の船外機。
  • 前記アッパーケースの内部に前記ウォーターポンプを取り付ける内部ケース部材を設け、前記アッパーケース側面の前記内部ケース部材に近接する部分にポンプ開口部を形成し、前記ウォーターポンプの少なくともインペラが収容される部分を前記ポンプ開口部から外部に突出させたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の船外機。
  • 前記内部ケース部材と、前記ウォーターポンプのインペラが収容される部分との間に、前記ウォーターポンプを構成する他の複数の部品を介在させ、前記インペラが収容される部分と前記他の複数の部品とを第一のボルトにより前記内部ケース部材に共締めするとともに、前記他の複数の部品の間を第二のボルトで締結したことを特徴とする請求項6に記載の船外機。
  • 前記内部ケース部材と、前記ウォーターポンプのインペラが収容される部分との間に、前記ウォーターポンプを構成する他の複数の部品を介在させ、前記他の複数の部品を第三のボルトにより前記内部ケース部材に共締めするとともに、前記インペラが収容される部分と前記他の複数の部品のうちの前記インペラが収容される部分に隣接する部品との間を第四のボルトで締結したことを特徴とする請求項6に記載の船外機。
  • 前記ウォーターポンプの冷却水吸入部および冷却水吐出部を、前記インペラが収容される部分に設け、前記冷却水吸入部および前記冷却水吐出部に接続される管路部材を柔軟なホースにしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の船外機。
  • 说明书全文

    本発明は、冷却を組み上げるウォーターポンプを備えた船外機に関するものである。

    一般に船外機では、エンジン等を冷却する冷却水を組み上げるためのウォーターポンプが、エンジンよりも下方の部分を構成するアッパーケースと、このアッパーケースの更に下部に繋がるロアーケースとの接合部付近に配置され、エンジンの回転をプロペラシャフトに伝達するドライブシャフトがウォーターポンプを縦方向に貫通してウォーターポンプのインペラがドライブシャフトに一体回転するように設けられ、これによりウォーターポンプがドライブシャフトに直接駆動される構成となっている(例えば特許文献1参照)。

    上記インペラはゴム等の弾性材料により形成されており、徐々に摩耗するため、定期的な交換が必要である。

    特許第3509171号公報

    しかしながら、ウォーターポンプのインペラを交換するためには、船外機の取り付けられた舟艇を一旦陸揚げし、船外機のアッパーケースとロアーケースとの接合部を分解してウォーターポンプを取り出すという重整備となり、多数のボルトを着脱したり、ケース部材間の防水シーリング作業をやり直す必要もあって、極めて整備性が悪かった。

    また、ウォーターポンプがアッパーケースやロアーケースの内部に設けられていたため、各ケースの内部スペースの関係でウォーターポンプに接続される管路部材の口径寸法に制約が加わり、ウォーターポンプの吐出性能を向上させるのに限界があった。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ウォーターポンプのインペラ交換時における整備性を向上させるとともに、ウォーターポンプ及びその周辺の配管レイアウト性を向上させることのできる船外機を提供することを目的とする。

    かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、アッパーケースの下部にロアーケースが設けられ、前記アッパーケースの上部にクランクシャフトを縦向きにしてエンジンが搭載され、前記クランクシャフトの回転が、前記アッパーケースの内部に軸支されたドライブシャフトを経て前記ロアーケース内部に軸支されたプロペラシャフトに伝達されるように構成された船外機において、冷却水を組み上げるウォーターポンプと、前記ドライブシャフトから動を取り出して前記ウォーターポンプに伝達するポンプ駆動機構とを有し、前記ウォーターポンプの少なくともインペラが収容される部分を前記アッパーケースの外部から着脱可能にした船外機としたことを特徴とする。

    また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ポンプ駆動機構を、前記ドライブシャフトの軸方向と異なる軸方向に動力を取り出して前記ウォーターポンプに伝達するように構成した船外機としたことを特徴とする。

    さらに、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記ポンプ駆動機構を、前記ドライブシャフトの軸方向に対して略垂直方向に動力を取り出して前記ウォーターポンプに伝達するように構成した船外機としたことを特徴とする。

    そして、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記ウォーターポンプを、前記アッパーケースの側面、かつ前記船外機の運転時における喫水線よりも上方に設けた船外機としたことを特徴とする。

    また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成に加え、前記ポンプ駆動機構を、前記エンジンと、前記ドライブシャフトに軸装されるトランスミッション装置とを結ぶ動力伝達経路間に配置した船外機としたことを特徴とする。

    さらに、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の構成に加え、前記アッパーケースの内部に前記ウォーターポンプを取り付ける内部ケース部材を設け、前記アッパーケース側面の前記内部ケース部材に近接する部分にポンプ開口部を形成し、前記ウォーターポンプの少なくともインペラが収容される部分を前記ポンプ開口部から外部に突出させた船外機としたことを特徴とする。

    そして、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記内部ケース部材と、前記ウォーターポンプのインペラが収容される部分との間に、前記ウォーターポンプを構成する他の複数の部品を介在させ、前記インペラが収容される部分と前記他の複数の部品とを第一のボルトにより前記内部ケース部材に共締めするとともに、前記他の複数の部品の間を第二のボルトで締結した船外機としたことを特徴とする。

    また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記内部ケース部材と、前記ウォーターポンプのインペラが収容される部分との間に、前記ウォーターポンプを構成する他の複数の部品を介在させ、前記他の複数の部品を第三のボルトにより前記内部ケース部材に共締めするとともに、前記インペラが収容される部分と前記他の複数の部品のうちの前記インペラが収容される部分に隣接する部品との間を第四のボルトで締結した船外機としたことを特徴とする。

    さらに、本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の構成に加え、前記ウォーターポンプの冷却水吸入部および冷却水吐出部を、前記インペラが収容される部分に設け、前記冷却水吸入部および前記冷却水吐出部に接続される管路部材を柔軟なホースにした船外機としたことを特徴とする。

    請求項1に係る発明によれば、ウォーターポンプの少なくともインペラが収容される部分を船外機の外部から着脱できるため、インペラ交換時における整備性を飛躍的に向上させることができる。

    請求項2に係る発明によれば、ウォーターポンプをドライブシャフトの位置に拘わらずに配置できるため、ウォーターポンプのレイアウト性を向上させることができる。

    請求項3に係る発明によれば、ウォーターポンプをドライブシャフトから離れた位置に設置できるため、ウォーターポンプのレイアウト性を一層向上させるとともに、ウォーターポンプ周辺の配管レイアウト性をも向上させることができる。

    請求項4に係る発明によれば、ウォーターポンプの整備性、基本性能、配管レイアウト性を一層向上させるとともに、エンジン停止時におけるウォーターポンプの水抜き性を良好にすることができる。

    請求項5に係る発明によれば、エンジンの回転がトランスミッション装置により変換される前にポンプ駆動機構によってウォーターポンプに伝達されるため、ウォーターポンプの駆動回転速度の変動を小さくして安定した性能を発揮させることができる。

    請求項6に係る発明によれば、船外機の整備性およびウォーターポンプの性能を一段と向上させることができる。

    請求項7に係る発明によれば、インペラ交換の際に、ウォーターポンプを構成する他の複数の部品が無用に分解されることを防止し、船外機の整備性をより一層向上させることができる。

    請求項8に係る発明によれば、最小限の工数でウォーターポンプのインペラが収容される部分を取り外せるため、インペラ交換時における整備性をさらに向上させることができる。

    請求項9に係る発明によれば、ウォーターポンプの冷却水吸入部および冷却水吐出部に繋がる管路部材のレイアウト性を大きく向上させるとともに、これらの管路部材を大口径なものにしてウォーターポンプの基本性能を向上させ、同時に船外機の組立性を大幅に向上させることができる。 また、インペラの交換時にはインペラが収容される部分だけを取り外せば、柔軟なホースである管路部材も船外機から離脱させることができ、管路部材自体の着脱を必要としないため、この点でもウォーターポンプの整備性を向上させることができる。

    以下、本発明の実施の形態について説明する。

    図1は、本発明に係る船外機の実施の形態を示す右側面図であり、図2は図1のII部拡大図であり、図3は図2のIII-III線に沿う縦断面図である。

    この船外機1は、アッパーケース2の下部にロアーケース3が設けられ、アッパーケース2の上部に略平板状のマウントプレート4を介してエンジン5が搭載されている。 エンジン5は、例えばV型のシリンダ配置を持つ6気筒の水冷式エンジンであり、そのクランクシャフト6を縦向きにしてマウントプレート4上に載置されている。

    アッパーケース2は例えば上側ケース2aと下側ケース2bとが複数の固定ボルト9により締結されて構成される上下二分割構造であり、その上側ケース2aの上面にマウントプレート4が複数の固定ボルト10と通しボルト11とによって固定され、下側ケース2bの下面にロアーケース3が図示しない固定ボルトで固定される。 なお、通しボルト11は上側ケース2aの上部フランジ下方から挿通されてマウントプレート4を貫通してエンジン5に締結されることにより、三部材2a,4,5を共締めにする。

    エンジン5周りは着脱可能なアッパーカバー13とロアーカバー14とにより覆われ、アッパーケース2の左右側面は同じく着脱可能なサイドカバー15により覆われる。 なお、図2はサイドカバー15が取り外された状態を示している。

    アッパーケース2の内部には鉛直なドライブシャフト18が軸支され、このドライブシャフト18の上端がエンジン5のクランクシャフト6下端にスプライン嵌合により連結される。 ドライブシャフト18はアッパーケース2内部を下方に延びてロアーケース3の内部に達し、ベベルギヤ機構19を介してロアーケース3内部に水平に軸支されたプロペラシャフト20に連携する。

    プロペラシャフト20はアウターシャフト20aとインナーシャフト20bとが同軸に組み合わされた二重回転軸であり、ベベルギヤ機構19のドライブベベルギヤ19aがドライブシャフト18に一体回転し、ドリブンベベルギヤ19bがアウターシャフト20aに一体回転し、ドリブンベベルギヤ19cがインナーシャフト20bに一体回転する。 そして、アウターシャフト20aに第1プロペラ21aが固定され、インナーシャフト20bに第2プロペラ21bが固定され、これらにより二重反転プロペラ機構22が構成されている。 なお、第1プロペラ21aと第2プロペラ21bの軸心部には排気通路23が形成される。

    アッパーケース2の内部にはトランスミッション装置26が設けられている。 このトランスミッション装置26は、ドライブシャフト18に軸装されており、その外殻を構成するミッションケース27の内部に、トルクコンバータ28と、前後進切替装置を含む自動変速装置29とが収容された構成である。 また、トランスミッション装置26の直下には遊星歯車機構を使用した最終減速装置30が設けられている(図1参照)。

    エンジン5が作動すると、クランクシャフト6の回転がドライブシャフト18に伝達され、ドライブシャフト18の回転がトランスミッション装置26の内部で変速されるとともに回転方向を正逆方向に切り替えられ、さらに最終減速装置30により減速されてプロペラシャフト20に伝達される。 そして、プロペラシャフト20のアウターシャフト20aおよび第1プロペラ21aと、インナーシャフト20bおよび第2プロペラ21bとが、互いに逆方向に回転して高い推進力を発揮する。

    図3に示すように、マウントプレート4に内蔵された左右一対のアッパーマウント33と、アッパーケース2の下側ケース2b左右側面に設けられた左右一対のロアーマウント34とを介して図示しないステアリングブラケットが船外機1の前部に連結固定され、このステアリングブラケットが図1に示す鉛直なステアリングシャフト35によりスイベルブラケット36に連結されている。 スイベルブラケット36は水平なスイベルシャフト37および図示しないロック機構を介してクランプブラケット38に連結され、クランプブラケット38が舟艇の船尾板(トランサム)に固定される。

    船外機1はステアリングシャフト35を軸に左右に回動して舟艇の操を行うことができ、またスイベルシャフト37を軸に上下に回動して水面よりも上方にチルトアップさせることができる。

    図4〜図6にも示すように、エンジン5の冷却水を組み上げるウォーターポンプ41がアッパーケース2の外面、例えば舟艇の進行方向右側の側面に配設されている。 このウォーターポンプ41の設置高さは、トランスミッション装置26よりも上方であり、この位置は船外機1の運転時における喫水線WL(図1参照)よりも充分に高い位置である。

    アッパーケース2の内部に配置されたトランスミッション装置26のミッションケース27上面には、別体のポンプマウントケース42(内部ケース部材)が密着して固定されている。 このポンプマウントケース42の上面はマウントプレート4の下面に密着して固定される。

    ポンプマウントケース42の右側面には右方に向かって水平に延びるエクステンション部42aが一体に形成されている。 一方、アッパーケース2を構成する上側ケース2aには、その右側面の、ポンプマウントケース42右側方に近接する部位にポンプ開口部2c(図3参照)が形成されており、ポンプマウントケース42のエクステンション部42aがポンプ開口部2cから右方外部に突出している。 なお、ポンプ開口部2cは下方にも開口する段違いポケット状に形成されている。

    エクステンション部42aには、ギヤハウジングインナー43とギヤハウジングアウター44とポンプハウジング45とが、右方に向かって順次重なるように液密的に取り付けられ、これら三部材43,44,45とエクステンション部42aとによりウォーターポンプ41の主要部が構成される。 図5に示すように、上記三部材43,44,45の四隅に貫通形成されたボルト孔46に外部から挿通されるポンプ固定ボルト47(第一のボルト:図2、図4参照)がエクステンション部42aに締結されて三部材43,44,45がエクステンション部42aに共締めされる。

    このように、ウォーターポンプ41の主要部を構成するギヤハウジングインナー43、ギヤハウジングアウター44、ポンプハウジング45の全てが、アッパーケース2に形成されたポンプ開口部2cから外部に突出しているため、外部からポンプ固定ボルト47を抜くだけで上記三部材43,44,45をアッパーケース2の外部から簡単に着脱することができる。

    ギヤハウジングインナー43とギヤハウジングアウター44との間には減速ギヤ室49が液密的に画成され、両ギヤハウジング43,44の間は上述のポンプ固定ボルト47とは別な2本の専用の部組みボルト50(第二のボルト)により締結される。

    ウォーターポンプ41の駆動動力はドライブシャフト18から取り出される。 ドライブシャフト18の出力は、エンジン5とトランスミッション装置26とを結ぶ動力伝達経路間に配置されたポンプ駆動機構53を介してウォーターポンプに伝達される。 ポンプ駆動機構53は、例えばポンプマウントケース42(エクステンション部42a)からウォーターポンプ41の内部にかけて設けられており、ドライブシャフト18の軸方向と異なる軸方向、例えばドライブシャフト18の軸方向に対し右方向に垂直に動力を取り出してウォーターポンプ41に伝達するように、以下のように構成されている。

    ポンプマウントケース42の内部にはポンプ動力取出室54が画成され、その中にベベルギヤ機構55が内蔵される。 ベベルギヤ機構55は、ベアリング56により軸支されて半月キー57によりドライブシャフト18と一体回転するように設けられたドライブベベルギヤ55aと、ベアリング58により軸支されてドライブベベルギヤ55aに噛み合うドリブンベベルギヤ55bとを備える。 ベベルギヤ機構55のギヤ比は例えば1:1に設定されている。

    また、船外機1の機体幅方向に沿うポンプ駆動シャフト59がエクステンション部42aからギヤハウジングインナー43,44の内部にかけて軸通され、このポンプ駆動シャフト59の左端がドリブンベベルギヤ55bと一体回転するようにスプライン嵌合等により連結されている。

    減速ギヤ室49の内部には減速ギヤ機構60が収容される。 減速ギヤ機構60は、減速ドライブギヤ60aと、これに噛み合う減速ドリブンギヤ60bとにより構成され、これら両ギヤ60a,60bは例えば斜歯歯車であり、その減速比が1:2に設定されている。

    減速ドライブギヤ60aはポンプ駆動シャフト59の右端付近に一体形成される一方、ギヤハウジングインナー43に設けられたベアリング61と、ギヤハウジングアウター44に設けられたベアリング62とよりインペラシャフト63が軸支され、このインペラシャフト63に減速ドリブンギヤ60bが一体に設けられている。 ポンプ駆動シャフト59の回転は減速ギヤ機構60により二分の一に減速されてインペラシャフト63に伝達される。

    ポンプ駆動機構53は、ベベルギヤ機構55と、ポンプ駆動シャフト59と、減速ギヤ機構60と、インペラシャフト63とを含んで構成される。 なお、ポンプ駆動機構53の構成は本構成に限定されず、他の駆動方式にしても良い。

    インペラシャフト63の右端部は、ポンプハウジング45の内部に画成されたインペラ室67の内部に偏心して軸通し、このインペラシャフト63の右端部に、自由端側からインペラ68がスプライン嵌合等により一体回転するように設けられる。 インペラ68はゴムやウレタン等の弾性材料により例えば8枚羽根の水車状に形成されており、インペラシャフト63およびインペラ68がインペラ室67の中心軸に対して偏心し、かつインペラ68の側面および羽根の先端部がインペラ室67の左右壁面および周面に接することにより、ウォーターポンプ41がベーンポンプ型に構成される。

    インペラ68が収容されるポンプハウジング45の外周部には、吸入ポート71(冷却水吸入部)と吐出ポート72(冷却水吐出部)とが設けられており、これら吸入ポート71および吐出ポート72にはそれぞれ吸入ユニオン71aと吐出ユニオン72aが設けられている。 吸入ポート71(吸入ユニオン71a)と吐出ポート72(吐出ユニオン72a)は共に下方に指向している。

    図1に示すように、ロアーケース3の外側面には取水孔74が設けられ、図2にも示すように、ロアーケース3の前端上部に接続ユニオン75が設けられ、ロアーケース3の内部には取水孔74から上方に延びて接続ユニオン75に繋がる取水管76が配設されている。

    また、図2及び図3に示すように、アッパーケース2(上側ケース2a)の右側面に三方分岐通路状の冷却水分岐部78が設けられている。 この冷却水分岐部78は、機体前方に延びる太いインレットユニオン78aと、上方に延びる細い分岐ユニオン78bとを備えている。 また、上側ケース2aとマウントプレート4の内部には、冷却水分岐部78の取付部から上昇してエンジン5に冷却水を供給する冷却水供給通路80が形成されている。

    ロアーケース3の接続ユニオン75と、ウォーターポンプ41の吸入ユニオン71aとの間は柔軟な冷却水吸入ホース82で接続され、ウォーターポンプ41の吐出ユニオン72aと冷却水分岐部78のインレットユニオン78aとの間が柔軟な冷却水吐出ホース83で接続される。

    また、図3に示すように、トランスミッション装置26のミッションケース27内部にはウォータージャケット85が形成され、このウォータージャケット85に連通する冷却水導入ユニオン86がミッションケース27の右側面に設けられている。 冷却水分岐部78の分岐ユニオン78bと冷却水導入ユニオン86との間は柔軟な冷却水分岐ホース87で接続されるが、この冷却水分岐ホース87は、段違いポケット状に形成されたポンプ開口部2cの外縁部2dを跨ぐようにしてアッパーケース2の外部から内部に進入する形で配設される。

    吸入ホース82と冷却水吐出ホース83の口径は冷却水分岐ホース87の口径よりも大きい。 この口径の差は、エンジン5のウォータージャケットに送られる冷却水と、トランスミッション装置26のウォータージャケット85に送られる冷却水との比率により決定される。

    冷却水吸入ホース82と冷却水吐出ホース83と冷却水分岐ホース87は、ウォーターポンプ41およびポンプ開口部2cと共にサイドカバー15によって覆われるため、これらの部材82,83,87,41,2cが船外機1の外観に露呈することはない。

    船外機1のエンジン5が作動すると、ギヤ比が1:1に設定されたベベルギヤ機構55により、ドライブシャフト18の回転が等速でポンプ駆動シャフト59に伝達され、さらにギヤ比が1:2に設定された減速ギヤ機構60により、ポンプ駆動シャフト59の回転が二分の一に減速されてインペラシャフト63およびインペラ68に伝達される。 インペラ68は図6に向かって時計回りに回転する。

    インペラ68がポンプハウジング45のインペラ室67内で回転すると、吸入ポート71に発生する負圧により取水孔74から外部の水が取り込まれ、この水が取水孔74→取水管76→接続ユニオン75→冷却水吸入ホース82→ウォーターポンプ41→冷却水吐出ホース83→冷却水分岐部78→冷却水供給通路80の順に流れてエンジン5内部に形成された図示しないウォータージャケットに冷却水として供給される。 また、冷却水分岐部78では一部の冷却水が分岐して冷却水分岐ホース87を経てトランスミッション装置26内部のウォータージャケット85に供給される。

    エンジン5およびトランスミッション装置26を冷却し終えた冷却水は、アッパーケース2およびロアーケース3内部に形成された図示しない排気膨張室と、第1プロペラ21aおよび第2プロペラ21bの軸心部に形成された排気通路23を経て排気ガスと共に外部水中に放出される。

    ウォーターポンプ41のインペラ68は定期交換部品であるが、この船外機1では、インペラ68が収容されるポンプハウジング45が、アッパーケース2のポンプ開口部2cから外部に突出して設けられおり、その設置高さが喫水線WLより上方であるため、舟艇を陸揚げする必要もなく、サイドカバー15のみを取り外してポンプ固定ボルト47を抜けばポンプハウジング45を容易に取り外すことができる。 このため、極めて短時間でインペラ68を交換でき、インペラ68の交換時における整備性を飛躍的に向上させるとともに、これまで整備に費やしてきた多大なコストを削減することができる。

    また、液密な減速ギヤ室49を構成しているために分解を避けたいギヤハウジングインナー43とギヤハウジングアウター44との間は、ポンプ固定ボルト47を抜いても専用の部組みボルト50により締結されたままの状態に保たれるため、ポンプ固定ボルト47を抜くと同時に両ギヤハウジング43,44が分離してしまうことが無く、減速ギヤ室49に封入された潤滑油の流失および減速ギヤ60a,60bの脱落、汚損といった弊害を回避し、無用な工数の増大を確実に防止することができる。 これは特に水上で作業する場合に有利である。

    インペラ68の交換時にポンプハウジング45を取り外す際には、ポンプハウジング45の吸入ポート71と吐出ポート72とにそれぞれ接続された冷却水吸入ホース82と冷却水吐出ホース83とが柔軟なホースであるために、両ホース82,83を予め抜いておかなくても、これらのホースを湾曲させることによってポンプハウジング45を船外機1から簡単に離脱させることができ、この点でも極めて整備性が良い。

    また、このようにアッパーケース2から突出させたポンプハウジング45に吸入ポート71と吐出ポート72を設けたことにより、冷却水吸入ホース82と冷却水吐出ホース83とがアッパーケース2や他の機器類に干渉することを回避して配管レイアウト性を大幅に向上させるとともに、これらの管路部材82,83の大口径化を図ってウォーターポンプ41の吐出性能を向上させることができる。

    しかも、アッパーケース2の下部にロアーケース3を取り付ける際に、従来のようにアッパーケース2の内部に配置された金属製の配管を、ロアーケース3の上部に設置されたウォーターポンプに嵌め込むといった面倒な作業が不要であり、外部から簡単に冷却水吸入ホース82と冷却水吐出ホース83とをウォーターポンプ41に接続できるため、船外機1の組立性向上に大きく貢献することができる。

    また、ウォーターポンプ41が船外機1の運転時における喫水線WLよりも上方に設けられているため、エンジン5停止時におけるウォーターポンプ41の水抜き性を良好にすることができる。

    ウォーターポンプ41を駆動するポンプ駆動機構53は、エンジン5とトランスミッション装置26とを結ぶ動力伝達経路間に配置されており、エンジン5(ドライブシャフト18)の回転がトランスミッション装置26により変速されたり回転方向を正逆に切り替えられる前にポンプ駆動機構53を経てウォーターポンプ41に伝達されるため、ウォーターポンプ41の駆動回転変動を小さくして安定した性能を発揮させることができる。

    また、ポンプ駆動機構53が、ドライブシャフト18の軸方向に対して垂直方向(ここでは右方)に動力を取り出してウォーターポンプ41に伝達するように構成されているため、ドライブシャフト18の位置に拘わらず、ウォーターポンプ41をドライブシャフト18から離れた位置に設置でき、これによりウォーターポンプ41のレイアウト性を格段に向上させるとともに、ウォーターポンプ41周辺の配管(82,83,87等)のレイアウト性も向上させることができる。

    さらに、この船外機1では、アッパーケース2の内部に配置されたトランスミッション装置26のミッションケース27上面に別体のポンプマウントケース42を設置し、このポンプマウントケース42の右側面に形成したエクステンション部42aをアッパーケース2右側面に形成したポンプ開口部2cから外部に突出させ、このエクステンション部42aにウォーターポンプ41を取り付けているため、ウォーターポンプ41の周辺には大きな他部品が存在していない。

    このため、ウォーターポンプ41のインペラ68を交換する際に取り外す必要があるのは右側のサイドカバー15とポンプハウジング45のみとなり、これにより船外機1の整備性を著しく向上させるとともに、各ホース部材82,83,87のレイアウト性を向上させ、併せてホース部材82,83を大口径化してウォーターポンプ41の吐出性能を向上させることができる。 なお、場合によってはポンプマウントケース42(エクステンション部42a)をマウントプレート4やミッションケース27等のケース部材に一体化してもよい。

    ところで、この船外機1では、ドライブシャフト18の回転速度がポンプ駆動機構53によって二分の一に減速されてからインペラシャフト63に伝達される構成であるため、例えば舟艇を舟艇高速で航行させる時にインペラ68の羽根の先端周速度が過大になってキャビテーションが発生し、ウォーターポンプ41の吐出量が頭打ちになることを有効に防止できる。 この減速比はベベルギヤ機構55や減速ギヤ機構60のギヤ比を変えることにより自由に設定することができる。

    なお、図7に別な実施形態を示すように、ギヤハウジングインナー43とギヤハウジングアウター44とをポンプ固定ボルト90(第三のボルト)によりポンプマウントケース42のエクステンション部42aに共締めするとともに、ポンプハウジング45を、これに隣接するギヤハウジングアウター44にハウジング固定ボルト91(第四のボルト)で締結する構成としてもよい。

    これにより、インペラ68の交換時にはハウジング固定ボルト91を外すだけでポンプハウジング45のみを取り外すことができ、ギヤハウジングインナー43とギヤハウジングアウター44は外れることがないため、一層整備性を高めることができる。

    本発明の実施の形態に係る船外機を示す右側面図である。

    同実施の形態に係る図1のII部拡大図である。

    同実施の形態に係る図2のIII-III線に沿う縦断面図である。

    同実施の形態に係る図3のIV部拡大図である。

    同実施の形態に係る図4のVV線に沿う縦断面図である。

    同実施の形態に係る図4のVI-VI線に沿う縦断面図である。

    本発明の別な実施の形態を示す縦断面図である。

    符号の説明

    1 船外機 2 アッパーケース 2c ポンプ開口部 3 ロアーケース 4 マウントプレート 5 エンジン 6 クランクシャフト 18 ドライブシャフト 20 プロペラシャフト 26 トランスミッション装置 41 ウォーターポンプ 42 内部ケース部材であるポンプマウントケース 43 ウォーターポンプを構成する他の部品であるギヤハウジングインナー 44 ウォーターポンプを構成する他の部品であるギヤハウジングアウター 45 インペラが収容される部分であるポンプハウジング 47 ポンプ固定ボルト(第一のボルト)
    50 部組みボルト(第二のボルト)
    53 ポンプ駆動機構 55 ポンプ駆動機構を構成するベベルギヤ機構 59 ポンプ駆動機構を構成するポンプ駆動シャフト 60 ポンプ駆動機構を構成する減速ギヤ機構 63 ポンプ駆動機構を構成するインペラシャフト 68 インペラ 71 冷却水吸入部である吸入ポート 72 冷却水吐出部である吐出ポート 82 冷却水吸入部に接続される管路部材である冷却水吸入ホース 83 冷却水吐出部に接続される管路部材である冷却水吐出ホース 90 ポンプ固定ボルト(第三のボルト)
    91 ハウジング固定ボルト(第四のボルト)
    WL 船外機の運転時における喫水線

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