Electric compressor

申请号 JP2007326414 申请日 2007-12-18 公开(公告)号 JP5109642B2 公开(公告)日 2012-12-26
申请人 株式会社豊田自動織機; 发明人 雅夫 井口; 真広 川口; 健 水藤; 博史 深作; 達志 森; 和朗 村上;
摘要
权利要求
  • ハウジング内に、電動モータ、該電動モータの駆動によって回転軸が回転することにより駆動する圧縮部、及び前記電動モータを駆動するためのモータ駆動回路が前記回転軸の軸方向に沿って配設された電動圧縮機であって、
    前記ハウジングは、前記電動モータ及び前記圧縮部が内部に固設された有蓋筒状 をなし、冷媒ガスを吸入するための吸入口を備える第1ハウジング構成体と、
    該第1ハウジング構成体の開口側に接合されて前記第1ハウジング構成体とともに密閉容器を形成する 略円盤状の第2ハウジング構成体と、
    該第2ハウジング構成体に接合されて該第2ハウジング構成体とともに前記モータ駆動回路の収容空間を形成する有蓋筒状の第3ハウジング構成体とから形成され、
    前記第1ハウジング構成体及び前記第2ハウジング構成体の周縁部にはボルトによって前記密閉容器を組み立てるためのボルト締結部が設けられ、
    前記第2ハウジング構成体には前記モータ駆動回路と前記電動モータとを電気的に接続するための接続端子の端子取付部が設けられるとともに、前記回転軸を支持するための軸受支持部が立設され、さらに、前記第2ハウジング構成体には前記モータ駆動回路を構成する電気部品が熱的に結合され、
    前記第3ハウジング構成体は、前記ボルト締結部にて前記第1ハウジング構成体と前記第2ハウジング構成体とを接合する前記ボルトによって前記第2ハウジング構成体に接合されている電動圧縮機。
  • 前記第2ハウジング構成体に前記電気部品が直接接触している請求項1に記載の電動圧縮機
  • 说明书全文

    本発明は、ハウジング内に、電動モータ、圧縮部、及びモータ駆動回路が回転軸の軸方向に沿って配設された電動圧縮機に関する。

    冷媒を圧縮する圧縮機としては、電動モータの駆動によって回転軸が回転することにより圧縮部を駆動させる電動圧縮機が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。 特許文献1の電動圧縮機は、機体容器(ハウジング)内に圧縮機構部(圧縮部)及び電動機(電動モータ)を備えるとともに、機体容器に外付けされたインバータ(モータ駆動回路)によって電動機を駆動するようになっている。 密閉容器となる機体容器は、有底円筒状の主シェルと、有底円筒状の副シェルとを互いの開口端同士を突き合わせて形成されている。 また、機体容器に外付けされたインバータは、ボルトによって機体容器に外付けされたインバータケース内に収容されている。 そして、電動圧縮機において、その軸方向における略中央に圧縮機構部が、前部に電動機が、後部にインバータが配設されている。

    また、特許文献1の電動圧縮機は、冷凍サイクルからの帰還冷媒の吸入口が機体容器におけるインバータケース寄りの位置に形成されている。 そして、吸入口から機体容器内に吸入された冷媒は、インバータの近傍に形成された導入路を介して機体容器内の圧縮機構部に導入され、その圧縮機構部で圧縮されるようになっている。 さらに、圧縮機構部で圧縮された冷媒は、機体容器内を通じて吐出口から冷凍サイクルに供されるようになっている。 このため、電動圧縮機における機体容器のインバータ側は、機体容器内からインバータケース内への冷媒洩れが発生しないように気密にシールされている。

    特開2004−183631号公報

    ところで、特許文献1の電動圧縮機において、インバータはインバータケースの底部壁に取り付けられた盤状部材に取り付けられ、さらに、そのインバータケースが機体容器に外付けされることで設けられている。 このため、機体容器内からの冷媒洩れを防止するためには、インバータケースの底部壁と盤状部材とを両者の間を気密にシールしながら取り付け、さらに、盤状部材が取り付けられたインバータケースと機体容器とを両者の間を気密にシールしながら取り付ける必要があり、機体容器からの冷媒洩れを防止するための構造が非常に複雑であった。

    本発明は、ハウジング内に、電動モータ、圧縮部、及びモータ駆動回路が回転軸の軸方向に沿って配設された電動圧縮機において、密閉容器を気密にシールするための構成を簡単に製造することができる電動圧縮機を提供することにある。

    上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジング内に、電動モータ、該電動モータの駆動によって回転軸が回転することにより駆動する圧縮部、及び前記電動モータを駆動するためのモータ駆動回路が前記回転軸の軸方向に沿って配設された電動圧縮機であって、前記ハウジングは、前記電動モータ及び前記圧縮部が内部に固設された有蓋筒状をなし、冷媒ガスを吸入するための吸入口を備える第1ハウジング構成体と、該第1ハウジング構成体の開口側に接合されて前記第1ハウジング構成体とともに密閉容器を形成する略円盤状の第2ハウジング構成体と、該第2ハウジング構成体に接合されて該第2ハウジング構成体とともに前記モータ駆動回路の収容空間を形成する有蓋筒状の第3ハウジング構成体とから形成され、前記第1ハウジング構成体及び前記第2ハウジング構成体の周縁部には前記ボルトによって前記密閉容器を組み立てるためのボルト締結部が設けられるとともに、前記第2ハウジング構成体には前記モータ駆動回路と前記電動モータとを電気的に接続するための接続端子の端子取付部が設けられ、さらに、前記第2ハウジング構成体には前記モータ駆動回路を構成する電気部品が熱的に結合されている。 さらに、前記第2ハウジング構成体に前記回転軸を支持するための軸受支持部が立設され、第3ハウジング構成体は、前記ボルト締結部にて前記第1ハウジング構成体と前記第2ハウジング構成体とを接合する前記ボルトによって前記第2ハウジング構成体に接合されている

    この発明によれば、第1ハウジング構成体のボルト締結部と第2ハウジング構成体のボルト締結部とをボルトで締結することにより密閉容器が組み立てられる。 すなわち、ボルトで締結する作業を1度行うだけで密閉容器を気密にシールすることができる。 よって、背景技術のように、機体容器(密閉容器)を気密にシールするために複数箇所を気密にシールする必要がある場合に比して、密閉容器を気密にシールするための構成を簡単に製造することができる。

    また、前記第2ハウジング構成体に前記電気部品が直接接触していてもよい。 この構成によれば、密閉容器内には冷媒ガスが導入されるため、密閉容器を形成する第2ハウジング構成体は冷媒ガスによって冷却される。 そして、第2ハウジング構成体に電気部品が直接接触していることで、冷却された第2ハウジング構成体を介して発熱した電気部品を効率良く冷却することができる。

    本発明によれば、ハウジング内に、電動モータ、圧縮部、及びモータ駆動回路が回転軸の軸方向に沿って配設された電動圧縮機において、密閉容器を気密にシールするための構成を簡単に製造することができる。

    (第1の実施形態)
    以下、本発明を、ハイブリッド自動車に搭載され、空調装置に用いられる電動圧縮機に具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。 なお、以下の説明において電動圧縮機の「前」及び「後」は、図1に示す矢印Y1の方向を前後方向とし、「上」及び「下」は、図1に示す矢印Y2の方向を上下方向とする。

    図1に示すように、電動圧縮機10のハウジングは、ハウジングのほぼ全体を形成する第1ハウジング構成体12と、第1ハウジング構成体12の後側(図1では右側)に接合された第2ハウジング構成体13と、第2ハウジング構成体13の後側(図1では右側)に接合された第3ハウジング構成体14とから形成されている。

    まず、第1ハウジング構成体12について詳細に説明する。 第1ハウジング構成体12は、円筒状をなす周壁部121と、この周壁部121における前側の開口を閉鎖するように周壁部121の開口端に接合された有蓋円筒状の蓋部122とから有蓋円筒状に形成されるとともに、アルミニウム合金のダイカスト鋳物によって製作されている。 周壁部121の前側(蓋部122側)の周縁部には、周壁部121の全周に亘って外方へ突出する第1フランジ部121aが形成されるとともに、第1フランジ部121aには第1螺子穴121bが、周壁部121の周方向に等間隔をおいて4箇所形成されている。 一方、周壁部121の後側(第2ハウジング構成体13側)の周縁部には、周壁部121の全周に亘って外方へ突出する第2フランジ部121cが形成されるとともに、第2フランジ部121cには、ボルト締結部としての第2螺子穴121dが周方向に等間隔をおいて4箇所形成されている。

    また、第1ハウジング構成体12を形成する蓋部122の後側(周壁部121側)の周縁部には、蓋部122の全周に亘って外方へ突出するフランジ部122aが形成されるとともに、フランジ部122aにはボルト挿通孔122bが4箇所形成されている。 そして、周壁部121と蓋部122とは、蓋部122のボルト挿通孔122bに挿通されたボルトB1を、周壁部121の第1螺子穴121bに螺合することにより接合され、一体化されている。 なお、周壁部121と蓋部122との間にはガスケットG1が介在されるとともに、ガスケットG1によって周壁部121と蓋部122との間からの冷媒洩れが防止されている。

    次に、第2ハウジング構成体13について詳細に説明する。 第2ハウジング構成体13は、略円盤状をなし、第1ハウジング構成体12の後側の開口(周壁部121の開口)を閉鎖可能な大きさに形成されている。 具体的には、第2ハウジング構成体13の直径は、周壁部121における第2フランジ部121cでの外径と同じになっている。 そして、第2ハウジング構成体13の外寄りの周縁部にはボルト締結部としてのボルト挿通孔13aが周方向に等間隔をおいて4箇所形成されている。 また、第2ハウジング構成体13における第1ハウジング構成体12側の端面中央部には、円筒状をなす軸受支持部13bが立設されている。 さらに、第2ハウジング構成体13において、軸受支持部13bが立設された面に背向する面には、円筒状をなす端子取付部13cが立設されている。 第2ハウジング構成体13はアルミニウム合金のダイカスト鋳物によって製作されている。

    次に、第3ハウジング構成体14について詳細に説明する。 第3ハウジング構成体14は有蓋円筒状をなす。 そして、図2に示すように、第3ハウジング構成体14において、第2ハウジング構成体13側の周縁部には、第3ハウジング構成体14の全周に亘って外方へ突出するフランジ部14aが形成されるとともに、図1に示すように、フランジ部14aにはボルト挿通孔14bが第3ハウジング構成体14の周方向に等間隔をおいて4箇所形成されている。 第3ハウジング構成体14はアルミニウム合金のダイカスト鋳物によって製作されるとともに、第3ハウジング構成体14におけるフランジ部14aの外径は、第2ハウジング構成体13の直径と同じになっている。

    そして、第3ハウジング構成体14のボルト挿通孔14b、及び第2ハウジング構成体13のボルト挿通孔13aに挿通した4本のボルトB2を、第1ハウジング構成体12の第2螺子穴121dに螺合し、第1ハウジング構成体12と、第2ハウジング構成体13と、第3ハウジング構成体14とを締結する。 すると、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とが接合されるとともに、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とが接合され、電動圧縮機10のハウジングが形成される。

    第1ハウジング構成体12における第2フランジ部121cの後端面と、この後端面に対向する第2ハウジング構成体13の周縁部の前端面との間にはガスケットG2が介装され、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13との間が気密にシールされている。 そして、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とによって密閉容器Mが形成されるとともに、この密閉容器M内に密閉空間Sが形成されている。

    また、第2ハウジング構成体13の周縁部における後端面と、この後端面に対向する第3ハウジング構成体14におけるフランジ部14aの前端面との間にはガスケットG3が介装され、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14との間が防されている。 そして、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14との間に収容空間Tが区画形成されている。 また、ハウジングの外周面は、第1ハウジング構成体12の外周面、第2ハウジング構成体13の外周面、及び第3ハウジング構成体14の外周面によって形成されている。

    密閉容器M内には、回転軸16が第1ハウジング構成体12によって回転可能に支持されている。 すなわち、回転軸16は、第1ハウジング構成体12の前側に設けられた軸受15及び、第2ハウジング構成体13の軸受支持部13bに支持された軸受15によって回転可能に支持されている。 なお、回転軸16の中心軸Lに沿った方向が第1ハウジング構成体12(電動圧縮機10)の軸方向となっている。

    また、密閉容器M内において、第1ハウジング構成体12の内部には、第1ハウジング構成体12の後側に位置する電動モータ18と、第1ハウジング構成体12の前側に位置する圧縮部19とが固設されている。 電動モータ18は、第1ハウジング構成体12において周壁部121の内面に固定されたステータ18aと、ステータ18aの内方において回転軸16に設けられたロータ18bとからなっている。 電動モータ18は、ステータ18aに電の供給を受けることで回転軸16を回転させる。 圧縮部19は、周壁部121の内面に固定された固定スクロール19aと可動スクロール19bとを備えたスクロールタイプよりなっている。 密閉容器Mにおいて、周壁部121の第2ハウジング構成体13側には、外部冷媒回路(図示せず)からの冷媒ガスを密閉空間S内に吸入するための吸入口31が形成されている。 また、蓋部122には、圧縮部19で圧縮された冷媒ガスを外部冷媒回路(図示せず)へ排出するための吐出口32が形成されている。

    第2ハウジング構成体13と、第3ハウジング構成体14との間に区画形成された収容空間Tには、電動モータ18を駆動するためのモータ駆動回路41が収容されている。 モータ駆動回路41はインバータよりなり、図示しないエアコンECUからの指令に基づいて、電動モータ18のステータ18aに電力を供給する。 モータ駆動回路41は、平板状の基板43と、この基板43に実装された複数種類の電気部品44とからなっている。 なお、この電気部品の部材番号「44」は、後述する電気部品44a〜44eやそれ以外の図示しない電気部品を総称したものである。

    電気部品44としてはインバータを構成する周知の部品、すなわち、スイッチング素子44a、電解コンデンサ44b、トランス44c、ドライバ44d、固定抵抗44e等が挙げられる。 電気部品44のうち、スイッチング素子44aは基板43における第2ハウジング構成体13側の面に実装されるとともに、スイッチング素子44aの第2ハウジング構成体13側の端面が、第2ハウジング構成体13に直接接触し、第2ハウジング構成体13とスイッチング素子44aとが熱的に結合されている。

    第2ハウジング構成体13の端子取付部13cには、接続端子30が取付固定されている。 なお、接続端子30と端子取付部13cとの間は気密にシールされている。 この接続端子30の一端には基板43がリード線33によって電気的に接続されるとともに、接続端子30の他端にはリード線34によって電動モータ18のステータ18aが電気的に接続される。 そして、上記構成の電動圧縮機10において、ハウジング内には回転軸16の軸方向に沿って圧縮部19、電動モータ18、及びモータ駆動回路41がこの順序で配設されている。

    電動圧縮機10は、電動モータ18の駆動によって回転軸16が回転することにより圧縮部19が駆動すると、外部冷媒回路(図示しない)からの低温低圧の冷媒ガスは、周壁部121に形成された吸入口31から密閉空間S内に吸入されるとともに、密閉空間S内の電動モータ18付近を経由して圧縮部19に吸入される。 このとき、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13との間のガスケットG2により、密閉空間S内に導入された冷媒ガスの密閉容器M外への漏れが防止される。 圧縮部19に吸入された冷媒ガスは、圧縮部19の圧縮作用によって高温高圧の冷媒ガスとなって、蓋部122に形成された吐出口32より外部冷媒回路へと排出される。 なお、外部冷媒回路からの冷媒ガスが、密閉空間S内の電動モータ18付近を経由して圧縮部19に導入されるようにしたのは、この比較的低温な冷媒ガスによって、電動モータ18及びモータ駆動回路41を冷却するためである。

    次に、電動圧縮機10の組み立て方法について説明する。
    まず、図3に示すように、電動モータ18及び圧縮部19が内部に固設された第1ハウジング構成体12と、接続端子30が端子取付部13cに取り付けられた第2ハウジング構成体13と、第3ハウジング構成体14とが分解された状態において、ステータ18aに接続されたリード線34を第1ハウジング構成体12の外側へ引き出す。 すなわち、第1ハウジング構成体12における周壁部121の後側の開口からリード線34を周壁部121外へ引き出す。 そして、リード線34を接続端子30の他端に接続する。 なお、接続端子30の一端にはすでにリード線33が接続されるとともにこのリード線33が基板43に接続されている。

    次に、リード線34を第1ハウジング構成体12内に押し込みながら、第1ハウジング構成体12における第2フランジ部121cの後端面(第2ハウジング構成体13側の端面)と、第2ハウジング構成体13の周縁部の前端面(第1ハウジング構成体12側の端面)との間にガスケットG2を介装する。 さらに、第2ハウジング構成体13の周縁部における後端面(第3ハウジング構成体14側の端面)と、第3ハウジング構成体14におけるフランジ部14aの前端面(第2ハウジング構成体13側の端面)との間にガスケットG3を介装する。

    そして、図1に示すように、第3ハウジング構成体14のボルト挿通孔14b、及び第2ハウジング構成体13のボルト挿通孔13aに挿通した4本のボルトB2を、第2螺子穴121dに螺合し、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とをボルトB2で締結する。 すると、第1ハウジング構成体12と、第2ハウジング構成体13と、第3ハウジング構成体14とが一体化されるとともに電動圧縮機10のハウジングが形成される。

    上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
    (1)第2ハウジング構成体13のボルト挿通孔13a及び第3ハウジング構成体14のボルト挿通孔14bに挿通したボルトB2を、第1ハウジング構成体12の第2螺子穴121dに螺合し、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とを締結することによりハウジングが組み立てられる。 そして、このハウジングの組立ととともに、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とからなる密閉容器Mが組み立てられ、この密閉容器MはガスケットG2によって気密にシールされている。 すなわち、ボルトB2を螺合する作業を1度行うだけで密閉容器Mを気密にシールすることができる。 よって、背景技術のように、機体容器(密閉容器)を気密にシールするために複数箇所を気密にシールする必要がある場合に比して、密閉容器Mを気密にシールするための構成を簡単に製造することができる。

    (2)電動圧縮機10のハウジングを、第1ハウジング構成体12と、第2ハウジング構成体13と、第3ハウジング構成体14とに分割した。 このため、電動モータ18に接続されたリード線34と、第2ハウジング構成体13に取り付けられた接続端子30との接続は、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とを分解した状態で行うことができる。 よって、リード線34と接続端子30との接続作業を第1ハウジング構成体12の外側の広いスペースで行うことができ、電動圧縮機10の製造作業を容易にして生産性を向上させることができる。

    (3)第2ハウジング構成体13には、スイッチング素子44aの端面が直接接触しているとともに、第2ハウジング構成体13は密閉空間Sに面している。 このため、密閉空間S内に導入された比較的低温の冷媒ガスにより第2ハウジング構成体13が冷却されることにより、スイッチング素子44aも冷却することができる。

    (4)第2ハウジング構成体13には、スイッチング素子44aが直接接触しているとともに、第2ハウジング構成体13の周縁部はハウジングの外周面を形成して露出している。 このため、第2ハウジング構成体13の周縁部からも第2ハウジング構成体13が冷却されることにより、スイッチング素子44aを冷却することができる。

    (5)電動圧縮機10のハウジングは、第1ハウジング構成体12と、第2ハウジング構成体13と、第3ハウジング構成体14とをボルトB2で接合して形成され、ハウジングの製造を容易に行うことができる。

    (第2の実施形態)
    次に、本発明を、ハイブリッド自動車に搭載され、空調装置に用いられる電動圧縮機に具体化した第2の実施形態を図4〜図5にしたがって説明する。 なお、以下に説明する第2の実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成については、同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。

    図4に示すように、電動圧縮機10のハウジングにおいて、周壁部121の後側(第2ハウジング構成体13側)の周縁部には、ボルト締結部としてのボルト挿通部12eが、周壁部121の周方向に等間隔をおいた4箇所に外方へ突出するように一体形成されるとともに、各ボルト挿通部12eにはボルトB2を挿通可能になっている。 また、第2ハウジング構成体13の外寄りの周縁部には、ボルト締結部としての第1螺子孔13eが第2ハウジング構成体13の周方向に等間隔をおいた4箇所に形成されている。 この第1螺子孔13eは、第1ハウジング構成体12のボルト挿通部12eに挿通されたボルトB2が螺合可能となるように、4つのボルト挿通部12eと対向する位置に形成されている。

    また、第3ハウジング構成体14において、第2ハウジング構成体13側の周縁部には、ボルト挿通部14eが、第3ハウジング構成体14の周方向に等間隔をおいた4箇所に外方へ突出するように一体形成されるとともに、各ボルト挿通部14eには、前述のボルトB2とは別のボルトB3を挿通可能になっている。 また、第2ハウジング構成体13の外寄りの周縁部には、第2螺子孔13fが第2ハウジング構成体13の周方向に等間隔をおいて4箇所形成されている。 この第2螺子孔13fは、第3ハウジング構成体14のボルト挿通部14eに挿通されたボルトB3が螺合可能となるように、4つの第2螺子孔13fと対向する位置に形成されている。 よって、第2ハウジング構成体13の周縁部には、4つの第1螺子孔13eと4つの第2螺子孔13fの合計8つの螺子孔が等間隔おきに形成されている。

    また、収容空間T内のモータ駆動回路41において、基板43における第2ハウジング構成体13側の面にスイッチング素子44aが実装されている。 そして、スイッチング素子44aの第2ハウジング構成体13側の端面と、第2ハウジング構成体13との間には熱伝導性を有する金属材料(例えば、アルミニウム合金)製の伝熱板51が介装されるとともに、伝熱板51を介して第2ハウジング構成体13とスイッチング素子44aとが熱的に結合されている。

    そして、第2の実施形態の電動圧縮機10を組み立てるには、まず、図5に示すように、第2ハウジング構成体13の周縁部における後端面(第3ハウジング構成体14側の端面)と、第3ハウジング構成体14の前端面(第2ハウジング構成体13側の端面)との間にガスケットG3を介装する。 なお、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14の間にはモータ駆動回路41が収容されるとともに、基板43にはリード線33を介して接続端子30が電気的に接続されている。

    そして、第3ハウジング構成体14のボルト挿通部14eに挿通したボルトB3を第2ハウジング構成体13の第2螺子孔13fに螺合することにより第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とを締結する。 すると、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とが接合されるとともに、収容空間Tが区画形成される。 その結果、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とがボルトB3によって予め一体化されるとともに収容空間T内にモータ駆動回路41が収容されたモータ駆動装置50が製造される。

    次に、モータ駆動装置50に取り付けられた接続端子30の他端に、電動モータ18から延びるリード線34を接続する。 続いて、第1ハウジング構成体12のボルト挿通部12eから、モータ駆動装置50を構成する第2ハウジング構成体13の第1螺子孔13eにボルトB2を挿通し、このボルトB2を第1螺子孔13eに螺合して、モータ駆動装置50と第1ハウジング構成体12とを締結する。 このとき、モータ駆動装置50における第2ハウジング構成体13の前端面(第1ハウジング構成体12側の端面)と、第1ハウジング構成体12の後端面(第2ハウジング構成体13側の端面)との間にガスケットG2を介装する。 その結果、モータ駆動装置50と第1ハウジング構成体12とが接合されて電動圧縮機10のハウジングが組み立てられるとともに、モータ駆動装置50の第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とにより密閉容器Mが形成される。

    又は、第2の実施形態では、モータ駆動装置50を組み立てず、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とをガスケットG2を介して接合して密閉容器Mを組み立てた後、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とをガスケットG3を介して接合して電動圧縮機10のハウジングを組み立ててもよい。

    したがって、第2の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
    (6)第1ハウジング構成体12のボルト挿通部12eに挿通したボルトB2を、モータ駆動装置50における第2ハウジング構成体13の第1螺子孔13eに螺合することによりハウジングを組み立てることができる。 そして、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とからなる密閉容器Mが組み立てられ、この密閉容器MはガスケットG2によって気密にシールされている。 すなわち、ボルトB2を螺合する作業を1度行うだけで密閉容器Mを気密にシールすることができる。 よって、背景技術のように、機体容器(密閉容器)を気密にシールするために複数箇所を気密にシールする必要がある場合に比して、密閉容器Mを気密にシールするための構成を簡単に製造することができる。

    (7)電動圧縮機10のハウジングを、第1ハウジング構成体12と、モータ駆動装置50とに分割した。 このため、電動モータ18に接続されたリード線34と、モータ駆動装置50に取り付けられた接続端子30との接続は、第1ハウジング構成体12からモータ駆動装置50を分解した状態で行うことができる。 すなわち、リード線34と接続端子30との接続作業を第1ハウジング構成体12の外側の広いスペースで行うことができ、電動圧縮機10の組付け作業を容易にして生産性を向上させることができる。

    (8)第2ハウジング構成体13には、伝熱板51を介してスイッチング素子44aが熱的に結合されるとともに、第2ハウジング構成体13は密閉空間Sに面している。 このため、密閉空間S内に導入された比較的低温の冷媒ガスにより第2ハウジング構成体13が冷却されることにより、伝熱板51を介してスイッチング素子44aも冷却することができる。

    (9)第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とはボルトB2によって接合され、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とは、ボルトB2とは別のボルトB3によって接合されている。 このため、収容空間T内のモータ駆動回路41を交換等する場合には、ボルトB3を螺退し、第3ハウジング構成体14を第2ハウジング構成体13から組み外すだけで行うことができる。 すなわち、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とが接合され、密閉容器Mの気密が保たれた状態のままモータ駆動回路41の交換等の作業を行うことができる。

    (10)第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とはボルトB2によって接合されるとともに気密にシールされ、第2ハウジング構成体13と第3ハウジング構成体14とはボルトB2とは別のボルトB3によって接合されている。 このため、モータ駆動装置50を組み立てる前、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とで密閉容器Mを組み立てて密閉容器Mの気密性の試験を行うことができる。 よって、ハウジングの組み立て時に、密閉容器Mの気密性に問題があった場合は、第3ハウジング構成体14を接合する作業を中止できる。 したがって、ハウジング全体を組み立てた後に、密閉容器Mの気密性に問題があったことが判明したとき、ハウジング全体を分解するといった必要がなくなり、電動圧縮機10の生産性の低下原因を減らすことができる。

    なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
    ○ 第1の実施形態において、スイッチング素子44aは伝熱板51を介して第2ハウジング構成体13に熱的に結合されていてもよい。

    ○ 第2の実施形態において、スイッチング素子44aは第2ハウジング構成体13に直接接触することで熱的に結合されていてもよい。
    ○ 圧縮部19は、スクロールタイプに限らず、例えば、ピストンタイプやベーンタイプであってもよい。

    ○ 各実施形態において、第1ハウジング構成体12を周壁部121と蓋部122とを一体化して形成したが、第1ハウジング構成体12を予め有蓋円筒状に一体成形したものとしてもよい。

    ○ 電動圧縮機10は、ハイブリッド自動車でなく、エンジンのみで駆動する自動車に搭載してもよい。
    ○ 電動圧縮機10は、車両用の空調装置に用いられるものでなく、その他の空調装置に用いられるものであってもよい。

    第1の実施形態の電動圧縮機を示す縦断面図。

    第1の実施形態の電動圧縮機を第3ハウジング構成体側から示す図。

    第1の実施形態の電動圧縮機の組み立て方法を示す図。

    第2の実施形態の電動圧縮機を示す縦断面図。

    第2の実施形態の電動圧縮機の組み立て方法を示す図。

    符号の説明

    B2…ボルト、B3…別のボルト、M…密閉容器、T…収容空間、10…電動圧縮機、12…第1ハウジング構成体、12e…ボルト締結部としてのボルト挿通部、121d…ボルト締結部としての第2螺子穴、13…第2ハウジング構成体、13a…ボルト締結部としてのボルト挿通孔、13c…端子取付部、13e…ボルト締結部としての第1螺子孔、14…第3ハウジング構成体、16…回転軸、18…電動モータ、19…圧縮部、30…接続端子、41…モータ駆動回路、44a…電気部品としてのスイッチング素子、50…モータ駆動装置。

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