スクロール型圧縮機

申请号 JP2017013326 申请日 2017-01-27 公开(公告)号 JP2018119522A 公开(公告)日 2018-08-02
申请人 三菱重工オートモーティブサーマルシステムズ株式会社; 三菱重工業株式会社; 发明人 平田 弘文; 伊藤 隆英; 山下 拓馬;
摘要 【課題】軸線回りに回転する吐出筒の外周面をシールする際に潤滑剤を供給可能としながら吐出筒の軸線方向寸法を小さくできるスクロール型圧縮機を提供する。 【解決手段】作動 流体 を圧縮する圧縮室を有するスクロール部材と、スクロール部材を収容するハウジングと、圧縮された作動流体を前記圧縮室から吐き出すとともに前記ハウジングに対して軸線回りに回転する第2駆動側軸部72cと、第2駆動側軸部72cに対してハウジングを回転可能に支持する軸受け14と、第2駆動側軸部72cとハウジング3との間にシール部材16とを備え、軸受け14とシール部材16との間に潤滑剤17を有する。 【選択図】図2
权利要求

作動流体を圧縮する圧縮室を有する一対のスクロール部材と、 前記一対のスクロール部材を収容するハウジングと、 圧縮された前記作動流体を前記圧縮室から吐き出すとともに前記ハウジングに対して軸線回りに回転する吐出筒と、 前記吐出筒を前記ハウジングに対して回転可能に支持する軸受けと、 前記吐出筒と前記ハウジングとの間に位置するシール部材とを備え、 前記軸受けと前記シール部材との間に形成される空間には、潤滑剤が封入されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。前記軸受けは、両側面にシール板を備えた転がり軸受けとされ、前記シール板は、前記軸受けの外輪に固定されているとともに、前記軸受けの内輪に対して非接触とされていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。前記軸受けは、前記シール部材側と反対側の側面にシール板を備えた転がり軸受けとされ、前記シール部材側の側面にはシール板を備えていないことを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。前記シール部材は、オイルシールであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。駆動部によって回転駆動される駆動軸を備え、 前記一対のスクロール部材として、前記駆動軸に連結されて回転運動を行う駆動側スクロール部材と、前記駆動側スクロール部材から動が伝達されて回転運動を行う従動側スクロール部材と、を備えた両回転スクロール型圧縮機とされていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のスクロール型圧縮機。

说明书全文

本発明は、例えば両回転スクロール型圧縮機に用いられて好適なスクロール型圧縮機に関するものである。

従来から、両回転スクロール型圧縮機が知られている(特許文献1参照)。このような両回転スクロール圧縮機には、吐出筒の先端面に、圧縮された作動流体が占有する高圧側とハウジングの内部空間である低圧側とをシールするシールプレートが設けられている。

特開2015−1175号公報

特許文献1においては、吐出筒46の先端面とボス部50との間で挟まれたシールプレート48が軸線方向に押圧された状態でシールを行っている(符号は特許文献1に記載された符号である)。しかし、シールプレートを軸線方向に押圧するが十分でない場合には、シール性が低下するおそれがある。

これに対して、軸線回りに回転する吐出筒の外周面をシールする構造が考えられる。ところが、吐出筒の外周にシール部材を配置すると、吐出筒の軸線方向の寸法が大きくなり、圧力損失が大きくなるという問題が発生する。 また、圧縮する流体中にミスト状のオイルが含まれていないオイルレスの場合には、シール部材を潤滑する潤滑剤を供給する必要が生じる。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、軸線回りに回転する吐出筒の外周面をシールする際に潤滑剤を供給可能としながら吐出筒の軸線方向寸法を小さくできるスクロール型圧縮機を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明のスクロール型圧縮機は以下の手段を採用する。すなわち、本発明にかかるスクロール型圧縮機は、作動流体を圧縮する圧縮室を有する一対のスクロール部材と、前記一対のスクロール部材を収容するハウジングと、圧縮された前記作動流体を前記圧縮室から吐き出すとともに前記ハウジングに対して軸線回りに回転する吐出筒と、前記ハウジングに対して前記吐出筒を回転可能に支持する軸受けと、該軸受けよりも前記吐出筒の出口側に設けられ、前記吐出筒の外周面をシールするシール部材とを備え、前記軸受けと前記シール部材との間に形成される空間には、潤滑剤が封入されていることを特徴とする。

吐出筒を回転可能に支持する軸受けを用いてシール部材との間に空間を形成し、この空間に潤滑剤を封入することとしたので、潤滑剤を封入する空間を無駄なく構成することができる。例えば、シール部材を軸線方向に2つ並べて設置し、その間に潤滑剤を封入する構成に比べてシール部材が1つで済み、部品点数を減らすことができ、かつ吐出筒の軸線方向寸法を小さくできる。したがって、吐出筒の外周面をコンパクトにシールすることができ、作動流体の圧力損失を低減することができる。 特に、作動流体に潤滑油を含まないようにしたオイルレス圧縮機においても、シール部材と軸受けとの間に封入された潤滑剤によってシール部材の潤滑が図られ、摩耗を低減することができる。 圧縮された作動流体の需要先において、油分を含まないクリーンな作動流体が望まれる場合にオイルレス圧縮機が用いられても本発明のスクロール型圧縮機であればシール部材の摩耗を低減することができる。

さらに、本発明のスクロール型圧縮機では、前記軸受けは、両側面にシール板を備えた転がり軸受けとされ、前記シール板は、前記軸受けの外輪に固定されているとともに、前記軸受けの内輪に対して非接触とされていても良い。

軸受けとして、端面側にシール板を備えた転がり軸受けを採用する場合には、シール板と内輪とが接触しない非接触式とすることで、接触による熱の発生等によるエネルギー損失を防ぎ、スクロール型圧縮機のシステム効率の低下を防ぐことができる。

さらに、本発明のスクロール型圧縮機では、前記軸受けは、前記シール部材側と反対側の側面にシール板を備えた転がり軸受けとされ、前記シール部材側の側面にはシール板を備えていない構成としても良い。

シール部材側の軸受けの側面は、シール部材によって高圧が十分にシールされており、また潤滑剤が充填されている空間に面しているので、シール部材側のシール板を省略することができる。一方、シール部材と反対側の軸受けの側面は、ハウジング内部に面するので、シール板を設置して潤滑剤の漏出を防ぐこととする。

さらに、本発明のスクロール型圧縮機では、前記シール部材は、オイルシールであっても良い。

オイルシールと軸受けとの間に潤滑剤を配することで、オイルシールの摩耗を低減することができる。

さらに、本発明のスクロール型圧縮機では、駆動部によって回転駆動される駆動軸を備え、前記一対のスクロール部材が、前記駆動軸に連結されて回転運動を行う駆動側スクロール部材と、前記駆動側スクロール部材から動力が伝達されて回転運動を行う従動側スクロール部材とを有する両回転スクロール型圧縮機であっても良い。

静止スクロール部材のない両回転スクロール型圧縮機はシール部材の摩耗のおそれが顕著であり、シール部材と軸受けとの間に潤滑剤を配することで、摩耗を低減することができる。

軸線回りに回転する吐出筒の外周面をシールする際に潤滑剤を供給可能としながら吐出筒の軸線方向寸法を小さくできる。

本発明の一実施形態に係る両回転スクロール型圧縮機を示した縦断面図である。

図1の要部を拡大して示した縦断面図である。

変形例1を示した縦断面図である。

変形例2を示した縦断面図である。

駆動側スクロール部材を示した平面図である。

以下、本発明の一実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。 図1には、両回転スクロール型圧縮機(スクロール型圧縮機)1が示されている。両回転スクロール型圧縮機1は、例えば車両用エンジン等の内燃機関に供給する燃焼用空気(流体)を圧縮する過給機として用いることができる。

両回転スクロール型圧縮機1は、ハウジング3と、ハウジング3の一端側に収容されたモータ(駆動部)5と、ハウジング3の他端側に収容された駆動側スクロール部材70及び従動側スクロール部材90とを備えている。

ハウジング3は、略円筒形状とされており、モータ5を収容するモータ収容部(第1ハウジング)3aと、スクロール部材70,90を収容するスクロール収容部(第2ハウジング)3bとを備えている。 モータ収容部3aの外周には、モータ5を冷却するための冷却フィン3cが設けられている。スクロール収容部3bの端部には、圧縮後の空気(作動流体)を吐出するための吐出口3dが形成されている。なお、図1では示さされていないが、ハウジング3には空気(作動流体)を吸入する空気吸入口が設けられている。 ハウジング3のスクロール収容部3bは、スクロール部材70,90の軸線方向における略中央部に位置する分割面Pにて分割されている。ハウジング3には、円周方向の所定位置にて外方に突出するフランジ部(図示せず)が設けられている。このフランジ部に締結手段としてのボルト等を通して固定することによって、分割面Pが締結される。

モータ5は、図示しない電力供給源から電力が供給されることによって駆動される。モータ5の回転制御は、図示しない制御部からの指令によって行われる。モータ5のステータ5aはハウジング3の内周側に固定されている。モータ5のロータ5bは、駆動側回転軸線CL1回りに回転する。ロータ5bには、駆動側回転軸線CL1上に延在する駆動軸6が接続されている。駆動軸6は、駆動側スクロール部材70の第1駆動側軸部7cと接続されている。

駆動側スクロール部材70は、モータ5側の第1駆動側スクロール部71と、吐出口3d側の第2駆動側スクロール部72とを備えている。 第1駆動側スクロール部71は、第1駆動側端板71aと第1駆動側壁体71bを備えている。 第1駆動側端板71aは、駆動軸6に接続された第1駆動側軸部7cに接続されており、駆動側回転軸線CL1に対して直交する方向に延在している。第1駆動側軸部7cは、玉軸受とされた第1駆動側軸受11を介してハウジング3に対して回動自在に設けられている。

第1駆動側端板71aは、平面視した場合に略円板形状とされている。第1駆動側端板71a上に、渦巻状とされた第1駆動側壁体71bが設けられている。第1駆動側壁体71bは、駆動側回転軸線CL1回りに等間隔にて3条配置されている(図5参照)。

図1に示したように、第2駆動側スクロール部72は、第2駆動側端板72aと第2駆動側壁体72bを備えている。第2駆動側壁体72bは、上述した第1駆動側壁体71bと同様に、渦巻状とされている。 第2駆動側端板72aには、駆動側回転軸線CL1方向に延在する円筒形の第2駆動側軸部(吐出筒)72cが接続されている。第2駆動側軸部72cは、玉軸受けとされた第2駆動側軸受け14を介して、ハウジング3に対して回転自在に設けられている。第2駆動側端板72aには、駆動側回転軸線CL1に沿って吐出ポート72dが形成されている。

第2駆動側軸部72cとハウジング3との間で、第2駆動側軸受け14よりも圧縮後の空気の吐出し方向下流側すなわち第2駆動側軸部72cの自由端となる先端側に、シール部材16が設けられている。シール部材16と第2駆動側軸受け14とは駆動側回転軸線CL1方向に所定間隔を有して配置されており、これらの間には、空間Rが形成されている。空間Rには、例えば半固体潤滑剤であるグリースとされた潤滑剤17が封入されている。

第1駆動側スクロール部71と第2駆動側スクロール部72とは、壁体71b、72bの先端(自由端)同士が向かい合った状態で固定されている。第1駆動側スクロール部71と第2駆動側スクロール部72との固定は、半径方向外側に突出するように円周方向において複数箇所設けたフランジ部73に対して締結されたボルト(壁体固定部)31によって行われる。

従動側スクロール部材90は、第1従動側スクロール部91と第2従動側スクロール部92とを備えている。従動側スクロール部材90の軸方向(図において平方向)における略中央に、従動側端板91a,92aが位置している。両従動側端板91a,92aは、それぞれの背面(他側面)が重ね合わされて接触した状態で固定されている。この固定は、図示しないが、ボルトやピン等によって行われる。各従動側端板91a,92aの中央には貫通孔90hが形成されており、圧縮後の空気が吐出ポート72dへ流れるようになっている。 第1従動側端板91aの一側面には、それぞれ、第1従動側壁体91bが設けられており、第2従動側端板92aの一側面には、第2従動側壁体92bが設けられている。第1従動側端板91aからモータ5側に設置された第1従動側壁体91bは、第1駆動側スクロール部71の第1駆動側壁体71bと噛み合わされ、第2従動側端板92aから吐出口3d側に設置された第2従動側壁体92bは、第2駆動側スクロール部72の第2駆動側壁体72bと噛み合わされる。

第1従動側壁体91bの外周にて、後述するサポート部材33、35が固定されるようになっている。第2従動側壁体92bについても、同様の構成となっている。

従動側スクロール部材90の軸方向(図において水平方向)における両端には、第1サポート部材33と第2サポート部材35とが設けられている。第1サポート部材33は、モータ5側に配置され、第2サポート部材35は吐出口3d側に配置されている。第1サポート部材33は、第1従動側壁体91bの先端(自由端)に対して固定されており、第2サポート部材35は、第2従動側壁体92bの先端(自由端)に対して固定されている。第1サポート部材33の中心軸側には、軸部33aが設けられており、この軸部33aが第1サポート部材用軸受37を介してハウジング3に対して固定されている。第2サポート部材35の中心軸側には、軸部35aが設けられており、この軸部35aが第2サポート部材用軸受38を介してハウジング3に対して固定されている。これにより、各サポート部材33、35を介して、従動側スクロール部材90は、従動側回転軸線CL2回りに回転するようになっている。

第1サポート部材33と第1駆動側端板71aとの間には、ピンリング機構(同期駆動機構)15が設けられている。すなわち、第1駆動側端板71aに円形穴が設けられ、第1サポート部材33にピン部材15bが設けられている。ピンリング機構15によって、駆動側スクロール部材70から従動側スクロール部材90へと駆動力が伝達されるとともに、両スクロール部材70、90が同じ方向に同一速度で自転運動される。

図2に示されているように、スクロール収容部3bは、第2駆動側軸部72cを収容する第2駆動側軸部収容部3b1を有し、第2駆動側軸部72cの外周面Xと、第2駆動側軸部収容部3b1の内周面Yとの間に第2駆動側軸受け14が設けられている。

シール部材16は、オイルシールであり、図2に示されているように、第2駆動側軸部収容部3b1の内周面Yに嵌入されたストッパリング19によって軸線方向の位置が規制されている。シール部材16は、樹脂製のシールリップ部16aを備えている。シールリップ部16aは、内周側に突出して第2駆動側軸部72cの外周面Xに当接するリップ先端部16a1を備えている。シールリップ部16aの背面側(外周側)には、円環状のばね16a2が設けられている。ばね16a2の弾性力によって、リップ先端部16a1が第2駆動側軸部72cの外周面Xの全周にわたって押し付けられるようになっている。 シール部材16と第2駆動側軸受け14とが対向するそれぞれの面すなわちシール部材16の側面Z及び第2駆動側軸受け14のW1面と、第2駆動側軸部72cの外周面Xと、第2駆動側軸部収容部3b1の内周面Yとで囲まれた空間Rに、潤滑剤17が封入されている。

上記構成の両回転スクロール型圧縮機1は、以下のように動作する。 モータ5によって駆動軸6が駆動側回転軸線CL1回りに回転させられると、駆動軸6に接続された第1駆動側軸部7cも回転し、これにより駆動側スクロール部材70が駆動側回転軸線CL1回りに回転する。駆動側スクロール部材70が回転すると、駆動力がピンリング機構15を介して各サポート部材33,35から従動側スクロール部材90へと伝達され、従動側スクロール部材90が従動側回転軸線CL2回りに回転する。このとき、ピンリング機構15のピン部材15bが円形穴の内周面に対して接触しつつ移動することによって、両スクロール部材70,90が同じ方向に同一角速度で自転運動を行う。 両スクロール部材70,90が自転旋回運動を行うと、ハウジング3の吸入口から吸い込まれた空気が両スクロール部材70,90の外周側から吸入され、両スクロール部材70,90によって形成された圧縮室に取り込まれる。そして、第1駆動側壁体71bと第1従動側壁体91bとによって形成された圧縮室と、第2駆動側壁体72bと第2従動側壁体92bとによって形成された圧縮室とが別々に圧縮される。それぞれの圧縮室は中心側に移動するにしたがって容積が減少し、これに伴い空気が圧縮される。第1駆動側壁体71bと第1従動側壁体91bとによって圧縮された空気は、従動側端板91a,92aに形成された貫通孔90hを通り、第2駆動側壁体72bと第2従動側壁体92bとによって圧縮された空気と合流し、合流後の空気が吐出ポート72dを通り、ハウジング3の吐出口3dから外部へと吐出される。吐出された圧縮空気は、図示しない内燃機関へと導かれ、燃焼用空気として用いられる。

吐出ポート72dを出た後、吐出口3dから外部へ吐出される前の圧縮空気が占有する高圧空間HPと、ハウジング3の吸い込み口から吸い込まれ両スクロール部材70,90の外周側から吸入される吸入空気が占有する低圧空間LPとは、シール部材16及び潤滑剤17、第2駆動側軸受け14によって仕切られる。 シール部材16のシールリップ部16aの先端であるリップ先端部16a1は、シールリップ部16aに設けられたばね16a2によって、第2駆動側軸部72cの外周面Xに押し付けられ、リップ先端部16a1と第2駆動側軸部72cの外周面Xとの間の潤滑剤17により油膜が形成される。

本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。 第2駆動側軸部72cを回転支持する第2駆動側軸受け14を用いてシール部材16との間に空間Rを形成し、この空間Rに潤滑剤17を封入することとしたので、潤滑剤17を封入する空間を無駄なく構成することができる。例えば、シール部材を軸線方向に2つ並べて設置し、その間に潤滑剤を封入する構成に比べて、部品点数を減らすことができ、かつ第2駆動側軸部72cの軸線方向寸法を小さくできる。したがって、第2駆動側軸部72cの外周面Xをコンパクトにシールすることができ、圧縮空気の圧力損失を低減することができる。 特に、空気に潤滑油を含まないようにしたオイルレス圧縮機においても、シール部材16と第2駆動側軸受け14との間に封入された潤滑剤17によってシール部材16の潤滑が図られ、摩耗を低減することができる。 圧縮空気の需要先において、油分を含まないクリーンな圧縮空気が望まれる場合にオイルレス圧縮機が用いられても本実施形態のスクロール型圧縮機1であればシール部材の摩耗を低減することができる。

本実施形態は、以下のように変形してもよい。 [変形例1] 図3に示すように、第2駆動側軸受け14をシール形の玉軸受けとしても良い。第2駆動側軸受け14’は、両側面にそれぞれシール板14d,14eを備えている。これらシール板14d,14eによって、第2駆動側軸受け14’内の潤滑油の漏出が防止されている。シール板14d,14eは、円環状の板状とされており、鋼板にゴムを被覆したものが好適に用いられる。シール板14d,14eの外周側は、第2駆動側軸受け14’の外輪14bに固定されており、シール板14d,14eの内周側は内輪14aから離間しており非接触とされている。 このように、シール板14d,14eと内輪14aとが接触しない非接触式とすることで、接触による熱の発生等によるエネルギー損失を防ぎ、スクロール型圧縮機1のシステム効率の低下を防ぐことができる。

[変形例2] 図4のように、第2駆動側軸受け14”は、図3に示したシール部材側W1のシール板14eを省略して、シール部材16と反対側W2のシール板14dのみとしても良い。 シール部材側W1の軸受け14”の側面は、シール部材16によって高圧空間HPの高圧が十分にシールされており、また潤滑剤17が充填されている空間Rに面しているので、シール部材側W1のシール板を省略することができる。一方、シール部材16と反対側W2の軸受け14”の側面は、ハウジング3内部に面するので、シール板14dを設置して潤滑剤の漏出を防ぐようになっている。

また、本実施形態では、シール部材16としてオイルシールを用いることとしたが、これに代えて、ガスケットや、メカニカルシール、ピストンリング、Oリング等のセルフシールパッキンと置き換えてもよい。ガスケットや、メカニカルシール、ピストンリング、Oリング等のセルフシールパッキンであるシール部材16と、第2駆動側軸部72cの外周面Xとの接触部において、潤滑剤17により、摩耗を低減することができる。

また、潤滑剤17は、半固体潤滑剤であるグリースを用いることとしたが、これに代えて、流体潤滑剤であり鉱油等で代表される潤滑油であってもよい。

上述したスクロール型圧縮機1は、スクロール部材7,9によって形成された圧縮室にて圧縮された圧縮空気に潤滑油を含まず、吐出ポート72dを経て吐出口3dから圧縮空気が外部へと吐出される、「オイルレス」、「オイルフリー」と称される圧縮機であってもよい。オイルレスの場合、高圧空間HP及び低圧空間LPを含むハウジング3内に潤滑油が含まれないため、シール部材16が摩耗するおそれがあるが、シール部材16と第2駆動側軸受け14との間に潤滑剤17を有することで、シール部材16の潤滑が図られ摩耗を低減することができる。

なお、上述した実施形態および各変形例では、過給機として両回転スクロール型圧縮機を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、流体を圧縮するものであれば広く利用することができ、例えば空調機械において使用される冷媒圧縮機として用いることもできる。また、本発明のスクロール型圧縮機1を鉄道車両用のブレーキシステムとして空気の力を利用した空制装置に適用することも可能である。

1 両回転スクロール型圧縮機(スクロール型圧縮機) 3 ハウジング 3a モータ収容部 3b スクロール収容部 3b1 第2駆動側軸部収容部 3c 冷却フィン 3d 吐出口 5 モータ(駆動部) 5a ステータ 5b ロータ 6 駆動軸 7c 第1駆動側軸部 11 第1駆動側軸受 14,14’,14” 第2駆動側軸受 14a 内輪 14b 外輪 14d シール板 14e シール板 15 ピンリング機構(同期駆動機構) 15b ピン部材 16 シール部材(オイルシール) 16a シールリップ部 16a1 リップ先端部 16a2 ばね 17 潤滑剤(グリース) 31 ボルト(壁体固定部) 33 第1サポート部材 33a 軸部 35 第2サポート部材 35a 軸部 37 第1サポート部材用軸受 38 第2サポート部材用軸受 70 駆動側スクロール部材 71 第1駆動側スクロール部 71a 第1駆動側端板 71b 第1駆動側壁体 72 第2駆動側スクロール部 72a 第2駆動側端板 72b 第2駆動側壁体 72c 第2駆動側軸部(吐出筒) 72d 吐出ポート 73 フランジ部 90 従動側スクロール部材 90h 貫通孔 91 第1従動側スクロール部 91a 第1従動側端板 91b 第1従動側壁体 92 第2従動側スクロール部 92a 第2従動側端板 92b 第2従動側壁体 CL1 駆動側回転軸線 CL2 従動側回転軸線 P 分割面 X 第2駆動側軸部の外周面 Y 第2駆動側軸部収容部の内周面 Z シール部材の側面 W1 第2駆動側軸受けのシール部材側 W2 第2駆動側軸受けのシール部材と反対側 HP 高圧空間 LP 低圧空間 R 空間

QQ群二维码
意见反馈