スクロール流体機械

申请号 JP2016165700 申请日 2016-08-26 公开(公告)号 JP2018031347A 公开(公告)日 2018-03-01
申请人 三菱重工サーマルシステムズ株式会社; 发明人 佐藤 創; 木全 央幸; 濱野 真史; 伊藤 隆英;
摘要 【課題】壁体や端板の傾斜部と平坦部との接続部に生じる不具合を回避することができるスクロール 流体 機械を提供する。 【解決手段】連続的に減少する壁体傾斜部3b1と、壁体3bの最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部3b2とを備えている。壁体傾斜部3b1と壁体平坦部3b2とを接続する壁体傾斜接続部3b4の歯先には、壁体平坦部3b2から壁体傾斜部3b1へと到る傾斜を緩和して接続するR面取り形状が設けられている。 【選択図】図10
权利要求

第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、 前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、 を備えたスクロール流体機械であって、 向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、 前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および/または最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、 前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、 を備え、 前記傾斜部と前記壁体平坦部とを接続する壁体傾斜接続部の歯先、および/または、前記傾斜部と前記端板平坦部とを接続する端板傾斜接続部の歯底には、前記平坦部から前記傾斜部へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状が設けられていることを特徴とするスクロール流体機械。第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、 前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、 を備えたスクロール流体機械であって、 向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、 前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および/または最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、 前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、 を備え、 前記傾斜部と前記壁体平坦部とを接続する壁体傾斜接続部の歯先、および/または、前記傾斜部と前記端板平坦部とを接続する端板傾斜接続部の歯底には、縦断面視した場合における前記平坦部の外挿線および前記傾斜部の外挿線よりも、対向する前記歯底または前記歯先から退避する方向に位置する退避部が設けられていることを特徴とするスクロール流体機械。第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、 前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、 前記第1壁体及び前記第2壁体の歯先に形成された溝部に設けられ、対向する歯底に接触して流体をシールするチップシールと、 を備えたスクロール流体機械であって、 向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、 前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および/または最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、 前記壁体平坦部と前記傾斜部とが接続された壁体傾斜接続部と、 前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、 前記端板平坦部と前記傾斜部とが接続された端板傾斜接続部と、 を備え、 前記歯先に形成された前記溝部の溝底には、前記壁体の傾斜部に対応した溝底傾斜部、前記壁体平坦部に対応した溝底平坦部、及び、前記壁体傾斜接続部に対応した溝底傾斜接続部が形成され、 前記溝底傾斜接続部には、前記溝底平坦部から前記溝底傾斜部へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状が設けられていることを特徴とするスクロール流体機械。第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、 前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、 前記第1壁体及び前記第2壁体の歯先に形成された溝部に設けられ、対向する歯底に接触して流体をシールするチップシールと、 を備えたスクロール流体機械であって、 向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、 前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および/または最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、 前記壁体平坦部と前記傾斜部とが接続された壁体傾斜接続部と、 前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、 前記端板平坦部と前記傾斜部とが接続された端板傾斜接続部と、 を備え、 前記歯先に形成された前記溝部の溝底には、前記壁体の傾斜部に対応した溝底傾斜部、前記壁体平坦部に対応した溝底平坦部、及び、前記壁体傾斜接続部に対応した溝底傾斜接続部が形成され、 前記溝底傾斜接続部には、縦断面視した場合における前記溝底傾斜部の外挿線よりも、溝が深くなる方向に位置する深溝部が設けられていることを特徴とするスクロール流体機械。第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、 前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、 前記第1壁体及び前記第2壁体の歯先に形成された溝部に設けられ、対向する歯底に接触して流体をシールするチップシールと、 を備えたスクロール流体機械であって、 向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、 前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および/または最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、 前記壁体平坦部と前記傾斜部とが接続された壁体傾斜接続部と、 前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、 前記端板平坦部と前記傾斜部とが接続された端板傾斜接続部と、 を備え、 前記歯先に形成された前記溝部の溝底には、前記壁体の傾斜部に対応した溝底傾斜部、前記壁体平坦部に対応した溝底平坦部、及び、前記壁体傾斜接続部に対応した溝底傾斜接続部が形成され、 前記チップシールは、前記溝底傾斜接続部に対応する位置における厚さが、他の領域よりも薄くされていることを特徴とするスクロール流体機械。

说明书全文

本発明は、スクロール流体機械に関するものである。

一般に、端板上に渦巻状の壁体が設けられた固定スクロール部材と旋回スクロール部材とを噛み合わせ、公転旋回運動を行わせて流体を圧縮または膨張するスクロール流体機械が知られている。

このようなスクロール流体機械として、特許文献1に示すようないわゆる段付きスクロール圧縮機が知られている。この段付きスクロール圧縮機は、固定スクロールおよび旋回スクロールの渦巻状の壁体の歯先面および歯底面の渦巻き方向に沿う位置に各々段部が設けられ、各段部を境に壁体の外周側の高さが内周側の高さよりも高くされている。段付きスクロール圧縮機は、壁体の周方向だけでなく、高さ方向にも圧縮(三次元圧縮)されるため、段部を備えていない一般的なスクロール圧縮機(二次元圧縮)に比べ、押しのけ量を大きくし、圧縮機容量を増加することができる。

特開2015−55173号公報

しかし、段付きスクロール圧縮機は、段部における流体漏れが大きいという問題がある。また、段部の根元部分に応が集中して強度が低下するという問題がある。

これに対して、発明者等は、壁体及び端板に設けられた段部に代えて連続的な傾斜部を設けることを検討している。

壁体や端板に傾斜部を設け、この傾斜部に接続する平坦部を設けた場合、傾斜部と平坦部との間に傾斜接続部が設けられることになる。傾斜接続部では、以下のような不具合が発生するおそれがある。 すなわち、傾斜接続部では、傾斜部と平坦部をそのまま接続すると、形状が不連続に変化することになり、加工が困難になるため、歯先や歯底にバリやダレが生じやすい。歯先や歯底にバリやダレが生じると、所望形状から外れ、対向する歯底側や歯先側に凸となるので、歯先と歯底との間で過剰な接触が生じるおそれがある。

また、チップシールを壁体の歯先に形成した溝部に設置する場合には、溝部の溝底に傾斜接続部が設けられることになる。この溝底傾斜接続部にバリやダレが生じると、チップシールが引っかかり、旋回運動に応じたチップシールの移動を制限して、所望のシール性能が発揮できないおそれがある。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、壁体や端板に傾斜部と平坦部を設け、傾斜部と平坦部との接続部に生じる不具合を回避することができるスクロール流体機械を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明のスクロール流体機械は以下の手段を採用する。 すなわち、本発明にかかるスクロール流体機械は、第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材とを備えたスクロール流体機械であって、向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部とを備え、前記傾斜部と前記壁体平坦部とを接続する壁体傾斜接続部の歯先、および/または、前記傾斜部と前記端板平坦部とを接続する端板傾斜接続部の歯底には、前記平坦部から前記傾斜部へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状が設けられていることを特徴とする。

第1端板と第2端板との対向面間距離が壁体の外周側から内周側に向かって連続的に減少する傾斜部が設けられているので、外周側から吸い込まれた流体は内周側に向かうにしたがい、壁体の渦巻形状に応じた圧縮室の減少によって圧縮されるだけでなく、端板間の対向面間距離の減少によって更に圧縮されることになる。 傾斜部と壁体平坦部とを接続する壁体傾斜接続部、および/または、傾斜部と端板平坦部とを接続する端板傾斜接続部は、平坦部と傾斜部をそのまま接続しようとすると形状が不連続に変化する部分となり、加工が困難になるため、これら傾斜接続部の歯先や歯底にバリやダレが生じやすい。歯先や歯底にバリやダレが生じると、所望形状から外れ、対向する歯底側や歯先側に凸となるため、歯先と歯底との間で過剰な接触が生じるおそれがある。 そこで、壁体傾斜接続部の歯先および/または端板傾斜接続部の歯底に、平坦部から傾斜部へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状を設けることとした。これにより、傾斜接続部において滑らかに接続する加工を行うことで加工が容易となり、バリやダレの発生を抑制して、歯先と歯底との間の過剰な接触を回避することができる。 「傾斜緩和形状」としては、例えば、面取り形状が挙げられる。

また、本発明にかかるスクロール流体機械は、第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材とを備えたスクロール流体機械であって、向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部とを備え、前記傾斜部と前記壁体平坦部とを接続する壁体傾斜接続部の歯先、および/または、前記傾斜部と前記端板平坦部とを接続する端板傾斜接続部の歯底には、縦断面視した場合における前記平坦部の外挿線および前記傾斜部の外挿線よりも、対向する前記歯底または前記歯先から退避する方向に位置する退避部が設けられていることを特徴とする。

壁体傾斜接続部の歯先および/または端板傾斜接続部の歯底に、縦断面視した場合における平坦部の外挿線および傾斜部の外挿線よりも、対向する歯底または歯先から退避する方向に位置する退避部を設けることとした。すなわち、退避部を設けることで、歯先と歯底との間の隙間であるチップクリアランスを大きくするようにした。これにより、傾斜接続部において歯先と歯底とが接触するおそれを低減することができる。 「縦断面視」とは、スクロール部材の中心軸線方向に沿う断面で切断した場合の断面視を意味し、具体的には、壁体の高さ方向に沿う断面における断面視を意味する。

また、本発明にかかるスクロール流体機械は、第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、前記第1壁体及び前記第2壁体の歯先に形成された溝部に設けられ、対向する歯底に接触して流体をシールするチップシールとを備えたスクロール流体機械であって、向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、前記壁体平坦部と前記傾斜部とが接続された壁体傾斜接続部と、前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、前記端板平坦部と前記傾斜部とが接続された端板傾斜接続部とを備え、前記歯先に形成された前記溝部の溝底には、前記壁体の傾斜部に対応した溝底傾斜部、前記壁体平坦部に対応した溝底平坦部、及び、前記壁体傾斜接続部に対応した溝底傾斜接続部が形成され、前記溝底傾斜接続部には、前記溝底平坦部から前記溝底傾斜部へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状が設けられていることを特徴とする。

溝底傾斜接続部は、溝底平坦部と溝底傾斜部とをそのまま接続しようとすると、形状が不連続に変化することになり、加工が困難になるため、バリやダレが生じやすくなる。溝底にバリやダレが生じると、チップシールが引っかかり旋回運動に応じた移動が制限されてシール性能が効果的に発揮できないおそれがある。 そこで、溝底傾斜接続部に、溝底平坦部から溝底傾斜部へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状を設けることとした。これにより、溝底傾斜接続部において滑らかな形状を採用することができ、チップシールの引っかかりを抑制し、旋回運動に応じたチップシールの移動を許容することで、所望のシール性能を得ることができる。 「傾斜緩和形状」としては、例えば、面取り形状が挙げられる。

また、本発明にかかるスクロール流体機械は、第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、前記第1壁体及び前記第2壁体の歯先に形成された溝部に設けられ、対向する歯底に接触して流体をシールするチップシールとを備えたスクロール流体機械であって、向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、前記壁体平坦部と前記傾斜部とが接続された壁体傾斜接続部と、前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、前記端板平坦部と前記傾斜部とが接続された端板傾斜接続部とを備え、前記歯先に形成された前記溝部の溝底には、前記壁体の傾斜部に対応した溝底傾斜部、前記壁体平坦部に対応した溝底平坦部、及び、前記壁体傾斜接続部に対応した溝底傾斜接続部が形成され、前記溝底傾斜接続部には、縦断面視した場合における前記溝底傾斜部の外挿線よりも、溝が深くなる方向に位置する深溝部が設けられていることを特徴とする。

溝底傾斜接続部に、縦断面視した場合における溝底傾斜部の外挿線よりも、溝が深くなる方向に位置する深溝部を設けることとした。これにより、旋回運動時にチップシールが深溝部に対して出入りすることで、チップシールの移動を許容することができ、所望のシール性能を得ることができる。 「縦断面視」とは、スクロール部材の中心軸線方向に沿う断面で切断した場合の断面視を意味し、具体的には、溝の深さ方向に沿う断面における断面視を意味する。

また、本発明にかかるスクロール流体機械は、第1端板上に渦巻状の第1壁体が設けられた第1スクロール部材と、前記第1端板に向かい合うように配置された第2端板上に渦巻状の第2壁体が設けられ、該第2壁体が前記第1壁体と噛み合って相対的に公転旋回運動を行う第2スクロール部材と、前記第1壁体及び前記第2壁体の歯先に形成された溝部に設けられ、対向する歯底に接触して流体をシールするチップシールとを備えたスクロール流体機械であって、向かい合う前記第1端板と前記第2端板との対向面間距離が、前記第1壁体及び前記第2壁体の外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部と、前記第1壁体および前記第2壁体の最外周部および最内周部に設けられ、高さが変化しない壁体平坦部と、前記壁体平坦部と前記傾斜部とが接続された壁体傾斜接続部と、前記第1端板および前記第2端板に設けられ、前記壁体平坦部に対応した端板平坦部と、前記端板平坦部と前記傾斜部とが接続された端板傾斜接続部とを備え、前記歯先に形成された前記溝部の溝底には、前記壁体の傾斜部に対応した溝底傾斜部、前記壁体平坦部に対応した溝底平坦部、及び、前記壁体傾斜接続部に対応した溝底傾斜接続部が形成され、前記チップシールは、前記溝底傾斜接続部に対応する位置における厚さが、他の領域よりも薄くされていることを特徴とする。

溝底傾斜接続部に対応する位置におけるチップシールの厚さを、他の領域よりも薄くした。これにより、旋回運動時にチップシールが溝底傾斜接続部で引っかかることを抑制して、旋回運動に応じたチップシールの移動を許容することで、所望のシール性能を得ることができる。

傾斜接続部における歯先と歯底との間の過剰な接触を回避することができる。 また、溝底傾斜接続部において旋回運動に応じたチップシールの移動を許容することで、所望のシール性能を得ることができる。

本発明の第1実施形態にかかるスクロール圧縮機の固定スクロール及び旋回スクロールを示し、(a)は縦断面図、(b)は固定スクロールの壁体側から見た平面図である。

図1の旋回スクロールを示した斜視図である。

固定スクロールに設けた端板平坦部を示した平面図である。

固定スクロールに設けた壁体平坦部を示した平面図である。

渦巻き方向に伸ばして表示した壁体を示す模式図である。

図1(b)の符号Zの領域を拡大して示した部分拡大図である。

図6で示した部分のチップシール隙間を示し、(a)はチップシール隙間が相対的に小さい状態を示した側面図であり、(b)はチップシール隙間が相対的に大きい状態を示した側面図である。

壁体傾斜接続部周りを示した斜視図である。

図8に示した壁体傾斜接続部周りの位置を示した固定スクロールの平面図である。

図8に示した傾斜接続部周りを示した縦断面図である。

図10に対応し、比較例の傾斜接続部周りを示した縦断面図である。

本発明の第2実施形態に係り、傾斜接続部周りを示した縦断面図である。

本発明の第3実施形態に係り、溝底傾斜接続部周りを示した縦断面図である。

本発明の第4実施形態に係り、溝底傾斜接続部周りを示した縦断面図である。

変形例を示し、(a)は段部を有していないスクロールとの組合せを示す縦断面図であり、(b)は段付きスクロールとの組合せを示した縦断面図である。

[第1実施形態] 以下に、本発明にかかる第1実施形態について、図面を参照して説明する。 図1には、スクロール圧縮機(スクロール流体機械)1の固定スクロール(第1スクロール部材)3と旋回スクロール(第2スクロール部材)5が示されている。スクロール圧縮機1は、例えば空調機等の冷凍サイクルを行うガス冷媒(流体)を圧縮する圧縮機として用いられる。

固定スクロール3及び旋回スクロール5は、アルミ合金製や鉄製等の金属製の圧縮機構とされ、図示しないハウジング内に収容されている。固定スクロール3及び旋回スクロール5は、ハウジング内に導かれた流体を外周側から吸い込み、固定スクロール3の中央の吐出ポート3cから外部へと圧縮後の流体を吐出する。

固定スクロール3は、ハウジングに固定されており、図1(a)に示されているように、略円板形状の端板(第1端板)3aと、端板3aの一側面上に立設された渦巻状の壁体(第1壁体)3bとを備えている。旋回スクロール5は、略円板形状の端板(第2端板)5aと、端板5aの一側面上に立設された渦巻状の壁体(第2壁体)5bとを備えている。各壁体3b,5bの渦巻形状は、例えば、インボリュート曲線やアルキメデス曲線を用いて定義されている。

固定スクロール3と旋回スクロール5は、その中心を旋回半径ρだけ離し、壁体3b,5bの位相を180°ずらして噛み合わされ、両スクロールの壁体3b、5bの歯先と歯底間に常温で僅かな高さ方向のクリアランス(チップクリアランス)を有するように組み付けられている。これにより、両スクロール3,5間に、その端板3a,5aと壁体3b、5bとにより囲まれて形成される複数対の圧縮室がスクロール中心に対して対称に形成される。旋回スクロール5は、図示しないオルダムリング等の自転防止機構によって固定スクロール3の周りを公転旋回運動する。

図1(a)に示すように、向かい合う両端板3a,5a間の対向面間距離Lが、渦巻状の壁体3b,5bの外周側から内周側に向かって、連続的に減少する傾斜部が設けられている。

図2に示すように、旋回スクロール5の壁体5bには、外周側から内周側に向かって高さが連続的に減少する壁体傾斜部5b1が設けられている。この壁体傾斜部5b1の歯先が対向する固定スクロール3の歯底面には、壁体傾斜部5b1の傾斜に応じて傾斜する端板傾斜部3a1(図1(a)参照)が設けられている。これら壁体傾斜部5b1及び端板傾斜部3a1によって、連続的な傾斜部が構成されている。同様に、固定スクロール3の壁体3bにも高さが外周側から内周側に向かって連続的に傾斜する壁体傾斜部3b1が設けられ、この壁体傾斜部3b1の歯先に対向する端板傾斜部5a1が旋回スクロール5の端板5aに設けられている。

なお、本実施形態でいう傾斜部における連続的という意味は、滑らかに接続された傾斜に限定されるものではなく、加工時に不可避的に生じるような小さな段差が階段状に接続されており、傾斜部を全体としてみれば連続的に傾斜しているものも含まれる。ただし、いわゆる段付きスクロールのような大きな段差は含まれない。

壁体傾斜部3b1,5b1及び/又は端板傾斜部3a1,5a1には、コーティングが施されている。コーティングとしては、例えば、リン酸マンガン処理やニッケルリンめっき等が挙げられる。

図2に示されているように、旋回スクロール5の壁体5bの最内周側と最外周側には、それぞれ、高さが一定とされた壁体平坦部5b2,5b3が設けられている。これら壁体平坦部5b2,5b3は、旋回スクロール5の中心O2(図1(a)参照)まわりに180°の領域にわたって設けられている。壁体平坦部5b2,5b3と壁体傾斜部5b1とが接続される位置には、それぞれ、屈曲部となる壁体傾斜接続部5b4,5b5が設けられている。 旋回スクロール5の端板5aの歯底についても同様に、高さが一定とされた端板平坦部5a2,5a3が設けられている。これら端板平坦部5a2,5a3についても、旋回スクロール5の中心まわりに180°の領域にわたって設けられている。端板平坦部5a2,5a3と端板傾斜部5a1とが接続される位置には、それぞれ、屈曲部となる端板傾斜接続部5a4,5a5が設けられている。

図3及び図4にハッチングにて示すように、固定スクロール3についても、旋回スクロール5と同様に、端板平坦部3a2,3a3、壁体平坦部3b2,3b3、端板傾斜接続部3a4,3a5及び壁体傾斜接続部3b4,3b5が設けられている。

図5には、渦巻き方向に伸ばして表示した壁体3b,5bが示されている。同図に示されているように、最内周側の壁体平坦部3b2,5b2が距離D2にわたって設けられ、最外周側の壁体平坦部3b3,5b3が距離D3にわたって設けられている。距離D2及び距離D3は、それぞれ、各スクロール3,5の中心O1,O2まわりに180°とされた領域に相当する長さとなっている。最内周側の壁体平坦部3b2,5b2と最外周側の壁体平坦部3b3,5b3との間に、壁体傾斜部3b1,5b1が距離D2にわたって設けられている。最内周側の壁体平坦部3b2,5b2と最外周側の壁体平坦部3b3,5b3との高低差をhとすると、壁体傾斜部3b1,5b1の傾きφは下式とされる。 φ=tan(h/D1) ・・・(1) このように、傾斜部における傾きφは、渦巻状の壁体3b,5bが延在する周方向に対して一定とされている。

図6には、図1(b)の符号Zで示した領域の拡大図が示されている。図6に示されているように、固定スクロール3の壁体3bの歯先には、チップシール7が設けられている。チップシール7は樹脂製とされており、対向する旋回スクロール5の端板5aの歯底に接触して流体をシールする。チップシール7は、壁体3bの歯先に周方向にわたって形成されたチップシール溝3d内に収容されている。このチップシール溝3d内に圧縮流体が入り込み、チップシール7を背面から押圧して歯底側に押し出すことで対向する歯底に接触させるようになっている。なお、旋回スクロール5の壁体5bの歯先に対しても、同様にチップシールが設けられている。

図7に示すように、壁体3bの高さ方向におけるチップシール7の高さHcは、周方向に一定とされている。 両スクロール3,5が相対的に公転旋回運動を行うと、旋回直径(旋回半径ρ×2)分だけ歯先と歯底の位置が相対的にずれる。この歯先と歯底の位置ずれに起因して、傾斜部では、歯先と歯底との間のチップクリアランスが変化する。例えば、図7(a)ではチップクリアランスTが小さく、図7(b)ではチップクリアランスTが大きいことを示している。チップシール7は、このチップクリアランスTが旋回運動によって変化しても、背面から圧縮流体によって端板5aの歯底側に押圧されるので、追従してシールできるようになっている。

図8には、壁体傾斜接続部周りの斜視図が示されている。この壁体傾斜接続部は、図9に符号Z1で示すように、固定スクロール3の内周側の壁体傾斜接続部3b4を示している。 図8において、左側が壁体3bの内周側となり、右側が壁体3bの外周側となる。したがって、壁体傾斜接続部3b4の内周側(同図において左側)が壁体平坦部3b2となり、壁体傾斜接続部3b4の外周側(同図において右側)が壁体傾斜部3b1となる。

壁体3bの歯先に形成したチップシール溝3d内には、チップシール7が挿入されている。同図では、チップシール7の背面に圧縮流体が入り込んで、対向する歯底側(同図において上側)に突出した状態が示されている。

図10には、図8に示した壁体傾斜接続部3b4周りの縦断面が示されている。同図において、下側の実線が固定スクロール3の壁体3bの歯先を示し、上側の実線が旋回スクロール5の端板5aの歯底を示している。すなわち、同図には、歯先と歯底が対向した状態が示されている。また、同図において、左側がスクロール3,5の外周側となり、右側がスクロール3,5の内周側となる。

同図に示されているように、固定スクロール3の壁体平坦部3b2と壁体傾斜部3b1との間の壁体傾斜接続部3b4には、R面取りされた形状が設けられている。このR面取り形状は、壁体平坦部3b2から壁体傾斜部3b1へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状となっている。すなわち、R面取り形状とされた面は、壁体平坦部3b2の外挿線OL1及び壁体傾斜部3b1の外挿線OL2よりも壁体3bの高さ方向における上側に位置している。

旋回スクロール5の端板平坦部5a2と端板傾斜部5a1との間の端板傾斜接続部5a4には、R面取りされた形状が設けられている。このR面取り形状は、端板平坦部5a2から端板傾斜部5a1へと到る傾斜を緩和して接続する傾斜緩和形状となっている。すなわち、R面取り形状とされた面は、端板平坦部5a2の外挿線OL3及び端板傾斜部5a1の外挿線OL4よりも端板5aの厚さが小さくなる方向(端板5aを掘り込む方向)に位置している。

なお、図示しないが、他方の内周側の傾斜接続部3a4,5b4にも同様のR面取り形状が設けられている。また、外周側の傾斜接続部3b5,5a5,3a5,5b5にも同様のR面取り形状を採用しても良い。

また、チップシール溝3dの溝底10(図8参照)についても、端板傾斜接続部3b4に対応する溝底傾斜接続部に対して、壁体3bの歯先と同様のR面取り形状が設けられている。

上述したスクロール圧縮機1は、以下のように動作する。 図示しない電動モータ等の駆動源によって、旋回スクロール5が固定スクロール3回りに公転旋回運動を行う。これにより、各スクロール3,5の外周側から流体を吸い込み、各壁体3b,5b及び各端板3a,5aによって囲まれた圧縮室に流体を取り込む。圧縮室内の流体は外周側から内周側に移動するに従い順次圧縮され、最終的に固定スクロール3に形成された吐出ポート3cから圧縮流体が吐出される。流体が圧縮される際に、端板傾斜部3a1,5a1及び壁体傾斜部3b1,5b1によって形成された傾斜部では壁体3b,5bの高さ方向にも圧縮されて、三次元圧縮が行われる。

本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。 図10に示したように、傾斜接続部3b4,5a4にR面取り形状を採用することとした。これによる作用効果は以下の通りである。 比較例として、図11に、R面取り形状を採用せずにエンドミルによって切削加工した形状を示す。同図に示すように、壁体平坦部3b2と壁体傾斜部3b1とをそのまま接続するように、壁体平坦部3b2の外挿線OL1と壁体傾斜部3b1の外挿線OL2に沿って加工するようにNC(Numerically Control)工作機械に加工指示を行うと、壁体傾斜接続部3b4にダレB1が生じ、端板傾斜接続部5a4にバリB2が生じる。すなわち、壁体平坦部3b2と壁体傾斜部3b1とをそのまま接続しようとすると、壁体傾斜接続部3b4は、傾きが急激に変化する部分すなわち形状が不連続に変化する部分となる。このように形状が不連続に変化する部分はNC工作機械による自動加工が困難であるため、同図に示したように旋回スクロール5の歯底側に突出するダレB1が発生する。 同様に、端板平坦部5a2と端板傾斜部5a1との間の端板傾斜接続部5a4の加工も困難であるため、固定スクロール3の歯先側に突出するバリB2が発生する。このようなダレB1及びバリB2が発生すると、傾斜接続部3b4,5a4において歯先と歯底との間に過剰な接触が生じることになる。

そこで、本実施形態では、壁体傾斜接続部3b4,3b5,5b4,5b5の歯先および端板傾斜接続部3a4,3a5,5a4,5a5の歯底に、R面取り形状を設けることとした。これにより、傾斜接続部において滑らかに接続する加工を行うことで加工が容易となり、バリB2やダレB1の発生を抑制して、歯先と歯底との間の過剰な接触を回避することができる。

また、チップシール溝3dの溝底10についても、溝底平坦部と溝底傾斜部とをそのまま接続しようとすると、形状が不連続に変化することになり、加工が困難になるため、バリやダレが生じやすくなる。溝底10にバリやダレが生じると、チップシール7が引っかかり旋回運動に応じた移動が制限されてシール性能が効果的に発揮できないおそれがある。 そこで、本実施形態では、溝底傾斜接続部に、歯先と同様にR面取り形状を設け、傾斜緩和形状を設けることとした。これにより、溝底傾斜接続部において滑らかな形状を採用することができ、チップシール7の引っかかりを抑制し、旋回運動に応じたチップシール7の移動を許容することで、所望のシール性能を得ることができる。

なお、傾斜緩和形状として用いたR面取り形状に変えて、C面取り形状としても良い。または、不連続な傾斜を緩和するように段階的に傾斜を変えて接続する形状であってもよい。 また、傾斜緩和形状は、壁体側及び端板側のいずれか一方の傾斜接続部に用いても良い。 また、傾斜緩和形状は、圧縮室の流体圧力が高くなる内周側にのみ設け、圧縮室の流体圧力が比較的低い外周側には設けないこととしても良い。

[第2実施形態] 次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して傾斜接続部における形状が異なる。したがって、以下では、第1実施形態に対して相違する部分のみを説明し、その他の共通の構成については説明を省略する。

図12に示されているように、壁体傾斜接続部3b4には、壁体平坦部3b2の外挿線OL1および壁体傾斜部3b1の外挿線OL2よりも、対向する端板5aの歯底から退避する方向(同図において下方)に位置する退避部が設けられている。この退避部は、壁体3bの根元方向に掘り込まれており、下方に凸となる形状となっている。

端板傾斜接続部5a4は、第1実施形態と同様に、R面取り形状となっている。 また、他の壁体傾斜接続部3b5,5b4,5b5に対しても、対向する歯底から退避する方向に位置する退避部が設けられている。

このように、本実施形態によれば、壁体傾斜接続部3b4に退避部を設けることとしたので、歯先と歯底との間の隙間であるチップクリアランスを大きくすることができる。これにより、傾斜接続部において歯先と歯底とが接触するおそれを低減することができる。

なお、本実施形態では端板傾斜接続部5a4をR面取り形状としたが、端板5aの厚さ方向にさらに掘り込んで図12において上に凸となる形状とした退避部を設けても良い。この場合には、対向する壁体傾斜接続部3b4に設けた退避部を省略してもよい。 また、退避部は、圧縮室の流体圧力が高くなる内周側にのみ設け、圧縮室の流体圧力が比較的低い外周側には設けないこととしても良い。

[第3実施形態] 次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、チップシール溝3dの溝底の形状が第1実施形態と相違する。したがって、以下では、第1実施形態と相違する部分について説明し、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。なお、本実施形態は、上述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。

図13に示されているように、チップシール溝3dの溝底10には、壁体3bの傾斜部3b1に対応した溝底傾斜部10a、壁体平坦部3b2に対応した溝底平坦部10b、及び、壁体傾斜接続部3b4に対応した溝底傾斜接続部10cが形成されている。そして、溝底傾斜接続部10cには、溝底傾斜部10aの外挿線OL5よりも、溝が深くなる方向すなわち溝を掘り込む方向に位置する深溝部10dが設けられている。深溝部10dは、曲面を組み合わせた滑らかな形状とされている。 この深溝部10dは、他の壁体傾斜接続部3b5,5b4,5b5に対応する溝底傾斜接続部10cにも設けられている。

本実施形態によれば、深溝部10dを設けることにより、旋回運動時にチップシール7が深溝部10dに対して出入りすることができる。図13では、チップシール7が深溝部10dに入り込んだ形状が2点鎖線で示されている。このように、チップシール7の周方向への移動を許容することができるので、旋回運動に対して追従させることができ、チップシール7によって所望のシール性能を得ることができる。

なお、深溝部10dは、圧縮室の流体圧力が高くなる内周側にのみ設け、圧縮室の流体圧力が比較的低い外周側には設けないこととしても良い。

[第4実施形態] 次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、チップシール7の形状に特徴がある。他の構成については第1実施形態と同様の構成なので、その説明を省略する。なお、本実施形態は、上述の第1乃至第3実施形態と組み合わせることができる。

図14に示されているように、チップシール溝3dの溝底10には、壁体3bの傾斜部3b1に対応した溝底傾斜部10a、壁体平坦部3b2に対応した溝底平坦部10b、及び、壁体傾斜接続部3b4に対応した溝底傾斜接続部10cが形成されている。そして、チップシール7は、溝底傾斜接続部10cに対応する位置における厚さt1が、他の領域よりも薄くされている。 溝底傾斜接続部10cに対応した位置でチップシール7を薄くした形状は、他の壁体傾斜接続部3b5,5b4,5b5に対応する溝底傾斜接続部10cにも設けられている。

本実施形態によれば、チップシール7の溝底傾斜接続部10cに対応する位置における厚さt1を他の領域よりも薄くしたので、チップシール7が溝底傾斜接続部10c側に移動することができる(図14における2点鎖線参照)。これにより、旋回運動時にチップシール7が溝底傾斜接続部10cで引っかかることを抑制して、旋回運動に応じたチップシール7の移動を許容することで、所望のシール性能を得ることができる。

なお、チップシール7を薄くする形状は、圧縮室の流体圧力が高くなる内周側にのみ設け、圧縮室の流体圧力が比較的低い外周側には設けないこととしても良い。

なお、上記の各実施形態では、端板傾斜部3a1,5a1及び壁体傾斜部3b1,5b1を両スクロール3,5に設けることとしたが、いずれか一方に設けても良い。 具体的には、図15(a)に示すように、一方の壁体(例えば旋回スクロール5)に壁体傾斜部5b1を設け、他方の端板3aに端板傾斜部3a1を設けた場合には、他方の壁体と一方の端板5aは平坦としても良い。 また、図15(b)に示すように、従来の段付き形状と組み合わせた形状、すなわち、固定スクロール3の端板3aに端板傾斜部3a1を設ける一方で、旋回スクロール5の端板5aに段部が設けられた形状と組み合わせても良い。

上記実施形態では、スクロール圧縮機として説明したが、膨張機として用いるスクロール膨張機に対しても本発明を適用することができる。

1 スクロール圧縮機(スクロール流体機械) 3 固定スクロール(第1スクロール部材) 3a 端板(第1端板) 3a1 端板傾斜部 3a2 端板平坦部(内周側) 3a3 端板平坦部(外周側) 3a4 端板傾斜接続部(内周側) 3a5 端板傾斜接続部(外周側) 3b 壁体(第1壁体) 3b1 壁体傾斜部 3b2 壁体平坦部(内周側) 3b3 壁体平坦部(外周側) 3b4 壁体傾斜接続部(内周側) 3b5 壁体傾斜接続部(外周側) 3c 吐出ポート 3d チップシール溝 5 旋回スクロール(第2スクロール部材) 5a 端板(第2端板) 5a1 端板傾斜部 5a2 端板平坦部(内周側) 5a3 端板平坦部(外周側) 5a4 端板傾斜接続部(内周側) 5a5 端板傾斜接続部(外周側) 5b 壁体(第2壁体) 5b1 壁体傾斜部 5b2 壁体平坦部(内周側) 5b3 壁体平坦部(外周側) 5b4 壁体傾斜接続部(内周側) 5b5 壁体傾斜接続部(外周側) 7 チップシール 10 溝底 10a 溝底傾斜部 10b 溝底平坦部 10c 溝底傾斜接続部 10d 深溝部 B1 ダレ B2 バリ Hc チップシールの高さ L 対向面間距離 T チップクリアランス t1 チップシールの厚さ φ 傾き

QQ群二维码
意见反馈