圧縮機

申请号 JP2015025671 申请日 2015-02-12 公开(公告)号 JP2016148290A 公开(公告)日 2016-08-18
申请人 株式会社デンソー; 发明人 川野 茂;
摘要 【課題】ロータリ機構を採用する圧縮機において、小形化が可能な圧縮機を提供する。 【解決手段】圧縮機は、外部から吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機は、筒状のシリンダ27と、シリンダの内部に配置されるロータ26とを備える。圧縮部11は、シリンダ27の内部でロータ26を回転させ、シリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とによって冷媒を圧縮する。圧縮機は、外部から冷媒を吸入するために、ロータ26が回転してシリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とが離れる際に生じる負圧によって冷媒を吸入する吸入受け部19から吸入溝部20からなるバルブ機構を備えている。 【選択図】図2
权利要求

外部から吸入した流体を圧縮し、圧縮した流体を吐出する圧縮機(10)であって、 筒状のシリンダ(27)と、 前記シリンダの内部に配置されるロータ(26)と、 前記ロータを回転駆動する駆動部(12)と、 前記シリンダの内部で前記ロータを回転させ、前記シリンダの内周面(37)と前記ロータの外周面(36)とによって流体を圧縮する圧縮部(11)と、 前記ロータの外周面を除く部位に設けられ、前記ロータが回転して前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが離れる際に生じる負圧によって流体を吸入するバルブ機構(18)と、を含むことを特徴とする圧縮機。前記ロータは、板状であり、 前記ロータの厚み方向一方側に前記駆動部が設けられ、 前記ロータの厚み方向他方側の部位に前記バルブ機構が設けられることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。前記ロータの厚み方向一方側に前記圧縮部の吐出口(32)が形成されており、 前記吐出口には、逆止弁(28)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。前記ロータの外周面または前記シリンダの内周面は、トロコイド曲線で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の圧縮機。前記ロータの外周面は、エピトロコイド曲線で構成され、 前記シリンダの内周面は、前記ロータの外包絡線で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。前記シリンダの内周面のうち、前記ロータが回転中に前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが接触しているくびれ部(38)に設けられ、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とを密着させるシール部(39)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の圧縮機。前記シリンダは、固定されており、 前記駆動部によって回転駆動される駆動軸(15a)と、 前記ロータに設けられ、前記駆動軸の動が伝達される被駆動軸(33)と、 前記駆動軸と前記被駆動軸との間に設けられ、前記駆動軸と前記被駆動軸の軸ずれを滑りによって吸収するオルダムカップリング(29)と、をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の圧縮機。

说明书全文

本発明は、ロータリ機構を有する圧縮機に関する。

簡素な部品で構成できる流体機械としてトロコイド形状のロータまたはシリンダから構成されたロータリ式機構が知られている。その一例としてオイルポンプとしての適用が有名であり、気体圧縮機としての応用も多々見られる。

特許文献1には、トロコイド形状を使った圧縮機構が開示されている。具体的には、トロコイド曲線を一のロータの周面に具え、互いに歯合させた状態で相対的に回転させながら、回転度に伴ってその閉じ込み空間を変化させるアウタロータとインナロータとを具えたトロコイド型圧縮機が開示されている。

また特許文献2には、トロコイド形状のロータリ式機構にオルダムカップリングを有する機構がある。本構造を採用すると、シャフトにオルダムカップリング機構を付加することにより、ロータの回転と公転の作動を両立できることから、シリンダを固定している。

特開平7−247970号公報

特開平10−220238号公報

前述の特許文献1に記載の技術では、圧縮作動を実現するために、ロータの回転とともにそれと同期して作動するシリンダの回転、すなわちロータ視点から見たシリンダの公転が必要である。公転が可能とするためのスペースが必要であるので、胴径が大きくなってしまうという課題がある。

前述の特許文献2に記載の技術では、オルダムカップリングによってシリンダを固定している。しかしロータリ装置ではなくオルダムカップリングを何ら工夫なく圧縮機に用いる場合、吸入および吐出弁構造が複雑となる。したがって圧縮機の体格の小型化を達成できないという課題がある。

そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、ロータリ機構を採用する圧縮機において、小形化が可能な圧縮機を提供することを目的とする。

本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。

本発明は、シリンダ(27)の内部でロータ(26)を回転させ、シリンダの内周面(37)とロータの外周面(36)とによって流体を圧縮する圧縮部(11)と、ロータの外周面を除く部位に設けられ、ロータが回転してシリンダの内周面とロータの外周面とが離れる際に生じる負圧によって流体を吸入するバルブ機構(18)と、を含むことを特徴とする圧縮機である。

このような本発明に従えば、外部から流体を吸入するために、ロータが回転してシリンダの内周面とロータの外周面とが離れる際に生じる負圧によって流体を吸入するバルブ機構を備えている。このようなバルブ機構は、ロータに設けられる。したがってロータの回転を、流体を吸引する動として用いている。圧縮部は,シリンダの内周面とロータの外周面とで行われるので、ロータの外周面を除く部位は、圧縮に寄与しない部位である。このような部位にバルブ機構を設けるので、ロータの周囲の設置スペースを有効に用いることができる。したがって圧縮機を小型にすることができる。

なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。

第1実施形態の圧縮機10を示す断面図である。

図1のII−II切断面線における断面図である。

圧縮工程および吸気工程を説明する図である。

他の実施形態の可変空間71が2つのシリンダ27を示す断面図である。

他の実施形態の可変空間72が4つのシリンダ27を示す断面図である。

他の実施形態の可変空間73が5つのシリンダ27を示す断面図である。

(第1実施形態) 本発明の第1実施形態に関して、図1〜図3を用いて説明する。圧縮機10は、吸入した流体を圧縮して吐出する電動の圧縮機10である。本実施形態の圧縮機10は、冷媒用電動圧縮機10である。冷媒用電動圧縮機(以下、「圧縮機」ということがある)10は、蒸気圧縮型の冷凍サイクル装置を構成するひとつの部品である。冷凍サイクル装置は、圧縮機10に加えて、放熱器、減圧器および蒸発器を有する。

圧縮機10は、冷凍サイクル装置の冷媒循環経路に設けられている。圧縮機10は、低温低圧の冷媒を吸入し、圧縮し、高温高圧の冷媒を吐出する。放熱器は、圧縮機10から吐出される高温高圧の冷媒を冷却するように、圧縮機10の下流に設けられている。放熱器は、凝縮性の冷媒が用いられる場合、凝縮器とも呼ばれる。

減圧器は、放熱器によって冷却された高圧冷媒を減圧するように、放熱器の下流に設けられている。蒸発器は、減圧器によって減圧された低温低圧の冷媒を蒸発させるように、減圧器の下流に設けられている。圧縮機10は、蒸発器において蒸発した低温低圧の冷媒を吸入するように、蒸発器の下流に設けられている。冷媒は、フロン系の冷媒、二酸化炭素など、種々の冷媒を用いることができる。冷凍サイクル装置の典型的な適用例は、車両用空調装置のための冷凍サイクル装置である。

次に、圧縮機10に関して説明する。圧縮機10は、圧縮部11およびモータ部12を備える。モータ部12は、圧縮機10の駆動部であって、電動機13を備える。電動機13は、多相電動機である。モータ部12は、電動機13を収容するハウジング14を備える。ハウジング14は、筒状であって、内部に円柱状の空間を提供する。ハウジング14は、一方(図1の右方)の端部に底板14aを有する有底円筒状である。

電動機13は、回転子15および固定子16を備える。回転子15は、ハウジング14に対して回転可能に支持されている。回転子15の回転軸15aは、ハウジング14の軸方向に沿って延びている。ハウジング14の底板14aには、回転軸15aの端部が回転可能に支持されている。固定子16は、ハウジング14の内壁に固定されている。固定子16は、固定子巻線17を備える。ハウジング14内において、冷媒は、回転子15および固定子16に沿って流れる。この結果、回転子15および固定子16は、冷媒によって冷却される。

圧縮部11は、回転軸15aの底板14aとは反対側(図1の左方)の端部に設けられる。圧縮部11は、ロータリ型の圧縮機構によって実現される。圧縮部11は、モータ部12とは反対側に設けられる吸入ポート21から冷媒を吸入し、モータ部12側に設けられる吐出ポート22から圧縮された冷媒をハウジング14内に吐出する。

圧縮部11は、リアプレート23、フロントプレート24、吸入ケース25、ロータ26、シリンダ27、逆止弁28、オルダムカップリング29、カップリング用軸受30を含んで構成される。吸入ケース25は、ハウジング14の他方(図1の左方)の端部を塞いでいる。吸入ケース25は、筒状であって、一方(図1の左方)の端部に底部25aを有する有底円筒状である。底部25aには、外部から冷媒が流入する吸入口31が設けられる。吸入ケース25の外周面は、ハウジング14の内周面に当接している。そして吸入ケース25の底部25aと間隔をあけて、リアプレート23が配置されている。換言すると、吸入ケース25の図1の右方の端部に、リアプレート23が配置されている。したがって吸入口31から吸入された冷媒は、吸入ケース25とリアプレート23との間の空間に一度、貯留される。

リアプレート23には、吸入ポート21が形成されている。またリアプレート23と間隔をあけて、フロントプレート24が配置されている。そしてリアプレート23とフロントプレート24との間に、筒状のシリンダ27とシリンダ27内に配置されるロータ26とが設けられている。吸入ポート21から吸入された冷媒は、ロータ26とシリンダ27が配置されている空間に流れ込み、ロータ26とシリンダ27によって圧縮される。

フロントプレート24には、吐出ポート22が形成されている。また吐出ポート22の外側には、逆止弁28が設けられている。逆止弁28によって、冷媒の逆流を防いでいる。具体的には、逆止弁28は、リード弁状の構成であり、弁体41、ストッパ42および固定部材43を含む。弁体41は、吐出ポート22のモータ部12側(図1の右方側)に配置される。ストッパ42は、弁体41の最大開度を規制する。弁体41およびストッパ42は、ボルトなどの固定部材43によって、フロントプレート24に固定されている。

吐出ポート22とから吐出された冷媒は、モータ部12の内部を通過する。ハウジング14の底板14aには、吐出口32が設けられ、圧縮部11により高温高圧になった冷媒が吐出口32から外部に吐出される。したがって冷媒は、図1にて矢印で示すように、ハウジング14内を通過することになる。

回転軸15aの図1の左方の端部には、拡径する拡径部15bが形成されている。拡径部15bは、カップリング用軸受30によって、回転可能に支持されている。拡径部15bの左方の端部には、オルダムカップリング29が設けられている。回転軸15aは、前述のようにモータ部12によって回転駆動される駆動軸である。ロータ26には、駆動軸の動力が伝達される被駆動軸33が固定されている。そしてオルダムカップリング29は、拡径部15bと被駆動軸33との間に設けられる。オルダムカップリング29は、拡径部15bと被駆動軸33の軸ズレを滑りによって吸収する。

オルダムカップリング29には、円板状であって、厚み方向の両面部に滑り溝29aがそれぞれ形成されている。滑り溝29aは、オルダムカップリング29の中心を通り、径方向に延びる。また各滑り溝29aは、互いに直交する方向に延びる。図1に示すように、ロータ26側の滑り溝29aは、図1の紙面に垂直な方向に延びる。そして被駆動軸33には、対向する滑り溝29aに嵌合するキー部29bが形成されている。同様に、回転軸15a側の滑り溝29aは、図1の上下方向に延びる。そして拡径部15bには、対向する滑り溝29aに嵌合するキー部29bが形成されている。このような構成によって、オルダムカップリング29は、ロータ26を自転させつつ、シリンダ27に対して公転させることができる。

次に、シリンダ27とロータ26に関して、図2および図3を用いてさらに説明する。ロータ26は、前述のように回転軸15aからの回転力がオルダムカップリング29を介して伝わり、回転する。ロータ26の外周面36は、図2に示すように、トロコイド曲線で構成されている。トロコイド曲線は、動円を定円にそってすべらないように転がしたとき、その動円の内部または外部の定点が描く曲線である。トロコイド曲線で構成されとは、厳密に数式で導かれるトロコイド曲線に限るものではなく、製造上の誤差および加工限界を考慮したトロコイド曲線に近似する曲線にて構成されるものも含む。

具体的には、ロータ26の外周面36は、凸が2つ(歯が2つ)のエピトロコイド曲線(外トロコイド曲線)で構成されている。シリンダ27の内周面37は、ロータ26の外包絡線で構成されている。シリンダ27は、ハウジング14の内周面に固定されている。ロータ26の外周面36の一部は、シリンダ27の内周面37の一部に常に接触しながら、シリンダ27内を自転しながら公転する。

ロータ26の外周面36とシリンダ27の内周面37によって形成される可変空間51〜53は、ロータ26の回転とともに変化する。しかし図3に示すように、シリンダ27の内周面37のうち、ロータ26が回転中にシリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とが接触しているくびれ部38が3つある。くびれ部38は、シリンダ27の内周面37の変曲点でもある。ロータ26の外周面36とシリンダ27の内周面37によって形成される可変空間51〜53は、このくびれ部38によって、3つ分けることができる。またくびれ部38には、シリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とを密着させるシール部39をさらに含む。シール部39は、回転方向に隣接する可変空間51〜53を仕切る役割を有する。シール部39は、弾性を有する部材(図示せず)でロータ26側に押し付けられている。

図3に示すロータ26の回転方向(反時計回り)に3つの可変空間51〜53を、それぞれ第1可変空間51、第2可変空間52および第3可変空間53と称する。第1可変空間51は、ロータ26が0度のときに容積が最大となり、ロータ26が90度のときに容積が最小となる可変空間51とする。第2可変空間52は、ロータ26が120度のときに容積が最大となり、ロータ26が210度のときに容積が最小となる可変空間52とする。第3可変空間53は、ロータ26が60度のときに容積が最大となり、ロータ26が150度のときに容積が最小となる可変空間53とする。

またロータ26は、板状であり、ロータ26の厚み方向一方側(図1の右方)にモータ部12が設けられている。ロータ26の厚み方向他方側(図1の左方)の部位にバルブ機構18が設けられる。バルブ機構18は、ロータ26の外周面36を除く部位に設けられ、ロータ26が回転してシリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とが離れる際に生じる負圧によって冷媒を吸入する。ロータ26の外周面36は、ロータ26の回転軸回りの表面である。

バルブ機構18は、吸入受け部19と吸入溝部20とを有する。吸入受け部19は、ロータ26の面部の中心に凹となるように形成されている。吸入受け部19は、吸入ポート21と対向する位置に設けられる。吸入受け部19は、吸入ポート21よりも開口面積が大きい。吸入ポート21の位置は、リアプレート23に固定されているが、ロータ26は偏心する。したがって吸入受け部19は、吸入ポート21に対して変位するので、吸入ポート21からの冷媒をより多く導くために、開口面積を大きくしている。吸入溝部20は、吸入受け部19に連なり、径方向に沿って延びる溝である。吸入溝部20は、ロータ26が回転して、一端がくびれ部38に位置している場合、他端が可変空間51〜53に連通している。吸入ポート21からの冷媒は、吸入受け部19を介して、吸入溝部20を流れて、可変空間51〜53に至る。

次に、圧縮工程および吸入工程に関して説明する。ここでは、説明を容易にするため第1可変空間51と第3可変空間53とに着目して説明しているが、第2可変空間52も同様である。ロータ26が0度から30度に回転すると、第1可変空間51では容積が減少し、第3可変空間53では容積が増大する。したがって第1可変空間51では圧縮工程が進行している。また第3可変空間53では、吸入工程が進行している。第3可変空間53では容積が増大して負圧が発生しているので、冷媒が吸入受け部19および吸入溝部20を介して流入する。

さらにロータ26が回転して60度になると、第1可変空間51では容積がさらに減少し、第3可変空間53では容積がさらに増大する。したがって第1可変空間51では圧縮工程がさらに進行し、第3可変空間53では、吸入工程がさらに進行する。

さらにロータ26が回転して90度になると、第1可変空間51では容積がさらに減少して0になり、第3可変空間53では容積がさらに増大して最大となる。したがって第1可変空間51では圧縮工程が終了し、第3可変空間53では、吸入工程が終了する。第1可変空間51にて圧縮された冷媒は、圧力によって逆止弁28を開状態にして、吐出ポート22からハウジング14内に吐出される。

さらにロータ26が回転して120度になると、第1可変空間51では容積が増大し、第3可変空間53では容積が減少する。したがって第1可変空間51では90度から吸入工程が開始され、120度で吸入工程が進行している。また第3可変空間53では、90度から圧縮工程が開始され、120度で圧縮工程が進行している。第1可変空間51では容積が増大して負圧が発生しているので、冷媒が吸入受け部19および吸入溝部20を介して流入する。

さらにロータ26が回転して150度になると、第1可変空間51では容積がさらに増大して最大となり、第3可変空間53では容積がさらに減少して0となる。したがって第1可変空間51では吸入工程が終了し、また第3可変空間53では、圧縮工程が終了する。

さらにロータ26が回転して180度になると、第1可変空間51では容積が減少し、第3可変空間53では容積が増大する。したがって第1可変空間51では150度から圧縮工程が開始され、圧縮工程が進行している。また第3可変空間53では、150度から吸入工程が開始され、吸入工程が進行している。

ロータ26の180度位置は、ロータ26が0度の位置と同じ配置となるので、前述のロータ26が0度からの回転と同様の圧縮工程および吸入工程が各可変空間51〜53にて繰り返される。したがって圧縮工程と同期して、吸入工程を実施している。

以上説明したように本実施形態の圧縮機10は、外部から冷媒を吸入するために、ロータ26が回転してシリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とが離れる際に生じる負圧によって冷媒を吸入するバルブ機構18を備えている。このようなバルブ機構18は、ロータ26に設けられる。したがってロータ26の回転を、流体を吸引する動力して用いている。圧縮部11は,シリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とで行われるので、ロータ26の外周面36を除く部位は、圧縮に寄与しない部位である。このような部位にバルブ機構18を設けるので、ロータ26の周囲の設置スペースを有効に用いることができる。したがって圧縮機10を小型にすることができる。

また本実施形態では、ロータ26は、板状であり、ロータ26の厚み方向一方側にモータ部12が設けられる。そしてロータ26の厚み方向他方側の部位にバルブ機構18が設けられる。このようにロータ26の厚み方向の両側に、モータ部12とバルブ機構18を設けるので、ロータ26の両側のスペースを有効に用いることができる。

さらに本実施形態では、ロータ26の厚み方向一方側に圧縮部11の吐出口32が形成されており、吐出口32には、逆止弁28が設けられている。逆止弁28が設けられているので、冷媒の逆流を防ぐことができる。また逆止弁28によって、圧縮工程が終了した後に、冷媒を可変空間51〜53から吐出することができる。これによって圧縮効率を高めることができる。

また本実施形態では、ロータ26の外周面36は、トロコイド曲線で構成されている。これによってシリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36によって、ロータ26の回転に伴って連続して圧縮および吸入を繰り返すことができる。

さらに本実施形態では、ロータ26の外周面36は、エピトロコイド曲線で構成され、シリンダ27の内周面37は、ロータ26の外包絡線で構成されている。エピトロコイド曲線は、ハイポトロコイド曲線よりも圧縮率が高いので、高い圧縮率を有する圧縮機10を実現することができる。

また本実施形態では、くびれ部38に設けられ、シリンダ27の内周面37とロータ26の外周面36とを密着させるシール部39を有する。シール部39によって、隣接する可変空間51〜53同士が連通することを抑制することができる。これによって各可変空間51〜53における圧縮工程から吸入工程への切替えを確実に実施することができる。

さらに本実施形態では、オルダムカップリング29によって、ロータ26を自転させながら公転させている。そしてシリンダ27は、ハウジング14に固定されている。これによってシリンダ27が固定されていない構成に比べて、小型にすることができる。

また本実施形態では、吸入受け部19はロータ26の中央に設けられる。そして吸入受け部19は、吸入ポート21に対向する位置に形成されている。したがって吸入ポート21の取り回しが容易となる。これによって吸入効率が向上し、体積効率を向上することができる。

このように本実施形態では、回転軸15aにオルダムカップリング29を搭載することによってシリンダ27を固定化するとともに、ロータ26の端面にその作動に伴い開閉するロータリバルブ機構を構成している。その結果、胴径の小型化および複雑な吸入弁機構をシンプルにすることができ、超小型圧縮機10を構成することができる。

(その他の実施形態) 以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。

上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。

前述の第1実施形態では、ロータ26の形状がエピトロコイド曲線であり、ロータ26の凸が2つであり、可変空間51〜53が3つであったが、可変空間が3つの構成に限るものではない。たとえば図4〜図6に示すように、ロータ26の凸が1つで可変空間71が2つ(図4参照)、ロータ26の凸が3つで可変空間72が4つ(図5参照)、ロータ26の凸が4つで可変空間73が5つ(図6参照)など、可変空間が2つ以上であればよい。

前述の第1実施形態では、シリンダ27は固定されているが、シリンダ27を固定する構成に限るものではない。オルダムカップリング29を用いず、ロータ26の回転に伴って、シリンダ27が公転するような構成であってもよい。

前述の第1実施形態では、ロータ26を境に、モータ部12とバルブ機構18が異なる設置スペースに配置されているが、モータ部12とバルブ機構18をロータ26の同じ側に配置してもよい。またバルブ機構18は、第1実施形態の吸入受け部19および吸入溝部20の構成に限るものではない。可変空間51〜53の容積が増大するときに生じる負圧によって、冷媒が吸入される構成であればよい。したがってロータ26に吸入受け部19および吸入溝部20の両方を設けずに、リアプレート23にいずれか一方を設けてもよい。

前述の第1実施形態では、ロータ26の外周面36をトロコイド曲線で構成しているが、シリンダ27の内周面37をトロコイド曲線で構成してもよい。そしてロータ26の外周面36は、シリンダ27の内包絡線で構成してもよい。

前述の第1実施形態では、トロコイド曲線のうち、エピトロコイド曲線を採用しているが、エピトロコイド曲線に限るものではない。トロコイド曲線のうち、ハイポトロコイド曲線など他の曲線であってもよい。

前述の第1実施形態では、流体は冷媒であり、冷媒用電動圧縮機であったが、冷媒に限るものではなく、他の流体に適用してもよい。また圧縮機10は、冷凍サイクルを構成しているが、他の用途に用いてもよい。

10…圧縮機 11…圧縮部 12…モータ部(駆動部) 15a…回転軸(駆動軸) 18…バルブ機構 26…ロータ 27…シリンダ 28…逆止弁 29…オルダムカップリング 31…吸入口 32…吐出口 33…被駆動軸 36…ロータの外周面 37…シリンダの内周面 38…くびれ部 39…シール部

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