Compressor

申请号 JP2011206044 申请日 2011-09-21 公开(公告)号 JP2013068122A 公开(公告)日 2013-04-18
申请人 Toyota Industries Corp; 株式会社豊田自動織機; 发明人 YAMAGUCHI KAZUYUKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a new displacement compressor in which various problems in conventional displacement compressors have been solved.SOLUTION: The compressor includes a drive shaft 19, a housing 1 or the like, a rotor 26, and cradles 33. The rotor 26 is formed in an annular shape, having cradle windows 29 penetrating in a radial direction, and can rotate inside the rotor chamber 23 by the drive shaft 19 while being in sliding contact with the housing 1 or the like on the rear side and the front side in an axial direction of an axis O. The cradles 33 are oscillatably provided in the cradle windows 29 around pivots P. When oscillating, the cradles maintain the state of airtightness with the housing 1 or the like on the rear side and the front side in the axial direction of the axis O and both oscillation ends. The rotor chamber 23 includes an outer operation chamber 231 positioned outside the rotor 26, and an inner operation chamber 232 positioned inside the rotor 26. At least one of the outer operation chamber 231 and the inner operation chamber 232 and the cradles 33 form compression chambers 351 and 352 in which volume is varied by rotation of the rotor 26.
权利要求
  • 軸芯回りに回転可能な駆動軸と、
    該駆動軸を回転可能に支持するとともに、該軸芯と平行な環状をなすロータ室を内部に形成するハウジングと、
    環状をなして径方向にクレイドル窓が貫設され、該軸芯の軸方向前後で該ハウジングと摺接しつつ該ロータ室内で該駆動軸によって回転可能に設けられたロータと、
    該クレイドル窓内に該軸芯と平行な枢軸回りに揺動可能に設けられ、該ロータの回転に伴って該軸芯の軸方向前後及び両揺動端で該ハウジングと摺接するクレイドルとを備え、
    前記ロータ室は、前記ロータの外側に位置する外側作動室と、該ロータの内側に位置する内側作動室とからなり、
    該外側作動室及び該内側作動室の少なくとも一方と前記クレイドルとにより、該ロータの回転によって気密を維持しつつ容積変化を生じる圧縮室が構成され、
    前記ハウジングには、該圧縮室と連通する吸入口及び吐出口が形成されていることを特徴とする圧縮機。
  • 前記ロータ室は、前記軸芯と平行な環状のロータ室内向面と、該ロータ室内向面に囲まれ、かつ該軸芯と平行な環状のロータ室外向面と、該軸芯と直交するロータ室前端面と、該軸芯と直交するロータ室後端面とによって区画され、
    前記ロータは、該ロータ室内向面と内接しつつ該ロータ室前端面から該ロータ室後端面まで延びるロータ外周面と、該ロータ室外向面と内接しつつ該ロータ室前端面から該ロータ室後端面まで延びるロータ内周面とを有し、
    前記クレイドルは、該ロータ室前端面から該ロータ室後端面までに亘って該ロータ室内向面と内接する外側当接面と、該ロータ室前端面から該ロータ室後端面までに亘って該ロータ室外向面と外接する内側当接面と、該外側当接面と該内側当接面とを接続し、前記クレイドル窓の周方向の一端を封止する第1封止面と、該外側当接面と該内側当接面とを接続し、前記クレイドル窓の周方向の他端を封止する第2封止面とを有している請求項1記載の圧縮機。
  • 前記第1封止面及び前記第2封止面の一方と前記枢軸との距離は、該第1封止面及び該第2封止面の他方と該枢軸との距離より長く設定されている請求項2記載の圧縮機。
  • 前記第1封止面又は前記第2封止面であって前記枢軸から遠い方は、該枢軸を中心とした円筒面で形成されている請求項3項記載の圧縮機。
  • 前記第1封止面又は前記第2封止面であって前記枢軸に近い方は、該枢軸を中心とした円筒面で形成されている請求項3又は4項記載の圧縮機。
  • 前記ハウジングは、前記ロータ室内向面を形成するアウターブロックと、該アウターブロック内に設けられ、前記ロータ室外向面を形成するインナーブロックと、該アウターブロック及び該インナーブロックに固定され、前記ロータ室前端面を形成するフロントサイドプレートと、該アウターブロック及び該インナーブロックに固定され、前記ロータ室後端面を形成するリヤサイドプレートとを備えている請求項1乃至5のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記ハウジングは、前記アウターブロック、前記インナーブロック、前記フロントサイドプレート及び前記リヤサイドプレートを収容するシェルと、該シェルと固定され、前記駆動軸を回転可能に支持するフロントハウジングとを備えている請求項6記載の圧縮機。
  • 前記ロータと前記駆動軸とは前記軸芯と直交するハブによって連結され、該ハブは前記ロータ室前端面又は前記ロータ室後端面の一部を形成している請求項1乃至7のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記クレイドルは、前記クレイドル窓内に揺動可能に設けられたクレイドル本体と、該クレイドル本体に設けられ、前記外側当接面が形成された外側シールピンと、該クレイドル本体に設けられ、前記内側当接面が形成された内側シールピンとを有している請求項1乃至8のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記外側シールピンは前記クレイドル本体に前記軸芯及び前記枢軸と平行な外側回動軸回りに回動可能に設けられている請求項9記載の圧縮機。
  • 前記内側シールピンは前記クレイドル本体に前記軸芯及び前記枢軸と平行な内側回動軸回りに回動可能に設けられている請求項9又は10項記載の圧縮機。
  • 前記外側当接面は前記ロータ室内向面を区画する材料とは異なる材料によって形成されている請求項1乃至11のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記内側当接面は前記ロータ室外向面を区画する材料とは異なる材料によって形成されている請求項1乃至12のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記外側シールピン及び前記内側シールピンの少なくとも一方には、前記ロータの回転方向における前後の差圧によって押され、前記ロータ室内向面又は前記ロータ室外向面に当接するリップが形成されている請求項9乃至11のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記クレイドルは中空である請求項1乃至14のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記クレイドルは、前記外側シールピンと前記内側シールピンとが互いに離れる方向に付勢されている請求項9乃至11のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 前記クレイドル窓及び前記クレイドルは2個以上である請求項1乃至16のいずれか1項記載の圧縮機。
  • 说明书全文

    本発明は圧縮機に関する。

    従来、駆動軸の回転によって圧縮室が容積変化を生じる容積形圧縮機としては、斜板の傾斜に応じたストロークでピストンが往復運動を行う斜板式圧縮機(例えば、特許文献1)、ベーンがロータに出没しながらハウジングの内周面を摺接するベーン型圧縮機(例えば、特許文献2)、固定スクロールに対して可動スクロールが公転のみを行うスクロール型圧縮機(例えば、特許文献3)等が公知である。

    これらの容積形圧縮機では、圧縮室は、容積が拡大する際に吸入口から流体の吸入を行い、容積が縮小する際に吐出口から流体の吐出を行う。 このため、これらの容積形圧縮機は、例えば車両の空調装置等に用いられ得る。

    また、特許文献4、5には、外周側の圧縮室と内周側の圧縮室とが形成されるベーン型圧縮機が開示されている。 このベーン型圧縮機では、ロータ内に内周側の圧縮室を形成可能であることから、全体の容積当たりの排気量を大きくすることが可能である。

    特開2011−122572号公報

    特開2010−163976号公報

    特開2011−64189号公報

    特開昭59−41602号公報

    特開平1−155091号公報

    しかし、従来の容積形圧縮機には種々の問題がある。 例えば、斜板式圧縮機では、駆動軸の回転運動をピストンの往復運動に変換するため、振動を生じ易く、部品点数が多いという問題がある。 この点、ベーン型圧縮機やスクロール型圧縮機は、ロータや可動スクロールの回転動作によって圧縮室が容積変化を生じることから、これらの問題点を生じ難い。

    しかしながら、一般的なベーン型圧縮機においては、ロータの占有率が大きく、全体の容積当たりの排気量が比較的小さいという問題がある。 特許文献4、5に開示されたベーン型圧縮機については、上記問題は解消されるものの、ベーンの両端に摩擦が作用するため、負荷が大きく、破壊や変形に至る可能性がある。

    一方、スクロール型圧縮機においては、固定スクロール等の渦巻状の溝の加工が困難である。 また、固定スクロール等が複雑な形状であることから強度を確保し難く、軸方向の長さを長くして排気量を大きくする場合には、固定スクロール等の肉厚を渦巻き方向全体で厚くせざるを得ず、大型化及び大重量化を生じてしまう。

    本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、従来の容積形圧縮機の種々の問題を解決した新規な容積形圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。

    本発明の圧縮機は、軸芯回りに回転可能な駆動軸と、
    該駆動軸を回転可能に支持するとともに、該軸芯と平行な環状をなすロータ室を内部に形成するハウジングと、
    環状をなして径方向にクレイドル窓が貫設され、該軸芯の軸方向前後で該ハウジングと摺接しつつ該ロータ室内で該駆動軸によって回転可能に設けられたロータと、
    該クレイドル窓内に該軸芯と平行な枢軸回りに揺動可能に設けられ、該ロータの回転に伴って該軸芯の軸方向前後及び両揺動端で該ハウジングと摺接するクレイドルとを備え、
    前記ロータ室は、前記ロータの外側に位置する外側作動室と、該ロータの内側に位置する内側作動室とからなり、
    該外側作動室及び該内側作動室の少なくとも一方と前記クレイドルとにより、該ロータの回転によって気密を維持しつつ容積変化を生じる圧縮室が構成され、
    前記ハウジングには、該圧縮室と連通する吸入口及び吐出口が形成されていることを特徴とする(請求項1)。

    本発明の圧縮機では、ハウジングに支持された駆動軸が軸芯回りに回転することにより、ロータがロータ室内で駆動軸によって回転する。 これにより、クレイドルは、ロータと同期回転しつつ、ロータのクレイドル窓内で軸芯と平行な枢軸回りに揺動する。 そして、ロータ室が外側作動室と内側作動室とからなり、外側作動室及び内側作動室の少なくとも一方とクレイドルとにより圧縮室が構成される。 クレイドルはロータの回転に伴って軸芯の軸方向前後及び両揺動端でハウジングと摺接するため、圧縮室はロータの回転によって気密を維持しつつ容積変化を生じる。 このため、圧縮室は、容積が拡大する際に吸入口から流体の吸入を行い、容積が縮小する際に吐出口から流体の吐出を行う。 このため、この圧縮機は、例えば車両の空調装置等に用いられ得る。

    また、この圧縮機は、ロータの回転動作によって圧縮室が容積変化を生じることから、振動を生じ難く、さほど多くの部品点数を要しない。 さらに、この圧縮機では、ロータが環状であり、ロータの内周側に内側作動室が形成されるため、一般的なベーン型圧縮機と比べて排気量が大きい。 また、クレイドルは、その形状からベーンに比べて摩擦による負荷に強く、破壊され難い。

    さらに、この圧縮機では、スクロール型圧縮機のような渦巻状の溝の加工が不要である。 また、この圧縮機では、さほど複雑な形状の部品を要しないため、軸方向の長さを長くして排気量を大きくする場合であっても、ハウジング、ロータ及びクレイドルの肉厚を管理するだけでそれを行うことが可能であり、小型化及び小重量化を実現し易い、

    したがって、本発明の圧縮機は、新規な容積形圧縮機として、従来の容積形圧縮機の種々の問題を解決することができる。

    具体的には、ロータ室は、軸芯と平行な環状のロータ室内向面と、該ロータ室内向面に囲まれ、かつ軸芯と平行な環状のロータ室外向面と、軸芯と直交するロータ室前端面と、軸芯と直交するロータ室後端面とによって区画され得る。 また、ロータは、ロータ室内向面と内接しつつロータ室前端面からロータ室後端面まで延びるロータ外周面と、ロータ室外向面と内接しつつロータ室前端面からロータ室後端面まで延びるロータ内周面とを有し得る。 そして、クレイドルは、ロータ室前端面からロータ室後端面までに亘ってロータ室内向面と内接する外側当接面と、ロータ室前端面からロータ室後端面までに亘ってロータ室外向面と外接する内側当接面と、外側当接面と内側当接面とを接続し、クレイドル窓の周方向の一端を封止する第1封止面と、外側当接面と内側当接面とを接続し、クレイドル窓の周方向の他端を封止する第2封止面とを有し得る(請求項2)。 クレイドルは、ロータの回転に基づく遠心力によって外側当接面をロータ室内向面に押し付けることから、外側当接面とロータ室内向面とは好適に封止される。

    第1封止面及び第2封止面の一方と枢軸との距離は、第1封止面及び第2封止面の他方と枢軸との距離より長く設定されていることが好ましい(請求項3)。 この場合、クレイドルの揺動幅が大きくなるので、圧縮室を広く形成できる。 第1封止面と枢軸との距離が第2封止面と枢軸との距離より長い場合を仮定し、ロータが第1封止面を前方にして回転すれば、圧縮反力の殆どは第2封止面経由でロータで支えられることとなり、クレイドルの挙動が安定する。 他方、同一の仮定において、ロータが第2封止面を前方にして回転すれば、摩擦力によるモーメントがその摩擦力自身を低減する方向にクレイドルに働くので、クレイドルがロックするリスクが小さい。

    第1封止面又は第2封止面であって枢軸から遠い方は、枢軸を中心とした円筒面で形成されていることが好ましい(請求項4)。 この場合、第1封止面と枢軸との距離が第2封止面と枢軸との距離より長い場合を仮定し、ロータが第1封止面を前方にして回転すれば、圧縮反力の全てが枢軸及びロータに作用する。 また、同一の仮定において、揺動時における円筒面と第1封止面との隙間が変化せず、気密性が増す。

    第1封止面又は第2封止面であって枢軸に近い方は、枢軸を中心とした円筒面で形成されていることが好ましい(請求項5)。 この場合、第1封止面と枢軸との距離が第2封止面と枢軸との距離より長い場合を仮定すれば、揺動時における円筒面と第2封止面との隙間が変化せず、気密性が増す。

    さらに具体的には、ハウジングは、ロータ室内向面を形成するアウターブロックと、アウターブロック内に設けられ、ロータ室外向面を形成するインナーブロックと、アウターブロック及びインナーブロックに固定され、ロータ室前端面を形成するフロントサイドプレートと、アウターブロック及びインナーブロックに固定され、ロータ室後端面を形成するリヤサイドプレートとを備え得る(請求項6)。

    また、ハウジングは、アウターブロック、インナーブロック、フロントサイドプレート及びリヤサイドプレートを収容するシェルと、シェルと固定され、駆動軸を回転可能に支持するフロントハウジングとを備え得る(請求項4)。 この場合、吸入口に連通する吸入室と吐出口に連通する吐出室とをシェルやフロントハウジング内に形成することが可能である。

    環状のロータは駆動軸によって回転可能に設けられている。 このため、駆動軸とロータとの間には、駆動軸の回転をロータに伝達する歯車機構等の回転力伝達機構を設けてもよい。

    ロータと駆動軸とは軸芯と直交するハブによって連結されていることができる。 そして、ハブはロータ室前端面又はロータ室後端面の一部を形成し得る(請求項8)。 この場合、ハブが回転力伝達機構になるため、構造がシンプルになる。

    クレイドルは全体が一体品でもよい。 また、クレイドルは、クレイドル窓内に揺動可能に設けられたクレイドル本体と、クレイドル本体に設けられ、外側当接面が形成された外側シールピンと、クレイドル本体に設けられ、内側当接面が形成された内側シールピンとを有し得る(請求項9)。 クレイドルがクレイドル本体、外側シールピン及び内側シールピンを有すれば、外側シールピン及び内側シールピンをクレイドル本体と別体に形成できることから、径の異なる外側シールピン及び内側シールピンを複種類用意することにより、クレイドルやハウジングの製造時の寸法のばらつきに対応できる。 これにより、圧縮室の気密性が高まり、圧縮効率が向上する。 外側シールピン及び内側シールピンが同一形状であれば、よりこの傾向が顕著になる。

    外側シールピンはクレイドル本体に軸芯及び枢軸と平行な外側回動軸回りに回動可能に設けられていることが好ましい(請求項10)。 この場合、外側シールピンの外側当接面がロータ室内向面を好適に転動することから、圧縮室の気密性が高まり、圧縮効率が向上する。 また、外側シールピンの摩耗が低減される。

    また、内側シールピンはクレイドル本体に軸芯及び枢軸と平行な内側回動軸回りに回動可能に設けられていることが好ましい(請求項11)。 この場合、内側シールピンの内側当接面がロータ室外向面を好適に転動することから、圧縮室の気密性が高まり、圧縮効率が向上する。 また、内側シールピンの摩耗が低減される。

    外側当接面はロータ室内向面を区画する材料とは異なる材料によって形成されていることが好ましい(請求項12)。 この場合、外側当接面とロータ室内向面との焼き付きを防止し、高い耐久性を発揮することができる。 外側シールピン自体をハウジング自体と異なる材料によって形成してもよく、外側シールピンにおける外側当接面の材料をハウジング自体と異なる材料によって形成してもよい。 また、ハウジングにおけるロータ室内向面の材料を外側シールピン自体と異なる材料によって形成してもよく、外側シールピンにおける外側当接面の材料をハウジングにおけるロータ室内向面と異なる材料によって形成してもよい。

    内側当接面はロータ室外向面を区画する材料とは異なる材料によって形成されていることが好ましい(請求項13)。 この場合、内側当接面とロータ室外向面との焼き付きを防止し、高い耐久性を発揮することができる。 内側シールピン自体をハウジング自体と異なる材料によって形成してもよく、内側シールピンにおける内側当接面の材料をハウジング自体と異なる材料によって形成してもよい。 また、ハウジングにおけるロータ室外向面の材料を内側シールピン自体と異なる材料によって形成してもよく、内側シールピンにおける内側当接面の材料をハウジングのロータ室外向面と異なる材料によって形成してもよい。

    外側シールピン及び内側シールピンの少なくとも一方には、ロータの回転方向における前後の差圧によって押され、ロータ室内向面又はロータ室外向面に当接するリップが形成されていることが好ましい(請求項14)。 例えば、外側シールピンにリップが形成されれば、リップがロータ室内向面に当接する。 内側シールピンにリップが形成されれば、リップがロータ室外向面に当接する。 この場合、リップによって圧縮室の気密性が高まり、圧縮効率が向上する。

    クレイドルは中空であることが好ましい(請求項15)。 これによりクレイドルが軽量となり、クレイドルが好適に揺動し易いため、動力損失を低減することができる。

    クレイドルは、外側シールピンと内側シールピンとが互いに離れる方向に付勢されていることも可能である(請求項16)。 この場合、外側シールピンの外側当接面がロータ室内向面と好適に内接し、内側シールピンの内側当接面がロータ室外向面と好適に外接するため、圧縮室の気密性が高まり、圧縮効率が向上する。

    クレイドル窓及びクレイドルは複数個であることが好ましい(請求項17)。 これらが複数個の場合、外側作動室及び内側作動室の少なくとも一方と各クレイドルとにより、複数個の圧縮室が構成される。 また、ハウジングには、各圧縮室と連通する吸入口及び吐出口が形成される。 このため、動力損失を小さくすることができるとともに、脈動を低減することができる。

    本発明の圧縮機は、従来の容積形圧縮機の種々の問題を解決することができる。

    実施例1の圧縮機に係り、軸方向の断面図である。 図3のI−I矢視断面図に相当する。

    実施例1の圧縮機に係り、軸方向の断面図である。 図3のII−II矢視断面図に相当する。

    実施例1の圧縮機に係り、軸直角方向の断面図である。

    実施例1の圧縮機に係り、軸直角方向の断面図である。

    実施例1の圧縮機に係り、軸直角方向の断面図である。

    実施例1の圧縮機に係り、軸直角方向の断面図である。

    実施例1の圧縮機に係り、各圧縮室を示す説明図である。

    実施例1の圧縮機に係り、ロータ及び3個のクレイドルの断面図である。

    実施例1の圧縮機に係り、クレイドルの平面図である。

    実施例2の圧縮機に係り、クレイドルの断面図である。

    実施例3の圧縮機に係り、クレイドルの断面図である。

    以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。

    (実施例1)
    実施例1の圧縮機では、図1及び図2に示すように、フロントハウジング1とシェル3とがこれらの間にOリング2aを介して接合されている。 フロントハウジング1及びシェル3の内部にはアウターブロック5、インナーブロック7、フロントサイドプレート9及びリヤサイドプレート11が固定されている。 これらフロントハウジング1、シェル3、アウターブロック5、インナーブロック7、フロントサイドプレート9及びリヤサイドプレート11がハウジングを構成している。 なお、図1及び図2において、図の左側を前方とし、図の右側を後方とする。

    フロントハウジング1には軸芯O方向に延びる軸孔1aが貫設され、フロントサイドプレート9には軸孔1aと同軸の軸孔9aが貫設されている。 また、リヤサイドプレート11には軸孔1a、9aと同軸の軸受け凹部11aが凹設されている。 軸孔1aには軸封装置13が設けられ、軸孔9aには軸受装置15が設けられ、軸受け凹部11aには軸受装置17が設けられている。 軸封装置13及び軸受装置15、17によって駆動軸19が軸芯O回りに回転可能に設けられている。

    フロントサイドプレート9はフロントハウジング1内にOリング2bを介して固定されている。 リヤサイドプレート11はシェル3内にOリング2cを介して固定されている。 アウターブロック5は、シェル3内でフロントサイドプレート9とリヤサイドプレート11とに挟持されている。 アウターブロック5及びインナーブロック7は、図3〜6に示すように、それぞれ環状に形成されている。 アウターブロック5内にインナーブロック7が設けられている。 図1及び図2に示すように、インナーブロック7は複数本のボルト21によりリヤサイドプレート11に固定されている。 フロントサイドプレート9の中心領域にはロータ駆動用凹部9cが凹設されており、ロータ駆動用凹部9cには後述する連結部材27のハブ27bが収納されている。 このため、アウターブロック5、インナーブロック7及びリヤサイドプレート11とハブ27bとにより、軸芯Oと平行な環状をなすロータ室23が形成されている。

    このロータ室23は、軸芯Oと平行なロータ室内向面23aと、軸芯Oと平行なロータ室外向面23bと、軸芯Oと直交するロータ室前端面23cと、軸芯Oと直交するロータ室後端面23dとによって区画されている。 ロータ室内向面23aはアウターブロック5の内周面によって形成されている。 このロータ室内向面23aは、軸芯O、後述するクレイドル33の枢軸P等に基づき、ロータ26を回転させるシミュレートを行った際の外側当接面33bの軌跡によって設計されている。 ロータ室外向面23bはインナーブロック7の外周面によって形成されている。 このロータ室外向面23bは、軸芯O、クレイドル33の枢軸P等に基づき、ロータ26を回転させた際の内側当接面33cの軌跡によって設計されている。 ロータ室前端面23cは、フロントサイドプレート9の外周領域の後面と、ハブ27bの後面とによって形成されている。 ロータ室後端面23dはリヤサイドプレート11の前面によって形成されている。

    インナーブロック7には軸芯O方向に延びる軸孔7aが軸孔1a、9a及び軸受け凹部11aと同軸に形成されている。 軸孔7a内には駆動軸19が挿通されている。 駆動軸19には、連結部材27のリング27aがキー25によって固定されている。 連結部材27は、軸芯Oと平行な円筒状に形成されたリング27aと、リング27aの前端でリング27aから軸芯Oと直交する径外方向に延びる板環状のハブ27bとからなる。 リング27aとインナーブロック7の軸孔7aとの間にはプレーン軸受31が設けられている。

    ロータ26は、連結部材27のリング27aの外側に位置しており、リング27aと同心をなし、軸芯Oと平行な円筒状に形成されている。 ロータ26の前端面には連結部材27のハブ27bが複数本のボルト26aによって固定されている。 ハブ27bの後面は、アウターブロック5の前面及びインナーブロック7の前面と面一をなすロータ室前端面23cとされている。 また、ロータ26の後端面にはロータ26と同心及び同径をなす環状のスライダ60が複数本のボルト26bによって固定されている。 スライダ60はプレーン軸受31と同様の材質で形成されている。

    ロータ26はロータ室23内に位置している。 ロータ26は、図3〜6に示すように、ロータ室内向面23aと内接しつつロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで延びるロータ外周面28aと、ロータ室外向面23bと内接しつつロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで延びるロータ内周面28bとを有している。 このため、ロータ室23は、ロータ26の外側に位置する外側作動室231と、ロータ26の内側に位置する内側作動室232とからなる。

    また、図1及び図2に示すように、フロントサイドプレート9のロータ駆動用凹部9cには、ハブ27bの前面を受けるスラスト軸受32が設けられている。 また、リヤサイドプレート11の前面にはロータ26に沿って案内溝11bが凹設されている。 案内溝11bにはスライダ60が摺動可能に収納されている。

    ロータ26には、図8に示すように、3個のクレイドル窓29が径方向に貫設されている。 各クレイドル窓29は、図1及び図2に示すように、ロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで軸芯Oと平行に延びている。 図8に示すように、各クレイドル窓29の周方向の一端29aは、後述する枢軸Pを中心とした円筒面に形成されている。 また、各クレイドル窓29の周方向の他端29bも、枢軸Pを中心とした円筒面に形成されている。

    各クレイドル窓29内にはクレイドル33が設けられている。 各クレイドル33は、図9に示すように、略三角柱形状をし、ロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで延びる一体品である。 各クレイドル33の軸方向の両端にはピン33g、33hが突設されている。 ピン33g、33hの中心軸が軸芯Oと平行な枢軸Pである。 図1及び図2に示すように、前方側のピン33gはハブ27bに軸支され、後方側のピン33hはスライダ60に軸支されている。 このため、各クレイドル33は、各クレイドル窓29内で枢軸P回りに揺動可能になっている。 各クレイドル33は、図9に示すように、ロータ室前端面23c側から凹設されているとともに、ロータ室後端面23d側から凹設されている中空部33fを有している。

    各クレイドル33は、ピン33g、33hから離れた部分の外側で円筒状に形成された外側当接面33bと、ピン33g、33hから離れた部分の内側で円筒状に形成された内側当接面33cとを有している。 外側当接面33bは、図3〜6に示すように、ロータ室内向面23aと内接するようになっている。 内側当接面33cはロータ室外向面23bと外接するようになっている。 外側当接面33bと内側当接面33cとは、図9に示すように、第1封止面33dによって接続されている。 第1封止面33dは、クレイドル窓29の一端29aと整合する円筒面に形成されている。 また、外側当接面33bと内側当接面33cとは、第2封止面33eによって接続されている。 第2封止面33eのうち、ピン33g、33h回りの部分は、クレイドル窓29の他端29bと整合する円筒面に形成されている。 外側当接面33b、内側当接面33c、第1封止面33d及び第2封止面33eは、図1及び図2に示すように、ロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで延びている。 こうして、各クレイドル33は、ロータ26とともにロータ室23を複数の作動室へと気密を維持しながら区画するようになっている。 特に、図3〜6及び図7に示すように、外側作動室231とクレイドル33とにより3個の圧縮室351が構成され、内側作動室232とクレイドル33とにより3個の圧縮室352が構成されている。 圧縮室351、352はロータ26の回転によって容積変化を生じる。

    図3〜6に示すように、アウターブロック5には軸芯O方向に延びる二つの吸入口5aが形成されている。 また、アウターブロックの外周面には2か所の凹部が形成され、各凹部はシェル3との間で吐出口5bを構成している。 各吸入口5aは容積を拡大しつつある圧縮室351と連通する。 また、各吐出口5bは容積を縮小しつつある圧縮室351と連通する。 また、インナーブロック7には軸芯O方向に延びる二つの吸入口7bと二つの吐出室7cとが形成されている。 各吸入口7bは容積を拡大しつつある圧縮室352と連通する。 また、各吐出口7cは容積を縮小しつつある圧縮室352と連通する。

    図1及び図2に示すように、フロントハウジング1とフロントサイドプレート9との間には吸入室37が形成されている。 フロントサイドプレート9には吸入室37と連通する吸入通路9b、9dが貫設されている。 吸入通路9bは吸入室37と両吸入室5aとを連通させている。 ハブ27bには吸入通路9dと両吸入口7bとを連通させる吸入通路27cが貫設されている。 吸入室37はフロントハウジング1に形成された吸入通路1bによって外部に開いている。

    また、シェル3とリヤサイドプレート11との間には吐出室39が形成されている。 リヤサイドプレート11には、両吐出口5b及び両吐出室7cを吐出室39に連通させる吐出通路11c、11dが貫設されている。 吐出室39はシェル3に形成された吐出通路3bによって外部に開いている。

    以上のように構成された圧縮機が車両の空調装置に用いられる場合、この圧縮機は凝縮器、膨張弁、蒸発器とともに冷凍回路を構成する。 そして、吸入通路1bが蒸発器に接続され、吐出通路3bが凝縮器に接続される。 また、駆動軸19が車両のエンジン又はモータによって駆動される。

    駆動軸19が軸芯O回りに回転すれば、ロータ26がロータ室23内で駆動軸19によって回転する。 これにより、各クレイドル33は、ロータ26と同期回転しつつ、クレイドル窓29内で枢軸P回りに揺動する。 駆動軸19の回転により、ロータ26及び各クレイドル33は図3〜6に示す挙動を示す。 そして、この圧縮機では、クレイドル窓29及びクレイドル33が複数個であるため、外側作動室231に複数の圧縮室351が構成され、内側作動室232に複数個の圧縮室352が構成される。 各クレイドル33は、ロータ26の回転に伴い、軸芯Oの軸方向前後及び両揺動端でアウターブロック5及びインナーブロック7と摺接するため、圧縮室351、352の気密性が維持される。 特に、各クレイドル33はロータ26の回転に基づく遠心力によって外側に押し付けられ、外側作動室231が形成する圧縮室351は高い気密性が維持される。 このため、圧縮室351、352はロータ26の回転によって容積変化を生じる。 この際、ロータ26は各クレイドル33の第1封止面33dが前方になるように回転することから、圧縮室351、352の圧縮反力の殆どは第1封止面33d経由でロータ26で支えられることとなり、クレイドル33の挙動が安定する。

    そして、圧縮室351は容積が拡大する際に吸入口5aから冷媒ガスの吸入を行い、圧縮室352は容積が拡大する際に吸入口7bから冷媒ガスの吸入を行う。 また、圧縮室351は容積が縮小する際に吐出口5bから冷媒ガスの吐出を行い、圧縮室352は容積が縮小する際に吐出口7cから冷媒ガスの吐出を行う。 こうして車室の空調が行われる。

    より詳細には、図3の状態で形成される圧縮室351、352を図7(A)に示し、図4の状態で形成される圧縮室351、352を図7(B)に示し、図5の状態で形成される圧縮室351、352を図7(C)に示し、図6の状態で形成される圧縮室351、352を図7(D)に示す。 例えば、図7(A)において、外側作動室231によって構成される圧縮室351のうち、圧縮室C1に着目すれば、圧縮室C1は、駆動軸19の回転によって図7(B)では容積を拡大し、この際に冷媒を吸入する。 そして、圧縮室C1は図7(C)で冷媒の吸入を終了し、図7(D)では圧縮室C1として容積を縮小し始め、冷媒を吐出する。 また、図7(A)において、内側作動室232によって構成される圧縮室352のうち、圧縮室C2に着目すれば、圧縮室C2は、駆動軸19の回転によって図7(B)では容積を拡大し、この際に冷媒を吸入する。 そして、圧縮室C3は図7(C)で容積を縮小し始め、図7(D)で冷媒を吐出する。

    また、この圧縮機は、ロータ26の回転動作によって圧縮室351、352が容積変化を生じることから、振動を生じ難く、さほど多くの部品点数を要しない。 さらに、この圧縮機では、クレイドル33に摩擦力がかかっても、その形状から破壊や変形が発生しにくい。 特に、この圧縮機では、各クレイドル33の第1封止面33dが枢軸Pを中心とした円筒面で形成されているため、圧縮室351、352内の高圧を枢軸Pが好適に受承し、各クレイドル33が好適に揺動し易い。 また、各クレイドル33は、中空部33fを有して軽量であるため、好適に揺動し易い。 このため、この圧縮機は動力損失等の点で優れた効果を発揮する。 また、ロータ26の占有率が小さく、ロータ26の外周側の圧縮室351だけでなく、内周側にも圧縮室352を形成することができ、全体の容積当たりの排気量の点でも優れた効果を発揮する。

    さらに、この圧縮機では、スクロール型圧縮機のような渦巻状の溝の加工が不要である。 また、この圧縮機では、スクロールのように形状が複雑ゆえに低強度となる部品が存在せず、軸方向の長さを長くして排気量を大きくする場合、ハウジング、ロータ26及び各クレイドル33の肉厚を管理するだけでそれを行うことが可能であり、小型化及び小重量化を実現し易い。

    また、この圧縮機では、クレイドル窓29及びクレイドル33が複数個であるため、動力損失を小さくすることができるとともに、脈動を低減することができる。 また、アウターブロック5及びインナーブロック7に吸入口5a、7b及び吐出口5b、7cを形成しており、全体の軽量化を実現することができる。

    したがって、この圧縮機は、新規な容積形圧縮機として、従来の容積形圧縮機の種々の問題を解決することができる。

    (実施例2)
    実施例2の圧縮機は図10に示すクレイドル43を採用している。 各クレイドル43は、略三角柱形状をした一体品のクレイドル本体44と、クレイドル本体44に設けられた外側シールピン45と、クレイドル本体44に設けられた内側シールピン46とからなる。

    各クレイドル本体44の軸方向の両端にはピン43a、43bが突設されている。 このため、各クレイドル43は、各クレイドル窓29内で枢軸P回りに揺動可能になっている。 各クレイドル43は軸芯O方向に長い中空部43fを有している。

    各外側シールピン45はロータ室内向面23aを区画するアウターブロック5の材料とは異なる材料、例えば樹脂によって形成されている。 各外側シールピン45は、ロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで延びる円柱状に形成されている。 各外側シールピン45は、外周面の半分をやや超えた部分がクレイドル本体44によって覆われており、クレイドル本体44から露出する外周面が外側当接面45aとされている。 このため、各外側シールピン45はクレイドル本体44に軸芯O及び枢軸Pと平行な外側回動軸Q1回りに回動可能になっている。 各外側シールピン45の回動範囲には制限がない。

    各内側シールピン46はロータ室外向面23bを区画するインナーブロック7の材料とは異なる材料、例えば樹脂によって形成されている。 各内側シールピン46は、ロータ室前端面23cからロータ室後端面23dまで延びる柱状に形成されているが、その周面の一部には径外方向に突出したリップ46aが形成されている。 また、内側シールピン46は、その周面の一部には径内方向に凹んだ凹部46cが形成されている。 各内側シールピン46は、リップ46aを露出しながら、外周面の半分をやや超えた部分がクレイドル本体44によって覆われており、リップ46aの外面が内側当接面46bとされている。 このため、各内側シールピン46はクレイドル本体44に軸芯O及び枢軸Pと平行な内側回動軸Q2回りに回動可能になっている。 但し、各内側シールピン46の回動範囲は、凹部46cによって制限されている。 他の構成は実施例1と同様である。

    この圧縮機においても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。 また、この圧縮機では、各クレイドル43がクレイドル本体44、外側シールピン45及び内側シールピン46からなることから、外側シールピン45及び内側シールピン46がクレイドル本体44と別体であり、クレイドル43やハウジングの製造時の寸法のばらつきに対して、最適な径の外側シールピン45や内側シールピン46を組み合わせられるので、外側シールピン45の外側当接面45aがロータ室内向面23aと好適に内接し、内側シールピン46の内側当接面46bがロータ室外向面23bと好適に外接するように構成し易い。

    また、この圧縮機では、各外側シールピン45がクレイドル本体44に対して外側回動軸Q1回りに回動することから、外側シールピン45の外側当接面45aがロータ室内向面23aを好適に転動する。 また、各クレイドル43は、ロータ26の回転に基づく遠心力によって外側当接面45aをロータ室内向面23aに押し付けることから、外側当接面45aとロータ室内向面23aとは好適に封止される。

    一方、内側シールピン46がクレイドル本体44に対して内側回動軸Q2回りに回動することから、内側シールピン46の内側当接面45bがロータ室外向面23bを好適に転動する。 また、内側シールピン46にリップ46aが形成され、リップ46aがロータ26の回転方向における前後の圧縮室351、352の差圧によって外側に湾曲するため、リップ46aがロータ室外向面23bに確実に当接する。

    このため、この圧縮機では、圧縮室351、352の気密性が高まり、圧縮効率が向上する。

    また、この圧縮機では、各外側シールピン45がアウターブロック5とは異なる材料によって形成されていることから、外側当接面45aとロータ室内向面23aとの焼き付きを防止する。 また、各内側シールピン46がインナーブロック7とは異なる材料によって形成されていることから、内側当接面46bとロータ室外向面23bとの焼き付きを防止する。 このため、この圧縮機では、高い耐久性を発揮することができる。

    (実施例3)
    実施例3の圧縮機は図11に示すクレイドル53を採用している。 各クレイドル53は、略三角柱形状をした一体品のクレイドル本体54と、クレイドル本体54に設けられた外側シールピン55と、クレイドル本体54に設けられた内側シールピン56とからなる。

    各クレイドル本体54の軸方向の両端にはピン53a、53bが突設されている。 このため、各クレイドル53は、各クレイドル窓29内で枢軸P回りに揺動可能になっている。 各クレイドル53は軸芯O方向に長い中空部53fを有している。

    各外側シールピン55はロータ室内向面23aを区画するアウターブロック5の材料とは異なる材料、例えば樹脂によって形成されている。 各外側シールピン55の構成は実施例2と同様である。

    各内側シールピン56はロータ室外向面23bを区画するインナーブロック7の材料とは異なる材料、例えば樹脂によって形成されている。 各内側シールピン56は、外周面の半分をやや超えた部分がクレイドル本体54によって覆われており、クレイドル本体54から露出する外周面が内側当接面56bとされている。 このため、各内側シールピン56はクレイドル本体54に軸芯O及び枢軸Pと平行な内側回動軸Q2回りに回動可能になっている。 各内側シールピン56の回動範囲には制限がない。

    クレイドル本体54にはバネ室54aが形成されており、バネ室54aには外側シールピン55と内側シールピン56とを互いに離れる方向に付勢するコイルバネ57が収納されている。 他の構成は実施例1と同様である。

    この圧縮機においても、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。 また、この圧縮機では、各クレイドル53において、外側シールピン55と内側シールピン56とが互いに離れる方向に付勢されているため、外側シールピン55の外側当接面55aがロータ室内向面23aと好適に内接し、内側シールピン56の内側当接面56bがロータ室外向面23bと好適に外接する。 このため、この圧縮機においては、圧縮室351、352の気密性がより高まり、圧縮効率が向上する。

    以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。 また、本発明は駆動源として電動機を採用することにより、時間あたりの吐出量を電子的に制御することもできる。

    本発明は車両の空調装置等に利用可能である。

    1、3、5、7、9、11…ハウジング(1…フロントハウジング、3…シェル、5…アウターブロック、7…インナーブロック、9…フロントサイドプレート、11…リヤサイドプレート)
    5a、7b…吸入口 5b、7c…吐出口 19…駆動軸 23…ロータ室 23a…ロータ室内向面 23b…ロータ室外向面 23c…ロータ室前端面 23d…ロータ室後端面 231…外側作動室 232…内側作動室 26…ロータ 28a…ロータ外周面 28b…ロータ内周面 29…クレイドル窓 29a…一端 29b…他端 33、43、53…クレイドル 33b、45a、55a…外側当接面 33c、46b、56b…内側当接面 351、352…圧縮室 33d…第1封止面 33e…第2封止面 44…クレイドル本体 45、55…外側シールピン 46、56…内側シールピン 46a…リップ 57…コイルバネ O…軸芯 P…枢軸 Q1…外側回動軸 Q2…内側回動軸

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